JP6559442B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ加工装置に関する。
レーザは、光としての単色性、集光性、指向性、および干渉性等の特性に優れており、とくに集光状態では、パワー密度がきわめて高いエネルギー源となることから、広範な材料に対して、加熱、溶融、蒸発・蒸散処理を行うことができる。そのため、レーザ加工技術は、特許文献1〜3の例に示されるように、非特許文献1、2に開示されているような炭素強化複合材料等の非金属材料等にも応用されつつある。
特許文献1には、COレーザ発振器及びエキシマレーザを用いて、プラスチック部材又はFRP部材(以下、「ワーク」という)を加工する方法が提案されている。同方法では、初めに該切断又は穴あけ加工部へCOレーザのレーザビームを照射し、ワークの切断又は穴あけを行う。その後、エキシマレーザのレーザビームをその切断面及びその近傍に照射して前記切断面に生起した炭化層或いは熱影響層を除去することを骨子としている。
また、特許文献2には、固体レーザを用いた方法が開示されている。同方法では、出力が10W以上で20kWまでの範囲の高出力連続発振固体レーザを用いて、繊維強化複合材料を粗加工(第1の除去加工)した後に、該粗加工後における除去加工面に、10ピコ秒から100ナノ秒の範囲のパルス幅で、パルスエネルギーが1mJ〜500Jの範囲である超短パルス固体レーザを1秒間に複数回照射して、さらに第2の除去加工を施すことを骨子としている。
特許文献3には、特許文献2の欠点を改良した方法が開示されている。
特許文献1〜3に開示された技術で上述のような炭素強化複合材料等をレーザで加工した場合には、加工時の加工溝がくさび型になり、切り口が深さ方向に進行しない、という問題があった。そのため、ワークが厚板の場合には、レーザビームによる切断が困難になっていた。そのような問題を解決するため、レーザビームのスポット径を大きくすることも考えられる。しかしながら、その場合には、スポット径が増大するに伴い、切断に必要な出力が二次関数的に増加してしまう。また、スポット径が大きくなると、ワークに対する熱影響が大きくなる。
ところで、レーザビームの集光スポットの径を小さく維持しつつ、カーフ幅を広くする方法として、特許文献4の構成が知られている。特許文献4に開示されている方法ないし装置では、レーザビームを鋼板に照射して切断するに当たり、所定の加工線に沿ってレーザビームを移動する際に、レーザビームの集光スポットを複数個結像し、レーザビームが加工線に沿って移動する方向(加工方向)に対し、直角方向に各集光スポットを並べる手段を採用している。特許文献4の構成では、二つの集光スポットが切断方向に対し直角方向に並んで照射されるので、切断断面粗さ等の断面品質が向上し、溶鋼の残留やドロスの付着等のない安定した切断面品質を得ることができる。
二つの集光スポットを結像するために、引用文献1に採用されている切断用トーチは、筒状のノズル部と、ノズル部の内側に配置されたビームスプリッタと、ビームスプリッタを透過したレーザビームを集光する集光レンズとを備えている。ビームスプリッタは、回折型(Diffractive Optical Elements, DOE)である。レーザ発振器から切断用トーチに導かれたレーザビームは、ビームスプリッタで出力時に二分割され、集光レンズによって鋼板の上表面に集光スポットとして結像し照射される。
特許第2831215号公報 特許第4734437号公報 特開2012−192420号公報 特開2002−137078号公報
H.Niino ら、JLMN-Journal of Laser Micro/Nanoengineering誌、Vol.9, No.2、PP.180-186 (2014) Y.Harada ら、Materials Science Forum誌、Vols. 783-786、PP.1518-1523 (2014)
特許文献4の構成では、二つの集光スポットを照射して鋼板を切断するに際し、二つの集光スポットの間隔(「スポットピッチ」という)を当該鋼板の切断に好適な一定値に設定して切断していた。
しかしながら、単一のスポットピッチでレーザ加工することが困難な材料も存在する。例えば、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に代表される炭素強化複合材料は、炭素繊維とプラスチック(主に熱硬化性のもの)からなる。炭素繊維は、5ミクロン〜10ミクロン直径の高耐熱性且つ高伝熱性の繊維材料である。一方、プラスチックは、低耐熱性、低伝熱性のマトリックス材料が用いられている。
そのような炭素強化複合材料においては、レーザビームによって切断された溝が深くなるほど加工速度が低下するという現象が観測されている。これは、溝の内奥部に微粒子やプラズマが滞留して溝の深部までレーザビームがうまく届かないことが原因と考えられている。そのため、炭素強化複合材料をレーザで加工する場合には、同一の加工経路に沿ってレーザビームを複数回掃引する必要がある。従って、特許文献4のように、スポットピッチが固定された一定値の場合において、複数パスのレーザビームを複数回掃引したときは、炭素強化複合材料が低耐熱性、低伝熱性のプラスチックをマトリックス材料として採用していることにより、層間剥離が生じて強度が低下する恐れ等の不具合が想定されるため、特許文献4の構成を炭素強化複合材料に適用することは、困難であった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、炭素強化複合材料等、単一のスポットピッチでレーザ加工することが困難なワークにも対応することができ、しかも高速で高い断面品質を得ることのできるレーザ加工装置を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、ワークに予め設定された加工線であって曲線部分を含む加工線に沿って、二つの集光スポットが互いに前記ワーク上で前記加工線と直交する方向に対向するようにレーザビームを前記ワークに複数回掃引することにより前記二つの集光スポットを含む加工溝を形成して前記ワークを裁断するレーザ加工装置であって、前記二つの集光スポットの光源となる2本のレーザビームを生成するビーム生成手段と、前記ビーム生成手段が生成したレーザビームから前記二つの集光スポットを結像する集光レンズとこの集光レンズを内蔵するトーチとを含み、前記ビーム生成手段が生成した一方のレーザビームを前記集光レンズに導く第1の光路と他方のレーザビームを前記集光レンズに導く第2の光路とを形成する集光ユニットと、前記ビーム生成手段と前記集光レンズとの間に配置されて前記第2の光路の一部を形成し、且つ予め設定された軸回りに姿勢を変更可能な状態で前記ビーム生成手段が生成した他方のレーザビームを反射する第1の可動ミラーと、前記第1の可動ミラーと前記集光レンズとの間に配置されて前記第2の光路の一部を形成し、且つ予め設定された軸回りに姿勢を変更可能な状態で前記第1の可動ミラーが反射した前記他方のレーザビームをさらに反射する第2の可動ミラーと、前記第1の可動ミラーがレーザビームを反射する角度である第1の反射角度と前記第2の可動ミラーがレーザビームを反射する角度である第2の反射角度をそれぞれ個別に調整可能に前記第1の可動ミラーおよび前記第2の可動ミラーを対応する軸回りに選択的に駆動する駆動機構と、予め設定された条件に基づいて前記二つの集光スポット同士が隣接する間隔であるスポットピッチを演算するスポットピッチ演算部と、前記スポットピッチ演算部が演算したスポットピッチに基づいて、前記二つの集光スポットが互いに前記ワーク上で前記加工線と直交する方向に常に対向するように前記第1の可動ミラーの軸回りの変位量および前記第2の可動ミラーの軸回りの変位量をそれぞれ演算するミラー変位量演算部と、前記ミラー変位量演算部が演算した各軸回りの変位量に基づいて、前記駆動機構を制御する駆動機構制御部と、を備え、前記ミラー変位量演算部は、前記加工線の前記曲線部分において前記二つの集光スポットが前記曲線部分の法線方向に対向するように前記第1の可動ミラーの軸回りの変位量および前記第2の可動ミラーの軸回りの変位量をそれぞれ演算するように構成されていることを特徴とするレーザ加工装置である。この態様では、加工線に沿ってレーザビームをワークに複数回掃引する際に、二つの集光スポットが同時にワークに結像される。二つの集光スポットは、ワーク上で加工線に対し直交する方向に対向している。そして、隣接する二つの集光スポット同士のスポットピッチは、予め設定された条件に基づいて調整可能に演算され、選択的に第1、第2の可動ミラーを対応する軸回りに駆動することにより、任意に変更することができる。従って、ワークの加工条件に応じて、スポットピッチを変更し、好適な照射条件でワークをレーザ加工することができる。また、スポットピッチの変更は、ワークの材料ごとに設定することはもちろん、ワークの加工中にも実行することが可能となる。
好ましい態様のレーザ加工装置において、前記スポットピッチ演算部は、前記レーザビームを掃引した回数の増加に伴って前記スポットピッチが小さくなるように前記スポットピッチを演算する。この態様によれば、ワークの加工溝の深さに応じた照射条件を設定することができ、加工パスに応じてワークに適合させることができる。
好ましい態様のレーザ加工装置において、前記ビーム生成手段は、単一のレーザビームを発振するレーザ発振器と、前記レーザ発振器から照射された単一のレーザビームを二つの互いに直交する直線偏光ビームに分光するとともに一方の偏光ビームを前記第1の光路に導き、他方の偏光ビームを前記第1の可動ミラーに向けて前記第2の光路に導く偏光ビームスプリッタと、を含む。この態様では、単一のレーザ発振器を設けるだけで、二つの集光スポットを結像することができる。また、偏光ビームスプリッタを用いて、二つの集光スポットを結像しているので、特許文献4のように回析型のスプリッタを用いている場合に比べ、エネルギー損失が少ないばかりでなく、集光特性を汎用化することも容易になる。また、分光されたレーザビームによって集光された集光スポットは、互いに偏光の方向が直交するため、集光スポット間での干渉が生じなくなる。偏光ビームスプリッタは、一方の偏光ビームを透過し、他方の偏光ビームを反射するものであってもよく、一方の偏光ビームを反射し、他方の偏光ビームを透過するものであってもよい。
好ましい態様のレーザ加工装置において、前記第2の可動ミラーと前記集光レンズとの間に配置されて前記第2の光路の一部を形成し、且つ前記第2の可動ミラーが反射した偏光ビームを前記集光レンズに反射する第3のミラーをさらに備え、前記偏光ビームスプリッタは、前記第3のミラーが反射した偏光ビームの光路と前記レーザ発振器が発振した単一のレーザビームの光路との交点に配置されている。この態様では、単一の偏光ビームスプリッタによって、分光されたレーザビームをそれぞれ集光レンズに導くことができる結果、集光のための機構を簡素で廉価な構成で実現することができる。
好ましい態様のレーザ加工装置において、前記ビーム生成手段は前記第1の光路にレーザビームを発振する第1のレーザ発振器と、前記第2の光路にレーザビームを発振する第2のレーザ発振器と、を含み、前記レーザ加工装置は、前記第1のレーザ発振器及び前記第2のレーザ発振器による前記レーザビームの発振を制御する発振制御部をさらに備える。この態様では、複数のレーザ発振器を用いて、二つの集光スポットを結像しているので、特許文献4のように回析型のスプリッタを用いている場合に比べ、高い出力を得ることができ、しかも集光特性を汎用化することも容易になる。
好ましい態様のレーザ加工装置において、前記第1の光路と前記第2の光路との交点に配置され、且つ前記第1のレーザ発振器が発振したレーザビームを透過して前記集光レンズに導くとともに、前記第2のレーザ発振器から発振されて前記第2の可動ミラーに反射されたレーザビームを前記集光レンズに反射するダイクロイックミラーをさらに備えている。この態様では、単一のダイクロイックミラーにより、複数のレーザビームを集光レンズに導くことができる結果、集光スポットを形成する手段を簡素で廉価な構成で実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、小さな集光スポット径で広いカーフ幅の切り口を得ることができるので、ワークに応じた複数のスポットピッチを設定することができる結果、炭素強化複合材料等、単一のスポットピッチでレーザ加工することが困難なワークにも対応することができ、しかも高速で高い断面品質を得ることができるという顕著な効果を奏する。
本発明のさらなる特徴、目的、構成、並びに作用効果は、添付図面と併せて読むべき以下の詳細な説明から容易に理解できるであろう。
本発明の実施の一形態に係るトーチ型レーザ加工装置の斜視図である。 図1のトーチ型レーザ加工装置の要部を拡大して示す斜視図である。 図1のトーチ型レーザ加工装置のブロック図である。 図1のトーチ型レーザ加工装置に採用された第1実施形態に係る集光ユニットの構成図である。 図4の集光ユニットの構成を概略的に示す側面略図である。 第1実施形態に係る座標変換の説明図である。 第1実施形態に係る集光スポットの説明図である。 第1実施形態に係る加工手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る集光ユニットの構成図である。 第3実施形態に係る集光ユニットの構成図である。 第4実施形態に係る集光ユニットの構成図である。 第5実施形態に係る集光ユニットの構成図である。 第6実施形態に係る集光ユニットの構成図である。 第7実施形態に係る集光ユニットの構成図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
なお、以下に説明する各実施形態において、同等の部材には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、図1を参照して、第1実施形態に係るトーチ型レーザ加工装置10は、メートル級の大型製品をCFRPで製造する際に、CFRPを切断する装置として具体化されている。トーチ型レーザ加工装置10は、生産ラインに設置され、上流側の装置から予め設定された搬送経路に沿って搬送されたワークWKを切断し、切断後のワークWKを上記搬送経路に沿って下流側の装置に受け渡す機能を奏する。
以下の説明では、搬送経路に沿う方向を仮にX方向とし、X方向と直交する水平方向をY方向とし、上下方向をZ方向とする。また、Y方向において、一方を仮に前方とする。
トーチ型レーザ加工装置10は、ワークステーション20を備えている。ワークステーション20は、ワークWKが載置されるワークテーブル22と、ワークテーブル22を担持して、ワークテーブル22をY方向に駆動するY軸テーブル23と、Y軸テーブル23を介してワークテーブル22をX方向に駆動するX軸テーブル24とを備えている。各テーブル23、24には、それぞれY軸モータユニット25と、X軸モータユニット26(図3参照)が設けられている。各モータユニット25、26は、サーボモータやステッピングモータ等の駆動モータおよびエンコーダを備えている。
ワークステーション20の後方には、裁断ロボット30が設置されている。
裁断ロボット30は、ワークステーション20のX方向中間部分に立設されたピラー31と、このピラー31に設けられた昇降ユニット32と、レーザビームの発生源であるレーザ発振ユニット35(図3参照)と、昇降ユニット32によって、上下に移動可能に担持されるとともに、レーザ発振ユニット35が発振したレーザビームを集光する集光ユニット40とを備えている。昇降ユニット32には、Z軸モータユニット34(図3参照)が設けられている。昇降ユニット32は、サーボモータやステッピングモータ等の駆動モータおよびエンコーダを備えている。
レーザ発振ユニット35は、レーザ発振器36(図3、図4参照)を含む構造体である。レーザ発振器36は、ファイバレーザ、YAGレーザ、半導体レーザ(LDレーザ)、ディスクレーザ、炭素ガスレーザ等の基本発振波長光、およびその基本発振波長光を非線形光学素子等により高調波に変換したものを好適に用いることが可能である。
図2を参照して、集光ユニット40は、上下に延びる箱型の第1導光体41と、この第1導光体41の下部に配置され、第1導光体41に対して相対的にZ軸回りに回動する第2導光体42と、第2導光体42の側部に配置され、第2導光体42に対して相対的に一水平軸(図示の例では、X方向に沿う軸)回りに回動するトーチホルダ43と、トーチホルダ43に対し、相対的にZ方向に移動するトーチ44と、このトーチ44に内蔵される集光レンズ45とを備えている。
第1導光体41および第2導光体42は、何れも中空の構造体であり、詳しくは後述するように、それぞれ内部に複数のミラー等の光学ユニットや、一部の光学ユニットを駆動する駆動機構等を備えている。これらの構造体により、集光ユニット40の内部には、一方の集光スポットP1の光源となるレーザビームを伝搬する第1の光路OP1と、他方の集光スポットP2の光源となるレーザビームを伝搬する第2の光路OP2とが形成されている。
第1導光体41の頂部には、第1導光体41よりも小さな直方体形状の突出部41aが延設されている。突出部41aは、光学系のユニットを組み付けるための中空の構造体であり、この突出部41aの頂部には、入射部46が付設されている。入射部46は、レーザ発振ユニット35から照射されたレーザビームの入口となる部位である。詳しくは後述するように、入射部46は、突出部41aの複数の適所に形成されていてもよい。また、図2の例では、第1導光体41の頂部に突出部41aを設け、この突出部41aのさらに頂部に入射部46を設けているが、入射部46は、突出部41aの側部に設けられていてもよい。また、突出部41aを省略し、直接、第1導光体41に1または複数の入射部46を設けていてもよい。
トーチホルダ43は、トーチ44を機械的に保持する構造体である。
トーチ44は、トーチホルダ43に担持されるトーチヘッド部44aと、トーチヘッド部44aと一体的に設けられたトーチノズル44bとを備えている。
トーチホルダ44aは、第2の導光体42と連通し、導光体42の内部とともに、レーザビームを導く光路を形成している。トーチヘッド44aには、図2に示す初期位置において、トーチヘッド44aの下部に位置するトーチノズル44bが設けられている。
トーチノズル44bは、先端がテーパ状に先細りする筒状の構造体である。トーチノズル44bは、先端が先細りしたスリーブ体であり、トーチヘッド44aとともに、上記光路を形成している。トーチ44は、トーチヘッド44aからトーチノズル44bの終端までの光路の途中に集光レンズ45(図4参照)を内蔵している。集光レンズ45は、トーチノズル44bの軸線Tzと同心に配置されている。
集光レンズ45は、上記第1、第2の光路OP1、OP2のそれぞれから伝搬されるレーザビームを集光し、トーチノズル44bからレーザビームを出射してワークテーブル22上のワークWKに結像する。
トーチノズル44bを任意の姿勢に変更するため、第1導光体41には、第2導光体42を上記鉛直軸回りに駆動するC軸駆動ユニット50(図3参照)が設けられている。また、第2導光体42には、トーチホルダ43を上記一水平軸回りに駆動するA軸駆動ユニット51(図3参照)が設けられている。各駆動ユニット50、51は、サーボモータやステッピングモータ等の駆動モータおよびエンコーダを備えている。
なお、以下の説明では、トーチノズル44bの軸線Tzが図2の通り鉛直方向に沿って下向きにレーザビームを照射するときの姿勢を初期位置とし、この初期位置を基準に内部の光学系の姿勢を説明する。
図4および図5を参照して、第1実施形態では、上述のように、レーザ発振ユニット35を単一のレーザ発振器36で構成する一方、第1の導光体41に突出部41aを設け、さらに突出部41aの頂部に入射部46を設け、この入射部46から鉛直方向にレーザビームを入射させる構成を採用している。第2の導光体42内には、長方形の反射ミラー11が入射部46の下方に配置されている。反射ミラー11は、その一辺が水平に沿って配置され、第1の導光体41に入射されたレーザビームを水平方向に沿ってトーチヘッド44aの内部に反射するように傾斜している。さらに、トーチヘッド44a内には、長方形の偏光ビームスプリッタ60が内蔵されている。偏光ビームスプリッタ60は、反射ミラー11に対し水平に対向するとともに、トーチノズル44bの軸線Tz上に配置されており、反射ミラー11から反射されたレーザビームをP波とS波との二つの互いに直交する直線偏光ビームに分光する。偏光ビームスプリッタ60は、反射ミラー11から照射されたレーザビームのうちの一方の偏光ビーム(図示の例では、P波)を垂直方向下向きに反射して集光レンズ45に導き、他方の偏光ビーム(図示の例では、S波)を透過することにより、レーザビームを第1の光路OP1および第2の光路OP2に分光している。図示の例では、第1の光路OP1に分光される偏光ビームは、P波であり、第2の光路OP2に分光される偏光ビームは、S波であるが、これらを逆に設定してもよい。第1実施形態では、レーザ発振器36と偏光ビームスプリッタ60とにより、2本のレーザビーム(P波とS波の偏光ビーム)を生成するビーム生成手段を構成している。
第1の光路OP1は、偏光ビームスプリッタ60から反射した偏光ビームが集光レンズ45に到達するまでの光路である。集光レンズ45は、第1の光路OP1を経て入射した偏光ビームをトーチノズル44bの軸線Tzに沿って出射し、ワークWK上に集光スポットP1を結像する。
第2の光路OP2は、偏光ビームスプリッタ60を透過した偏光ビームが集光レンズ45に到達するまでの光路である。第2の光路OP2は、偏光ビームスプリッタ60に分光された他方の偏光ビーム(S波)を反射する第1のミラー61と、第1のミラー61が反射した他方の偏光ビームをさらに反射して偏光ビームスプリッタ60を経由して集光レンズ45に導く第2のミラー62とによって形成されている。
第1、第2のミラー61、62は、何れも、例えば長方形に形成されており、予め設定された軸回りにそれぞれ回動可能に支持されている。以下の説明では、第1のミラー61が回動する回動中心の軸をα軸とし、第2のミラー62が回動する回動中心の軸をβ軸とする。
第1のミラー61は、一辺を水平方向に沿わせて、反射ミラー11から入射したレーザビームを斜め上方に反射する姿勢に傾斜している。第1のミラー61のα軸は、第1のミラー61の傾斜した辺と平行に設けられている。
第2のミラー62は、第1のミラー61の水平な辺と一辺を平行に沿わせて、第1のミラー61から反射されたレーザビームを垂直方向下方に反射する姿勢に傾斜している。第2のミラー62のβ軸は、第2のミラー62の水平な辺と平行に設けられている。
第1のミラー61および第2のミラー62は、何れもトーチヘッド44aに内蔵されている。第1のミラー61は、偏光ビームスプリッタ60を水平に対向している。また、第2のミラー62は、偏光ビームスプリッタ60を挟んで集光レンズ45と垂直に対向している。
第2のミラー62から偏光ビームスプリッタ60に反射された偏光ビームは、偏光ビームスプリッタ60を透過する方向に偏光しているので、そのまま偏光ビームスプリッタ60を透過し、集光レンズ45に入射する。集光レンズ45は、入射した偏光ビームを、トーチノズル44bの軸線Tzに近接させて、下方のワークステーション20上に載置されたワークWK上に集光する。
なお、第1、第2の光路OPは、上述したミラー以外のミラーを用いて、適宜光路を変更してもよい。例えば、入射部46と反射ミラー11との間に別のミラーが配置されていてもよい。また、第1のミラー61と第2のミラー62との間に別のミラーが配置されていてもよい。
さらに、集光ユニット40は、第1のミラー61をα軸回りに駆動するα軸駆動ユニット64と、第2のミラー62をβ軸回りに駆動するβ軸駆動ユニット65とを備えている。各駆動ユニット64、65は、サーボモータやステッピングモータ等の駆動モータおよびエンコーダを備えている。
第1、第2のミラー61、62の傾斜をそれぞれα軸、β軸回りに調整することにより、それぞれのミラー61、62の第1、第2の反射角度(入射角と出射角の和)θ1、θ2が変更される。これにより、一方の偏光ビームを集光した集光スポットP1と、他方の偏光ビームを集光した集光スポットP2との間隔(以下、「スポットピッチ」という。)mを設定・変更することが可能になる。
上述のようなレイアウトを採用することにより、入射部46から入射したレーザビームは、まず、反射ミラー11によって、トーチヘッド44a内に反射される。反射ミラー11から反射されたレーザビームは、偏光ビームスプリッタ60によって分光される。分光された一方の偏光ビーム(P波)は、偏光ビームスプリッタ60によって鉛直方向下向きに反射され、集光レンズ45に入射する。そして、集光レンズ45に集光されることによって、トーチノズル44bから出射し、ワークWK上で集光スポットP1を結像する。
一方、偏光ビームスプリッタ60によって分光された他方の偏光ビーム(S波)は、偏光ビームスプリッタ60を透過し、第1のミラー61に反射される。さらに、第1のミラー61から第2のミラー62を経て、直下の偏光ビームスプリッタ60に入射する。このレーザビームは、偏光ビームスプリッタ60を透過するので、そのまま、集光レンズ45に入射し、集光レンズ45に集光されることによって、トーチノズル44bから出射し、ワークWK上で集光スポットP2を結像する。
上述したスポットピッチの設定や、各集光スポットP1、P2の座標の決定は、次に説明する制御装置100によって処理される。
図1〜図3を参照して、トーチ型レーザ加工装置10には、制御装置100が併設されている。制御装置100は、図略のマイクロプロセッサや、入出力装置を有し、トーチ型レーザ加工装置10の各駆動系の制御を司る機能を有している。
図3を参照して、制御装置100は、各モータユニット25、26、34、50、51、64、65と接続されるモータユニット制御部101と、レーザ発振器36と接続される発振制御部102とを備えている。
モータユニット制御部101は、模式的に単一のブロックで表されているが、具体的には、個々のモータユニットの駆動に必要なドライバを実行することにより実現されるモジュールである。上述のように、各モータユニットには、図略のエンコーダが設けられており、エンコーダの出力は、モータユニット制御部101を介して制御装置100に入力されるようになっている。モータユニット制御部101は、各モータユニットのエンコーダの出力に基づいて、制御装置100がフィードバック制御を行うための演算処理を実行することができるように構成されている。
発振制御部102は、レーザ発振器36の駆動に必要なドライバを実行することにより実現されるモジュールである。レーザ発振器36には、発振データ(発振周波数、照射強度等)を出力する出力部が設けられており、この出力部からの発振データが発振制御部102を介して制御装置100に入力されるようになっており、発振制御部102は、入力された発振データに基づいて、制御装置100がフィードバック制御を行うための演算処理を実行することができるように構成されている。
次に、制御装置100は、記憶部110を有している。
記憶部110は、主記憶装置を構成するROM、RAMの他、ハードディスク装置や、DVDドライブ装置等の補助記憶装置によって具体化されるモジュールである。制御装置100のマイクロプロセッサは、実行されるプログラムに基づき、補助記憶装置等のデータ記憶領域に保存されているデータを読み取って、必要なプログラムを実行する。
記憶部110のデータ記憶領域には、ワークWKごとに加工ラインの軌跡データ(座標を示すデータ)や加工条件等を含む加工データが保存されている。加工データは、マイクロプロセッサが一回に処理するブロック毎に分割されて保存されている。加工データには、加工線Lの座標や、加工線Lに沿ってワークWKを裁断するためにトーチノズル44bが移動する軌跡を示す軌跡データに係る5軸(X軸、Y軸、Z軸、C軸、およびA軸。以下、同様。)の座標が含まれる。また、レーザビームの照射パス(同一エリアを照射する回数)、出力(ワット)、周波数、パルス幅も含まれている。
次に、制御装置100は、記憶部110から加工データを読み取るデータ読取部111と、読み取られた加工データに基づいて、トーチノズル44bの移動方向を表すベクトルデータを演算するベクトル演算部112と、スポットピッチmを演算するスポットピッチ演算部113と、演算されたベクトルデータおよびスポットピッチmに基づいて、第1、第2のミラー61、62の姿勢をそれぞれの軸データ(α軸、β軸回りの座標)で決定するミラー変位量演算部114と、発振条件を決定する発振条件演算部115とを機能的に備えている。これらは、制御装置100を構成するミドルウェアやアプリケーションソフトウェアによって実行されるプログラムモジュールである。
データ読取部111は、制御装置100は、実行時に必要なブロックの加工データと、次に実行されるブロックの加工データとを一度の処理で読み取るように構成されている。
ベクトル演算部112は、読み取られた軌跡データに基づいて、トーチノズル44bの進行方向を示すベクトルデータを生成する。ここで第1実施形態においては、トーチノズル44bは、5軸に基づいて任意の角度でワークWKの加工面Sに対向し、レーザ加工するものである。そのため、ベクトル演算部112がベクトルデータを演算する際には、図6に示すように、ワークWKの法線z’をZ軸とする平面座標(x’,y’)をトーチノズル44bの軸線TzをZ軸とする平面座標(x,y)に変換する処理が含まれている。
図6を参照して、例えば、一ブロックの加工データにおいて、加工面Sにおいて加工される座標(x0’,y0’)を始点とし、座標(x1’,y1’)を終点とするベクトルV’に対応して、トーチノズル44bの移動ベクトルVの始点(x0,y0)と終点(x1,y1)とを演算する場合には、ベクトルV’の始点(x0’,y0’)と終点(x1’,y1’)とをそれぞれ加工面Sの法線z’を基準に加工面Sの二次元座標系(x’,y’)上に定め、次いでこれらの各座標をトーチノズル44bの軸線Tzをz軸とする二次元座標系(x,y)上の座標(x0,y0)、(x1,y1)に変換することとしている。
スポットピッチ演算部113は、ベクトル演算部112の演算結果とデータ読取部111が読み取った加工データとに基づき、スポットピッチmを演算する。ここで、第1実施形態では、モータユニット制御部101から、レーザビームを掃引した回数であるパス回数がフィードバックされるように構成されている。炭素強化複合材料のワークWKを裁断する場合、一度の照射でワークWKを裁断することは少なく、通常は、複数回レーザビームを照射して裁断している。一方、炭素強化複合材料の場合には、加工時の加工溝がくさび型になり、切り口が深さ方向に進行しない、という問題がある。そのため、第1実施形態では、レーザビームの照射パス前半では、スポットピッチmを大きく設定し、照射パスの後半では、スポットピッチmが小さくなるように、スポットピッチ演算部113がフィードバックされたパス回数に基づき、レーザビームの掃引回数の増加に伴って、スポットピッチmを小さく変更することができるように構成されているのである。
なお、スポットピッチmの演算方法としては、ブロックごとに同一の値を採用してもよく、可能であれば、座標ごとにスポットピッチmを変更するようにしてもよい。
ミラー変位量演算部114は、ベクトル演算部112が演算したベクトルデータと、スポットピッチ演算部113が演算したスポットピッチmとに基づき、第1の反射角度θ1の制御量であるα軸回りの回動量(α軸データ)と、第2の反射角度θ2の制御量であるβ軸回りの回動量(β軸データ)とを決定する。
図7を参照して、第1実施形態では、二つの集光スポットP1、P2が常に加工線Lに対し、加工面S上で直交する方向に対向するようにα軸回りの回動量とβ軸回りの回動量とがそれぞれ決定される。これにより、加工線Lに曲線部分が含まれていたとしても、二つの集光スポットP1、P2は、その曲線部分の法線方向に対向し、予め設定されたスポットピッチmを維持しながら進行方向に移動する。ミラー変位量演算部114が決定したα、β軸データは、モータユニット制御部101に出力される。モータユニット制御部101は、出力されたα、β軸データに基づいて、各モータユニット26、25、34、50、51、64、65の駆動を制御する。
発振条件演算部115は、図3に示すように、加工データとベクトル演算部112が演算したベクトルデータに基づき、ブロックごとにレーザ発振器36による発振条件を演算(または設定)する。演算された発振条件は、発振制御部102に出力される。発振制御部102は、出力された発振条件に基づいて、レーザ発振器36の発振を制御する。
次に、第1実施形態の作用について、説明する。
図1、図3、図8を参照して、ワークWKが上流側の装置から受け渡されると、ワークWKは、ワークステーション20のワークテーブル22に固定される(図1参照)。ついで、このワークWKについて、制御装置100のデータ読取部111は、実行ブロックと、次のブロックの加工データを読み取る(ステップS1)。
次いで、ベクトル演算部112は、進行方向の演算を実行する(ステップS2)。この演算結果に基づき、スポットピッチ演算部113は、mデータ(スポットピッチ)を演算する(ステップS3)。
次いで、ミラー変位量演算部114は、ベクトル演算部112が演算したベクトルデータと、スポットピッチ演算部113が演算したmデータとに基づき、α、β軸データを演算し、モータユニット制御部101に出力する(ステップS4)。
さらに、発振条件演算部115は、演算されたベクトルデータおよびデータ読取部111が読み取った加工データに基づき、発振条件を決定する発振条件データを演算し、演算結果を発振制御部102に出力する(ステップS5)。
次いで、各制御部110、111は、それぞれの制御対象となるモータユニットまたはレーザ発振器36を制御し、トーチ44やワークテーブル22を駆動しながら、予め設定された加工線Lに沿って、レーザを複数パスにわたり、掃引する。
照射されるレーザビームは、図7に示すように、加工線Lに対し、互いに直交する平面上(x’,y’平面)上で、直交する方向に対向し、照射パスごとに予め設定されたスポットピッチmを維持しつつ、加工線Lに沿って移動する。この結果、ワークWKの切り口は、何れも比較的小さなスポット径dで高速に切断され、しかも、大きなカーフ幅の切り口を形成する。
ここで、ワークWKが炭素強化複合材料(特に、炭素強化複合プラスチック)である場合、照射パスが増加するに伴い、スポットピッチmは、狭く設定される。そのため、通常では、レーザビームの届きにくい加工溝の最深部にも高いエネルギーでレーザビームを到達させることが可能となる。
[第2実施形態]
次に、図9を参照して、第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、レーザ発振ユニット35(図3参照)を第1、第2のレーザ発振器71、72の二つで構成する一方、これら第1、第2のレーザ発振器71、72に対応して、突出部41aの側部に第1入射部48を設け、頂部に第2入射部49を設けている。また、突出部41aの内部には、長方形の第1のダイクロイックミラー81が配置されている。第1のダイクロイックミラー81は、第1のレーザ発振器71が発振したレーザビームを鉛直方向下向きに反射し、第2のレーザ発振器72が発振したレーザビームを透過する特性に設定されている。
第1、第2のレーザ発振器71、72は、何れもレーザ発振器36と同様に、ファイバレーザ、YAGレーザ、半導体レーザ(LDレーザ)、ディスクレーザ、炭素ガスレーザ等の基本発振波長光、およびその基本発振波長光を非線形光学素子等により高調波に変換したものを好適に用いることが可能である。ただし、第1のレーザ発振器71が発振するレーザビームと第2のレーザ発振器72が発振するレーザビームは、互いの干渉を回避することができるようにそれぞれ異なる波長に設定されている。
第1のレーザ発振器71は、第1の集光スポットP1を結像するレーザビームを照射する。また、第2のレーザ発振器72は、第2の集光スポットP2を結像するレーザビームを照射する。このように第2実施形態では、これら第1、第2のレーザ発振器71、72により、2本のレーザビームを生成するビーム生成手段を構成している。
第1のレーザ発振器71が発振するレーザビームと第2のレーザ発振器72が発振するレーザビームがそれぞれ異なる波長に設定されている結果、第1のダイクロイックミラー81は、第1のレーザ発振器71から発振されたレーザビームを鉛直方向下方に反射し、第2のレーザビーム発振器72から発振されたレーザビームを鉛直方向下方に透過する。
第1のダイクロイックミラー81から出射した各レーザビームは、それぞれ第2の導光体42に配置された反射ミラー11に反射され、水平方向に沿って第1のミラー61に入射する。ここで、第2実施形態においては、第1実施形態の偏光ビームスプリッタ60に代えて、長方形の第2のダイクロイックミラー82が当該偏光ビームスプリッタ60と同一場所に配置されている。この第2のダイクロイックミラー82は、第1のダイクロイックミラー81と同様に、第1のレーザ発振器71が発振したレーザビームを鉛直方向下向きに反射し、第2のレーザ発振器72が発振したレーザビームを透過する特性に設定されている。
上述のようなレイアウトを採用することにより、第1のレーザ発振器71から水平に発振されたレーザビームは、第1のダイクロイックミラー81に反射されて鉛直方向下方に進行し、反射ミラー11に水平に反射されることによって第2のダイクロイックミラー82に入射する。第2のダイクロイックミラー82に入射したレーザビームは、この第2のダイクロイックミラー82によって鉛直方向下向きに反射されて集光レンズ45に入射し、集光レンズ45に集光されることによって、トーチノズル44bから出射し、ワークWK上で集光スポットP1を結像する。
一方、第2のレーザ発振器72からのレーザビームは、第1のダイクロイックミラー81を透過して鉛直方向下方に進行し、反射ミラー11に入射して水平に反射された後、第2のダイクロイックミラー81を透過し、第1のミラー61に入射する。第1のミラー61に入射したレーザビームは、この第1のミラー61に反射されることによって第2のミラー62に入射し、さらにこの第2のミラー62に反射されることによって、直下の第2のダイクロイックミラー82に入射する。このレーザビームは、第2のダイクロイックミラー82を透過するので、そのまま、集光レンズ45に入射し、集光レンズ45に集光されることによって、トーチノズル44bから出射し、ワークWK上で集光スポットP2を結像する。
[第3実施形態]
次に、図10を参照して、第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、レーザ発振ユニット35(図3参照)を単一のレーザ発振器36で構成する一方、第1の導光体41の内部に第1、第2のミラー61、62、並びにα軸駆動ユニット64及びβ軸駆動ユニット65を配置している。また、この第1の導光体41の内部における光学系等のレイアウト変更に伴い、第3実施形態では、突出部41aを省略し、第1の導光体41の側部に入射部46を設けている。
第3実施形態においては、第1の導光体41の内部において、入射部46と水平に対向する位置に第1のミラー61を配置し、第1のミラー61の直下に長方形の第2のミラー62を配置している。
第1のミラー61は、一辺を水平方向に沿わせて、入射部46から入射したレーザビームを垂直方向に沿って下方に反射する姿勢に傾斜している。第1のミラー61のα軸は、第1のミラー61の傾斜した辺と平行に設けられている。α軸駆動ユニット64は、このα軸回りに第1のミラー61を駆動するように構成されている。
第2のミラー62は、一辺を水平方向に沿わせて、第1のミラー61から反射されたレーザビームを水平方向に沿って反射する姿勢に傾斜している。第2のミラー62のβ軸は、第2のミラー62の水平な辺と平行に設けられている。β軸駆動ユニット64は、このβ軸回りに第2のミラー61を駆動するように構成されている。
第1のミラー61と入射部46との間には、長方形の第1の偏光ビームスプリッタ91が配置されている。第1の偏光ビームスプリッタ91は、第2の導光体42の反射ミラー11の真上に配置されている。第1の偏光ビームスプリッタ91は、第1実施形態と同様に、レーザ発振器36から照射されたレーザビームのうちの一方の偏光ビーム(図示の例では、P波)を垂直方向下向きに反射する一方、他方の偏光ビーム(図示の例では、S波)を透過することにより、レーザビームを第1の光路OP1および第2の光路OP2に分光している。
また、第1の偏光ビームスプリッタ91の直下には、第2のミラー62と水平に対向する長方形の第2の偏光ビームスプリッタ92が配置されている。この第2の偏光ビームスプリッタ92は、第1の偏光ビームスプリッタ91とは逆に、一方の偏光ビーム(図示の例では、P波)を透過する一方、他方の偏光ビーム(図示の例では、S波)を反射する。
第2の偏光ビームスプリッタ92は、第2の導光体42に内蔵された反射ミラー11に上方から臨んでいる。すなわち、同一鉛直線上に、第1、第2の偏光ビームスプリッタ91、92と、反射ミラー11とが上から順に並んでいる。
第3実施形態では、レーザ発振器36と第1の偏光ビームスプリッタ91とにより、2本のレーザビーム(P波とS波の偏光ビーム)を生成するビーム生成手段を構成している。
反射ミラー11は、トーチヘッド44a内に配置された反射ミラー12と対向し、第2の偏光ビームスプリッタ92から出射されたそれぞれの偏光ビームを反射し、この反射ミラー12に出射する。反射ミラー12は、トーチヘッド44a内において、トーチノズル44bの軸線Tz上に配置されており、反射ミラー11から反射された偏光ビームをそれぞれ集光レンズ45に反射する。
上述のようなレイアウトを採用することにより、第1の偏光ビームスプリッタ91から反射されて第1の光路OP1を辿るレーザビームは、第2の偏光ビームスプリッタ92を透過して下方に進行し、第2の導光体42に配置された反射ミラー11に反射されることによって反射ミラー12に入射した後、反射ミラー12に反射されることよって垂直方向下向きに出射され、集光レンズ45に入射する。一方、第1の偏光ビームスプリッタ91を透過して第2の光路OP2を辿るレーザビームは、第1、第2のミラー61、62によって形成される光路を辿った後、第2の偏光ビームスプリッタ92に反射されて下方に導かれ、さらに第2の導光体42に配置された反射ミラー11から反射ミラー12を経て集光レンズ45に入射する。各レーザビームは、集光レンズ45に集光されることによって、トーチノズル44bから出射し、ワークWK上で集光スポットP2を結像する。
[第4実施形態]
次に、図11を参照して、第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、レーザ発振ユニット35(図3参照)を第1、第2のレーザ発振器71、72の二つで構成する一方、第1の導光体41の内部に第1、第2のミラー61、62、並びにα軸駆動ユニット64及びβ軸駆動ユニット65を配置している。また、この第1の導光体41の内部における光学系等のレイアウト変更に伴い、突出部41aを省略し、第1、第2のレーザ発振器71、72に対応して、第1の導光体41の頂部に第1入射部48を設け、側部に第2入射部49を設けている。
第4実施形態は、これら第1、第2のレーザ発振器71、72により、2本のレーザビームを生成するビーム生成手段を構成している。
第4実施形態のビーム生成手段は、基本的には第2実施形態と同等であるが、第1のレーザ発振器71と第2のレーザ発振器72とが逆になっているとともに、第1、第2のミラー61、62、並びにα軸駆動ユニット64及びβ軸駆動ユニット65のレイアウトが異なっていることから、後述する通り、若干の相違がある。他方、第2導光体42に配置された反射ミラー11、トーチヘッド44aに配置された反射ミラー12、並びに集光レンズ45については、第3実施形態と同様の形態を採用している。
第4実施形態においては、第1入射部48と反射ミラー11との間に、長方形のダイクロイックミラー80が配置されている。ダイクロイックミラー80は、第2のミラー62と水平方向に対向し、第1のレーザ発振器71が発振したレーザビームを透過し、第2のレーザ発振器72が発振したレーザビームを鉛直方向下向きに反射する特性に設定されている。ダイクロイックミラー80は、一辺を水平に沿わせ、第2のミラー62が出射したレーザビームを鉛直方向に沿って下方に反射する方向に傾斜している。
上述のようなレイアウトを採用することにより、第1のレーザ発振器71から発振されて第1入射部48から第1の光路OP1を辿るレーザビームは、ダイクロイックミラー80を透過して第2の導光体42に配置された反射ミラー11に入射し、さらに、反射ミラー11に水平に反射されて反射ミラー12に入射した後、反射ミラー12によって垂直方向下向きに出射され、集光レンズ45に入射する。一方、第2のレーザ発振器72から発振されて第2入射部49から第2の光路OP2を辿るレーザビームは、第1、第2のミラー61、62によって形成される光路を辿った後、ダイクロイックミラー80に反射されて下方に導かれ、さらに第2の導光体42に配置された反射ミラー11から反射ミラー12を経て集光レンズ45に入射する。各レーザビームは、集光レンズ45に集光されることによって、トーチノズル44bから出射し、ワークWK上で集光スポットP2を結像する。
[第5実施形態]
次に、図12を参照して、第5実施形態について説明する。なお、以下に説明する第5実施形態から図14の第7実施形態では、図1、図2に示した裁断ロボット30には実装されないが、原理的には、別の筐体によって実現可能な構成例である。
第5実施形態では、レーザ発振ユニット35(図3参照)を単一のレーザ発振器36で構成する一方、集光ユニット40は、第1実施形態と同様の偏光ビームスプリッタ60を備えている。
第5実施形態において、第2の光路OP2は、偏光ビームスプリッタ60に分光された他方の偏光ビーム(S波)を反射する第1のミラー61と、第1のミラー61が反射した他方の偏光ビームをさらに反射する第2のミラー62と、第2のミラー62が反射した他方の偏光ビームをさらに反射する第3のミラー63とによって形成されている。
第3のミラー63は、第2のミラー62の反射した偏光ビームが、偏光ビームスプリッタ60を経由して集光レンズ45に反射されるように配置されている。
上述のようなレイアウトを採用することにより、第3のミラー63から偏光ビームスプリッタ60に反射された偏光ビームは、偏光ビームスプリッタ60を透過する方向に偏光しているので、そのまま偏光ビームスプリッタ60を透過し、集光レンズ45に入射する。集光レンズ45は、入射した偏光ビームを、トーチノズル44bの軸線Tzに近接させて、下方のワークステーション20上に載置されたワークWK上に集光する。
[第6実施形態]
次に、図13を参照して、第6実施形態について説明する。
第6実施形態では、レーザ発振器36から集光レンズ45までの経路に2枚の偏光ビームスプリッタ60、66を直列に配置している。これらは、何れも第3実施形態の第1の偏光ビームスプリッタ91と同様に、一方の偏光ビーム(図示の例では、P波)を透過し、他方の偏光ビーム(図示の例では、S波)を反射してレーザビームを分光する。第6実施形態において、第2のミラー62に反射されたレーザビーム(S波)は、下流側の偏光ビームスプリッタ66に入射する。
上流側の偏光ビームスプリッタ60は、第1のミラー61の上流側に配置され、レーザ発振器36のレーザビームが直接入射するようになっている。下流側の偏光ビームスプリッタ66は、第2のミラー62の下流側において、上流側の偏光ビームスプリッタ60の下流側と交差する位置に配置されている。また、集光レンズ45は、上流側の偏光ビームスプリッタ60と下流側の偏光ビームスプリッタ66とを結ぶ線上において、下流側の偏光ビームスプリッタ66の下流側に配置されている。
上述のようなレイアウトを採用することにより、レーザ発振器36から発振されたレーザビームは、上流側の偏光ビームスプリッタ60に入射し、P波とS波の二つの偏光ビームに分光される。一方の偏光ビーム(図示の例では、P波)は、両偏光ビームスプリッタ60、66を透過して、集光レンズ45に入射する。また他方の偏光ビーム(図示の例では、S波)は、上流側の偏光ビームスプリッタ60に反射されることによって、第1のミラーに入射し、第2のミラーを経て下流側の偏光ビームスプリッタ66に入射する。下流側の偏光ビームスプリッタ66は、他方の偏光ビームを反射する特性を有することから、入射した偏光ビームを下方に反射して、集光レンズ45に入射する。各偏光ビームは、集光レンズ45に集光されることによって、トーチノズル44bから出射し、ワークWK上で集光スポットP2を結像する。
[第7実施形態]
次に、図14を参照して、第7実施形態について説明する。
第7実施形態では、第2実施形態と同様に、レーザ発振ユニット35を第1、第2のレーザ発振器71、72で具体化している。
第1のレーザ発振器71は、第1の光路OP1に沿ってレーザビームを発振する。第1の光路OP1中の第1のレーザ発振器71と集光レンズ45との間には、ダイクロイックミラー80が配置されている。ダイクロイックミラー80は、第1のレーザ発振器71が発振したレーザビームを透過し、第2のレーザ発振器72が発振したレーザビームを鉛直方向下向きに反射する特性に設定されている。
第2のレーザ発振器72が発振したレーザビームは、第2の光路OP2に沿って発振される。第2の光路OP2に配置された第1、第2のミラー61、62は、それぞれ予め設定された第1、第2の反射角度θ1、θ2で第2のレーザ発振器72が発振したレーザビームを反射する。第2のミラー62が反射したレーザビームは、ダイクロイックミラー80に入射し、このダイクロイックミラー80によってさらに反射されることにより、集光レンズ45に入射する。
[各実施形態の効果]
以上説明したように、第1〜第7実施形態においては、加工線Lに沿ってレーザビームをワークWKに複数回掃引する際に、二つの集光スポットP1、P2が同時にワークWKに結像される。二つの集光スポットP1、P2は、図7に示すように、ワークWK上で加工線Lに対し直交する方向に対向している。そして、隣接する二つの集光スポットP1、P2同士のスポットピッチmは、予め設定された条件に基づいて調整可能に演算されている。この結果、ワークWKの加工条件に応じて、スポットピッチmを変更し、好適な照射条件でワークWKをレーザ加工することができる。また、スポットピッチmの変更は、集光ユニット40の第1、第2のミラー61、62を駆動して、それぞれの反射角度θ1、θ2を選択的に変更することにより、任意に設定することができる。従って、ワークWKの材料ごとに設定することはもちろん、ワークWKの加工中にスポットピッチmを変更することも可能となる。
また、第1〜第7実施形態において、発振ユニット35および集光ユニット40は、5軸の駆動機構(駆動モータユニット25、26、34、50、51)と、この駆動機構によって駆動されるトーチ44とを含む裁断ロボット30に実装されている。このため、第1〜第7実施形態では、トーチ44のトーチノズル44bを三次元空間内の加工線Lに沿ってワークWKを加工することも可能となる。
また、第1〜第7実施形態に係る制御装置100は、加工線Lの法線をZ座標とする直交平面座標(x’、y’)に基づき、トーチノズル44bの軸線TzをZ軸とする直交平面座標(x、y)に変換して、加工線L上の座標を演算する演算部(ベクトル演算部112)を含んでいる。そのため、5軸駆動のトーチ44と含む裁断ロボット30に発振ユニット35および集光ユニット40を実装した際、精緻な座標演算に基づいて、ワークWKを加工することが可能となる。
さらに、第1〜第7実施形態は、炭素強化複合材料(特に、炭素強化複合プラスチック)を加工するものであり、スポットピッチ演算部113は、レーザビームを掃引した回数の増加に伴ってスポットピッチmが小さくなるようにスポットピッチmを演算する。このため第1〜第7実施形態では、ワークWKの加工溝の深さに応じた照射条件を設定することができ、加工パスに応じてワークWKに適合させることができる。従来技術欄で説明したように、炭素強化複合材料においては、加工時の加工溝がくさび型になり、切り口が深さ方向に進行しない、という問題があるが、第1〜第7実施形態では、加工溝のカーフ幅を広く設定して初期の工程を実行し、掃引回数が増加するに伴って、カーフ幅が狭くなるように、スポットピッチmを狭くするようにしているので、加工溝の最深部にレーザビームを効果的に到達させ、確実且つ高速にワークWKを裁断することが可能となるのである。
また、第1、第3、5、6実施形態では、単一のレーザビームを発振するレーザ発振器36と、レーザ発振器36から発振されたレーザビームを二つの互いに直交する直線偏光ビームに分光するとともに一方の偏光ビームを第1の光路OP1に導くように反射し、他方の偏光ビームを第1のミラー61に向けて第2の光路OP2に導くように反射する偏光ビームスプリッタ60、91を含む。このため第1、第3、5、6実施形態では、レーザ発振ユニット35に単一のレーザ発振器36を設けるだけで、二つの集光スポットP1、P2を結像することができる。また、偏光ビームスプリッタ60、91を用いて、二つの集光スポットP1、P2を結像しているので、回析型のスプリッタを用いている場合に比べ、エネルギー損失が少ないばかりでなく、集光特性を汎用化することも容易になる。また、分光されたレーザビームによって集光された集光スポットP1、P2は、互いに偏光の方向が直交するため、集光スポットP1、P2間での干渉が生じなくなる。
一方、第5実施形態では、第2の可動ミラー62と集光レンズ45との間に配置されて第2の光路OP2を形成し、且つ第2の可動ミラー62が反射した偏光ビームを集光レンズ45に反射する第3のミラー63をさらに備えている。また、偏光ビームスプリッタ60は、第3のミラー63から反射した偏光ビームの光路とレーザ発振ユニット35が発振したレーザビームの光路との交点に配置されている。このため第5実施形態では、単一の偏光ビームスプリッタ60によって、分光されたレーザビームをそれぞれ集光レンズ45に導くことができる結果、集光ユニット40を簡素で廉価な構成で実現することができる。
他方、第3、6実施形態では、複数の偏光ビームスプリッタ91、92、60、66を採用している。そのため、第3、6実施形態では、同一光路中に複数の偏光ビームスプリッタ91、92、60、66を配置して二つの集光スポットを結像することができ、集光ユニット40のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、第2、4、7実施形態では、レーザ発振ユニット35は、発振制御部102によってそれぞれ制御され、第1の光路OP1にレーザビームを照射する第1のレーザ発振器71と、第2の光路OP2にレーザビームを照射する第2のレーザ発振器72を含む。このため第2、4、7実施形態では、複数のレーザ発振器36を用いて、二つの集光スポットP1、P2を結像しているので、回析型のスプリッタを用いている場合に比べ、高い出力を得ることができ、しかも集光特性を汎用化することも容易になる。
特に第4、第7実施形態では、集光ユニット40は、第1のレーザ発振器71が発振したレーザビームを透過して集光レンズ45に導くとともに、第2のレーザ発振器72から発振されて第2の可動ミラー62に反射されたレーザビームを集光レンズ45に反射するダイクロイックミラー80をさらに含む。このダイクロイックミラー80は、第1の光路OP1と第2の光路OP2との交点に配置されている。このため第4、7実施形態では、単一のダイクロイックミラー80により、複数のレーザビームを集光レンズ45に導くことができる結果、集光ユニット40を簡素で廉価な構成で実現することができる。
また、第1、第3、第5、第6実施形態では、第2のミラー62の下流側であって集光レンズ45の上流側に、第1の光路OP1と交差する交点を設け、この交点に偏光ビームスプリッタ60、92、66を配置している。そのため、偏光ビームスプリッタ60、92、66の特性を活かして単一の偏光ビームスプリッタ60、92、66で所期の方向に導き、双方の偏光ビームを集光レンズ45に導くことが可能になる。
一方、第2、第4、第6の実施形態では、第2のミラー62の下流側であって集光レンズ45の上流側に、第1の光路OP1と第2の光路OP2とが交差する交点を設け、この交点にダイクロイックミラー82、80を配置している。このため、ダイクロイックミラー82、80の特性を活かして単一のダイクロイックミラー82、80で所期の方向に導き、双方のレーザビームを集光レンズに導くことが可能になる。
[その他の変形例]
上述した各実施形態は、好適な例示に過ぎず、本発明は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、集光スポットの座標の制御は、一方のレーザビーム(偏光ビーム)をトーチノズル44bの軸線Tzに沿わせる必要はなく、双方のレーザビーム(偏光ビーム)を軸線Tzに対して僅かにずらす構成を採用してもよい。
また、第1、第2の可動ミラーを双方の集光スポットの光源に設けてもよい。
さらに、可動ミラーの何れかを偏光ビームスプリッタ又はダイクロイックミラーで構成してもよい。
また、裁断ロボットにアシストガスを供給する機構を設けて、アシストガスをトーチに供給するようにしてもよい。
また、裁断ロボットは、5軸制御に限らず、2軸制御であってもよい。
また、光路中において偏光ビームスプリッタ91、60の下流側に別の偏光ビームスプリッタ92、66をさらに備えている態様において、別の偏光ビームスプリッタは、上流側の偏光ビームスプリッタ91、60が反射した一方の偏光ビームを透過し、他方の偏光ビームを反射するもの(偏光ビームスプリッタ92、66)であってもよい。また、上流側の偏光ビームスプリッタ91、60が反射した一方の偏光ビームを反射し、他方の偏光ビームを透過するもの(偏光ビームスプリッタ92、66)であってもよい。これらの態様では、複数の偏光ビームスプリッタ91、92、60、66によって、第1、第2のミラー61、62等をより複雑な光路に配置することができるので、種々の仕様の集光ユニットを有するレーザ加工装置に対応することができる。
同様に、光路中においてダイクロイックミラー81の下流側に別のダイクロイックミラー82をさらに備えている態様において、別のダイクロイックミラー82は、上流側のダイクロイックミラー81が反射した一方のレーザビームを透過し、他方のレーザビームを反射するものであってもよい。また、上流側のダイクロイックミラー81が反射した一方のレーザビームを反射し、他方のレーザビームを透過するものであってもよい。これらの態様では、複数のダイクロイックミラー81、82によって、第1、第2のミラー61、62等をより複雑な光路に配置することができるので、種々の仕様の集光ユニットを有するレーザ加工装置に対応することができる。
また、各実施形態において、ミラーの形状は、長方形のものを例示しているが、長方形に限定されない。ミラーの形状は、例えば、円形や楕円形のものを採用してもよい。その場合には、高速でミラーを駆動するに際し、ミラーの軽量化を図り、また、イナーシャの軽減化を図ることができる。
その他、種々の変更が可能であることは、いうまでもない。
10 トーチ型レーザ加工装置
20 ワークステーション
35 レーザ発振ユニット(ビーム生成手段の要部)
36 レーザ発振器
45 集光レンズ
60 偏光ビームスプリッタ(ビーム生成手段の要部)
61 第1のミラー(第1の可動ミラーの一例)
62 第2のミラー(第2の可動ミラーの一例)
63 第3のミラー
64 α軸駆動ユニット
65 β軸駆動ユニット
66 偏光ビームスプリッタ
71 第1のレーザ発振器
72 第2のレーザ発振器
80 ダイクロイックミラー
100 制御装置
101 モータユニット制御部
102 発振制御部
111 データ読取部
112 ベクトル演算部
113 スポットピッチ演算部
114 ミラー変位量演算部(駆動機構制御部の一例)
115 発振条件演算部
d スポット径
L 加工線
m スポットピッチ
OP1 第1の光路
OP2 第2の光路
P1 第1の集光スポット
P2 第2の集光スポット
S 加工面
Tz 軸線
V ベクトル
WK ワーク
z 法線
θ1 第1の反射角度
θ2 第2の反射角度

Claims (6)

  1. ワークに予め設定された加工線であって曲線部分を含む加工線に沿って、二つの集光スポットが互いに前記ワーク上で前記加工線と直交する方向に対向するようにレーザビームを前記ワークに複数回掃引することにより前記二つの集光スポットを含む加工溝を形成して前記ワークを裁断するレーザ加工装置であって、
    前記二つの集光スポットの光源となる2本のレーザビームを生成するビーム生成手段と、
    前記ビーム生成手段が生成したレーザビームから前記二つの集光スポットを結像する集光レンズとこの集光レンズを内蔵するトーチとを含み、前記ビーム生成手段が生成した一方のレーザビームを前記集光レンズに導く第1の光路と他方のレーザビームを前記集光レンズに導く第2の光路とを形成する集光ユニットと、
    前記ビーム生成手段と前記集光レンズとの間に配置されて前記第2の光路の一部を形成し、且つ予め設定された軸回りに姿勢を変更可能な状態で前記ビーム生成手段が生成した他方のレーザビームを反射する第1の可動ミラーと、
    前記第1の可動ミラーと前記集光レンズとの間に配置されて前記第2の光路の一部を形成し、且つ予め設定された軸回りに姿勢を変更可能な状態で前記第1の可動ミラーが反射した前記他方のレーザビームをさらに反射する第2の可動ミラーと、
    前記第1の可動ミラーがレーザビームを反射する角度である第1の反射角度と前記第2の可動ミラーがレーザビームを反射する角度である第2の反射角度をそれぞれ個別に調整可能に前記第1の可動ミラーおよび前記第2の可動ミラーを対応する軸回りに選択的に駆動する駆動機構と、
    予め設定された条件に基づいて前記二つの集光スポット同士が隣接する間隔であるスポットピッチを演算するスポットピッチ演算部と、
    前記スポットピッチ演算部が演算したスポットピッチに基づいて、前記二つの集光スポットが互いに前記ワーク上で前記加工線と直交する方向に常に対向するように前記第1の可動ミラーの軸回りの変位量および前記第2の可動ミラーの軸回りの変位量をそれぞれ演算するミラー変位量演算部と、
    前記ミラー変位量演算部が演算した各軸回りの変位量に基づいて、前記駆動機構を制御する駆動機構制御部と、を備え
    前記ミラー変位量演算部は、前記加工線の前記曲線部分において前記二つの集光スポットが前記曲線部分の法線方向に対向するように前記第1の可動ミラーの軸回りの変位量および前記第2の可動ミラーの軸回りの変位量をそれぞれ演算するように構成されている
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 請求項1に記載のレーザ加工装置において、
    前記スポットピッチ演算部は、前記レーザビームを掃引した回数の増加に伴って前記スポットピッチが小さくなるように前記スポットピッチを演算する
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  3. 請求項1または2に記載のレーザ加工装置において、
    前記ビーム生成手段は、単一のレーザビームを発振するレーザ発振器と、前記レーザ発振器から照射された単一のレーザビームを二つの互いに直交する直線偏光ビームに分光するとともに一方の偏光ビームを前記第1の光路に導き、他方の偏光ビームを前記第1の可動ミラーに向けて前記第2の光路に導く偏光ビームスプリッタと、を含む
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  4. 請求項3に記載のレーザ加工装置において、
    前記第2の可動ミラーと前記集光レンズとの間に配置されて前記第2の光路の一部を形成し、且つ前記第2の可動ミラーが反射した偏光ビームを前記集光レンズに反射する第3のミラーをさらに備え、
    前記偏光ビームスプリッタは、前記第3のミラーが反射した偏光ビームの光路と前記レーザ発振器が発振した単一のレーザビームの光路との交点に配置されている
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  5. 請求項1または2に記載のレーザ加工装置において、
    前記ビーム生成手段は前記第1の光路にレーザビームを発振する第1のレーザ発振器と、前記第2の光路にレーザビームを発振する第2のレーザ発振器と、を含み、前記レーザ加工装置は、前記第1のレーザ発振器及び前記第2のレーザ発振器による前記レーザビームの発振を制御する発振制御部をさらに備える
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  6. 請求項5に記載のレーザ加工装置において、
    前記第1の光路と前記第2の光路との交点に配置され、且つ前記第1のレーザ発振器が発振したレーザビームを透過して前記集光レンズに導くとともに、前記第2のレーザ発振器から発振されて前記第2の可動ミラーに反射されたレーザビームを前記集光レンズに反射するダイクロイックミラーをさらに備えている
    ことを特徴とするレーザ加工装置。

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