JP6556641B2 - 糸冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紡糸装置から紡出される糸を冷却する糸冷却装置に関する。
従来から、溶融紡糸の分野において、紡糸装置から紡出された糸を冷却する糸冷却装置が知られている。例えば、特許文献1に開示されているように、一般的な糸冷却装置は、紡出された糸に向けて空気を吹き付けて糸を冷却する糸冷却部と、糸冷却部に冷却用の空気を供給するダクトを備えている。
上記のような糸冷却装置において、ダクトの途中には、糸冷却部側に流路幅が広がった部分(流路拡大部)が存在する。ここで、上記の流路拡大部内においては、幅方向中央部で空気の流速が速く端側ほど流速が低くなる、流速分布が生じやすいが、このような流速分布は、糸冷却部において糸の冷却むらを生じさせる要因となる。そこで、流路拡大部内における空気の流れを整流することによって、幅方向において流速を極力均一にすることが望ましい。
これに関連して、特許文献2には、ダクトの流路拡大部(拡大ダクト部)内に、複数枚の仕切板が放射状に配置された構成が開示されている。この構成では、流路拡大部を流れる空気が複数枚の仕切板によって整流される。尚、特許文献2では、複数の仕切板の流れ方向上流側の端部は幅方向に一直線に並んでおり、複数の端部の位置が揃えられている。
また、特許文献3には、流路拡大部よりも下流側ではあるが、複数の風向変更部材が配置された構成が開示されている。特許文献3では、複数の風向変更部材の上流側の端部がそれぞれ膨らんだ形状となっている。また、上記特許文献2と同様、この特許文献3においても、複数の風向変更部材の端部の位置が揃えられて、幅方向に一直線に並んでいる。
特開2011−252260号公報 特開平8−201215号 特許4829002号
上記の特許文献2,3には、流路拡大部内の空気の流れを整流する部材が設けられたダクトが開示されているが、上記整流部材の入口側端部は流路の幅方向に一直線に並んでいる。しかし、本願発明者らの検討により、上記のように複数の整流部材の端部が直線的に並んでいると流れが乱れやすくなり、流路拡大部内の流速ばらつきが大きくなることが知見された。
本発明の目的は、流路拡大部内の流れの乱れを抑制し、流路幅方向における流速ばらつきをより小さく抑えることである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の糸冷却装置は、紡糸装置から紡出された糸に向けて気体を吹き付けて前記糸を冷却する糸冷却部と、前記糸冷却部に前記気体を供給する気体供給部と、を備えた糸冷却装置であって、
前記気体供給部は、前記糸冷却部側に向かうほど流路幅が広がる扇状の流路拡大部と、前記流路拡大部内において、出口側に向けて放射状に配置された複数の整流板を有し、各整流板は、前記流路拡大部の入口側の端部に膨らみ部を有し、複数の前記膨らみ部が、前記流路拡大部の出口側に向けて膨らんだ弧状に配置されていることを特徴とするものである。
本発明では、気体供給部を流れる気体は、途中の流路拡大部において広がりながら、糸冷却部へ流れ込む。流路拡大部内では、放射状に配置された複数の整流板によって気体の流れが整流される。ここで、流路拡大部に流入したときに、各整流板の入口側の端部に気体が衝突し、気体の流れが整流板から大きく剥離して乱れやすくなる。この点、本発明では、各整流板の、流路拡大部の入口側の端部に膨らみ部が設けられている。これにより、気体は膨らみ部の表面に沿って流れながら整流板の間に流れ込むため、気体の流れが整流板から大きく剥離しにくくなる。
また、複数の整流板の膨らみ部が、流路拡大部の幅方向に直線的に配置されている場合、流路拡大部に流れ込んできた気体が、狭い間隔で並ぶ複数の膨らみ部の列に衝突することになるため、流れが乱れやすくなる。この点、本発明では、複数の膨らみ部が、流路拡大部の出口側に膨らんだ弧状に配置されている。つまり、流路拡大部の入口部に、複数の膨らみ部で取り囲まれた空間が形成される。これにより、流路拡大部内に流入した気体は、一旦、上記の空間に入った後、放射状に広がりながら複数の整流板の間へスムーズに流れこむため、気体の流れが乱れにくくなる。
第2の発明の糸冷却装置は、前記第1の発明において、前記膨らみ部の表面が、曲面で形成されていることを特徴とするものである。
本発明では、膨らみ部の表面が曲面に形成されているため、気体の流れが膨らみ部の表面に沿いやすくなり、流れが整流板から剥離しにくくなる。
第3の発明の糸冷却装置は、前記第2の発明において、前記膨らみ部の断面形状が円形であることを特徴とするものである。
本発明では、膨らみ部の断面形状が円形であるため、加工が容易で、コスト面でも有利である。
第4の発明の糸冷却装置は、前記第3の発明において、前記膨らみ部の直径が、5mm以上16mm以下であることを特徴とするものである。
膨らみ部が小さすぎる場合には、整流板からの剥離を抑制する効果が低い。逆に、膨らみ部が大きすぎる場合には、流路抵抗が大きくなって、整流板の間にスムーズに気体が流れ込みにくくなる。この観点から、膨らみ部の直径は、5mm以上16mm以下であることが好ましい。
第5の発明の糸冷却装置は、前記第1の発明において、前記膨らみ部の断面形状が、前記流路拡大部の出口側に向けて広がる三角形状であることを特徴とするものである。
膨らみ部の断面形状が、出口側に向けて広がる三角形状であると、整流板の端部に衝突した気体の流れが、整流板から大きく剥離せず、整流板に沿って流れやすくなる。
第6の発明の糸冷却装置は、前記第1〜第5の何れかの発明において、扇状の前記流路拡大部の2つの側壁部の、それぞれの延長線の交差点と、前記複数の膨らみ部が配置された弧の中心点とが一致することを特徴とするものである。
本発明では、流路拡大部の2つの側壁部の、延長線の交差点と、複数の膨らみ部が配置されている弧の中心点とが一致する。そのため、流路拡大部に流入して広がるように流れる気体の、放射状の流線方向と、複数の膨らみ部が配置される弧とが直交することになり、複数の膨らみ部の間に気体が流れ込みやすくなる。
第7の発明の糸冷却装置は、前記第1〜第6の何れかの発明において、隣接する2つの前記整流板の間の角度が、6度以上16度以下であることを特徴とするものである。
隣接する2つの整流板の間が狭すぎると気体が流れにくくなるし、2つの整流板の間が開きすぎていると、整流効果が低下する。この観点から、隣接する2つの整流板の間の角度は、6度以上16度以下であることが好ましい。
第8の発明の糸冷却装置は、前記第1〜第7の何れかの発明において、複数の前記糸冷却部が収容された箱体を有し、前記箱体内において、前記複数の糸冷却部は所定方向に並んで配置され、前記箱体の、前記所定方向と直交する方向の側部に、前記流路拡大部の出口部が接続されていることを特徴とするものである。
複数の糸冷却部が収容された箱体の、前記糸冷却部の配列方向と直交する方向の側部に、流路拡大部の出口部が接続されている。そのため、流路拡大部の出口部において、幅方向の流速ばらつきが大きくなっていると、複数の糸冷却部の間で冷却性能がばらついてしまうことになる。この点、本発明の整流板の構成を採用することにより、流路拡大部の出口部における速度の不均一が抑制されるため、複数の糸冷却部の間での、冷却性能の差を小さく抑えることができる。
本実施形態に係る溶融紡糸装置の断面図である。 図1のII-II線断面図である。 (a)は図1の流路拡大部のIII-III線断面図、(b)は(a)の整流板の膨らみ部の拡大図である。 整流板の、別形状の膨らみ部の拡大図である。 実施例及び比較例の、整流板の端部(膨らみ部)に関する条件と、解析によって得られた速度ばらつきのデータを示す図である。 実施例1〜3の解析結果(流路拡大部内の速度分布)を示す図である。 実施例4、比較例1、及び、比較例2の解析結果(流路拡大部内の速度分布)を示す図である。 変更形態の整流板の膨らみ部の拡大図である。 別の変更形態の流路拡大部の断面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係る溶融紡糸装置の断面図である。図2は、図1のII-II線断面図である。尚、図1、図2に示す上下方向、前後方向、及び、左右方向を、本実施形態の溶融紡糸装置1の上下方向、前後方向、及び、左右方向とそれぞれ定義して、以下の説明を進める。
本実施形態の溶融紡糸装置1は、紡糸装置2、糸冷却装置3、油剤ガイド4などを備えている。紡糸装置2は、紡糸ビーム10と、紡糸ビーム10に設けられた複数のパックハウジング11を備えている。複数のパックハウジング11には複数の紡糸パック12がそれぞれ装着される。尚、複数のパックハウジング11(複数の紡糸パック12)は、左右方向(図1の紙面垂直方向)に沿って、千鳥状に2列に配列されている。各パックハウジング11に装着された紡糸パック12には、紡糸ビーム10に設けられた図示しない配管等から溶融ポリマーが供給される。
各紡糸パック12は、その下端部に、複数のノズルが形成された紡糸口金13を有する。紡糸パック12は、供給された溶融ポリマーを紡糸口金13の複数のノズルからそれぞれ紡出する。複数のノズルから紡出されたポリマーは、次述の糸冷却装置3で冷却されて複数のフィラメントfとなる。つまり、1つの紡糸口金13から、複数のフィラメントfで構成された1本のマルチフィラメント糸Yが紡出される。
糸冷却装置3は、紡糸装置2の下方に配置されており、複数の紡糸パック12から紡出された溶融ポリマーを冷却して固化させる。図1、図2に示すように、糸冷却装置3は、箱体20と、箱体20内に収容された複数の冷却筒21(本発明の糸冷却部)、及び、複数の仕切筒22を有する。
箱体20の内部空間は、パンチングメタルなどの整流機能を有する材料で形成された、水平な整流板23によって上下に仕切られている。箱体20の上部空間の、複数の紡糸パック12の直下の位置に複数の冷却筒21が配置されている。即ち、図2に示すように、複数の冷却筒21は、複数の紡糸パック12の配列に従って、左右方向に沿って千鳥状に配列されている。冷却筒21の壁は、整流板23と同様、パンチングメタル等の整流機能を有する材料で形成されている。一方、箱体20の下部空間の、複数の冷却筒21の直下の位置には、複数の仕切筒22が配置されている。尚、仕切筒22の壁は、上記の冷却筒21とは異なり、空気を透過させない材料で形成されている。
紡糸パック12から紡出された、複数のフィラメントfからなる糸Yは、紡糸パック12の直下の冷却筒21の内部空間と仕切筒22の内部空間を順に通過する。一方で、図1に示すように、箱体20の下部の後側壁部にはダクト25が接続されている。ダクト25の先は、多数のダクトがつながる図示しないダクト本管を介して、コンプレッサ、湿度制御装置、圧空タンクなどからなる圧空源(図示省略)に接続されている。圧空源によって冷却用の気体として空気が送られ、この空気は、ダクト25内を通って箱体20の下部空間内に供給される。尚、ダクト25の構造については、後で詳述する。
箱体20の下部空間に流入した冷却用の空気は、水平な整流板23を通過しつつ上向きに整流されて、箱体20の上部空間へ流れる。尚、仕切筒22の壁は空気を透過させない壁であるため、箱体20の下部空間から、仕切筒22内へ直接空気が流れ込むことはない。箱体20の上部空間に流入した空気は、冷却筒21の壁を通過する際に整流されて、冷却筒21内へ流れ込む。これにより、冷却筒21内において、複数のフィラメントfからなる糸Yに対して冷却筒21の外側全周から空気が吹き付けられ、糸Yが冷却される。
油剤ガイド4は、冷却筒21及び仕切筒22の下方の位置に配置される。この油剤ガイド4には、冷却筒21で冷却された糸Yが接触するが、その際に、油剤ガイド4は糸Yに対して油剤を吐出して糸Yに油剤を付与する。油剤ガイド4によって油剤が付与された糸Yは、油剤ガイド4の下方に配置された引取ローラ(図示省略)によって引き取られる。さらに、糸Yは巻取装置(図示省略)へ送られ、巻取装置においてボビン(図示省略)に巻き取られる。
次に、ダクト25(本発明の気体供給部に相当する)について詳しく説明する。ダクト25は、上下に延びる鉛直流路部分26と、前後に延びる水平流路部分27とを有する。鉛直流路部分26の下端は、図示しないダクト本管を介して、先に述べた圧空源と接続されている。水平流路部分27は、鉛直流路部分26の上端から水平に延びて、箱体20の下部の後側壁部に接続されている。圧空源から送られた空気は、ダクト25の鉛直流路部分26と水平流路部分27を経て、箱体20へ流れる。
図3(a)は、図1のIII-III線断面図、(b)は、(a)の整流板29の膨らみ部の拡大図である。図1、図3(a)に示すように、ダクト25の鉛直流路部分26の上端部は、上側(冷却筒21側)に向かうほど流路幅(左右方向の幅)が広がる扇形の流路拡大部28となっている。流路拡大部28の2つの側壁部30は、中心線Cに対して左右対称に広がるように、上下方向に対してそれぞれ斜めに延びている。そして、この流路拡大部28の上端部(出口部28b)に、水平流路部分27が接続されている。つまり、流路拡大部28においてダクト25の流路幅が途中で広げられ、その先の水平流路部分27は、流路幅が広がった状態で箱体20に向けて延びている。
流路幅の狭い入口部28aから流路拡大部28内に流入した空気は、流路幅の広い出口部28bへ向けて幅方向に広がりながら流れる。但し、流路拡大部28内を流れる空気には、幅方向中央部において流速が大きく端側ほど流速が低い、流速分布が生じる。このような流速分布を有する空気が冷却筒21へ供給されると、糸の冷却むらの原因となる。
特に、本実施形態では、箱体20内に左右方向に配列された複数の冷却筒21が収容され、この箱体20の後側の壁部(冷却筒21の配列方向と直交する方向の側部)に、ダクト25が接続されている。そのため、ダクト25内を流れる空気に、幅方向(左右方向)における流速の不均一が生じている状態で、気体が箱体20に流入すると、箱体20内の複数の冷却筒21の間で空気の流入流速が不均一になり、糸の冷却性能に差が生じる。そこで、流路拡大部28の出口部28bにおける速度の不均一を抑制し、複数の冷却筒21の間での、冷却性能の差を小さく抑えるために、本実施形態では、以下の構成が採用されている。
まず、流路拡大部28には、入口部28aから流入した空気が幅方向に均等に広がるように空気の流れを整流する、複数の整流板29が配置されている。複数の整流板29は、流路幅の狭い入口部28aから、流路幅の広い出口部28bへ向けて、放射状に広がるように配置されている。複数の整流板29は、均一な角度間隔θで配置されている。隣接する2つの整流板29の間が狭すぎると空気が流れにくくなるし、2つの整流板29の間が開きすぎていると、整流効果が低下する。この観点から、隣接する2つの整流板29の間の角度θは、好ましくは6度以上16度以下であり、より好ましくは8度である。
また、各整流板29の入口側(流れ方向上流側)の端部には、膨らみ部32が形成されている。膨らみ部32の幅は、この膨らみ部32よりも上側(冷却筒21側)に位置する部分よりも大きくなっている。この膨らみ部32の表面は曲面に形成されている。より詳細には、整流板29の入口側の端部に、図3の紙面垂直方向に延びる丸棒31が取り付けられることにより、断面円形の膨らみ部32が形成されている。
整流板29に膨らみ部32がない場合、流路拡大部28に空気が流れ込んできたときに、この空気は整流板29の入口側の端部に衝突し、整流板29から大きく剥離して空気の流れが乱れやすくなる。この点、本実施形態では、各整流板29の、流路拡大部28の入口側の端部に膨らみ部32が設けられていることで、流路拡大部28に流入した空気は膨らみ部32の表面に沿って流れつつ、整流板29の間へ流れ込む。これにより、空気の流れが整流板29から大きく剥離しにくくなり、流れが乱れにくくなる。
また、膨らみ部32の表面が曲面に形成されていると、空気の流れが膨らみ部32の表面に沿いやすくなり、流れが整流板29から剥離しにくくなる。さらに、膨らみ部32の断面形状が円形であると、加工が容易で、コスト面でも有利である。具体的には、整流板29となる板状部材に丸棒31を取り付けるだけで膨らみ部32を形成することができる。
また、膨らみ部32が小さすぎる場合には、整流板29からの剥離を抑制する効果が低い。逆に、膨らみ部32が大きすぎる場合には、流路抵抗が大きくなって、整流板29の間に空気が流れ込みにくくなる。この観点から、膨らみ部32を構成する丸棒31の直径は、好ましくは5mm以上16mm以下であり、より好ましくは8mmである。尚、整流板29の厚みは、例えば、0.5mm程度である。
図4は、整流板29の、別形状の膨らみ部32Aの拡大図である。膨らみ部32Aの断面形状が、図3(b)の円形形状の代わりに、図4の、流路拡大部28の出口側に向けて広がる三角形状であってもよい。膨らみ部32の断面形状が三角形状であると、整流板29の端部に衝突した空気の流れが、整流板29から大きく剥離せず、整流板29に沿って流れやすくなる。
ところで、複数の整流板29の膨らみ部32が、流路拡大部28の幅方向に直線的に配置されていると、流路拡大部28に流れ込んできた空気が、狭い間隔で並ぶ複数の膨らみ部32の列に衝突することになるため、流れが乱れやすくなる。そこで、本実施形態では、図3に示すように、複数の整流板29の膨らみ部32が、出口側(冷却筒21側)に向けて膨らんだ、仮想的な円弧35に沿って配置されている。この構成においては、流路拡大部28の入口部28aに、円弧状に配置された複数の膨らみ部32で取り囲まれた空間36が形成される。そのため、流路拡大部28内に流入した空気は、一旦、上記の空間36に入ってから、放射状に広がりながら複数の整流板29の間へスムーズに流れ込むため、空気の流れが乱れにくくなる。
また、本実施形態では、図3に示すように、流路拡大部28の2つの側壁部30の、それぞれの延長線Lの交差点P1と、複数の膨らみ部32が配置された円弧35の中心点P2とが一致している。この構成では、流路拡大部28に流入して広がるように流れる空気の、放射状に広がる流線方向と、複数の膨らみ部32が配置される円弧35とが直交するため、複数の膨らみ部32の間に空気が流れ込みやすくなる。尚、円弧35をどの程度の曲率とするかは、流路拡大部28の形状にもよるが、例えば、曲率半径R=135±5(mm)である。
複数の整流板29の出口側の端部については、流路拡大部28の出口部28bの端位置で揃えられて、一直線上に配置されている。これにより、流路拡大部28に流入した空気の流れは、複数の整流板29によって、流路拡大部28の出口部28bに至るまで確実に整流される。
<本発明の効果検証>
次に、本発明を適用した実施例について、比較例と比較することにより、その効果を検証した。尚、以下の効果検証は、各ケースについて、流路拡大部28内の空気の流れを数値解析することにより行った。
(解析モデル条件)
(1)全モデル共通の条件
気体種類:空気
整流板枚数:11枚
隣接する整流板間の角度:8度
入口部流入流量:10.8m3/min
(2)膨らみ部に関する条件
図5に、実施例及び比較例の、整流板29の端部(膨らみ部32)に関する条件を示す。尚、図5の「端部の配置」の項目の中の「円弧配置」は、図3に示すように、複数の整流板29の端部が円弧状に配置された形態を示す。一方、「直線配置」は、複数の整流板29の端部が幅方向に直線的に配置されている形態を示す。
(検証)
図6、図7に、実施例1〜4、及び、比較例1,2のそれぞれについての解析結果(速度分布)を示す。また、図5の「速度ばらつき」の欄には、流路拡大部28の出口部28bにおける、幅方向速度ばらつきの程度を標準偏差で示した値が記載されている。尚、図5の速度ばらつき(標準偏差)は、0に近い方が、ばらつきが小さいことを示している。
まず、図6、図7に示すように、実施例1〜4では、入口部28aから出口部28bに向けてスムーズな流れが実現されている。また、速度ばらつきの標準偏差の値も低い。これに対して、整流板29に膨らみ部32がない比較例1、及び、膨らみ部32があるが直線的に配置されている比較例2では、流路拡大部28内の流れが乱れて渦が発生している。このことから、(1)整流板29の端部に膨らみ部32があること、及び、(2)複数の膨らみ部32が弧状に配置されていること、の2つの特徴が、流路拡大部28内の乱れを抑える上で非常に重要であることが分かる。
尚、実施例1〜4の中でも、特に、膨らみ部32が8mmの丸棒で構成されている実施例1と、膨らみ部32が一辺8mmの三角棒で構成されている実施例4では、空気の流れの乱れが少なく、速度ばらつきもかなり低くなっている。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、整流板29の膨らみ部の形状として、断面円形、及び、断面三角形のものが示されているが、このような形状には限られない。例えば、表面が曲面である例として、図8(a)のような楕円形の断面の膨らみ部32Bや、図8(b)のような流線形の膨らみ部32Cが挙げられる。
2]複数の膨らみ部の配置についても、以下のように変更可能である。例えば、図9に示すように、複数の膨らみ部32が配置される円弧35の中心点P2が、2つの側壁部30の延長線Lの交差点P1に対してずれていてもよい。中心点P2の、P1に対するずれの方向は、図9のように出口側にずれてもよいが、逆に、入口側にずれてもよい。また、複数の膨らみ部32が配置される弧が、円弧である必要もなく、例えば、楕円弧であってもよい。
3]前記実施形態の糸冷却装置は、糸冷却部として、糸に対して全周から空気を吹き付ける冷却筒21を備えるものであるが、糸冷却部は上記のものには限られない。例えば、糸に対して一方向のみから空気を吹き付けて糸を冷却する、いわゆる、クロスフロー方式の糸冷却部であってもよい。
1 溶融紡糸装置
2 紡糸装置
3 糸冷却装置
20 箱体
21 冷却筒
25 ダクト
28 流路拡大部
28a 入口部
28b 出口部
29 整流板
30 側壁部
32,32A,32B,32C 膨らみ部
35 円弧
L 延長線
P1 交差点
P2 中心点
Y 糸

Claims (8)

  1. 紡糸装置から紡出された糸に向けて気体を吹き付けて前記糸を冷却する糸冷却部と、前記糸冷却部に前記気体を供給する気体供給部と、を備えた糸冷却装置であって、
    前記気体供給部は、
    前記糸冷却部側に向かうほど流路幅が広がる扇状の流路拡大部と、前記流路拡大部内において、出口側に向けて放射状に配置された複数の整流板を有し、
    各整流板は、前記流路拡大部の入口側の端部に膨らみ部を有し、
    複数の前記膨らみ部が、前記流路拡大部の出口側に向けて膨らんだ弧状に配置されていることを特徴とする糸冷却装置。
  2. 前記膨らみ部の表面が、曲面で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の糸冷却装置。
  3. 前記膨らみ部の断面形状が円形であることを特徴とする請求項2に記載の糸冷却装置。
  4. 前記膨らみ部の直径が、5mm以上16mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の糸冷却装置。
  5. 前記膨らみ部の断面形状が、前記流路拡大部の出口側に向けて広がる三角形状であることを特徴とする請求項1に記載の糸冷却装置。
  6. 扇状の前記流路拡大部の2つの側壁部の、それぞれの延長線の交差点と、前記複数の膨らみ部が配置された弧の中心点とが一致することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の糸冷却装置。
  7. 隣接する2つの前記整流板の間の角度が、6度以上16度以下であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の糸冷却装置。
  8. 複数の前記糸冷却部が収容された箱体を有し、
    前記箱体内において、前記複数の糸冷却部は所定方向に並んで配置され、
    前記箱体の、前記所定方向と直交する方向の側部に、前記流路拡大部の出口部が接続されていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の糸冷却装置。
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