以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。以下において、複数の実施形態または変形例などが含まれる場合、複数の実施形態または変形例における各構成要素の特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。以下では同様の要素には同一の符号を付して説明する。
以下では、移動体用モータユニットが組み込まれる作業機付移動体として、操作者が座る運転席が設けられず、操作者が遠隔操作装置を用いて車両の外部から走行及び作業機の駆動を遠隔操作する無線操作車両を説明する。一方、作業機付移動体は、運転席を有し操作者が運転席に座って運転することができる乗用型車両としてもよい。
図1から図5は、実施形態に係る移動体用モータユニット30(図3)が組み込まれる作業機付移動体である無線操作車両10を示している。図1は、無線操作車両10において、後部の作業機の一部を省略して示している斜視図である。図2は、図1に取り付けられる作業機である芝刈り機14の断面図である。図3は、図1のA−A断面図である。図1から図3では、水平面上において、車両の進行方向に沿う前後方向が矢印Xで示され、これと直交する車両の左右方向が矢印Yで示されている。また、図1、図2では、矢印Xの方向及び矢印Yの方向と直交する方向である鉛直方向が矢印Zで示されている。なお、以下では、無線操作車両10は、「車両10」という。また、移動体用モータユニット30は、「モータユニット30」という。
図1に示すように、車両10は、操作者が外部から遠隔操作可能に構成されるものである。車両10の車体である車体ケース20の後部にはモータユニット30が固定される。そして、モータユニット30の後側には、芝刈り機14(図2)が取り付けられている。車両10は、車体ケース20と、モータユニット30と、左前車輪16及び右前車輪17と、左後車輪18及び右後車輪19とを含む。左前車輪16及び右前車輪17は、車体ケース20の前端部の左右前側に支持され、左後車輪18及び右後車輪19は、モータユニット30の左右両側に支持される。
車体ケース20は、略箱状のケースであり、車両10の車体またはフレームとしての機能と、内部に部品を収容して固定する部品固定ケースとしての機能とを有する。車体ケース20は後で詳しく説明する。
モータユニット30は、車体ケース20に分離可能に固定される。モータユニット30は、左車輪モータ40、右車輪モータ44、及び作業機モータ50と、ユニットフレーム31とを含んでいる。左車輪モータ40、右車輪モータ44、及び作業機モータ50は、モータユニット30においてユニットフレーム31を介して一体化されている。
左後車輪18は、左車輪モータ40により駆動される駆動輪であり、車体ケース20の左側部分に対しモータユニット30を介して回転可能に支持される。左車輪モータ40は第1電動モータに相当する。右後車輪19は、右車輪モータ44により駆動される駆動輪であり、車体ケース20の右側部分に対しモータユニット30を介して回転可能に支持される。右車輪モータ44は第2電動モータに相当する。作業機モータ50は、後述するように作業機である芝刈り機14の駆動のために用いられる。
左右の前車輪16,17は、キャスタ輪または従動輪である。各前車輪16,17は、車体ケース20の前端部に固定された支持部材15により、車両10の前側において左右方向Yに離れた位置に鉛直方向Zの軸を中心として360度以上の自由操向を可能に支持される。
各車輪モータ40,44は、3相の永久磁石式同期モータである。なお、各車輪モータ40,44は、誘導モータ、リラクタンスモータなど他の形式のモータとしてもよい。実施形態では、車両10の駆動源として電動モータを用いることにより、駆動源にエンジンを用いる場合と異なり、回転及びトルクの制御を容易に行うことができる。各車輪モータ40,44の駆動は、後述する車両コントローラ62(図5)を介して車輪モータ40,44のそれぞれに対応するモータコントローラ64,65(図5)により制御される。なお、車輪モータ40,44の回転軸が電磁ブレーキにより制動されるように構成し、電磁ブレーキの作動を車両コントローラ62で制御する構成としてもよい。
各車輪モータ40,44の回転軸である車輪モータ軸41,45は、対応する後車輪18,19に遊星歯車機構E1,E2を介して連結される。これによって車輪モータ40,44の駆動により後車輪18,19が回転する。遊星歯車機構E1,E2は、車輪モータ軸41,45と車輪18,19との間に設けられ、車輪モータ軸41,45の回転を減速して車輪18,19に伝達するための減速機である。
図3に示すように車体ケース20は、水平面で切断した断面形状が略枠形である。車体ケース20は、底板部21と、底板部21から上側に立設されて略枠状に形成される周壁部22と、周壁部22の上部を覆う上側カバー25とを含む。周壁部22において左右両側の後端部には左右方向において車両内側に窪む段差面23が形成される。また、車体ケースの後端面の中心部には円形の凹部24が形成されている。
車体ケース20の内側には複数個、例えば4つのバッテリ13が一体的に固定されている。複数のバッテリ13は、電気的に直列または並列に接続されて用いられる。バッテリ13は、車輪モータ40,44及び作業機モータ50のそれぞれに電力を供給する蓄電部である。バッテリ13として、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウム電池などを用いることができる。蓄電部としてバッテリ以外にキャパシタを用いることもできる。
また、車体ケース20の内側には、駆動制御ユニット60も収容されて底板部21に固定される。駆動制御ユニット60は、後述する図5に示すように車両コントローラ62、複数のモータコントローラ64,65,66及びインバータ67,68,69を含んで構成される。
図2に示すように芝刈り機14(モア)は、モアデッキ14aと、モアデッキ14aの内側に支持された芝刈りブレード14bとを含んでいる。芝刈りブレード14bは、鉛直方向Zの軸を中心として回転可能に配置される。芝刈りブレード14bは、鉛直方向Zの軸の周りに配置された複数の切断ブレード要素を含んでもよい。芝刈りブレード14bが回転することにより、芝等を破断して刈取り可能とする。モアデッキ14aは、上部の板部14cと、板部14cの下側の周囲を囲むように連結される壁部14dとを有する。壁部14dの一部には、刈り取った芝を車両の側方に排出するための排出口(図示せず)が形成される。モアデッキ14aの上側には回転方向変換部14eが配置される。そして回転方向変換部14eから突出したモア側回転軸14fと、後述する作業機モータ50(図3)の作業機モータ軸51とが、モア側動力伝達機構70により連結される。作業機モータ50は、作業機モータ軸51を駆動する第3電動モータである。作業機モータ50も、車輪モータ40,44と同様に構成される。
モア側動力伝達機構70は、中間軸71の前側と後側とに入力側回転要素72及び出力側回転要素73が自在継手74を介して連結されることにより構成される。入力側回転要素72は、作業機モータ軸51(図3)の後端部に遊星歯車機構E3(図3)を介して連結される。これにより作業機モータ軸51は、芝刈り機14が接続可能に構成される。出力側回転要素73は、モア側回転軸14fの前端部に固定される。これにより、車両10が移動する地面が不整地であっても芝刈り機14の姿勢を安定化させることができる。なお、車体ケース20の後端部において、左右方向Yに離れた2つの位置から後側に突出するガイド部を形成し、ガイド部の間に芝刈り機14を配置して芝刈り機14の左右方向Yへの横揺れを抑制してもよい。
また、車両10は、車両10から離れた操作者が遠隔操作装置80を持って外部からその遠隔操作装置80を用いて操作される。この構成については後で詳しく説明する。
図4の(a)は、図3から移動体用モータユニット30を取り出して拡大した図である。図4の(b)は、(a)の一点鎖線αで囲んだ部分を拡大した図である。モータユニット30は、ユニットフレーム31と、左右両側の車輪モータケース90a、90bと、作業機モータケース100と、遊星歯車機構E1,E2,E3と、左右の車輪側結合体120a、120bと、作業機側結合体130と、左右の車輪モータ40,44、及び作業機モータ50とを含む。
ユニットフレーム31は、左右方向に分かれて配置される左壁部32及び右壁部33と、左壁部32及び右壁部33の対向する内側面の前後方向中間部を連結する連結壁部34とを含む。左壁部32及び右壁部33は、略平行に配置されそれぞれ略前後方向Xに伸びる。連結壁部34は、略左右方向Yに伸びる。また、左壁部32及び右壁部33と連結壁部34との接続部である角部には略矩形のブロック部35が形成される。左壁部32及び右壁部33においてブロック部35に対応する外側面には凹部32a、33aが形成される。また、連結壁部34の後側面の左右方向Yの中央部には凹部34aが形成される。各凹部32a、33a、34aは中心軸に対し直交する平面で切断した場合の形状が円形の円孔である。これに伴って、連結壁部34の前側面の左右方向Yの中央部には円柱状の突部34bが形成される。
そしてユニットフレーム31において、左右の壁部32,33の前側部分と連結壁部34の前側面とで囲まれる部分を内側空間C1と規定する。そして左右の壁部32,33と連結壁部34との内側空間C1側の内側面の形状が、車体ケース20(図3)の後端部の段差面23と凹部24とを含む外側面の形状にほぼ合致する形状となっている。これにより、図3に示すように車体ケース20の後端部の外側面にユニットフレーム31の内側面を嵌め合わせた状態で、ユニットフレーム31と車体ケース20とをボルト(図示せず)などにより着脱可能に固定することができる。
図4に示すように左壁部32の外側面には左側支持部材である左の車輪モータケース90aが固定される。車輪モータケース90aは、一端が板部91で塞がれ、他端が開口する略筒状である。板部91には軸方向に貫通する孔部91aが形成される。板部91の内側面において、孔部91aの周辺部にはリングギヤRGとフランジ部材92とが隣接した状態でボルト(図示せず)などにより固定される。
左壁部32の外側面には同一の円周上に位置する複数の円弧形のリブ36が形成される。これにより、車輪モータケース90aを左壁部32に固定する際に、車輪モータケース90aの筒部93の開口端部を複数のリブ36の外側に嵌合させることができる。これにより左壁部32に対し車輪モータケース90aの位置決めを図れる。車輪モータケース90aの内側空間は、左車輪モータ配置空間U1となる。そして車輪モータケース90aは、後述するように内部に左車輪モータ40を支持する。
また、車輪モータケース90aの板部91に形成された孔部91aには車輪側結合体120aの軸方向中間部が貫通している。そして孔部91aの内側に車輪側結合体120aが軸受D1により回転可能に支持されている。車輪側結合体120aは、左後車輪18用の出力軸であるハブ部材121と、軸部材123と、固定筒部材127とを含む。ハブ部材121は左ハブ部材に相当する。固定筒部材127は、車輪モータケース90a側の端部において外周側に伸びるフランジ127aを有する断面L字形である。固定筒部材127は、フランジ127aにおいて車輪モータケース90aの板部91の外側面にボルトB1により固定される。ハブ部材121は、固定筒部材127の内側に軸受により回転可能に支持される。これによりハブ部材121は、車輪モータケース90aに回転可能に支持される。ハブ部材121の外側端部にはフランジ121aが形成され、このフランジ121aに左後車輪18を結合固定可能となっている。
軸部材123は、雄スプライン部を有する軸部123aと、キャリア部123bとが一体形成されている。軸部123aは、ハブ部材121の中心孔に形成された雌スプライン部と係合する。軸部123aの先端部にはネジ部(図示せず)が形成されており、ネジ部に結合したナット123cとキャリア部123bとでハブ部材121を挟んでいる。これにより軸部材123がハブ部材121に固定される。
キャリア部123bは、左車輪モータ配置空間U1に配置されて、先端部に円板部124が形成される。この円板部124には複数のキャリアピンHの一端が結合される。各キャリアピンHの他端は、環状のキャリア部材125に結合される。キャリア部材125は、軸部材123と同期して回転する。また、軸部材123の円板部124とキャリア部材125との径方向内側において、車輪モータ軸41が軸受により回転可能に支持される。
一方、軸部材123の円板部124とキャリア部材125との間には複数のピニオンギヤPGが配置される。ピニオンギヤPGの中心孔にはキャリアピンHが挿通されることにより、ピニオンギヤPGはキャリアピンHの周囲に配置される。ピニオンギヤPGはリングギヤRGと、車輪モータ軸41の外周面に形成されたサンギヤSGとに噛合する。これにより遊星歯車機構E1が形成される。遊星歯車機構E1は、車輪モータ軸41の回転を減速してハブ部材121から取り出し可能に構成されている。
左車輪モータ軸41の左右方向において車両内側の端部は、左壁部32に形成された凹部32a内に配置される。そして左車輪モータ軸41の凹部32a側の端部と、凹部32aの内周面との間には電磁ブレーキEB1が配置されている。電磁ブレーキEB1は固定側摩擦プレート210a、210b、回転側摩擦プレート212、吸引コイル214及びバネ(図示せず)を含む。固定側摩擦プレート210a、210bは凹部32a内に軸方向に移動可能に支持され、かつ回転しない。回転側摩擦プレート212は左車輪モータ軸41の周囲に軸方向移動可能に支持され、左車輪モータ軸41と同期して回転する。吸引コイル214に電圧が印加されると、吸引コイル214に発生する磁力で固定側摩擦プレート210aが吸引され固定側摩擦プレート210bと回転側摩擦プレート212との間に隙間が発生する。これにより車輪モータ軸41の回転が可能となる。吸引コイル214の電圧印加を解除した場合にはバネの付勢力で一対の固定側摩擦プレート210a、210b及び回転側摩擦プレート212が押し付け合って左車輪モータ軸41の制動が行われる。一対の固定側摩擦プレート210a、210bのうち、固定側摩擦プレート210aはバネに対向し、固定側摩擦プレート210bは図示しない固定部材によって軸方向に関して凹部32aの開口側(図4の左方)への移動が規制されている。
左車輪モータ配置空間U1には左車輪モータ40が配置される。左車輪モータ40は、左車輪モータ軸41に固定されたロータ42と、車輪モータケース90aの筒部93の内周面に固定されたステータ43とを含む。ロータ42は、ステータ43と対向するロータ本体42aを有する。ロータ本体42aは、複数の磁性鋼板の積層体の周方向複数位置にN極及びS極の永久磁石(図示せず)を交互に配置することにより形成される。これにより後述するインバータからステータ43に3相の交流電流が供給された場合に、ステータ43は回転磁界を生成しその回転磁界に同期してロータ42を回転させることができる。また、左車輪モータ40の径方向内側には遊星歯車機構E1が配置される。また、遊星歯車機構E1は、左車輪モータ40に対し中心軸が一致するように配置される。これにより、左車輪モータ40及び遊星歯車機構E1を含む構成において軸方向の長さを短くできるのでモータユニット30の小型化を図れる。
一方、右壁部33の外側面には右側支持部材である右の車輪モータケース90bが固定される。車輪モータケース90bの内部には右車輪モータ配置空間U2が形成される。そして、車輪モータケース90bの内側に右車輪モータ44が配置され、車輪モータケース90bは右車輪モータ44を支持する。また、右車輪モータ配置空間U2において、右車輪モータ44の径方向内側には遊星歯車機構E2が配置される。車輪モータケース90bには、車輪側結合体120bと、右車輪モータ軸45とが回転可能に支持される。車輪側結合体120bは、右後車輪19用の出力軸であるハブ部材128と、軸部材129aと、固定筒部材129bとを含む。ハブ部材128は右ハブ部材に相当する。車輪側結合体120b、遊星歯車機構E2、右車輪モータ44の構成は、左右方向についての位置関係が逆になるだけで左車輪モータ40についての車輪側結合体120a、遊星歯車機構E1、左車輪モータ40と同様に構成される。また、右車輪モータ軸45の凹部33a側端部と凹部33aの内周面との間には電磁ブレーキEB1が配置されている。
また、連結壁部34の外側面である後側面には作業機側支持部材である作業機モータケース100が固定される。作業機モータケース100の内部には作業機モータ配置空間U3が形成される。そして、作業機モータケース100の内側に作業機モータ50が配置され、作業機モータケース100は作業機モータ50を支持する。また、作業機モータ配置空間U3において、作業機モータ50の径方向内側には遊星歯車機構E3が配置される。この遊星歯車機構E3は第2遊星歯車機構に相当する。作業機モータケース100には、作業機側結合体130と作業機モータ軸51とが、回転可能に支持される。作業機側結合体130は、作業機用の出力軸であるハブ部材131と、軸部材133と、固定筒部材137とを含む。作業機側結合体130、遊星歯車機構E3、作業機モータ50の構成は、配置の向きが異なるだけで、左車輪モータ40についての車輪側結合体120b、遊星歯車機構E1、左車輪モータ40と同様に構成される。また、連結壁部34の後側面の左右方向中心部に形成された凹部34a内には、作業機モータ軸の一端部が挿入される。そしてこの一端部と凹部34a内とには、電磁ブレーキEB2が配置されている。電磁ブレーキEB2は車輪モータ40,44についての電磁ブレーキEB1の構成と同様である。なお、各電磁ブレーキEB1、EB2の代わりに軸受が設けられてもよい。
上記のように作業機モータ軸51は、芝刈り機14に接続されるハブ部材131に対し遊星歯車機構E3を介して連結される。遊星歯車機構E3は、作業機モータ軸51の回転を減速して作業機14に伝達するために用いられる。なお、作業機モータ軸51とハブ部材131との間に遊星歯車機構E3等の減速機を設けない構成としてもよい。
上記のモータユニット30によれば、左車輪モータ40、右車輪モータ44及び作業機モータ50がユニットフレーム31を介して一体化されて一体的に結合されるので、モータユニット30を小型化できる。このため、モータユニット30を組み込んだ車両10も小型化できる。また、左右の車輪モータ40,44と、作業機モータ50とが分離された状態で車両10に組み付けられる構成の場合と異なり、車両10にモータユニット30を組み付ける作業を容易に行える。
また、各車輪モータ40,44及び作業機モータ50の径方向内側に遊星歯車機構E1,E2,E3が配置されるので、減速機に遊星歯車機構を設ける構成において小型化を図れる。また、左車輪モータケース90a、右車輪モータケース90b及び作業機モータケース100の開口端が共通のユニットフレーム31により塞がれるので、部品点数の削減を図れ、コストを低減できる。
なお、モータユニット30の各構成部材は、例えば鉄、アルミニウム合金、ステンレス合金などの金属材料から形成できる。
次に、図5を用いて車両10を外部から遠隔操作するための構成を説明する。図5は、車両10と、この車両10を操作するための遠隔操作装置80との概略構成を示している。車両10は、駆動制御ユニット60と、駆動制御ユニット60に接続される車両側アンテナ75とを含む。
駆動制御ユニット60は、車両10の走行と芝刈り機14(図2)の駆動とを行うために用いられる。駆動制御ユニット60は、第1インバータ67、第2インバータ68、及び第3インバータ69と、第1モータコントローラ64、第2モータコントローラ65及び第3モータコントローラ66とを有する。第1モータコントローラ64は第1インバータ67の動作を制御し、第2モータコントローラ65は第2インバータ68の動作を制御する。第3モータコントローラ66は第3インバータ69の動作を制御する。第1インバータ67は左車輪モータ40及びバッテリ13(図3、図5)の間に接続される。第2インバータ68は右車輪モータ44及びバッテリ13の間に接続される。第3インバータ69は作業機モータ50及びバッテリ13の間に接続される。車両コントローラ62は、各モータコントローラ64,65,66を制御する。
各インバータ67,68,69は複数のスイッチング素子を有し、スイッチング動作によって直流電力を交流電力に変換する。車両側アンテナ75は、車両コントローラ62に接続される。車両コントローラ62は、車両側アンテナ75から遠隔操作装置80からの指示を表す信号を受信し、その信号に応じて対応するモータコントローラ64,65,66を介して対応するモータ40,44,50の駆動を制御する。各コントローラ62,64,65,66は、CPU、メモリを有するマイクロコンピュータを含んで構成される。
遠隔操作装置80は、操作者が車両10を遠隔操作するために用いられる。遠隔操作装置80は、操作部81と、操作側コントローラ82とを有する。操作部81には、例えば左右の車輪モータ40,44の前進及び後進を指示する車輪駆動指示部と、作業機モータ50のオンオフ状態の切替を指示する作業機駆動指示部とが設けられる。操作部81は、例えばタッチパネル式のディスプレイを含み、ディスプレイにおける表示により上記の車輪駆動指示部と作業機駆動指示部とが構成されてもよい。車輪駆動指示部は、例えば前進と後進とを表す2つの部分を選択可能に表示する。そして、その部分が押し続けられた場合に、操作側コントローラ82が、対応する後車輪18,19を所望方向に駆動するように指示することを表す信号を生成する。
操作側コントローラ82は、CPU、メモリを有するマイクロコンピュータを含んで構成される。操作側コントローラ82は、操作部81の操作に応じた指示を表す信号を生成し、操作側コントローラ82に接続された操作側アンテナ83から、その信号に基づく無線信号を送信させる。車両側アンテナ75がその無線信号を受信する。
なお、遠隔操作装置80として、スマートフォン、またはタブレット端末などの無線通信機能を有する端末を用いることもできる。このような端末では予めアプリケーションソフトウェアを記憶部に記憶させておき、操作側コントローラ82がそのソフトウェアを実行することで、ディスプレイに所定の操作部を表示させることができる。
車両の走行を行う場合、遠隔操作装置80を持った操作者が操作部81を操作することにより操作側アンテナ83から無線信号が送信される。車両側アンテナ75はその無線信号を受信する。そして車両コントローラ62は、無線信号が表わす指示に応じて、車輪モータ40,44及び作業機モータ50のうち、対応するモータ40,44,50の駆動を制御する。これによって、車両10が所望方向に走行され、芝刈り機14が所望のタイミングで駆動される。また、芝刈り機14の回転数を遠隔操作装置80により遠隔操作で制御する構成としてもよい。これにより車両10の走行状態に応じた最適な作業状態を設定し維持することができる。
なお、無線信号は、操作側アンテナ83と車両側アンテナ75との間でBluetooth(登録商標)の通信方式を用いて送受信されてもよいし、Wi−Fi(登録商標)の通信方式を用いてインターネットを介して送受信されてもよい。なお、車両コントローラ62及び複数のモータコントローラ64,65,66を統合して1つのコントローラとして構成してもよい。
図6は、実施形態の別例において、図4に対応する図である。図6の構成では、図4の構成の場合と異なり、ユニットフレーム31が設けられていない。そして、左車輪モータケース90aと右車輪モータケース90bとが、中間部材102を挟んで一体的に結合されている。より具体的には、中間部材102は、第1筒部103と、第1筒部103の軸方向両端に結合される円板部104とを含む。各円板部104の外周部には軸方向外側に伸びる第2筒部105が形成される。第2筒部105の外周面には段差面が形成される。そして左車輪モータケース90aの筒部93の内周面が、中間部材102の左側の第2筒部105の段差面に突き当たっている。また、右車輪モータケース90bの筒部93の内周面が、中間部材102の右側の第2筒部105の段差面に突き当たっている。これにより、左車輪モータケース90aと右車輪モータケース90bとが、中間部材102を挟んで一体的に結合される。
さらに、この状態で左車輪モータケース90aと右車輪モータケース90bとで、作業機モータケース100に固定された蓋部材106の一部が挟まれている。より具体的には、作業機モータケース100の開口端には蓋部材106が固定される。蓋部材106は、略円板状で外側面の中心部に円柱状の突部107を有する。蓋部材106の外側面に突部107が形成されることにより蓋部材106の内側面の中心部には凹部108が形成される。そしてこの凹部108に作業機モータ軸51の端部が挿入されている。蓋部材106の突部107が挿入部に相当する。作業機モータケース100に固定された蓋部材106の突部107が、左車輪モータケース90aと右車輪モータケース90bとで挟まれる。これにより、各車輪モータ40,44と作業機モータ50とが一体的に結合される。
上記の構成によれば、図4の構成に比べて左右方向Yの長さを大幅に小さくできる。これにより、モータユニット30のさらなる小型化を図れ、モータユニット30を組み込んだ車両10の小型化を図れる。また、車両10において左右方向Yの長さを大幅に小さくできるので、狭い道路への車両10の進入を容易に行える。その他の構成及び作用は図1から図5の構成と同様である。
また、図6の構成では中間部材102の第1筒部103の内周面と、各車輪モータ軸の端部との間には、軸受D4が設けられる。これにより、各車輪モータ軸41,44が安定的に支持される。また、この構成で各車輪モータ配置空間U1,U2に油を注入させておくことで、中間部材102の第1筒部103を通じて左右両側の車輪モータ配置空間U1,U2の間で油を流通可能としてもよい。また、作業機モータ軸51の外周面と凹部108の内周面との間にも軸受D5が設けられる。なお、上記の図4または図6に示したモータユニットにおいて、作業機モータ軸51の中心軸が鉛直方向Zに沿うように配置し、ハブ部材131を下側に向けて車両に固定してもよい。そして、モータユニット30の下側に配置した芝刈り機にハブ部材131等の出力軸を上下方向に結合固定してもよい。これにより芝刈り機は、作業機モータ50の作業機モータ軸51に、遊星歯車機構E3を介して連結される。
図7は、実施形態の別例において図4に対応する図である。図8は、図7のB−B断面図であり、図9は、図8のC部拡大図である。図7に示すモータユニット30aは、モータケース112と、左右の車輪モータ40,44と、作業機モータ50と、左右の車輪側結合体120a、120bと、作業機側結合体130とを含む。モータケース112は、油タンク113を有する前側ケース要素114と、前側ケース要素114の左右両側に固定された車輪モータケース要素115a、115bと、前側ケース要素114の後端部に固定された作業機モータケース要素116とを含んでいる。
図10は、図7に示しているモータケース112を構成する前側ケース要素114の斜視図である。前側ケース要素114は、左右両側に平行に配置される左壁部114a及び右壁部114bと、左壁部114a及び右壁部114bの後端に連結された連結壁部114cとを含んでいる。左壁部114a、右壁部114b、及び連結壁部114cで囲まれた内側部分は内側空間J1となっている。
また、図8に示すように内側空間J1には階段板部114dが配置される。階段板部114dは、左右方向Yに沿う軸に対し直交する平面で切断した断面形状が階段状となっている。階段板部114dは、複数の板部、すなわち第1板部K1、第2板部K2、第3板部K3、第4板部K4、及び第5板部K5が下側から上側に向かって階段状に連結される。各板部K1,K2,K3,K4,K5の左右方向の両端は、左壁部114a及び右壁部114bに連結される。複数の板部K1,K2,K3,K4,K5のうち、下端の第1板部K1の左右方向両端は、左壁部114a及び右壁部114bの前側(図8の左側)において下端部に連結される。複数の板部K1,K2,K3,K4,K5のうち、上端の第5板部K5の左右方向両端は、左壁部114a及び右壁部114bの後端部の上下方向中間部に連結される。第5板部K5の後端は、連結壁部114cの前側面に連結される。第1板部K1と各壁部114a、114b、114cとの下端には下側カバー114eが固定される。下側カバー114eは、階段板部114dの下側の空間である油タンク113の下端開口を塞いでいる。油タンク113は、後述する複数のモータ配置空間U1,U2,U3から供給された油140(図8)を貯留する。
図8、図10に示すように各壁部114a、114b、114cの下端部には油タンク113に通じる孔部141が形成される。各孔部141の端部にはフィルタ142が装着されている。フィルタ142は、金属等の網状である。このフィルタ142は、後述の各モータ配置空間U1,U2,U3と油タンク113との間での油の流通を可能とし、該フィルタ142には磁石も装着(図なし)しており、油中の異物特に金属片が各モータ配置空間U1,U2,U3送られることを抑制する。油タンク113内には油ポンプ143が配置される。油ポンプ143については後で詳しく説明する。
各壁部114a、114b、114cには油タンク113の上部に通じるエア通路Lが形成されている。さらに油タンク113の上部である第5板部K5の上側にはエアブリーザ144が接続されている。エアブリーザ144は、内部のフィルタ(図示せず)を通して油タンク113内の空気を外部と吸排気可能とするために設けられる。これにより油タンク113の内圧の変化を抑制して、後述する油通路182に油を円滑に循環させることができる。
図8から図10に示すように作業機モータケース要素116は、図4の構成の作業機モータケース100と同様に構成される。作業機モータケース要素116は、連結壁部114cの外側面である後側面に接触して固定される。また、連結壁部114cの後側面の複数位置、例えば4個所位置には後側に突出する円弧形の係止リブ145が形成される。複数の係止リブ145は、同一の円周上に配置される。作業機モータケース要素116を連結壁部114cに固定する際に、作業機モータケース要素116の筒部116bが複数の係止リブ145の外周側に嵌合される。これにより、連結壁部114cに対して作業機モータケース要素116の位置決めを容易に行える。この状態で、作業機モータケース要素116と連結壁部114cとで囲まれる空間が作業機モータ配置空間U3となる。
作業機モータケース要素116の板部116aには作業機側結合体130の前後方向中間部が貫通して、作業機側結合体130が作業機モータケース要素116に対して軸受より回転可能に支持されている。作業機モータ50及び作業機側結合体130の構成も、図4の構成と同様に構成される。
一方、図7に示すようにモータケース112の左壁部114aの外側面には左側の車輪モータケース要素115aが固定される。車輪モータケース要素115aの内側には車輪モータ40のステータ170が固定される。車輪モータケース要素115aには、車輪側結合体120aが回転可能に支持される。車輪モータケース要素115aは、図4の構成の車輪モータケース90aと同様に構成される。車輪側結合体120aは、ハブ部材121と、軸部材123と、固定筒部材127とを含む。また、車輪モータ40の径方向内側には遊星歯車機構E1が配置される。さらに軸部材123に形成された円板部124とキャリア部材125との径方向内側には、車輪モータ40の車輪モータ軸41が回転可能に支持される。車輪モータ40及び車輪側結合体120aの構成も、図4の構成と同様に構成される。
モータケース112の右壁部114bの外側面には右側の車輪モータケース要素115bが固定される。車輪モータケース要素115bの内側には車輪モータ44のステータ172が固定される。車輪モータケース要素115bには、車輪側結合体120bが回転可能に支持される。車輪モータケース要素115bは、図4の構成の車輪モータケース90bと同様に構成される。また、車輪モータ44の径方向内側には遊星歯車機構E1が配置される。車輪モータ44及び車輪側結合体120bの構成も、図4の構成と同様である。
次に、各モータ配置空間U1,U2,U3に油を供給して各モータ40,44,50を油冷却するための油循環構造180を説明する。油循環構造180は、油タンク113に配置されたポンプ軸181と、油ポンプ143と、油通路182とを含んでいる。ポンプ軸181は、油タンク113において上下方向に沿って配置される。ポンプ軸181の上端は、階段板部114dの第5板部K5の下面に軸受により回転可能に支持される。ポンプ軸181の下端は、下側カバー114eの上面に形成された孔部に回転可能に支持される。図8に示すように作業機モータ軸51の先端部において連結壁部114cの前側面から油タンク113内に突出した部分には第1ギヤ190が固定される。そしてポンプ軸181の上側に固定された第2ギヤ191と第1ギヤ190とが噛合する。これにより作業機モータ軸51の回転によりポンプ軸181が回転する。油ポンプ143は、ポンプ軸181の下端部に固定される。
図11Aは、図8のD部拡大図である。図11Bは、図11Aに示している油ポンプ143を下側から見た斜視図である。油ポンプ143は、遠心式ポンプであり、ポンプ軸181に固定される筒部143aと、筒部143aの外周面の上下方向中間部に結合される円板部143bと、円板部143bの下側面の周方向複数位置に放射状に結合されるフィン部143cとを有する。各フィン部143cの径方向内端は筒部143aの外周面に結合される。円板部143bの周方向複数位置で隣り合うフィン部143cの間に対応する位置には、上下方向に貫通する孔143dが形成される。
油通路182は、モータケース112の前側ケース要素114に形成された第1油路M1と、各モータ40,44,50を構成するモータ軸41,45,51に形成された第2油路M2と、各軸部材123,133に形成された第3油路M3と、モータケース要素115a、115b、116に形成された第4油路M4とを含んで構成される。
第1油路M1は、前側ケース要素114の連結壁部114cの左右方向Y中間部において略上下方向に形成された第1部分M1aと、連結壁部114cの上下方向中間部から作業機モータ軸51を挟んで左右両側に形成された第2部分M1bと、左壁部114a及び右壁部114bに形成された第3部分M1cとを含む。第1部分M1aの下端部は、下側カバー114eに形成されたカバー油路M5を通じて、油タンク113内において油ポンプ143の円板部143bより下側に通じている。第1部分M1aの上端は、連結壁部114cにおいて、作業機モータ軸51が貫通する孔部192の内周面に開口する。この孔部192には左右両側の第2部分M1bの一端も開口する。第3部分M1cは、左壁部114a及び右壁部114bの上下方向中間部の後側部分において前後方向Xに伸びる。第3部分M1cの一端は第2部分M1bの他端に接続される。第3部分M1cの他端は、対応する壁部114a、114bの車輪モータ軸41,45が貫通する孔部193の内周面に開口する。
第2油路M2は、軸方向部M2a(図9)と径方向部M2b(図9)とを有する。軸方向部M2aは、各モータ軸41,45,51の中心軸に沿う。径方向部M2bは、各モータ軸41,45,51が貫通する壁部114a、114b、114cのうち、孔部192,193内に配置されて直径方向に形成される。これにより例えば作業機モータ軸51の回転により、連結壁部114cに形成された第1部分M1aの上端が作業機モータ軸51の径方向部M2bと間欠的に連通するので、油ポンプ143の回転で吸い上げた油が作業機モータ軸51の軸方向部M2aに流れる。軸方向部M2aを軸方向に流れた油は、作業機モータ軸51の作業機側結合体130側の端から作業機側結合体130の軸部材133のキャリア部135に形成された油室194に流出する。
第3油路M3は、一端がこの油室194に通じるように各軸部材123、133の径方向に形成される。これにより第3油路M3に送られた油は、径方向外側に流れる。
第4油路M4は、各モータケース要素115a、115b、116において、第3油路M3と通じるように形成される。第4油路M4は、各モータケース要素115a、115b、116の内側面において、遊星歯車機構E1及びモータ40,44,50と対向する複数位置に開口する。これにより、第4油路M4に流れた油が、遊星歯車機構E1が配置される空間と、モータ40,44,50が配置される部分とに送られる。
一方、第2油路M2において、モータ軸41,45,51のうち、遊星歯車機構E1のピニオンギヤPGと対向する位置には第2径方向部M2cが形成される。これにより軸方向部M2aを流れた油の一部は第2径方向部M2cを通じてピニオンギヤPGとサンギヤSGとの噛合部に供給される。
各モータ40,44,50に送られた油は対応するモータ40,44,50を冷却する。遊星歯車機構E1のピニオンギヤPGが配置される部分に送られた油は潤滑油として機能する。モータ40,44,50または遊星歯車機構E1の構成要素を冷却または潤滑して流れた油は、モータ配置空間U1、U2、U3の下部に流下する。そしてフィルタ142及び孔部141を通じて油タンク113に油が送られる。
上記の構成によれば作業機モータ50の回転により油ポンプ143を駆動でき、部品点数の削減を図れる。また、油ポンプ143は、各モータ配置空間U1、U2、U3に油を供給するので、各モータ40,44,50を油冷却できる。これにより各モータ40,44,50の効率低下を抑制できる。また、油により遊星歯車機構E1を潤滑して損失低減を図れる。その他の構成及び作用は、図1から図5、または図6の構成と同様である。
なお、本発明のモータユニット30,30aを組み込む移動体は、図1から図3に示した車両10に限定するものではなく、種々の構造を有する移動体に組み込んで用いることができる。例えば、図12は、実施形態のモータユニット30,30aが組み込まれる移動体の別例である車両10を示す斜視図である。別例の車両10には、作業機として除雪機195が着脱可能に取り付けられる。除雪機195を用いる場合には、車両10は、除雪機195を前側に配置して走行する。すなわち、図1において車両10の前輪及び後輪が逆になる。また、車両10は、枠部と枠部の内側に固定された板部とを有する車体フレーム196を含み、キャスタ輪である後輪197と、駆動輪である前輪198とが車体フレーム196に支持される。車体フレーム196の下側には、上記の各例のモータユニット30(または30a)が固定される。なお、図12ではモータユニット30,30aを箱形で模式的に示している。また車体フレーム196の上側にはケース199が固定されており、このケース199内に各モータの電源であるバッテリが配置されてもよい。除雪作業を行う場合、出力側回転要素73に除雪機195の回転軸200が固定され、回転軸200に連結されたオーガ部201が、水平方向の軸を中心に回転する。これにより、オーガ部201が前方の雪を掻きとって、図示しないインペラの駆動によりダクト202の上部から遠方へ雪を吹き飛ばす。このとき、インペラの駆動軸をオーガ部201に動力伝達可能に連結してもよい。
図12の除雪機195は、図1から図3の車両10において、芝刈り機14の代わりに用いられてもよい。逆に図12に示す車両10において、作業機として芝刈り機14が用いられてもよい。また、本発明のモータユニットにおいて作業機側回転電機を用いて作業機を駆動する場合に、作業機は芝刈り機14、除雪機195に限定するものではなく、農機具等としてもよい。
なお、図示は省略するが、実施形態のモータユニット30(または30a)が組み込まれる移動体は、左右両側のクローラベルトを循環駆動して移動するクローラ装置としてもよい。この構成では、各クローラベルトの駆動輪を左右両側の車輪モータで駆動することができる。また、作業機モータにより作業機、例えば芝刈り機を駆動することができる。
なお、本発明のモータユニットが組み込まれる移動体として、作業機であるプロペラを有する水陸両用車両を用いることもできる。水陸両用車両では、陸上移動時には左右両側の車輪モータで走行し、水上移動時には作業機モータでプロペラを駆動することができる。
また、上記では、移動体が無線操作車両である場合を説明した。一方、移動体は、乗用型車両としてもよい。乗用型車両では、運転席とアクセルペダルなどの加速指示部及びステアリングハンドルなどの旋回指示部を有する構成とする。乗用型車両に加速指示部及び旋回指示部の両方の機能を有する左右両側の操作レバーを設けることもできる。車両コントローラは、加速指示及び旋回指示を受け取って左右両側の車輪モータの回転方向及び回転速度を設定する。そして対応するモータコントローラがその設定に応じて車輪モータを駆動するように構成する。
また、移動体の走行経路を予め設定し、さらに作業機の駆動状態をその走行経路に関係づけて設定し、その設定内容を車両コントローラの記憶部に予め記憶させておいてもよい。そして、車両コントローラがその設定内容に基づいて移動体を自動的に走行させ、かつ作業機を駆動させるように構成してもよい。なお、上記では左車輪モータ、右車輪モータ、及び作業機モータが一体化される構成を説明したが、作業機を持たない移動体に用いる場合に作業機モータを省略した構成としてもよい。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。