JP6550347B2 - 可塑化シミュレーション装置、その可塑化シミュレーション方法および可塑化シミュレーションプログラム - Google Patents

可塑化シミュレーション装置、その可塑化シミュレーション方法および可塑化シミュレーションプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、ダブルフライトスクリュ式の可塑化装置による成形材料、特に樹脂材料の可塑化工程をシミュレートする可塑化シミュレーション装置、その可塑化シミュレーション方法および可塑化シミュレーションプログラムに関するものである。
従来、射出成形機や押出機に代表される可塑化装置において溶融可塑化される樹脂材料の樹脂温度や固相率といった物理量を算出し、可塑化工程をシミュレートするシミュレーション技術が知られている。一般的にこのようなシミュレーションにおいては、単位時間において可塑化される材料の重量を示す可塑化能力(kg/h)が物理量の算出のために用いられており、この可塑化能力を固定して、または、所定のスクリュ特性式を用いて算出した可塑化能力を用いて、物理量を算出することが広く実施されている(下記特許文献1,2及び非特許文献1,2参照)。一方、これらのシミュレーション技術は、樹脂物性や運転条件、可塑化装置の仕様等を入力値として用いてCAE(Computer Aided Engineering)解析、具体的には流動解析を行うものであり、単軸または多軸のシングルフライトスクリュ式の可塑化装置をその解析対象としている。
特開2007−007951号公報 特願2015−124948号公報
日本製鋼所技報 63号 Engineering Principles of Plasticating Extrusion
スクリュにサブフライトが設けられたダブルフライトスクリュ式(バリアフライトスクリュ式)の可塑化装置では、サブフライトによって固体状態にある樹脂材料の集合(ソリッドベッド)が強制的に変形される。そのため、シングルフライトスクリュ式の可塑化装置を対象にした流動解析に用いる溶融モデルや計算フローを用いては、ダブルフライトスクリュ式の可塑化装置の可塑化能力を精度良く算出することが困難であった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ダブルフライトスクリュ式の可塑化装置を対象とした場合にも可塑化能力を精度良く算出することができる可塑化シミュレーション装置、可塑化シミュレーション方法および可塑化シミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、ダブルフライトスクリュ式の可塑化装置におけるシリンダ内の樹脂材料がソリッドベッド、メルトフィルム、およびメルトプールの何れかの状態にある3ゾーンモデルに基づいて可塑化能力を算出する可塑化シミュレーション装置であって、前記樹脂材料の樹脂物性と前記可塑化装置の運転条件とサブフライトの構成データを有する該可塑化装置の構成データとを含むパラメータと、初期可塑化能力を取得する情報取得部と、前記初期可塑化能力、前記パラメータ、質量保存の式およびエネルギー保存の式に基づいて、溶融量を含む物理量を算出するとともに、該溶融量の算出において、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以内にある第1状態では、第1時間刻みを用い、ソリッドベッド高さがシリンダ高さを超える第2状態では、第1時間刻みを所定の値で除した第2時間刻みを用いる物理量算出部と、前記溶融量に基づいて、前記樹脂材料の単位時間当たりの溶融量である最大流量を算出する最大流量算出部と、前記パラメータ、前記物理量、および前記最大流量に基づき、3次元流動計算を用いて可塑化能力を算出する可塑化能力算出部と、を備える。
また、本発明の一態様は、ダブルフライトスクリュ式の可塑化装置におけるシリンダ内の樹脂材料がソリッドベッド、メルトフィルム、およびメルトプールの何れかの状態にある3ゾーンモデルに基づいて可塑化能力を算出する可塑化シミュレーション装置が実行する可塑化シミュレーション方法であって、前記樹脂材料の樹脂物性と前記可塑化装置の運転条件とサブフライトの構成データを有する該可塑化装置の構成データとを含むパラメータと、初期可塑化能力とを取得するステップと、前記初期可塑化能力、前記パラメータ、質量保存の式およびエネルギー保存の式に基づいて、溶融量を含む物理量を算出するとともに、該溶融量の算出において、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以内にある第1状態では、第1時間刻みを用い、ソリッドベッド高さがシリンダ高さを超える第2状態では、第1時間刻みを所定の値で除した第2時間刻みを用いるステップと、前記溶融量に基づいて、前記樹脂材料の単位時間当たりの溶融量である最大流量を算出するステップと、前記パラメータ、前記物理量、および前記最大流量に基づき、3次元流動計算を用いて可塑化能力を算出するステップと、を有する。
また、本発明の一態様は、ダブルフライトスクリュ式の可塑化装置におけるシリンダ内の樹脂材料がソリッドベッド、メルトフィルム、およびメルトプールの何れかの状態にある3ゾーンモデルに基づいて可塑化能力を算出することをコンピュータに実行させる可塑化シミュレーションプログラムであって、前記コンピュータを、前記樹脂材料の樹脂物性と前記可塑化装置の運転条件とサブフライトの構成データを有する該可塑化装置の構成データとを含むパラメータと、初期可塑化能力とを取得する情報取得部と、前記初期可塑化能力、前記パラメータ、質量保存の式およびエネルギー保存の式に基づいて、溶融量を含む物理量を算出するとともに、該溶融量の算出において、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以内にある第1状態では、第1時間刻みを用い、ソリッドベッド高さがシリンダ高さを超える第2状態では、第1時間刻みを所定の値で除した第2時間刻みを用いる物理量算出部と、前記溶融量に基づいて、前記樹脂材料の単位時間当たりの溶融量である最大流量を算出する最大流量算出部と、前記パラメータ、前記物理量、および前記最大流量に基づき、3次元流動計算を用いて可塑化能力を算出する可塑化能力算出部として機能させる。
本発明によれば、ダブルフライトスクリュ式の可塑化装置を対象とした場合でも可塑化能力を精度良く算出することができる。本発明のその他の効果については、以下の発明を実施するための形態の項でも説明する。
本実施の形態においてシミュレーションされる単軸ダブルフライトスクリュ式の射出成形機を示す概略断面図である。 本実施の形態に係る可塑化シミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 本実施の形態に係る可塑化シミュレーション装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 3ゾーンモデルを説明するための図である。 3ゾーンモデルにおける流動制限を説明するための図である。 (a)はシングルフライト式のスクリュ、(b)はダブルフライト式のスクリュの展開モデルを示す図である。 (a)は図6(b)におけるA−A線断面図、(b)は同図におけるB−B線断面図である。 本実施の形態に係る可塑化解析処理を示すフローチャートである。 初期可塑化能力算出処理を示すフローチャートである。 流動解析処理を示すフローチャートである。 物理量算出処理を示すフローチャートである。 溶融量算出処理を示すフローチャートである。 溶融量分割処理を示すフローチャートである。 可塑化能力算出処理を示すフローチャートである。 (a)は可塑化解析処理により算出された定常状態の可塑化能力、(b)は実機での実験結果から導き出された定常状態の可塑化能力、(c)はこれらの結果の誤差を示す図である。 可塑化シミュレーションプログラムが情報処理装置に適用される場合を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態においては、図1に示されるような、樹脂材料を溶融するためのシリンダ1と、シリンダ1の上流側に設けられ樹脂材料が投入されるホッパ2と、シリンダ1内に回転自在に設けられ、樹脂材料を溶融混練すると共にシリンダ1先端部(下流側)へ搬送する単軸のスクリュ3とを備える射出成形機4の定常状態における各種物理量を算出することにより、樹脂材料の可塑化工程におけるシミュレーションを可能とする可塑化シミュレーション装置を例にとり説明を行う。この射出成形機4のスクリュ3は、スクリュ軸31の周面に対して2つのメインフライト32が所定の距離を保ちつつ螺旋状に周設されており、これらのメインフライト32間に、スクリュ3の径外方向における長さがメインフライト32より短く形成されているサブフライト33が螺旋状に周設された、所謂ダブルフライトスクリュである。即ち、本実施の形態に係る射出成形機4は、単軸ダブルフライトスクリュ式の射出成形機として構成されている。
なお、本実施の形態においては、シミュレーション対象の可塑化装置として射出成形機を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、ダブルフライトスクリュ式であれば押出機等の他種の可塑化装置においても本発明を適用することが可能である。以下、本実施の形態について図面を参照しつつ、その詳細を説明する。
(装置構成)
図2は、本実施の形態に係る可塑化シミュレーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示されるように、可塑化シミュレーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、記憶部12、入力部13、表示部14、HDD(Hard disk drive)15、を有する。
CPU11は記憶部12上に展開されるOS(Operating System)、BIOS(Basic Input/Output System)、アプリケーション等の各種プログラムを実行し、可塑化シミュレーション装置10の制御を行う。記憶部12は、所謂RAM(Random Access Memory)などの揮発性のメモリであり、実行されるプログラムの作業領域として利用される。
入力部13は、可塑化シミュレーション装置10を使用するユーザからの入力(例えば後述する各種パラメータ)を受け付けるものであり、例えば、ディスプレイ上の特定の位置を指定するためのポインティングデバイスであるマウスや、文字または特定の機能等が割り当てられた複数のキーが配列されたキーボードである。
表示部14は、OSおよびOS上で動作するアプリケーションのGUI(Graphical User Interface)や解析結果を表示するディスプレイ等の出力装置である。このような出力装置により、例えば、解析結果として算出された物理量がヒストグラムといった形で表示される。HDD15は、後述する可塑化解析処理において用いられる各種パラメータや当該処理により算出される各物理量といったデータが格納される、所謂不揮発性の記憶領域である。
(機能構成)
次に、可塑化シミュレーション装置10の機能構成を説明する。図3は、本実施の形態に係る可塑化シミュレーション装置の機能構成を示す機能ブロック図である。図3に示されるように、可塑化シミュレーション装置10は、取得部101と、解析部102と、判定部103と、出力部104とを、機能として有する。これら機能は、CPU11や記憶部12等の前述したハードウェア資源が協働することにより実現され、これらの機能により後述する可塑化解析処理が実施される。
取得部101は、所定の物理量を算出するために必要な各種パラメータを取得するものである。なお、当該パラメータとして、ユーザにより手入力された情報を取得してもよく、解析対象の射出成形機4に対応して固有に紐付けられた情報をHDD15から取得するようにしてもよい。解析部102は、取得された各種パラメータに基づいてシミュレーションの解析値として可塑化能力や各種物理量の算出を行うものである。判定部103は、可塑化解析処理における各種判定を行うものであり、出力部104は、解析部102の算出結果や判定部103の判定結果を受けて、これらの結果を表示部14やHDD15へ出力するものである。
(概要)
理解を容易にするために、本実施の形態に係る可塑化解析処理の概要を簡単に説明する。図4は、3ゾーンモデルを説明するための図であり、スクリュ3の溝内の樹脂材料の状態を示している。また、図5は、3ゾーンモデルにおける流動制限を説明するための図である。本実施の形態に係る可塑化シミュレーション装置10が行う可塑化解析処理では、溶融樹脂量(適宜、溶融量とも称する)、樹脂温度、固相率、メルトフィルム厚み、スクリュ動力、圧力等の各種物理量の算出をTadmorモデルに倣い、図4に示されるような3ゾーンモデルを導入して適宜ゾーン毎に分けて行われる。図4に示される参照符号51は、スクリュ3及びスクリュ3のメインフライト32からなる領域において樹脂材料が固形で存在するソリッドベッドを示し、参照符号52は、樹脂材料の溶融が促進されるメルトフィルムを示し、参照符号53は、溶融状態にある樹脂材料である溶融樹脂が滞留するメルトプールを示している。
3ゾーンモデルにおいて可塑化される樹脂材料は、図5に示されるように各矢印で示される流速ベクトルを持って流動している。なお、樹脂材料はスクリュ3により押し出されるため、ここではシリンダ1にも流速ベクトルが付されている。本来、メルトフィルム52にある溶融樹脂は、シリンダ1と接触するためにその溶融が促進されるが、そこからメルトプール53へ流入する流量、換言すると、メルトフィルム52とメルトプール53との境界にあるメッシュの流量は、当該メッシュのメルトフィルム52の溶融樹脂の溶融量(ソリッドベッド51の溶融量)を超えることはない。そのため、本実施の形態における可塑化解析処理では、溶融樹脂の流速ベクトルのうち、メルトフィルム52からメルトプール53へ流入する流速ベクトル60の流量が、メルトフィルム52の溶融量を超えないよう制限する、流量制限を可塑化能力の算出に組み込んでいる。
また、このような3ゾーンモデルを用いた本実施の形態に係る可塑化解析処理は、サブフライト33が形成されることによる樹脂材料の溶融促進、即ち可塑化能力の増大を考慮した処理が組み込まれている。この可塑化能力増大の概念について、図6および図7を用いて簡単に説明する。図6(a)はシングルフライト式のスクリュ、図6(b)はダブルフライト式のスクリュの展開モデルを示す図である。また、図7(a)は図6(b)におけるA−A線断面図、図7(b)は同図におけるB−B線断面図である。図7に示されるδはメルトフィルム52の厚みを示しており、Cはスクリュ3の径外方向を示している。
シングルフライトスクリュの場合、ソリッドベッド51は図6(a)に示されるように、一方側のメインフライト32に偏るように位置し、自由に移動することが可能である。一方、ダブルフライトスクリュの場合、ソリッドベッド51は図6(b)に示されるようにサブフライト33により堰き止められ、その動きが制限された状態となる。したがって、ソリッドベッド51はサブフライト33により強制的に変形した状態となり、この変形は、サブフライト33が狭まる下流に行くに従い大きなものとなる。
つまり、上流側のソリッドベッド51は、図7(a)に示されるように、そのメルトフィルム52との界面がまだサブフライト33の上端近傍に位置するのに対し、下流側のソリッドベッド51は、サブフライト33により堰き止められ径外方向Cに沿って延びるように変形することとなる。このことから、メルトフィルム52の厚みδは、ソリッドベッド51の変形に応じて薄くなる。このメルトフィルム52の厚みδの減少は、単位時間あたりのメルトフィルム52の溶融量の増大に繋がる。本実施の形態においては、溶融量に応じて流量制限を行うため、この溶融量の増大は流量制限の上限値の増大に繋がる。したがって、シングルフライト式のスクリュと比較して、ダブルフライト式のスクリュ3は可塑化能力が増大することとなる。
ここで、メルトフィルム52の厚みδの減少が、単位時間あたりの溶融量の増大に繋がる原理を簡単に説明する。可塑化工程において樹脂材料に加わるせん断発熱量(せん断エネルギー)は下記(1)式で表わされ、せん断速度は下記(2)式で表される。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
この(1)式および(2)式においては、Q:せん断発熱量、η:樹脂粘度、γ:せん断速度、δ:メルトフィルム厚み、V:スクリュ速度である。(1)式および(2)式からわかるように、メルトフィルム厚みδが小さくなることにより、せん断速度γが増大し、これに応じてせん断発熱量Qが増大することとなる。
メルトフィルム52の温度上昇量は下記(3)式で表わされ、メルトフィルム温度は下記(4)式で表される。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
この(3)式および(4)式においては、ΔT:メルトフィルムの温度上昇量、ρ:メルトフィルムの密度、C:メルトフィルムの比熱、Q:せん断発熱量、T:メルトフィルム温度である。(3)式および(4)式からわかるように、せん断発熱量Qが増大することにより、メルトフィルム温度Tが上昇する。
メルトフィルム52中心からソリッドベッド51界面への熱流束は、下記(5)式で表わされ、溶融量は下記(6)式で表わされる。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
この(5)式においては、q:メルトフィルム中心からソリッドベッド界面への熱流束([W/m])、k:溶融体(メルトフィルム)の熱伝導率、δ:メルトフィルム厚み、T:メルトフィルム温度、T:樹脂融点、Q:せん断発熱量、ΔV:溶融量、ρ:メルトフィルムの密度、H:融解熱(エンタルピー)、q’:ソリッドベッドへの熱流束、dt:時間刻みである。(5)式からわかるように、メルトフィルム温度Tの増加とメルトフィルム厚みδの減少により、熱流束qが増大することとなる。また、(6)式からわかるように、熱流束qが増大するほど、単位時間(時間刻み:dt)あたりの溶融量は増大することとなる。以上のことから、メルトフィルム52の厚みの減少が、単位時間あたりの溶融量の増大に繋がる。
(処理動作)
以下、図面を用いて本実施の形態に係る可塑化シミュレーション装置10の動作の詳細を説明する。図8は、本実施の形態に係る可塑化解析処理を示すフローチャートである。なお、この処理において算出される各値は、出力部104により適宜記憶部12またはHDD15に格納される。そのため、本フロー内においては各値の格納処理は割愛する。図8に示されるように、本実施の形態に係る可塑化解析処理は、先ず、物理量の算出やせん断速度分布の算出等の処理で用いられる初期値の可塑化能力である初期可塑化能力を算出するための初期可塑化能力算出処理が実行される(S1)。その後、各物理量を解析結果として算出する解析処理が実行され(S2)、本フローは終了となる。以下、これら各処理の詳細を順次説明する。
先ず、初期可塑化能力算出処理の詳細を説明する。図9は、初期可塑化能力算出処理を示すフローチャートである。図9に示されるように、先ず、取得部101は、可塑化能力や各物理量を算出するための樹脂物性、運転条件および射出成形機4の構成データの各種パラメータを取得する(S101,S102,S103)。ステップS101において取得される樹脂物性のパラメータとしては、例えば、粘度フィッティングによるモデルパラメータ、固体および溶融体の密度、比熱、熱伝導率、融点、溶融熱量などが挙げられる。ステップS102において取得される運転条件のパラメータとしては、例えば、スクリュ回転数、スクリュ先端圧力、シリンダ設定温度、シリンダ設定温度境界位置、スクリュ位置、メッシュ刻み数、計算サイクル数、計量樹脂量、原料樹脂温度、背圧などが挙げられる。ステップS103において取得される構成データのパラメータとしては、例えば、シリンダ径、スクリュ径、スクリュ溝深さ、スクリュリード、メインフライト幅、メインフライトクリアランス、サブフライト開始位置、サブフライト終了位置、サブフライトクリアランスなどが挙げられる。この構成データは、スクリュ3の先端部分やホッパ2近辺の供給部分など複数の計算領域(スクリュ3の各ポジション)における各値であることが好ましい。
以上の取得されたパラメータに基づいて、解析部102は初期可塑化能力を算出し(S104)、本フローは終了となる。ここで算出する初期可塑化能力は、単位時間当たりの樹脂材料(溶融樹脂)の重量[kg/h]で示されるものであり、下記(7)式または(8)式で表わされるスクリュ特性式を用いて算出される。なお、(7)式は、シリンダ1内で樹脂材料がスクリュ3により牽引されている部分である牽引流部分における計算に用いられ、(8)式はその他の部分における計算に用いられる。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
この(7)式および(8)式においては、Q:体積流量、A及びB:係数、Vbz:樹脂の流れ方向の移動速度、w:スクリュ溝幅、h:スクリュ溝深さ、φ:スクリュへリックス角、η:樹脂粘度、∂P/∂z:圧力変化量である。また、(8)式における樹脂粘度ηは、下記(9)式および(10)式の粘度式により求められる。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
この(9)式および(10)式においては、η:樹脂粘度、A,a,b,c:粘度係数、g:せん断速度、T及びn:粘度パラメータ、T:樹脂温度である。これら(7)〜(10)式に、取得部101により取得された各種パラメータのうちの必要なパラメータが導入されることで、初期可塑化能力が算出される。ここでの必要なパラメータとは、スクリュ回転数、シリンダ径、スクリュ溝深さ、溶融体密度等である。
次に、解析処理の詳細を説明する。図10は、解析処理を示すフローチャートである。図10に示されるように、先ず、解析部102は、取得部101により取得された各種パラメータ、算出した初期可塑化能力を記憶部12またはHDD15から取得し(S201)、取得した初期可塑化能力を第1可塑化能力と設定する(S202)。設定後、これらのデータに基づいて物理量算出処理が実行される(S203)。物理量算出処理においては、固相率やメルトフィルム厚み等の物理量と共に、上述した流量制限を行うためにメルトフィルム52からの溶融樹脂の最大流量を算出する処理であり、その詳細は後述する。
物理量算出処理後、解析部102は、算出された固相率と、メルトフィルム厚みとから、メルトプール53の形状メッシュを作成する(S204)。この形状メッシュの作成方法は、例えば有限体積法等の手法を用いて格子メッシュを作成すればよく、一般的な手法であるためここでの説明は省略する。形状メッシュの作成後、解析部102は、可塑化能力算出処理を実行する(S205)。可塑化能力算出処理は、3次元流動計算を用いて、メルトフィルム52からメルトプール53への溶融樹脂の流出量を算出し、これを第2可塑化能力とする処理である。この可塑化能力算出処理についての詳細は後述する。
第2可塑化能力算出後、判定部103は、算出した第2可塑化能力が所定の条件を満たすか否かを判定する(S206)。本実施の形態においては、この所定の条件を第1可塑化能力と、第2可塑化能力との変化量が0.01%以下であることとする。これは、可塑化能力によってメルトプール53が生成する位置が異なるために実施している処理であり、その変化量が極めて小さくなった場合に定常状態になったと判断できる。なお、変化量は、この値に限定するものではなく、可塑化能力に変化が見られないと判断可能な値であればよく、例えば0.1や0.005等でもよいが、精度の観点からいえばより小さい値の方が好ましい。
第2可塑化能力が所定の条件を満たさないと判定された場合(S206,NO)、解析部102は、第2可塑化能力を第1可塑化能力として更新して新たな第1可塑化能力とし(S207)、ステップS203の物理量算出処理へ移行する。一方、第2可塑化能力が所定の条件を満たすと判定された場合(S206,YES)、解析部102は、第2可塑化能力に基づいて、上記ステップS203の物理量算出処理と同様の処理を行うことにより、各物理量を算出する(S208)。算出後、出力部104は、第2可塑化能力や、これに基づく各物理量をユーザの入力に応じて適宜記憶部12、表示部14、HDD15へ出力し(S209)、本フローは終了となる。例えば、出力部104は、各物理量をスクリュ3上の各計算領域(ポジション)毎に予め指定されたアウトプットファイルにアウトプットし、表示部14上へ表示する。
次に、物理量算出処理の詳細を説明する。図11は、物理量算出処理を示すフローチャートである。本実施の形態に係る物理量算出処理は、Tadmorモデルに倣い、固相率やメルトフィルム厚み、溶融量等の物理量を算出するとともに、メルトフィルム52のせん断速度計算を2次元流動計算によって求め、これに基づいてメルトフィルム52の最大流量を算出する処理である。当該せん断速度を2次元流動計算によって求めることにより、計算精度および計算速度の向上を実現している。図11に示されるDは2次元流動計算の処理部分を示している。
図11に示されるように、先ず、解析部102は、取得部101により取得された各種パラメータや第1可塑化能力を記憶部12またはHDD15から取得し(S301)、これらに基づいて各種物理量を算出する(S302)。本実施の形態においては、物理量の算出を適宜Tadmorモデルに基づいて算出するが、溶融量は後述する溶融量算出処理にてTadmorモデルと、その改良モデルとを使い分けて算出される。ここで算出される物理量としては、樹脂温度、固相率、メルトフィルム厚み、スクリュ動力、圧力、ソリッドベッド幅(メインフライト幅方向の長さ)、ソリッドベッド体積が挙げられる。これら物理量は全計算領域(メッシュ毎)に渡って算出されるが、樹脂温度および固相率については、ソリッドベッド51、メルトフィルム52、メルトプール53のそれぞれに更に分けて計算される。これらの物理量は、第1可塑化能力と、取得部101により取得された各パラメータのうちの必要なパラメータと、質量保存則およびエネルギー保存則を用いて、更にメルトフィルム52に対しては後述する分割せん断発熱量を別途用いて算出する。具体的には、ソリッドベッド51における各種物理量の算出には下記(11)式と(12)式とが用いられる。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
この(11)式および(12)式においては、ρ:樹脂密度、X:ソリッドベッド幅、h:スクリュ溝深さ、δ:メルトフィルム厚み、H:エンタルピー、vsz:ソリッドベッドの流れ方向移動速度、λ:融解熱、m :ソリッドベッドのメルトフィルム側融解質量流速、m :ソリッドベッドのメルトプール側融解質量流速、k:固体樹脂の熱伝導率、T:ソリッドベッド温度、qfs:メルトフィルムからソリッドベッド界面への熱流束、qps:メルトプールからソリッドベッド界面への熱流束、である。
また、メルトフィルム52における各物理量の算出には下記(13)式と(14)式とが用いられる。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
この(13)式および(14)式においては、ρ:樹脂密度、X:ソリッドベッド幅、δ:メルトフィルム厚み、H:エンタルピー、vfz:メルトフィルム流れ方向速度、vfx:メルトフィルムかき出し方向速度、qfs:メルトフィルムからソリッドベッド内部への熱流束、k:溶融体熱伝導率、T:メルトフィルム温度、qBf:シリンダからメルトフィルムへの熱流束、Q:メルトフィルムでのせん断発熱量、m :ソリッドベッドのメルトフィルム側融解質量流速、である。なお、Qには後述する分割せん断発熱量が導入される。
また、メルトプール53における各物理量の算出には下記(15)式と(16)式とが用いられる。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
この(15)式および(16)式においては、ρ:樹脂密度、w:スクリュ溝幅、X:ソリッドベッド幅、h:スクリュ溝深さ、H:エンタルピー、vpz:メルトプール流れ方向速度、δ:メルトフィルム厚み、qps:メルトプールからソリッドベッド界面への熱流束、k:溶融体熱伝導率、T:メルトプール温度、vfx:メルトフィルムかき出し方向速度、qBp:シリンダからメルトプールへの熱流束、Q’:メルトプールせん断発熱量、m:ソリッドベッドのメルトプール側融解質量流速、である。
前述した(11)式、(13)式、および(15)式はエネルギー保存則を示しており、(12)式、(14)式および(16)式は質量保存則を示している。また、質量保存則およびエネルギー保存則をソリッドベッド51と、メルトフィルム52と、メルトプール53とに分けたため、この質量保存則およびエネルギー保存則を満足させるように融解質量流速が導入されている。これらの数式に、取得された各パラメータのうちの必要なパラメータ、第1可塑化能力、分割せん断発熱量等を適宜導入することで、樹脂温度、固相率、メルトフィルム厚み、スクリュ動力、圧力等を算出することができる。
なお、メルトフィルム52におけるせん断発熱量は、物理量として算出された樹脂温度、メルトフィルム厚みに基づいて算出される。よって本実施の形態におけるステップS302の各種物理量を算出する処理では、図11に示されるように、先ず樹脂温度、メルトフィルム厚みを算出し(S3021)、これらに基づく2次元流動計算によってメルトフィルム52内における速度分布およびせん断速度分布を算出し(S3022,S3023)、メルトフィルム52内における樹脂粘度、せん断発熱量を算出した後(S3024)、他の物理量を算出するようにしている(S3025)。
ここで、本実施の形態におけるステップS3022〜ステップS3025までの処理を説明する。先ず解析部102は、取得したパラメータ(スクリュ回転数等)と、算出した樹脂温度、メルトフィルム厚みとに基づいて、一般的な2次元流動計算を行い、溶融樹脂のメルトフィルム52内における速度分布を算出する(S3022)。算出後、解析部102は、当該速度分布に基づいて、下記(17)式で示されるメルトフィルム52内におけるメッシュ毎のせん断速度を算出し、メルトフィルム52内におけるせん断速度分布を算出する(S3023)。
Figure 0006550347
この(17)式においては、γ:せん断速度、du:メッシュ間速度差、dy:1メッシュの距離(厚み)、である。
せん断速度分布の算出後、このせん断速度分布に基づいて、メルトフィルム52内におけるメッシュ毎の樹脂粘度、せん断発熱量を算出する(S3024)。樹脂粘度は2次元解析の一般的な手法により求めてもよく、上記(9)式および(10)式の粘度式により求めてもよい。せん断発熱量は、上記(1)式により求めることができる。樹脂粘度、せん断発熱量算出後、上述した各(11)〜(16)式を適宜用いて残りの物理量、即ち樹脂温度、メルトフィルム厚み以外の物理量を算出する(S3025)。
また、上述した各式における、メルトフィルム52からソリッドベッド51界面への熱流束qfsは下記(18)式、ソリッドベッド界面からソリッドベッド51内部への熱流束qssは下記(19)式により求めることができる。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
(18)式および(19)式においては、qfs:メルトフィルムからソリッドベッドへの熱流束([W/m])、k:溶融体の熱伝導率、T:メルトフィルム温度、T:樹脂融点、δ:メルトフィルム厚み、Q:せん断発熱量、qss:ソリッドベッド内部への熱流束([W/m])、k:固体の熱伝導率、h:スクリュ溝深さ、A:パラメータ、B:パラメータ、C:パラメータである。
ここで、本実施の形態においては、メルトフィルム52におけるせん断発熱量のC/(A+B+C)がメルトフィルム52内での温度上昇に用いられることとする。即ち、複数のメッシュのうち、メルトフィルム52に対応するメッシュについては、上記(1)式で求めたせん断発熱量にC/(A+B+C)を乗じ、上述した各物理量の算出においてこのC/(A+B+C)としたせん断発熱量が用いられている。以後、このメルトフィルム52におけるA/(A+B+C)、B/(A+B+C)、C/(A+B+C)と分割したせん断発熱量を、分割せん断発熱量と称する。例えば、上記(13)式におけるQには、分割せん断発熱量が導入される。せん断発熱量をC/(A+B+C)とする理由は、以下のとおりである。
メルトフィルム52中心からソリッドベッド51界面への熱流束は、上記(18)式により求められる。これによれば、せん断発熱量はA/(A+B+C)がソリッドベッド51へ流れることがわかる。また、シリンダ1からメルトフィルム52への熱流束は、下記(20)式により求められる。これによれば、せん断発熱量はB/(A+B+C)がシリンダ1へ流れることがわかる。よって、残りのC/(A+B+C)のせん断発熱量がメルトフィルム52内に残り、溶融樹脂の温度上昇に用いられることがわかる。したがって、メルトフィルム52に対応するメッシュのせん断発熱量をA/(A+B+C)、B/(A+B+C)、C/(A+B+C)と分割することで、現実に沿った熱量を与えることができ、これを可塑化能力、各物理量の算出に用いることで、精度の高い解析結果を得ることができる。
Figure 0006550347
この(20)式においては、qbf:シリンダからメルトフィルムへの熱流束、k:溶融体の熱伝導率、T:シリンダ温度、T:メルトフィルム温度、δ:メルトフィルム厚み、Q:せん断発熱量、A:パラメータ、B:パラメータ、C:パラメータである。
以上により物理量算出後、メルトフィルム52における溶融樹脂の溶融量を算出するための溶融量算出処理が実行され(S303)、解析部102は、算出された溶融量を単位時間(時間刻み:dt)で割ることにより、メルトフィルム52からメルトプール53へ流れる溶融樹脂の単位時間当たりの最大流量([m/s])を算出し(S304)、本フローは終了となる。
次に、前述した溶融量算出処理の詳細を説明する。図12は、溶融量算出処理を示すフローチャートである。図12に示されるように、先ず、解析部102は、計算領域となるメッシュ(図7に示されるような3ゾーンを含む)を選択し(S401)、パラメータとして取得したメインフライト幅、サブフライト開始位置およびサブフライト終了位置に基づいて、選択したメッシュにおけるサブフライト幅を算出する(S402)。ここでのサブフライト幅とは、ソリッドベッド51側のメインフライト32からの幅を意味している。サブフライト幅算出後、判定部103は、選択したメッシュに対応するソリッドベッド幅(物理量として算出済み)がサブフライト幅以下であるか否かを判定する(S403)。ソリッドベッド幅がサブフライト幅以下である場合(S403,YES)、物理量として算出したせん断発熱量(分割せん断発熱量)と熱流束とを用いて、下記(21)式を解くことによりメルトフィルム52における溶融樹脂の溶融量を算出する(S404)。
Figure 0006550347
この(21)式においては、ΔV:溶融量([m])、qfs:メルトフィルムからソリッドベッドへの熱流束、qss:ソリッドベッド内部への熱流束、W:ソリッドベッド幅、dz:流れ方向メッシュ幅、ρ:樹脂密度、C:樹脂比熱、T:樹脂融点、T:ソリッドベッド温度、H:樹脂融解熱である。なお、溶融量ΔVを時間刻みdtで割ることにより最大流量mが算出できる。したがって、溶融量はmdtとも表すことができる。
溶融量算出後、判定部103は全メッシュを選択したか否かを判定し(S406)、全メッシュを選択していれば(S406,YES)、本フローは終了となり、全メッシュを選択していなければ(S406,NO)、解析部102は溶融量の算出対象として次のメッシュを選択し(S407)、再度S404のサブフライト幅の算出に移行する。一方、ソリッドベッド幅がサブフライト幅以下でない場合(S403,NO)、溶融量分割処理を行い(S405)、ステップS406の全メッシュを選択したか否かを判定する処理へ移行する。以下に、溶融量分割処理についてその詳細を説明する。
溶融量分割処理は、サブフライト33が形成されることによる計算上の矛盾、具体的には、サブフライト33によりソリッドベッド51の幅が強制的に狭められることで、ソリッドベッド高さ(図7に示されるスクリュ3の径外方向Cにおける長さ)がシリンダ高さ(スクリュ軸31の周面からシリンダ1までの高さ)を超えてしまうという計算上の矛盾を回避するための処理である。本実施の形態においては、所定の条件に応じて時間刻みを細かく設定し、仮想的なメッシュの細分化を再現して細かく溶融量を変動させることにより、この矛盾を回避するとともに計算速度の向上を実現している。
図13は、溶融量分割処理を示すフローチャートである。図13に示されるように、先ず、解析部102はソリッドベッド高さを算出する(S501)。現状、ソリッドベッド51はサブフライト33に接した状態であるため、ソリッドベッド高さは、例えばソリッドベッド幅をサブフライト幅で置換し、物理量として算出されているソリッドベッドの密度とスクリュ3軸方向長さ(メッシュの厚み)を一定とすることで算出することができる。
ソリッドベッド高さ算出後、判定部103は、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以下であるか否かを判定し(S502)、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以下である場合(S502,YES)、ソリッドベッド51がサブフライト33により強制的に狭められているが、まだソリッドベッド高さがシリンダ高さを超えていないと判定され、ステップS404と同様の溶融量の算出を行い(S503)、本フローは終了となる。ここでのシリンダ高さは、予め与えられるようにしてもよく、取得したパラメータに含まれるスクリュ溝深さとメインフライトクリアランスとから算出するようにしてもよい。
一方、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以下でない場合(S502,NO)、ソリッドベッド51がサブフライト33により強制的に狭められ、ソリッドベッド高さがシリンダ高さを超えたと判定され、解析部102は、溶融量の算出に用いる時間刻みdtを、ndtnewに設定し(S504)、再度ソリッドベッドの高さを算出する(S505)。ここで設定するdtnewは、dtを分割したもの、即ちdtを所定の値で除したものとすることが好ましい。例えば、dt/10等である。また、ここではn=1である。なお、ソリッドベッド高さは、ステップS501と同様の算出方法で算出するが、サブフライト幅をndtnewに応じて算出する必要がある。サブフライト幅を算出する方法は適宜であるが、例えばメッシュ間のサブフライト幅の変位量を算出し、その変位量のndtnew/dtを直前のメッシュのサブフライト幅に加算して算出する方法がある。
ソリッドベッド高さ算出後、判定部103は、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以下であるか否かを判定し(S506)、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以下でない場合(S506,NO)、時間刻みndtnewを更に分割するため、所定の値で除してndtnew/xとし(S507)、更にn=1として(S508)、再度ステップS506のソリッドベッド高さの算出に移行する。ここでのxの値は、例えば10等である。
一方、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以下である場合(S506,YES)、ステップS404,S503と同様の溶融量の算出を行い(S509)、ndtnewの合計がdtoriginal(ステップS404,S503で用いてきた当初の時間刻みの値)以上であるか否かを判定する(S510)。ここでのndtnewの合計とは、ステップS507のndtnew=ndtnew/xとする処理へ移行していない状態におけるndtnewの合計を意味しており、したがって、ステップS507へ移行する度に、この合計はゼロに初期化される。ndtnewの合計がdtoriginal以上でない場合(S510,NO)、nに1を加算し(S511)、対象のメッシュのソリッドベッド体積から算出した溶融量を減じて(S512)、再度ステップS506のソリッドベッド高さの算出に移行する。一方、ndtnewの合計がdtoriginal以上である場合(S510,YES)、各ndtnewで算出した溶融量を合算し(S513)、本フローは終了となる。
このステップS510〜ステップS513の処理によれば、ソリッドベッド高さがシリンダ高さ以下である状態が維持された状態でnに1を加算して溶融量を算出し続ける、即ち、ndtnewの倍数毎に溶融量を算出し続けることにより、サブフライト幅を徐々に狭めた場合を仮定して溶融量を個別に算出することができるため、時間刻みdtnewがオリジナルの時間刻みdtに達した段階で各溶融量を合算することで精度の高い溶融量の値を得ることができる。
次に、前述した可塑化能力算出処理の詳細を説明する。本実施の形態に係る可塑化能力算出処理は、一般的な非圧縮流動計算に、本実施の形態に係る流動制限を組み込んだものである。図14は、その可塑化能力算出処理を示すフローチャートである。図14に示されるように、先ず、解析部102は、流動計算を一般化した、保存則の基礎方程式である下記(22)式および(23)式に基づいて、仮の速度(メルトフィルム52からメルトプール53へ流れる溶融樹脂の流速)を算出する(S601)。算出後、解析部102は、算出した仮の速度の圧力補正を行うと共に、下記(24)式に基づいて樹脂温度を計算する(S602)。ここで圧力補正された仮の速度を補正速度と称して以後説明を行う。
Figure 0006550347
Figure 0006550347
Figure 0006550347
この(22)式においては、左から、1項目が非定常項、2項目が対流項、3項目が拡散項、4項目が生成項を示している。また、(23)式および(24)式においては、ρ:密度、C:比熱、T:温度、t:時間、q:熱流束、τ:応力、v:速度、P:圧力である。
圧力補正後、判定部103は、流量制限を行う必要があるか否かを判定する(S603)。本実施の形態においては、この判定を、メルトフィルム52とメルトプール53の境界のメッシュにおける補正速度が、物理量算出処理で算出された最大流量に基づいて算出される最大速度(最大流速)を超えるか否かにより判定するようにしている。補正速度が最大速度を超える場合、メルトフィルム52の溶融量よりメルトフィルム52からメルトプール53へ流出する流出量が大きいという矛盾した状態にあると判断され、流量制限を行う必要があると判定される。より具体的には、判定部103は、下記(25)式を用いて最大流量から最大速度を算出し、最大速度<補正速度であるか否かを判定する。
Figure 0006550347
この(25)式においては、vmax:最大速度、m:最大流量、δ:メルトフィルム厚み、Δz:3次元メッシュの長さである。
流量制限を行う必要があると判定された場合(S603,YES)、解析部102は、補正速度を最大速度とし(S604)、上記(23)式、(24)式を用いた収束処理(マスバランス)を実行することにより真の速度を算出する(S605)。算出後、解析部102は、真の速度に基づいてメルトフィルム52とメルトプール53の境界のメッシュの体積を算出し、これに溶融体(溶融樹脂)の密度を乗じることにより第2可塑化能力を算出し(S606)、本フローは終了となる。一方、流量制限を行う必要がないと判定された場合(S603,NO)、補正速度をそのままに、真の速度を算出する処理(S605)に移行する。
以上に説明した可塑化解析処理により算出された解析結果について、その信頼性を図面を用いて簡単に説明する。図15(a)は可塑化解析処理により算出された定常状態の可塑化能力、(b)は実機での実験結果から導き出された定常状態の可塑化能力、(c)はこれらの結果の誤差を示す図である。これらの実験およびシミュレーションの対象樹脂はPP(ポリプロピレン)であり、可塑化能力の単位は[kg/h]、誤差の単位は[%]である。スクリュAとスクリュBは共にサブフライト33が形成されたダブルフライト式の可塑化装置であり、スクリュAが株式会社日本製鋼所製の「M3Dスクリュ」、スクリュBが同じく株式会社日本製鋼所製の「テスト用スクリュ」である。
図15(c)に示されるように、算出結果と実験結果とが10%前後の誤差であった。したがって、本実施の形態に係る可塑化解析処理によれば、非常に高い精度で可塑化能力を算出できることがわかる。
本実施の形態によれば、諸条件を反映した3次元の流動計算から精度良く可塑化能力を算出することができる。特に、溶融量分割処理によれば、仮想的にソリッドベッド高さがシリンダ高さを超えた状態であっても、時間刻みを分割することでソリッドベッド高さがシリンダ高さを超えない状態とした溶融量を算出することができ、精度の高い溶融量を算出することができる。更に、これに基づく流量制限を組み込むことにより、メルトフィルム52とメルトプール53との境界にあるメッシュの流量が、最大流量以下になるように制限することができるため、当該メッシュの流量が最大流量を超えるといった現実に起こりえない事象を防止することができる。したがって、現実に近いより精度の高い可塑化能力を得られ、延いては、高精度の解析結果を得ることができる。更に、分割せん断発熱量に基づいて可塑化能力および各物理量を算出することにより、メルトフィルム52内の溶融樹脂の温度上昇に用いられるせん断発熱量を適切な値にすることができ、上記の効果をより一層高めることが可能となる。これは特にスクリュ動力において顕著である。また、2次元流動計算によりせん断速度分布を算出するようにし、これを物理量の算出に反映しているため、計算精度の向上と共に計算速度の向上を実現できる。
なお、本実施の形態においては、スクリュ特性式を用いて初期可塑化能力を算出するようにしているが、可塑化能力を想定して、入力または格納された所定の値を初期可塑化能力として取得するようにしてもよい。また、物理量算出処理において、ステップS3025の他の物理量算出の処理を2次元流動計算前に行うようにしてもよい。
本発明は、その要旨または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
また、実施の形態にて述べた可塑化シミュレーション装置10における各種ステップを、可塑化シミュレーションプログラムとして、図16に示されるような、コンピュータにより読み取り可能な可搬型の記録媒体8に記憶させ、当該記録媒体8を情報処理装置9に読み込ませることにより、前述した機能を情報処理装置9に実現させることができる。記録媒体8としては、例えば、光ディスク(CD−ROM、DVDディスク等)、磁気ディスク(ハードディスクドライブ等)、フラッシュメモリ、ICカード、更にネットワークを介することで伝送可能な媒体等、コンピュータで読み取りや実行が可能な全ての媒体が含まれる。
なお、特許請求の範囲に記載の可塑化シミュレーション装置は、例えば、前述の実施の形態における可塑化シミュレーション装置10である。情報取得部は例えば取得部101であり、物理量算出部、最大流量算出部、高さ算出部、および可塑化能力算出部は例えば解析部102である。幅判定部および状態判定部は、例えば判定部103である。
1 シリンダ、3 スクリュ、4 射出成形機、10 可塑化シミュレーション装置、33 サブフライト、51 ソリッドベッド、52 メルトフィルム、53 メルトプール、101 取得部、102 解析部、103 判定部。

Claims (5)

  1. バリアフライトスクリュ式の可塑化装置におけるシリンダ内の樹脂材料がソリッドベッド、メルトフィルム、およびメルトプールの何れかの状態にある3ゾーンモデルに基づいて可塑化能力を算出する可塑化シミュレーション装置であって、
    前記樹脂材料の樹脂物性と前記可塑化装置の運転条件とサブフライトの構成データを有する該可塑化装置の構成データとを含むパラメータと、初期可塑化能力を取得する情報取得部と、
    前記初期可塑化能力、前記パラメータ、質量保存の式およびエネルギー保存の式に基づいて、計算上のソリッドベッド高さと溶融量を含む物理量を算出するとともに、該溶融量の算出において、前記計算上のソリッドベッド高さがシリンダ高さ以内にある第1状態では、第1時間刻みを用い、該計算上のソリッドベッド高さがシリンダ高さを超える第2状態では、第1時間刻みを所定の値で除した第2時間刻みを用いる物理量算出部と、
    前記溶融量に基づいて、前記樹脂材料の単位時間当たりの溶融量である最大流量を算出する最大流量算出部と、
    前記パラメータ、前記物理量、および前記最大流量に基づき、3次元流動計算を用いて可塑化能力を算出する可塑化能力算出部と、
    を備えることを特徴とする可塑化シミュレーション装置。
  2. 前記初期可塑化能力、前記パラメータ、前記質量保存の式およびエネルギー保存の式に基づいて、ソリッドベッド幅を算出し、算出された計算上のソリッドベッド幅がサブフライト幅以であるか否かを判定し、計算上のソリッドベッド幅がサブフライト幅以下でないと判定された場合、前記計算上のソリッドベッド高さおよび前記パラメータに基づいて、該計算上のソリッドベッド高さが前記第1状態であるか、前記第2状態であるかを判定する判定部を更に備え、
    計算上のソリッドベッド幅がサブフライト幅以下であると判定された場合、前記物理量算出部は前記溶融量の算出において前記第1時間刻みを用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の可塑化シミュレーション装置。
  3. 前記計算上のソリッドベッド高さが前記第2状態にあると判定された場合、
    前記物理量算出部は、溶融量が算出される度に、計算上のソリッドベッド高さを算出し、
    記判定部は、計算上のソリッドベッド高さが算出される度に、該計算上のソリッドベット高さがシリンダ高さを超えるか否かを判定し、
    前記物理量算出部は、計算上のソリッドベット高さがシリンダ高さを超えると判定された場合、前記第2時間刻みを所定の値で除して第2時間刻みの再設定を行い、再度溶融量を算出する一方、計算上のソリッドベット高さがシリンダ高さを超えないと判定され且つ前記第2時間刻みの値が前記第1時間刻み未満の場合は、前記第2時間刻みに所定の値を乗じて再度溶融量を算出し、計算上のソリッドベット高さがシリンダ高さを超えないと判定され且つ前記第2時間刻みの値が前記第1時間刻み以上の場合は、直近の第2時間刻み再設定後に算出した各溶融量の合計を真の溶融量として算出することを特徴とする請求項2記載の可塑化シミュレーション装置。
  4. バリアフライトスクリュ式の可塑化装置におけるシリンダ内の樹脂材料がソリッドベッド、メルトフィルム、およびメルトプールの何れかの状態にある3ゾーンモデルに基づいて可塑化能力を算出する可塑化シミュレーション装置が実行する可塑化シミュレーション方法であって、
    前記樹脂材料の樹脂物性と前記可塑化装置の運転条件とサブフライトの構成データを有する該可塑化装置の構成データとを含むパラメータと、初期可塑化能力とを取得するステップと、
    前記初期可塑化能力、前記パラメータ、質量保存の式およびエネルギー保存の式に基づいて、計算上のソリッドベッド高さと溶融量を含む物理量を算出するとともに、該溶融量の算出において、前記計算上のソリッドベッド高さがシリンダ高さ以内にある第1状態では、第1時間刻みを用い、該計算上のソリッドベッド高さがシリンダ高さを超える第2状態では、第1時間刻みを所定の値で除した第2時間刻みを用いるステップと、
    前記溶融量に基づいて、前記樹脂材料の単位時間当たりの溶融量である最大流量を算出するステップと、
    前記パラメータ、前記物理量、および前記最大流量に基づき、3次元流動計算を用いて可塑化能力を算出するステップと、
    を有することを特徴とする可塑化シミュレーション方法。
  5. バリアフライトスクリュ式の可塑化装置におけるシリンダ内の樹脂材料がソリッドベッド、メルトフィルム、およびメルトプールの何れかの状態にある3ゾーンモデルに基づいて可塑化能力を算出することをコンピュータに実行させる可塑化シミュレーションプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記樹脂材料の樹脂物性と前記可塑化装置の運転条件とサブフライトの構成データを有する該可塑化装置の構成データとを含むパラメータと、初期可塑化能力とを取得する情報取得部と、
    前記初期可塑化能力、前記パラメータ、質量保存の式およびエネルギー保存の式に基づいて、計算上のソリッドベッド高さと溶融量を含む物理量を算出するとともに、該溶融量の算出において、前記計算上のソリッドベッド高さがシリンダ高さ以内にある第1状態では、第1時間刻みを用い、該計算上のソリッドベッド高さがシリンダ高さを超える第2状態では、第1時間刻みを所定の値で除した第2時間刻みを用いる物理量算出部と、
    前記溶融量に基づいて、前記樹脂材料の単位時間当たりの溶融量である最大流量を算出する最大流量算出部と、
    前記パラメータ、前記物理量、および前記最大流量に基づき、3次元流動計算を用いて可塑化能力を算出する可塑化能力算出部
    として機能させるための可塑化シミュレーションプログラム。
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