JP6555684B2 - バイパス付き電源切替装置 - Google Patents
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Description
この発明は、そのような常用系電力供給ライン及び予備系電力供給ラインと、負荷側の電気機器との間に設置されて、常用系電力供給ラインと予備系電力供給ラインとのうち何れか一つから電気機器へ電力が供給されるよう択一的に電源を切り替える電源切替装置に関し、詳しくは、高速性を重視した切替回路に加えてその故障時にそれを回避・迂回させる信頼性重視のバイパス回路をも備えたバイパス付き電源切替装置に関する。
図9は、(a)がバイパス付き電源切替装置10の全体の回路図であり、(b)が電子式切替回路20の部分の回路図である。
さらに、投入コイル駆動ライン開閉用接点33は、リレー駆動部31の非励磁時に遮断状態になりリレー駆動部31の励磁時に導通状態になるリレー接点であり、投入コイル駆動ライン開閉用接点35や保守用復帰スイッチ39の説明時に後述するように第1メインライン選択可能化用の回路の一部になっている。
そのうち、引き外しコイル34は、引き外しコイル駆動ライン開閉用接点32の他端に接続されているので、常用系電力入力ライン11の受電時に第1メインライン13の受電が無くなってリレー駆動部31が非励磁状態になると、引き外しコイル34が通電駆動されて、電磁接触器(34〜38)は、引き外し状態になり、投入コイル38の駆動や投入向きの外力が無ければ引き外し状態を安定維持するようになっている。
さらに、投入コイル駆動ライン開閉用接点43は、リレー駆動部41の非励磁時に遮断状態になりリレー駆動部41の励磁時に導通状態になるリレー接点であり、投入コイル駆動ライン開閉用接点45や保守用復帰スイッチ49の説明時に後述するように第2メインライン選択可能化用の回路の一部になっている。
そのうち、引き外しコイル44は、引き外しコイル駆動ライン開閉用接点42の他端に接続されているので、予備系電力入力ライン12の受電時に第2メインライン14の受電が無くなってリレー駆動部41が非励磁状態になると、引き外しコイル44が通電駆動されて、電磁接触器(44〜48)は、引き外し状態になり、投入コイル48の駆動や投入向きの外力が無ければ引き外し状態を安定維持するようになっている。
そして、どこに配置されても、常用系を優先選択して負荷の信号機器へ電力を供給し、常用系が停電したときには速やかに予備系に切り替えてその電力を負荷の信号機器へ供給するとともに、常用系が復電したときには切替状態を元に戻して常用系の電力を負荷の信号機器へ供給する。
しかし、サイリスタは半導体であるため、それだけでは鉄道設備に求められる信頼性を満たし得ないので、サイリスタの故障のうち不都合となるオープン故障・遮断側故障の発生に備えてバイパス機能が付加されている。しかも、バイパス機能は、常用系電力バイパス用の常用系電気機械式切替回路30と予備系電力バイパス用の予備系電気機械式切替回路40とがその順にカスケード接続された二段のバイパス回路によって、常用系を優先するように具現化されている。また、それらの電気機械式切替回路30,40(バイパス回路)は何れも大電流を通過させるため機械的ロック機能付き電磁接触器(双安定型の電気機械式部品)が採用されている。
そして、第2メインライン14の受電に応じて、予備系電気機械式切替回路40でも、常用系電気機械式切替回路30について述べたのと同様の回路動作がなされて、更に必要なら保守用復帰スイッチ49の手動操作も加えることで、バイパス機能が停止した状態で、第2メインライン14と電力出力ライン15とが導通状態を保つ。
このように正常回路の定常時の動作では、常用系電力が常用系電力入力ライン11と電子式切替回路20と第1メインライン13と第1メインライン開閉用接点36と第2メインライン14と第2メインライン開閉用接点46と電力出力ライン15とを通過する。
このように正常回路の常用系停電時には、予備系電力が予備系電力入力ライン12と電子式切替回路20と第1メインライン13と第1メインライン開閉用接点36と第2メインライン14と第2メインライン開閉用接点46と電力出力ライン15とを通過する。
このように故障回路の定常時の動作では、常用系電力が、電子式切替回路20を回避・迂回して、常用系電力入力ライン11と第1バイパスライン開閉用接点37と第2メインライン14と第2メインライン開閉用接点46と電力出力ライン15とを通過する。
このように故障回路の常用系停電時には、予備系電力が、電子式切替回路20及び常用系電気機械式切替回路30を回避・迂回して、予備系電力入力ライン12と第2バイパスライン開閉用接点47と電力出力ライン15とを通過する。
そして、その後、常用系電力が復旧すると(図15参照)、再び常用系電力入力ライン11が受電できるようになって、第2メインライン14にまで常用系電力が届き、それによって緩放リレー(41〜43)が励磁されて、引き外しコイル駆動ライン開閉用接点42が遮断状態になり、投入コイル駆動ライン開閉用接点43が導通状態になる。
そして、このことと、電子式切替回路20の故障時にはその機能が電気機械式切替回路30,40によって二重にバックアップされて常用系の停電時はもちろん予備系の停電時までも適切に電力が出力されることとから、バイパス付き電源切替装置10は十分に実用に叶うものとなっている。
そこで、常用系が停電してから復電した際に予備系が停電した場合でも自動で電力出力を再開するバイパス付き電源切替装置を実現することが技術的な課題となる。
したがって、この発明によれば、上述の技術課題が解決される。
すなわち、従来装置が予備系電力入力ラインに電力が供給されているか否かを検出する電力検出部の検出結果にて開閉する投入用接点を具備しており且つ手動操作部材としてスイッチ部材を具備していることを前提として、それと既存回路とを配線で接続することににより、僅かな追加で、新たなバイパス付き電源切替装置を実現する行うことができる。また、スイッチ部材に開閉の逆な接点が余っていればその接点を使用することにより或いはスイッチ部材に開閉の逆な接点が余っていなければそのような接点も具備したものでスイッチ部材を置き換えてから追加接点を使用することにより、自動復帰手段を容易に具現化することができる。
図1〜図8に示した実施例1は、上述した解決手段1〜3(出願当初の請求項1〜3)を総て具現化したものである。
なお、それらの図示に際し従来と同様の構成要素には同一の符号を付して示したので、また、それらについて背景技術の欄で述べたことは以下の実施例についても共通するので、重複する再度の説明は割愛し、以下、従来との相違点を中心に説明する。
自動復帰手段61+62は、投入用接点61と自動復帰用接点62とそれらに接続された配線とからなる小規模な回路である。
それから(図4参照)、常用系電力が復旧すると、再び常用系電力入力ライン11が受電できるようになり、その電力を検出した電子式切替回路20の切替状態が元に戻り、後段の機械式切替回路30,60も元のままなので、常用系電力が元の経路(A,11,20,13,36,14,46,15,C)を通って負荷へ供給される(図中の矢付き極太線を参照)。しかも、その状態は、非優先の予備系電力の有無では変化しないので、常用系が自動復旧した後は予備系が停電しても負荷への給電に不都合は無い。
ここまでの動作は、バイパス付き電源切替装置10について既述したのと同様であるが、リレー駆動部41が非励磁状態になると、バイパス付き電源切替装置50では、新設の投入用接点61が導通状態になり、それに自動復帰用接点62が接続されている自動復帰手段61+62が導通状態になる。この時点では未だ給電の主経路やバイパス経路に表立った従来との相違は見られないが、以後の動作は違ってくる。
また、多くが繰り返しとなるので詳細な説明は割愛するが、オープン故障後に常用系が停電しその後に常用系が復電したときにも、自動復帰手段61+62が働いて予備系電気機械式切替回路60が非バイパス状態に自動復帰するので、その後に予備系が停電しても、常用系電力が出力される。
そのため、バイパス付き電源切替装置50に上記の故障が発生したときでも、二系統の給電(A,B)に係る停電に起因する不所望な長期の給電停止を回避するために保守要員等が緊急出動する必要は無くなったので、負担が軽減される。特に、バイパス付き電源切替装置50が駅中間などの遠隔地に設置されている場合には負担軽減の恩恵が大きい。
上記実施例では電力検出部31〜33や電力検出部41+61(41〜43+61)が緩放リレー(時素リレー)を主体として構成されていたが、それらの電力検出部は、双安定型の電気機械式部品を主体とする切替部34〜38,44〜48のように機械式のものに限られるというものではないので、電磁リレーや、半導体リレー、電子式切替回路20の電力検出回路のような電子回路などを主体として構成されるものであっても良い。
10…バイパス付き電源切替装置、
11…常用系電力入力ライン、12…予備系電力入力ライン、
13…第1メインライン、14…第2メインライン、15…電力出力ライン、
20+30+40…切替回路群、
20…電子式切替回路(第1切替回路)、
21,22…切替部(半導体部品,サイリスタスイッチ)、
30…常用系電気機械式切替回路(第1バイパス回路,第2切替回路)、
31〜33…電力検出部(時素リレー,緩放リレー)、
31…リレー駆動部(第1メインライン電力検出用)、
32…引き外しコイル駆動ライン開閉用接点(第1バイパスライン自動選択用)、
33…投入コイル駆動ライン開閉用接点(第1メインライン選択可能化用)、
34〜38…切替部(双安定型の電気機械式部品,第1電磁接触器)、
34…引き外しコイル(第1バイパスライン選択用)、
35…投入コイル駆動ライン開閉用接点(第1メインライン手動選択可能化用)、
36…第1メインライン開閉用接点、37…第1バイパスライン開閉用接点、
38…投入コイル(第1メインライン選択用)、
39…保守用復帰スイッチ(投入用,第1メインライン選択用の手動操作部材)、
40…予備系電気機械式切替回路(第2バイパス回路,第3切替回路)、
41〜43…電力検出部(時素リレー,緩放リレー)、
41…リレー駆動部(第2メインライン電力検出用)、
42…引き外しコイル駆動ライン開閉用接点(第2バイパスライン自動選択用)、
43…投入コイル駆動ライン開閉用接点(第2メインライン選択可能化用)、
44〜48…切替部(双安定型の電気機械式部品,第2電磁接触器)、
44…引き外しコイル(第2バイパスライン選択用)、
45…投入コイル駆動ライン開閉用接点(第2メインライン手動選択可能化用)、
46…第2メインライン開閉用接点、47…第2バイパスライン開閉用接点、
48…投入コイル(第2メインライン選択用)、
49…保守用復帰スイッチ(投入用,第2メインライン選択用の手動操作部材)、
50…バイパス付き電源切替装置、
60…予備系電気機械式切替回路(第2バイパス回路,第3切替回路)、
41+61…電力検出部(時素リレー,緩放リレー)、
61…投入用接点(第2メインライン自動選択用)、
49+62…保守用復帰スイッチ(投入用,第2メインライン手動自動選択用)、
62…自動復帰用接点(投入用,第2メインライン自動選択可能化用)、
61+62…自動復帰手段
Claims (3)
- 切替部に半導体部品が採用されており且つ常用系電力入力ラインに電力が供給されているときにはそれを出力する切替状態になるが前記常用系電力入力ラインに電力が供給されないときには予備系電力入力ラインに供給された電力を出力する切替状態になる電子式切替回路と、
前記電子式切替回路と前記常用系電力入力ラインとの何れか一方に受電先を切り替える切替部に電磁駆動その他の切替操作の無いときには切替状態を安定維持する双安定型の電磁接触器その他の電気機械式部品が採用されており且つ前記電子式切替回路から電力が出力されているときには手動操作部材の操作に応じて前記電子式切替回路から受けた電力を通過させる常態の切替状態になるが前記電子式切替回路から電力が出力されない異常時には前記常用系電力入力ラインに供給された電力を出力する第1バイパス状態の切替状態になる常用系電気機械式切替回路と、
前記常用系電気機械式切替回路と前記予備系電力入力ラインとの何れか一方に受電先を切り替える切替部に電磁駆動その他の切替操作の無いときには切替状態を安定維持する双安定型の電磁接触器その他の電気機械式部品が採用されており且つ前記常用系電気機械式切替回路から電力が出力されていると同時に前記予備系電力入力ラインに電力が供給されているときには手動操作部材の操作に応じて前記常用系電気機械式切替回路から受けた電力を通過させる常態の切替状態になるが前記常用系電気機械式切替回路から電力が出力されない異常時には前記予備系電力入力ラインに供給された電力を出力する第2バイパス状態の切替状態になる予備系電気機械式切替回路と
を備えたバイパス付き電源切替装置において、
前記予備系電気機械式切替回路が前記予備系電力入力ラインに供給された電力を出力する第2バイパス状態の切替状態になっているときに前記常用系電気機械式切替回路から電力が出力されるとそれを通過させる常態の切替状態に前記予備系電気機械式切替回路の状態を切り替わらせる自動復帰手段を設けたことを特徴とするバイパス付き電源切替装置。 - 前記自動復帰手段は、前記予備系電気機械式切替回路の前記手動操作部材に連動するものであって、前記予備系電気機械式切替回路の前記手動操作部材の操作に応じて前記予備系電気機械式切替回路が前記常用系電気機械式切替回路から受けた電力を通過させる常態の切替状態になっているときには前記予備系電気機械式切替回路の状態切替を行わないようになっていることを特徴とする請求項1記載のバイパス付き電源切替装置。
- 前記予備系電気機械式切替回路は、前記予備系電力入力ラインに電力が供給されているか否かを検出する電力検出部を具備するとともに、前記手動操作部材としてスイッチ部材を具備しており、前記自動復帰手段が前記電力検出部の検出結果にて開閉する投入用接点と前記スイッチ部材の接点とそれらに接続された配線とからなることを特徴とする請求項2記載のバイパス付き電源切替装置。
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