JP6553085B2 - 消化管癌においてバイオマーカーを測定する方法 - Google Patents
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Description
本発明は、分子生物学の分野に関する。とりわけ、本発明は、プロモーターの活性を決定する方法に関する。
胃癌(GC)は、世界的な癌死亡率の主な原因である。殆どのGCは、腺癌であり、最近のエクソーム及び全ゲノム研究が、新規のGCドライバー遺伝子及び突然変異シグネチャを明らかにした。蛋白質コード遺伝子に加えて、非コードゲノム領域の調節エレメントもまた、悪性度に寄与するものであると思われ、例えば、これらのエレメントは、クロマチン構造及び遺伝子発現に大いに影響を与え得る。ゲノム規模で胃癌発生期間中に体細胞的に変化する調節エレメントのレパートリーを探索してきた研究は少ない。
ここで使用されるとき、用語「抗原結合蛋白質」は、抗体、抗体フラグメント及び他のタンパク質構築物、例えば、抗原に対して結合可能なドメインなどをいう。
第1の態様において、本発明は、非癌性生物サンプルと相対的に、癌性生物サンプル中の少なくとも1つのプロモーターの活性を決定する方法に言及する。当該方法は、前記癌性生物サンプルから得られた少なくとも1つのプロモーター配列を含む単離された核酸を、前記非癌性生物サンプルから得られるリファレンス核酸と対照してマッピングし、前記少なくとも1つのプロモーターについてリード・パー・キロベース・パー・ミリオン(RPKM)値又はフラグメント・パー・キロベース・パー・ミリオン(FPKM)値を得ること;及び前記RPKM又はFPKM値を使用して、前記リファレンス核酸配列中の前記少なくとも1つのプロモーターの活性と相対的に、前記核酸中の前記少なくとも1つのプロモーター配列のディファレンシャル活性を決定すること含み得る。
i)非癌性生物サンプルから得られたリファレンス核酸中の少なくとも1つのプロモーターのRPKM又はFPKM値と相対的に平均RPKM又はFPKM値における変化が1〜20倍の間、例えば、1倍、2倍、3倍、4倍又は5倍よりも大きい;2)及び、前記非癌性生物サンプルから得られた前記リファレンス核酸中の前記少なくとも1つのプロモーターの前記RPKM又はFPKM値と相対的に、RPKM又はFPKMの範囲が0.1よりも大きいこと;を決定することを含み得る。
を含む。
例1
方法
組織サンプル
主な患者サンプルは、ザ・サンゲヘルス・ティッシュ・レポジトリー(the Singhealth tissue repository)から入手され、企業研究倫理審査委員会からの承認をもって収集され、患者のインフォームド・コンセントに署名を受けた。
ナノChIPseqは、組織分離工程を伴い、従来記載されている通りに行われた。新鮮凍結癌及び正常組織は、液体窒素中でカミソリ刃を使用して切開し、〜5mgの大きさの小片を得た(見掛け容量による〜5μl)。組織小片は、1%のホルムアルデヒド/TBSE緩衝液中で10分間(min)室温で固定された。固定は、125mMの最終濃度にまでグリシンを添加することにより停止した。
シーケンシングタグは、ヒトリファレンスゲノム(hg19)に対して、バーロウズ・ウィラー・アライナ(Burrows−Wheeler Aligner、BWA)ソフトウェア(バージョン0.7.0)及び「aln」アルゴリズムを用いてマッピングされた。101塩基リードは、最初及び最後の10塩基によってトリミングされて、SNPコーリングパフォーマンスを増大した。独自にマッピングされたタグが、CCATバージョン3.0によるピークコーリングのために使用された。ピーク領域は、H3K4me3、H3K27acについて8、H3K4me3及びH3K36me3及びについて5、並びにH3K27me3マークのために1.5の上記のインプットカットオフでのフォールド(fold)によってフィルタリングされた。H3K4me3及びH3K4me1ヒストン修飾について、全組織サンプルからのピーク領域はプールされ、オーバーラッピングピーク領域は、マージされてプロモーター及びエンハンサー解析のためのその修飾のためにピーク領域の総セットが作出された。同じ折り畳みカットオフを有する正常インプット対癌インプットCCAT3領域セットを使用して、H3K4me3及びH3K4me1領域のための潜在的な増幅領域を除去した。ピークの高さを定量化するために、我々は、カフリンクス(Cufflinks、バージョン2.0.2)を使用してChIPseqデータを解析した。RPKM値は、プロモーター領域のためにH3K4me3及びH3K27ac、エンハンサー領域のためにH3K4me1及びH3K27acが評価された。バッチ効果は、R(バージョン2.15)における「prcomp」機能を使用するプリンシプルコンポーネント解析(PCA)を使用して評価され、カフリンクスからのRPKM値の対数変換後のComBat3を使用して調整された。3D−PCAプロットは、R(バージョン2.15)における「rgl」パッケージを使用してプロットされた。
体細胞的に変化したプロモーター及びエンハンサーセットは、2つの方法、「スレッシュホールド」法と線形モデルアプローチを用いて同定された。変化したエレメントの終セットは、両方法からの結果を組み合わせることにより生成された。
全プロモーター(H3K4me3マーク)及びエンハンサー(H3K4me1マーク、しかしながらH3K4me3ピーク領域とのオーバーラップはなし)についてのH3K27ac ChIPseq ComBat調整FPKM値は、(i)2倍よりも大きい変化(絶対値)及び(ii)5つの腫瘍及び5つの正常サンプルの間の平均値における0.5よりも大きい差によってフィルタリングされた。これはまた、H3K4me3及びH3K4me1 ChIPseqデータについても行われた。変化したエレメントは、H3K27ac及びH3K4me3検体(プロモーター)又はH3K27ac及びH3K4me1(エンハンサー)について得られた領域の結合物から同定された。
ボックスプロットは、対数変換ChIPseqデータについてプロットされ、経験的ベイズ線形モデルアプローチに適用する前に、正規性前提を評価し、腫瘍サンプルと正常サンプルとの間で個別に変化した領域を得た(図5)。方法が適合された後で、評価も行われて、p値分布が妥当であることが確認された(図5)。変化したプロモーター及びエンハンサーを得るために、p=0.05のスレッシュホールドレベルの有意性が選択された。
RNAseqライブラリーは、イルミナTru−SeqRNAサンプル調製v2プロトコールを使用して、製造者の使用説明書に従って調製された。即ち、ポリARNAは、1μgの総RNAから、ポリTオリゴ付着磁性ビーズを使用して回収された。回収されたポリARNAは、化学的にフラグメント化され、スーパースクリプトII及びランダムプライマーを使用してcDNAに変換された。
リードは、TopHat・v1.25を使用してヒトリファレンスゲノムに対して位置合わせされた。マッピングされていないリードは、次に潜在的なスプライスジャンクションに対して、位置合わせされ、それらは、(i)Ensembl 60転写物アノテーション中に存在するか、或いは(ii)「発現アイランド」、即ち、当該アノテーション中に存在しなかった転写物からのリードのクラスターによって示唆されるかのいずれかであった。FPKM値による転写物存在率は、リファレンス転写物の使用なしに、カフリンクス(バージョン1.0.0)を使用して推量された。腫瘍/正常対からの新しく集合化された転写物は、RefSeq転写物データベースに対してフィルタリングして、非RefSeqアノテート領域に同定した。
RefSeq転写物は、UCSCブラウザーからダウンロードされ、RefSeqアノテートTSSは、転写物開始位置を−/+500塩基にまで拡張することにより定義された。体細胞的に変化したH3K4me3ピーク領域は、RefSeq TSS領域に対して比較され、オーバーラップが決定された。RefSeq TSS(−/+500塩基)とオーバーラップを持たないH3K4me3領域は、非RefSeqプロモーター(aka潜在性プロモーター)と考えた。
定量的PCRは、SYBRグリーンPCRキット(ライフ・テクノロジー、USA)を使用して行った。GAPDHは、コントロール遺伝子として正規化のために使用された。全PCR反応は、トリプリケートで行った。
5’RACEは、cDNA末端(バージョン2)キット(インビトロジェン)のラピッドアンプリフィケーションのための5’RACEシステムを使用して行った。1μgの総RNAは、各逆転写反応のためにモロニ−マウス白血病ウイルス(M−MLV)逆転写酵素、及びMET Refseqエクソン3(5’CTTCAGTGCAGGG3’)又はNKX6−3 Refseqエクソン1(5’GAAGGTAGGCTCCTC3’)のための遺伝子特異的なプライマーと共に使用された。
アフィメトリックス・ヒューマン・ゲノムU133プラス2.0ジーンチップアレイ上でプロファイルされた200のGC及び100の対応正常胃サンプルを解析した(GSE 15459)。データプレプロセッシングを「affyPLM」Rパッケージ(v2.15)を使用して実施した。アウトライアーは排除して、下流の解析に利用できる合計185のGC及び89の正常サンプルを得た。GCとサンプルとの間でのディファレンシャル発現解析を「limma」Rパッケージ(v2.15)を使用して行った。見せかけの発見率(false discovery rates、FDR)<0.05を有する遺伝子は、差異的に発現していると見做した。ディファレンシャル発現解析に使用された遺伝子は、RNAseq解析からの非Refseq転写物のリストにおいて行われたGREAT(v2.02)解析から現れたものであった。生存解析のために、GCサンプルは、輪郭幅を最小化するKを発見することを目的とするK−medoidsアプローチを使用してクラスター化された。臨床病理学的因子で異なるGC群の相関関係を評価するために、モザイクプロットが、カテゴリー変数についてプロットされた一方で、線形回帰アプローチが連続型変数のために使用された。相関関係の有意差(p<0.05)は、ピアソンカイ二乗検定又はt検定によって適宜決定された。カプラン−マイヤー生存解析は、成果測定基準としての全生存率と共に使用された。ログランク検定を使用して、カプラン−マイヤー解析の有意差を評価した。一変量及び多変量解析は、コックス回帰を使用して行った。
ENCODE ChIPseq TFBSデータセット(Txn Fac ChIP V3転写因子ChIP−seqクラスターV3、161のターゲット、189の抗体が、UCSCブラウザーから得られた。癌関連プロモーター及びエンハンサー(又は全プロモーター及びエンハンサー)に対するオーバーラップは、それぞれTFについて計数された。TF部位計数は、各対応するプロモーター、エンハンサー又は総セットのベースカバレージ長さによって分けて、10kbカバレージ当たりのTF部位頻度を計算した。
イルミナ・ヒューマン・メチレーション450(HM450) インフィニウムDNAメチレーションアレイを使用して、DNAメチル化レベルを胃腫瘍/正常対の間で評価した。メチル化値は、Rパッケージバージョン2.4.0においてmethylumiパッケージを使用して計算し、バックグラウンド訂正を行った。正規化は、BMIQ法(RにおけるwateRmelonパッケージ)を使用して行った。
シーケンシングデータはゲノム解析ツールキット(GATKバージョン2.6)中の最良のワークフローに従って前処理された。特、サムツール(samtools)を使い、PCR複製を取り除いた。残りの配列は、インデルの存在と、続くベースクオリティスリキャリブレーションのためにコアミスアラインメントを修正した。GC/正常対におけるシングルヌクレオチドバリアント(SNVs)はMuTect11を使用してコールした。我々は、MuTectによりレポートされたSNV特性を使用して、SNVをdbSNP部位又はプライベートSNVの何れかとして分類した。dbSNP部位は、以下の基準を有する基準:(i)それは公知のdbSNP部位である、(ii)部位が変異を検出するための力を受けている(a.k.aカバー部位)、及び(iii)それはMuTectにおけるバリアントフィルター手段を通過する。
代替アレルフラクションは、各部位での代替アレルフラクションのコンピューティングによって決定された。
パイロシーケンシングは、PyroMarkQ24(キアゲン)上で行われた。結果は、アレル定量化のためのパイロマークソフトウェアにより解析された。ChIP−qPCR−パイロシーケンシングのために、PCRプライマーは、ChIP DNAのリアルタイムPCR定量化と、テンプレートとしてWG増幅DNAを用いるパイロシーケンシングアレル定量化の両方のために使用された。定量化結果とアレル表示とを併合して、ChIPシグナルにおける2つのアレルのフラクションを推量した。結合部位予測は、TFBIND13(http://tfbind.hgc.jp/)を使用して行った。
ルシフェラーゼレポーターアッセイは、プロメガpGL3(ホタルルシフェラーゼ)及びRLSV40(レニラルシフェラーゼ)プラスミドを使用して行った。FOS遺伝子プロモーターをPCRによってヒトゲノムDNAからBglII−HindIIIリンカープライマーを用いて増幅し、pGL3−BASICプラスミドにライゲートした。野生型又は変異アレルの何れかを含むHOXA11関連フラグメント(〜350bp)が、ChIP−WGA DNAからBglIIリンカープライマーを用いて増幅され、FOSプロモーターの上流にクローニングされた。挿入方向及びアレル識別はサンガー配列により確認された。KATO−III GC細胞は、24ウェルプレート当たり1x106細胞で播種され、pGL3レポーター又は派生物(ウェル当たり100ng)及びpRLSV40 (ウェル当たり20ng)でリポフェクタミン2000(インビトロジェン)を使用してトランスフェクトされた。細胞は、トランスフェクション後の42時間で採取され、デュアル−ルシフェラーゼキット(プロメガ)によって提供されたPLB緩衝液で溶解され、ルシフェラーゼ活性が測定された。ホタルルシフェラーゼ活性の読み取りは、レニラルシフェラーゼ活性によって割り、トランスフェクション効率を標準化した。
ナノChIPseqは、1000細胞スケールまでを有効にしている(図6)。主要なGC及び正常胃サンプルの5つの対応対がプロファイルされた(臨床詳細については図1a)。クロマチンマークは、以下を含む;i)トリメチル化ヒストンH3リジン36(H3K36me3)、転写領域に関連する;ii)トリメチル化ヒストンH3リジン27(H3K27me3)、抑制領域;及びiii)ヒストンH3 H3K4me3、H3K4me1及びH3K27ac(ac=アセチル化)、マーキング活性プロモーター及びエンハンサー。各マークについて、イルミナシーケンシングタグによって独自にマッピングされた>45ミリオンが、CCATを使用して生成され、ピーク領域を呼ばれた(図7)。ゲノム増幅を反映していると思われるChIPインプットタグの異常な存在度を示す腫瘍サンプルにおけるゲノム領域は、下流解析から排除した(図8)。正常及び癌組織の両者についてのゲノム規模のクロマチンプロファイルが、限られた材料にも拘わらず(全てのマークのために〜5mg組織)、成功裏に得られた(図1b)。例えば、腸の化生に関連するCDX2遺伝子でのプロモーター活性の癌特異的獲得(増加したH3K4me3及びH3K27ac)が観察された(図1c)。
調節エレメントは、ヒトゲノムの1.5〜10%を占めること、及び発生及び疾病に強く影響を与えることが推測される。しかしながら、これらのエレメントを位置付けること、それらの活性の生物学的状態を明確にすることは、依然として重要な課題として残っている。ここで、ナノChIPseqを使用し、初期のGCにおけるクロマチン変化の初回通過調査を行った。将来においては、ナノChIPseqは、他の腫瘍種類に、またより少ない細胞数にまで拡大され、診断生検及び薬物耐性クローニングの解析を容易にし得る。翻訳の観点から、我々の所見はまた潜在性プロモーター及びそれらに関連する非カノニカル転写物が癌診断のためのバイオマーカーとして利用できると考えられることを示唆する。
方法
組織サンプル
主な患者サンプルは、ザ・サンゲヘルス・ティッシュ・レポジトリー(the Singhealth tissue repository)から入手され、企業研究倫理審査委員会からの承認をもって収集され、患者のインフォームド・コンセントに署名を受けた。
ナノChIPseqは、組織分離工程を伴い、従来記載されている通りに行われた。新鮮凍結癌及び正常組織は、液体窒素中でカミソリ刃を使用して切開し、〜5mgの大きさの小片を得た(見掛け容量による〜5μl)。組織小片は、1%のホルムアルデヒド/PBS緩衝液中で10分間(min)室温で固定された。固定は、125mMの最終濃度にまでグリシンを添加することにより停止した。
シーケンシングタグは、ヒトリファレンスゲノム(hg19)に対して、バーロウズ・ウィラー・アライナ(Burrows−Wheeler Aligner、BWA)ソフトウェア(バージョン0.7.0)及び「aln」アルゴリズムを用いてマッピングされた。20のMAPQフィルターが適用されて、低質のリードを除去し、全PCR複製物もまた、ピカードからのマークダップ(MarkDup、Picard)を使用して除去された。独自にマッピングされたタグが、CCATバージョン3.0によるピークコーリングのために、ヒストン修飾のための50bpの移動工程を伴って、フラグメントサイズ200bp及び500bpのスライディングウィンドウと共に使用された。ピーク領域は、見せかけの発見率(false discovery rates、FDR)5%によりフィルタリングされた。
転写開始部位(TSS)周辺でのH3K4me3及びH3K27acシグナル強度プロットを、し、Refseqにおける全アノテートTSS周辺の各クロマチンマークの平均カバレージを計算することによってプロットした。公知のTSS周辺の6kbウィンドウは、H3K4me3及びH3K27acの両者についての100bp及びカバレージのビンに分配し、計算して、各ビンを交差して平均にした。
癌対正常サンプルにおいてディファレンシャルエンリッチメントを有するH3K4me3領域をバイオコンダクターからのDESeq2アルゴリズムを使用して同定した。エンリッチメントは、癌性サンプル対非癌性サンプルにおけるH3k4me3の獲得である。シーケンシングタグ計数のマトリックスは、1)全GC及び正常サンプルを横切る全同定プライベートを結合させること;及び2)全サンプル横切る各領域におけるシーケンシングリードの数を決定することにより生成された。工程1)及び2)の両者は、ベットツールを使用して行われた。
GENCODE転写物は、それらのftpサイトからダウンロートされ、一方で、Refseq転写物は、UCSCブラウザーからダウンロードされた。GENCODE転写物転写についてのサポートレベル情報は、UCSC ftpサイトからダウンロードした。アノテートTSSは、転写物開始位置を−/+500塩基にまで拡張することにより定義された。ディファレンシャルなエンリッチH3K4me3ピーク領域は、TSS領域に対して比較され、オーバーラップが決定された。RNAseqリードの新しい集団化は、カフリンクス−2.2.0.12によって行われ、非アノテートH3K4me3ディファレンシャル領域は、クラスコード「j」又は「u」を有する新規集団の第1のエクソンとのオーバーラップによってフィルタリングされた。
RNAseq解析
リードは、独自のマッピングを使用するTopHat2−2.0.12を使用してヒトリファレンスゲノムに対して位置合わせされた。トランスクリプトームは、カフリンクス2−2.0.12を使用して新たに集団化され、全GC転写物アッセンブリは、「カフリンクス2−2.0」を使用してマージされ、コンセンサストランスクリプトームを得た。TCGA胃腺癌についての生RNAseqデータは、TCGAレポジトリー(http://cancergenome.nih.gov/)からダウンロードされた。
ディファレンシャルエンリッチ領域は、3サンプルからのCCAT3コールH3K27me3ピークとオーバーラップしており(1bpのオーバーラップ)その存在又は不在が決定される。
GCにおけるプロモーター領域の同定
ナノChIPseqを使用し、8つのGC及び対応する正常サンプルの拡大されたコホートを使用して、胃癌(GC)のプロモーターエレメントをマーク、H3K4me3及びH3K27acに関連する2つのプロモーターで特徴付けした。ピークは、CCAT3を使用してコールし、サンプル当たりの平均11kのH3K4me3及び34kのH3K27acピークを同定した。70〜80%のH3K4me3領域がGC及び正常組織の両者においてサンプル間で共通し、偶然に予期よりも大きい(p<0.001)。
ゲノム規模での体細胞的に変化したプロモーターの同定のために、シーケンシングタグ計数のマトリックスを主なGCと対応する胃正常組織との間で比較し、負数の二項式分布 (DESeq2アルゴリズムによる解析されたとき)を推測した。正常組織のプールに対して全8GCサンプルを比較すると、516の確実に体細胞的に変化した領域(q<0.1、倍率変化>1.5)が得られ、それらの〜60%は、GCにおいて獲得されたか、後成的に活性化されたものであった(図23c)。
同定領域についてサンプルを交差するH3K4me3シグナルのクラスタリングは、区別可能な分離を確認した(図23b)。同様な結果(95%コンコーダンス)は、代替的な計数ベースディファレンシャルアルゴリズムを使用して得られ、我々の結果が強固であり方法独立性であることを確保している(図23a)。
同定された体細胞的に変化したプロモーターは、GCにおける広範な代替プロモーターの使用で際立ち、且つ裏付けられ、同時に代替プロモーターの使用が得られる蛋白質の蛋白質ドメインのインパクトとなり、それがGCに対して特異的であり得ることが明らかである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
非癌性生物サンプルと相対的に、癌性生物サンプル中の少なくとも1つのプロモーターの活性を決定する方法であって、
前記癌性生物サンプルから得られた少なくとも1つのプロモーター配列を含む単離された核酸を、前記非癌性生物サンプルから得られたリファレンス核酸と対照してマッピングし、前記少なくとも1つのプロモーターについて100万当たりのキロベース当たりのリード(RPKM)値又は100万当たりのキロベース当たりのフラグメント(FPKM)値を得ること;及び
前記RPKM又はFPKM値を使用して、前記リファレンス核酸配列中の前記少なくとも1つのプロモーターの活性と相対的に、前記核酸中の前記少なくとも1つのプロモーター配列のディファレンシャル活性を決定すること
を含む方法。
[2]
[1]の方法であって、前記癌性生物サンプル及び非癌性生物サンプルが、単一細胞、多細胞、細胞のフラグメント、体液又は組織を含む方法。
[3]
[1」〜[2]の何れか1つの方法であって、前記癌性生物サンプル及び非癌性生物サンプルが同一の対象から得られる方法。
[4]
[1]〜[3]の何れか1つの方法であって、前記癌性生物サンプル及び非癌性生物サンプルがそれぞれ異なる対象から得られる方法。
[5]
[1]〜[4]の何れか1つの方法であって、前記核酸は、クロマチンの免疫沈降によって前記癌性生物サンプルから単離され、前記核酸は、前記少なくとも1つのプロモーターを含む方法。
[6]
[5]の方法であって、クロマチンの免疫沈降が、修飾されたヒストン蛋白質に対して特異的な抗体によって達成される方法。
[7]
[6]の方法であって、前記修飾されたヒストン蛋白質が、H3K4me3、H3K4me1及びH3K27acからなる群より選択された少なくとも1つのヒストン修飾を含む方法。
[8]
[7]の方法であって、前記抗体が、H3K4me3、H3K4me1及びH3K27acからなる群より選択された少なくとも1つのヒストン修飾に対して特異的である方法。
[9]
[1]〜[8]の何れか1つの方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターを含む単離された核酸は、少なくとも1つのプライマーで増幅される方法。
[10]
[9]の方法であって、前記増幅された核酸は、前記増幅された核酸を含む核酸配列ライブラリの構築のために使用される方法。
[11]
[1]〜[10]の何れか1つの方法であって、前記マッピング工程が、前記リファレンス核酸と相対的に、前記マッピングされた核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターについての全配列tagに基づいて前記RPKM値を計算することを含む方法。
[12]
[1]〜[10]の何れか1つの方法であって、前記マッピング工程が、前記リファレンス核酸と相対的に、前記マッピングされた核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターに関連する同定された転写配列に基づいて前記FPKM値を計算することを含む方法。
[13]
[1]〜[12]の何れか1つの方法であって、前記少なくとも1つのプロモーター配列のディファレンシャル活性を決定する工程が、前記癌性生物サンプルから得られた当該核酸中の少なくとも1つのプロモーターについての前記RPKM又はFPKM値が、
i)前記非癌性生物サンプルから得られた前記リファレンス核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターの前記RPKM又はFPKM値と相対的に、平均RPKM又はFPKM値における変化が1〜20倍の間、例えば、1倍、2倍、3倍、4倍又は5倍よりも大きい;及び
ii)前記非癌性生物サンプルから得られた前記リファレンス核酸中の前記少なくとも1つのプロモーターの前記RPKM又はFPKM値と相対的に、RPKM又はFPKMの範囲が0.1よりも大きい
ことを決定することを含む方法。
[14]
[1]〜[13]の何れか1つの方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターは、当該全プロモーター集団と相対的に、SUZ12結合部位の増加を含む方法。
[15]
[1]〜[14]の何れか1つの方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターは、細胞種特異化、胚発生又は転写因子に関連する遺伝子に近傍に位置する方法。
[16]
[15]の方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターは、癌に関連する遺伝子に近傍に位置する方法。
[17]
[16]の方法であって、前記遺伝子が、NKX6−3、SALL4、HOXB9、MET、TNK2、KLK1、FAR2、HOXA11又はHOXA11−ASである方法。
[18]
[1]〜[17]の何れか1つの方法であって、前記癌が胃癌である方法。
[19]
[1]〜[18]の何れか1つの方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターが、潜在性プロモーターを含む方法。
[20]
癌に対する対象の感受性を決定する方法であって、
前記対象の癌性生物サンプルから得られた少なくとも1つのプロモーターを含む単離核酸を非癌性生物サンプルから得られたリファレンス核酸に対照してマッピングし、前記少なくとも1つのプロモーターについてのRPKM又はFPKM値を得ること;及び
前記RPKM又はFPKM値を使用して、前記リファレンス核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターの活性と相対的に前記核酸中の前記少なくとも1つのプロモーターのディファレンシャル活性を決定すること;
を含み、
ここにおいて、前記非癌性生物サンプル中のそれと相対的な、当該癌性生物サンプル中の前記少なくとも1つのプロモーターの活性の増大が、癌に対する当該対象の感受性を示す
方法。
[21]
対象において癌に関連する少なくとも1つのプロモーターの存在を決定する方法であって、
前記対象の癌性生物サンプルから得られた少なくとも1つのプロモーターを含む単離された核酸を非癌性生物サンプルから得られたリファレンス核酸と対照してマッピングし、前記少なくとも1つのプロモーターについてのRPKM又はFPKM値を得ること;及び
前記RPKM又はFPKM値を使用して前記リファレンス核酸中の前記少なくとも1つのプロモーターの活性と相対的に、前記核酸中の前記少なくとも1つのプロモーターのディファレンシャル活性を決定すること;
を含み、
ここにおいて、前記非癌性生物サンプルのそれと相対的な、前記対象から得られた当該癌性生物サンプル中の当該少なくとも1つのプロモーターの活性の増大が、対象における癌に関連するプロモーターの存在を示す方法。
[22]
[21]の方法であって、前記癌に関連する少なくとも1つのプロモーターは、
当該生物サンプルから得られた当該核酸中の前記1つのプロモーターについてのRPKM又はFPKM値が、
i)非癌性生物サンプルから得られた当該リファレンス核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターの当該RPKM又はFPKM値と相対的な平均RPKM又はFPKM値の変化が1〜20倍の間、例えば、1倍、2倍、3倍、4倍又は5倍よりも大きいとき;及び
ii)非癌性生物サンプルから得られた当該リファレンス核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターの当該RPKM又はFPKM値と相対的にRPKM又はFPKMの範囲が0.1よりも大きいとき;
に存在する方法。
[23]
対象において癌を検出するためのバイオマ−カ−であって、前記バイオマ−カ−は、正常な非癌性生物サンプルと相対的に癌性生物サンプルにおける活性の増大を有する少なくとも1つのプロモーターを含み、前記プロモーターは、全プロモーター集団と相対的に、増大したSUZ12結合部位を含むバイオマ−カ−。
[24]
[23]のバイオマーカーであって、当該少なくとも1つのプロモーターが、全プロモーター集団と相対的に低いDNAメチル化レベルを提示するバイオマ−カ−。
[25]
[23]又は[24]の何れかのバイオマ−カ−であって、前記少なくとも1つのプロモーターが、細胞種特異化、胚発生又は転写因子に関連する遺伝子の近傍に位置しているバイオマ−カ−。
[26]
[25]のバイオマ−カ−であって、当該遺伝子が、NKX6−3、SALL4、HOXB9、MET、TNK2、KLK1、FAR2、HOXA11又はHOXA11−ASであるバイオマ−カ−。
[27]
[23]〜[26]の何れかのバイオマーカーであって、前記少なくとも1つのプロモーターが潜在性プロモーターを含むバイオマーカー。
[28]
非癌性生物サンプルと相対的に癌性生物サンプル中の癌に関連する少なくとも1つのプロモーターの存在を決定する方法であって、
前記非癌性生物サンプルから得られたリファレンス核酸に対して、前記癌性生物サンプルから得られた少なくとも1つのプロモーター配列を含む単離された核酸をマッピングすること;
前記マッピングすることに基づいて前記少なくとも1つのプロモーターについてシーケンシングタグ計数のマトリックスを発生させること;
前記シーケンシングタグ計数のマトリックスを解析すること;及び
前記シーケンシングタグ計数のマトリックスの解析を使用して前記リファレンス核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターと相対的に前記核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターのディファレンシャルエンリッチメントを決定すること;
を含み、ここにおいて、非癌性サンプル中のそれと相対的に、当該対象から得られた当該癌性生物サンプル中の前記少なくとも1つのプロモーターの前記ディファレンシャルエンリッチメントが、対象における癌に関連するプロモーターの存在を示す
方法。
[29]
非癌性生物サンプルと相対的に、癌性生物サンプル中の少なくとも1つのプロモーターの活性を決定する方法であって、
前記非癌性生物サンプルから得られたリファレンス核酸に対して、前記癌性生物サンプルから得られた少なくとも1つのプロモーター配列を含む単離された核酸をマッピングすること;
前記マッピングすることに基づいて前記少なくとも1つのプロモーターについてシーケンシングタグ計数のマトリックスを発生させること;
前記シーケンシングタグ計数のマトリックスを解析すること;及び
前記シーケンシングタグ計数のマトリックスの解析を使用して前記リファレンス核酸中の前記少なくとも1つのプロモーターと相対的に、前記核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターの当該ディファレンシャル活性を決定すること
を含む方法
[30]
[28]又は[29]の方法であって、前記発生させる工程が、前記リファレンス核酸と相対的に、当該マッピングされた核酸中の少なくとも1つのプロモーターについてのシーケンシングタグ計数に基づく当該マトリックスを計算することを含む方法。
[31]
[28]又は[29]に記載の方法であって、前記解析する工程が、DESeq2アルゴリズムを使用して当該マトリックスを解析することを含む方法。
[32]
[28]又は[29]の方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターは、癌に関連する遺伝子の近傍に位置している方法。
[33]
[32]の方法であって、前記遺伝子は、RASA3、GRIN2D、TNNI3、SHD、ATP10B、SMTN、MYO15B、C2orf61、LINC00443又はACHEである方法。
[34]
[28]の方法であって、前記ディファレンシャルエンリッチメントは、10%のFDR率及び1.5倍よりも大きい絶対的な変化に基づいて同定される方法。
[35]
[29]の方法であって、前記ディファレンシャル活性は、10%のFDR率及び1.5倍よりも大きい絶対的な変化に基づいて同定される方法。
Claims (20)
- 非癌性生物サンプルと相対的に、癌性生物サンプル中の少なくとも1つのプロモーターの活性を決定する方法であって、
前記癌性生物サンプルから得られた少なくとも1つのプロモーター配列を含む単離された核酸を、前記非癌性生物サンプルから得られたリファレンス核酸と対照してマッピングし、前記少なくとも1つのプロモーターについて100万キロベース当たりのリード(RPKM)値又は100万キロベース当たりのフラグメント(FPKM)値を得ること;及び
前記RPKM又はFPKM値を使用して、前記リファレンス核酸配列中の前記少なくとも1つのプロモーターの活性と相対的に、前記核酸中の前記少なくとも1つのプロモーター配列のディファレンシャル活性を決定すること
を含み、
前記少なくとも1つのプロモーター配列のディファレンシャル活性を決定する工程が、前記癌性生物サンプルから得られた当該核酸中の少なくとも1つのプロモーターについての前記RPKM又はFPKM値が、
i)前記非癌性生物サンプルから得られた前記リファレンス核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターの前記RPKM又はFPKM値と相対的に、平均RPKM又はFPKM値における変化が1〜20倍の間、より大きい;及び
ii)前記非癌性生物サンプルから得られた前記リファレンス核酸中の前記少なくとも1つのプロモーターの前記RPKM又はFPKM値と相対的に、RPKM又はFPKMの範囲が0.1よりも大きい
ことを決定することを含む
方法。 - 請求項1の方法であって、前記癌性生物サンプル及び非癌性生物サンプルが、単一細胞、多細胞、細胞の断片、体液又は組織を含む方法。
- 請求項1〜2の何れか1項の方法であって、前記癌性生物サンプル及び非癌性生物サンプルが同一の対象から得られる方法。
- 請求項1〜3の何れか1項の方法であって、前記癌性生物サンプル及び非癌性生物サンプルがそれぞれ異なる対象から得られる方法。
- 請求項1〜4の何れか1項の方法であって、前記核酸は、クロマチンの免疫沈降によって前記癌性生物サンプルから単離され、前記核酸は、前記少なくとも1つのプロモーターを含む方法。
- 請求項5の方法であって、クロマチンの免疫沈降が、修飾されたヒストン蛋白質に対して特異的な抗体によって達成される方法。
- 請求項6の方法であって、前記修飾されたヒストン蛋白質が、H3K4me3、H3K4me1及びH3K27acからなる群より選択された少なくとも1つのヒストン修飾を含む方法。
- 請求項7の方法であって、前記抗体が、H3K4me3、H3K4me1及びH3K27acからなる群より選択された少なくとも1つのヒストン修飾に対して特異的である方法。
- 請求項1〜8の何れか1項の方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターを含む単離された核酸は、少なくとも1つのプライマーで増幅される方法。
- 請求項9の方法であって、前記増幅された核酸は、前記増幅された核酸を含む核酸配列ライブラリの構築のために使用される方法。
- 請求項1〜10の何れか1項の方法であって、前記マッピング工程が、前記リファレンス核酸と相対的に、前記マッピングされた核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターについての全配列tagに基づいて前記RPKM値を計算することを含む方法。
- 請求項1〜10の何れか1項の方法であって、前記マッピング工程が、前記リファレンス核酸と相対的に、前記マッピングされた核酸中の当該少なくとも1つのプロモーターに関連する同定された転写配列に基づいて前記FPKM値を計算することを含む方法。
- 請求項1〜12の何れか1項の方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターは、当該全プロモーター集団と相対的に、SUZ12結合部位の増加を含む方法。
- 請求項1〜13の何れか1項の方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターは、細胞種特異化、胚発生又は転写因子に関連する遺伝子に近傍に位置する方法。
- 請求項14の方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターは、癌に関連する遺伝子の近傍に位置する方法。
- 請求項15の方法であって、前記遺伝子が、NKX6−3、SALL4、HOXB9、MET、TNK2、KLK1、FAR2、HOXA11又はHOXA11−ASである方法。
- 請求項1〜16の何れか1項の方法であって、前記癌が胃癌である方法。
- 請求項1〜17の何れか1項の方法であって、前記少なくとも1つのプロモーターが、潜在性プロモーターを含む方法。
- 請求項1〜18の何れか1項の方法であって、
前記非癌性生物サンプル中のそれと相対的な、当該癌性生物サンプル中の前記少なくとも1つのプロモーターの活性の増大が、癌に対する当該対象の感受性を示す
方法。 - 請求項1〜18の何れか1項の方法であって、
前記非癌性生物サンプルのそれと相対的な、前記対象から得られた当該癌性生物サンプル中の当該少なくとも1つのプロモーターの活性の増大が、対象における癌に関連するプロモーターの存在を示す方法。
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