以下、第1の実施形態の構成を、図面を参照して説明する。
図5において、10は走行体装置としての掃除装置である電気掃除装置(電気掃除システム)を示し、この電気掃除装置10は、自律走行体としての電気掃除機11と、この電気掃除機11に捕集した塵埃を除去するダストステーション12とを備えている。なお、本実施形態では、ダストステーション12は、電気掃除機11の充電機能を有するものとするが、この充電機能は必須の構成ではない。
図1、図2、図4(a)および図5に示す電気掃除機11は、本実施形態において、走行面としての被掃除面である床面上を自律走行(自走)しつつ床面を掃除する、いわゆる自走式のロボットクリーナ(掃除ロボット)である。この電気掃除機11は、中空状の本体ケース20と、この本体ケース20を床面上で走行させる走行部21と、床面などの塵埃を掃除する掃除部22と、通信部23と、センサ部26と、走行部21、掃除部22、通信部23およびセンサ部26を制御する制御手段(制御部)27と、これら走行部21、掃除部22、通信部23、センサ部26および制御手段27などに給電する本体電源部としての二次電池28とを備えている。なお、以下、電気掃除機11(本体ケース20)の走行方向に沿った方向を前後方向(図5などに示す矢印FR,RR方向)とし、この前後方向に対して交差(直交)する左右方向(両側方向)を幅方向として説明する。
本体ケース20は、例えば合成樹脂などにより扁平な円柱状(円盤状)などに形成されており、床面に対向する下面に集塵口である吸込口31、排気口32、および、塵埃排出口33がそれぞれ開口されている。なお、この吸込口31の後縁部には、例えば床面と本体ケース20の吸込口31の後側との隙間を閉塞するためのシール部を配置してもよい。
走行部21は、複数(一対)の駆動部としての駆動輪34,34、これら駆動輪34,34を駆動させる動作部としての駆動手段であるモータ35,35、および、旋回用の旋回輪36などを備えている。
各駆動輪34は、電気掃除機11(本体ケース20)を床面上で前進方向および後退方向に走行(自律走行)させる、すなわち走行用のものであり、左右幅方向に沿って図示しない回転軸を有し、吸込口31の前方両側の位置にて幅方向に対称に配置されている。したがって、これら駆動輪34,34により、電気掃除機11(本体ケース20)が自律走行可能となっている。
各モータ35は、例えば駆動輪34のそれぞれに対応して配置されており、各駆動輪34を独立して駆動させることが可能となっている。
旋回輪36は、本体ケース20の下面の幅方向の略中央部で、かつ、前部に位置しており、床面に沿って旋回可能な従動輪である。
掃除部22は、例えば本体ケース20内に位置して塵埃を吸込口31から空気とともに吸い込み排気口32から排気する電動送風機41、吸込口31に回転可能に取り付けられて塵埃を掻き上げる回転清掃体としての回転ブラシ42およびこの回転ブラシ42を回転駆動させるブラシモータ43、本体ケース20の前側などの両側に回転可能に取り付けられて塵埃を掻き集める旋回清掃部としての補助掃除手段(補助掃除部)であるサイドブラシ44およびこのサイドブラシ44を駆動させるサイドブラシモータ45、および、吸込口31と連通して塵埃を溜める集塵部(ダストカップ)46などを備えている。なお、サイドブラシ44およびサイドブラシモータ45は、必須の構成ではない。
電動送風機41は、二次電池28からの給電により動作するもので、本体ケース20の例えば前側寄りに配置されている。
回転ブラシ42は、ブラシモータ43により回転駆動されることで床面の塵埃を掻き取るもので、本体ケース20に回転可能に軸支された軸部51と、この軸部51の周囲に突設された例えば毛ブラシやブレードなどの複数の清掃体52とを備え、本体ケース20内に区画される回転清掃体室としての回転ブラシ室53内に収容されている。この回転ブラシ42は、幅方向に長手状、すなわち横長の吸込口31の長手方向に軸方向を沿わせた状態、すなわち幅方向に長手方向を沿わせた状態で吸込口31に位置しており、清掃体52が軸部51の下部に位置するときにこの吸込口31よりも清掃体52の先端側が下方に突出して床面に接触可能となっている。
清掃体52は、軸部51に対して径方向に沿って突出しているとともに、この軸部51に対して螺旋状にねじられた状態で軸方向に沿って取り付けられており、回転ブラシ42の回転に伴って、床面との接触位置が軸方向に沿って移動していくようになっている。なお、清掃体52は全て同種類のものでもよいし、異なる複数種類設けてもよい。
回転ブラシ室53は、一端部である下端部(前端部)が吸込口31となっており、後方上側へと延びているとともに、他端部である上端部(後端部)が集塵部46へと連通する連通口55となっている。そして、この回転ブラシ室53は、吸込口31から連通口55へと徐々に開口面積が狭くなるように、換言すれば電動送風機41の駆動により生じる吸込風の流速が徐々に大きくなるように形成されている。
ブラシモータ43は、回転ブラシ室53の外部上方に配置されており、回転ブラシ42の軸部51に対して、図示しないギヤやタイミングベルトなどを備えた伝達手段(伝達部)によって回転軸が接続されて、回転力を回転ブラシ42に伝達するようになっている。
集塵部46は、本体ケース20に対して着脱可能な集塵カップであり、例えば本体ケース20の後部に位置している。この集塵部46には、吸込口31と連通する連通開口部57が前部の上側寄りに前後方向に沿って開口されているとともに、この連通開口部57の上方に、電動送風機41の吸込側と連通する排気開口部58が前後方向に沿って連通開口部57とは別個に開口されており、電動送風機41の駆動により空気とともに吸込口31から吸い込んだ塵埃を内部に溜めるようになっている。また、この集塵部46の下部には、塵埃排出口33と気密に接続される排出開口部59が上下方向に沿って連通開口部57および排気開口部58とは別個に開口されている。さらに、この集塵部46内には、通過する空気中に含まれる塵埃が電動送風機41へと吸い込まれないようにするための図示しないフィルタ部が配置されている。
連通開口部57は、連通口55に対向して開口され、この連通口55に対して気密に接続されている。したがって、この連通開口部57は、連通口55および回転ブラシ室53を介して吸込口31と気密に接続されている。
排気開口部58は、集塵部46の前方にて本体ケース20内に配置された本体ダクト部61と気密に接続されており、この本体ダクト部61を介して、電動送風機41の吸込側と気密に接続されている。上記のフィルタ部は、この排気開口部58に設けられていてもよい。
排出開口部59は、例えば集塵部46の下部の略全体を開くように開口されており、塵埃排出口33の上方に対向してこの塵埃排出口33と連通している。したがって、この排出開口部59により、集塵部46内の塵埃が塵埃排出口33から電気掃除機11(本体ケース20)の外部へと排気可能となっている。また、この排出開口部59は、蓋体63により開閉可能となっている。この蓋体63は、塵埃排出口33から本体ケース20の下部に露出している。
通信部23は、ダストステーション12に対して帰還する際の帰還要求信号(赤外線信号)を送信する赤外線発光素子などの信号送信部65、および、ダストステーション12からの誘導信号B(赤外線信号)を受信するフォトトランジスタなどの例えば左右一対の信号受信部66,66などを備えている。
また、センサ部26は、例えば本体ケース20の周囲の物理的あるいは仮想的な物体の存否を検出する障害物検出手段(障害物検出部)である物体検出手段(物体検出部)67、および、床面の段差などを検出する段差検出手段(段差検出部)68などを備えている。
物体検出手段67は、例えば超音波センサおよび赤外線センサなどを備えており、所定距離以内に位置する物体(障害物)を検出可能となっている。
段差検出手段68は、例えば赤外線センサなどであり、電気掃除機11(本体ケース20)の下部と床面との間の距離を検出することで、床面の段差を検出可能となっている。
制御手段27は、例えば制御手段本体(制御部本体)であるCPU、このCPUによって読み出されるプログラムなどの固定的なデータを格納した格納部であるROM、プログラムによるデータ処理の作業領域となるワークエリアなどの各種メモリエリアを動的に形成するエリア格納部であるRAM(それぞれ図示せず)などを備えたマイコンである。さらに、この制御手段27は、センサ部26による検出結果に基づいて自律走行する走行モードと、集塵部46からの塵埃をダストステーション12へと移送する移送モードと、動作待機中の待機モードとを有している。そして、この制御手段27は、通信部23、センサ部26、電動送風機41、ブラシモータ43、および、サイドブラシモータ45などの動作を制御している。したがって、この制御手段27は、通信部制御手段(通信部制御部)、センサ部制御手段(センサ部制御部)、清掃体制御手段(清掃体制御部)、および、補助清掃体制御手段(補助清掃体制御部)の機能をそれぞれ有している。
また、二次電池28は、例えば本体ケース20の下面の後部の両側に露出する接続部としての充電端子69,69と電気的に接続されており、これら充電端子69,69がダストステーション12側と電気的および機械的に接続されることで充電されるようになっている。
一方、図1、図4(b)、図5および図6に示すダストステーション12は、本実施形態では電気掃除機11の出発および帰還用のものであり、部屋を区画する壁部の近傍など、掃除の妨げにならない位置に配置されている。このダストステーション12は、ケース体71、吸込手段(吸込装置)としての電動送風機72、塵埃収容部(ダストボックス)73、電気掃除機11からの帰還要求信号などを誘導するフォトトランジスタなどのステーション信号受信部74、電気掃除機11の誘導信号Bを出力する赤外線発光素子などの誘導信号送信部75、および、制御部76と、図示しない商用交流電源などの外部電源からこれら電動送風機72および制御部76などに給電するためのステーション電源部である電源コード77とを備えている。なお、本実施形態では、このダストステーション12に二次電池28の充電機能を有するため、ケース体71には、さらに定電流回路などの二次電池28の充電用の充電回路78が収容されているとともに、この充電回路78と電気的に接続され電気掃除機11の充電端子69,69と電気的および機械的に接続可能な充電用端子79,79が配置されているが、充電機能を備えないダストステーション12とする場合には、充電回路78や充電用端子79,79は不要である。また、以下、電気掃除機11がダストステーション12に接続されるとは、ダストステーション12に対して電気掃除機11が所定位置に固定され、塵埃排出口33(吸込口31)と後述する塵埃吸込口91とが気密に接続されて、電気掃除機11(集塵部46)からダストステーション12(塵埃収容部73)へと塵埃を移送可能な状態となることをいうものとする。
ケース体71は、例えば合成樹脂などにより形成されており、電動送風機72、塵埃収容部73、ステーション信号受信部74、誘導信号送信部75、制御部76および充電回路78などを備える本体部81と、この本体部81の下部から突出し充電用端子79,79が露出する載置部82とを一体に備えている。
本体部81は、床面に対して立ち上がる上下方向に沿って形成されている。この本体部81の上部には、塵埃収容部73をケース体71に対して着脱するための開閉可能な開閉蓋84が設けられている。
載置部82は、床面に沿って板状に延びる部分であり、電気掃除機11の駆動輪34,34が直接乗り上げる乗上部86と、電気掃除機11の本体ケース20の下部に対向する対向部87とを一体に備えている。そして、この載置部82には、除塵凸部88と、阻止部89とがそれぞれ設けられている。
乗上部86は、電気掃除機11がダストステーション12に接続された状態で、電気掃除機11の本体ケース20の駆動輪34,34の中心軸よりも後方寄りの位置の下部に位置する部分であり、載置部82の先端側、すなわち本体部81に対して離間された位置に設けられている。この乗上部86は、対向部87よりも上下寸法すなわち厚みが小さく形成されている。また、この乗上部86の幅方向の両側部には、この乗上部86への電気掃除機11の駆動輪34,34が乗り上げる乗上凹部86aが形成されている。この乗上凹部86aは、乗上部86の対向部87と反対側である先端側に連続して形成されており、乗上部86の他の部分よりも厚みが小さく形成されている。
対向部87は、電気掃除機11がダストステーション12に接続された状態で、電気掃除機11の本体ケース20の駆動輪34,34の中心軸よりも後方の、吸込口31以後の位置の下部に位置する部分であり、本体部81の下端部に直接連続する載置部82の基端側をなしている。この対向部87には、充電用端子79,79が互いに幅方向に離間されて配置されているとともに、これら充電用端子79,79間の中央部に、塵埃吸込口91が開口されている。この塵埃吸込口91は、塵埃収容部73と連通しているとともに、電気掃除機11がダストステーション12に接続された状態で塵埃排出口33と連通するものである。この塵埃吸込口91は、例えば四角形状に形成されており、内縁部に塵埃排出口33と気密に接続するためのシール部材92が取り付けられている。また、この塵埃吸込口91の内部には、電気掃除機11がダストステーション12に対して着脱されるに伴い蓋体63を開閉するための蓋体開閉部としての引っ掛け部93が突設されている。
塵埃吸込口91は、ダクト部95を介して塵埃収容部73と気密に接続されている。ダクト部95は、載置部82(対向部87)の内部から、本体部81の内部へと連通し、この本体部81内に位置する塵埃収容部73と連通している。したがって、このダクト部95は、下方から上方へとL字状に屈曲して形成されている。
引っ掛け部93は、電気掃除機11がダストステーション12へと接近するに従って蓋体63に当接し、電気掃除機11がダストステーション12にさらに接近して充電用端子79,79に充電端子69,69と接続される位置となるまでに蓋体63を開いて、塵埃排出口33内の集塵部46の排出開口部59を露出させるものである。
除塵凸部88は、電気掃除機11の回転ブラシ42(清掃体52)に付着した塵埃を除去するもので、載置部82(乗上部86)に幅方向に沿って直線状に形成され、電気掃除機11がダストステーション12に接続された状態で、吸込口31の前後方向の略中央部の下方に位置してこの吸込口31と対向するとともに、この吸込口31から下方に突出する清掃体52の先端側に接触するようになっている。すなわち、この除塵凸部88は、回転ブラシ42の軸方向に沿って長手状に形成されている。また、この除塵凸部88は、上端側が例えば円弧状に湾曲して形成された多数の山状の凸部本体88aが長手方向に順次連続するように形成されている。すなわち、この除塵凸部88は、凸部本体88aにより、凹凸が長手方向に交互に位置する櫛歯状に形成されている。
阻止部89は、吸込口31と載置部82との間の気流を阻止するもので、載置部82(乗上部86)に幅方向に沿って連続する直線状の阻止部本体89aと、この阻止部本体89aの両端部にこの阻止部本体89aと交差(直交)する方向に沿って連続して延びる側部阻止部89b,89bとを一体的に備える、コ字状に形成されている。
阻止部本体89aは、電気掃除機11がダストステーション12に接続された状態で吸込口31の前側、あるいは後側のいずれかに位置するようになっており、本実施形態では、吸込口31の後側の縁部の位置にて本体ケース20の下部と載置部82との間の隙間を閉塞するようになっている。
側部阻止部89bは、電気掃除機11がダストステーション12に接続された状態で吸込口31の両側部に位置するようになっており、吸込口31の両側縁部の位置にて本体ケース20の下部と載置部82との間の隙間を閉塞するようになっている。
なお、この阻止部89による吸込口31と本体ケース20の下部との間の隙間の閉塞は、必ずしも気密でなくてもよい。
電動送風機72は、塵埃吸込口91を介して塵埃を塵埃収容部73へと空気とともに吸い込むとともに、塵埃が捕集された空気を、ケース体71に設けられた図示しない排気開口から排気するように構成されている。
塵埃収容部73は、ケース体71に対して着脱可能で、電気掃除機11の集塵部46内に溜められた塵埃を内部に移送して収容する集塵ボックスである。この塵埃収容部73には、(ダクト部95を介して)塵埃吸込口91と連通する図示しない連通開口が開口されているとともに、電動送風機72の吸込側と連通する図示しない排気開口が前後方向に沿って連通開口とは別個に開口されており、電動送風機72の駆動により空気とともに塵埃吸込口91から吸い込んだ塵埃を内部に溜めるようになっている。また、この塵埃収容部73内には、通過する空気中に含まれる塵埃が電動送風機72へと吸い込まれないようにするための図示しないフィルタ体が配置されている。
ステーション信号受信部74は、例えば本体部81にて載置部82の上方の位置に設けられている。そして、このステーション信号受信部74が電気掃除機11からの帰還要求信号を受信することで、誘導信号送信部75から誘導信号Bが出力されるようになっている。
誘導信号送信部75は、例えば本体部81にて載置部82およびステーション信号受信部74の上方の位置に設けられている。この誘導信号送信部75は、誘導信号Bを、比較的狭い指向性で出力するようになっている。例えば、この誘導信号送信部75は、本実施形態では一対設けられ、誘導信号B(誘導信号Ba,Bb)の一部同士が互いに重なるように出力する(図6(a)および図6(b))。
制御部76は、例えばマイコンなどであり、電動送風機72、ステーション信号受信部74、誘導信号送信部75および充電回路78などの動作をそれぞれ制御するものである。この制御部76には、例えば電動送風機72を動作させずにステーション信号受信部74および誘導信号送信部75を動作させる誘導モードと、電動送風機72を動作させて電気掃除機11の集塵部46内の塵埃を塵埃収容部73へと移送する移送モードと、充電回路78を動作させて二次電池28を充電する充電モードと、各部の動作を停止する待機モードとを備えている。
次に、図1ないし図6を参照して、上記第1の実施形態の動作を説明する。
電気掃除機11は、例えば予め設定された掃除開始時刻となったときなどの所定のタイミングで、制御手段27が待機モードから走行モードに切り換わり、走行部21を駆動させダストステーション12から離脱する。そして、制御手段27は、センサ部26の物体検出手段67および段差検出手段68からの検出に対応してモータ35,35(駆動輪34,34)を駆動させ、障害物や段差などを回避しながら電気掃除機11(本体ケース20)を掃除領域内の床面上を隅々まで走行させつつ、掃除部22を駆動させて床面の塵埃を掃除して集塵部46に捕集する。なお、この掃除作業においては、例えば電気掃除機11(本体ケース20)の走行ルートや走行制御などが異なる複数の掃除モードを適宜選択して用いることができる。
このとき、制御手段27により(ブラシモータ43を介して)回転された回転ブラシ42は、吸込口31から下方に突出する清掃体52により床面の塵埃を掻き取る。そして、電動送風機41の駆動により吸込口31に作用した負圧によって、床面上の塵埃、および、回転ブラシ42により掻き取った塵埃が空気とともに集塵部46へと吸い込まれ、この集塵部46へと溜められる。この集塵部46内に塵埃が溜められた空気は、フィルタ部を経由して電動送風機41へと吸い込まれ、この電動送風機41を冷却した後、排気口32から電気掃除機11の外部へと排気される。なお、電動送風機41を備えない構成とする場合には、回転ブラシ42の清掃体52により掻き取った塵埃を、この回転ブラシ42の回転によって集塵部46へと掻き上げて集塵部46内に溜めるようにしてもよい。
掃除が終了すると、制御手段27は電動送風機41、回転ブラシ42(ブラシモータ43)およびサイドブラシ44(サイドブラシモータ45)などを停止させて帰還要求信号を生成し、例えば駆動輪34,34(モータ35,35)を制御して電気掃除機11(本体ケース20)を床面上で旋回させつつ、信号送信部65を制御してこの信号送信部65から外部へと帰還要求信号を出力する。ダストステーション12では、帰還要求信号をステーション信号受信部74により受信すると、誘導モードに切り換わり、制御部76が誘導信号Bを生成するとともに誘導信号送信部75の動作を制御して、この誘導信号送信部75から誘導信号B(誘導信号Ba,Bb)を出力する。さらに、この誘導信号B(誘導信号Ba,Bb)を信号受信部66,66により受信した電気掃除機11は、制御手段27が駆動輪34,34(モータ35,35)の動作を制御することで誘導信号Bに接近し(図6(a))、ダストステーション12側に後部、すなわち集塵部46側を向けるように旋回した後、誘導信号Ba,Bbが重なっている部分に沿ってダストステーション12へと後進して接近する(図6(b))。そして、駆動輪34,34が乗上凹部86a,86aにて載置部82(乗上部86)へと乗り上げ、さらに充電端子69,69がダストステーション12の充電用端子79,79と機械的および電気的に接続する位置まで後進すると、電気掃除機11は後進を停止し、制御手段27が走行モードを終了するとともに、ダストステーション12はステーション信号送信部74からの誘導信号Bの出力を停止する。この後進の際には、引っ掛け部93が電気掃除機11(本体ケース20)の下部後側に位置する蓋体63に当接し、さらに後進することでこの引っ掛け部93により蓋体63が下方へと回動して、排出開口部59が開口して塵埃排出口33が集塵部46と気密に接続される(図1)。
すなわち、この電気掃除機11がダストステーション12に接続された状態(図7)で、充電端子69,69と充電用端子79,79とが機械的および電気的に接続され、吸込口31(塵埃排出口33)と塵埃吸込口91とが気密に接続され、吸込口31の後部および両側部が阻止部89により囲まれて載置部82(乗上部86)と吸込口31との隙間が閉塞され、かつ、除塵凸部88が回転ブラシ42に対向した位置となる(図8(a)および図8(b))。
そして、制御手段27は、走行モードの終了後直ちに、あるいは所定時間の待機モードを挟んで、移送モードに切り換わる。同時に、制御部76も移送モードに切り換わる。そして、この制御部76は、電動送風機72を所定時間駆動させることで、塵埃吸込口91から電気掃除機11の集塵部46内に溜められた塵埃を、塵埃排出口33を介して塵埃収容部73へと吸い込んで移送する。このとき、制御手段27は、回転ブラシ42(ブラシモータ43)を回転駆動させるとともに、電動送風機41を断続的に運転する。この回転ブラシ42の回転の際、制御手段27は、この回転ブラシ42(ブラシモータ43)を交互に反対方向に回転させる。すなわち、制御手段27は、回転ブラシ42(ブラシモータ43)の図1に示す時計回り方向の回転と、反時計回り方向の回転とを所定時間ずつ交互に行う。このため、回転された回転ブラシ42は、清掃体52が除塵凸部88(凸部本体88a)に接触することで、付着した塵埃が除塵凸部88によって除去される。また、吸込口31の後側および両側が阻止部89によって閉塞されているので、吸込口31および回転ブラシ室53の真空度が向上するとともに、電動送風機41を断続運転することにより、所定時間毎に吸込口31から集塵部46への空気の流速を向上し、回転ブラシ42から除去された塵埃が、電動送風機72の駆動により吸込口31から集塵部46を経由し、塵埃吸込口91を介して集塵部46内の塵埃とともに塵埃収容部73へと吸い込まれて移送される。
なお、制御手段27および制御部76は、移送モードが終了すると、それぞれ充電モードに切り換わり、充電回路78によって二次電池28が充電されると、それぞれ待機モードに切り換わる。
上述したように、上記第1の実施形態によれば、ダストステーション12の電動送風機72により集塵部46の塵埃を塵埃収容部73へと吸い込む際に電動送風機41を断続的に動作させることで、電動送風機72により集塵部46内の塵埃を塵埃収容部73へと吸い込んで移送する際の吸込口31付近での流速を電動送風機41の吸い込みによって補助して増加させ、回転ブラシ42(および回転ブラシ室53)に付着した塵埃、あるいは回転ブラシ42から除去された塵埃を、より確実に塵埃収容部73へと吸い込むことができる。
次に、第2の実施形態を、図9を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第2の実施形態は、上記第1の実施形態において、電動送風機72により集塵部46内の塵埃を塵埃収容部73に吸い込む際に、電動送風機41と集塵部46との連通を遮断する遮断部98を備えるものである。この遮断部98は、集塵部46の排気開口部58、あるいは本体ダクト部61などを開閉可能に設けられたシャッタであり、例えばソレノイドやモータなどの図示しないアクチュエータなどの遮断部駆動手段(遮断部駆動装置)により駆動される。この遮断部98は、例えば制御手段27により動作が制御される。
そして、制御手段27および制御部76が移送モードに切り換わると、制御手段27は、遮断部駆動手段によって遮断部98を動作させ、電動送風機41の吸込側と集塵部46との連通を遮断する。このとき、電動送風機41は駆動させない。この状態で、制御部76が電動送風機72を所定時間駆動させることで、塵埃吸込口91から電気掃除機11の集塵部46内に溜められた塵埃を、塵埃排出口33を介して塵埃収容部73へと吸い込んで移送する。このとき、制御手段27は、上記第1の実施形態と同様に回転ブラシ42(ブラシモータ43)を回転駆動させる。すなわち、制御手段27は、回転ブラシ42の回転の際、回転ブラシ42(ブラシモータ43)を交互に反対方向に回転させる。この結果、回転された回転ブラシ42の清掃体52が除塵凸部88(凸部本体88a)に接触することで、付着した塵埃が除塵凸部88によって除去され、この回転ブラシ42から除去された塵埃が、電動送風機72の駆動により吸込口31から集塵部46を経由し、塵埃吸込口91を介して集塵部46内の塵埃とともに塵埃収容部73へと吸い込まれて移送される。なお、制御手段27が走行モードになったときには、遮断部98は元の位置に復帰し、電動送風機41の吸込側と集塵部46とを連通させる。
このように、電気掃除機11がダストステーション12に接続された状態で集塵部46と電動送風機41との連通を遮断部98によって遮断することで、吸込口31から集塵部46、塵埃排出口33を経由して塵埃吸込口91から電動送風機72の吸込側へと連通する風路の気密性を向上し、電動送風機72により集塵部46内の塵埃を塵埃収容部73へと吸い込んで移送する際に吸込口31に作用する負圧を相対的に大きくして流速を増加させ、回転ブラシ42(および回転ブラシ室53)に付着した塵埃、あるいは回転ブラシ42から除去された塵埃を、より確実に塵埃収容部73へと吸い込むことができる。
なお、上記各実施形態においては、ダストステーション12に充電機能を持たせたため、集塵部46内の塵埃の塵埃収容部73への移送を掃除の終了時に行ったが、掃除の最中に、集塵部46に所定以上の塵埃が溜まった場合などに行うこともできる。この場合には、移送が終了すると、再度ダストステーション12から電気掃除機11を離脱させて掃除を再開してもよいし、そのまま掃除を終了してもよい。
また、集塵部46から塵埃収容部73へと塵埃を移送する際、回転ブラシ42(ブラシモータ43)は一定方向に回動させてもよい。
さらに、回転ブラシ42(ブラシモータ43)を回転させる清掃体制御手段(清掃体制御部)は、制御手段27と別個に構成してもよい。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、塵埃排出口33と塵埃吸込口91とが接続されて電動送風機72により集塵部46内の塵埃を塵埃収容部73へと吸い込んで移送する際に、集塵部46と連通する吸込口31に配置した回転ブラシ42を回転させることにより、回転ブラシ42に付着した塵埃をこの回転ブラシ42の回転によって飛散させて除去することができ、この除去した塵埃を、吸込口31から集塵部46、塵埃排出口33および塵埃吸込口91を経由して塵埃収容部73へと、集塵部46内の塵埃と同時に吸い込むことができる。
このとき、回転ブラシ42を交互に反対方向に回転させることにより、回転ブラシ42に付着した塵埃をより効果的に飛散させて除去できる。
また、回転ブラシ42(清掃体52)と当接する除塵凸部88を載置部82上に回転ブラシ42の軸方向に沿って突設することで、回転ブラシ42の回転により除塵凸部88によって回転ブラシ42(清掃体52)に付着した塵埃を除去するため、回転ブラシ42(清掃体52)に付着した塵埃を、この回転ブラシ42の回転によってより確実に除去できる。
しかも、除塵凸部88は、複数の凸部本体88aによって櫛歯状に形成したので、回転ブラシ42の清掃体52に効果的に入り込み、回転ブラシ42(清掃体52)に付着した塵埃を、より確実に除去できる。
また、ダストステーション12に接続された電気掃除機11の吸込口31の前後の少なくともいずれかに位置する阻止部89を設け、この阻止部89により、吸込口31と載置部82との間の気流を阻止するので、載置部82と電気掃除機11(本体ケース20)の下部との間に空気が流れる隙間が少なくなり、電動送風機72により集塵部46内の塵埃を塵埃収容部73へと吸い込んで移送する際の吸込口31(回転ブラシ室53)での真空度および風速を向上することができる。したがって、回転ブラシ42(および回転ブラシ室53)に付着した塵埃、あるいは回転ブラシ42から除去された塵埃を、より確実に塵埃収容部73へと吸い込むことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。