JP6557871B1 - 流体混合装置およびエマルジョンの調製方法 - Google Patents

流体混合装置およびエマルジョンの調製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】界面活性剤を使うことなく、均質かつ安定なエマルジョンを提供する。【解決手段】循環バッチ方式の気液せん断型流体混合装置であって、気液せん断渦流ポンプの下流側からエア導入する。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の液体(分散質および分散媒)の混合を行うための気液せん断方式の流体混合装置、および複数の液体からなるエマルジョンの調製方法に関する。本発明は、詳しくは、複数の液体の混合物の中にファインバブルを発生させて、前記複数の液体の間にせん断力を発生させることにより、安価にサブミクロンレベルまで微細化され、均質化されたエマルジョンを生成することができる構造簡易なポンプ循環式の流体混合装置および、そのような流体混合装置を用いて、界面活性剤を使用せずに、均質かつ安定性の高いエマルジョンを調製する方法に関する。
エマルジョンは、バター、マヨネーズ、牛乳、アイスクリームなどの食品および飲料、医薬品や化粧品に使われるクリーム、アクリル絵具などのインクや塗料、接着剤、写真フィルムの感光層、アスファルト舗装のシール剤など、身近なものから工事用の材料まで種々多岐にわたる分野で活用されている。
水と油のように、本来混ざり合うことのない複数の液体の一方が微粒子となり他方の中に分散した状態を乳化といい、乳化した液体をエマルジョンという。このようなエマルジョンは大きく2つに分類される。身近なものを例にして説明すると、牛乳やマヨネーズなどのように水中に油滴が分散した状態のエマルジョンをO/W (Oil in Water)型エマルジョン、逆に、バターやマーガリンなどのように油中に水滴が分散した状態のエマルジョンをW/O (Water in Oil)型エマルジョンという。
本来混ざり合わない複数の液体に衝撃力、せん断力またはキャビテーション力などの物理的エネルギーを与えれば乳化するが、一般にエマルジョンは非常に不安定な状態にあり、放置すれば徐々に二層に分離してしまう。そこで、エマルジョンを安定化するために、乳化剤を添加する。乳化剤(例えば、界面活性剤)を入れることによって相反する水と油を均等に分散させることができるようになり、得られたエマルジョンが安定する。
従来、特定の機能を持った油性物質を水に乳化分散させる場合には、油性物質の性質に応じて所要のHLB (Hydrophilic-Lipophilic Balance)値を有する乳化剤を選定し、乳化分散を行っていた。乳化剤として用いられる界面活性剤の所要HLB値は、O/W型エマルジョンを作る場合とW/O型エマルジョンを作る場合とのそれぞれに対しても使い分ける必要がある。それゆえ、適切な界面活性剤の組合せの決定には、非常に煩雑かつ多大な労力が必要である。ましてや、多種類の油性物質が混在している場合は、安定に乳化させることは殆ど不可能である。また、界面活性剤は、溶液本来の目的には必要がないものであり、溶液の機能を阻害する可能性もあり、化粧品に用いる場合、肌に対する刺激物にもなり得る。さらに、界面活性剤は、生分解性が低く、泡立ちの原因となるので、環境汚染などの深刻な問題となっている。
そこで、乳化剤を添加しない乳化(またはエマルジョン化)技術が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、複数種類の流体を混合する流体混合器が開示され、この流体混合器は約10μm以下の粒子径のエマルションを生成する能力を有することが確かめられた。
特許文献2には、気体の液体への均一な分散、溶解、可溶化、乳化、および液体の異種液体への均一な分散、溶解、可溶化、乳化を、大容量かつ短時間で行うことができる処理装置が開示され、乳白状態が半日程度保たれる軽油と水のエマルジョン燃料が得られることが確かめられた。
特許文献3には、界面活性剤による化学的な作用の助けを借りることなく、スタティックミキサーによって燃料油成分中に水の粒子を均一に分散させるエマルジョン燃料の製造技術が開示されている。
特許文献4には、乳化剤(界面活性剤)を使用することなく、分散安定性の優れたエマルションを提供する技術が開示され、超音波照射により調製したヘキサデカンと水からなる油中水滴型(W/O)エマルションに、界面不活性物質として、塩、水素結合性分子、アルコール類のいずれか一種類(例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、尿素、ホルムアミド、エタノール、グリセリン)を添加することによって分散安定性を向上させる作用が確認されている。
特開2014-004534号公報 特許第5380545号明細書 特開2009-203323号公報 特開2016-165716号公報
特許文献1の技術は、スタティックミキサーのように混合流体の1回の通過により混合する手法であり、得られたエマルジョンは、均質性や微細性、高濃度の乳化において十分なレベルではない。
特許文献2の実施例5の結果を見ると、気体を入れない乳化の方が良い結果を示すことが分かる。すなわち、この技術では、大きな気泡がポンプ内に入り、ポンプ効率を低下させてしまう課題があり、気体を用いた乳化に効果が出せていない。
特許文献3の装置で製造されるエマルジョン燃料は分散時間が数十秒程度であり、長時間安定なエマルジョンを提供することは想定していない。
特許文献4の技術は、乳化剤(界面活性剤)を使用しないものの、エマルジョンの分散安定性を向上するために、塩、水素結合性分子、アルコール類のいずれか一種類を添加する必要がある。
したがって、本発明は、上記課題を解決すべく、循環バッチ方式の気液せん断型流体混合方式に着目し、界面活性剤などの添加物を使うことなく、安価で乳化分散させることが可能な流体混合装置および、均質かつ安定なエマルジョンを提供することを主たる課題とする。
本発明は、概略、液体を受容し混合する混合ユニットと、液体を混合し循環させるポンプユニットと、循環する液体を移送する液体移送ユニット、外部から気体を自給する気体吸入ユニットを有する。気液せん断方式の液体混合装置を提供する。
混合ユニットの下部には、循環する液体を混合ユニット内部に戻す流路が形成され、流路の途中に気体吸入ユニット経由で気体を導入して気泡を発生させるバブル供給部が設けられている。
バブル供給部内で発生する気泡は、国際標準化機構 (ISO)のファインバブル技術委員会 (TC281)の定義により、直径にしたがって、ミリバブル(1 mm以上)、サブミリバブル(1 mm未満かつ0.1 mm以上)、マイクロバブル(0.1 mm (100 μm)未満かつ1 μm以上)およびウルトラファインバブル(1 μm未満)に分類される。直径100 μm以上のバブルは目視できる。また、直径100 μm未満のマイクロバブルおよびウルトラファインバブルを包括的にファインバブルというが、マイクロバブルは水が白く濁ることでその存在を目視確認でき、ウルトラファインバブルは目視確認することができない。ウルトラファインバブルの最頻径は、様々な計測方法(動的散乱法、レーザー回折法、粒子トラッキング解析法、電気的検知帯法)によって、直径100 nm〜200 nmであることが確認されている。
水中で、ミリバブルおよびサブミリバブルは上昇し(約5-6 m/分)、水面で破裂して消滅する。マイクロバブルは、ゆっくりと上昇しながら(約3 mm/分)、収縮し水中で消滅するが、ウルトラファインバブルは、浮力よりも液体から受ける粘性抵抗のほうが大きいので、液体中でブラウン運動をしながら、長期間(数日から数週間)停滞する。
流体中に気体が存在すると、ポンプの吸い込み不能やひいてはポンプ故障の原因となる。したがって、混合ユニットの混合室内に存在する気泡を除去することが要求される。
混合室内の液体中では回転流が発生しているため、遠心力により液体が外周に偏在する一方、気体は回転流の中心に集まってくる。また、直径の大きなバブルほど速く上昇する。したがって、混合室の外周壁の下部に流体の排出口を取り付けることにより、大方のバブルが除去された流体を取り出すことができる。
本発明においては、対象とする分散媒および分散質の粘性や種類に応じて、混合室の内径、排出口の取付け箇所から流体の上面までの高さ、回転流の周方向速度および軸方向速度、ポンプによる吸入流量を制御することによって、直径100 μm以上のミリバブルおよびサブミリバブルを除去し、好ましくは、直径100 μm以上のミリバブルおよびサブミリバブルならびに直径1 μm以上のマイクロバブルを除去し、望ましくは直径1 μm未満のウルトラファインバブルのみが残留する状態にする。流体内に、マイクロバブルおよびウルトラファインバブルが残留していても、ポンプ効率に影響しないからである。
本発明によれば、限定されないが、上記の構成の流体混合装置を用いることによって、界面活性剤などの乳化剤を使用せずに、水性液体および前記水性液体と非相溶性の疎水性液体からなるサブミクロンレベル(平均直径が数μm)の安定なO/W (Oil in Water)型エマルジョンまたはW/O (Water in Oil)型エマルジョンを得ることができる。本発明により得られるエマルジョンは、3日以上、好ましくは7日以上、より好ましくは2週間以上、さらに好ましくは1月以上分離することなく安定に存在する。エマルジョンの安定性は、密封したビンにエマルジョンを封入し、室温にて静置して、白濁相と透明相との分離および水性液体と疎水性液体との完全相分離の発生を目視で観察することにより判断する。
本発明において、エマルジョンを構成する水性液体は、水;および、水に相溶する有機溶媒と水との混合物よりなる群から選択されるが、人体や環境に対する負荷を考慮すると、水が好ましい。本発明において、エマルジョンを構成する疎水性液体は、防虫または殺虫効果を有する天然油性物質として、例えば、限定されないが、例えば、オールスパイス油、カユプテ油、桂皮油、シダー油、シトロネラ油、ゼラニウム油、ダイズ油、タイム油、丁子油、にんにく油、バジル油、ハッカ油、バーベナ油、ヒマシ油、ペパーミント油、松脂、ラベンダー油、レモングラス油、レモンユーカリ油、ローズマリー油などを挙げることができる。その他の天然油性物質として、亜麻仁油、オリーブ油、キリ油、ゴマ油、米ぬか油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、ひまわり油、ヘーゼルナッツ油、紅花油、綿実油、ヤシ油などを挙げることができる。
本発明のエマルジョンには、上記防虫または殺虫効果を有する天然油性物質その他の天然油性物質と組み合わせて、天然物由来の防虫または殺虫効果を有する物質を使用することができ、限定されないが、例えば、カ、ゴキブリ、ダニ、ハエなどに対して防虫または殺虫効果を有する、除虫菊の胚珠から抽出されるピレスロイド;アブラムシ、コナジラミ、ヨコバイおよびアザミウマなどの吸汁口または穿孔口を持った昆虫に対して防虫または殺虫効果を有する、タバコ抽出物であるニコチン;昆虫に対して接触毒および消化中毒剤として作用する、ユリ科の植物サバジラから抽出されるサバジラ酸(チグリン酸);ダニなどの殺虫剤、殺魚剤、農薬として広く効果を有する、ロンコカルプス属やデリス属の植物(例えば、ドクフジ)から抽出されるロテノン;および、昆虫の幼虫の脱皮や羽化を妨げ、食欲減退させる、ニーム(学名アザディラクタ・インデカ(azadirachta indica))から抽出されるニーム油などを挙げることができる。
本発明により調製されるエマルジョンには、エマルジョンの安定性に悪影響を与えない限り、種々の添加剤を添加することができる。本発明において用いることができる添加剤は、ナトリウム、マグネシウム、リン、塩素、カリウム、カルシウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、セレン、モリブデン、ヨウ素などからなる群から選択される1または複数の必須ミネラル;活性炭、シリカゲル、ゼオライト、二酸化ケイ素(メソポーラスシリカ)、酸化アルミニウムなどからなる群から選択される1または複数の多孔質材料、などを含む。
しかしながら、本発明には、いわゆる水性液体(例えば、水)と疎水性液体(例えば、油)との界面における界面張力を低下させる機能を有する界面活性剤ならびにエマルジョンに添加しても界面張力を低下させる作用を有しないもののうち、塩、水素結合性分子、アルコール類のいずれか一種類(例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、尿素、ホルムアミド、エタノール、グリセリンからなる群から選択される。)から選択される添加剤は使用しない。
本発明において、気液せん断のために導入する気体として、空気、酸素、オゾン、窒素、アルゴン、水素などが挙げられ、用いる防虫または殺虫効果を有する物質の有効性に鑑み、適宜選択することができるが、簡便性の観点から、空気が好ましい。
本明細書において用いられる用語の定義を以下に示す。
「流体」は、静止状態においてせん断応力が発生しない連続体の総称である。概略、固体でない連続体のことであり、物質の形態としては液体と気体およびプラズマが流体に該当する。
「エマルジョン」または「エマルション」は、分散質および分散媒が共に液体である分散系溶液のことである。乳濁液あるいは乳剤ともいう。分離している2つの液体をエマルジョンにすることを乳化といい、乳化する作用をもつ物質を乳化剤という。本発明においてはエマルジョンと呼称する。
「マイクロエマルジョン」は、エマルジョンに類似した2種の液体からなる一種の分散系であるが、直径が100 nm程度以下と小さく、ミセルにより構成され、熱力学的に安定で、また強い撹拌を要せず容易に形成されるものをいう。ミセルが小さいので可視光の散乱が少なく、透明または半透明に見えるのが特徴である。
「分散系」は、サイズが1 nmから1000 nm(1μm)程度の粒子が、気体、液体あるいは固体に浮遊あるいは懸濁している物質である。このように浮遊あるいは懸濁する現象を分散と呼ぶ。
「分散質と分散媒」は、分散系で浮遊懸濁している固体または液体粒子を分散質あるいは分散相であり、媒質の方を分散媒という。
本発明によれば、循環型の構造簡易な気液せん断方式の流体混合装置を用いて、水性液体(分散媒または分散質)および前記水性液体と非相溶性の疎水性液体(分散質または分散媒)からなる液体の混合物を短時間循環させるだけで、安価にサブミクロンレベルの安定なエマルジョンを得ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る液体混合装置の概略構成を示す断面図である。 図1に示す液体混合装置に組み込まれたベンチュリブロックの断面図である。 図3(A)〜図3(C)を含み、図3(A)は図1の液体混合装置に組み込まれているノズルブロックの断面図、図3(B)と図3(C)は他の形態のノズルブロックの断面図である。 エア導入量とポンプ吐出量との関係を示すグラフ。 1.0体積%オレイン酸/水のエマルジョンのマイクロスコープ像:エア導入なし 乳化2日後(A1)、1ヵ月後(A2);エア導入あり 乳化2日後(B1)、1ヵ月後(B2)。 エマルジョンの安定性試験の結果を示す図:エア導入なし 乳化直後(A1)、3日後(A2)、2ヵ月後(A3);エア導入あり 乳化直後(B1)、3日後(B2)、2ヵ月後(B3)。
1.気液せん断方式の液体混合装置
以下、添付図面を参照して本発明に係る液体混合装置の実施形態を説明する。
[概略構成]
図1は、実施形態の液体混合装置10を示す。液体混合装置10は、概略、混合ユニット100と、ポンプユニット160と、液体移送ユニット170、気体吸入ユニット180を有する。
[混合ユニット]
混合ユニット100は、以下に説明する複数のブロック(容器ブロック110、ベースブロック120、ベンチュリブロック131、流路ブロック150等)を組み合わせて構成される。
容器ブロック110は、後述するように2つの液体を混合するための混合室111を形成している。そのために、実施形態の容器ブロック110は、中空円筒体からなり、該中空円筒体の中心軸112を鉛直方向に向けて配置されている。
容器ブロック110の上部は蓋113で覆われている。蓋113は、圧力調整弁114を備えている。容器ブロック110の底部には、中心軸112に沿って容器底部を上下方向に貫通する円形穴115が形成されている。容器ブロック110の底面は、円形穴115の上端外周縁から径方向外側に向かって次第に高くなる逆円錐台形の傾斜底面116によって構成されている。
容器ブロック110はベースブロック120に支持されている。ベースブロック120は、容器底部の円形穴115の直下にこれに隣接して、円形穴115と実質的に同じ横断面を有する所定深さの円形穴121が形成されており、この円形穴121は容器ブロック110の円形穴115と共に一つの大きな縦穴122を形成している。ベースブロック120はまた、円形穴121の底面からベースブロック下面に伸びる流路123と、円形穴121の略中段から径方向外側に向かって略水平に伸びる気体供給孔124を備えている。
縦穴122には、図2に示すファインバブル供給部130が着脱自在に配置される。実施形態において、ファインバブル供給部130は、ベンチュリブロック131を備えている。ベンチュリブロック131は、単一の材料からなる縦型円筒体で構成されている。ベンチュリブロック131の外観形状(特に、円筒外周面と円形底面)は縦穴122の形状に実質的に一致している。
ベンチュリブロック131は、ベンチュリブロック131の中心軸に沿って該ベンチュリブロック131を上下方向に貫通する孔によって形成される流路132を備えている。ベースブロック120にベンチュリブロック131を装着した状態で該ベンチュリブロック131の中心軸は容器ブロック110の中心軸112に一致する。流路132は、下段流路部分133と、中段流路部分134と、上段流路部分135を備えている。実施形態では、下段流路部分133は下部円筒部分と上部円錐台部分を有する。上段流路部分135は、上部円筒部分と下部逆円錐台部分を有する。下段流路円錐台部分の上端と上段流路逆円錐台部分の下端は略同一の円形断面を有し、それらの間が中段流路部分134によって接続されている。
ベンチュリブロック131の中段には、中段流路部分134から径方向外側に向かって伸びる一つ又は複数の吸気孔136が形成されている。これらの吸気孔136は、ベンチュリブロック131の外周に形成された環状溝からなるマニホールド137に接続されている。マニホールド137は、図示するようにベースブロック120にベンチュリブロック131を組み付けた状態で、ベースブロック120の気体供給孔124に接続される位置に設けてある。
ベンチュリブロック131の上にはノズルブロック140が配置されている。図3(A)に示すように、ノズルブロック140は、上下方向の中心軸に沿って該ノズルブロック140を上下方向に貫通する孔によって形成される流路141を備えている。ノズルブロック140はベンチュリブロック131に対して着脱自在に固定できる。そのために、例えば、ノズルブロック140をボルトによってベンチュリブロック131に固定するか、または、ベンチュリブロック131とノズルブロック140のいずれか一方に雌ねじ部を形成すると共に残る他方に雄ねじを形成し、これら雌ねじと雄ねじをかみ合わせることによって、ノズルブロック140はベンチュリブロック131に対して着脱自在とすることが好ましい。
ノズルブロック140の流路141は、下段流路部分142と、中段流路部分143と、上段流路部分144を備えている。実施形態では、下段流路部分142は下部円錐台部分を有し、円錐内面に沿って上下方向に伸びる螺旋状の溝(螺旋流形成部)145を備えている。上段流路部分144は上部逆円錐台部分を有する。下段流路円錐台部分の上端と上段流路逆円錐台部分の下端は略同一の円形断面を有し、それらの間が中段流路部分143によって接続されている。したがって、ベンチュリブロック131にノズルブロックを組み付けた状態で、下段流路部分142の下端開口がベンチュリブロック131の上段流路部分135の上端開口に接続される。
図1に戻り、実施形態では、ベースブロック120の下に流路ブロック150が着脱自在に取り付けられている。流路ブロック150は流路151を備えている。流路151は、流路ブロック150がベースブロック120に組み合わされた状態で、ベースブロック120の流路123と共に一つの液体供給流路152を形成している。
図示するように、流路ブロック150の流路151は、中心軸112に沿って流路ブロック上面から該流路ブロック150内を下方に伸びる垂直流路部分153と、該垂直流路部分153の下端から流路ブロック内を該流路ブロック側面まで伸びる水平流路部分154によって構成されている。
容器ブロック110とベースブロック120には、容器ブロック110の傾斜底面116からベースブロック120の外周側面に向かって伸びる液体回収流路155が形成されている。液体回収流路155は、容器傾斜底面116から容器底面に向かって容器底部内を貫通する上段垂直流路部分156と、ベースブロック上面から該ベースブロック内を下方に伸びる下段垂直流路部分157と、該下段垂直流路部分157の下端からベースブロック内を該ベースブロック側面まで伸びる水平流路部分158によって構成されている。
図面が複雑になるのを防止するために、図1には一つの液体回収流路155のみを示すが、複数の液体回収流路155を中心軸の周りに均等に設けてもよい。
上述した複数のブロックはそれぞれ、適当な連結手段によって隣接するブロックと分離可能に連結される。また、上述した複数のブロックはそれぞれ、隣接するブロックとの間に適当なシールが形成されている。例えば、容器ブロック110のベースブロック接触面又はベースブロック120の容器接触面には、縦穴122と液体回収流路155を囲む環状溝(図示せず)が形成され、そこにOリング等のシール部材が配置される。同様に、ベースブロック120の流路ブロック接触面又は流路ブロック150のベースブロック接触面には、液体供給流路152を囲む管状溝が形成され、そこにOリング等のシール部材が配置される。したがって、隣接するブロックの境界から液体が漏れることはない。
[ポンプユニット]
ポンプユニット160はポンプ161を有する。ポンプ161は、非容積式ポンプ、容積式ポンプ、特殊型ポンプのいずれであってもよい。非容積式ポンプはまた、遠心ポンプ(渦巻きポンプ、ディフューザポンプ)、斜流ポンプ(渦巻きポンプ、ディフューザポンプ)、軸流ポンプのいずれであってもよい。
ポンプ161はポンプケーシング162を有する。ポンプケーシング162は、吸入口163と、吐出口164と、これら吸入口163と吐出口164を接続するポンプ流路165を備えている。ポンプ流路165は、吸入口163から液体を吸引するとともに吐出口164から液体を排出する駆動部166を備えている。例えば、渦巻きポンプの場合、駆動部は羽根車(インペラ)で、この羽根車はポンプケーシングの外部に設けられたモータ167に駆動連結されている。
実施形態において、ポンプ流路165の最下位置に、液体抽出口168が設けてある。
[液体移送ユニット]
液体移送ユニット170は、液体供給管171と液体回収管172を有する。液体供給管171は、液体供給流路152とポンプ吐出口164を接続している。液体回収管172は、液体回収流路155とポンプ吸入口163を接続している。実施形態において、液体供給管171は、ポンプ吐出口164から液体供給流路152まで連続した0度以上の上り勾配を有する。また、液体回収管172は、ポンプ吸入口163から液体回収流路155まで連続した0度以上の上り勾配を有する。
[気体吸入ユニット]
気体吸入ユニット180は気体吸入管181を有する。気体吸入管181は、一端がベンチュリブロック131の気体供給孔124に接続されており、他端の気体吸込口182が大気に開放され、または、適当な気体ボンベ(図示せず)に接続されている。気体吸入管181は、他端(気体吸入口182)から一端に向かって順番に、流量調整弁183、流量センサ184、逆止弁185を備えている。
[動作]
以上の構成を備えた液体混合装置10を使い、水性液体(分散媒)中に疎水性液体(分散質)を分散してエマルジョンを得る乳化処理について説明する。
乳化処理では、水性液体と疎水性液体を所定の割合で混合した混合液190を混合室111に収容し、ポンプ161を駆動する。これにより、混合室111内の混合液190は、容器ブロック110の傾斜底面116に形成された排出口(出口)117(すなわち、容器底部内を貫通する上段垂直流路部分156の上端開口)から、液体回収流路155及び液体回収管172を通り、ポンプ吸入口163に到達するまでの液体回収路192を経て、ポンプ流路165に吸い込まれる。
ポンプ161の内部に吸引された混合液190は、ポンプ流路165を通り、吐出口164から吐出される。
ポンプ吐出口164から吐出した混合液は、ポンプ吐出口164から、液体供給管171と液体供給流路152を通り、ベンチュリブロック131の流路132に送られる。ベンチュリブロック131に達した混合液190は、大きな断面の下段流路部分133から小さな断面の中段流路部分134を通り大きな断面の上段流路部分135に入る。このとき、中段流路部分134を通る混合液の流速が増加することによって、該中段流路部分134に開口した吸気孔136に負圧が発生する。その結果、気体吸入管181を通じて吸引された気体が吸気孔136から中段流路部分134を流れる混合液190に混合される。
気体吸入管181から吸引される気体の量は、流量センサ184の出力を見ながら、流量調整183で調整できる
混合液190に混合された気体は、上段流路部分135に入ると渦を発生し、強い剪断場を形成する。その結果、吸引された気体が微細化され、マイクロバブル又はウルトラファインバブル(両者を含めて「ファインバブル」という。)を大量に含む混合液が生成される。同時に、ファインバブルの存在下で混合液は強い剪断作用を受け、疎水性液体が水性液体中に分散する。
大量のファインバブルを含む混合液は、ベンチュリブロック131からノズルブロック140の流路141に送られると、ノズルブロック140の内周面に形成された螺旋溝145に沿って上昇する液体の影響を受けて螺旋上昇流(すなわち、剪断場)を形成し、ノズルブロック140の上端噴射口146(入口)(図3参照)から混合室111に噴射される。このように、ポンプ161の吐出口164からノズルブロック140の上端噴射口146までの液体供給路191を移送された混合液とファインバルブは、該上端噴射口146から噴射されて混合室111内に螺旋噴射流を形成する。したがって、混合室111に噴射された混合液は、ファインバブルの存在下で再び剪断作用を受ける。その結果、疎水性液体が水性液体中に均一に更に分散される。
ノズルブロック140から混合室111に噴射された混合液190は、ノズルブロック140の上端噴射口146から上方に向かって紡錘状に広がる噴射領域193を上昇する。このとき、比較的大きなバブルは、浮力の影響を受けて混合室111を上方に移動して水面に達する。一方、混合液に含まれるファインバブルは、混合室111内に形成される混合液の下降流(旋回流)に乗って下降し、容器底部の傾斜底面116に形成された排出口117から液体回収流路155に取り出される。
その後、液体回収流路155から液体回収管172を通り、吸入口163からポンプ161内の流路165に送られた混合液190は、ポンプ161内で回転する羽根車166等によって再び強い剪断作用を受け、疎水性液体が更に水性液体中に分散する。
このように、上述した実施形態の液体混合装置によれば、ファインバブルの存在下で、疎水性液体が水性液体中に均一に分散される。特に、上述した実施形態では、混合室111から混合液を吸い出す排出口117が噴射領域193の外側に配置されているため、噴射口146から混合室111に噴射された混合液190に含まれる大きなバブルが排出口117を通じてポンプ161に送られることがない。そのため、ポンプ161内に強い剪断場が形成され、疎水液体の分散が格段に良くなる。
以上のようにして水性液体中に疎水性液体が均一に分散された混合液は、ポンプ161の液体抽出口168から抽出される。このとき、図1に示すように、液体抽出口168は、液体混合装置10の最下位置に設けてあるので、液体抽出口168を開くと、液体混合装置10の各部に存在する混合液がすべて液体抽出口168に集まる。したがって、その後の分解洗浄が容易に行える。
なお、乳化した混合液に不純物が含まれないように、少なくとも液体混合装置において混合液と接触する部分はステンレス材料で構成することが好ましい。
上述した液体混合装置は、種々改変可能である。
例えば、上述の実施形態では、ノズルブロック140に円錐台形状の流路を形成するとともにその流路内面に螺旋溝を形成することによって混合液の螺旋流を形成したが、他の構造によって螺旋流を形成することができる。例えば、図3(B)に示すノズルブロック240は、所定のピッチ円錐角と歯数を有する内歯形のはすば傘歯車(ヘリカルベベルギヤ)241又はまがりば傘歯車(スパイラルベベルギヤ)と、これらの傘歯車と同じ歯数とピッチ円錐角を有する外歯形のはすば傘歯車(ヘリカルベベルギヤ)242又はまがりば傘歯車(スパイラルベベルギヤ)をかみ合わせて構成されており、これら2つの歯車の歯の隙間から混合液を噴射させて螺旋流を形成するものである。また、図3(C)は、ノズルブロックを螺旋ノズル340で構成した例である。
上述した実施形態では、ファインバブルを生成するためにベンチュリ方式を採用したが、その他の方式、例えば、加圧溶解法、キャビテーション法、エジェクタ方式、旋回流方式、スタティックミキサー方式のいずれを採用してもよい。
上述の実施形態では、混合室の底部から上方に向けて混合液を噴射したが、混合室の側壁に噴射口を配置し、この噴射口から混合室に対して水平方向又は斜め上方に向けて混合液を噴射してもよい。
2.本発明に係る液体混合装置における気体導入の影響
本発明者は、サイズが幅320 mm×奥行250 mm×高さ250 mmのサイズおよび約15kgの重量を有する卓上型の気液せん断方式の流体混合装置を作製した。その内部構造は、図1に示す液体混合装置10と同等であるが、気体の導入方式を調べるために、気体供給ユニット180と同様の気体供給ユニットを、ポンプ吸入口163の直前、かつ、液体回収管172上に取り付けた(図示せず)。
上記した流体混合装置において、気体導入の場所によるポンプ性能への影響を調べた。実施例および比較例では、導入する気体として空気を用いるため「エア導入」という。流量を測定するための流量計をポンプ吐出口164と流体供給管192との間に設置し、混合室111に十分量の水を投入し、ポンプモーター4,000 rpmで水を循環させた。本発明の液体混合装置の使用において、「十分量」とは、ノズルブロックから混合室に噴射された混合液がノズルブロックの上端噴射口から上方に向かって紡錘状に広がる噴射領域を形成できる量をいう。投入する液体の量に応じて、混合室内部の断面積を変更することによって、容器ブロックの傾斜底面に形成された排出口の上端から水面までの距離が50 mm以上、好ましくは100 mm以上となるようにする。
比較例1:ポンプの上流からのエア導入
比較のため、ポンプ吸入口163の直前に取り付けたファインバブル供給部(ベンチュリー管A)にてポンプ上流からエア導入した時のポンプ吐出量の変動を調べた結果を表1に示し、エア導入量の関数でポンプ吐出量低下率をプロットしたグラフを図4に示す。
実施例1:ポンプの下流からのエア導入
本発明に従い、ファインバブル供給部130(ベンチュリー管B)にてポンプ下流からエア導入した時のポンプ吐出量の変動を調べた結果を表2に示し、エア導入量の関数でポンプ吐出量低下率をプロットしたグラフを図4に示す。
表1および2ならびに図4のグラフから分かるように、本発明に従い、ポンプ下流からエア導入すれば、ポンプ吐出量を低下させるような悪影響を及ぼす現象は発生しないことが確認できた。
3.本発明に係る液体混合装置を用いたエマルジョンの調製
本発明に係るエマルジョンの調製方法は、少なくとも、入口と出口を備えた混合室と、吸入口と吐出口を有するポンプとを備え、前記出口と前記吸入口とが流体的に接続され、前記吐出口と前記入口とが流体的に接続され、前記ポンプの駆動に基づいて、前記混合室に貯蔵されている混合液体を前記出口から吸引し、前記ポンプを介して、前記吐出口から吐出し、前記吐出される混合液体にファインバブルを供給した後、ファインバブルが供給された混合液体を前記混合室に噴射し、前記混合室に噴射される混合液の噴射領域の外側に前記出口が配置されていることを特徴とする液体混合装置を用いてエマルジョンを調製する方法であって、
前記混合液体は、水性液体および前記水性液体と非相溶性の疎水性液体を含み、かつ、水性液体と疎水性液体との界面における界面張力を低下させる機能を有する界面活性剤ならびにエマルジョンに添加しても界面張力を低下させる作用を有しないもののうち、塩、水素結合性分子、およびアルコール類のいずれか一種類から選択される添加剤を含まない。
本発明に係るエマルジョンの調製は、限定されないが、本発明に係る液体混合装置10を用いる。本発明に係る流体混合装置を用いて、水とオレイン酸1.0体積%のエマルジョンを調製した。タンク1に水を990 mL投入し、オレイン酸10 mLを投入した。その後、ポンプモーター4,000 rpmで10分間液体を循環させた。
比較例2:エア導入なしのエマルジョン調製
比較のため、エア導入なしで、液体を循環させた。10分後、液体抽出口168を開放して、エマルジョンを取り出した。
取り出してから2日後および1ヵ月後に、マイクロスコープ(KEYENCE社製 VHX-6000)を用いて、得られた溶液を観察したところ(図5−A1,A2)、非常に不均質なエマルジョンしか得られないことが確認された。なお、マイクロスコープでは気泡は観察されなかった。
目視観察によれば、取り出し直後、全体が均一に乳濁したエマルジョン溶液であった(図6−A1)。このエマルジョンを試薬ビンに入れて密封し、室温(約25℃)にて3日間静置したところ、白濁相と透明相(真の意味で透明ではないが、白濁相に対して、濁度が極端に低い相を意味する。)の分離が観察され(図6−A2)、さらに2か月間静置後には水とオレイン酸との完全相分離が観察され(図6−A3)、非常に不安定なエマルジョンであることが分かった。
実施例2:エア導入ありのエマルジョン調製
本発明に従い、ファインバブル供給部130にてポンプ下流から100 cc/分にてエア導入しながら液体を循環させた。10分後、液体抽出口168を開放して、エマルジョンを取り出した。
取り出してから2日後および1ヵ月後に、マイクロスコープ(KEYENCE社製 VHX-6000)を用いて、得られた溶液を観察したところ(図5−B1,B2)、オレイン酸がミクロンオーダーで均質に水に微分散されたエマルジョンが得られたことが確認された。画像解析により、エマルジョンの平均径は0.73 μmであった。なお、マイクロスコープでは気泡は観察されなかった。
目視観察によれば、取り出し直後、全体が均一に乳濁したエマルジョン溶液であった(図6−B1)。このエマルジョンを試薬ビンに入れて密封し、室温(約25℃)にて3日間静置したが、白濁相と透明相との分離は観察されず(図6−B2)、さらに2か月間静置後も、上記の分離も水とオレイン酸との相分離も観察されず(図6−B3)、非常に安定なエマルジョンであることが分かった。
本発明に係る流体混合装置は複雑な機構を持たないため小型軽量化することが可能であり、いかなる添加剤も使用することなく、必要な水性液体および疎水性液体のみからなる安定なエマルジョンを簡便かつ迅速に調製することができる。すなわち、多品種少量のエマルジョンを作成することができるので、研究開発に適している。製品開発においても、消費者の要望に即座に応えて、その場で提供することができるので、例えば、化粧品に保存料などが不要となるため、化学物質に過敏な消費者に対して最良の製品を提供することができる。さらには、消費者が自ら希望の成分のみを含む化粧品などを作成することもできる。
また、地球の温暖化や家屋の気密化にともなって、衛生害虫対策への需要が増している。従来、有力な手法であった化学薬剤を用いる害虫駆除は人にとっても有害なため、近年、その使用料は減少しており、人に優しい製品開発が求められているからである。本発明の技術を用いれば、小型装置を現場に持ち込み、その場で、天然有効成分と水のみからなる防虫作用を有するエマルジョンを作成して防除作業を行うことができる。例えば、マラリアの流行地域において、現地の人々が現場で調製したエマルジョン防虫剤を蚊帳に塗布して使用すれば、病気の撲滅を促進することが期待される。
10:液体混合装置
100:混合ユニット
110:容器ブロック
111:混合室
112:中心軸
113:蓋
114:圧力調整弁
115:円形穴
116:傾斜底面
117:排出口(出口)
120:ベースブロック
121:円形穴
122:縦穴
123:流路
124:気体供給孔
130:ファインバブル供給部
131:ベンチュリブロック
132:流路
133:下断流路部分
134:中段流路部分
135:上段流路部分
136:吸気孔
137:マニホールド
140:ノズルブロック
141:流路
142:下段流路部分
143:中段流路部分
144:上段流路部分
145:溝(螺旋流形成部)
146:上端噴射口(入口)
150:流路ブロック
151:流路
152:液体供給流路
153:垂直流路部分
154:水平流路部分
155:液体回収流路
156:上段垂直流路部分
157:下段垂直流路部分
158:水平流路部分
160:ポンプユニット
161:ポンプ
162:ポンプケーシング
163:吸入口
164:吐出口
165:ポンプ流路
166:駆動部
167:モータ
168:抽出口
170:液体移送ユニット
171:液体供給管
172:液体回収管
180:気体吸入ユニット
181:気体吸入
182:気体吸込口
183:流量調整弁
184:流量センサ
185:逆止弁
190:混合液
191:液体供給路
192:液体回収路
193:噴射領域

Claims (7)

  1. 入口(146)と出口(117)を備えた混合室(111)と、
    供給路(191)であって、前記供給路(191)は一端と他端を有し、前記供給路(191)の前記一端が前記入口(146)に接続された供給路(191)と、
    回収路(192)であって、前記回収路(192)は一端と他端を有し、前記回収路(192)の前記一端が前記出口(117)に接続された回収路(192)と、
    吸入口(163)と吐出口(164)を有し、前記吸入口(163)に前記回収路(192)の他端が接続され、前記吐出口(164)に前記供給路(191)の他端が接続されたポンプ(161)とを備え、
    前記ポンプ(161)の駆動に基づいて、前記混合室(111)に貯蔵されている2つの液体の混合液(190)を前記出口(117)から吸引し、前記回収路(192)、前記ポンプ(161)、及び前記供給路(191)を介して、前記入口(146)から前記混合室(111)に噴射する液体混合装置(10)であって、
    前記液体混合装置(10)は、前記供給路(191)を流れる前記混合液(190)にファインバブルを供給する、ベンチュリブロック(131)を備えるファインバブル供給部(130)を備えており、
    前記液体混合装置(10)は、さらに、気体吸入管(181)を有する気体吸入ユニットを備えており、前記気体吸入管(181)は、一端が前記ベンチュリブロック(131)の気体供給孔(124)に接続されており、他端の気体吸込口(182)が大気に開放され、または、気体ボンベに接続されており、
    前記混合室(111)の入口(146)から前記混合室(111)に噴射される前記混合液(190)の噴射領域(193)の外側に前記混合室(111)の出口(117)が配置されており、
    前記ファインバブル供給路(130)は、前記入口(146)に向かって流れる混合液(190)に、前記入口(146)の中心軸(112)を中心とする螺旋運動を与える螺旋流形成部を備えており、
    前記螺旋流形成部は、
    (a)前記入口(146)に向かって次第に内径が小さくなる円錐台形状の流路の内面に螺旋溝を形成した螺旋流形成部、
    (b)所定の歯数と所定のピッチ円錐角を有するはすば傘歯車又はまがりば傘歯車からなる内歯形傘歯車と前記内歯型傘歯車と同じ歯数と同じピッチ円錐角を有する外歯形傘歯車を、前記内歯形傘歯車の上に前記外歯形傘歯車を載せるとともに前記内歯形傘歯車の歯と前記外歯形傘歯車の歯をかみ合わせて前記内歯型傘歯車の歯と前記外歯形傘歯車の歯の間に螺旋状の隙間を形成した螺旋流形成部、または
    (c)螺旋ノズル(340)からなる螺旋流形成部のいずれかであることを特徴とする液体混合装置。
  2. 前記螺旋流形成部は、
    (b)所定の歯数と所定のピッチ円錐角を有するはすば傘歯車又はまがりば傘歯車からなる内歯形傘歯車と前記内歯型傘歯車と同じ歯数と同じピッチ円錐角を有する外歯形傘歯車を、前記内歯形傘歯車の上に前記外歯形傘歯車を載せるとともに前記内歯形傘歯車の歯と前記外歯形傘歯車の歯をかみ合わせて前記内歯型傘歯車の歯と前記外歯形傘歯車の歯の間に螺旋状の隙間を形成した螺旋流形成部、または
    (c)螺旋ノズル(340)からなる螺旋流形成部のいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の液体混合装置。
  3. 前記ファインバブル供給部(130)は前記供給路(191)に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体混合装置。
  4. 前記供給路(191)は、液体供給流路(152)と、一端と他端を有する液体供給管(171)とを含み、前記液体供給管(171)は、前記吐出口(164)に接続された他端から液体供給流路(152)に接続された一端に向かって水平であるか、または0度を超える上り勾配を有し、前記回収路(192)は、液体回収流路(155)と、一端と他端を有する液体回収管(172)とを含み、前記液体回収管(172)は、前記吸入口(163)に接続された他端から液体回収流路(155)に接続された一端に向かって水平であるか、または0度を超える上り勾配を有することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の液体混合装置。
  5. 前記ポンプ(161)は、
    吸入口(163)と、吐出口(164)と、前記吸入口(163)と前記吐出口(164)を接続するポンプ流路(165)と備えたケーシング(162)と、
    前記ポンプ流路(165)に配置され、前記吸入口(163)から前記吐出口(164)に向けて混合液を移送する駆動部(166)と、
    前記ポンプ流路(165)の混合液を抽出する抽出口(168)と
    を備えており、
    前記抽出口(168)は前記ポンプ流路(165)の最下位置に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の液体混合装置。
  6. 少なくとも、入口と出口を備えた混合室と、吸入口と吐出口を有するポンプと、ファインバブル供給部と、気体吸入管とを備え、前記出口と前記吸入口とが流体的に接続され、前記吐出口と前記入口とが流体的に接続され、前記ポンプの駆動に基づいて、前記混合室に貯蔵されている混合液体を前記出口から吸引し、前記ポンプを介して、前記吐出口から吐出し、前記ファインバブル供給部はベンチュリブロックを備え、前記気体吸入管は、一端が前記ベンチュリブロックの気体供給孔に接続されており、他端の気体吸込口が大気に開放され、または、気体ボンベに接続されており、前記気体吸入管を通じて前記気体供給孔から吸入された気体が、前記吐出された混合液体に混合されることによってファインバブルを供給した後、ファインバブルが供給された混合液体を前記混合室に噴射して、螺旋噴射流を形成し、前記混合室に噴射される混合液の噴射領域の外側に前記出口が配置されていることを特徴とする液体混合装置を用いてエマルジョンを調製する方法であって、
    前記混合液体は、水性液体および前記水性液体と非相溶性の疎水性液体からなる、エマルジョンの調製方法。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載の液体混合装置を用いる、請求項6に記載のエマルジョンの調製方法。
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