前記(1)に記載の発明によれば、遊技に関する制御を行う制御基板を内部に収容する収容ケースと、前記収容ケースを所定の部位に取り付けるケース取付部材と、前記収容ケースが前記ケース取付部材によって前記所定の部位に取り付けられ且つ前記制御基板が遊技に関する制御を行うことが可能になった状態で、前記収容ケースの所定の領域を覆うカバー部材と、前記カバー部材と前記収容ケースとが互いを着脱可能な状態で、前記カバー部材が前記収容ケースの前記所定の領域を覆うように、前記カバー部材を前記収容ケースに取り付ける第1取付手段と、前記第1取付手段によって着脱可能な状態で取り付けられた前記収容ケースと前記カバー部材とを着脱不能な状態で取り付ける第2取付手段と、を備える。
このように、収容ケースが所定の部位に取り付けられて、その収容ケースの内部の制御基板が遊技に関する制御を行うことが可能になった状態で、収容ケースの所定の領域を覆うカバー部材が、第1取付手段による着脱可能な状態での取り付けと、第2取付手段による着脱不能な状態での取り付けとを経て、この発明に係る遊技機が出荷される。これにより、第1取付手段による着脱可能な状態では、カバー部材の取り付けの調整作業が可能であるが、第2取付手段による着脱不能な状態では、収容ケースの所定の領域からカバー部材を取り外し難くなる。つまり、出荷後の遊技機は、収容ケースの所定の領域に対する不正なアクセスを行い難い状態となる。したがって、収容ケースが正常に取り付けた状態で所定の領域を介して行われる不正行為を行い難くすることができる遊技機を提供することができる。
ここで、「着脱不能な状態」とは、通常の力では取り外しできない状態であり、無理矢理に取り外そうとすれば、取り付けられている各部材のいずれか一方または両方が破損してしまう状態を意味する。
前記(2)に記載の発明によれば、第2取付手段による着脱不能な状態は、遊技機正面から視認し難い第1取付部と、この第1取付部よりも遊技機正面から視認し易い第2取付部とで形成されている。これにより、収容ケースを不正行為に強くすることができる。すなわち、不正行為者は、第2手段によって着脱不能な状態な状態とされたカバー部材を取り外そうとするとき、遊技機正面から視認し易い位置に配設されている第1取付部での取付状態を解除しようとする。しかし、第1取付部での取付状態を解除できても第2取付部での取付状態を解除しなければ、カバー部材を収容ケースから取り外すことができない。このとき、第2取付部は遊技機正面から視認し難い位置に配設されているので、不正行為者は第2取付部の存在に容易に気付き難い。そのため、不正行為を成し遂げるまでに時間がかかってしまうので、収容ケースを不正行為に強くすることができる。
「前記第2取付部よりも遊技機正面から視認し難い状態」及び「前記第1取付部よりも遊技機正面から視認し易い状態」は、第1取付部及び第2取付部が配設される位置の違いや、第1取付部及び第2取付部の形状の違いや、第1取付部及び第2取付部の大きさの違いなどによって生じる状態である。
前記(3)に記載の発明によれば、第1取付部と第2取付部とは、収容ケースにおける所定の平坦面を基準として、前後に分かれて配設されている。第1取付部は、収容ケースにおける所定の平坦面よりも後側、すなわち、収容ケースにおける所定の平坦面よりも制御基板に近づいた位置に配設されているが、第2取付部は、収容ケースにおける所定の平坦面よりも前側、すなわち、収容ケースにおける所定の平坦面よりも制御基板から遠ざかった位置に配設されるので、遊技機正面から視認され易い。したがって、第2取付部よりも第1取付部を遊技機正面から視認し難くすることができる。
前記(4)に記載の発明によれば、第2取付部が第1取付手段を構成する収容ケース側の部位の背後に隠れているため、遊技機正面から見るときに、第2取付部材を発見し辛くすることができる。
前記(5)に記載の発明によれば、収容ケースと第1取付手段と第2取付手段のうち少なくとも収容ケースと第2取付手段とは、無色か同色か同系色のいずれかで共通の透過性を有する樹脂であるので、第2取付手段によって形成されている着脱不能な状態をどのように解除すればよいか気付かせ難くすることができる。なお、収容ケースと第1取付手段と第2取付手段の全てを無色か同色か同系色のいずれかの透過性を有する樹脂としても構わない。
前記(6)に記載の発明によれば、カバー取付部によって着脱可能な状態で取り付けられた収容ケースとカバー部材とを係止部材で係止すれば、収容ケースとカバー部材とが着脱不能な係止状態となるので、係止状態を形成する作業が簡易化する。
前記(7)に記載の発明によれば、収容ケースとカバー部材とを着脱可能な取付状態とすることによって、収容ケースに設けられる挿入空間の一部とカバー部材に設けられる挿入空間の一部とで、係止部材が挿入される挿入空間が形成される。この挿入空間に係止部材を挿入することによって、収容ケースとカバー部材とを着脱不能とする係止状態が形成される。これにより、挿入空間に係止部材が挿入された係止状態において、この係止状態を不正に解除するために挿入空間を形成する部材が破壊される場合、この挿入空間の一部を有する収容ケースとカバー部材との両方が破壊され易くなる。収容ケースとカバー部材との両方が破壊されると、仮に、係止状態が不正に解除されたとしても、収容ケースとカバー部材の両方に破壊痕跡が残る。したがって、破壊痕跡が多く残る分だけ不正行為を発見し易くなる。また、係止状態が不正に解除された後の収容ケースとカバー部材とを再利用した不正な収容ケースを無傷で作ることを難しくすることができる。
前記(8)に記載の発明によれば、係止状態が形成される際に、係止部材の第1係合部と第2係合部が係合する相手がそれぞれ収容ケースの第1被係合部とカバー部材の第2被係合部とに異なっている。これにより、係止状態において、第1係合部と第1被係合部との係合を不正に解除しようとすると収容ケースに破壊痕跡が残り、第2係合部と第2被係合部との係合を不正に解除しようとするとカバー部材に破壊痕跡が残る。したがって、破壊痕跡が多く残る分だけ不正行為を発見し易くなる。また、係止状態が不正に解除された後の収容ケースとカバー部材とを再利用した不正な収容ケースを無傷で作ることを難しくすることができる。
前記(9)に記載の発明によれば、第1係合部と第1被係合部との係合の形と、第2係合部と第2被係合部との係合の形とがそれぞれ異なっている。これにより、係止状態において、第1係合部と第1被係合部との係合を不正に解除する際に採った方法と異なる方法を採らなければ、第2係合部と第2被係合部との係合を不正に解除し難くすることができる。したがって、第1係合部と第1被係合部との係合の解除と、第2係合部と第2被係合部との係合の解除とに時間を掛けさせることで、ケース取付部材に取り付けられた収容ケースを不正行為に強くすることができる。
前記(10)に記載の発明によれば、係止部材の挿入方向に沿って引かれた中心線に対して左右非対称となる位置で、この第1係合部が第1被係合部に係合し、この第2係合部が第2被係合部に係合することによって係止状態が形成される。これにより、係止状態において、第1係合部と第1被係合部との係合を不正に解除する作業を行う位置と、第2係合部と第2被係合部との係合を不正に解除する作業を行う位置とは、係止部材の挿入方向に沿って異なる位置となる。したがって、係止部材の挿入方向に沿って同じ位置で作業を行えなくなる分だけ、第1係合部と第1被係合部との係合の解除と、第2係合部と第2被係合部との係合の解除とに時間を掛けさせることで、収容ケースを不正行為に強くすることができる。
前記(11)に記載の発明によれば、第1係合部の弾性構造と第2係合部の弾性構造とはそれぞれ異なり、第2係合部の弾性構造が第2係合部の弾性力に抗して弾性変形され始める際の力では、第1係合部の弾性構造をその弾性力に抗して変形され難い。これにより、係止状態を不正に解除しようとする際に、第2係合部をその弾性力に抗して弾性変形させることができたとしても、同じ大きさの力では第1係合部をその弾性力に抗して弾性変形させ難い。したがって、第1係合部と第2係合部とを同時に弾性変形させて不正に係止状態を解除しようとするような不正行為が行い難くなるので、収容ケースを不正行為に強くすることができる。
前記(12)に記載の発明によれば、係止部材を挿入空間に挿入していくと、まず、第1被係合部側の弾性変形用部位で弾性変形した第1係合部の弾性構造が元の形へ復元することによって第1被係合部に係合する。次に、第2被係合部側の弾性変形用部位で弾性変形した第2係合部の弾性構造が元の形へ復元することによって第2被係合部に係合する。つまり、軟らかい方の第2係合部の弾性構造が弾性変形している間に堅い方の第1係合部の弾性構造を押し込んで元の形へ復元させる方が、軟らかい方の第2係合部が第2被係合部に係合された後に堅い方の第1係合部の弾性構造を押し込んで元の形へ復元させるよりも、第1係合部を第1被係合部に係合させる作業がし易い。したがって、弾性構造が異なる場合であっても、係止状態を形成する作業をし易くすることができる。
前記(13)に記載の発明によれば、ケース取付部材に収容ケースが取り付けられ且つその収容ケースにカバー部材が取り付けられた状態で、係止部材が挿入空間に挿入されることによって、収容ケースとカバー部材との分離だけでなく、収容ケースとケース取付部材との分離も規制される。反対に、係止状態を解除すれば、収容ケースとカバー部材との分離規制だけでなく、収容ケースとケース取付部材との分離規制も解除される。これによって、収容ケースとカバー部材との分離規制や分離規制の解除と、収容ケースとケース取付部材との分離規制や分離規制の解除とを一つの作業によって行うことができる。したがって、これらの作業効率を向上させることができる。
前記(14)に記載の発明によれば、カバー外壁部の挿入空間形成壁またはこの挿入空間形成壁に接する箇所に設けられる2箇所の膨出部を切断すると、挿入空間の開口縁からカバー外壁部の縁部にかけて延びており且つ所定幅を有する間隙に沿って、この2箇所の膨出部の間に位置する挿入空間形成壁がカバー外壁部から分離される。これによって、係止状態が解除される。また、2箇所の膨出部を切断すると、カバー部材が切断されるだけでなく、2箇所の膨出部のうち1箇所の膨出部の膨らみによって形成される空間に突出されている突出部も切断されることによって、カバー部材と係止部材との双方に切断の際に生じる破壊痕跡が残る。これにより、カバー部材を破壊してでも係止部材を無傷で取り出そうとするような不正行為を行い難くなるので、収容ケースを不正行為に強くすることができる。
前記(15)に記載の発明によれば、突出部が挿入された膨出部を切断すると、カバー部材と係止部材の一部が切断されるだけでなく、上述の隙間に沿ってこの膨出部と並んだ位置に配置されており、ケース外壁部の挿入空間形成壁から突出部と同じ方向に突出しているケース突出部の少なくとも一部も破壊される。これにより、カバー部材と係止部材だけでなく収容ケースにも、膨出部を切断する際に生じる破壊痕跡を残すことができる。したがって、破壊痕跡が多く残る分だけ不正行為を発見し易くなる。また、係止状態が不正に解除された後の収容ケースとカバー部材とを再利用した不正な収容ケースを無傷で作ることを難しくすることができる。
前記(16)に記載の遊技機によれば、取付部材による着脱不能な状態では、収容ケースの所定の領域からカバー部材を取り外し難くなる。つまり、収容ケースの所定の領域に対する不正なアクセスを行い難い状態となる。カバー部材が収容ケースから取り外される場合、取付部材による収容ケースとカバー部材との着脱不能な状態を解除するために、カバー部材と第2取付手段に備えられる第1被破壊部位が破壊される。カバー部材側の第1被破壊部位は、取付部材側の第1被破壊部位を、遊技機正面視で上下方向・左右方向・前後方向の少なくとも何れかの方向から覆うように重なった状態となっているので、1回の破壊動作でカバー部材と第2取付手段の両方の第1被破壊部位に破壊痕跡が残る。よって、カバー部材を収容ケースから不正に取り外した痕跡を発見し易くなる。したがって、収容ケースが正常に取り付けた状態で所定の領域を介して行われる不正行為を行い難くすることができるとともに、不正行為が行われた場合はその発見を容易にすることができる。
その結果、基板収容ケースの所定領域を保護できるとともに、その基板収容ケースの所定領域の保護に対する不正行為があった場合はその発見を容易にする基板収容ケースを備えた遊技機を提供することができる。
なお、第1被破壊部位が重なる方向は、収容ケースが取り付けられる所定の部位の向きに応じて決まるものである。カバー部材の一部が取付部材の一部に重った部位は、1回の破壊動作でカバー部材と第2取付手段の両方の第1被破壊部位に破壊痕跡が残るならば、多少の隙間がある部位も場合も含む。
前記(17)に記載の遊技機によれば、収容ケースには第2被破壊箇所が第1被破壊部位とともに破壊され易い状態で配置されているので、第1被破壊部位が破壊される場合に収容ケースにも破壊痕跡が残る可能性がある。これにより、取付部材による収容ケースとカバー部材との着脱不能な状態の解除があったことを示す痕跡は、解除の際に必然的に破壊されるカバー部材に留まらず、解除の際に必然的に破壊される訳ではない収容ケースにも残る可能性があるので、解除の痕跡を発見し易くなる。
前記(18)に記載の遊技機によれば、収容ケースには、第1被破壊部位を破壊するための破壊具が挿入される方向に沿って、第2被破壊箇所が第1被破箇所に並んで配置されているので、第1被破壊部位が破壊される場合に、第1被破壊部位の破壊とともに第2被破壊箇所が破壊されやすくなる。これにより、解除痕跡がカバー部材に留まらず、収容ケースにも残る可能性が高まるので、解除痕跡を発見できる可能性が高まる。
なお、第1被破壊部位を破壊するための破壊具は、例えば、先端の細いニッパーのような道具である。
前記(19)に記載の遊技機によれば、収容ケースには、収容ケースがケース取付部材によって所定の部位に取り付けられた状態において遊技機正面視で、第2被破壊箇所が第1被破壊部位の背後に配置されているので、第1被破壊部位が破壊される場合に、第1被破壊部位だけを破壊したつもりが、知らないうちに第2被破壊箇所も破壊しやすくなる。これにより、仮にカバー部材に残っている解除痕跡を隠せたとしても、知らないうちに収容ケースにも残っている解除痕跡を隠すことができないので、解除痕跡を発見できる可能性がさらに高くなる。
前記(21)に記載の遊技機によれば、不正使用を防止できる遊技機用収容ケース(例えば基板ケース)を備えたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記(22)に記載の遊技機によれば、不正使用を防止できる遊技機用収容ケース(例えば基板ケース)を備えたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記(23)に記載の遊技機によれば、不正使用を防止できる遊技機用収容ケース(例えば基板ケース)を備えた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
図1は、実施例1のスロットマシン10の前面扉を閉じた状態の斜視図である。図2は、実施例1のスロットマシン10の正面図である。図3は、前面扉12を取り外した状態での実施例1のスロットマシン10の内部を示す図である。図4は、前面扉12の裏面図である。
なお、以下では、特に断らない限り、スロットマシン10を正面から見た状態で、正面,背面,前後,上下左右の言葉を用いる。また、前面扉12を取り外した状態でのスロットマシン10の内部を説明するときは、前面扉12を取り外した状態でのスロットマシン10の内部を正面から見た状態で、正面,背面,前後,上下左右の言葉を用いる。
本実施例のスロットマシン10は、図1に示すように、前面側に開口部11a(図3参照)を有する本体11と、この本体11の前面側で開閉可能であって閉状態で開口部11aを閉塞する前面扉12とを備えている。前面扉12は、図1,図2に示すように、その左辺を回転軸J1として、本体11に回動可能(開閉可能)に取り付けられている。また、スロットマシン10は、図1,図2に示すように、前面扉12を閉じた状態で施錠装置20により前面扉12と本体11とが施錠される。
前面扉12には、図1,図2に示すように、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするスピーカ14,14と、各種表示内容を表示する液晶ディスプレイ15と、後述する左回胴Lと中回胴Mと右回胴R(図3参照)とをそれぞれ透視可能な遊技パネル30と、略中段付近にて各種ボタン51,53〜56,61,63やスタートレバー52やメダル投入口57が設けられた操作部50と、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段表示部16と、メダル払出口17から払い出された遊技用媒体としてのメダルを受けるメダル受け皿18とが装着されている。
また、スロットマシン10の内部には、図3に示すように、電源ボックス85と、ホッパ86と、リールユニット25と、主制御装置70と、サブ制御装置94(図4参照)とが装着されている。
電源ボックス85は、図3に示すように、オンされるとスロットマシン10の各部に電源を供給する電源スイッチ81を備えている。
ホッパ86は、図3に示すように、溢れるメダルの外部への誘導口89を有し投入されたメダルを貯留する補助タンク87とこの補助タンク87内のメダルを払出用通路92(図4参照)に通じる開口93(図4参照)を介してメダル払出口17へ払い出す払出装置88とから構成されている。
リールユニット25は、図3,図5に示すように、複数の図柄を表示する左回胴Lと中回胴Mと右回胴Rとを有し、これらの左回胴L、中回胴M及び右回胴Rを回転させることで複数の図柄を変動表示するものである。
主制御装置70は、スロットマシン10の遊技に関する制御を行うものである。また、主制御装置70は、各種の処理プログラムを実行する中央演算処理装置としてのCPUと、CPUに実行させる処理プログラムを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMなどを中心とするマイクロコンピュータとして構成されている。CPU,ROM,RAMは、それぞれの入出力処理回路がバスによって接続されている。CPU,ROM,RAMまたはこれらを構成するマイクロコンピュータなどの電子部品や、主制御装置70と後述するサブ制御装置94や他の制御装置とを電気的に接続するためのコネクタなどは、後述する主制御基板73に備えられている。
サブ制御装置94(図4参照)は、CPU,ROM,RAMを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、主制御装置70からの出力信号によって、液晶ディスプレイ15の表示内容や音声の出力やランプの点灯などの制御を行う。このサブ制御装置94は、例えば、図4に示すように、前面扉12の裏面側の上部箇所に取り付けられている。CPU,ROM,RAMまたはこれらを構成するマイクロコンピュータなどの電子部品や、サブ制御装置94と主制御装置70や他の制御装置とを電気的に接続するためのコネクタなどは、後述する表示制御基板94bに備えられている。
遊技パネル30は、図1に示すように、リールユニット25の左回胴L、中回胴M及び右回胴R(図3参照)の停止中または回転中の様子を外部に露出する露出窓31L,31M,31Rを備え、露出窓31Lの左側に配設された5つのベットランプ32,33,33,34,34と、この露出窓31L,31M,31Rの下側に配設されている、スロットマシン内部に貯留されている枚数を表示するものであるクレジット枚数表示部35と、ビックボーナス時にあと何回JAC(ジャック)インできるかとかJACゲーム時にあと何回JAC図柄成立が残っているかといった回数を表示するものであるゲーム数表示部36と、有効ライン上に同じ図柄が揃って入賞したときに払い出された枚数を表示するものである払出枚数表示部37とを備えている。
操作部50は、図1,図2に示すように、前面扉12の前面部に設けられたクレジットボタン51と、スタートレバー52と、左回胴用ストップボタン53と、中回胴用ストップボタン54と、右回胴用ストップボタン55と、返却ボタン56と、前面扉12の水平段部に設けられたメダル投入口57と、1枚ベットボタン61と、マックスベットボタン63とを備えている。
スロットマシン10における遊技の流れについて説明する。
メダル投入口57から所定数のメダルが投入されることによって有効ラインスが決定され、スタートレバー52が操作されることによって、主制御装置70は、小役,レギュラーボーナス,ビッグボーナスなどの役や後述する押し順役やリプレイに当選するか否かの抽選を行うとともに、左回胴Lと中回胴Mと右回胴Rを回転させる。役の抽選によって所定の役に当選しており、ストップボタン53,54,55の操作によって当選した役に対応する図柄が有効ライン上に成立している場合、有価価値としてのメダルの払い出しが行われる。成立した役がレギュラーボーナスやビッグボーナスである場合、子役の抽選確率が通常よりも上昇した所定数のJACゲームまたはボーナスゲームと呼ばれる特別遊技状態に移行する。押し順役に当選している場合は、当該押し順でストップボタン53,54,55の操作が行われると、当選した役に対応する図柄(例えばベル)が有効ラインに成立し、メダルの払い出しが行われる。
サブ制御装置94は、この押し順役を揃えるためにストップボタン53,54,55を操作する順番つまり押し順を遊技者に報知する補助遊技状態を発生させる抽選を行う。具体的には、サブ制御装置94は、主制御装置70での抽選結果が特定の役への当選である場合に、所定の確率で補助遊技状態を発生させる。そのため、このような補助遊技状態も、遊技者が有価価値としてのメダルを多く獲得するための特別遊技状態と言える。補助遊技状態は、所定ゲーム数、続く場合もある。なお、1ゲームは、メダルを投入してから、当該メダル投入に基づく役の成立によって払い出しを受けるまで、あるいは、役が成立せずに払い出しがないという結果までを意味している。
補助遊技状態における押し順報知は、例えば液晶ディスプレイ15にて行われる。サブ制御装置94は、補助遊技状態が発生している場合で且つ主制御装置70にて上述した押し順役に当選したとき、液晶ディスプレイ15に上述した押し順役を揃えるための押し順を表示させる等の報知を行う。
ここで、以下の説明での参考のために、補助遊技状態に関する不正行為について説明する。ただし、本発明が適用される範囲は、本実施例の後に述べるように、この種の不正行為の防止に限られる訳ではない。主制御基板73は、上述した特定の役に当選したことを知らせる信号をサブ制御装置94に送信する。サブ制御装置94は、この信号を受信すると、上述したように補助遊技状態を発生させるか否かの抽選を行い、所定の確率で補助遊技状態を発生させる。この特定の役への当選を知らせる信号は、主制御基板73のコネクタから送信されて、このコネクタの一端に接続されるケーブルを通って伝送されて、このケーブルの他端に接続されるコネクタからサブ制御装置94に受信される。そのため、主制御基板73とサブ制御装置94との間に、上述した特定の役に当選したことを知らせる信号を不正にサブ制御装置94に送信する不正部材を介在させて、不正に補助遊技状態を発生させる、という不正行為が行われることがある。例えば、主制御基板73のコネクタが不正な基板(いわゆる、ぶら下げ基板)を仕込まれた不正なコネクタに付け替えられて、不正なコネクタ内の不正な基板がサブ制御装置94に不正に上述した特定の役に当選したことを知らせる信号を送り続けることで、サブ制御装置94に不正に補助遊技状態を発生させるような不正行為である。
ここで、スロットマシン10の主制御装置70及びその主制御装置70が取り付けられる取付台100の構造などについてもう少し詳細に説明する。
スロットマシン10は、図3に示すように、その本体11の内部奥側で、且つ、リールユニット25の上方位置に取り付けられた取付台100に、当該スロットマシン10の遊技を統括制御する主制御装置70が取り付けられている。
具体的には、取付台100は、図3に示すように、本体11の内部奥側に固定される固定部材110と、主制御装置70を保持する回動ベース120と、回動ベース120を保持した状態で固定部材110の正面側に固定するベース保持体125とを備えている。
固定部材110は、その正面視で横長の長方形状であり、金属製の板状部材で構成されている。固定部材110は、本体11の内部奥側面箇所で、リールユニット25の上方箇所にネジ止めなどによって取り外し不可に固定されている。
回動ベース120は、固定部材110の下辺側に回動軸J2を設けており、主制御装置70を保持した状態でこの回動軸J2を中心に、図3に示す起立姿勢と、この起立姿勢から前側に倒れ込む傾倒姿勢とに回動するものである。回動ベース120は、傾倒姿勢としたときに前側から主制御装置70をスライドさせて挿入できるように構成されており、起立姿勢としたときに主制御装置70の前面側でコネクタ接続作業や設定変更作業ができるように前面側が開放されている。回動ベース120は、透明樹脂成型品である。なお、図3では、回動ベース120の右前側面120aと下前側面120bと左前側面120cとが見えている。
ベース保持体125は、左右両側の部位の間に回動ベース120の回動軸120dを保持した状態で、固定部材110に取り外し不可に固定されている。ベース保持体125は、回動ベース120が起立姿勢や傾倒姿勢に自由に回動できるように回動ベース120を支えている。回動ベース120は、樹脂成型品である。なお、図3では、ベース保持体125の右側部位125aと左側部位125bとが見えている。
ここで、図5を用いて、主制御装置70について説明する。図5は、回動ベース120に支持された状態の主制御装置の斜視図である。
主制御装置70は、スロットマシン10の遊技を統括制御する主制御基板73と、この主制御基板73を内部に収容する主基板ケース74とを備えている。
主基板ケース74は、主制御基板73が取り付けられるケース上71と、このケース上71での主制御基板73の取付面側に合わされるケース下72とを備え、ケース上71とケース下72とを合わせた状態での内部空間に主制御基板73を収容するものである。本実施例では、ケース上71及びケース下72は、例えば回動ベース120と同じ透明樹脂成型品としている。
この実施例では、主制御基板73は、IC(集積回路)や各種スイッチ部品やコネクタなどの電子部品が実装される実装面を、ケース上71の内側面に対向させた状態で、ネジなどの締結部品でケース上71の内側面の所定箇所に取り付けられる。そして、主制御基板73が取り付けられたケース上71にケース下72を合わせることから、主制御基板73の半田面は、ケース下72の内側面に対向した状態となる。
主制御装置70は、スロットマシン10をリセットするときに操作するリセットスイッチ82や、図示しない設定キーを挿入することにより、スロットマシン10の設定状態を変更可能にする設定キースイッチ83を備えている。ケース上71の左端上部箇所にそれぞれ設けられた開閉蓋71a,71bを開いて、リセットスイッチ82と設定キースイッチ83とが操作できる。
主基板ケース74は、後述する図7,8に示すように、主制御基板73が取り付けられたケース上71でのその主制御基板73の半田面側にケース下72を合わせた状態でケース上71またはケース下72の少なくとも一方を当該合わせ面所定方向(本実施例では、例えば主基板ケース74の長手方向)にスライド移動させることでケース上71とケース下72とを組み付けるケース組付け部170を備えている。
ケース組付け部170は、ケース下72の長手側の両辺箇所に当該辺方向に並設された複数個の鉤爪状部172と、ケース上71の長手側の両辺箇所に当該辺方向に並設された、ケース下72の鉤爪状部172と掛かり合う姿勢で配設される複数固の鉤爪状部174と、を備える。当該ケース上71とケース下72とを合わせた状態にして、ケース上71またはケース下72の少なくとも一方をその長手方向にスライド移動させることで、ケース下72の各鉤爪状部172とケース上71の各鉤爪状部174とが掛かり合い、ケース上71とケース下72とが組み付けられる組み付け状態となる。ケース組合せ部170は、組み付け状態において、ケース上71とケース下72とを主制御基板73の実装面または半田面に垂直な方向に分離させようとしても、ケース上71とケース下72とを分離させ難くするものである。
また、主基板ケース74は、後述する図13に示すように、その側面箇所に、制御基板73を挟み込んだケース上71およびケース下72を封止して当該主基板ケース74を開封不可とするケース封止部180を備えている。ケース封止部180は、上述の組み付け状態において、ケース上71の一部とケース下72の一部とに組み付けられる封止カバー182と、主基板ケース74の側面から挿入されてケース上とケース下72と封止カバー182とをかしめるケースかしめピン184とを備えている。これにより、ケース封止部180を破壊しない限り、主基板ケース74を開封することができない構造が実現されている。
さらに、主基板ケース74は、回動ベース120に取り付けられた主基板ケース74を回動ベース120に対して取り外し不可とすることによって、主制御装置70本体を封止する本体封止部190を備えている。本体封止部190は、主基板ケース74の正面側の2箇所に設けられている。本体封止部190は、回動ベース120に主基板ケース74が取り付けられることによって回動ベース120とケース上71とケース下72とに連通した状態となる封止孔192と、この封止孔192に挿入されて回動ベース120とケース上71とケース下72とをかしめる本体かしめピン194とを備えている。これにより、本体封止部190を破壊しない限り、主基板ケース74を回動ベース120から取り外すことができない構造が実現されている。
続いて、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との係止状態について、図6〜図16を用いて説明する。図6は、回動ベース120に支持された状態の主制御装置の正面図である。図7は、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との取付状態を説明するための図6の主制御装置70のAA断面の一部拡大図である。図8は、図7で示した取付状態を別の方向から説明するための図6の主制御装置70のBB断面の一部拡大図である。図9は、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との係止状態を説明するための図6の主制御装置70のCC断面図である。図10は、図7に示す係止状態のコネクタかしめカバー130を説明するための主制御装置70の平面図と、その一部拡大図である。図11は、図7に示す係止状態のコネクタかしめカバー130を図10とは異なる方向から説明するための図6の主制御装置70のDD断面図と、その一部拡大図である。図12は、図7に示す係止状態のコネクタかしめカバー130を図10,11とは異なる方向から説明するための図6の主制御装置70のEE断面図と、その一部拡大図である。図13は、係止状態を形成する主制御装置70の構成を説明するための主制御装置70の分解斜視図である。図14は、図13の分解斜視図を異なる方向から説明する分解斜視図である。図15(a)〜(f)はコネクタかしめカバー130の六面図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(C)は背面図、(d)は右側面図、(e)は左側面図、(f)は底面図である。図16(a)〜(f)はコネクタかしめプレート160の六面図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、(C)は背面図、(d)は右側面図、(e)は左側面図、(f)は底面図である。また、適宜、図3〜5も参照する。
ここでは、主に、図6と上述した図5を参照しながら説明する。主制御装置70は、主基板ケース74の所定の領域に不正なアクセスを行い難い状態とするためのカバー部材を備えることを特徴とする。本実施例では、主基板ケース74の所定の領域は、主制御基板73と表示制御基板94bとを繋ぐ配線としてのケーブル95を主制御基板73側に接続するためのコネクタ95aが接続される領域であり、カバー部材はこのコネクタ95aに対して不正にアクセスし難い状態とするものである。
ここでは、図3,4に示すように、主基板ケース74が回動ベース120に取り付けられており、主制御基板73と表示制御基板94bとが両端にコネクタ95a,95bを有するケーブル95で接続されており、主制御基板73からの出力信号がケーブル95を介して表示制御基板94bに送信され、ケーブル95を介して受信した信号に基づいて、表示制御基板94bが液晶ディスプレイ15の表示内容、例えば上述した補助遊技状態における押し順報知などの制御を行うことができる状態となっている。
この状態において、主基板ケース74は、主基板ケース74の所定の領域を覆うコネクタかしめカバー130と、コネクタかしめカバー130を主基板ケース74に係止するためにコネクタかしめカバー130に挿入されているコネクタかしめプレート160と、を備えている。
コネクタかしめカバー130は、図13,図14,図15にも示すように、底のない長方形の箱のような形をしており、主基板ケース74の所定の領域の内側と外側とを区分するカバー外壁部130aと、該カバー外壁部130aで囲まれた領域を人の手が触れないように覆う覆い部130cとを備えている。主基板ケース74を取り付けた回動ベース120を起立姿勢とした状態で下を向く、ベースカバー外壁部130aの下面には、ケーブル95を通すことができる形に形成されている。
コネクタかしめカバー130は、上述の所定の領域としてコネクタ95aが接続される領域を覆うように主基板ケース74に取り付けられている。つまり、コネクタかしめカバー130は、主基板ケース74と表示制御基板94bとが正常に遊技の制御を行うことができるように接続された状態で、コネクタ95aが接続された領域を覆うように取り付けられている。コネクタかしめカバー130は、コネクタかしめプレート160が挿入されることによって、コネクタかしめカバー130を主基板ケース74から容易に取り外すことができないようになっている。この状態で無理矢理にコネクタかしめカバー130を主基板ケース74から取り外してしまうと、主基板ケース74またはコネクタかしめカバー130が破損する。
つまり、コネクタかしめカバー130が主基板ケース74に取り付けられており、コネクタかしめプレート160がコネクタかしめカバー130に挿入されている状態において、コネクタかしめカバー130が主基板ケース74から容易に取り外すことができなくなっており、コネクタかしめカバー130によって覆われたコネクタ95aは、不正にアクセスされ難くなっている。
コネクタかしめプレート160がコネクタかしめカバー130を主基板ケース74から容易に取り外すことができなくする構成の概要について、主に図9を参照しながら説明する。
コネクタかしめプレート160は、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130によって形成されているプレート挿入空間150に挿入されている。主基板ケース74とコネクタかしめカバー130とは、プレート挿入空間150の一部をそれぞれ有している。具体的には、主基板ケース74には、プレート挿入空間150の一部を構成するプレート挿入空間142が設けられており、コネクタかしめカバー130には、プレート挿入空間150の一部を構成するプレート挿入空間132が設けられている。コネクタかしめカバー130が主基板ケース74に取り付けられると、プレート挿入空間132とプレート挿入空間142とが連なって、プレート挿入空間150が形成される。
つまり、コネクタかしめカバー130を主基板ケース74から容易に取り外すことができない状態は、コネクタかしめプレート160が、主基板ケース74側のプレート挿入空間142とコネクタかしめカバー130側のプレート挿入空間132とに挿入されることによって形成されている。
このように構成することで、コネクタかしめカバー130を主基板ケース74から容易に取り外すことができない状態を不正に解除するためにプレート挿入空間150を形成する部材が破壊される場合に、主基板ケース74側のプレート挿入空間142を構成する部材と、コネクタかしめカバー130側のプレート挿入空間132を構成する部材との双方が破壊され易くなる。これにより、仮に、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との係止状態が不正に解除されたとしても、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130の両方に破壊痕跡が残ることになるので、破壊痕跡が多く残る分だけ不正行為を発見し易くなる。
次に、主基板ケース74とコネクタかしめプレート160との取付状態と、この取付状態からコネクタかしめカバー130と主基板ケース74とを容易に取り外すことができなくする構成の詳細について説明する。
ここでは、主基板ケース74とコネクタかしめプレート160との取付状態について、主に図7,図8を参照しながら説明する。コネクタかしめカバー130は、コネクタ95aを接続する領域を覆うように主基板ケース74に取り付けられた状態において、自由に取り外したり再び取り付けたりできる着脱可能な取付状態で取り付けられている。主基板ケース74とコネクタかしめカバー130には、このような着脱可能な取付状態とするためのカバー取付機構131,141が設けられている。
コネクタかしめカバー130側のカバー取付機構131は、主基板ケース74と接触する縁部のうち主基板ケース74の長手方向に沿った一方の縁部に鉤爪状部135a,135bを備えており、この他方の縁部に鉤爪状部135c,135d,135eを備えている。主基板ケース74側のカバー取付機構142は、鉤爪状部135a〜135eに対応する位置に、鉤爪状部135a〜135eのスライド移動を規制するために鉤爪状部135a〜135eに係合するスライド規制部146a〜146eを備えている。また、カバー取付機構142は、鉤爪状部135a〜135eの先端が延びる方向とは逆方向に沿って、鉤爪状部135a〜135eのスライド移動を許容するスライド許容部146a〜146eを備えている。
コネクタかしめカバー130は、スライド許容部146a〜146eに沿ってスライドさせて、主基板ケース74に取り付けられている。この状態で、コネクタかしめカバー130は、主制御基板73の実装面に対して直行する方向に離れる方向に引っ張られても、鉤爪状部135a〜135eとスライド規制部146a〜146eの係合によって、主基板ケース74から外れないようになっている。主基板ケース74に取り付けられたコネクタかしめカバー130は、取り付ける際のスライド方向とは逆方向にスライドさせて、主基板ケース74から取り外すことができる状態となっている。
次に、図13,図14を参照しながら、回動ベース120と主基板ケース74との取付状態について説明する。
コネクタかしめプレート160は、回動ベース120に主基板ケース74を取り付けており且つ主基板ケース74にコネクタかしめカバー130を取り付けている状態で、プレート挿入空間150に挿入されることによって、主基板ケース74と回動ベース120とが互いに分離する方向へスライド移動することを規制することができる。
具体的には、コネクタかしめカバー130は、カバー取付機構131として、スライド方向の先端側にも複数の鉤爪状部135f,135gを備えている。主基板ケース74は、カバー取付機構141として、複数の鉤爪状部135f,135gに対向する位置に、スライド規制部146f,146gとを備えている。回動ベース120は、図5に示すように、主基板ケース74が取り付けられた状態で、スライド規制部146f,146gに対向する位置に、スライド規制部146f,146gに連通するスライド連通部121a、121bを備えている。スライド連通部121a、121bは、スライド規制部146f,146gを貫いた鉤爪状部135f,135gの先端が挿入される。この状態で、コネクタかしめプレート160がプレート挿入空間150に挿入されることによって、主基板ケース74と回動ベース120とを分離する方向へのスライド移動が規制されている。
このように構成することで、コネクタかしめプレート160がプレート挿入空間150に挿入されることによって、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との分離だけでなく、主基板ケース74と回動ベース120との分離も規制することができる。上述したように主基板ケース74と回動ベース120との分離は、本体封止部190によって規制されているが、コネクタかしめプレート160によっても規制されている。
上述のように主基板ケース74とコネクタかしめカバー130は、着脱可能な取付状態とされているが、この状態でコネクタかしめカバー130のプレート挿入空間150にコネクタかしめプレート160が挿入されることによって、コネクタかしめプレート160がコネクタかしめカバー130を主基板ケース74から容易に取り外すことができない状態となる。本明細書ではこのような状態を係止状態と呼ぶ。
次に、上述した取付状態から係止状態とするための構成について、主に、図9を参照しながら説明する。なお、適宜、図13〜図16も参照する。
コネクタかしめプレート160は、係合する部材がそれぞれ異なる第1係合部161と第2係合部162を備えている。第1係合部161は、主基板ケース74に設けられる第1被係合部143に係合している。第2係合部162は、コネクタかしめカバー130に設けられる第2被係合部133に係合している。主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との係止状態は、第1係合部161が第1被係合部143に係合し、第2係合部162が第2被係合部133に係合することによって形成される。
このように第1係合部161と第2係合部162とをそれぞれ異なる部材に係合することによって係止状態が形成されるようにすることで、第1係合部161での係合を不正に解除しようとすると主基板ケース74に破壊痕跡が残り、第2係合部162での係合を不正に解除しようとするとコネクタかしめカバー130に破壊痕跡が残る。したがって、主基板ケース74を外部から見る限りでは、コネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160とによって係止状態が形成されているように見えるが、実際には主基板ケース74も係止状態を形成しているので、係止状態が解除されるとき、その解除のための破壊痕跡をコネクタかしめプレート160を除く複数の部材に亘って残させることができる。
また、第1係合部161と第2係合部162は、材質は同じであるが、それぞれ形状が異なっている。また、これに合わせて、第2係合部162と第2被係合部133も、それぞれ形状が異なっている。
第1係合部161は、コネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って延びる一方の辺が途中で外側に屈曲しており、辺全体として見れば“く”の字状または“へ”の字状に屈曲した部位によって構成されている。第1係合部161は、この屈曲した部位が第1被係合部143に係合する形に形成されている。第1被係合部143は、主基板ケース74のスライド許容部146bを形成する壁部からプレート挿入空間142に突出した部位によって構成されている。第1被係合部143は、この突出した部位が第1係合部161に係合する形に形成されている。
第2係合部162は、コネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って延びる他方の辺が途中で後側に折り返されて延ばされており、辺全体として見れば“レ”の字状の部位の先端に設けられている。第2係合部162は、この“レ”の字状の部位の先端が第2被係合部133に係合する形に形成されている。第2被係合部133は、コネクタかしめカバー130のプレート挿入空間132を構成する壁部(後述するカバー外壁部130e2)の内側からプレート挿入空間132に突出した部位によって構成されている。第2被係合部133は、この突出した部位が第2係合部162に係合する形に形成されている。
第1係合部161の“く”の字状または “へ”の字状に屈曲した部位が第1被係合部143のプレート挿入空間142に突出した部位に引っかかっており、第2係合部162の“レ”の字状の部位の先端が第2被係合部133のプレート挿入空間132に突出した部位に引っかかっているので、コネクタかしめプレート160をプレート挿入空間150から容易に抜き出すことができない。
このように第1係合部161と第2係合部162との形状を異ならせることで、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との係止状態において、第1係合部161と第1被係合部143との係合を不正に解除する際に採った方法と異なる方法を採らなければ、第2係合部162と第2被係合部133との係合を不正に解除し難くすることで、ことで、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。
また、上述した第1係合部161と第2係合部162との形状の違いは、第1係合部161と第2係合部162との配置の違いとして表現することもできる。すなわち、第1係合部161と第2係合部162はコネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って中心線を引いた場合に、この中心線に対して左右非対称な位置に設けられている。なお、図9では、挿入方向と中心線を一点鎖線の矢印で示している。
第1係合部161は、この中心線に対して挿入方向に向かって右側で且つ挿入方向に沿って延びる一方の辺の真ん中よりもやや先側に設けられている。言い換えると、第1係合部161は、係止状態において、ケース上71の表面のうちコネクタかしめカバー130が設けられていない非カバー面71cよりも主制御基板73側に窪んだ位置に設けられている。なお、非カバー面71cは、ケース上71の表面のうち最も平坦な面であり、基準面と呼んでもよい。第1被係合部143は、第1係合部161よりも挿入方向に向かって後側に設けられているが、第1係合部161との係合箇所が非カバー面71cよりも主制御基板73側に窪んだ位置に設けられている。
第2係合部162は、中心線に対して挿入方向に向かって左側で且つ挿入方向に沿って延びる他方の辺の真ん中よりもやや後側に設けられている。言い換えると、第2係合部162は、係止状態において、非カバー面71cから主基板ケース74の収容空間の外側に離れた位置に設けられている。第2被係合部133は、第2係合部162よりも挿入方向に向かって後側に設けられており、第2係合部162よりも非カバー面71cから主基板ケース74の収容空間の外側に離れた位置に設けられている。
主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との係止状態は、この中心線に対して左右非対称となる位置で、第1係合部161が第1被係合部143に係合し、第2係合部162が第2被係合部133に係合することによって形成されている。このように構成することで、コネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って同じ位置で作業を行えなくなる分だけ、第1係合部161と第1被係合部143との係合の解除と、第2係合部162と第2被係合部133との係合の解除とに時間を掛けさせることで、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。
また、上述した第1係合部161と第2係合部162との形状の違いは、弾性構造の違いとして表現することもできる。すなわち、第1係合部161は、所定の弾性構造を有し、第2係合部162は、第1係合部161の弾性構造とは異なる弾性構造を有している。
第1係合部161の弾性構造は、コネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って延びる屈曲部を有する一方の辺と、この辺に沿って延びる長細い形状を有する孔との間に位置する縁部分によって構成されている。つまり、第1係合部161の弾性構造では、この縁部分が弾性変形されるが、この縁部分の両端がコネクタかしめプレート160に固定されているので、人が軽く押した程度では弾性変形し難い弾性構造を有している。
第2係合部162の弾性構造は、第1係合部161の弾性構造と材質は同じであるが、コネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って延びる他方の辺が途中で折り返されて後方に延ばされたような形状の折返し部によって構成されている。この折返し部は、人が軽く押した程度で弾性変形するような弾性変形し易い弾性構造を有している。すなわち、第1係合部161の弾性構造は、少なくとも、第2係合部162の弾性構造が第2係合部162の弾性力に抗して弾性変形され始める際の力では、第1係合部161の弾性力に抗して弾性変形され難い弾性構造であると言える。
このように第1係合部161の弾性構造と第2係合部162の弾性構造とをそれぞれ異ならせることで、第2係合部162の弾性構造が第2係合部162の弾性力に抗して弾性変形され始める際の力では、第1係合部161の弾性構造をその弾性力に抗して変形され難くすることができる。これにより、係止状態を不正に解除しようとする際に、第2係合部162を不正に弾性変形させて第2係合部162での係合を解除できる状態とすることができても、同じ大きさの力では第1係合部161を弾性変形させて第1係合部161での係合を解除し難くなる。したがって、第1係合部161での係合と第2係合部162での係合とを同時に解除させて、コネクタかしめプレート160をプレート挿入空間150から抜き出すような不正行為が行い難くなるので、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。
また、コネクタかしめプレート160は、第2係合部162が第2被係合部133に係合するよりも先に、第1係合部161の方が第1被係合部143に係合するように形成されている。すなわち、コネクタかしめプレート160は、弾性変形し難い第1被係合部161の方が弾性変形し易い第2係合部162よりも先に係合するように形成されている。
主基板ケース74側の第1被係合部143は、プレート挿入空間142において、第1係合部161に押し当てられて、第1係合部161の弾性構造をその弾性力に抗して弾性変形させて、該弾性変形した弾性構造をその弾性力によって元の形へ復元させる第1押し当て部144を有する。コネクタかしめカバー130側の第2被係合部133は、プレート挿入空間132において、第2係合部162に押し当てられて、第2係合部162の弾性構造をその弾性力に抗して弾性変形させて、該弾性変形した弾性構造をその弾性力によって元の形へ復元させる第2押し当て部134を有する。
第1押し当て部144は、第2押し当て部134よりも、コネクタかしめプレート160の挿入方向に沿った長さが短くなるように形成されている。そのため、第1係合部161が第1押し当て部144に押し当てられる状態と、第2係合部162が第2押し当て部134に押し当てられる状態とが同時に発生しても、第1係合部161の方が第2係合部162よりも先に押し当て状態を脱して、第1係合部に係合する状態となる。
このように構成することで、コネクタかしめプレート160をプレート挿入空間150に挿入していくと、まず、第1被係合部143側の第1押し当て部144で弾性変形した第1係合部161の弾性構造が元の形へ復元することによって第1被係合部143に係合する。次に、第2被係合部133側の第2押し当て部134で弾性変形した第2係合部162の弾性構造が元の形へ復元することによって第2被係合部133に係合する。つまり、軟らかい方の第2係合部162の弾性構造が弾性変形している間に堅い方の第1係合部161の弾性構造を押し込んで元の形へ復元させる方が、軟らかい方の第2係合部162が第2被係合部133に係合された後に堅い方の第1係合部161の弾性構造を押し込んで元の形へ復元させるよりも、第1係合部161を第1被係合部143に係合させる作業がし易い。したがって、弾性構造が異なる場合であっても、上述の係止状態を形成する作業をし易くすることができる。
続いて、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160との係止状態を解除するために必要な構成について、主に、図10〜図12を用いて説明する。なお、適宜、図13〜図16も参照する。
図10,図15に示すように、コネクタかしめカバー130のカバー外壁部130aは、主基板ケース74を起立姿勢とした状態で、上側に位置するカバー外壁部130dと、右側に位置するカバー外壁部130eと、下側に位置するカバー外壁部130fと、左側に位置するカバー外壁部130gとで構成されている。プレート挿入空間132は、カバー外壁部130dの右端部と、カバー外壁部130eの上部と、カバー外壁部130fの右端部と、覆い部130cからコネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って突出されており且つカバー外壁部130eの上半分に対向するように設けられているカバー内壁部130jとによって構成されている。
図11に示すように、カバー外壁部130eは、挿入空間150の開口縁からカバー外壁部130eの縁部にかけて延びており且つ所定幅を有するカバー間隙130hが形成されている。言い換えれば、カバー間隙130hは、挿入空間150を形成するカバー外壁部130eに形成されている。カバー間隙130hが形成される長さをL1とする。カバー外壁部130eは、カバー隙間130hを挟んで、下側のカバー外壁部130e1と上側のカバー外壁部130e2とに分かれている。カバー外壁部130eは、プレート挿入空間150の開口縁から上述の長さL1のおよそ中間位置まで、カバー外壁部130e1の上端とカバー外壁部130e2の下端とに跨がってカバー間隙130hを覆うようにカバー外壁部130eの外側に膨出する第1膨出部136を備えている。第1膨出部136が形成される長さをL2とする。
図12に示すように、カバー外壁部130dは、挿入空間150の開口縁のやや外側に離れた位置からカバー外壁部130dの縁部にかけて延びており且つ所定幅を有するカバー間隙130iが形成されている。カバー間隙130iが形成される長さをL3とする。カバー外壁部130eは、カバー隙間130iを挟んで、右側のカバー外壁部130d1と左側のカバー外壁部130d2とに分かれている。カバー外壁部130d1は、プレート挿入空間150を形成している壁部である。言い換えれば、カバー間隙130iは、プレート挿入空間150を形成するカバー外壁部130d1に接する箇所に形成されている。カバー外壁部130dは、挿入空間150の開口縁から上述の長さL3よりもやや短い位置まで、カバー外壁部130d1の左端とカバー外壁部130d2の右端とに跨がってカバー間隙130iを覆うようにカバー外壁部130dの外側に膨出する第2膨出部137を備えている。第2膨出部137が形成される長さをL4とする。また、第2膨出部137は、図11に示すように、カバー間隙130iの前側と上側を覆うように、覆い部130cとカバー外壁部130dとに沿って屈曲している。
図11,図15に示すように、カバー内壁部130jは、挿入空間形成壁130bに、挿入空間150の開口縁からカバー内壁部130jの縁部にかけて延びており且つ所定幅を有するカバー間隙130kが形成されている。言い換えれば、カバー間隙130kは、プレート挿入空間150を形成するカバー内壁部130jに形成されている。カバー間隙130kが形成される長さは、上述した第1膨出部136が形成される長さL2と同じである。カバー内壁部130jは、カバー隙間130kを挟んで、下側のカバー内壁部130j1と上側のカバー内壁部130j2とに分かれている。
図10に示すように、覆い部130cには、カバー間隙130iとカバー間隙130kとを繋ぐカバー隙間130lが設けられている。カバー間隙130i,130k,130lは、プレート挿入空間150を介してカバー間隙130hとも繋がっている。つまり、カバー間隙130h,130i,130k,130lとプレート挿入空間150とは一つの間隙を構成している。また、カバー外壁部130d1,130e1,130f,130g,覆い部130cと、カバー外壁部130d2,130e2とは、カバー間隙130h,130i,130j,130kとプレート挿入空間150とを挟んで隔てられているが、第1膨出部136と第2膨出部137とによって繋ぎ合わされている。言い換えれば、カバー外壁部130d2,130e2は、第1膨出部136と第2膨出部137との間に位置している。
カバー外壁部130e2の内面側には、図9も参照すると、第2被係合部133が設けられている。また、第1膨出部136は、その膨らみによって形成される空間にコネクタかしめプレート160から突出されるカシメ突出部165が挿入されている。カシメ突出部165は、第1膨出部136の長さL2とほぼ同じ長さを有する。
図13,図14にも示すように、主基板ケース74は、コネクタ95aが接続される領域を、ケース上71の非カバー面71cよりもケース下72側に窪んだ位置に設けている。コネクタ95aが接続される領域は、コネクタ95aの上側に位置するケース外壁部147cと、コネクタ95aの右側に位置するケース外壁部147dと、コネクタ95aの下側に位置するケース外壁部147eと、コネクタ95aの左側に位置するケース外壁部147fとで構成されている。ケース外壁部147dは、さらにその外側に位置するケース外壁部147gとともに、プレート挿入空間147を形成している。
ケース外壁部147gには、その壁面から外側に向けて突出するケース突出部147bが形成されている。ケース突出部147bは、第1膨出部136の後端からコネクタ95aが接続される領域の平坦面まで延びている。ケース突出部147bが形成される長さをL5とする。ケース突出部147bは、図11に示すように、上述のカバー隙間130hに沿って第1膨出部136と上下に並んだ位置に配置されている。ケース突出部147bは、第1膨出部136に挿入されたカシメ突出部165と同じ方向に突出している。ケース突出部147bは、図12に示すように、コネクタかしめカバー130を上面側から見ると、第1膨出部136よりも外側への突出量が短くなるように形成されている。ケース突出部147bは、図10に示すように、起立状態の主基板ケース74を正面から見るとき、第1膨出部136とカシメ突出部165の背後に隠れるように位置している。そのため、図3に示すように、スロットマシン10の前面扉12を開放したときに、第1膨出部136や第2膨出部137のようなコネクタかしめカバー130側の部位と、カシメ突出部165のようなコネクタかしめプレート160側の部位とを視認することができるが、主基板ケース74側のケース突出部147bを視認し難くすることができる。
次に、図10〜図12を参照して係止状態を解除する作業について説明する。
図10において二点鎖線で示した切断箇所S1に沿って第1膨出部136を切断するとともに、図11において二点鎖線で示した切断箇所S2に沿って第2膨出部137を切断すると、カバー外壁部130d1,130e1,130f,130g,覆い部130cと、カバー外壁部130d2,130e2との繋ぎ目が切断されることになる。そのため、カバー隙間130h,130i,130k,130lとプレート挿入空間150とを挟んで、カバー外壁部130d2,130e2がカバー外壁部130d1,130e1,130f,130g,覆い部130cから分離される。
また、カバー外壁部130d2,130e2がコネクタかしめカバー130から分離されると、コネクタかしめプレート160の第2係合部162に係合している第2被係合部133も、カバー外壁部130d2,130e2とともにコネクタかしめカバー130から分離されることになる。第2係合部162での係合が解除されると、コネクタかしめプレート160は、挿入空間150をカバー内壁部130jに沿って自由に動かすことができるようになる。このように第2係合部162での係合が解除されると、コネクタかしめプレート160の第1係合部161と主基板ケース74の第1被係合部143との係合を解除しなくても、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160との係止状態が解除される。
また、第1膨出部136を切断すると、コネクタかしめカバー130が切断されるだけでなく、カシメ突出部165も切断されることによって、図10に示す切断箇所S1に沿って、コネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160との双方に切断の際に生じる破壊痕跡が残る。具体的には、コネクタかしめカバー130の第1膨出部136とコネクタかしめプレート160のカシメ突出部165とは、遊技機正面視で上下方向・左右方向に重なっており、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との着脱不能な状態を解除するために、切断箇所S1に沿って破壊される。そのため、1度の破壊で、コネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160との両方に破壊痕跡が残る。これにより、コネクタかしめカバー130を破壊してでもコネクタかしめプレート160を無傷で取り出することを難しくすることができる。また、コネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160との両方に破壊痕跡が残るので、このような不正行為を発見し易くなる。
また、第1膨出部136を切断すると、コネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160の一部が切断されるだけでなく、図12に示す切断箇所S1のように、第1膨出部136と並んだ位置に配置されているケース突出部147bのうち第1膨出部136に隣接する箇所(主基板ケース74のケース突出部147b)が破壊される場合がある。もちろん、主基板ケース74の形状をよく知る作業者が注意深く第1膨出部136のみを切断すれば、ケース突出部147bを破壊せずに第1膨出部136のみを破壊することが可能な場合もあるが、上述のように、ケース突出部147bは、起立状態の主基板ケース74を正面から見るとき、第1膨出部136とカシメ突出部165の背後に隠されるように位置しているので、第1膨出部136を切断するときに、図12に示す切断箇所S1のように、知らずにケース突出部147bまで破壊してしまう可能性がある。これにより、コネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160だけでなく主基板ケース74にも、切断箇所S1,切断箇所S2に沿って、第1膨出部136,第2膨出部137を切断する際に生じる破壊痕跡を残すことができる可能性がある。したがって、破壊痕跡が多く残る分だけ不正行為を発見し易くなる。また、係止状態を不正に解除した後で、無傷の主基板ケース74を再利用した不正な基板ケースを作ることも難しくすることができる。
なお、上述の主制御基板73は、本発明の制御基板に相当し、主基板ケース74は、本発明の収容ケースに相当する。上述の取付台100と固定部材110と回動ベース120とベース保持体125は、本発明のケース取付部材に相当する。上述のコネクタ95aが接続される領域は、本発明の所定の領域に相当し、コネクタかしめカバー130は、本発明のカバー部材に相当する。上述のカバー取付機構131は、本発明の第1取付手段及びカバー取付部に相当する。上述のコネクタかしめプレート160は、本発明の第2取付手段及び係止部材に相当する。また、上述のプレート挿入空間150は、本発明の挿入空間に相当する。また、上述の第1係合部161は、本発明の第1取付部及び第1係合部に相当し、第2係合部162は、本発明の第2取付部及び第2係合部に相当する。上述の第1被係合部143は、本発明の第1被係合部に相当し、第2被係合部133は、本発明の第2被係合部に相当する。
また、上述の第1押し当て部144と第2押し当て部134は、本発明の弾性変形用部位に相当する。また、上述の鉤爪状部135a〜135gは、本発明の鉤爪状部に相当する。上述のスライド許容部145a,145bは、本発明のスライド許容部に相当し、スライド規制部146a〜146gは、本発明のスライド規制部に相当する。上述のスライドレンツ産121a,121bは、本発明のスライド連通部を備える。また、上述のカバー外壁部130a(130d〜130g)は、本発明のカバー外壁部に相当し、覆い部130cは、本発明の覆い部に相当する。上述のカバー間隙130h,130i,130kは、本発明の間隙に相当する。上述の第1膨出部136と第2膨出部137は、本発明の膨出部に相当する。また、上述のカシメ突出部165は、本発明のカシメ突出部に相当する。第1膨出部136とカシメ突出部165は、本発明の第1被破壊部位に相当する。上述のコネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160とに切断箇所S1,S2に沿って生じる破壊痕跡は、本発明の破壊痕跡に相当する。また、上述のケース外壁部147は、本発明のケース外壁部に相当する。上述のケース突出部147bは、本発明のケース突出部と第2被破壊部位に相当する。
上述したように、本実施例1のスロットマシン10によれば、主基板ケース74が所定の部位に取り付けられて、その主基板ケース74の内部の主制御基板73が遊技に関する制御を行うことが可能になった状態で、主基板ケース74のコネクタ95aが接続される領域を覆うコネクタかしめカバー130が、カバー取付機構141による着脱可能な状態での取り付けと、コネクタかしめプレート160による着脱不能な状態での取り付けとを経て、この発明に係るスロットマシン10が出荷される。これにより、カバー取付機構141による着脱可能な状態では、コネクタかしめカバー130の取り付けの調整作業が可能であるが、コネクタかしめプレート160による着脱不能な状態では、主基板ケース74のコネクタ95aが接続される領域からコネクタかしめカバー130を取り外し難くなる。つまり、出荷後のスロットマシン10は、主基板ケース74のコネクタ95aが接続される領域に対する不正なアクセスを行い難い状態となる。したがって、主基板ケース74が正常に取り付けた状態でコネクタ95aが接続される領域を介して行われる不正行為を行い難くすることができるスロットマシン10を提供することができる。
ここで、「着脱不能な状態」とは、通常の力では取り外しできない状態であり、無理矢理に取り外そうとすれば、取り付けられている各部材のいずれか一方または両方が破損してしまう状態を意味する。
また、コネクタかしめプレート160による着脱不能な状態は、第2係合部162よりもスロットマシン10正面から視認し難い状態となる第1係合部161と、第1係合部161よりもスロットマシン10正面から視認し易い状態となる第2係合部162とで形成されている。これにより、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。すなわち、不正行為者は、第2手段によって着脱不能な状態な状態とされたコネクタかしめカバー130を取り外そうとするとき、スロットマシン10正面から視認し易い位置に配設されている第1係合部161での取付状態を解除しようとする。しかし、第1係合部161での取付状態を解除できても第2係合部162での取付状態を解除しなければ、コネクタかしめカバー130を主基板ケース74から取り外すことができない。このとき、第2係合部162はスロットマシン10正面から視認し難い位置に配設されているので、不正行為者は第2係合部162の存在に容易に気付き難い。そのため、不正行為を成し遂げるまでに時間がかかってしまうので、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。
「第2係合部162よりもスロットマシン10正面から視認し難い状態」及び「第1係合部161よりもスロットマシン10正面から視認し易い状態」は、第1係合部161及び第2係合部162が配設される位置の違いや、第1係合部161及び第2係合部162の形状の違いや、第1係合部161及び第2係合部162の大きさの違いなどによって生じる状態である。
また、第1係合部161と第2係合部162とは、主基板ケース74における所定の平坦面(例えば非カバー面71c)を基準として、前後に分かれて配設されている。第1係合部161は、主基板ケース74における所定の平坦面(例えば非カバー面71c)よりも後側、すなわち、主基板ケース74における所定の平坦面(例えば非カバー面71c)よりも主制御基板73に近づいた位置に配設されているが、第2係合部162は、主基板ケース74における所定の平坦面(例えば非カバー面71c)よりも前側、すなわち、主基板ケース74における所定の平坦面(例えば非カバー面71c)よりも主制御基板73から遠ざかった位置に配設されるので、スロットマシン10正面から視認され易い。したがって、第2係合部162よりも第1係合部161をスロットマシン10正面から視認し難くすることができる。
また、第2係合部162がカバー取付機構141を構成する主基板ケース74側の部位の背後に隠れているため、スロットマシン10正面から見るときに、第2係合部162材を発見し辛くすることができる。
また、主基板ケース74とカバー取付機構141とコネクタかしめプレート160のうち少なくとも主基板ケース74とコネクタかしめプレート160とは、無色か同色か同系色のいずれかで共通の透過性を有する樹脂であるので、コネクタかしめプレート160によって形成されている着脱不能な状態をどのように解除すればよいか気付かせ難くすることができる。なお、主基板ケース74とカバー取付機構141とコネクタかしめプレート160の全てを無色か同色か同系色のいずれかの透過性を有する樹脂としても構わない。
また、カバー取付機構141によって着脱可能な状態で取り付けられた主基板ケース74とコネクタかしめカバー130とをコネクタかしめプレート160で係止すれば、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130とが着脱不能な係止状態となるので、係止状態を形成する作業が簡易化する。
また、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130とを着脱可能な取付状態とすることによって、主基板ケース74に設けられるプレート挿入空間142とコネクタかしめカバー130に設けられるプレート挿入空間132とで、コネクタかしめプレート160が挿入されるプレート挿入空間150が形成される。このプレート挿入空間150にコネクタかしめプレート160を挿入することによって、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130とを着脱不能とする係止状態が形成される。これにより、プレート挿入空間150にコネクタかしめプレート160が挿入された係止状態において、この係止状態を不正に解除するためにプレート挿入空間150を形成する部材が破壊される場合、このプレート挿入空間150の一部を有する主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との両方が破壊され易くなる。主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との両方が破壊されると、仮に、係止状態が不正に解除されたとしても、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130の両方に破壊痕跡が残る。したがって、破壊痕跡が多く残る分だけ不正行為を発見し易くなる。また、係止状態が不正に解除された後の主基板ケース74とコネクタかしめカバー130とを再利用した不正な主基板ケース74を無傷で作ることを難しくすることができる。
また、上述の係止状態が形成される際に、コネクタかしめプレート160の第1係合部161と第2係合部162材が係合する相手がそれぞれ主基板ケース74の第1被係合部143とコネクタかしめカバー130の第2被係合部133とに異なっている。これにより、上述の係止状態において、第1係合部161と第1被係合部143との係合を不正に解除しようとすると主基板ケース74に破壊痕跡が残り、第2係合部162と第2被係合部133との係合を不正に解除しようとするとコネクタかしめカバー130に破壊痕跡が残る。したがって、破壊痕跡が多く残る分だけ不正行為を発見し易くなる。また、上述の係止状態が不正に解除された後の主基板ケース74とコネクタかしめカバー130とを再利用した不正な主基板ケース74を無傷で作ることを難しくすることができる。
また、第1係合部161と第1被係合部143との係合の形と、第2係合部162と第2被係合部133との係合の形とがそれぞれ異なっている。これにより、上述の係止状態において、第1係合部161と第1被係合部143との係合を不正に解除する際に採った方法と異なる方法を採らなければ、第2係合部162と第2被係合部133との係合を不正に解除し難くすることができる。したがって、第1係合部161と第1被係合部143との係合の解除と、第2係合部162と第2被係合部133との係合の解除とに時間を掛けさせることで、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。
また、コネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って引かれた中心線に対して左右非対称となる位置で、この第1係合部161が第1被係合部143に係合し、この第2係合部162が第2被係合部133に係合することによって係止状態が形成される。これにより、係止状態において、第1係合部161と第1被係合部143との係合を不正に解除する作業を行う位置と、第2係合部162と第2被係合部133との係合を不正に解除する作業を行う位置とは、コネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って異なる位置となる。したがって、コネクタかしめプレート160の挿入方向に沿って同じ位置で作業を行えなくなる分だけ、第1係合部161と第1被係合部143との係合の解除と、第2係合部162と第2被係合部133との係合の解除とに時間を掛けさせることで、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。
また、第1係合部161の弾性構造と第2係合部162の弾性構造とはそれぞれ異なり、第2係合部162の弾性構造が第2係合部162の弾性力に抗して弾性変形され始める際の力では、第1係合部161の弾性構造をその弾性力に抗して変形され難い。これにより、係止状態を不正に解除しようとする際に、第2係合部162をその弾性力に抗して弾性変形させることができたとしても、同じ大きさの力では第1係合部161をその弾性力に抗して弾性変形させ難い。したがって、第1係合部161と第2係合部162とを同時に弾性変形させて不正に係止状態を解除しようとするような不正行為が行い難くなるので、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。
また、コネクタかしめプレート160をプレート挿入空間150に挿入していくと、まず、第1被係合部143側の第1押し当て部144で弾性変形した第1係合部161の弾性構造が元の形へ復元することによって第1被係合部143に係合する。次に、第2被係合部133側の第2押し当て部134で弾性変形した第2係合部162の弾性構造が元の形へ復元することによって第2被係合部133に係合する。つまり、軟らかい方の第2係合部162の弾性構造が弾性変形している間に堅い方の第1係合部161の弾性構造を押し込んで元の形へ復元させる方が、軟らかい方の第2係合部162が第2被係合部133に係合された後に堅い方の第1係合部161の弾性構造を押し込んで元の形へ復元させるよりも、第1係合部161を第1被係合部143に係合させる作業がし易い。したがって、弾性構造が異なる場合であっても、上述の係止状態を形成する作業をし易くすることができる。
また、回動ベース120に主基板ケース74が取り付けられ且つその主基板ケース74にコネクタかしめカバー130が取り付けられた状態で、コネクタかしめプレート160がプレート挿入空間150に挿入されることによって、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との分離だけでなく、主基板ケース74と回動ベース120との分離も規制される。反対に、係止状態を解除すれば、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との分離規制だけでなく、主基板ケース74と回動ベース120との分離規制も解除される。これによって、主基板ケース74とコネクタかしめカバー130との分離規制や分離規制の解除と、主基板ケース74と回動ベース120との分離規制や分離規制の解除とを一つの作業によって行うことができる。したがって、これらの作業効率を向上させることができる。
また、係止状態を解除するためには、カバー外壁部130aのプレート挿入空間形成壁130bに設けられる第1膨出部136と、カバー外壁部130aの異なる位置に設けられる第2膨出部137とを切断して、その間に位置するプレート挿入空間形成壁の一部(カバー外壁部130d2,130e2)をカバー外壁部130aから分離する必要がある。第1膨出部136と第2膨出部137とを切断すると、コネクタかしめカバー130が切断されるだけでなく、第1膨出部136の膨らみによって形成される第1膨出空間136aに挿入されているカシメ突出部165も切断されることによって、コネクタかしめカバー130に切断の際に生じる破壊痕跡138が残り、コネクタかしめプレート160にも切断の際に生じる破壊痕跡166が残る。これにより、コネクタかしめカバー130を破壊してでもコネクタかしめプレート160を無傷で取り出そうとするような不正行為を行い難くなるので、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。
また、カバー外壁部130aのプレート挿入空間形成壁(カバー外壁部130d)またはこのプレート挿入空間形成壁(カバー外壁部130e2)に接する箇所に設けられる第1膨出部136,第2膨出部137を切断すると、挿入空間150の開口縁からカバー外壁部130aの縁部にかけて延びており且つ所定幅を有するカバー間隙130h,130iに沿って、この第1膨出部136,第2膨出部137の間に位置するプレート挿入空間形成壁(カバー外壁部130d2,130e2)がカバー外壁部130aから分離される。これによって、係止状態が解除される。また、第1膨出部136,第2膨出部137を切断すると、コネクタかしめカバー130が切断されるだけでなく、第1膨出部136の膨らみによって形成される空間に突出されているカシメ突出部165も切断されることによって、コネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160との双方に切断の際に生じる破壊痕跡が残る。これにより、コネクタかしめカバー130を破壊してでもコネクタかしめプレート160を無傷で取り出そうとするような不正行為を行い難くなるので、主基板ケース74を不正行為に強くすることができる。
また、カシメ突出部165が挿入された第1膨出部136を切断すると、コネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160の一部が切断されるだけでなく、上述のカバー隙間130hに沿って第1膨出部136と並んだ位置に配置されており、ケース外壁部147gからカシメ突出部165と同じ方向に突出しているケース突出部147bの少なくとも一部も破壊される。これにより、コネクタかしめカバー130とコネクタかしめプレート160だけでなく主基板ケース74にも、第1膨出部136,第2膨出部137を切断する際に生じる破壊痕跡を残すことができる。したがって、破壊痕跡が多く残る分だけ不正行為を発見し易くなる。また、係止状態が不正に解除された後の収容ケース74とコネクタかしめカバー130とを再利用した不正な基板ケースを無傷で作ることを難しくすることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
<1>上述した実施例では、本発明の第1取付手段に相当する構成として、基板ケース74とコネクタかしめカバー130とに形成されるカバー取付機構141を上げて説明しているが、第1取付手段に相当する構成が、基板ケース74とコネクタかしめカバー130のいずれか一方に形成されている例であってもよい。例えば、第1取付手段に相当する構成として基板ケース74にねじ孔が設けられ、第2取付手段または取付部材に相当するワンウェイネジをねじ孔に締結することによって、着脱可能な状態が形成され、ワンウェイネジのネジ頭をつぶすことによって、着脱不能な状態が形成されるような例である。このような例は、ワンウェイネジとネジ孔以外であっても同様の作用効果を奏する構成であればよい。なお、ワンウェイネジのネジ頭と基板ケース74におけるネジ頭と重なる部位とは、本発明の第1被破壊部位に相当する。
<2>上述した実施例では、本発明の第2取付手段に相当する構成として、コネクタかしめプレート160とを上げて説明しているが、上述したように第2取付手段に相当する構成がコネクタかしめプレート160以外の例であってもよい。
<3>上述した実施例では、本発明の係止部材に相当する構成として第1係合部161及び第2係合部162を備えるコネクタかしめプレート160を例に上げて説明したが、係止部材に相当する構成は、同様の作用効果を奏する構成であれば、コネクタかしめプレート160とはその形状や配置や弾性構造が異なる係止部材であってもよい。
<4>上述した実施例では、本発明のカバー取付部に相当する構成として、スライド許容部145a,145bとスライド規制部146a〜146gとを備える主基板ケース74と、鉤爪状部135aから135gを備えるコネクタかしめカバー130とで構成されるカバー取付機構141を例に上げて説明しているが、異なる構成であってもよい。例えば、本発明のカバー取付部に相当する構成は、コネクタかしめカバー130側に設けられる係止用突片と、主基板ケース74側に設けられる凹入部とを備え、コネクタかしめカバー130を軽く撓ませることによって係止用突片が凹入部に係止されるが、主基板ケース74に取り付けられたコネクタかしめカバー130を再び撓ませることによって、係止用突片が凹入部から取り外すことができるような構成である。
<5>上述した実施例では、ケース突出部147bは、第1膨出部136の後端からコネクタ95aが接続される領域の平坦面まで延びているが、ケース突出部147bは、これより長くてもよい。図17は、図12の一部拡大図をさらに拡大した図であって、変形例1に係る主基板ケース74のケース突出部147bを説明する。この変形例1では、第1膨出部136の長さは、実施例1の第1膨出部136の長さと同じL2であるが、ケース突出部147bは、第1膨出部136の後端よりも前寄りの位置(ケース上71の非カバー面71cよりも少し手前側に出た位置)からコネクタ95aが接続される領域の平坦面まで延びている。実施例1のケース突出部147bの長さL5よりも長く形成されている。変形例1のケース突出部147bが形成される長さをL6と呼ぶ。つまり、変形例1のケース突出部147bは、その上端が第1膨出部136の中にまで入っている。そのため、第1膨出部136が、二点鎖線で示す切断箇所S3に沿って第1膨出部136の後端までしか切断されないような場合であっても、第1膨出部136の中に入っているケース突出部147bを確実に破壊させて、主基板ケース74(ケース上71)にも破壊痕跡を残すことができる。
<6>また、ケース突出部147bではく第1膨出部136を実施例1と異ならせてもよい。図18は、図12の一部拡大図をさらに拡大した図であって、変形例2に係るコネクタかしめカバー130の第1膨出部136を説明する。この変形例2では、ケース突出部147bは、実施例1のケース突出部147bと同じ長さL5に(ケース突出部147bの前端がケース上71の非カバー面71cよりも少し奥まった位置に位置するように)形成されているが、変形例2の第1膨出部136の長さを実施例1の第1膨出部136の長さL2よりも長い長さL7に形成している。変形例2の第1膨出部136は、その下端付近がケース突出部147bの上端付近に覆いかぶさるように形成されている。これにより、変形例2の第1膨出部136を切断する際に、切断箇所S3に沿って第1膨出部136aの後端までしか切断されないような場合であっても、確実にケース突出部147bの上端付近も破壊させることができる。しかも、ケース突出部147bの上端がケース上71の非カバー面71cよりも奥まった位置に設けられているので、主基板ケース74を組み付ける際などに、ケース突出部147bに他の部材が接触して、誤ってケース突出部147bが破損してしまうことを低減することができる。
<7>上述の実施例のコネクタかしめカバー130の替わりに、主基板ケース74の所定の領域のうちコネクタ95aが接続される領域以外の領域を覆う部材を備えてもよい。例えば、主基板ケース74の正面に設けられる封止部材160が取り付けられる領域を覆う封止部材カバーを備えてもよい。封止部材160は、主基板ケース74の正面に設けられるため、前面扉12を開放したときにアクセスし易く、不正行為が行われやすい。しかし、封止部材カバーが封止部材が取り付けられる領域を覆うことによって、封止部材160に対してアクセスし難くすることができるとともに、封止部材160に対する不正行為を行い難くすることができる。
<8>上述の実施例のコネクタかしめカバー130は、主制御装置70を構成する主基板ケース74側のコネクタ95aが接続される領域を覆っていたが、サブ制御装置94を構成する表示制御基板94bを収納するサブ基板ケース94a側のコネクタ95bが接続される領域を覆ってもよい。これにより、表示制御基板94bに接続されるコネクタ95bが不正に取り外されて、ぶら下げ基板が取り付けられるような不正行為を防ぐことができる。
<9>上述の実施例のコネクタかしめカバー130は、コネクタが接続される領域を覆っていたが、コネクタが接続される領域以外の領域で、出荷後に不正にアクセスされなくない領域を覆っても構わない。例えば、主制御装置70からサブ制御装置94に送信される信号を伝送するケーブルが配線される領域を覆っても構わない。この主のケーブルが配線される領域が主基板ケース74やサブ基板ケース93aである場合に、本実施例と同様の構成でケーブル間にぶら下げ基板が取り付けられるような不正行為を防ぐことができる。
<10>上述の実施例のコネクタかしめカバー130は、主基板ケース74のコネクタ95aが接続される領域を覆うものであったが、コネクタかしめカバー130は、主基板ケース74の他のコネクタが接続される領域を覆うものであっても構わない。また、上述の変形例4は、サブ基板ケース94aのコネクタ95bが接続される領域を覆うものであったが、サブ基板ケース94aの他のコネクタが接続される領域を覆うものであっても構わない。
<11>上述の実施例では、第1係合部161の弾性構造と第2係合部162の弾性構造とは、同じ材質で異なる弾性構造であったが、異なる材質で同じ弾性構造であってもよい。例えば、2箇所の係合部がともに第2係合部162のような弾性構造であるが、一方の弾性構造が所定の固さの樹脂で形成されており、他方の弾性構造がそれより撓み難い固さの樹脂で形成されている場合である。なお、一方の弾性構造が樹脂で、他方の弾性構造が例えば金属などのような異なる素材であってもよい。これらのような構成でも、実施例と同様の作用効果を奏する。
<12>上述の実施例では、本発明のカバー部材は、スロットマシン10の主基板ケース74に備えられているが、パチンコ機の基板ケースに備えられてもよい。例えば、基板ケースがパチンコ遊技に関する主たる制御を実行する主制御装置を構成する主基板ケースである場合、カバー部材が覆う所定の領域は、作動口への入賞を検出するセンサからの信号を主制御基板に送るケーブルのコネクタが接続される領域である。もちろん、基板ケースは、主制御装置以外の制御装置、例えば、表示装置における識別情報の表示やこれに伴う演出の制御を行うサブ制御装置のサブ制御基板を収容するサブ基板ケースであっても構わない。この場合、主制御装置の主制御基板とサブ制御装置のサブ制御基板とを繋ぐケーブルの一端側のコネクタがサブ制御基板に接続される領域をカバー部材が覆うように構成される。
<13>本発明のカバー部材は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した遊技機の基板ケースに備えられてもよい。この種の遊技機では、メダルを投入する替わりに、受け皿に貯留される遊技球が投入装置に取り込まれ、メダルが払い出される替わりに、遊技球が払い出される。ただし、液晶ディスプレイ15のような識別情報変動表示手段を備え、スタートレバー52のような始動用操作手段の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、ストップボタン53,54,55のような停止用操作手段の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる主制御装置70のような特別遊技状態発生手段とを備える。また、この種の遊技機でも、特別遊技状態中に上述した補助遊技状態が発生する場合等があり、実施例1と同様の不正行為に対して、コネクタかしめカバーを備える構成を適用することができる。
<14>上述の発明を実施すための形態、実施例及び変形実施例に記載された発明は、各々相反するものでない限り、適宜変更や置換や削除や組み合わせなどした構成とすることも可能である。