JP6548927B2 - 熱交換器および液化ガス蒸発器 - Google Patents

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Description

この発明は、熱交換器および液化ガス蒸発器に関し、特に、第1流体と第2流体との間で熱交換を行う熱交換器および液化ガス蒸発器に関する。
従来、第1流体と第2流体との間で熱交換を行う液化ガス蒸発器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、二重管構造の伝熱管を備えたオープンラック型の液化ガス蒸発器が開示されている。この液化ガス蒸発器では、第1流体として液化ガス、第2流体として海水などの熱媒が用いられる。伝熱管は、二重管の内管に極低温の液化ガスを導入し、内管の一端側の開放端から外管(内管と外管との間の通路)へと液化ガスを折り返し、外管の他端側から導出させるように構成されている。熱媒(海水)は、散水トラフから伝熱管(外管)の外側にかけ流される。液化ガスは、外管を流通する際に熱媒と熱交換することにより蒸発して、気相状態で伝熱管(外管)から導出される。また、内管を通過する液化ガスと外管を通過する液化ガスとが熱交換することにより、液化ガスが外管に到達する際の液化ガスと熱媒との温度差が低減され、外管表面における熱媒(海水)の氷結が抑制される。
特開平5−332499号公報
しかしながら、上記特許文献1の液化ガス蒸発器では、伝熱管に熱媒(第2流体)をかけ流すオープンラック型の構造を有しているため、装置が大型化してしまうという問題点がある。また、熱媒(第2流体)が外部に開放された状態で供給されるため、たとえば船舶、車両、飛行機などの移動体へ液化ガス蒸発器を搭載する場合などに搭載が困難になるという問題点がある。
一方、たとえばプレートフィン型などの層状の流路を有する積層構造の熱交換器であれば、小型で、かつ、非開放の流路構成を実現できる。しかし、上記特許文献1のように第1流体(液化ガス)と第2流体(海水)との温度差が大きい場合、積層構造の熱交換器では隣接する流路間での温度差が大きくなりすぎるという問題点が発生する。
すなわち、積層構造の熱交換器を液化ガス蒸発器に用いる場合、極低温の第1流体と熱媒となる第2流体との熱交換の結果、第2流体の氷結によって第2流体側の流路が閉塞される場合がある。また、たとえば高温の第1流体によって第2流体を蒸発または昇温させる場合、温度差に起因して隣接する流路層間に大きな熱応力が発生してしまい、小型化が困難になる。したがって、温度差が大きい流体間の熱交換には、積層構造の熱交換器を用いることが困難である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、小型で、かつ、隣接する流路層間の温度差が大きくなりすぎることを抑制可能な積層型の熱交換器および液化ガス蒸発器を提供することである。
上記目的を達成するために、第1の発明による熱交換器は、コルゲートフィンを有する平面状の流路層が複数積層された積層構造を有し、第1流体を流通させる第1流路部と、第2流体を流通させる第2流路部とを含むプレートフィン型の熱交換部を備え、第1流路部の流路層は、入口を有する導入流路層と、出口を有する外側の導出流路層と、導入流路層と導出流路層との間に積層された少なくとも1つの中間流路層とを含み、第1流路部は、中間流路層を介して折り返された流路形状を有し、第2流路部の流路層は、第1流路部の外側で第1流路部の導出流路層と隣接する隣接流路層を含む。なお、「折り返された流路形状」は、導入流路層と導出流路層との2層を含むように1回折り返された流路形状のみならず、導入流路層と導出流路層との間に中間の流路層を1または複数含むように複数回折り返された流路形状を含む。
この第1の発明による熱交換器では、上記のように、平面状の流路層が複数積層された積層構造を有する熱交換部に、第1流体を流通させる第1流路部と、第2流体を流通させる第2流路部とを設けることによって、熱交換器を小型化することができる。また、第1流路部および第2流路部を平面状の閉じた流路層によって構成できるので、流体が外部に開放された状態で供給されるオープンラック型構造とは異なり、移動体にも容易に搭載することができる。さらに、第1流路部を折り返された流路形状を有するように構成することによって、第1流体が導入流路層から導出流路層に至る折り返された流路を通過する間に、隣接する流路層を流れる第1流体同士の熱交換によって第1流体の温度を徐々に第2流体の温度に近づけ、第2流体の温度に近づけた後の外側の導出流路層で第1流体と隣接流路部を流れる第2流体との熱交換を行うことができる。この結果、積層構造の熱交換部を採用しても、隣接する導出流路層と隣接流路層との間での第1流体と第2流体との温度差を小さくできる。以上の結果、本発明によれば、小型で、かつ、隣接する流路層間の温度差が大きくなりすぎることを抑制可能な積層型の熱交換器を提供することができる。
上記第1の発明による熱交換器において、好ましくは、第1流体は、低温側流体であり、第2流体は、高温側流体であり、熱交換部は、第2流路部を流通する第2流体との熱交換によって、第1流路部を流通する第1流体を昇温させるように構成されている。このように構成すれば、低温側の第1流体が第1流路部で折り返される間に徐々に昇温し、温度上昇した後の第1流体と第2流体との間で熱交換させることができる。その結果、第1流体の供給温度が極低温の場合でも、高温側の第2流体が氷結して隣接流路層が閉塞されることを抑制することができる。
上記第1の発明による熱交換器において、好ましくは、第1流路部は、液相を含む状態で導入流路層に流入した第1流体を蒸発させ、気相状態の第1流体のガスを導出流路層から流出させるように構成されている。このように構成すれば、液相状態で導入流路層に流入する第1流体を蒸発させ、ガスの状態で導出流路層から流出させる液化ガス蒸発器を構成できる。この場合でも、折り返し構造の第1流路部によって第1流体(液化ガス)と第2流体(熱媒)との温度差を抑制できるので、液化ガス蒸発器としての熱交換器を容易に小型化できる。
上記第1の発明による熱交換器において、好ましくは、導入流路層から導出流路層に至る間に第1流体が蒸発した気相状態のガスが導出流路層に流入するように、第1流路部の折り返し回数が設定されている。このように構成すれば、導出流路層に流入する際の第1流体(液化ガス)の温度を確実に蒸発温度以上に上昇させることができるので、効果的に、隣接流路層における第2流体の氷結による流路閉塞を抑制することができる。
上記第1の発明による熱交換器において、好ましくは、導入流路層は、第1流路部における積層方向の中央に配置され、導出流路層は、第1流路部における積層方向の両方の最外部にそれぞれ配置され、第1流路部は、中央の導入流路層から分岐して折り返された分岐流路形状を有し、第2流路部は、積層方向において第1流路部の両外側でそれぞれの導出流路層と隣接する隣接流路層により構成されている。このように構成すれば、積層方向の両側でそれぞれ第1流体と第2流体との熱交換を行うことができるので、第1流体と第2流体との伝熱面積を大きくすることができる。また、最も高温または低温の状態の第1流体が流れる導入流路層を、熱交換部の中央に配置できるので、熱交換部の外表面温度が高温または低温になり過ぎるのを抑制できる。
上記第1の発明による熱交換器において、好ましくは、第1流路部は、積層されたそれぞれの流路層を仕切るとともに積層方向に貫通した貫通孔を有する仕切部材をさらに含み、第1流路部は、仕切部材の貫通孔を介して、複数の流路層にわたって折り返された流路形状を有する。このように構成すれば、第1流路部(熱交換部)の内部で折り返された流路形状を実現することができる。この結果、たとえば第1流体を一の流路層から外部に引き出して、他の流路層に導入するような構造と比較して、熱交換器をより小型にすることができる。また、第1流体を外部に引き出す場合に、引き出した流路部分の外表面が高温または低温になり過ぎる可能性があるのとは異なり、本発明では、熱交換部の外表面温度が高温または低温になり過ぎるのを抑制できる。
上記第1の発明による熱交換器において、好ましくは、第1流路部および第2流路部は、熱伝導率が50W/(m×K)以下の材料により構成されている。このように構成すれば、たとえばアルミニウム(約195W/m×K)のような高熱伝導性の材料と比較すると第1流路部および第2流路部の熱伝導率が低くなる。そのため、第1流体が流通する導出流路層と隣接する隣接流路層側の流路表面温度が第2流体の温度から過度に乖離するのを抑制することができる。その結果、容易かつ効果的に、隣接する導出流路層と隣接流路層との間の温度差が大きくなりすぎることを抑制することができる。
第2の発明による液化ガス蒸発器は、コルゲートフィンを有する平面状の流路層が複数積層された積層構造を有し、液化ガスを流通させる液化ガス流路部と、熱媒を流通させる熱媒流路部とを含むプレートフィン型の熱交換部を備え、液化ガス流路部の流路層は、入口を有する導入流路層と、出口を有する外側の導出流路層と、導入流路層と導出流路層との間に積層された少なくとも1つの中間流路層とを含み、液化ガス流路部は、中間流路層を介して折り返された流路形状を有し、熱媒流路部の流路層は、液化ガス流路部の外側で液化ガス流路部の導出流路層と隣接する隣接流路層を含む。


この第2の発明による液化ガス蒸発器では、上記のように、平面状の流路層が複数積層された積層型の熱交換部に、液化ガス流路部と熱媒流路部とを設けることによって、液化ガス蒸発器を小型化することができる。また、液化ガス流路部と熱媒流路部とを平面状の閉じた流路層によって構成できるので、オープンラック型構造とは異なり、移動体にも容易に搭載することができる。さらに、液化ガス流路部を折り返された流路形状を有するように構成することによって、液化ガスが導入流路層から導出流路層に至る折り返された流路を通過する間に、隣接する流路層を流れる液化ガス同士の熱交換によって液化ガスの温度を徐々に上昇させ、温度上昇した後の外側の導出流路層で液化ガスと熱媒流路部を流れる熱媒との熱交換を行うことができる。この結果、積層構造の熱交換部を採用しても、隣接する導出流路層と隣接流路層との間での液化ガスと熱媒との温度差を小さくできる。このため、隣接流路層における第2流体の氷結による流路閉塞を抑制することができる。以上の結果、本発明によれば、小型で、かつ、隣接する流路層間の温度差が大きくなりすぎることを抑制可能な積層型の液化ガス蒸発器を提供することができる。
本発明によれば、上記のように、小型で、かつ、隣接する流路層間の温度差が大きくなりすぎることを抑制可能な積層型の熱交換器および液化ガス蒸発器を提供することができる。
本発明の第1実施形態による液化ガス蒸発器を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態による液化ガス蒸発器の流路と直交する方向の縦断面図である。 本発明の第1実施形態による液化ガス蒸発器の流路に沿った方向の縦断面図である。 本発明の第1実施形態による液化ガス蒸発器の温度分布のシミュレーション結果を示した図である。 本発明の第2実施形態による熱交換器を示した模式図である。 本発明の第3実施形態による熱交換器の第2変形例を示した模式図である。 本発明の第1実施形態による液化ガス蒸発器の第1変形例を示した模式図である。 本発明の第1実施形態による液化ガス蒸発器の第2変形例を示した模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図4を参照して、第1実施形態による液化ガス蒸発器100の構成について説明する。液化ガス蒸発器100は、本発明の「熱交換器」の一例である。
(液化ガス蒸発器の全体構成)
図1に示す液化ガス蒸発器100は、低温の液化ガスを熱媒との熱交換により蒸発させて気相状態のガスとして供給するための装置(熱交換器)である。液化ガス蒸発器100は、船舶、車両、飛行機などの移動体に搭載される。
液化ガスは、たとえば、酸素、窒素または天然ガスなどである。液化ガス蒸発器に用いられる熱媒は、様々であるが、入手の容易性(低コスト性)などの観点から、移動体などの設置環境でも豊富に存在する水または海水や、空気などが用いられる。これらの水または海水および空気は、入手が容易である一方で、液化ガスの供給温度よりも高い温度で氷結する性質を有する熱媒である。また、水または海水および空気は、液化ガス蒸発器の流路を構成する金属材料を腐食させる性質を有する熱媒である。第1実施形態の液化ガス蒸発器100は、このような性質を有する水、海水または空気などを熱媒として利用するように構成されている。
第1実施形態では、液化ガス蒸発器100は、プレートフィン型のコア1を備えている。プレートフィン型のコア1は、平面状の流路層2が複数積層された積層構造を有する熱交換部である。なお、コア1は、本発明の「熱交換部」の一例である。
図2に示すように、コア1を構成する流路層2は、個々の流路(チャンネル)を構成するコルゲートフィン3と、コルゲートフィン3の外周壁を構成するサイドバー4とを含む平面状(平板状)の構造を有する。また、各流路層2が、積層方向の隔壁であるチューブプレート5によって仕切られている。チューブプレート5およびコルゲートフィン3は、コア1内で熱を伝達する伝熱面として機能する。コア1は、積層した流路層2の積層体を一対のサイドプレート6により挟み込み、ろう付けなどにより結合することにより、全体として矩形箱状(直方体形状)に形成されている。
コア1は、第1流体7を流通させる第1流路部10と、第2流体8の流体を流通させる第2流路部20とを含む。第1実施形態では、第1流体7が低温側流体であり、第2流体8が高温側流体である。すなわち、第1流体7は、液化ガスであり、第2流体8は、熱媒である。第1流路部10と第2流路部20とは、それぞれ、複数の流路層2から構成されている。第1流体7は、本発明の「低温側流体」および「液化ガス」の一例である。第2流体8は、本発明の「高温側流体」および「熱媒」の一例である。第1流路部10および第2流路部20は、それぞれ、本発明の「液化ガス流路部」および「熱媒流路部」の一例である。
コア1は、第1流路部10を流通する低温側の第1流体7と、第2流路部20を流れる高温側の第2流体8との間で熱交換をさせる。第1実施形態では、コア1は、第2流路部20を流通する第2流体8との熱交換によって、第1流路部10を流通する第1流体7を昇温させるように構成されている。熱交換の結果、第2流体8に含まれる熱によって第1流体7が蒸発され、気相状態のガス7aとして外部に供給される。
第1実施形態では、コア1の第1流路部10および第2流路部20は、熱伝導率が50W/(m×K)以下の材料により構成されている。たとえば、第1流路部10および第2流路部20は、熱伝導率が50W/(m×K)以下で耐食性を有するステンレス鋼材料によって構成されており、具体的には、SUS304、SUS304L、SUS316およびSUS316Lなどを用いることができる。
(第1流路部の構造)
図3に示すように、第1実施形態では、第1流路部10は、5つの流路層2を含んでいる。第1流路部10の流路層2は、入口11aを有する導入流路層11と、出口12aを有する外側の導出流路層12と、中間流路層13とを含む。第1流路部10は、液相を含む状態で導入流路層11に流入した第1流体7を蒸発させ、気相状態の第1流体7のガス7aを導出流路層12から流出させるように構成されている。第1流路部10の各流路層2は、流路幅W(図2参照)、流路高さ(厚み)H1(図2参照)および流路長Lを有し、略同一形状に構成されている。第1実施形態では、後述するように、第1流路部10は、それぞれの流路層2によって、折り返された流路形状を有している。
導入流路層11は、第1流路部10における積層方向Zの中央に配置されている。つまり、導入流路層11は、5層の流路層2の内、中央の3層目に配置された流路層である。導入流路層11は、X1方向側の一端の入口11aにおいて流路が外部に開放されており、入口11aを除く外周部がサイドバー4によって閉塞されている。入口11aには、図示しないヘッダタンクなどが取り付けられ、ヘッダタンクを介して外部から第1流体7が供給される。
導出流路層12は、第1流路部10における積層方向Zの両方の最外部にそれぞれ配置されている。つまり、導出流路層12は、5層の流路層2の内、最外部の1層目と5層目とにそれぞれ配置された2つの流路層である。2つの導出流路層12は、それぞれ、X2方向側の他端の出口12aにおいて流路が外部に開放されており、出口12aを除く外周部がサイドバー4によって閉塞されている。出口12aには、図示しないヘッダタンクなどが取り付けられ、第1流体7が蒸発されて気相状態となったガス7aがヘッダタンクを介して排出される。
中間流路層13は、第1流路部10において導入流路層11と導出流路層12との間に配置されている。つまり、中間流路層13は、5層の流路層2の内、2層目と4層目とにそれぞれ配置された2つの流路層である。2つの中間流路層13は、それぞれ、外周部が全周に渡ってサイドバー4によって閉塞されている。各中間流路層13は、後述する仕切部材14の貫通孔15によって、積層方向Zに隣接する流路層2にのみ開放されている。
第1実施形態では、第1流路部10は、積層されたそれぞれの流路層2を仕切るとともに積層方向Zに貫通した貫通孔15を有する仕切部材14を含んでいる。なお、仕切部材14は、チューブプレート5に貫通孔15を設けたものであり、実質的にチューブプレート5と同じものであるが、区別のため、貫通孔15を設けたチューブプレートを仕切部材14とし、貫通孔15を有さないものをチューブプレート5とする。仕切部材14は、導入流路層11と中間流路層13との間、および、中間流路層13と導出流路層12との間にそれぞれ設けられている。
導入流路層11と中間流路層13との間の仕切部材14aには、X2方向の他端側に貫通孔15が配置されている。これにより、導入流路層11と中間流路層13とは、X2方向(他端側)の端部において連通している。中間流路層13と導出流路層12との間の仕切部材14bには、X1方向の一端側に貫通孔15が配置されている。これにより、中間流路層13と導出流路層12とは、X1方向(一端側)の端部において連通している。
この結果、第1流路部10では、一の流路層2と他の流路層2とが、一端(X1側端部)または他端(X2側端部)で貫通孔15を介して互いに連通している。これにより、第1流路部10は、仕切部材14の貫通孔15を介して、複数の流路層2にわたって折り返された流路形状を有する。また、導入流路層11は、他端(X2側端部)において上下の中間流路層13とそれぞれ貫通孔15を介して連通している。すなわち、第1流路部10は、中央の導入流路層11から上下に分岐して折り返された分岐流路形状を有する。
ここで、第1実施形態では、導入流路層11から導出流路層12に至る間に第1流体7が蒸発した気相状態のガス7aが導出流路層12に流入するように、第1流路部10の折り返し回数が設定されている。つまり、導入流路層11から中間流路層13を介して導出流路層12に流入するまでの間に第1流体7が蒸発して気相状態となり、気相状態のガス7aとして導出流路層12に流入する。第1流体7が気相状態のガス7aとして導出流路層12に流入するために必要な回数分だけ折り返すように、中間流路層13の数(=折り返し回数)が設定されている。図3に示す例では、導入流路層11から導出流路層12に至る間の第1流路部10の折り返し回数が2回(上下に各2回)に設定されている。つまり、折り返し回数は、導入流路層11から中間流路層13への折り返しと、中間流路層13から導出流路層12への折り返しとの合計2回である。なお、必要な折り返し回数は、第1流体7および第2流体8の種類、温度や、コア1の構造および使用条件などによって異なるため、具体的な条件(仕様)に基づく計算(シミュレーション)によって決定される。
(第2流路部の構造)
図3に示すように、第2流路部20は、2つの流路層2を含んでいる。第2流路部20の流路層2は、第1流路部10の外側で第1流路部10の導出流路層12と隣接する隣接流路層21を含む。
第1実施形態では、第1流路部10の導出流路層12が第1流路部10の両外側(1層目および5層目)にそれぞれ設けられているので、隣接流路層21は、各導出流路層12に対応して2つ設けられている。すなわち、第2流路部20は、積層方向Zにおいて第1流路部10の両外側でそれぞれの導出流路層12と隣接する2つの隣接流路層21により構成されている。図2および図3に示すように、第2流路部20の各流路層2(隣接流路層21)は、流路幅W、流路高さ(厚み)H2および流路長Lを有し、略同一形状に構成されている。隣接流路層21の流路高さH2は、第1流路部10の各流路層2の流路高さH1よりも小さい。
それぞれの隣接流路層21は、図3に示すように、X1方向側の一端の入口21aと、X2方向側の他端の出口21bとを含む。隣接流路層21は、一端の入口21aと他端の出口21bにおいて流路が外部に開放されており、入口21aおよび出口21bを除く外周部がサイドバー4(図2参照)によって閉塞されている。入口21aおよび出口21bには、それぞれ図示しないヘッダタンクなどが取り付けられる。ヘッダタンクを介して外部から入口21aに第2流体8が供給され、出口21bからヘッダタンクを介して熱交換後の第2流体8が排出される。
隣接流路層21と、隣接流路層21に隣接する導出流路層12との間は、チューブプレート5によって仕切られている。上述の通り、チューブプレート5には貫通孔15は設けられていない。また、隣接流路層21の外側には、サイドプレート6が設けられている。
隣接流路層21を流れる第2流体8は、一端(X1方向端部)の入口21aから、他端(X2方向端部)の出口21bに向けてX2方向に流通する。また、導出流路層12を流通するガス7a(蒸発した第1流体7)は、仕切部材14の一端(X1方向端部)の貫通孔15から、他端(X2方向端部)の出口12aに向けてX2方向に流通する。したがって、第1実施形態のコア1は、第1流体7(ガス7a)と第2流体8とがX方向に沿って互いに同じ方向に流通する並行流型のコアである。コア1における流体の流動方法は、第1流体7および第2流体8が反対方向に流れる対向流型、または、第1流体7および第2流体8が交差する方向に流れる直交流型であってもよい。
(液化ガスおよび熱媒の流れの説明)
次に、第1実施形態のコア1における第1流体7および第2流体8の流れについて説明する。
図3に示すように、第1流体7は、中央の導入流路層11の入口11aから流入し、導入流路層11をX2方向に流通する。この際、導入流路層11の低温の第1流体7は、隣接する中間流路層13を流れる相対的に高温の第1流体7との熱交換により、熱を受け取る。第1流体7は、導入流路層11の他端において分岐し、貫通孔15を介して上下に隣接する中間流路層13にそれぞれ流入する。
各中間流路層13では、第1流体7は、流通方向を折り返して、逆のX1方向に流通する。この際、中間流路層13の第1流体7は、隣接する導出流路層12を流れる相対的に高温のガス7aとの熱交換により、熱を受け取り、蒸発する。中間流路層13の途中では、液相の第1流体7と気相のガス7aとの混合状態となるが、一端(X1方向端部)の貫通孔15の近傍では、気相のガス7aとなっている。ガス7aは、各中間流路層13の一端において、貫通孔15を介して隣接する導出流路層12にそれぞれ流入する。
各導出流路層12では、ガス7aは、流通方向を折り返してX2方向に流通し、各導出流路層12の他端(X2方向端部)の出口12aから外部に排出される。一方、第2流体8は、導出流路層12と隣接する隣接流路層21の入口21aから流入し、隣接流路層21をX2方向に流通して、他端(X2方向端部)の出口21bから排出される。導出流路層12のガス7aは、隣接する隣接流路層21を流れる第2流体8との熱交換により、熱を受け取り、加熱される。この結果、低温の液相の状態でコア1に供給された第1流体7が、第1流路部10をX方向に蛇行して流通する間に蒸発および加熱され、気相のガス7aとして排出される。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、第1流路部10と第2流路部20とを、平面状の流路層2が複数積層された積層型のコア1に設けることによって、液化ガス蒸発器100を小型化することができる。また、第2流路部20を平面状の閉じた流路層2によって構成できるので、流体が外部に開放された状態で供給されるオープンラック型構造とは異なり、移動体にも容易に搭載することができる。さらに、第1流路部10を折り返された流路形状を有するように構成することによって、第1流体7が導入流路層11から導出流路層12に至る折り返された流路を通過する間に、隣接する流路層2を流れる第1流体7同士の熱交換によって第1流体7の温度を徐々に第2流体8の温度に近づけ、第2流体8の温度に近づけた後の外側の導出流路層12で第1流体7と第2流路部20を流れる第2流体8との熱交換を行うことができる。この結果、積層構造のコア1を採用しても、隣接する導出流路層12と隣接流路層21との間での第1流体7と第2流体8との温度差を小さくできる。以上の結果、第1実施形態の液化ガス蒸発器100によれば、小型で、かつ、隣接する流路層間の温度差が大きくなりすぎることを抑制可能な積層型の熱交換器(液化ガス蒸発器)を提供することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1流体7を低温側流体とし、第2流体8を高温側流体とする。そして、第2流路部20を流通する第2流体8との熱交換によって、第1流路部10を流通する第1流体7を昇温させるようにコア1を構成する。これにより、低温側の第1流体7が第1流路部10で折り返される間に第1流体7を徐々に昇温し、温度上昇した後の第1流体7と第2流体8との間で熱交換させることができる。その結果、第1流体7の供給温度が極低温の場合でも、高温側の第2流体8が氷結して隣接流路層21が閉塞されることを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1流路部10を、液相を含む状態で導入流路層11に流入した第1流体7を蒸発させ、気相状態の第1流体7のガス7aを導出流路層12から流出させるように構成する。これにより、液相状態で導入流路層11に流入する第1流体7を蒸発させ、ガス7aの状態で導出流路層12から流出させる液化ガス蒸発器100を構成できる。この場合でも、折り返し構造の第1流路部10によって第1流体7(液化ガス)と第2流体8(熱媒)との温度差を抑制できるので、液化ガス蒸発器100を容易に小型化できる。
また、第1実施形態では、上記のように、導入流路層11から導出流路層12に至る間に第1流体7が蒸発した気相状態のガスが導出流路層12に流入するように、第1流路部10の折り返し回数を設定する。これにより、導出流路層12に流入する際の第1流体7の温度を確実に蒸発温度以上に上昇させることができるので、効果的に、隣接流路層21における第2流体8の氷結による流路閉塞を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、導入流路層11を第1流路部10における積層方向の中央に配置し、導出流路層12を第1流路部10における積層方向の両方の最外部にそれぞれ配置する。そして、第1流路部10を、中央の導入流路層11から分岐して折り返された分岐流路形状に形成し、第2流路部20を、積層方向において第1流路部10の両外側でそれぞれの導出流路層12と隣接する隣接流路層21により構成する。これにより、積層方向の両側でそれぞれ第1流体7と第2流体8との熱交換を行うことができるので、第1流体7と第2流体8との伝熱面積を大きくすることができる。また、最も低温の状態の第1流体7が流れる導入流路層11をコア1の中央に配置できるので、コア1の外表面温度が低温になり過ぎるのを抑制できる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1流路部10を、仕切部材14a(14b)の貫通孔15を介して、複数の流路層2にわたって折り返された流路形状に形成する。これにより、第1流路部10(コア1)の内部で折り返された流路形状を実現することができる。この結果、たとえば第1流体7を一の流路層2から外部に引き出して、他の流路層2に導入するような構造と比較して、液化ガス蒸発器100を小型にすることができる。また、第1流体7を外部に引き出す場合に、引き出した流路部分の外表面が低温になり過ぎる可能性があるのとは異なり、第1実施形態の液化ガス蒸発器100では、コア1の外表面温度が低温になり過ぎるのを抑制できる。すなわち、第1実施形態では、コア1の外表面が氷結するのを抑制できる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1流路部10および第2流路部20を、熱伝導率が50W/(m×K)以下の材料により構成する。これにより、たとえばアルミニウム(約195W/m×K)のような高熱伝導性の材料と比較すると第1流路部10および第2流路部20の熱伝導率が低くなる。そのため、第1流体7が流通する導出流路層12と隣接する隣接流路層21側の流路表面温度(チューブプレート5の表面温度)が第2流体8の温度から過度に乖離するのを抑制することができる。すなわち、隣接流路層21側の流路表面温度が過度に低下するのを抑制できるので、容易に、隣接流路層21における第2流体8の氷結を抑制することができる。
(シミュレーション結果の説明)
次に、図4を参照して、第1実施形態による液化ガス蒸発器100の効果を確認するために行ったシミュレーション結果について説明する。シミュレーションでは、第1流体7として酸素(液体酸素、沸点約−190℃)、第2流体8として水を採用し、液化ガス蒸発器100を通過する間のそれぞれの温度分布を算出した。
図4は、シミュレーション結果を示す図であり、流路部分に温度範囲を6段階に区分した濃淡(ハッチング)を付して温度分布の概要を示している。導入流路層11の入口11aにおける第1流体7(液体酸素)の入口温度T1を−190℃とした。また、隣接流路層21の入口21aにおける第2流体8(水)の入口温度T5を25℃とした。
第1流体7は、沸点と略等しい温度で導入流路層11に流入するため、導入流路層11をX2方向に進む間に蒸発が進む。蒸発中は温度が略一定となるため、導入流路層11の他端(X2側端部)において、第1流体7の温度T2は僅かに上昇するものの入口温度T1と略等しい(T2≒−190℃)状態にあり、第1流体7のガス化率は約60%となった。中間流路層13の一端(X1側端部)では、第1流体7のガス化率は約100%となり、第1流体7(ガス7a)の温度T3は約−100℃まで上昇した。導出流路層12では、ガス7aが一端から他端の出口12aに至る間に温度上昇して、出口温度T4で約0℃となった。
第2流体8は、入口温度T5=25℃で隣接流路層21の入口21aから流入し、他端(X2方向端部)の出口21bに至る間に温度低下して、出口温度T6で約15℃となった。
以上の結果、第1実施形態の液化ガス蒸発器100によれば、導出流路層12に流入する際の第1流体7の温度を−190℃(T1)から約−100℃(T3)に上昇させることができ、隣接する導出流路層12と隣接流路層21との間の温度差が大きくなりすぎるのを抑制できることが確認された。その結果、隣接流路層21における第2流体8の急激な温度低下を抑制して第2流体8の氷結による流路閉塞を抑制できることが確認された。
[第2実施形態]
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、低温の液化ガスを熱媒との熱交換により蒸発させて気相状態のガスとして供給する液化ガス蒸発器100を示した上記第1実施形態とは異なり、蒸発器とは異なる熱交換器200の例について説明する。
(第2実施形態の構成)
第2実施形態の熱交換器200は、構造上は、上記第1実施形態の液化ガス蒸発器100と同様である。そのため、熱交換器200の各部については、上記第1実施形態と同じ符号を用いると共に、構造の説明を省略する。
第2実施形態では、第1流体71が第1流路部10を流通し、第2流体81が第2流路部20を流通する。
第1流体71は、低温側流体であり、たとえば極低温のガスである。ガスは、たとえば、酸素、窒素または水素などであり、極低温の気相状態で入口11aから導入流路層11に流入される。第2流体81は、高温側流体であり、熱媒である。熱媒は、上記第1実施形態と同様に水、海水、空気などを用いてよいし、これら以外の他の流体を用いてもよい。第2流体81は、たとえば外部環境と同等の常温で隣接流路層21に流入される。
コア1は、第2流路部20を流通する第2流体81との熱交換によって、第1流路部10を流通する気相状態の第1流体71を昇温させるように構成されている。第1流体71は、導入流路層11から導出流路層12へ流通する間の折り返し(中間流路層13)の過程で、第1流体71同士の熱交換によって、第2流体81との温度差を小さくする。導出流路層12と隣接流路層21との間での熱交換の結果、第2流体81に含まれる熱によって第1流体71が昇温され、所定の出口温度で気相状態のまま外部に供給される。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、積層型構造でありながら、第1流体71が折り返された流路を通過する間に第1流体71の温度を徐々に第2流体81の温度に近づけることができる。これにより、小型で、かつ、隣接する導出流路層12と隣接流路層21との間の温度差が大きくなりすぎることを抑制可能な積層型の熱交換器200を提供することができる。
また、第2実施形態では、上記第1実施形態の液化ガス蒸発器100と異なり、第1流体71の相変化(蒸発)を伴わない第1流体71の昇温装置として熱交換器200を構成したが、この場合でも、極低温の第1流体71との熱交換によって、高温側の第2流体81が氷結して隣接流路層21が閉塞されることを抑制できる。
[第3実施形態]
次に、図6を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1流体7を蒸発させる液化ガス蒸発器100を示した上記第1実施形態、および、第1流体71を昇温させる熱交換器200を示した上記第2実施形態とは異なり、高温の第1流体72の熱を回収する熱交換器300の例について説明する。
(第3実施形態の構成)
第3実施形態の熱交換器300は、構造上は、上記第1実施形態の液化ガス蒸発器100および上記第2実施形態の熱交換器200と同様である。そのため、熱交換器300の各部については、上記第1および第2実施形態と同じ符号を用いると共に、構造の説明を省略する。
第3実施形態では、第1流体72が第1流路部10を流通し、第2流体82が第2流路部20を流通する。
第1流体72は、高温側流体であり、高温のガスまたは液体である。たとえば、第1流体72は、天然ガス由来の改質ガス(改質器から排出される高温のガス)や、燃焼ガスであり、高温の状態で入口11aから導入流路層11に流入される。第2流体82は、低温側流体であり、熱媒である。熱媒は、上記第1実施形態と同様に水、空気などを用いてよいし、これら以外の他の流体を用いてもよい。第2流体82は、たとえば外部環境と同等の常温で隣接流路層21に流入される。
コア1は、第2流路部20を流通する第2流体82との熱交換によって、第1流路部10を流通する第1流体72を冷却させるように構成されている。第1流体72の熱は、第2流体82によって回収され、第2流体82を昇温または蒸発させる。第1流体72は、導入流路層11から導出流路層12へ流通する間の折り返し(中間流路層13)の過程で、第1流体72同士の熱交換によって、第2流体82との温度差を小さくする。導出流路層12と隣接流路層21との間での熱交換の結果、所定の出口温度まで冷却された第1流体72が導出流路層12から外部に供給され、所定の出口温度まで昇温された第2流体82が隣接流路層21から外部に供給される。
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、積層型構造でありながら、第1流体72が折り返された流路を通過する間に第1流体72の温度を徐々に第2流体82の温度に近づけることができる。これにより、小型で、かつ、隣接する導出流路層12と隣接流路層21との間の温度差が大きくなりすぎることを抑制可能な積層型の熱交換器300を提供することができる。
また、第3実施形態では、上記第1実施形態の液化ガス蒸発器100および第2実施形態の熱交換器200と異なり、高温の第1流体72の熱を回収する熱回収器(または冷却装置)として熱交換器300を構成した。この場合には、高温の第1流体72が流れる導出流路層12と、低温側の第2流体が流れる隣接流路層21との間での温度差が大きくなり過ぎることに起因して、大きな熱応力が発生するのを抑制できる。その結果、強度設計等の制約を小さくして熱交換器300の小型化を図ることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1〜第3実施形態では、積層構造の一例として、プレートフィン型のコア1を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、流路が一体形成された金属板からなる流路層を積層して、拡散接合により各流路層を接合した拡散接合型のコアであってもよい。また、表裏に流路が一体形成された波形の金属板を積層して、シールあるいは溶接などにより各流路層を接合して金属板間に流路層を構成するプレート型のコアであってもよい。
また、上記第1〜第3実施形態では、第1流路部10において、導入流路層11と導出流路層12との間に1つの中間流路層13を設けて2回流路を折り返すように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1流路部は、2回以外の回数だけ折り返す流路形状であってもよい。
また、上記第1実施形態では、第1流路部10と第2流路部20とを含む1つのコア1を備えた液化ガス蒸発器100の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図7に示す第1変形例の液化ガス蒸発器100aのように、複数のコア1を積層してもよい。この場合、図7に示したように、複数のコア1の間の第2流路部20(隣接流路層21)は、共通にするのが好ましい。上記第2実施形態の熱交換器200および第3実施形態の熱交換器300についても同様の構成を採用できる。液化ガス蒸発器100aは、本発明の「熱交換器」の一例である。
また、上記第1実施形態では、貫通孔15を有する仕切部材14(14a、14b)を設けて、第1流路部10がコア1の内部で流路を折り返すように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図8に示す第2変形例の液化ガス蒸発器100bのように、第1流路部110がコア1の外部で流路を折り返すように構成してもよい。第2変形例による第1流路部110では、貫通孔15のないチューブプレート5によって各流路層が仕切られている。第1流路部110のうち、導入流路層11および中間流路層13の他端(X2方向端部)には、開口部111が設けられており、3つの開口部111がヘッダ部112によって互いに連通するように覆われている。同様に、中間流路層13および導出流路層12の一端(X1方向端部)に設けられた開口部111が、ヘッダ部112によって互いに連通するように覆われている。これにより、第1流路部110は、ヘッダ部112によってコア1の外部で流路が折り返されている。上記第2実施形態の熱交換器200および第3実施形態の熱交換器300についても同様の構成を採用できる。液化ガス蒸発器100bは、本発明の「熱交換器」の一例である。
また、上記第1実施形態では、導入流路層11から導出流路層12に至る間に第1流体7が蒸発した気相状態のガス7aが導出流路層12に流入するように、第1流路部10を構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、導出流路層に流入するガスに、液相のままの液化ガスが一部含まれていてもよい。この場合でも、第2流路部の熱媒の氷結を抑制する効果を得ることができる。この場合、たとえば、第2流路部の外部に補助的に電気駆動のヒータを設けるなどして氷結防止を図ってもよい。
また、上記第1実施形態では、中央の導入流路層11から2つの中間流路層13に分岐して折り返された分岐流路形状を有する第1流路部10を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば積層方向の下端の導入流路層から、積層方向の上端の導出流路層に向けて、分岐せずに折り返された流路形状となるように、第1流路部を構成してもよい。この場合、低温の液化ガスが流通する導入流路層がコアの最外部(下端)に配置されることになるので、コアの下面側にたとえば断熱材などを設けるのが好ましい。
1 コア(熱交換部)
2 流路層
7 第1流体(低温側流体、液化ガス)
8 第2流体(高温側流体、熱媒)
10、110 第1流路部(液化ガス流路部)
11 導入流路層
11a 入口
12 導出流路層
12a 出口
14 仕切部材
15 貫通孔
20 第2流路部(熱媒流路部)
21 隣接流路層
71 第1流体(低温側流体)
72 第1流体
81 第2流体(高温側流体)
82 第2流体
100、100a、100b 液化ガス蒸発器(熱交換器)
200、300 熱交換器
Z 積層方向

Claims (8)

  1. コルゲートフィンを有する平面状の流路層が複数積層された積層構造を有し、第1流体を流通させる第1流路部と、第2流体を流通させる第2流路部とを含むプレートフィン型の熱交換部を備え、
    前記第1流路部の前記流路層は、入口を有する導入流路層と、出口を有する外側の導出流路層と、前記導入流路層と前記導出流路層との間に積層された少なくとも1つの中間流路層とを含み、前記第1流路部は、前記中間流路層を介して折り返された流路形状を有し、
    前記第2流路部の前記流路層は、前記第1流路部の外側で前記第1流路部の前記導出流路層と隣接する隣接流路層を含む、熱交換器。
  2. 前記第1流体は、低温側流体であり、
    前記第2流体は、高温側流体であり、
    前記熱交換部は、前記第2流路部を流通する前記第2流体との熱交換によって、前記第1流路部を流通する前記第1流体を昇温させるように構成されている、請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記第1流路部は、液相を含む状態で前記導入流路層に流入した前記第1流体を蒸発させ、気相状態の前記第1流体のガスを前記導出流路層から流出させるように構成されている、請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記導入流路層から前記導出流路層に至る間に前記第1流体が蒸発した気相状態のガスが前記導出流路層に流入するように、前記第1流路部の折り返し回数が設定されている、請求項3に記載の熱交換器。
  5. 前記導入流路層は、前記第1流路部における積層方向の中央に配置され、
    前記導出流路層は、前記第1流路部における積層方向の両方の最外部にそれぞれ配置され、
    前記第1流路部は、中央の前記導入流路層から分岐して折り返された分岐流路形状を有し、
    前記第2流路部は、積層方向において前記第1流路部の両外側でそれぞれの前記導出流路層と隣接する前記隣接流路層により構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
  6. 前記第1流路部は、積層されたそれぞれの前記流路層を仕切るとともに積層方向に貫通した貫通孔を有する仕切部材をさらに含み、
    前記第1流路部は、前記仕切部材の貫通孔を介して、複数の前記流路層にわたって折り返された流路形状を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱交換器。
  7. 前記第1流路部および前記第2流路部は、熱伝導率が50W/(m×K)以下の材料により構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱交換器。
  8. コルゲートフィンを有する平面状の流路層が複数積層された積層構造を有し、液化ガスを流通させる液化ガス流路部と、熱媒を流通させる熱媒流路部とを含むプレートフィン型の熱交換部を備え、
    前記液化ガス流路部の前記流路層は、入口を有する導入流路層と、出口を有する外側の導出流路層と、前記導入流路層と前記導出流路層との間に積層された少なくとも1つの中間流路層とを含み、前記液化ガス流路部は、前記中間流路層を介して折り返された流路形状を有し、
    前記熱媒流路部の前記流路層は、前記液化ガス流路部の外側で前記液化ガス流路部の前記導出流路層と隣接する隣接流路層を含む、液化ガス蒸発器。
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