JP2006007485A - 更生タイヤのトレッド加硫金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加硫金型の製作における工程工数が少なく、製作工期の短縮や製作コストの低減が図れ、設計変更にも容易に対処できる更生タイヤのトレッド加硫金型を供する。
【解決手段】 更生タイヤに用いられる帯状をなすトレッドTの踏面となるパターン面を含む外面を成型するパターン型2とトレッドTの内面を成型する内面型12とを互いに合わせてトレッドTを加硫成型する加硫金型1とし、内面型12が内面型ホルダー14で保持され、前記パターン型2は、薄板3を直線的に積層して構成され、パターン型ホルダー4で保持される更生タイヤのトレッド加硫金型。
【選択図】 図7
【解決手段】 更生タイヤに用いられる帯状をなすトレッドTの踏面となるパターン面を含む外面を成型するパターン型2とトレッドTの内面を成型する内面型12とを互いに合わせてトレッドTを加硫成型する加硫金型1とし、内面型12が内面型ホルダー14で保持され、前記パターン型2は、薄板3を直線的に積層して構成され、パターン型ホルダー4で保持される更生タイヤのトレッド加硫金型。
【選択図】 図7
Description
本発明は、更生タイヤのトレッドを加硫成型するための加硫金型に関する。
更生タイヤは、使用済みの台タイヤに残存するトレッドゴムを除去した後に、新しいトレッドを貼り付けて使用するタイヤであり、この貼り付けるトレッドは加硫金型により予め帯状ゴム部材として加硫成型される。
従来、この更生タイヤのトレッドを加硫成型する加硫金型は、アルミ鋳物として製作されたもの、あるいはアルミまたは他の金属類をエンドミルや放電加工技術を利用して直接加工したものなどがある。
また、トレッドの踏面側に形成されるパターン模様を成型するのに、数種類のモールドセクションを組み合わせてパターン型とすることが一般に行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−119054号公報
アルミ鋳物等で製作されるものは、マスターモデルやそれから作られた複数の金型を製作するなど、多工程多工数を要した。
そのために製作工期および製作コストも多大であった。
また、パターン設計などの変更があると、その都度初めから製作を行わなければならなかった。
そのために製作工期および製作コストも多大であった。
また、パターン設計などの変更があると、その都度初めから製作を行わなければならなかった。
なお、更生タイヤのトレッドではなくタイヤそのものを加硫成型するのに、薄板を積層した金型を用いるものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−155475号公報
しかし、タイヤを加硫成型する金型は、タイヤ外周に円環状に設けられるとともに、内面側には金型が用いられないなど、更生タイヤのトレッドの製造にそのまま適用できるものではない。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、加硫金型の製作における工程工数が少なく、製作工期の短縮や製作コストの低減が図れ、設計変更にも容易に対処できる更生タイヤのトレッド加硫金型を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、更生タイヤに用いられる帯状をなすトレッドの踏面となるパターン面を含む外面を成型するパターン型と前記トレッドの内面を成型する内面型とを互いに合わせて前記トレッドを加硫成型する加硫金型とし、前記内面型が内面型ホルダーで保持され、前記パターン型は、薄板を直線的に積層して構成され、パターン型ホルダーで保持される更生タイヤのトレッド加硫金型とした。
薄板を直線的に積層してパターン型を構成してパターン型ホルダーで保持するので、マスターモデルを製作せずに直接パターン型を製作し、製作の工程工数を削減し、製作工期の短縮や製作コストの低減が図れる。
また、パターンなどの設計変更も薄板を変更することで簡単に対処できる。
また、パターンなどの設計変更も薄板を変更することで簡単に対処できる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の更生タイヤのトレッド加硫金型において、トレッドの帯状長手方向に前記薄板が積層されて前記パターン型が構成されることを特徴とする。
薄板をトレッドの帯状長手方向に積層してパターン型を構成するので、各薄板の形状が単純化され、製作が容易である。
請求項3記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか記載の更生タイヤのトレッド加硫金型において、前記パターン型ホルダーおよび前記内面型ホルダーは、前記パターン型および前記内面型を保持する位置を可変として前記パターン型および前記内面型の形状やサイズの変更に対応して使用できることを特徴とする。
パターン型ホルダーおよび内面型ホルダーは、パターン型および内面型を保持する位置を可変としてパターン型および内面型の形状やサイズの変更に対応して使用できるので、加硫成型するトレッドの形状やサイズの変更に際しても、パターン型ホルダーおよび内面型ホルダーを新たに製作する必要がなく、製作工期の短縮や製作コストの削減が図れる。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか記載の更生タイヤのトレッド加硫金型において、前記内面型は、薄板を直線的に積層して構成され、内面型ホルダーで保持されることを特徴とする。
内面型も薄板を積層して構成することで、トレッドの形状・サイズの変更に容易に対処することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか記載の更生タイヤのトレッド加硫金型において、前記薄板は、厚さが0.5〜2mmであることを特徴とする。
薄板の厚さを0.5〜2mmとすることで、製作を容易にするとともに、要求される種々のパターンの形状を満足される精度で形成することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の更生タイヤのトレッド加硫金型において、前記薄板は、レーザ切断加工機により所要の断面形状に切断されて形成されたことを特徴とする。
所要の断面形状の薄板をレーザ加工機により切断形成することにより、精度の良い薄板を効率良く製作することができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図7に基づいて説明する。
更生タイヤのトレッドを加硫成型する本実施の形態に係る加硫金型1は、トレッドTの踏面となるパターン面を含む外面を成型するパターン型2とトレッドTの内面を成型する内面型12とを互いに合わせて構成される。
更生タイヤのトレッドを加硫成型する本実施の形態に係る加硫金型1は、トレッドTの踏面となるパターン面を含む外面を成型するパターン型2とトレッドTの内面を成型する内面型12とを互いに合わせて構成される。
パターン型2は、薄い板厚の鋼板である薄板3をトレッドTの帯状長手方向に積層した薄板群から構成され、このパターン型2をパターン型ホルダー4が保持している。
薄板3は、板厚d(図4参照)が0.5mmで、図3に示すような形状に切り出されている。
薄板3は、板厚d(図4参照)が0.5mmで、図3に示すような形状に切り出されている。
この薄板3を製作するに際して、まず本加硫金型1のパターン型の形状を3D−CADの仮想空間内で作成する。
そして、この3D−CADデータによる仮想空間内の形状を、実際に薄板を加工する板厚d(ここでは0.5mm)にこの板を積層した際の寸法値から得られた微小な値(板と板の間にある空気層の幅、例えば0.010mm)を加えた幅長(例えば0.510mm)で仮想空間内においてスライスしていき各スライスされた薄板の切断曲線データを算出する。
そして、この3D−CADデータによる仮想空間内の形状を、実際に薄板を加工する板厚d(ここでは0.5mm)にこの板を積層した際の寸法値から得られた微小な値(板と板の間にある空気層の幅、例えば0.010mm)を加えた幅長(例えば0.510mm)で仮想空間内においてスライスしていき各スライスされた薄板の切断曲線データを算出する。
こうして得られた各薄板の切断曲線データに基づいてレーザ加工機等により0.5mm厚の鋼板を切断して所要形状の薄板3を順次切り出す。
薄板3は、図3に示すようにトレッドの踏面となるパターン面と両側面からなる外面を成型する型面3aが形成され左右に対称に突出した被係止部3b,3bが突出形成されている。
このように、所要の断面形状の薄板をレーザ加工機により切断形成することにより、高い精度の薄板を効率良く製作することができる。
薄板3は、図3に示すようにトレッドの踏面となるパターン面と両側面からなる外面を成型する型面3aが形成され左右に対称に突出した被係止部3b,3bが突出形成されている。
このように、所要の断面形状の薄板をレーザ加工機により切断形成することにより、高い精度の薄板を効率良く製作することができる。
このようにして製作された一連の複数の薄板3を仮想空間でスライスされた順番通りに直線的に重ね合わせた薄板群をパターン型2とする。
薄板3が重ねられたパターン型2は、3D−CADの仮想空間内で形成されたパターン型が再現されたもので、複数の型面3aが連なってトレッドのパターン模様を成型するパターン型面2aが構成されている(図1参照)。
薄板3が重ねられたパターン型2は、3D−CADの仮想空間内で形成されたパターン型が再現されたもので、複数の型面3aが連なってトレッドのパターン模様を成型するパターン型面2aが構成されている(図1参照)。
このパターン型2を保持するパターン型ホルダー4は、図1および図2を参照して、パターン型2の背面と一側面の被係止部3bを同時に保持する背側面保持部材5と他側面の係止部3bを保持する側面保持部材6によりパターン型2を背面と2側面で保持する。
背側面保持部材5の背面を保持する平板部5aの一側縁に断面L字の係止片部5bが形成され、それに対向して断面L字の側面保持部材6が平板部5a上を幅方向に摺動自在に載置されている。
背側面保持部材5の両端面に端面保持部材7と支持基材8とがそれぞれ当接固着されている。
支持基材8より内側に端面保持部材7に対向して押圧保持部材9が長手方向に摺動自在に配置され、支持基材8に貫通螺合したねじ棒10の先端が押圧保持部材9に回動自在に連結されている。
支持基材8より内側に端面保持部材7に対向して押圧保持部材9が長手方向に摺動自在に配置され、支持基材8に貫通螺合したねじ棒10の先端が押圧保持部材9に回動自在に連結されている。
したがって、パターン型ホルダー4にパターン型2を保持させる場合、ねじ棒10を回動して押圧保持部材9を端面保持部材7から離れる方向に移動して、端面保持部材7と押圧保持部材9の間隔を広く空け、側面保持部材6を外側にずらしておく。
そして、レーザ加工された薄板3の最端のものを背側面保持部材5に沿って端面保持部材7の内面に当接し、背側面保持部材5の係止片部5bに一方の被係止部3bを嵌合させ、同最端の薄板3に次からの薄板3を順次直線的に重ね合わせて背側面保持部材5に嵌装していく。
こうして全ての薄板3を直線的に積層して背側面保持部材5に嵌装しパターン型2を構成すると、開放されている側縁に図2に実線で示すように側面保持部材6を嵌合し、パターン型2の両側面を係止片部5bと側面保持部材6が挟むようにして保持する。
そして、ねじ棒10を回動して押圧保持部材9をパターン型2の最端の薄板3に当接し、さらに押圧して、パターン型2の両端面を端面保持部材7との間で挟み、図1に示すように保持する。
パターン型2は、パターン型ホルダー4に4側を保持されて、型面2aを露出している
パターン型2は、パターン型ホルダー4に4側を保持されて、型面2aを露出している
なお、隣接する薄板3,3間の隙間が約15μmまではゴムのはみ出しが発生しないことから、薄板3の積層したパターン型2を押圧する場合、10Nm以上の圧縮力が必要である。
また、薄板3の積層組立てにおいて、予めレーザ加工等で薄板3を切断する際に、組立てに必要な基準および固定用の穴等を加工形成しておき、その基準にて薄板3を積層し長ボルト等で仮固定してからパターン型ホルダー4に保持させるようにしてもよい。
一方、内面型12は、パターン型2に対応した長尺帯状のアルミ鋳物品であり、トレッドの台タイヤに貼り付ける内面を成型するものであるから、型面12aは図6に示すように幅方向中央部が若干膨らんだ平面状をなしている。
この長尺帯状の内面型12を保持する内面型ホルダー14は、前記パターン型ホルダー4と略同じ構造をしており、内面型12の背面と一側面を支持する平板部15aと側面保持部15bが断面L字に形成された背側面保持部材15と、他側面を保持する側面保持部材16により内面型12を背面と2側面で保持する(図6参照)。
背側面保持部材15の両端面に端面保持部材17と支持基材18とがそれぞれ当接固着され、支持基材18より内側に端面保持部材17に対向して押圧保持部材19が長手方向に摺動自在に配置され、支持基材18に貫通螺合したねじ棒20の先端が押圧保持部材19に回動自在に連結されている。
したがって、内面型ホルダー14に内面型12を保持させる場合、ねじ棒20を回動して押圧保持部材19を端面保持部材17から離れる方向に移動して、端面保持部材17と押圧保持部材19の間隔を広く空け、側面保持部材16を外側にずらしておき、内面型12を背側面保持部材15および端面保持部材17に嵌装し、側面保持部材16を内面型12の側面に当接して内面型12を両側面から挟むようにして保持する。
そして、ねじ棒20を回動して押圧保持部材19を内面型12の端面に当接し、さらに押圧して、内面型12の両端面を端面保持部材17との間で挟み、図5に示すように保持する。
内面型12は型面12aを露出して内面型ホルダー14に4側を保持されている。
内面型12は型面12aを露出して内面型ホルダー14に4側を保持されている。
以上のパターン型ホルダー4に保持されたパターン型2を下型に、内面型ホルダー14に保持された内面型12を上型として加硫金型1が構成され、図7に示すようにパターン型2と内面型12に挟まれたキャビティに未加硫ゴムを充填し、加硫してトレッドTを成型する。
前記したように、薄板3を直線的に積層してパターン型2を構成してパターン型ホルダー4で保持するので、マスターモデルを製作せずに直接パターン型2を製作するので、製作の工程工数を削減し、製作工期の短縮や製作コストの低減が図れる。
また、トレッドTの溝パターンなどの設計変更も薄板3を変更することで簡単に対処できる。
また、トレッドTの溝パターンなどの設計変更も薄板3を変更することで簡単に対処できる。
薄板3をトレッドTの帯状長手方向に積層してパターン型2を構成するので、各薄板3の形状が単純化され、レーザ加工機による製作が容易である。
パターン型ホルダー4は、側面保持部材6によるパターン型2の幅方向の保持位置および押圧保持部材9によるパターン型2の長尺方向の保持位置を自由に変えることができるので、パターン型2の形状(幅と長さの比)やサイズの変更があっても対応して使用することができるため、加硫成型するトレッドTの形状やサイズの変更に際して、新たにパターン型ホルダーを製作する必要がなく、製作工期の短縮や製作コストの削減が図れる。
トレッドTの形状やサイズの変更には、単に長さの変更といった場合もあり、このような変更に対しては、薄板3の追加や削除といった極めて簡単な作業だけで所要のパターン型2を構成することができ、益々簡単に対処できる。
なお、トレッドTの形状やサイズの変更に際しては、内面型12も変更になるが、この内面型12を保持する内面型ホルダー14もパターン型ホルダー4と同様に形状やサイズの変更に対応して使用することができ、新たに内面型ホルダーを製作する必要がなく、製作工期の短縮や製作コストの削減が図れる。
本実施の形態のパターン型2を構成する薄板3は、厚さ0.5mmとして、より細かく滑らかなパターンを実現できる最も薄い厚さとしたが、厚さが0.5〜2mmの範囲にあれば十分適用可能である。
また、本実施の形態では、内面型12がパターン模様もなく単純な型面をしているので、内面型12をアルミ鋳物品としたが、これをパターン型2と同じく薄板を直線的に積層した薄板群で構成することもできる。
内面型も薄板を積層して構成することで、トレッドの形状・サイズの変更に容易に対処することができる。
内面型も薄板を積層して構成することで、トレッドの形状・サイズの変更に容易に対処することができる。
T…トレッド、
1…加硫金型、2…パターン型、3…薄板、4…パターン型ホルダー、5…背側面保持部材、6…側面保持部材、7…端面保持部材、8…支持基材、9…押圧保持部材、10…ねじ棒、
12…内面型、14…内面型ホルダー、15…背側面保持部材、16…側面保持部材、17…端面保持部材、18…支持基材、19…押圧保持部材、20…ねじ棒。
1…加硫金型、2…パターン型、3…薄板、4…パターン型ホルダー、5…背側面保持部材、6…側面保持部材、7…端面保持部材、8…支持基材、9…押圧保持部材、10…ねじ棒、
12…内面型、14…内面型ホルダー、15…背側面保持部材、16…側面保持部材、17…端面保持部材、18…支持基材、19…押圧保持部材、20…ねじ棒。
Claims (6)
- 更生タイヤに用いられる帯状をなすトレッドの踏面となるパターン面を含む外面を成型するパターン型と前記トレッドの内面を成型する内面型とを互いに合わせて前記トレッドを加硫成型する加硫金型とし、
前記内面型が内面型ホルダーで保持され、
前記パターン型は、薄板を直線的に積層して構成され、パターン型ホルダーで保持されることを特徴とする更生タイヤのトレッド加硫金型。 - トレッドの帯状長手方向に前記薄板が積層されて前記パターン型が構成されることを特徴とする請求項1記載の更生タイヤのトレッド加硫金型。
- 前記パターン型ホルダーおよび前記内面型ホルダーは、前記パターン型および前記内面型を保持する位置を可変として前記パターン型および前記内面型の形状やサイズの変更に対応して使用できることを特徴とする請求項1または請求項2記載の更生タイヤのトレッド加硫金型。
- 前記内面型は、薄板を直線的に積層して構成され、内面型ホルダーで保持されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか記載の更生タイヤのトレッド加硫金型。
- 前記薄板は、厚さが0.5〜2mmであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか記載の更生タイヤのトレッド加硫金型。
- 前記薄板は、レーザ加工機により所要の断面形状に切断されて形成されたことを特徴とする請求項5記載の更生タイヤのトレッド加硫金型。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004185387A JP2006007485A (ja) | 2004-06-23 | 2004-06-23 | 更生タイヤのトレッド加硫金型 |
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