JP6553356B2 - 転写装置および転写方法 - Google Patents

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Description

この発明は、2枚の板状体を当接させて、一方の板状体から他方の板状体に被転写物を転写する転写装置および転写方法に関するものである。
ガラス基板や半導体基板などの板状体にパターンや薄膜を形成する技術として、2枚の板状体を互いに当接させて、一方の板状体の主面に担持されたパターンや薄膜等の被転写物を他方の板状体に転写するものがある。例えば本願出願人が先に開示した特許文献1に記載の技術では、表面にパターンを担持するブランケットと基板とを対向配置し、長尺のローラ部材によりブランケットを押し上げて基板に当接させる。そして、ブランケットを押し上げながらローラ部材がブランケットに沿って移動することにより、パターンがブランケットから基板に転写される。
特開2014−144628号公報
このようにローラ部材を用いた押し付けにより2枚の板状体を当接させる技術では、各部材の弾性等に起因して、ローラ部材が一の板状体を押し上げてから2枚の板状体の間に一定かつ均等な押圧力が作用するまでには時間遅れが不可避的に生じる。一方、転写を良好に進行させるためには、板状体が一定の押圧力で押圧された状態でローラ部材が移動する必要がある。そのため、ローラ部材が板状体に当接してから板状体の表面に沿った移動を開始するまでの間に一定の待ち時間を設ける必要があり、このことが転写処理のスループットを低下させる原因となり得る。というのは、押圧が不十分な状態でローラ部材が移動開始すると両板状体の間に気泡が挟まれるなどの不具合が生じ得るため、これを確実に回避し、また各部材の特性ばらつきにも対応するためには、相当に長い待ち時間を設けておく必要があるからである。
このことから、上記の待ち時間を最適化して処理のスループットを向上させることが望まれるが、上記従来技術ではこの問題が考慮されておらず、上記要求に応えることのできる構成とはなっていなかった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、2枚の板状体を当接させて被転写物を転写する転写装置および転写方法において、ローラ部材が板状体に当接してから移動を開始するまでの時間を最適化して、転写処理のスループットを向上させることを目的とする。
この発明にかかる転写装置は、上記目的を達成するため、第1板状体を保持する第1保持手段と、第2板状体を、その一方主面を前記第1板状体の一方主面と近接対向させた状態で保持する第2保持手段と、前記第2板状体の前記一方主面と反対の他方主面に沿って延設され、前記他方主面に当接して前記第2板状体を前記第1板状体に押し付けながら前記他方主面に沿って移動するローラ部材と、前記ローラ部材を前記他方主面に対して離当接移動させるための駆動力を発生する駆動力発生手段と、前記駆動力発生手段の負荷を検出する検出手段と、前記ローラ部材を前記他方主面に沿って移動させる移動手段と、前記移動手段が前記ローラ部材の移動を開始した後、前記駆動力発生手段の負荷が一定となるように、前記駆動力発生手段の出力を制御する制御手段とを備え、前記ローラ部材が前記第2板状体に離間対向する状態から、前記駆動力発生手段が前記ローラ部材を前記第2板状体に向かって移動させて前記第2板状体に当接させ、前記検出手段により検出される前記駆動力発生手段の負荷が予め定められた閾値に達したときに、前記移動手段が前記ローラ部材の移動を開始し、前記閾値は、前記ローラ部材が前記第1板状体に前記第2板状体を押し付けながら移動する際の前記駆動力発生手段の負荷の大きさより小さい値である。
また、この発明にかかる転写方法は、上記目的を達成するため、2枚の板状体を当接させて、一方の前記板状体の一方主面に担持された被転写物を他方の前記板状体の一方主面に転写する転写方法において、前記2枚の板状体である第1板状体と第2板状体とを、前記一方主面同士を近接対向させて保持する保持工程と、前記第2板状体の前記一方主面と反対の他方主面に沿って延設されたローラ部材を前記他方主面に当接させ、駆動力発生手段が発生する駆動力により前記ローラ部材により前記第2板状体を前記第1板状体に押し付ける初期当接工程と、前記ローラ部材により前記第2板状体を前記第1板状体に押し付けながら、前記ローラ部材を前記他方主面に沿って移動させる移動工程とを備え、前記初期当接工程では、前記駆動力発生手段の負荷を検出し、検出される前記駆動力発生手段の負荷が予め定められた閾値に達したときに、前記移動工程が開始され、前記移動工程では、前記駆動力発生手段の負荷が一定となるように、前記駆動力発生手段の出力が制御され、前記閾値は、前記移動工程において前記ローラ部材が前記第1板状体に前記第2板状体を押し付けながら移動する際の前記駆動力発生手段の負荷の大きさより小さい値である。
上記のように構成された発明では、ローラ部材を第2板状体に当接させて第1板状体へ押し付けるための駆動力を発生する駆動力発生手段の負荷が検出され、その検出結果に基づいてローラ部材の移動開始タイミングが決定される。ローラ部材が第2板状体に接近し当接する過程においては、駆動力発生手段の負荷は概ね一定かつ比較的軽い。一方、ローラ部材が第2板状体に当接し、第2板状体を押し上げて第1板状体に押し付ける過程では、駆動力発生手段の負荷が次第に増大する。第2板状体が第1板状体に対し一定の押圧力で押圧されているとき、駆動力発生手段の負荷も一定の大きさとなる。
このことから、次第に増加する駆動力発生手段の負荷が所定値となったことを以って第1板状体と第2板状体との押圧力が所望の大きさとなったと推定することが可能である。したがって、ローラ部材が第1板状体と第2板状体とを押し付けて移動する際の駆動力発生手段の負荷の大きさに応じて適宜の閾値を予め設定しておき、駆動力発生手段の負荷が当該閾値に達した後にローラ部材の移動を開始するようにすれば、押圧力不足に起因する転写の不具合を確実に防止してローラ部材を移動させることができる。また、必要以上の待ち時間を設ける必要がなく、待ち時間を最適化して転写処理のスループットを向上させることが可能となる。
上記のように、本発明によれば、第2板状体に対しローラ部材を接近させるための駆動力を発生する駆動力発生手段の負荷が所定の閾値以上となった後に、ローラ部材の移動が開始される。このため、転写の不具合を防止しながら、ローラ部材が移動開始するまでの待ち時間を最適化して転写処理のスループット向上を図ることができる。
この発明にかかる転写装置の一実施形態を模式的に示す側面図である。 この転写装置の主要部の構成を示す図である。 転写ローラブロックを示す図である。 この転写装置による転写処理を示すフローチャートである。 転写処理の過程における各部の位置を模式的に示す第1の図である。 転写処理の過程における各部の位置を模式的に示す第2の図である。 転写処理の動作を示すタイミングチャートである。 転写ローラとブランケットとの初期接触段階を説明する図である。 トルク制御の利点を説明する図である。 ローラユニットの変形例を示す図である。
図1はこの発明にかかる転写装置の一実施形態を模式的に示す側面図である。また、図2はこの転写装置の主要部の構成を示す図である。各図における方向を統一的に示すために、図1に示すようにXYZ直交座標軸を設定する。ここでXY平面が水平面、Z軸が鉛直軸を表す。より詳しくは、(+Z)方向が鉛直上向き方向を表している。
この転写装置1は、図示しないメインフレームに上ステージブロック2、下ステージブロック3および転写ローラブロック4が取り付けられた構造を有している。また、転写装置1は上記以外に、予め記憶された処理プログラムに従い装置各部を制御して所定の動作を実行する制御ユニット9を有している。
最初に装置1の全体構成を説明する。なお、上ステージブロック2および下ステージブロック3の細部の構造については、例えば前記した特許文献1(特開2014−144628号公報)に記載されたものを用いることが可能であり、ここではその概要のみを説明する。
転写装置1は、下ステージブロック3により保持されたブランケットBLと、上ステージブロック2により保持された版PPまたは基板SBとを互いに当接させることでパターン形成を行う装置である。この装置1によるパターン形成プロセスは、より具体的には以下の通りである。まず、パターン形成材料が一様に塗布されたブランケットBLに対して、形成すべきパターンに対応して作成された版PPを当接させることにより、ブランケットBLに担持された塗布層をパターニングする(パターニング処理)。そして、こうしてパターニングされたブランケットBLと基板SBとを当接させることで、ブランケットBLに担持されたパターンを基板SBに転写する(転写処理)。これにより、基板SBに所望のパターンが形成される。
このように、この転写装置1は基板SBに所定のパターンを形成するパターン形成プロセスにおけるパターニング処理および転写処理の両方に使用することが可能であるが、これらの処理の一方のみを受け持つ態様で用いられてもよい。また、ブランケットBLに担持された薄膜を基板SBに転写する目的にも使用可能である。以下、ブランケットBL表面に形成されたパターンまたは薄膜を基板SBに転写する転写処理を前提として装置の構成および動作について説明するが、基板SBを版PPに読み換えることにより、パターニング処理における動作も説明される。
上ステージブロック2は、下面が平坦な基板保持面21aとなった上ステージ21を備えている。上ステージ21は、Y方向に延びる梁部材22の下部に取り付けられて、梁部材22により基板保持面21aが水平姿勢となるように保持されている。梁部材22は、Y方向に離隔して配置された1対のステージ昇降機構23,23により鉛直方向(Z方向)に昇降自在に保持されている。これにより、上ステージ21はZ方向に移動可能となっている。
この実施形態では、ステージ昇降機構23の一例としてボールねじ機構が用いられるが、これに限定されるものではない。ステージ昇降機構23は、支持部材231,232によりメインフレームに対し回転自在に支持されたボールねじ233と、これを回転させるモータ234と、ボールねじ233に取り付けられたナット部235とを備えている。ボールねじ233とモータ234とはカップリング236を介して連結されている。モータ234は制御ユニット9に設けられたステージ昇降制御部91によって制御され、ステージ昇降制御部91からの制御信号に応じてモータ234が回転することで上ステージ21が昇降する。
図には現れないが、上ステージ21の下面(基板保持面)21aには吸着溝または吸着孔が設けられており、制御ユニット9に設けられた吸着制御部92から負圧が必要に応じて供給される。これにより、上ステージ21は、基板保持面21aに当接する基板SBの上面を吸着保持することができる。基板保持面21aの平面サイズは保持すべき基板SBのサイズより少し小さく形成されている。
このように構成された上ステージブロック2により、基板SBが水平姿勢に保持される。基板SBは、パターンまたは薄膜が転写されるべき被転写面が下向きとなるように装置1に搬入される。また、ステージ昇降機構23が上ステージ21を昇降させることにより、次に説明する下ステージに保持されるブランケットBLと基板SBとの間のギャップが規定の値に調整される。
下ステージブロック3は、上ステージ21の下方に配置され、中央部に開口部311が設けられ上面が平坦かつ水平なブランケット保持面31aとなった下ステージ31を備えている。下ステージ31は複数の支柱32により支持されている。下ステージ31の平面サイズは保持すべきブランケットBLのサイズより大きく、また開口部311の開口サイズは基板SBの平面サイズより大きい。これにより、ブランケットBLはその周縁部のみが下ステージ31に当接し、中央部は下面が開放された状態で、下ステージ31に保持される。下ステージ31の上面(ブランケット保持面)31aのうちブランケットBLと当接する領域に、吸着溝312が設けられている。吸着溝312には制御ユニット9の吸着制御部92から負圧が必要に応じて供給される。これにより、ブランケットBLが下ステージ31上に吸着保持される。ブランケットBLは、基板SBに転写すべきパターンまたは薄膜を担持する担持面を上向きにして水平姿勢に保持される。
下ステージ31を保持する支柱32は図示を省略するアライメントステージに取り付けられており、制御ユニット9に設けられたアライメント制御部93がアライメントステージを駆動することにより、下ステージ31が水平面(XY平面)内で移動する。これにより、上ステージ21に保持された基板SBと下ステージ31に保持されたブランケットBLとの水平方向における相対位置が最適化される。
下ステージブロック3はさらに、X方向に間隔を空けて向かい合うように設けられた1対の昇降ハンドユニット33,34を備えている。昇降ハンドユニット33と昇降ハンドユニット34とは、YZ平面に対して互いに対称な形状を有しているが、これらの構造は基本的に同一である。
昇降ハンドユニット33は、下ステージ31の開口部311に臨んでY方向に沿って順に設けられた複数本(ここでは一例として4本)の昇降ハンド331,332,333,334と、これらの昇降ハンドを個別に昇降させる駆動部335とを備えている。同様に、昇降ハンドユニット34は、下ステージ31の開口部311に臨んでY方向に沿って順に設けられた昇降ハンド341,342,343,344と、これらの昇降ハンドを個別に昇降させる駆動部345とを備えている。駆動部335,345は制御ユニット9に設けられたハンド昇降制御部94により制御されており、ハンド昇降制御部94からの制御信号に応じて各昇降ハンドの鉛直方向位置を個別に制御する。
各昇降ハンドは、その上面が下ステージ31の基板保持面31aと同一平面となる位置に位置決めされることで、下面が開放された状態で下ステージ31に保持されるブランケットBLの中央部下面を補助的に支持する。これにより、ブランケットBLの撓みを抑えて平坦に支持することができる。また、必要に応じて下方に退避することで、次に説明する転写ローラの走行との干渉を回避する。
転写ローラブロック4は、下ステージ31の下方でメインフレームに固定され、Y方向に延びるガイドレール41と、ガイドレール41に沿って設けられたボールねじ機構42と、ボールねじ機構42のナット部425に取り付けられたローラユニット43とを備えている。
図3は転写ローラブロックを示す図である。より具体的には、図3(a)は転写ローラブロック4の構造を示す斜視図であり、図3(b)は転写ローラブロック4と昇降ハンドユニット33,34との位置関係を示す図である。転写ローラブロック4では、ガイドレール41に沿ってボールねじ機構42が設けられている。より具体的には、ガイドレール41の両端近傍に設けられた支持部材421,422によりボールねじ423が支持されており、ボールねじ423はカップリング426を介してモータ424により回転される。ボールねじ423にはナット部425が取り付けられている。モータ424が回転することにより、ナット部425ガイドレール41に沿ってY方向に水平移動する。
ナット部425に取り付けられたローラユニット43は、X方向を長手方向とするローラ形状に形成された転写ローラ431を備えている。転写ローラ431は、支持部材432により、X方向と平行な回転軸周りに回転自在に支持されている。転写ローラ431の表面は弾性体、例えばゴム素材により形成されており、X方向における転写ローラ431の長さは基板SBのX方向長さよりも長い。
またナット部425には、転写ローラ431を昇降させるローラ昇降機構としてのボールねじ機構が取り付けられている。より具体的には、ナット部425から上方に延びるフレームに対してボールねじ434が回転自在に支持されており、ボールねじ434にナット部435が取り付けられている。ボールねじ434は鉛直方向を軸方向として支持され、カップリング437を介してモータ436により連結されてモータ436により回転駆動される。すなわち、モータ436がボールねじ434を回転させることで、ナット部435が鉛直方向に昇降移動する。これらのボールねじ434、ナット部435およびモータ436、カップリング437が一体としてボールねじ機構を構成する。
ナット部435から延びるアームに支持部材432が取り付けられている。なおアームと支持部材432とは一体形成されていてもよい。モータ436がボールねじ434を回転させることで、ナット部435とともに転写ローラ431が昇降移動する。これにより、転写ローラ431が、下ステージ31に保持されたブランケットBLの下面に対し接近および離間移動する。すなわち、当該ボールねじ機構(ボールねじ434、ナット部435、モータ436およびカップリング437)がローラ昇降機構として機能する。モータ436は、制御ユニット9に設けられたローラ昇降制御部95により制御される。
このような構成を有するローラユニット43は、モータ424の回転によりY方向に移動する。モータ424は制御ユニット9に設けられたローラ走行制御部97により制御されている。ローラ走行制御部97からの制御信号に応じてモータ424が回転すると、ボールねじ機構42のナット部425がガイドレール41に沿ってY方向に移動し、ナット部425の移動に伴ってローラユニット43が移動する。その結果、ローラユニット43に設けられた転写ローラ431が、ブランケットBL下面に沿ってY方向に走行する。このように、ガイドレール41およびボールねじ機構42は、転写ローラ431をY方向に走行させるローラ走行機構としての機能を有する。
このように、転写ローラ431は、ローラ昇降機構によるZ方向の昇降動作と、ローラ走行機構によるY方向の走行動作とが可能となっている。転写ローラ431(ローラユニット43)がY方向に走行するとき、昇降ハンドユニット33,34に設けられた各昇降ハンド331等とローラユニット43との干渉は以下のようにして回避されている。なお、以下では昇降ハンドユニット33,34に設けられた1対の昇降ハンド331,341とローラユニット43との位置関係を例として説明するが、他の昇降ハンドについても同様である。
図3(b)に示すように、ローラユニット43は、転写ローラ431が下ステージ31に保持されたブランケットBLの下面に沿うように、Y方向に移動する。X方向において、対向配置された昇降ハンド331,341の先端同士は離隔しており、これらの間隙を通ってローラユニット43のローラ昇降機構(ボールねじ434、ナット部435およびモータ436)が走行する。したがって、ローラ昇降機構と昇降ハンド331,341との干渉は構造的に回避されている。
一方、昇降ハンド331,341がブランケットBL下面に当接または近接した状態では、これらの昇降ハンド331,341と、転写ローラ431および支持部材432との接触が生じ得る。この問題に対しては、昇降ハンド331,341が一体的に、その上面が支持部材432の下面よりも下方位置となるまで下降することにより対応する。すなわち、ローラユニット43のY方向への走行に同期して、昇降ハンドユニット33,34が各昇降ハンド331等を順次下方へ退避させる。これにより、転写ローラ431および支持部材432は昇降ハンド331等の上部を通過することとなり、ローラユニット43と昇降ハンド331等との干渉が回避される。
図1に戻って、転写装置1の構成の説明を続ける。ローラ走行機構を構成するモータ436にはトルク検出部438が接続されている。トルク検出部438はモータ436にかかる負荷トルクを直接または間接に検出するものであり、その検出方式は任意である。例えばモータ436に内蔵されたトルクセンサを用いてもよく、またモータ436に流入する電流量からモータ436の発生トルクを求めるようにしてもよい。
トルク検出部438から出力されるトルク検出信号は、制御ユニット9に設けられたトルク判定部96に入力される。後述するように、トルク判定部96はトルク検出値に基づきローラ昇降制御部95およびローラ走行制御部97を制御することで、ローラユニット43の動作をモータ436の負荷トルクに応じて制御する。
次に、上記のように構成された転写装置1による転写処理について説明する。前述の通り、ここではブランケットBLから基板SBにパターンまたは薄膜を転写する転写処理について説明するが、基板SBを版PPに読み換えることにより、パターニング処理における動作も説明される。
図4はこの転写装置による転写処理を示すフローチャートである。また、図5および図6は転写処理の過程における各部の位置を模式的に示す図である。また図7は転写処理の動作を示すタイミングチャートである。
転写処理では、最初に、パターンまたは薄膜を転写されるべき基板SBが装置に搬入され、上ステージ21にセットされる(ステップS101)。上ステージ21は、パターンまたは薄膜が転写される被転写面を下向きにして基板SBを吸着保持する。続いて、基板SBに転写すべきパターンまたは薄膜を担持するブランケットBLが装置に搬入され、下ステージ31にセットされる(ステップS102)。下ステージ31は、パターンまたは薄膜を担持する担持面を上向きにしてブランケットBLを吸着保持する。
次に、装置各部が所定の初期位置に位置決めされる(ステップS103)。図5(a)は各部の初期位置を示している。上ステージ21および下ステージ31は、基板SBとブランケットBLとが所定のギャップを隔てて平行に対向し、かつ水平方向にはブランケットBLに担持されたパターンPTまたは薄膜と基板SBとが予め定められた位置関係となるように位置決めされる。また、昇降ハンド331等はその上面が下ステージ31の上面と同一平面となる位置まで上昇し、ブランケットBLの下面に当接してブランケットBLを水平姿勢に支持する。ローラユニット43は、Y方向における基板SBの一方端部の直下位置で、かつ転写ローラ431がブランケットBLの下面から十分に下方へ退避した退避位置に位置決めされる。
この状態から転写ローラ431が上昇してブランケットBLの下面に当接する。具体的には、図7に示すように、時刻T0においてローラ昇降機構を構成するモータ436が作動して、転写ローラ431を、退避位置よりも上方であってブランケットBL下面より僅かに下方の接触前位置まで所定の第1速度V1で上昇させる(ステップS104)。このときのモータ制御は位置制御または速度制御とされる。この時点(図7における時刻T1)では、転写ローラ431の上端はブランケットBLに接触していない。
転写ローラ431が接触前位置まで到達すると(図7の時刻T1)、モータ436の回転が減速され、転写ローラ431の上昇速度が第1速度V1より低速の第2速度V2に変更される(ステップS105)。これにより、転写ローラ431が低速でさらに上昇して、その上端がブランケットBL下面に接触する(図7の時刻T2)。
遅くとも上昇速度が第2速度V2に変更される時点までに、トルク検出部438によるトルク検出が開始される(ステップS106)。図7に示すように、トルク検出部438により検出されるモータ436の負荷トルクは、転写ローラ431がブランケットBLに当接するまでは比較的小さな一定値を示し、転写ローラ431がブランケットBLに当接する時刻T2以降、次第に上昇する。このようにして随時トルク検出が行われ、トルク検出値が所定の閾値Tthに到達するまで(ステップS107)、転写ローラ431の上昇が継続される。
転写ローラ431がブランケットBL下面に当接した後も上昇を続けることにより、図5(b)に示すように、ブランケットBLが転写ローラ431により押し上げられ、最終的にはブランケットBL上面が基板SBの下面に当接する。これにより、ブランケットBL上面に担持されたパターンまたは薄膜PTが基板SBに密着する。さらに転写ローラ431がブランケットBLを押し上げることで、パターンまたは薄膜PTが基板SBに押し付けられる。こうしてパターンまたは薄膜PTが基板SBに転写される。パターンまたは薄膜PTを基板SBに良好に転写するために、転写ローラ431が一定の押圧力でブランケットBLを基板SBに押圧することが必要とされる。
図7に示すように、転写ローラ431は退避位置から接触前位置までは比較的高速で上昇する一方、接触前位置を通過すると比較的低速でブランケットBLに向けて上昇する。転写ローラ431とブランケットBLとが接触しない接触前位置までは位置制御または速度制御により比較的高速で転写ローラ431を上昇させることで、転写ローラ431を退避位置から接触前位置まで移動させるのに要する時間を短くすることができる。また、接触前位置以降では上昇速度を低下させることで、転写ローラ431が勢いよくブランケットBLに衝突したり、ブランケットBLや基板SBを過剰な押圧力で押圧してしまうという問題が回避される。このように上昇速度を2段階とすることで、処理時間を短縮しつつ転写処理を適正に進行させることができる。
転写ローラ431がブランケットBLに当接してこれを押し上げ、さらに基板SBに当接させる過程においては、モータ436の負荷トルクは次第に増加してゆく。トルク検出値が閾値Tthに達すると(ステップS107においてYES、図7の時刻T3)、モータ436の制御がトルク制御に変更される(ステップS108)。これ以後はモータ436の負荷トルクが一定の目標値Ttgtとなるように、ローラ昇降制御部95はトルク判定部96からの出力に基づいてモータ436を制御する。これにより、ブランケットBLと基板SBとの間の押圧力を一定に維持することができる。
また、時刻T3またはこれ以降において、ローラ走行機構を構成するモータ424がオンとなり、転写ローラ431のY方向への走行が開始される(ステップS109)。これにより、転写ローラ431がブランケットBLの下面に当接して従動回転しながらY方向へ走行する。
図5(c)および図6(a)に示すように、転写ローラ431がブランケットBLを基板SBに押し付けながらY方向に移動することで、パターンまたは薄膜PTを介してブランケットBLと基板SBとが密着する領域がY方向に広がってゆく。こうしてパターンまたは薄膜PTが順次基板SBに転写される(転写処理)。転写ローラ431は、ブランケットBLを一定の押圧力で押圧することのできる押圧位置まで上昇し、この状態でY方向に走行する。
このとき、昇降ハンド機構33,34は、走行するローラユニット43との干渉を避けるために、昇降ハンド331(341),332(342),333(343),334(344)をローラユニット43の移動に伴って順次下降させてゆく。
転写ローラ431が基板SBの他方端部直下の終了位置に到達するまで(ステップS110)、ローラユニット43の走行が継続される。これにより、基板SB全体がブランケットBLに当接し、基板SBへのパターンまたは薄膜PTの転写が完了する。この時点でローラユニット43の移動が停止され、図6(c)に示すように、ローラユニット43がブランケットBLから離間して下方へ退避する(ステップS111)。こうして密着されたブランケットBLと基板SBとが一体的に搬出されて(ステップS112)、この転写装置1における転写処理は終了する。
次に、トルク検出値に対して定めた閾値Tthの意味について説明する。この閾値Tthは、ローラ走行機構が作動してローラユニット43がY方向に走行開始するタイミングを規定するために設定される。すなわち、この実施形態では、トルク検出部438により検出されるモータ436の負荷トルクが閾値Tthに達した後にローラユニット43の走行が開始される。これは、以下に説明するように、転写ローラ431がブランケットBLに接触し始める初期接触段階において、転写ローラ431によるブランケットBLへの押圧力がX方向において一定となってからローラユニット43の走行が開始されるようにするためである。
図8は転写ローラとブランケットとの初期接触段階を説明する図である。図8(a)に誇張して示すように、転写ローラ431は、X方向における中央部が端部に比べてブランケットBL側に僅かに突出するように、上に凸の弓なりに支持部材432に支持されている。これは、初期接触段階において転写ローラ431により押し上げられるブランケットBLと基板SBとの当接が、X方向の中央部から始まり端部に広がってゆくようにすることで、ブランケットBLと基板SBとの間(より正確には、ブランケットBLに担持されたパターンまたは薄膜PTと基板SBとの間)に気泡が入り込むのを防止するためである。
初期接触段階において転写ローラ431は、図8(a)に示すようにX方向における中央部付近からブランケットBLに当接し始める。そして、転写ローラ431の上昇につれて当接範囲が両端部に向けて広がり、最終的には、図8(b)に示すようにX方向の全域において均等にブランケットBLを押圧する。
ブランケットBL下面において比較的早い段階で転写ローラ431に当接する中央部の点Paと、これより後で転写ローラ431に当接する端部近傍の点Pbとの間で、転写ローラ431から受ける押圧力(面圧)を比較する。図8(c)に示すように、点Paにおいては面圧の上昇が比較的早いタイミングで始まり、時間とともに当接範囲が広がることで一定値に近づくのに対し、点Pbにおいては、面圧上昇の立ち上がりおよび一定値への漸近がより遅れる。
X方向においてブランケットBLに均等な面圧を与えた状態で転写ローラ431の走行を開始させるためには、端部近傍の点Pbにおける面圧が十分に上昇するのを待つ必要がある。しかしながら、Z方向における転写ローラ431の位置や転写ローラ431の上昇速度からこのタイミングを見極めることは難しい。特に、転写ローラ431やブランケットBLの表面が弾性を有する場合、押圧力がブランケットBLと基板SBとの当接箇所まで伝達されるのに時間遅れがあるため、転写ローラ431が押圧位置に到達してから面圧が均等化されるまでのタイミングを把握することがさらに困難となる。
簡易的には、転写ローラが押圧位置に到達してから走行を開始するまでに比較的長い時間間隔をおくことで、面圧が均等化されるようにすることは可能である。しかしながら、このことは処理の待ち時間を増大させスループットを低下させる要因となる。また、ブランケットBLや基板SBの厚さのばらつきに起因して、面圧が適正値とならない場合もあり得る。
一方、転写ローラ431を昇降させる駆動力を発生するモータ436の負荷トルクに着目すると、点Paへの押圧が開始され、点Pbまで面圧が均等化されるまでの過程において、負荷トルクは上昇を続けている。このことから、点Pbにおける面圧が所定値に達するときのモータ436の負荷トルクの値を予め求めておけば、負荷トルクの検出値から点Pbに所定の面圧が加わるタイミングを知ることが可能となる。すなわち、負荷トルクの検出値に基づいて転写ローラ431の走行開始タイミングを決めることにより、ブランケットBLと基板SBとの間に均等な押圧力を与えた状態で転写ローラ431の走行を開始することができる。
トルク検出値の閾値Tthについては、このように初期接触段階においてブランケットBLの端部Pbに十分な押圧力が与えられるときのモータ436の負荷トルクの大きさとして、予め実験的に定められる。そのため、この転写装置1では、初期接触段階においてブランケットBLと基板SBとの間に均等な押圧力を与えた状態で転写ローラ431の走行を開始することができる。これにより、転写品質を良好にすることができる。また、トルク検出値が閾値Tthに達した後、速やかに転写ローラ431の走行を開始するようにすれば、無駄な待ち時間を短縮し、処理のスループットを向上させることができる。
トルク検出値が閾値Tthに達して以降、モータ436はトルク制御される。負荷トルクが一定となるようにモータ436が制御されることで、ブランケットBLおよび基板SBに過剰な押圧力が印加されるのを防止することができる。なお、トルク検出値が閾値Tthに達する前にトルク制御が開始されるようにしてもよく、例えば図7に点線矢印で示したように、転写ローラ431が接触前位置に達する時刻T1にトルク制御が開始されてもよい。このようにすると、負荷トルクが閾値Tthに近づくまでは比較的高速で転写ローラ431が上昇することになり、転写ローラ431の走行が開始されるまでの時間をさらに短縮することも可能である。
一方、本実施形態のように、接触前位置以降の転写ローラ431の上昇速度を低速とした場合には、制御系のオーバーシュートに起因する過剰な押圧力の印加を防止することができる。この場合にも、トルク検出値が閾値Tthに達した時点で遅滞なくトルク制御を行うことで、以後の押圧力を一定に維持することが可能となる。
トルク制御における目標値Ttgtは、ブランケットBLと基板SBとの間に所定の押圧力を与えるために必要なトルク値として設定される。目標値Ttgtと閾値Tthとは同一値であってもよく、また閾値Tthが目標値Ttgtより少し小さな値として設定されてもよい。例えば、ブランケットBLと基板SBとの間の押圧力に幾らかのオーバーシュートが許容される系では、目標値Ttgtと閾値Tthとを同一とすることができる。一方、オーバーシュートが許容されない系では、閾値Tthを目標値Tgtより少し小さく、例えば目標値Tgtの90%とすることができる。
また、転写ローラ431の走行中にもモータ436をトルク制御することにより、次のような利点が得られる。
図9はトルク制御の利点を説明する図である。図9(a)に示すように、ブランケットBLの下面が平坦でなく、Z方向に位置が変動して波打っているケースを考える。このようなケースは、上ステージ21の基板保持面21aの平面度、基板SBおよびブランケットBLの厚みのばらつきや反り等に起因して現実的に起こり得るものである。このようなケースにおいて、転写ローラ431の高さ(Z方向位置)を一定に維持する位置制御では、図9(b)に点線で示すように、このような位置変動に追随することができず、結果的に押圧力が変動してしまう。
これに対して、トルク制御を行った場合、図9(b)に実線で示すように、転写ローラ431の高さはブランケットBLの位置変動に対応して変化するものの、トルク検出値が一定となるようにモータ436が制御されることにより押圧力は一定に維持される。これにより、ブランケットBLと基板SBとが一定の押圧力で押圧されて、ブランケットBLから基板SBへのパターン等の転写を良好に進行させることができる。このことは、位置制御を行う形態と比べて上ステージ21に要求される加工精度が低くて済むことを意味し、装置コストの低減を図る上でも有利である。
以上のように、この実施形態の転写装置1では、ブランケットBLを押し上げて基板SBに当接させる転写ローラ431を昇降させるための駆動力を発生するモータ436の負荷トルクが検出される。そして、その検出結果に基づいて、ブランケットBLに沿った転写ローラ431の走行開始タイミングが決定される。具体的には、ブランケットBLの押し上げに伴って増加するトルク検出値が予め定められた閾値Tth以上となったときに、転写ローラ431の走行が開始されるように制御される。閾値Tthは、初期接触段階において転写ローラ431からブランケットBLに与えられる押圧力(面圧)がX方向において略一定となるときの負荷トルクの値として予め定められている。
そのため、転写ローラ431からブランケットBLに対し均等かつ十分な押圧力が印加された状態で転写ローラ431の走行を開始させることができ、転写品質を良好に維持することができる。また、無駄な待ち時間を省いて、処理のスループットを向上させることができる。
以上説明したように、上記実施形態においては、基板SBが本発明の「第1板状体」に相当し、その下面が「一方主面」、上面が「他方主面」に相当している。また、ブランケットBLが本発明の「第2板状体」に相当し、その上面が「一方主面」、下面が「他方主面」に相当している。また、パターンまたは薄膜PTが本発明の「被転写物」に相当している。
また、上記実施形態では、上ステージ21が本発明の「第1保持手段」として機能しており、基板保持面21aが本発明の「当接面」に相当している。また、下ステージ31が本発明の「第2保持手段」として機能している。また、転写ローラ431が本発明の「ローラ部材」として機能し、モータ436が本発明の「駆動力発生手段」および「モータ」として機能している。また、トルク検出部438が本発明の「検出手段」として機能している。また、ローラ走行機構を構成するガイドレール41およびボールねじ機構42が一体として、本発明の「移動手段」として機能している。
また、この実施形態においては、転写ローラ431の退避位置が本発明の「第1位置」に相当し、接触前位置が本発明の「第2位置」に相当する。そして、図7において、退避位置とブランケット下面との間隔D1が本発明の「第1間隔」に相当し、接触前位置とブランケット下面との間隔D2が本発明の「第2間隔」に相当している。
また、図4に示す転写処理において、ステップS101、S102が本発明の「保持工程」に相当し、ステップS103〜S107が本発明の「初期当接工程」に相当している。そして、ステップS109〜S111が本発明の「移動工程」に相当する。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、本発明の「駆動力発生手段」として機能するモータ436の負荷トルクをトルク検出部438により検出しているが、駆動力発生手段の負荷の大きさを検出する手段としてはこれに限定されない。例えば次のようにしてもよい。
図10はローラユニットの2つの変形例を示す図である。これらの変形例では、トルク検出部438によりモータ436の負荷トルクを検出するのに代えて、転写ローラ431がブランケットBLを押圧する際の圧力を検出する手段が設けられている。なお、図10において、図1に示す上記実施形態のローラユニット43と同一または相当する構成には同一符号を付して説明を省略する。また、下記以外の構成は上記実施形態と同様であるため説明を省略する。
図10(a)に示す第1の変形例では、転写ローラ431を支持する支持部材432とローラ昇降機構のナット部435との間に圧力センサ441が配置される。また、図10(b)に示す第2の変形例では、ローラ昇降機構のフレーム433とローラ走行機構のナット部425との間に圧力センサ442が配置される。これらの圧力センサ441,442の出力は、制御ユニット9に設けられる圧力判定部98に入力される。圧力判定部98は、上記実施形態のトルク判定部96に代えて設けられるものであり、圧力センサ441,442からの出力に基づきローラ昇降制御部95およびローラ走行制御部97を制御する。
これらの変形例では、圧力センサ441,442により検出される圧力の大きさによってモータ436の負荷量が表される。これらの構成によっても、初期接触段階においてブランケットBLに均等な面圧が印加されるときの圧力センサ441,442の検出値を予め求めて閾値を設定しておき、転写ローラ431の上昇に伴い増加する圧力検出値が当該閾値に達したときに転写ローラ431の走行を開始することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。これらの態様では、圧力センサ441,442が本発明の「検出手段」として機能することになる。
また、上記実施形態における「駆動力発生手段」は回転力を発生するモータであるが、転写ローラ431を昇降駆動させるための駆動力の発生源はこのような回転モータに限定されない。基準信号に基づきその出力を適宜に調整することのできる種々の動力源を、本発明の「駆動力発生手段」として用いることができる。例えばリニアモータを用いることが可能である。
また、上記実施形態では、転写ローラ431がブランケットBLに向けて上昇する際、上昇速度を2段階に変更しているが、このことは必須の要件ではない。例えば、転写ローラ431が接触前位置に到達した段階でトルク制御を行うようにすれば、特に上昇速度を制御する必要はない。また、速度制限を設けたトルク制御を行うようにしてもよい。また、転写ローラ431がブランケットBLに当接したことを検知する手段が設けられている場合には、トルク制御の開始タイミングを転写ローラ431がブランケットBLに当接する時刻T2としてもよい。
また、上記実施形態はブランケットBLに担持されたパターン等の被転写物を基板SBに転写する転写装置であるが、本発明の技術思想は、このようなパターン等を転写する転写装置に限定されず、例えばパターン等を介さず2枚の板状体を貼り合わせる技術にも適用可能である。
以上、具体的な実施形態を例示して説明してきたように、この発明では、例えば、駆動力発生手段が回転力を発生するモータであり、検出手段がモータの負荷トルクを検出する構成であってもよい。モータの回転運動を変換機構により適宜の方向の運動に変換することで、モータの回転力を駆動力としてローラ部材の昇降が可能である。モータの負荷トルクを検出する種々の方法が確立されており、このような技術を利用して、ローラ部材の移動開始タイミングを最適化することができる。
また例えば、移動手段がローラ部材の移動を開始した後、駆動力発生手段の負荷が一定となるように、駆動力発生手段の出力が制御される構成であってもよい。負荷の大きさが一定となるように駆動力発生手段の出力を制御することで、第2板状体に対し一定の押圧力でローラ部材を押圧することができる。これにより、第1板状体と第2板状体とが互いに一定の押圧力で押圧され、押圧力の変動に起因する転写不良を防止して、被転写物の転写を良好に行うことができる。
また例えば、駆動力発生手段は、ローラ部材と第2板状体との間隔が第1間隔である第1位置から間隔が第1間隔より小さい第2間隔である第2位置までローラ部材を第1速度で前記第2板状体に向けて移動させ、第2位置に到達するとローラ部材を第1速度より低速の第2速度で移動させる構成であってもよい。ローラ部材が第2板状体に当接するときには、ローラ部材が第2板状体に勢いよく衝突するのを防止するために、比較的低速でローラ部材を移動させる必要がある。一方、第2板状体との間隔が比較的大きい段階では比較的高速でローラ部材を移動させることで、ローラ部材が第2板状体に当接するまでの時間を短縮することができる。このようにローラ部材の速度を切り替えることで、短時間でローラ部材を第2板状体に当接させ、しかも第2板状体への衝突を回避することができる。
また例えば、第2保持手段は、第2板状体の他方主面の中央部を開放した状態で第2板状体の周縁部を保持する構成であってもよい。こうすることで、ローラ部材が第2板状体の他方主面に当接して移動する間も、第2保持手段により第2板状体を保持しておくことができる。その結果、第2板状体の姿勢を適正に保持して転写を良好に行うことが可能となる。
また例えば、第2保持手段は、第2板状体の一方主面を上向きにした水平姿勢に第2板状体を保持する構成であってもよい。この場合、ローラ部材が第2板状体の下面(他方主面)に当接し、第2板状体を押し上げて第1板状体に当接させることとなる。ローラ部材の当接を受けるために下面側が開放されることにより、第2板状体が下向きに撓むことがあり得るが、第1板状体との間隔が広がる方向に撓むため、第1板状体と第2板状体とが不測の接触をすることはない。したがって、不測の接触による転写不良の発生を防止することができ、また予め設定される第1板状体と第2板状体との間隔を小さくすることができるので、転写時の第1板状体と第2板状体との位置ずれも抑えることができ、転写の位置精度を向上させることができる。
また例えば、第1保持手段は、第1板状体の一方主面と反対の他方主面に当接する平坦な当接面を有する構成であってもよい。第1板状体は第2板状体を介してローラ部材から押圧を受ける。第1板状体を平坦面に当接させておくことにより、ローラ部材からの押圧によって第1板状体が撓むのを防止して、転写を良好に進行させることができる。
また例えば、ローラ部材の表面が弾性体により形成されていてもよい。このような構成によれば、ローラ部材の弾性により第2板状体に均等な押圧力を与えることができる。ただし、その弾性に起因して、ローラ部材が押し付けられてから押圧力が均等化されるまでの時間遅れが生じる。このような場合に本発明を適用することで、押圧力が均等化されてからローラ部材の移動を開始させることができる。
この発明は、ガラス基板や半導体基板などの各種基板にパターンや薄膜等の被転写物を転写する処理に対して好適に適用可能である。
1 転写装置
21 上ステージ(第1保持手段)
21a 基板保持面(当接面)
31 下ステージ(第2保持手段)
41 ガイドレール(移動手段)
42 ボールねじ機構(移動手段)
43 ローラユニット
431 転写ローラ(ローラ部材)
436 モータ(駆動力発生手段、モータ)
438 トルク検出部(検出手段)
441,442 圧力センサ(検出手段)
BL ブランケット(第2板状体)
PT パターンまたは薄膜(被転写物)
SB 基板(第1板状体)
S101、S102 保持工程
S103〜S107 初期当接工程
S109〜S111 移動工程

Claims (11)

  1. 第1板状体を保持する第1保持手段と、
    第2板状体を、その一方主面を前記第1板状体の一方主面と近接対向させた状態で保持する第2保持手段と、
    前記第2板状体の前記一方主面と反対の他方主面に沿って延設され、前記他方主面に当接して前記第2板状体を前記第1板状体に押し付けながら前記他方主面に沿って移動するローラ部材と、
    前記ローラ部材を前記他方主面に対して離当接移動させるための駆動力を発生する駆動力発生手段と、
    前記駆動力発生手段の負荷を検出する検出手段と、
    前記ローラ部材を前記他方主面に沿って移動させる移動手段と
    前記移動手段が前記ローラ部材の移動を開始した後、前記駆動力発生手段の負荷が一定となるように、前記駆動力発生手段の出力を制御する制御手段と
    を備え、
    前記ローラ部材が前記第2板状体に離間対向する状態から、前記駆動力発生手段が前記ローラ部材を前記第2板状体に向かって移動させて前記第2板状体に当接させ、
    前記検出手段により検出される前記駆動力発生手段の負荷が予め定められた閾値に達したときに、前記移動手段が前記ローラ部材の移動を開始し、
    前記閾値は、前記ローラ部材が前記第1板状体に前記第2板状体を押し付けながら移動する際の前記駆動力発生手段の負荷の大きさより小さい値である転写装置。
  2. 前記駆動力発生手段は、前記ローラ部材と前記第2板状体との間隔が第1間隔である第1位置から前記間隔が前記第1間隔より小さい第2間隔である第2位置まで前記ローラ部材を第1速度で前記第2板状体に向けて移動させ、前記第2位置に到達すると前記ローラ部材を前記第1速度より低速の第2速度で移動させる請求項1に記載の転写装置。
  3. 第1板状体を保持する第1保持手段と、
    第2板状体を、その一方主面を前記第1板状体の一方主面と近接対向させた状態で保持する第2保持手段と、
    前記第2板状体の前記一方主面と反対の他方主面に沿って延設され、前記他方主面に当接して前記第2板状体を前記第1板状体に押し付けながら前記他方主面に沿って移動するローラ部材と、
    前記ローラ部材を前記他方主面に対して離当接移動させるための駆動力を発生する駆動力発生手段と、
    前記駆動力発生手段の負荷を検出する検出手段と、
    前記ローラ部材を前記他方主面に沿って移動させる移動手段と
    を備え、
    前記ローラ部材が前記第2板状体に離間対向する状態から、前記駆動力発生手段が前記ローラ部材を前記第2板状体に向かって移動させて前記第2板状体に当接させ、
    前記検出手段により検出される前記駆動力発生手段の負荷が予め定められた閾値に達した後に、前記移動手段が前記ローラ部材の移動を開始し、
    前記駆動力発生手段は、前記ローラ部材と前記第2板状体との間隔が第1間隔である第1位置から前記間隔が前記第1間隔より小さい第2間隔である第2位置まで前記ローラ部材を第1速度で前記第2板状体に向けて移動させ、前記第2位置に到達すると前記ローラ部材を前記第1速度より低速の第2速度で移動させる転写装置。
  4. 前記駆動力発生手段が回転力を発生するモータであり、前記検出手段が前記モータの負荷トルクを検出する請求項1ないし3のいずれかに記載の転写装置。
  5. 前記第2保持手段は、前記他方主面の中央部を開放した状態で前記第2板状体の周縁部を保持する請求項1ないしのいずれかに記載の転写装置。
  6. 前記第2保持手段は、前記一方主面を上向きにした水平姿勢に前記第2板状体を保持する請求項1ないしのいずれかに記載の転写装置。
  7. 前記第1保持手段は、前記第1板状体の前記一方主面と反対の他方主面に当接する平坦な当接面を有する請求項1ないしのいずれかに記載の転写装置。
  8. 前記ローラ部材の表面が弾性体により形成されている請求項1ないしのいずれかに記載の転写装置。
  9. 2枚の板状体を当接させて、一方の前記板状体の一方主面に担持された被転写物を他方の前記板状体の一方主面に転写する転写方法において、
    前記2枚の板状体である第1板状体と第2板状体とを、前記一方主面同士を近接対向させて保持する保持工程と、
    前記第2板状体の前記一方主面と反対の他方主面に沿って延設されたローラ部材を前記他方主面に当接させ、駆動力発生手段が発生する駆動力により前記ローラ部材により前記第2板状体を前記第1板状体に押し付ける初期当接工程と、
    前記ローラ部材により前記第2板状体を前記第1板状体に押し付けながら、前記ローラ部材を前記他方主面に沿って移動させる移動工程と
    を備え、
    前記初期当接工程では、前記駆動力発生手段の負荷を検出し、検出される前記駆動力発生手段の負荷が予め定められた閾値に達したときに、前記移動工程が開始され、
    前記移動工程では、前記駆動力発生手段の負荷が一定となるように、前記駆動力発生手段の出力が制御され、
    前記閾値は、前記移動工程において前記ローラ部材が前記第1板状体に前記第2板状体を押し付けながら移動する際の前記駆動力発生手段の負荷の大きさより小さい値である転写方法。
  10. 前記ローラ部材と前記第2板状体との間隔が第1間隔である第1位置から前記間隔が前記第1間隔より小さい第2間隔である第2位置まで前記ローラ部材を第1速度で前記第2板状体に向けて移動させ、前記第2位置に到達すると前記ローラ部材を前記第1速度より低速の第2速度で移動させる請求項に記載の転写方法。
  11. 2枚の板状体を当接させて、一方の前記板状体の一方主面に担持された被転写物を他方の前記板状体の一方主面に転写する転写方法において、
    前記2枚の板状体である第1板状体と第2板状体とを、前記一方主面同士を近接対向させて保持する保持工程と、
    前記第2板状体の前記一方主面と反対の他方主面に沿って延設されたローラ部材を前記他方主面に当接させ、駆動力発生手段が発生する駆動力により前記ローラ部材により前記第2板状体を前記第1板状体に押し付ける初期当接工程と、
    前記ローラ部材により前記第2板状体を前記第1板状体に押し付けながら、前記ローラ部材を前記他方主面に沿って移動させる移動工程と
    を備え、
    前記初期当接工程では、前記駆動力発生手段の負荷を検出し、検出される前記駆動力発生手段の負荷が予め定められた閾値に達した後に、前記移動工程が開始され、
    前記ローラ部材と前記第2板状体との間隔が第1間隔である第1位置から前記間隔が前記第1間隔より小さい第2間隔である第2位置まで前記ローラ部材を第1速度で前記第2板状体に向けて移動させ、前記第2位置に到達すると前記ローラ部材を前記第1速度より低速の第2速度で移動させる転写方法。
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