JP6540013B2 - 電池、電池パック、電子機器、電動車両、蓄電装置および電力システム - Google Patents
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Description
まず本技術の理解を容易にするため、本技術の概要について説明する。スマートフォン、タブレット、電動工具、電動車両等では、内部短絡事故のない、特にコンタミ金属の析出に起因する短絡に対する耐性に優れた高容量な電池が、求められている。
1.第1の実施の形態(ラミネートフィルム型の電池の例)
2.第2の実施の形態(円筒型の電池の例)
3.第3の実施の形態(角型の電池の例)
4.第4の実施の形態(電池パックの例)
5.第5の実施の形態(電池パックの例)
6.第6の実施の形態(蓄電システム等の例))
7.他の実施の形態(変形例)
なお、以下に説明する実施の形態等は本技術の好適な具体例であり、本技術の内容がこれらの実施の形態等に限定されるものではない。また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また例示した効果と異なる効果が存在することを否定するものではない。
本技術の第1の実施の形態では、ラミネートフィルム型の電池の一例について説明する。この電池は、例えば、非水電解質電池であり、充電および放電が可能な二次電池であり、リチウムイオン二次電池である。
図1は、第1の実施の形態による非水電解質電池の構成を表すものである。この非水電解質電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード51および負極リード52が取り付けられた巻回電極体50をフィルム状の外装部材60の内部に収容したものである。
正極53は、正極集電体53Aの片面あるいは両面に正極活物質層53Bが設けられた構造を有している。
正極集電体53Aとしては、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔あるいは、ステンレス(SUS)箔等の金属箔を用いることができる。
負極54は、負極集電体54Aの片面あるいは両面に負極活物質層54Bが設けられた構造を有しており、負極活物質層54Bと正極活物質層53Bとが対向するように配置されている。
セパレータ55は、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の膜から構成される多孔質膜である。セパレータ55の空孔には、非水電解液が保持される。
電解質層56は、マトリックス高分子化合物と非水電解液と固体粒子を含む。電解質層56は、例えば、非水電解液がマトリックス高分子化合物により保持されたものであり、例えば、いわゆるゲル状の電解質からなる層である。なお、固体粒子は、負極活物質層53Bの内部および/または正極活物質層54の内部に含まれていてもよい。また、詳細は後述の変形例において説明するが、電解質層56に代えて、液状の電解質である非水電解液を用いてもよい。この場合、非水電解質電池は、巻回電極体50に代えて、巻回電極体50から電解質層56を省略した構成の巻回体を備える。巻回体には、外装部材60内に充填された液状の電解質である非水電解液が、含浸される。
電解液を保持するマトリックス高分子化合物(樹脂)としては、溶媒に相溶可能な性質を有するもの等を用いることができる。このようなマトリックス高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体およびその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体およびその水素化物、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体およびその水素化物、メタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル等のゴム類、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミド(特にアラミド)、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、アクリル酸樹脂またはポリエステル等の融点およびガラス転移温度の少なくとも一方が180℃以上の樹脂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
非水電解液は、電解質塩と、この電解質塩を溶解する非水溶媒と、添加剤とを含む。
電解質塩は、例えば、リチウム塩等の軽金属化合物の1種あるいは2種以上を含有している。このリチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C6H5)4)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)等が挙げられる。中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、六フッ化リン酸リチウムがより好ましい。
非水溶媒としては、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンあるいはε−カプロラクトン等のラクトン系溶媒、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチルあるいは炭酸ジエチル等の炭酸エステル系溶媒、1,2−ジメトキシエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフランあるいは2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、スルフォラン系溶媒、リン酸類、リン酸エステル溶媒、またはピロリドン類等の非水溶媒が挙げられる。溶媒は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
非水電解液は、下記の式(1)で表されるジニトリル化合物のうちの少なくとも1種を含む。
式(1)で表されるジニトリル化合物の含有量は、より優れた効果が得られる点から、非水電解液に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上9質量%以下であることがより好ましく、0.03質量%以上5質量%以下であることがさらに好ましい。
固体粒子としては、例えば、無機粒子および有機粒子の少なくとも何れか等を用いることができる。無機粒子としては、例えば、金属酸化物、硫酸塩化合物、炭酸塩化合物、金属水酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属フッ化物、リン酸塩化合物、鉱物等の粒子を挙げることができる。なお、粒子としては、典型的には電気絶縁性を有するものを用いるが、導電性材料の粒子(微粒子)の表面を、電気絶縁性材料で表面処理等を行うことで、電気絶縁性を持たせた粒子(微粒子)を用いてもよい。
図3Aおよび図3Bは、本技術の第1の実施の形態による非水電解質電池の内部の一部を拡大した概略断面図である。なお、活物質層に含まれる結着剤、導電剤等の図示は省略している。
負極側および正極側の窪み含浸領域A、負極側および正極側の上塗り領域B、並びに、負極側および正極側の深部領域Cは、例えば、以下のように形成されている。
(負極側の窪み含浸領域)
負極側の窪み含浸領域Aは、負極活物質である負極活物質粒子11を含む負極活物質層54Bの、最表面に位置する隣接負極活物質粒子11間の窪みを含む領域である。この窪み含浸領域Aには、粒子10および式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含む電解質が含浸されている。これにより、負極側の窪み含浸領域Aは、式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含む電解質で満たされている。また、負極側の窪み含浸領域Aには、この電解質に含まれる固体粒子として粒子10が含まれている。なお、電解質は、ゲル状の電解質であってもよく、非水電解液からなる液状の電解質であってもよい。
正極側の窪み含浸領域Aは、正極活物質である正極活物質粒子12を含む正極活物質層53Bの、最表面に位置する隣接正極活物質粒子12間の窪みを含む領域である。この窪み含浸領域Aには、固体粒子である粒子10および式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含む電解質が含浸されている。これにより、正極側の窪み含浸領域Aは、式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含む電解質で満たされている。また、正極側の窪み含浸領域Aには、この電解質に含まれる固体粒子として粒子10が含まれている。なお、電解質は、ゲル状の電解質であってもよく、非水電解液からなる液状の電解質であってもよい。
(負極側の上塗り領域)
負極側の上塗り領域Bは、負極側の窪み含浸領域Aとセパレータ55との間の領域である。この上塗り領域Bは、式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含む電解質で満たされている。この上塗り領域Bには、この電解質に含まれる固体粒子である粒子10が含まれている。なお、この上塗り領域Bには、粒子10が含まれていなくてもよい。図3Aに示す同様の所定の観察視野に含まれる上述した平行線L1とセパレータ55との間の領域が、負極側の上塗り領域Bとして区分されている。
正極側の上塗り領域Bは、正極側の窪み含浸領域Aとセパレータ55との間の領域である。この上塗り領域Bは、式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含む電解質で満たされている。この上塗り領域Bには、この電解質に含まれる固体粒子である粒子10が含まれている。なお、この上塗り領域Bには、粒子10が含まれていなくてもよい。図3Bに示す同様の所定の観察視野に含まれる上述した平行線L1とセパレータ55との間の領域が、正極側の上塗り領域Bとして区分されている。
(負極側の深部領域)
負極側の深部領域Cは、負極側の窪み含浸領域Aより深い側にある負極活物質層54Bの内部の領域である。この深部領域Cの負極活物質粒子11間の空隙には、式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含む電解質が満たされている。この深部領域Cには、この電解質に含まれる粒子10が含まれている。なお、この深部領域Cには、粒子10が含まれていなくてもよい。
正極側の深部領域Cは、正極側の窪み含浸領域Aより深い側にある正極活物質層53Bの内部の領域である。この正極側の深部領域Cの正極活物質粒子12間の空隙には、式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含む電解質が満たされている。この深部領域Cには、この電解質に含まれる粒子10が含まれている。なお、この深部領域Cには、粒子10が含まれていなくてもよい。
負極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度は、30体積%以上あり、30体積%以上90体積%以下であることが好ましく、40体積%以上80体積%以下であることがより好ましい。負極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度が上記範囲である場合には、負極活物質層の最表面に位置する隣接粒子間の窪みにより多くの固体粒子が配置される。これにより、この固体粒子に式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種が捕捉され、添加剤が隣接活物質粒子間の窪みに停滞しやすくなる。このため、隣接粒子間の窪み内の添加剤の存在比率を、他の部分より高くすることができる。本技術の式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を窪みに集中させ、金属の析出を平面方向のみに制御し、窪みの内側に析出物を収容し、短絡事故の起きにくい高充電圧の高容量電池を供給することができる。また、式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種が窪みに留まることによりサイクルに悪影響が出ることを抑制する効果がある。従来実現しなかったサイクル性能と析出耐性の両立も可能になる。
上述の固体粒子濃度とは、2μm×2μmの観察視野をとった場合の粒子断面の合計面積の面積百分率((「粒子断面の合計面積」÷「観察視野の面積」)×100)(%)で規定される固体粒子の体積濃度(体積%)のことをいう。なお、窪み含浸領域Aの濃度を規定する場合には、例えば、隣接粒子間に形成される窪みの幅方向の中心近傍において、上記観察視野を取る。観察は例えば、SEMを用いて行い、撮影により取得した画像を処理することによって、上記の各面積を算出することができる。
負極側の窪み含浸領域Aの厚さは、負極活物質層54Bの厚さの10%以上40%以下であることが好ましい。負極側の窪み含浸領域Aの厚さが上記範囲である場合には、窪みに配置される必要な固体粒子量を確保し且つ深部領域Cに固体粒子および添加剤が入り込みすぎない状態を保持することができる。なお、さらに負極側の窪み含浸領域Aの厚さは、上記の範囲であり、且つ、負極側の上塗り領域Bの厚さの2倍以上であることがより好ましい。電極間距離が広がることを避けて、エネルギー密度をより向上できるからである。また、同様の理由で、正極側の窪み含浸領域Aの厚さは、正極側の上塗り領域Bの厚さの2倍以上であることがより好ましい。
窪み含浸領域Aの厚さを規定する場合には、異なる4つの観察視野における窪み含浸領域Aの厚さの平均値を、窪み含浸領域Aの厚さとする。上塗り領域Bの厚さを規定する場合には、異なる4つの観察視野における上塗り領域Bの厚さの平均値を、上塗り領域Bの厚さとする。深部領域Cの厚さを規定する場合には、異なる4つの観察視野における深部領域Cの厚さの平均値を、深部領域Cの厚さとする。
固体粒子の粒子径としては、粒子径D50が、活物質粒子の粒子径D50の「2/√3−1」倍以下であることが好ましい。また、固体粒子の粒子径としては、粒子径D50が、0.1μm以上であることがさらに好ましい。固体粒子の粒子径としては、粒子径D95が、活物質粒子の粒子径D50の「2/√3−1」倍以上であることが好ましい。粒子径が大きい方の粒子で、窪みの底部の隣接活物質粒子間の間隙を塞ぎ、深部領域Cに固体粒子が過剰に入って電池特性に悪影響を与えることを抑制できる。
固体粒子の粒子径D50は、例えば、固体粒子を含む電解質等から固体粒子以外の構成成分を除去した後の固体粒子を、レーザー回折法により測定した粒度分布において、小さい粒子径の粒子側から起算した体積累計50%の粒子径である。また、上記測定した粒度分布から、体積累計95%の粒子径D95の値を得ることができる。活物質の粒子径D50は、活物資粒子を含む活物質層から活物質粒子以外の構成成分を除去した後の活物質粒子を、レーザー回折法により測定した粒度分布において、小さい粒子径の粒子側から起算した体積累計50%の粒子径である。
比表面積(m2/g)は、比表面積測定法であるBET法により測定されたBET比表面積(m2/g)である。固体粒子のBET比表面積は、1m2/g以上60m2/g以下であることが好ましい。BET比表面積が上記数値範囲である場合には、固体粒子が式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を捕捉する作用が高まるので好ましい。一方、BET比表面積が大きすぎる場合には、リチウムイオンまで捕捉してしまうため、出力特性が低下する傾向にある。なお、固体粒子の比表面積は、例えば、上記と同様に固体粒子を含む電解質等から固体粒子以外の構成成分を除去した後の固体粒子について、測定することで得ることができる。
固体粒子の添加量は、より優れた効果が得られる点から、電解質に対して、1質量%以上60質量%以下であることが好ましく、2質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上40質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、負極54の両方の主面にのみ、固体粒子を含有する電解質層56を形成してもよい。また、正極53の両方の主面には、固体粒子を含有しない電解質層56を塗布形成してもよい。同様に、正極53の両方の主面にのみ、固体粒子を含有する電解質層56を形成してもよい。また、負極54の両方の主面には、固体粒子を含有しない電解質層56を塗布形成してもよい。これらの場合などは、負極側の窪み含浸領域A、負極側の上塗り領域B、負極側の深部領域Cのみが形成され、正極側にはこれらの領域が形成されない。正極側の窪み含浸領域A、正極側の上塗り領域B、正極側の深部領域Cのみが形成され、負極側にはこれらの領域が形成されない。
この非水電解質電池の一例は、例えば、以下のようにして、製造することができる。
正極活物質と、導電剤と、結着剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを正極集電体53Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機等により圧縮成型することにより正極活物質層53Bを形成し、正極53を作製する。
負極活物質と、結着剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドン等の溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体54Aに塗布し溶剤を乾燥させ、ロールプレス機等により圧縮成型することにより負極活物質層54Bを形成し、負極54を作製する。
非水電解液は、非水溶媒に対して電解質塩を溶解させ、式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を添加することにより、調製する。
正極53および負極54のそれぞれの両方の主面に、非水電解液と、マトリックス高分子化合物と、固体粒子と、希釈溶媒(ジメチルカーボネート等)とを含む塗布溶液を、加温状態で塗布した後、希釈溶媒を揮発させて電解質層56を形成する。
次に、正極集電体53Aの端部に正極リード51を溶接により取り付けると共に、負極集電体54Aの端部に負極リード52を溶接により取り付ける。
第1の実施の形態による非水電解質電池は、次のようにして作製してもよい。この作製方法は、非水電解質電池の一例の製造方法の溶液塗布工程において、塗布溶液を正極53および負極54の少なくとも一方の電極の両面に塗布することに代えて、塗布溶液をセパレータ55の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面に形成し、その後、さらに加温および加圧工程を行うことを除き、上述した非水電解質電池の一例の製造方法と同様である。
(正極、負極、セパレータの作製、非水電解液の調製)
非水電解質電池の一例の製造方法と同様にして、正極53、負極54およびセパレータ55の作製、非水電解液の調製を行う。
セパレータ55の両面のうちの少なくとも一方の面に、非水電解液と、樹脂と、固体粒子と、希釈溶媒(ジメチルカーボネート等)とを含む塗布溶液を塗布した後、希釈溶媒を揮発させて電解質層56を形成する。
次に、正極集電体53Aの端部に正極リード51を溶接により取り付けると共に、負極集電体54Aの端部に負極リード52を溶接により取り付ける。
次に、巻回電極体50をラテックスのチューブ等の包装材に入れて密封して静水圧下で加温プレスを行う。これにより、固体粒子を負極活物質層54Bの最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みに移動させて、負極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。固体粒子を正極活物質層53Bの最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みに移動させて、正極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。
上述の第1の実施の形態では、ゲル状の電解質を用いた構成例について説明したが、ゲル状の電解質に代えて、液系の電解質である電解液を用いてもよい。この場合、外装部材60内には非水電解液が充填されており、巻回電極体50から電解質層56を省略した構成の巻回体が、非水電解液に含浸されている。この場合、非水電解質電池は例えば次のようにして作製される。
(正極、負極、非水電解液の調製)
非水電解質電池の一例の製造方法と同様にして、正極53および負極54の作製、非水電解液の調製を行う。
次に、負極54の両方の主面の少なくとも一方の主面上に、塗布法などにより塗料を塗布した後、乾燥することにより溶媒を除去し、固体粒子層を形成する。塗料としては、例えば、固体粒子、バインダー高分子化合物(樹脂)および溶媒を混合したものを用いることができる。固体粒子層が塗布形成された負極活物質層54Bの最表面では、負極活物質層54Bの最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みで固体粒子がこしとられて、負極側の窪み含浸領域Aの粒子濃度が増加する。同様に、正極53の両方の主面上に、塗布法などにより、上記と同様の塗料を塗布した後、乾燥することにより溶媒を除去し、固体粒子層を形成する。固体粒子層が塗布形成された正極活物質層53Bの最表面では、正極活物質層54Bの最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みで固体粒子がこしとられて、正極側の窪み含浸領域Aの粒子濃度が増加する。固体粒子としては、例えば、固体粒子の粒子径D95が、活物質粒子の粒子径D50の所定の倍率以上になるように調整したものを用いることが好ましい。例えば、固体粒子としては、固体粒子の一部に活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以上の固体粒子を添加し、固体粒子の粒子径D95が活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以上になるように調整したものを用いることが好ましい。これにより、粒子径が大きい方の固体粒子によって、窪みの底部の粒子間の間隙を埋めて、固体粒子をこしとられやすくすることができる。
次に、正極集電体53Aの端部に正極リード51を溶接により取り付けると共に、負極集電体54Aの端部に負極リード52を溶接により取り付ける。
第1の実施の形態による非水電解質電池は、次のようにして作製してもよい。
(正極および負極の作製)
非水電解質電池の一例の製造方法と同様にして、正極53および負極54を作製する。
次に、変形例1−2と同様にして、負極の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面上に固体粒子層を形成する。同様に、正極の両方の主面の少なくとも一方の主面上に固体粒子層を形成する。
次に、非水電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製する。
次に、変形例1−2と同様にして、巻回電極体50の前駆体である巻回体を形成する。次に、この巻回体を外装部材60に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材60の内部に収納する。
第1の実施の形態による非水電解質電池は、次のようにして作製してもよい。
(正極、負極の作製、非水電解液の調製)
まず、非水電解質電池の製造方法の一例と同様にして、正極53および負極54の作製、および非水電解液の調製を行う。
次に、変形例1−2と同様にして、負極54の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面上に固体粒子層を形成する。同様に、正極53の両方の主面の少なくとも一方の主面上に固体粒子層を形成する。
次に、セパレータ55の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面に、非水電解液と、マトリックス高分子化合物と、N−メチル−2−ピロリドン等の分散溶媒とを含む塗布溶液を塗布した後、乾燥などを行いマトリックス樹脂層を形成する。
次に、正極53と負極54とを、セパレータ55を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ57を接着して巻回電極体50を作製する。
上述の第1の実施の形態では、ゲル状の電解質を用いた構成例について説明したが、ゲル状の電解質に代えて、液系の電解質である電解液を用いてもよい。この場合、外装部材60内には非水電解液が充填されており、巻回電極体50から電解質層56を省略した構成の巻回体が、非水電解液に含浸されている。この場合、非水電解質電池は例えば次のようにして作製される。
(正極、負極の作製、非水電解液の調製)
まず、非水電解質電池の製造方法の一例と同様にして、正極53および負極54の作製、並びに、非水電解液の調製を行う。
次に、セパレータ55の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面上に、塗布法などにより固体粒子層を形成する。
次に、正極53と負極54とをセパレータ55を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ57を接着して、巻回電極体50の前駆体である巻回体を形成する。
次に、外装部材60内部に電解液を注入する前に、巻回体をラテックスのチューブ等の包装材に入れて密封して静水圧下で加温プレスを行う。これにより、固体粒子を負極活物質層54Bの最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みに移動させて、負極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。固体粒子を正極活物質層53Bの最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みに移動させて、正極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。
第1の実施の形態による非水電解質電池は、次のようにして作製してもよい。
(正極および負極の作製)
まず、非水電解質電池の製造方法の一例と同様にして、正極53および負極54を作製する。
次に、非水電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製する。
次に、セパレータ55の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面上に、塗布法などにより固体粒子層を形成する。
次に、変形例1−2と同様にして、巻回電極体50の前駆体である巻回体を形成する。
次に、外装部材60内部に非水電解液を注入する前に、巻回体をラテックスのチューブ等の包装材に入れて密封して静水圧下で加温プレスを行う。これにより、固体粒子を負極活物質層54Bの最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みに移動させて、負極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。固体粒子を正極活物質層53Bの最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みに移動させて、正極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。
第1の実施の形態による非水電解質電池は、次のようにして作製してもよい。
(正極および負極の作製)
まず、非水電解質電池の一例の製造方法と同様にして、正極53および負極54を作製する。次に、固体粒子およびマトリックス高分子化合物を、セパレータ55の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面に塗布し、その後乾燥することにより、マトリックス樹脂層を形成する。
次に、正極53と負極54とを、セパレータ55を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ57を接着して巻回電極体50を作製する。
次に、巻回電極体50をラテックスのチューブ等の包装材に入れて密封して静水圧下で加温プレスを行う。これにより、固体粒子を負極活物質層54Bの最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みに移動させて、負極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。固体粒子を正極活物質層53Bの最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みに移動させて、正極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。
上述の第1の実施の形態の一例および変形例1−1〜変形例1−7では、巻回電極体50が外装部材60で外装された非水電解質電池について説明したが、図4A〜図4Cに示すように、巻回電極体50の代わりに積層電極体70を用いてもよい。図4Aは、積層電極体70を収容した非水電解質電池の外観図である。図4Bは、外装部材60に積層電極体70が収容される様子を示す分解斜視図である。図4Cは、図4Aに示す非水電解質電池の底面側からの外観を示す外観図である。
本技術の第2の実施の形態では、円筒型の非水電解質電池(電池)について説明する。この非水電解質電池は、例えば充電および放電が可能な非水電解質二次電池であり、また、例えばリチウムイオン二次電池である。
図5は、第2の実施の形態による非水電解質電池の一例を示す断面図である。非水電解質電池は、例えば充電および放電が可能な非水電解質二次電池である。この非水電解質電池は、いわゆる円筒型と呼ばれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶81の内部に、図示しない液体状の非水電解質(以下、非水電解液と適宜称する)とともに帯状の正極91と負極92とがセパレータ93を介して巻回された巻回電極体90を有している。
正極91は、正極活物質を含有する正極活物質層91Bが、正極集電体91Aの両面上に形成されたものである。正極集電体91Aとしては、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔あるいは、ステンレス(SUS)箔等の金属箔を用いることができる。
負極92は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体92Aの両面に負極活物質層92Bが設けられた構造を有している。なお、図示はしないが、負極集電体92Aの片面のみに負極活物質層92Bを設けるようにしてもよい。負極集電体92Aは、例えば、銅箔等の金属箔により構成されている。
セパレータ93は、第1の実施の形態によるセパレータ55と同様である。
非水電解液は、第1の実施の形態と同様である。
図示は省略するが、この非水電解質電池の内部では、第1の実施の形態で説明した図3Aおよび図3Bに示す構成から電解質層56を省略した構成と同様の構成を有する。すなわち、負極側の含浸領域A、負極側の上塗り領域B、負極側の深部領域Cが形成されている。正極側の含浸領域A、正極側の上塗り領域B、正極側の深部領域Cが形成されている。なお、負極側のみ負極側の含浸領域A、負極側の上塗り領域Bおよび負極側の深部領域Cが形成されていてもよい。正極側のみ正極側の含浸領域A、正極側の上塗り領域Bおよび正極側の深部領域Cが形成されていてもよい。
(正極の製造方法、負極の製造方法)
第1の実施の形態と同様にして、正極91および負極92を作製する。
次に、負極92の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面上に、塗布法などにより塗料を塗布した後、乾燥することにより溶媒を除去し、固体粒子層を形成する。塗料としては、例えば、固体粒子、バインダー高分子化合物および溶媒を混合したものを用いることができる。固体粒子層が塗布形成された負極活物質層92Bの最表面では、負極活物質層92Bの最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みで固体粒子がこしとられて、負極側の窪み含浸領域Aの粒子濃度が増加する。同様に、正極91の両方の主面上に、塗布法などにより固体粒子層を形成する。固体粒子層が塗布形成された正極活物質層91Bの最表面では、正極活物質層91Bの最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みで固体粒子がこしとられて、正極側の窪み含浸領域Aの粒子濃度が増加する。固体粒子としては、固体粒子の粒子径D95が、活物質粒子の粒子径D50の所定の倍率以上になるように調整したものを用いることが好ましい。例えば、固体粒子としては、固体粒子の一部に活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以上の固体粒子を添加し、固体粒子の粒子径D95が活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以上になるように調整したものを用いることが好ましい。これにより、粒子径が大きい方の固体粒子によって、窪みの底部の間隙を埋めて、固体粒子をこしとられやすくすることができる。
次に、セパレータ93を用意する。
非水電解液は、非水溶媒に対して電解質塩を溶解させて調製する。
正極集電体91Aに正極リード95を溶接等により取り付けると共に、負極集電体92Aに負極リード96を溶接等により取り付ける。その後、正極91と負極92とを、セパレータ93を介して巻回し巻回電極体90とする。
第2の実施の形態による非水電解質電池は、次のようにして作製してもよい。
まず、非水電解質電池の一例と同様にして、正極91および負極92を作製する。
次に、セパレータ93の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面上に、塗布法などにより塗料を塗布した後、乾燥することにより溶媒を除去し、固体粒子層を形成する。塗料としては、例えば、固体粒子、バインダー高分子化合物および溶媒を混合したものを用いることができる。
次に、非水電解質電池の一例と同様にして、巻回電極体90を形成する。
巻回電極体90を電池缶81の内部に収納する前に、巻回電極体90をラテックスのチューブ等の包装材に入れて密封して静水圧下で加温プレスを行う。これにより、固体粒子を負極活物質層92Bの最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みに移動させて、負極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。固体粒子を正極活物質層91Bの最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みに移動させて、正極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。
第3の実施の形態では、角型の非水電解質電池について説明する。
図7は、第3の実施の形態による非水電解質電池の一例の構成を表すものである。この非水電解質電池は、いわゆる角型電池といわれるものであり、巻回電極体120を角型の外装缶111内に収容したものである。
セパレータは、第1の実施の形態と同様のセパレータを用いている。
非水電解液は、第1の実施の形態と同様である。
図示は省略するが、この非水電解質電池の内部は、第1の実施の形態で説明した図3Aおよび図3Bに示す構成から電解質層56を省略した構成と同様の構成を有する。すなわち、負極側の含浸領域A、負極側の上塗り領域B、負極側の深部領域Cが形成されている。正極側の含浸領域A、正極側の上塗り領域B、正極側の深部領域Cが形成されている。なお、負極側のみ負極側の含浸領域A、上塗り領域Bおよび深部領域Cが形成されていてもよい。正極側のみ正極側の含浸領域A、正極側の上塗り領域Bおよび正極側の深部領域Cが形成されていてもよい。
この非水電解質電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
正極および負極は、第3の実施の形態と同様の方法により作製することができる。
(固体粒子層の形成)
次に、負極の両方の主面のうちの少なくとも一方の主面上に、塗布法などにより塗料を塗布した後、乾燥することにより溶媒を除去し、固体粒子層を形成する。塗料としては、例えば、固体粒子、バインダー高分子化合物および溶媒を混合したものを用いることができる。固体粒子層が塗布形成された負極活物質層の最表面では、負極活物質層の最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みで固体粒子がこしとられて、負極側の窪み含浸領域Aの粒子濃度が増加する。同様に、正極の両方の主面上に、塗布法などにより固体粒子層を形成する。固体粒子層が塗布形成された正極活物質層の最表面では、正極活物質層の最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みで固体粒子がこしとられて、正極側の窪み含浸領域Aの粒子濃度が増加する。固体粒子としては、固体粒子の粒子径D95が、活物質粒子の粒子径D50の所定の倍率以上になるように調整したものを用いることが好ましい。例えば、固体粒子としては、固体粒子の一部に活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以上の固体粒子を添加し、固体粒子の粒子径D95が活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以上になるように調整したものを用いることが好ましい。これにより、粒子径が大きい方の固体粒子によって、窪みの底部の間隙を埋めて、固体粒子をこしとられやすくすることができる。なお、固体粒子層を塗布形成の際、余分な塗料をかきとると電極間距離が不用意に広がらないようにすることができる。また、塗料の表面をかきとることにより隣接活物質粒子間の窪みに固体粒子をさらに多く配置することでき、且つ、上塗り領域Bの粒子の比率を下げる。これにより、固体粒子の大部分が集中的に窪み含浸領域Aに配置され、式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種が、窪み含浸領域Aにより多く集まるようにすることができる。
正極と負極と、セパレータ(基材の少なくとも一方の面に粒子含有樹脂層が形成されたもの)とを順に積層および巻回し、小判型に細長く巻回された巻回電極体120を作製する。続いて、巻回電極体120を外装缶111内に収容する。
第3の実施の形態による非水電解質電池は、次のようにして作製してもよい。
まず、非水電解質電池の一例と同様にして、正極および負極を作製する。
次に、セパレータの両方の主面のうちの少なくとも一方の主面上に、塗布法などにより塗料を塗布した後、乾燥することにより溶媒を除去し、固体粒子層を形成する。塗料としては、例えば、固体粒子、バインダー高分子化合物および溶媒を混合したものを用いることができる。
次に、非水電解質電池の一例と同様にして、巻回電極体120を形成する。次に、巻回電極体120を外装缶111内に収容する前に、巻回電極体120をラテックスのチューブ等の包装材に入れて密封して静水圧下で加温プレスを行う。これにより、固体粒子を負極活物質層の最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みに移動させて(押し込ませて)、負極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。固体粒子を正極活物質層の最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みに移動させて、正極側の窪み含浸領域Aの固体粒子濃度を増加させる。
図8は、単電池を用いた電池パックの斜視構成を表しており、図9は、図8に示した電池パックのブロック構成を表している。なお、図8では、電池パックを分解した状態を示している。
図10は、本技術の第1の実施〜第3の実施の形態による電池(以下、二次電池と適宜称する)を電池パックに適用した場合の回路構成例を示すブロック図である。電池パックは、組電池301、外装、充電制御スイッチ302aと、放電制御スイッチ303a、を備えるスイッチ部304、電流検出抵抗307、温度検出素子308、制御部310を備えている。
上述した本技術の第1の実施の形態〜第3の実施の形態による電池および第4の実施の形態〜第5実施の形態による電池パックは、例えば電子機器や電動車両、蓄電装置等の機器に搭載または電力を供給するために使用することができる。
本技術の電池を用いた蓄電装置を住宅用の蓄電システムに適用した例について、図11を参照して説明する。例えば住宅401用の蓄電システム400においては、火力発電402a、原子力発電402b、水力発電402c等の集中型電力系統402から電力網409、情報網412、スマートメータ407、パワーハブ408等を介し、電力が蓄電装置403に供給される。これと共に、家庭内の発電装置404等の独立電源から電力が蓄電装置403に供給される。蓄電装置403に供給された電力が蓄電される。蓄電装置403を使用して、住宅401で使用する電力が給電される。住宅401に限らずビルに関しても同様の蓄電システムを使用できる。
本技術を車両用の蓄電システムに適用した例について、図12を参照して説明する。図12に、本技術が適用されるシリーズハイブリッドシステムを採用するハイブリッド車両の構成の一例を概略的に示す。シリーズハイブリッドシステムはエンジンで動かす発電機で発電された電力、あるいはそれをバッテリーに一旦貯めておいた電力を用いて、電力駆動力変換装置で走行する車である。
[正極の作製]
正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)粒子(粒子径D50:10μm)91質量%と、導電剤であるカーボンブラック6質量%と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)3質量%とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤を分散媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させて正極合剤スラリーとした。
負極活物質である粒状黒鉛粒子(粒子径D50:20μm)96質量%と、結着剤としてスチレン−ブタジエン共重合体のアクリル酸変性体1.5質量%と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1.5質量%とを混合して負極合剤とし、さらに適量の水を加えて攪拌することにより、負極合剤スラリーを調製した。
セパレータとして、厚さ5μmのポリエチレン(PE)製微多孔性フィルム(ポリエチレンセパレータ)を用意した。
炭酸エチレン(EC)と炭酸ジエチル(DEC)とを混合した非水溶媒に対して、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を溶解させ、ジニトリル化合物として、式(1−1)で表される化合物を添加し、これにより非水電解液を調製した。なお、非水電解液の組成は、質量比でEC/DEC/式(1−2)で表される化合物/LiPF6=20/69/1/10に調整した。この非水電解液の式(1−2)で表される化合物の含有量は、非水電解液の全体量に対する質量百分率で、1質量%である。
電解質層が両面に形成された正極および負極と、セパレータとを、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層したのち、長手方向に多数回、扁平形状に巻回した。その後、巻き終わり部分を粘着テープで固定することにより巻回電極体を形成した。
実施例1−2〜実施例1−57では、下掲の表1に示すように、用いる粒子を変えたこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
実施例1−58では、負極に塗布する塗布溶液を調製する際に、固体粒子の含有量を7質量%に減らし、固体粒子の減少分DMCの量を増やしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
実施例1−59では、負極に塗布する塗布溶液を調製する際に、固体粒子の含有量を18質量%に増やし、固体粒子の増加分DMCの量を減らしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
実施例1−59では、負極に塗布する塗布溶液を調製する際に、固体粒子の含有量を20質量%に増やし、固体粒子の増加分DMCの量を減らしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
実施例1−61では、負極にゲル電解質層を形成する際、塗布溶液を掻き取るのを弱くしたこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
実施例1−62では、固体粒子として、固体粒子の一部に負極活物質の粒子径D50の2/√3−1の固体粒子を添加し、固体粒子の粒子径D95が負極活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍(3.1μm)となるように調製したものを用いた。以上のこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
非水電解液に式(1−2)で表される化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
非水電解液に式(1−2)で表される化合物に代えて、ビニルエチレンカーボネート(VEC)を添加したこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
塗布溶液にベーマイト粒子を添加しなかったこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
電極にゲル状の電解質層を形成することに代えて、セパレータの両方の主面にゲル状の電解質層を形成したこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。なお、この例では、セパレータの表面に形成された電解質層に含まれる固体粒子の大部分は、活物質層の最表面に位置する隣接活物質粒子間の窪みに入らないため、窪み含浸領域Aの固体粒子濃度は低くなっている。
塗布溶液にベーマイト粒子を添加しなかった。非水電解液に式(1−2)で表される化合物を添加しなかった。以上のこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
上述の実施例および比較例において、粒子の粒子径、BET比表面積の測定は、以下のようにして測定または評価したものである。(後述の実施例も同様)
電解質層から電解質成分等を除去した後の固体粒子を、レーザー回折法により測定した粒度分布において、小さい粒子径の粒子側から起算した体積累計50%の粒子径を、粒子の粒子径D50とした。なお、必要に応じて、上記測定した粒度分布から、体積累計95%の粒子径D95の値も得た。活物質粒子も同様に、活物質層から活物質以外の成分を除去した粒子について同様に測定した。
電解質層から電解質成分等を除去した後の固体粒子について、BET比表面積測定装置を用いてBET比表面積を求めた。
SEMを用いて、視野幅50μmの観察視野で4箇所観察した。それぞれの観察視野において、含浸領域A、上塗り領域B、深部領域Cの各厚さおよび各領域の粒子濃度を測定した。各領域における2μm×2μmの観察視野について、粒子断面の合計面積の面積百分率((「粒子断面の合計面積」÷「観察視野の面積」)×100%)を求めることにより、粒子濃度を得た。
作製した各電池について、以下の金属コンタミ析出耐性試験を行った。あらかじめ正極合剤層中にΦ50μmの鉄粒子を0.1%添加したこと以外は、上述した実施例および比較例と同様の電池を作製した。その後、4.2Vまで1Aで5時間の定電流/定電圧充電を行った。短絡がなかったものについては、さらに0.05V電圧を上げて1時間ずつの追加充電をおこない、最大4.40Vまで追加充電を行った。
実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
実施例2−1、実施例2−3〜実施例2−11では、電解質層の形成の際、ジニトリル化合物として、式(1−2)で表される化合物の代わりに、下掲の表2に示す化合物を添加したこと以外は、実施例2−2と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
作製した各実施例のラミネートフィルム型電池について、実施例1−1と同様にして、金属コンタミ析出耐性試験を行った。
実施例3−1〜実施例3−9では、下掲の表3に示すように式(1−2)で表される化合物の添加量を変えたこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
塗布溶液にベーマイト粒子を添加しなかったこと以外は、実施例3−9と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
作製した各実施例のラミネートフィルム型電池について、実施例1−1と同様にして、金属コンタミ析出耐性試験を行った。
作製した各実施例のラミネートフィルム型電池について、以下の充放電サイクル試験を行った。23℃にて充電電圧4.2V、1Aの電流で、定電流定電圧充電を充電時間の合計が5時間となるまで行った後、0.5Aの定電流で3.0Vまで定電流放電を行った。このときの放電容量を電池の初期容量とした。その後、同様の条件で充放電を500回繰り返し、[500サイクル目の放電容量/初期放電容量]×100(%)を容量維持率として求めた。
不合格:40%未満
可:40%以上50%未満
良:50%以上60%未満
優:60%以上100%以下
実施例4−1〜実施例4−9では、電解質に対する固体粒子の添加量を下掲の表4に示すように変えたこと以外は、実施例1−1と同様にしてラミネートフィルム型電池を作製した。
作製した各実施例のラミネートフィルム型電池について、実施例1−1と同様にして、金属コンタミ析出耐性試験を行った。
実施例5−1〜実施例5−11では、下掲の表5に示すように固体粒子であるベーマイト粒子の粒子径、比表面積を変えたこと以外は、実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
作製した各実施例のラミネートフィルム型電池について、実施例1−1と同様にして、金属コンタミ析出耐性試験を行った。
実施例1−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
まず、実施例6−1と同様にして、正極および負極の作製を行い、また、セパレータを用意した。
まず、実施例6−1と同様にして、正極および負極の作製を行い、また、セパレータを用意した。
次に、セパレータの両面に、固体粒子22質量%、バインダー高分子化合物としてPVdF3質量、溶媒としてNMP75質量%を混合して調製した塗料を塗布した後、その後、乾燥により溶媒を除去した。これにより、固形分が片面あたり0.5mg/cm2となるように固体粒子層を形成した。
実施例6−1と同様にして、正極および負極を作製し、また、セパレータを用意した。
次に、正極、負極およびマトリックス樹脂層が両面に形成されたセパレータを、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層し、長手方向に多数回、扁平形状に巻回させた後、巻き終わり部分を粘着テープで固定することにより巻回電極体を形成した。
まず、実施例6−1と同様にして、正極および負極の作製を行い、また、セパレータを用意した
正極および負極のそれぞれの両面に、固体粒子22質量%、バインダー高分子化合物としてPVdF3質量%、溶媒としてNMP75質量%を混合して調製した塗料を塗布した後、表面をかきとった。これにより、正極側および負極側の各窪み含浸領域Aに固体粒子を入れるとともに、窪み含浸領域Aの厚さが上塗り領域Bの厚さに対して2倍以上の厚さとなるようにした。その後、乾燥によって、NMPを除去し、固形分が片面で0.5mg/cm2となるように、固体粒子層を形成した。
<実施例6−6>
ゲル状の電解質層を正極の両面のみ形成したこと以外は、実施例6−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
ゲル状の電解質層を負極の両面のみ形成したこと以外は、実施例6−1と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
作製した各実施例のラミネートフィルム型電池について、実施例1−1と同様にして、金属コンタミ析出耐性試験を行った。
次に、矩形状であること以外は実施例1−1と同様の構成を有する矩形状の正極および矩形状の負極と、矩形状のセパレータを作製した。
次にセパレータの両面に実施例6−3と同様にして固体粒子層を形成した。
次に、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に、積層して積層電極体を形成した。
実施例6−1と同様にして、積層電極体を形成し、加温したオイルに袋詰めした積層電極体を入れて静水圧プレスを行った。これにより、正極活物質層の最表面の窪みおよび負極活物質の最表面の窪みに押し込まれるようにした。
実施例7−1と同様にして、積層電極体を形成し、加温したオイルに袋詰めした積層電極体を入れて静水圧プレスを行った。これにより、正極活物質層の最表面の窪みおよび負極活物質の最表面の窪みに押し込まれるようにした。
次に、積層電極体を角型の電池缶に収容した。続いて、電池蓋に設けられた電極ピンと、積層電極体から導出された正極端子とを接続した後、電池缶を電池蓋にて封口し、電解液注入口から非水電解液を注入して封止部材にて封止し、密閉した。これにより、電池形状が厚さ4.5mm、幅30mm、高さ50mm(453050サイズ)の角型電池を作製した。
ポリエチレンセパレータに代えて、不織布を用意し、実施例7−1と同様の塗布溶液を不織布の両面に塗布した後、乾燥により溶媒を除去し、これにより、固形分が片面あたり0.5mg/cm2となるように固体粒子層を形成した。以上のこと以外は、実施例7−1〜実施例7−3と同様にして、ラミネートフィルム型電池を作製した。
実施例7−7では、実施例1−1と同様であるラミネートフィルム型電池を用いた、図8および図9に示す簡易型の電池パック(ソフトパック)を作製した。
作製した各実施例のラミネートフィルム型電池について、実施例1−1と同様にして、金属コンタミ析出耐性試験を行った。なお、実施例7−7では、電池パックに含まれる電池に対して実際にかかる電圧を想定して電圧を調整している。
以上、本技術を各実施の形態および実施例によって説明したが、本技術はこれらに限定されるものではなく、本技術の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
[1]
正極活物質粒子を含む正極活物質層を有する正極と、
負極活物質粒子を含む負極活物質層を有する負極と、
前記正極活物質層および前記負極活物質層の間にあるセパレータと、
電解液を含む電解質と、
固体粒子と
を備え、
負極側の窪み含浸領域および負極側の深部領域、並びに、正極側の窪み含浸領域および正極側の深部領域の少なくとも一方の窪み含浸領域および深部領域
を有し、
前記負極側の窪み含浸領域は、前記電解質および前記固体粒子が配置された、前記負極活物質層の最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みを含む領域であり、
前記負極側の深部領域は、前記電解質または前記電解質および前記固体粒子が配置された、前記負極側の窪み含浸領域より深い側にある前記負極活物質層内部の領域であり、
前記正極側の窪み含浸領域は、前記電解質および前記固体粒子が配置された、前記正極活物質層の最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みを含む領域であり、
前記正極側の深部領域は、前記電解質または前記電解質および前記固体粒子が配置された、前記正極側の窪み含浸領域より深い側にある前記正極活物質層内部の領域であり、
前記少なくとも一方の窪み含浸領域の固体粒子の濃度は、30体積%以上であり、
前記電解液は、下記式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含む電池。
[2]
前記負極側の窪み含浸領域および負極側の深部領域、並びに、正極側の窪み含浸領域および正極側の深部領域を有する[1]に記載の電池。
[3]
前記負極側の窪み含浸領域および前記負極側の深部領域、または、前記正極側の窪み含浸領域および前記正極側の深部領域を有する[1]又は[2]に記載の電池。
[4]
前記少なくとも一方の深部領域の固体粒子濃度は、3体積%以下である[1]〜[3]の何れか一に記載の電池。
[5]
前記少なくとも一方の窪み含浸領域の前記固体粒子濃度は、前記少なくとも一方の窪み含浸領域と同一電極側の前記深部領域の固体粒子濃度の10倍以上である[1]〜[4]の何れか一に記載の電池。
[6]
前記負極側の窪み含浸領域の厚さは、前記負極活物質層の厚さの10%以上40%以下である[1]〜[5]の何れか一に記載の電池。
[7]
前記少なくとも一方の窪み含浸領域に含まれる前記固体粒子の粒子径D95は、活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以上である[1]〜[6]の何れか一に記載の電池。
[8]
前記少なくとも一方の窪み含浸領域に含まれる前記固体粒子の粒子径D50は、活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以下である[1]〜[7]の何れか一に記載の電池。
[9]
前記固体粒子のBET比表面積は、1m2/g以上60m2/g以下である[1]〜[8]の何れか一に記載の電池。
[10]
前記式(1)で表されるジニトリル化合物の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下である[1]〜[9]の何れか一に記載の電池。
[11]
前記固体粒子は、無機粒子および有機粒子の少なくとも何れかである[1]〜[10]の何れか一に記載の電池。
[12]
前記無機粒子は、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、ベーマイト、ホワイトカーボン、酸化ジルコニウム水和物、酸化マグネシウム水和物、水酸化マグネシウム8水和物、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、フッ化リチウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、リン酸トリリチウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、ポリリン酸アンモニウム、ケイ酸塩鉱物、炭酸塩鉱物、酸化鉱物からなる群から選ばれた少なくとも何れかの粒子であり、
前記有機粒子は、メラミン、メラミンシアヌレート、ポリリン酸メラミン、架橋ポリメタクリル酸メチル、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオリド、ポリアミド、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂からなる群から選ばれた少なくとも何れかの粒子である[11]に記載の電池。
[13]
前記ケイ酸塩鉱物は、タルク、ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、カオリナイト、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、パイロフィライト、雲母、ゼオライト、ムライト、サポナイト、アタパルジャイト、モンモリロナイトからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
前記炭酸塩鉱物は、ハイドロタルサイト、ドロマイトからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
前記酸化鉱物は、スピネルである[12]に記載の電池。
[14]
前記電解質は、前記電解液を保持した高分子化合物をさらに含む[1]〜[13]の何れか一に記載の電池
[15]
前記電解質は、ゲル状の電解質である[1]〜[14]のいずれか一に記載の電池。
[16]
[1]〜[15]の何れか一に記載の電池と、
前記電池を制御する制御部と、
前記電池を内包する外装と
を有する電池パック。
[17]
[1]〜[15]の何れか一に記載の電池を有し、前記電池から電力の供給を受ける電子機器。
[18]
[1]〜[15]の何れか一に記載の電池と、
前記電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
前記電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を有する電動車両。
[19]
[1]〜[15]の何れか一に記載の電池を有し、前記電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
[20]
他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え、
前記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、前記電池の充放電制御を行う[19]に記載の蓄電装置。
[21]
[1]〜[15]の何れか一に記載の電池から電力の供給を受け、または、発電装置もしくは電力網から前記電池に電力が供給される電力システム。
Claims (14)
- 正極活物質粒子を含む正極活物質層を有する正極と、
負極活物質粒子を含む負極活物質層を有する負極と、
前記正極活物質層および前記負極活物質層の間にあるセパレータと、
電解液を含む電解質と、
固体粒子と
を備え、
負極側の窪み含浸領域および負極側の深部領域、並びに、正極側の窪み含浸領域および正極側の深部領域
を有し、
前記負極側の窪み含浸領域は、前記電解質および前記固体粒子が配置された、前記負極活物質層の最表面に位置する隣接負極活物質粒子間の窪みを含む領域であり、
前記負極側の深部領域は、前記電解質または前記電解質および前記固体粒子が配置された、前記負極側の窪み含浸領域より深い側にある前記負極活物質層内部の領域であり、
前記正極側の窪み含浸領域は、前記電解質および前記固体粒子が配置された、前記正極活物質層の最表面に位置する隣接正極活物質粒子間の窪みを含む領域であり、
前記正極側の深部領域は、前記電解質または前記電解質および前記固体粒子が配置された、前記正極側の窪み含浸領域より深い側にある前記正極活物質層内部の領域であり、
前記負極側の窪み含浸領域および前記正極側の窪み含浸領域の前記固体粒子の濃度は、30体積%以上であり、
前記負極側の深部領域および前記正極側の深部領域における前記固体粒子の濃度は、3体積%以下であり、
前記固体粒子は、べーマイト、タルク、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、炭化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、フッ化リチウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、ダイヤモンド、リン酸トリリチウム、リン酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、スピネル、ハイドロタルサイト、ドロマイト、カオリナイト、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、パイロフィライト、雲母、ゼオライト、ムライト、サポナイト、アタパルジャイト、モンモリロナイト、ポリリン酸アンモニウム、メラミンシアヌレート、ポリリン酸メラミンおよびポリオレフィンからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
前記電解液は、下記式(1)で表されるジニトリル化合物の少なくとも1種を含むリチウムイオン二次電池。
- 前記負極側の窪み含浸領域の厚さは、前記負極活物質層の厚さの10%以上40%以下である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記負極側の窪み含浸領域に含まれる前記固体粒子の粒子径D95は、前記負極活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以上であり、
前記正極側の窪み含浸領域に含まれる前記固体粒子の粒子径D95は、前記正極活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以上である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池。 - 前記負極側の窪み含浸領域に含まれる前記固体粒子の粒子径D50は、前記負極活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以下であり、
前記正極側の窪み含浸領域に含まれる前記固体粒子の粒子径D50は、前記正極活物質粒子の粒子径D50の2/√3−1倍以下である請求項1から3のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池。 - 前記固体粒子のBET比表面積は、1m2/g以上60m2/g以下である請求項1から4のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記式(1)で表されるジニトリル化合物の含有量は、0.01質量%以上10質量%以下である請求項1から5のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記電解質は、前記電解液を保持した高分子化合物をさらに含む請求項1から6のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池。
- 前記電解質は、ゲル状の電解質である請求項1から7のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池。
- 請求項1から8のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池と、
前記リチウムイオン二次電池を制御する制御部と、
前記リチウムイオン二次電池を内包する外装と
を有する電池パック。 - 請求項1から8のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池を有し、前記リチウムイオン二次電池から電力の供給を受ける電子機器。
- 請求項1から8のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池と、
前記リチウムイオン二次電池から電力の供給を受けて車両の駆動力に変換する変換装置と、
前記リチウムイオン二次電池に関する情報に基づいて車両制御に関する情報処理を行う制御装置と
を有する電動車両。 - 請求項1から8のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池を有し、前記リチウムイオン二次電池に接続される電子機器に電力を供給する蓄電装置。
- 他の機器とネットワークを介して信号を送受信する電力情報制御装置を備え、
前記電力情報制御装置が受信した情報に基づき、前記リチウムイオン二次電池の充放電制御を行う請求項12に記載の蓄電装置。 - 請求項1から8のいずれか一に記載のリチウムイオン二次電池から電力の供給を受け、または、発電装置もしくは電力網から前記リチウムイオン二次電池に電力が供給される電力システム。
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