JP6541962B2 - 電流センサおよび測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気コア、ホール素子などの磁電変換部、磁気コアに形成されたコイルおよびシールド部材(シールドケースなど)を備え、測定対象電路を内包する閉磁気回路を磁気コアが形成するように構成された電流センサ、およびこの電流センサを備えた測定装置に関するものである。
この種の電流センサとして、本願出願人は、下記の特許文献1に開示された電流センサを既に提案している。この電流センサは、以下のような基本構成を備えている。すなわち、この電流センサは、固定側の第1磁気コアと可動側(開閉側)の第2磁気コアとに分割可能に構成されて内部空間に被測定電線が挿通される磁気コアと、外部磁界(外来ノイズ)の遮蔽を目的として磁気コアに被せられる磁気シールドケース(固定側の第1磁気シールドケースと可動側の第2磁気シールドケース)とを有している。この場合、固定側の第1磁気コアは一辺が開放されたほぼコ字形に形成されており、可動側の第2磁気コアは第2磁気シールドケース部とともにコア開閉機構により第1磁気コアの開放面に対して開閉可能に支持されている。また、固定側の第1磁気コアには、磁電変換素子であるホール素子と、負帰還コイルとが設けられている。
以上の構成の電流センサは、外部に配設された増幅器と組み合わされて、ゼロフラックス法(磁気平衡方式)の測定装置(一例として、電流検出装置)として機能する。具体的には、この測定装置では、ホール素子の出力側に電圧−電流変換器としての増幅器が接続され、かつ増幅器の出力側が負帰還コイルの一端に接続されて、増幅器は、ホール素子の出力電圧に比例した負帰還電流を生成して負帰還コイルに供給する。負帰還コイルの他端には負帰還電流を電圧として検出する検出抵抗が接続されている。
この場合、この負帰還電流は、磁気コアに生じる磁束の大きさ(磁束量)に比例する。すなわち、負帰還電流は被測定電線に流れる電流に比例する。したがって、この測定装置によれば、検出抵抗で検出される電圧に基づいて、被測定電線に流れる電流を測定することが可能になっている。
ところで、特許文献1にも開示されているように、この電流センサには、以下のような改善すべき課題が存在している。すなわち、この種の電流センサでは、磁気コアによって構成される閉磁気回路の磁気抵抗は、負帰還コイルの部分、およびホール素子が配置されている部分(ギャップ)で著しく増加する。このため、この電流センサでは、これらの部分から磁気シールドケースに向かう漏れ磁束が発生する。
また、この電流センサでは、被測定電線に流れる電流によって磁気コアばかりでなく磁気シールドケースにも磁束が誘起され(この磁束を誘起磁束ともいう)、この誘起磁束および漏れ磁束の大きさによっては磁気シールドケースが磁気飽和を起こすことがある。なお、磁気コアについては、上記したように内部に発生する磁束がゼロになるように負帰還がかかっていることから、磁気飽和は生じにくい。
そして、被測定電線に流れる電流の電流値が大きくなって、磁気シールドケースが磁気飽和を起こしたときには、磁気シールドケース内の磁束の大きさ(磁束量)が頭打ち状態になり、その結果として、磁気コア内の磁束の大きさ(磁束量)がその分だけ増加することになる。この場合、ゼロフラックス法(磁気平衡方式)の測定装置(電流検出装置)では、増加した分だけ負帰還コイルにおいて発生させる磁束を増加させるように負帰還電流を増加させる。したがって、この電流センサを使用した測定装置では、被測定電線に流れる電流が磁気シールドケースに磁気飽和を引き起こすような大きな電流領域に達している状態において、検出感度が上昇する(つまり、検出感度のリニアリティが損なわれる)という課題が存在している。
この特許文献1には、この課題を改善するための一つの構成として、磁気シールドケースのうち、磁気コア側の磁電変換部(磁電変換素子)および負帰還コイルが配設されていない部分と対応する特定部分の体積を他の部分よりも大きくする(具体的には、磁気シールドケースに付加磁性体を貼り付ける)という構成が開示されている。
特開2006−46922号公報(第2−6頁、第1,5−6図)
しかしながら、上記した特許文献1に開示されているような構成(付加磁性体を貼り付ける構成)とは異なり、別の磁性体の使用を不要としつつ、検出感度のリニアリティを確保し得る構成の提案が望まれている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、検出感度のリニアリティを確保し得る電流センサ、およびこの電流センサを使用した測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1記載の電流センサは、測定対象電路を内包する第1の閉磁気回路を形成する環状の磁気コア、前記磁気コア内の磁束を検出して当該磁束の磁束量に応じた振幅の電気信号を出力する磁電変換部、前記磁気コアに形成されると共に前記電気信号に基づいて生成された負帰還電流が供給されるコイル、並びに前記磁気コア、前記磁電変換部および前記コイルの近傍に配設されたシールド部材を備えている電流センサであって、前記シールド部材には、前記磁気コアからの漏れ磁束についての閉磁気回路であって、当該シールド部材、当該磁気コアにおける前記コイルの形成部位、および前記磁電変換部を含んで構成される第2の閉磁気回路の磁気抵抗を増加させるギャップが形成されている。
請求項2記載の電流センサは、請求項1記載の電流センサにおいて、前記シールド部材は、前記磁気コア、前記磁電変換部および前記コイルのほぼ全体を覆う形状に構成されている。
請求項3記載の電流センサは、請求項1または2記載の電流センサにおいて、前記シールド部材は、前記磁気コア、前記磁電変換部および前記コイルのほぼ全体を覆う形状に構成された内側シールド部材、および当該内側シールド部材のほぼ全体を当該内側シールド部材とは非接触の状態で覆う外側シールド部材を備え、前記ギャップは、前記内側シールド部材にのみ形成されている。
請求項4記載の測定装置は、請求項1から3のいずれかに記載の電流センサと、前記電気信号に基づいて前記負帰還電流を生成して前記コイルの一端に供給するアンプと、前記コイルの他端に接続されて前記負帰還電流を電圧信号に変換する電流電圧変換部とを備えている。
請求項1記載の電流センサおよび請求項4記載の測定装置によれば、漏れ磁束についての閉磁気回路であって磁電変換部を含む第2の閉磁気回路の磁気抵抗を増加させるギャップをシールド部材に設けたことにより、測定対象電路に流れる測定電流の電流値が大きな高電流領域においてもこの第2の閉磁気回路の磁気飽和を回避できることから、十分に良好なリニアリティを確保することができる。
また、請求項2記載の電流センサおよび請求項4記載の測定装置によれば、閉状態において、磁気コア、磁電変換部およびコイルのほぼ全体を覆う形状にシールド部材が構成されているため、磁気コア、磁電変換部およびコイルへの外部磁界の影響を十分に低減した状態で、測定対象電路に流れる測定電流の電流値を測定することができる。
また、請求項3記載の電流センサおよび請求項4記載の測定装置によれば、内側シールド部材の外側に、閉状態において内側シールド部材のほぼ全体を覆う外側シールド部材を配置した2重シールド構造としたことにより、内側シールド部材に上記したようなギャップを設けて良好なリニアリティを確保しつつ、磁気コア、磁電変換部およびコイルへの外部磁界の影響を外側シールド部材によってより一層低減することができる。したがって、この電流センサおよび測定装置によれば、測定対象電路に流れる測定電流の電流値をより一層正確に測定することができる。
電流センサ1の正面図である。 第1コアユニット2に対して第2コアユニット3を相対的に摺動させた状態での電流センサ1の正面図である。 第1コアユニット2に対して第2コアユニット3を回転軸Lを中心として回動させた状態での電流センサ1の正面図である。 電流センサ1の構造を説明するための分解斜視図である。 第1コアユニット2の斜視図である。 第2コアユニット3の斜視図である。 電流センサ1の斜視図である。 電流センサ1の図7におけるW1−W1線断面図(第1ホルダ12、第2ホルダ42、第1窓枠17および第2窓枠45の図示を省略した状態での断面図)、および電流検出装置91の構成図である。 電流センサ1の図7におけるW2−W2線断面図(第1ホルダ12および第2ホルダ42の図示を省略した状態での断面図)である。 図9における第1ギャップG1を無くした比較例についての断面図である。 1つの第2コアユニット3を複数の第1コアユニット2と組み合わせて構成した電流センサ1についての測定電流Iに対するrdg誤差のバラツキを示す特性図である。 1つの第2コアユニット3を従来の構成の複数の第1コアユニットと組み合わせて構成した電流センサについての測定電流Iに対するrdg誤差のバラツキを示す特性図である。
以下、電流センサおよび測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、電流センサ1の構成について説明する。
電流センサ1は、一例として図1に示すように、第1コアユニット2、および不図示の開閉機構によって第1コアユニット2に対して開閉自在に支持された第2コアユニット3を備え、第1コアユニット2に形成された凹溝(窓部)4内に導入された測定対象電路5を各コアユニット2,3間で内包(クランプ)可能に構成されている。この場合、開閉機構としては、図2に示すように、第1コアユニット2に対して第2コアユニット3を相対的に摺動させる(直線的に移動させる)開閉機構とすることもできるし、図3に示すように、第1コアユニット2に対して第2コアユニット3を回転軸Lを中心として回動させる開閉機構とすることもできる。
また、本例の電流センサ1は、一例として、図8に示すように、環状の磁気コアCRに設けられた第2ギャップG2に磁電変換部(ホール素子やフラックスゲート型の磁気検出素子)15が配設されると共に、磁気コアCRにコイル(負帰還コイル)16が形成(巻回)された構成を有している。この第2ギャップG2は、後述するようにして、磁気コアCRによって形成される閉磁気回路(測定対象電路5に測定電流Iが流れることによって測定対象電路5の周囲に発生する磁束についての閉磁気回路:「第1の閉磁気回路」の一例)中に形成されることで、この閉磁気回路の磁気抵抗を増加させる機能を備えているが、後述の第1ギャップG1も含めて閉磁気回路中に設けられるギャップとは、間隔が数ミリ程度であって、ギャップを挟んで対向する磁性体の端面同士間での磁気的な結合が強い状態に維持される間隔をいうものとする。
この電流センサ1は、図8に示すように、アンプ92および電流電圧変換部(例えば、抵抗)93と組み合わされることにより、測定装置の一例である電流検出装置91として機能する。具体的には、この電流検出装置91では、電流センサ1は、一例として、磁電変換部15から磁気コアCR内の磁束の磁束量に応じた振幅で出力される電気信号(電圧信号)をアンプ92に入力し、このアンプ92がこの電圧信号を電流信号(負帰還電流)に変換してコイル16の一端に供給し、かつこの電流信号をコイル16の他端とグランドとの間に接続された抵抗93で電圧に変換するようにして使用される。
この場合、磁電変換部15は、磁気コアCRに内包された測定対象電路5に測定電流Iが流れることによって磁気コアCR(測定対象電路5の周囲に発生する磁束についての閉磁気回路(第1の閉磁気回路)を構成する磁気コア)に生じる第1磁束φ1と、アンプ92からの電流信号によってコイル16を介して磁気コアCRに生じさせる第2磁束φ2(第1磁束を打ち消す方向の磁束)との合成磁束(φ1−φ2)を検出すると共にこの合成磁束(φ1−φ2)の磁束量に応じた振幅の電圧信号を出力する。アンプ92は、磁電変換部15から出力される電圧信号に基づいて、磁電変換部15が検出している合成磁束(φ1−φ2)がゼロになるような電流信号を生成してコイル16に供給する。このようなゼロフラックス式(磁気平衡式(クローズドループ式)ともいう)の回路構成においては、アンプ92からの電流信号は測定電流Iと比例する関係となるため、抵抗93で変換された電圧を測定することで、測定電流Iが測定される。
第1コアユニット2は、一例として図4に示すように、第1外側シールド部材11、第1ホルダ12、第1内側シールド部材13、第1コア部材14、磁電変換部15、コイル16および第1窓枠17を備えている。
第1外側シールド部材11は、パーマロイなどの高透磁率磁性材を用いて、第2コアユニット3との対向面(図4中の上面)が開口する直方体状の箱体に形成されている。具体的には、第1外側シールド部材11は、平面視長方形の底壁21、この底壁21の対向する一対の辺部(長辺部)から起立する互いに平行な一対の側壁22,23、およびこの底壁21の他の対向する一対の辺部(短辺部)から起立する互いに平行な一対の側壁24,25を備えて上記した構成の箱体に形成されている。
また、一対の側壁22,23には、凹溝4の正面形状に対応した正面形状の切欠き部26,26が、各側壁22,23における第2コアユニット3と対向する縁部(図4中の上縁部)に開口する状態で形成されている。このように切欠き部26,26が各側壁22,23に形成されている構成のため、第1外側シールド部材11の正面視形状(図4中の矢印A方向から見た形状をいうものとする)は、後述するように正面視形状がコ字状に形成された第1コア部材14全体を覆うことが可能なほぼU字状(またはコ字状)に形成されている。また、側壁25には、磁電変換部15に関する不図示の配線を第1外側シールド部材11の外部に引き出すための不図示の回路基板が取り付けられる挿通孔27が形成されている。
第1ホルダ12は、後述するようにして第1内側シールド部材13と共に第1外側シールド部材11内に収納されて、第1外側シールド部材11に対して第1内側シールド部材13を両シールド部材11,13が互いに直接接触しない状態(非接触の状態)で保持する。また、第1ホルダ12は非磁性材料で形成されている。このため、両シールド部材11,13は、相互間での磁気的な結合が極めて小さい状態に維持されている。
第1内側シールド部材13は、第1外側シールド部材11と同等の高透磁率磁性材を用いて、第2コアユニット3との対向面(図4中の上面)が開口する直方体状の箱体に形成されている。具体的には、第1内側シールド部材13は、平面視長方形の底壁31、この底壁31の対向する一対の辺部(長辺部)から起立する互いに平行な一対の側壁32,33、およびこの底壁31の他の対向する一対の辺部(短辺部)のうちの一方の辺部から起立する側壁34を備えて上記した構成の箱体に形成されている。
このようにして、本例の第1内側シールド部材13では、底壁31の他の対向する一対の辺部(短辺部)のうちの他方の辺部には、側壁を形成しない構成を採用して、磁電変換部15に関する上記の配線をこの部分から第1内側シールド部材13の外部に引き出すようにしている。なお、第1外側シールド部材11と同様にして、この一対の辺部(短辺部)のうちの他方の辺部にも側壁を設けると共に、磁電変換部15に関する上記の配線を引き出すための挿通孔をこの側壁に形成する構成を採用することもできる。
また、一対の側壁32,33には、凹溝4の正面形状に対応した正面形状(切欠き部26,26と同じ形状)の切欠き部36,36が、各側壁32,33における第2コアユニット3と対向する縁部(図4中の上縁部)に開口する状態で形成されている。このように切欠き部36,36が各側壁32,33に形成されている構成のため、第1内側シールド部材13の正面視形状は、正面視形状がコ字状に形成された第1コア部材14全体を覆うことが可能なほぼU字状(またはコ字状)に形成されている。
第1コア部材14は、フェライトなどの高透磁率磁性材(本例の各シールド部材に使用されるパーマロイよりも低い透磁率の磁性材)を用いて、正面視形状がコ字状に形成されている。また、第1コア部材14におけるコ字状の互いに平行な一対の辺に相当する2つの部位14a,14a(以下、それぞれを「脚部14a」ともいう)には、コイル16がそれぞれ配設されている。また、第1コア部材14における各脚部14a,14aを連結する連結部14bと、各脚部14a,14aのうちの一方の脚部14a(本例では一例として、正面視した状態での右側の脚部14a)との間には第2ギャップG2(図8参照)が形成されて、この第2ギャップG2内に磁電変換部15が配設されている。
上記した第1コアユニット2の第1外側シールド部材11、第1ホルダ12、第1内側シールド部材13および第1コア部材14(磁電変換部15およびコイル16が上記したように配設され、かつ挿通孔27に取り付けられる上記の回路基板と配線(いずれも図示せず)で接続された状態の第1コア部材14)は、第1内側シールド部材13の底壁31と側壁32と側壁34とに一方の第1ホルダ12を密着させると共に第1内側シールド部材13の底壁31と側壁33と側壁34とに他方の第1ホルダ12を密着させた状態で、まず、第1内側シールド部材13および一対の第1ホルダ12を第1外側シールド部材11内に装着する。
次いで、第1コア部材14を不図示のホルダを介在させた状態で第1内側シールド部材13内に装着すると共に、第1外側シールド部材11の挿通孔27に回路基板を取り付ける。続いて、第1窓枠17を第1外側シールド部材11に形成された切欠き部26,26および第1内側シールド部材13に形成された切欠き部36,36に嵌め込むことにより、第1コア部材14の各脚部14a,14a間に配設する。最後に、第1外側シールド部材11内にエポキシ樹脂などのポッティング材(図示せず)を充填して硬化させることで、第1外側シールド部材11、第1ホルダ12、第1内側シールド部材13、第1コア部材14および第1窓枠17を一体化させる。これにより、図5に示す構成の第1コアユニット2が完成する。
このようにして構成された第1コアユニット2では、図5,8に示すように、第1外側シールド部材11の各側壁22,23,24,25における第2コアユニット3と対向する縁部(図5,8中の上縁部)、第1内側シールド部材13の各側壁32,33,34における第2コアユニット3と対向する縁部(図5,8中の上縁部)、および第1コア部材14の各脚部14a,14aにおける第2コアユニット3と対向する端面(図5,8中の上端面)は、第1外側シールド部材11の底壁21および第1内側シールド部材13の底壁31と平行な共通の平面内に位置した状態になっている。
第2コアユニット3は、一例として図4に示すように、第2外側シールド部材41、第2ホルダ42、第2内側シールド部材43、第2コア部材44および第2窓枠45を備えている。
第2外側シールド部材41は、第1外側シールド部材11と共に外側シールド部材SH1を構成する。この第2外側シールド部材41は、第1外側シールド部材11と同等の高透磁率磁性材を用いて、第1コアユニット2との対向面(図4中の下面)が開口する直方体状の箱体に形成されている。具体的には、第2外側シールド部材41は、平面視形状が第1外側シールド部材11の底壁21と同形状の底壁51、この底壁51の対向する一対の辺部(長辺部)から起立する互いに平行な一対の側壁52,53、およびこの底壁51の他の対向する一対の辺部(短辺部)から起立する互いに平行な一対の側壁54,55を備えて上記した構成の箱体に形成されている。
また、一対の側壁54,55には、第2窓枠45が嵌め込まれる切欠き部56がそれぞれ形成されているが、この切欠き部56は浅く形成されている。このため、第2外側シールド部材41の正面視形状は、ほぼ長方形に形成されている。
第2ホルダ42は、後述するようにして第2内側シールド部材43と共に第2外側シールド部材41内に収納されて、第2外側シールド部材41に対して第2内側シールド部材43を両シールド部材41,43が互いに直接接触しない状態(非接触の状態)で保持する。また、第2ホルダ42は非磁性材料で形成されている。このため、両シールド部材41,43は、相互間での磁気的な結合が極めて小さい状態に維持されている。
第2内側シールド部材43は、第1内側シールド部材13と共に内側シールド部材SH2を構成する。この第2内側シールド部材43は、第1外側シールド部材11と同等の高透磁率磁性材を用いて、第1コアユニット2との対向面(図4中の下面)が開口する直方体状の箱体に形成されている。具体的には、第2内側シールド部材43は、平面視形状が第1内側シールド部材13の底壁31と同形状の底壁61、この底壁61の対向する一対の辺部(長辺部)から起立する互いに平行な一対の側壁62,63、およびこの底壁61の他の対向する一対の辺部(短辺部)から起立する互いに平行な一対の側壁64,65を備えて上記した構成の箱体に形成されている。
また、一対の側壁62,63には、第2窓枠45が嵌め込まれる切欠き部66がそれぞれ形成されているが、この切欠き部66は浅く形成されている。このため、第2内側シールド部材43の正面視形状は、ほぼ長方形となっている。なお、各側壁62,63におけるこの切欠き部66を基準とした側壁65側の部位B1は、各側壁62,63における切欠き部66を基準とした側壁64側の部位B2よりも、底壁61からの高さが第1ギャップG1(本例では一例として500μm)の分だけ低くなるように形成されている。
第2コア部材44は、第1コア部材14と同等の高透磁率磁性材を用いて直方体状に形成されて、第1コア部材14と共に磁気コアCRを構成する。また、第2コア部材44の第1コアユニット2との対向面(図4中の下面)には、第2窓枠45が嵌め込まれる凹溝44aが形成されているが、この凹溝44aの深さは、上記した切欠き部56,66の深さと同等であって浅く形成されている。このため、第2コア部材44は、正面視形状がコ字状に形成されている。
上記した第2コアユニット3の第2外側シールド部材41、第2ホルダ42、第2内側シールド部材43および第2コア部材44は、第2内側シールド部材43の底壁61と側壁62と側壁64とに一方の第2ホルダ42を密着させると共に第2内側シールド部材43の底壁61と側壁63と側壁64とに他方の第2ホルダ42を密着させた状態で、まず、第2内側シールド部材43および一対の第2ホルダ42を第2外側シールド部材41内に装着する。
次いで、第2コア部材44を不図示のホルダを介在させた状態で第2内側シールド部材43内に装着する。続いて、第2窓枠45を、第2外側シールド部材41に形成された切欠き部56,56、第2内側シールド部材43に形成された切欠き部66,66および第2コア部材44に形成された凹溝44aに嵌め込む。最後に、第2外側シールド部材41内にエポキシ樹脂などのポッティング材(図示せず)を充填して硬化させることで、第2外側シールド部材41、第2ホルダ42、第2内側シールド部材43、第2コア部材44および第2窓枠45を一体化させる。これにより、図6に示す構成の第2コアユニット3が完成する。
このようにして構成された第2コアユニット3では、図6,8に示すように、第2外側シールド部材41の各側壁52,53,54,55における第1コアユニット2と対向する縁部(図6中の上縁部、図8中の下縁部)、第2内側シールド部材43の各側壁62,63における部位B2の第1コアユニット2と対向する縁部(図6中の上縁部、図8中の下縁部)、第2内側シールド部材43の側壁64における第1コアユニット2と対向する縁部(図6中の上縁部、図8中の下縁部)、および第2コア部材14の第1コアユニット2と対向する端面(図6中の上縁部、図8中の下縁部)における凹溝44aを除く部位は、第2外側シールド部材41の底壁51および第2内側シールド部材43の底壁61と平行な共通の平面内に位置した状態になっている。
一方、第2内側シールド部材43の各側壁62,63における部位B1の第1コアユニット2と対向する縁部(図6中の上縁部、図8中の下縁部)、および第2内側シールド部材43の側壁65における第1コアユニット2と対向する縁部(図6中の上縁部、図8中の下縁部)は、各側壁52,53,54,55における第1コアユニット2と対向する縁部などが位置する上記の平面と平行な別の平面(第1ギャップG1分だけ底壁51により近い平面)内に位置している。
次いで、電流センサ1を備えた電流検出装置91の動作について説明する。
まず、図2,3のいずれかに示すようにして、第1コアユニット2に対して第2コアユニット3を移動させることにより、電流センサ1を開状態に移行させて、凹溝4内に測定対象電路5を収容させる。次いで、第1コアユニット2に対して第2コアユニット3を移動させることにより、電流センサ1を図1,7に示す閉状態に移行させる(なお、図7では測定対象電路5の図示を省略している)。
この閉状態の電流センサ1では、第1コアユニット2の第1外側シールド部材11の各側壁22,23,24,25における第2コアユニット3と対向する縁部などが位置する平面と、第2コアユニット3の第2外側シールド部材41の各側壁52,53,54,55における第1コアユニット2と対向する縁部などが位置する平面とが一致した状態になる。
このため、第1外側シールド部材11の各側壁22,23,24,25における第2コアユニット3と対向する縁部は、第2外側シールド部材41の対応する各側壁52,53,54,55における第1コアユニット2と対向する縁部と接触した状態になっている(図8参照)。また、第1内側シールド部材13の側壁34における第2コアユニット3と対向する縁部は、第2内側シールド部材43の側壁64における第1コアユニット2と対向する縁部と接触した状態になっている(図8参照)。また、第1コア部材14の各脚部14a,14aにおける第2コアユニット3と対向する端面は、第2コア部材14の第1コアユニット2と対向する端面(凹溝44aを除く端面)と接触した状態になっている(図8参照)。
一方、第1内側シールド部材13の各側壁32,33における第2コアユニット3と対向する縁部については、各側壁32,33のこの縁部のうちの第2内側シールド部材43の各側壁62,63における部位B2と対向する縁部はこの部位B2の縁部と接触した状態になるものの、各側壁32,33のこの縁部のうちの第2内側シールド部材43の各側壁62,63における部位B1と対向する縁部はこの部位B1の縁部から第1ギャップG1分だけ離間した状態になっている(図8参照)。
この閉状態において、電流センサ1では、第1コア部材14と第2コア部材44とで構成される磁気コアCRが測定対象電路5を内包する閉磁気回路(第1の閉磁気回路)を形成すると共に、第1内側シールド部材13と第2内側シールド部材43とで構成される内側シールド部材SH2もまた、測定対象電路5を内包する閉磁気回路をそれぞれ形成する。なお、第1外側シールド部材11と第2外側シールド部材41とで構成されて、内側シールド部材SH2のほぼ全体を内側シールド部材SH2とは非接触の状態で覆う外側シールド部材SH1については、測定対象電路5の周囲に発生する磁束の殆どが、磁気コアCR内および内側シールド部材SH2内を通過することになるため、実質的には測定対象電路5を内包する閉磁気回路を形成していない。
一方、磁気コアCRを直接的に覆う内側シールド部材SH2については、第1内側シールド部材13と第2内側シールド部材43とがギャップとしての第1ギャップG1が形成された状態で、つまり、磁気抵抗の大きな状態で閉磁気回路を形成している。このため、磁気コアCRと共に測定対象電路5の周囲に発生する磁束の影響を直接的に受ける内側シールド部材SH2の全体に亘って形成される閉磁気回路(凹溝4を囲むように形成される閉磁気回路)については、第1ギャップG1が形成されていない従来の構成と比較して、測定対象電路5を流れる測定電流Iの電流値が増加したときでも、磁気飽和しにくい構成となっている。
また、背景技術において説明したように、電流センサ1では、磁気コアCRにおけるコイル16の形成部位での磁気抵抗が増加しているため、この形成部位において図8に示すように、内側シールド部材SH2に向かう漏れ磁束φ3が発生している。本例では、第1コア部材14における各脚部14a,14aにコイル16が形成されているため、この漏れ磁束φ3は、同図に示すように、各脚部14a,14aにおいてそれぞれ発生している。
この場合、この2つの漏れ磁束φ3のうちの一方の漏れ磁束φ3(図8中の右側の漏れ磁束φ3)についての閉磁気回路(「第2の閉磁気回路」の一例)は、図8,9に示すように、一方の脚部14a、第2コア部材44の両端部のうちのこの一方の脚部14aと接する端部、内側シールド部材SH2におけるこの一方の脚部14aの近傍に配設されている部位(第1内側シールド部材13および第2内側シールド部材43におけるこの一方の脚部14aに近接する各部位)、連結部14bの両端部のうちのこの一方の脚部14aと接する端部、および第2ギャップG2(この第2ギャップG2内に配設された磁電変換部15)を経由して一方の脚部14aに至る経路に形成される。また、他方の漏れ磁束φ3(図8中の左側の漏れ磁束φ3)についての閉磁気回路は、他方の脚部14a、連結部14bの両端部のうちのこの他方の脚部14aと接する端部、内側シールド部材SH2におけるこの他方の脚部14aの近傍に配設されている部位、および第2コア部材44の両端部のうちのこの他方の脚部14aと接する端部を経由して他方の脚部14aに至る経路に形成される。
ここで、この電流センサ1では、図8中の左側の他方の漏れ磁束φ3についての閉磁気回路には、磁気的なギャップが設けられていないため、測定電流Iの電流値が増加したときに磁気飽和するおそれがある。しかしながら、図8中の右側の一方の漏れ磁束φ3についての閉磁気回路(磁電変換部15が配設されている閉磁気回路(第2の閉磁気回路))の一部を構成する内側シールド部材SH2には、図9に示すように、この閉磁気回路の磁気抵抗を増加させる第1ギャップG1が設けられている。このため、この図9に示される閉磁気回路の磁気抵抗は、図9の構成において第1ギャップG1を設けないとしたときの構成(図10に示す構成)での漏れ磁束φ3についての閉磁気回路の磁気抵抗と比較して、大きな状態になっている。これにより、一方の漏れ磁束φ3についての閉磁気回路(磁電変換部15が配設されている閉磁気回路)は、上記した測定対象電路5の周囲に発生する磁束についての閉磁気回路と同じように、測定電流Iの電流値が増加したときでも磁気飽和しにくい構成となっている。
このように構成された電流センサ1を備えた電流検出装置91では、磁電変換部15が、上記したように磁気コアCR内の合成磁束(φ1−φ2)を検出すると共に、この合成磁束(φ1−φ2)に応じた電圧信号を出力し、アンプ92が、磁電変換部15から出力されるこの電圧信号に基づいて、この電圧信号のレベルがゼロになるような(つまり、磁電変換部15が検出している合成磁束(φ1−φ2)がゼロになるような)電流信号を生成してコイル16に供給する。
この場合、磁気コアCRに内包された測定対象電路5に流れている測定電流Iの電流値が増加したときには、測定対象電路5の周囲に発生する磁束の磁束量も増加する。この際には、磁気コアCR内の第1磁束φ1も増加するが、電流検出装置91では、第1磁束φ1の増加に応じて第2磁束φ2も増加させられるため、磁気コアCR内の合成磁束(φ1−φ2)はほぼゼロの状態に維持される。したがって、磁気コアCRは磁気飽和しない状態に維持される。
一方、磁気コアCRと同様にして測定対象電路5を内包する閉磁気回路を形成する内側シールド部材SH2では、測定対象電路5の周囲に発生する磁束の磁束量の増加に伴い、この閉磁気回路についての磁束の磁束量が増加する。また、この磁束の磁束量の増加に伴い、磁気コアCRにおける各コイル16の形成部位での漏れ磁束φ3(コイル16の近傍に位置する内側シールド部材SH2に向かう磁束)の磁束量も増加する。
ここで、これらの磁束量の増加に起因して内側シールド部材SH2が磁気飽和を起こしたとすると、内側シールド部材SH2内の磁束量が一定量に制限されることから、磁気コアCR内の磁束量が増加する(磁気飽和が起きないときに内側シールド部材SH2において増加する磁束量の分だけさらに増加する)。このため、このような電流センサを備えた電流検出装置では、コイルに供給される電流信号(負帰還電流)の電流値が、内側シールド部材SH2が磁気飽和しないときの電流値(本来の電流値)よりも増加することから、検出感度が上昇する(つまり、リニアリティが悪くなる)。
しかしながら、この電流センサ1は、上記したように、測定対象電路5の周囲に発生する磁束についての閉磁気回路(第1の閉磁気回路)、および一方の漏れ磁束φ3についての閉磁気回路(磁電変換部15が配設されている閉磁気回路:第2の閉磁気回路)が、測定電流Iの電流値が増加したとき(閉磁気回路の磁束の磁束量が増加したとき)でも磁気飽和しにくい構成となっている。したがって、この電流センサ1を備えた電流検出装置91は、測定電流Iの電流値が増加したときであっても、内側シールド部材SH2が磁気飽和しない状態に維持されるため、検出感度がほぼ一定の状態(つまり、リニアリティが良好な状態)で、測定電流Iの電流値を検出することが可能になっている。以下において、実験結果に基づいて、電流検出装置91のこの動作について検証する。
この実験では、同じ仕様で作製した複数の第1コアユニット2と1つの第2コアユニット3とを組み合わせて構成した各電流センサ1を、上記のようにしてアンプ92および電流電圧変換部材(例えば、抵抗)93と組み合わせて複数(第1コアユニット2と同数)の電流検出装置91を作製し、測定対象電路5に流れる測定電流Iの電流値(基準電流値)を正確に変化させながら、各基準電流値での各電流検出装置91において実際に測定された電流値のrdg誤差(測定誤差)のバラツキを測定した。この実験結果を図11に示す。ここで、rdg誤差とは、基準電流値X[A]でのrdg誤差がY[%]であったときに、実際に測定された電流値は、X+X×Y/100であることを示す値である。
また、図11(以下において述べる図12についても同じ)では、電流検出装置91で測定された電流値毎に、基準電流値が1[A]のときのrdg誤差を基準rdg誤差(0)としたときの他の基準電流値でのrdg誤差(基準rdg誤差との差)を示している。例えば、1つの電流検出装置で測定された電流値の基準電流値0.1[A]でのrdg誤差が2.851[%]であり、0.5[A]でのrdg誤差が2.822[%]であり、1.0[A]でのrdg誤差が2.8446[%]であり、5.0[A]でのrdg誤差が2.954[%]のときには、図11では、基準電流値0.1[A]でのrdg誤差は0.0064(=2.851−2.8446)と表され、基準電流値0.5[A]でのrdg誤差は−0.0226(=2.822−2.8446)と表され、基準電流値1.0[A]でのrdg誤差は0(=2.8446−2.8446)と表され、基準電流値5.0[A]でのrdg誤差は0.1094(=2.954−2.8446)と表される。
この図11では、斜線を付した領域が、各基準電流値での各電流検出装置91において測定された電流値のrdg誤差の存在する範囲を示しており、各基準電流値でのこの斜線を付した領域の幅の大きさが、測定された電流値のrdg誤差の存在するバラツキを示している。例えば、この図11においてrdg誤差のバラツキの幅が最も大きくなる基準電流値が5[A]のときには、各電流検出装置において実際に測定された電流値のrdg誤差が幅C1の領域(最小が0.04で、最大が0.11の領域)内に含まれていて、この幅C1の大きさ0.07(=0.11−0.04)でばらついていることを示している。
また、この図11では、各基準電流値でのrdg誤差の最大値のうちの最も大きい値と、各基準電流値でのrdg誤差の最小値のうちの最も小さい値との差の多少は、電流検出装置91での電流測定についてのリニアリティを示している。このため、電流センサ1を備えた電流検出装置91でのこのリニアリティは、基準電流値が0.1[A]から5[A]の範囲内において、図12に示す後述の比較例の電流検出装置よりも十分に良好なリニアリティが確保されている。
一方、比較例として、内側シールド部材SH2の第1ギャップG1を無くした(ゼロにした)構成(図10に示すような構成)以外の構成については上記した電流センサ1の第2コアユニット3と同じ仕様の第2コアユニットを作製し、この第2コアユニットを使用して同様の実験を実施した。この実験結果を図12に示す。図12においても、斜線を付した領域が、各基準電流値での各電流検出装置において測定された電流値のrdg誤差の存在する範囲を示しており、各基準電流値でのこの斜線を付した領域の幅の大きさが、測定された電流値のrdg誤差の存在するバラツキを示している。例えば、この図12においてrdg誤差のバラツキの幅が最も大きくなる基準電流値が5[A]のときには、各電流検出装置において実際に測定された電流値のrdg誤差が幅C2の領域(最小が0.24〜最大が0.53の領域)内に含まれていて、この幅C2の大きさ0.29(=0.53−0.24)でばらついていることを示している。
この図12でも上記した図11のときと同様にして、各基準電流値でのrdg誤差の最大値のうちの最も大きい値と、各基準電流値でのrdg誤差の最小値のうちの最も小さい値との差の多少が、電流検出装置での電流測定についてのリニアリティを示している。このため、この電流センサ(第1ギャップG1の無い構成の電流センサ)を備えた電流検出装置でのこのリニアリティは、基準電流値が0.1[A]から5[A]の範囲内において、図11に示す電流検出装置91のリニアリティよりも大きく悪化していることが確認される。
このように、この電流センサ1およびこの電流センサ1を備えた電流検出装置91によれば、漏れ磁束φ3についての閉磁気回路であって磁電変換部15を含む第2の閉磁気回路の磁気抵抗を増加させる第1ギャップG1を内側シールド部材SH2に設けたことにより、比較例の電流センサを使用した各電流検出装置においてリニアリティが若干悪化する基準電流値の小さな低電流領域(本例では、0.1[A]〜1[A]の領域)において極めて良好なリニアリティを確保することができると共に、比較例の電流センサを使用した各電流検出装置においてリニアリティが大きく悪化する基準電流値の大きな高電流領域(本例では、1[A]〜5[A]の領域)においても、第2の閉磁気回路の磁気飽和を回避できることから十分に良好なリニアリティを確保することができる。
また、この電流センサ1およびこの電流検出装置91によれば、比較例の電流センサを使用した各電流検出装置と比較して、低電流領域から高電流領域の全領域に亘って、rdg誤差のバラツキを大幅に低減することができる。また、このようにこの電流センサ1およびこの電流検出装置91では、同じ仕様で作製するものの相互間に部品の加工精度や組み立て精度の許容範囲内において機械的なバラツキのある複数の第1コアユニット2と1つの第2コアユニット3とを組み合わせて構成でのrdg誤差のバラツキが図11に示すように大幅に低減できている。したがって、この電流センサ1およびこの電流検出装置91によれば、1つの第1コアユニット2に対して1つの第2コアユニット3を開閉させたときに、両コアユニット2,3間に機械的な位置ずれが生じたとしても、測定される測定電流Iの電流値のこの機械的な位置ずれに起因したばらつきを大幅に低減することができる(つまり、測定の再現性を向上させることができる)。
また、この電流センサ1および電流検出装置91によれば、閉状態において、磁気コアCR、磁電変換部15およびコイル16のほぼ全体を覆う形状に内側シールド部材SH2が構成されているため、磁気コアCR、磁電変換部15およびコイル16への外部磁界の影響を十分に低減した状態で、測定対象電路5に流れる測定電流Iの電流値を測定することができる。
また、この電流センサ1および電流検出装置91によれば、内側シールド部材SH2の外側に、閉状態において内側シールド部材SH2のほぼ全体を覆う外側シールド部材SH1を配置した2重シールド構造としたことにより、内側シールド部材SH2に上記したような第1ギャップG1を設けて良好なリニアリティを確保しつつ、磁気コアCR、磁電変換部15およびコイル16への外部磁界の影響を外側シールド部材SH1によってより一層低減することができる。したがって、この電流センサ1および電流検出装置91によれば、測定対象電路5に流れる測定電流Iの電流値をより一層正確に測定することができる。
なお、上記の例では、形成が容易なことから、内側シールド部材SH2を構成する第1内側シールド部材13および第2内側シールド部材43の連結部位(磁気的に連結する部位)のうちの磁電変換部15寄りの連結部位に第1ギャップG1を形成しているが、第1ギャップG1の形成位置はこの位置に限定されるものではなく、漏れ磁束φ3についての閉磁気回路(磁電変換部15を含む閉磁気回路:第2の閉磁気回路)の磁気抵抗を増加させる可能性がある場所である限り、第1内側シールド部材13を分割して第1内側シールド部材13内に第1ギャップG1を形成したり、第2内側シールド部材43を分割して第2内側シールド部材43内に第1ギャップG1を形成したりする構成を採用することもできる。また、第1ギャップG1の数は上記の例では1つとしたが、これに限定されず、複数とすることもできる。
1 電流センサ
5 測定対象電路
15 磁電変換部
16 コイル
CR 磁気コア
G1 第1ギャップ
SH1 外側シールド部材
SH2 内側シールド部材

Claims (4)

  1. 測定対象電路を内包する第1の閉磁気回路を形成する環状の磁気コア、前記磁気コア内の磁束を検出して当該磁束の磁束量に応じた振幅の電気信号を出力する磁電変換部、前記磁気コアに形成されると共に前記電気信号に基づいて生成された負帰還電流が供給されるコイル、並びに前記磁気コア、前記磁電変換部および前記コイルの近傍に配設されたシールド部材を備えている電流センサであって、
    前記シールド部材には、前記磁気コアからの漏れ磁束についての閉磁気回路であって、当該シールド部材、当該磁気コアにおける前記コイルの形成部位、および前記磁電変換部を含んで構成される第2の閉磁気回路の磁気抵抗を増加させるギャップが形成されている電流センサ。
  2. 前記シールド部材は、前記磁気コア、前記磁電変換部および前記コイルのほぼ全体を覆う形状に構成されている請求項1記載の電流センサ。
  3. 前記シールド部材は、前記磁気コア、前記磁電変換部および前記コイルのほぼ全体を覆う形状に構成された内側シールド部材、および当該内側シールド部材のほぼ全体を当該内側シールド部材とは非接触の状態で覆う外側シールド部材を備え、
    前記ギャップは、前記内側シールド部材にのみ形成されている請求項1または2記載の電流センサ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の電流センサと、
    前記電気信号に基づいて前記負帰還電流を生成して前記コイルの一端に供給するアンプと、
    前記コイルの他端に接続されて前記負帰還電流を電圧信号に変換する電流電圧変換部とを備えている測定装置。
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