JP6560071B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマ処理装置に関し、特に、プラズマエッチング処理におけるCD(Critical Dimension)ばらつきの抑制に有効な技術に関する。
半導体製造のエッチング工程には、プラズマ発生装置が広く用いられている。この種のプラズマ発生装置は、真空容器である処理室内に反応性ガスを導入したところへ、高周波電力(以下、ソース電力という)を印加することによってプラズマを生成し、下部電極に置かれた被処理材、例えばシリコンウエハなどをエッチングする。
下部電極は、バイアス電力を印加することでエッチング速度、およびエッチング形状を制御可能である。半導体デバイス性能を決めるもっとも重要なパラメータは、例えばゲート電極の幅や配線の幅といったCDと呼ばれるそのデバイス形状の代表寸法である。
ゲート加工の例では、ゲート長と呼ばれるゲート構造の幅が、半導体デバイスのスイッチング特性に直接影響するため、これを設計寸法通りに加工することが重要である。このように、半導体加工における形状制御指標としてCDが一般的に用いられている。
CD制御の例として、ラインとスペースの繰り返しパターンなどにおけるライン幅のばらつき、チップ内の回路パターン粗密差による形状ばらつき、ウエハ面内のCDばらつきなどが引き起こされる場合があり、これらのCDばらつきを抑制し、高い製品歩留まりを達成することが要求される。
CDは、ウエハ温度、イオンエネルギ、反応副生成物の量、およびイオン・ラジカル量によって決定され、これに対し、半導体ウエハ面内のCDばらつきを抑制する技術としては、例えば半導体ウエハ温度制御、プラズマ生成用の高周波電力電界分布制御技術などが用いられている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
特開2005−56914号公報 特開2013−179055号公報
半導体製造のエッチング工程では、様々な材料からなる積層膜が表面に成膜されたシリコンウエハを真空処理室内に導入された反応性ガスに高周波を印可することで生成されたプラズマに曝し、積層膜最上部のマスク層に露光・現像された回路パターンを下層に転写させる。その際、このパターン転写後のCDを設計要求値通りに加工することが必要である。
真空処理室内のプラズマ空間分布やガス流れは、真空処理室内の径方向または周方向に対して必ずしも均一でない場合がある。これにより、イオンやラジカルの衝突頻度や、ガス分子の滞在時間などがシリコンウエハ上で均一でないことによってCDばらつきが引き起こされるという問題がある。
具体的な例では、ウエハの外周部においてイオン・ラジカルの消費とそれに伴う反応生成物の放出量がウエハ最外端を境界に変化したり、圧力分布・ガス流速分布に従ってラジカルや反応生成物の空間分布が不均一となるなどしてCDばらつきが生じる結果となる。
本発明の目的は、ガス流れを任意に偏心させることにより、CD分布を制御することのできる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、代表的なプラズマ処理装置は、プラズマ処理を行う処理容器と、前記処理容器内に設けられ、プラズマ処理される試料を保持する円筒形の試料台と、前記処理容器内に供給されたプラズマ形成用の処理ガスをプラズマ化するプラズマ生成部と、を有し、前記処理容器は、前記処理ガスを供給する第1のガス供給部と、前記処理容器内のガス流れを補正する補正ガスを供給する第2のガス供給部と、を備え、前記第2のガス供給部は、少なくとも4つのガス吹き出し口を具備し、少なくとも4つの前記ガス吹き出し口は、前記試料台の中心軸に対称となる位置にそれぞれ設けられ、これら少なくとも4つの前記ガス吹き出し口のうち2つの前記ガス吹き出し口は、供給される前記補正ガスの向きがプラズマ処理される前記試料上に形成される回路パターンの向きと交差する前記処理容器の周方向位置に設けられ、供給される前記補正ガスにより前記試料上方の前記回路パターンの向きに平行な前記処理ガスの流れを調節可能に構成された、プラズマ処理装置である。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
(1)CDばらつきを抑制することができる。
(2)上記(1)により、高い製品歩留まりを実現することができる。
実施の形態1によるプラズマエッチング装置に係る真空処理室周りの構成の概略を示す説明図である。 図1のプラズマエッチング装置における真空処理容器およびTMPの構成の一例を示す説明図である。 図1のプラズマエッチング装置における下部電極より上部にて分割した際の構成の一例を示す説明図である。 ガス吹き出し口にガスを供給するための構成を表した説明図である。 図4のガス供給制御の1系統に対し、ガス吹き出し口が3つに分割されている例を示す説明図である。 図5のガス吹き出し口の配置の一例を示す説明図である。 実施の形態2におけるプラズマエッチング装置が有する真空処理容器およびTMPの構成の一例を示す説明図である。 実施の形態3におけるプラズマエッチング装置が有する真空処理容器およびTMPの構成の一例を示す説明図である。 実施の形態4によるプラズマエッチング装置におけるガス輸送の構成の一例を示す説明図である。 実施の形態5によるマスフローコントローラを複数用いた場合のガス源からガス吹き出し口までのガス輸送のための構成の一例を示す説明図である。 実施の形態6によるプラズマエッチング装置におけるガス吹き出し口にガスを供給するための構成を表した説明図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
〈概要〉
本実施の形態によるプラズマエッチング装置は、試料台である下部電極114表面より処理ガスのガス流れに対して下流側に真空処理容器109の周方向に等間隔にガス吹き出し口を配置し、これらのガス吹き出し口から任意のものを選択して不活性ガスなどを供給する。これにより、下部電極114周囲の下流側のガス流路内に圧力の不均衡を生じさせ、処理ガスのガス流れを任意に偏向させることでCD分布の制御を可能とする。
以下、実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
〈プラズマエッチング装置の概略構成〉
図1は、本実施の形態1によるプラズマエッチング装置に係る真空処理室周りの構成の概略を示す説明図である。
プラズマエッチング装置は、プラズマ処理装置の1つである。図1に示すプラズマエッチング装置において、プラズマソース用電源、例えばマイクロ波源101から発振されたマイクロ波は、方形導波管102を用いて伝送され、方形円形導波管変換機103により、円形導波管104に接続される。自動整合機105は、反射波を自動的に抑制する。マイクロ波源としては、例えば発振周波数2.45GHzのマグネトロンを用いる。
円形導波管104は、空洞共振部106に接続される。空洞共振部106は、マイクロ波電磁界分布をプラズマ処理に適した分布に調整する働きを持つ。空洞共振部106の下部は、マイクロ波導入窓107、およびシャワープレート108を介して処理容器である真空処理容器109によって構成される真空処理部110を有する。
真空処理部110に導入されたマイクロ波およびソレノイドコイル111によって形成される磁界のECR(Electron Cyclotron Resonance)共鳴によって、処理室内に反応性ガスのプラズマが形成される。
これらマイクロ波源101、方形導波管102、方形円形導波管変換機103、円形導波管104、自動整合機105、およびソレノイドコイル111などによってプラズマ生成部が構成される。
ECR共鳴とは、上記したソレノイドコイル111が生成する磁界の磁力線に沿って電子が回転しながら移動するところに、その回転の周期に対応した周波数のマイクロ波がプラズマに入射することで電子を選択的に加熱することを言い、プラズマの効果的な加熱法である。
また、静磁界を用いる他の利点として、静磁界の分布を変化させることにより、ECR共鳴が発生する位置を制御することができ、プラズマ発生領域を制御することができる。
さらに、プラズマは、磁力線に対して垂直な方向に拡散が抑制されることが知られており、プラズマの拡散を制御して、プラズマの損失を低減することができる。これらの効果により、プラズマの分布を制御することができ、従ってプラズマ処理の均一性を高めることができる。電磁石に通電する電流を変えることによって、静磁界の分布を制御することができる。
ガス源112から供給される反応性ガスは、ガス制御装置113内でその流量を制御され、試料台たる下部電極114に対向する面に設置されたシャワープレート108を介して、真空処理室に導入される。シャワープレート108は、第1のガス供給口となる。
処理室内ガスは、ターボ分子ポンプ(以下TMPという)115から排気され、TMP115の上流部に設けられた排気コンダクタンス調整弁116は、圧力計117の測定値が所望の値となるようにフィードバック制御され、その開度が調整される。
試料、すなわち被処理材である例えばシリコンウエハ(以下、単にウエハという)は、静電吸着により下部電極114に吸着保持可能である。さらに、下部電極114には、RF(Radio Frequency)電源118よりプラズマソース用電源の周波数より低い、例えば周波数400kHzの高周波がRF整合器119を介して印加される。これにより、処理性能の制御、処理速度の向上を可能とすることができる。
分光器120は、光ファイバ121によって真空処理容器109に接続され、真空処理容器109内に生成されたプラズマの発光を分光し、波長毎の強度を記録することができる。
また、分光器120は、制御コンピュータ122に接続されている。制御コンピュータ122は、分光器が検出したプラズマ発光の変化の特徴を抽出してエッチングの終点を判定して処理を終了させる機能を有する。
真空処理容器109、下部電極114、およびTMP115は、それぞれ略円筒形であり、その円筒の軸を同一とする。下部電極114は、真空処理容器109に図示しない梁によって支持されている。
以上の構成は、全て制御コンピュータ122に接続されており、適切なシーケンスで動作するように、そのタイミング、および動作量がコントロールされる。動作シーケンスの詳細パラメータは、レシピと呼ばれ、予め設定されたレシピに基づいた動作がなされる。
〈真空処理容器およびTMPの構成例〉
続いて、プラズマエッチング装置におけるガス流れ分布制御機能について説明する。
図2は、図1のプラズマエッチング装置における真空処理容器109およびTMP115の構成の一例を示す説明図である。図3は、図1のプラズマエッチング装置における下部電極114より上部にて分割した際の構成の一例を示す説明図である。なお、すでに説明した図1に示されたものと同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
真空処理部110を構成する真空処理容器109には、図2に示すように、真空処理容器109にガスを供給するためのガス吹き出し口201が、下部電極表面より下流側に設けられている。ガス吹き出し口201は、第2のガス供給口となる。
ここで、ガス吹き出し口201から供給されるガスは、例えばヘリウムガス、アルゴンガス、キセノンガス、ネオンガス、酸素ガス、窒素ガス、または水素ガスのいずれかである。
ガス吹き出し口201は、図3に示すように、真空処理容器109の中心軸に向けて、真空処理容器109の中心軸に対して対称となるように、周方向に少なくとも4つが設けられた構成となっている。
〈ガス供給系統の構成例〉
図4は、ガス吹き出し口201にガスを供給するための構成を表した説明図である。この図4は、4つのガス吹き出し口201に対して4系統のガス供給制御を行う場合の例について示している。
ガス源401から供給されるガスは、ガス配管404によってガス吹き出し口201に運ばれる。ガス配管404上には、マスフローコントローラ402が配置されている。マスフローコントローラ402は、ガスの流量を制御する。
また、マスフローコントローラ402の下流側では、ガス吹き出し口の数に対応して、本実施の形態では4分岐し、さらにその下流にはガス供給を行う吹き出し口を選択するためのガスバルブ403が設けられている。
また、ガス配管404のうち、マスフローコントローラ402からガス吹き出し口までは、本実施の形態に拠れば4本のガス配管が設けられているが、各々のコンダクタンスは同一となるようにその配管径と長さとが調整されている。調整方法の最も簡単な例としては、同一の径を持つ配管の長さを等しくすることによってコンダクタンスの均一化が可能である。
以上の構成によって、ガス吹き出し口201から供給されるガスの総流量と、ガスを供給する吹き出し口とを任意に選択可能であり、複数のガス吹き出し口からのガス供給を選択した場合、それぞれのガス吹き出し口から供給されるガス流量はすべて等しくなる。
また、本実施の形態によれば、軸対称に配置された4つのガス吹き出し口201から、任意のガス吹き出し口を選択し、任意の流量のガスを供給することができる。その結果、軸対称に構成された真空処理容器109の1/4周ずつの任意の領域に対してガスを供給可能となる。
以上の例では、1つのガスバルブ403と1つのガス吹き出し口201とが対応しているとしたが、ガス吹き出し口201は、さらに複数に分割されていてもよい。
〈ガス吹き出し口の例〉
図5は、図4のガス供給制御の1系統に対し、ガス吹き出し口が3つに分割されている例を示す説明図である。この図5では、4つのガスバルブ403のうち、1つに、さらに下流に接続され分岐した配管を示し、他の3つについてはこれを省略した。
ガス配管501は、ガスバルブ403のさらに下流側で分岐して、3つのガス吹き出し口201に接続されている。前記したものと同様に、ガス配管501は、それぞれ同一のコンダクタンスを持つようにその配管長が調整される。そして、計12個のガス吹き出し口201は、周方向に均一な間隔で、軸対象に配置されている。
〈ガス吹き出し口の配置例〉
図6は、図5のガス吹き出し口201の配置の一例を示す説明図である。
1つのガスバルブ403に対応するガス吹き出し口201は、その全てが図2に示す真空処理容器109内の1/4周分の領域へのガス供給に対応しており、ガス吹き出し口を分割して等間隔に配置することによって、該1/4周領域内のガスの分圧分布の均一性を向上する効果がある。
上記したガス吹き出し口201の配置は、補正しようとするエッチング性能分布、特にCD分布の不均一性に最も適合するように選択される。CD不均一性の第一の例は、マイクロ波電界分布によるものである。
軸対称な構造を有する真空処理容器109は、マイクロ波伝播に対しては円形導波管として振る舞い、この円形導波管を伝播するマイクロ波は、その導波管形状などによってさまざまなモードを持つことが知られている。
代表的なものにマイクロ波の進行方向に垂直な面内において楕円状電界強度分布を示すTE(Transverse Electric)11モードがある。図1に示すプラズマエッチング装置のマイクロ波導波路は、方形導波管102と円形導波管104とからなり、真空中を伝播するマイクロ波は、導波管の形状によって伝播モードが決定される。
現実のプラズマ生成では、誘電体であるプラズマとの相互作用や、空洞共振部106の形状の最適化により、電界強度分布は、さまざまなモードの重ねあわせとなるが、マイクロ波の基本伝播モードが相対的に強く反映されたものになる場合がある。
例えばTE11モードの楕円分布が現れた場合は、この楕円分布をガス流れの最適化によって補正することが可能である。エッチング反応速度は、ウエハ温度・ラジカルフラックス・イオンフラックス・反応生成物濃度などによって決定される。
このうち、ラジカルは、ガス流れによってウエハに輸送されるため、ガス流れの制御によってウエハ表面に到達するラジカル量の分布を調整することができる。楕円分布を補正するには、楕円の長軸方向に対してはラジカル量を減じ、短軸方向に対してはラジカル量を増せばよい。
ここで、ガス吹き出し口201を楕円の長軸・短軸上に配置させて、長軸方向の吹き出し口201からガスを供給すると、シャワープレート108からのガスの流れは、長軸方向に対して阻害され、相対的に短軸方向に流れやすくなる。その結果短軸方向へのラジカル量を増すことができる。
また、イオンによるエッチング作用を主体的に用いるようなエッチング条件であっても、エッチング反応の結果生じる反応生成物の濃度分布をガス流れによって調整して、CD分布を制御することが可能である。
エッチング反応の結果生じる反応生成物は、ガスによって輸送されて排気されるが、その過程においてウエハ面上に再入射し、付着することでエッチング阻害要因となる場合がある。
これまでと同様に楕円分布を仮定してその補正を考えると、楕円の長軸上のガス吹き出し口201からガスを供給することで、長軸方向へのガス流れが阻害され、その結果長軸上の特にウエハ外周側において反応生成物の滞在時間を長くする作用が生じて、そこでのエッチング速度を低下させる効果が得られる。
ここまでは、楕円分布を例として、楕円の軸を基準としてガス吹き出し口201を配置し、そこからのガス吹き出しによって分布を制御する技術について説明した。より複雑な電界分布によるレート不均一性を高精度に補正するためには、ガス吹き出し口数およびガス吹き出し位置の制御系統数を増やす技術が有効である。
その際には、必要な数のガスバルブ403とそれに対応したガス吹き出し口201を設けその間のガス配管の径と長さを同一とすればよい。ガス吹き出しの制御系統数は例えばプラズマ伝播モードで表れる、周方向の凹凸の数にあわせればよく、典型的には4または8または16などが望ましい。
また、ウエハ上の回路パターンの方向における特徴を原因として、CDまたは断面形状の不均一性を生じる場合がある。ラインパターンのエッチングにおいて、ラインの方向は、ウエハ全面で同一である一方、軸対象な構造をもつ真空処理容器109に供給されたガス流れは、ウエハ面上ではウエハ中心から外周方向へ流れる中心対称な流れになる。
その際、ラインパターンの方向とガス流れの方向が垂直に交わる部分と、それらが平行になる部分とが存在することになる。ガス流れに伴うラジカル輸送を考えた場合、ラインパターンとガス流れとが交差する場合では、パターンの断面形状に対してウエハ内周側と外周側とでラジカルフラックスが異なり、左右非対称な形状となる虞があった。
一方でガス流れとパターンとが平行になる場合には、断面形状の左右に対してラジカルは均一に作用して形状の左右差は発生しない。
ガス吹き出し口201をラインパターンと交差する軸上に配置し、そこからガスを供給することで、ラインパターンと交差する方向へのガス流れを阻害し、ラインパターンと平行なガス流れ成分を増し、ラジカルフラックスのパターン左右差を抑制し、CD分布を改善することが可能である。
ガス吹き出し口201からガスを供給するタイミングは、複数のステップからなる条件のうちの1つのステップであった場合には、先行するステップが終了してからその次のステップが開始するまでの間であって、シャワープレート108からのガス供給に対して遅くとも略同時であればよい。
真空処理室内のガス流れは、分子流または中間流と呼ばれる、ガス分子同士の衝突を無視できる領域である。そのため、ガスは、容易に拡散して、真空処理室内の圧力はほぼ一様となる。
よって、真空処理室内の圧力制御については、ガス吹き出し口201からのガス供給の有無や圧力計117の設置位置によらず、従来と同一の制御技術によって制御可能である。
以上により、ガス流れ分布の制御を行うことによって、エッチング性能分布の制御を可能とすることができる。それにより、CDばらつきを抑制することできるので、半導体装置製造における高い製品歩留まりを実現することができる。
(実施の形態2)
〈概要〉
エッチング性能分布を制御するためのガスを吹き出す吹き出し口を前記実施の形態1と異なる構成であってもよい。そこで、本実施の形態2では、エッチング性能分布を制御するためのガスを吹き出す吹き出し口を前記実施の形態1と異なる構成とする技術について説明する。
〈真空処理容器およびTMPの構成例〉
図7は、本実施の形態2におけるプラズマエッチング装置が有する真空処理容器109およびTMP115の構成の一例を示す説明図である。すでに説明した前記実施の形態1の図1に示されたものと同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
図7において、真空処理容器109内には、ガスを供給するためのガス吹き出し口701が下部電極114の上面より下流側の側壁に、その法線方向に向けて設けられている。このガス吹き出し口701は、真空処理容器109の中心軸に対して対称となるように、周方向に少なくとも4つの吹き出し口から構成されている。ガス吹き出し口701までガスを輸送するための構成は、前記実施の形態1にて説明した図4と同一であればよい。
図7に示す構成を用いることで、下部電極114周囲への非対称な圧力分布を作ることが可能となり、前記の実施例と同様に、エッチング性能分布の制御を可能とすることができる。
(実施の形態3)
〈概要〉
本実施の形態3においては、エッチング性能分布を制御するためのガスを吹き出す吹き出し口が、前記実施の形態1,2とはさらに異なる構成について説明する。
〈真空処理容器およびTMPの構成例〉
図8は、本実施の形態3におけるプラズマエッチング装置が有する真空処理容器109およびTMP115の構成の一例を示す説明図である。図8においても、すでに説明した図1に示されたものと同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については、説明を省略する。
真空処理容器109内には、図8に示すように真空処理容器109の中心軸に垂直に配置される板状の構造体であるガス供給板801が下部電極114表面より下側に設けられている。ガス供給板801の下面には、ガスを供給するためのガス吹き出し口802が下向きに設けられている。
このガス吹き出し口802は、真空処理容器109の中心軸に対して対称となるように、周方向に少なくとも4つ配置されている。ガス吹き出し口802までガスを輸送するための構成は、前記実施の形態1に説明した図4と同一であればよい。
ガス供給板801は、例えば有孔の板とすることで、処理ガスの排気の阻害を最小化することが可能となる。ガス供給板801に設けられる穴は、例えばその直径が10mm以上であって、ガス供給板全体の開口率が50%以上となるような構造であることが望ましい。
その他の例として、ガス供給板801は、例えばスリット上の穴を持つ板状の構造体であればよい。スリットの幅は、例えば10mm以上であって、ガス供給板801全体の開口率が50%以上であればよい。
さらに別の例として、ガス供給板801は、下部電極114の側壁と真空処理容器109の側壁との間の一部を塞ぐようなリング状の形状であってもよい。ガス供給板801は、金属、誘電体、または誘電体によって覆われた金属などにより構成されている。
以上により、下部電極114周囲への非対称な圧力分布を作ることが可能となり、エッチング性能分布の制御を可能にすることができる。
(実施の形態4)
〈概要〉
任意のCD分布を得るためには、複数のガス吹き出し口201から、ガス供給を行うものを任意に選択する必要がある。本実施の形態4では、これを実現するその他の技術として、ガス流量比制御装置を用いた例について説明する。
〈プラズマエッチング装置のガス輸送例〉
図9は、本実施の形態4によるプラズマエッチング装置におけるガス輸送の構成の一例を示す説明図である。この図9では、流量比制御装置901を用いたプラズマエッチング装置のガス源からガス吹き出し口201までのガス輸送の構成例を示している。
ガス源401から供給されるガスの流量を制御するマスフローコントローラ402とガス吹き出し口201の間には、図9に示すように、流量比制御部である流量比制御装置901が配置されている。
図9では、4つのガス吹き出し口201が設けられている場合を示しているが、前述のようにさらに多数のガス吹き出し口201を設けた構成としてもよい。マスフローコントローラ402によって流量を制御されたガスは、流量比制御装置901に入力される。流量比制御装置901は、出力先の4つのガス吹き出し口201に対し、それぞれの流量比を任意に制御する。
前述したバルブによる吹き出し口を選択する技術に対しては、それぞれのガス吹き出し口からの供給の有無だけを制御可能であったが、本技術によれば、各ガス吹き出し口201からの流量を任意に制御することができる。
流量比制御装置901は、ガス分配数に応じたコンダクタンス制御弁と流量センサが各々のガス流路に備えられており、それらの流量比が所望のものとなるように、コンダクタンス制御弁の開度をフィードバック制御するものである。
以上により、複数のガス吹き出し口201からのガス供給を任意に選択することが可能となり、任意のCD分布を得ることができる。
(実施の形態5)
〈概要〉
本実施の形態5においては、さらに別のガス分配制御の技術として、ガス吹き出し口201の数に対応したマスフローコントローラを用いた技術について説明する。
〈ガス輸送の構成例〉
図10は、本実施の形態5によるマスフローコントローラ402を複数用いた場合のガス源401からガス吹き出し口201までのガス輸送のための構成の一例を示す説明図である。
ガス源401から供給されるガスは、図10に示すように、ガス吹き出し口201の数に応じて分岐した後、マスフローコントローラ402を介してガス吹き出し口201に接続されている。このマスフローコントローラ402がガス流量制御部となる。
図10においては、4つのガス吹き出し口201が設けられている場合の例を示しているが、前述のようにさらに多数の吹き出し口を設ける構成としてもよい。
このように、各マスフローコントローラ402においてその流量を制御することによって、各ガス吹き出し口201から任意のガスを供給することができる。実質的には、前記実施の形態4と同じ機能を実現するものである。
(実施の形態6)
〈ガス吹き出し口のガス供給例〉
図11は、本実施の形態6によるプラズマエッチング装置におけるガス吹き出し口201にガスを供給するための構成を表した説明図である。
ガス吹き出し口201から供給するガスの種類は、処理ガスとは異なる希ガスや酸素、窒素、あるいは水素といった不活性ガス等を用いるのが望ましい。または処理ガスと同じ組成のガスを用いてもよい。
処理ガスと同じガスを用いる場合には、図11に示すように、ガス制御装置113より下流側において、2分岐するガス配管によってその一方をシャワープレート108に接続し、もう一方をガス吹き出し口201に接続すればよい。その際、図9の流量比制御装置901と同等のものを用いることによって、それぞれのガス流量を任意に制御することが可能となる。
以上の実施の形態1〜6において、マイクロ波ECR放電を利用したプラズマエッチング装置を例に説明したが、他の放電を利用したドライエッチング装置においても同様の作用効果がある。ここで、他の放電としては、例えば有磁界UHF放電、容量結合型放電、誘導結合型放電、マグネトロン放電、表面波励起放電、トランスファー・カップルド放電などがあげられる。
また、上記した各実施の形態では、エッチング装置について述べたが、プラズマ処理を行うその他のプラズマ処理装置、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置またはプラズマPVD(Physical Vapor Deposition)装置などについても同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
101 マイクロ波源
102 方形導波管
103 方形円形導波管変換機
104 円形導波管
105 自動整合機
106 空洞共振部
107 マイクロ波導入窓
108 シャワープレート
109 真空処理容器
110 真空処理部
111 ソレノイドコイル
112 ガス源
113 ガス制御装置
114 下部電極
115 ターボ分子ポンプ
116 排気コンダクタンス調整弁
117 圧力計
118 RF電源
119 RF整合器
120 分光器
121 光ファイバ
122 制御コンピュータ
201 ガス吹き出し口
401 ガス源
402 マスフローコントローラ
403 ガスバルブ
404 ガス配管
501 ガス配管
701 ガス吹き出し口
801 ガス供給板
802 ガス吹き出し口
901 流量比制御装置

Claims (4)

  1. プラズマ処理を行う処理容器と、
    前記処理容器内に設けられ、プラズマ処理される試料を保持する円筒形の試料台と、
    前記処理容器内に供給されたプラズマ形成用の処理ガスをプラズマ化するプラズマ生成部と、
    を有し、
    前記処理容器は、
    前記処理ガスを供給する第1のガス供給部と、
    前記処理容器内のガス流れを補正する補正ガスを供給する第2のガス供給部と、
    を備え、
    前記第2のガス供給部は、少なくとも4つのガス吹き出し口を具備し、
    少なくとも4つの前記ガス吹き出し口は、前記試料台の中心軸に対称となる位置にそれぞれ設けられ、
    これら少なくとも4つの前記ガス吹き出し口のうち2つの前記ガス吹き出し口は、供給される前記補正ガスの向きがプラズマ処理される前記試料上に形成される回路パターンの向きと交差する前記処理容器の周方向位置に設けられ、供給される前記補正ガスにより前記試料上方の前記回路パターンの向きに平行な前記処理ガスの流れを調節可能に構成された、プラズマ処理装置。
  2. 請求項1記載のプラズマ処理装置において、
    2つの前記ガス吹き出し口は、前記プラズマ生成部におけるマイクロ波導波路である円形導波管による伝搬にて生じる電界強度の周方向分布において、前記電界強度が極大となる前記処理容器の周方向位置に対向するように設けられ、
    残りの前記ガス吹き出し口は、2つの前記ガス吹き出し口を基準として前記処理容器の周方向に等間隔に設けられる、プラズマ処理装置。
  3. 請求項1または2記載のプラズマ処理装置において、
    前記第2のガス供給部の前記ガス吹き出し口から供給されるガス流量を制御するガス流量制御部を有する、プラズマ処理装置。
  4. 請求項1または2記載のプラズマ処理装置において、
    前記第2のガス供給部の前記ガス吹き出し口から供給されるガス流量比を制御するガス流量比制御部を有する、プラズマ処理装置。
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