JP6550823B2 - 圧電アクチュエータ及び電子時計 - Google Patents

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Description

本発明は、圧電アクチュエータ及び電子時計に関するものである。
従来、電圧を印加することにより伸縮する変位素子(圧電素子)を備える圧電アクチュエータが知られている。
圧電アクチュエータは、例えば、圧電素子に所定の電圧を印加することにより機械的な共振を起こし、この振動により伝達部(柱状突起)が楕円軌道を描くように動作する。そして、この伝達部の楕円運動によって、伝達部に加圧接触されている動作対象物を移動(駆動)させるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
このような圧電アクチュエータでは、伝達部の楕円運動を動作対象物に伝達させるために、伝達部を動作対象物に対して加圧接触させて摩擦力を生起させることが必要であり、例えば、特許文献1には、コイルスプリングを利用して加圧を行う与圧手段を備える構成が開示されている。
特開2009−71903号公報
圧電素子は、所定の周波数の電圧を印加したときに共振がピークとなる。このため、圧電素子を効率よく共振させるためには、圧電素子に電圧を印可する際の駆動周波数を共振がピークとなる周波数帯に調整することが必要となる。
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の圧電アクチュエータのように、コイルスプリング等のバネを圧電アクチュエータに接触させてバネ力によって圧電アクチュエータを押圧する構成の場合、バネが接触することによって圧電素子の共振がピークとなる周波数帯も圧電アクチュエータ単体の場合にピークとなる周波数帯からずれてしまう。
このため、圧電アクチュエータ単体について駆動周波数の調整を行っても、バネ等を取り付けた組み込み状態において、バネを追加したことによる共振周波数のずれを考慮して、再度駆動周波数を調整し直さなければならないという問題がある。
また、従来の圧電アクチュエータでは、圧電アクチュエータとは別部材で構成された与圧機構を有し、この与圧機構によって圧電アクチュエータの一端側から他端側に向けて与圧をかけるようになっている。このため、圧電アクチュエータの伝達部が当接する動作対象物は与圧がかかる側にしか配置することができず、圧電素子の伸縮動作によって生じた力を十分に活用することができず、駆動効率が悪いとの問題もある。
さらに、圧電アクチュエータを外部から与圧する場合には、圧電素子等を固定する基台自体も圧電素子の共振時に変形してしまう。このため、圧電アクチュエータを装置内に組み込む際には基台をその変形量の少ない箇所で固定する必要があり、圧電アクチュエータの設置位置や設置手法が制約されてしまうとの問題もある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、圧電アクチュエータの共振のピークとなる周波数を変動させる要素を減らして駆動周波数の設定を容易とするとともに、装置組み込み性がよく、駆動効率のよい圧電アクチュエータ及び電子時計を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明に係る圧電アクチュエータは、
所定の角度をなすようにV字状に配置され、電圧を印加することで変位する2つの変位部材と、
前記2つの変位部材の交点側に配置され、前記2つの変位部材の交点側の端部を固定する基台と、
前記2つの変位部材の拡開側に架け渡され、前記2つの変位部材の拡開側の端部に固定された薄板状の弾性部材と、
前記弾性部材における前記2つの変位部材への架け渡し方向の中央部に設けられた伝達部と、
を備え
前記伝達部は、前記弾性部材における前記2つの変位部材が固定されている側の面及びその反対側の面にそれぞれ設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、圧電アクチュエータの共振のピークとなる周波数を変動させる要素を減らして駆動周波数の設定を容易にし、装置組み込み性及び駆動効率を向上させることができるという効果を奏する。
第1の実施形態における圧電アクチュエータの斜視図である。 図1の圧電アクチュエータの分解斜視図である。 図1の圧電アクチュエータとこれにより動作する動作対象物の正面図である。 図1の圧電アクチュエータに印加される印加電圧の波形の一例を示したグラフである。 (a)から(e)は、図1の圧電素子に図4に示す波形の電圧を印加した場合の圧電アクチュエータの動きをシミュレーションした結果を模式的に示したイメージ図である。 図1の圧電アクチュエータに電圧を印加した場合の伝達部の軌跡をシミュレーションした結果を示す図である。 第1の実施形態における圧電アクチュエータを電子時計に組み込んだ状態を示す平面図である。 第2の実施形態における圧電アクチュエータとこれにより動作する動作対象物の正面図である。 図8の圧電アクチュエータに電圧を印加した場合の伝達部の軌跡をシミュレーションした結果を示す図である。 圧電アクチュエータの一変形例とこれにより動作する動作対象物の正面図である。 圧電アクチュエータの一変形例とこれにより動作する動作対象物の正面図である。 圧電アクチュエータの一変形例とこれにより動作する動作対象物の正面図である。 圧電アクチュエータの一変形例とこれにより動作する動作対象物の正面図である。
[第1の実施形態]
以下、図1から図7を参照しつつ、本発明に係る圧電アクチュエータ及び電子時計の第1の実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、本実施形態における圧電アクチュエータの斜視図であり、図2は、圧電アクチュエータの分解斜視図であり、図3は、圧電アクチュエータとこれにより動作する動作対象物の正面図である。
本実施形態に係る圧電アクチュエータ100は、例えば電子時計である腕時計の日付機構等を構成するディスク針(例えば図7に示すディスク針510)を回転駆動させたり指針を動作させる運針機構を動作させるために適用されるものであり、動作対象物Rは、こうした機構を構成する歯車等と接続されるロータ等である。なお、圧電アクチュエータ100により動作させる対象は、ここに例示したものに限定されない。
図1から図3に示すように、本実施形態の圧電アクチュエータ100は、変位可能な変位部材としての2つの圧電素子1(圧電素子1a,1b)と、圧電素子1a,1bの一端側に固定される基台2と、圧電素子1a,1bの他端側に固定される弾性部材4と、弾性部材4に設けられた伝達部43とを備えている。
なお、以下において、単に圧電素子1としたときは、圧電素子1a及び圧電素子1bを含むものとする。
本実施形態において2つの圧電素子1a,1bは、電圧を印加することで伸縮等の変位をする変位素子である。
圧電素子1は、例えば圧電セラミックスを用いた積層型等がある。
なお、圧電素子1は、電圧を印加することにより伸縮動作して振動し、この振動(共振)によって後述する伝達部43を楕円運動させるものであればよく、このような動作が可能なものであれば、これに限定されず、上記に例示した以外のものでもよい。
2つの圧電素子1a,1bは、所定の角度をなすようにV字状に配置されており、2つの圧電素子1a,1bの交点側の端部が基台2に固定されている。
本実施形態の基台2は、正面視においてほぼ二等辺三角形状となっており、2つの傾斜面2a,2bを有している。
基台2は、2つの圧電素子1a,1bの交点側に配置されており、傾斜面2aには接着剤層3を介して圧電素子1aの一端側(交点側)の端部が固定されている。また、傾斜面2bには接着剤層3を介して圧電素子1bの一端側(交点側)の端部が固定されている。
本実施形態における基台2は、傾斜面2a,2b同士がなす角度がほぼ90度となっており、傾斜面2a,2bに固定された2つの圧電素子1a,1bのなす角度は、ほぼ90度となっている。
圧電アクチュエータ100を電子時計500のケース501(図7参照)の内部等に実装する場合には、基台2を図示しない地板や基板上等にビス止め等により固定する。
すなわち、本実施形態では、基台2の下に与圧機構を構成するバネ等を配置しないため、基台2の一面である底面を直接地板や基板上等に固定することができ、圧電アクチュエータ100を駆動させた際にも基台2は変形しない。
圧電アクチュエータ100を駆動させた際に基台2がともに振動・変形する場合には、基台2の変形等を考慮して固定位置や保持の手法を工夫する必要がある。この点、本実施形態ではそのような考慮が不要であるため、基台2の固定位置等が制限されず、圧電アクチュエータ100の設置位置等の自由度が広がる。
弾性部材4は、2つの変位部材である圧電素子1a,1bの拡開側に架け渡され、2つの圧電素子1a,1bの拡開側の端部に固定される薄板状の部材である。
弾性部材4は、弾性変形可能な部材であり、例えば薄板状の鉄材等で形成された板バネある。なお、弾性部材を形成する材料等は特に限定されない。
本実施形態において、弾性部材4は、2つの圧電素子1a,1bへの架け渡し方向(薄板状の弾性部材4の長手方向、図3における横方向)の中央部が直線状の直状部41となっており、この直状部41の両側にそれぞれ、基台2の傾斜面2a,2bとほぼ同じ勾配で傾斜する傾斜部42a,42bを有している。
傾斜部42aにおける基台2と対向する側の面には、接着剤層5を介して圧電素子1aの他端側(拡開側)の端部が固定されている。また、傾斜部42bにおける基台2と対向する側の面には、接着剤層5を介して圧電素子1bの他端側(拡開側)の端部が固定されている。
弾性部材4における2つの圧電素子1a,1bへの架け渡し方向のほぼ中央部(すなわち、直状部41のほぼ中央部)には、伝達部43が設けられている。
本実施形態において、伝達部43は、薄板状の弾性部材4の一部を折り曲げ加工することによって、基台2の設けられている側とは逆側に突出するように突起状に形成されている。
本実施形態において、伝達部43は、圧電素子1a,1bの振動により楕円軌道を描くように動作(以下これを「楕円運動」という)するものである。
伝達部43は、電子時計500(図7参照)内等に組み付けられた状態において、動作対象物Rの表面に当接し、圧電アクチュエータ100の振動等の動きを動作対象物Rに伝達する。
本実施形態では、伝達部43が設けられている弾性部材4自体が板バネとなっており、弾性部材4は伝達部43を動作対象物Rに対して押し付ける方向(すなわち、図3において上向き矢印で示す方向)に付勢する与圧機構として機能する。これにより、伝達部43は常に与圧のかかった状態で動作対象物Rに接しており、伝達部43が後述するように楕円運動をしたときには、摩擦力によって当該楕円運動を動作対象物Rに伝達可能となっている。
なお、伝達部43は、動作対象物Rに動きを伝達できる形状のものであればよく、その形状や形成手法等は特に限定されない。
例えば、図1等では、薄板状の弾性部材4の幅方向(すなわち、弾性部材4の長手方向に直交する方向)に亘って、正面視においてほぼ山型の伝達部43が設けられているが、伝達部は、弾性部材4における長手方向及び幅方向のほぼ中央部に設けられた錘状又は柱状の突起であってもよい。
また、図1等で示す伝達部43は、薄板状の弾性部材4に折り曲げ加工を施しただけで内部は中空となっているが、突起状の伝達部43の中空部分に比重の高い剛体等を埋め込むことで中実としてもよい。
このように、伝達部43に比重の高い剛体等を配置することにより、伝達部43を中空のままとした場合よりも、圧電素子1が振動(共振)した際の伝達部43の縦方向及び横方向における変位量を拡大させることができる。
図3に示すように、2つの圧電素子1a,1bには、図示しない電極が設けられており、この電極にはそれぞれ電圧印加手段11(電圧印加手段11a,11b)が電気的に接続されている。
電圧印加手段11a,11bは、圧電素子1a,1bに交流の電圧を印加するものである。
本実施形態の電圧印加手段11a,11bは、2つの圧電素子1a,1bに対して、位相をずらした交流電圧を各々入力することで、圧電素子1a,1bに縦方向と横方向の振動(共振)を発生させ、その組み合わせにより、弾性部材4の中央に設けられた伝達部43に楕円振動を励起する。
また、圧電素子1に電圧を印加することで生じる振動(共振)は、所定の周波数帯においてピークとなり、圧電素子1に印可される電圧の駆動周波数が当該所定の周波数帯に近いほど圧電素子1が大きく共振し、これに伴って伝達部43の楕円運動の速度(すなわち、圧電アクチュエータ100の駆動速度)及び推力(すなわち、圧電アクチュエータ100の駆動力)も大きくなる。
このため、電圧印加手段11a,11bは、2つの圧電素子1a,1bに対して、圧電素子1a,1bの共振がピークとなる周波数帯の駆動周波数で電圧を印加する。
また、電圧印加手段11a,11bにより印加される電圧の電圧値が高いほど、圧電素子1に生じる振動(共振)も大きくなり、伝達部43の楕円運動の速度(すなわち、圧電アクチュエータ100の駆動速度)及び推力(すなわち、圧電アクチュエータ100の駆動力)も大きくなる。
このため、電圧印加手段11a,11bによる印加電圧値は、圧電アクチュエータ100の用途等に応じた所望の速度(駆動速度)と推力(駆動力)となるように適宜調整される。
図4は、電圧印加手段11a,11bにより圧電素子1a,1bに対して印加される交流電圧の波形の一例を示したグラフである。
図4において実線で示した波形CH1は、電圧印加手段11aにより圧電素子1aに対して印加される交流電圧の波形例であり、一点鎖線で示した波形CH2は、電圧印加手段11bにより圧電素子1bに対して印加される交流電圧の波形例である。
図4に示すように、波形CH1と波形CH2とには所定の位相差が設けられている。
ここで、図5(a)から図5(e)を参照しつつ、本実施形態の圧電アクチュエータ100の動きを説明する。
図5(a)から図5(e)は、本実施形態の圧電素子1a,1bに対して図4に示すような位相差を設けた交流波形の電圧を印加した場合の圧電アクチュエータ100の動きをシミュレーションした結果を模式的に示したイメージ図である。
図5(a)に示す初期状態から、まず、電圧印加手段11aにより圧電素子1aに対して電圧が印加されると、図5(b)に示すように圧電素子1aが収縮変形することにより、弾性部材4が圧電素子1aの側(図5(b)における左側)に引っ張られて、圧電アクチュエータ100全体が圧電素子1aの側(図5(b)における左側)に傾く。次に、電圧印加手段11bにより圧電素子1bに対して電圧が印加されると、圧電素子1bが収縮変形することにより、図5(c)に示すように、図5(a)に示す初期状態に近い状態となった後、図5(d)に示すように、弾性部材4が圧電素子1bの側(図5(d)における右側)に引っ張られて、圧電アクチュエータ100全体が圧電素子1bの側(図5(b)における右側)に傾く。そして、再び電圧印加手段11aにより圧電素子1aに対して電圧が印加されると、圧電素子1aが収縮変形することにより、図5(e)に示すように、徐々に図5(a)に示す初期状態に近い状態となった後、図5(b)に示すように、圧電アクチュエータ100全体が圧電素子1aの側(図5(b)における左側)に傾く。
このように、電圧印加手段11a,11bにより圧電素子1a,1bに対して位相差を設けて交互に交流電圧を印加することにより、圧電アクチュエータ100に縦方向と横方向の振動が発生し、弾性部材4の中央部に楕円振動が励起されて伝達部43が楕円運動する。
図6は、圧電アクチュエータ100の圧電素子1a,1bに対して上記に説明したような位相差を設けた交流波形の電圧を印加した場合の伝達部43の軌跡をシミュレーションした結果を示す図である。
図6において実線で示す楕円は、図6左下に示した圧電アクチュエータ100の伝達部43の頂点(図6の図において黒点で示す)の動きをプロットしたものである。
図6に示すように、電圧印加手段11a,11bにより圧電素子1a,1bに対して交互に位相差を設けた交流波形の電圧を印加すると、圧電素子1a,1bが交互に伸縮・振動することにより、圧電素子1a,1bと接続されている弾性部材4の中央部に設けられている伝達部43が大きく楕円軌道を描いて楕円運動する。
図7は、圧電アクチュエータ100を指針502等を備えた電子時計500(例えば腕時計)のケース501の内部等に実装した状態を示す図である。
前述のように、圧電アクチュエータ100を電子時計500のケース501(図7参照)の内部等に実装する場合には、基台2を図示しない地板や基板上等にビス止め等により固定する。
なお、基台2の設けられる位置等は図示例に限定されない。
図7では、日付窓503から数字を露出させることで日付表示を行うディスク針510を本実施形態の圧電アクチュエータ100によって回転駆動させる場合を例示している。
図7に示すように、圧電アクチュエータ100の伝達部43は、ロータ等の動作対象物Rに当接しており、伝達部43が楕円運動を行うことにより、動作対象物Rが回転するようになっている。なお、動作対象物Rの図示しない回転軸には、第1の歯車512が取り付けられており、この第1の歯車512は、ディスク針510の回転軸511に設けられている図示しないカナ(小歯車)と噛み合っている。
ディスク針510には、その周縁に沿って日付を表す数字(1から31までの数字)が順に書かれている。圧電アクチュエータ100の伝達部43によって動作対象物Rに楕円運動が伝達され、動作対象物Rが回転することにより、第1の歯車512を介してディスク針510が回転軸511を軸中心として回転すると、日付窓503から露出される数字が切り替えられ、これによって、適宜日付が表示できるようになっている。
なお、圧電アクチュエータ100によってディスク針510を回転させる構成は、ここに例示したものに限定されない。例えば圧電アクチュエータ100とディスク針510との間にさらに多くの歯車を介してもよい。
また、圧電アクチュエータ100によって回転駆動させる対象はディスク針510に限定されない。例えば指針502を回転駆動させるための駆動源として本実施形態の圧電アクチュエータ100を用いてもよい。
次に、本実施形態における圧電アクチュエータ100及びこれを備える電子時計500の作用について説明する。
本実施形態において、圧電アクチュエータ100を組み立てる際には、傾斜面2a,2bを有する基台2の上に、圧電素子1a,1bを固定する。具体的には、傾斜面2aの上に接着剤層3を介して圧電素子1aの交点側の端部を固定し、傾斜面2bの上に接着剤層3を介して圧電素子1bの交点側の端部を固定する。
さらに、圧電素子1a,1bの拡開側に、伝達部43を有する弾性部材4を配置し、弾性部材4の一方の傾斜部42aの下側面(図3等において下側の面)に接着剤層5を介して圧電素子1aの拡開側の端部を固定し、他方の傾斜部42bの下側面(図3等において下側の面)に接着剤層5を介して圧電素子1bの拡開側の端部を固定する。
さらに、圧電素子1a,1bの電極に電圧印加手段11a,11bをそれぞれ接続する。
これにより圧電アクチュエータ100が完成する。
圧電アクチュエータ100を電子時計500に組み込む際には、ロータ等の動作対象物Rの表面に伝達部43が接する位置に圧電アクチュエータ100を配置して、基台2をビス等によりケース501内の地板や基板上等に固定する。
圧電アクチュエータ100を動作させる際には、電圧印加手段11a,11bから圧電素子1a,1bに対して、例えば図4に示したような位相差を設けた交流波形の電圧を所定の駆動周波数及び電圧値で印加する。
これにより、例えば図5(a)から(e)に示すように、圧電素子1a,1bが交互に伸縮・振動を繰り返し、圧電素子1a,1bと連結されている弾性部材4の中央部に設けられた伝達部43に図6に示すような楕円運動を励起する。
伝達部43は、弾性部材4のバネ力により常に動作対象物Rの表面に押圧された与圧状態となっており、伝達部43の楕円運動は、摩擦力により動作対象物R(例えばロータ)に伝達される。これにより、動作対象物R(例えばロータ)が所定方向に移動(回転)する。
以上のように、本実施形態によれば、圧電アクチュエータ100は、所定の角度をなすようにV字状に配置され、変位可能な変位部材である圧電素子1を2つ備えており、この2つの圧電素子1a,1bの交点側の端部が基台2に固定され、2つの圧電素子1a,1bの拡開側の端部が薄板状の弾性部材4に固定されている。また、弾性部材4における長さ方向のほぼ中央部には動作対象物Rの表面に当接する伝達部43が設けられている。
このように、伝達部43がバネ性を有する薄板状の弾性部材4に設けられているため、別途与圧をかけるためのバネ等の与圧機構を設けることなく、伝達部43を動作対象物Rの表面に押圧し、与圧状態とすることができる。このため、圧電アクチュエータ100を構成する部品点数が少なくて済み、小型で簡易な構造とすることができる。
また、電圧印加手段11a,11bから圧電素子1a,1bに印加する電圧の駆動周波数が圧電素子1a,1bの共振周波数帯からずれると圧電アクチュエータ100の駆動速度及び駆動力が低下して圧電アクチュエータ100の駆動効率が低下する。このため、駆動周波数については、一旦圧電素子1a,1bの共振周波数帯に対応する駆動周波数に調整した後は変化させず、当該周波数に固定することが好ましい。しかし、伝達部を動作対象物の表面に押圧するための与圧機構を別途設ける場合には、与圧機構のバネの個体差(製造ばらつき)等を考慮して事後的に駆動周波数の設定や調整を行う必要が生じる。
この点、本実施形態では圧電アクチュエータ100を構成する弾性部材4が伝達部43を与圧する与圧機構として機能する。このため、外部要素による圧電素子1a,1bの共振周波数の変動を抑えることができ、事後的に駆動周波数の設定や調整を行う必要がなく、圧電アクチュエータ100の電子時計500等への組み込み等を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、基台2の下に与圧機構を構成するバネ等を配置しないため、基台2の一面である底面を直接地板や基板上等に固定することができ、圧電アクチュエータ100を駆動させた際にも基台2は変形しない。これにより、圧電アクチュエータ100を電子時計500等に組み込む際に基台2の固定手法や固定位置等が制限されず、圧電アクチュエータ100の設置位置等の自由度が広がる。
[第2の実施形態]
次に、図8及び図9を参照しつつ、本発明に係る圧電アクチュエータ及びこれを備える電子時計の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、弾性部材のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
図8は、圧電アクチュエータとこれにより動作する動作対象物の正面図である。
図8に示すように、圧電アクチュエータ200は、第1の実施形態と同様の2つの圧電素子1a,1bと、圧電素子1a,1bの交点側の端部を固定する基台2とを備えている。
また、圧電素子1a,1bの拡開側には、薄板状の弾性部材6が架け渡されている。弾性部材6は、第1の実施形態と同様に例えば薄板状の鉄材等で形成された板バネある。
本実施形態において、弾性部材6は、2つの圧電素子1a,1bへの架け渡し方向(薄板状の弾性部材6の長手方向、図8における横方向)の中央部が直線状の直状部61となっており、この直状部61の両側にそれぞれ、基台2の傾斜面2a,2bとほぼ同じ勾配で傾斜する傾斜部62a,62bを有している。
傾斜部62aにおける基台2と対向する側の面には、接着剤層5を介して圧電素子1aの他端側(拡開側)の端部が固定されている。また、傾斜部62bにおける基台2と対向する側の面には、接着剤層5を介して圧電素子1bの他端側(拡開側)の端部が固定されている。
弾性部材6における2つの圧電素子1a,1bへの架け渡し方向のほぼ中央部(すなわち、直状部61のほぼ中央部)であって、基台2の設けられている側には、薄板状の弾性部材6の一部を折り曲げ加工することによって突起状に形成された伝達部63が設けられている。
本実施形態において、伝達部63は、圧電素子1a,1bの振動により楕円軌道を描くように動作(以下これを「楕円運動」という)するものである。
本実施形態において、圧電アクチュエータ200は、電子時計内等に組み付けられた状態において、弾性部材6の下側(図8における下側)に動作対象物Rが配置されるようになっている。
そして、伝達部63は、上側(図8における上側)から動作対象物Rの表面に当接し、圧電アクチュエータ200の振動等の動きを動作対象物Rに伝達する。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、伝達部63が設けられている弾性部材6自体が、板バネとなっており、弾性部材6は伝達部63を動作対象物Rに対して押し付ける方向(すなわち、図8において下向き矢印で示す方向)に付勢する与圧機構として機能する。これにより、伝達部63は常に与圧のかかった状態で動作対象物Rに接しており、伝達部63が後述するように楕円運動をしたときには、摩擦力によって当該楕円運動を動作対象物Rに伝達可能となっている。
なお、伝達部63は、動作対象物Rに動きを伝達できる形状のものであればよく、その形状や形成手法等が特に限定されないことは第1の実施形態と同様である。
図9は、圧電アクチュエータ200の圧電素子1a,1bに上記に説明したような位相差を設けた交流波形の電圧を印加した場合の伝達部63の軌跡をシミュレーションした結果を示す図である。
図9において実線で示す楕円は、図9左下に示した圧電アクチュエータ200の伝達部63の頂点(図9の図において黒点で示す)の動きをプロットしたものである。
図9に示すように、電圧印加手段11a,11bにより圧電素子1a,1bに対して交互に位相差を設けた交流波形の電圧を印加すると、圧電素子1a,1bが交互に伸縮・振動することにより、圧電素子1a,1bと接続されている弾性部材6の中央部に設けられている伝達部63が大きく楕円軌道を描いて楕円運動する。
なお、その他の構成は、第1の実施形態で説明したものと同様であることから、同一部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、本実施形態における圧電アクチュエータ200及びこれを備える電子時計の作用について説明する。
本実施形態において、圧電アクチュエータ200を組み立てる際には、傾斜面2a,2bを有する基台2の上に、圧電素子1a,1bを固定し、圧電素子1a,1bの拡開側に、伝達部63を有する弾性部材6を配置し、弾性部材6の一方の傾斜部62aの下側面(図8において下側の面)に接着剤層5を介して圧電素子1aの拡開側の端部を固定し、他方の傾斜部62bの下側面(図8において下側の面)に接着剤層5を介して圧電素子1bの拡開側の端部を固定する。
さらに、圧電素子1a,1bの電極に電圧印加手段11a,11bをそれぞれ接続する。
これにより圧電アクチュエータ200が完成する。
圧電アクチュエータ200を電子時計に組み込む際には、ロータ等の動作対象物Rの表面に伝達部63が接する位置に圧電アクチュエータ200を配置して、基台2をビス等によりケース501内の地板や基板上等に固定する。
本実施形態では、図8に示すように、動作対象物Rは伝達部63の下側に配置され、伝達部63は動作対象物Rに対して与圧のかかった状態で上側から当接する。
圧電アクチュエータ200を動作させる際には、電圧印加手段11a,11bから圧電素子1a,1bに対して、例えば位相差を設けた交流波形の電圧を所定の駆動周波数及び電圧値で印加する。
これにより、圧電素子1a,1bが交互に伸縮・振動を繰り返し、圧電素子1a,1bと連結されている弾性部材6の中央部に設けられた伝達部63に図9に示すような楕円運動を励起する。
伝達部63は、弾性部材6のバネ力により常に動作対象物Rの表面に押圧された与圧状態となっており、伝達部63の楕円運動は、摩擦力により動作対象物R(例えばロータ)に伝達される。これにより、動作対象物R(例えばロータ)が所定方向に移動(回転)する。
なお、その他の点については第1の実施形態で説明したものと同様であることから、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる他、以下の効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、伝達部63が、弾性部材6の下側(図8において下側、圧電アクチュエータ200の内側)に設けられており、動作対象物Rが伝達部63の下側に配置される。
このため、動作対象物Rが伝達部の上側に配置される場合と比較して圧電アクチュエータ200を設けるスペースを小さくすることができ、小型のケース内にも収容しやすくなる。
本実施形態では、楕円運動する伝達部63が薄板状の弾性部材6に設けられている。このように伝達部63を薄い板バネ上に配置する場合、動作対象物Rと接する伝達部63の位置を多少変えても伝達部63における楕円運動にあまり影響がなく、圧電素子1a,1bの振動(共振)により伝達部63は大きく楕円の軌跡を描いて動作する(図9に示す楕円軌道参照)。このため、薄板状の弾性部材6の下側面に伝達部63を設けても圧電アクチュエータ200の駆動効率が低下せず、駆動効率を維持しながら圧電アクチュエータ200の小型化、省スペース化を図ることができる。
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記各実施形態では、基台2の傾斜面2a,2b同士のなす角度がほぼ90度となっており、傾斜面2a,2bに固定された2つの圧電素子1a,1bのなす角度がほぼ90度となっている場合を例示したが、2つの圧電素子1a,1bのなす角度は、ほぼ90度に限定されない。
例えば、図10に示すように、基台21の傾斜面21a,21bの勾配を緩やかにして、傾斜面21a,21bに固定される2つの圧電素子1a,1bのなす角度を90度よりも鋭角としてもよい。この場合、弾性部材7も基台21の形状に対応する形状となり、具体的には、直状部71の両側に設けられる傾斜部72a,72bの傾斜が、基台21の傾斜面21a,21bの勾配に対応して緩やかとなる。
このように2つの圧電素子1a,1bのなす角度を鋭角とした場合には、伝達部73の楕円運動の軌跡を見たときに、楕円の縦方向の変位が増加する傾向となる。これにより、圧電アクチュエータの推力(駆動力)が向上する。
また、例えば、図11に示すように、基台22の傾斜面22a,22bの勾配を急にして、傾斜面22a,22bに固定される2つの圧電素子1a,1bのなす角度を90度よりも鈍角としてもよい。この場合、弾性部材8も基台22の形状に対応する形状となり、具体的には、直状部81の両側に設けられる傾斜部82a,82bの傾斜は、基台22の傾斜面22a,22bの勾配に対応して急となる。
このように2つの圧電素子1a,1bのなす角度を鈍角とした場合には、伝達部83伝達部83の楕円運動の軌跡を見たときに、楕円の横方向の変位が増加する傾向となる。これにより、圧電アクチュエータの速度(駆動速度)が向上する。
なお、図10及び図11では、第2の実施形態に示したように、動作対象物Rが弾性部材の下側(図10及び図11において下側、圧電アクチュエータにおける内側)に配置されている例を図示しているが、2つの圧電素子1a,1bのなす角度と伝達部の楕円運動の軌跡との関係は、第1の実施形態に示したような動作対象物Rが弾性部材の上側(図10及び図11において上側、圧電アクチュエータにおける外側)に配置されている場合でも同様であり、同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では、薄板状の弾性部材に折り曲げ加工を施すことで伝達部を形成する場合を例示したが、伝達部を形成する手法はこれに限定されない。
例えば、図12に示しように、直状部91、傾斜部92a,92bを有する弾性部材9の圧電素子1a,1bに対する架け渡し方向(弾性部材9の長手方向、図12における横方向)のほぼ中央部(すなわち、直状部91のほぼ中央部)に、比重の高い剛体等により別部材として形成された突起状の部材を貼り付けることにより伝達部93を構成してもよい。突起状の部材を形成する材料等は剛性、耐摩耗性等を備えるものであればよく、特に限定されない。また、突起状の部材を弾性部材9に貼り付ける手法は特に限定されず、例えば接着固定、スポット溶接等の手法を用いることができる。
このように、比重の高い剛体等で形成された突起状の部材で伝達部93を構成した場合には、薄板状の弾性部材を折り曲げ加工して伝達部を形成した場合よりも、圧電素子1が振動(共振)した際の伝達部93の縦方向及び横方向における変位量を拡大させることができる。
なお、図12では、第1の実施形態に示したように、動作対象物Rが弾性部材の上側(図12において上側、圧電アクチュエータにおける外側)に配置されている例を図示しているが、突起状の部材を貼り付けることで形成された伝達部93を、第2の実施形態で示したように、弾性部材の下側(図12において下側、圧電アクチュエータにおける内側)に配置した場合でも同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では、伝達部43を弾性部材4の上側(図3等において上側、圧電アクチュエータ100における外側)又は伝達部63を弾性部材6の下側(図8において下側、圧電アクチュエータ200における内側)に配置し、動作対象物Rが伝達部43,63に対応する弾性部材4の上側(図3等において上側、圧電アクチュエータにおける外側)又は弾性部材6の下側(図8において下側、圧電アクチュエータにおける内側)のいずれか一方に配置されている場合を例示したが、伝達部及び伝達部が当接することで動作する動作対象物Rの配置はこれに限定されない。
例えば、図13に示すように、伝達部を、弾性部材9の上側(図13において伝達部93)と下側(図13において伝達部94)にそれぞれ設けて、各伝達部93,94に対応する位置に、伝達部93,94が当接することで動作する動作対象物R1,R2をそれぞれ配置してもよい。
この場合、伝達部93及び伝達部94は板バネである弾性部材9を挟んで表裏に配置され、伝達部93及び伝達部94にはそれぞれ動作対象物R1,R2が当接していることから、伝達部93は動作対象物R1に対して与圧され、伝達部94は動作対象物R2に対して与圧された状態となる。
圧電アクチュエータをこのような構成とした場合、電圧が印加されることで圧電素子1a,1bが振動(共振)すると、弾性部材9の上側に設けられた伝達部93及び弾性部材9の下側に設けられた伝達部94がそれぞれ楕円運動する。
伝達部93は楕円運動した状態で動作対象物R1に圧接され、これにより、動作対象物R1に楕円運動が伝達されて、動作対象物R1が所定方向に移動(回転)する。また、伝達部94は楕円運動した状態で動作対象物R2に圧接され、これにより、動作対象物R2に楕円運動が伝達されて、動作対象物R2が所定方向に移動(回転)する。
このように、伝達部93及び伝達部94を弾性部材9の上下(表裏、すなわち圧電アクチュエータの外側及び内側)に配置した場合には、1つの圧電アクチュエータによって2つの動作対象物R1,R2を同時に動作させることができ、伝達部が動作対象物に当接しないまま空回りするロスを極力減らして、圧電アクチュエータの駆動効率を向上させることができる。
なお、図13では、突起状の部材を貼り付けることで形成された伝達部93,94を弾性部材9の上下(表裏、すなわち圧電アクチュエータの外側及び内側)に配置する場合を例示したが、伝達部93,94の構成はこれに限定されず、例えば、第1の実施形態、第2の実施形態に示したように、薄板状の弾性部材に折り曲げ加工等を施すことで中空の伝達部を形成した場合でも同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では、電圧印加手段11a,11bにより2つの圧電素子1a,1bに対して、位相をずらした交流電圧を各々入力することで、圧電素子1a,1bに縦方向と横方向の振動を発生させ、その組み合わせにより、弾性部材4の中央に設けられた伝達部43に楕円振動を励起する駆動手法を取る場合を例示したが、圧電アクチュエータを駆動させる駆動手法はこれに限定されない。
例えば、2つの圧電素子1a,1bのうち一方にのみ交流電圧を入力することで、当該圧電素子1を伸縮運動させ、この伸縮運動を弾性部材4及び基台2経由で他方の圧電素子1に伝達させることによって、他方の圧電素子1をこの動きに連動して振動させてもよい。
この場合、互いの圧電素子1a,1bが位相がずれながら振動し、これによって縦方向と横方向の振動を発生させて、その組み合わせにより、伝達部43に楕円振動を励起させることができる。
また、上記各実施形態では、2つの変位部材が、ともに電圧を印加することで変位する変位素子としての2つの圧電素子1a,1bである場合を例示したが、2つの変位部材は、少なくとも1つが電圧を印加することで変位する変位素子であればよく、ともに変位素子である必要はない。
例えば、上記のように、いずれか一方の変位部材のみに交流電圧を印加することで伸縮運動を生じさせ、この伸縮運動を他方の変位部材に伝達させて従動的に振動させる場合には、電圧が印加されない従動側の変位部材は、圧電素子等の変位素子である必要はなく、例えば変位可能なバネ等の弾性部材であってもよい。
この場合も、電圧を印加されない他方の変位部材が従動的に連動して振動することで、2つの変位部材が互いに位相がずれながら振動し、これによって縦方向と横方向の振動を発生させ、その組み合わせにより、伝達部43に楕円振動を励起することができる。
また、上記各実施形態では、圧電アクチュエータを電子時計500に組み込む場合を例示したが、圧電アクチュエータを適用する対象は電子時計500に限定されない。
例えば、歩数計や心拍数計、高度計、気圧計等の端末装置に圧電アクチュエータ100を適用してもよい。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
所定の角度をなすようにV字状に配置され、電圧を印加することで変位する2つの変位部材と、
前記2つの変位部材の交点側に配置され、前記2つの変位部材の交点側の端部を固定する基台と、
前記2つの変位部材の拡開側に架け渡され、前記2つの変位部材の拡開側の端部に固定された薄板状の弾性部材と、
前記弾性部材における前記2つの変位部材への架け渡し方向の中央部に設けられた伝達部と、
を備えることを特徴とする圧電アクチュエータ。
<請求項2>
前記伝達部は、前記弾性部材における前記2つの変位部材が固定されている側の面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
<請求項3>
前記伝達部は、前記弾性部材における前記2つの変位部材が固定されている側の面及びその反対側の面にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
<請求項4>
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の圧電アクチュエータと、
前記圧電アクチュエータによって動作する動作対象物と
前記圧電アクチュエータ及び前記動作対象物を収容するケースと、
を備える電子時計。
1a,ab 圧電素子
2 基台
2a,2b 傾斜面
4 弾性部材
11 電圧印加手段
43 伝達部
42a,42b 傾斜部
100 圧電アクチュエータ
500 電子時計
501 ケース
R 動作対象物

Claims (2)

  1. 所定の角度をなすようにV字状に配置され、電圧を印加することで変位する2つの変位部材と、
    前記2つの変位部材の交点側に配置され、前記2つの変位部材の交点側の端部を固定する基台と、
    前記2つの変位部材の拡開側に架け渡され、前記2つの変位部材の拡開側の端部に固定された薄板状の弾性部材と、
    前記弾性部材における前記2つの変位部材への架け渡し方向の中央部に設けられた伝達部と、
    を備え
    前記伝達部は、前記弾性部材における前記2つの変位部材が固定されている側の面及びその反対側の面にそれぞれ設けられていることを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 請求項に記載の圧電アクチュエータと、
    前記圧電アクチュエータによって動作する動作対象物と
    前記圧電アクチュエータ及び前記動作対象物を収容するケースと、
    を備える電子時計。
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