JP6555579B2 - アンテナ装置およびそれを備えた車両、ボビンの製造方法 - Google Patents

アンテナ装置およびそれを備えた車両、ボビンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アンテナ装置およびそれを備えた車両、ならびにボビンの製造方法に関し、より詳細には、高周波エネルギの信号と電波との変換が可能なアンテナ装置、アンテナ装置を備えた車両、ボビンの製造方法に関する。
近年、電子キーシステムが車両に搭載されている。電子キーシステムでは、ユーザがリモートコントロール装置(以下、リモコン装置と称する)を携帯した状態で車体のドアハンドルに触れるなどすると、ドアの錠が自動的に解錠されるよう構成されている。電子キーシステムでは、車体からリモコン装置へ電波の送信ができるようにアンテナ装置が利用される。
この種のアンテナ装置としては、コアを収納したボビンの巻溝に巻線を施したコイルと、コイルを凹部に収納した外装ケースと、外装ケースの凹部に充填した接着剤とを有する構成が知られている(たとえば、特許文献1を参照)。特許文献1のアンテナ装置では、一側面が開口した扁平の凹状の絶縁性ボビンが用いられている。
また、別のアンテナ装置としては、ケースと、アンテナと、回路形成部材と、アンテナ側コネクタとを備えた構成が知られている(たとえば、特許文献2を参照)。
特許文献2のアンテナ装置では、アンテナが四角棒状に形成された鉄心と、鉄心に挿通状態で固定されたボビンおよびボビンに装着されたコイルを備えたバーアンテナを構成している。
特開2005−295473号公報 特開2006−180436号公報
ところで、アンテナ装置では、より信頼性の高い構造が求められており、上述の特許文献1のアンテナ装置や特許文献2のアンテナ装置の構造だけでは、十分ではなく、更なる改良が求められている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、より信頼性の高いアンテナ装置およびそれを備えた車両、並びにボビンの製造方法を提供することにある。
本発明のアンテナ装置は、ボビンと、アンテナコイルと、ケースと、充填材と、を備えている。上記アンテナコイルは、上記ボビンに巻き回しされた巻線により形成される。上記ケースは、上記アンテナコイルを収納する凹部を有している。上記充填材は、上記凹部を封止する。上記ボビンは、扁平な角筒状の外形形状をしている。上記ボビンの対向する仮想の主面に沿った主片同士には、それぞれ平面視において、複数の開口部が形成されている。一方の主片に設けられた上記開口部と他方の主片に設けられた上記開口部とは、互いに重複する重複領域と重複しない非重複領域の両方を有していることを特徴とする。
本発明の車両は、上述のアンテナ装置と、当該アンテナ装置が設けられた車体とを有することを特徴とする。
本発明のボビンの製造方法では、上述した上記ボビンを、一対の金型と、スライドコアと、を用いた射出成形により製造する。上記一対の金型は、第1金型と、当該第1金型に対向する第2金型と、を有している。上記第1金型は、上記第2金型に向かって突出する突出部位を備えている。上記突出部位は、表面から窪んだ窪部を有している。上記第2金型は、上記第1金型に向かって突出する突出部を備えている。上記突出部は、表面から窪んだ凹所を有している。上記ボビンの製造方法では、型締め工程と、射出工程と、を有している。上記型締め工程は、上記第1金型と上記第2金型とが合わされた状態で、内部に角筒状の空洞部が構成される。型締め工程は、上記スライドコアが、上記突出部位または上記突出部の少なくともいずれか一方と当たるように上記空洞部の長手方向の一端を塞ぐ。型締め工程は、上記突出部位が上記第2金型に接触し、上記突出部が上記第1金型に接触することで、上記第1金型と上記第2金型と上記スライドコアとが嵌め合わせられる。射出工程では、上記突出部位と上記突出部とで上記開口部が形成され、上記凹所および上記窪部で上記主片が形成されるように、上記空洞部に樹脂材料が射出されることを特徴とする。
本発明のアンテナ装置は、より信頼性の高い構造とすることが可能となる。
本発明の車両は、より信頼性の高いアンテナ装置を備えた構成とすることができる。
本発明のボビンの製造方法は、より信頼性の高いアンテナ装置を構成可能なボビンを製造することができる。
実施形態のアンテナ装置の要部を説明する分解斜視図である。 実施形態のアンテナ装置の要部を示す背面図である。 実施形態のアンテナ装置を示す背面図である。 実施形態のアンテナ装置の要部を説明する斜視図である。 実施形態のアンテナ装置に用いられるボビンを示し、図1におけるXX断面図である。 実施形態のアンテナ装置を拡大した部分断面図である。 実施形態のアンテナ装置の別の要部を拡大した部分斜視図である。 実施形態のアンテナ装置の他の要部を拡大した部分斜視図である。 実施形態のアンテナ装置におけるボビンの製造装置を説明する断面説明図である。 実施形態のアンテナ装置と比較するボビンの製造装置を説明する断面説明図である。 実施形態のアンテナ装置を備えた車両を説明する模式図である。
以下では、本実施形態のアンテナ装置10について、図1ないし図8を参照しながら説明する。図9では、ボビン1bの製造方法について説明する。図11では、アンテナ装置10を備えた車両30について説明する。なお、図中において、同じ部材に対しては、同じ符号を付して重複する説明を省略する。各図面が示す部材の大きさや位置関係は、説明を明確にするために誇張していることがある。以下の説明において、本実施形態を構成する各要素は、複数の要素を一の部材で構成して一の部材が複数の要素を兼ねる態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現してもよい。
本実施形態のアンテナ装置10は、図1ないし図4に示すように、ボビン1bと、アンテナコイル1と、ケース3と、充填材4と、を備えている。アンテナコイル1は、ボビン1bに巻き回しされた巻線1aにより形成される。ケース3は、アンテナコイル1を収納する凹部3aaを有している。充填材4は、凹部3aaを封止する。ボビン1bは、扁平な角筒状の外形形状をしている。図5に示すボビン1bの対向する仮想の主面1bzに沿った主片1bs同士には、それぞれ平面視において、複数の開口部1aaが形成されている。一方の主片1bsに設けられた開口部1aaと他方の主片1bsに設けられた開口部1aaとは、互いに重複する重複領域1asと重複しない非重複領域1atの両方を有している。
本実施形態のアンテナ装置10は、ボビン1bの対向する仮想の主面1bzに沿った主片1bsに設けられた開口部1aaが、重複領域1asと非重複領域1atを有しているので、より信頼性の高い構造とすることができる。
最初に、本実施形態のアンテナ装置10が用いられる車両30について、図11を用いて説明する。図11では、各構成の電気的な接続を行う電路を、太い破線で例示している。
車両30は、アンテナ装置10と、制御装置32と、施錠装置33aとを、車体30aに備えている。車両30には、ユーザが携帯するリモコン装置30bを、車体30aとは別体に備えられている。アンテナ装置10は、制御装置32と接続されている。制御装置32は、施錠装置33aと接続されている。制御装置32は、アンテナ装置10や施錠装置33aと有線により電気的に接続される構成だけでなく、無線により接続される構成でもよい。リモコン装置30bは、車体30aの制御装置32と信号の送信や受信ができるように構成されている。リモコン装置30bは、たとえば、受信部35aと、記憶部35bと、制御回路部35cと、送信部35dと、を備えた構成とすることができる。
車両30では、リモコン装置30bと、車体30aの制御装置32との間で信号の送信や受信を行うことで、ドア33の施錠や解錠が行われる。車両30では、リモコン装置30bと、アンテナ装置10と、制御装置32と、施錠装置33aとで、電子キーシステムを構成している。車両30は、リモコン装置30bと、制御装置32との間で信号の送信や受信を行うことで、車体30aのエンジンやモータの駆動の開始や停止を行える状態にできるように構成されている。リモコン装置30bは、ユーザが携帯することができるような電子キーを構成している。車両30では、ユーザがリモコン装置30bを携帯した状態で、車体30aのドアハンドルにユーザが触れるなどすると、自動的にドア33の錠の解錠やエンジンの始動などが可能となる。
アンテナ装置10は、車体30aのドアハンドルに設けられている。アンテナ装置10は、車体30aのドアハンドルに設けられる構成だけに限られない。アンテナ装置10は、車体30aのドア33、バンパ、センターコンソール、トランク、カーゴルームやダッシュボードなどに設けられていてもよい。車体30aは、1つ以上のアンテナ装置10が設けられていればよい。施錠装置33aは、ドア33に設けられている。施錠装置33aは、ドア33の施錠や解錠をアクチュエータの制御で行うことができるように構成されている。制御装置32は、たとえば、車体30aに搭載されたECU(Electronic Control Unit)を利用して構成することができる。
制御装置32は、リモコン装置30bへ信号を電波で送信できるようにアンテナ装置10と接続されている。以下では、アンテナ装置10から送信される電波を第1送信波30waとも称する。制御装置32は、たとえば、車両30が駐車中の場合、アンテナ装置10からリモコン装置30bに応答を要求する要求信号が含まれた第1送信波30waを送信させる。アンテナ装置10は、たとえば、第1送信波30waを、LF(Low Frequency)帯の周波数の電波で送信できるように構成されている。リモコン装置30bは、たとえば、リモコン装置30bを携帯しているユーザが、アンテナ装置10から送信された第1送信波30waを受信可能な領域にいる場合、第1送信波30waを受信部35aで受信する。リモコン装置30bは、制御装置32からの要求信号に応じて、制御回路部35cが、記憶部35bにあらかじめ記憶されている識別情報が含まれる応答信号を送信部35dから送信する。送信部35dは、応答信号をUHF(Ultra High Frequency)帯の周波数の電波で送信する。以下では、リモコン装置30bからの電波を第2送信波30wbとも称する。
制御装置32は、たとえば、リモコン装置30bからの応答信号を受信できるように、UHF受信機を内蔵した構造とすることができる。制御装置32は、受信した応答信号に含まれる識別情報と、制御装置32に内蔵された記憶装置にあらかじめ記憶された識別情報とを比較する。制御装置32は、リモコン装置30bの識別情報と、車体30aの記憶装置に記憶された識別情報とが一致すれば、ドア33の施錠装置33aが解錠されるようにアクチュエータを制御する。
本実施形態のアンテナ装置10は、LF帯の第1送信波30waを送信する構成としている。リモコン装置30bは、UHF帯の第2送信波30wbを送信する構成としている。アンテナ装置10は、LF帯の電波の周波数がUHF帯と比べて低いため、電界強度の微調整を比較的容易に行うことができる。アンテナ装置10は、必ずしもLF帯の周波数の電波を送信する構成だけに限られず、他の周波数帯の電波を送信する構成でもよい。アンテナ装置10は、電波を送信するために用いられる場合だけに限られず、電波を受信するために用いられてもよい。また、アンテナ装置10は、電波を送信と受信とを行うために用いられてもよい。
以下では、アンテナ装置10の各構成について、より具体的について説明する。
アンテナコイル1は、アンテナ装置10の外部から入力された高周波エネルギの信号を、電波として送信することができる。アンテナコイル1は、巻線1aにより形成されている。巻線1aは、ボビン1bに線材1dを巻き回しさせて形成することができる。線材1dは、表面が絶縁処理された金属線材を用いることができる。金属線材には、たとえば、銅線を用いることができる。金属線材は、たとえば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂やポリイミド樹脂などの絶縁材により被膜されることで、表面の絶縁処理が行われている。
ボビン1bは、本体部1baと、2つの枠体部1bdとを備えている。以下では、2つの枠体部1bdのうち、一方の枠体部1bdを第1枠体1bbと称し、他方の枠体部1bdを第2枠体1bcと称する。本体部1baは、長尺状に形成されている。本体部1baは、長手方向の一端に第1枠体1bbが設けられ、長手方向の一端と反対の他端に第2枠体1bcが設けられている。ボビン1bは、長尺状の本体部1baと、本体部1baの長手方向の一端もしくは他端の少なくも一方に枠体部1bdを有していればよい。
本体部1baは、図1および図5に示すように、一対の側片1bmと、複数の連結片1bnと、を備えている。一対の側片1bmそれぞれは、矩形平板状に形成されている。一対の側片1bmは、対向して設けられている。連結片1bnは、一対の側片1bm同士を連結させる。連結片1bnは、矩形平板状に形成されている。連結片1bnは、側片1bmの長辺に沿って、側片1bmと直交する方向に設けられている。連結片1bnは、側片1bmの一方の長辺と、他方の長辺それぞれに沿って設けられている。本体部1baは、一対の側片1bmと連結片1bnと第1枠体1bbで囲まれる領域、一対の側片1bmと一対の連結片1bnで囲まれる領域、一対の側片1bmと連結片1bnと第2枠体1bcで囲まれる領域が、開口した開口部1aaを構成する。連結片1bnは、ボビン1bの主片1bsを構成している。言い換えれば、本体部1baは、角筒状の外形形状であり、本体部1baの厚み方向に貫通する複数の開口部1aaを備えた構造ともいえる。開口部1aaは、平面視において、矩形状の外形形状をしている。開口部1aaは、平面視において、矩形状だけに限られず、矩形状以外の多角形形状に形成されていてもよい。ボビン1bは、平面視において、開口部1aaが多角形形状をしており、多角形形状の角に丸みを有していることが好ましい。
本体部1baは、側片1bmから筒状の内部に突出する押圧部1gを備えている。押圧部1gは、本体部1baの長手方向における第1枠体1bb側に設けられている。
第1枠体1bbは、本体部1baの外形よりも大きい枠状に形成されている。第1枠体1bbは、本体部1baの側片1bmや連結片1bnの板厚みよりも肉厚に形成されている。第2枠体1bcは、本体部1baの外形形状よりも大きい枠状に形成されている。第2枠体1bcは、本体部1baの側片1bmや連結片1bnの板厚みよりも肉厚に形成されている。第2枠体1bcは、平面視において、ボビン1bの長手方向に沿って、段部1bhを備えている。段部1bhは、第2枠体1bcにおいて、本体部1baと連なる部位と、本体部1baよりも外形が大きい部位とで段差を構成する。ボビン1bは、本体部1baと第1枠体1bbと第2枠体1bcとで全体として長尺状に形成され、扁平な角筒状の外形形状をしている。すなわち、ボビン1bでは、扁平な角筒における対向した主表面が、主片1bsが設けられる仮想の主面1bzとなる。ボビン1bは、角筒状の内部にフェライトコア1cを挿入できるように形成されている。
アンテナ装置10は、本体部1baに巻き回しされた線材1dの移動を、本体部1baの外形よりも大きい第1枠体1bbで抑制することができる。アンテナ装置10は、巻線1aの巻き締りによる変形に伴い、アンテナコイル1のインダクタンスが低下するおそれがある。アンテナ装置10は、本体部1baよりも肉厚の第1枠体1bbや本体部1baよりも肉厚の第2枠体1bcを備えることで、巻線1aの巻き締りによる変形を抑止し、巻線1aの巻き回しの作業性を向上させることができる。第1枠体1bbと第2枠体1bcとは、本体部1baの厚みよりも、厚肉に形成されていることで、フェライトコア1cを保持する機械的強度を高めることもできる。すなわち、アンテナ装置10では、枠体部1bdは、本体部1baよりも厚肉に形成されていることが好ましい。
アンテナ装置10は、枠体部1bdが本体部1baよりも厚肉に形成されていることで、開口部1aaが設けられている場合でも、ボビン1bの機械的強度を向上させることが可能となる。
ボビン1bは、平面視において、ボビン1bの長手方向と直交する方向に突出するフック部1fを備えている。フック部1fは、ボビン1bから突出し、線材1dを引っ掛けることができるように構成されている。フック部1fは、第1フック部1faと、第2フック部1fbと、を備えている。第1フック部1faは、平面視において、第1枠体1bbの長手方向に沿った両側から突出するように設けられている。第1フック部1faは、T字状の外形形状をしている。第2フック部1fbは、平面視において、本体部1baの一方の側片1bmから突出するように設けられている。第2フック部1fbは、本体部1baの長手方向における第2枠体1bc側に設けられている。第2フック部1fbは、L字状の外形形状をしている。フック部1fは、線材1dを引き掛けることができる限り、T字状やL字状の外形形状に限られず、種々の形状とすることができる。
アンテナ装置10は、ボビン1bからフック部1fが突出していることで、線材1dがケース3に当たることを抑制することができる。アンテナ装置10は、第1フック部1faに線材1dを巻き付けることで、線材1dの弛みを抑制することができる。アンテナ装置10は、第2フック部1fbに巻線1aの線材1dを巻き付けることで、巻線1aの巻き方向を変えることができる。アンテナ装置10は、第2フック部1fbにより巻線1aの巻き方向を変えることで、巻き回し作業性を向上させることができる。ボビン1bは、一対の第1フック部1faのうちの一方の第1フック部1faを介して、第1枠体1bbの長手方向の一方側から線材1dの一端が、導出できるように構成されている。ボビン1bは、一対の第1フック部1faのうちの他方の第1フック部1faを介して、第1枠体1bbの長手方向の他方側から線材1dの一端と反対の他端が、導出できるように構成されている。
すなわち、本実施形態のアンテナ装置10では、ボビン1bは、巻線1aを形成する線材1dが引っ掛けられるフック部1fを備えている。アンテナ装置10では、ボビン1bがフック部1fを備えていることで、線材1dを保護することができる。アンテナ装置10は、ボビン1bがフック部1fを備えていることで、線材1dの弛みの抑制、巻き回し作業性の向上を図ることもできる。アンテナ装置10では、充填材4を射出成形により形成する場合、フック部1fを備えることで、巻線1aがボビン1bから外れることやボビン1bからずれることを抑制することもできる。
ボビン1bは、樹脂材料を用いて形成されている。ボビン1bは、樹脂材料を用いる場合、樹脂材料中にガラス繊維を配合させることで機械的強度を高めてもよい。ボビン1bは、たとえば、樹脂材料中に30重量%のガラス繊維を配合した構成とすることができる。樹脂材料中のガラス繊維は、30重量%だけに限られず、5重量%ないし50重量%の範囲内で適宜に含有されていてもよい。ボビン1bの樹脂材料としては、たとえば、PBT(Poly Butylene Terephthalate)樹脂、PA(Poly Amide)樹脂、LCP(Liquid Crystal Plastic)樹脂、PET(Poly Ethylene Terephthalate)樹脂などを用いることができる。
フェライトコア1cは、直方体状の外形形状としている。フェライトコア1cは、ボビン1bの本体部1baよりも長尺状に形成されている。フェライトコア1cは、磁性体で形成されている。フェライトコア1cは、アンテナコイル1のインダクタンスを高めることができる。フェライトコア1cは、ボビン1bの内部に挿通される際、本体部1baの押圧部1gに押圧されてボビン1bに固定される。フェライトコア1cは、押圧部1gに押圧されてボビン1bに固定される構成だけに限られず、接着剤でボビン1bに固定されてもよい。フェライトコア1cは、たとえば、マンガン亜鉛フェライト、ニッケル亜鉛フェライトや銅亜鉛フェライトなどを用いて構成することができる。
ボビン1bは、アンテナコイル1の巻線1aと電気的に接続させる接続端子5が、ボビン1bの長手方向に沿って第1枠体1bbから突出するように設けられる。接続端子5は、アンテナコイル1と電気的に接続される。接続端子5は、凹部3aaに収納される。接続端子5は、固着部5fと、屈曲部5kと、を有している。固着部5fは、ケース3の側壁3dを介して、凹部3aaからケース3の外部に導出される電線6が固着される。屈曲部5kは、電線6の導出方向に対して屈曲している。図2では、電線6の導出方向を白抜きの矢印で例示している。接続端子5は、屈曲部5kと固着部5fに加え、挿入部5pと、ストッパ部5sと、挟持部5nと、を備えている。屈曲部5kと固着部5fと挿入部5pとストッパ部5sと挟持部5nとは、一体的に形成されている。アンテナ装置10には、接続端子5として、第1コイル端子5aと、第2コイル端子5bと、を備えている。第1コイル端子5aと第2コイル端子5bとは、第1枠体1bbの長手方向に沿って、所定の間隔を隔てて設けられている。
第1コイル端子5aは、アンテナコイル1からの線材1dの一端を挟み持つことができるように、挟持部5nを備えている。第2コイル端子5bは、アンテナコイル1からの線材1dの他端を挟み持つことができるように、挟持部5nを備えている。第1コイル端子5aの挟持部5nと、第2コイル端子5bの挟持部5nとは、平面視において、対向するように配置されている。第1コイル端子5aと第2コイル端子5bは、平面視において、電線6の導出方向に対し、線対称となるように構成されている。以下では、第1コイル端子5aの構成を主として接続端子5を説明する。第1コイル端子5aは、平面視において、挿入部5pがI字状の外形形状をしている。挿入部5pは、長手方向に沿って、幅方向が先端に向かうほど狭くなる複数の楔部5mを備えている。挿入部5pは、先端と反対側に屈曲部5kが設けられている。
第1コイル端子5aは、ボビン1bの第1枠体1bbの端面に設けられた図5に示す挿入孔1kaに挿入部5pを挿入できるように構成されている。挿入部5pは、第1枠体1bbの挿入孔1kaに圧入される。楔部5mは、第1枠体1bbの挿入孔1kaの開口形状よりも、若干大きい大きさとしている。ストッパ部5sは、挿入部5pの挿入方向と直交する方向に突出している。ストッパ部5sは、第1枠体1bbへの挿入部5pの挿入深さを規制する。第1コイル端子5aは、第1枠体1bbから露出した部分に挟持部5nを設けている。挟持部5nは、接続端子5の一側縁から幅方向に突出する側端縁を折り曲げ加工することにより形成される。第1コイル端子5aは、平面視において、屈曲部5kと固着部5fとでL字状の外形形状をしている。アンテナ装置10は、接続端子5として、第1コイル端子5aと第2コイル端子5bとの2つを備えた構成だけでなく、3つ以上を備えた構成でもよい。アンテナ装置10は、巻線1aとボビン1bとフェライトコア1cと接続端子5とで、バーアンテナを構成している。
ケース3は、長尺状のケース本体部3aと、ケース本体部3aの長手方向に沿った一端から外方に二股に分かれるように突出する取付部3bと、を備えている。ケース3は、ケース本体部3aと取付部3bとを、底壁部3cと側壁3dとの一体成形によって形成されている。底壁部3cは、平面視において、長尺状の外形形状をしている。側壁3dは、底壁部3cを囲むように筒状に設けられている。ケース3は、側壁3dと底壁部3cとで囲まれた領域が凹部3aaを構成している。
ケース本体部3aは、アンテナコイル1が形成されたボビン1bが収納される。ケース本体部3aは、凹部3aaを構成する側壁3dの内側面に突出する嵌合突起3hを備えている。嵌合突起3hは、ボビン1bの第2枠体1bcを案内して収納できるように、ガイド溝3bcを構成する。ケース本体部3aは、ガイド溝3bcの溝幅を第2枠体1bcの枠幅よりも若干大きく形成している。ケース本体部3aは、平面視において、嵌合突起3hと、第2枠体1bcの段部1bhとが、嵌め合わせできるように構成されている。ガイド溝3bcには、図1、図2および図8に示すように、側壁3dから凹部3aaに向かって突出する三角柱状の第1突状部3pが設けられている。第1突状部3pは、ケース3の長手方向に沿って対向する側壁3dそれぞれに設けられている。一対の第1突状部3pは、互いに対向するように設けられている。ケース3は、ボビン1bの短手方向における両端を挟み込むことができるように、第2枠体1bcの長手方向の長さよりも、一対の第1突状部3pの間の距離を短くしている。第1突状部3pは、ボビン1bのケース3への圧入により先端部が潰れるように設計されている。ケース3の第1突状部3pは、ボビン1bの圧入時に潰れ易いように鋭角にしていることが好ましい。
ケース3は、図1、図6および図7に示すように、接続端子5が配置される一端側において、段差部3nを備えている。段差部3nは、平面視において、ケース3の短手方向が長尺となる角柱状に形成されている。段差部3nは、断面視において、凹部3aaの底壁部3cから開放端に向かって突出するように形成されている。段差部3nは、接続端子5と当たって接続端子5が凹部3aaの深さ方向に沈み込むことを抑制できる。ケース3は、屈曲部5kに対向して設けられ、接続端子5が電線6の導出方向に移動することを規制する規制部3kを有している。規制部3kは、段差部3nの一端から開放端に向かって高さ方向に突出している。規制部3kは、平面視において、屈曲部5kに突き合わされた状態で接することができるように、屈曲部5kの外形形状に対応した外形形状をしている。アンテナ装置10では、接続端子5が第1枠体1bbから引き抜かれるように移動を始める場合、接続端子5の屈曲部5kと規制部3kとが当たって接続端子5の移動を規制するように構成されている。規制部3kは、電線6の導出方向と直交する方向に沿って、固着部5fに並んで設けられている。ケース3は、側壁3dと、規制部3kとの間に接続端子5の固着部5fが配置されるように構成されている。
ケース3は、平面視において、長手方向における取付部3bと反対側の側壁3dにボビン1bの第2枠体1bcが当たった状態で、第1枠体1bbと対向するように嵌合部3mが設けられている。嵌合部3mには、三角柱状の第2突状部3gが設けられている。第2突状部3gは、平面視において、矩形状の嵌合部3mの一辺から突出するように形成されている。ケース3は、ボビン1bの長手方向における両端を挟み込むことができるように、ボビン1bの長手方向の長さよりも、ケース3の長手方向における取付部3bと反対側にある側壁3dと、第2突状部3gとの間の距離を短くしている。第2突状部3gは、ボビン1bのケース3への圧入により先端部が潰れるように設計されている。ケース3の第2突状部3gは、ボビン1bの圧入時に潰れ易いように鋭角にしていることが好ましい。嵌合部3mは、平面視において、凹部3aaにおけるボビン1bの収容位置に近づくほど、図6に示す断面視で示すように、凹部3aaの深さ方向に沿って深くなる第1傾斜面3ebを備えている。嵌合部3mは、第1傾斜面3ebを備えていることで、ボビン1bを凹部3aaにおける所定の収容位置に収容し易くすることができる。ガイド溝3bcに設けられた一対の第1突状部3pは、ボビン1bをケース3に保持する保持体として機能する。嵌合部3mに備えられた第2突状部3gは、ボビン1bをケース3に保持する保持体として機能する。アンテナ装置10は、ボビン1bを保持体との嵌め合いによってケース3に保持しているため、ボビン1bがケース3から浮き上がることを抑制することができる。
ケース3は、凹部3aaを構成する側壁3dに、開放端側から切り欠かれるように設けられた溝部3daを有している。ケース3は、側壁3dにおける溝部3daを介して、凹部3aaからケース3の外部に電線6を導出できるように構成されている。アンテナ装置10は、電線6の導出方向に沿って、電線6が直線状に引っ張られるように、ケース3の溝部3daが形成されている。アンテナ装置10は、電線6が直線状に引っ張られるように構成していることで、電線6が断線する可能性を低減させることができる。ケース3は、電線6が高さ方向に沿った開放端側に引っ張られた場合でも、接続端子5の屈曲部5kが規制部3kと当たるように、規制部3kの底壁部3cからの高さや第2傾斜面3eaが設計されている。
ケース3は、電線6が側壁3dの溝部3daと突き合わされた状態で接するように溝部3daが形成されている。溝部3daの内底面は、接続端子5と電気的に接続された電線6の外形形状に沿った形状をしていることが好ましい。電線6は、芯線6aと、絶縁被覆6bとを備えている。溝部3daの内底面は、電線6の絶縁被覆6bの外形に沿ってU字形状をしている。アンテナ装置10は、溝部3daが、凹部3aaの深さ方向において、ボビン1bからの接続端子5の突出方向と電線6の導出方向とが一致するように、電線6を保持している。アンテナ装置10は、溝部3daが、ボビン1bからの接続端子5の突出方向と電線6の導出方向とが一致するように電線6を保持するので、電線6が導出方向に引っ張られた場合でも、接続端子5が開放端側に浮き上がることを抑制できる。アンテナ装置10は、接続端子5が開放端側に浮き上がることを抑制することで、規制部3kから接続端子5が抜け出ることを抑制することができる。アンテナ装置10は、接続端子5の突出方向と電線6の導出方向とが一致するので、ボビン1bをケース3に収納して組み立てることができ、組み立て作業を簡便に行うことができる。
ケース3は、樹脂材料の成形品により形成することができる。ケース3は、たとえば、熱可塑性の樹脂材料により形成することができる。ケース3は、樹脂材料の射出成形により形成することで、複雑な形状を比較的簡単に形成することができる。ケース3は、たとえば、PBT樹脂を用いて形成することができる。ケース3は、ガラス繊維を含んだ構成とすることができる。ケース3は、たとえば、樹脂材料中に30重量%のガラス繊維を含んだ構成とすることができる。樹脂材料中のガラス繊維は、30重量%だけに限られず、5重量%ないし50重量%の範囲内で適宜に含有させてもよい。ケース3は、ガラス繊維を含んだ構成とすることで機械的強度を高めることができる。ケース3の材料としては、PBT樹脂だけに限られず、たとえば、PA樹脂、LCP樹脂、PET樹脂、フェノール樹脂、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)樹脂やPP(polypropylene)樹脂などを用いてもよい。
アンテナ装置10は、ケース3の内部に電子部品を備えていてもよい。電子部品としては、たとえば、コンデンサが挙げられる。コンデンサは、アンテナコイル1とともに共振回路を構成することができる。電子部品は、コンデンサだけに限られず、コンデンサに加えて抵抗器や集積回路装置などであってもよい。アンテナ装置10は、抵抗器と、アンテナコイル1およびコンデンサとを直列または並列に電気的に接続させてRLC回路を構成することができる。アンテナ装置10は、RLC回路におけるコンデンサの容量を適宜に設定することで、所定の周波数の電波に同調させることができる。
ケース3は、アンテナ装置10を外部の車体30aの設置面に取り付ける際に、取付ねじにより取付部3bを固定することができる。取付部3bは、平面視において、取付ねじの頭部を二股で保持し、二股に分かれた開口に取付ねじのねじ部を挿通できるように構成されている。アンテナ装置10は、たとえば、ケース3の開放端側を外部の設置面に向けた状態で、ケース3の長手方向における取付部3bと反対側を車体30aに保持させた上、取付ねじを用いて取付部3bを設置面に固定することで取り付けられる。
充填材4は、充填樹脂の射出成形により形成することができる。充填材4は、凹部3aaに配置されたアンテナコイル1、ボビン1b、フェライトコア1c、接続端子5や電線6の一部を封止することができるように形成される。充填材4は、アンテナコイル1、ボビン1b、フェライトコア1c、接続端子5や電線6の一部を封止することで、アンテナ装置10の機械的な信頼性を高めることができる。アンテナ装置10は、アンテナコイル1を収納した凹部3aaに充填材4を形成することで、外力や車両30の振動がアンテナ装置10に加わった場合でも、アンテナコイル1やフェライトコア1cなどに外力や振動による損傷を生じ難くできる。充填材4は、アンテナコイル1、ボビン1b、フェライトコア1c、接続端子5や電線6の一部を封止することで、アンテナ装置10の防水機能を確保し、凹部3aaに配置されたアンテナコイル1の電気絶縁性を高めることが可能となる。
充填材4は、たとえば、射出成形で形成することができる。充填材4は、充填樹脂の射出成形により形成するものだけに限られない。充填材4は、充填樹脂のポッティングおよび充填樹脂の硬化により形成することもできる。充填材4は、たとえば、ホットメルト材料であるエチレン酢酸ビニル樹脂を充填樹脂として用いることができる。充填材4は、充填樹脂として、エチレン酢酸ビニル樹脂を用いる構成だけに限られず、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂やウレタン樹脂などの充填樹脂を用いてもよい。
接続端子5は、アンテナ装置10の内部のアンテナコイル1と、アンテナ装置10の外部に導出する電線6とを電気的に接続させる。接続端子5は、巻線1aにおける線材1dと電気的に接続できるように構成されている。アンテナ装置10は、外部に導出した電線6の先端部に設けられたコネクタ部が、外部のプラグ部を介して制御装置32と電気的に接続できるように構成されている。
接続端子5では、スポット溶接により、固着部5fと電線6とが電気的、かつ機械的に接続される。スポット溶接は、スポット溶接機の一対の電極の間に接続端子5の固着部5fと電線6の芯線6aとを挟んだ状態で、電流を流すことで行うことができる。接続端子5は、屈曲部5kを介して、挿入部5pと反対側に固着面5faを備えている。接続端子5は、電線6との溶接を行う固着面5faを開放端側に備えている。アンテナ装置10では、固着面5faが凹部3aaの開放端側に向かうように配置されていることで、電線6が導出方向に引っ張られた場合でも、接続端子5が規制部3kから開放端側に向かうことを抑制することができる。アンテナ装置10は、スポット溶接により接続端子5と電線6とを接合させる構成だけに限られず、半田付けやレーザ溶着により接続させてもよい。
接続端子5は、平面視において、規制部3kにおける電線6の導出方向に沿った辺と、電線6の導出方向と直交する方向に沿った辺とに接するように、屈曲部5kを設けている。屈曲部5kは、平面視において、電線6の導出方向に対し屈曲するように形成される場合だけでなく、固着面5faと直交し電線6の導出方向に対し屈曲するように形成される構成でもよい。接続端子5は、2個以上の屈曲部5kを備えた構成とすることができる。
接続端子5は、平板状の金属材を用いて形成することができる。接続端子5は、平板状の金属材に、打ち抜き加工、折り曲げ加工や押圧加工を施して形成することができる。接続端子5は、導電性の高い材料を用いることが好ましい。接続端子5の材料としては、たとえば、表面をSnでめっきした黄銅を用いることができる。接続端子5の材料は、黄銅だけに限られない。接続端子5の材料は、リン青銅、鉄入り銅、真鍮や表面をAgでめっきした銅などを用いることもできる。
以下では、アンテナ装置10の組立工程について説明する。
アンテナ装置10の組立工程では、ボビン1bをあらかじめ製造しておく。
ところで、ボビンは、たとえば、図10に示す金型材50を用いた射出成形機で、角筒の外形形状に形成されることもできる。
図10に示す金型材50を用いた射出成形機は、嵌め合わせ可能な一対の金型材50と、スライドコア材50cと、を備えている。金型材50は、第3金型50aと、第4金型50bとを備えている。第3金型50aと第4金型50bは、第3金型50aと第4金型50bを合わせた状態で、角筒のボビンの外形形状に合わせた空洞50caを内部に形成する。第3金型50aと第4金型50bには、ボビンの貫通口を形成するため、角柱状のスライドコア材50cが空洞50caの内部に突出するように挿入される。射出成形機では、空洞50caに樹脂材料を射出成形することで、主片に開口部を備えていない角筒のボビンを形成させることができる。
しかしながら、射出成形機は、スライドコア材50cの長さが長くなるにつれ、スライドコア材50cを空洞50ca内で所定の位置に維持させることが難しい傾向にある。また、射出成形機では、空洞50ca内の所定の位置にスライドコア材50cを配置させても、射出成形による樹脂材料の射出圧力によって、空洞50ca内でスライドコア材50cの位置ずれが生ずるおそれもある。金型材50を用いて形成されたボビンは、たとえば、空洞50ca内でスライドコア材50cの位置が厚み方向の一方にずれると、一方の厚みが薄く、他方が厚くなる編肉を生ずるおそれがある。アンテナ装置では、ボビンの偏肉による機械的強度の不均一に起因して、巻線の巻き回しにばらつきが生ずるおそれがある。金型材50を用いて形成されたボビンを備えるアンテナ装置では、巻線の巻き回まわしばらつきに起因する特性ばらつきを生ずるおそれがある。
本実施形態のアンテナ装置10では、図9に示す金型20を用いた射出成形機によりボビン1bが形成されている。本実施形態のアンテナ装置10におけるボビン1bの製造方法では、ボビン1bは、内部に角筒状の空洞部20caを形成する一対の金型20と、空洞部20caの長手方向の一端に挿入されるスライドコア20cと、を用いた射出成形により製造される。一対の金型20は、第1金型20aと、第1金型20aと対向する第2金型20bとを備えている。第1金型20aは、第2金型20bの第2主面20baと接触するように突出する突出部位20acを備えている。突出部位20acには、窪部20adが設けられている。第2金型20bは、第1金型20aの第1主面20aaと接触するように突出する突出部20bcを備えている。突出部20bcには、凹所20bdが設けられている。
第1金型20aと第2金型20bとスライドコア20cとは、第1金型20aと第2金型20bとスライドコア20cとが合わされ、ボビン1bを製造するための空洞部20caが構成される。ボビン1bの製造方法では、スライドコア20cが第1金型20aの突出部位20acと当たるように挿入された型締め工程が行われる。ボビン1bの製造方法では、窪部20adが第2金型20bの第2主面20baで覆われ、凹所20bdが第1金型20aの第1主面20aaで覆われる。ボビン1bの製造方法では、空洞部20caに樹脂材料を充填する充填工程が行われる。ボビン1bの製造方法では、第2主面20baで覆われた窪部20adと、第1主面20aaで覆われた凹所20bdとで、主片1bsとなる連結片1bnが形成される。ボビン1bの製造方法では、突出部位20acと突出部20bcとを利用して開口部1aaを形成させている。
すなわち、本実施形態のアンテナ装置10に用いられるボビン1bの製造方法では、ボビン1bを、一対の金型20と、スライドコア20cと、を用いた射出成形により製造する。一対の金型20は、第1金型20aと、第1金型20aに対向する第2金型20bと、を有している。第1金型20aは、第2金型20bに向かって突出する突出部位20acを備えている。突出部位20acは、表面から窪んだ窪部20adを有している。第2金型20bは、第1金型20aに向かって突出する突出部20bcを備えている。突出部20bcは、表面から窪んだ凹所20bdを有している。
本発明のボビン1bの製造方法では、型締め工程と、射出工程と、を有している。型締め工程は、第1金型20aと第2金型20bとが合わされた状態で、内部に角筒状の空洞部20caが構成される。型締め工程は、スライドコア20cが、突出部位20acまたは突出部20bcの少なくともいずれか一方と当たるように空洞部20caの長手方向の一端を塞ぐ。型締め工程は、突出部位20acが第2金型20bに接触し、突出部20bcが第1金型20aに接触することで、第1金型20aと第2金型20bとスライドコア20cとが嵌め合わせられる。
射出工程では、突出部位20acと突出部20bcとで開口部1aaが形成され、凹所20bdおよび窪部20adで主片1bsが形成されるように、空洞部20caに樹脂材料が射出される。ボビン1bの製造方法では、ボビン1bを金型20から取り出される。
組立工程では、製造されたボビン1bにおける第1枠体1bbの挿入孔1kaに、接続端子5の挿入部5pが圧入される。ボビン1bは、長手方向に沿って、接続端子5が第1枠体1bbから突出している。
次に、組立工程では、ボビン1bの本体部1baに線材1dを巻き回しさせて巻線1aを形成する。線材1dは、第1フック部1faや第2フック部1fbを利用して、巻方向の変更や弛みの防止を行うことができる。巻線1aから導出した線材1dは、接続端子5の挟持部5nで挟み込んで、熱かしめにより固定される。線材1dは、熱かしめにより、挟持部5nと機械的に固定され、電気的に接続される。
次に、組立工程では、ボビン1bから突出している接続端子5と、電線6とのスポット溶接が行われる。組立工程では、電線6の芯線6aが接続端子5の固着面5faと重なるように配置された上で、スポット溶接が行われる。続いて、組立工程では、ボビン1bの本体部1ba内にフェライトコア1cを圧入してバーアンテナを形成する。組立工程では、フェライトコア1cをボビン1bに対して相対的に移動させることで、バーアンテナのインダクタンスを調整させることができる。
次に、組立工程では、ボビン1bをケース3に圧入することにより、ケース3の凹部3aaにバーアンテナを収容する。アンテナ装置10では、ボビン1bがケース3の第1突状部3pに押圧されることで、ケース3に対するバーアンテナの浮き上がりを抑制することができる。ボビン1bとケース3とは、ボビン1bの第1枠体1bbが、第1コイル端子5aと第2コイル端子5bとの間に設けられた第2突状部3gにより押圧される。アンテナ装置10は、バーアンテナがケース3に組み込まれた際に、電線6の張力で浮き上がってしまうおそれがあるが、ケース3にボビン1bを圧入することで、バーアンテナの浮きを抑制することができる。
組立工程では、ボビン1bをケース3に嵌め合わせることにより、接続端子5の屈曲部5kと、規制部3kとが対向するように配置される。第1コイル端子5aや第2コイル端子5bは、ボビン1bをケース3に嵌め合わせた状態で、屈曲部5kと規制部3kとの間に若干の隙間が生ずるように構成されている。第1コイル端子5aや第2コイル端子5bは、屈曲部5kと規制部3kとの間に若干の隙間が生ずるように構成されていることで、ボビン1bとケース3との嵌め合わせを滑らかに行わせることができる。アンテナ装置10では、接続端子5の固着部5fと電線6の芯線6aとが、スポット溶接により接続されており、接続端子5がボビン1bに圧入されている。アンテナ装置10は、接続端子5の挿入部5pがボビン1bに圧入され、線材1dが接続端子5の挟持部5nに熱かしめされ、電線6と接続端子5の固着部5fとがスポット溶接により接続されている。
接続端子5は、屈曲部5kと規制部3kとの間の隙間が大きければ、電線6の引っ張り力によりボビン1bへ圧入された接続端子5が引き抜かれるように動く移動距離が大きくなり、線材1dが一緒に引っ張られて断線するおそれがある。第1コイル端子5aや第2コイル端子5bは、屈曲部5kと規制部3kとの間の隙間を、たとえば、線材1dの伸びなどで線材1dが断線しない程度に、約0.2mm程度とすることができる。アンテナ装置10では、線材1dの伸びよりも、接続端子5の移動距離が小さくなるように、屈曲部5kと規制部3kとの間の隙間を規定している。
次に、組立工程では、ケース3の凹部3aaにアンテナコイル1を配置した状態において、凹部3aaを封止するように充填材4が射出形成により形成される。充填材4は、図3に示すように、凹部3aaから露出する露出面4aaが、ケース3の側壁3dの端面と面一となるように形成される。
アンテナ装置10では、適宜の設定量の充填樹脂を射出成形させる場合であっても、アンテナコイル1がケース3の所定の位置に収納されていなければ、充填材4で保護することができない場合がある。アンテナ装置10では、アンテナコイル1がケース3に収納された際に電線6の張力などで浮き上がってしまう可能性もある。アンテナ装置10では、ケース3を充填樹脂で充填しても、充填材4がアンテナコイル1を充填しない露出状態となるおそれがある。
本実施形態のアンテナ装置10では、図6に示すように、凹部3aaの底壁部3cから突出する嵌合部3mの第1表面3maを、アンテナコイル1が所定の位置に収納された場合における第1枠体1bbの第2表面1bkと、同じ高さに設定している。嵌合部3mは、ボビン1bがケース3の凹部3aaから浮いた状態か否かを、視覚的に判別可能なアンテナコイル1の位置決めの目安に利用することができる。嵌合部3mは、アンテナ装置10の組立工程において、第1表面3maと第2表面1bkとのずれを目視や検査装置などで判別することで、否かの判断に利用することができる。本実施形態のアンテナ装置10では、規制部3kの第1表面3maと、第1枠体1bbの第2表面1bkとを、アンテナコイル1がケース3に適正に収納されているか否かの目安に利用できる。
アンテナ装置10は、一方の主片1bsに形成された開口部1aaと、他方の主片1bsに形成された開口部1aaとが、重複領域1asと非重複領域1atの両方を有していることで、巻線1aの隙間からボビン1bの内部に充填樹脂を入りやすくできる。ボビン1bは、開口部1aaにより、巻線1aの隙間からボビン1bの内部に充填樹脂が入りやすくできるので、ボビン1bの内部に気泡が残りにくくすることができる。アンテナ装置10は、ボビン1bの内部に充填された充填材4により、フェライトコア1cを保護することができる。アンテナ装置10は、ボビン1bの内部に充填材4が充填されれば、何らかの原因でフェライトコア1cが割れることを抑制することができる。アンテナ装置10は、フェライトコア1cが割れることを抑制できれば、アンテナ装置10の性能を維持させることが可能となる。アンテナ装置10は、ボビン1bの内部に充填された充填材4により、フェライトコア1cが割れた場合でも、割れたフェライトコア1cの分散を抑制でき、アンテナ装置10の性能の低下を抑制することが可能となる。言い換えれば、アンテナ装置10は、充填樹脂の充填時において、ボビン1bの内部の脱泡性を向上させることで、フェライトコア1cの機械的強度を向上させることが可能となる。
本実施形態のアンテナ装置10では、ボビン1bの開口部1aaが多角形形状の角に丸みを有することで、ボビン1bとフェライトコア1cとの間に巻線1aを介して充填材4を充填させやすくすることが可能となる。ボビン1bは、開口部1aaを備えることで、ボビン1bとフェライトコア1cとの間に充填材4が充填されていない空洞が形成されることを抑制することができる。ボビン1bは、開口部1aaを備えることで、充填材4がフェライトコア1cと直接接触してフェライトコア1cを保護することができる。
組み立てられたアンテナ装置10は、たとえば、図11に示すように、自動車などの車体30aのドア33に設けられる。アンテナ装置10は、リモコン装置30bにLF帯の電波を送信することができるように構成されている。
言い換えれば、車両30は、上述のアンテナ装置10と、アンテナ装置10が設けられた車体30aとを有する構成としている。リモコン装置30bは、リモコン装置30bを携帯するユーザが車体30aに近づくと、アンテナ装置10からのLF帯の電波を受信し、UHF帯の電波を車両30aへ送信する。車体30aは、リモコン装置30bからのUHF帯の電波を制御装置32が受信する。制御装置32は、施錠装置33aを制御して自動的にドア33の錠を解錠する。電子キーシステムは、リモコン装置30bからの応答信号をマイクロコンピュータで信号処理し、マイクロコンピュータからの電気信号でモータを動かして、ドア33の錠を解錠や施錠にできるように構成されている。
1 アンテナコイル
1aa 開口部
1a 巻線
1b ボビン
1ba 本体部
1bd 枠体部
1bs 主片
1bn 連結片
1bz 主面
1f フック部
3 ケース
3aa 凹部
4 充填材
10 アンテナ装置
20 金型
20a 第1金型
20ac 突出部位
20ad 窪部
20b 第2金型
20bc 突出部
20bd 凹所
20c スライドコア
20ca 空洞部
30 車両
30a 車体

Claims (7)

  1. ボビンと、該ボビンに巻き回しされた巻線により形成されるアンテナコイルと、該アンテナコイルを収納する凹部を有するケースと、前記凹部を封止する充填材と、を備え、
    前記ボビンは、扁平な角筒状の外形形状をしており、
    前記ボビンの対向する仮想の主面に沿った主片同士には、それぞれ平面視において、複数の開口部が形成されており、一方の主片に設けられた前記開口部と他方の主片に設けられた前記開口部とは、互いに重複する重複領域と重複しない非重複領域の両方を有していることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記ボビンは、長尺状の本体部と、該本体部の長手方向の一端もしくは他端の少なくも一方に枠体部を有していることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記枠体部は、前記本体部よりも厚肉に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記ボビンは、前記巻線を形成する線材が引っ掛けられるフック部を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  5. 前記ボビンは、平面視において、前記開口部が多角形形状をしており、該多角形形状の角に丸みを有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアンテナ装置と、該アンテナ装置が設けられた車体とを有することを特徴とする車両。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の前記ボビンを、一対の金型と、スライドコアと、を用いた射出成形により製造するボビンの製造方法であって、
    前記一対の金型は、第1金型と、第1金型に対向する第2金型と、を有し、前記第1金型は、前記第2金型に向かって突出する突出部位を備え、前記突出部位は、表面から窪んだ窪部を有しており、前記第2金型は、前記第1金型に向かって突出する突出部を備え、前記突出部は、表面から窪んだ凹所を有しており、
    前記第1金型と前記第2金型とが合わされた状態で、内部に角筒状の空洞部が構成され、前記スライドコアが、前記突出部位または前記突出部の少なくともいずれか一方と当たるように前記空洞部の長手方向の一端を塞ぎ、前記突出部位が前記第2金型に接触し、前記突出部が前記第1金型に接触することで、前記第1金型と前記第2金型と前記スライドコアとが嵌め合わせられる型締め工程と、
    前記突出部位と前記突出部とで前記開口部が形成され、前記凹所および前記窪部で前記主片が形成されるように、前記空洞部に樹脂材料が射出される射出工程と、を有することを特徴とするボビンの製造方法。
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