以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。以下では、本発明の実施形態に係る決済システムを電子商取引システムにおいて実現した場合の例について説明する。なお、電子商取引システムによって提供される電子商取引サイトは、複数の店舗が出店する仮想商店街であってもよいし、一つの店舗によるものであってもよい。
[1.第1実施形態]まず、本発明の第1実施形態について説明する。
[1−1.全体構成]図1は、第1実施形態に係る電子商取引システム1の全体構成の一例を示す。図1に示すように、電子商取引システム1は電子商取引サーバ10、データベース15、ユーザ端末20、及び決済サーバ4A,4Bを含む。電子商取引サーバ10、ユーザ端末20、及び決済サーバ4A,4Bは、インターネット等を含んで構成されるネットワーク2に接続されている。電子商取引サーバ10とユーザ端末20との間で相互にデータ通信が可能であり、電子商取引サーバ10と決済サーバ4A,4Bとの間でも相互にデータ通信が可能である。
電子商取引サーバ10は電子商取引サイトのポータルとして機能するサーバである。図1に示すように、電子商取引サーバ10は制御部11、記憶部12、通信部13、及び光ディスクドライブ部14を含む。
制御部11は1又は複数のマイクロプロセッサを含み、記憶部12に記憶されたプログラムに従って情報処理を実行する。記憶部12は主記憶部(例えばRAM等)及び補助記憶部(例えばROM、ハードディスクドライブ、又はソリッドステートドライブ等)を含み、制御部11によって実行されるプログラムを記憶する。記憶部12は制御部11のワークメモリとしても動作する。通信部13はネットワーク2を介して通信を行うためのものである。光ディスクドライブ部14は、光ディスク(情報記憶媒体)に記録されたプログラム又はデータを読み出すためのものである。光ディスクに記憶されたプログラム及びデータが光ディスクドライブ部14によって読み出され、記憶部12に記憶される。
電子商取引サーバ10は、光ディスク以外の情報記憶媒体(例えばメモリカード)に記憶されたプログラム又はデータを読み出すための構成要素(例えばメモリカードスロット部)を含んでもよい。そして、光ディスク以外の情報記憶媒体を介してプログラム及びデータが記憶部12に供給されてもよい。プログラム及びデータはネットワーク2を介して記憶部12に供給されてもよい。
電子商取引サーバ10はデータベース15(記憶装置)にアクセス可能である。データベース15は電子商取引サーバ10とは別のサーバ内に含まれてもよいし、電子商取引サーバ10内に含まれてもよい。
ユーザ端末20はユーザによって使用される情報処理装置である。例えば、ユーザ端末20は携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、又はデスクトップ型コンピュータ等である。
図1に示すように、ユーザ端末20は制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、表示部25、及び音声出力部26を含む。制御部21、記憶部22、及び通信部23は電子商取引サーバ10の制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様である。
操作部24はユーザが操作を行うためのものである。表示部25は例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21の指示に従って各種画面を表示する。図1では操作部24と表示部25とが別個に示されているが、操作部24と表示部25とはいわゆるタッチパネルとして一体的に構成されてもよい。この場合、ユーザは指又はタッチペン等でタッチパネルに接触することによって各種操作を行うことができる。操作部24と表示部25とをタッチパネルとして一体的に構成することは必須ではなく、操作部24は、例えばボタン、キー、レバー(スティック)、タッチパッド、又はマウス等のような、表示部25とは別個に設けられる操作子であってもよい。音声出力部26は例えばスピーカー又はヘッドホン等であり、制御部21の指示に従って各種音声を出力する。
プログラム及びデータはネットワーク2を介して記憶部22に供給される。なお、ユーザ端末20は、情報記憶媒体(例えば光ディスク又はメモリカード等)に記憶されたプログラム又はデータを読み出すための構成要素(例えば光ディスクドライブ部又はメモリカードスロット部等)を含んでもよい。そして、情報記憶媒体(例えばメモリカード)を介してプログラムやデータが記憶部22に供給されてもよい。
例えば、電子商取引サーバ10ではデーモンプログラム(例えばHTTPデーモン)が実行される。ユーザ端末20ではプログラム(例えばウェブブラウザ)が起動され、処理要求(例えばHTTPリクエスト)が電子商取引サーバ10に送信される。この場合、処理要求に応じて処理結果(例えばHTTPレスポンス)が電子商取引サーバ10からユーザ端末20に送信される。例えば、ページ記述言語で記述されたデータがユーザ端末20に送信される。そして、このデータに基づいて、処理結果に基づく画面がユーザ端末20の表示部25に表示される。
電子商取引サイトでは複数の決済手段を利用可能である。電子商取引サイトで利用可能な決済手段は例えばクレジットカード、電子マネー、及びポイント等である。すなわち、電子商取引サイトでは、利用履歴や残高がネットワーク2上の記憶装置又はICカードに記録されているような決済手段を利用できる。また、電子商取引サイトでは、企業によって発行されるポイントのような、換金不可の決済手段であって、かつ、商品のキャンセル又は返品時には、商品購入時に利用された決済手段を当該決済手段のままで返却することが可能な決済手段を利用できる。
決済サーバ4A,4Bはそれぞれ決済手段A,Bを提供する決済サーバである。決済サーバ4Aは決済手段Aでの決済に関する情報(残高又は月ごとの利用限度額等)を電子商取引サーバ10に提供したり、電子商取引サーバ10からの決済要求に応じて決済手段Aでの決済処理を実行したりする。同様に、決済サーバ4Bは決済手段Bでの決済に関する情報(残高又は月ごとの利用限度額等)を電子商取引サーバ10に提供したり、電子商取引サーバ10からの決済要求に応じて決済手段Bでの決済処理を実行したりする。図1では2つの決済サーバ4A,4Bのみが示されているが、電子商取引システム1には3つ以上の決済サーバが含まれてもよい。
[1−2.機能概要]電子商取引サイトを利用する場合、ユーザはユーザ端末20を用いて電子商取引サーバ10にアクセスする。ユーザは商品を検索することによって所望の商品を探し、所望の商品を購入対象として選択する(例えば所望の商品を仮想的なカートに入れる)。
図2は、ユーザが購入対象として選択した商品を購入するための購入画面の一例を示す。購入画面30のリスト領域31には購入商品のリストが表示される。図2では、商品X,Y,Zが購入商品である場合を想定している。このため、リスト領域31には商品X〜Zの情報が表示されている。
具体的には、商品X〜Zの名称、単価、個数、及び小計がリスト領域31に表示されている。リスト領域31は商品Xの購入個数を入力するためのフォーム32Xを含む。商品Xの購入個数が変更されると、商品Xの小計が更新され、購入画面30の上部に表示される商品合計額や総額も更新される。また、リスト領域31は商品Y,Zの個数をそれぞれ入力するためのフォーム32Y,32Zを含む。
また、商品X〜Zの各々の支払方法がリスト領域31に表示される。図2では、商品代金の支払いに決済手段A,B,Cを利用可能な場合を想定している。例えば、決済手段A,Bは決済サーバ4A,4Bによってそれぞれ提供される決済手段(例えばクレジットカード、電子マネー、又はポイント等)である。また、決済手段Cは電子商取引サーバ10(電子商取引サイト)によって提供される決済手段である。電子商取引サイトでは、商品購入の決済金額に応じてユーザにポイントが付与され、ユーザは獲得したポイントを次回以降の商品購入時に代金の支払いに利用できるようになっており、このようなポイントが決済手段Cの一例に相当する。なお、決済手段Cは、電子商取引サーバ10によって提供されるポイントでなくてもよく、決済サーバ4A,4Bとは別の決済サーバによって提供される決済手段であってもよい。また、4つ以上の決済手段を商品代金の支払いに利用できるようにしてもよい。
リスト領域31は、商品Xの代金(1000円)に対する決済手段A〜Cの各々の決済金額を入力するためのフォーム33AX,33BX,33CXを含む。ユーザはフォーム33AX,33BX,33CXの各々に金額を入力することによって、商品Xの代金(1000円)に対して決済手段A〜Cの各々で決済する金額を指定できる。なお、フォーム33AX,33BX,33CXに金額が入力されたり、フォーム33AX,33BX,33CXに入力された金額が変更されたりすると、それらの合計金額(フォーム33CYの下に表示される合計金額)や後述の商品Xに関する獲得ポイントが更新される。
同様に、リスト領域31は、商品Yの代金(600円)に対する決済手段A〜Cの各々の決済金額を入力するためのフォーム33AY,33BY,33CYを含む。ユーザはフォーム33AY,33BY,33CYの各々に金額を入力することによって、商品Yの代金(600円)に対して決済手段A,B,Cの各々で決済する金額を指定できる。
また、リスト領域31は、商品Zの代金(400円)に対する決済手段A〜Cの各々の決済金額を入力するためのフォーム33AZ,33BZ,33CZを含む。ユーザはフォーム33AZ,33BZ,33CZの各々に金額を入力することによって、商品Zの代金(400円)に対して決済手段A,B,Cの各々で決済する金額を指定できる。
なお、購入画面30の領域34は決済手段A〜Cの各々に関する情報(例えば残高又は月ごとの利用限度額等)を示す。ユーザは領域34を参照しながら、決済手段Aの残高又は利用限度額の範囲内でフォーム33AX,33AY,33AZに金額を入力する。同様に、ユーザは領域34を参照しながら、決済手段Bの残高又は利用限度額の範囲内でフォーム33BX,33BY,33BZに金額を入力したり、決済手段Cの残高又は利用限度額の範囲内でフォーム33CX,33CY,33CZに金額を入力したりする。
さらに、商品X〜Zの各々に関する獲得ポイントがリスト領域31に表示される。商品Xに関する獲得ポイントとは、商品Xの購入に応じてユーザに付与されるポイント(商品Xの購入に応じてユーザが獲得可能なポイント)を示す。同様に、商品Yに関する獲得ポイントとは、商品Yの購入に応じてユーザに付与されるポイントを示し、商品Zに関する獲得ポイントとは、商品Zの購入に応じてユーザに付与されるポイントを示す。
例えば、電子商取引サイトでは決済金額100円ごとに1ポイントがユーザに付与され、ユーザは次回以降の商品購入時の支払いにポイントを1ポイント=1円で利用できる。
なお、電子商取引サイトでは、商品購入時にユーザに付与されるポイントが通常よりも多くなる販売促進キャンペーンが実施される場合がある。購入画面30には、現在実施されている販売促進キャンペーンに関する情報が表示される。図2では、商品購入時に付与されるポイントが通常の2倍になる販売促進キャンペーンである「ポイント2倍キャンペーン」を実施中であり、商品Xが「ポイント2倍キャンペーン」の対象になっている場合を想定している。このため、図2では、商品Xが「ポイント2倍キャンペーン」の対象になっていることが示されている。
販売促進キャンペーンは「ポイント2倍キャンペーン」に限られない。例えば、商品の購入個数を条件として通常よりも多くのポイントが付与される販売促進キャンペーン(例えば、商品をn個以上購入すると通常よりも多くのポイントが付与される販売促進キャンペーン)や、特定の決済手段の決済金額を条件として通常よりも多くのポイントが付与される販売促進キャンペーン(例えば、特定の決済手段の決済金額がn円以上になると通常よりも多くのポイントが付与される販売促進キャンペーン)等がある。
また、電子商取引サイトでは、特定の決済手段の決済金額がポイント付与の対象から除外される場合がある。図2では、決済手段Cの決済金額がポイント付与の対象から除外される場合を想定している。
図2に示す例では、商品Xの代金1000円に対する決済手段A〜Cの決済金額がそれぞれ「800円」、「200円」、「0円」に設定されている。この場合の商品Xに関する獲得ポイントは通常「10ポイント」であるが、商品Xは「ポイント2倍キャンペーン」の対象であるため、図2に示す例では商品Xに関する獲得ポイントが「20ポイント」になっている。なお、決済手段A〜Cの各々の決済金額が変更された場合には、実施中の販売促進キャンペーンも考慮して、獲得ポイントがリアルタイムに更新される。
また図2に示す例では、商品Yの代金600円に対する決済手段A〜Cの決済金額がそれぞれ「500円」、「0円」、「100円」に設定されている。決済手段Cの決済金額「100円」はポイント付与の対象から除外され、決済手段Aの決済金額「500円」のみがポイント付与の対象となるため、図2に示す例では商品Yに関する獲得ポイントが「5ポイント」になっている。
購入画面30は配送方法、注文者情報、及び送付先をそれぞれ示す領域35,36,37を含む。また、購入画面30は購入ボタン38を含む。購入ボタン38が選択された場合、購入画面30で入力された情報に基づいて購入処理(決済処理)が実行される。なお、購入画面30で入力された情報を最終確認するための画面を表示し、ユーザによる最終確認が行われた後に購入処理が実行されるようにしてもよい。
以上のようにして購入処理(決済処理)が実行された後、今回の取引内容がデータベース15に登録される。図3〜図5はデータベース15に記憶されるデータの一例を示す。
図3はユーザテーブルの一例を示す。ユーザテーブルは電子商取引サイトを利用するユーザのリストを示す。図3に示すユーザテーブルは「ユーザID」、「氏名」、「住所」、「メールアドレス」、「決済手段A」、「決済手段B」、及び「決済手段C」フィールドを含む。
「ユーザID」フィールドは、電子商取引サイトを利用する各ユーザを一意に識別する識別情報を示す。「氏名」、「住所」、及び「メールアドレス」フィールドは、ユーザの氏名、住所、及びメールアドレスを示す。「決済手段A」フィールドには、ユーザが決済手段Aを利用する際に必要な情報が登録される。例えば、決済サーバAにおけるユーザのユーザ認証情報等が「決済手段A」フィールドに登録される。同様に、「決済手段B」フィールドには、ユーザが決済手段Bを利用する際に必要な情報が登録される。例えば、決済サーバBにおけるユーザのユーザ認証情報等が「決済手段B」フィールドに登録される。また、「決済手段C」フィールドには、ユーザが決済手段Cを利用する際に必要な情報が登録される。例えば、決済手段Cが電子商取引サーバ10によって提供されるポイントである場合には、ユーザのポイント残高等が「決済手段C」フィールドに登録される。
図4は取引履歴テーブルの一例を示す。取引履歴テーブルは電子商取引システム1で行われた取引の履歴を示す。図4に示す取引履歴テーブルは「取引No」、「購入ユーザ」、「購入日時」、「商品合計」、「送料」、「総額」、「配送方法」、及び「送付先」フィールドを含む。
「取引No」フィールドは各取引を一意に識別する識別情報を示す。なお、図3に示された取引No「1」は図2に示された商品購入(商品X〜Zの購入)に対応する。また、「購入ユーザ」フィールドは商品購入を行ったユーザを示す。商品購入を行ったユーザのユーザIDが「購入ユーザ」フィールドに登録される。「商品合計」、「送料」、及び「総額」フィールドは、それぞれ、購入商品の代金の合計金額、送料、及びそれらの合計金額を示す。「配送方法」及び「送付先」フィールドは購入商品の配送方法及び送付先を示す。
図5は内訳テーブルの一例を示す。内訳テーブルは各取引で購入された商品の内訳を示す。図5に示す内訳テーブルは「取引No」、「商品ID」、「単価」、「個数」、「小計」、「決済手段A」、「決済手段B」、「決済手段C」、「獲得ポイント」、及び「状況フラグ」フィールドを含む。
「取引No」フィールドは各取引の取引Noを示す。「商品ID」フィールドは各取引で購入された商品の商品IDを示す。商品IDは、電子商取引サイトで販売されている各商品を一意に識別する識別情報である。図4に示された商品ID「A1」,「A2」,「A3」は、図2に示された商品X,商品Y,商品Zにそれぞれ対応する。データベース15には、電子商取引サイトで販売されている商品のリストを示す商品テーブルも記憶されるが、ここでは説明を省略する。
「単価」、「個数」、及び「小計」フィールドは、取引で購入された商品の単価、個数、小計(単価*個数)を示す。「決済手段A」フィールドは決済手段Aでの決済金額を示す。「決済手段B」フィールドは決済手段Bでの決済金額を示す。「決済手段C」フィールドは決済手段Cでの決済金額を示す。「獲得ポイント」フィールドは商品購入によってユーザが獲得したポイントを示す。
「状況フラグ」フィールドは商品の状況(未発送、発送済み、キャンセル、又は返品等)を示す。例えば、値「0」〜「2」が「状況フラグ」フィールドに登録される。値「0」は商品が未発送であることを示す。値「1」は商品が発送済みであることを示す。値「2」は、商品の発送前に商品(商品の購入)がユーザによってキャンセルされたこと、又は、商品発送後にユーザから商品が返品されたことを示す。すなわち、商品が購入された場合に「状況フラグ」フィールドは「0」に設定され、商品が発送されると、「状況フラグ」フィールドが「1」に更新される。また、ユーザは商品の発送前に商品(商品の購入)をキャンセルしたり、配送された商品を返品したりできる場合があり、商品のキャンセル要求又は返品要求をユーザから受け付けた場合に「状況フラグ」フィールドは「2」に更新される。
商品をキャンセルする場合、ユーザは商品をキャンセルするための画面で所定の手続きを行う。この場合、キャンセル要求がユーザ端末20から電子商取引サーバ10に送信され、当該キャンセル要求が電子商取引サーバ10によって受け付けられる。なお、電子商取引サイトの担当者がユーザからキャンセル要求を電話等で受け付けるようにしてもよい。この場合、ユーザからキャンセル要求を受け付けたことが担当者によって電子商取引サーバ10に入力され、キャンセル要求が電子商取引サーバ10によって受け付けられることになる。
また、商品を返品する場合、ユーザは商品を返品するための画面で所定の手続きを行い(又は商品を返品したい旨を電子商取引サイトの担当者に電話で伝え)、その後、商品を返送する。例えば、電子商取引サイトの担当者がユーザから返送されてきた商品を受け取った場合にその旨が担当者によって電子商取引サーバ10に入力され、返品要求が電子商取引サーバ10によって受け付けられることになる。
以上のように、電子商取引システム1では、決済手段A〜Cの各々の決済金額が個々の購入対象商品ごとに記憶される(図5参照)。このため、決済手段A〜Cがどのように利用されたのかを個々の購入商品ごとに把握できる。
例えば図2に示した例において、商品X〜Zの購入処理が実行された後に商品Yがキャンセル又は返品された場合であっても、決済手段A〜Cが商品Yの購入にどのように利用されたのかを把握できるため、返金処理を適切かつ容易に行うことができる。すなわち、図2に示した例では、決済手段A,Cが商品Yの購入に利用されているため、決済手段A,Cの各々について、その決済手段に応じた返金処理が実行される。例えば、決済手段Aがクレジットカードである場合、クレジットカード会社を通じてユーザへの返金が実行される。ユーザの銀行口座からクレジットカード会社への引き落としがすでに実行されていれば、ユーザの銀行口座への返金が実行される。一方、上記引き落としが実行される前であれば、当該引き落としが取り消される。また例えば、決済手段Cがポイントである場合、商品Yの支払いに利用されたポイントがユーザに返却される。このようにして、商品Yの購入に利用された決済手段によってユーザへの返金が行われる。
また電子商取引システム1では、ユーザは複数の決済手段A〜Cの各々の決済金額を個々の購入対象商品ごとに指定できる。例えば図2に示した例では、商品Xが「ポイント2倍キャンペーン」の対象になっている。決済手段Cの決済金額はポイント付与の対象から除外されるため、決済手段Cを利用するのであれば、商品Xの支払いに利用するよりも商品Y,Zの支払いに利用した方がユーザの獲得ポイントは多くなる。この点、電子商取引システム1によれば、ユーザはこのような点も考慮して決済手段A〜Cの各々の決済金額を個々の購入対象商品ごとに指定できる。
[1−3.機能ブロック]以上に説明した機能を実現するための構成について説明する。図6は、第1実施形態に係る電子商取引システム1で実現される機能ブロックを示す機能ブロック図である。
図6に示すように、電子商取引システム1は、決済金額指定受付部40(受付手段)、決済金額情報取得部41(取得手段)、決済金額情報保存部42(保存手段)、決済金額情報記憶部43(記憶手段)、キャンセル/返品要求受付部44、決済手段特定部45(特定手段)、及び返金処理実行部46(返金処理実行手段)を含む。なお、決済金額指定受付部40、決済金額情報取得部41は商品の購入時に関する機能ブロックであり、キャンセル/返品要求受付部44、決済手段特定部45、返金処理実行部46は購入商品のキャンセル又は返品時に関する機能ブロックである。例えば、決済金額情報記憶部43はデータベース15によって実現され、決済金額指定受付部40はユーザ端末20の制御部21によって実現され、決済金額情報取得部41、決済金額情報保存部42、キャンセル/返品要求受付部44、決済手段特定部45、及び返金処理実行部46は電子商取引サーバ10の制御部11によって実現される。
[1−3−1]決済金額指定受付部40は、購入対象商品ごとに、複数の決済手段の各々で決済する金額の指定をユーザから受け付ける。
図2に示した例の場合、決済金額指定受付部40は、フォーム33AX,33BX,33CXへの金額入力を受け付けることによって、商品Xに対して決済手段A〜Cの各々で決済する金額の指定を受け付ける。同様に、決済金額指定受付部40は、フォーム33AY,33BY,33CYへの金額入力を受け付けることによって、商品Yに対して決済手段A〜Cの各々で決済する金額の指定を受け付ける。また、決済金額指定受付部40は、フォーム33AZ,33BZ,33CZへの金額入力を受け付けることによって、商品Zに対して決済手段A〜Cの各々で決済する金額の指定を受け付ける。
[1−3−2]決済金額情報取得部41は、商品購入の決済に複数の決済手段が利用された場合に、個々の購入商品ごとに、複数の決済手段の各々によって決済された金額に関する決済金額情報を取得する。
図2に示した例の場合、決済金額情報取得部41は、商品Xの決済金額情報として、フォーム33AX,33BX,33CXに入力された金額を示す情報を取得する。なお、決済金額情報取得部41は、フォーム33AX,33BX,33CXに入力された金額自体を示す情報(例えば、決済手段A:800円、決済手段B:200円、決済手段C:0円)を商品Xの決済金額情報として取得するようにしてもよいし、商品Xの小計金額のうちの、フォーム33AX,33BX,33CXに入力された金額の各々の割合を示す情報(例えば、小計金額:1000円、決済手段A:80%、決済手段B:20%、決済手段C:0%)を商品Xの決済金額情報として取得するようにしてもよい。
同様に、決済金額情報取得部41は、商品Yの決済金額情報として、フォーム33AY,33BY,33CYに入力された金額を示す情報を取得する。また、決済金額情報取得部41は、商品Zの決済金額情報として、フォーム33AZ,33BZ,33CZに入力された金額を示す情報を取得する。
[1−3−3]決済金額情報保存部42は、購入商品ごとに決済金額情報を決済金額情報記憶部43に記憶させる。
例えば、決済金額情報記憶部43は図4,5に示した取引履歴テーブルや内訳テーブルを記憶する。決済金額情報保存部42は取引内容を取引履歴テーブルや内訳テーブルに登録する。図2に示した例の場合、決済金額情報保存部42は、商品Xの決済金額情報、商品Yの決済金額情報、及び商品Zの決済金額情報をそれぞれ内訳テーブルに登録する。図5に示した内訳テーブルの場合、「決済手段A」、「決済手段B」、及び「決済手段C」フィールドに登録される情報が決済金額情報の一例に相当する。
[1−3−4]キャンセル/返品要求受付部44は、購入商品のキャンセル要求又は返品要求を受け付ける。
決済手段特定部45は、購入商品のキャンセル又は返品を要求された場合に、当該購入商品の決済金額情報に基づいて、当該購入商品の購入に利用された決済手段を特定する。
返金処理実行部46は、決済手段特定部45によって特定された決済手段に基づいて、ユーザへ返金するための返金処理を実行する。すなわち、返金処理実行部46は、決済手段特定部45によって特定された各決済手段について、当該決済手段を利用して支払われた金額をユーザに返金するための返金処理を実行する。ここで、「返金処理」とは、ユーザへの返金そのものを行う処理であってもよいし、決済手段を提供する決済サーバに対してユーザへの返金を要求する処理であってもよい。
ここで、図2に示した商品X〜Zのうちの商品Yがキャンセル(又は返品)の対象である場合を想定する。この場合、決済手段特定部45は図4,5に示した取引履歴テーブルや内訳テーブルを参照することによって、商品Yの決済金額情報を取得する。具体的には、決済手段特定部45は、内訳テーブルから、取引Noが「1」であり、かつ、商品IDが「A2」であるレコードの「決済手段A」、「決済手段B」、及び「決済手段C」フィールドに登録された情報を取得する。そして、取得された決済金額情報に基づいて、決済手段特定部45は、商品Yの購入に利用された決済手段(決済手段A,C)や、各決済手段による決済金額(500円,100円)を特定する。
この場合、決済手段Aは決済サーバ4Aによって提供される決済手段であるため、返金処理実行部46は、決済サーバ4Aに対して、決済手段Aの決済金額である500円をユーザに返金することを要求する。一方、決済手段Cは電子商取引サーバ10によって提供される決済手段であるため、返金処理実行部46は、決済手段Cの決済金額である200円をユーザに返金する処理を実行する。決済手段Cがポイントであれば、返金処理実行部46は、200円に相当するポイント(例えば200ポイント)をユーザに返却する処理を実行する。
[1−4.処理]次に、電子商取引システム1で実行される処理について説明する。
[1−4−1]図7は、購入画面30の購入ボタン38が選択された場合に実行される処理の一例を示す。電子商取引サーバ10の制御部11がプログラムに従って図7に示す処理を実行することによって、制御部11が決済金額情報取得部41及び決済金額情報保存部42として機能する。
図7に示すように、まず、ユーザ端末20の制御部21は通信部23を介して購入処理の実行要求を電子商取引サーバ10に送信する(S101)。例えば、購入者であるユーザのユーザIDとともに、購入画面30で表示・入力された情報が電子商取引サーバ10に送信される。
購入処理の実行要求が電子商取引サーバ10で受信された場合、電子商取引サーバ10の制御部11は購入処理を実行する(S102)。
例えば、制御部11は購入商品をユーザ宛に発送するための処理を実行する。また、制御部11は決済手段A〜Cの各々の決済金額情報に基づいて決済処理を実行する。具体的には、制御部11は、ユーザ(購入者)の決済サーバ4Aにおけるユーザ認証情報を送信し、決済手段Aの決済金額情報(フォーム33AX,33AY,33AZへの入力金額)に応じた決済処理を決済サーバ4Aに要求する。また、制御部11は、ユーザの決済サーバ4Bにおけるユーザ認証情報を送信し、決済手段Bの決済金額情報(フォーム33BX,33BY,33BZへの入力金額)に応じた決済処理を決済サーバ4Bに要求する。また、決済手段Cが電子商取引サイトでユーザに付与されたポイントであれば、制御部11は決済手段Cの決済金額情報(フォーム33CX,33CY,33CZへの入力金額)に応じてユーザのポイント残高を減少させる。
ステップS102の実行後、制御部11は取引履歴を登録する(S103)。ここでは、図2に示した例を想定してステップS103の処理について説明する。
例えば、制御部11は取引履歴テーブルに新たなレコードを追加し、既存の取引Noと重複しないようにして付与される取引No、購入者であるユーザのユーザID、現在日時、商品合計金額、送料、総額、配送方法、送付先を、当該新たに追加されたレコードの各フィールドにそれぞれ登録する。
また、制御部11は内訳テーブルに新たなレコードを追加する。そして、制御部11は、上記取引No、商品Xの商品ID、単価、個数、小計、決済手段Aでの決済金額(フォーム33AXへの入力金額)、決済手段Bでの決済金額(フォーム33BXへの入力金額)、決済手段Cでの決済金額(フォーム33CXへの入力金額)、及び獲得ポイントを、当該新たに追加されたレコードの各フィールドにそれぞれ登録する。
さらに、制御部11は内訳テーブルに新たなレコードを追加する。そして、制御部11は、上記取引No、商品Yの商品ID、単価、個数、小計、決済手段Aでの決済金額(フォーム33AYへの入力金額)、決済手段Bでの決済金額(フォーム33BYへの入力金額)、決済手段Cでの決済金額(フォーム33CYへの入力金額)、及び獲得ポイントを、当該新たに追加されたレコードの各フィールドにそれぞれ登録する。
また、制御部11は内訳テーブルに新たなレコードを追加する。そして、制御部11は、上記取引No、商品Zの商品ID、単価、個数、小計、決済手段Aでの決済金額(フォーム33AZへの入力金額)、決済手段Bでの決済金額(フォーム33BZへの入力金額)、決済手段Cでの決済金額(フォーム33CZへの入力金額)、獲得ポイント、及び値「0」を、当該新たに追加されたレコードの各フィールドにそれぞれ登録する。
なお、制御部11は商品X〜Zの獲得ポイントをユーザのポイント残高に加算する。
ステップS103の実行後、制御部11は購入処理の完了画面のデータをユーザ端末20に送信する(S104)。当該データがユーザ端末20で受信された場合、ユーザ端末20の制御部21は完了画面を表示部25に表示する(S105)。
[1−4−2]図8は、購入商品のキャンセル要求(又は返品要求)を受け付けた場合に実行される処理の一例を示す。電子商取引サーバ10の制御部11がプログラムに従って図8に示す処理を実行することによって、制御部11が決済手段特定部45及び返金処理実行部46として機能する。
なお、ユーザ端末20から電子商取引サーバ10にキャンセル要求が送信される場合には、キャンセルの対象となる商品を識別するための情報として、取引No及び商品IDがユーザ端末20から電子商取引サーバ10に送信される。また、電子商取引サイトの担当者がユーザからキャンセル要求を電話等で受け付けた場合には、担当者によって、キャンセルの対象となる商品を識別するための情報として取引No及び商品IDが指定され、電子商取引サーバ10に提供される。同様に、電子商取引サイトの担当者がユーザから返送されてきた商品を受け取った場合にも、担当者によって、返品の対象となる商品を識別するための情報として取引No及び商品IDが指定され、電子商取引サーバ10に提供される。
図8に示すように、まず、電子商取引サーバ10の制御部11は、商品のキャンセル処理(又は返品処理)を実行する(S201)。具体的には、制御部11は内訳テーブルにアクセスし、キャンセル(又は返品)の対象の商品の「状況フラグ」フィールドの値を「2」に更新する。例えば、キャンセルの対象の商品の取引No及び商品IDが「1」及び「A2」である場合、制御部11は内訳テーブルにアクセスし、取引No及び商品IDが「1」及び「A2」であるレコードの「状況フラグ」フィールドの値を「2」に更新する。なお、商品のキャンセルの場合であれば、制御部11は商品の発送を中止するための処理も実行する。さらに、制御部11は、当該商品の購入に応じてユーザに付与されたポイントを取り消す。すなわち、制御部11は内訳テーブルにアクセスすることによって、キャンセルの対象の商品の「獲得ポイント」フィールドに登録されたポイント量を取得し、その後、ユーザテーブルにアクセスすることによって、「決済手段C」フィールドに登録されたユーザのポイント残高から、当該取得された量のポイントを減少させる。
また、制御部11は、キャンセル(又は返品)の対象の商品の決済金額情報を読み出す(S202)。具体的には、制御部11は内訳テーブルを参照し、取引No及び商品IDに基づいて、キャンセル(又は返品)の対象の商品の決済金額情報を読み出す。例えば、キャンセルの対象の商品の取引No及び商品IDが「1」及び「A2」である場合、制御部11は内訳テーブルを参照し、取引No及び商品IDが「1」及び「A2」であるレコードの「決済手段A」、「決済手段B」、及び「決済手段C」フィールドに登録された情報を読み出す。
その後、制御部11は返金処理を実行する(S203)。すなわち、制御部11は、ステップS202で読み出された決済金額情報に基づいて、キャンセル(又は返品)の対象の商品の購入に利用された決済手段と、各決済手段による決済金額とを特定する。そして、制御部11は、キャンセル(又は返品)の対象の商品の購入に利用された各決済手段について返金処理を実行する。例えば、決済サーバ4Aによって提供される決済手段Aがキャンセルの対象の商品の購入に利用されていた場合であれば、制御部11は、決済サーバ4Aに対して、決済手段Aの決済金額をユーザに返金することを要求する。また例えば、電子商取引サーバ10によって提供される決済手段C(ポイント)がキャンセルの対象の商品の購入に利用されていた場合であれば、制御部11は、決済金額に相当するポイントをユーザに返却する処理を実行する。例えば、制御部11は、ユーザテーブルの「決済手段C」フィールドに登録されたユーザのポイント残高を、決済金額に相当するポイント分だけ増加させる。
[1−5.まとめ]以上のように、電子商取引システム1では、複数の決済手段の各々の決済金額が個々の購入対象商品ごとに記憶される(図5参照)。このため、電子商取引システム1によれば、複数の決済手段がどのように利用されたのかを個々の購入商品ごとに把握できる。このため、例えば図2に示した例において、商品X〜Zの購入処理が実行された後に商品Yがキャンセル又は返品された場合であっても、決済手段A〜Cが商品Yの購入にどのように利用されたのかを把握できるため、返金処理を適切かつ容易に行うことができる。また、電子商取引システム1によれば、ユーザは複数の決済手段の各々の決済金額を個々の購入対象商品ごとに指定できる。
[2.第2実施形態]次に、第2実施形態について説明する。
[2−1.全体構成及び機能概要]第2実施形態に係る電子商取引システム1も第1実施形態と同様の全体構成を有する(図1参照)。また、第2実施形態に係る電子商取引システム1でも第1実施形態と同様の購入画面30がユーザ端末20の表示部25に表示される(図2参照)。
第2実施形態に係る電子商取引システム1では、購入画面30を表示する際に、商品X〜Zの各々ごとに、決済に利用すべき1又は複数の決済手段が決済手段A〜Cのうちから自動的に選択されてユーザに提案される。購入画面30を表示する際に、フォーム33AX,33BX,33CX,33AY,33BY,33CY,33AZ,33BZ,33CZに入力すべき金額が自動的に設定されて、これらのフォームの初期値として表示される。この点で第2実施形態は第1実施形態と異なる。以下、この相違点について説明する。
[2−2.機能ブロック]図9は、第2実施形態に係る電子商取引システム1で実現される機能ブロックを示す機能ブロック図である。図9に示すように、第2実施形態に係る電子商取引システム1は、選択規則情報記憶部50、選択部51(選択手段)、提案部52(提案手段)、決済金額指定受付部40(受付手段)、決済金額情報取得部41(取得手段)、決済金額情報保存部42(保存手段)、決済金額情報記憶部43(記憶手段)、キャンセル/返品要求受付部44、決済手段特定部45(特定手段)、及び返金処理実行部46(返金処理実行手段)を含む。なお、決済金額指定受付部40、決済金額情報取得部41、決済金額情報保存部42、決済金額情報記憶部43、キャンセル/返品要求受付部44、決済手段特定部45、及び返金処理実行部46は第1実施形態と同様であるため、ここではこれらの説明を省略し、選択規則情報記憶部50、選択部51、及び提案部52のみについて説明する。
例えば、選択規則情報記憶部50は記憶部12又はデータベース15によって実現され、選択部51及び提案部52は電子商取引サーバ10の制御部11によって実現される。
[2−2−1]選択規則情報記憶部50は選択規則情報を記憶する。選択規則情報は、商品購入に利用可能な決済手段の複数の候補のうちから個々の購入商品の決済に利用する1又は複数の決済手段を選択するための選択規則を示す情報である。図2に示した例では、決済手段A〜Cが「商品購入に利用可能な決済手段の複数の候補」の一例に相当する。このため、図2に示した例の場合、選択規則情報は、商品X〜Zの各々の決済に利用する1又は複数の決済手段を決済手段A〜Cのうちから選択するための選択規則を示す。
[2−2−1−1]例えば、選択規則情報では決済手段の優先順位が設定される。具体的には、例えば、決済手段C(例えばポイント)の優先順位が第1位に設定され、決済手段B(例えば電子マネー)の優先順位が第2位に設定され、決済手段A(例えばクレジットカード)の優先順位が第3位に設定される。
この場合、決済手段A〜Cの各々の利用制限情報(例えば残高又は月ごとの利用限度額等)を考慮しつつ、上記優先順位に従って、商品X〜Zの各々の決済に利用する決済手段が決済手段A〜Cのうちから選択される。この場合、まず、決済手段Cが商品Xの決済に利用する決済手段として選択される。また、決済手段Cの利用制限情報の範囲内で商品Xの代金を決済手段Cによって決済できない場合(例えば決済手段Cの残高よりも商品Xの代金の方が多い場合)には、決済手段Bも商品Xの決済に利用する決済手段として選択される。同様に、決済手段B,Cの利用制限情報の範囲内で商品Xの代金を決済手段B,Cによって決済できない場合(例えば決済手段B,Cの残高及び利用限度額の合計よりも商品Xの代金の方が多い場合)には、決済手段Aも商品Xの決済に利用する決済手段として選択される。一方、決済手段Cの利用制限情報内で商品Xの代金を決済手段Cによって決済できる場合(例えば決済手段Cの残高の方が商品Xの代金よりも多い場合)には、決済手段Cが商品Yの決済に利用する決済手段としても選択される。このようにして、商品X〜Zの各々の決済に利用する決済手段が決済手段A〜Cのうちから選択される。
[2−2−1−2]また例えば、選択規則情報では、利用期限の設定された第2の決済手段(例えば利用期限が設定されたポイント等)の優先順位が、利用期限の設定されていない第1の決済手段(例えば利用期限が設定されていないポイント等)の優先順位よりも高く設定される。
例えば、決済手段Cが利用期限の設定されている決済手段であり、決済手段Bが利用期限の設定されていない決済手段である場合、上記の選択規則情報によると、決済手段Cの優先順位が決済手段Bの優先順位よりも高く設定され、決済手段Cが決済手段Bよりも優先的に選択される。このようにすれば、利用期限の設定されている決済手段が優先的に選択されるため、例えば、利用期限の設定されている決済手段を利用し忘れて、決済手段を利用することなく利用期限が経過してしまうという不都合の発生を抑制できる。
[2−2−1−3]また例えば、選択規則情報では、ユーザによる利用及び獲得の少なくとも一方の頻度の高いポイントの優先順位が上記頻度の低いポイントの優先順位よりも高く設定される。
ここで、「利用の頻度」とは、所定期間における利用回数であってもよいし、前回利用時からの経過時間であってもよい。同様に、「獲得の頻度」とは、所定期間における獲得回数であってもよいし、前回獲得時からの経過時間であってもよい。また、「利用及び獲得の頻度」とは、所定期間における利用回数及び獲得回数の和であってもよいし、直近の利用時又は獲得時からの経過時間であってもよい。また、「利用及び獲得の少なくとも一方の頻度」は、ユーザによるポイントの利用及び獲得の少なくとも一方の履歴を示すデータを記憶しておき、当該データを参照することによって取得することが可能である。
例えば、決済手段Bが第1のポイントであり、決済手段Cが第2のポイントであり、かつ、ユーザによる第2のポイントの利用頻度(又は/及び獲得頻度)が第1のポイントよりも低い場合、上記の選択規則情報によれば、決済手段Cの優先順位が決済手段Bの優先順位よりも高く設定され、決済手段Cが決済手段Bよりも優先的に選択される。このようにすれば、利用頻度(又は/及び獲得頻度)の低いポイントが優先的に選択されるため、利用頻度(又は/及び獲得頻度)の低いポイントを早めに利用するようにユーザに促すことが可能になる。その結果、ポイントが利用されないまま残ってしまうという不都合の発生を抑制できる。
[2−2−1−4]また例えば、選択規則情報では、商品の種別に応じて優先的に選択すべき決済手段が設定される。
具体的には、例えば、「ポイント2倍キャンペーン」等のような、通常よりも多くのポイントがユーザに付与される販売促進キャンペーンの対象となっている商品に関しては、ポイントの付与の対象から除外される決済手段を選択しないように設定される。例えば、商品Xが「ポイント2倍キャンペーン」の対象となっており、かつ、決済手段Cがポイントの付与の対象から除外される決済手段である場合、上記の選択規則情報によれば、商品Xの決済に利用する決済手段として決済手段Cは選択されず、決済手段A又はBが選択される。
[2−2−1−5]なお、選択規則情報は電子商取引システムの提供者(管理者)によって設定される。または、選択規則情報は個々のユーザによって設定されるようにしてもよい。すなわち、選択規則情報を設定するための画面をユーザ端末20の表示部25に表示させ、当該画面で設定された選択規則情報を選択規則情報記憶部50に記憶させるようにしてもよい。この場合、例えば図10に示すように、個々のユーザによって設定された選択規則情報がユーザIDと関連付けて記憶される。またこの場合、後述の選択部51では、購入者であるユーザのユーザIDと関連付けられた選択規則情報が使用される。
[2−2−2]選択部51は、選択規則情報に基づいて、個々の購入商品の決済に利用する1又は複数の決済手段を選択する。例えば図2に示した例の場合、選択部51は、選択規則情報に基づいて、商品Xの決済に利用する1又は複数の決済手段と、商品Yの決済に利用する1又は複数の決済手段と、商品Zの決済に利用する1又は複数の決済手段とを選択する。
また、選択部51は、個々の購入商品ごとの各決済手段による決済金額も決定する。例えば、商品Xの決済に利用する決済手段として決済手段A,Bが選択される場合、選択部51は、商品Xの決済における決済手段Aの決済金額と、商品Xの決済における決済手段Bの決済金額とを決定する。
なお例えば、購入商品ごとの決済金額情報に応じてユーザに特典が付与されるようになっている場合、選択部51は、選択規則情報の範囲内で、ユーザに付与される特典の価値が最大となるように、個々の購入商品の決済に利用する1又は複数の決済手段を選択するようにしてもよい。例えば、「特典」はポイントであり、選択部51は、選択規則情報の範囲内で、ユーザに付与されるポイントの量が最大となるように、個々の購入商品の決済に利用する1又は複数の決済手段を選択するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザができる限り多くのポイントを獲得できるように図ることができる。
また例えば、選択部51は、商品購入に利用可能な決済手段の複数の候補の利用制限に関する利用制限情報に基づいて、個々の購入商品の決済に利用する1又は複数の決済手段を選択するようにしてもよい。ここで、「利用制限」は例えば残高や月ごとの利用限度額等である。例えば、選択部51は、残高の残っていない決済手段を、個々の購入商品の決済に利用する決済手段として選択しないようにしてもよい。また例えば、選択部51は、月ごとの利用限度額にすでに達してしまっている決済手段を、個々の購入商品の決済に利用する決済手段として選択しないようにしてもよい。利用できない状態にある決済手段が選択されてしまうと、後でユーザが当該決済手段を他の決済手段を変更する必要が生じることによって、ユーザに手間をかけてしまうが、このようにすれば、利用できない決済手段が選択されなくなるため、このような不都合の発生を抑制できる。
[2−2−3]提案部52は選択部51による選択結果をユーザに提案する。例えば、提案部52は、選択部51による選択結果に基づいて購入画面30を初期設定する。すなわち、提案部52は、選択部51による選択結果に基づいて、購入画面30のフォーム33AX,33BX,33CX,33AY,33BY,33CY,33AZ,33BZ,33CZの初期値を設定する。
[2−3.処理]次に、第2実施形態に係る電子商取引システム1で実行される処理の一例について説明する。図11は、購入画面30をユーザ端末20の表示部25に表示する際に実行される処理の一例を示す。電子商取引サーバ10の制御部11がプログラムに従って図11に示す処理を実行することによって、制御部11が選択部51及び提案部52として機能する。
図11に示すように、まず、ユーザ端末20の制御部21は通信部23を介して購入画面30のデータ要求を電子商取引サーバ10に送信する(S301)。この場合、購入者であるユーザのユーザIDと、各購入商品の商品IDとが電子商取引サーバ10に送信される。
購入画面30のデータ要求が電子商取引サーバ10で受信された場合、電子商取引サーバ10の制御部11は、購入商品ごとに、決済に利用する決済手段と、各決済手段による決済金額とを初期設定する(S302)。すなわち、制御部11は、決済手段の選択規則情報及び利用制限情報に基づいて、購入商品ごとに、決済に利用する決済手段を選択したり、各決済手段による決済金額を決定したりする。
ステップS302の実行後、制御部11は通信部13を介して購入画面30のデータをユーザ端末20に送信する(S303)。購入画面30のデータがユーザ端末20で受信された場合、ユーザ端末20の制御部21は当該データに基づいて購入画面30を表示部25に表示する(S304)。
この場合、購入画面30のフォーム33AX,33BX,33CX,33AY,33BY,33CY,33AZ,33BZ,33CZにはステップS302で決定された決済金額が初期入力される。ユーザはこれらのフォームに初期入力された金額を変更してもよいし、これらのフォームに初期入力された金額を変更することなく購入ボタン38を選択してもよい。
[2−4.まとめ]以上のように、第2実施形態に係る電子商取引システム1によれば、個々の購入商品ごとに、決済に利用する1又は複数の決済手段や、各決済手段による決済金額を自動的に設定してユーザに提案できる。その結果、決済に利用する1又は複数の決済手段を選択したり、各決済手段による決済金額を決定したりするためのユーザの手間を軽減できる。
なお、本発明は以上に説明した第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではない。
[1]例えば、各ユーザが商品購入で利用しない決済手段を指定できるようにしてもよい。ユーザのこのような指定に基づいて、購入画面30では決済手段を提示するようにしてもよい。
[2]例えば、仮想商店街では、各店舗がその店舗での商品購入で利用不可とする決済手段を指定できるようにしてもよい。店舗のこのような指定に基づいて、購入画面30では決済手段を提示するようにしてもよい。
[3]第2実施形態では、選択部51の選択結果が購入画面30でユーザに提案され、ユーザが購入ボタン38を選択した場合に購入処理が実行されるようになっているが、選択部51の選択結果をユーザに提案することなく、選択部51の選択結果に従って自動的に購入処理が実行されるようにしてもよい。