JP6541305B2 - タイヤ加硫モールドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ加硫モールドに関し、特にレーザーを用いたタイヤ加硫モールドの製造方法等に関する。
特許文献1には、未加硫タイヤ(グリーンタイヤ)のクラウン部を加硫するモールドの作製方法として、クラウン部と接する表面を有する金型要素に、積層造形法により別途作製されたパターン成形物を固着して一体化することによって、クラウン部にトレッドパターンを成形可能な表面を有するモールドを作製する方法が開示されている。
上記文献にも開示されているように、積層造形法とはラピッドプロトタイピング(Rapid Prototyping)とも呼ばれる造形法であって、収容槽内に熱硬化性樹脂粉末等の材料を予め敷設し、作製対象となる物品の3次元CADデータに基づいてレーザー照射機構を平面内で走査することにより材料を結合し、作製対象となる物品を下部から上部に渡って1層ずつ積層するように造形する手法である。そして、当該造形法によれば、3次元CADデータに基づいて所望の形状を有する物品を一度に作製できるため、従来必要であった鋳造工程、切削工程等を省略でき、生産効率の大幅な向上を図ることができる。
しかしながら、上記積層造形法は、物品の全体形状を新規に作製することには適しているが、作製対象となる物品の一部を構成する各層を造形するに際して粉末材料を予め敷設しておく必要があるため、各層の積層方向が鉛直方向に限定され、造形された各層間に生じる微細な段差である積層段差が生じる位置を変更できないという問題がある。
特開2006−256240号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、既存の構造を有するタイヤ加硫モールドの表面部に対して新たな構造を形成するに際し、積層段差が生じる位置を自在に変更でき、加工精度を向上させることが可能なタイヤ加硫モールドの製造方法等を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するためのタイヤ加硫モールドの製造方法として、タイヤ表面に接する表面部と、当該表面部より突出する複数の溝形成要素とを有するタイヤ加硫モールドの製造方法であって、前記複数の溝形成要素において欠損が生じた溝形成要素の一部を有する前記表面部に金属粉をシールドガスと共にレーザー光側に集束しつつ噴射しながらレーザーを照射し、前記噴射された金属粉を前記表面部上で前記表面部から欠損前の溝成型要素の突出方向に積層して結合し、前記表面部に前記溝形成要素の欠損部分である他部を付加して形成するものとした。
本構成によれば、タイヤ加硫モールドにおけるタイヤ表面に接する表面部に噴射された金属粉が表面部上で結合してその場に留まることから、積層方向を自在に設定でき、積層段差が生じる位置を自在に変更できる。また、表面部に複数の溝形成要素の他部を付加的に形成できることから、経年劣化等により摩耗が進んだ溝形成要素を後から補修することができる。
また、他の態様として、前記タイヤ加硫モールドが、ベースモールドと、前記ベースモールドに対して着脱可能とされ、タイヤ表面に接する表面部より突出する複数の溝形成要素において欠損が生じた溝形成要素の一部を有するパターンモールドとから構成され、前記パターンモールドの表面部に金属粉を噴射しながらレーザーを照射し、前記噴射された金属粉を表面部上で前記表面部から欠損前の溝成型要素の突出方向に積層して結合し、表面部に前記複数の溝形成要素の欠損部分である他部を付加して形成するものとした。
本態様によれば、ベースモールドに対して着脱可能とされたパターンモールドについて、上記同様の効果を得ることができる。また、パターンモールドがベースモールドに対して着脱可能であることから、パターンモールドを他のパターンモールドに変更することにより、タイヤ表面に異なるパターンを成形することができる。
また、他の態様として、金属粉の材料が、タイヤ加硫モールドを組成する金属材料と異なる態様とした。
本態様によれば、表面上において熱伝導率が異なる溝形成要素を形成することができる。
また、他の態様として、金属粉の噴射及びレーザーの照射を、少なくとも表面部に対するレーザーの照射角を変更可能な5軸加工機にて行う態様とした。
本態様によれば、表面部に既存の溝形成要素が存在する場合であっても、レーザーの表面部に対する照射角度を変更できるため、既存の溝形成要素の位置や形状に拘わらず、溝形成要素の他部を精度よく付加的に形成できる。
また、他の態様として、パターンモールドは、ベースモールドに開設されたボルト挿入孔を介して挿入されるボルトによりベースモールドに締結される態様とした。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、特徴群を構成する個々の構成もまた発明となり得る。
加硫装置の一部を示す断面図である。 セクターモールドを示す全体斜視図である。 セクターモールドの幅方向断面図(図2のA−A断面)である。 レーザー金属粉末付着装置の概要図である。 積層方向を説明する概要図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、加硫装置内に配置されたセクターモールド1とサイドモールド3A;3Bとを示す断面図である。以下の説明において、周方向、径方向、幅方向とは、加硫装置内に配置された未加硫タイヤT(以下、単にタイヤTという。)を基準とする方向である。同図に示すように、タイヤTは、タイヤ回転軸Kが上下に延長する横置き状態で加硫装置内に配設される。セクターモールド1は、加硫装置内に配設されたタイヤTのクラウン部C1の範囲と対向して配置されており、主にクラウン部C1の加硫を促進するとともに、その外周面Tsにトレッドパターンを成形する金型である。セクターモールド1は、タイヤTの周方向に沿ってクラウン部C1を取り囲むように複数(例えば9個)配置される。
サイドモールド3A;3Bは、タイヤTの両サイド部S1;S2と対向するように配置されており、主にサイド部S1;S2の加硫を促進するとともに、その外周面にタイヤサイズやロゴマーク等を成形する金型である。サイドモールド3A;3Bは円環状をなしており、タイヤTを取り囲む複数のセクターモールド1を挟み込むように各セクターモールド1の端面と緊密に接合する。
タイヤTの内周面Tu側には、ブラダー5が配設される。ブラダー5は、内部に注入される気体によって膨張可能な弾性体により構成され、ビードリング7A;7Bと接合されるクランプリング6;6によって把持される。ブラダー5は、気体の注入による膨張によってタイヤTを内周面Tu側から押圧することにより、タイヤTのクラウン部C1及びサイド部S1;S2をセクターモールド1及びサイドモールド3A;3Bに押し付ける。ビードリング7A;7Bは、円環状のサイドモールド3A;3Bの内径部と適合する外径を有する円環状であって、タイヤTのビード部B1;B2の加硫を促進するとともにビード部B1;B2の外形を成形する。
タイヤTは、例えば図外のタイヤ成型ドラム上において成型された未加硫のタイヤである。タイヤTは、加硫装置内において、上下方向に離間して配設された一対のビード部B1;B2に跨ってトロイダル状に延在する図外のカーカスや、クラウン部C1においてカーカス上に積層される複数のベルト及びトレッドゴム、サイド部S1;S2においてカーカス上に配置されるサイドゴム等の部材を含んで構成される。
以上のとおり、加硫装置内のタイヤTは、複数のセクターモールド1と、サイドモールド3A;3B、ブラダー5、ビードリング7A;7Bによって形成される成型空間内において加圧された状態に置かれる。また、セクターモールド1、サイドモールド3A;3B及びビードリング7A;7Bには、加硫装置に設けられた図外の熱源から熱が付与され、タイヤTの加硫が促進される。
次に、セクターモールド1の具体的構造、及び製造方法について説明する。図2は、セクターモールド1の概略斜視図である。図3は、図2に示すセクターモールド1の幅方向断面図(A−A断面)である。各図に示すように、本例に係るセクターモールド1は、土台となるベースモールド10と、当該ベースモールド10に対して着脱可能に組み付けられたパターンモールド30との2層構造であり、パターンモールド30を他のパターンモールドに交換すれば、異なるトレッドパターンを有するタイヤTを加硫することが可能である。
各図に示すように、ベースモールド10は、加硫装置の図外の熱源と対向する外周面12と、当該外周面12の反対側に位置し、パターンモールド30の外周面32と接する内周面14とを有する。外周面12は、クラウン部C1に沿うように、周方向に沿って緩やかに湾曲するとともに、幅方向に沿って複数の角部12a;12bを有して延長する面である。図3に示すように、外周面12には、幅方向に隔ててボルト挿入孔13;13が開設される。ボルト挿入孔13;13は、内周面14に設けられた位置決め凹部15;15の底部に達する孔である。位置決め凹部15;15は、パターンモールド30の外周面32に突設された位置決め凸部33;33と係合する。パターンモールド30をベースモールド10に組み付ける際には、位置決め凸部33;33を位置決め凹部15;15に係合させた状態で、ボルト挿入孔13;13に締結手段としてのボルト18;18を挿入することにより、両者が強固に一体化される。
ベースモールド10の内周面14は、パターンモールド30の外周面32と相補するように周方向、幅方向に渡って緩やかに湾曲して延長する面である。パターンモールド30がベースモールド10に対して組み付けられると、内周面14は、パターンモールド30の外周面32と緊密に接合する接合面となる。上述のように、内周面14には、径方向外側に向けて窪む位置決め凹部15;15が形成されており、当該位置決め凹部15;15には、パターンモールド30の外周面32に突設された位置決め凸部33;33が係合する。内周面14の幅方向両側部には、外周面12と内周面14とを接続する接合端面16a;16bが形成される。接合端面16a;16bには、径方向外側に向けて窪むボルト締結部17;17が形成される。ボルト締結部17;17の内周面にはネジ切りが施されており、パターンモールド30側から螺入される締結手段としてのボルト19;19と螺合する。
以上のとおり、ベースモールド10は、パターンモールド30の外周面32と相補する形状を有し、外周面32と接合する接合面となる内周面14を有している。また、本実施形態においてベースモールド10は、鋳造や積層造形法により一体物として作製されており、その材質は例えば鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属である。
次に、パターンモールド30について説明する。図3に示すように、パターンモールド30は、ベースモールド10の内周面14と接合する外周面32と、当該外周面32の反対側に位置するパターン成形部40とを有する。前述のとおり、外周面32は、ベースモールド10の内周面14と相補する形状を有しており、周方向、幅方向に沿って緩やかに湾曲する。外周面32における前述の位置決め凹部15;15と対応する位置には、径方向外側に向けて凸となる位置決め凸部33;33が形成される。位置決め凸部33;33は、位置決め凹部15;15と係合する円筒状であって、その内周部には、前述のボルト18;18の先端部に形成されたネジ部と螺合するネジ切りが形成されている。
外周面32の幅方向両側部には、接合端面34a;34bが形成される。接合端面34a;34bは、ベースモールド10の接合端面16a;16bと相補する形状を有しており、パターンモールド30がベースモールド10に組み付けられた状態において、接合端面16a;16bと緊密に接合する接合面となる。接合端面34a;34bには、当該接合端面34a;34bと平行に延長する内周端面35a;35bに達するボルト挿入孔36;36が設けられている。ボルト挿入孔36;36は、ボルト19;19を挿入可能な径を有している。ボルト19;19を内周端面35a;35b側からボルト挿入孔36;36に挿入し、ベースモールド10のボルト締結部17;17に螺入することにより、パターンモールド30とベースモールド10とが強固に一体化される。
次に、パターンモールド30のパターン成形部40の構造について説明する。図1〜図3に示すように、外周面32と反対側に形成されるパターン成形部40は、タイヤTのクラウン部C1の外周面Tsと対向する領域である。本例においてパターン成形部40は、クラウン部C1の外周面Tsと接し、トレッドパターンを構成する一要素である陸部の表面を形成する表面部42と、当該表面部42から径方向内側に突出し、トレッドパターンを構成する一要素である溝部を成形する複数の溝形成要素とを有する。表面部42は、加硫対象となるタイヤTのクラウン部C1のプロファイル形状に応じて周方向、幅方向に緩やかに湾曲する面である。また、本例において表面部42から径方向内側に突出する複数の溝形成要素の一部として、パターンモールド30の作製時に、表面部42の形状を含むパターンモールド30の全体形状と一体的に作製された主溝形成凸部44a;44b及び横溝形成凸部46を有する。また、表面部42から径方向内側に突出する複数の溝形成要素の他部として、表面部42と一体的に作製される主溝形成凸部44a;44b及び横溝形成凸部46とは別に、表面部42に対して付加して作製された横溝形成凸部48を有する。以下、各凸部44a;44b;46;48の構成について説明する。
なお、図示の表面部42、及び表面部42から径方向内側に突出する複数の溝形成要素の形状、配置、その寸法等の各要素は、あくまで一例であって、各要素を適宜設定することにより、加硫対象となるタイヤTのクラウン部C1に多様な種別のトレッドパターンを成形可能である。また、上記例では、トレッドパターンを構成する周方向溝、及び横溝をそれぞれ成形する主溝形成凸部44a;44b及び横溝形成凸部46を例としたが、表面部42上に陸部表面に延長する細溝としてのサイプを成形するサイプ形成凸部等、大小を問わず他の凸部を有してもよい。
本例において、主溝形成凸部44a;44bは、タイヤTの幅方向中心に対応する中心線L1を中心として幅方向に均等な間隔を有して離間する断面矩形状である。図2に示すように、主溝形成凸部44a;44bは、表面部42上において周方向沿って連続して延在しており、その両端部はパターンモールド30の周方向端面37a;37bと面一となって終端する。
横溝形成凸部46は、表面部42の幅方向一方側に複数設けられる。複数の横溝形成凸部46は、周方向に沿って所定の間隔を有して配列される。各横溝形成凸部46は、主溝形成凸部44bから幅方向外側に向かうに従って表面部42からの突出高さが漸減するとともに、周方向の一方に向けて傾斜しながら延長する。
横溝形成凸部48は、表面部42の幅方向他方側に複数設けられる。複数の横溝形成凸部48は、横溝形成凸部46と同様に、周方向に沿って所定の間隔を有して配列される。複数の横溝形成凸部48同士の間隔は、横溝形成凸部46同士の間隔よりも広く、その数が少ない。各横溝形成凸部48は、主溝形成凸部44aから幅方向外側に向かうに従って表面部42からの突出高さが漸増するとともに、周方向の一方に向けて傾斜しながら延長する。
以上のとおり、パターンモールド30のパターン成形部40には、タイヤTのクラウン部C1に形成されるトレッドパターンを成形する表面部42と、当該表面部42から突出する複数の溝形成要素とが形成されており、タイヤTのクラウン部C1の外周面Tsが、パターン成形部40に押し付けられた状態で加硫されることにより、タイヤTのクラウン部C1に複数の溝形成要素の形状が反転したトレッドパターンが形成される。そして、上述のとおり本実施形態に係るパターンモールド30では、上記複数の溝形成要素の一部である主溝形成凸部44a;44b及び横溝形成凸部46が、パターンモールド30の全体形状と一体的に形成される。一方、複数の溝形成要素の他部である横溝形成凸部48が、一体的に形成される主溝形成凸部44a;44b及び横溝形成凸部46を有するパターンモールド30の表面部42に対して、付加的に形成される。以下、パターンモールド30の作製方法の具体例について説明する。
[パターンモールドの作製について]
まず、主溝形成凸部44a;44b及び横溝形成凸部46を有するパターンモールド30´を作製する。なお、パターンモールド30´とは、上述の完成後のパターンモールド30との比較において、複数の溝形成要素の他部である横溝形成凸部48が形成されていないモールドであるものとする。当該パターンモールド30´の作製方法としては、基本モデルの作製、基本モデルに基づくゴム型の作製、ゴム型に基づく鋳型の作製を含む鋳造による既存の方法や、パターンモールド30´の3次元CADデータを作製し、当該データを積層造形装置に転送することにより、積層造形装置によって、予め敷設された金属材料を結像,積層させる従来の積層造形法が適用できる。
図4は、上述の工程によって作製されたパターンモールド30´をレーザー金属粉末付着装置80内に配置した状態を示す概略図である。同図に示すように、パターンモールド30´の表面部42上には、既に主溝形成凸部44a;44b及び横溝形成凸部46が形成されている。本例では、パターンモールド30´の表面部42に対して、レーザー金属粉末付着法(Laser Metal Deposition)用いて横溝形成凸部48を付加的に形成する。以下、レーザー金属粉末付着装置80について概説する。
レーザー金属粉末付着装置80は、完成形であるパターンモールド30の3次元CADデータを受信するとともに、当該3次元CADデータをスライスデータに変換し、当該スライスデータに基づいて各機構を制御する制御装置82を備える。制御装置82は、CPU、ROM、RAMその他の入力手段を備えたいわゆるコンピュータであって、製造管理者によるキーボード等の入力に基づいて、パターンモールド30の全体形状が反映された3次元CADデータから、付加的に形成すべき複数の横溝形成凸部48ごとの形状データや表面部42上における位置データ(座標情報)を抽出する。また、制御装置82は、抽出した各横溝形成凸部48の形状データを製造管理者によるキーボード等の入力手段からの入力に基づいて、後述のスライスデータに変換する。
レーザー金属粉末付着装置80は、テーブル移動機構83上に設けられ、X軸、Y軸、Z軸方向に移動可能な走査テーブル85と、走査テーブル85上に配置されるパターンモールド30´の表面部42側に金属粉60を噴射しながら、レーザー光Lを照射するノズル機構87と、ノズル機構87内に金属粉60を常時供給するチャンバー89と、ノズル機構87に対してレーザー光Lを出力するレーザー出力部90とを備える。なお、本例において、ノズル機構87からは、パターンモールド30´(主溝形成凸部44a;44b及び横溝形成凸部46)を組成する金属材料と同一又は異なる金属の粉末が噴射されるものとする。
走査テーブル85は、テーブル移動機構83上に配設される。テーブル移動機構83は、走査テーブル85をZ軸方向(上下方向)に昇降させる昇降部83aと、当該昇降部83aの昇降動作と連動して昇降する支持板上に配設されたスライダ機構83bと、スライダ機構83b機構によってパターンモールド30´の幅方向に沿うX軸方向にスライド移動可能とされた移動板84と、当該移動板84上に配設されたスライダ機構84aとを備える。スライダ機構84aは、走査テーブル85をX軸方向と直交し、パターンモールド30´の周方向に沿うY軸方向にスライド可能に支持する。昇降部83a、スライダ機構83b;84aは、それぞれ制御装置82から出力される駆動信号に応じて動作するモータ等の駆動源を備えている。
ノズル機構87は、Z軸方向に延長する円筒体であって、パターンモールド30´の表面部42にレーザー光Lを照射する照射口87aを有する。照射口87aから照射されるレーザー光Lは、制御装置82内に設けられたレーザー出力部90により生成される。制御装置82は、スライスデータに基づいてレーザー出力部90を制御し、当該レーザー出力部90からのレーザー光Lの出力有無、出力タイミング、出力時間等を制御する。レーザー出力部90から出力されたレーザー光Lの光路は、光路調整ミラー91により変更される。光路調整ミラー91に反射したレーザー光Lは、ノズル機構87の先端に設けられた照射口87aの略中心を通って表面部42側に照射される。
ノズル機構87は、X軸方向に延長する回転軸89aと、Y軸方向に延長する回転軸89bとによって傾動可能に支持されている。ノズル機構87が回転軸89aによって支持されることにより、ノズル機構87は、Y軸方向に傾動可能となり、照射口87aから照射されるレーザー光Lの表面部42に対する照射角度を自在に変更することができる。また、ノズル機構87が回転軸89bによって支持されることにより、ノズル機構87は、X軸方向に傾動可能となり、照射口87aから照射されるレーザー光Lの表面部42に対する照射角度を自在に変更することができる。また、ノズル機構87の傾動動作は、制御装置82から出力される駆動信号に応じて動作する図外のサーボモータ等の駆動源により実現される。
ノズル機構87の照射口87aの周囲には、表面部42側にチャンバー89内に収容された金属粉60を噴射する噴射口87bが設けられる。噴射口87bから噴射される金属粉60は、噴射口87bと図外の供給管を介して連通するチャンバー89から常時供給される。噴射口87bに達した金属粉60は、噴射口87bの直前に形成された図外のガス噴射口から噴射されるシールドガスと共に、レーザー光L側に集束されつつ表面部42側に噴射される。なお、シールドガスの噴射制御についても制御装置82によって実行される。
表面部42側に噴射された金属粉60は、照射口87aから照射される高出力のレーザー光Lによって表面部42上において直ちに溶融,結合する。そして、制御装置82は、ノズル機構87によるレーザー光Lの照射と金属粉60の噴射を同時に行いながら、3次元CADデータから抽出,変換した各横溝形成凸部48のスライスデータに従って、ノズル機構87のX,Y軸方向への傾動動作、走査テーブル85のX,Y軸方向へのスライド動作、及びZ軸方向への昇降動作を制御することにより、表面部42上に横溝形成凸部48を付加的に形成する。つまり、本実施形態に係るレーザー金属粉末付着装置80は、X,Y,Z軸方向に変位可能な走査テーブル85と、X,Y軸方向に傾動可能なノズル機構87とを備えた5軸(5自由度)の加工装置である。なお、上記例においては、走査テーブル85を3軸方向に変位させ、ノズル機構87を2軸方向に変位させる構成としたがこれに限られるものではなく、例えば走査テーブル85又はノズル機構87の一方が5軸方向に変位可能な構成として、照射口87aから照射されるレーザー光Lの表面部42に対する照射角度を変更する構成としてもよい。
図5は、1の横溝形成凸部48を表面部42上に付加的に形成する様子を示す概略図である。図5(a)は、横溝形成凸部48の形状データを水平方向にスライスし、各スライスデータD1〜Dnをスライス方向と直交する径方向(鉛直方向)に積層した場合の例を示す。この場合においてレーザー金属粉末付着装置80は、走査テーブル85のX,Y軸方向へのスライド動作、及びノズル機構87のX,Y軸方向への傾動動作を組み合わせることにより、まず最下層のスライスデータD1の形状に対応する横溝形成凸部48の一部の範囲を造形する。さらに当該横溝形成凸部48の一部の範囲の造形後には、走査テーブル85をZ軸方向に降下動作させ、再び走査テーブル85のX,Y軸方向へのスライド動作、及びノズル機構87のX,Y軸方向への傾動動作を組み合わせて、スライスデータD1の形状に対応する横溝形成凸部48上に、スライスデータD2の形状に対応する横溝形成凸部48の一部の範囲を造形する。当該動作をスライスデータDnまで繰り返し実行することにより、表面部42上に横溝形成凸部48を付加的に形成することが可能となる。
また、本実施形態に係る本実施形態に係るレーザー金属粉末付着装置80によれば、噴射口87bから噴射された金属粉60が、照射口87aから照射されるレーザー光Lによって、瞬時に溶融,結合して、その場に留まるため、積層方向を自在に設定することができる。即ち、従来の積層造形装置においては、粉末材料を予め敷設しておく必要があるため、その積層方向が図5(a)の矢印X1で示す鉛直方向に限定されることとなり、造形された各層間に生じる微細な段差(積層段差)の位置を変更することが困難となる。
一方、本実施形態に係るレーザー金属粉末付着装置80によれば、材料(金属粉60)を予め敷設しておく必要がなく、噴射された材料がその場に留まるため、図5(b)に示すように積層方向を例えば矢印X2で示すような鉛直方向に対して傾斜した方向に設定することが可能となる。そして、図示の例では、積層方向を矢印X2で示す方向とすれば、各層間における積層段差が生じる位置を横溝形成凸部48の先端面48cから横溝形成凸部48の側端面48a;48bに変更,設定することができる。よって、トレッドパターンの横溝の溝底を成形する横溝形成凸部48の先端面48cに積層段差が生じることを防止でき、当該横溝によって排水性能等の特性を損なうことなく発揮させることができる。なお、図示の例では、走査テーブル85上に外周面12を下方としてパターンモールド30´を載置した例を示したが、図外の治具を用いてパターンモールド30´を直立又は傾斜した状態で走査テーブル85上に載置してもよく、その加工時の姿勢は如何なる姿勢であってもよい。
また、本実施形態に係るレーザー金属粉末付着装置80は、X,Y,Z軸方向に変位可能な走査テーブル85と、X,Y軸方向に傾動可能なノズル機構87とを備えた5軸の加工機であって、表面部42に対するレーザー光Lの傾斜角度を変更可能であるため、付加的に形成する部分(本例では横溝形成凸部48)の近傍に他の部分を構成する既存の形状が存在する場合であっても、当該既存の形状に干渉を受けることなく形成対象となる部分を適切に造形することができる。即ち、従来の積層造形装置においては、鉛直方向に照射されるレーザー光Lに対して収容槽をX,Y,Z軸方向に繰り返し動作させ、予め敷設された材料を各層ごとに造形する手法であるため、各層における造形対象となる部位の近傍に当該部位の基準高さ以上の高さを有する既存の形状が存在する場合、既存の形状とレーザー照射機構とが干渉し、造形対象となる部位にレーザーを適切に照射できず、造形不良が生じ易くなる。例えば、図5(a)の破線部で示す領域は、各層(スライスデータD1〜Dn)の基準高さよりも高い既存の表面部42に近い領域であるため、レーザー照射機構と干渉し易く、造形不良が生じ易い領域となる。
一方で、5軸方向に変位可能なレーザー金属粉末付着装置80によれば、既存の形状を有するパターンモールド30´とノズル機構87との相対位置を5軸方向に自在に変位させることができるため、レーザー光Lを既存の形状による干渉を受けることなく、造形対象となる部位に適切に照射することが可能となり、加工精度の高い横溝形成凸部48を付加的に形成することができる。なお、図示の例では、既存の形状としての表面部42を対象として、その有用性について説明したが、レーザー照射機構と干渉する可能性のある既存の形状としては、表面部42の他、主溝形成凸部44a;44bやサイプ形成凸部等、表面部42に形成された溝形成要素の全ての形状が該当し得る。
以上、実施形態を通じて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではない。上述の実施形態においては、セクターモールド1をベースモールド10とパターンモールド30とからなる2層構造としたが、2層構造とすることなくセクターモールド1を鋳造や積層造形法により一体に作製し、当該一体に作製されたセクターモールド1の表面部42に横溝形成凸部48等の溝形成要素を付加的に形成してもよい。
また、上述の実施形態では、セクターモールド1を新規に作製する工程を例としたが、本発明に係る方法は、既存のセクターモールド1の補修工程についても適用できる。例えば、複数の横溝形成凸部48を有するセクターモールド1の繰り返しの使用によって一部の横溝形成凸部48に摩耗が生じているような場合には、その一部、或いはその全体を切削,除去し、除去後の部位に対して金属材料を噴射しながらレーザー光Lを照射することにより、新たな横溝形成凸部48を付加的に形成することができる。なお、この場合において、付加的に形成される構造としては、横溝形成凸部48に限られず、他の主溝形成凸部44a;44bやサイプ形成凸部等、表面部42に形成された全ての溝形成要素が該当し得る。そして、補修工程について、上記方法を採用することにより、一部の構造に欠損等が生じた場合であっても、当該部分のみを付加的に新たに形成することができるため、セクターモールド1全体、或いはパターンモールド30全体を新規に作製する場合と比べ、そのコストや作製時間を大幅に短縮することができる。
また、上記実施形態では、表面部42に対して噴射する金属粉60として、パターンモールド30´を組成する金属材料と同一又は異なる金属粉60を採用可能であるが、表面部42に対して噴射する金属粉60をパターンモールド30´を組成する金属材料と異なる金属材料とすれば、同一のパターンモールド30の表面部42に形成された複数の溝形成要素において、熱伝導率が異なる溝形成要素を付加することが可能となる。そして、溝形成要素の突出量に応じて変動するクラウン部C1のゲージ厚ごとに最適な熱量を付与すべく金属粉60の種別を適宜設定することにより、クラウン部C1の一部が過加硫や加硫不足の状態となることを防止できる。
1 セクターモールド,3A;3B サイドモールド,
10 ベースモールド,30 パターンモールド,30´ パターンモールド,
32 外周面,40 パターン成形部,42 表面部,44a;44b 主溝形成凸部,
46 横溝形成凸部,48 横溝形成凸部,
80 レーザー金属粉末付着装置,82 制御装置,83 テーブル移動機構,
87 ノズル機構,90 レーザー出力部。

Claims (5)

  1. タイヤ表面に接する表面部と、当該表面部より突出する複数の溝形成要素とを有するタイヤ加硫モールドの製造方法であって、
    前記複数の溝形成要素において欠損が生じた溝形成要素の一部を有する前記表面部に金属粉をシールドガスと共にレーザー光側に集束しつつ噴射しながらレーザーを照射し、前記噴射された金属粉を前記表面部上で前記表面部から欠損前の溝成型要素の突出方向に積層して結合し、前記表面部に前記溝形成要素の欠損部分である他部を付加して形成することを特徴とするタイヤ加硫モールドの製造方法。
  2. 前記タイヤ加硫モールドが、ベースモールドと、
    前記ベースモールドに対して着脱可能とされ、タイヤ表面に接する表面部より突出する複数の溝形成要素において欠損が生じた溝形成要素の一部を有するパターンモールドとから構成され、
    前記パターンモールドの表面部に金属粉を噴射しながらレーザーを照射し、前記噴射された金属粉を表面部上で前記表面部から欠損前の溝成型要素の突出方向に積層して結合し、表面部に前記複数の溝形成要素の欠損部分である他部を付加して形成することを特徴とする請求項1記載のタイヤ加硫モールドの製造方法。
  3. 前記金属粉の材料が、前記タイヤ加硫モールドを組成する金属材料と異なることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のタイヤ加硫モールドの製造方法。
  4. 前記金属粉の噴射及びレーザーの照射を、少なくとも前記表面部に対するレーザーの照射角を変更可能な5軸加工機にて行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のタイヤ加硫モールドの製造方法。
  5. 前記パターンモールドは、前記ベースモールドに開設されたボルト挿入孔を介して挿入されるボルトにより前記ベースモールドに締結されることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のタイヤ加硫モールドの製造方法。
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