JP6541557B2 - 欠陥評価方法、マスクブランクの製造方法、マスクブランク、マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランク用基板、転写用マスクの製造方法および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents

欠陥評価方法、マスクブランクの製造方法、マスクブランク、マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランク用基板、転写用マスクの製造方法および半導体デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マスクブランク等の欠陥評価方法、マスクブランクの製造方法、マスクブランク、マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランク用基板、転写用マスクの製造方法、転写用マスクおよび半導体デバイスの製造方法に関するものである。
一般に、半導体デバイスの製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には転写用マスクが使用される。この転写用マスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細な転写パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。
近年、半導体デバイスのパターンの微細化に伴い、転写用マスクに形成されるマスクパターンの微細化が進んできている。一般に、転写用マスクは、基板上にパターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクを用いて製造される。転写用マスクを露光装置のマスクステージにセットし、ArFエキシマレーザー等の露光光を照射することで、その転写用マスクの薄膜パターン(転写パターン)を透過した露光光によって、転写対象物(半導体ウェハ上のレジスト膜等)にパターン転写される。しかし、転写用マスクの薄膜パターンに設計パターンと異なる箇所、すなわち黒欠陥や白欠陥が存在していると、転写対象物に露光転写されるパターンが本来露光転写されるべきパターンとは異なる箇所が生じてしまう。
近年、転写用マスクに設けられる薄膜パターンの微細化が著しく、転写用マスクの製造には、多くの時間およびコストがかかる。このため、転写用マスクの薄膜パターンに黒欠陥等が存在していた場合、それを廃棄して新たに製造し直すことは極力行われない。たとえば、特許文献1に開示されているようなマスクの欠陥修正技術を用いて、転写用マスクの薄膜パターンの修正が行われている。特許文献1では、フォトリソグラフィマスク(転写用マスク)上の黒欠陥に対して二フッ化キセノンガスを供給しつつ、その黒欠陥に向かって電子線を照射することで、黒欠陥を除去する欠陥修正技術が開示されている。
ところで、転写用マスクの薄膜パターンに欠陥が生じる原因は、マスクブランクから転写用マスクが出来上がるまでの間に行われる多くのプロセスのいずれかにある場合が多い。他方、最初に準備されたマスクブランク用基板やマスクブランクの薄膜に異物の付着等による欠陥である凸状欠陥や、周囲よりも薄膜の厚さが薄くなっていること等による欠陥である凹状欠陥が存在していると、その欠陥に起因して、製造される転写用マスクの薄膜パターンに黒欠陥や白欠陥が出来てしまうことが多い。このため、マスクブランク用基板である透光性基板上にパターン形成用薄膜が形成されたマスクブランクに対し、特許文献2に開示されているような欠陥検査装置による欠陥検査を行って、良品(欠陥検査の合格品)を選別することが行われている。
特開2004−537758号公報 特開2002−328099号公報
上記の特許文献2に記載の欠陥検査装置は、共焦点光学系と微分干渉光学系を組み合わせた装置であり、この欠陥検査装置でたとえばマスクブランクの薄膜の表面全体をレーザー光で走査することで、薄膜上の欠陥が存在する位置の座標とその存在する欠陥の種類および平面視の大きさを検出することができる。
従来、マスクブランクを供給する場合、その供給するマスクブランクの薄膜に所定以上の大きさの欠陥が存在しないことを保証することが行われている。近年、転写用マスクに形成される薄膜パターンの微細化に伴い、そのマスクブランクの薄膜に存在しないことを保証する欠陥のサイズが小さくなってきている。他方、マスクブランクの薄膜に存在する欠陥の位置座標の情報をそのマスクブランクに添付する場合においても、その存在を把握すべき欠陥のサイズも小さくなってきている。当然ながら、その保証をするための欠陥検査装置の開発も進んでおり、検出精度の大幅な向上によって欠陥検査装置で検出可能な欠陥のサイズも小さくなってきている。
しかし、このような欠陥検査装置の検出精度の大幅な向上によって、これまで検出できなかったマスクブランクの薄膜に存在するサイズの小さな欠陥が検出されるようになったことから、これまで欠陥検査工程で合格とされていたマスクブランクが不合格と判定される比率が大幅に高くなり、生産歩留まりが低下するという問題が発生している。マスクブランクの各製造工程において、欠陥を低減する種々の対策を講じてはいるが、マスクブランクの生産歩留まりの低下を抑制することは容易ではなく、問題となっていた。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、第1に、欠陥検査装置による検査で検出されたマスクブランク等の欠陥に対し、そのマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成し、マスク欠陥検査装置等でパターン欠陥検査を行ったときに、そのマスクブランク等の欠陥がパターン不良欠陥(黒欠陥、白欠陥等)の要因となる欠陥に該当するか否かを評価する欠陥評価方法を提供することである。
第2に、この欠陥評価方法を適用し、生産歩留まりを向上させることができるマスクブランクの製造方法、マスクブランク、マスクブランク用基板の製造方法、マスクブランク用基板、転写用マスクの製造方法、および転写用マスクを提供することであり、第3に、かかる転写用マスクを用いて、微細パターンの形成された高品質の半導体デバイスの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するべく、以下のような検討を試みた。
欠陥検査装置で検出される例えばマスクブランクの薄膜に存在する欠陥には、様々な形状、平面視の大きさ、高さのものがある。本発明者は、欠陥が存在するマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成し、マスク欠陥検査装置等でパターン欠陥検査を行った場合であっても、その欠陥の態様によっては、パターン不良欠陥が検出されない場合がある可能性を検討した。
欠陥検査装置によって欠陥が検出されたマスクブランクを数多く集め、各マスクブランクの薄膜に同じテストパターンを形成して転写用マスクをそれぞれ製造した。このとき、マスクブランクの薄膜の欠陥が検出された位置座標にテストパターンが形成されるようにテストパターンを配置した。そして、製造した転写用マスクのそれぞれに対し、マスク欠陥検査装置等を用いてパターン欠陥検査を行った。さらに、そのパターン欠陥検査の結果と、そのパターン欠陥検査を行った転写用マスクの原材料であるマスクブランクの欠陥検査の結果とから、マスクブランクの薄膜に検出された欠陥の位置座標に対応する位置座標の転写用マスクの薄膜パターンにパターン不良欠陥が検出されているか検証した。その結果、検証した複数の転写用マスクの中に、マスクブランクの薄膜に欠陥が検出された位置座標に対応する位置座標の薄膜パターンにパターン不良欠陥が検出されないものが複数見つかった。
また、そのマスクブランクの薄膜に欠陥が検出されたにも関わらず、パターン不良欠陥が検出されなかった転写用マスクに対し、露光転写シミュレーションを行ったところ、正常に露光転写を行うことが可能と判定された。そこで、本発明者は、薄膜に欠陥が検出されたマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成したとき、薄膜の欠陥の位置座標に対応する薄膜の転写パターンの位置座標にパターン不良欠陥が検出された場合におけるその欠陥(以下、「不良要因欠陥」と呼ぶ。)に係る情報と、薄膜の欠陥の位置座標に対応する薄膜の転写パターンの位置座標にパターン不良欠陥が検出されない場合におけるその欠陥(以下、「非不良要因欠陥」と呼ぶ。)に係る情報とを比較し、両者を明確に判別するための新たな基準を設けることができないか鋭意検討を行った。
その結果、その欠陥の情報を特定の手順で分析することで、マスクブランク等の薄膜に転写パターンを形成してもパターン不良欠陥が検出されないマスクブランクの欠陥の判別基準を特定することができるということが判明した。そこで、本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、以下の構成を有する発明を完成させたものである。
(構成1)
検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクの前記薄膜の表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程と、前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取得する工程と、前記マスクブランクの薄膜に転写パターンを形成する工程と、前記マスクブランクにおける前記空間周波数の情報および前記空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、前記薄膜に形成された転写パターンを用いて、前記欠陥が前記転写パターンに与える影響を評価する工程と、を有することを特徴とする欠陥評価方法。
(構成2)
検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板の前記主表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記マスクブランク用基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程と、前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取得する工程と、前記マスクブランク用基板の主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとし、前記薄膜に転写パターンを形成して転写用マスクを製造する工程と、前記マスクブランク用基板における前記空間周波数の情報および前記空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、前記転写用マスクに形成された転写パターンを用いて、前記欠陥が前記転写パターンに与える影響を評価する工程と、を有することを特徴とする欠陥評価方法。
(構成3)
前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする構成1又は2に記載の欠陥評価方法。
(構成4)
前記2次元画像は、前記検査対象物の表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の欠陥評価方法。
(構成5)
基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクを準備する工程と、検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、前記薄膜の表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程と、前記フーリエ変換画像から、前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が最低値よりも大きい数値が存在する欠陥を不良要因欠陥として判定する工程と、前記不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であるマスクブランクを欠陥検査の合格品として判定する工程と、を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(構成6)
前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする構成5に記載のマスクブランクの製造方法。
(構成7)
前記2次元画像は、前記薄膜の表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする構成5又は6に記載のマスクブランクの製造方法。
(構成8)
前記所定領域は、前記基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であることを特徴とする構成5乃至7のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
(構成9)
前記所定数は、マスクブランクの1枚あたり5個であることを特徴とする構成5乃至8のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
(構成10)
構成5乃至9のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法によって製造されたマスクブランクの前記薄膜に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成11)
構成10に記載の転写用マスクの製造方法によって製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
(構成12)
基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクであって、前記薄膜の表面に欠陥が存在し、共焦点光学系で走査する欠陥検査装置で薄膜の表面を走査して情報を収集し、前記情報から前記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成し、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行ってフーリエ変換画像を取得し、前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、その取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が最低値よりも大きい数値が存在する欠陥である不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であることを特徴とするマスクブランク。
(構成13)
前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする構成12に記載のマスクブランク。
(構成14)
前記2次元画像は、前記薄膜の表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする構成12又は13に記載のマスクブランク。
(構成15)
前記所定領域は、前記基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であることを特徴とする構成12乃至14のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成16)
前記所定数は、マスクブランクの1枚あたり5個であることを特徴とする構成12乃至15のいずれかに記載のマスクブランク。
(構成17)
構成12乃至16のいずれかに記載のマスクブランクの前記薄膜に転写パターンが形成されていることを特徴とする転写用マスク。
(構成18)
構成17に記載の転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
(構成19)
主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板を準備する工程と、検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、前記マスクブランク用基板の主表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記マスクブランク用基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程と、前記フーリエ変換画像から、前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が最低値よりも大きい数値が存在する欠陥を不良要因欠陥として判定する工程と、前記不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であるマスクブランク用基板を欠陥検査の合格品として判定する工程と、を有することを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
(構成20)
前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする構成19に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成21)
前記2次元画像は、前記マスクブランク用基板の主表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする構成19又は20に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成22)
前記所定領域は、前記基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であることを特徴とする構成19乃至21のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成23)
前記所定数は、マスクブランク用基板の1枚あたり5個であることを特徴とする構成19乃至22のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
(構成24)
構成19乃至23のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法によって製造されたマスクブランク用基板の主表面上に薄膜を形成する工程を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
(構成25)
構成24に記載のマスクブランクの製造方法によって製造されたマスクブランクの前記薄膜に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
(構成26)
構成25に記載の転写用マスクの製造方法によって製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
(構成27)
主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板であって、前記基板の主表面に欠陥が存在し、共焦点光学系で走査する欠陥検査装置で前記基板の主表面を走査して情報を収集し、前記情報から前記基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成し、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行ってフーリエ変換画像を取得し、前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、その取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が最低値よりも大きい数値が存在する欠陥である不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であることを特徴とするマスクブランク用基板。
(構成28)
前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする構成27に記載のマスクブランク用基板。
(構成29)
前記2次元画像は、前記マスクブランク用基板の主表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする構成27又は28に記載のマスクブランク用基板。
(構成30)
前記所定領域は、前記基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であることを特徴とする構成27乃至29のいずれかに記載のマスクブランク用基板。
(構成31)
前記所定数は、マスクブランク用基板の1枚あたり5個であることを特徴とする構成27乃至30のいずれかに記載のマスクブランク用基板。
(構成32)
構成27乃至31のいずれかに記載のマスクブランク基板の主表面に薄膜が形成されていることを特徴とするマスクブランク。
(構成33)
構成32に記載のマスクブランクの前記薄膜に転写パターンが形成されていることを特徴とする転写用マスク。
(構成34)
構成33に記載の転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
本発明の欠陥評価方法によれば、マスクブランク等に欠陥が検出されても、その欠陥がそのマスクブランク等の薄膜に転写パターンを形成したときにパターン不良欠陥の要因とならない欠陥(非不良要因欠陥)を判別できるようになる。
また、このような本発明の欠陥評価方法による新たな判別基準を適用することにより、従来の欠陥検査で不合格とされていたマスクブランク等を欠陥検査の合格品として判定できるようになり、マスクブランク用基板や、マスクブランク、転写用マスクの生産歩留まりを向上させることができる。
また、本発明により得られる転写用マスクを用いて、微細パターンの形成された高品質の半導体デバイスを製造することができる。
マスクブランクの断面概略図である。 マスクブランク用基板の断面図である。 転写用マスクの断面概略図である。 欠陥検査装置により検出された不良要因欠陥の2次元画像である。 欠陥検査装置により検出された非不良要因欠陥の2次元画像である。 図4の2次元画像に対するフーリエ変換画像である。 図5の2次元画像に対するフーリエ変換画像である。 不良要因欠陥における空間周波数と画素の階調値との関係図である。 非不良要因欠陥における空間周波数と画素の階調値との関係図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳述する。
前述のように、本発明者は、欠陥が存在するマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成し、マスク欠陥検査装置等でパターン欠陥検査を行った場合であっても、その欠陥の態様によっては、パターン不良欠陥が検出されない場合がある可能性を検討した結果、その欠陥の情報を特定の手順で分析することで、そのマスクブランク等の欠陥がパターン不良欠陥の要因となる欠陥(不良要因欠陥)に該当するか否かを判別できることを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明に係る欠陥評価方法は、以下の工程を有する。
A. 検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクの前記薄膜の表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程。
B. 前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程。
C. 前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程。
D. 前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取得する工程。
E. 前記マスクブランクの薄膜に転写パターンを形成する工程。
F. 前記マスクブランクにおける前記空間周波数の情報および前記空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、前記薄膜に形成された転写パターンを用いて、前記欠陥が前記転写パターンに与える影響を評価する工程。
上記工程Aの欠陥検査工程では、基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクの薄膜の欠陥検査を行う。検査対象物であるマスクブランクは、例えば、図1に示すように、透光性基板等のマスクブランク用基板1の主表面上に、遮光膜、半透光膜、位相シフト膜、ハードマスク膜あるいはこれらの膜の積層膜などからなる転写パターンを形成するための薄膜2を備えたマスクブランク10である。また、基板上に多層反射膜および吸収体膜を少なくとも備える反射型マスクを製造するためのマスクブランクや、基板上にハードマスク膜を少なくとも備えるインプリントモールド製造用のマスクブランクも、検査対象物であるマスクブランクとすることができる。なお、マスクブランクに関する詳細は後述する。
具体的には、欠陥検査装置によって、上記薄膜の表面を走査して欠陥の有無を検査する。欠陥検査に用いる欠陥検査装置は、検査対象物に対して共焦点光学系で走査する装置である。共焦点光学系を備えることにより、検査対象物からの反射光は受光素子面上でも焦点を結ぶため、焦点の合った画像情報だけを取得することができ、不要な散乱光などの影響を受けず、高解像度、高コントラストの画像が得られる。
また、欠陥検査に用いる欠陥検査装置は、微分干渉光学系を備えていることが好ましい。例えば特殊な微分干渉プリズムを光路中に挿入することで実現される微分干渉光学系を備えることにより、たとえばマスクブランクの薄膜表面の微小な欠陥による凹凸であっても、コントラストの良好な画像情報を取得することができる。
上記工程Bの2次元画像生成工程では、上記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から上記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する。上記のように欠陥検査装置が微分干渉光学系を備えている場合、生成される2次元画像は、コントラストの良好な微分干渉観察画像である。
また、生成される2次元画像は、検査対象物の表面に対して上記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものである。
上記工程Cのフーリエ変換画像取得工程では、上記工程Bで生成・取得された2次元画像に対し、上記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、該第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する。ここで、上記第1座標軸は、上記共焦点光学系の走査方向である例えば上記第1の方向と平行な方向であり、「横軸」あるいは「X軸」と呼ぶこともできる。また、上記第2座標軸は、上記共焦点光学系の走査方向に直交する例えば上記第2の方向(共焦点光学系がシフト移動する方向)であり、「縦軸」あるいは「Y軸」と呼ぶこともできる。
本工程Cでは、上記の2次元画像に対し、上記の直交座標系を設定し、続いて、その2次元画像に対し、2次元フーリエ変換を行う。フーリエ変換とは、上記の2次元画像のような通常の空間領域から、空間周波数(空間的な波の周波数)領域へ変換する画像処理のことである。空間周波数領域は、信号がどのような周波数成分を持っているのかを表す空間である。よって、フーリエ変換は、任意の波形を異なる振幅や周波数、位相を持つ複数の正弦波に分解する処理である。2次元画像に対して2次元フーリエ変換を行う時は、例えば、上記第1座標軸の方向に1次元フーリエ変換を行い、次いで、上記第2座標軸の方向に1次元フーリエ変換を行うことで実現できる。
また、上記の2次元画像は、デジタル画像であり、そのフーリエ変換処理に要する計算量を大幅に減らすことができる高速フーリエ変換(FFT)というアルゴリズムを用いることが好適である。本発明における2次元フーリエ変換処理は、実際には、フーリエ変換処理を実行するアルゴリズムを適用し、コンピュータによる画像処理によって行うことが可能である。
こうして2次元フーリエ変換の画像処理で取得される2次元フーリエ変換画像は、画像の中心を原点とし、横方向の軸が欠陥検査装置の共焦点光学系の走査した方向(2次元画像の第1座標軸の方向)における空間周波数であり、縦方向の軸が欠陥検査装置の共焦点光学系の走査した方向に直交する方向(2次元画像の第2座標軸の方向)における空間周波数である。
次に、上記工程Dでは、上記工程Cで取得されたフーリエ変換画像から上記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取得する。具体的には、上記のようにして取得した2次元フーリエ変換画像の原点を含む、第1座標軸上の空間周波数の情報とその空間周波数に対応する各画素の階調値の情報を取り出す。
上記工程Eでは、上記欠陥を含むマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成する。なお、上記工程Eは、上記欠陥を含むマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成して転写用マスク(図3の転写用マスク20を参照)を製造する場合も含まれる。
上記工程Fの評価工程では、上記マスクブランクにおける空間周波数の情報および空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、上記薄膜に形成された転写パターンを用いて、前記欠陥が転写パターンに与える影響を評価する。具体的には、上記工程Dでフーリエ変換画像から取得した上記第1座標軸の方向での空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、上記工程Eで転写パターンを形成した薄膜に対してマスク欠陥検査装置等を用いたパターン欠陥検査を行った結果とを参照して、マスクブランクの薄膜の欠陥が転写パターンに与える影響を評価する。
すなわち、薄膜の不良要因欠陥の情報から導き出した空間周波数の情報およびその空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、薄膜の非不良要因欠陥の情報から導き出した空間周波数の情報およびその空間周波数に対応する画素の階調値の情報とを比較する。
ここで、図8及び図9は、後述の実施例及び比較例に関するものであるが、本実施形態の説明においても図8及び図9を参照して説明する。
上記のようにして取得した2次元フーリエ変換画像の原点を含む、第1座標軸方向の空間周波数とその空間周波数に対応する各画素の階調値を取り出し、空間周波数と画素の階調値との関係を示したものが、図8及び図9である。図8は、薄膜の不良要因欠陥に関するものであり、図9は、薄膜の非不良要因欠陥に関するものである。詳細は実施例及び比較例で説明するが、薄膜の不良要因欠陥に関する図8は、全部で13種類の欠陥(その欠陥が検出された13枚のマスクブランク)について、上記の手順で得られた空間周波数と画素の階調値のデータをプロットしたものである。他方、薄膜の非不良要因欠陥に関する図9は、全部で22種類の欠陥(その欠陥が検出された22枚のマスクブランク)について、上記の手順で得られた空間周波数と画素の階調値のデータをプロットしたものである。
その結果、図9に示されるように、薄膜の非不良要因欠陥、つまり転写パターンにパターン不良欠陥が検出されない場合の薄膜の欠陥は、全て、空間周波数が−6.4μm−1よりも小さい範囲および6.4μm−1よりも大きい範囲の両方でその空間周波数に対応する画素の階調値がいずれも最低値であった。これに対し、図8に示されるように、不良要因欠陥、つまり転写パターンにパターン不良欠陥が検出された場合の薄膜の欠陥は、全て、空間周波数が−6.4μm−1よりも小さい範囲および6.4μm−1よりも大きい範囲の両方でその空間周波数に対応する画素の階調値が最低値よりも大きいものが必ず1以上存在していた。
以上の結果から、マスクブランクに対して共焦点光学系を走査する欠陥検査装置で得られた欠陥情報から、上記の手順で2次元画像および2次元フーリエ変換画像を取得し、第1座標軸の方向で、空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、空間周波数の絶対値が6.4μm−1よりも大きい(好ましくは7.2μm−1以上)範囲でその空間周波数に対応する画素の階調値がいずれも最低値である場合、そのような欠陥が存在していても、非不良要因欠陥と判別することができる。そして、そのような欠陥が存在するマスクブランクを欠陥検査の合格品として判定しても、その欠陥検査の合格品と判定されたマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成した場合、その薄膜の欠陥に起因するパターン不良欠陥は生じないわけである。他方、空間周波数の絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲でその空間周波数に対応する画素の階調値が最低値よりも大きいものが1以上存在する場合、そのような欠陥は不良要因欠陥と判別することができる。
なお、上記工程Dにおいて、欠陥検査装置の共焦点光学系の走査した方向(2次元画像の第1座標軸の方向)における空間周波数と階調値の情報を取り出す理由は、2次元画像の共焦点光学系が走査した方向と直交する方向(第2座標軸の方向)に走査レーザー光の強い干渉縞が発生することが避け難いためである(図4、図5の2次元画像参照)。
第2座標軸の方向に強い干渉縞がある2次元画像から2次元フーリエ変換画像を生成すると、その2次元フーリエ変換画像の第2座標軸の方向に、欠陥の画像をフーリエ変換して得られた情報に干渉縞をフーリエ変換した情報が大きなノイズとして加わってしまう。干渉縞の大きなノイズが加わっている2次元画像から第2座標軸の方向における空間周波数と階調値の情報を取り出し、上記工程Fの評価工程で欠陥の判別を行うと、転写パターンにパターン不良欠陥が検出されない欠陥であるはずの非不良要因欠陥であっても、空間周波数が−6.4μm−1よりも小さい範囲あるいは6.4μm−1よりも大きい範囲で、その空間周波数に対応する画素の階調値が最低値よりも大きいものが1以上存在してしまうことになり、非不良要因欠陥と不良要因欠陥とを正常に判別できなくなる。
なお、上記工程Fでパターン欠陥検査を行うマスク欠陥検査装置等には、例えば、Die−to−Die方式のマスク欠陥検査装置、Die−to−Databese方式のマスク欠陥検査装置、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)や透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission ElectronMicroscope)が適用できる。
以上説明したように、本発明の欠陥評価方法によれば、製造されたマスクブランクに対して欠陥検査を行い、検出された薄膜の欠陥の情報を特定の手順で分析することにより、その欠陥が、薄膜に転写パターンを形成したときにパターン不良欠陥の要因とはならない非不良要因欠陥であるのか、あるいはパターン不良欠陥の要因となる不良要因欠陥であるのかを判別することができるようになる。そして、このような本発明の欠陥評価方法による新たな判別基準を適用することにより、従来の欠陥検査で不合格とされていたマスクブランクを欠陥検査の合格品として判定できるようになり、マスクブランクの生産歩留まりを向上させることができる。
本発明の欠陥評価方法は、以上説明したマスクブランクの欠陥検査だけではなく、マスクブランク用基板の欠陥検査についても適用することができる。
マスクブランク用基板の欠陥検査の場合、本発明の欠陥評価方法は以下の工程を有する。
a. 検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板の前記主表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程。
b. 前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記マスクブランク用基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程。
c. 前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程。
d. 前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取得する工程。
e. 前記マスクブランク用基板の主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとし、前記薄膜に転写パターンを形成して転写用マスクを製造する工程。
f. 前記マスクブランク用基板における前記空間周波数の情報および前記空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、前記転写用マスクに形成された転写パターンを用いて、前記欠陥が前記転写パターンに与える影響を評価する工程。
上記工程aの欠陥検査工程では、検査対象物は、主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板(薄膜を形成する前の基板)である。マスクブランク用基板としては、例えば合成石英基板等の透光性基板である。この欠陥検査工程では、共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、マスクブランク用基板の主表面を走査して欠陥の有無を検査する。
上記工程bでは、上記の欠陥検査工程で欠陥検査装置によって検出された基板表面の欠陥に関する情報からマスクブランク用基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する。
上記工程cでは、上記で生成された欠陥を含む領域の2次元画像に対し、上記欠陥検査装置の共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、該第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する。2次元画像に対して2次元フーリエ変換処理を行い、フーリエ変換画像を取得する方法等は、前述のマスクブランクに適用した欠陥評価方法における工程Cと同様である。
上記工程dでは、上記で取得されたフーリエ変換画像から上記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取得する。
上記工程eでは、上記マスクブランク用基板の主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとし、さらにそのマスクブランクの薄膜に転写パターンを形成して転写用マスクを製造する。
上記工程fでは、上記マスクブランク用基板における空間周波数の情報および空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、上記転写用マスクに形成された転写パターンを用いて、前記欠陥が転写パターンに与える影響を評価する。具体的には、上記工程dでフーリエ変換画像から取得した上記第1座標軸の方向での空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、上記工程eで製造した転写用マスクに対してマスク欠陥検査装置を用いたマスク欠陥検査を行った結果とを参照して、マスクブランク用基板の欠陥が転写パターンに与える影響を評価する。
すなわち、転写用マスクを製造したときにパターン不良欠陥の要因となる基板の欠陥である不良要因欠陥の情報から導き出した空間周波数の情報およびその空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、転写用マスクを製造したときにパターン不良欠陥の要因とならない基板の欠陥である非不良要因欠陥の情報から導き出した空間周波数の情報およびその空間周波数に対応する画素の階調値の情報とを比較する。
上記工程dのようにして取得した2次元フーリエ変換画像の原点を含む、第1座標軸方向の空間周波数とその空間周波数に対応する各画素の階調値を取り出し、空間周波数と画素の階調値との関係をプロットすることにより、前述の図8及び図9に示したものと同様のグラフが得られる。
そして、基板の非不良要因欠陥の情報から導き出した空間周波数およびその空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、基板の不良要因欠陥の情報から導き出した空間周波数およびその空間周波数に対応する画素の階調値の情報とを対比することにより、欠陥検査により検出されたマスクブランク用基板の欠陥が、転写用マスクを製造したときにパターン不良欠陥の要因とならない非不良要因欠陥であるのか、あるいはパターン不良欠陥の要因となる不良要因欠陥であるのかを判別できる基準を導き出すことができる。
本発明者の検討によれば、マスクブランク用基板の欠陥についても、本発明の欠陥評価方法を適用することにより、空間周波数の絶対値が6.4μm−1よりも大きい(好ましくは7.2μm−1以上)範囲でその空間周波数に対応する画素の階調値がいずれも最低値である場合、そのような欠陥は非不良要因欠陥と判別することができ、他方、空間周波数の絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲でその空間周波数に対応する画素の階調値が最低値よりも大きいものが1以上存在する場合、そのような欠陥は不良要因欠陥と判別することができる。
以上のとおり、マスクブランク用基板の欠陥についても本発明の欠陥評価方法を適用することで、その欠陥が、転写用マスクを製造したときにパターン不良欠陥の要因とならない非不良要因欠陥であるのか、あるいはパターン不良欠陥の要因となる不良要因欠陥であるのかを判別することができるようになる。そして、このような本発明の欠陥評価方法による新たな判別基準を適用することにより、従来の欠陥検査で不合格とされていたマスクブランク用基板を欠陥検査の合格品として判定できるようになり、マスクブランク用基板の生産歩留まりを向上させることができる。
本発明は、上述の欠陥評価方法を適用したマスクブランクの製造方法についても提供する。
本発明のマスクブランクの製造方法は、
基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクを準備する工程と、
検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、前記薄膜の表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、
前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、
前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程と、
前記フーリエ変換画像から、前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が最低値よりも大きい数値が存在する欠陥を不良要因欠陥として判定する工程と、
前記不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であるマスクブランクを欠陥検査の合格品として判定する工程と、
を有することを特徴とするものである。
上記マスクブランクを準備する工程では、例えば、マスクブランク用基板1の主表面上に薄膜2を形成してマスクブランク10を製造する(図1、図2参照)。
上記マスクブランク用基板1は、半導体装置製造用の転写用マスク(透過型マスク、反射型マスク、インプリントモールド)に用いられる基板であれば特に限定されない。透過型マスク製造用のマスクブランクの場合、マスクブランク用基板1は、使用する露光波長に対して透明性を有するものであれば特に制限されず、合成石英基板や、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等)が用いられる。この中でも合成石英基板は、微細パターン形成に有効なArFエキシマレーザー(波長193nm)又はそれよりも短波長の領域で透明性が高いので、特に好ましく用いられる。
一方、反射型マスク製造用のマスクブランクの場合、マスクブランク用基板1には、合成石英基板のほか、低熱膨張ガラス基板(例えばSiO−TiO系ガラス)、β石英固溶体を析出させた結晶化ガラス基板が用いられる。他方、インプリントモールド製造用のマスクブランクの場合、合成石英基板、低熱膨張ガラス基板、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等)が用いられる。
透過型マスク製造用のマスクブランクの場合、上記薄膜2は、遮光膜、半透過膜、位相シフト膜や、これらの膜の積層膜が用いられる。また、目的に応じてさらにハードマスク膜やエッチングストッパー膜などを追加してもよい。薄膜2は、単一膜でも、あるいは、同じ種類または異なる種類の膜の積層膜とすることもできる。薄膜2の材料としては、例えば、クロム(Cr)を含有する材料、ケイ素(Si)を含有する材料、ケイ素(Si)及び遷移金属(Moなど)を含有する材料や、タンタル(Ta)を含有する材料を用いることができるが、もちろんこれらの材料に限定されるわけではない。
一方、反射型マスク製造用のマスクブランクの場合、上記薄膜2は、マスクブランク用基板1上に露光光を反射する機能を有する多層反射膜(多層反射膜上に保護膜をさらに備える場合もある。)が形成された上に設けられる。この場合の薄膜2は、吸収体膜やハードマスク膜やこれらの膜の積層膜が用いられ、薄膜2は、単一膜でも、あるいは、同じ種類または異なる種類の膜の積層膜とすることもできる。薄膜2の材料としては、上記の場合と同様である。他方、インプリントモールド製造用のマスクブランクの場合、ハードマスク膜などが用いられる。この場合の薄膜2は、単一膜でも、あるいは、同じ種類または異なる種類の膜の積層膜とすることもできる。薄膜2の材料としては、上記の場合と同様である。
図1に示すマスクブランク10のようなマスクブランク用基板1上に薄膜2を形成する方法は特に制約される必要はないが、なかでもスパッタリング成膜法が好ましく挙げられる。スパッタリング成膜法によると、均一で膜厚の一定な膜を形成することが出来るので好適である。
本発明のマスクブランクの製造方法における上記の欠陥検査工程、2次元画像生成工程、フーリエ変換画像取得工程、フーリエ変換画像から空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出す工程については、前述のマスクブランクの欠陥評価方法における工程A、工程B、工程Cおよび工程Dとそれぞれ同様の工程である。
前述したように、本発明の欠陥評価方法による新たな欠陥の判別基準によれば、上記フーリエ変換画像から取り出した空間周波数とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報のうち、空間周波数の絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲でその空間周波数に対応する画素の階調値がいずれも最低値である場合、そのような欠陥が存在していても、非不良要因欠陥と判別することができる。そして、そのような欠陥が存在するマスクブランクを欠陥検査の合格品として判定することができる。他方、空間周波数の絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲でその空間周波数に対応する画素の階調値が最低値よりも大きいものが1以上存在する場合、そのような欠陥は不良要因欠陥と判別することができる。
但し、このような不良要因欠陥を有するマスクブランクであっても、その不良要因欠陥が、薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であれば、そのマスクブランクを、欠陥検査の合格品として判定することも可能である。すなわち、従来の欠陥検査では不合格とされていたマスクブランクを欠陥検査の合格品として判定できるようになるため、マスクブランクの生産歩留まりを向上させることができる。
ここで、一辺が約152mmの四角形の主表面を有する基板である場合、その基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域を薄膜に転写パターンが形成される領域とすることが好ましい。このため、上記所定領域は、基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であると好ましく、基板の主表面の中心を基準とする一辺が142mmの四角形の内側領域であるとより好ましい。また、その所定領域内で存在が許容される不良要因欠陥の数の上限値である所定数は、マスクブランク1枚当たり5個であることが好ましく、3個であるとより好ましく、0個であるとさらに好ましい。
一方、非不良要因欠陥は、薄膜に転写パターンを形成したときにパターン不良欠陥の要因とはならない欠陥であるため、上記所定領域内における非不良要因欠陥の個数に上限を設けることは必須ではない。ただ、非不良要因欠陥の個数が少ない方が好ましく、上記所定領域内で50個以下であると好ましく、30個以下であるとより好ましく、10個以下であるとさらに好ましい。
また、本発明は、基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクであって、前記薄膜の表面に欠陥が存在し、共焦点光学系で走査する欠陥検査装置で薄膜の表面を走査して情報を収集し、前記情報から前記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成し、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行ってフーリエ変換画像を取得し、前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、その取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が最低値よりも大きい数値が存在する欠陥である不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であるマスクブランクについても提供する。
本発明のマスクブランクにおける不良要因欠陥を定義する各事項(所定領域、所定数の事項を含む)については、上記マスクブランクの製造方法の場合と同様である。また、本発明のマスクブランクが適用可能な転写用マスクの種類、マスクブランクの各構成部(基板1、薄膜2等)に関する事項についても、上記マスクブランクの製造方法の場合と同様である。
また、本発明は、上述の欠陥評価方法を適用したマスクブランク用基板の製造方法についても提供する。
本発明のマスクブランク用基板の製造方法は、
主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板を準備する工程と、
検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、前記マスクブランク用基板の主表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、
前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記マスクブランク用基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、
前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程と、
前記フーリエ変換画像から、前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が最低値よりも大きい数値が存在する欠陥を不良要因欠陥として判定する工程と、
前記不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であるマスクブランク用基板を欠陥検査の合格品として判定する工程と、
を有することを特徴とするものである。
上記マスクブランク用基板については前述のとおりである。なお、マスクブランク用基板の主表面は、研磨加工により、所定の平滑度(表面粗さ)、平坦度に仕上げられている。
本発明のマスクブランク用基板の製造方法における上記の欠陥検査工程、2次元画像生成工程、フーリエ変換画像取得工程、フーリエ変換画像から空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出す工程については、前述のマスクブランク用基板の欠陥評価方法における工程a、工程b、工程cおよび工程dとそれぞれ同様の工程である。
前述したように、マスクブランク用基板の欠陥評価においても、本発明の欠陥評価方法による新たな判別基準によれば、フーリエ変換画像から取り出した情報のうち、空間周波数の絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲でその空間周波数に対応する画素の階調値がいずれも最低値である場合、そのような欠陥が存在していても、非不良要因欠陥と判別することができ、そのような欠陥が存在するマスクブランク用基板を欠陥検査の合格品として判定することができる。他方、空間周波数の絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲でその空間周波数に対応する画素の階調値が最低値よりも大きいものが1以上存在する場合、そのような欠陥は不良要因欠陥と判別することができる。
但し、このような不良要因欠陥を有するマスクブランク用基板であっても、その不良要因欠陥が、薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であれば、そのマスクブランク用基板を、欠陥検査の合格品として判定することも可能である。つまり、従来の欠陥検査では不合格とされていたマスクブランク用基板を欠陥検査の合格品として判定できるようになるため、マスクブランク用基板の生産歩留まりを向上させることができる。
ここで、一辺が約152mmの四角形の主表面を有する基板である場合、その基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域を薄膜に転写パターンが形成される領域とすることが好ましい。このため、上記所定領域は、基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であると好ましく、基板の主表面の中心を基準とする一辺が142mmの四角形の内側領域であるとより好ましい。また、その所定領域内で存在が許容される不良要因欠陥の数の上限値である所定数は、マスクブランク用基板1枚当たり5個であることが好ましく、3個であるとより好ましく、0個であるとさらに好ましい。
一方、非不良要因欠陥は、薄膜に転写パターンを形成したときにパターン不良欠陥の要因とはならない欠陥であるため、上記所定領域内における非不良要因欠陥の個数に上限を設けることは必須ではない。ただ、非不良要因欠陥の個数が少ない方が好ましく、上記所定領域内で50個以下であると好ましく、30個以下であるとより好ましく、10個以下であるとさらに好ましい。
また、本発明は、主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板であって、前記基板の主表面に欠陥が存在し、共焦点光学系で走査する欠陥検査装置で前記基板の主表面を走査して情報を収集し、前記情報から前記基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成し、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行ってフーリエ変換画像を取得し、前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、その取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が最低値よりも大きい数値が存在する欠陥である不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であるマスクブランク用基板についても提供する。
なお、本発明のマスクブランク用基板における不良要因欠陥を定義する各事項(所定領域、所定数の事項を含む)については、上記マスクブランク用基板の製造方法の場合と同様である。
本発明は、上記マスクブランク用基板または上記マスクブランク用基板の製造方法で製造されたマスクブランク用基板の主表面上に薄膜を形成する工程を有するマスクブランクの製造方法についても提供する。また、本発明は、上記マスクブランク用基板の主表面上に薄膜を形成されたマスクブランクについても提供する。これらのマスクブランクにおける薄膜に関する事項については、上記のマスクブランクの製造方法の場合と同様である。
本発明は、上記マスクブランクの薄膜に転写パターンを形成する工程を有する転写用マスクの製造方法についても提供する。また、本発明は、上記マスクブランクの薄膜に転写パターンが形成されている転写用マスクについても提供する。図1に示すマスクブランク10の薄膜2に転写パターンを形成することで、図3に示すような基板1上に転写パターン2aを備えた転写用マスク20が得られる。薄膜2に転写パターンを形成する方法としては、通常フォトリソグラフィー法を用いるのが微細パターン形成の観点から好適である。
また、本発明は、上記転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有する半導体デバイスの製造方法についても提供する。本発明により得られる転写用マスクを用いて、微細パターンの形成された高品質の半導体デバイスを製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
(実施例1及び比較例1)
本実施例及び比較例で使用するマスクブランクは、波長193nmのArFエキシマレーザーを露光光として用いるMoSi系遮光膜を備えるバイナリ型マスクブランクである。具体的には、透光性基板(合成石英ガラス基板)上に、下層と上層の積層構造のMoSi系遮光膜を備えるマスクブランクである。
透光性基板として合成石英基板(大きさ約152mm×152mm×厚み6.35mm)を準備した。
次に、枚葉式DCスパッタリング装置内に上記合成石英基板を設置し、モリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合焼結ターゲット(Mo:Si=12原子%:88原子%)を用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、合成石英基板上に、MoSiN膜からなる遮光膜の下層を47nmの厚さで形成した。続いて、同じターゲットを用い、アルゴン(Ar)、窒素(N)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとし、上記遮光膜の下層上に、MoSiN膜からなる遮光膜の上層を13nmの厚さで形成した。形成したMoSiN膜からなる遮光膜の下層の組成は、Mo:Si:N=9.9:66.1:24.0(原子%比)であった。また、形成したMoSiN膜からなる遮光膜の上層の組成は、Mo:Si:N=7.5:50.5:42.0(原子%比)であった。この組成はX線光電子分光分析(XPS)により測定した。
以上のようにして、全部で50枚のマスクブランクを作製した。
次に、上記の50枚すべてのマスクブランクの遮光膜の欠陥検査を行った。欠陥検査に用いる欠陥検査装置は、共焦点光学系と微分干渉光学系を合わせ持つ欠陥検査装置であるM6640(レーザーテック社製)を用いた。その結果、35枚のマスクブランクで、遮光膜に欠陥が検出された。
次に、欠陥が検出された35枚の各マスクブランクに対し、欠陥検査装置でマスクブランクの遮光膜の表面を走査したことで収集された欠陥情報から欠陥を含む領域の2次元画像を生成した。図4は、欠陥検査装置により検出された不良要因欠陥の2次元画像(一例)であり、図5は、欠陥検査装置により検出された非不良要因欠陥の2次元画像(一例)である。
以上のようにして得られた各2次元画像に対し、欠陥部分の中心を直交座標系の原点とし、欠陥検査装置が走査した方向を第1座標軸(横軸)、原点を通り、第1座標軸に直交する方向に第2座標軸(縦軸)を設定した。そしてこの直交座標系を設定後の2次元画像内の直交座標系の原点を中心とする32画素×32画素(1.25μm×1.25μm)の範囲の領域に対し、画像処理ソフト(ImageJ)を用いて2次元フーリエ変換の画像処理を行い、2次元フーリエ変換画像を取得した。
こうして2次元フーリエ変換の画像処理で取得される2次元フーリエ変換画像は、画像の中心を原点とし、横方向の軸が欠陥検査装置の走査した方向(2次元画像の第1座標軸の方向)における空間周波数であり、縦方向の軸が欠陥検査装置の走査した方向に直交する方向(2次元画像の第2座標軸の方向)における空間周波数となっている。また、本実施例及び比較例の2次元フーリエ変換画像は、256階調のグレースケール画像であり、そのうち階調値0と階調値255を除いた階調値1〜階調値254の範囲(254段階)でパワースペクトル密度(以下、PSD(Power Spectrum Density)と略称する。)を表現したものである。このため、階調値が高い(画素の輝度が明るい)ほどPSDが高いことになる。また、空間周波数は、横方向、縦方向ともに、−12.8〜+12μm−1の範囲(2次元フーリエ変換画像が32画素×32画素であるため、正負いずれかの方向に少し偏る。)に、各画素間のピッチが0.8μm−1にそれぞれ設定して算出している。なお、図6は、上記図4の2次元画像に対する2次元フーリエ変換画像であり、図7は、上記図5の2次元画像に対する2次元フーリエ変換画像である。
次に、上記35枚の各マスクブランクの遮光膜に同じテストパターンを形成して転写用マスクをそれぞれ作製した。
まず、上記マスクブランクの遮光膜の上面にHMDS(hexamethyldisilazane)による表面処理を行った。次に、遮光膜の上面に、スピン塗布法によって、電子線描画用の化学増幅型レジスト(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製 PRL009)を塗布し、所定のベーク処理を行って、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。
次に、電子線描画機を用いて、上記レジスト膜に対して所定のテストパターンを描画した後、レジスト膜を現像してレジストパターンを形成した。
次に、上記レジストパターンをマスクとして、積層構造のMoSi系遮光膜のドライエッチングを連続して行い、遮光膜パターンを形成した。ドライエッチングガスとしてはフッ素系ガス(SF)を用いた。
最後に、残存するレジストパターンを除去し、MoSi系遮光膜のバイナリ型転写用マスクを作製した。
そして、欠陥箇所に対して何ら処置を行わないまま、全部で35枚の各転写用マスクに対し、マスク欠陥検査装置を用い、Die−to−Database方式のマスク欠陥検査を行った。さらに、マスク欠陥検査の結果と、その転写用マスクを製造するのに用いたマスクブランクの欠陥検査の結果を用い、マスクブランクにおける遮光膜の欠陥が検出されていた位置座標に対応する転写用マスクにおける遮光膜の転写パターンの位置座標に、パターン不良欠陥(黒欠陥、白欠陥等)が存在するか否かを検証した。
他方、上記のようにして取得した2次元フーリエ変換画像の原点を含む、横方向の軸上の空間周波数とその空間周波数に対応する各画素の階調値を取り出し、空間周波数と画素の階調値との関係を2次元グラフ化したものが、図8及び図9のグラフである。図8は、マスクブランクの遮光膜に欠陥が検出されていた位置座標に対応する転写用マスクの遮光膜のパターンにパターン不良欠陥が検出された場合のマスクブランクの遮光膜の欠陥(不良要因欠陥)に関するものである。図9は、マスクブランクの遮光膜に欠陥が検出されていた位置座標に対応する転写用マスクの遮光膜のパターンにパターン不良欠陥が検出されなかった場合のマスクブランクの遮光膜の欠陥(非不良要因欠陥)に関するものである。
パターン不良欠陥の要因となる不良要因欠陥に関する図8は、全部で13種類の不良要因欠陥(その欠陥が検出された13枚のマスクブランク)について、上記の手順で得られた空間周波数と画素の階調値のデータをプロットしたものである。他方、パターン不良欠陥の要因とはならない非不良要因欠陥に関する図9は、全部で22種類の非不良要因欠陥(その欠陥が検出された22枚のマスクブランク)について、上記の手順で得られた空間周波数と画素の階調値のデータをプロットしたものである。
図8と図9を対比すると明らかであるが、空間周波数が、−6.4μm−1よりも小さい範囲および6.4μm−1よりも大きい範囲で両者の階調値に明確な差がある。
すなわち、図9に示されるパターン不良欠陥の要因とならない非不良要因欠陥22個の全てが、空間周波数が−6.4μm−1よりも小さい範囲および6.4μm−1よりも大きい範囲で階調値が最小値の1であるのに対し、図8に示されるパターン不良欠陥の要因となる不良要因欠陥13個の全てが、空間周波数が−6.4μm−1よりも小さい範囲および6.4μm−1よりも大きい範囲で階調値が最小値の1よりも大きい数値が存在する。このことは、空間周波数が−6.4μm−1よりも小さい範囲および6.4μm−1よりも大きい範囲で階調値が最小値の1である欠陥が薄膜に存在するマスクブランクは、欠陥検査の合格品として判定しても、転写用マスクの製造に問題なく使用できるということを示している。
なお、非不良要因欠陥が検出された22枚のマスクブランクから製造された各転写用マスク(パターン不良欠陥が検出されなかった転写用マスク)に対し、AIMS193(Carl Zeiss社製)を用い、波長193nmの露光光で半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したときにおける転写像のシミュレーションを行った。このシミュレーションの各露光転写像を検証したところ、いずれも高精度で露光転写できることが確認できた。
以上のように、マスクブランクにおける欠陥の情報を特定の手順で分析することにより、具体的には、共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクの薄膜の表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、該欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から上記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、当該2次元画像に対し、上記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、該第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程と、当該フーリエ変換画像から上記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取得する工程と、マスクブランクの薄膜に転写パターンを形成する工程と、マスクブランクにおける上記空間周波数の情報およびその空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、上記薄膜に形成された転写パターンを用いて、検出された上記欠陥が転写パターンに与える影響を評価する工程とを有する欠陥評価方法を適用することにより、マスクブランクの薄膜に欠陥が検出されても、その欠陥が、マスクブランクの薄膜に転写パターンを形成したときにパターン不良欠陥の要因とならない欠陥であるか否かを判別できるようになる。
また、製造されたマスクブランクに対して欠陥検査を行い、上述の欠陥評価方法を適用し、検出された欠陥の情報を特定の手順で分析することにより、その欠陥が、マスクブランクの薄膜に転写パターンを形成したときにパターン不良欠陥の要因とならない非不良要因欠陥であるのか、あるいはパターン不良欠陥の要因となる不良要因欠陥であるのかを判別することができるので、たとえば上記のとおり、薄膜に欠陥が存在するマスクブランクであっても、その欠陥が、空間周波数が−6.4μm−1よりも小さい範囲および6.4μm−1よりも大きい範囲で階調値が最小値の1である非不良要因欠陥だけであれば、そのマスクブランクは、欠陥検査の合格品として判定することができる。また、空間周波数が−6.4μm−1よりも小さい範囲および6.4μm−1よりも大きい範囲で階調値が最小値の1よりも大きい数値が存在する不良要因欠陥を有するマスクブランクであっても、その不良要因欠陥が所定数以下であれば、そのマスクブランクを、欠陥検査の合格品として判定することも可能である。いずれにしても、従来の欠陥検査では不合格とされていたマスクブランクを欠陥検査の合格品として判定できるようになる。
以上の実施例及び比較例は、本発明の欠陥評価方法を、基板上に薄膜を備えるマスクブランクに適用した場合を説明したが、本発明はこれに限らず、主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板(薄膜を形成する前の基板)に存在する欠陥に関しても、上述の欠陥評価方法を適用し、検出された欠陥の情報を特定の手順で分析することにより、その欠陥が、転写用マスクを製造したときにパターン不良欠陥の要因とならない非不良要因欠陥であるのか、あるいはパターン不良欠陥の要因となる不良要因欠陥であるのかを判別することが可能である。
1 マスクブランク用基板
2 薄膜
2a 転写パターン
10 マスクブランク
20 転写用マスク

Claims (34)

  1. 検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクの前記薄膜の表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、
    前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、
    前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、フーリエ変換画像を取得する工程と、
    前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取得する工程と、
    前記マスクブランクの薄膜に転写パターンを形成する工程と、
    前記マスクブランクにおける前記空間周波数の情報および前記空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、前記薄膜に形成された転写パターンを用いて、前記欠陥が前記転写パターンに与える影響を評価する工程と、
    を有することを特徴とする欠陥評価方法。
  2. 検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板の前記主表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、
    前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記マスクブランク用基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、
    前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、
    フーリエ変換画像を取得する工程と、
    前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取得する工程と、
    前記マスクブランク用基板の主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとし、前記薄膜に転写パターンを形成して転写用マスクを製造する工程と、
    前記マスクブランク用基板における前記空間周波数の情報および前記空間周波数に対応する画素の階調値の情報と、前記転写用マスクに形成された転写パターンを用いて、前記欠陥が前記転写パターンに与える影響を評価する工程と、
    を有することを特徴とする欠陥評価方法。
  3. 前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする請求項1又は2に記載の欠陥評価方法。
  4. 前記2次元画像は、前記検査対象物の表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の欠陥評価方法。
  5. 基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクを準備する工程と、
    検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、前記薄膜の表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、
    前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、
    前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、256階調のグレースケール画像であり、階調値1〜階調値254の範囲でパワースペクトル密度を表現した画像であるフーリエ変換画像を取得する工程と、
    前記フーリエ変換画像から、前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が1よりも大きい数値が存在する欠陥を不良要因欠陥として判定する工程と、
    前記不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であるマスクブランクを欠陥検査の合格品として判定する工程と、
    を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  6. 前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする請求項5に記載のマスクブランクの製造方法。
  7. 前記2次元画像は、前記薄膜の表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする請求項5又は6に記載のマスクブランクの製造方法。
  8. 前記所定領域は、前記基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
  9. 前記所定数は、マスクブランクの1枚あたり5個であることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法。
  10. 請求項5乃至9のいずれかに記載のマスクブランクの製造方法によって製造されたマスクブランクの前記薄膜に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  11. 請求項10に記載の転写用マスクの製造方法によって製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  12. 基板の主表面上に薄膜を備えたマスクブランクであって、
    前記薄膜の表面に欠陥が存在し、
    共焦点光学系で走査する欠陥検査装置で薄膜の表面を走査して情報を収集し、前記情報から前記薄膜の欠陥を含む領域の2次元画像を生成し、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行って256階調のグレースケール画像であり、階調値1〜階調値254の範囲でパワースペクトル密度を表現した画像であるフーリエ変換画像を取得し、前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、その取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が1よりも大きい数値が存在する欠陥である不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であることを特徴とするマスクブランク。
  13. 前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする請求項12に記載のマスクブランク。
  14. 前記2次元画像は、前記薄膜の表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする請求項12又は13に記載のマスクブランク。
  15. 前記所定領域は、前記基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれかに記載のマスクブランク。
  16. 前記所定数は、マスクブランクの1枚あたり5個であることを特徴とする請求項12乃至15のいずれかに記載のマスクブランク。
  17. 請求項12乃至16のいずれかに記載のマスクブランクの前記薄膜に転写パターン形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法
  18. 請求項17に記載の転写用マスクの製造方法によって製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  19. 主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板を準備する工程と、
    検査対象物に対して共焦点光学系で走査する欠陥検査装置によって、前記マスクブランク用基板の主表面を走査して欠陥の有無を検査する欠陥検査工程と、
    前記欠陥検査工程で欠陥検査装置によって収集された情報から前記マスクブランク用基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成する工程と、
    前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行い、256階調のグレースケール画像であり、階調値1〜階調値254の範囲でパワースペクトル密度を表現した画像であるフーリエ変換画像を取得する工程と、
    前記フーリエ変換画像から、前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が1よりも大きい数値が存在する欠陥を不良要因欠陥として判定する工程と、
    前記不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であるマスクブランク用基板を欠陥検査の合格品として判定する工程と、
    を有することを特徴とするマスクブランク用基板の製造方法。
  20. 前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする請求項19に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  21. 前記2次元画像は、前記マスクブランク用基板の主表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする請求項19又は20に記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  22. 前記所定領域は、前記基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であることを特徴とする請求項19乃至21のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  23. 前記所定数は、マスクブランク用基板の1枚あたり5個であることを特徴とする請求項19乃至22のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法。
  24. 請求項19乃至23のいずれかに記載のマスクブランク用基板の製造方法によって製造されたマスクブランク用基板の主表面上に薄膜を形成する工程を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  25. 請求項24に記載のマスクブランクの製造方法によって製造されたマスクブランクの前記薄膜に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法。
  26. 請求項25に記載の転写用マスクの製造方法によって製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
  27. 主表面上に薄膜を形成してマスクブランクとするためのマスクブランク用基板であって、
    前記基板の主表面に欠陥が存在し、
    共焦点光学系で走査する欠陥検査装置で前記基板の主表面を走査して情報を収集し、前記情報から前記基板の欠陥を含む領域の2次元画像を生成し、前記2次元画像に対し、前記共焦点光学系の走査方向を第1座標軸とし、前記第1座標軸と直交する方向を第2座標軸とする直交座標系を設定して2次元フーリエ変換を行って256階調のグレースケール画像であり、階調値1〜階調値254の範囲でパワースペクトル密度を表現した画像であるフーリエ変換画像を取得し、前記フーリエ変換画像から前記第1座標軸の方向で空間周波数の情報とその空間周波数に対応する画素の階調値の情報を取り出し、その取り出した情報のうち、絶対値が6.4μm−1よりも大きい範囲の前記空間周波数に対応する前記画素の階調値が1よりも大きい数値が存在する欠陥である不良要因欠陥が、前記薄膜に転写パターンが形成される領域を含む所定領域内で所定数以下であることを特徴とするマスクブランク用基板。
  28. 前記2次元画像は、微分干渉観察画像であることを特徴とする請求項27に記載のマスクブランク用基板。
  29. 前記2次元画像は、前記マスクブランク用基板の主表面に対して前記共焦点光学系が、第1の方向と平行な方向に走査する動作と、第1の方向に直交する第2の方向にシフト移動する動作を繰り返すことによって取得されたものであることを特徴とする請求項27又は28に記載のマスクブランク用基板。
  30. 前記所定領域は、前記基板の主表面の中心を基準とする一辺が132mmの四角形の内側領域であることを特徴とする請求項27乃至29のいずれかに記載のマスクブランク用基板。
  31. 前記所定数は、マスクブランク用基板の1枚あたり5個であることを特徴とする請求項27乃至30のいずれかに記載のマスクブランク用基板。
  32. 請求項27乃至31のいずれかに記載のマスクブランク基板の主表面に薄膜形成する工程を有することを特徴とするマスクブランクの製造方法
  33. 請求項32に記載のマスクブランクの製造方法によって製造されたマスクブランクの前記薄膜に転写パターン形成する工程を有することを特徴とする転写用マスクの製造方法
  34. 請求項33に記載の転写用マスクの製造方法によって製造された転写用マスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写パターンを露光転写する工程を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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