JP6554356B2 - キャップユニット及び飲料用容器 - Google Patents

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Description

本発明は、キャップユニット及び飲料用容器に関する。
従来より、上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられるキャップユニット(栓体)がある。キャップユニットの上部には、飲み口又は注ぎ口を開閉する蓋体がヒンジ部を介して回動自在に取り付けられている。
ところで、キャップユニットを備えた飲料用容器では、キャップユニットを洗浄し易くするため、キャップユニットを分解可能とすることが行われている(特許文献1を参照。)。例えば、特許文献1に記載の飲料用容器の栓体では、飲み口を形成する口形成部材(内栓部)をキャップ本体(外栓部)に対して着脱自在に取り付けたり、飲み口を密閉するシール部材を蓋体に対して着脱自在に取り付けたりすることが行われている。
特開2013−230876号公報
上述したキャップユニットでは、分解洗浄し易くするだけでなく、部品点数を削減し、構造をより単純化することが求められている。また、金属部品を無くすことで、洗浄の際に塩素系漂白剤などを用いることが可能となる。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、分解洗浄し易くすると共に、部品点数を少なくして、より単純な構造とすることを可能としたキャップユニット、並びに、そのようなキャップユニットを備えた飲料用容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、上部に飲み口又は注ぎ口が設けられたキャップ本体を備え、
前記キャップ本体は、前記飲み口又は注ぎ口を形成する口形成部材と、前記口形成部材を着脱自在に取り付ける脱着機構とを有し、
前記脱着機構は、前記口形成部材にヒンジ部を介して回動自在に取り付けられた係止部材を有し、
前記ヒンジ部は、前記口形成部材に設けられた軸孔の両端から、前記係止部材に設けられた一対の支軸を前記軸孔の内側に嵌め込むことによって、前記係止部材を回動自在に支持しており、
前記係止部材を回動方向の一方側に向かって回動させたとき、前記係止部材と一体に設けられた弾性片が、前記口形成部材に設けられた被当接部に当接することによって、前記弾性片が弾性変形しながら、前記係止部材を回動方向の他方側に向かって付勢することを特徴とするキャップユニット。
〕 前記係止部材は、互いに平行に並ぶ一対のアーム部を有し、
前記一対の支軸は、前記一対のアーム部の内側の互いに対向する位置から突出して設けられ、
前記弾性片は、前記一対のアームの間に位置していることを特徴とする前記〔〕に記載のキャップユニット。
〕 前記脱着機構は、前記キャップ本体の上部に設けられた開口部の内側に前記口形成部材が嵌め込まれた状態で、前記口形成部材に設けられた第1の爪部と、前記係止部材に設けられた第2の爪部とが、前記キャップ本体に設けられた第1の被係止部と第2の被係止部とにそれぞれ係止されることによって、前記キャップ本体に前記口形成部材が取り付けられた状態を保持することを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載のキャップユニット。
〕 前記キャップ本体にヒンジ部を介して回動自在に取り付けられると共に、前記飲み口又は注ぎ口を開放する方向に付勢された状態で、前記飲み口又は注ぎ口を開閉する蓋体を備えることを特徴とする前記〔1〕〜〔〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〕 前記蓋体が前記飲み口又は注ぎ口を閉塞する位置にて前記蓋体を固定する蓋ロック機構を備えることを特徴とする前記〔〕に記載のキャップユニット。
〕 前記〔1〕〜〔〕の何れか一項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備える飲料用容器。
以上のように、本発明によれば、分解洗浄し易くすると共に、部品点数を少なくして、より単純な構造とすることを可能としたキャップユニット、並びに、そのようなキャップユニットを備えた飲料用容器を提供することが可能である。
本発明の一実施形態に係る飲料用容器の構成を示す断面図である。 図1に示す飲料用容器が備えるキャップユニットの外観を示す斜視図である。 図2に示すキャップユニットを前後方向に切り欠いて示す斜視図である。 図2に示すキャップユニットを左右方向に切り欠いて示す斜視図である。 図2に示すキャップユニットが備える口形成部材の構成を示す斜視図である。 図2に示すキャップユニットが備える係止部材の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態として、例えば図1に示す飲料用容器1について説明する。なお、図1は、飲料用容器1の構成を示す断面図である。
飲料用容器1は、図1に示すように、容器本体2と、容器本体2に着脱自在に取り付けられるキャップユニット3とを備えている。飲料用容器1は、真空断熱構造を有する容器本体2によって、容器本体2に収容された飲料(内容物)を保温又は保冷することが可能となっている。
具体的に、この容器本体2は、例えばステンレス等からなる有底筒状の外容器4及び内容器5を有し、外容器4の内側に内容器5を収容した状態で互いの口元部を接合した二重構造の容器により構成されている。また、外容器4と内容器5との間には、真空断熱層6が設けられている。真空断熱層6は、例えば、高真空に減圧(真空引き)されたチャンバー内で、外容器4の底面中央部に設けられた脱気孔を塞ぐことによって形成することができる。
容器本体2は、略円形状の底面部2aと、底面部2aの外周から略円筒状に起立した胴部2bと、胴部2bの上部側において縮径された略円筒状の口頸部2cとを有している。また、口頸部2cの上端部は、容器本体2の上部開口部2dとして、円形状に開口している。また、口頸部2cの内側には、リング状の段差部7が全周に亘って突出して設けられている。
なお、本実施形態の飲料用容器1は、全体として略円筒状の外観形状を有しているが、飲料用容器1の外観形状については、特に限定されるものではなく、サイズやデザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。また、容器本体2の外周面には、塗装や印刷等が施されていてもよい。
キャップユニット3の構成については、図1〜図6を参照して説明する。なお、以下の説明では、後述するキャップ本体8に対して蓋体9がヒンジ部27を介して取り付けられる側を飲料用容器1の「後側」とし、それとは反対側を飲料用容器1の「前側」として説明する。
図2は、キャップユニット3の外観を示す斜視図である。図3は、キャップユニット3を前後方向に切り欠いて示す斜視図である。図4は、キャップユニット3を左右方向に切り欠いて示す斜視図である。図5は、キャップユニット3が備える口形成部材13の構成を示す斜視図である。図6は、キャップユニット3が備える係止部材18構成を示し、(a)は、係止部材18を一方側から見た斜視図、(b)係止部材18を他方側から見た斜視図である。
キャップユニット3は、容器本体2の上部開口部2dを閉塞する栓体を構成するものである。具体的に、このキャップユニット3は、図1〜図4に示すように、キャップ本体8と、キャップ本体8に回動自在に取り付けられた蓋体9と、キャップ本体8に対して蓋体9を固定する蓋ロック機構10とを備えている。
キャップ本体8は、例えばポリプロピレン等の耐熱性樹脂からなる。キャップ本体8は、容器本体2の胴部2bと連続するように略円筒状に形成された周壁部8aと、周壁部8aの上部に周壁部8aよりも縮径された開口部8bが形成された上壁部8cとを有している。
キャップ本体8は、容器本体2の口頸部2cに螺合により着脱自在に取り付けられている。このため、周壁部8aの内周面には、雌ネジ部11が設けられている。一方、口頸部2cの外周面には、雌ネジ部11と螺合される雄ネジ部12が設けられている。
キャップ本体8の開口部8bには、飲み口又は注ぎ口(本実施形態では飲み口)を形成する口形成部材13が着脱自在に取り付けられている。口形成部材13は、例えばポリプロピレン等の耐熱性樹脂からなる。
口形成部材13は、通液口14が形成された底壁部13aと、底壁部13aの周囲から上方に向かって立ち上がる筒状の周壁部13bと、底壁部13aの外周面の下端側からリング状に突出された下側フランジ部13cと、周壁部13bの外周面の上端側から反対側まで互いに左右方向に突出された一対の上側フランジ部13dと、周壁部13bの前側の上端から斜めカット状に突出された飲み口部13eとを有している。
キャップ本体8と口形成部材13との間には、キャップ本体8の開口部8bに口形成部材13を着脱自在に取り付けるための口脱着機構15が設けられている。口脱着機構15は、図5及び図6(a),(b)に示すように、口形成部材13の前側に第1の爪部16と、口形成部材13の後側に第2の爪部17が設けられた係止部材18とを有している。
第1の爪部16は、周壁部13bの外周面の上端側から前方に突出して設けられている。係止部材18は、互いに平行に並ぶ一対のアーム部18aと、一対のアーム部18aの上端(先端)側を連結する連結部18bとを有している。また、一対のアーム部18aの下端(基端)側には、一対の支軸19が設けられている。一対の支軸19は、一対のアーム部18aの内側の互いに対向する位置から突出して設けられている。連結部18bからは、弾性片20が一対のアーム部18aの間から一対のアーム部18aと平行に並んだ状態で突出して設けられている。第2の爪部17は、係止部材18の上端(先端)側から後方に向かって突出して設けられている。
係止部材18は、図1及び図3に示すように、口形成部材13の後側の外周面に沿って配置されている。また、係止部材18の下端(基端)部は、口形成部材13に設けられたヒンジ部21に回動自在に支持されている。また、係止部材18の上端(先端)部には、この係止部材18を指で回動操作し易くするための凹部又は凸部を有した操作部18c(図6(a)を参照。)が設けられている。
口形成部材13には、図3〜図5に示すように、一対の支軸19が嵌め込まれる軸孔22と、弾性片20が当接される被当接部23とが設けられている。軸孔22は、下側フランジ部13cの上方に位置する中間フランジ部13fの上面から口形成部材13の後側の外周面に沿って突出されたリブ壁13gを左右方向に貫通して設けられている。被当接部23は、軸孔22よりも上方に位置するリブ壁13gによって形成されている。
ヒンジ部21は、軸孔22の両端から一対の支軸19を軸孔22の内側に嵌め込むことによって、一対のアーム部18aがリブ壁13gを挟み込んだ状態で、係止部材18の下端(基端)部を回動自在に支持している。
また、係止部材18の先端側を前方(回動方向の一方)側に向かって回動させたとき、弾性片20が被当接部23に当接することによって、弾性片20が弾性変形しながら、係止部材18を後方(回動方向の他方)側に向かって付勢する。なお、口脱着機構15では、弾性片20の長さや厚みを変更することによって、上述した弾性片20が弾性変形する際の付勢力を調整することが可能である。
また、口形成部材13の周壁部13bの後側から突出した段部13hの下面に、係止部材18のアーム部18aの前側から延出した延出部18d(図6(a)を参照。)が面接触することによって、係止部材18が後方に傾くのを防止している。
口脱着機構15は、図1、図3及び図4に示すように、キャップ本体8の前側に第1の被係止部24と、キャップ本体8の後側に第2の被係止部25とを有している。第1の被係止部24及び第2の被係止部25は、上壁部8cの開口部8bに沿った前後位置に、それぞれ設けられた段差部からなる。
口脱着機構15では、第1の被係止部24に対して第1の爪部16を位置決めした状態で、キャップ本体8の開口部8bの内側に、口形成部材13を下側から嵌め込む。このとき、キャップ本体8の上壁部8cの下面に一対の上側フランジ部13dが当接された状態となる。また、第1の爪部16が第1の被係止部24に係止される。さらに、第2の爪部17がキャップ本体8の開口部8bの縁に当接しながら、第2の爪部17が開口部8bの縁を乗り越えるのに伴って、係止部材18の先端側が前方に向かって回動した後に、係止部材18の先端側が後方の元の位置へと復帰すると同時に、第2の爪部17が第2の被係止部25に係止される。
これにより、口形成部材13は、キャップ本体8の開口部8bに装着された状態となる。また、口形成部材13が装着されると同時に、キャップ本体8の開口部8bから飲み口部13eが外方(上方)に向かって突き出した状態となる。
一方、口脱着機構15では、係止部材18の先端側を前方に向かって回動させる操作によって、第2の被係止部25に対する第2の爪部17の係止状態を解除する。これにより、第1の被係止部24に対する第1の爪部16の係止状態を解除しながら、キャップ本体8の開口部8bの下側から口形成部材13を取り外すことが可能である。
口形成部材13が装着されたキャップ本体8は、容器本体2の口頸部2cに取り付けられることによって、口形成部材13が上部開口部2dの内側に嵌め込まれた状態で、容器本体2の上部開口部2dを閉塞する。
口形成部材13の下側フランジ部13cには、止水パッキン26が着脱自在に取り付けられている。止水パッキン26は、段差部7(容器本体2)と口形成部材13(キャップ本体8)との間を密閉するためのリング状のシール部材である。止水パッキン26は、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。止水パッキン26は、下側フランジ部13cの外周部に嵌め付けられている。
止水パッキン26は、容器本体2の上部開口部2dの内側に嵌め込まれた際に、弾性変形しながら容器本体2の段差部7に全周に亘って密着した状態となる。これにより、段差部7と口形成部材13との間を密閉することが可能となっている。
蓋体9は、図1〜図4に示すように、口形成部材13が形成する飲み口又は注ぎ口を開閉するものであり、例えばポリプロピレン等の耐熱性樹脂からなる。蓋体9は、キャップ本体8の周壁部8aと連続するように略円筒状に形成された周壁部9aと、周壁部9aの天面を覆う天壁部9bと、天壁部9bを貫通した状態で天壁部9bの下面から立ち下がる略円筒状の内壁部9cとを有している。
蓋体9は、キャップ本体8にヒンジ部27を介して回動自在に取り付けられている。蓋体9は、ヒンジ部27の内側に設けられた付勢部材(図示せず。)によって、口形成部材13の通液口14を開放する方向(開方向)に付勢された状態となっている。なお、付勢部材については、捻りコイルバネなどのバネ部材や、ゴム又はエラストマー等の弾性部材などを用いることができる。
蓋体9の内側には、口形成部材13の通液口14を閉塞する蓋パッキン28が設けられている。蓋パッキン28は、口形成部材13を密閉するための栓状のシール部材である。蓋パッキン28は、弾性部材からなり、上記止水パッキン26と同じ材質のものを用いることができる。
蓋パッキン28は、内壁部9cの内側に嵌め込まれた状態で、内壁部9cの下端側に着脱自在に取り付けられている。具体的に、蓋パッキン28は、図3及び図4に示すように、内壁部9cの内側に嵌め込まれる円筒状の上筒部分28aと、内壁部9cよりも下方に突出した有底円筒状の下筒部分28bとを有している。また、上筒部分28aと下筒部分28bとの間には、上筒部分28aが下筒部分28bよりも縮径されることによって、リング状の段差部28cが全周に亘って形成されている。下筒部分28bの底面は、ドーム状に形成されている。
上筒部分28aの上端部には、一対の係止爪28dが左右の両側から外側に向かって突出して設けられている。一方、内壁部9cの下端部には、一対の被係止爪9dが左右の両側から内側に向かって突出して設けられている。
蓋パッキン28は、内壁部9cの内側に上筒部分28aが嵌め込まれた際に、段差部28cが内壁部9cの下端に当接されると共に、一対の被係止爪9dに一対の係止爪28dが係止される。これにより、蓋パッキン28は、内壁部9cの内側から抜け止めされた状態となる。
したがって、キャップユニット3では、容器本体2内が負圧となり、蓋パッキン28に引っ張る方向の力が発生したとしても、蓋体9を開けた際に蓋パッキン28が内壁部9cから外れてしまうことを防ぐことが可能である。逆に、容器本体2内が陽圧となり、蓋パッキン28に押す方向の力が発生したとしても、段差部28cにより蓋パッキン28が内壁部9cの内側に入り込むことを防ぐことが可能である。
キャップユニット3では、蓋体9がキャップ本体8の上部を閉塞したときに、蓋パッキン28が弾性変形しながら、通液口14の周囲に密着した状態となる。これにより、口形成部材13の通液口14を閉塞することができる。
天壁部9bの上面側には、図1〜図3に示すように、内壁部9cの上端側を覆うカバー部材29が着脱自在に取り付けられている。カバー部材29は、蓋体9と同じ材質のものを用いて、略円板状に形成されている。一方、天壁部9bの上面には、カバー部材29に対応した形状の凹部30が設けられている。
天壁部9bとカバー部材29との間には、凹部30にカバー部材29を着脱自在に取り付けるためのカバー脱着機構31が設けられている。カバー脱着機構31は、カバー部材29の前側に第3の爪部32と、カバー部材29の後側に第4の爪部33が設けられたストッパー34とを有している。
第3の爪部32は、カバー部材29の前側の下端部に位置して、カバー部材29の先端よりも前方に突出して設けられている。ストッパー34は、カバー部材29の後側の下面から下方に突出して設けられている。ストッパー34の先端には、第4の爪部33が前方に突出して設けられている。
カバー脱着機構31は、凹部30の前側に第3の被係止部35と、凹部30の後側に第4の被係止部36とを有している。第3の被係止部35及び第4の被係止部36は、凹部30の底面の前後位置に、それぞれ設けられた孔部からなる。
カバー脱着機構31では、第3の被係止部(孔部)35に第3の爪部32を挿入した状態で、凹部30の内側にカバー部材29を嵌め込む。このとき、第4の被係止部(孔部)36にストッパー34が挿入された状態で、第4の爪部33が天壁部9bに係止される。
これにより、カバー部材29は、凹部30の内側に装着された状態となる。また、カバー部材29が装着されると同時に、カバー部材29が内壁部9cの上端側を覆うことになる。
一方、カバー脱着機構31では、ストッパー34に設けられている第4の被係止部36を上方向に押すことによって、この第4の被係止部36と第4の爪部33との係止状態を解除する。これにより、第3の被係止部35に対する第3の爪部32の係止状態を解除しながら、凹部30からカバー部材29を取り外すことが可能である。また、カバー脱着機構31では、内壁部9cの外側に位置しているので、カバー部材29を取り外すことによって、内壁部9cが上下方向に貫通していることを視認することができる。
このように、カバー部材29は、蓋体9の内面から外方向に押すことにより外れる構造となっている。したがって、キャップユニット3の蓋体9が閉まっている状態では、カバー部材29を取り外すことはできない。また、ストッパー34は、内壁部9cの外側に配置されているので、カバー部材29を取り外す際に、蓋パッキン28を取り外す必要もない。
ここで、天壁部9bの上面中央部、すなわち凹部30の底面には、蓋体9を成形する際に形成されたゲート痕(図示せず。)が位置している。この場合、蓋体9のゲート痕が形成された位置をカバー部材29が覆うことで、見栄えを良くすることが可能である。また、蓋体9は、この蓋体9を金型内で成型(成形)する際のゲートの位置を最適な位置に配置できるため、歩留まり及び成型品質の向上等を図ることが可能である。
なお、カバー部材29については、蓋体9と同じ材質のものに限らず、材質や色等が異なるものを用いてもよく、透明な材質からなるものを用いてもよい。この場合、意匠的に優れたキャップユニット3とすることが可能である。また、カバー部材29の上部に立体的な構造物を配置したり、刻印したりすることによって、キャップユニット3や、キャップユニット3を含む飲料用容器1を使用者の好みに合わせて、カスタマイズすることが可能である。
また、キャップユニット3では、上述したカバー部材29が蓋体9に対して着脱自在とされた構成に限らず、カバー部材29の嵌合量をきつめに調整した構成としたり、カバー部材29が蓋体9に対して接着剤等を用いて固定された構成としたりすることで、カバー部材29にハンドルのような持ち手を設けることも可能である。
蓋ロック機構10は、図1及び図3に示すように、ヒンジ部27に設けられた付勢部材(図示せず。)の付勢に抗して、蓋体9がキャップ本体8の上部を閉塞する位置にて蓋体9を固定するものである。具体的に、この蓋ロック機構10は、キャップ本体8にヒンジ部37を介して回動自在に取り付けられたロック部材38と、キャップ本体8にヒンジ部37を介して回動自在に取り付けられたリングストッパー39とを有している。
ロック部材38は、キャップ本体8(周壁部8a)の前側に設けられたヒンジ部37に回動自在に支持されている。ロック部材38は、ヒンジ部37から上方に延長された第1のアーム部38aと、ヒンジ部37から下方に延長された第2のアーム部38bとを有している。
第1のアーム部38aの先端(ロック部材38の上端)には、フック部40が後方に向かって突出して設けられている。第2のアーム部38bと周壁部8aとの間には、コイルバネ(バネ部材)41が圧縮した状態で配置されている。
リングストッパー39は、一部が開放されたリング状の部材からなり、その両端がヒンジ部37の外側に回動自在に支持されている。これにより、リングストッパー39は、上下方向に回動可能となっている。
一方、蓋ロック機構10は、ロック部材38のフック部40が係止されるロック受部42と、リングストッパー39が掛け止めされるストッパー受部43とを有している。ロック受部42は、蓋体9(周壁部9a)の前側の下端部から前方に突出された爪部からなる。ストッパー受部43は、リングストッパー39の内側に対応した形状で、ロック受部(爪部)42の周囲を囲む位置から前方に突出された壁部からなる。
蓋ロック機構10では、蓋体9がキャップ本体8の上部を閉塞したときに、ロック部材38のフック部40がロック受部42に係止されることによって、蓋体9がキャップ本体8の上部を閉塞した状態が保持される。この状態から、コイルバネ41の付勢に抗して、ロック部材38の第2のアーム部38b側を押圧操作することによって、ロック受部42に対するフック部40の係止状態を解除する。これにより、ヒンジ部27内の付勢部材の付勢により蓋体9を開方向に回動させることが可能である。
一方、蓋ロック機構10では、蓋体9がキャップ本体8の上部を閉塞したときに、リングストッパー39がストッパー受部43に掛け止めされることによって、蓋体9の開方向への回動が阻止される。これにより、蓋ロック機構10では、ロック部材38の不要な操作によって蓋体9が開くことを防止できる。
以上のように、本実施形態のキャップユニット3を備えた飲料用容器1では、上述した蓋パッキン28を蓋体9(内壁部9c)から取り外し、カバー部材29を蓋体9(天壁部9b)から取り外すことで、キャップユニット3を分解洗浄し易くすることが可能である。また、蓋体9は、蓋パッキン28及びカバー部材29を取り外した状態において、内壁部9cが天壁部9bを貫通した状態となるため、洗浄時の水切れが良く、乾燥も容易な構造となっている。
また、本実施形態のキャップユニット3では、係止部材18を回動自在に支持するヒンジ部21や弾性片20が金属部品を含まない構成となっているため、キャップ本体8から取り外した口形成部材13を洗浄する際に、塩素系漂白剤などを用いて洗浄を行うことが可能である。
さらに、本実施形態のキャップユニット3では、係止部材18側の支軸19を口形成部材13側の軸孔22に嵌め込むことによって、ヒンジ部21を構成することができ、更に弾性片20が係止部材18と一体に形成されているため、部品点数を少なくして、より単純な構造とすることが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記飲料用容器1については、上述した外観形状を有したものに限定されるものではなく、そのサイズや機能、デザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。
また、本発明は、上述した真空断熱構造を有する容器本体2によって保温・保冷機能を持たせた飲料用容器1に好適に適用できるが、上述した真空断熱構造を有する容器本体2を用いたものに必ずしも限定されるものではない。すなわち、本発明は、キャップユニットが容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられる飲料用容器に対して幅広く適用することが可能である。
1…飲料用容器 2…容器本体 2c…口頸部 2d…上部開口部 3…キャップユニット 8…キャップ本体 9…蓋体 9a…周壁部 9b…天壁部 9c…内壁部 10…蓋ロック機構 13…口形成部材(飲み口又は注ぎ口) 15…口脱着機構(脱着機構) 16…第1の爪部 17…第2の爪部 18…係止部材 19…支軸 20…弾性片 21…ヒンジ部 22…軸孔 23…被当接部 24…第1の被係止部 25…第2の被係止部 26…止水パッキン(シール部材) 27…ヒンジ部 28…蓋パッキン(シール部材) 29…カバー部材 30…凹部 31…カバー脱着機構(脱着機構) 32…第3の爪部 33…第4の爪部 34…ストッパー 35…第3の被係止部 36…第4の被係止部 37…ヒンジ部 38…ロック部材 39…リングストッパー 40…フック部 41…コイルバネ(バネ部材) 42…ロック受部 43…ストッパー受部

Claims (6)

  1. 上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
    前記容器本体の上部開口部を閉塞すると共に、上部に飲み口又は注ぎ口が設けられたキャップ本体を備え、
    前記キャップ本体は、前記飲み口又は注ぎ口を形成する口形成部材と、前記口形成部材を着脱自在に取り付ける脱着機構とを有し、
    前記脱着機構は、前記口形成部材にヒンジ部を介して回動自在に取り付けられた係止部材を有し、
    前記ヒンジ部は、前記口形成部材に設けられた軸孔の両端から、前記係止部材に設けられた一対の支軸を前記軸孔の内側に嵌め込むことによって、前記係止部材を回動自在に支持しており、
    前記係止部材を回動方向の一方側に向かって回動させたとき、前記係止部材と一体に設けられた弾性片が、前記口形成部材に設けられた被当接部に当接することによって、前記弾性片が弾性変形しながら、前記係止部材を回動方向の他方側に向かって付勢することを特徴とするキャップユニット。
  2. 前記係止部材は、互いに平行に並ぶ一対のアーム部を有し、
    前記一対の支軸は、前記一対のアーム部の内側の互いに対向する位置から突出して設けられ、
    前記弾性片は、前記一対のアームの間に位置していることを特徴とする請求項に記載のキャップユニット。
  3. 前記脱着機構は、前記キャップ本体の上部に設けられた開口部の内側に前記口形成部材が嵌め込まれた状態で、前記口形成部材に設けられた第1の爪部と、前記係止部材に設けられた第2の爪部とが、前記キャップ本体に設けられた第1の被係止部と第2の被係止部とにそれぞれ係止されることによって、前記キャップ本体に前記口形成部材が取り付けられた状態を保持することを特徴とする請求項1又は2に記載のキャップユニット。
  4. 前記キャップ本体にヒンジ部を介して回動自在に取り付けられると共に、前記飲み口又は注ぎ口を開放する方向に付勢された状態で、前記飲み口又は注ぎ口を開閉する蓋体を備えることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のキャップユニット。
  5. 前記蓋体が前記飲み口又は注ぎ口を閉塞する位置にて前記蓋体を固定する蓋ロック機構を備えることを特徴とする請求項に記載のキャップユニット。
  6. 請求項1〜の何れか一項に記載のキャップユニットと、
    前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備える飲料用容器。
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