JP6559645B2 - パイプ材の製造方法及びパイプ材の製造装置 - Google Patents

パイプ材の製造方法及びパイプ材の製造装置 Download PDF

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本発明は、ゴルフシャフト,釣竿,テニスやバトミントンのラケット等に使用されるパイプ材の製造方法及びパイプ材の製造装置に関するものである。
ゴルフシャフト,釣竿,テニスやバトミントンのラケット等に使用されるパイプ材には、高い強度と軽量化が要求されるため、炭素繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸させたプリプレグを使用したものが知られている。
従来は主として熱硬化性プリプレグを円筒状に巻き重ねて加圧加熱することでパイプ材を成形していた(例えば、特許文献1,2)。
これによれば、エポキシ樹脂は粘度が低く含浸性が良くかつタック性があり互いに密着するので単に型に巻き付けるだけでよく、その後、そのままオートクレーブ等に入れて加熱、加圧することによりパイプ材を簡単に製造することができていた。
しかし、熱硬化性樹脂の場合、熱による化学反応を伴うため、一旦化学反応が終了すると修正が困難であるといった欠点がある。
そのため、熱可塑性樹脂と炭素繊維織物等を用いた熱可塑性プリプレグを使用したものもある。
特開2003−236834号公報 特開2005−131838号公報
しかしながら、熱可塑性プリプレグを使用した場合、タック性がなく溶融粘度が高いため、ボイド(空隙)が生じやすい。
このようなボイドが発生した部位では、炭素繊維織物等と熱可塑性樹脂が密着していないため完成したパイプ材の性能特性が悪くなるという問題があった。
そこで、本発明の目的とするところは、ボイドの少ない高品質のパイプ材を製造する方法及び装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明のパイプ材の製造方法は、断面円形で棒状の中子(10)を回転しつつ熱可塑性プリプレグ(1)を巻回して積層したものを上下から開閉自在の上金型(21)及び下金型(22)で挟み込んで加圧して熱処理を施すパイプ材の製造方法であって、
前記上金型(21)及び下金型(22)は、閉状態で上金型(21)と下金型(22)との間には前記中子(10)に巻回された熱可塑性プリプレグ(1)を露出させる隙間(M)が形成される形状で、しかも前記中子(10)に相対向する断面円弧状で中心角αを180度未満とする支持面(21a,22a)を有し、
前記上金型(21)及び下金型(22)のうち、上金型(21)だけに温度制御可能な熱源(H)を設け、
前記中子(10)の回転角度δを前記中心角αよりも小さくして、前記中子(10)を間欠的に回転駆動可能として、
前記上下金型(21,22)を開状態として前記中子(10)を所定角度δ回転する工程と、前記上下金型(21,22)を閉状態として、前記回転後の前記中子(10)を挟み込んで加圧加熱する工程を繰り返して行うことを特徴とする。
また、本発明は、前記上金型(21)の支持面(21a)の中心角αを90度以下にしたことを特徴とする。
さらには、本発明は、前記上金型(21)の支持面(21a)の中心角αを90度にしたことを特徴とする。
本発明のパイプ材の製造装置は、断面円形で棒状の中子(10)を回転しつつ熱可塑性プリプレグ(1)を巻回して積層したものを上下から開閉自在の上金型(21)及び下金型(22)で挟み込んで加圧して熱処理を施すパイプ材の製造装置であって、
前記上金型(21)及び下金型(22)は、閉状態で上金型(21)と下金型(22)との間には前記中子(10)に巻回された熱可塑性プリプレグ(1)を露出させる隙間(M)が形成される形状で、しかも前記中子(10)に相対向する断面円弧状で中心角αを90度以下とする支持面(21a,22a)を有するとともに、前記上金型(21)だけは温度制御可能な熱源(102)を有し、
前記中子(10)の回転角度δを前記中心角αよりも小さい回転角度δで前記中子(10)を間欠的に回転駆動させる回転駆動手段(106)と、
前記上金型(21)及び下金型(22)を開閉させ、閉状態で前記中子(10)を加圧するプレス手段(104)と、
前記プレス手段(104)を介して前記上下金型(21,22)を開状態として前記回転駆動手段(106)を介して前記中子(10)を所定角度δ回転し、前記プレス手段(104)を介して前記上下金型(21,22)を閉状態として、前記回転後の前記中子(10)を挟み込んで加圧加熱させる処理を繰り返して実行させる制御手段(100)を備えることを特徴とする。
また、本発明は、前記中子(10)は、切断面が長手方向に傾斜するように延びるように2分割された中子上片部(10a)と中子下片部(10b)からなり、一方(10a又は10b)に対して他方(10b又は10a)を長手方向にスライドさせることにより両者(10a,10b)を完全に分離することができるようにしたことを特徴とする。
また、本発明は、前記中子上片部(10a)の下面には長手方向に延びる凹部(10c)又は凸部が形成されるとともに、前記中子下片部(10b)の上面には長手方向に延びる凸部(10d)又は凹部が形成され、前記中子上片部(10a)と中子下片部(10b)は互いに嵌合していることを特徴とする。
なお、本発明でいう熱可塑性プリプレグ(1)には炭素繊維織物に対する樹脂含浸量を抑えたいわゆるセミプレグも含まれることを意味する。
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
本発明によれば、上金型及び下金型は断面円弧状で中心角αを180度未満とする支持面を有するとともに、上金型だけに温度制御可能な熱源を設け、中子の回転角度δを中心角αよりも小さくして、上下金型を開状態として中子を所定角度δ回転することと、上下金型を閉状態として、回転後の中子を挟み込んで加圧加熱する工程を繰り返して行うようにしたので、中子に対して熱可塑性プリプレグは部分的にオーバーラップされ高いプレス圧が局所的にかかることで中子に対する熱可塑性プリプレグの密着性を高めることができる。
また、支持面の中心角αよりも小さい角度の回転角度δで中子は間欠的に回転させられつつ熱可塑性プリプレグを巻回するようにするもので、しかも上金型だけに熱源が設けられたものであるので、一般的な金型のように、中子の全周を覆うようにされるものと比較して、熱プレスする面積を小さくして高いプレス圧を集中してかけることで中子と巻回される熱可塑性プリプレグの間から空気を押し出してボイド(空隙)の発生を抑制することができる。
これによって、品質性能に優れた、プリプレグを使用したパイプ材の成形品を製造することができる。
また、上下金型の閉状態のときに、上金型と下金型の間には2つの隙間が形成されるとともに、ヒータなどの熱源は上金型だけに設けられ下金型には設けられていないので、上金型が当接することで熱した熱可塑性プリプレグの部位は、中子が回転させられることにより隙間を介して外気に接触するとともに下金型にも接触することにより冷却されるので、一般的な熱プレス機のように、上金型に設けられた熱源を冷却するための装置を特別に用意する必要はない。
なお、上金型及び下金型の断面円弧状の支持面の中心角αを180度未満とし、中子の回転角度δをその中心角αよりも小さくすれば、熱可塑性プリプレグは部分的にオーバーラップし、間欠的に熱プレスすることができるので効果はあるが、特に、中心角αを90度、あるいは90度以下にするとともに中子の回転角度δをその中心角αよりも小さくすれば、プレス圧をより集中してかけることができ、より細かい間欠駆動を実行することができるので効果を一層大きいものとすることができる。
また、本発明によれば、中子は、切断面が長手方向に傾斜するように延びるように2分割された中子上片部と中子下片部からなり、一方に対して他方を長手方向にスライドさせることにより両者を完全に分離することができるようにしたものであるので、加熱・加圧処理を行った後、完成したプリプレグの成形品を金型から容易に離型することができる。
また、本発明によれば、中子上片部の下面には長手方向に延びる凹部又は凸部が形成されるとともに、中子下片部の上面には長手方向に延びる凸部又は凹部が形成され、中子上片部と中子下片部は互いに嵌合しているので、中子は2部品が強固に一体化され、回転時などに不用意に中子が分割するおそれはない。
本発明のように、上金型だけに熱源を設けるとともに、上金型及び下金型の支持面の中心角よりも中子の回転角度を小さくして間欠的に中子を回転して熱プレスするようにしたもことは、従来、まったく知られたものではない。
本発明の実施形態に係るパイプ材の製造装置を示す正面図である。 本発明の実施形態に係るパイプ材の製造装置を示す側面図である。 本発明の実施形態に係るパイプ材の製造装置の電気的構成概要を示すブロック図である。 図1に示す中子の示す側面図である。 図4(b)に示すA−A断面図である。 図3に示す制御ユニットの処理内容を示すフローチャートである。 図1に示す上下金型の位置と中子の回転位置の関係を示す要部側面図である。
図面を参照して本発明の実施形態に係るパイプ材の製造方法及びパイプ材の製造装置について説明する。
本発明の実施形態では、パイプ材としてゴルフシャフトを製造するものを例に説明する。
パイプ材の製造装置は、図1及び図2に示すように、略中央に回転自在にセットされた中子10に対して上金型21及び下金型22を昇降させ、上金型21の下降時及び下金型22の上昇時に上下金型21,22を開状態から閉状態にして中子10を挟み込んで加圧するプレス機31と、そのプレス機31を駆動させるサーボモータ104と、上下金型21,22が開状態にされたときに中子10を回転させる中子位置制御用サーボモータ106と、全体を制御するCPUからなる制御ユニット100を備えている。
上金型21及び下金型22は長手方向に延び、セットされた中子10に相対向する部位、すなわち、上金型21の下面及び下金型22の上面には断面円弧状で中心角αを90度とする支持面21a,22aが形成されている。
支持面21a,22aは中子10側に凹んだ凹面で、上下金型21,22の閉状態では、図1に示すように、上下左右に延びる線を45度回転させた線(互いに直交する斜め45度の2つの線)で中子10をそれが延びる長手方向に上下左右に四分割したときの上側の部分全体を丁度覆うように上金型21の支持面21aは当接し、下側の部分全体を丁度覆うように下金型22の下支面22aは当接するようにしている。
これにより、左側の部分と右側の部分は、上下金型21,22の閉状態に形成された隙間Mから露出される。
また、上金型21には熱源としてヒータ102が設けられ温度制御可能にしている。下金型22にはヒータ102は設けられていない。また、上金型21及び下金型22には金型を冷却する装置も設けられていない。
中子10には、熱可塑性プリプレグ1が巻き取られたロールRLから、中子10が回転することによって引き出された熱可塑性プリプレグ1がガイドロール32によって押し付けられるようにして中子10に巻回して積層するようにされている。ロールRLには、トルクモータ108が取付けられ、一定の張力で熱可塑性プリプレグ1が引き出されるようにしている。なお、ロールRLにおいて熱可塑性プリプレグ1にかかっているトルクは、プリプレグロールトルクセンサー115によって検知され、そのトルク量Q0は制御ユニット100に入力される。
また、この製造装置には、図3に示すように、上金型21の温度を検知する上金型温度センサー111,プレス機31による圧力を検知するプレス圧力センサー112,プレス時の上金型21の位置を検知するプレス位置センサー113,回転される中子10の位置を検知する中子位置センサー114の各センサーが設けられ、それぞれ、温度T0,圧力P0,位置S0,位置Φの値が制御ユニット100に入力される。
なお、ヒータ102,サーボモータ104,中子位置制御用モータ106及びトルクモータ108は、サイリスタアンプ103,サーボアンプ105,位置制御用サーボアンプ107及びトルク制御用サーボアンプ109をそれぞれ介して制御ユニット100に接続されている。
制御ユニット100には、マンマシンインタフェイス(I/F)101を介して図示を省略したROM,RAMなどの記憶装置,各種スイッチやキーボードなどの入力装置,プリンタなどの出力装置に接続されている。
中子10は、図4及び図5に示すように、切断面が長手方向に傾斜するように延びるように2分割された中子上片部10aと中子下片部10bからなる。
中子上片部10aの下面には長手方向に延びる蟻溝状の凹部10cが形成されるとともに、中子下片部10bの上面には長手方向に延びる凸部10dが形成され、中子上片部10aと中子下片部10bは互いに嵌合している。
中子10の中子上片部10aと中子下片部10bは、パイプ材の製造時に上下金型21,22間にセットされているときには嵌合により一体化されているが、熱可塑性プリプレグ1が中子10に巻回して何層にも積層された後に成形品から中子10を引き抜くときには、中子上片部10aに対して中子下片部10bを、あるいは中子下片部10bに対して中子上片部10aを長手方向にスライドさせることにより両者10a,10bを完全に分離することができるようにしている。
なお、ここでいう熱可塑性プリプレグ1には炭素繊維織物に対する樹脂含浸量を抑えたいわゆるセミプレグも含まれる。
熱可塑性プリプレグ(セミプレグも含む)1とは、強化材に炭素繊維織物、母材に熱可塑性樹脂を含浸又は半含浸させたものであり、熱可塑性樹脂としては、例えば、PA6,PA66,PC,POM,PU,PPS,PA9T,PA46,PAR,LCP,PSU,PES,PEEK,PEI,PAI,TPI,PTFE等があげられる。
本実施形態では、熱可塑性樹脂としてPA6を使用した。
このように構成されたパイプ材の製造装置を使用してパイプ材を製造する方法を図6及び図7を参照して説明する。
図6は、制御ユニット100の処理を示すフローチャートであり、図7は、上下金型1,22の開閉状態とそのときの中子10の回転位置を示している。
まず、電源オンの後、初期化として制御ユニット100は、入力装置によって入力された金型温度設定値Td,プレス圧力設定値Pd,プレス時間td,引張トルクQd,中子回転角度δ,材料支給回数N,中子回転位置θの各値を読み込む(ステップS1)。また、ここで、中子10の回転が第一回目のものであるか、あるいは第二回目以降のものであるかについて判定するフラグFを第一回目のものであることを示す「0」にセットする。
本実施形態では、金型温度設定値Tdを230℃,プレス圧力設定値Pdを1MP,プレス時間tdを30秒,中子回転角度δを75度,材料支給回数Nを100回と設定した。最初の中子回転位置θを水平ラインLから130度とした。金型温度設定値Tdは、熱可塑性プリプレグ1を構成する熱可塑性樹脂の溶融温度以上にコントロールされるものであればよい。
最初、ロールRLから引き出された熱可塑性プリプレグ1の端部は、両面テープ(接着剤であってもよい)によって中子10に固定される。
次に、入力装置上の起動スイッチ(図示しない)がオンされると(ステップS2)、制御ユニット100は、サーボモータ104を介してプレス機31を駆動して上下金型21,22を閉状態から開状態、すなわち、上金型21を上昇させるとともに下金型22を下降させる(ステップS3)。上下金型21,22の位置は、プレス位置センサー113によって検知される。
次に、制御ユニット100は、中子10の回転処理が第一回目か否かをフラグFで判定する(ステップS4)。
最初はフラグFは、「0」であるので、図7(a)に示すように、中子10を水平ラインLから熱可塑性プリプレグ1が巻き取られたロールRLから上金型21側に、図7(a)では反時計回りに、130度回転させて、その位置P2に中子1に固定された熱可塑性プリプレグ1の先端が位置するように中子位置制御用サーボモータ106を駆動させる(ステップS5)。中子10の位置は中子位置センサー114によって検知される。
このときフラグFには1がセットされる(ステップS6)とともに、トルクモータ108を介して引張トルクを設定値Qdに制御し(ステップS8)、ロールRLから一定の張力で熱可塑性プリプレグ1が引き出されるようにしている。
そして、ヒータ102を介して上金型21の温度をTdにするように制御した後(ステップS9)、図7(b)に示すように、プレス機31を介して上下金型21,22を閉状態にして(ステップS10)、プレス圧をPdに制御して熱プレス(加圧,加熱)する(ステップS11)。なお、上金型12の温度は上金型温度センサー111によって検知され、上下金型21,22によるプレス時の圧力はプレス圧力センサー112によって検知される。
これによれば、上金型21によって中子10側に接する支持面21aから中子10に巻かれた熱可塑性プリプレグ1に熱伝導するが、支持面21aの中心角αは90度で、図7(b)に示すように、上下金型21,22を閉状態にしたときにP1からP3の範囲(水平ラインLから45度〜135度の範囲)であるのに対して、熱可塑性プリプレグ1の先端の位置P2は、水平ラインLから120度にあるので熱可塑性プリプレグ1の先端が上金型21からはみ出すことはなく、中子10に対して熱可塑性プリプレグ1はその先端から確実に熱プレスされる。熱プレスの時間は、ステップS12に示されるようにtdであり、この時間は内部タイマ(図示しない)によって計測される。
次に、熱プレスの時間tdが経過すると(ステップS12)、制御ユニット100は、材料支給回数の値Nを1つデクリメントして(ステップS13)、そのNの値が0であるか否かを判定する(ステップS14)。
そして、Nの値が「0」であると処理を終了するが、「0」でなければ、上述したステップS3に戻る。
本実施形態の場合、材料支給回数Nを100回と設定しているのでステップS13ではNの値は99(=100−1)となりステップS3に戻って、プレス機31を駆動させることにより上下金型21,22が開状態にされる。
このとき、図7(c)に示されるように、中子10に対して、熱可塑性プリプレグ1は先端の位置P2から上金型21の支持面21aのロールRL側端部P1までの間が熱プレスされる。
そして、第二回目以後は、ステップS4のフラグFは、「1」であるので、図7(d)に示すように、中子10をいまある回転位置θ(ここでは120度)に回転角度δ(75度)を加えた位置P4(水平ラインLから195度の位置)まで回転させる(ステップS7)。
その後は、上述したステップS8〜ステップS12までの処理を、ステップS13〜ステップS14で材料支給回数Nが「0」になるまで実行する。
本実施形態では、材料支給回数Nを100回としたので、熱可塑性プリプレグ1がロールRLから100回引き出され、100回熱プレスされる。
これによれば、中子10は回転角度δで間欠的に回転させられ、その度に回転角度δに対応した量の熱可塑性プリプレグ1がロールRLから引き出されて熱プレスされ、中子10には熱可塑性プリプレグ1が一定のトルクで押し付けられながら巻回して積層された成型品(ゴルフシャフトになるもの)が形成される。その後、中子10において、2分割された中子上片部10aと中子下片部10bの一方(10a又は10b)に対して他方(10b又は10a)を長手方向にスライドさせることにより両者(10a,10b)を完全に分離して、成型品だけを容易にかつ瞬時に取り出すことができるようになっている。
特に、中子10の回転角度δ(75度)は、上金型21の支持面21aの中心角α(90度)よりも小さい回転角度δにしているので、図7(e)に示すように、水平ラインLから120度の位置P2から135度のP3間では中子10に対して熱可塑性プリプレグ1はオーバーラップされるようになっている。
また、熱可塑性プリプレグ1はロールRLから少量分ずつ間欠的に供給され、引張トルクをかけながら中子10に押し付けられて熱プレスされ、しかも熱プレスする面積を、通常の金型よりも小さくした(中心角α=90度)上金型21が有する支持面21aによって実行されるので、負荷を小さくした状態で高いプレス圧をかけることができしかも間欠的に熱プレスすることで中子10と熱可塑性プリプレグ1の間から空気を押し出し、ボイド(空隙)の発生を抑えることができる。
また、上金型21の支持面21aの中心角αは90度であることに加え、下金型22の支持面22の中心角αも90度であるので、上下金型21,22の閉状態では、上金型21と下金型22の間には2つの隙間Mが形成される。これに加えて、ヒータ102は上金型21だけに設けられ、下金型22には設けられていない。
したがって、上金型21が当接することで熱した熱可塑性プリプレグ1の部位は、中子10が回転させられることにより隙間Mを介して外気に接触するとともに下金型22にも接触することにより冷却されるので、一般的な熱プレス機のように、上金型21に設けられたヒータ102を冷却するための装置を特別に用意する必要はない。
なお、本実施形態では、上金型21の支持面21aの中心角α及び下金型22の支持面22aの中心角αを90度にしたが、これらを90度以下にするとともに、中子10の回転角度δをその90度以下の中心角αよりもさらに小さくして間欠的に熱プレスするようにしてもよい。
また、上金型21の支持面21aの中心角αだけを90度あるいはそれ以下にして、中子10の回転角度δをその90度以下の中心角αよりもさらに小さくして間欠的に熱プレスするようにしてもよい。
さらには、上金型21の支持面21aの中心角αを180度未満にして、中子10の回転角度δをその中心角αよりもさらに小さくして間欠的に熱プレスするようにしてもよい。
なお、本実施形態では、ゴルフシャフトを製造する装置及び方法について説明したが、プリプレグを使用した釣竿,テニスやバトミントンのラケット等に使用されるパイプ材であっても同様に製造することができる。
10 中子
10a 中子上片部
10b 中子下片部
10c 凹部
10d 凸部
21 上金型
21a 支持面
22 下金型
31 プレス機
32 ガイドロール
100 制御ユニット
101 マンマシンインタフェイス(I/F)
102 ヒータ
103 サイリスタアンプ
104 サーボモータ
105 サーボアンプ
106 中子位置制御用サーボモータ
107 位置制御用サーボアンプ
108 トルクモータ
109 トルク制御用サーボアンプ
111 上金型温度センサー
112 プレス圧力センサー
113 プレス位置センサー
114 中子位置センサー
115 プリプレグロールトルクセンサー
M 隙間
RL ロール

Claims (6)

  1. 断面円形で棒状の中子を回転しつつ熱可塑性プリプレグを巻回して積層したものを上下から開閉自在の上金型及び下金型で挟み込んで加圧して熱処理を施すパイプ材の製造方法であって、
    前記上金型及び下金型は、閉状態で上金型と下金型との間には前記中子に巻回された熱可塑性プリプレグを露出させる隙間が形成される形状で、しかも前記中子に相対向する断面円弧状で中心角αを180度未満とする支持面を有し、
    前記上金型及び下金型のうち、上金型だけに温度制御可能な熱源を設け、
    前記中子の回転角度δを前記中心角αよりも小さくして、前記中子を間欠的に回転駆動可能として、
    前記上下金型を開状態として前記中子を所定角度δ回転する工程と、前記上下金型を閉状態として、前記回転後の前記中子を挟み込んで加圧加熱する工程を繰り返して行うことを特徴とするパイプ材の製造方法。
  2. 前記上金型の支持面の中心角αを90度以下にしたことを特徴とする請求項1に記載のパイプ材の製造方法。
  3. 前記上金型の支持面の中心角αを90度にしたことを特徴とする請求項1に記載のパイプ材の製造方法。
  4. 断面円形で棒状の中子を回転しつつ熱可塑性プリプレグを巻回して積層したものを上下から開閉自在の上金型及び下金型で挟み込んで加圧して熱処理を施すパイプ材の製造装置であって、
    前記上金型及び下金型は、閉状態で上金型と下金型との間には前記中子に巻回された熱可塑性プリプレグを露出させる隙間が形成される形状で、しかも前記中子に相対向する断面円弧状で中心角αを90度以下とする支持面を有するとともに、前記上金型だけは温度制御可能な熱源を有し、
    前記中子の回転角度δを前記中心角αよりも小さい回転角度δで前記中子を間欠的に回転駆動させる回転駆動手段と、
    前記上金型及び下金型を開閉させ、閉状態で前記中子を加圧するプレス手段と、
    前記プレス手段を介して前記上下金型を開状態として前記回転駆動手段を介して前記中子を所定角度δ回転し、前記プレス手段を介して前記上下金型を閉状態として、前記回転後の前記中子を挟み込んで加圧加熱させる処理を繰り返して実行させる制御手段を備えることを特徴とするパイプ材の製造装置。
  5. 前記中子は、切断面が長手方向に傾斜するように延びるように2分割された中子上片部と中子下片部からなり、一方に対して他方を長手方向にスライドさせることにより両者を完全に分離することができるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のパイプ材の製造装置。
  6. 前記中子上片部の下面には長手方向に延びる凹部又は凸部が形成されるとともに、前記中子下片部の上面には長手方向に延びる凸部又は凹部が形成され、前記中子上片部と中子下片部は互いに嵌合していることを特徴とする請求項5に記載のパイプ材の製造装置。
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