JP6553543B2 - アンテナを備える補聴器 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナを有する補聴器、特に、アクセサリ及び/又は他の補聴器とのワイヤレス通信といったワイヤレス通信可能に構成された補聴器の分野に関する。
補聴器は、非常に小さく、デリケートなデバイスであり、人間の外耳道内に、又は外耳の後ろにぴったり嵌る十分に小さなハウジング内に収容される多くの電子構成部品及び金属構成部品を備える。これらの多数の電子構成部品及び金属構成部品は、補聴器ハウジングが小さなサイズであることと相まって、ワイヤレス通信機能を備える補聴器で使用される無線周波数アンテナに高い設計制約条件を課す。
さらに、補聴器のアンテナは、補聴器のサイズにより制限及び他の高い設計制約条件が課されるにも関わらず、満足のゆく耳間性能が達成されるように設計されなければならない。
本発明の一目的は、上述のような不利点のうちの少なくともいくつかを克服することであり、さらなる目的は、補聴器を実現することである。
補聴器は、第1の側部と第2の側部とを有する補聴器アセンブリと、信号プロセッサと、ワイヤレス通信ユニットとを備える。ワイヤレス通信ユニットは、信号プロセッサに接続されている。補聴器は、電磁場の放射及び受信用のアンテナを備える。アンテナは、ワイヤレス通信ユニットに接続されている。アンテナは励振点を有する。アンテナの第1のブランチが励振点から延在し、アンテナの第2のブランチが励振点から延在する。第2のブランチの少なくとも一部は、第1の側部から第2の側部へ延在する。第2のブランチは、少なくとも一つのグランド接続部を有する。
典型的には、アンテナは、アンテナ内を流れる電流がアンテナの長さ方向に沿って定在波を形成するように構成される。この場合、アンテナは共振アンテナと称される。アンテナの長さは、例えば、アンテナの長さが所望の電磁場の1/4波長、又はその任意の倍数もしくは任意の奇数倍に等しくなるように調整することができる。一つ又は複数の実施形態において、アンテナの全長と波長との相対差異の絶対値は、10%、25%未満などの、閾値未満であってよい。いくつかの実施形態において、アンテナの全長は、3/4波長から5/4波長の範囲内である。
いくつかの実施形態において、アンテナ内の電流は、例えば、第1の側部から第2の側部へ延在する第2のブランチの一部など、第2のブランチにおいて最大値を有することができる。
第1の端部は自由であり、これにより、第1の端部は自由端又は開放端となりうる。第1の端部が自由である場合、第1のブランチの端部のところの電流はゼロに近いものとしてよい。あるいは、第1の端部は、第3のブランチを介して励振点と相互接続され得る。第3のブランチは、第1のブランチと異なっていてもよい。第3のブランチ内の電流は、さらなる極大値など、励振点の近くに局大値を有することができる。いくつかの実施形態において、第3のブランチは、補聴器アセンブリの第1の側部に沿って延在する。
同様に、第2の端部は自由であり、これにより、第2の端部は自由端又は開放端となりうる。第2の端部が自由である場合、第2のブランチの端部のところの電流はゼロに近いものとしてよい。あるいは、第2の端部は、第4のブランチを介して励振点と相互接続され得る。第4のブランチは、第2のブランチと異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、第4のブランチは、補聴器アセンブリの第2の側部に沿って延在する。
一つ又は複数の実施形態において、第1及び/又は第2のブランチは、ループを形成し得る。第1及び/又は第2のブランチによって形成されるループは、励振点に戻り得る。第1及び/又は第2のブランチによって形成されるループの利点は、これがアンテナの比較的長い全長を形成し、したがって、補聴器の耳間性能を改善することができる。いくつかの実施形態において、第1及び/又は第2のブランチは、導電性材料のプレート又はディッシュであってよい。
いくつかの実施形態において、第1のアンテナ・ブランチは、第1の側部に沿ってループを形成することができ、及び/又は、第2のアンテナ・ブランチは、第2の側部に沿ってループを形成することができる。
第2のブランチの少なくとも一部は、第1の側部から第2の側部まで延在する。したがって、第2のアンテナ・ブランチの一部は、補聴器アセンブリの第1の側部の近くから補聴器アセンブリの第2の側部の近くまで、例えば、第1の側部に隣接する位置から第2の側部に隣接する位置まで延在し得るか、又は第2のブランチの少なくとも一部は、第1の側部のところ、又は第1の側部に沿った地点又は位置から第2の側部のところ、又は第2の側部に沿った地点又は位置まで延在し得る。
いくつかの実施形態において、第2のブランチの少なくとも別の一部は、第2の側部上に延在する。
第1のブランチの少なくとも一部は第1の側部に沿って延在し、及び/又は、第2のブランチの少なくとも一部は第2の側部に沿って延在し得る。第1の側部は、補聴器アセンブリの長手方向であり、第2の側部は、補聴器アセンブリの長手方向の別のであり得る。第1の側部は、第2の側部の反対側にあってよい。第2のブランチは、第1のブランチと部分的に平行であってもよい。いくつかの実施形態において、補聴器の第1の側部に沿って延在する第1のブランチの部分、及び補聴器の第2の側部に沿って延在する第2のブランチの部分、すなわち他方の部分は、対称的部分であってよく、すなわち、前記第2の部分は、アンテナを通る平面の周りに対称的アンテナ構造を形成し、及び/又は前記部分は少なくとも実質的に同じ形状を有するものとしてよい。
一般に、アンテナのさまざまなブランチが、異なる幾何学的形状を有するように形成されるものとしてよく、ブランチは、ワイヤもしくはパッチであり、曲がっていても真っ直ぐでも、長くても短くてもよいが、互いに関して上記の相対的構成に従うものとする。いくつかの実施形態において、アンテナの全長は、3/4波長から5/4波長の範囲内である。
補聴器は、使用時に使用者の耳の後ろに位置するように構成された耳裏型補聴器であってよく、第1の側部は、補聴器アセンブリの長手方向の第1のであり、第2の側部は、補聴器アセンブリの長手方向の第2のであるものとしてよい。アンテナは、ハウジングの長さに沿った長手方向でハウジング内に収容され得る。好ましくは、アンテナは、補聴器ハウジング内に収容され、好ましくは、これにより、アンテナがハウジングから突き出ることなく補聴器ハウジングの内側に位置決めされる。
典型的には、励振点は、発信源、例えば、ワイヤレス通信ユニット、例えば、無線チップ、例えば、トランシーバ、受信機、送信機などに電気的に接続される。アンテナは、任意の従来の手段を使用して、直接的な又は間接的な又は結合されたフィードを使用して励起され、例えば、伝送線路などの、給電線を使用して給電され得る。アンテナ内に誘導された電流は、アンテナの近似的励振点のところで第1の極大値を有することができる。
アンテナの第1のブランチは、励振点からアンテナの第1の端部まで延在し、アンテナの第2のブランチは、励振点からアンテナの第2の端部まで延在し得る。アンテナは、2本のブランチが同じ励振点から延在するように構築され得る。
励振点から第1の端部までの第1の距離は、励振点から第2の端部までの第2の距離より小さいものとしてよい。いくつかの実施形態において、第1の距離と第2の距離との間の相対的差は、10%未満など、25%未満とすることができる。距離は、それぞれ、第1のブランチに沿って、及び第2のブランチに沿って測定され得る。
いくつかの実施形態において、励振点は、補聴器アセンブリの縁部のところに設けられ得る。励振点は、例えば、伝送線路を介してワイヤレス通信ユニットと相互接続され得る。
アンテナは、アンテナ内の電流の大きさが第1のブランチ上のある地点及び/又は第2のブランチ上のある地点でゼロとなるように、長さ及び構造を備えるように構成され得る。
アンテナを備える補聴器は、アンテナの第2のブランチがグランド接続部を有するように構成され得る。第2のブランチにグランド接続部を設けることによって、アンテナの同調特性が改善され、またプリント基板のグランド電位への依存性を低減され得る。
アンテナは、第2のブランチに沿ったある地点において、グランド面と相互接続されてもよく、例えば、アンテナから補聴器のグランド面(例えば補聴器のプリント基板)へ伝送線路を設けてもよい。
グランド接続部は、補聴器の第2の側部に沿って延在するアンテナの任意の地点など、補聴器の第2の側部に沿って設けられ得る。いくつかの実施形態において、グランド接続部は、第2の端部から少なくとも1/8波長の距離に設けられる。
一つ又は複数の実施形態において、アンテナを備える補聴器は、アンテナの励振点が補聴器の第1の側部に位置し、アンテナのグランド接続部が補聴器の第2の側部に位置するように構成され得る。
第1の側部から第2の側部まで延在する第2のブランチの部分は、第1の側部から補聴器の中点を介して第2の側部まで延在し得る。中点は、完全に幾何学的な中点であってもよいし、又は、中点は、ある幅の範囲内、例えば、幾何学的中点の±5%、±10%、±15%などの幅の範囲内に設けられた近似的中点であってもよい。典型的には、中点は、第1の側部から中点を介して第2の側部までアンテナが延在する補聴器アセンブリの外側の中点である。
補聴器の中点は、補聴器に対する仕切り面に位置してもよく、それにより、仕切り面は、第1の部分と第2の部分に分ける補聴器の仕切りを画成する。仕切り面は、補聴器を2つの等しい部分に分割し、例えば、補聴器の中間を画成することができる。
中点から励振点までの距離、及び中点からグランド接続部までの距離は、等しいサイズであってよい。中点から励振点までの距離と中点からグランド接続部までの距離との間の相対的差は、閾値T2未満であってもよい。閾値T2は、例えば、25%又は10%とすることができる。
いくつかの実施形態において、第1のアンテナ・ブランチは、第1の長さを有し、第2のアンテナ・ブランチは、第2の長さを有し、第1の長さと第2の長さとの和は、アンテナの全長の少なくとも90%に対応するものとしてよい。
第1のブランチの長さ及び/又は第2のブランチの長さは、少なくともλ/4、例えば、実質的にλ/4、例えば、少なくともλ/4±10%とすることができる。
第1の長さは、第2の長さに対応するものとしてよく、したがって第1及び第2のブランチは同じ長さを有するか、又は第1のブランチの第1の長さは、第2のブランチの長さと異なっていてもよい。
第1のブランチは、第1の長さを有し、第2のブランチは、第2の長さを有することができる。第1の長さは、第2の長さと異なっていてもよく、一つ又は複数の実施形態において、第2の長さは、第1の長さより長いものとしてよい。第1又は第2のブランチの長さは、λ/4に等しい、例えば、実質的にλ/4に等しいものとしてよく、ただし、λはワイヤレス通信ユニットの周波数に対応する。第1の長さ及び/又は第2の長さは、少なくともλ/4とすることができる。
アンテナは、モノポール・アンテナとすることができる。
本明細書で開示されている補聴器は、ISM周波数帯域で動作するように構成され得る。好ましくは、アンテナは、少なくとも1GHzの周波数、例えば、1.5GHzから3GHzまでの範囲の周波数、例えば、2.4GHzの周波数で動作するように構成される。
以下では、本発明は、もっぱら両耳補聴器などの補聴器を参照しつつ説明される。しかし、開示されている特徴及び実施形態は、本発明の任意の態様と組み合わせて使用され得ることが想定されている。
本発明の上記、及び他の特徴ならびに利点は、付属の図面を参照しつつ例示的な実施形態を詳細に説明することによって、当業者により明らかなものとなるであろう。
図1は、補聴器を示すブロック図である。 図2aは、本開示の一実施形態によるアンテナを備える補聴器の例示的な実装の概略を示す図である。 図2bは、本開示の一実施形態によるアンテナを備える補聴器の例示的な実装の概略を示す図である。 図3は、本開示の一実施形態によるアンテナを備える補聴器の例示的な実装の概略を示す図である。 図4は、本開示の一実施形態によるアンテナを備える補聴器の例示的な実装の概略を示す図である。 図5aは、本開示の一実施形態による補聴器用のアンテナの例示的な実装の概略を示す図である。 図5bは、本開示の一実施形態による補聴器用のアンテナの例示的な実装の概略を示す図である。 図6は、本開示の一実施形態によるアンテナの例示的な実装の概略を示す図である。 図7は、本開示の一実施形態によるアンテナの例示的な実装の概略を示す図である。 図8は、例示的なアンテナを有する耳裏型補聴器の3D図である。 図9aは、本開示の一実施形態によるアンテナを備える補聴器を使用した場合の使用者の頭の右耳及び左耳に位置する補聴器を示す図である。 図9bは、本開示の一実施形態によるアンテナを備える補聴器を使用した場合の使用者の頭の右耳及び左耳に位置決めする補聴器を示す図である。
次に、本発明の例示的な実施形態が示されている、付属の図面を参照しつつ、本発明について以下でさらに詳しく説明する。しかし、本発明は、異なる形態で具現化することができ、本明細書で記載されている実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が詳細で完全なものとなるように、また当業者に本発明の範囲が全部伝わるように用意されたものである。
本明細書で使用される場合、「アンテナ」という用語は、電力を電波に変換する電気的デバイスを指す。電気アンテナなどの、アンテナは、例えば、無線チップ、受信機、又は送信機などの、ワイヤレス通信ユニットに接続された導電性材料を備えることができる。
図1は、補聴器のブロック図である。図1において、補聴器10は、入ってくる音を受信して、その音を音声信号、すなわち、第1の音声信号に変換するためのマイクロフォン11を備えている。第1の音声信号は信号プロセッサ12に送られ、信号プロセッサ12は、第1の音声信号を処理して補聴器の使用者の聴力損失を補償する第2の音声信号にする。受信機は信号プロセッサ12の出力に接続されており、これにより、第2の音声信号を出力音声信号、例えば、使用者の聴覚障害を補償するように修正された信号に変換し、出力音声をスピーカー13に出す。そのために、補聴器の信号処理処置12は、増幅器、圧縮器、及びノイズ低減システムなどの要素を備えることができる。補聴器は、出力信号を最適化するためのフィードバック・ループをさらに有することができる。補聴器は、電磁場の放射及び受信のためにアンテナ15と相互接続されたワイヤレス通信用のワイヤレス通信ユニット14(例えば、トランシーバ)を有する。ワイヤレス通信ユニット14は、補聴器信号プロセッサ12及びアンテナ15に接続し、これにより、両耳補聴器システムにおいて、他方の耳に配置されている、外部デバイスと、又は別の補聴器と、通信することができる。
放射される電磁場の、特定の波長、したがって周波数は、障害物を伴う通信を考慮するときに重要である。本発明において、障害物は、頭部の表面の近くに配置されているアンテナを備える補聴器が付けられている頭部である。波長が長すぎる、例えば、1GHzの周波数からそれより低い周波数までの場合、頭部のより大きい部分が近距離場内に配置される。この結果、異なる回折が生じ、電磁場が頭部を回り込むのがより困難になる。その一方で、波長が短すぎる場合、頭部は、大きすぎる障害物のように見え、この場合もまた、電磁波が頭部を回り込むのが困難になる。したがって、長い波長と短い波長との間の最適な波長が好ましい。一般に、耳間通信は、2.4GHzを中心とする所望の周波数を使用する工業、科学、及び医学向けの帯域で行われる。
図2aは、アンテナ25、ワイヤレス通信ユニット24、及びグランド・プレーン26を備える補聴器20の一実施形態の概略図である。アンテナ25は、励振点23、第1のブランチ21、及び第2のブランチ22を備える。第1のブランチ21は、励振点23から延在する。第2のブランチ22は、励振点23から延在する。第1のブランチ21及び第2のブランチ22は、励振点23から異なる方向に延在し得る。励振点23は、伝送線路27を介してワイヤレス通信ユニット24に接続される。第2のブランチ22の部分221は、補聴器20の第1の側部から補聴器20の第2の側部に延在する。
図2bは、補聴器20の別の実施形態の概略図である。補聴器20は、図2aの補聴器に対応している。それに加えて、図2bに示されているような補聴器は、グラント接続部223を有し、これは第2のブランチ22をプリント回路基板であってもよいグランド・プレーン26と接続する。グランド接続部223は、アンテナに対する励振点の真向かいに位置決めされ、中点222から励振点23までの距離、及び中点222からグランド接続部223までの距離は、実質的に等しいものとしてよい。
中点222から励振点23までの距離、及び中点222からグランド接続部223までの距離は、等しいサイズであってよい。中点222から励振点23までの距離と中点222からグランド接続部223までの距離との間の相対的差は、閾値T2未満であってよい。閾値T2は、例えば、25%又は10%とすることができる。
仕切り面224は、アンテナの第1のブランチ21の形状がグランド接続部223と無関係に対称面224に関してアンテナの第2のブランチ22の形状と対称的であるようなアンテナ25に対する対称面224とすることができる。仕切り面224は、補聴器を通って正確に真ん中に延在し得るか、又は仕切り面は、補聴器の第1の側部と補聴器の第2の側部との間であればどのような場所にも延在し得る。
一般に、アンテナのさまざまなブランチが、異なる幾何学的形状で形成されるものとしてよく、ブランチは、ワイヤもしくはパッチであり、曲がっていても真っ直ぐでも、長くても短くてもよいが、互いに関して上記の相対的構成に従うものとし、これにより、アンテナは、励振点、励振点から延在するアンテナの第1のブランチ、及び励振点から延在するアンテナの第2のブランチを備え、第1のアンテナ・ブランチは、第1の端部を有し、第1の端部は、自由であるか、又は第3のブランチを介して励振点と相互接続され、第2のブランチの少なくとも一部は、第1の側部から第2の側部まで延在する。
図3は、本開示による補聴器30の一実施形態の概略図である。補聴器30は、アンテナ35を備える。アンテナ35は、励振点33、第1のブランチ31、及び第2のブランチ32を備える。第1のブランチ31は、励振点33から延在する。第2のブランチ32は、励振点33から延在する。第2のブランチ32は、第1の側部から第2の側部まで延在する部分321を備え、部分321は、励振点33から第2の側部までカーブを描いて延在する。第1のブランチ31及び/又は第2のブランチ32は、補聴器の制限及び/又はアンテナの最適化に従って構成された任意の幅及び/又は任意の形状を有するものとしてよい。
図4は、本開示による補聴器40の一実施形態の概略図である。補聴器40は、アンテナ45を備える。アンテナ45は、励振点43、第1のブランチ41、及び第2のブランチ42を備える。第1のブランチ41は、励振点43から第1の端部412まで延在する。第2のブランチ42は、励振点43から第2の端部422まで延在する。図4において、第2のブランチ42は、補聴器40の第1の側部から補聴器40の第2の側部に延在する部分421を備える。部分421は、第1のブランチ41と第2のブランチ42との交差点のところに位置決めされる励振点43から延在し、部分421は、励振点から直接的に第1の側部から第2の側部に延在し、これによって、ブリッジのところに大電流を得る。第1の端部412及び/又は第2の端部422は、自由端であるものとしてよい。電流は、アンテナ45の自由端412、422でゼロとなる。端部412、422は、開回路であるか、又は無限大のインピーダンスを有していてもよい。あるいは、第1の端部412及び/又は第2の端部422は、第3及び/又は第4のブランチを介して励振点43と相互接続され得る。第3のブランチは、第1のブランチと異なっていてもよく、及び/又は第4のブランチは、第2のブランチと異なっていてもよい。
図5aは、本開示によるアンテナを有する補聴器の一実施形態の概略図である。アンテナ55は、励振点53、第1のブランチ51、及び第2のブランチ52を備える。第1のブランチ51は、第1の長さを有し、第2のブランチ52は、第2の長さを有する。第1の長さ及び第2の長さは異なって見える。第2の長さは、第1の長さよりも長い。図5aでは、励振点から第1の端部までの第1の距離d1は、励振点から第2の端部までの第2の距離d2より小さい。第1又は第2の長さは、それぞれ、第1の距離d1又は第2の距離d2に等しくてもよい。この距離は、それぞれ、典型的には、第1のブランチ51及び第2のブランチ52に沿って測定される。
第1の距離d1と第2の距離d2との間の相対的差は、閾値T1より小さいものとすることができる。閾値T1は、例えば、25%又は10%とすることができる。アンテナ55は、距離d1及びd2が以下を満たすように形成され得る。
Figure 0006553543
ただし式中、λは、波長である。一つ又は複数の実施形態において、第1の長さ及び/又は第2の長さは、少なくともλ/4である。
図5bは、本開示によるアンテナを有する補聴器の別の実施形態の概略図である。アンテナ55は、励振点53、第1のブランチ51、及び第2のブランチ52を備える。第1のブランチ51は、第1の長さを有し、第2のブランチ52は、第2の長さを有する。第1の長さ及び第2の長さは類似しているか、又は同じに見える。第2の長さは、第1の長さと同じ長さである。図5bにおいて、励振点から第1の端部までの第1の距離d1は、励振点から第2の端部までの第2の距離d2と同じである。第1又は第2の長さは、それぞれ、第1の距離d1又は第2の距離d2に等しくてもよい。この距離は、それぞれ、典型的には、第1のブランチ51及び第2のブランチ52に沿って測定される。
第1及び/又は第2のブランチ51、52の長さは、少なくともλ/4である(ただし、λは、ワイヤレス通信ユニットに対する共振波長である)。
図6は、本開示によるアンテナを有する補聴器の一実施形態の概略図である。アンテナ65は、励振点63、第1のブランチ61、及び第2のブランチ62を備える。第1のブランチ61は、プレートである。第2のブランチ62は、プレートとブリッジ621とを備える。ブリッジ621は、2つのプレート、すなわち、第1のブランチ61と第2のブランチ62とを接続する導体要素である。一つ又は複数の実施形態において、第1及び/又は第2のブランチ61、62を形成するプレートの上部分に沿って測定され得るアンテナ・ブランチの長さは、少なくともλ/8であり、第1及び/又は第2のブランチ61、62を形成するプレートの側部部分に沿った長さは、少なくともλ/8であり、したがって、電流経路に沿った第1及び/又は第2の長さの合計は、少なくともλ/4である。
図7は、本開示によるアンテナを有する補聴器の一実施形態の概略図である。アンテナ75は、励振点73、第1のブランチ71、及び第2のブランチ72を備える。第1のブランチ71は、ループを形成する。第2のブランチ72は、ループを形成し、ブリッジ721をさらに備える。第2のブランチ72の一部を形成するループの長さd3は小さいか、又はλ/4より大きいものとしてよい。長さd3がλ/4より大きい場合、電流はループ上のある地点でゼロとなる。ゼロの正確な位置は、ループの始まり(第2のブランチ72のループがブリッジ721と接続する場所)の電流の大きさ、及びループの長さd3に依存する。
図8は、アンテナを有する例示的な耳裏型補聴器の3D図である。
図8は、使用時に使用者の耳の後ろに位置決めするように構成された耳裏型補聴器110を示している。耳裏型補聴器110は、アンテナ115、アンテナ115への伝送線路119aを備えるワイヤレス通信ユニット119(例えば、無線チップ)、電池116、信号プロセッサ117、及び外耳道の入口に至る音響管118を備える。アンテナ115は、励振点113、第1のブランチ111、及び第2のブランチ120を備える。第2のブランチ120は、補聴器アセンブリの第1の側部130から補聴器アセンブリの第2の側部140に延在する部分121を備える。補聴器アセンブリの第1の側部130は、補聴器アセンブリ110の第2の側部140の反対側にある。励振点113は、補聴器アセンブリの第1の側部130のところにある。第1のブランチ111は、一つ又は複数の実施形態において、補聴器の第1の側部130の近くに設けられた場合に第1の共振構造物などの、第1の構造物であり、またアンテナ115の第2の部分120は、一つ又は複数の実施形態において、補聴器の第2の側部140の近くに設けられた場合に第2の共振構造物などの、第2の構造物であり得る。第1のブランチ111の少なくとも一部は、第1の側部130上に延在する。第2のブランチ120の少なくとも一部は、第2の側部140上に延在する。第1の側部130又は第2の側部140は、補聴器が使用者によってその動作位置に着用されたときに使用者の頭部の表面と平行に位置し得る。第1の側部130は、補聴器アセンブリ110の長手方向の第1の側部である。第2の側部140は、補聴器アセンブリ110の長手方向の第2の側部である。
図9a〜bは、使用者によってその動作位置に着用されている例示的な耳裏型補聴器を示している。図9aは、使用者の右耳に置かれた耳裏型補聴器150を示している。耳裏型補聴器150は、アンテナ155を備える。
アンテナ155は、第1のブランチ151及び第2のブランチ152を備える。アンテナの第1のブランチ151は、使用者の頭部から逸れた向きの補聴器150の側部にある。
図9bは、使用者の左耳に置かれた耳裏型補聴器150を示している。
図9bでは、第2のブランチ152(すなわち、図9aに示されているのと他のブランチ)は、使用者の頭部から逸れた向きの補聴器152の側部にある。
図9a〜bは、本開示による補聴器内に実装されるアンテナの対称性を示している。本明細書で開示されている補聴器は、右耳に置かれるか左耳に置かれるかに関係なく動作可能なように構成される。
アンテナ155は、補聴器ハウジングが使用時にその動作位置に位置決めされたときに使用者の頭部の表面に平行な方向に伝搬する電磁場を放射し、それによって、放射される電磁場の電場は、動作中に頭部の表面に直交する、又は実質的に直交する方向を有する。このようにして、頭部の組織内の伝搬損失は、頭部の表面に平行な電場成分を持つ電磁場の伝搬損失と比べて低減される。頭部の周りの回折により、アンテナによって放射される電磁場は一方の耳から頭部を回り込んで反対側の耳に伝搬する。
下記の項目に記載される補聴器も開示される。
[項目1]
補聴器であって、前記アセンブリは、
第1の側部と第2の側部とを有する補聴器アセンブリと、
信号プロセッサと、
前記信号プロセッサに接続されているワイヤレス通信ユニットと、
電磁場の放射及び受信のためのアンテナであって、前記ワイヤレス通信ユニットに接続され、励振点を有するアンテナと、
を備え、
前記アンテナの第1のブランチは前記励振点から延在し、前記アンテナの第2のブランチは前記励振点から延在し、前記第2のブランチの少なくとも一部は前記第1の側部から前記第2の側部へ延在し、前記第2のブランチは少なくとも一つのグランド接続部を有する、補聴器。
[項目2]
前記第1のブランチの少なくとも一部は、前記第1の側部に沿って延在し、及び/又は前記第2のブランチの少なくとも一部は、前記第2の側部に沿って延在する、項目1に記載の補聴器。
[項目3]
前記グランド接続部は、前記第2の側部に沿う、項目1又は2に記載の補聴器。
[項目4]
前記アンテナの前記第1のブランチは、前記励振点から第1の端部へ延在し、前記アンテナの前記第2のブランチは、前記励振点から第2の端部へ延在する、項目1から3のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目5]
前記第1の端部及び/又は第2の端部は自由である、又は、第3及び/又は第4のブランチを介して前記励振点と相互接続されている、項目4に記載の補聴器。
[項目6]
グランド面との相互接続は、前記第2の端部から、アンテナによって放射される電磁場の波長の少なくとも1/8の距離にある、項目4又は5に記載の補聴器。
[項目7]
前記アンテナは、モノポール・アンテナである、項目1から6のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目8]
前記励振点は、前記アセンブリの第1の側部にある、項目1から7のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目9]
前記第3のブランチは前記第1のブランチと異なり、及び/又は、前記第4のブランチは前記第2のブランチと異なる、項目5から8のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目10]
前記第1及び/又は第2のブランチは、ループを形成する、項目1から9のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目11]
前記第1の側部は前記第2の側部の反対側にあり、前記第1の側部は前記アセンブリの第1の長手方向側であり、前記第2の側部は、前記アセンブリの第2の長手方向側である、項目1から10のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目12]
前記第1のブランチの前記第1の側部に沿って延在する一部と、前記第2のブランチの前記第2の側部に沿って延在する一部とが対称である、項目1から11のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目13]
前記補聴器は、使用時に使用者の耳の後ろに位置決めされるように構成された耳裏型補聴器であり、前記第1の側部は、前記補聴器の第1の長手方向側であり、前記第2の側部は、前記補聴器の第2の長手方向側である、項目1から12のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目14]
前記第1の側部から前記第2の側部に延在する前記第2のブランチの前記少なくとも一部は、前記第1の側部から前記補聴器の中点を介して前記第2の側部へ延在する、項目1から13のいずれか一項に記載の補聴器。
[項目15]
前記中点から前記励振点までの距離と前記中点から前記少なくとも一つのグランド接続部までの距離との間の相対差異は、閾値T2より小さい、項目14に記載の補聴器。

Claims (14)

  1. 補聴器アセンブリを備える補聴器であって、前記補聴器アセンブリは、第1の側部と、前記第1の側部の反対側に位置する第2の側部とを有し、前記補聴器は、
    信号プロセッサと、
    前記信号プロセッサに接続されているワイヤレス通信ユニットと、
    第1伝送線路と、
    電磁場放射及び電磁場受信用のアンテナと、
    を備え、
    前記アンテナは、
    前記補聴器アセンブリの前記第1の側部の近くを延在する部分と、
    前記補聴器アセンブリの前記第2の側部の近くを延在する部分と、
    前記第1伝送線路と前記補聴器アセンブリの前記第1の側部の近くを延在する前記部分との間の接続部と、を有し、
    前記アンテナの少なくとも一部は、前記第1の側部から前記第2の側部に延在し、前記補聴器アセンブリの前記第1の側部の近くを延在する前記部分と、前記補聴器アセンブリの前記第2の側部の近くを延在する部分とを相互接続する部分であり、その相互接続する部分において電流の最大値が提供される、補聴器。
  2. 前記補聴器アセンブリの前記第1の側部の近くを延在する前記部分の少なくとも一部は、第1のブランチであり、及び/又は、前記補聴器アセンブリの前記第2の側部の近くを延在する前記部分の少なくとも一部は、第2のブランチである、請求項1に記載の補聴器。
  3. グランド接続部をさらに有し、及び/又は、前記グランド接続部は、前記第2の側部にある、請求項1又は2に記載の補聴器。
  4. 前記第1の側部の近くを延在する前記アンテナの前記部分は、励振点から第1の端部へ延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の補聴器。
  5. 前記第2の側部の近くを延在する前記アンテナの前記部分は、第2の端部を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の補聴器。
  6. 前記グランド接続部は、前記第2の端部から、アンテナによって放射される電磁場の波長の少なくとも1/8の距離に設けられている、請求項3を引用する請求項5に記載の補聴器。
  7. 前記アンテナは、モノポール・アンテナである、請求項1から6のいずれか一項に記載の補聴器。
  8. 前記第1伝送線路と前記補聴器アセンブリの前記第1の側部の近くを延在する前記部分との間の前記接続部は、前記補聴器アセンブリの前記第1の側部にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の補聴器。
  9. 前記第1のブランチはループを形成し、及び/又は、前記第2のブランチはループを形成する、請求項2に記載の補聴器。
  10. 前記第1の側部は前記補聴器アセンブリの長手方向の第1のであり、前記第2の側部は、前記補聴器アセンブリの前記長手方向の第2のである、請求項1から9のいずれか一項に記載の補聴器。
  11. 前記第1の側部の近くを延在する前記アンテナの前記部分と前記第2の側部の近くを延在する前記アンテナの前記部分とが対称である、請求項1から10のいずれか一項に記載の補聴器。
  12. 前記補聴器は、使用時に使用者の耳の後ろに位置決めされるように構成された耳裏型補聴器であり、前記第1の側部は、前記補聴器アセンブリの長手方向の第1のであり、前記第2の側部は、前記補聴器アセンブリ前記長手方向の第2のである、請求項1から11のいずれか一項に記載の補聴器。
  13. 前記第1の側部から前記第2の側部に延在する前記アンテナの前記少なくとも一部は、前記第1の側部から前記補聴器の中点を介して前記第2の側部へ延在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の補聴器。
  14. (1)前記中点から前記接続部までの距離と(2)前記中点から前記少なくとも一つのグランド接続部までの距離との間の相対差異は、25%より小さい、請求項3を引用する請求項13に記載の補聴器。
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