放熱を行い易くするという目的を、支柱に取り付けられ又はフック及び吊り下げ部材により吊り下げられるベース部材と、前記ベース部材に支持された照明支持部と、前記照明支持部に取り付けられた短冊状の複数の照明配列基板にそれぞれ照明素子が配列された照明ユニットとを備えた照明装置により実現した。
光照射方向の変更の自由度が高く、的確な防眩対策を実現可能にするという目的を、支柱の延設方向又は吊り下げ方向に交差する揺動回転軸でベース部材に揺動回転可能に支持された照明支持部と、照明支持部に取り付けられた短冊状の照明配列基板に照明素子が配列された照明ユニットとを備え、照明支持部を短冊状の照明配列基板と共に所定の揺動回動位置で静止させ、該照明支持部の静止位置に応じた方向に照明配列基板が指向して照明素子から光を照射する照明装置により実現した。
[照明装置の構成]
図1は、照明装置の構成を示す側面図、図2は図1の照明装置の要部拡大図、図3は、図1の照明装置の平面図である。なお、以下の説明において、上下とは重力方向を意味する。
図1〜図3に示すように、本実施例の照明装置10は、ベース部材12、照明支持部133、及び照明ユニット14より構成される。この照明装置10は、屋外に限らず、工場あるいは体育館等、屋内においても使用されるものである。
ベース部材12は、例えば正方形の平板の角が丸められたアルミ製などの板部材により構成されている。ベース部材12の上面には、上記各辺の端部にそれぞれ近接して取付部材13が取り付けられ、下面には固定部11が一体に設けられている。固定部11は、後述するバッテリーケースに立設されているアルミ製などの支柱30の先端に嵌合固定され、ベース部材12を介して照明ユニット14を支柱30に支持させるようにするものである。
図4は、照明装置を取り付ける支柱の構造を示す端面図である。
図1〜図4に示すように、支柱30は、長手方向に沿って溝302が形成された断面矩形の本体部301により構成される。固定部11は、図1及び図2の底面部から本体内部上方に長手方向に沿って、例えば、支柱30の本体部301先端を長手方向に受け入れ可能な嵌合部が形成されている。
これにより、照明装置10では、固定部11の嵌合部に支柱30の先端部を長手方向に挿入させて回転不能に嵌合させ、照明ユニット14を、ベース部材12を介して図1及び図2に示す態様で支柱30に取り付けることができる。なお、支柱30の断面形状は特に限定されず、断面円形のパイプなどを用いることもできる。
固定部11には、ねじ込みのハンドル11aが取り付けられ、ハンドル11aによる締付で固定部11及び支柱30間の嵌合を固定することができる。
図1〜図3のように、取付部材13は、蝶番状に構成され、基部131aと搖動部131bとが搖動回転軸131cにより結合されたものである。基部131aは、固定部131aaに軸支持部131abがピン131acにより結合されたものであり、固定部131aaがベース部材12の上面にビス止めされている。搖動回転軸131cは、支柱30の延設方向に交差、例えば直交するように配置されている。搖動部131bは、搖動回転軸131cに直交して突設されている。搖動部131bには、二股の軸結合部131baが設けられ、この軸結合部131ba間に配置された基部131aの軸支持部131abに搖動回転軸131cにより相対回転可能に結合されている。
かかる基部131aと搖動部131bとの搖動回転軸131cによる結合部間には、摩擦力が規定されており、後述する照明配列基板を取り付けた状態で搖動回転軸131c周りの搖動回転位置を任意に停止できるフリーストップを実現し、揺動位置静止機構を構成している。
搖動部131bには、照明支持部133が取り付けられている。照明支持部133は、長尺平板状の支持部主体133aを備えている。この支持部主体133aは揺動回転軸131cに直交する方向に延設されている。照明支持部133には、取付部材13側及び先端の2箇所に基板支持部133bが設けられている。基板支持部133bは、支持部主体133aの両側で揺動回転軸131cの軸方向に突設された一体の第1の締付部153と、支持部主体133aに着脱自在にビス止めされる第2の締付部152とからなっている。
前記基板支持部133bの第1の締付部153は、図3に示すように揺動回転軸131cに対し傾斜設定されている。傾斜設定の方向は、照射方向の設定により異なるが、本実施例では、前記照明支持部133の搖動位置が支柱30の先端上に位置する図1の状態で、支柱30の延設交差方向、つまり支柱30の軸方向から見て支柱30の周囲を囲むように支持部主体133aに対して折り曲げられ、各第1の締付部153が周方向に周回状に連携する形態となっている。
第1の締付部153は、両外縁部が折り返され抱き形状153aに形成されている。第2の締付部152は、両縁部が段差を持って押さえ形状152aに形成され、第1の締付部153の外縁部の抱き形状に対向している。
照明支持部133には、照明ユニット14が取り付けられている。照明ユニット14は、複数の照明素子151が長手方向に配列された短冊状の照明配列基板155を用いて構成されている。照明素子151としては、例えばLED発光素子が用いられている。照明配列基板155は、照明支持部133の搖動回転の回転半径方向に長手方向を向けて照明支持部133に長手方向の一側が取り付けられている。
特に本実施例では、照明ユニット14は、4箇所の照明支持部133毎にアルミ製などの照明配列基板155が支持部主体133aの両側に配置され、各第1、第2の締付部153、152により固定されている。
これら照明支持部133毎の一対の照明配列基板155、155は4つの照明モジュール15a、15b、15c、15dを構成する。
照明モジュール15a、15b、15c、15dの照明支持部133への取り付けは、次のように行われる。まず、第2の締付部152の支持部主体133aに対するビス止めを外した状態とする。各照明配列基板155の背面が第1の締付部153で受けられるようにして第1の締付部153に各照明配列基板155を配置し、第1の締付部153の両外縁部の抱き形状153aに各照明配列基板155の一側縁を嵌合させる。その後、第2の締付部152を支持部主体133aにビス止めする。このビス止めにより、第2の締付部152の押さえ形状152aにより各照明配列基板155、155の他側縁を押さえることになる。こうして、各照明配列基板155、155が、各照明支持部133の各2箇所の基板支持部133bで固定支持される。
照明モジュール15a、15b、15c、15dは、対応する取付部13の照明支持部133への取り付けにより、図1及び図2に示すように、照明モジュール15aと15c、並びに照明モジュール15bと15dが、各々ベース部材12を囲んで互いに対向するように配置される。
このように、本実施例では、取付部材13は、ベース部材12に支柱30の延設交差方向から見て支柱30の周囲を囲むように対向して複数対配列され、照明配列基板155の端部を照明支持部133に支持させ、照明配列基板155を支柱30の延設方向に沿った方向で照明支持部133と共に搖動回転可能とする構造を実現している。
上記構造に関しては、照明配列基板155、つまり実質的には照明配列基板155により構成される照明モジュール15a、15b、15c、15dの可動域が設定されている。特に、本実施例では、各照明モジュール15a、15b、15c、15dは、図1及び図2に示すように支柱30の延設方向に直立している位置を上閉位置とした場合に、該上閉位置から各照明モジュール15a、15b、15c、15dを支柱30に直交するように開き、さらには、垂直に吊り下げられる下閉位置まで180度の範囲で可動できる。
この照明モジュール15a、15b、15c、15dの可動位置は、前記基部131aと搖動部131bとの搖動回転軸131cによる結合部間の揺動位置静止機構によりフリーストップさせることができる。
なお、本実施例では、上記揺動位置静止機構に付随して、各照明モジュール15a、15b、15c、15dを所定の角度位置で保持する機構を設けても良い。具体的には、各照明モジュール15a、15b、15c、15dが45度に開かれる位置に、各照明モジュール15a、15b、15c、15dを一時的に固定するストッパーを設けた構成としても良い。ストッパーは、着脱自在或いは固定的に取り付けることができる。
また、本実施例において、照明モジュール15a、15b、15c、15dは、図1及び図2に示すように、上記上閉位置の状態を基準とした場合に照明配列基板155上の照明素子151が支柱30に対して外側へ放射状に向く形態となる。
但し、本発明では、上閉位置での照明素子151の取り付けの向きは外向きに限られるものではなく、照明素子151を支柱30への中心指向で対面するように内向きに取り付けても良い。
[照明装置の開閉操作]
図5は、照明装置の照明ユニットの開閉動作を説明するための側面図である。
図5において、実線で示す照明ユニット14の位置は、図1及び図2で述べた上閉位置に相当する。上閉位置において、照明ユニット14の照明モジュール15a、15b、15c、15dは支柱30の延設方向に沿って上方に閉じられている。
上閉位置での照明モジュール15a、15b、15c、15dは、利用者がその先端部を手で外側に広げる操作を行うことで水平等の任意の位置になるまで開かせることができる。その後、利用者がさらに上記操作を続けていくことで照明モジュール15a、15b、15c、15dを図5に二点鎖線で示す下閉位置まで閉じることができる。
照明ユニット14が上閉位置にある場合、各照明モジュール15a、15b、15c、15dでは照明配列基板155の照明素子取付面が外側放射方向に指向する。
この時、照明配列基板155上の照明素子15が発光されると、照明素子15からの光が支柱30から見て外側にあたる外向きの放射方向に照射される。この照射は、上閉位置にある各照明モジュール15a、15b、15c、15dが円筒形となり、この円筒形から発光するような形態となる。
各照明モジュール15a、15b、15c、15dが水平位置まで開かれた状態では、照明配列基板155、155の照明素子取付面が鉛直下方に指向する。この時、照明配列基板155上の照明素子15が発光されると、照明素子15からの光が鉛直下方を照射する。この照射は、各照明モジュール15a、15b、15c、15dが花びら型に開かれた状態で支柱30の周りを照らす形態となる。
また、照明モジュール15a、15b、15c、15dを更に図5の下閉位置まで閉じると、照明配列基板155の照明素子151の取付面が支柱30から見た内側方向を指向する。この状態で、照明配列基板155上の照明素子15が発光駆動された場合、照明素子151からの光が支柱30側に向けて内向きに照射される。この時、支柱30の外側に向けた外向きの光の照射は制限され、照明配列基板155間から光が漏れる程度となる。
この位置で照明配列基板155間の隙間を閉止するように間隔を形成し、光の漏洩をより制限することも可能である。
支柱30に反射部材を取り付けておくと、閉じた照明モジュール15a、15b、15c、15dからの発光が反射部材で反射されて外部に放射することができ、淡い発光状態として防眩対策を図ることができる。
つまり、本実施例では、上閉位置で外向きに光を照らすことが可能な照明モジュール15a、15b、15c、15dを下閉位置まで閉じることによって上記外向きの方向の光の防眩機能を果たすことができる。
また、本実施例の照明装置10では、照明モジュール15a、15b、15c、15dは図5の上閉位置と下閉位置間の所定の揺動回転位置で静止させることができる。しかも、上記揺動及び静止は、各照明モジュール15a、15b、15c、15d毎に別個に行うことができる。
かかる構成により、本実施例では、照明モジュール15a、15b、15c、15dにより様々なパターンで光の照射方向を制御できるようになる。従って、防眩を必要とする方向に指向しないように照明モジュール15a、15b、15c、15dの回動位置を容易に調整でき、防眩効果も高めることができる。
さらに、各照明配列基板155に複数のLEDなどの照明素子151が取り付けられていても、各照明配列基板155が分離されているため、熱が拡散され、熱分散により高い放熱効果を奏することができる。
このため、空冷用のモーターファンを廃止し、重量増を抑制して軽量化にも有利であり、熱劣化に対する耐久性も向上させることができる。
[照明装置の制御系の構成及び点灯制御]
図6は、照明システムの全体構成を示す概念図である。
図6に示すように、本実施例の照明システム1は、図1〜図3及び図5に示した照明装置10と、照明装置10を支柱30により支持すると共に、照明装置10の照明ユニット14を駆動するバッテリーケース20とにより構成される。
バッテリーケース20は、支柱30が立設された本体筐体部内に操作部21、制御部22、記憶部23、給電部24、バッテリー部25を備えている。
バッテリーケース20と照明ユニット14の各照明モジュール15a、15b、15c、15dの照明素子151との間の電気的接続は例えば接続ケーブル19により行われる。接続ケーブル19は、例えば複数対の信号線を1本のケーブル内に封入したものである。接続ケーブル19は、その一端において、各対の信号線が、例えば各照明モジュール15a、15b、15c、15dの照明配列基板155上で複数の照明素子151を並列に接続する配線パターンの端部にそれぞれ接続されている。接続ケーブル19の他端には上記複数対の信号線に対応するコネクタ端子を有するコネクタ191aが設けられる。コネクタ191aは、コネクタ191bに接続可能なコネクタである。コネクタ191bは、バッテリーケース20の給電部24の各照明モジュール15a、15b、15c、15dにそれぞれ対応する給電端子から延びる各対の信号線に対応するコネクタ端子を有する。
これにより、本実施例の照明装置10では、まず、接続ケーブル19のコネクタ191aを給電部24側のコネクタ191bから切り離した状態で照明ユニット10を、ベース部材12を介して支柱30に取り付けることができる。その後、接続ケーブル19のコネクタ191aと給電部24側のコネクタ191bを接続する。これにより、各照明モジュール15a、15b、15c、15dの照明素子151はバッテリーケース20の給電部24のそれぞれ対応する給電端子に電気的に接続される。この接続状態において、バッテリーケース20のバッテリー部25から給電部24、接続ケーブル19を介して各照明モジュール15e、15f、15gの照明素子151に給電することができる。なお、接続ケーブル19は、各照明モジュール15e、15f、15gからコネクタ191bまでの間で、各照明モジュール15e、15f、15gの開閉に支障のないように様々な経路や取付態様により引き回すことができる。
バッテリーケース20において、制御部22には、点灯制御部221が設けられる。点灯制御部221は、記憶部23に記憶されている制御プログラムに基づき、操作部21での利用者の操作に応じて給電部24をスイッチング制御することで、バッテリー部25から給電部24、接続ケーブル19を介して各照明モジュール15a、15b、15c、15dの照明素子151に対する給電を行なう。この給電により照明素子151を発光させる点灯制御を行う。
具体的に、点灯制御部221は、利用者による操作部21での各照明モジュール15a、15b、15c、15dの発光強度の指定を受け付け、調光回路により各照明モジュール15a、15b、15c、15dの照明素子151を指定された発光強度に対応する発光量で発光させるようにバッテリー部27から対応する各照明モジュール15a、15b、15c、15dに対して選択的に給電を行う。なお、発光強度は、調光回路を設けずに一定値に固定することもできる。
本実施例では、バッテリーケース20による照明素子151の点灯制御機能と上述した照明モジュール15a、15b、15c、15dの揺動回動及び静止機能との組み合せにより、照明モジュール15a、15b、15c、15dの照明素子取付面の指向の制御に加えて照明素子151の発光量も制御でき、防眩効果をより高めることできる。
また、バッテリーケース20が器台となり、照明装置10を支柱30により確実に支持させることができる。
なお、本実施例では、照明装置10をコンセント等により例えばAC100V等のAC電源に接続し、該AC電源から照明装置10に対して給電を行う構成としても良い。
[変形例1]
図7は、照明ユニットの開閉動作を説明するための側面図であり、図8は図7の照明装置の底面から見た図である。
図7、図8のように、この照明装置10Aは、図1に示した照明装置10に対して上下逆の構成を有する形態とし、フック11Aによりワイヤ等の吊り下げ部材115を用いて照明装置取付用スタンドや建物の天井等から吊り下げている。
フック11Aは、例えば、図1の照明装置10と同等の構成を有する固定部11に代えてベース部材12に取り付けたものである。
したがって、この変形例では、照明支持部133が、吊り下げ方向に交差する揺動回転軸131cでベース部材12に揺動回転可能に支持された構成となる。この照明支持部133は、ベース部材12に、吊り下げ交差方向、例えば鉛直方向から見て吊り下げ部材115を囲むように対向して複数対配列された構成となる。
但し、本変形例の照明装置10Aでは、各照明支持部133に対する照明モジュール15a、15b、15c、15dの取付態様が図1に示した照明装置10と異なっている。すなわち、本変形例の照明装置10Aでは、図8に示すように、各照明支持部133に対し、対応する各照明モジュール15a、15b、15c、15dが照明素子151がベース部材12側を向く状態に内向きで取り付けられている。
本変形例では、ベース部材12に対する照明モジュール15a、15b、15c、15dの動作は、上記同様にして行うことができる。これにより、本変形例においても、上記同様、図7の下閉位置で内向きの照明となり、上閉位置で外向きの照明となる。
なお、本変形例の照明装置10Aは、図7のフック11Aを固定部11に変えたうえで、図1に示した照明装置10と同様の態様でバッテリーケース20の支柱30に取り付けることも可能である。この取付態様の場合、照明装置10Aは、上記とは逆に、上閉位置で内向きの照明となり、下閉位置で外向きの照明となる。
[変形例2]
図9は、固定部を含む照明装置の要部構造を示す側面図である。なお、本変形例の基本的な構造は、実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にCを付し、重複した説明は省略する。
本変形例に係る照明装置10Cでは、照明ユニット14Cのベース部材12の下面(照明支持部133取付面の反対の面)に固定部11Cが取り付けられる。
固定部11Cは、円筒形状の本体部111Cの軸方向の中間部を本体部111Cよりも細い径に加工して窪み112Cを形成したいわゆるダボ型の部材である。
本変形例では、バッテリーケース20から立設される支柱(便宜的に、30Cと呼称する)を、固定部11Cのダボ型の外形形状を受け入れ可能な嵌合穴を有する部材で構成することができる。これにより、本変形例の照明装置10Cでは、上記ダボ型の固定部11Cの本体部11Cを支柱30Cの上記嵌合穴に長手方向に挿入して嵌合させることで、照明ユニット14Cを、ベース部材12を介して支柱30Cに取り付けることができる。
また、本変形例では、照明装置10Cは、別に用意される照明用三脚の台座に取り付けることができる。本変形例の照明用三脚は、上記台座の上面に固定部11Cのダボ型の外形形状を受け入れ可能な嵌合穴が設けられる。これにより、本変形例の照明装置10Cは、上記ダボ型の固定部11Cの本体部11Cを上記台座に形成された嵌合穴に長手方向に挿入して嵌合させることで、照明ユニット14Cをベース部材12により照明用三脚の台座に固定して取り付けることができる。
[変形例3]
図10は、固定部材の構造を示す図であり、図10(A)は、固定部材を含む照明装置の要部の側面図であり、図10(B)は、図10(A)の固定部材の底面図である。なお、本変形例の基本的な構造は、実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にDを付し、重複した説明は省略する。
本変形例に係る照明装置10Dでは、照明ユニット14Dのベース部材12の下面に固定部11Dが取り付けられる。固定部11Dは、図10に示すように、本体部111Dが円筒形の薄板部材により構成される。固定部11Dの本体部111Dの円周中心部には、カメラ用三脚の台座に立設されるネジに騾合するネジ穴112Dが設けられる。ネジ穴112Dの周囲には、図10(B)に示すように、例えば4つの取付穴113Dが形成されている。
固定部11Dは、取付穴113Dにより例えばネジ止め等によりベース部材12の下面に図10(A)に示すように取り付けられる。
固定部11Dが取り付けられたベース部材12を有する照明装置10Dを取り付けるには、まず、図10(A)に示すように固定部11Dを下にしてカメラ用三脚の台座の上方にもっていく。その後、台座から立設される取付ネジに固定部11Dのネジ穴112Dを位置合わせたしたうえで、台座の取付ネジを回して該取付ネジをネジ穴112Dに螺合させることにより、照明ユニット14をベース部材12によりカメラ用三脚の台座に固定して取り付けることができる。
[実施例1の効果]
本実施例の照明装置では、支柱30に取り付けられ又はフック11A及び吊り下げ部材115により吊り下げられるベース部材12と、支柱30の延設方向又は吊り下げ方向に交差する搖動回転軸131cでベース部材12に揺動回転可能に支持された照明支持部133と、照明支持部133を所定の揺動回動位置で静止させる揺動位置静止機構と、照明支持部133に取り付けられ前記揺動回転の回転半径方向に長手方向が向いた短冊状の照明配列基板155に照明素子151が配列された照明ユニット14とを備え、照明支持部133の静止位置に応じた方向に照明配列基板155が指向して照明素子151から光を照射する。
従って、本実施例では、照明支持部133に取り付けられた短冊状の照明配列基板155に照明素子151が配列された照明ユニット14を開閉させて所定の揺動回転位置で静止させることができ、照明配列基板155上の照明素子151の細かい光路変更に容易に対応できる。照明素子151の光照射方向を住宅街に向かないよう変更することも容易であり、状況に応じた防眩対策が図れる。
また、本実施例では、照明支持部133は、ベース部材12に支柱30の延設交差方向又は吊り下げ交差方向から見て支柱30の周囲又は吊り下げ部材115を囲むように対向して複数対配列され、照明配列基板155の端部を照明支持部133に支持させ、照明配列基板155を支柱30の延設方向に沿った方向で照明支持部133と共に回動する。
従って、本実施例では、単体では短冊状である照明配列基板155を複数用いることでいて円筒形から放射する態様で光の照射あるいは防眩が図れ、バルーン式に匹敵する照射(投光)範囲を確保しながら耐風性も確保できる。
また、本実施例では、照明支持部133は、揺動回転軸131cに対し直交して伸びる支持部主体133aとこの支持部主体133aに対し揺動回転軸131cの軸方向に突設された基板支持部133bとを備え、基板支持部133bは、揺動回転軸131cに対し傾斜設定されている。
従って本実施例では、複数の照明配列基板155をベース部材12を囲むように周状に配置することが容易となり、円筒形から放射される態様での光照射が実現できる。
また、本実施例では、揺動位置静止機構は、照明支持部133の回転軸に設けた摩擦機構により構成される。
従って、本実施例では、照明配列基板155を開閉させて所定の揺動回転位置で静止させる機構を安価に構成でき、装置の低コスト化が図れる。
[照明装置の構成]
図11は、照明装置の構成を示す正面図である。図12は、図11の照明装置の右側面図であり、図13は、図12の照明装置の平面図である。なお、本実施例の構成については、実施例1と同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にEを付し、重複した説明は省略する。
図11〜図13に示すように、本実施例の照明装置10Eは、ベース部材12E上に取付部材13を介して照明ユニット14Eを取り付けることにより構成される。
ベース部材12Eは、一端が取付部材13の基部131aを取付可能な形状に加工された薄板部材からなり、固定部11に対してビス等により固定されている。ベース部材12Eには、取付部材13が取り付けられている。
取付部材13は、実施例1と同様のものであり、基部131a、搖動部131b及び搖動回転軸131cからなる。基部131aは、ベース部材12E上にビス等によって取り付けられる。これにより、揺動部131bは、基部131aに対して揺動回動軸131cにより揺動可能となる。揺動部131bには照明支持部133Eが取り付けられ、更に照明支持部133Eの先端部には照明ユニット14Eが取り付けられる。
照明ユニット14Eは、長尺の薄板状部材からなる支持部材17に例えば3つの照明モジュール15e、15f、15gを取り付けて構成される。支持部材17は、照明支持部133Eの先端部にビス止めされている。支持部材17には、締結固定用の貫通孔17aが連設されている。照明モジュール15e、15f、15gは、支持部材17の長手方向に直交する方向に、且つ上記長手方向に所定の間隔毎に取り付けられる。照明モジュール15e、15f、15gは、それぞれ、短冊状の照明配列基板155に複数の照明素子151が配列されたものである。照明配列基板155は、複数の照明素子151を例えば外向きに配列している。
照明モジュール15e、15f、15gの支持部材17への取り付けは、まず収容板175に収容片176、176を用いて照明モジュール15e、15f、15gを収容し、その後に該収容板175を支持部材17に、貫通孔17aを用いてビス等により固定することにより行う。この固定は、支持部材17の貫通孔17aにより任意の位置で行わせることができる。
これにより、照明ユニット14Eは、照明モジュール15e、15f、15gが照明支持部133Eと交差するように、支柱30に直交してベース部材12E・BR>繧ノ取り付けられる。
上記構成を有する照明装置10Eは、図6の場合と同様にして、同図の符号を用いると、点灯制御部221の点灯制御によりバッテリーケース20のバッテリー部25から給電部24を介して各照明モジュール15e、15f、15gに給電され、照明素子151を点灯駆動することができる。
この点灯駆動により、照明方向は単一方向となるものの、上下複数段の平行な照明モジュール15e、15f、15gにより、十分な屋外照明を行わせることができる。また、照明方向は単一方向であるため、背後側では防眩機能を奏することができる。
[照明装置の開閉操作]
本照明装置10Eの照明モジュール15e、15f、15gは、例えば、図11に示す直立状態から、ベース部材12Eの上面を覆うように水平に折り畳まれる折り畳み位置までの90度区間での可動も可能となる。
すなわち、本実施例の照明装置10Eにおいて、照明ユニット14Eの各照明モジュール15e、15f、15gは、図11に示す直立状態からベース部材12Eに対して垂直下方までの180度区間と、上述した90度区間とを通して270度の区間の回動が可能である。
従って、照明素子151からの照射方向の調整が容易でしかも細かく270度の範囲で照射方向を変更できる。
しかも、照明装置10Eが平面状であるため、スペースの無い場所にも設置することが可能となる。
照明配列基板155上に照明素子151(LED)を含めて乳白色拡散パネルを取り付けることで看板用照明にも使用することができる。
また、本実施例では、照明ユニット14Eを短冊状の照明配列基板155を照明支持部133Eに交差して取り付ける構造としたため、構造が簡単でありながら、広範囲の照射に対応可能となる。
なお、本実施例では、照明ユニット14Eは照明素子151を外向きに取り付けているが、運用場所や用途等に合わせて内向きに照明素子151を取り付ける構成としても良い。
[照明装置の構成]
図14は、照明装置の構成を示す側面図であり、図15は、図14の照明装置の平面図である。なお、本実施例の構成については、実施例1と同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にFを付し、重複した説明は省略する。
本実施例の照明装置10Fにおいて、固定部11、ベース部材12、取付部材13は実施例1と同様のものである。但し、本実施例の照明装置10Fは、照明ユニット14Fの照明モジュール15a、15b、15c、15dの自動開閉機構を備えている。
具体的には、例えば、照明モジュール15aの自動開閉機構に関しては、図14及び図15に示すように、照明モジュール15aに対応する取付部材13において、揺動部131bの一方の軸結合部131baから突出した搖動回転軸131cの端部に従動ギヤ52が取り付けられている。軸結合部131baは、揺動回転軸131cに一体的に固定され、揺動回転軸131cは、基部131aの軸支持部131abに回転自在に支持されている。取付部材13の基部131a上部には開閉駆動モータ5aが設けられている。開閉駆動モータ5aの回転軸には上記従動ギヤ52に噛合う駆動ギヤ51が取り付けられている。
同様に、照明モジュール15b、15c、15dの自動開閉機構に関しても、それぞれ対応する取付部材13において、搖動部131bの延長された軸結合部131baには従動ギヤ52が取り付けられている。取付部材13の基部131aの上部にはそれぞれ開閉駆動モータ5b、5c、5dが設けられている。開閉駆動モータ5b、5c、5dの回転軸には上記各従動ギヤ52に噛合う駆動ギヤ51がそれぞれ取り付けられている。
上記自動開閉機構の構造により、本実施例での各照明支持部133に関する揺動位置静止機構は、各照明支持部133を揺動回転駆動する開閉駆動モータ5a、5b、5c、5dによって構成される。
従って、本実施例では、可動片133の回転軸(揺動回転軸132)に摩擦機構を設ける必要がなくなる。
かかる照明装置10Fの構成において、例えば、開閉駆動モータ5aを正転駆動すると、駆動ギヤ51が正転駆動され、駆動ギヤ51に噛合う従動ギヤ52が上記正転駆動に応じて方向に回転駆動する。これにより、搖動部131bの軸結合部131baが従動ギヤ52と同方向に回動し、この回動により照明支持部133の支持部主体133aを介して照明モジュール15aが例えば図14に示す上閉位置から外側方向に開くように、さらには下閉位置まで駆動させることができる。
一方、開閉駆動モータ5aを逆転駆動すると、駆動ギヤ51が逆転駆動され、駆動ギヤ51に噛合う従動ギヤ52が逆転駆動される。これにより、上記正転時とは逆に上閉位置まで戻すことができる。
同様にして、開閉駆動モータ5b、5c、5dを正転及び逆転駆動することにより、対応する駆動ギヤ51、従動ギヤ52を介して照明モジュール15b、15c、15dを自動開閉させることができる。
本実施例の照明装置10Fにおいて、照明モジュール15b、15c、15dの自動開閉制御は、例えば実施例1と同様の180度の可動域の範囲内で適用可能である。
各開閉駆動モータ5b、5c、5dは別々に駆動制御させることもでき、照明モジュール15b、15c、15dを別々に動作させることもできる。
[照明装置の制御系の構成及び照明モジュール開閉制御]
図16は、照明システムの全体構成を示す概念図である。
図16に示すように、本実施例の照明システム1Fは、図14及び図15に示した照明装置10Fと、照明装置10Fを支柱30により支持すると共に駆動するバッテリーケース20Fとにより構成される。
バッテリーケース20Fは、実施例1のバッテリーケース20の構成に開閉モータ駆動部26を付加して構成される。開閉モータ駆動部26と各開閉駆動モータ5a、5b、5c、5dは例えばケーブル等により電気的に接続されている。また、制御部22Fには、点灯制御部221に付加して開閉制御部222が設けられる。また、操作部21Fは、実施例1で述べた発光強度指示機能の他、各照明モジュール15a、15b、15c、15d毎に開閉を指示する開閉指示機能を有する。
本実施例の照明システム1Fでは、操作部21Fから上記発光強度指示機能により例えば各照明モジュール15a、15b、15c、15d毎に発光強度を指定することができる。これにより、照明システム1Fでは、実施例1と同様、点灯制御部221によって、各照明モジュール15a、15b、15c、15dの照明素子151を指定された発光強度で発光駆動させることができる。
また、操作部21Fにおいて上記開閉指示機能により照明モジュール15a、15b、15c、15d別の開閉指示が入力されると、開閉制御部222が記憶部23に記憶されている開閉制御プログラムに基づく照明モジュール15a、15b、15c、15dの開閉制御を行う。
すなわち、開閉制御部222は、上記開閉指示入力を受け付けると、まず、開閉対象の照明モジュール15a、15b、15c、15d、開閉方向及び開閉量を認識する。次いで、開閉制御部222は、開閉対象である照明モジュール15a、15b、15c、15dに対応する開閉駆動モータ5a、5b、5c、5dに対する開閉制御信号を開閉モータ駆動部26に送出する。この開閉制御信号には、上記開閉方向及び開閉量に応じた開閉駆動制御信号が含まれる。開閉モータ駆動部26では、制御対象の開閉駆動モータ5a、5b、5c、5dを上記開閉駆動制御信号に基づき正転又は逆転駆動する。これら開閉駆動モータ5a、5b、5c、5dの正転又は逆転駆動により、それぞれ対応する駆動ギヤ51、従動ギヤ52を介して該当する照明モジュール15a、15b、15c、15dが上記開閉指示により指定された位置に開閉されて静止する。
本実施例の照明システム1Fでは、照明モジュール15a、15b、15c、15dの点灯制御に加えて開閉制御も行うことができ、所望の開閉位置に自動で静止させることができる。従って、本実施例では、実施例1の効果に加えて、利用者による照明モジュールの開閉操作を軽減でき、照明素子151による照射方向をより簡単に調整できるという効果が得られる。
[照明装置の構成]
図17は、照明装置の構成を示す側面図であり、図18は、図17の照明装置の平面図である。なお、本実施例の構成については、実施例4と同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にGを付し、重複した説明は省略する。
本実施例の照明装置10Gでは、照明ユニット14Gが実施例3に係る照明装置10Fの照明ユニット14Fに、更に、各照明モジュール15a、15b、15c、15dをその長手方向を軸として自動回転(旋回)させる旋回機構を付加して構成される。それ以外の構成は実施例3と同様である。
本実施例の照明ユニット14Gにおいて、照明モジュール15aの旋回機構は、例えば、図17及び図18に示すように、照明支持部133に軸受部133cが設けられ、この軸受部133cに支持部主体133aの回転軸7が相対回転自在に軸支持されている。支持部主体133aの回転軸7には、従動ギヤ72が一体に設けられている。
支持部主体133aを分離した照明支持部133の基部には、モーター支持部133dが折り曲げ形成され、このモーター支持部133dに、旋回駆動モータ6aが取り付けられている。旋回駆動モータ6aは、回転軸に駆動ギヤ61が設けられる。駆動ギヤ61は、前記支持部主体133a従動ギヤ72に噛み合っている。
同様に、照明モジュール15b、15c、15dの旋回機構は、各照明モジュール15b、15c、15dをそれぞれ対応する支持部主体133aが各照明支持部133に対して回転軸7により回転可能に連結され構造を有する。各照明支持部133には、上記同様に各モーター支持部133dに各旋回駆動モータ6b、6c、6dが取り付けられている。旋回駆動モータ6b、6c、6dは、それぞれの駆動軸に駆動ギヤ61が設けられる。各駆動ギヤ61は、対応する支持部主体133a支持部主体133aに設けられた従動ギヤ72に噛み合っている。
本実施例の照明モジュール旋回機構によれば、各照明モジュール15a、15b、15c、15dを各々支持部主体133aと一緒にそれぞれ対応する回転軸7に対して回動させる際、該各照明モジュール15a、15b、15c、15dをそれぞれ所定の回転位置で静止させることができる。この場合の回転位置停止機構は、各照明モジュール15a、15b、15c、15dが取り付けられた各支持部主体133aをぞれぞれ回転駆動する旋回駆動モータ6a、6b、6c、6dにより構成される。
上記旋回機構を有する照明装置10Gでは、例えば、旋回駆動モータ6a、6b、6c、6dを正転駆動すると、対応する各駆動ギヤ61が正転駆動され、駆動ギヤ61に噛合う従動ギヤ72が上記正転駆動に応じて方向に回転駆動する。これにより、各支持部主体133aが回転軸7を中心に従動ギヤ72と同方向に回動し、各支持部主体133aに対応する照明モジュール15a、15b、15c、15dが図18において例えば時計回りに旋回駆動される。また、旋回駆動モータ6a、6b、6c、6dを逆転駆動することで、照明モジュール15a、15b、15c、15dを図18において例えば半時計回りに旋回駆動することができる。
なお、各照明モジュール15b、15c、15dの旋回機構は、手動で旋回させる構造とすることも可能である。手動による旋回機構は、例えば、実施例1等にも適用でき、旋回駆動モータ6a、6b、6c、6d及びギヤ類を排し、各照明モジュール15b、15c、15dを回転軸7が嵌め込まれている支持部主体133aを介して対応する照明支持部133Gに回転可能に連結するだけで実現できる。この場合、各照明モジュール15a、15b、15c、15dを所定の回転位置で静止させる回転位置停止機構は、例えば、回転軸7と支持部主体133a間に摩擦機構を設けることで実現可能である。
このように、本実施例では、照明配列基板155は、短冊状の延長方向の回転軸7で照明支持部133に回転可能に連結され、照明配列基板155を所定の回転位置で静止させる回転位置静止機構を備えている。回転位置静止機構は、照明支持部133の回転軸7に設けた摩擦機構又は照明配列基板155を回転駆動する旋回駆動モータ6a、6b、6c、6dにより構成した。特に、旋回駆動モータ6a、6b、6c、6dを用いる場合には手動による旋回操作は不要となり、利便性が増す。
[照明装置の制御系の構成及び照明モジュール旋回制御]
図19は、照明システムの全体構成を示す概念図である。
図19に示すように、本実施例の照明システム1Gは、図17及び図18に示した照明装置10Gと、照明装置10Gを支柱30により支持すると共に駆動するバッテリーケース20Gとにより構成される。
バッテリーケース20Gは、実施例3のバッテリーケース20Gの構成に旋回モータ駆動部27を更に付加して構成される。旋回モータ駆動部27と各旋回駆動モータ6a、6b、6c、6dは例えばケーブル等により電気的に接続されている。また、制御部22Gには、点灯制御部221、開閉制御部222に付加して旋回制御部223が設けられる。更に、操作部21Gは、実施例3に係る発光強度指示機能、各照明モジュール15a、15b、15c、15d毎の開閉指示機能に加えて、各照明モジュール15a、15b、15c、15d毎の回転(旋回)指示機能を有する。
本実施例の照明システム1Gでは、制御部20Gの点灯制御部221、及び開閉制御部222により、各照明モジュール15a、15b、15c、15dに対する実施例3と同様の点灯制御及び開閉駆動制御が行える。
更に、本実施例では、操作部21Gにおいて上記旋回指示機能により照明モジュール15a、15b、15c、15d別の旋回指示が入力されると、旋回制御部223が記憶部23に記憶されている旋回制御プログラムに基づく旋回制御を行う。
この旋回制御において、旋回制御部223は、上記旋回指示の入力に対して、まず、旋回対象の照明モジュール15a、15b、15c、15d、旋回方向及び旋回量を認識する。次いで、旋回制御部223は、旋回対象である照明モジュール15a、15b、15c、15dに対応する旋回駆動モータ6a、6b、6c、6dに対する旋回制御信号を旋回モータ駆動部27に送出する。この旋回制御信号には、上記旋回方向及び旋回量に応じた旋回駆動制御信号が含まれる。旋回モータ駆動部27では、旋回対象の旋回駆動モータ6a、6b、6c、6dを上記旋回駆動制御信号に基づき正転又は逆転駆動する。これら旋回駆動モータ6a、6b、6c、6dの正転又は逆転駆動により、それぞれ対応する駆動ギヤ61、従動ギヤ72を介して該当する照明モジュール15a、15b、15c、15dが上記旋回指示によって指定された位置に旋回されて静止する。
本実施例の照明システム1Gでは、照明モジュール15a、15b、15c、15dの開閉制御に加えて旋回駆動制御を実施できる。従って、本実施例では、実施例3の効果に加えて、照明モジュールの旋回操作を軽減でき、照明素子151による照射方向を更に細かなパターンでより簡単に調整できるという効果が得られる。
なお、照明配列基板は、可動構造にすることなく、照明状況に合わせて最適な位置となるように設定し、ベース部材側に固定的に取り付け、構造をよりシンプルに構成してもよい。 照明モジュールにカラーフィルターを貼り付けることで、用途に応じて色変更を行わせてもよい。
照明素子を、赤、青、緑の3色LED等とし、色変更を適宜行わせてもよい。
図20は、照明装置の構成を示す側面図、図21は、同平面図、図22は、同固定部及び支柱との結合部分を示す部分断面図である。なお、本実施例の構成については、実施例1と同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にHを付加した符号を付し、重複した説明は省略する。
本実施例の照明装置10Hは、図20〜図23のように、複数を積層可能な構造を有する。また、本実施例の照明装置10Hは、容易に上下を逆向きにして用いることが可能な構造を有する。
すなわち、照明装置10Hは、ベース部材12Hを挿通する雄ねじからなる固定部11Hを有する。本実施例の固定部11Hは、円柱状の雄ねじであり、ベース部材12Hの中心部に設けられた挿通穴12Haを挿通している。
固定部11Hの両端部11Ha、11Hbは、それぞれベース部材12Hの上下に突出している。固定部11Iの両端部11Ha、11Hbには、各根元に位置するようにナット35が螺合されている。ナット35は、ベース部材12Hに突き当てられており、固定部11Hをベース部材12Hに締結し固定している。なお、固定部11Hのベース部材12Hへの固定は、溶接、圧入、焼嵌め等によって行ってもよい。
固定部11Hの下端部11Haには、支柱30Hの先端部の雌ねじ部33が螺合している。従って、照明装置10Hは、固定部11H及び雌ねじ部33の螺合により、支柱30Hの先端部に対して締結固定されている。なお、照明装置10Hの上下を逆向きにして用いる場合は、図22の固定部11Hの上端部11Hbを、下端部として支柱30Hの雌ねじ部33に螺合することができる。
支柱30Hは、例えば曲面状に面取りされた断面矩形又は正方形の角材からなる本体部301を有している。本体部301の各辺には、長手方向に沿って溝302が形成されている。この溝302により、本体部301は、四隅の角部303及びこれら角部303に結合板部304を介して結合された中心部305に区画形成されている。中心部305は、本実施例において筒状に形成されており、その先端部の内周に雌ねじが切られた雌ねじ部33が形成されている。
なお、本実施例の照明装置10Hでは、ベース部材12Hが平面八角形形状に形成され、各辺に対応して1つずつの合計8つの照明支持部133Hを配置している。
各照明支持部133には、照明ユニット14Hの照明モジュール15Hを構成する一対の照明配列基板155Hが設けられている。これにより、照明装置10Hは、照明ユニット14Hの照明配列基板155Hが16個設けられた16灯タイプとなっている。ただし、照明配列基板155Hの数は任意である。
各照明配列基板155Hには、照明素子151が配列されている。なお、図20及び図22において、照明素子151は、中央の照明配列基板155Hにのみ記載し、他の照明配列基板155Hについての記載を省略している。
かかる照明装置10Hでは、図22の状態で、固定部11Hの上端部11Hbに、支柱30Hと同一構成の他の支柱を締結することが可能である。このため、他の支柱上に更に照明装置10Hや固定部11Hを有する他の照明装置を締結固定することにより、照明装置10Hや他の照明装置を複数積層可能とする。
従って、照明装置10Hでは、同一の照明装置10Hや他の照明装置を複数積層させることによって、全体としての容量を適宜増加させることができ、使用環境に応じた容量を得ることが可能となる。
また、照明装置10Hでは、上下を逆向きにする場合、図22の固定部11Hの上端部11Hbを下端部として支柱30Hの雌ねじ部33に螺合し、容易に支柱30Hに取り付けることができる。
すなわち、照明装置10Hは、容易に上下を逆向きにして用いることができる。
また、照明装置10Hは、螺合によって支柱30Hに簡易且つ確実に取り付けることができる。この確実な取付により、照明装置10Hは、図20の上下を逆にして支柱30Hを例えば建物の天井に固定したり、或は水平にして例えば建物の壁から支柱30Hを突設する等のように、使用態様の自由度を向上することができる。
その他、本実施例でも、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
図23は、積層照明装置の構成を示す側面図、図24は、同平面図である。なお、積層照明装置の構成については、実施例5と同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には、同符号にIを付加した符号を付し、重複した説明は省略する。
本実施例の積層照明装置100は、図23及び図24のように、複数の照明装置を積層したものである。具体的には、支柱30Iから上方に向けて下照明装置10I、中照明装置37、上照明装置10Iを順に積層して、積層照明装置100を構成している。
なお、上、中、下照明ユニット10I、37、10Iは、何れか一つを省略することも可能である。また、上照明装置10Iの上には、さらに別の照明装置を積層することも可能である。また、中照明装置は、上下照明装置10Iと同一構造にすることも可能である。
下照明装置10I及び上照明装置10Iは、固定部11I及び雄ねじ57(図26参照)を除いて実施例5の照明装置10Hと同様に構成されている。固定部11I及び雄ねじ57については後述する。
中照明装置37は、警告灯や回転灯として機能するものである。本実施例の中照明装置37は、上下照明装置10Iよりも上下に短く、ベース部材43、照明固定部45、及び照明ユニット47より構成される。中照明装置37は、上下照明装置10Iと同様にベース部材43に照明ユニット47を取り付けて構成されているが、本実施例において照明ユニット47が照明固定部45によって開閉不能に固定される。ただし、中照明装置37の照明ユニット47は、開閉可能に構成してもよい。
図25は、中照明装置のベース部材と共に照明固定部を示す側面図である。なお、図25では、一つの照明固定部のみを示し、他の照明固定部を省略している。
ベース部材43は、ベース部材12Iと同様に、例えばアルミ製などの平面八角形形状の板材により構成されている。
ベース部材43の上面には、図24の上照明装置10Iと同様に、各辺に照明固定部45がボルト等によって取り付けられている。各照明固定部45は、本実施例においてアルミ製などのL字状のステーによって構成されている。すなわち、照明固定部45は、ベース部材43の上面に沿って締結される板状の固定ベース45a及びその固定ベース45aから上方に向けて立設された板状の固定壁部45bを備える。
固定壁部45bには、図23のように、照明ユニット47の照明モジュール49の一対の照明配列基板53が上下方向に沿ってボルト等によって取り付けられている。照明配列基板53は、上下照明装置10Iのものと同様に構成され、複数の照明素子55が長手方向(上下方向)に配列された短冊状となっている。なお、図23において、照明素子55は、中央の照明配列基板53にのみ記載し、他の照明配列基板53についての記載を省略している。また、図23中の上下照明装置10Iの照明素子151も同様である。
これら上、中、下照明装置10I、37、10Iは、隣接する上下照明装置10I及び中照明装置37のベース部材12I及び43間に第一の積層用の支柱39及び第二の積層用の支柱41を介在させて積層されている。なお、支柱39及び41は、それぞれ第一積層支柱39及び第二積層支柱41と称することがある。
図26は、積層照明装置の積層構造を概略的に示す断面図である。
本実施例の積層照明装置100は、図23及び図26のように、実施例5と同様に下照明装置10Iが支柱30Iの先端部に螺合によって取り付けられている。ただし、本実施例では、実施例5のナット35が省略されている。
すなわち、下照明装置10Iは、円柱状の雄ねじからなる固定部11Iを有し、固定部11Iは、ベース部材12Iの中心部に設けられた挿通穴12Iaを挿通している。この状態で、固定部11Iの下端部11Iaには、支柱30Hの先端部の雌ねじ部33が螺合している。一方、固定部11Iの上端部11Ibには、第一積層支柱39が取り付けられている。なお、固定部11Iと挿通穴12Iaとの間は、固定部11Iの挿通部分を矩形断面とし、挿通穴12Iaを対応する矩形断面とすること等によって回り止めを行ってもよい。
第一積層支柱39は、支柱30Iと同一断面に構成され、中心部305の両端部にそれぞれ雌ねじ部33が形成されている。第一積層支柱39の下端部は、その雌ねじ部33が下照明装置10Iの固定部11Iの上端部11Ibに螺合されている。
これにより、第一積層支柱39は、支柱30Iと共に下照明装置10Iのベース部材12Iに締結固定され、下照明装置10Iのベース部材12Iから上方に突設される。
第一積層支柱39の上端部は、下照明装置10Iの照明ユニット14Iが上閉位置にある場合の各照明モジュール15Iよりも上方に位置し、中照明装置37が取り付けられる。
中照明装置37は、ベース部材43の中心部に挿通穴43aが設けられている。この挿通穴43aを介して、中照明装置37の固定部11Iが設けられている。固定部11Iの下端部11Iaは、第一積層支柱39の上端部の雌ねじ部33に螺合されている。一方、固定部11Iの上端部11Ibには、第二積層支柱41が取り付けられている。
第二積層支柱41は、第一積層支柱39及び支柱30Iと同一断面であり、下端部の雌ねじ部33が中照明装置37の固定部11Iの上端部11Ibに螺合されている。これにより、第二積層支柱41は、第一積層支柱39と共に中照明装置37のベース部材43に締結固定され、中照明装置37のベース部材43から上方に突設される。
第二積層支柱41の上端部は、中照明装置37の照明ユニット47の各照明モジュール49よりも上方に位置し、上照明装置10Iが取り付けられる。
上照明装置10Iは、ヘッド57aを有する雄ねじ57によって、第二積層支柱41の上端部に締結固定されている。すなわち、雄ねじ57は、ベース部材12Iの挿通穴12Iaを挿通し、第二積層支柱41の上端部の雌ねじ部33に螺合している。なお、雄ねじ57に代えて、固定部11Iを用いることも可能である。この場合は、固定部11Iの下端部11Iaを第二積層支柱41の上端部の雌ねじ部33に螺合し、固定部11Iの上端部11Ibに実施例5のナット35や他の積層用の支柱を螺合すればよい。
本実施例の積層照明装置100は、照明装置10I、37、10Iの積層によって大容量化を容易に実現することができる。また、積層照明装置100では、照明装置10Iや37の積層数を変更することによって、使用環境に応じた容量を実現できる。
また、照明装置10I、37、10Iの積層は、第一及び第二積層支柱39及び41を介在させた螺合により、簡易な構造で容易に行うことができる。特に、本実施例では、基本的にベース部材12I及び43を挿通する固定部11Iに、両側から支柱30I、39、及び41をねじ込むだけでよく、工具やナット等が不要で、工事現場等の屋外での作業性もよい。
なお、本実施例では、ベース部材12I及び43の固定部11Iを雄ねじによって構成していたが、ベース部材12I及び43の固定部をウェルドナット等の雌ねじによって構成してもよい。この場合は、第一及び第二積層支柱39の両端部から突出する雄ねじ部を設け、その雄ねじ部を雌ねじ部としての固定部に螺合すればよい。
また、積層照明装置100では、中照明装置37を警告灯や回転灯として機能させることができ、上下照明装置10Iの照明モジュール15Iを開いたときでも、周囲に対して存在を認識させることが可能となる。
すなわち、上下照明装置10Iの照明素子151は、LED発光素子であり、光の指向性が高い。このため、上下照明装置10Iは、例えば図27のように、照明モジュール15Iが上閉位置に対して開くと、周囲へ指向する光が少なく或は無くなる。このため、上下照明装置10Iのみでは、夜間において周囲に積層照明装置100を認識させることができないおそれがある。
これに対し、積層照明装置100では、中照明装置37が警告灯や回転灯として機能することによって、そのようなおそれを解消できる。なお、中照明装置37の警告灯や回転灯としての機能は、照明配列基板53の照明素子55の点灯を適宜制御することによって実現できる。
その他、本実施例でも、実施例1及び5と同様の作用効果を奏することができる。
[変形例1]
図28は、変形例1に係る積層照明装置の構成を示す側面図、図29は、図28の積層照明装置の中照明装置のベース部材と共に照明固定部を示す平面図、図30は、図29の照明固定部を示す背面図である。
本変形例では、上、中、下照明装置10I、37、10Iを、8灯タイプとしたものである。
上下照明装置10Iは、固定部11Iを除き、実施例1の照明装置10と同一構成となっている。
中照明装置37は、上下照明装置10Iのベース部材12Iに応じて、ベース部材43が例えば正方形の平板の角が面取りされたアルミ製などの板部材により構成されている。ベース部材43には、各辺に1つずつ合計4つの照明固定部45が取り付けられている。
各照明固定部45は、固定ベース45aから一対の短冊状の固定壁部45ba及び45bbが上方に向けて立設されている。固定壁部45ba及び45bbは、全照明固定部45にわたって周回状になるように傾斜して配置されている。これら固定壁部45ba及び45bbには、それぞれ照明配列基板53が取り付けられている。
かかる変形例においても、実施例6と同様の作用効果を奏することができる。
[変形例2]
図31は、変形例2に係る積層照明装置の構成を示す側面図、図32は、同平面図、図33は、図31の積層照明装置の一部を省略した側面図である。
本変形例では、図31〜図33のように、上照明装置10Iを省略すると共に中照明装置37を下照明装置10Iの範囲内に位置させている。
すなわち、下照明装置10Iから突出する第一積層支柱39は、その上端が下照明装置10Iの照明ユニット14Iが上閉位置にある場合の各照明モジュール15Iの上端とほぼ同等の上下位置となっている。この第一積層支柱39の上端に、中照明装置37は、実施例6のものに対して上下逆向きにボルト57により固定されている。
中照明装置37の照明ユニット47は、下照明装置10Iのベース部材12Iよりも平面形状が小さいベース部材43から下方に突出して設けられ、全体として下照明装置10Iの上閉位置にある照明ユニット14Iの内周に入れ込まれている。
かかる変形例では、下照明装置10Iの上閉位置にある場合に、中照明装置37が下照明装置10Iに囲まれて警告灯又は回転灯として機能することはない。従って、本変形例では、下照明装置10Iが開いたときにのみ、中照明装置37を外部に露出させて警告灯又は回転灯として機能させ、中照明装置37が不用意に警告灯や回転灯として機能することを防止できる。
また、本変形例では、下照明装置10Iの開閉に連動させて中照明装置37をオン/オフする構成とすれば、中照明装置37が外部に露出したときにのみ中照明装置37をオン状態にして省電力化を図ることもできる。