JP6551242B2 - めっき鋼板の高周波抵抗溶接用の給電電極 - Google Patents

めっき鋼板の高周波抵抗溶接用の給電電極 Download PDF

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Description

本発明は、溶接H形鋼を高周波抵抗溶接により製造する際などに用いられるめっき鋼板の高周波抵抗溶接用の給電電極に関する。
3枚の鋼帯をH形に組み立てて溶接して製造される溶接H形鋼は、熱間圧延によって製造される圧延H形鋼に比べてウェブ及びフランジの板厚や幅の自由度が大きいため、圧延H形鋼と同一の断面性能を得る場合に板厚の薄肉化を図ることができる。そのため、溶接H形鋼は、優れた断面剛性を有する軽量H形鋼として、住宅や倉庫、高速道路などの部材として使用されている(JIS G 3353の一般構造用溶接軽量H形鋼など)。
図1に示すように、溶接H形鋼1は、ウェブ用の鋼板2の両側にフランジ用の鋼板3を連続的に高周波抵抗溶接することにより製造される。溶接の際には、ウェブ用とフランジ用の各鋼板2、3の当接部近傍に給電電極4を接触させることによって、各鋼板に高周波電流を直接給電し、ウェブとフランジの当接部を集中的に加熱および溶融する。その際、給電電極と鋼板の接触部(給電部)から図2に示すようにスパークが発生することがある。
スパークが発生すると、給電部に黒色のスパーク痕が残り、製品外観の劣化やその補修塗装に伴う製品コストの増加が問題となる。
近年、構造物の長寿命化、メインテナンスコストの削減に対するニーズの高まりから、溶接H形鋼においてもより優れた耐食性が求められるようになり、溶融亜鉛めっき鋼板を素材として溶接H形鋼が製造されるようになっている。
溶接の際のスパークの発生は、鋼板をめっき鋼板とした場合に発生しやすくなる。特に、めっき層に酸化しやすい元素であるAlやMgを含有し、更に、その表面に化成処理皮膜を設けた高耐食めっき鋼板を用いた場合にスパークが発生しやすくなる。
このようなAlを含むめっき層を有する鋼板で生じるスパークの問題に対し、特許文献1では、導電率が80%IACS以上で、800℃における強度が5kg/mm以上の電極材質を用い、また、電極と鋼板の接触面積を200mm以上とすることによって、給電部のめっきの損傷を抑制し、スパークの発生を抑制するようにしている。
特開平10−76373号公報
本発明者らは、特許文献1の技術を参考に、給電電極先端の給電部と亜鉛めっき鋼板との接触面積を増やし、給電部の電流密度の低減によるスパーク抑制を試みた。
しかしながら、給電電極として通常の矩形銅電極を用いた場合、接触面積が大きいと、均一の圧力で電極と鋼板を接触させることが困難となり、電極の一部しか鋼板と接触しなくなり、図3(a)に示すような片当たりの状態となる。また、そのような片当たりを防いでも、給電部の接触面積は溶接時間の経過と共に刻々と変化するため、給電部の接触面積の拡大はスパーク抑制の解決策にならなかった。
また、矩形電極では、溶接初期の接触面積が広くても、図3(b)に示すように、溶接時間の経過と共に電極の前面に溶融めっきが堆積し、その溶融めっきが電極と鋼板の間に侵入することによって、電極の表面に銅と亜鉛の合金層が形成され、亜鉛めっき鋼板と電極が均一な面圧で接触できなくなり、スパークが発生してしまうことも明らかとなった。
そこで本発明は、鋼板への接触が片当たりとならず、高耐食めっき鋼板を溶接H形鋼の素材として用いても、高周波抵抗溶接時のスパークに起因する外観不良を発生させず、かつ十分な時間にわたって連続使用ができる給電電極を提供することを課題とする。
本発明者は、電極使用開始直後のスパークの発生を低減できるとともに、鋼板への接触が片当たりとならないように安定して給電部の接触面積を確保でき、かつ、溶接時間が経過しても電極の前面に溶融めっきが堆積せず、給電部の面圧を均一に保つことができる方法について検討した。その結果、
(i)従来の矩形電極において、先端の給電面を球面とすることによりスパークの発生が抑制できること、
(ii)先端部を傾斜面とし、その傾斜面を利用して剥離した溶融めっきを電極側方に排出できるようにして、電極の前面に溶融めっきが堆積しないようにできること、
(iii)先端部の曲率半径を大きくして、使用中の鋼板との接触面積の変化が少ないようにすることにより、電極の使用時間が延長できることを知見した。
さらに、(iv)高温強度を有するクロム銅やアルミナ分散銅を電極材料として使用することによって、Alなどを含有する溶融亜鉛めっきが施された鋼板でもスパークの発生が抑制できるとの知見を得た。
そのような知見に基づいてなされた本発明の要旨は以下のとおりである。
(1) めっき鋼板の高周波抵抗溶接用の給電電極において、
めっき鋼板と接触しない矩形の本体部と、めっき鋼板と接触する部分を有する先端部よりなり、
先端部は傾斜面で形成され、かつ、電極先端から本体部の方向に少なくとも0.25mmの範囲は曲率半径が13〜40mmの曲面で形成されており、
さらに、先端部は、電極先端から0.25mmの深さ位置における断面積が20mm以上63mm以下であり、さらに1.5mmの深さ位置における断面積が87mm以上181mm以下である
ことを特徴とする給電電極。
(2) 前記先端部の断面積に関し、電極先端から0.25mmの深さ位置における断面積が27mm以上47mm以下である条件と、1.5mmの深さ位置における断面積が87mm以上135mm以下である条件のいずれか一方、あるいは両方を満たすことを特徴とする上記(1)に記載の給電電極。
(3) 前記先端部の傾斜面は、曲率半径の異なる二つの球面で形成されており、先端側の球面の曲率半径が本体部側の球面の曲率半径より大きいことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の給電電極。
(4) クロム銅またはアルミナ分散銅を用いて形成されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の給電電極。
本発明の給電電極を使用することにより、高耐食めっき鋼板を溶接H形鋼の素材として用いても、高周波抵抗溶接時のスパークに起因する外観不良を発生させず、かつ十分な時間にわたって連続使用ができるようになる。
高周波抵抗溶接による溶接H形鋼の製造の概要を示す図である。 給電部に発生するスパークの模式図である。 矩形電極による溶接時の態様を説明する図であり、(a)は矩形電極と鋼板表面の接触状況を示し、(b)は矩形電極の前面にめっき金属が堆積した状態を示す。 電極形状を説明する図であり、(a)は従来の矩形電極を示し、(b)は球面電極を示す。 球面電極による溶接時の態様を説明する図である。 2つの曲率の球面からなる曲面電極の形状を説明するための図であり、(a)は断面形状を示し、(b)は外観を示す。 電極の先端形状の定義を説明するための図である。 電極の先端形状の断面図である。
本発明者は、めっき鋼板の高周波抵抗溶接におけるスパークの発生要因を探るため、素材としてZn−A1−Mg−Si系の溶融亜鉛めっきがなされためっき鋼板を用い、給電電極として、異なる形状を有する銅電極を用いて高周波抵抗溶接する試験を行った。ウェブ板厚が3.2mm、フランジ板厚が4.5mmのH形鋼を、図4(a)に示す矩形電極及び図4(b)に示す球面電極で溶接して評価した。
まず、従来用いられている断面(L×W)が20×15mmの矩形電極を用いた場合、スパークは約3mの溶接長に1箇所の頻度で周期的に発生した。
通常の矩形銅電極では、電極固定ジグの精度不良で、電極表面と鋼板表面が均一の圧力で接触させることが困難となる。このため、図3(a)に示すように、電極の一部しか鋼板と接触しない片当たりの状態となり、給電状態が不安定となる。また、矩形電極では、電極と鋼板の接触面積が広いいため、図3(b)に示すように、溶接時間の経過と共に電極の前面に溶融めっきが堆積し、その溶融めっきが電極と鋼板の間に侵入することによって、スパークが発生してしまう。
そこで、給電状態の安定化を目的に、図4(b)に示す球面電極でスパークの発生状況を調査した。電極本体の断面サイズは、20×15mmであるが、電極先端を曲率半径20mmの球面にしたら、スパーク発生回数は、溶接長30m辺りに1回と大幅に改善された。
電極先端を球面にした電極を用いた場合に良い結果が得られたので、次に、断面が20×15mmの矩形電極の端面に種々の大きさの曲率半径をもった球面加工を施した球面電極を作製し、スパーク発生状況を調査した。
調査に当たっては、溶接開始直後のスパーク発生個数と共に、H形鋼製造における連続操業性を評価するため、溶接開始2時間後のスパーク発生個数を調査した。なおスパーク発生個数は溶接長30m当たりのスパーク個数である。
スパークの発生個数は少ないほど良いが、スパーク部の補修による生産性の低下を考慮して、許容できるスパーク個数の目安は3個以下とした。また、調節開始直後の電極摩耗深さが0.25mm、2時間後の電極摩耗深さが1.5mm程度であるため、各々の位置での電極の断面積を表1に記載した。
Figure 0006551242
先ず、溶接開始直後のスパーク発生個数を比較すると、電極先端部の曲率半径(先端半径)7.5mmでは5〜10個のスパークが発生し先端部を球面とした効果が得られなかった。先端半径を増加させるとスパーク個数は減る傾向を示し、先端半径13mm〜40mmで2個以下のスパーク個数となった。また、先端半径が45mmと更に増加すると、スパークは再び増加した。
先端半径が小さい場合は給電部の電極と鋼板の接触面積が小さすぎるため、給電部の抵抗発熱の増加による電極の損耗でスパークが発生しやすくなったと考えられる。一方、先端半径が45mmと大きくなりすぎると、矩形電極と同様に給電点が不安定となるためスパークが発生しやすくなったと考えられる。
以上の結果から、溶接開始直後のスパークを抑制するためには、電極先端半径を13mm〜40mmとすると共に、電極先端部と鋼板の接触面積を示す指標として、電極先端から0.25mm深さでの断面積を20mm以上63mm以下に規定する必要があることが分かった。
次に、溶接開始2時間後のスパーク発生個数を調査した。電極先端半径が7.5mmと小さい場合は、電極先端部の損耗が激しく、15分程度の経過時間でスパークが多発し、その後、電極が溶損して使用不可能となった。先端半径が10mm以上になるとスパーク個数は3個以下で良好な結果となった。先端半径10mm、12mmでは溶接開始直後よりも2時間後の方がスパーク個数が少なくなっており、溶接時間の経過による電極先端部の摩耗で電極と鋼板の接触面積が増加したことが有効に作用したと考えられる。また、先端半径が20mmまでは、スパーク発生回数が3個以下と少なかった。
一方、先端半径がさらに増加し30mm以上になると、スパーク個数は再び増加した。先端半径が増加すると、電極の摩耗で電極と鋼板の接触面積が大きくなりすぎるため、従来の矩形形状電極と同様に電極先端部の溶融めっきの排出が困難となり、電極と鋼板間に溶融めっきが侵入しやすくなる結果スパークが増加したと考えられる。
すなわち、溶接開始2時間後のスパーク個数を減らすためには、電極が摩耗した状態での電極と鋼板の接触面積を制限することが重要であり、溶接開始2時間後の電極の摩耗深さが1.5mm程度であること踏まえると、電極先端から1.5mm深さでの断面積を87〜181mmとする必要がある。
以上の結果、溶接開始直後及び2時間後の両方のスパークを抑制するには、電極先端半径を13mm〜40mmとし、かつ、電極先端から0.25mm深さの電極断面積が20mm以上63mm以下、1.5mm深さでの断面積が87〜181mmとする必要がある。
この形状を満たす電極を用いることによって、図5に示すように、電極と鋼板の接触箇所が電極先端部に固定されると共に、溶融しためっき金属を電極の脇に排除しながら給電を続けることが可能となり、電極と鋼板の安定的な通電が可能となったため、スパークの発生を抑制できるようになったと考えられる。
単一の先端半径の形状を有する電極で、これらの規定を満足するには、先端半径を13mm〜20mmの電極を用いれば良い。しかし、スパーク発生個数を1個以下の極限まで減らすためには、0.25mm深さでの電極断面積を27〜47mm、1.5mm深さでの電極断面積を87〜135mmとすることが望ましいが、この範囲の形状を単一の先端半径をもつ球面電極で作製することはできない。
そこで、安定的に接触面積が確保でき、かつ、めっき金属を排除する機能を長く維持できる形状について更に検討した結果、先端部の球面を、曲率半径の異なる二つの球面で形成し、先端側の球面の曲率半径を本体部側の球面の曲率半径より大きくなるような形状の電極を着想した。
そして、そのような給電電極として、図6に示すような、先端側の球面の曲率半径Sと本体部側の球面の曲率半径Hが異なる給電電極を作製して、スパークの発生状態を調査した。
電極1として、S:17mm、H:10mm、R:0.75mm(R:図6(a)で定義される距離)、電極2として、S:20mm、H:7.5mm、R:1mm、電極3として、S:30mm、H:7.5mm、R:0.75mm、電極4として、S:30mm、H:13mm、R:0.75mmを作製し、スパーク個数を調査した。
それぞれの電極を用いて溶接した結果を表2に示す。いずれの電極も、0.25mm深さでの電極断面積:27〜47mm、1.5mm深さでの電極断面積:87〜135mmを満足しており、スパーク個数は溶接開始直後、2時間後共に、1個以下であった。
Figure 0006551242
これらの試験の結果、先端部の球面を、曲率半径の異なる二つの球面で形成されるようにし、先端側の球面の曲率半径が本体部側の球面の曲率半径より大きくすることにより、長時間にわたって、安定的に接触面積が確保できることが確認された。
これは、先端側の球面が損耗しても、曲率半径の小さい本体部側の球面により、接触面積が急速に拡大することがなく、めっき金属を排除する機能を長く維持できるようになるものと考えられた。
以上のような、電極先端部を曲面とした電極をベースに、さらに、先端の曲面が損耗してもスパークの発生が抑制されるような機能を発揮することができる電極形状について検討した。
その結果、めっき鋼板の高周波抵抗溶接用の給電電極を、上記(1)〜(4)で規定した条件を満たすものとすることにより、上記の効果が得られる電極を得ることを見出した。
以下、そのような本発明の給電電極について、個々の条件や好ましい条件について説明する。
(給電電極の基本形状)
給電電極は、めっき鋼板に押し当てられ、めっき鋼板上を摺動しながらめっき鋼板に給電するもので、めっき鋼板と接触しない矩形の本体部と、めっき鋼板と接触する部分を有する先端部よりなり、先端部は傾斜面で形成されるものとする。
(本体部の形状)
本体部は、基本的には、従来使用されている矩形の断面形状のものでよく、20×15mm、20×10mmなど目標とする連続使用時間に応じて、適宜の断面寸法とすればよい。通常は、溶接進行方向の長さLを長くし、溶接部方向の幅Wを短くして溶接部に近接して配置できるようにする。また、必要な熱容量を確保するには、断面積が200mm以上であることが望ましい。
(先端部の形状)
先端部は、本体部から電極の鋼板への接触方向に傾斜面で形成される。傾斜面が形成される高さ(深さ)は、3〜10mmが好ましい。すなわち、図7で先端位置から境界位置までが3〜10mmとなるように形成されることが好ましい。
先端部の傾斜面の高さ(深さ)が3mm以上ないと、電極の消耗が進んできた場合、斜面の高さ(深さ)が少なくなり、剥離した溶融めっきを電極の前面から排除する機能が低下して、電極の寿命が低下する傾向になる。
傾斜面の高さ(深さ)が10mmを越えることは電極が不必要に大きくなり、好ましくない。
電極先端から本体部の方向に少なくとも0.25mmの範囲の表面、すなわち、図7で、少なくとも先端位置から0.25mm位置までの間の表面は、球面や断面が楕円形の曲面で形成される。
曲面が球面の場合には、曲率半径が13〜40mmの球面とする。曲率半径が13mm未満では、鋼板と電極の接触部の面積が狭く、鋼板との接触部の溶損する度合いが速くなり、連続溶接が行えない。また、40mmを超えると、本体部に続く傾斜面の領域を十分の幅で確保できず、電極の僅かな損耗で接触面積が拡大し、溶融凝固しためっき金属を排除する機能が低下してスパークが発生しやすくなる。また、楕円形の曲面の場合は、曲率半径が13〜40mmに相当する楕円形の曲面とすればよい。
図8に、先端部の種々の形状を断面図で示す。
(a)は先端部の傾斜面が球面で形成されている例、(b)は、曲率半径の異なる二つの球面で形成されており、先端側の球面の曲率半径が本体部側の球面の曲率半径より大きく形成された例、(c)は、(b)と同じく、2段で形成したもので、先端部の形状が、最先端部が球面であるが、最先端部以外は、平面(の傾斜面)で形成された例、をそれぞれ示す。なお、(d)に示すように、先端部の曲面を楕円形状としても良い。
それぞれの形状において、電極先端から0.25mmの深さ位置、すなわち、図7で、0.25mm位置における電極の断面積を20mm以上、63mm以下、望ましくは27mm以上、47mm以下とし、さらに1.5mmの深さ位置における断面積を87mm以上、181mm以下、望ましくは87mm以上、135mm以下とする。
0.25mm位置における電極の断面積が20mm未満では、電極と鋼板の接触面積が小さく給電が不安定となり、63mmを超えた場合も同様に給電状態が不安定となる。
また、1.5mmの深さ位置における断面積が87mm未満では電極の熱容量が小さすぎるため電極の溶損が生じ、181mm超えると、溶融しためっきを電極の側面に排出することができなくなりスパークが発生しやすくなる。
図8に示したそれぞれの形状において、先端部の曲面の曲率や傾斜角度を、この条件を満たすように決定することにより、スパークの発生抑制と長寿命化の効果を得ることができる。
(電極材質)
電極に用いる金属としては、板厚6mm以下の鋼板の溶接では純銅で十分な時間連続使用が可能であるが、板厚が6mmを超える厚手材の溶接では溶接速度を遅くする必要があるため給電電極への入熱が増加する。このため厚手材の溶接では、クロム銅やアルミナ分散銅を用いて電極の耐久性を確保することが好ましい。
電極先端の曲率を15mm、電極の材質を純銅、クロム銅、アルミナ分散銅とした電極を用い、ウェブ板厚6mm、フランジ板厚9mmのAlとMgを含有する溶融亜鉛めっき層を有する鋼板を溶接し、スパーク発生状況を調査したところ、純銅の電極では2時間、クロム銅、アルミナ分散銅の電極では3時間以上、それぞれ連続使用が可能であった。
(溶接対象物)
以上では、H形鋼の溶接を例に説明したが、めっき鋼板の溶接であれば、T形鋼や管の溶接でもよい。
以上のように構成される本発明の給電電極について、実施例によりさらに詳しく説明する。
溶接する鋼板は、溶融亜鉛めっき鋼板(ウェブ板厚3.2mm、フランジ板厚4.5mm)ないし、Zn−11%A1−3%Mg−0.2%Si系の亜鉛系合金めっき鋼板(ウェブ板厚6.0mm、フランジ板厚9.0mm)とした。
表3に示す形状と材質を有する種々の給電電極を準備し、周波数360kHzの高周波電源を使用し、接合部の加熱温度が1300℃程度となるように溶接速度を調整して、高周波抵抗溶接によるH形鋼の溶接を行った。具体的には、溶融亜鉛めっき鋼板の溶接速度を40m/minとし、Zn−11%A1−3%Mg−0.2%Si系の亜鉛系合金めっき鋼板の溶接では板厚が厚いために溶接速度を20m/minとした。
表3に溶接結果を示す。
なお、表3における各項目は下記の事項を意味するものとする。
・鋼板の種類
A:溶融亜鉛めっき(ウェブ板厚3.2mm、フランジ板厚4.5mm)
B:Zn−11%A1−3%Mg−0.2%Si系の亜鉛系合金めっき
(ウェブ板厚6.0mm、フランジ板厚9.0mm)
・電極本体部のサイズ(mm) 大:L20×W15×H10、小:L20×W10×H10
・電極先端部の形状
(a):図8(a):単一の曲率半径の球面電極、(b):図8(b):最先端の曲率半径と本体側の曲率半が異なる球面電極
・電極材料 銅:純銅、Al銅:アルミナ分散銅、Cr銅:クロム銅
・スパークの発生回数 溶接長30mあたりの回数
スパーク発生回数の合否判定は、スパーク回数が3回以下を合格とした。4回以上に なるとスパーク発生箇所の補修塗装による工数が増加するため不合格とした。
・連続使用時間 電極が損耗しスパーク発生回数が4回以上となるまでの時間
連続使用時間に対する合否判定は、2時間以上を合格とした。2時間未満の連続使用
時間ではまとまったロットの生産ができないため不合格とした。
表3に示されるように、本発明に従ったNo.1〜No.11の条件の溶接では、スパークの発生回数が3回以下で、2時間以上の連続使用が可能であった。特に、給電電極にアルミナ分散銅やクロム銅を用いたものは鋼板板厚の厚い鋼板Bに対しても2時間以上の連続使用が可能であった。
他方、本発明で規定した条件を満足していないNo.12〜No.16の比較例では、スパークの発生,電極の損傷等が観察され、良好な結果が得られなかった。
Figure 0006551242
Figure 0006551242

Claims (4)

  1. めっき鋼板の高周波抵抗溶接用の給電電極において、
    めっき鋼板と接触しない矩形の本体部と、めっき鋼板と接触する部分を有する先端部よりなり、
    先端部は傾斜面で形成され、かつ、電極先端から本体部の方向に少なくとも0.25mmの範囲は曲率半径が13〜40mmの曲面で形成されており、
    さらに、先端部は、電極先端から0.25mmの深さ位置における断面積が20mm以上63mm以下であり、さらに1.5mmの深さ位置における断面積が87mm以上181mm以下である
    ことを特徴とする給電電極。
  2. 前記先端部の断面積に関し、電極先端から0.25mmの深さ位置における断面積が27mm以上47mm以下である条件と、1.5mmの深さ位置における断面積が87mm以上135mm以下である条件のいずれか一方、あるいは両方を満たすことを特徴とする請求項1に記載の給電電極。
  3. 前記先端部の傾斜面は、曲率半径の異なる二つの球面で形成されており、先端側の球面の曲率半径が本体部側の球面の曲率半径より大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の給電電極。
  4. 少なくとも前記先端部がクロム銅またはアルミナ分散銅により形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の給電電極。
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