JP6557919B2 - テープディスペンサー - Google Patents

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Description

本発明は,粘着テープを切断するテープディスペンサーに係り,さらに詳しくは,手指の怪我の恐れがなく,安心して粘着テープを切断できるテープディスペンサーに関する。
従来のテープディスペンサーは,テープカッターを備えている。このカッターは概ね鋸状やナイフ形状の切断刃が用いられているため,これらの切断刃によって使用者が手指を怪我する危険性があった。
この危険性を回避するために,様々に工夫したテープディスペンサーが提案されている。例えば,下記特許文献1に記載されたテープディスペンサーは,常態において切断刃が収納され,テープ切断時に露出されるようにしたものである。具体的には,このテープディスペンサーは,切断刃を有する本体部と,この本体部に対し揺動自在に設けたレバーと,本体部に挿通されたかんぬきおよび板バネと,を備え,常態では前記かんぬきの作用によりレバーが切断刃先露出方向にロックされ,切断刃先が露出されないようにしたものである。
また,下記特許文献2に記載されたテープディスペンサーは,切断刃をカバーするカバー体を設けて,テープ切断時に,このカバー体が下方へ移動するようにしたものである。下記特許文献3に記載されたテープディスペンサーは,切断刃を保護するカバー板を,テープカッター使用時と不使用時とに分け,指先でカバー板を回動させてテープ切断刃を露出或いは隠蔽するようにしたものである。下記特許文献4に記載されたテープディスペンサーは安全保護部材を設けたものである。さらに,下記特許文献5に記載されたテープディスペンサーは手指が刃先に触れないようにその刃を取り囲む手指保護部を設けたものであり,また下記特許文献6に記載されたテープディスペンサーはカッターを一つの山刃と二つの谷刃とで構成したものである。
特開平09−208114号公報 特開2002−307373号公報 特開2001−146356号公報 実用新案登録第3009748号公報 特許第3878655号公報 特許第4895769号公報
上記各特許文献に記載されたテープディスペンサーは,テープカッターの切断刃は従来のものと同じ鋸状或いはナイフ形状のものを使用し,それらの刃先を保護カバーなどの部材で蔽って,常態では手指などが触れないようにしたものである。しかし,この構成では,保護カバーなどの部材が外れると,刃先が露出して危険になる。また,保護カバーなどの部材は,いずれも切断刃を蔽い或いは露出させる可動機構などが必要となり,構造が複雑で,生産コスト高を招く。また,このような切断刃は,見た目が悪く,刃先を鋭利にすると刃こぼれが生じて寿命が短くなり,また一方で,刃の間に塵などが溜り或いは破損し易くなるなどの課題が潜在している。
本発明は,上記の従来技術が抱える課題を解決するためになされたものである。すなわち,本発明の目的は,手指の怪我の恐れがなく,安心して粘着テープを切断できるテープディスペンサーを提供することにある。
また,本発明の他の目的は,破損や塵溜りなどの発生の恐れがなく, 破断時の手応えがよく,綺麗な破断面にして軽い力で粘着テープを切断できるテープディスペンサーを提供することにある。
さらに,本発明の他の目的は,複数のスリットを所定の間隔で配列した粘着テープを鋭利な切断刃を使用することなく,破断時の手応えがよく,綺麗な破断面にして軽い力で切断できるテープディスペンサーを提供することにある。
さらにまた,本発の他の目的は,単純な構造にして,安価なコストで生産でき,誰もが簡単に使えるテープディスペンサーを提供することにある。
上記目的を達成するために,本発明の第1の態様のテープディスペンサーは,粘着テープ巻回体を回転自在に保持するテープ保持部と,前記粘着テープ巻回体から引き出した粘着テープを所望の長さに切断するテープ切断刃を有するテープカッターと,を備えたテープディスペンサーにおいて,
前記粘着テープは,前記粘着テープの長手方向の両端縁から内側の略中央部へ入った領域の前記テープ切断刃が当接する位置に,前記粘着テープの長手方向に沿って,所定の間隔でスリットライン,ミシン目或いは貫通/未貫通孔が設けられているものであり,
前記テープカッターは,所定大きさの底壁面と,前記底壁面の外周辺から所定高さ立設され前後で対向する前壁面および後壁面と,前記前壁面および後壁面の間に位置する左右の側壁面と,前記前壁面,後壁面および前記左右側壁面の上方にあって前記底壁面と対向した上壁面と,を有し,
前記テープ切断刃は,
前記前壁面の頂辺中央部に内角θ1の突起が設けられた正面と,
前記突起から前記後壁面へ向って下り勾配で傾斜させた,粘着テープを保持する保持面と,
前記突起から左右の側壁面へ向って下り勾配で傾斜させた左右の傾斜側面と,
を有し,
前記正面の突起の内角θ1は鈍角に形成されていることを特徴とする。
第2の態様のテープディスペンサーは,第1の態様のテープディスペンサーにおいて,前記正面の突起の内角θ1は120°〜160°の範囲にあることを特徴とする。
第3の態様のテープディスペンサーは,第1または2の態様のテープディスペンサーにおいて,前記前壁面と水平面との間の角度θ2は65°〜105°の範囲にあることを特徴とする。
第4の態様のテープディスペンサーは,第1〜のいずれかの態様のテープディスペンサーにおいて,前記左右の傾斜側面と前記正面との間の角度θ3はそれぞれ20°〜110°の範囲にあり,前記保持面と水平面との間の角度θ4は0°〜65°の範囲にあることを特徴とする。
第1の形態のテープディスペンサーによれば,テープ切断刃の正面の突起の内角θ1が鈍角に形成されているので,粘着テープとして粘着テープの長手方向の両端縁から内側の略中央部へ入った領域の前記テープ切断刃が当接する位置に,前記粘着テープの長手方向に沿って,所定の間隔でスリットライン,ミシン目或いは貫通/未貫通孔が設けられているものを用いた場合,粘着テープ切断時に指先が切断刃に触れても怪我する恐れがなく,しかも,破断時の手応えがよく,綺麗な破断面にして軽い力で切断できる。また,単純な構造なので,安価なコストで生産でき,誰でもが簡単に使えるものとなる。
第2の形態のテープディスペンサーによれば,正面の正面の突起の内角θ1が120°〜160°に形成されているので,正面辺上での高低差が減り,粘着テープの中央部に均一な垂直応力が掛かり,破断時の手応えがよく,綺麗な破断面にして軽い力で切断できる。
第3の形態のテープディスペンサーによれば,前壁面と水平面との間の角度θ2で傾斜しているので,正面辺上での高低差が減り,粘着テープの中央部に均一な垂直応力がかかり,破断時の手応えがよく,綺麗な破断面にして軽い力で切断できる。
第4の形態のテープディスペンサーによれば,前記左右の傾斜側面と前記正面との間の角度θ3はそれぞれ20°〜110°の範囲にあり,前記保持面と水平面との間の角度θ4は0°〜65°の範囲にあるので,正面辺上での高低差が減り,粘着テープの中央部に均一な垂直応力がかかり,破断時の手応えがよく,綺麗な破断面にして軽い力で切断できる。
本発明の実施形態に係るテープディスペンサーの斜視図である。 図2Aは図1のテープディスペンサーにセットされる粘着テープ巻回体の斜視図,図2Bは粘着テープの平面図である。 図3Aは図2BのIIIA部分の拡大図,図3Bは図3AのIIIB−IIIBの断面図である。 図4Aは図1のIVA部分の拡大図,図4Bはテープカッターの斜視図である。 図5Aは図4Bの正面角を示したテープカッターの斜視図,図5Bは正面角の検証結果を示した説明図である。 図6Aは図4Bの前面傾斜角を示したテープカッターの側面図,図6Bは前面傾斜角の検証結果を示した説明図である。 図7A〜図7Dは図6Aの前面傾斜角を示したテープカッターの側面図である。 図8Aは図4Bの側面角を示したテープカッターの側面図,図8Bは側面角の検証結果を示した説明図である。 図9Aは図4Bの保持面角を示したテープカッターの側面図,図9Bはテープ角と保持面角の大小を示した側面図,図9Cは保持角の検証結果を示した説明図である。 図10Aは粘着テープ切断時の右手の移動軌跡を示した移動軌跡チャート図,図10Bは図10Aの移動軌跡データをXY座標でプロットした座標データ表図である。 図10Bの座標データから速度を計算し示した速度チャート図である。 図10Bの座標データから加速度を計算し示した加速度チャート図である。 図11,図12の速度チャートおよび加速度チャートとテープ切断ステップとの関係を示したチャート関連図である。 テープディスペンサーの評価指標を説明する加速度チャート図である。
以下,図面を参照して,本発明を実施するための形態を説明する。但し,以下に示す実施形態は,本発明の技術思想を具体化するためのテープディスペンサーを例示するものであって,本発明をこれらに特定することを意図するものではなく,特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも均しく適応し得るものである。
図1を参照して,本発明の実施形態に係るテープディスペンサーを説明する。なお,図1は本発明の実施形態1に係るテープディスペンサーの斜視図である。
本発明の実施形態に係るテープディスペンサー(以下,ディスペンサーという。)10は,ディスペンサー本体11と,粘着テープ巻回体16がセットされるテープ保持部12cと,粘着テープ巻回体16から引き出した粘着テープ17を所定の長さに切断するテープカッター(以下,カッターという。)13と,で構成されている。
ディスペンサー本体11は,上壁面が開口した略箱状筐体で形成されている。このディスペンサー本体11は,テーブルや机等に載置される載置面となる矩形状の底壁面11bと,この底壁面の長尺辺から立設された一方の側壁面11cおよび他方の側壁面11dと,底壁面11bの短尺辺から立設されテープカッター(以下,カッターという。)13が装着される前壁面11eと,この前壁面に対向する後壁面11fと,底壁面11bと対向し粘着テープ巻回体16が開口を有する上面11aと,を備え,前壁面11eにはカッターが装着される凹み穴12a,また,上面11aには粘着テープ巻回体16がセットされる開口12bが形成されている。凹み穴12aは,カッター本体14(図4B参照)が嵌入できる大きさの穴で形成されている。この形状にすることによって,後記するカッター13を交換自在に装着できる。また,ディスペンサー本体11は,樹脂材,金属材料或いは木材などで形成されている。
また,ディスペンサー本体11の一方および他方の側壁面11c,11dには,粘着テープ巻回体16が保持されるテープ保持部12cが形成されている。このテープ保持部12cは,ディスペンサー本体11の底壁面11b,両側壁面11c,11dおよび後壁面11fによって形成されている。すなわち,一方および他方の側壁面11c,11dの内側に開口12bを形成し,粘着テープ巻回体16が取り付けられた回転自在な芯材16aに設けられた軸部16bと一方および他方の側壁面11c,11dの内側に形成された軸部16bが挿入される溝11gと組み合わせることで保持される構造になっている。
また,一方および他方の側壁面11c,11dのカッター13が設けられた側には,深い凹み部11hがそれぞれ形成されている。この凹み部11hは,粘着テープ17を引き出すときに,使用者が指等を挿し込む部分となる。
図2,図3を参照して,粘着テープを説明する。なお,図2Aは図1のテープディスペンサーにセットされる粘着テープ巻回体の斜視図,図2Bは図2Aの粘着テープ巻回体に巻回された粘着テープの平面図である。
粘着テープ17は,例えば所定の横幅および肉厚を有する長尺のセロハンからなり,一方の面(以下,第1の面ともいう。)18bに複数のスリット19を所定の間隔をあけて一列ライン状に配設したスリットライン19を設けたテープ18と,このテープのスリットラインを設けた面に粘着剤を塗布して形成した粘着層20と,他方の面(以下,第2の面ともいう。)18aに所定の厚さに剥離剤を塗布した離型層(図示省略)と,で構成されている。
テープ18は,セロハンに限定されず,その他の材料,例えば,紙,樹脂製フィルム,生分解性を有する有機物又は無機物のフィルム,二軸延伸ポリプロピレン,二軸延伸ポリエチレンテレフタレート,ゴム,金属性フィルム,木材製フィルムなど周知の材料を使用することができる。このテープ材は透明材或いは不透明材のいずれでもよいが,本実施形態では透明材のテープで説明する。また,粘着剤も,周知のもの,例えば,スチレンブタジエンゴム(SBR),天然ゴム,ブチルゴム等のゴム系の粘着剤や,アクリル系の合成粘着剤等を用いることができる。さらに,剥離剤も周知のもの,例えばシリコン系のものを使用できる。
スリットライン19は,テープ18の第1の面18bにおいて,長手方向の両端縁から内側の略中央部へ入った領域に,テープ18の長手方向に沿って複数のスリット19を所定の間隔をあけて一列に配列したライン状のものからなる。一連のスリット19は,図3に示すように,第1の面18bにおいて,テープ18の長手方向と直交する方向に所定の長さ,およびテープ18の長手方向において,スリット19の長さより短長の辺で囲まれたエリアに所定大きさの開口を有した所定の深さの凹状溝で形成されている。なお,第1の面18bは,図2ではテープの裏面となっており,第2の面(表面)18a[t3]からは裏面のスリット19が透けて見えている。
この粘着テープ17をロール状に巻回したものが,図2Aに示したような粘着テープ巻回体16となる。この粘着テープ巻回体16は中心に所定径の芯材16aが設けられ,この芯材16aによりディスペンサー10のテープ保持部12cにセットされる。
図4を参照して,カッターを説明する。なお,図4Aは図1のIVA部分の拡大図,図4Bは図4Aのカッターの斜視図である。
カッター13は,図4Bに示すように,所定大きさの略矩形状の底壁面14aと,この底壁面の外周辺から所定高さ立設され前後に対向する前後壁面14b,14cと,これらの前後壁面間に位置する左右の側壁面14d,14eと,これらの前後壁面および左右側壁面の上方にあって底壁面14aと対向した上壁面14fと,からなる略直方体形状のカッター本体14を備え,上壁面14fに粘着テープ17を切断するテープ切断刃(以下,刃という。)15が形成された構成となっている。このカッター本体14は,剛性体の金属材或いは樹脂材などの剛体で作製されている。
この刃15は,図4Bに示すように,前壁面14bの上辺中央部の頂点に所定の内角θ1(以下,正面の突起の内角θ1という。)で山型に尖らせた突起15を設けた正面15と,この突起15から後壁面14cへ向って所定の下り勾配(水平面に対する角度θ4,以下,保持面角θ4という。)で傾斜させ粘着テープを保持する保持面15と,同突起15から左右の側壁面14d,14eへ向って所定の下り勾配(傾斜側面15 と正面との間の角度θ3,以下,傾斜面角θ3という。)で傾斜させた左右の傾斜側面15,15と,で構成されている。なお,正面15は前壁面14bの一部或いは全部で形成されている。
これらの正面,保持面および左右の傾斜側面は,粘着テープを所望の条件で切断できるように,それらの形状が決定される。
この刃15の形状(以下,刃型ともいう。)は,前壁面14bの正面15の形状が重要になっており,この正面形状によって,粘着テープ17の切断性の良否が左右される。この正面形状は,例えば保持面15などと関係し,粘着テープ17のスリット19の中央部から外側へ,スリットの割れ目に合わせて力を掛けたときに,軽い力で粘着テープ17が切断できるように,スリットに有効な正面形状が決定される。すなわち,この刃型形状を,例えば,カッター本体の上壁面の頂点から,この壁面の全周に辺および面を形成した形状にすると,うまく切断ができず,また,頂点を中央部からずらして片方へ偏重した形状にすると,右手の動きに合わせた形状の補正が必要となる。
以上から,基本となる刃型形状は,頂点から下降した辺(ハ字状の辺)上での高低差を減らし,穏やかな山型にすることが有効であることが判明した。すなわち,正面の角度を大きくし,辺での高低差を減らすと,スリット方向に対して均一な垂直応力が掛かり直線状に切断されることが確認された。これらの確認事項を前提に,正面,保持面および左右傾斜側面の形状をどのようにすれば,スリットを設けた粘着テープを所望の条件で切断できるかどうかの評価指標が決定される。
この評価指標は,粘着テープを切断する際の手の動きの解析,すなわち,動作解析(いわゆる,モーションキャプチャー分析:座標位置の計測)によって決定される。
以下,図10〜図14を参照して,このモーションキャプチャー分析を説明する。なお,図10は粘着テープ切断時の右手の移動軌跡を示した移動軌跡チャート図,図10Bは図10Aの移動軌跡データをXY座標でプロットした座標データ表図,図11は図10Bの座標データから速度を計算した速度チャート図,図12は座標データから加速度を計算した加速度チャート図,図13は速度チャートおよび加速度チャートとテープ切断ステップとの関係を示したチャート関連図,図14は加速度から切れやすさの評価指標を導出する評価導出チャート図である。
まず,図10Aを参照して,図10Aの記号Sは右手の手首部分および記号b1は右手人差し指の先端部(示指末端)を指し,同じく記号Sを付した細破線は手首Sが始点st1から終点te1まで動かした移動軌跡を指し, 同じく記号b1を付した長破線は指先b1が始点st1から終点te1まで動かした移動軌跡を(1/120秒単位)XY座標にプロットしたものとなっている。また,記号b1−Sは,指先のみの動きを示している。これらの移動軌跡は,個々のXY座標値で纏めると図10Bに示した座標データのとおりとなる。なお,図10Aの右手の位置は,粘着テープの先端を把持した状態を図示している。
この座標データから,以下の式(1)により速度Vを計算すると,図11の速度チャートが得られた。

また,同様に,以下の式(2)により加速度を計算すると,図12の加速度チャートが得られた。

これらの速度チャート(図11)および加速度チャート(図12)を粘着テープ17の切断に至るステップ(以下,切断ステップともいう。)と関連付けると,関連チャート(図13)が得られる。この切断ステップは,図13に示すように,右手を動かし,指先(親指と人指し指)で粘着テープ17を把持する「移動」ステップ(以下,第1移動ステップという。)と,把持したテープを引き出し粘着テープ巻回体16から粘着テープ17を「はがす」ステップと,さらに粘着テープ17を所定長さ引き出すための「移動」ステップ(以下,第2移動ステップという。)と,その後,粘着テープ17を切断する「切る」ステップと,さらに切断した粘着テープ片を移動させる「移動」ステップ(以下,第3移動ステップという。)となっている。なお,「はがす」ステップと第2移動ステップとで切断する粘着テープ片の長が決まる。
これらの切断ステップと速度チャートおよび加速度チャートとを関係付けると,図13に示した関連図が得られる。これらの関連図から,破断直後の加速度から粘着テープ17の「切れやすさの評価指標」が導出される。この評価指標は,本実施形態では「破断時の手応え」および「破断面の綺麗さ」とした。この切れやすさの評価指標を用いて,正面角,前面傾斜角,側面角および保持面角の検証を行った。
図5〜図9へ戻って,これらの図を参照して,正面の突起の内角θ1,前面傾斜角θ2,傾斜面角θ3および保持面角θ4の検証結果を説明する
ア 正面の突起の内角θ1の検証
図5を参照して,正面の突起の内角θ1の検証結果を説明する。なお,図5Aは図4Bの正面の突起の内角を示したテープカッターの斜視図,図5Bは正面角の検証結果を示した説明図である。
正面の突起の内角θ1の範囲として,100°〜150°の刃を試作し,「切れやすさの評価指標」の「破断時の手応え」および「破断面の綺麗さ」の観点から,これらを比較した。その結果,100°〜118°の範囲において,V字の破断面となり,また118°〜138°の範囲では破断面に偏りがあることが確認でき,さらに138°〜150°の範囲では真直ぐ切れることが確認できた。この結果から,正面の突起の内角θ1は鈍角であって,その中で140°が好ましい。
イ 前面傾斜角θ2の検証
図6,図7を参照して,前面傾斜角の検証結果を説明する。なお,図6Aは図4Bの前面傾斜角を示したテープカッターの側面図,図6Bは前面傾斜角の検証結果を示した説明図,図7A〜図7Dは図6Aのテープカッターの前面傾斜角の角度を変えた側面図である。
前面傾斜角θ2の範囲として,65°〜105°の刃を試作し,破断時の手応え,破断面の綺麗さを比較した。その結果,65°〜70°の範囲では切れないことが多く,65°〜105°の範囲では角度によらず比較的直線に切れることが確認できた。この結果から,前面傾斜角は65°〜105°の範囲にあって,その中で75°が好ましい。
傾斜面角θ3の検証
図8を参照して,傾斜面角θ3の検証結果を説明する。なお,図8Aは図4Bの傾斜面角を示したテープカッターの側面図,図8Bは傾斜面角θ3の検証結果を示した説明図である。
傾斜面角θ3の範囲として,20°〜140°の刃を試作し,破断時の手応え,破断面の綺麗さを比較した。その結果,20°〜40°の範囲では,V字の破断面,40°〜80°範囲では破断面に偏り,60°〜110°では真直ぐ切れることが確認できた。この結果から,傾斜面角θ3は20°〜110°の範囲にあって,その中で70°が好ましい。
エ 保持面角θ4の検証
図9を参照して,保持面角θ4の検証結果を説明する。なお,図9Aは図4Bの保持面角を示したテープカッターの側面図,図9Bはテープ角と保持面角との大小関係を示した側面図,図9Cは保持面角の検証結果を示した説明図である。
保持面角θ4の範囲として,0°〜65°の刃を試作し,破断時の手応え,破断面の綺麗さを比較した。その結果,保持面角とテープ角との大小関係で,保持面角が大きい範囲では破断面は正面角に依存するが直線状に切れ,また,保持面角が小さい範囲では破断面は正面角に依存することが確認できた。この結果から,保持面角θ4は0°〜65°の範囲が好ましい。
このディスペンサー10によれば,テープ保持部12cに粘着テープ巻回体16をセットし,この粘着テープ巻回体16から粘着テープ17を所望の長さ引き出し,カッター13により切断できる。さらに詳述すると,粘着テープ17を切断する場合は,図1,図10Aに示すように,まず,粘着テープ巻回体16から粘着テープ17を所望の長さ引き出し,テープカッター13のテープ切断刃15に押し当てる。このとき,テープ切断刃15の突起15が粘着テープのスリット19に当接する。
次いで,粘着テープ17をテープ切断刃15に対して下方に若しくは斜め下方に引っ張ると,スリットを構成する凹状溝の開口が開き拡大され,この拡大につれて,粘着テープ17の全体が破断される。すなわち,粘着テープをテープ切断刃15に押し当てることで,粘着テープは切断ではなく破断される。
このディスペンサーは,従来の鋭利な切断刃に代えての鈍角な頂部山型の突起で破断(切断)できるので,手指などが怪我することがなく安全にかつ容易に切断できる。また,破損や塵溜りなどの発生の恐れがなく,複数のスリットを所定の間隔を配列した粘着テープを鋭利な切断刃を使用することなく軽い力で切断できる。また,単純な構造なので,安価なコストで生産でき,誰でもが簡単に使える。なお,粘着テープは,スリットラインを持ったものだけでなく,他のテープ,例えば,ミシン目或いは貫通/未貫通孔を設けたものでもよい。
10 テープディスペンサー
11 ディスペンサー本体
12c テープ保持部
13 テープカッター
14 カッター本体
14a 底壁面
14b 前壁面
14c 後壁面
14d,14e 側面壁
14f 上壁面
15 テープ切断刃
15 突起
15 正面
15 保持面
15 傾斜側面
16 粘着テープ巻回体
17 粘着テープ
19 スリットライン

Claims (4)

  1. 粘着テープ巻回体を回転自在に保持するテープ保持部と,前記粘着テープ巻回体から引き出した粘着テープを所望の長さに切断するテープ切断刃を有するテープカッターと,を備えたテープディスペンサーにおいて,
    前記粘着テープは,前記粘着テープの長手方向の両端縁から内側の略中央部へ入った領域の前記テープ切断刃が当接する位置に,前記粘着テープの長手方向に沿って,所定の間隔でスリットライン,ミシン目或いは貫通/未貫通孔が設けられているものであり,
    前記テープカッターは,所定大きさの底壁面と,前記底壁面の外周辺から所定高さ立設され前後で対向する前壁面および後壁面と,前記前壁面および後壁面の間に位置する左右の側壁面と,前記前壁面,後壁面および前記左右側壁面の上方にあって前記底壁面と対向した上壁面と,を有し,
    前記テープ切断刃は,
    前記前壁面の頂辺中央部に内角θ1の突起が設けられた正面と,
    前記突起から前記後壁面へ向って下り勾配で傾斜させた,粘着テープを保持する保持面と,
    前記突起から左右の側壁面へ向って下り勾配で傾斜させた左右の傾斜側面と,
    を有し,
    前記正面の突起の内角θ1は鈍角に形成されていることを特徴とするテープディスペンサー。
  2. 前記正面の突起の内角θ1は120°〜160°の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のテープディスペンサー。
  3. 前記前壁面と水平面との間の角度θ2は65°〜105°の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載のテープディスペンサー。
  4. 前記左右の傾斜側面と前記正面との間の角度θ3はそれぞれ20°〜110°の範囲にあり,前記保持面と水平面との間の角度θ4は0°〜65°の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずかに記載のテープディスペンサー。
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