JP6548185B2 - 化学センサ校正装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地球環境を観測するために海洋・陸水・湖沼などでの水質観測する際に、現場でpHメータのような化学センサを校正してリアルタイムに測定できるようにする化学センサ校正装置に関するものである。
地球環境の変化を観測するため、海洋の水面や深部で高塩分濃度被検体液を採水したり、深海での火山活動による熱水変動を観測するため検体液を採水したり、陸地の河川湖沼で淡水被検体液を採水したり、採水現場で各種化学センサにより物理化学的データが測定されたりする。
とりわけ、海洋の環境測定分野では、船上から1回の測定機器の投入・回収の操作で、水深が異なる複数場所で複数の被検液が採水され、また必要に応じその採水現場でpHなどが測定されたり、又は回収して測定室で重金属・希少金属等の金属濃度や、硫化物・硫酸塩・炭酸塩等の塩分濃度や、溶解ガス濃度を測定されたりする。
本発明者らは、非特許文献1で、複数場所でプラスチック製採水筒に採水する際に共洗いができるポンプ付き採水器を、開示している。この採水器は、深海の水圧下でのプラスチック製採水筒の破損を防ぐため、採水筒の充填剤として超純水やろ過海水を事前に充填しておき、現場で採水する際に被検液と置換している。この事前に充填された充填剤は、回収される被検液とコンタミネーションしないように十分な量の被検液で共洗いされ、現場海中に破棄されている。そのため、回収した水筒中には充填剤が残存しない。このようなポンプ付き採水器は、共洗いに採水筒に対して約4倍量の採水サンプルを流す必要があった。例えば毎分40mlの送液ポンプを使用し20mlの採水筒に採水する場合、約2分間もの間送液すれば共洗いでき漸く採水が可能となる。そのため、共洗いに時間を要し、採水間隔の短縮が困難であり、間欠的な採水しかできず、連続的な採水に向かない。
ところで、pHは圧力依存性や温度依存性があるため、現場で測定する場合と、採水して回収し船上や陸上の測定室で測定する場合とで、応答が異なる。そこでpHを現場で測定することが重要となる。そのためのpHセンサは、現場海域とりわけ異なる深度で、適宜、pHメータの指示値の校正が必要となる。船上から測定機器の投入する前に予めpHメータの校正を行っておくことは容易いが、海中で頻繁に校正するのは至難の業である。さらに併せて、共洗い等の処理の所為で間欠的な観測になってしまい、深度毎に絶え間なくpHを測定したり採水したりするのは困難である。
特許文献1に、水中で導入採水弁を開いて流入する水により主サンプル容器内を洗浄し、続いて中間採水弁を開いて共洗い用サンプル容器まで水を導入して主サンプル容器を洗浄し、さらに導出採水弁を開いて全流路へ水を導入して主サンプル容器を洗浄し、最終的に導入採水弁および中間採水弁を閉じて、主サンプル容器の水を試料水として採水する採水器が、開示されている。この採水器は、圧縮空気を用いるため採水筒の材質に制限があり、また、圧力依存性や温度依存性があるpHの深海の現場で測定するための校正手段がない。
特開2007−113982号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、1回の投入・回収の操作で、水深が異なる複数場所での複数の被検液を採水可能であり、採水現場にて短時間で化学センサの校正をしつつ正確にpH等のデータを検出できる化学センサ校正装置、及びそれを用いた化学センサ校正方法を提供する。
前記の目的を達成するためになされた本発明の化学センサ校正装置は、被検液をポンプで流す流路ラインと、前記流路ラインの途中に配設され化学センサ校正液を溜めた貯留槽と、前記貯留槽への前記被検液の入液を切り替える入液切替弁と、前記貯留槽の流路先に検知部が配設されておりpHと酸化還元電位と溶存炭酸と溶解ガスとの何れかを検知する化学センサと、前記被検液の入液に応じ押し出される前記化学センサ校正液で前記検知部を共洗いしてから前記化学センサを校正する校正回路と、さらに追い出された前記被検液で前記検知部を共洗いしてから前記化学センサで検出する検出回路とを、有するというものである。
化学センサ校正装置は、前記化学センサが、pHセンサであると、好ましい。
化学センサ校正装置は、複数に分岐した前記流路ラインの夫々に、前記貯留槽が設けられていてもよい。
化学センサ校正装置は、前記貯留槽に、前記被検液を溜めるものであってもよい。
化学センサ校正装置は、前記被検液を複数の貯留槽へ順次採水させる採水制御弁を有することが好ましい。
化学センサ校正装置は、前記被検液を複数の貯留槽群の群毎に繰り返して、各群の複数の前記貯留槽の夫々へ順次採水させる採水群切替弁を、有していると、一層好ましい。
化学センサ校正装置は、塩化カリウム及び/又はガラス電極用緩衝液が含有されたガラス電極内部液を内包したガラス電極と、塩化カリウム及び/又は比較電極用緩衝液が含有された比較電極内部液を内包した比較電極とからなる一対の電極間の電位差が、pH7.2〜8.2の範囲内又は範囲外の溶液で0mVとなるように設定された電極を用いて、被検液に対して前記電極間に生じた電圧を検出し、前記比較電極内部液中の前記塩化カリウムの濃度と前記被検液の液温とで補償しつつ前記電圧から前記被検液のpH値を検知するものであってもよい。
前記の目的を達成するためになされた本発明の化学センサ校正方法は、流路ラインの途中に配設された貯留槽に化学センサ校正液を予め溜める工程と、入水口から被検液をポンプで前記流路ラインへ流す工程と、前記被検液で前記化学センサ校正液を貯留槽から押し出す工程と、前記貯留槽の流路先に検知部が配設されておりpHと酸化還元電位と溶存炭酸と溶解ガスとの何れかを検知する化学センサを、押し出された前記化学センサ校正液で共洗いしてから、校正する工程と、前記貯留槽から前記化学センサ校正液及び共洗いした前記被検液を出液する工程と、前記被検液で前記検知部に充満させてから、前記化学センサで検出する工程とを、有する。
化学センサ校正方法は、前記被検液を充満させて前記貯留槽に貯留する工程を、有することが好ましい。
本発明の化学センサ校正装置によれば、海洋・陸水・湖沼など測定水域での異なる水深で水質観測する際に、現場で化学センサを校正してリアルタイムにデータを測定することができる。この化学センサ校正装置は、測定水域への1回の投入・回収の操作で、水深が異なる複数場所での複数の被検液を連続的に採水可能にしつつ、採水現場で少ない化学センサ校正液で化学センサを校正して正確にpH・酸化還元電位等の物理化学的データを検出できる。
さらに、化学センサ校正装置は、異なる水深の測定現場毎に、水中でも化学センサを繰り返して校正できるので、圧力依存性や温度依存性があるpHのような各種生データを正確かつ確実に検出できる。しかも、異なる水深で逐次校正し得るので、圧力依存性や温度依存性でもたらされるpH測定値変動のような誤差を生じ難く、正確にpH等のデータを測定できる。
また、この化学センサ校正装置は、貯留槽に化学センサ校正液を予め溜めておき被検液へ置換することにより貯留槽の耐圧性や耐久性を維持しつつ、化学センサ校正液を化学センサの検出部近傍へ然程無駄にせずに効率良く排出して、校正に用いることができる。
この化学センサ校正装置は、複数の採水器でのサンプリングポイントをずらし順次サンプリングすることにより短時間間隔又は連続的に化学センサによる測定及び採水が可能となる。
化学センサ校正装置を用い、塩化カリウム及び/又はガラス電極用緩衝液が含有されたガラス電極内部液を内包したガラス電極と、塩化カリウム及び/又は比較電極用緩衝液が含有された比較電極内部液を内包した比較電極とからなる一対の電極間の電位差が、pH7.2〜8.2の範囲内又は範囲外の溶液で0mVにしておくと、高塩分濃度被検体液、特に海洋の表層・深部の海水や、汽水湖の湖水のような被検液のpHを、高い精度で厳密かつ正確に、再現性良く簡便に測定することができる。
この化学センサ校正装置によれば、電気消費量が少なくて済み、pH測定のための指示薬のような特殊試薬が不要なものである。またこの化学センサ校正装置は、小型であり、水深5000mのような深海でも安定して使用でき、温度ドリフトが少なく、精度良く厳密かつ正確にpHを測定できる。しかも、無人でも、長期間に渡り連続して安定にpHを測定できるため、深海の水深毎のpHや経時的なpHの変化を測定できる。
本発明の化学センサ校正装置を用いた化学センサ校正方法によれば、簡便に水中で化学センサの校正を適宜行うことができる。化学センサ校正方法は、複数の貯留槽を用いサンプリングポイントをずらし順次サンプリングすることにより短時間間隔での化学センサによる測定及び採水を可能にする。採水したサンプルは、船上又は陸上の測定室で、酸化還元電位や、重金属・希少金属等の金属濃度や、硫化物・硫酸塩・炭酸塩等の塩分濃度や、溶解ガス濃度や、アデノシン三リン酸(ATP)その他の代謝産物のような生物学的成分を、測定するのに用いられる。
本発明を適用する化学センサ校正装置を示す概要図である。 本発明を適用する化学センサ校正装置の化学センサ及び化学センサ検知室を示す模式一部切欠斜視図である。 本発明を適用する化学センサ校正装置を制御する中央演算処理装置の回路の概要を示す回路図である。 本発明を適用する化学センサ校正装置を用い、化学センサを校正し被検液を採水するタイムスケジュールを示す概要図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
化学センサ校正装置1について、その一態様の概要図である図1を参照しながら、説明する。化学センサ校正装置1は、流路ライン10と、その流入口11及び排出口12の途中に順番に設けられたポンプ20、入液切替弁30、貯留槽40、化学センサ50とを有している。
その流入口11には、流路ライン10中程よりも広径となっており、目詰まりの原因となる浮遊物を吸入しないよう網が適宜被せられる。流路ライン10は、ステンレスのような金属製チューブ又はポリテトラフルオロエチレンのようなプラスチック製のチューブであり、内径が0.5〜5mm、好ましくは1mm程度とするものである。
ポンプ20は、外界(例えば海中)に通じた流入口11から被検液42を吸入し、流路ライン10に流すためのものである。ポンプ20は、アルミニウムのような金属製のハウジングに収容された4台の内蔵ポンプ(不図示)、例えばオイルポンプやピエゾポンプからなる。そのポンプ入液側で、流入口11から流路ライン10が多分岐したマニホールド部(不図示)が、夫々、各内蔵ポンプに繋がっている。ポンプ出液側で、各内蔵ポンプが採水群切替弁21に繋がっている。採水群切替弁21は、各内蔵ポンプから夫々入液切替弁30・30・30・30へ独立して分配するように開閉するものである。採水群切替弁21は機械的に開閉する弁であってもよく、電磁弁であってもよい。ポンプ20は、1〜40ml/分、好ましくは10〜40ml/分、さらに好ましくは40ml/分の流量で被検液42を吸入して流すことができるものである。
入液切替弁30は、一群の貯留槽40a1・・・40a4に分岐し何れかへ分配するように開閉するものである。入液切替弁30・・・30は夫々、同様に、貯留槽40b1・・・40b4の一群、貯留槽40c1・・・40c4の一群、貯留槽40d1・・・40d4の一群に分岐し何れかへ分配するように開閉するものである。切替弁30・30・30・30は、機械的に開閉する弁であってもよく、電磁弁であってもよい。
全ての貯留槽40a1・・・40d4は、予め、化学センサ校正液41が溜められている。全ての貯留槽40a1・・・40d4は、独立して被検液42が流入すると化学センサ校正液41が排出口12側へ押し出されるようになっている。全ての貯留槽40a1・・・40d4は、化学センサ校正液41が排出口12側へ排出された後、さらに被検液42が流入すると共洗いされて、被検液42が充満するようになっている。貯留槽40a1・・・40d4から夫々流路ライン10が延び合流して、幾分拡がった化学センサ検知室52へ繋がっている。
貯留槽40a1・・・40d4は、内径1〜10mm程度で容量1〜40ml程度、好ましくは内径約1cmで容量約40mlの細長い管であり、プラスチック例えばポリ塩化ビニル製中空管である。内径がこの範囲より細いと所望容量を収容するための管長を長くしなければならず化学センサ校正装置が大型になってしまう。一方内径がこの範囲より太いと被検液42が流れ込んだ時に化学センサ校正液41と混ざり合ってしまい、被検液42原液を採水できないばかりか、化学センサ検知室52へ被検液42原液を送り込めない。
校正液41は、例えば海水測定用校正液(Tris−HCl緩衝液)や溶存無機炭酸標準溶液が挙げられる。
化学センサ50及び化学センサ検知室52の概要を図2に示す。化学センサ検知室52に、側壁側から化学センサ50であるpH電極が貫通して液密に封止されている。化学センサ50の検知部51が化学センサ検知室52で化学センサ校正液41又は被検液42に浸っている。化学センサ検知室52には、0.1〜10ml程度の化学センサ校正液41又は被検液42が溜まる程度の内空を有している。
化学センサ50は、例えばガラス電極と比較電極と温度検出器との複合電極である。ガラス電極は、ガラス筒の下先端が薄いpH感応ガラスとなって封止されており、内部にガラス電極内部液が充填され、それにAg/AgCl電極である内部電極が浸されたものである。比較電極は、ガラス筒の下先端が微小孔や多孔セラミックやガラスすり合わせスリーブである液絡となって封止されており、内部に比較電極内部液が充填され、それにAg/AgCl電極である内部電極が浸されたものである。海水のpHは、凡そpH7.4〜8.2であることが既に知られている。そこで、ガラス電極内部液と比較電極内部液として、海水のpHに近いpH7.41のリン酸塩緩衝液(JIS規格)に塩化カリウムを飽和させた内部液を用いる。ガラス電極のpH感応ガラスと比較電極の液絡と温度検出器とが検知部51となっている。
化学センサ50は、塩化カリウム及び/又はガラス電極用緩衝液が含有されたガラス電極内部液を内包したガラス電極と、塩化カリウム及び/又は比較電極用緩衝液が含有された比較電極内部液を内包した比較電極とからなる一対の電極間の電位差が、pH7.2〜8.2の範囲内又は範囲外の溶液で0mVとなるように設定された電極を用いて、被検液に対して前記電極間に生じた電圧を検出し、前記比較電極内部液中の前記塩化カリウムの濃度と前記被検液の液温とで補償しつつ前記電圧から前記被検液のpH値を検知するものである。なお、化学センサ50は、ガラス電極と比較電極が電位差を検知するように接続され温度検出器と独立したものであってもよい。
化学センサ検知室52は、流路ライン10を経て、末端の排出口12を介し、外界へ通じている。
化学センサ校正装置1は、中央演算処理装置(CPU)60に接続されている。具体的には、化学センサ校正装置を制御するCPU60内の回路の概要を示す回路図である図3に示すように、ポンプ20の駆動を制御するポンプ駆動回路61、入液切替弁30・・・30の何れかへの流入を切り替える採水群切替弁21を制御する採水群切替回路62、入液切替弁30からの第一の貯留槽群の貯留槽40a1・・・40a4への何れかと入液切替弁30からの第二の貯留槽群の貯留槽40b1・・・40b4への何れかと入液切替弁30からの第三の貯留槽群の貯留槽40c1・・・40c4の一群への何れかと入液切替弁30からの第四の貯留槽群の貯留槽40d1・・・40d4への何れかとの流入を切り替える入液切替回路63、化学センサ50へ接続された校正回路64、及び化学センサ50へ接続された検出回路65を、有している。各回路61・62・63・64・65はタイマー67に接続され所定間隔で駆動するように制御されている。なお、図1中、四群の貯留槽群が夫々4本の貯留槽を有する例を示したが、採水すべき被検液数に応じ適宜増減できる。
CPU60とそれを駆動するために接続されたバッテリユニットとが、金属、例えばアルミニウム製の耐圧ハウジング内に収容されている(不図示)。
この化学センサ校正装置1は、図1、及び化学センサを校正し被検液を採水するタイムスケジュールを示す図4を参照しながら説明すると、以下のようにして用いられる。
この化学センサ校正装置1を搭載しておりドラムに巻かれたワイヤで繋がれた船上吊下げ型水質観測機器(不図示)を船上から、測定水域へ投入する。水中で観測機器の体位が安定したら、ドラムのストッパを緩めワイヤごと観測機器を沈めながら、観測機器で種々のデータの測定を開始する。
先ず、タイマー67の設定に基づいて、ポンプ駆動回路61によりポンプ20の内、入液切替弁30へ接続された内蔵ポンプを駆動させると、流入口11から被検液42が流路ライン10に吸入され始める。同時に、採水群切替回路62により採水群切替弁21で入液切替弁30のみへ被検液42を流す。併せて、入液切替回路63により入液切替弁30を開いて切り替え貯留槽40a1へ被検液42を流す。すると、被検液42が貯留槽40a1の化学センサ校正液41を押し出す。貯留槽40a1は細い管であるから被検液42が化学センサ校正液41と混合する前に、化学センサ校正液41を押し出すことができる。化学センサ校正液41は、化学センサ検知室52に至り、その後、末端の排出口12を経て、外界へ放出される。
貯留槽40a1中の化学センサ校正液41の全量の1/20倍〜1/5倍程度が化学センサ検知室52に流れ込んだ時点で、化学センサ校正液41が化学センサ50の検知部51の近傍に十分充満されるので、ポンプを連続的に駆動させた状態で、残余の19/20倍〜4/5倍の校正液が流れ去るまでの間、連続的に計測することによりデータを取得し、校正回路64で校正する。
校正データは、演算/記憶回路66で記憶する。
校正が終わってから、引き続き被検液42を流すと、化学センサ校正液41が被検液42で共洗いされ、何れも末端の排出口12を経て、外界へ放出される。貯留槽40a1中の化学センサ校正液41の全量の2〜4倍程度の被検液42が化学センサ検知室52に流れ込んだ時点で、被検液42が化学センサ50の検知部51の近傍に十分充満されるので、検出回路65でガラス電極と比較電極との各電極電位から、被検液42のpHとして検知される海水pHを求める。
この被検液42のpH測定方法は、例えば、被検液42の液温を検出する工程と、比較電極用緩衝液の固有pH値を、液温に応じ、比較電極用緩衝液の補正pH値へ演算し、比較電極内部液の電位変化値を、それの塩化カリウムの濃度に応じ演算し、その電位変化値から、液温に応じ、比較電極内部液の控除pH値へ演算した後、比較電極用緩衝液の補正pH値から、比較電極内部液の控除pH値を補償して、比較電極内部液の補償pH値を演算する工程と、被検液中で電極間に生じた電圧を検出する工程と、電圧から、液温に応じ、pH差を演算した後、比較電極内部液の補償pH値に基づき、pH差から、被検液のpH値を検知する工程とを、有していることが好ましい。
被検液42のpHのデータは、演算/記憶回路66で電極電圧から校正データを勘案しpHを演算して検知し記憶する。
このとき、化学センサ検知室52内同様に貯留槽40a1内には、被検液42のみが充填されている。ポンプ駆動回路61によりポンプ20の内、入液切替弁30へ接続された内蔵ポンプを停止させる。同時に、採水群切替回路62により採水群切替弁21で入液切替弁30を閉じる。これにより、入液切替弁30による貯留槽40a1での校正/採水工程T(4a1)が完了する。
直後に、タイマー67の設定に基づいて、ポンプ駆動回路61によりポンプ20の内、入液切替弁30へ接続された内蔵ポンプを駆動させ、貯留槽40b1へ被検液42を流し、同様にして、貯留槽40a1での校正/採水工程T(4b1)を行なう。順次、校正/採水工程T(4c1・4d1)を行なう。
再び、タイマー67の設定に基づいて、ポンプ駆動回路61によりポンプ20の内、入液切替弁30へ接続された内蔵ポンプを駆動させ、貯留槽40a2へ被検液42を流し、同様にして、貯留槽40a2・・・40d2での校正/採水工程T(4a2)〜T(4d2)を行なうサイクルを繰り返す。
複数の貯留槽40d1・・・40d4を用い、時間差を置いて稼働させることにより、例えば毎分40mlの送液ポンプによる各20mlの貯留槽40d1・・・40d4の4群で採水する場合、1群毎に30秒ごとにずらして稼働させることで、30秒毎のサンプリングが可能となる。
所定の深度まで達したら、船上で、ドラムでワイヤを巻き取り、化学センサ校正装置1及び貯留槽40a1・・・40d4ごと観測機器を回収する。
なお、図4に示すように、貯留槽40a1・・・40d4から合流し単一の化学センサ50で測定し、校正/採水工程T(4a1)〜T(4d2)で校正工程と採水工程とが交互に行なわれる例を示したが、別な態様として、校正/採水工程T(4a1)〜T(4d2)をタイミングをずらして順次並行して行い、共洗いした液が流れる時には排液し、化学センサ校正液41のみと被検液42のみとが流れる時にのみ化学センサ検知室52へ流れるタイミング調整弁(不図示)を設けていてもよい。
さらに別な態様として、貯留槽群40a1・・・40a4・40b1・・・40b4・40c1・・・40c4・40d1・・・40d4ごとに夫々、別々に化学センサ50を配置してもよく、その時、校正/採水工程T(4a1)の採水工程の途中で校正/採水工程T(4b1)の校正工程を開始し、校正/採水工程T(4a1)の採水工程が終了したら、採水工程T(4b1)の採水工程を開始するようにして、並行して行なわれることにより、連続的に採水できるようにしてもよい。
また、貯留槽40a1・・・40d4は、夫々排出口側に、開閉弁又は逆止弁を有し、排出口側からの混入が防止されていてもよい。
図4に示すように、貯留槽40a1・・・40d4へ被検液42を採水する毎に校正する例を示したが、別な態様として、貯留槽40a1・・・40a4へ被検液42を採水する毎にのみ校正しその他の貯留槽40b1・・・40d4へ被検液42を採水する毎に校正を省略してもよい。
この化学センサ校正装置1によれば、校正液41だけを別途化学センサに吹き付けるような面倒で煩雑な工程が必要なく、被検液42の吸入に応じて校正液41で校正しつつ、被検液42を簡易に採水できる。しかも、貯留槽40a1・・・40d4は耐圧性を必要とせず頑健な金属筒や軟質又は硬質のプラスチック筒を任意に使用でき汎用性が高い。
この化学センサ校正装置1は、貯留槽40a1・・・40d4に予め溜められた化学センサ校正液が、水圧からの貯留槽40a1・・・40d4の保護、化学センサ校正に有用に用いられるものであるから、小型化できる。
この化学センサ校正装置1によれば、貯留槽40a1・・・40d4の各群への各内蔵ポンプの駆動が高い水圧等の所為で故障したとしても、別な群での採水及び化学センサによる測定が可能であるため、データの信頼性を担保することができる。
本発明の化学センサ校正装置は、自律型無人潜水機に搭載したり、船上吊下げ型水質観測機器に搭載したりして、海洋・陸水・湖沼などの水域の異なる水深での水質観測の際に用いられる。この化学センサ校正装置を用いた化学センサ校正方法は、水中現場でpH化学センサを校正してリアルタイムにpH等の物理化学的データを正確かつ確実に測定するのに利用できる。
1は化学センサ校正装置、10は流路ライン、11は流入口、12は排出口、20はポンプ、21は採水群切替弁、30・・・30は入液切替弁、40a1・・・40d4は貯留槽、41は化学センサ校正液、42は被検液、50は化学センサ、51は検知部、52は化学センサ検知室、60はCPU、61はポンプ駆動回路、62は採水群切替回路、63は入液切替回路、64は校正回路、65は検出回路、66は演算/記憶回路、67はタイマー、T(4a1)・・・T(4d2)は校正/採水工程である。

Claims (9)

  1. 被検液をポンプで流す流路ラインと、前記流路ラインの途中に配設され化学センサ校正液を溜めた貯留槽と、前記貯留槽への前記被検液の入液を切り替える入液切替弁と、前記貯留槽の流路先に検知部が配設されておりpHと酸化還元電位と溶存炭酸と溶解ガスの何れかを検知する化学センサと、前記被検液の入液に応じ押し出される前記化学センサ校正液で前記検知部を共洗いしてから前記化学センサを校正する校正回路と、さらに追い出された前記被検液で前記検知部を共洗いしてから前記化学センサで検出する検出回路とを、有することを特徴とする化学センサ校正装置。
  2. 前記化学センサが、pHセンサであることを特徴とする請求項1に記載の化学センサ校正装置。
  3. 複数に分岐した前記流路ラインの夫々に、前記貯留槽が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の化学センサ校正装置。
  4. 前記貯留槽に、前記被検液を溜めることを特徴とする請求項1に記載の化学センサ校正装置。
  5. 前記被検液を複数の貯留槽へ順次採水させる採水制御弁を有することを特徴とする請求項1に記載の化学センサ校正装置。
  6. 前記被検液を複数の貯留槽群の群毎に繰り返して、各群の複数の前記貯留槽の夫々へ順次採水させる採水群切替弁を、有していることを特徴とする請求項1に記載の化学センサ校正装置。
  7. 塩化カリウム及び/又はガラス電極用緩衝液が含有されたガラス電極内部液を内包したガラス電極と、塩化カリウム及び/又は比較電極用緩衝液が含有された比較電極内部液を内包した比較電極とからなる一対の電極間の電位差が、pH7.2〜8.2の範囲内又は範囲外の溶液で0mVとなるように設定された電極を用いて、被検液に対して前記電極間に生じた電圧を検出し、前記比較電極内部液中の前記塩化カリウムの濃度と前記被検液の液温とで補償しつつ前記電圧から前記被検液のpH値を検知することを特徴とする請求項1に記載の化学センサ校正装置。
  8. 流路ラインの途中に配設された貯留槽に化学センサ校正液を予め溜める工程と、
    入水口から被検液をポンプで前記流路ラインへ流す工程と、
    前記被検液で前記化学センサ校正液を貯留槽から押し出す工程と、
    前記貯留槽の流路先に検知部が配設されておりpHと酸化還元電位と溶存炭酸と溶解ガスとの何れかを検知する化学センサを、押し出された前記化学センサ校正液で共洗いしてから、校正する工程と、
    前記貯留槽から前記化学センサ校正液及び共洗いした前記被検液を出液する工程と、
    前記被検液で前記検知部に充満させてから、前記化学センサで検出する工程とを、
    有することを特徴とする化学センサ校正方法。
  9. 前記被検液を充満させて前記貯留槽に貯留する工程を、有することを特徴とする請求項8に記載の化学センサ校正方法。
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