JP6557965B2 - 透明絶縁膜用樹脂溶液、および透明絶縁膜の製造方法 - Google Patents
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Description
以下、本発明を詳細に説明する。
フマル酸エステル系樹脂を構成する一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位として、例えば、フマル酸ジn−プロピル残基、フマル酸ジn−ブチル残基、フマル酸ジn−ペンチル残基、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−s−ブチル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基、フマル酸ジ−s−ペンチル残基、フマル酸ジシクロプロピル残基、フマル酸ジシクロペンチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基等が挙げられ、その中でも、フマル酸ジイソプロピル残基、フマル酸ジ−s−ブチル残基、フマル酸ジ−t−ブチル残基、フマル酸ジシクロペンチル残基、フマル酸ジシクロヘキシル残基が好ましく、フマル酸ジイソプロピル残基がさらに好ましい。
全光線透過率およびヘーズは、ヘーズメーター(日本電色工業製、商品名NDH2000)を使用し、JIS K 7361−1に準拠して測定した。
作製した樹脂膜をJIS K 5600−5−6による方法で、有効面に1mmの碁盤目100個(10×10)を作り、セロハン粘着テープを用い、有効面に密着させた後剥離した。判定は碁盤目100個の内、剥離しないマス目の数で表し、マス目100個が剥離しない場合を密着良好、マス目10個以上剥離した場合を密着不良と判定した。
核磁気共鳴測定装置(日本電子製、商品名JNM−GX270)を用い、プロトン核磁気共鳴分光(1H−NMR)スペクトル分析より求めた。
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製、商品名HLC−802A)を用い、THFを溶剤とし標準ポリスチレン換算値として求めた。
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた3Lの4口フラスコに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)5g、蒸留水1,500g、フマル酸ジイソプロピル970g、アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル30gおよび重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート7gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら50℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することによりフマル酸エステル系樹脂を得た(収率:85%)。1H−NMR測定により、得られたフマル酸ジエステル系樹脂の共重合組成は、フマル酸ジイソプロピル残基単位/アクリル酸−3−エチル−3−オキセタニルメチル残基単位=96/4(モル%)であった。なお、フマル酸ジエステル系樹脂の数平均分子量は145,000であった。
攪拌機、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた3Lの4口フラスコに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学製、商品名メトローズ60SH−50)5g、蒸留水1,500g、フマル酸ジイソプロピル1,000gおよび重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート7gを入れ、窒素バブリングを1時間行なった後、400rpmで攪拌しながら52℃で24時間保持することによりラジカル共重合を行なった。フラスコ中の重合物をろ別し、蒸留水およびメタノールで洗浄することによりフマル酸エステル系樹脂を得た(収率:83%)。得られたフマル酸ジエステル系樹脂の数平均分子量は120,000であった。
合成例1で得られたフマル酸エステル系樹脂10重量部、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン0.5重量部、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート0.05重量部、メチルイソブチルケトン89.45重量部を混合して、フマル酸エステル系樹脂溶液を調製した。
合成例1で得られたフマル酸エステル系樹脂5重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3重量部、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロリン酸0.02重量部、キシレン94.68重量部を混合して、フマル酸エステル系樹脂溶液を調製した。
合成例1で得られたフマル酸エステル系樹脂10重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1重量部、2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモン酸0.1重量部、キシレン88.9重量部を混合して、フマル酸エステル系樹脂溶液を調製した。
合成例1で得られたフマル酸エステル系樹脂10重量部、メチルイソブチルケトン90重量部を混合して、フマル酸エステル系樹脂溶液を調製した。
合成例2で得られたフマル酸エステル系樹脂10重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1重量部、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロリン酸0.1重量部、キシレン88.9重量部を混合して、フマル酸エステル系樹脂溶液を調製した。
合成例1で得られたフマル酸エステル系樹脂10重量部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1重量部、キシレン89重量部を混合して、フマル酸エステル系樹脂溶液を調製した。
合成例1で得られたフマル酸エステル系樹脂10重量部、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロリン酸0.1重量部、キシレン89.9重量部を混合して、フマル酸エステル系樹脂溶液を調製した。
合成例3で調製したフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にスピンコートにて塗布し、熱風循環式乾燥機で110℃、10分間保持し、乾燥した塗膜(膜厚2μm)を得た。次いで、高圧水銀ランプを用いて露光量5,000J/m2で紫外光を照射し、透明樹脂膜を得た。
合成例4で調製したフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にスピンコートにて塗布し、熱風循環式乾燥機で120℃、10分間保持し、乾燥した塗膜(膜厚2μm)を得た。次いで、高圧水銀ランプを用いて露光量5,000J/m2で紫外光を照射し、透明樹脂膜を得た。
合成例5で調製したフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にスピンコートにて塗布し、熱風循環式乾燥機で130℃、15分間保持し、透明樹脂膜(膜厚2μm)を得た。
合成例3で調製したフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にインクジェットにて塗布し、熱風循環式乾燥機で110℃、10分間保持し、乾燥した塗膜(膜厚2μm)を得た。次いで、高圧水銀ランプを用いて露光量5,000J/m2で紫外光を照射し、透明樹脂膜を得た。
合成例4で調製したフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にインクジェットにて塗布し、熱風循環式乾燥機で120℃、10分間保持し、乾燥した塗膜(膜厚2μm)を得た。次いで、高圧水銀ランプを用いて露光量5,000J/m2で紫外光を照射し、透明樹脂膜を得た。
合成例5で調製したフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にインクジェットにて塗布し、熱風循環式乾燥機で130℃、15分間保持し、透明樹脂膜(膜厚2μm)を得た。
合成例6で得たフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にスピンコートにて塗布し、熱風循環式乾燥機で110℃、10分間保持し、乾燥した塗膜(膜厚2μm)を得た。
合成例6で得たフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にスピンコートにて塗布し、熱風循環式乾燥機で110℃、10分間保持し、乾燥した塗膜(膜厚2μm)を得た。次いで、高圧水銀ランプを用いて露光量5,000J/m2で紫外光を照射した。
合成例7で得たフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にスピンコートにて塗布し、熱風循環式乾燥機で110℃、10分間保持し、乾燥した塗膜(膜厚2μm)を得た。次いで、高圧水銀ランプを用いて露光量5,000J/m2で紫外光を照射した。
合成例8で得たフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にスピンコートにて塗布し、熱風循環式乾燥機で110℃、10分間保持し、乾燥した塗膜(膜厚2μm)を得た。次いで、高圧水銀ランプを用いて露光量5,000J/m2で紫外光を照射した。
合成例9で得たフマル酸エステル系樹脂溶液を5cm角のITO膜付きガラス基材にスピンコートにて塗布し、熱風循環式乾燥機で110℃、10分間保持し、乾燥した塗膜(膜厚2μm)を得た。次いで、高圧水銀ランプを用いて露光量5,000J/m2で紫外光を照射した。
Claims (10)
- 下記一般式(1)で表されるフマル酸ジエステル残基単位50〜99モル%と、下記一般式(2)で表されるオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位及び/又は下記一般式(3)で表されるテトラヒドロフルフリル基を有する(メタ)アクリル酸エステル残基単位1〜50モル%を含むフマル酸エステル系樹脂、反応性シラン化合物、反応開始剤、及び透明絶縁膜製造用溶剤を含有することを特徴とする透明絶縁膜用樹脂溶液。
- 透明絶縁膜製造用溶剤がエーテル類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類、アミド類、グリコール類からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の透明絶縁膜用樹脂溶液。
- 透明絶縁膜製造用溶剤の沸点が100℃以上であることを特徴とする請求項2に記載の透明絶縁膜用樹脂溶液。
- 透明絶縁膜製造用溶剤の含有量が透明絶縁膜用樹脂溶液100重量部に対して、70〜99重量部であることを特徴とする請求項3に記載の透明絶縁膜用樹脂溶液。
- 粘度が2,000mPa・s以下であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の透明絶縁膜用樹脂溶液。
- 透明絶縁膜として成膜した場合に、該透明絶縁膜の全光線透過率が90%以上、ヘーズが1%以下であることを特徴とする請求項1乃至〜請求項5のいずれか一項に記載の透明絶縁膜用樹脂溶液。
- 透明絶縁膜として成膜した場合に、該透明絶縁膜が表示素子用絶縁膜であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の透明絶縁膜用樹脂溶液。
- 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の透明絶縁膜用樹脂溶液から形成されることを特徴とする透明樹脂膜。
- 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の透明絶縁膜用溶液を基板上に成膜し、熱及び/又は紫外光で架橋反応させる工程を含むことを特徴とする透明樹脂膜の製造方法。
- 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の透明絶縁膜用樹脂溶液をインクジェット法で成膜することを特徴とする請求項8に記載の透明樹脂膜の製造方法。
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