JP6552761B1 - データ処理装置、及びデータ処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】第一情報及び複数の情報掲載媒体に掲載される第二情報のうち、少なくとも一方の情報への接触者数の規模を適切に算出する。【解決手段】第一情報及び複数の情報掲載媒体に掲載される第二情報のうち、少なくとも一方へのトータルリーチを算出するために、第一リーチ、第二リーチ及び重複リーチを特定し、各対象者のウェイトを情報掲載媒体毎に算出し、各対象者の第一情報への接触状況を特定し、各情報掲載媒体への到達者のうち、第一情報への接触者数の第一比率を情報掲載媒体毎に導出し、組み合わせ中の情報掲載媒体の全てに到達した対象者のウェイトと第一情報への接触状況とに基づき、組み合わせ中の情報掲載媒体の全てへの到達者のうち、第一情報への接触者数の第二比率を導出し、組み合わせ中のいずれか一つの情報掲載媒体にのみ到達した者のうち、第一情報への接触者数の第三比率を、組み合わせ中の情報掲載媒体の各々について導出し、算出した各リーチと導出した各比率とに基づいてトータルリーチを算出する。【選択図】図12

Description

本発明は、データ処理装置及びデータ処理方法に係り、特に、各種情報への接触者数の規模(リーチ)の和集合であるトータルリーチを特定することが可能なデータ処理装置及びデータ処理方法に関する。
テレビCM及びデジタル広告等をはじめとする各種情報への接触者数の規模(リーチ)を調査することは、既に周知であり、調査方法についても種々の手法が知られている。
また、複数種類の情報(例えば、テレビCM及びデジタル広告)のうち、少なくとも一方の情報に接触した者の数の規模を特定することがある。つまり、互いに異なる第一情報及び第二情報のそれぞれの接触者数の規模をP(A)及びP(B)として表したとき、その和集合であるトータルリーチP(A∪B)を算出する場合がある。P(A)及びP(B)からP(A∪B)を求めるには、積集合であるP(A∩B)、すなわち、第一情報及び第二情報の双方への接触者数の規模等が必要となる。
上記の積集合P(A∩B)を特定する方法としては、例えば、所定のモニタを対象にして複数の項目からなる調査を実施し、各項目の調査結果をモニタ別に示すデータ(いわゆるシングルソースデータ)を取得する方法が考えられる。このようにシングルソースデータからP(A∩B)を特定する方法としては、例えば、特許文献1に記載の方法を利用することが可能である。
特許文献1に記載の方法(調査方法)は、厳密には、第一情報及び第二情報の双方への接触者数の規模を算出する方法ではないものの、そのような用途にも利用され得る。
特許文献1に記載の方法によれば、複数の対象者(第一の調査対象者)の各々を対象として、テレビ放送の視聴状況と生命保険の加入状況とを調査する。また、特許文献1では、複数の対象者(第二の調査対象者)の各々を対象として、時間帯毎のテレビ放送の視聴状況を調査する。この調査で得られたデータからは、例えば、第二の調査対象者の人数(全数)に対する、所定時間帯に所定の放送局にて放送されたテレビ放送を視聴した者の比率(接触率)を求めることができる。ここで、テレビ放送は、第一情報に相当し、接触率は、上述した接触者等の規模、すなわちリーチP(A)に相当する。
また、特許文献1に記載の方法において、第一の調査対象者を対象とする調査で得られたデータからは、所定時間帯に所定の放送局にて放送されたテレビ放送を視聴した第一の調査対象者のうち、生命保険への加入者の比率(第一接触者利用率)を求めることができる。さらに、上記の接触率に上記の第一接触者利用率を乗算することにより、第二の調査対象者の人数(全数)に対する、所定時間帯に所定の放送局にて放送されたテレビ放送を視聴し、且つ、生命保険にも加入している者の比率(第二接触者利用率)が特定される。ここで、生命保険の加入を第二情報への接触と見做せば、第二接触者利用率は、上述したP(A∩B)に相当する。
また、以上の状況において、P(B)に相当する値として、第二の調査対象者の人数(全数)に対する、生命保険加入者の比率が得られれば、P(A∪B)が特定されることになる。
しかし、第一情報及び第二情報の双方への接触者数の規模等に関しては、取得したシングルソースデータからは明確に把握することができない場合がある。例えば、上述のシングルソースデータを取得するために行われる調査において、第一情報への接触状況が問われる一方で、第二情報への接触状況については問われず、代わりに、第二情報が掲載されるメディア等(情報掲載媒体)への到達状況等が問われる場合がある。
上記の場合には、第二情報への接触状況を直接把握することができないので、第一情報及び第二情報の双方への接触者数の規模等を特定する上で必要な措置を講じる必要がある。
具体的な措置の一例としては、シングルソースデータ取得用に設定された複数の対象者の各々について、第一情報の接触状況と、第二情報が掲載される情報掲載媒体への到達頻度とを特定し、これらの特定結果から、第一情報及び第二情報の双方への接触者数の規模を算出する方法が考えられる。
より詳しく説明すると、例えば、第二情報が一つの情報掲載媒体(以下、「一つの媒体」と呼ぶ)に掲載されるとき、N人の対象者の各々について、一つの媒体への到達頻度に応じたウェイトを特定する。ここで、ウェイトとは、対象者全員分の一つの媒体への総到達頻度に対する、個々の対象者の一つの媒体への到達頻度の割合である。
その後、N人の対象者のうち、第一情報に接触したことがある者の比率を、上述したウェイトを考慮して求める。そして、求めた比率を、第二情報への接触者数の規模に乗じることで、第一情報及び第二情報の双方への接触者数の規模を算出することができ、さらに、その算出結果からトータルリーチが算出される。
以上の算出方法は、「一つの媒体への到達頻度が多いほど(つまり、ウェイトが高いほど)、第二情報に接触した確率が高い」という前提に則って、第一情報及び第二情報の双方への接触者数の規模、並びにトータルリーチを算出するものである。
特開2011−107901号公報
しかし、上記の算出方法は、第二情報が掲載される情報掲載媒体が一つのみである場合を想定した算出方法である。したがって、第二情報が複数の情報掲載媒体に掲載されるケースに上記の算出方法をそのまま適用すると、計算上の不整合が生じるなど、トータルリーチについて妥当な算出結果が得られない虞がある。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、以下に示す目的を解決することを課題とする。
すなわち、本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、第一情報及び複数の情報掲載媒体に掲載される第二情報のうち、少なくとも一方の情報への接触者数の規模を適切に算出することができるデータ処理装置及びデータ処理方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のデータ処理装置は、第一情報への接触者数の規模である第一リーチと、第二情報への接触者数の規模である第二リーチと、の和集合であるトータルリーチを算出するデータ処理装置であって、第一リーチを特定するために収集される第一データを取得する第一データ取得部と、第二情報が複数の情報掲載媒体に掲載される場合に、第二リーチを情報掲載媒体毎に特定するために収集される第二データを取得する第二データ取得部と、複数の対象者の各々について、複数の情報掲載媒体の各々への到達頻度と、第一情報への接触状況とを示す第三データを、取得する第三データ取得部と、第一データから第一リーチを特定する第一リーチ特定部と、第二データから情報掲載媒体毎の第二リーチを特定する第二リーチ特定部と、第二データから、複数の情報掲載媒体から設定され得る組み合わせについて、当該組み合わせ中の情報掲載媒体の全てで第二情報に接触した者の人数の規模である重複リーチを特定する重複リーチ特定部と、第三データに基づき、到達頻度に応じたウェイトを複数の対象者の各々について情報掲載媒体毎に算出するウェイト算出部と、第三データから、複数の対象者の各々の第一情報への接触状況を特定する接触状況特定部と、複数の対象者の各々について算出された、一つの情報掲載媒体への到達頻度に応じたウェイトと、複数の対象者の各々の第一情報への接触状況とに基づき、一つの情報掲載媒体に到達した者のうち、第一情報への接触者数の第一比率を情報掲載媒体毎に導出する第一比率導出部と、組み合わせ中の情報掲載媒体の全てに到達した対象者について算出された、組み合わせ中の情報掲載媒体の各々への到達頻度に応じたウェイトと、組み合わせ中の情報掲載媒体の全てに到達した対象者の第一情報への接触状況とに基づき、組み合わせ中の情報掲載媒体の全てに到達した者のうち、第一情報への接触者数の第二比率を導出する第二比率導出部と、情報掲載媒体毎の第二リーチ、重複リーチ、情報掲載媒体毎の第一比率、及び第二比率に基づき、組み合わせ中のいずれか一つの情報掲載媒体にのみ到達した者のうち、第一情報への接触者数の第三比率を、組み合わせ中の情報掲載媒体の各々について導出する第三比率導出部と、第一リーチ、情報掲載媒体毎の第二リーチ、重複リーチ、第二比率、及び、組み合わせ中の情報掲載媒体の各々について導出された第三比率に基づき、トータルリーチを算出するトータルリーチ算出部と、を有することを特徴とする。
上記のように構成された本発明のデータ処理装置によれば、第二情報が複数の情報掲載媒体に掲載される場合において、計算上の不整合が生じないようにトータルリーチを算出することができる。
また、本発明において、第一情報及び第二情報がいずれも広告情報であってもよい。さらに、第一情報及び第二情報が、同一の商品又はサービスに関する広告情報であってもよい。
上記の場合には、第一情報に該当する広告情報、及び、第二情報に該当する広告情報のうち、少なくとも一方に接触した者の数の規模を特定することが可能となる。特に、第一情報及び第二情報が同一商品又はサービスに関する広告情報である場合には、第一情報及び第二情報のうちの少なくとも一方への接触者数の規模を通じて、当該商品又はサービスに関する広告の効果を確認することが可能となる。
また、本発明において、複数の情報掲載媒体の各々は、情報通信ネットワークを通じて利用可能な媒体であってもよい。
上記の場合には、情報通信ネットワークを通じて利用可能な複数の情報掲載媒体の各々への到達頻度を基にして、第一情報及び第二情報のうちのいずれか一方への接触者数の規模を特定することができる。
また、本発明において、複数の情報掲載媒体の各々には、第二情報を含め、情報掲載媒体への到達者に応じて内容が変わる被掲載情報が表示されてもよい。
上記の場合には、情報掲載媒体に表示される被掲載情報の内容が当該情報掲載媒体への到達者に応じて変わるため、「情報掲載媒体への到達頻度が多いほど、第二情報に接触している確率が高い」という前提がより妥当なものとなる。そして、本発明では、上記の前提に則ってトータルリーチを算出するので、妥当な算出結果が得られるようになる。
また、本発明において、ウェイトは、複数の対象者全員分の情報掲載媒体への総到達頻度に対する、複数の対象者の各々の情報掲載媒体への到達頻度の割合であってもよい。
上記の場合には、複数の対象者の各々について、ウェイトを上記の要領にて適切に求めることが可能となる。
また、本発明において、第三比率導出部は、組み合わせ中の情報掲載媒体のうち、ある情報掲載媒体にのみ到達した者のうち、第一情報への接触者数の第三比率を導出する際に、ある情報掲載媒体について導出された第二比率及び第三比率が第一比率と整合するように第三比率を導出するとよい。
上記の場合には、第二比率及び第三比率が第一比率と整合するように第三比率を導出し、導出した第三比率に基づいてトータルリーチを算出することで、計算上の不都合が生じないようにトータルリーチを算出することができる。
また、前述した課題を解決するため、本発明のデータ処理方法は、第一情報への接触者数の規模である第一リーチと、第二情報への接触者数の規模である第二リーチと、の和集合であるトータルリーチをコンピュータにより算出するデータ処理方法であって、コンピュータが、第一リーチを特定するために収集される第一データを取得し、コンピュータが、第二情報が複数の情報掲載媒体に掲載される場合に、第二リーチを情報掲載媒体毎に特定するために収集される第二データを取得し、コンピュータが、複数の対象者の各々について、複数の情報掲載媒体の各々への到達頻度と、第一情報への接触状況とを示す第三データを、取得し、コンピュータが、第一データから第一リーチを特定し、コンピュータが、第二データから情報掲載媒体毎の第二リーチを特定し、コンピュータが、第二データから、複数の情報掲載媒体から設定され得る組み合わせについて、当該組み合わせ中の情報掲載媒体の全てで第二情報に接触した者の人数の規模である重複リーチを特定し、コンピュータが、第三データに基づき、到達頻度に応じたウェイトを複数の対象者の各々について情報掲載媒体毎に算出し、コンピュータが、第三データから、複数の対象者の各々の第一情報への接触状況を特定し、コンピュータが、複数の対象者の各々について算出された、一つの情報掲載媒体への到達頻度に応じたウェイトと、複数の対象者の各々の第一情報への接触状況とに基づき、一つの情報掲載媒体に到達した者のうち、第一情報への接触者数の第一比率を情報掲載媒体毎に導出し、コンピュータが、組み合わせ中の情報掲載媒体の全てに到達した対象者について算出された、組み合わせ中の情報掲載媒体の各々への到達頻度に応じたウェイトと、組み合わせ中の情報掲載媒体の全てに到達した対象者の第一情報への接触状況とに基づき、組み合わせ中の情報掲載媒体の全てに到達した者のうち、第一情報への接触者数の第二比率を導出し、コンピュータが、情報掲載媒体毎の第二リーチ、重複リーチ、情報掲載媒体毎の第一比率、及び第二比率に基づき、組み合わせ中のいずれか一つの情報掲載媒体にのみ到達した者のうち、第一情報への接触者数の第三比率を、組み合わせ中の情報掲載媒体の各々について導出し、コンピュータが、第一リーチ、情報掲載媒体毎の第二リーチ、重複リーチ、第二比率、及び、組み合わせ中の情報掲載媒体の各々について導出された第三比率に基づき、トータルリーチを算出することを特徴とする。
上記のデータ処理方法によれば、第二情報が複数の情報掲載媒体に掲載される場合において、トータルリーチを適切に算出することができる。
本発明によれば、第二情報が複数の情報掲載媒体に掲載される場合において、計算上の不整合が生じないように、第一情報及び第二情報のうちの少なくとも一方への接触者数の規模であるトータルリーチを算出することができる。
各データの取得経路を示す図である。 各情報への接触者数の規模を示す模式図である。 一つの情報掲載媒体に第二情報が掲載される場合のトータルリーチを算出する手順を示す図である。 一つの情報掲載媒体に第二情報が掲載される場合の第三データを示す図である。 一つの情報掲載媒体に第二情報が掲載される場合のトータルリーチの算出結果を示す図である。 複数の情報掲載媒体に第二情報が掲載される場合において、一つの情報掲載媒体に第二情報が掲載される場合に利用可能な算出手法を用いてトータルリーチを算出したときの結果を示す図である。 第二情報を掲載する複数の情報掲載媒体の各々について、各情報への接触者数の規模を特定した結果を示す図である。 計算上の不整合が生じる理由を説明するために参照される図である。 本発明の一実施形態に係るデータ処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るデータ処理装置が有する機能部を示す図である。 複数の情報掲載媒体に第二情報が掲載される場合の第三データを示す図である。 複数の情報掲載媒体に第二情報が掲載される場合のトータルリーチを算出する手順を示す図である。 複数の情報掲載媒体に第二情報が掲載される場合のトータルリーチの算出結果を示す図である。 本発明により算出されたトータルリーチの妥当性についての説明図である。
本発明の一実施形態(本実施形態)に係るデータ処理装置及びデータ処理方法について、添付の図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、あくまでも、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
また、本明細書において、「装置」とは、単独で特定の機能を発揮する一つの装置の他、分散して存在しているものの特定の機能を発揮するために協働する複数の装置をも含むものである。
また、以下の説明において、「人」又は「者」は、個人のみならず、個人が属するグループ(例えば、世帯)を含む概念である。
また、以下の説明において、「情報通信ネットワーク」は、インターネット及びモバイル通信ネットワーク等、公衆向けにデジタルデータを送信(配信)するための通信ネットワークの総称である。
また、以下の説明において、「テレビCM」及び「ラジオCM」は、電波放送又はデータ放送にて配信される広告情報のみならず、インターネットテレビ及びIPサイマルラジオ等にて放送される広告情報をも含むものとする。
また、以下の説明において、「デジタル広告」は、Web広告等、情報通信ネットワークを通じて配信される広告情報であり、広告対象の商品又はサービスに関する情報を掲載したWebサイトを含み、ポータルサイト、SNS(Social Network Service)サイト若しくは動画サイト等に掲載される広告、例えば、サイト利用者(閲覧者)に応じて内容が変化するターゲティング広告、アドネットワーク広告及びDSP(Demand-Side Platform)広告を含み、さらには、バナー広告を含むものとする。また、「デジタル広告」には、ブラウザによって表示されるものが含まれ、且つ、モバイルアプリケーション(いわゆる「アプリ」)を起動して表示されるものも含まれる。
また、以下の説明において、「接触」とは、情報に接触する行為であり、その情報を知覚/認識したか否かは問わない。また、接触には、例えば、テレビの視聴、ラジオの聴取、Webサイトの利用(閲覧)、モバイルアプリケーションを通じた専用サイトの利用(閲覧)、新聞や雑誌等の購読、屋外又は公共機関で表示される広告等の視認等が挙げられる。また、「視聴」は、放送される番組及び広告をリアルタイムで視聴することの他に、番組及び広告を録画又は録音等して放送後の一定期間内に再生して視聴したりWeb配信されるものを視聴したりする、いわゆるタイムシフト視聴を含む。
また、以下の説明において、「到達」とは、前述の「接触」を含むと共に、ある場所/位置(具体的には、例えば、情報掲載媒体が設置された場所等)への物理的な到達、及び、ある状態(具体的には、例えば、情報掲載媒体を特定の態様で所持又は利用している状態等)への遷移や移行をも含むものとする。
<<本実施形態における各種の取得データ>>
先ず、本実施形態において利用する各種のデータ、及び、それぞれのデータについての取得方法等について説明する。
本実施形態では、第一情報及び第二情報のそれぞれへの接触者数の規模に関する調査が実施され、その調査結果を示すデータが取得される。ここで、第一情報及び第二情報は、互いに配信形態が異なる情報である。具体的に説明すると、本実施形態では、第一情報がテレビ放送される情報(コンテンツ)であり、第二情報は、情報通信ネットワーク経由で配信される情報である。
また、本実施形態において、第一情報及び第二情報は、いずれも広告情報であり、同一の商品又はサービスに関する広告情報である。つまり、第一情報は、ある商品又はサービスに関するテレビCMであり、第二情報は、同一の商品又はサービスに関するデジタル広告である。
ちなみに、第一情報及び第二情報の配信形態については、テレビ及びWeb等に限定されるものではなく、ラジオ放送されてもよく、また、デジタルサイネージ等の屋外に設置される情報表示デバイスにて表示されてもよく、また、店頭等に設置される情報表示器にて表示されてもよく、また、屋外の看板にて表示されてもよく、あるいは、新聞又は雑誌等の紙面にて表示されてもよい。
また、第一情報及び第二情報が表す内容については、広告に限定されず、広告以外のコンテンツ(例えば、ニュース又は記事、若しくは番組等)であってもよい。
ところで、本実施形態では、第一情報及び第二情報のそれぞれについて、接触者数の規模に関する調査が実施される。本実施形態において、「接触者数の規模」とは、リーチを意味し、具体的には、各調査の母集団の人数に対する、第一情報/第二情報に接触した者の人数の割合を意味する。ただし、これに限定されるものではなく、第一情報/第二情報への接触者数の絶対数を「接触者数の規模」としてもよい。
第一情報(すなわち、ある商品又はサービスに関するテレビCM)への接触者数の規模に関する調査は、テレビ視聴状況の調査である。以下、第一情報への接触者数の規模を「第一リーチ」と呼び、第一リーチに関する調査を「第一調査」と呼ぶ。第一調査は、例えば、各日の各時間帯におけるテレビ視聴率を調査する調査会社(以下、第一調査実施者R1)によって行われる。
第二情報(すなわち、第一情報と同じ商品又はサービスに関するデジタル広告)への接触者数の規模に関する調査は、デジタル広告の効果測定調査である。以下、第二情報への接触者数の規模を「第二リーチ」と呼び、第二リーチに関する調査を「第二調査」と呼ぶ。第二調査は、例えば、各種のWeb広告への接触状況を調査する調査会社(以下、第二調査実施者R2)によって行われる。なお、第一調査実施者R1と第二調査実施者R2とは、同一の者(会社)であってもよく、互いに異なる者(会社)であってもよい。
また、本実施形態では、第一調査及び第二調査とは別に、複数の対象者に対して、複数のメディア接触状況に関する調査(他の調査)を実施する。この調査は、各対象者について、第一情報への接触状況と、情報掲載媒体への到達頻度とを把握するための調査であり、以下、「第三調査」と呼ぶこととする。情報掲載媒体とは、第二情報を含む被掲載情報が掲載されるメディアであり、本実施形態では所定のWebサイト(具体的にはポータルサイト、動画サイト及びSNSサイト等)であるとする。情報掲載媒体には、当該情報掲載媒体への到達者(サイト閲覧者)に応じて内容が変わる被掲載情報が表示される。被掲載情報の一例としては、サイト閲覧者に応じて内容が変わる広告(所謂、ターゲティング広告)が挙げられる。
なお、情報掲載媒体は、Webサイトに限定されるものではなく、例えば、デジタルサイネージ等の屋外に設置される情報表示デバイス、店頭等に設置される情報表示器、屋外の看板、新聞又は雑誌(これらの電子版を含む)、若しくはラジオ等の放送メディア等であってもよい。また、アプリ起動によってモバイル画面に表示されるWebサービス用のページも情報掲載媒体となる。
また、情報掲載媒体に掲載される被掲載情報は、利用者に応じて内容が変わるターゲティング広告に限定されず、例えば、情報掲載媒体への到達者を問わずに共通して配信される純広告(バナー広告等)であってもよい。
また、本実施形態において、第三調査は、第二調査実施者R2とは異なる者、具体的には第一調査実施者R1(厳密には、第二調査実施者R2には該当ない第一調査実施者R1)によって実施される。ただし、これに限定されるものではなく、第三調査が第一調査及び第二調査の実施者と同じ者によって実施されてもよく、あるいは、第一調査、第二調査及び第三調査の各々が互いに異なる実施者によって実施されてもよい。
本実施形態において、第一調査、第二調査及び第三調査は、互いに独立して実施され、より詳しく説明すると、調査用の母集団、標本数、調査手法、調査時期及び調査期間等については調査間で独自に設定される。
以下、第一調査、第二調査及び第三調査について、図1を参照しながら個別に説明する。図1は、各種データの取得経路を示す図である。なお、同図に示すパネルN、閲覧者V及び対象者Tの数は、図示の都合上、実際の数より少ない数となっている。
(第一調査)
第一調査は、設定された母集団から統計学的手法に従って無作為に選出されたパネルNを対象として実施され、各パネルNのテレビ視聴状況を機械式手法にて調査する。より詳しく説明すると、各パネルNの自宅には、テレビの視聴時間及び視聴チャンネル等を測定する公知の測定機器(不図示)が設置されている。この測定機器により、各パネルNのテレビの視聴状況が調査期間中、毎日調査される。
また、上記の測定機器は、一定間隔(例えば、1分毎)の測定結果を示すデータ(以下、第一データ)を生成し、第一調査実施者R1に向けて送信する。第一調査実施者R1は、図1に示すように、各パネルNの測定機器から送られてくる第一データを専用の通信回線を通じて収集する。これにより、第一調査実施者R1は、テレビの視聴状況を示す第一データを、パネルNの人数に応じた分、取得する。また、第一調査実施者R1は、各パネルNから取得した第一データをデータベース化して蓄積する。
そして、第一調査実施者R1は、各パネルNから収集した第一データを解析し、所定の時間帯にて所定のテレビ局で放送される番組又はテレビCMについて、第一リーチとしての視聴率を特定する。例えば、第一調査実施者R1は、ある商品又はサービスに関するテレビCMが放送される時間帯及びテレビ局を入力情報とし、当該テレビCMの視聴率を、蓄積された第一データに基づいて特定する。このような意味で、第一データは、所定のテレビCMの視聴率(第一リーチ)を特定するために収集されるデータであると言える。
なお、各パネルNの自宅に設置された測定機器からの第一データの送信については、分単位で行われてもよく、あるいは1時間分、若しくは1日分のデータをまとめて送信してもよい。
また、本実施形態では、第一データが上記の測定機器から通信回線を通じて送られてくることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、各パネルNが所定の記入用紙にテレビの視聴状況(具体的には、それぞれの時間帯におけるテレビ局毎の視聴時間等)を記入し、第一調査実施者R1が記入済みの用紙を各パネルNから回収し、回収した用紙の記入内容を第一調査実施者R1側で入力することで、各パネルNのテレビ視聴状況を示すデータ(すなわち、第一データ)を取得してもよい。その他にも、例えば、各パネルNがテレビ視聴した際にテレビ受信機にて蓄積されるデバイスログ、あるいはテレビ受信機からネット経由でテレビ放送局側に送られる視聴ログを第一データとして取得してもよい。
(第二調査)
第二調査は、調査対象として指定されたデジタル広告の効果を測定するために実施される。より詳しく説明すると、第二調査は、コンバージョン測定等で利用されるタグマネージャを用いて実施され、調査対象として指定されたデジタル広告には追跡用タグが予め埋め込まれており、閲覧者Vが上記のデジタル広告をブラウザ又はアプリを通じて閲覧すると、閲覧者Vに関する情報及びその閲覧日時等が特定される。その特定結果を示すデータ(以下、第二データ)が第二調査実施者R2によって収集され、第二調査実施者R2は、上記のデジタル広告の閲覧者Vの人数に応じた数の第二データをデータベース化して蓄積する。
そして、第二調査実施者R2は、調査対象として指定されたデジタル広告について収集した第二データを解析し、上記デジタル広告について、第二リーチとしての閲覧率を特定する。例えば、第二調査実施者R2は、ある商品又はサービスに関するデジタル広告の閲覧者Vの人数を、蓄積された第二データから特定し、特定した閲覧者数から閲覧率を特定する。このような意味で、第二データは、所定のデジタル広告についての閲覧率(第二リーチ)を特定するために収集されるデータであると言える。
また、本実施形態において、デジタル広告についての閲覧率(第二リーチ)は、第二調査実施者R2から第一調査実施者R1に通知され、具体的には、例えば、閲覧率の値を示すデータが第一調査実施者R1に向けて送信される。
また、本実施形態において、同じデジタル広告が複数のWebサイト(情報掲載媒体)に掲載される場合には、そのデジタル広告についての閲覧率がWebサイト毎(情報掲載媒体毎)に特定される。かかる場合、第二データは、閲覧率(第二リーチ)をWebサイト毎に特定する目的で収集される。
(第三調査)
第三調査は、シングルソースデータを取得するために行われる調査であり、主として、異種のメディア(例えば、テレビとWeb)の関係を把握するために行われる。第三調査は、複数の対象者Tを対象として行われ、例えば、数千人程度の対象者Tを対象として実施される。
また、第三調査の対象者Tについては、その一部又は全部が第一調査のパネルNと重複するように設定されてもよく、第一調査のパネルNとは重複しないように設定されてもよい。
第三調査では、複数の対象者Tの各々について、テレビ視聴状況及びWeb利用状況を調査する。第三調査におけるテレビ視聴状況の調査については、第一調査と同様の要領にて実施され、各対象者Tのテレビ視聴状況が機械式手法により定期的に調査される。また、第三調査におけるWeb利用状況の調査では、各対象者Tが調査期間中にブラウザによってアクセス(到達)したWebサイトへの到達頻度、具体的にはページビュー(サイト閲覧回数;以下、PVという)を調査する。ちなみに、第三調査では、各対象者Tが調査期間中に専用アプリからアクセス(到達)したWebサービスへの到達回数を調査することも可能である。ただし、以降の説明では、第三調査にて調査するWebサイトへの到達頻度が、上記のページビュー(PV)のみであることとする。
第三調査の調査結果は、対象者T別にデータ化され、第一調査実施者R1は、そのデータを対象者T別に収集する。具体的に説明すると、第一調査と同様、各対象者Tの自宅には、テレビの視聴時間及び視聴チャンネル等を測定する測定機器(不図示)が設置されており、この測定機器が、各対象者Tのテレビの視聴状況に関する測定結果を定期的(例えば、1分毎)に第一調査実施者R1に向けて送信する。第一調査実施者R1は、図1に示すように、各対象者Tの測定機器から送られてくる測定データを専用の通信回線を通じて収集する。これにより、第一調査実施者R1は、テレビ視聴状況の測定データを、対象者Tの人数に応じた分、取得する。
なお、テレビ視聴状況の測定データの送信については、分単位で行われてもよく、あるいは1時間分、若しくは1日分のデータをまとめて送信してもよい。
また、本実施形態では、テレビ視聴状況の測定データが上記の測定機器から通信回線を通じて送られてくることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、各対象者Tが所定の記入用紙にテレビの視聴状況(具体的には、それぞれの時間帯におけるテレビ局毎の視聴時間等)を記入し、第一調査実施者R1が記入済みの用紙を各対象者Tから回収し、回収した用紙の記入内容を第一調査実施者R1側で入力することで、各対象者Tのテレビ視聴状況の測定データを取得してもよい。その他にも、例えば、各対象者Tがテレビ視聴した際にテレビ受信機にて蓄積されるデバイスログ、あるいはテレビ受信機からネット経由でテレビ放送局側に送られる視聴ログをテレビ視聴状況の調査データとして取得してもよい。
第一調査実施者R1は、各対象者Tから収集したテレビ視聴状況の測定データを解析することで、ある商品又はサービスに関するテレビCMについての視聴の有無を対象者T毎に特定することができる。
また、第三調査の実施期間中、各対象者TのWeb利用状況が随時モニタリングされ、より具体的には、所定のWebサイト(情報掲載媒体)への到達頻度を示すPVが測定される。PVの測定手法については、公知のWeb解析手法が利用可能であり、例えば、アクセス解析ツールを用いた手法を利用することができる。
第一調査実施者R1は、各対象者Tについて測定したPVから、所定のWebサイトへの到達頻度を対象者T毎に特定することができる。ここで、「所定のWebサイト」は、第二情報としてのデジタル広告を掲載するWebサイトであり、具体的には、上述したテレビCMと同一の商品又はサービスに関するデジタル広告を含む被掲載情報(厳密にはターゲティング広告)が表示されるポータルサイト、動画サイト及びSNSサイトである。
また、所定のWebサイトに該当するWebサイトが複数存在する場合、つまり、上述のデジタル広告が複数のWebサイトに掲載される場合において、第一調査実施者R1は、各対象者Tについて、各Webサイトへの到達頻度(PV)をWebサイト毎に特定する。
以上のようにして、第一調査実施者R1は、各対象者Tについて第三調査の調査結果、具体的には、ある商品又はサービスに関するテレビCMへの接触状況と、所定のWebサイトへの到達頻度とを特定する。さらに、第一調査実施者R1は、上記の特定結果をデータ化して、そのデータ(以下、第三データ)を記憶して蓄積する。
第三データは、複数の対象者Tの各々について、第一情報に該当するテレビCMへの接触状況と、情報掲載媒体に該当する所定のWebサイトへの到達頻度と、を示すデータである。また、所定のWebサイトが複数存在する場合には、第三データは、各Webサイトへの到達頻度をWebサイト毎に示すデータとなる。
<<各種情報についてのリーチを特定する方法>>
次に、各情報への接触者数の規模(リーチ)を特定する方法について説明する。なお、以下では、ある商品XについてのテレビCMを第一情報とし、同じ商品Xについてのデジタル広告を第二情報とするケースを具体例に挙げて説明することとする。
商品XのテレビCMについてのリーチ、すなわち第一リーチは、第一調査の実施を通じて取得される第一データから特定することができる。具体的には、商品XのテレビCMを視聴したことがあるパネルNの人数を、全パネルNの人数で割ったときの値が、そのテレビCMについての第一リーチとなる。ここで、商品XのテレビCMを視聴したことがあるという事象を事象Aとした場合、第一リーチは、図2に示すようにP(A)として表現される。図2は、各種のリーチを示す模式図(詳しくは、ベン図)である。
商品Xのデジタル広告についてのリーチ、すなわち第二リーチは、第二調査の実施を通じて取得される第二データから特定することができる。具体的には、商品Xのデジタル広告の閲覧者Vの人数を、日本の全人口又はインターネット利用者の人数で割ったときの値が、そのデジタル広告についての第二リーチとなる。ここで、商品Xのデジタル広告を閲覧したことがあるという事象を事象Bとした場合、第二リーチは、図2に示すようにP(B)として表現される。
以上のように第一リーチP(A)と第二リーチP(B)とは、それぞれ個々に特定し得る。一方、商品Xの広告の効果(例えば、商品Xの認知度)を確認するには、商品XのテレビCM及びデジタル広告のうちの少なくとも一方への接触者数の規模、すなわちトータルリーチを特定する必要がある。ここで、トータルリーチは、図2に示すように、第一リーチP(A)及び第二リーチP(B)の和集合P(A∪B)として表現される。
トータルリーチP(A∪B)を特定するには、例えば、商品XのテレビCM及びデジタル広告の双方への接触者数の規模を求める必要がある。この規模は、第一リーチP(A)と第二リーチP(B)の積集合P(A∩B)に相当するリーチであり、以下では、交叉リーチP(A∩B)とも呼ぶ。
交叉リーチP(A∩B)を特定するには、第三調査の実施を通じて取得される第三データ、すなわち、シングルソースデータを利用することができる。ただし、本実施形態で得られる第三データからは、複数の対象者Tの各々について、商品XのテレビCMの視聴の有無を特定することができるものの、商品Xのデジタル広告への到達(閲覧)の有無については特定することができない。これは、諸処の理由により、第三調査にて商品Xのデジタル広告への接触の有無を調査しない、若しくは調査できない場合があり得るためである。
一方、本実施形態で得られる第三データからは、商品Xのデジタル広告が掲載される所定のWebサイトへの到達頻度(具体的にはPV)を特定することが可能である。このことを利用すれば、交叉リーチP(A∩B)を第三データから明確には特定することができないものの、交叉リーチP(A∩B)として妥当な値を算出(推算)することができ、その算出結果からトータルリーチP(A∪B)を適切に算出することが可能となる。
第三データを利用してトータルリーチP(A∪B)を算出する流れについて、図3〜図5を参照しながら説明する。図3は、トータルリーチを算出する手順を示す図であり、図4は、第三データを示す図であり、図5は、トータルリーチの算出結果を示す図である。
なお、具体例として、商品Xに関するテレビCM及びデジタル広告のうち、少なくとも一方への接触者数の規模であるトータルリーチP(A∪B)を算出するケースについて説明する。また、商品Xのデジタル広告が掲載されるWebサイト(情報掲載媒体)は一つであることとし、そのWebサイトを「サイトY」とする。
トータルリーチP(A∪B)を算出する手順は、図3に示す通りである。具体的に説明すると、先ず、第一調査、第二調査及び第三調査を実施し、各調査の実施によって収集される第一データ、第二データ及び第三データを取得する(S001〜S003)。その後、商品XのテレビCMについてのリーチ、すなわち第一リーチP(A)を第一データから算出する(S004)。また、商品Xのデジタル広告についてのリーチ、すなわち第二リーチP(B)を第二データから算出する(S005)。
また、第三データを解析し、複数の対象者Tの各々について、ウェイトを算出すると共に、商品XのテレビCMの視聴の有無(接触状況)を特定する(S006、S007)。ウェイトは、サイトYへの到達頻度(PV)に応じて決まる指標であり、対象者T全員分のサイトYへの到達頻度(PV)を合計した総到達頻度に対する、各対象者T一人分のサイトYへの到達頻度(PV)の割合として求められる。
図4に示した第三データを例に挙げて、各対象者Tのウェイトを特定する手順を説明すると、サイトYへの総到達頻度が98153であり、識別番号a001の対象者TのサイトYへの到達頻度(PV)が2702であるので、この対象者Tのウェイトは、0.0275(=2702/98153)となる。同様の要領により、識別番号c001の対象者Tのウェイトは、0.0192(=1887/98153)となる。
次に、各対象者Tについて特定したウェイト、及び商品XのテレビCMの視聴の有無に基づいて、比率を導出する(S008)。比率は、複数の対象者Tのうち、商品XのテレビCMに接触したことがある者の人数に関する比率であり、下記の式から導出される。
比率(%)=Gw/Sw×100
上式において、Swは、複数の対象者T全員分のウェイトの総和(ウェイト総和)であり、Gwは、商品XのテレビCMに接触したことがある対象者Tのウェイトを合算したウェイト合計値である。
その後、これまでのステップで特定してきた第一リーチP(A)、第二リーチP(B)及び比率に基づき、トータルリーチP(A∪B)を算出する(S009)。ここで、上記3つの特定結果が図5に示す値であるとき、交叉リーチP(A∩B)、すなわち、商品XのテレビCM及びデジタル広告の双方への接触者数の規模は、第二リーチP(B)と比率との積により算出され、本ケースでは1.1%(=2.0%×0.541)となる。そして、交叉リーチP(A∩B)が算出されることで、トータルリーチP(A∪B)が算出され、本ケースでは69.8%(=68.9%+2.0%−1.1%)となる。
以上までに説明してきたトータルリーチ算出方法では、シングルソースデータ取得用に設定された複数の対象者Tの各々について、サイトYへの到達頻度(PV)に応じたウェイトと、商品XのテレビCMについての視聴の有無と、を特定する。そして、これらの特定結果から導出される比率、及び第二リーチP(B)から交叉リーチP(A∩B)を求める。
つまり、上述のトータルリーチ算出方法には、「サイトYへの到達頻度が多い対象者Tは、第二情報を含め、サイトYに掲載される情報に接触した確率が高い」という前提がある。つまり、サイトYへの到達頻度が多い対象者Tについては、ウェイトを高くし、到達頻度が少ない対象者Tについては、ウェイトを低くする。上記の前提の下で交叉リーチP(A∩B)を算出するので、第三データからは各対象者Tの商品Xのデジタル広告への接触状況を直接的には特定することができないものの、妥当な算出結果を得ることができる。この結果、トータルリーチP(A∪B)を適切に算出することが可能となる。
ところで、上記のケースでは、デジタル広告(第二情報)が一つのWebサイト(情報掲載媒体)にのみ掲載されることとしたが、例えば、同じデジタル広告が複数のWebサイトに掲載される場合がある。この場合には、前述したように、デジタル広告についての第二リーチP(B)がWebサイト毎に特定されるので、トータルリーチP(A∪B)が、第一リーチP(A)とWebサイト毎の第二リーチP(B)との和集合になる。
そして、本発明者の検討によれば、上述のトータルリーチ算出方法(デジタル広告が一つのWebサイトに掲載される場合に利用可能な算出方法であり、以下では、単体版算出方法と呼ぶ)を、デジタル広告が複数のWebサイトに掲載される場合にそのまま適用すると、計算上の不整合が生じ得ることが分かった。この点について、図6〜図8を参照しながら詳しく説明する。
図6は、デジタル広告が複数のWebサイトに掲載される場合において単体版算出手法を用いてトータルリーチを算出したときの結果を示す。図7は、デジタル広告を掲載する複数のWebサイトの各々について、各種情報についてのリーチを単体版算出方法によって算出したときの結果を示す。図8は、デジタル広告が複数のWebサイトに掲載される場合において単体版算出手法を適用した際に生じ得る、計算上の不整合についての理由を説明するために参照される図である。
なお、デジタル広告が掲載されるWebサイトの数については、特に限定されないが、以下では、説明を分かり易くするため、商品Xのデジタル広告が二つのWebサイト(サイトY及びサイトZ)に掲載されるケースを具体例に挙げて説明する。
また、以下では、サイトYにて掲載される商品Xのデジタル広告に接触する事象をByとし、そのときの第二リーチをサイトY側第二リーチP(By)と呼ぶ。同様に、サイトZにて掲載される商品Xのデジタル広告に接触する事象をBzとし、そのときの第二リーチをサイトZ側第二リーチP(Bz)と呼ぶ。さらに、サイトY側第二リーチP(By)とサイトZ側第二リーチP(Bz)との積集合、つまり、サイトYにて掲載される商品Xのデジタル広告、及び、サイトZにて掲載される商品Xのデジタル広告の双方に接触した者の人数の規模を重複リーチP(By∩Bz)と呼ぶ。
デジタル広告が複数のWebサイトに掲載される場合のトータルリーチP(A∪By∪Bz)を単独版算出方法によって算出する場合、各対象者Tについて算出したウェイトから、下記3つの比率E1、E2、E3を導出することができる。
比率E1:サイトYにて掲載される商品Xのデジタル広告にのみ接触した者のうち、商品XのテレビCMに接触した者の人数の比率
比率E2:サイトYにて掲載される商品Xのデジタル広告、及び、サイトZにて掲載される商品Xのデジタル広告の双方に接触した者のうち、商品XのテレビCMに接触した者の人数の比率
比率E3:サイトZにて掲載される商品Xのデジタル広告にのみ接触した者のうち、商品XのテレビCMに接触した者の人数の比率
ここで、比率E1は、サイトYにのみ到達した対象者Tの、サイトYへの到達頻度に応じたウェイトを集計して導出される。また、比率E2は、サイトY及びサイトZの双方に到達した対象者Tの、サイトYへの到達頻度に応じたウェイト、及びサイトZへの到達頻度に応じたウェイトの両方を集計して導出される。また、比率E3は、サイトZにのみ到達した対象者Tの、サイトZへの到達頻度に応じたウェイトを集計して導出される。
そして、上記3つの比率E1、E2、E3、第一リーチP(A)、サイトY側第二リーチP(By)、サイトZ側第二リーチP(Bz)及び重複リーチP(By∩Bz)からトータルリーチP(A∪By∪Bz)が算出される。
具体的に説明すると、サイトY側第二リーチP(By)と重複リーチP(By∩Bz)との差分を求め、求めた差分に比率E1を乗じることで、『サイトYのみにて商品Xのデジタル広告に接触し、且つ商品XのテレビCMを視聴した者の人数の規模(図6中、記号P1にて示すリーチ)』が算出される。
また、重複リーチP(By∩Bz)に比率E2を乗じることで、『サイトY及びサイトZの双方にて商品Xのデジタル広告に接触し、且つ商品XのテレビCMを視聴した者の人数の規模(図6中、記号P2にて示すリーチ)』が算出される。
また、サイトZ側第二リーチP(Bz)と重複リーチP(By∩Bz)と差分を求め、求めた差分に比率E3を乗じることで、『サイトZのみにて商品Xのデジタル広告に接触し、且つ商品XのテレビCMを視聴した者の人数の規模(図6中、記号P3にて示すリーチ)』が算出される。
そして、上記のリーチP1、P2、P3が算出されることで、図6中、記号P4〜P7にて示すリーチが算出される。それぞれのリーチが示す内容は、以下の通りである。
リーチP4:サイトYにて商品Xのデジタル広告には接触したが、商品XのテレビCMを視聴したことがない者の人数の規模
リーチP5:サイトY及びサイトZの双方にて商品Xのデジタル広告に接触したが、商品XのテレビCMを視聴したことがない者の人数の規模
リーチP6:サイトZにて商品Xのデジタル広告には接触したが、商品XのテレビCMを視聴したことがない者の人数の規模
リーチP7:商品XのテレビCMには接触したが、商品Xのデジタル広告には接触していない者の人数の規模
上記のリーチP1〜P7を合算することで、トータルリーチP(A∪By∪Bz)が算出される。
一方、第一リーチP(A)とサイトY側第二リーチP(By)との和集合P(A∪By)、及び、第一リーチP(A)とサイトZ側第二リーチP(Bz)との和集合(A∪Bz)は、図7に示すように、それぞれ単独版算出方法によって個別に算出することができる。
各々の和集合を算出するには、前述したように、各対象者TのサイトY、Zへの到達頻度に応じたウェイトを集計して比率Ey、Ezを導出する。そして、第一リーチP(A)とサイトY側第二リーチP(By)との積集合である交叉リーチP(A∩By)が比率Eyから算出され、その結果、第一リーチP(A)とサイトY側第二リーチP(By)との和集合P(A∪By)が算出される。ここで、交叉リーチP(A∩By)は、図6と図7を対比すると分かるように、トータルリーチP(A∪By∪Bz)を算出する際に求めたリーチP1とリーチP2との和に等しくなるはずである。しかし、トータルリーチP(A∪By∪Bz)を単独版算出方法によって算出したときのリーチP1とリーチP2との和については、上記の交叉リーチP(A∩By)と一致しない場合がある。
同様に、第一リーチP(A)とサイトZ側第二リーチP(Bz)との積集合である交叉リーチP(A∩Bz)が比率Ezから算出され、その結果、第一リーチP(A)とサイトZ側第二リーチP(Bz)との和集合P(A∪Bz)が算出される。ここで、交叉リーチP(A∩Bz)は、図6と図7を対比すると分かるように、トータルリーチP(A∪By∪Bz)を算出する際に求めたリーチP2とリーチP3との和に等しくなるはずである。しかし、トータルリーチP(A∪By∪Bz)を単独版算出方法によって算出したときのリーチP2とリーチP3との和については、上記の交叉リーチP(A∩Bz)と一致しない場合がある。
以上のように、トータルリーチP(A∪By∪Bz)を単独版算出方法によって算出するケースと、第一リーチP(A)とサイトY側第二リーチP(By)又はサイトZ側第二リーチP(Bz)との和集合を個別に算出するケースとの間で、同じ接触者数の規模(リーチ)について算出値が異なってしまうことがある。このような計算上の不整合は、サイトY及びサイトZの双方に到達した対象者Tについて算出したウェイトが、上記2つの算出ケースの間で相違することに起因する。
図8を参照して具体的に説明すると、例えば、サイトY及びサイトZの双方に到達した対象者Tのうちの一人(図8に示す対象者Tm)が、商品XのテレビCMを視聴したことがあるとする。また、この対象者Tmの、サイトYへの到達頻度に応じたウェイトは比較的高く、サイトZへの到達頻度に応じたウェイトは比較的低く、サイトY及びサイトZの双方への到達頻度に応じたウェイトは比較的低いとする。この場合、トータルリーチP(A∪By∪Bz)の算出過程において比率S2を導出する上で各対象者Tのウェイトを集計すると、対象者Tmのウェイトが反映される度合いが相対的に小さくなる。
他方、第一リーチP(A)とサイトY側第二リーチP(By)との和集合の算出過程において比率Eyを導入する上で各対象者Tのウェイトを集計すると、対象者Tmのウェイトが反映される度合いが相対的に大きくなる。
このような対象者Tmのウェイトの反映度合いの違い(ズレ)に起因して、上述した計算上の不整合が生じると考えられる。このことを踏まえ、本発明者は、デジタル広告が複数のWebサイトに掲載される場合にもトータルリーチを適切に算出する方法(以下、複数版算出方法)を開発した。本実施形態では、この複数版算出方法を採用することにより、上述の計算上の不整合が生じないようにトータルリーチを算出することが可能である。
以下では、複数版算出方法によりトータルリーチを算出するための一連のデータ処理、及び、データ処理を実施する装置の構成について詳しく説明する。なお、以下の説明でも、引き続き、商品XのテレビCMが第一情報に該当し、商品Xのデジタル広告が第二情報に該当し、当該デジタル広告が2つのWebサイト(サイトY及びサイトZ)に掲載されるケースを想定する。
<<本実施形態に係るデータ処理装置の構成>>
次に、本実施形態に係るデータ処理装置(以下、データ処理装置10)の構成について、図9を参照しながら説明する。図9は、データ処理装置10の構成を示すブロック図である。
データ処理装置10は、第一調査、第二調査及び第三調査を通じて対応するデータ(すなわち、第一データ、第二データ及び第三データ)を取得し、これらのデータから、第一リーチP(A)とWebサイト毎の第二リーチP(By)、P(Bz)との和集合であるトータルリーチP(A∪By∪Bz)を算出する。本実施形態において、データ処理装置10は、図3に示すように、第一調査実施者R1が有するコンピュータ(以下、第一コンピュータ11)と、第二調査実施者R2が有するコンピュータ(以下、第二コンピュータ12)とによって構成されている。
第一コンピュータ11及び第二コンピュータ12は、いずれもサーバコンピュータからなり、データ処理装置10としての機能を発揮するために協働する。ただし、これに限定されるものではなく、第一コンピュータ11及び第二コンピュータ12のうちの一方のコンピュータが、他方のコンピュータの機能を併せ持ち、一台でデータ処理装置10として機能する構成であってもよい。あるいは、第一調査実施者R1及び第二調査実施者R2とは別の第三者が有するコンピュータがデータ処理装置10として機能してもよい。例えば、ASP(Application Service Provider)サーバがデータ処理装置10として機能し、第一乃至第三データからトータルリーチP(A∪B)を算出するASPサービスを提供してもよい。
第一コンピュータ11及び第二コンピュータ12の各々は、プロセッサとしてのCPUと、RAM及びROM等からなるメモリと、ハードディスクドライブと、通信用インタフェースと、マウス及びキーボード等からなる入力機器と、ディスプレイ及びプリンタ等からなる出力機器と、を有する。
また、第一コンピュータ11及び第二コンピュータ12の各々には、外部機器と通信するための通信用プログラムがインストールされている。この通信用プログラムにより、第一コンピュータ11及び第二コンピュータ12の各々は、外部機器と通信し、通信回線を通じて外部機器との間でデータの送受信を行う。具体的に説明すると、例えば、第一コンピュータ11は、第一調査のパネルNや第三調査の対象者Tの家に設置された測定機器と通信することで、テレビ視聴状況の測定データを取得する。また、第二コンピュータ12は、第二調査において、Webサイト上のデジタル広告を閲覧した閲覧者Vの端末(PC又はモバイル端末)と通信することで、当該閲覧者Vの人数を特定するためのデータを取得する。
なお、本実施形態では、対象とするWebサイト(具体的には、サイトY及びサイトZ)が複数あり、第二コンピュータ12は、閲覧者Vの人数をWebサイト毎に特定するためのデータを取得する。
また、第一コンピュータ11と第二コンピュータ12とは、互いに通信して両者間でデータの送受信を行う。例えば、第二コンピュータ12は、Webサイト上のデジタル広告を閲覧した閲覧者Vの数の規模(すなわち、第二リーチ)を示すデータを第一コンピュータ11に向けて送信し、第一コンピュータ11は、当該データを受信する。
本実施形態では、対象とするWebサイトが複数あるので、第二コンピュータ12は、閲覧者Vの数の規模(第二リーチ)をWebサイト毎に示すデータを第一コンピュータに向けて送信する。また、第二コンピュータ12は、Webサイト毎の第二リーチの積集合、すなわち重複リーチP(By∩Bz)を特定し、その特定結果を示すデータを第一コンピュータ11に向けて送信する。
また、第一コンピュータ11及び第二コンピュータ12の各々には、データ処理用のプログラム(以下、処理実行用プログラム)がインストールされている。この処理実行用プログラムにより、第一コンピュータ11及び第二コンピュータ12の各々は、トータルリーチP(A∪By∪Bz)を算出する上で、当該各々が担当する分のデータ処理を実行する。換言すると、第一コンピュータ11及び第二コンピュータ12の各々において処理実行用プログラムが起動することで、両コンピュータがデータ処理装置10としての機能を発揮する。
次に、図10を参照しながら、データ処理装置10の構成を機能面から改めて説明することとする。図10は、データ処理装置10が有する機能部を示す図である。
データ処理装置10は、図10に示すように、第一データ取得部21、第一リーチ特定部22、第二データ取得部23、第二リーチ特定部24、重複リーチ特定部25、第三データ取得部26、ウェイト算出部27、接触状況特定部28、第一比率導出部29、第二比率導出部30、第三比率導出部31及びトータルリーチ算出部32を有する。これらの機能部のうち、第二データ取得部23、第二リーチ特定部24及び重複リーチ特定部25は、第二コンピュータ12を構成するハードウェア機器と前述の処理実行用プログラムとが協働することで実現され、それ以外の機能部は、第一コンピュータ11を構成するハードウェア機器と前述の処理実行用プログラムとが協働することで実現される。
なお、各機能部の割り振りについては、上記の内容に限定されるものではなく、例えば、第一コンピュータ11が担う機能部の一部が第二コンピュータ12に割り振られてもよい。あるいは、第二コンピュータ12が担う機能部の一部が第一コンピュータ11に割り振られてもよい。
以下、各機能部について個々に説明することとする。
(第一データ取得部)
第一データ取得部21は、商品XのテレビCMの視聴率(第一リーチに相当)を特定するために収集される第一データを、複数のパネルNの各々から取得する。より詳しく説明すると、第一データ取得部21は、商品XのテレビCMの視聴者数(接触者数)の規模に関する第一調査が実施されることで各パネルNから第一データを取得する。なお、第一データ取得部21が第一データを取得する時間間隔(周期)等については、任意に設定することが可能である。
(第一リーチ特定部)
第一リーチ特定部22は、第一データ取得部21が取得した各パネルNの第一データから、商品XのテレビCMの視聴率である第一リーチP(A)を特定する。第一リーチP(A)は、全パネルNの人数に対する、商品XのテレビCMを視聴したことがある者の人数の割合として特定される。
(第二データ取得部)
第二データ取得部23は、商品Xのデジタル広告の閲覧率(第二リーチに相当)を特定するために収集される第二データを、当該デジタル広告が掲載されたWebサイトの閲覧者Vの各々から取得する。より詳しく説明すると、第二データ取得部23は、商品Xのデジタル広告への接触者数の規模に関する第二調査が実施されることで、当該デジタル広告の各閲覧者Vから第二データを取得する。また、本実施形態では、商品Xのデジタル広告が複数のWebサイトに掲載され、第二データ取得部23は、第二データとして、商品Xのデジタル広告の閲覧率(第二リーチ)をWebサイト毎に特定するためのデータを取得する。
(第二リーチ特定部)
第二リーチ特定24は、第二データ取得部23が取得した第二データから、商品Xのデジタル広告の閲覧率である第二リーチを特定する。また、本実施形態では、商品Xのデジタル広告が複数のWebサイト(具体的には、サイトY及びサイトZ)に掲載され、第二リーチ特定部24は、Webサイト毎の第二リーチP(By)、P(Bz)を特定する。第二リーチP(By)、P(Bz)は、日本の人口又はインターネット利用者数に対する、商品Xのデジタル広告が掲載される各Webサイトの閲覧者Vの人数の割合として特定される。
(重複リーチ特定部)
重複リーチ特定部25は、第二データ取得部23が取得した第二データから、重複リーチP(By∩Bz)を特定する。重複リーチP(By∩Bz)は、商品Xのデジタル広告が掲載される複数のWebサイトから設定され得る組み合わせについて、当該組み合わせ中のWebサイトの全てで商品Xのデジタル広告に接触した者の人数の規模であり、Webサイト毎の第二リーチP(By)、P(Bz)の積集合である。
なお、本実施形態では、商品Xのデジタル広告が掲載されるWebサイトの数が二つであるため、設定され得る組み合わせは、一組のみであるが、当然ながらWebサイトの数に応じて組み合わせの数は変わり、例えば、Webサイトの数が三つである場合には、設定され得る組み合わせは、四組となる。その場合、重複リーチ特定部25は、四組のそれぞれについて、重複リーチを特定することになる。
(第三データ取得部)
第三データ取得部26は、第三調査において複数の対象者Tの各々から入手した調査データから調査結果を特定し、各対象者Tについての調査結果を示すシングルソースデータ、すなわち第三データを取得する。より詳しく説明すると、第三データ取得部26は、テレビ視聴状況及びWeb利用状況の各々に関する調査として、第三調査が実施されることで、シングルソースデータとしての第三データを取得する。
より具体的に説明すると、第三データ取得部26は、複数の対象者Tの各々について入手したテレビ視聴状況及びWebサイトへの到達頻度(PV)を示すデータを解析し、その解析結果を各対象者Tと関連付ける。これにより、各対象者Tについて、商品XのテレビCMの視聴状況(接触状況)、及び商品Xのデジタル広告が掲載されるWebサイトへの到達頻度(PV)を示す第三データが得られる。
なお、本実施形態では、商品Xのデジタル広告が複数のWebサイトに掲載され、図11に示すように、複数のWebサイトの各々への到達頻度(PV)を示す第三データが得らえる。図11は、商品Xのデジタル広告が複数のWebサイトに掲載される場合の第三データを示す。なお、図11には、第三データとしてのシングルソースの一部のみを示すが、実際には、図11に記載された項目以外の項目についての調査結果、例えば、各Webサイトを閲覧した時間(閲覧時間)等も含まれていてもよい。
(ウェイト算出部)
ウェイト算出部27は、第三データ取得部26が取得した第三データに基づいて、複数の対象者Tの各々について、商品Xのデジタル広告が掲載されるWebサイトへの到達頻度(PV)に応じてウェイトを算出する。ウェイトの算出方法については、前述した通りであり、対象とするWebサイトへの対象者T全員分の総到達頻度に対する、個々の対象者Tの到達頻度の割合として求められる。また、本実施形態では、商品Xのデジタル広告が複数のWebサイトに掲載され、ウェイト算出部27は、各対象者TのウェイトをWebサイト毎に算出し、より具体的には、サイトY及びサイトZのそれぞれについてウェイトを算出する。
(接触状況特定部)
接触状況特定部28は、第三データ取得部26が取得した第三データから、複数の対象者Tの各々について商品XのテレビCMへの接触状況(詳しくは、視聴の有無)を特定する。
(第一比率導出部)
第一比率導出部29は、前述した比率に相当する第一比率を、ウェイト算出部27が各対象者Tについて算出したウェイトと、接触状況特定部28が特定した各対象者Tの商品XのテレビCMへの接触状況に基づき、単独版算出方法における比率と同様の要領で導出する。第一比率は、商品Xのデジタル広告が掲載される一つのWebサイトに到達した者のうち、商品XのテレビCMを視聴したことがある者の人数(接触者数)の比率である。
また、本実施形態では、商品Xのデジタル広告が複数のWebサイトに掲載され、第一比率導出部29は、第一比率をWebサイト毎に導出する。例えばサイトYについて第一比率を導出するには、サイトYへの到達頻度(PV)に応じて算出したウェイトの、複数の対象者T全員分の総和(ウェイト総和Sw)と、商品XのテレビCMを視聴した対象者T分の合計値(ウェイト合計値Gw)とを求めた上で、前述した比率の導出式から第一比率を導出する。
(第二比率導出部)
第二比率導出部30は、重複リーチ特定部25によって重複リーチが特定されたWebサイトの組み合わせについて第二比率を導出する。第二比率は、当該組み合わせ中のWebサイトの全てに到達した者のうち、商品XのテレビCMを視聴したことがある者の人数(接触者数)の比率である。
具体的に説明すると、第二比率導出部30は、サイトY及びサイトZの双方に到達した対象者Tについてウェイト算出部27がWebサイト毎に算出したウェイトと、接触状況特定部28が特定した商品XのテレビCMへの接触状況(視聴状況)とに基づいて第二比率を導出する。図11に示すデータ上では、例えば、識別番号a001、c001の対象者TがサイトY及びZの双方に到達した対象者Tに該当し、これらの対象者TについてWebサイト毎に算出されたウェイトが第二比率を導出する際に用いられる。厳密には、サイトYについて算出されたウェイトと、サイトZについて算出されたウェイトとの合計値が用いられる。なお、第二比率を導出する要領(例えば、導出式)については、第一比率と略同様である。
(第三比率導出部)
第三比率導出部31は、重複リーチ特定部25によって重複リーチが特定された組み合わせ中のWebサイトの各々について、第三比率を導出する。第三比率は、上記組み合わせ中のいずれか一つのWebサイトにのみ到達した者のうち、商品XのテレビCMを視聴したことがある者の人数(接触者数)の比率である。
具体的に説明すると、第三比率導出部31は、第二リーチ特定部24が特定したWebサイト毎の第二リーチP(By)、P(Bz)、重複リーチ特定部25が特定した重複リーチP(By∩Bz)、第一比率導出部29が特定したWebサイト毎の第一比率、及び第二比率導出部30が特定した第二比率に基づき、サイトY及びサイトZの各々について第三比率を算出する。
また、第三比率導出部31は、各Webサイト(ある情報掲載媒体)について第三比率を導出する際に、当該各Webサイトについて導出された第二比率及び第三比率が第一比率と整合するように、第三比率を算出する。例えば、サイトYにのみ到達した者のうち、商品XのテレビCMを視聴したことがある者の人数の比率(すなわち、サイトYについての第三比率)は、サイトY側第二リーチP(By)、重複リーチP(By∩Bz)、サイトYについての第一比率及び第二比率を用い、第二比率及び第三比率が第一比率と整合するように導出される。
より詳しく説明すると、サイトYについての第一比率をF1とし、第二比率をF2とし、サイトYについての第三比率をF3とすると、第三比率F3は、下記の式によって導出される。
第三比率F3(%)=α/β
α=P(By)*F1−P(By∩Bz)*F2
β=P(By)−P(By∩Bz)
なお、上記の導出式は、あくまでも一例に過ぎず、第二比率F2及び第三比率F3が第一比率F1と整合するように第三比率F3を導出することができれば、上記以外の手順によって第三比率F3を導出してもよい。
また、サイトZについても、上記と同様の手順によって第三比率を導出することができる。
(トータルリーチ算出部)
トータルリーチ算出部32は、第一リーチP(A)、Webサイト毎の特定した第二リーチP(By)、P(Bz)、重複リーチP(By∩Bz)、第二比率、及び各Webサイトについて導出した第三比率に基づき、トータルリーチP(A∪By∪Bz)を算出する。
具体的に説明すると、重複リーチP(By∩Bz)に第二比率を乗じることで、サイトY及びサイトZの双方にて商品Xのデジタル広告に接触し、且つ商品XのテレビCMを視聴した者の人数の規模、すなわち図6中のリーチP2が算出される。
また、サイトY側第二リーチP(By)と重複リーチP(By∩Bz)との差分に、サイトYについて導出した第三比率を乗じることで、サイトYのみにて商品Xのデジタル広告に接触し、且つ商品XのテレビCMを視聴した者の人数の規模、すなわち図6中のリーチP1が算出される。
同様に、サイトZ側第二リーチP(Bz)と重複リーチP(By∩Bz)との差分に、サイトZについて導出した第三比率を乗じることで、サイトZのみにて商品Xのデジタル広告に接触し、且つ商品XのテレビCMを視聴した者の人数の規模、すなわち図6中のリーチP3が導出される。
以上の手順により、トータルリーチ算出部32は、図6中のリーチP1〜P3を算出することで、図6中の残りのリーチP4〜P7も算出し、結果としてトータルリーチP(A∪By∪Bz)を算出することができる。
<<本実施形態に係るデータ処理方法の手順>>
次に、本実施形態に係るデータ処理方法によりトータルリーチを算出する手順について説明する。本実施形態に係るトータルリーチP(A∪By∪Bz)の算出方法は、本発明のデータ処理方法の一例であり、以下に説明する各ステップは、本発明のデータ処理方法の構成要素に相当する。
また、以下に説明する手順は、第二情報である商品Xのデジタル広告が複数のWebサイト(情報掲載媒体)に掲載される場合のトータルリーチP(A∪By∪Bz)を複数版算出方法によって算出するときの手順である。複数版算出方法によってトータルリーチP(A∪By∪Bz)を算出する手順は、図12に示す通りである。図12は、複数版算出方法によってトータルリーチP(A∪By∪Bz)を算出する手順を示す図である。
先ず、第一調査、第二調査及び第三調査を実施し、第一データ、第二データ及び第三データを取得する(S011〜S013)。ステップS011及びステップS013は、第一コンピュータ11によって行われ、ステップS012は、第二コンピュータ12によって行われる。なお、ステップS012では、Webサイト毎に閲覧率(第二リーチ)を特定するための第二データが取得される。
次に、第一コンピュータ11が、商品XのテレビCMについての第一リーチP(A)を第一データから特定する(S014)。また、第二コンピュータ12が、商品Xのデジタル広告についてのリーチとして、Webサイト毎の第二リーチP(By)、P(Bz)を第二データから特定する(S015)。
また、第二コンピュータ12が、サイトY及びサイトZの双方で商品Xのデジタル広告に接触した者の人数の規模、すなわち重複リーチP(By∩Bz)を第二データから特定する(S016)。特定されたWebサイト毎の第二リーチP(By)、P(Bz)及び重複リーチP(By∩Bz)は、データ化されて第二コンピュータ12から第一コンピュータ11へ送られる。
また、第一コンピュータ11が第三データを解析し、複数の対象者Tの各々について、ウェイトを算出すると共に、商品XのテレビCMへの接触状況(視聴の有無)を特定する(S017、S018)。ステップS017では、複数の対象者Tの各々についてサイトYについてのウェイト、及び、サイトZについてのウェイトをそれぞれ算出する。
次に、第一コンピュータ11が、各対象者TについてWebサイト毎に算出されたウェイトと、複数の対象者Tの各々の、商品XのテレビCMへの接触状況とに基づき、前述の第一比率をWebサイト毎に導出する(S019)。
また、第一コンピュータ11が、サイトY及びサイトZの双方に到達した対象者Tについて算出された各Webへの到達頻度に応じたウェイトと、当該対象者Tの商品XのテレビCMへの接触状況(視聴の有無)とに基づき、前述の第二比率を導出する(S020)。
さらに、第一コンピュータ11が、Webサイト毎の第二リーチP(By)、P(Bz)、重複リーチP(By∩Bz)、Web毎の第一比率、及び第二比率に基づき、サイトY及びサイトZの各々について前述の第三比率を導出する(S021)。本ステップS021にて、第一コンピュータ11は、サイトYについての第三比率及び第二比率がサイトYについての第一比率と整合し、且つ、サイトZについての第三比率及び第二比率がサイトZについての第一比率と整合するように各第三比率を導出する。
その後、第一コンピュータ11が、これまでのステップで特定又は導出してきた各リーチ及び各比率に基づき、トータルリーチ(A∪By∪Bz)を算出する(S022)。ここで、各リーチ及び各比率が図13に示す値であるとき、下記の要領にて、同図の各リーチP1〜P3が算出される。なお、図13は、複数版算出方法によりトータルリーチP(A∪By∪Bz)を算出したときの算出結果を示す図である。
サイトYのみにて商品Xのデジタル広告に接触し、且つ商品XのテレビCMを視聴した者の人数の規模であるリーチP1は、サイトY側第二リーチP(By)と重複リーチP(By∩Bz)との差分にサイトYについての第三比率を乗じることで算出され、図13に示すケースでは0.6%となる。
サイトY及びサイトZの双方にて商品Xのデジタル広告に接触し、且つ商品XのテレビCMを視聴した者の人数の規模であるリーチP2は、重複リーチP(By∩Bz)に第二比率を乗じることで算出され、図13のケースでは0.5%となる。
サイトZのみにて商品Xのデジタル広告に接触し、且つ商品XのテレビCMを視聴した者の人数の規模であるリーチP3は、サイトZ側第二リーチP(Bz)と重複リーチP(By∩Bz)との差分にサイトZについての第三比率を乗じることで算出され、図13のケースでは1.9%となる。
以上までに説明してきた一連のステップを経て、複数版算出方法によるトータルリーチP(A∪By∪Bz)の算出処理が終了する。そして、算出されたトータルリーチP(A∪By∪Bz)に基づき、商品Xの広告(具体的には、テレビCM及びデジタル広告)の効果を確認することが可能となる。
<<本実施形態の有効性について>>
本実施形態では、第二情報(具体的には、商品Xのデジタル広告)が複数のWebサイトに掲載される場合のトータルリーチを、上述した複数版算出方法によって適切に算出することが可能である。
より詳しく説明すると、複数版算出方法によれば、第一リーチP(A)とサイトY側第二リーチP(By)との和集合に相当するリーチ(図13のP1+P2)、及び、第一リーチP(A)とサイトZ側第二リーチP(Bz)との和集合に相当するリーチ(図13のP2+P3)が、それぞれのリーチを単独版算出方法によって算出したときの値と整合するように算出する。
具体的には、図12に示すステップS021において、いずれか一つのWebサイトにのみ到達した者のうち、第一情報(具体的には、商品XのテレビCM)への接触者数の比率である第三比率を導出する際に、第二比率及び第三比率が当該Webサイトについて導出された第一比率(つまり、単独版算出方法と同様の手順で算出される比率)と整合するように導出する。
以上により、図14に示すように、複数版算出方法において算出される各リーチP1〜P7が、第一リーチと一つのWebサイトについての第二リーチとの和集合を単独版算出方法によって算出したときの結果と矛盾しなくなる。つまり、本実施形態では、上述した複数版算出方法により、単独版算出方法との計算上の不整合が生じないようにトータルリーチを算出することが可能である。
図14は、複数版算出方法により算出されたトータルリーチの妥当性についての説明図である。同図中、より上方に記載された図は、複数版算出方法により算出されたトータルリーチの算出結果を示している。また、より下方に記載された二つの図は、それぞれ、単独版算出方法により算出された和集合(つまり、第一リーチと一つのWebサイトについての第二リーチとの和集合)を示している。
なお、上述のケースでは、第二情報を掲載する情報掲載媒体の数が二つであることとしたが、複数版算出方法は、当然ながら情報掲載媒体の数が三つ以上である場合にも適用可能である。例えば、三つのWebサイトU、V、Wに第二情報が掲載される場合には、下記のステップ1〜9を実施することでトータルリーチを算出することができる。
ステップ1:第一リーチを特定する。
ステップ2:サイト別に第二リーチを特定する。
ステップ3:サイトUとサイトV、サイトUとサイトW及びサイトVとサイトWの各組み合わせについて重複リーチを求める。
ステップ4:サイトU、V、Wのそれぞれについて、各Webサイトに到達した者のうち、第一情報への接触者数の第一比率を導出する。
ステップ5:上記3つの組み合わせのそれぞれについて、各組み合わせ中のWebサイトの全てに接触した者のうち、第一情報への接触者数の第二比率を導出する。
ステップ6:上記3つの組み合わせのそれぞれについて、各組み合わせ中のいずれか一つのWebサイトにのみ到達した者のうち、第一情報への接触者数の第三比率を導出する。このとき、各Webサイトについて、ステップ5で求めた第二比率及び本ステップで求める第三比率がステップ4で求めた第一比率と整合するように第三比率を導出する。
ステップ7:サイトUとサイトVとサイトWの組み合わせについて、これら3つのサイト全てに接触した者のうち、第一情報への接触者数の第二比率を導出する。
ステップ8:サイトUとサイトVとサイトWの組み合わせについて、この組み合わせ中のいずれか一つのWebサイトにのみ到達した者のうち、第一情報への接触者数の第三比率、及び、この組み合わせ中のいずれか二つのWebサイトにのみ到達した者のうち、第一情報への接触者数の第三比率を、それぞれ導出する。このとき、各Webサイトについて、ステップ5で求めた第二比率、ステップ6で求めた第三比率、ステップ7で求めた第二比率及び本ステップで求める第三比率がステップ4で求めた第一比率と整合するように第三比率を導出する。
ステップ9:以上のステップにて特定又は導出したリーチ及び比率に基づいて、トータルリーチを算出する。
<<その他の実施形態>>
以上までに本発明のデータ処理装置及びデータ処理方法について具体例を挙げて説明してきたが、上述の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、他の実施形態も考えられる。
例えば、上述の実施形態では、同じ内容の第二情報が複数の情報掲載媒体に掲載されることとした。ただし、これに限定されるものではなく、各情報掲載媒体に掲載される第二情報の内容が情報掲載媒体の間で異なっていてもよい。
また、上述の実施形態では、第二情報が掲載される情報掲載媒体としてWebサイトを挙げ、第三調査を実施して、当該Webサイトへの到達頻度(PV)を示すデータを取得することとした。ただし、情報掲載媒体、及び、情報掲載媒体への到達頻度を示すデータについては、他にも考えられ、例えば下記のケース(1)〜(3)が挙げられる。
(1)情報掲載媒体が屋外の広告看板、デジタルサイネージ、若しくは店頭等に設置された広告表示モニタ(例えば、電子POP用の液晶モニタ)である場合に、その到達頻度として、上記の機器が設置された場所又は施設への接近回数を示すデータを取得するケース。
(2)情報掲載媒体がデジタル配信コンテンツ(例えば、電子版の新聞又は雑誌、若しくはIPサイマルラジオ等)である場合、その到達頻度として、上記のコンテンツへのアクセス数、又は上記のコンテンツを利用するためのアプリの起動回数を示すデータを取得するケース。
(3)情報掲載媒体が新聞、雑誌、テレビ又はラジオの番組である場合に、その到達頻度として、購読、視聴又は聴取の回数を示すデータを取得するケース。
また、上述の実施形態では、第三データ(シングルソースデータ)が第二情報への接触状況を示すデータとはなっていないこととしたが、これに限定されるものではない。仮に第三データが第二情報への接触状況(接触の有無)を示すデータであっても、第一情報への接触状況及び情報掲載媒体への到達頻度を示すデータであれば、本発明を適用することが可能である。
10 データ処理装置
11 第一コンピュータ(コンピュータ)
12 第二コンピュータ(コンピュータ)
21 第一データ取得部
22 第一リーチ特定部
23 第二データ取得部
24 第二リーチ特定部
25 重複リーチ特定部
26 第三データ取得部
27 ウェイト算出部
28 接触状況特定部
29 第一比率導出部
30 第二比率導出部
31 第三比率導出部
32 トータルリーチ算出部
N パネル
R1 第一調査実施者
R2 第二調査実施者
T 対象者
V 閲覧者

Claims (8)

  1. 第一情報への接触者数の規模である第一リーチと、第二情報への接触者数の規模である第二リーチと、の和集合であるトータルリーチを算出するデータ処理装置であって、
    前記第一リーチを特定するために収集される第一データを取得する第一データ取得部と、
    前記第二情報が複数の情報掲載媒体に掲載される場合に、前記第二リーチを前記情報掲載媒体毎に特定するために収集される第二データを取得する第二データ取得部と、
    複数の対象者の各々について、複数の前記情報掲載媒体の各々への到達頻度と、前記第一情報への接触状況とを示す第三データを、取得する第三データ取得部と、
    前記第一データから前記第一リーチを特定する第一リーチ特定部と、
    前記第二データから前記情報掲載媒体毎の前記第二リーチを特定する第二リーチ特定部と、
    前記第二データから、複数の前記情報掲載媒体から設定され得る組み合わせについて、当該組み合わせ中の前記情報掲載媒体の全てで前記第二情報に接触した者の人数の規模である重複リーチを特定する重複リーチ特定部と、
    前記第三データに基づき、前記到達頻度に応じたウェイトを複数の前記対象者の各々について前記情報掲載媒体毎に算出するウェイト算出部と、
    前記第三データから、複数の前記対象者の各々の前記第一情報への接触状況を特定する接触状況特定部と、
    複数の前記対象者の各々について算出された、一つの前記情報掲載媒体への前記到達頻度に応じた前記ウェイトと、複数の前記対象者の各々の前記第一情報への接触状況とに基づき、一つの前記情報掲載媒体に到達した者のうち、前記第一情報への接触者数の第一比率を前記情報掲載媒体毎に導出する第一比率導出部と、
    前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の全てに到達した前記対象者について算出された、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の各々への前記到達頻度に応じた前記ウェイトと、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の全てに到達した前記対象者の前記第一情報への接触状況とに基づき、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の全てに到達した者のうち、前記第一情報への接触者数の第二比率を導出する第二比率導出部と、
    前記情報掲載媒体毎の前記第二リーチ、前記重複リーチ、前記情報掲載媒体毎の前記第一比率、及び前記第二比率に基づき、前記組み合わせ中のいずれか一つの前記情報掲載媒体にのみ到達した者のうち、前記第一情報への接触者数の第三比率を、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の各々について導出する第三比率導出部と、
    前記第一リーチ、前記情報掲載媒体毎の前記第二リーチ、前記重複リーチ、前記第二比率、及び、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の各々について導出された前記第三比率に基づき、前記トータルリーチを算出するトータルリーチ算出部と、を有することを特徴とするデータ処理装置。
  2. 前記第一情報及び前記第二情報は、いずれも広告情報である、請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記第一情報及び前記第二情報は、同一の商品又はサービスに関する広告情報である、請求項2に記載のデータ処理装置。
  4. 複数の前記情報掲載媒体の各々は、情報通信ネットワークを通じて利用可能な媒体である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  5. 複数の前記情報掲載媒体の各々には、前記第二情報を含め、前記情報掲載媒体への到達者に応じて内容が変わる被掲載情報が表示される、請求項4に記載のデータ処理装置。
  6. 前記ウェイトは、前記複数の対象者全員分の前記情報掲載媒体への総到達頻度に対する、前記複数の対象者の各々の前記情報掲載媒体への到達頻度の割合である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  7. 前記第三比率導出部は、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体のうち、ある情報掲載媒体にのみ到達した者のうち、前記第一情報への接触者数の前記第三比率を導出する際に、前記ある情報掲載媒体について導出された前記第二比率及び前記第三比率が前記第一比率と整合するように前記第三比率を導出する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
  8. 第一情報への接触者数の規模である第一リーチと、第二情報への接触者数の規模である第二リーチと、の和集合であるトータルリーチをコンピュータにより算出するデータ処理方法であって、
    コンピュータが、前記第一リーチを特定するために収集される第一データを取得し、
    コンピュータが、前記第二情報が複数の情報掲載媒体に掲載される場合に、前記第二リーチを前記情報掲載媒体毎に特定するために収集される第二データを取得し、
    コンピュータが、複数の対象者の各々について、複数の前記情報掲載媒体の各々への到達頻度と、前記第一情報への接触状況とを示す第三データを、取得し、
    コンピュータが、前記第一データから前記第一リーチを特定し、
    コンピュータが、前記第二データから前記情報掲載媒体毎の前記第二リーチを特定し、
    コンピュータが、前記第二データから、複数の前記情報掲載媒体から設定され得る組み合わせについて、当該組み合わせ中の前記情報掲載媒体の全てで前記第二情報に接触した者の人数の規模である重複リーチを特定し、
    コンピュータが、前記第三データに基づき、前記到達頻度に応じたウェイトを複数の前記対象者の各々について前記情報掲載媒体毎に算出し、
    コンピュータが、前記第三データから、複数の前記対象者の各々の前記第一情報への接触状況を特定し、
    コンピュータが、複数の前記対象者の各々について算出された、一つの前記情報掲載媒体への前記到達頻度に応じた前記ウェイトと、複数の前記対象者の各々の前記第一情報への接触状況とに基づき、一つの前記情報掲載媒体に到達した者のうち、前記第一情報への接触者数の第一比率を前記情報掲載媒体毎に導出し、
    コンピュータが、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の全てに到達した前記対象者について算出された、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の各々への前記到達頻度に応じた前記ウェイトと、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の全てに到達した前記対象者の前記第一情報への接触状況とに基づき、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の全てに到達した者のうち、前記第一情報への接触者数の第二比率を導出し、
    コンピュータが、前記情報掲載媒体毎の前記第二リーチ、前記重複リーチ、前記情報掲載媒体毎の前記第一比率、及び前記第二比率に基づき、前記組み合わせ中のいずれか一つの前記情報掲載媒体にのみ到達した者のうち、前記第一情報への接触者数の第三比率を、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の各々について導出し、
    コンピュータが、前記第一リーチ、前記情報掲載媒体毎の前記第二リーチ、前記重複リーチ、前記第二比率、及び、前記組み合わせ中の前記情報掲載媒体の各々について導出された前記第三比率に基づき、前記トータルリーチを算出することを特徴とするデータ処理方法。
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