JP6549855B2 - 航空機の風防 - Google Patents

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Description

本発明は、航空機の風防、特に風防に備えられたヒータに関する。
航空機の風防は、温度差による曇りの発生や、氷の付着を防ぐためにヒータを備えている(特許文献1)。
特許文献1では、風防パネルに、ITO(Indium Tin Oxide)や、金、銀等による薄膜をヒータとして形成している。電流が供給された薄膜から発せられる熱により、風防の曇りや氷の付着が防止される。
特開2011−225076号公報
航空機の風防、および風防に備えられたヒータは、雷に対する信頼性を備えている必要がある。
風防のフレーム等に着雷した雷の大電流を導体である機体に拡散させるように、雷電流の直撃への対策が講じられているが、雷電流に伴う強い磁場により風防のヒータに流れる誘導電流への対策も必要である。
風防にヒータとして設けられた導電膜や電熱線に誘起された誘導電流がヒータに接続された制御器に流れ込むと、制御器が耐電圧を超えるおそれがある。
外部の磁場による誘導電流の発生を避けるために、一般に電磁シールドが用いられるが、雷電流に伴う強い磁場を遮蔽する程のシールド性を風防に与えながら、風防に必要な視認性を確保することが難しい。
そこで、本発明は、被雷時に風防のヒータに誘起される誘導電流への有効な対策を提供することを目的とする。
第1の本発明は、航空機の風防であって、風防の面内方向に沿って配置されるとともに互いに結線される複数の導電性部材を備えている。
複数の導電性部材は、交流電流が供給されることで発熱するヒータである。
そして、本発明は、雷の電流に伴う磁場により各々に誘起された誘導電流が導電性部材間で循環するように結線されていることを特徴とする。
本発明によれば、雷電流に伴う磁場により誘起された誘導電流が導電性部材間で循環するうちに熱として消費されるので、結線の外部に過大な電流が流れることを抑制することができる。
第1発明において、導電性部材は、3つあり、デルタ結線されて三相交流が供給され、3つの導電性部材は、いずれも風防の面内方向において水平方向に対して交差する方向に延在し、それらの導電性部材がなすデルタ結線内で隣り合う導電性部材同士の一方の上端部と、他方の下端部とが結線されることにより、導電性部材間で誘導電流が循環する経路が形成されるように構成することができる。
導電性部材が風防の面内方向において水平方向に対して交差する方向に延在していると、導電性部材が延在する方向に鉛直方向の成分が含まれている。導電性部材は、延在する方向に電流を流す。
そのため、多くの場合上方から下方に向けて流れる雷電流の周りに生じた磁場により、複数の導電性部材の各々に、それらの延在方向に沿って誘導電流が流れる。誘導電流は、磁場の磁束の変化を妨げる向きに流れるので、磁束が増加する際には、導電性部材のいずれにも下から上に向かう誘導電流が誘起され、磁束が減少する際には、導電性部材のいずれにも上から下に向かう誘導電流が誘起される。
そうすると、複数の導電性部材のうちデルタ結線内で隣り合うもの同士の上端と下端とを結線することにより、誘導電流を導電性部材間で循環させることができる。
また、第1発明において、導電性部材は、2つあり、単相交流または直流が供給され、2つの導電性部材は、いずれも風防の面内方向において水平方向に対して交差する方向に延在し、それらの一方の上端部と、他方の下端部とが結線されることにより、導電性部材間で循環する経路が形成されているように構成することもできる。
その場合も、導電性部材が風防の面内方向において水平方向に対して交差する方向に延在しているとともに、複数の導電性部材のうち結線内で隣り合うもの同士の上端と下端とが結線されていることにより、誘導電流を導電性部材間で循環させることができる。
第2の本発明は、航空機の風防であって、風防の面内方向に沿って配置されるとともに互いに結線される複数の導電性部材を備えている。
複数の導電性部材は、交流電流が供給されることで発熱するヒータである。
そして、本発明は、雷の電流に伴う磁場により各々に誘起された誘導電流が相殺されるように結線されていることを特徴とする。
本発明によれば、雷電流に伴う磁場により誘起された誘導電流が相殺されるので、結線の外部に過大な電流が流れることを抑制することができる。
第2発明において、導電性部材は、3つあり、スター結線されて三相交流が供給され、3つの導電性部材は、いずれも風防の面内方向において水平方向に対して交差する方向に延在し、それらの導電性部材の各々の上端部が中性点で結線されていることで誘導電流が相殺されるように構成することができる。
導電性部材が延在する方向には鉛直方向の成分が含まれており、導電性部材は、延在する方向に電流を流す。そのため、多くの場合上方から下方に向けて流れる雷電流の周りに生じた磁場により、導電性部材のいずれにも、磁束の増加時に下から上に向けて誘導電流が誘起される。
そうすると、3つの導電性部材の各々の上端部同士をスター結線の中性点で結線することにより、誘導電流を相殺させることができる。
また、第2発明において、導電性部材は、2つあり、単相交流または直流が供給され、2つの導電性部材は、いずれも風防の面内方向において水平方向に対して交差する方向に延在し、それらの導電性部材の各々の上端部が結線されていることで誘導電流が相殺されるように構成することができる。
その場合も、導電性部材が風防の面内方向において水平方向に対して交差する方向に延在しているとともに、2つの導電性部材の各々の上端同士が結線されていることにより、誘導電流を相殺させることができる。
第1発明および第2発明において、風防の厚み方向において互いに異なる位置に複数の導電性部材を配置することができる。
本発明における導電性部材は、風防の面内方向に倣った面状の部材として構成することも、風防の面内方向に配線される線状の部材として構成することもできる。
導電性部材が面状の部材として構成されている場合は、導電性を有する支持用部材を介して機体に風防の周縁部を支持し、複数の導電層のうち、風防の面内方向に含まれる横方向において相対的に支持用部材の近くに位置するものに対して、他よりも狭い幅を与えることができる。
導電層の幅は、導電層の延在方向に対して直交する方向の導電層の寸法をいうものとする。
本発明に係る別の風防は、風防の面内方向に沿って配置されるとともに互いに結線される3つの導電性部材を備え、3つの導電性部材は、交流電流が供給されることで発熱するヒータであり、風防の平面領域を逆さY字状のギャップにより3つに区画した領域にそれぞれ配置され、雷の電流に伴う磁場により風防の横幅方向の一端側および他端側のそれぞれに誘導電流が誘起され、3つの導電性部材のうち下端に位置する第1導電性部材から、第1導電性部材よりも風防の一端側に位置する第2導電性部材に向けて誘起される誘導電流と、第1導電性部材から、第1導電性部材よりも風防の他端側に位置する第3導電性部材に向けて誘起される誘導電流とが、第2導電性部材および第3導電性部材が結線されていることで相殺されることを特徴とする。
本発明の航空機は、上述の風防を備えることを特徴とする。
本発明によれば、雷電流に伴う強い磁場により風防の導電性部材に誘導電流が流れたとしても、導電性部材の結線の外部に過大な電流が流れることを抑制することができる。
そのため、導電性部材に接続された制御器等が損傷するのを回避して信頼性を確保することができる。
本発明は、誘導電流を循環または相殺させることにより制御器等の損傷を回避できている。また、電磁シールドにより導電性部材を覆う必要がないため、風防に要求される視認性を十分に確保することができる。
本発明の第1実施形態に係る航空機の風防の外観を示す図である。 図1に示す風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。 図2に対応する結線図である。 比較例に係る風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。 図4に対応する結線図である。 (a)および(b)は、被雷時に導電層に誘導電流が流れることを説明するための模式図である。 3つの導電層の間で誘導電流が循環することを説明するための模式図である。 (a)は、第1実施形態の変形例に係る風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。(b)は結線図である。 (a)は、第2実施形態に係る風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。(b)は結線図である。 第2実施形態の変形例に係る風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。 第3実施形態に係る風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。 第3実施形態の変形例に係る風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。 第4実施形態に係る風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。 第4実施形態に係る風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。 本発明の変形例に係る風防および防氷・防曇装置を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示す航空機1は、機首1Aの前端に、風防10と、風防10の曇りや氷の付着を防止する防氷・防曇装置20とを備えている。
風防10には、操縦室内から前方への視界を確保するメインの風防10A,10Aと、操縦室内から側方への視界を確保するサイドの風防10B,10Bとがある。これらの風防10A,10A,10B,10Bは左右対称に配置されている。
以下、風防10A,10A,10B,10Bを総称して風防10と称する。
風防10は、ガラスやアクリル系樹脂等から形成された複数の透明な風防パネル11を備えた積層体である。
積層体には、衝撃を緩衝する層や、防氷・防曇装置20を構成するヒータ(図2の導電層21,22,23)が含まれている。
風防10は、風防10が設置される機体の形状に倣って湾曲している。
風防10は、機外側の面を斜め上方に向けて、リテーナ12により機体に支持されている。
リテーナ12は風防パネル11の外周部と機体の開口の内周部とに沿って配置されている。
リテーナ12は、アルミニウム合金等の金属材料から形成されており、直接、あるいはファスナ等を介して機体に接地されている。
防氷・防曇装置20は、外気と操縦室内の空気との温度差による風防10の曇り、そして外気に接触する風防10の外表面への霜や氷の付着を防止あるいは抑制する。
防氷・防曇装置20は、図2に示すように、導電層21,22,23と、導電層21,22,23に電流を印加する制御器24とを備えている。
図2には、形状を簡略化した風防10を示している。
風防10の湾曲した面内方向に倣って、3つの帯状の導電層21,22,23が配置されている。導電層21,22,23は相互に独立している。
導電層21,22,23は、制御器24により印加される三相交流に対応しており、電流が供給されることで発熱し、ヒータとして機能する。
導電層21,22,23は、風防10A,10A,10B,10Bの各々に備えられている。
本実施形態の導電層21,22,23は、デルタ結線されている。
図2と、導電層21,22,23の結線図である図3において、デルタ結線が形成する環状の経路における導電層21,22間の区間を実線で示し、導電層22,23間の区間を一点鎖線で示し、導電層23,21間の区間を二点鎖線で示している。導電層21,22,23は制御器24に接続されている。
導電層21,22,23は、ITO(Indium Tin Oxide)や金、銀等の透明な薄膜である。風防パネル11に導電層21,22,23を蒸着することができる。あるいは、導電層21,22,23を形成した基材フィルムを風防パネル11同士の間に介装することができる。
これらの導電層21,22,23は、風防10の厚み方向における適宜な位置に設けることができる。例えば、風防10が、風防パネル11として機外側に配置されるアウターパネルと、機内側に配置されるインナーパネルとを備えている場合は、アウターパネルの機内側の面や、インナーパネルの機外側の面などに導電層21,22,23を設けることができる。
導電層21,22,23はいずれも、縦方向DV(図2)に沿って電流を流す回路として設計されている。導電層21,22,23は、横方向DHに所定の間隔をおいて配列されている。
横方向DHは、風防10の面内方向に含まれる水平な方向である。
縦方向DVは、風防10の面内方向において横方向DHに対して直交する。
導電層21,22,23は、風防10の平面領域を3等分した領域のそれぞれに配置されている。
導電層21,22,23はいずれも縦方向DVに沿って延在している。
導電層21,22,23が延在している方向が縦方向DVであることは、駐機しているまたは巡航している航空機1の姿勢を基準として規定される。
導電層21,22,23は、風防パネル11の外周部に沿って配置されるリテーナ12や機体に対して絶縁されている。
本実施形態の導電層21,22,23は、図2に示される矩形状に限らず、風防10の形状を考慮して、それぞれの誘導電流が均等になるように、適宜な形態に定めることができる。
結線された導電層21,22,23は、図2に示すように、電線251,252,253により制御器24に接続されている。電線251は、導電層21,22間の区間26AにおけるA点に接続され、電線252は、導電層22,23間の区間26BにおけるB点に接続され、電線253は、導電層23,21間の区間26CにおけるC点に接続されている。
電線251,252,253は、リテーナ12の内側や機体の内側等、雷に伴う磁場の影響が少ない領域に配線されている。
以下では、図3に、導電層21,22,23、区間26A,26B,26C、およびA点、B点、C点を含んで200で示す線により囲まれた範囲を導電層21,22,23がなすデルタ結線の範囲とする。A点、B点、C点よりも外側に位置する電線251,252,253の各々の区間や制御器24は、結線の外部に該当する。
制御器24は、航空機1に搭載された電源ラインから受け取る電力により、導電層21,22,23に駆動電流を印加する。
制御器24は、印加する駆動電流の周波数や電圧を変化させることで導電層21,22,23の発熱量を制御することができる。
さて、風防10および防氷・防曇装置20は、雷に対する信頼性を備えている必要がある。
雷の電流は、風防10が備えているリテーナ12(図6(b))や図示しないワイパー等の金属部材に着雷し、リテーナ12等の金属部材が接地されている機体へと拡散される。そのため、雷の大電流による衝撃や熱により風防10が破損することを回避できている。
それに加え、雷電流の周りに生じる強い磁場により導電層21,22,23に誘起された誘導電流が電線251,252,253を通じて制御器24に流れ込むといったことも回避する必要がある。
ここで、導電層21,22,23には、制御器24と比べて大きな電流が流れることが可能である。そのため、本実施形態では、雷電流に伴う磁場により誘起される誘導電流を導電層21,22,23の間で循環させるように配線しているので、導電層21,22,23を含むデルタ結線の外部に大きな電流が流れ出ることを抑制している。誘導電流は最終的に熱として消費される。以下、説明する。
まず、本実施形態に対する比較例として、導電層21,22,23の典型的な配線形態(図4)について説明する。
図4に示す風防8が備えた導電層81,82,83は、本実施形態の導電層21,22,23と同様に、縦方向DVに沿って延在し、横方向DHに配列されていて、かつ、デルタ結線されているが、デルタ結線の配線の形態が本実施形態(図2)とは相違している。
図4と、導電層81,82,83の結線図である図5において、デルタ結線が形成する環状の経路における導電層81,82間の区間を実線で示し、導電層82,83間の区間を一点鎖線で示し、導電層83,81間の区間を二点鎖線で示している。
導電層81,82間の区間86Aは、導電層81,82の上端同士を結んでいる。
導電層82,83間の区間86Bは、導電層82,83の下端同士を結んでいる。
導電層83,81間の区間86Cは、導電層83の上端と導電層81の下端とを結んでいる。
図6を参照し、雷電流に伴う磁場により風防8の導電層81,82,83に流れる誘導電流について説明する。
航空機1は、それよりも上方に存在する雷雲との間で生じる雷により被雷する確率が高いので、鉛直方向D0の上方から下方に向けて流れる雷電流Iにより雷をモデル化する(図6(a))。
雷電流Iの周りには、アンペールの法則(右ねじの法則)により磁束密度Bで磁場Hが生じる。磁場Hの磁束101は、雷電流Iを中心として同心円状に形成される。その磁束101から形成された波面100は雷電流Iと直交している。
風防10のリテーナ12(図2)等への着雷により磁場Hが生じると、磁場Hの磁束101が貫く導体(導電層81,82,83)に磁束101の変化に比例した誘導起電力が生じて誘導電流IIDが流れる(ファラデーの電磁誘導の法則)。誘導電流IIDは、磁束101の変化を妨げる向きに流れる(レンツの法則)。
導電層81,82,83が延在する縦方向DVには鉛直方向D0の成分が含まれているので、誘導電流IIDに直交する波面103上に形成される磁束102に、磁束101の変化を妨げる向きが含まれている。したがって、磁束101の変化を妨げる向きに誘導電流IIDが流れる。
例えば、着雷により磁束101が増加するときは、磁束101を打ち消す向きに磁束102を発生させるように下から上に向けて、図6(b)に白抜きの矢印で示す向きで導電層81,82,83に誘導電流IIDが流れる。このとき誘導電流IIDの周りに生じる磁場H´の磁束102は、誘導電流IIDに対して直交する波面103上で誘導電流IIDを中心に形成される。
機体への雷電流Iの拡散により磁場Hが減少するときは、磁束101と同じ向きに磁束102を発生させるように上から下に向けて、導電層81,82,83に誘導電流IIDが流れる。
導電層81,82,83に流れる誘導電流IIDを図5にも白抜き矢印で示している。
図5に示すように、導電層81に誘起された誘導電流IIDは、導電層81,82間のA点に向けて流れる。導電層82に誘起された誘導電流IIDも、同様にA点に向けて流れる。また、導電層83に誘起された誘導電流IIDは導電層81,83間のC点に向けて流れる。
そうすると、電気回路の任意の節点において流入する電流の総和は0になる(つまり、任意の節点において流入する電流と流出する電流とが等しい)ことに基づいて、導電層81および導電層82の双方からA点に流入した誘導電流が、A点から電線251を通じて制御器24側へと流出する。同様に、導電層82を流れる誘導電流IIDと導電層83を流れる誘導電流IIDの分だけ制御器24側から電線252を通じて電流が流入する。C点においては、導電層83を流れる誘導電流IIDと導電層81を流れる誘導電流IIDとが均衡していれば、制御器24側に対する電流の出入りがない。
次に、本実施形態の導電層21,22,23について説明する。
本実施形態では、導電層21,22,23がなすデルタ結線内(図3の範囲200)において隣り合うもの同士(導電層21,22、導電層22,23、導電層23,21)の一方の上端と他方の下端とを結線している。
図2に示すように、導電層21,22間の区間26Aは、導電層21の上端と、導電層22の下端とを結んでいる。
導電層22,23間の区間26Bは、導電層22の上端と、導電層23の下端とを結んでいる。
導電層23,21間の区間26Cは、導電層23の上端と導電層21の下端とを結んでいる。
本実施形態の導電層21,22,23は、上述の導電層81,82,83と同様に縦方向DVに沿って配向されているので、風防10のリテーナ12等への着雷により生じた磁場Hに置かれると、導電層81,82,83と同様に、図7に白抜きの矢印で示す向きに誘導電流IIDが流れる。
導電層21,22,23に流れる誘導電流IIDを図3にも白抜き矢印で示している。
図3に示すように、導電層21に誘起された誘導電流IIDは、C点からA点に向けて流れる。導電層22に誘起された誘導電流IIDは、A点からB点に向けて流れる。そして、導電層23に誘起された誘導電流IIDは、B点からC点に向けて流れる。
つまり、A点、B点、およびC点の各々において、誘導電流IIDが流入かつ流出することとなる。
上述の導電層81,82,83の例(図5)では、A点において、2つの導電層81,82を流れる誘導電流IIDを足し合わせた分の電流がA点よりも外側の電線251の区間に流出し、B点において、2つの導電層82,83を流れる誘導電流IIDを足し合わせた分の電流がB点よりも外側の電線252の区間から流入する。
それに対して、本実施形態では、A点、B点、およびC点において、流入する誘導電流IIDと流出する誘導電流IIDとが均衡していれば、A点、B点、およびC点よりも外側で電流が流れない。流入する誘導電流IIDと流出する誘導電流IIDとに差がある節点(A点、B点、C点)では、電流差の分だけの電流が当該節点で出入りするに留まり、A点、B点、およびC点よりも外側で過大な電流が流れない。
したがって、導電層21,22,23を含むデルタ結線の経路の外部に対して電流の出入りが抑制された状態で、図3および図7に破線の矢印で示すように、導電層21からA点を経て導電層22へと、そしてB点を経て導電層23へと、さらにC点を経て導電層21へと、誘導電流IIDが導電層21,22,23の間で循環する。誘導電流IIDは、導電層21,22,23が結線された環状の経路を流れるうち、熱に変換されて減衰する。
磁場Hが減少するときは、図3および図7に白抜き矢印で示す向きとは逆向きに、誘導電流IIDが流れる。そして、破線の矢印で示す向きとは逆向きの循環経路を誘導電流IIDが循環し、熱として消費される。
本実施形態によれば、雷電流Iに伴う強い磁場Hにより誘導電流IIDが導電層21,22,23に誘起されたとしても、導電層21,22,23間で循環させることにより誘導電流IIDのエネルギを消費することができ、導電層21,22,23を含むデルタ結線の外部で流れる電流を低減することができる。図2に示すように、誘導電流IIDが電線251,252,253を通じ、想定しないノイズ106として制御器24に流れ込んだとしても、そのノイズ106は、比較例(図3)におけるノイズ106と比べて十分に低減されている。
本実施形態によれば、被雷時に流れた誘導電流によりデルタ結線の外部で電線251,252,253が焼損したり、耐電圧を超えることで制御器24が破損するといったことを未然に防止できるので、被雷に対する風防10および防氷・防曇装置20の信頼性を十分に確保することができる。
〔第1実施形態の変形例〕
図8(a)に示す変形例に係る風防10は、ヒータとしての2つの導電層21,22を備えている。
導電層21,22はいずれも、縦方向DVに沿って電流を流す回路として設計されている。導電層21,22は、横方向DHに所定の間隔をおいて配列されている。
導電層21,22は、風防10の平面領域を2等分した領域のそれぞれに配置されている。
導電層21,22は、環状に結線されており、制御器24により単相交流または直流が供給される。
本例においても、第1実施形態と同様に、導電層21,22の間で誘導電流IIDが循環するように導電層21,22を結線している。
図8(a)と、導電層21,22の結線図である図8(b)において、導電層21の上端と導電層22の下端とを結ぶ区間27Aを実線で示し、導電層22の上端と導電層21の下端とを結ぶ区間27Bを一点鎖線で示している。
着雷により生じた磁場H(図6(a))に導電層21,22が置かれると、図8(a)および(b)に白抜きの矢印で示すように、下から上に向けて誘導電流IIDが流れる。
図8(b)に示すように、導電層21に誘起された誘導電流IIDは、区間27Bに位置するB点から区間27Aに位置するA点に向けて流れる。
一方、導電層22に誘起された誘導電流IIDは、A点からB点に向けて流れる。
つまり、A点およびB点の各々において、誘導電流が流入かつ流出するため、A点およびB点よりも制御器24側において過大な電流が流れない。
したがって、導電層21,22を含む環状の経路の外部に対して電流の出入りが抑制された状態で、図8(b)に破線の矢印で示すように、誘導電流IIDが導電層21,22の間で循環し、熱として消費される。
その結果、上記の第1実施形態と同様に、環状経路の外側に位置する電線251,252の区間や制御器24、さらには制御器24よりも上流側へと誘導電流IIDが及ぼす影響を低減することができる。
〔第2実施形態〕
次に、図9を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態以降では、第1実施形態とは相違する事項を中心に説明する。
第2実施形態では、導電層21,22,23のそれぞれに誘起された誘導電流IIDを互いに相殺させる。
図9(a)に示す第3実施形態の風防30は、第1実施形態と同様に縦方向DVに沿って延在する導電層21,22,23を備えている。導電層21,22,23の各々の上端は中性点20Yでスター結線されている。
着雷により生じた磁場Hに、導電層21,22,23が置かれると、導電層21,22,23には、図9(a)に白抜きの矢印で示すように、下から上へと誘導電流IIDが誘起される。すると、図9(a)と、結線図である図9(b)に示すように、導電層21,22,23のそれぞれに誘起された誘導電流IIDが、互いに相殺され、導電層21,22,23の各々における下端に接続された電線251,252,253に誘導電流IIDが流れることが抑制されるので、電線251,252,253や制御器24等に誘導電流IIDが及ぼす影響を低減することができる。
〔第2実施形態の変形例〕
図10に示す変形例に係る風防30は、ヒータとしての2つの導電層21,22を備えている。
導電層21,22は、風防30の平面領域を2等分した領域のそれぞれに配置されている。
導電層21,22は、上端同士が結線されており、単相交流または直流が供給される。
着雷により生じた磁場Hに、縦方向DVに沿って延在する導電層21,22が置かれると、導電層21,22には、図10に白抜きの矢印で示すように誘導電流IIDが下から上に向けて誘起される。すると、導電層21を流れる誘導電流IIDと、導電層22を流れる誘導電流IIDとが互いに相殺されるので(破線の矢印参照)、導電層21,22の下端に接続された電線251,252や制御器24等に誘導電流IIDが及ぼす影響を低減することができる。
〔第3実施形態〕
次に、図11を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、風防30の複数の導電層のそれぞれに誘起された誘導電流IIDを導電層間で十分に相殺するために、導電層の面積の比率を磁場の強度分布に基づいて定めている。
図11には、隣り合うメインの2つの風防30,30を示している。風防30の周縁部は、金属製のリテーナ12により機体に支持されている。また、風防30,30の間には、図示しない金属製のワイパーが設けられている。
風防30は、ヒータとして4つの導電層31,32,33,34を備えている。導電層31〜34はいずれも縦方向DVに沿って延在し、横方向DHに配列されている。
導電層31〜34は、風防30の横幅の中心に対して左右対称に配置されている。
導電層31,32は、風防30の横幅方向の一端側の領域に配置されている。
図11の例でいうと、導電層31,32は、左に図示された風防30の右側の領域と、右に図示された風防30の左側の領域とにそれぞれ配置されている。
導電層31,32の各々の表面抵抗率は同等である。
一方、導電層33,34は、風防30の横幅方向の他端側の領域に配置されている。
図11の例でいうと、導電層33,34は、左に図示された風防30の左側の領域と、右に図示された風防30の右側の領域とにそれぞれ配置されている。
導電層33,34の各々の表面抵抗率は同等である。
導電層31,32の各々の上端は配線281により結線されており、導電層31,32の各々の下端は電線251,252を介して図示しない制御器に接続されている。制御器24により導電層31,32に単相交流または直流が供給される。
導電層33,34は、配線282により上端が結線されており、電線253,254を介して下端に接続された図示しない制御器により単相交流または直流が供給される。
雷は、金属製のリテーナ12やワイパーに到達(着雷)する確率が高い。特に、リテーナ12の縦の辺およびワイパーが位置している風防30の縦方向DVの周縁部301の付近に着雷する確率が高い。
図11に示すように風防30の周縁部301に雷電流Iが着雷した場合、雷電流Iの周りに、波面100により示される磁場Hが生じる。磁場Hの強度(磁界強度)は、波面100の中心に近いほど高く、中心から離れるにつれて低くなるように分布している。
導電層31が隣接する風防30の縦方向DVの周縁部301の付近に着雷すると、導電層31には、周縁部301に近いため導電層32と比べて高い強度の磁場が作用する。
これに基づいて、本実施形態では、導電層31の幅を導電層32の幅と比べて狭くしている。そうすると、導電層31,32の断面積の違いに基づいて、導電層31の電気抵抗は相対的に大きく、導電層32の電気抵抗は相対的に小さいので、導電層31,32をそれぞれ流れる誘導電流IIDを均衡させることができる。それによって、誘導電流IIDを十分に相殺することができる。
また、導電層34が隣接する風防30の縦方向DVの周縁部302の付近に着雷したときに備え、周縁部302に近いため導電層33と比べて大きな磁場が作用する導電層34の幅を導電層33の幅と比べて狭くしている。そのため、やはり、導電層33を流れる誘導電流IIDと、導電層34を流れる誘導電流IIDとを均衡させ、両者を十分に相殺することができる。
〔第3実施形態の変形例〕
第3実施形態は、三相交流が供給されるヒータに適用することもできる。
図12に示す風防30は、ヒータとして6つの導電層31〜36を備えている。導電層31〜36はいずれも縦方向DVに沿って延在している。
導電層31〜33は風防30の向かって左側の領域に、導電層34〜36は風防30の向かって右側の領域に配置されている。導電層31〜36は、風防30の横幅の中心に対して左右対称に配置されている。
導電層31〜33は各々の上端でスター結線されている。導電層31〜33の各々の下端に接続された電線251〜253を介して図示しない制御器により導電層31〜33に三相交流が供給される。
導電層33〜36も同様にスター結線されて三相交流が供給される。
導電層31〜33および導電層34〜36には、上述した磁界強度の分布に基づいて、着雷する確率が高い風防30の縦方向DVの周縁部301または周縁部302に近いほど狭い幅を与える。
例えば、周縁部301の付近に着雷した際には、導電層31〜33のうち導電層31で最も大きな磁界が作用し、導電層31、導電層32、導電層33の順に、作用する磁界強度が小さくなる。その磁界強度と反比例するように、周縁部301から遠ざかるほど広い幅を導電層31、導電層32、導電層33の各々に設定している。
同様に、周縁部302の付近に着雷した際には、導電層34〜36のうち導電層36で最も大きな磁界が作用し、導電層36、導電層35、導電層34の順に磁界強度が小さくなるので、周縁部302から遠ざかるほど広い幅を導電層36、導電層35、導電層34の各々に設定している。
上記のように構成することにより、導電層31〜33の間で誘導電流IIDを均衡させて十分に相殺し、導電層34〜36の間で誘導電流IIDを均衡させて十分に相殺することができる。
〔第4実施形態〕
次に、図13を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態に係る風防40は、積層体の異なる層として2つの導電層41,42を備えている。
導電層41,42はいずれも、風防40の平面領域のほぼ全体に亘り配置されている。導電層41,42は、配線28により上端で結線されており、各々の下端に接続された電線251,252を介して接続された制御器24により単相交流または直流が供給される。
これらの導電層41,42は、風防40の面内方向において同じ領域に配置されているので、磁場Hにより導電層41,42の各々に作用する磁界強度の分布がほぼ等しいか、磁界強度分布に差があったとしてもその差が小さい。そのため、導電層41に誘起される誘導電流IIDと導電層42に誘起される誘導電流IID(一点鎖線で示す)とを均衡させて十分に相殺することができる。
本実施形態によれば、第3実施形態のように各導電層の幅を考慮する必要がない。
〔第4実施形態の変形例〕
図示を省略するが、風防40は、積層体の互いに異なる層として、三相交流が供給される3つの導電層を備えていてもよい。それらの導電層の各々の上端は中性点20Yで結線される。
そうした3つの導電層の各々を流れる誘導電流IIDを均衡させて十分に相殺させることができる。
図13に示すように風防40の厚み方向の異なる位置にそれぞれ複数の導電層が配置された構成は、第1実施形態と同様に誘導電流IIDを循環させる構成にも適用することができる。
つまり、風防40の厚み方向の互いに異なる位置に配置された3つの導電層に関し、第1実施形態の導電層21〜23と同様に、デルタ結線内で隣り合うもの同士の一方の上端と他方の下端とを結線することにより、3つの導電層の各々に誘起された誘導電流IIDを相殺することができる。
〔第5実施形態〕
図14に示す第5実施形態に係る風防50は、ヒータとしての3つの導電層51,52,53を備えている。
導電層51,52,53は、デルタ結線されており、三相交流が供給される。
導電層51,52,53は、風防50の平面領域を逆さY字状のギャップ40Gにより3つに区画した領域のそれぞれに配置されている。導電層51,52,53は、風防50の横幅の中心に対して左右対称に形成されている。
本実施形態における「左」および「右」は、図14の紙面における左および右に従う。
導電層51は、略三角状に形成されて風防50の下側に配置されている。
導電層52は、導電層51よりも上方で、左側に配置されている。
導電層53は、導電層51よりも上方で、右側に配置されている。
導電層51と導電層52とは、縦方向DVに沿った配線29Aにより結線されている。配線29Aは、導電層51において左端部に接続されている。
導電層51と導電層53とは、縦方向DVに沿った配線29Bにより結線されている。配線29Bは、導電層51において右端部に接続されている。
導電層52と導電層53とは、横方向DHに沿った配線29Cにより結線されている。配線29Cは、導電層52,53の各々の上端に接続されている。
着雷により生じた磁場Hにより、図14に白抜きの矢印で示すように、二つの誘導電流IIDが誘起される。
すると、左側に誘起された誘導電流IIDと、右側に誘起された誘導電流IIDとが、互いに電位が同じために相殺される。
したがって、導電層51の下端における左側および右側に接続された電線251,252や、配線29Cに接続された電線253、制御器24等に誘導電流IIDが及ぼす影響を低減することができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
上記各実施形態の風防が備える導電層は、縦方向DVに沿って延在しているが、縦方向DVに対して傾斜した方向に沿って導電層が延在していてもよい。その場合でも、導電層が延在する方向に、航空機に落雷する雷電流の向きとしてみなせる鉛直方向D0の成分が含まれているため、電磁誘導により導電層に誘導電流が流れる。そのため、上記各実施形態で説明したように誘導電流を循環させたり相殺させたりして、導電層の上流側(導電層に交流電流を供給する側)への影響を低減することができる。
また、上記各実施形態において、導電層の代わりに、電熱線を採用することもできる。
図15に、電熱線を採用した風防の一例を示す。
風防60は、風防60の面内方向に配線される電熱線61,62,63をヒータとして備えている。
電熱線61,62,63は、風防パネル11に埋め込んだり、風防パネル11同士の間に挟み込むことで、風防60に備えられている。
電熱線61,62,63は、制御器24により印加される三相交流に対応しており、第1実施形態の導電層21,22,23と同様に、誘導電流IIDが循環するようにデルタ結線されている。
電熱線61,62,63はいずれも、縦方向DVに沿って延在するループ状に配線されており、風防10の横方向DHに配列されている。
着雷により流れた誘導電流IIDは、電熱線61,62,63の間で循環するうち、熱として消費されるので、誘導電流IIDによる電熱線61,62,63の結線の外部への影響を低減することができる。
1 航空機
1A 機首
10.10A,10B 風防
11 風防パネル
12 リテーナ(支持用部材)
20 防氷・防曇装置
20Y 中性点
21〜23 導電層(導電性部材)
24 制御器
251〜254 電線
26A,26B,26C 区間
28 配線
29A,29B,29C 配線
30 風防
31〜36 導電層(導電性部材)
40 風防
40G ギャップ
41,42 導電層(導電性部材)
50 風防
51,52,53 導電層(導電性部材)
60 風防
61,62,63 電熱線
81,82,83 導電層
86A,86B,86C 区間
100 波面
101 磁束
102 磁束
103 波面
106 ノイズ
301 周縁部
302 周縁部
D0 鉛直方向
DH 横方向
DV 縦方向
H 磁場
ID 誘導電流
雷電流

Claims (7)

  1. 航空機の風防であって、
    前記風防の面内方向に沿って配置されるとともに互いに結線される複数の導電性部材を備え、
    複数の前記導電性部材は、
    交流電流が供給されることで発熱するヒータであり、
    雷の電流に伴う磁場により各々に誘起された誘導電流が前記導電性部材間で循環するように結線されているとともに、
    前記導電性部材は、
    3つあり、デルタ結線されて三相交流が供給され、
    3つの前記導電性部材は、
    いずれも前記風防の前記面内方向において水平方向に対して交差する方向に延在し、
    それらの前記導電性部材がなすデルタ結線内で隣り合う前記導電性部材同士の一方の上端部と、他方の下端部とが結線されることにより、前記導電性部材間で前記誘導電流が循環する経路が形成されている、
    ことを特徴とする航空機の風防。
  2. 航空機の風防であって、
    前記風防の面内方向に沿って配置されるとともに互いに結線される複数の導電性部材を備え、
    複数の前記導電性部材は、
    交流電流が供給されることで発熱するヒータであり、
    雷の電流に伴う磁場により各々に誘起された誘導電流が前記導電性部材間で循環するように結線されているとともに、
    前記導電性部材は、
    2つあり、単相交流または直流が供給され、
    2つの前記導電性部材は、
    いずれも前記風防の前記面内方向において水平方向に対して交差する方向に延在し、
    それらの一方の上端部と、他方の下端部とが結線されることにより、前記導電性部材間で循環する経路が形成されている、
    ことを特徴とする航空機の風防。
  3. 複数の前記導電性部材は、
    前記風防の厚み方向において互いに異なる位置に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の航空機の風防。
  4. 複数の前記導電性部材の各々は、
    前記面内方向に配線される線状の部材である、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の航空機の風防。
  5. 複数の前記導電性部材の各々は、
    前記面内方向に倣った面状の導電層である、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の航空機の風防。
  6. 前記風防の周縁部は、
    導電性を有する支持用部材を介して機体に支持され、
    複数の前記導電層のうち、
    前記風防の面内方向に含まれる横方向において相対的に前記支持用部材の近くに位置するものは、他よりも狭い幅が与えられている、
    ことを特徴とする請求項に記載の航空機の風防。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載の風防を備える、
    ことを特徴とする航空機。
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