JP6547644B2 - 樹脂組成物及び射出成形品 - Google Patents

樹脂組成物及び射出成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP6547644B2
JP6547644B2 JP2016014912A JP2016014912A JP6547644B2 JP 6547644 B2 JP6547644 B2 JP 6547644B2 JP 2016014912 A JP2016014912 A JP 2016014912A JP 2016014912 A JP2016014912 A JP 2016014912A JP 6547644 B2 JP6547644 B2 JP 6547644B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
mass
molded article
injection molded
talc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016014912A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017132929A (ja
Inventor
一和 藤本
一和 藤本
内田 均
均 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP2016014912A priority Critical patent/JP6547644B2/ja
Publication of JP2017132929A publication Critical patent/JP2017132929A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6547644B2 publication Critical patent/JP6547644B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、樹脂組成物及びそれを射出成形してなる射出成形品に関する。
自動車の軽量化の観点から、自動車内外装部品として熱可塑性樹脂の使用割合が増えている。従来のフィラー入り樹脂組成物は、剛性と耐衝撃性を両立させるために、剛性に対してはタルクを増量し、耐衝撃性についてはゴム成分を増量することで補ってきた。しかし、剛性と耐衝撃性は、互いに背反する物性であることから、両立させることは困難であった。また、熱可塑性樹脂の中でもポリプロピレン樹脂については、優れた成形性、機械的強度、経済性などの特徴を活かし、自動車部品、家電部品等で多く使用されているが、温度に対する寸法変化(線膨張係数)が大きいことが知られており、部品間の合わせ目に隙間が生じたり、部品組み付け時の建て付け性が悪いなどの課題があった。
特許文献1には、チーグラー触媒を用いて重合された所定のポリプロピレン系樹脂を35〜50重量%、所定のエチレン・α−オレフィン共重合体を15〜25重量%、平均粒径が6〜8μmであるタルクを35〜40重量%、含有する樹脂組成物が記載されている。
特許文献2には、ポリプロピレンを60〜80重量%(比較例では最小54重量%)、エチレンプロピレンゴムを10〜20重量%(比較例では最大34重量%)、硫酸マグネシウムウィスカを3〜8重量%(比較例では最小0重量%、最大9重量%)、タルクを3〜8重量%(比較例では最大14重量%)、含有する樹脂組成物が記載されている。また、タルクの平均粒子径について「例えば、8〜16μmであり、好ましくは10〜14μmである」と説明されている。
特開2013−159709号公報 特開2010−024293号公報
特許文献1の樹脂組成物は、「チーグラー触媒を用いて重合されたポリプロピレン系樹脂」が必要であるという制約がある。また、後述するように、本発明者らの検討によると、タルクの粒径が小さすぎ、線膨張係数が大きくなるという問題が分かってきた。
特許文献2の樹脂組成物は、射出成形用としては、ポリプロピレン(熱可塑性)が多いため、流動性の改良に寄与するが、ゴムや充填材によって流動性が低下するため、物性(剛性、耐耐衝撃性)のためには改良の余地がある。さらに、ウィスカは材料強度改良には貢献するが、アスペクト比が大きいため、添加量が多いと、成形品の収縮率や反りも改善の余地がある。
そこで、本発明は、剛性、耐衝撃性、寸法安定性、流動性(成形時)及び外観を高レベルでバランスさせた射出成形品及びその樹脂組成物を得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の樹脂組成物は、以下の成分の合計量を基準として、MFR(230℃,2.16kg)が60〜120g/10分であるポリプロピレン樹脂を40〜50質量%、オレフィン系熱可塑性エラストマーを20〜30質量%、50%粒子径(D50)が11〜15μmであるタルクを25〜35質量%、長さが100μm以下の繊維状充填材を1質量%以上2質量%未満、含有することを特徴とする。
50%粒子径(D50)は、レーザー回折散乱方式粒度分布計にて求めた粒度分布における積算値50%での粒径(メジアン径)である。
本発明の射出成形品は、この樹脂組成物よりなるものである。
ここで、ポリプロピレン樹脂を40〜50質量%含有するのは、熱可塑のため流動性に優れるからである。一方、一般にポリプロピレン等の熱可塑性樹脂は、金属材料に比べ、線膨張係数が大きく、温度による寸法安定性に劣ることが知られている。よって、ポリプロピレン樹脂が40質量%未満では流動性が低下しやすく、50質量%を超えると線膨張係数が大きくなりやすい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーを20〜30質量%含有するのは、耐衝撃性に効くからである。20質量%未満では耐衝撃性が低下し、30質量%を超えると剛性と流動性が低下する。
D50が11〜15μmであるタルクを25〜35質量%含有するのは、剛性、耐衝撃性及び寸法安定性に効くからである。タルクを添加すると剛性は高まるが、タルクの含有量が増すほど耐衝撃性は一般に低下する。それは、タルクと樹脂の界面欠点からクレーズ(微小なひび割れ)が伝播するためである。この問題を解決する手段として、粒子径の大きいタルクを使用することで、熱による伸縮を効果的に抑えること(低線膨張率化)ことができる。D50が11μm未満では線膨張係数が大きくなり、15μmを超えると耐衝撃性が低下する。タルク含有量が25質量%未満では剛性が低下し、35質量%を超えると流動性が低下する。
長さが100μm以下の繊維状充填材を1質量%以上2質量%未満含有するのは、剛性と寸法安定性に効くからであり、特に寸法安定性を飛躍的に向上させることができる。繊維状充填材が1質量%未満では剛性と寸法安定性が低下し、2質量%以上に多くすると、特にポリプロピレン組成物において、成形収縮によってフィラー浮きが生じ外観不良となりやすい。
本発明によれば、上記の作用を組み合わせることで、剛性、耐衝撃性、寸法安定性、流動性(成形時)及び外観を高レベルでバランスさせた射出成形品及びその樹脂組成物を得ることができる。
[1]ポリプロピレン樹脂
自動車用等の射出成形品には機械的性能と低価格との両方が要求されるが、ポリプロピレン樹脂はその両方の要求を満たす。ポリプロピレン樹脂は、前記のとおり、MFR(230℃,2.16kg)が60〜120g/10分のものである。MFRが60g/10分未満だと流動性が不足し、120g/10分を超えるものは入手しにくい。
[2]オレフィン系熱可塑性エラストマー
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、特に限定されないが、エチレン−α−オレフィン共重合体を含むものが好ましい。
[3]タルク
タルクは、D50が11〜15μmであれば、その他の事項(白色度、見かけ比重、吸油量等)は特に限定されない。
[4]繊維状充填材
繊維状充填材は、長さが100μm以下であれば、その他の事項(材質、太さ等)は特に限定されない。繊維状充填材の長さは5〜50μmが好ましい。繊維状充填材としては、ウィスカ(その材質は、グラファイト、チタン酸カリウム、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ムライト、マグネシア、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、ホウ化チタン等)、カーボンナノファイバ、カーボンナノチューブ等を例示できる。
[5]その他の成分
本発明は、上記成分にその他の成分を加えることを排除しない。その他の成分としては、特に限定されないが、炭酸カルシウム、カオリンクレー、マイカ等の充填材や、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、着色剤等を例示できる。
[6]樹脂組成物の物性
樹脂組成物の引張弾性率は、2.5GPa以上であることが好ましく、2.5〜3.0GPaであることがより好ましい。
樹脂組成物のシャルピー衝撃値は、30kJ/m2 以上であることが好ましく、30〜40kJ/m2 であることがより好ましい。
樹脂組成物のMFR(230℃,2.16kg)は、20g/10分以上であることが好ましく、20〜30g/10分であることがより好ましい。
樹脂組成物の線膨張係数は、5.0×10-5/K以下であることが好ましく、4.0〜5.0×10-5/Kであることがより好ましい。
[7]射出成形品
射出成形品としては、特に限定されないが、自動車の内外装部品(外板を含む)、鉄道車両や建築物の内外装部品(外板を含む)、電気製品の筺体や部品等を例示できる。自動車の内外装部品としては、ボンネットフード、フェンダー、バンパー、ドア、トランクリッド、ルーフ、ラジエータグリル、ホイールキャップ、インストルメントパネル、ピラーガーニッシュ等を例示できる。
次の表1に示す実施例1,2及び比較例1〜7の樹脂組成物を配合調製し、各樹脂組成物を用いて射出成形品を射出成形し、物性を調べた。
Figure 0006547644
表1において、材料配合の各欄の数値は、これらの成分の合計量を基準にした質量%である。使用した成分の詳細は、次のとおりである。
・ポリプロピレン樹脂は、SK化学社製の商品名「BX−3920」(メルトインデックス100、降伏強度32MPa、曲げ弾性率1.8GPa)である。
・オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ダウエラストマー社製の商品名「エンゲージ8842」(エチレン−1−オクテン共重合体)である。
・タルク−1は、D50が13μm、見かけ比重が0.6のものである。
・タルク−2は、D50が6μm、見かけ比重が0.2のものである。
・タルク−3は、D50が10μm、見かけ比重が0.3のものである。
・タルク−4は、D50が16μm、見かけ比重が0.4のものである。
・ 繊維状充填材は、硫酸マグネシウムウィスカ(長さ5〜50μm)である。
射出成形品の物性の試験方法と判定基準は、次のとおりである。
・引張弾性率は、JIS K7161に準拠して引張試験を行うことで測定した。試験片形状は1A型とし、引張速度は1mm/分とし、標線間距離は50mmとした。引張弾性率が2.5GPa以上を「良」と判定し、それに満たないものは表1の欄に網掛けした。
・シャルピー衝撃値は、JIS K7111に準拠して測定した(23℃)。試験片はノッチ付き(R=0.25mm、厚さ4.0mm、幅8mm、長さ80mm)とした。シャルピー衝撃値が30kJ/m2 以上を「良」と判定し、それに満たないものは表1の欄に網掛けした。
・線膨張係数は、JIS−K7197に準拠して測定した。試験片は10mmx10mmx2mm(射出成形)、測定範囲は−30〜80℃、昇温速度は2℃/分、荷重は4kPaとした。線膨張係数が5.0(x10-5/K)以下を「良」と判定し、それを超えるものは表1の欄に網掛けした。
・MFRは、JIS−K7210−1に準拠して230℃、2.16kgで測定した。MFRが20以上を「良」と判定し、それに満たないものは表1の欄に網掛けした。
・外観は、目視で判定し、異常なしを○、充填不良(ショートショット)があったものを×とした。
表1のとおり、実施例1,2の射出成形品は、引張弾性率、シャルピー衝撃値、線膨張係数、MFR及び外観のいずれもが「良」であり、高いレベルでバランスすることが確認された。これに対し、比較例1〜7の射出成形品は、いずれか1つまたは複数の項目が「良」とならなかった。
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。

Claims (6)

  1. 以下の成分の合計量を基準として、MFR(230℃,2.16kg)が60〜120g/10分であるポリプロピレン樹脂を40〜50質量%、オレフィン系熱可塑性エラストマーを20〜30質量%、50%粒子径(D50)が11〜15μmであるタルクを25〜35質量%、長さが100μm以下の繊維状充填材を1質量%以上2質量%未満、含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. オレフィン系熱可塑性エラストマーは、エチレン−α−オレフィン共重合体を含むものである請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 樹脂組成物のMFR(230℃,2.16kg)は、20〜30g/10分である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 樹脂組成物の線膨張係数は、4.0〜5.0×10-5/Kである請求項1、2又は3記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂組成物よりなる射出成形品。
  6. 射出成形品は、自動車内外装部品である請求項5記載の射出成形品。
JP2016014912A 2016-01-28 2016-01-28 樹脂組成物及び射出成形品 Active JP6547644B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016014912A JP6547644B2 (ja) 2016-01-28 2016-01-28 樹脂組成物及び射出成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016014912A JP6547644B2 (ja) 2016-01-28 2016-01-28 樹脂組成物及び射出成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017132929A JP2017132929A (ja) 2017-08-03
JP6547644B2 true JP6547644B2 (ja) 2019-07-24

Family

ID=59502243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016014912A Active JP6547644B2 (ja) 2016-01-28 2016-01-28 樹脂組成物及び射出成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6547644B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7116423B2 (ja) 2019-01-31 2022-08-10 白石カルシウム株式会社 樹脂組成物及び射出成形品
CN115594917B (zh) * 2022-09-30 2023-10-20 武汉金发科技有限公司 一种低线性膨胀系数聚丙烯复合材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017132929A (ja) 2017-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9580585B2 (en) High-flow and high-impact polyolefin resin composition
US8481636B2 (en) Polyolefin resin composition for anti-scratch improvement and automotive product prepared from the composition
US9758657B2 (en) Mineral-filled polypropylene composition
US9714337B2 (en) Mineral filled polypropylene composition
JP6547644B2 (ja) 樹脂組成物及び射出成形品
KR102272077B1 (ko) 폴리올레핀계 탄성체 조성물
KR102451999B1 (ko) 내스크래치성 및 기계적 물성이 우수한 폴리프로필렌 복합 수지 조성물
JP7116423B2 (ja) 樹脂組成物及び射出成形品
CN108570190A (zh) 聚丙烯树脂组合物及其成型产品
KR101387826B1 (ko) 저광택성 및 내스크래치성이 우수한 폴리올레핀계 수지 조성물 및 이를 이용하여 제조되는 성형품
KR20160064389A (ko) 프로필렌 수지 조성물 및 이로부터 제조된 사출성형품
CN102061054A (zh) 用于汽车罩顶封板的聚丙烯树脂组合物
US9115278B2 (en) Polyolefin-based resin composition
KR102187560B1 (ko) 폴리프로필렌 수지 조성물 및 이의 성형품
JP6591860B2 (ja) ポリオレフィン樹脂組成物
JP5747853B2 (ja) ポリプロピレン組成物およびその成形品
KR20040008806A (ko) 자동차 씬월 범퍼 커버용 폴리프로필렌 수지 조성물
KR20100118664A (ko) 플로우마크 억제특성을 갖는 폴리프로필렌 수지 조성물
KR101734772B1 (ko) 고충격성 및 고부착성을 갖는 폴리프로필렌 복합 수지 조성물
KR101396039B1 (ko) 천연 충전재를 적용한 다기능성 폴리올레핀계 수지 조성물 및 이를 이용하여 제조되는 성형품
KR100599674B1 (ko) 폴리프로필렌 수지 조성물
KR101984552B1 (ko) 내스크래치성이 향상된 폴리프로필렌 수지 조성물 및 이로부터 제조된 자동차 성형 부품
KR101476038B1 (ko) 저비중 및 내스크래치 특성이 우수한 폴리프로필렌 수지 조성물
JPWO2018193893A1 (ja) ポリオレフィン樹脂組成物及びポリオレフィン樹脂組成物成形体
KR20190047888A (ko) 고강성 폴리프로필렌 복합 수지 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190610

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6547644

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150