JP6545949B2 - セメント組成物および空洞充填材 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば構造物等で生じた空間や隙間を充填固化するのに適したセメント組成物および該セメント組成物を含む空洞充填材に関する。
安価で充填性の良い空洞部用充填材にセメントベントナイトグラウト(CBグラウト)が使用されている。CBグラウトは、あらかじめ水と混合した膨潤性を持つ粘土の泥水、一般的にはベントナイト泥水に、セメントを加えて混合したスラリー状のグラウトであるが、このCBグラウトはベントナイトと水を混合して製造する工程と、ベントナイトスラリーにセメントを混合して製造する工程が別々にあるため、作業が煩雑である。セメントとベントナイトをあらかじめ混合しておくと、工程を簡素化できるが、セメントから溶出したカルシウムイオンのベントナイト結晶層間吸着によって膨潤能力が低下すると材料分離が起こり易くなるため、膨潤力の高いベントナイトを使用しなくてはならない。ベントナイトの膨潤性を高める手段として炭酸ナトリウムの添加は知られている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、ベントナイトに炭酸ナトリウムを添加したものを水に混合すると、膨潤するまでの時間が長大となって製造効率が低下し、またセメントとベントナイトの予混合物に大量の炭酸ナトリウムを添加したものは、注水するとセメントの凝結が著しく促進され、水分濃度を可成り高めないと流動性が早期に低下するため充填作業性に支障が生じる。水分濃度の増加は強度低下と乾燥硬化過程での大幅な体積減少を導くため定容積の空洞などの充填用には適さない。
また、膨潤力が20mL/2g以上のベントナイトとセメントを予め混合し、裏込用充填材に使用することが知られている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に開示された充填材は、高膨潤力のベントナイトとセメントの予混合物に水を加えて得たスラリーに、珪酸ソーダを添加混合して固化させたものである。この固化は、珪酸ソーダを添加して数秒で起こるため、スラリーに10%を超えるブリーディング率が見られても硬化性状に支障を及ぼす程の材料分離は進まないため、ベントナイトの混合量は少なくて済む。
特開平5−71119号公報 特開2006−248887号公報 特開2003−119062号公報
一方、珪酸ソーダのような急結成分を用いない充填材では、充填箇所の隙間を少なくする必要があり、併せてブリーディング率を5%以下に抑える必要がある。ブリーディング率抑制のためにはベントナイトの量を増加させることが不可欠になる。セメントとベントナイトを予め混合する方法は、製造工程の簡素化ができ、品質管理も容易である。しかしながら、一般に入手可能なベントナイト中にはおよそ10%程度の水が含まれるため、セメントとベントナイトを混合するとセメントから溶出したカルシウムイオンがベントナイト中の水に移動し、ベントナイトの膨潤性が低下する。その結果、経時的に材料分離が進み、不均質組織になって、硬化性状の劣化に繋がる。特に、水分が存在する湿潤状態の空洞部の充填に使用すると、セメントからのカルシウムイオンの溶出が多くなってベントナイトの膨潤性低下が大きくなり、硬化性状の経時劣化が顕著になる虞があった。
従って、本発明の課題は、施工が容易なセメント組成物であって、良好な充填性を具備し、製造後も長期間安定した膨潤性を維持し、材料分離を抑制できるセメント組成物及び湿潤状態の空洞でも安定した性状を保持でき、充填空洞への充填後に隙間が発生するのを抑制した空洞充填材を提供することにある。
そこで本発明者は、長期間安定した膨潤性を維持できる予め混合された粉末状セメント組成物について種々検討した結果、セメントと比較的多量のスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物に加えて、特定のアルカリ金属塩を含むセメント組成物を用いれば、セメントとベントナイトの混合後、長期間に亘ってベントナイトの膨潤性の低下が殆ど起こらず、材料分離も見られず、空洞部の隅々まで斑無く容易に充填でき、充填後は性状の経時劣化が起こらない堅牢な硬化充填物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔〕を提供するものである。
〔1〕セメント100質量部に対してスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物10〜50質量部と、アルカリ金属の炭酸水素塩及び燐酸塩から選ばれる1種又は2種以上とを含有し、アルカリ金属の炭酸水素塩及び燐酸塩から選ばれる1種又は2種以上の含有量が、セメント及びスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物の合計量100質量部に対して0.3〜5質量部である粉末状セメント組成物。
〔2〕セメント100質量部に対してスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物10〜50質量部と、アルカリ金属の炭酸水素塩とを含有し、アルカリ金属の炭酸水素塩の含有量が、セメント及びスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物の合計量100質量部に対して0.3〜5質量部である粉末状セメント組成物。
〕スメクタイトが、膨潤力20mL/2g以上のスメクタイトである〔1〕又は〔2〕記載の粉末状セメント組成物。
〕空洞充填用粉末状セメント組成物である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の粉末状セメント組成物。
〕〔〕に記載のセメント組成物の水性スラリーであって、セメント組成物100質量部に対し、水100〜250質量部を混合してなることを特徴とする空洞充填材。
〕〔〕に記載のセメント組成物の水性スラリーであって、NEXCO試験方法 試験法313−199で規定されるシリンダフロー値が120〜500mmであることを特徴とする空洞充填材。
〕水が存在する空間又は間隙の充填に用いられるものである〔〕又は〔〕記載の空洞充填材。
本発明の粉末状セメント組成物は、予め必要な成分を含有しているため水を添加するだけで容易に充填材として使用でき、長期間充填材としての品質劣化が少なく、また、充填材として使用した場合に、良好な充填性を有するとともに、材料分離が小さく、充填空洞への充填後に隙間が発生することを抑制できるため、空洞充填材として特に有用である。
実施例4の充填試験に使用した塩化ビニル管の概略図を示す。図中の数値はmmである。 塩化ビニル管への充填状態を示す図である。
本発明のセメント組成物は、(A)セメント100質量部に対し(B)スメクタイトを有効成分とする粘土鉱物10〜50質量部と、(C)アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩及び燐酸塩から選ばれる1種又は2種以上とを含有する粉末状のセメント組成物である。すなわち、(A)セメントと、(B)前記粘土鉱物と、(C)特定のアルカリ金属塩の3成分が予め混合された粉末状セメント組成物である。
使用する(A)セメントの種類は水硬性のものなら特に限定されない。使用可能なセメントの具体例としては、普通、早強、超早強、中庸熱等の各種ポルトランドセメント、高炉スラグ、石炭灰又はシリカフューム等との混合セメント、エコセメント等の特殊セメントを挙げることができる。
また、使用する(B)スメクタイトを有効成分とする粘土鉱物は、特に限定されるものではないが、膨潤力の高いものを用いるのが好ましい。スメクタイトは水に接触すると粘性を高める作用があり、その作用の程度は膨潤力で表される。膨潤力は、水の入ったメスシリンダーに2gの粘土鉱物を10回に分けて入れて膨潤させ、その膨潤した粘土の体積を計ることによって決定される。この値が大きいほど、膨潤性能は高くなるが、本発明で使用する粘土鉱物の有効成分であるスメクタイトの膨潤力は、セメント中のカルシウムイオンの優先的吸着によって水が吸収保持される割合が低下して膨潤が阻害され、材料分離抵抗性を高めることが困難になるのを防止する点から、20mL/2g以上であることが好ましい。膨潤力が20mL/2g以上得られる可能性が高いスメクタイトとしては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、ノントライト、サポライト、ソーコナイト及びスチブンサイトから選ばれる1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。好ましくは、20mL/2g以上の高い膨潤力を安定して具備することから、前記粘土鉱物としてベントナイトを使用する。より好ましくは、より高い膨潤力を具備できるナトリウム型ベントナイトを使用する。尚、セメントにスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物を添加しないと、流動性確保のため混合水量を多くすると、セメントと水が分離する。スメクタイトを有効成分とする粘土鉱物の配合量は、前記セメント100質量部に対し、10〜50質量部であり、好ましくは20〜50質量部、より好ましくは30〜50質量部である。10質量部未満では、良好な充填性を得るに適した流動性は得られるもののセメントと水が分離し易くなり、充填後に乾燥硬化が進むと充填箇所上部に隙間が生じ易くなるので適当ではなく、50質量部を超えると流動性が低下して良好な充填性を得られないことがあるため適当ではない。
本発明のセメント組成物は、(C)アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩及び燐酸塩から選ばれる1種又は2種以上を含有する。本発明で使用するアルカリ金属の炭酸塩、炭酸水素塩及び燐酸塩から選ばれる何れか1種又は2種以上は、膨潤を阻害するカルシウム塩よりも溶解度が大きい為、カルシウムイオンよりも先にベントナイト中へ取り込まれ、膨潤の阻害が小さくなるものと考えられる。これらの効果は、硫酸ナトリウムや塩化ナトリウムでは得られない。
アルカリ金属としては、ナトリウム又はカリウムが好ましく、特にナトリウムが好ましい。また、炭酸塩、炭酸水素塩又は燐酸塩のうち、炭酸塩又は炭酸水素塩が好ましく、炭酸水素塩がより好ましい。具体的なアルカリ金属塩としては、カリウム又はナトリウムの炭酸水素塩が好ましく、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
これらの塩((C)成分)の含有量は、粘土鉱物の劣化抑制効果及び粘土鉱物膨潤性低下抑制効果の点から、セメント及び粘土鉱物の合計量100質量部に対して0.3〜5質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
また、本発明のセメント組成物は、本発明の効果を実質喪失させない範囲で、上記以外の成分を含有することができる。このような成分として、例えば、空気連行剤、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、分散剤、流動化剤、気泡・発泡剤、凝結調整剤、硬化促進剤、消泡剤、乾燥収縮低減剤、ポゾラン反応性物質、増量材、細骨材、水溶性セルロース誘導体等を挙げることができる。特に、AE減水剤又は高性能減水剤等を添加すると、単位体積当たりの水の量を減らすことができ、流動性を変えずに強度を高めることができる。また、気泡・発泡剤としては例えばアルミニウム粉末のような金属粉や流動コークス粉が用いられ、軽量化や充填後に空洞内壁と充填材とを完全に密着することが出来る。好ましくは、水溶性セルロース誘導体を含有するものが良い。水溶性セルロース誘導体は増粘作用により材料分離抑制に寄与する他、空洞部に水のような溶液が充満されている場合でも、水に希釈されることなく充填が可能となる。また、空洞部の隙間から外部への逸脱を抑制することもできる。水溶性セルロース誘導体としては、特に限定されず何れのものでも使用できるが、好適例としては、水溶性セルロースエーテル類又は水溶性ビスコースエーテル類を挙げることができる。より具体的には、ヒドロキシエチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル基、ヒドロキシエチル基又はヒドロキシプロピル基が置換したビスコース等を例示することができる。水溶性セルロース誘導体の含有量は、前記作用を十分発現させる上で、セメント及び粘土鉱物の合計量100質量部に対し、好ましくは0.01〜0.15質量部である。
本発明の粉末状セメント組成物は、セメント及び粘土鉱物が含まれており、長期保存しても膨潤性、充填性の低下が抑制されるので、これに水を添加して得られる水性スラリーは空洞充填材として使用でき、充填施工が簡便になる。
従って、本発明の空洞充填材は、前記セメント組成物に水を混合した水性スラリーからなるものであって、セメント組成物100質量部に対して好ましくは水100〜250質量部を使用する。水の使用量をこの範囲とすることにより、流動性が良好で混合や充填をスムーズに行うことができ、充填材としての強度も適切となる。
本発明の空洞充填材は、前記セメント組成物に水を混合したものであって、NEXCO試験方法 試験法313−1999で規定されるシリンダー法のフロー値(以下フロー値)が120〜500mmの水性スラリーであることが望ましい。特に、高流動、自己充填性が要求される充填材としてはフロー値で250mm〜500mmがより好ましい。また、充填箇所の周囲に隙間があり、外部への逸脱を抑制したい場合は可塑状注入が好ましい。可塑状注入を維持するためにはフロー値として120mm〜250mmが好ましい。従って、さまざまな条件で円滑な充填を行うに適するためには、120mm〜500mmの水性スラリーであることが好ましい。フロー値が小さすぎると、空洞細部や奥部まで満遍無く充填することが困難になり、また充填材のポンプ圧送も困難になるので好ましくない。フロー値が大きすぎると、水が存在する空間や間隙に充填すると、ブリーディング率が大きくなり、充填直後は空洞が充填物で完全に満たされていても、充填物の上部はスラリー水分が過剰に偏在することになるため、充填後の乾燥硬化の進行と共に充填部位の上部に隙間が生じ、充填不良になる虞がある。
本発明の粉末状セメント組成物に水を添加して水性スラリーを得、当該水性スラリーを空洞に充填すれば、簡便に空洞充填施工ができる。このとき、水性スラリーのシリンダー法のフロー値は、水の混合量により前述のNEXCO試験方法 試験法313−1999で規定されるシリンダー法のフロー値で120〜500mmとするのが好ましい。なお、充填は、ポンプ圧送により行うのが好ましい。
以下に、実施例に基づき具体的に本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、混合物及びセメント組成物作製、充填材作製、フロー値測定、ブリーディング率測定及び水中希釈試験については、特記無い限り何れも20℃(±2℃)で行った。
〔使用材料〕
使用した材料は表1に示す材料(市販品)を選択使用した。
〔セメント組成物作製〕
配合に示す各材料を計量し、ヘンシェルミキサで混合して作成した。
〔充填材作製〕
セメント組成物と水を計量し、ハンドミキサで混ぜながら水をセメント組成物を入れ、2分間撹拌して作製した。
〔フロー値〕
フロー値は、NEXCO試験方法 試験法313−1999、コンシステンシー試験方法のシリンダー法の規定に準ずる。
〔ブリーディング率〕
ブリーディング率は、土木学会基準JSCE−F522−1999で使用されるポリエチレン袋を使用し、これに充填材を標線まで入れ、24時間後の浮き水量を測定しブリーディング率を算出した。
(実施例1)
高流動性のセメント組成物について検討した。即ち、表1の材料を選定配合したセメント組成物に、水を添加して水性スラリーにし、そのフロー値、ブリーディング率を測定した。ここで、セメント組成物としては、セメント100質量部に対し、ベントナイトを40質量部添加した混合物100質量部に対し、表2に記載した所定量のアルカリ金属塩を加えたものを用いた。また、水性スラリーの作製は、水を前記混合物100質量部に対し、表2記載の配合量(質量部)を加えてハンドミキサで約2分間混練した。
その結果、表2に示す通り、アルカリ金属塩を添加していないものは、混合後3日経過したものについては比較的材料分離が小さいが、28日経過するとブリーディング率が5%を大きく超える(A11)。炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム又は燐酸二水素ナトリウムのアルカリ金属塩を添加すると、混合して28日経過しても材料の分離が5%以下に抑制できる(A1〜A8)。同時に充填に適した良好なフロー値も呈した。しかし、アルカリ金属塩の添加剤が、硫酸塩(A9)や塩化物(A10)ではブリーディング抑制効果が乏しい結果となった。
(実施例2)
可塑状のセメント組成物の水性スラリーとして、前記セメント組成物にヒドロキシメチルセルロースを添加したものについて検討した。即ち、セメント組成物として、セメント100質量部に対し、ベントナイトを40質量部添加した混合物100質量部に対し、表3に記載した所定量のアルカリ金属塩とヒドロキシメチルセルロースを0.05質量部添加したものを用いた。(B4は、ヒドロキシメチルセルロースのみ添加。)また水性スラリーを作製する上で、前記セメント組成物100質量部に対し、表3記載の添加量(質量部)の水を添加し、ハンドミキサで約2分間混練した。
その結果、表3に示す通り、アルカリ金属塩を添加していないセメント組成物の水性スラリーは、28日経過すると粘性が著しく低下し、可塑状を維持できない(B4)。
これにアルカリ金属塩を添加すると、混合して28日経過してもフロー値が250mm以下に抑制できるため、良好な可塑状を維持でき(B1〜B3)、充填性に秀でるものであることがわかる。
(実施例3)
セメント組成物中のベントナイトの配合割合を変化させたものについて、前記実施例1と同様の性状を調べた。即ち、セメント100質量部に対し、ベントナイトを5質量部〜80質量部添加した混合物100質量部に対し、炭酸水素ナトリウムを3質量部添加し、さらに水を120 質量部加えてハンドミキサで混練した水性スラリーを作製し、実施例1と同様にフロー値とブリーディング率を測定した。また、前記混合物100質量部に対し、表4記載量のアルカリ金属塩とヒドロキシプロピルメチルセルロース0.05質量部を加えて混合し、この混合物100質量部に水を120質量部加えてハンドミキサで約2分間混練した水性スラリーも測定した。その測定結果を表4に記す。
表4から、ベントナイト添加量が10〜50質量部のものは充填に適した高い流動性を具備しつつ、ブリーディングを効果的に抑制できていることがわかる。ベントナイト添加量が5質量部では材料分離が進んでいた。また、80質量部では粘性が高すぎて混合抵抗過多のためハンドミキサでは殆ど混練できなかった。
(実施例4)
セメント組成物中のベントナイトの種類、配合割合、および水の量を変化させたものについて、フロー値、圧縮強度、ブリーディング率について調べた。即ち、セメント100質量部に対し、ベントナイトを40質量部添加した混合物100質量部に対し、炭酸水素ナトリウムを1質量部添加し、さらに水を110〜250質量部加えてハンドミキサで混練した水性スラリーを作製し、フロー値と一軸圧縮強さ(JIS A 1216、土の一軸圧縮試験方法に準じて行った)を測定した。また、前記混合物100質量部に対し、炭酸水素ナトリウム1質量部とヒドロキシプロピルメチルセルロース0.05質量部添加し、さらに水を110〜250質量部加えてハンドミキサで混練した水性スラリーも測定した。その測定結果を表5に記す。
構造物の空洞に充填するため、強度は構造物よりも弱くてもよく、0.5N/mm2以上程度あれば十分である。表5中、ベントナイトBはベントナイトAよりも多い水が必要であるが、ベントナイトBを使用した場合にはセメント組成物100質量部に対して、例えば水250質量部を混合して水溶性スラリーにしても、材齢28日強度で0.5N/mm2を超えるため、良好である。
表5より、本発明のセメント組成物100質量部に対して水100〜250質量部を添加して水性スラリーとし、空洞充填材として使用するのがより好ましい。
(実施例5)
図1で示すような両端を封じた直径200mmで長さ1000mmの塩化ビニル管を水平にした状態で設置し、両端面から約50mmの上部箇所に、直径が各30mmの注入孔と排出孔をそれぞれ1箇所ずつ設け、充填実験を実施した。該塩ビ管の注入孔より表6で表す配合の充填材を、排出孔から充填材が流出するまで充填した。充填孔および排出孔を閉塞し、そのまま常温下で28日間放置した後、500mmの部分で切断し、図2のように上部の最上面から空洞部までの長さを測定した。セメント組成物は製造後42日が経過したものを使用した。
本発明品(E1、E2)は、充填28日後における塩化ビニル管内に形成された隙間は殆ど見られず、概ね良好な充填状態であった。これに対し、比較例(E3)は、硬化と共に管内上部に隙間が大きく形成され、十分充填できなかった。

Claims (7)

  1. セメント100質量部に対してスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物10〜50質量部と、アルカリ金属の炭酸水素塩及び燐酸塩から選ばれる1種又は2種以上とを含有し、アルカリ金属の炭酸水素塩及び燐酸塩から選ばれる1種又は2種以上の含有量が、セメント及びスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物の合計量100質量部に対して0.3〜5質量部である粉末状セメント組成物。
  2. セメント100質量部に対してスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物10〜50質量部と、アルカリ金属の炭酸水素塩とを含有し、アルカリ金属の炭酸水素塩の含有量が、セメント及びスメクタイトを有効成分とする粘土鉱物の合計量100質量部に対して0.3〜5質量部である粉末状セメント組成物。
  3. スメクタイトが、膨潤力20mL/2g以上のスメクタイトである請求項1又は2記載の粉末状セメント組成物。
  4. 空洞充填用粉末状セメント組成物である請求項1〜3のいずれか1項記載の粉末状セメント組成物。
  5. 請求項記載のセメント組成物の水性スラリーであって、セメント組成物100質量部に対し、水100〜250質量部を混合してなることを特徴とする空洞充填材。
  6. 請求項記載のセメント組成物の水性スラリーであって、NEXCO試験方法 試験法313−1999で規定されるシリンダー法のフロー値が120〜500mmであることを特徴とする空洞充填材。
  7. 水が存在する空間又は間隙の充填に用いられるものである請求項5又は6記載の空洞充填材。
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