JP6539747B2 - 鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置、エンジンシステム、及び鞍乗型車両 - Google Patents

鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置、エンジンシステム、及び鞍乗型車両 Download PDF

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Description

本発明は、鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置、エンジンシステム、及び鞍乗型車両に関する。
鞍乗型車両の例として、特許文献1には自動二輪車が示されている。特許文献1の自動二輪車では、本体フレームにエンジンが保持されている。また、自動二輪車には、カムセンサ及びECU等の電装部品も備えられている。
特許4948831号公報(図1及び図2)
特許文献1に示すような鞍乗型車両の電装部品のいくつかは、エンジンに取付けられている。電装部品の別のいくつかは、本体フレームに取付けられている。特許文献1に示すような鞍乗型車両の電装部品は、通常、樹脂製のカバー等で覆われている。
鞍乗型車両においては、電装部品が取付けられた部分に水が掛る場合がある。例えば、鞍乗型車両が洗浄されるとき、高圧洗浄機が用いられる場合がある。高圧洗浄機を用いた洗車では、洗車の仕方によって、電装部品が取付けられた部分に水が掛る場合がある。
通常、鞍乗型車両が備える電装部品の防水性はカバー等によって確保されている。しかし、掛った水に由来する水分が電装部品の機能に影響する可能性が考えられる。
鞍乗型車両に備えられる電装部品は、相互に電気的に接続されている。このため、ある部品の機能異常の影響が現れ得る箇所の範囲が広いと考えられる。言い換えると、ある機能に異常が見つかった場合に、異常の原因として想定される箇所の範囲が広いと考えられる。このため、鞍乗型車両に備えられる電装部品の修理又は交換を行う箇所の特定には、時間を要することが予想される。この結果、機能異常の解消に時間を要することが予想される。
このため、鞍乗型車両では、電装部品の機能の異常の有無を検出するだけでなく、異常箇所の見当をつけることが好ましいと考えられる。
電装部品の中でも、カム角センサは、エンジンの上端付近に設けられている。カム角センサは、水分の影響を受けやすく、機能の異常を起こす可能性が高いと考えられる。カム角センサについては、機能の異常を検出するだけでなく、異常箇所の見当をつけることが好ましいと考えられる。
本発明の目的は、鞍乗型車両に搭載されるカム角センサの異常を検出するとともに、異常箇所の見当をつけることが可能な、鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置、エンジンシステム、及び鞍乗型車両を提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
(1) 鞍乗型車両のエンジンに設けられたカム軸の回転角度を検出するカム角センサの異常を検出する鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
前記鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置は、
前記カム角センサから前記回転角度に応じたカム信号が出力される信号出力線と接続され、前記信号出力線を介してカム信号を受信するカム信号受信部と、
前記カム信号受信部に入力されたカム信号の信号レベルに応じて、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別する状態判別部と、
前記状態判別部により判別された前記一つ又は二つの異常状態を示す異常信号を、前記一つ又は二つの異常状態を示す異常信号が前記残りの異常状態を示す異常信号と異なるように、出力する信号出力部と
を備える。
(1)の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置では、カム信号受信部が、カム角センサから信号出力線を介してカム信号を受信する。状態判別部が、カム信号の信号レベルに応じて、断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうち少なくとも一つの異常状態を残りと区別して判別する。このため、鞍乗型車両に搭載されるカム角センサの異常が検出される。更に、異常状態が区別して判別される。異常状態を示す異常信号に基づく異常情報を参照することによって、カム角センサの機能異常の原因となっている箇所を絞ることができる。なお、前記異常情報は、例えば、鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置と有線又は無線で通信可能に接続される装置により出力される。前記装置は、例えば、鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置の信号出力部から受信した異常信号に基づいて異常情報を出力するように構成されている。前記装置により出力された前記異常情報が、ユーザ等によって認識され得る。
このように、(1)の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置によれば、鞍乗型車両に搭載されるカム角センサの異常を検出するとともに、異常箇所の見当をつけることができる。
(2) (1)の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
前記状態判別部は、前記カム信号受信部で受信されたカム信号の信号レベル、及び、前記信号レベルのそれぞれに応じて定められた基準期間に対する前記信号レベルの保持期間の超過に応じて、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別する。
(2)の構成では、カム信号の信号レベル、及び、信号レベルのそれぞれに応じて定められた基準期間に対する信号レベルの保持期間の超過に応じて各異常状態が区別される。従って、異常状態を判別するための特別な装置を別途設けること無しに、異常の検出及び異常箇所の見当をつけることが可能である。
(3) (2)の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
前記カム軸には、前記エンジンのクランク角720度のうちクランク角360度以下の期間に相当する主基準期間の間前記カム角センサによって検出される主検出対象、及び、前記クランク角720度のうちクランク角360度以上の期間に相当する副基準期間の間前記カム角センサによって検出される副検出対象が設けられ、
前記状態判別部は、前記主検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも前記主基準期間よりも長い場合、及び、前記副検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも前記副基準期間よりも長い場合の何れかの場合、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別する。
(3)の構成では、主検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも主基準期間よりも長いか、又は、副検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも副基準期間よりも長い場合に、異常状態が判別される。ここで、主基準期間は、クランク角360度以下の期間に相当する。副基準期間は、クランク角360度以上の期間に相当する。このため、主検出対象の配置又は副検出対象の配置に応じた適切な期間で、異常状態が判別される。従って、異常状態の判別までの時間を、主検出対象の配置又は副検出対象の配置に応じた適切な期間まで短縮することが可能である。
(4) (3)の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
前記状態判別部は、前記主検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも前記主基準期間よりも長い場合、及び、前記副検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも前記副基準期間よりも長い場合の何れかの場合、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別するとともに、前記カム信号の信号レベルが少なくとも前記主基準期間よりも短い期間に2回又はそれ以上変化した場合、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別する。
カム角センサの異常状態には、異常の現象が定常的に現れる場合と、断続的に現れる場合とがある。現象が断続的に現れる場合には、例えば絶縁不良及び接触不良が含まれる。断続的な異常の現象は、定常的な異常に先だって現れやすい。(4)の構成によれば、状態判別部は、信号レベルが少なくとも主基準期間よりも短い期間に2回又はそれ以上変化した場合にも判別を行う。従って、(4)の構成によれば、カム角センサの異常状態を早期に検出できるとともに、早期に異常箇所の見当をつけることができる。
(5) (2)から(4)いずれか1の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
前記状態判別部は、前記エンジンのクランク軸の回転周期に対応し、且つ、前記カム軸の回転周期以下の周期で変化する信号を基準として、前記信号レベルの保持期間を測定する。
(5)の構成では、信号レベルの保持期間が、エンジンのクランク軸の回転周期に対応し、且つ、カム軸の回転周期以下の周期で変化する信号を基準として測定される。このため、カム角センサの異常検出、及び、異常状態の判別を精密に行うことができる。
(6) (5)の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
前記状態判別部は、前記クランク軸の回転角度を検出するクランク角センサの出力信号を基準として、前記信号レベルの保持期間を測定する。
クランク角センサは、エンジンの燃焼制御に用いられる。(5)の構成では、信号レベルの保持期間が、クランク角センサの出力信号を基準として測定される。つまり、カム角センサの異常検出、及び異常状態の判別のために、クランク角センサの出力信号を流用することができる。このため、クランク角を基準とした保持期間の測定のための構成が簡潔になる。
(7) (5)の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
前記状態判別部は、前記エンジンの吸気圧を検出する吸気圧センサの出力信号を基準として、前記信号レベルの保持期間を測定する。
(7)構成では、信号レベルの保持期間が、吸気圧センサの出力信号を基準として測定される。つまり、カム角センサの異常検出、及び異常状態の判別に、吸気圧センサの出力信号を流用することができる。このため、クランク角を基準とした保持期間の測定のための構成が簡潔になる。
(8) (1)〜(7)のいずれか1の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
前記カム信号受信部は、前記カム角センサの断線状態、天絡状態及び地絡状態のいずれの異常状態も生じていない時に、高い信号レベルを有するカム信号を受信する高信号レベル保持期間と低い信号レベルを有するカム信号を受信する低信号レベル保持期間とが交互に連続し且つ互いに連続する1つの前記高信号レベル保持期間と1つの前記低信号レベル保持期間との合計が前記エンジンのクランク角720度の期間と実質的に合致するか又はクランク角720度の期間より小さいように、前記カム角センサから前記カム信号を受信するように構成され、
前記状態判別部は、交互に連続する前記高信号レベル保持期間及び前記低信号レベル保持期間において、(i)〜(iii)の全要件を満たすように、前記高信号レベル保持期間の長さに基づく異常状態の判別と、前記低信号レベル保持期間の長さに基づく異常状態の判別とを繰り返すように構成され、前記(i)の要件は、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態と、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態とが異なることであり、前記(ii)の要件は、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態と区別することであり、前記(iii)の要件は、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態と区別することであり、
前記信号出力部は、(I)〜(III)の全要件を満たすように、前記異常信号を出力するように構成され、前記(I)の要件は、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号と、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号とが異なることであり、前記(II)の要件は、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号を、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態を示す異常信号と区別することであり、前記(III)の要件は、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号を、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態を示す異常信号と区別することである。
(8)の構成によれば、交互に連続する前記高信号レベル保持期間及び前記低レベル保持期間の各々により、異なる異常状態を区別して判別することができる。従って、カム角センサの異常を検出しつつ異常箇所の見当をつけることを、より速やかに行うことが可能になる。
(9) 鞍乗型車両に搭載されるエンジンシステムであって、
前記エンジンシステムは、
エンジンと、
前記エンジンが備えるカム軸の回転角度を検出するカム角センサと、
(1)から(8)いずれか1の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置とを備える。
(9)のエンジンシステムでは、カム角センサの異常を検出するとともに、異常箇所の見当をつけることが可能である。
(10) 鞍乗型車両であって、
前記鞍乗型車両は、
(9)のエンジンシステムを備える。
(10)の鞍乗型車両では、カム角センサの異常を検出するとともに、異常箇所の見当をつけることが可能である。
本発明によれば、鞍乗型車両に搭載されるカム角センサの異常を検出するとともに、異常箇所の見当をつけることが可能である。
本発明の第一実施形態に係る鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置が搭載される鞍乗型車両の模式図である。 (A)は、図1に示すエンジンシステムを示す模式図である。(B)は、鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置の構成を示すブロック図である。 カム角センサと診断装置の接続を示すブロック図である。 カム信号受信部が、通常時のカム角センサから受信するカム信号を示すタイミングチャートである。 診断装置の処理を示すフローチャートである。 カム角センサ診断処理を示すフローチャートである。 (A)は、カム信号受信部が、天絡状態又は断線状態のカム角センサから受信するカム信号を示すタイミングチャートである。(B)は、カム信号受信部が、地絡状態のカム角センサから受信するカム信号を示すタイミングチャートである。 診断装置の信号出力処理を示すフローチャートである。 (A)は、断続的な地絡状態のカム信号を模式的に示すタイミングチャートである。(B)断続的な天絡状態又は断線状態のカム信号を模式的に示すタイミングチャートである。
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置が搭載される鞍乗型車両の模式図である。
図1に示す鞍乗型車両Vは、自動二輪車である。鞍乗型車両Vは、車輪11、12と、車体13と、エンジンシステム20とを備えている。車輪11,12及びエンジンシステム20は、車体13に支持されている。車輪11,12は、車体13に対し回転可能に支持されている。
車体13は、本体フレーム131、フロントフォーク132、リアアーム133を備えている。フロントフォーク132は、本体フレーム131に回転可能に支持されている。前の車輪11は、フロントフォーク132に支持されている。リアアーム133は、本体フレーム131に支持されている。後の車輪12は、リアアーム133に支持されている。
車体13は、ハンドル134及びシート135を備えている。ハンドル134はフロントフォーク132の上部に固定されている。鞍乗型車両Vの使用者は、シート135に着座する。使用者は、ハンドル134を操作する。
エンジンシステム20は、車輪12に駆動力を供給する。エンジンシステム20は、車輪12を回転駆動する。これによって、エンジンシステム20は鞍乗型車両Vを走行させる。エンジンシステム20は、エンジン30と、鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置40とを備えている。以降、鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置40を、単に診断装置40と称する。
エンジン30は、車輪12に駆動力を供給する。エンジン30は、車輪12を回転駆動する。これによって、エンジン30は鞍乗型車両Vを走行させる。エンジン30は、車体13に支持されている。エンジン30は、鞍乗型車両Vの外部に露出している。
エンジンシステム20は、エンジン30の各部の動作を検出するためのセンサを備えている。エンジンシステム20は、カム角センサ330を備えている。カム角センサ330は、エンジン30の上部に配置されている。エンジン30には、カバー30aが設けられている。カバー30aは、カム角センサ330を覆っている。
図2(A)は、図1に示すエンジンシステム20を示す模式図である。図2(B)は、鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置40の構成を示すブロック図である。
エンジン30は、シリンダ31、ピストン33、コネクティングロッド34、クランク軸(クランクシャフト)35、バルブ36A,36B、及び、カム軸(カムシャフト)37を備えている。
ピストン33はシリンダ31内に設けられている。ピストン33はコネクティングロッド34を介してクランク軸35に連結されている。シリンダ31内には、燃焼室が形成されている。エンジン30には、点火プラグ38が設けられている。点火プラグ38は、イグニッションコイル303からの高電圧の供給を受ける。点火プラグ38は、燃焼室内の混合気に火花点火する。
図2(A)には、エンジン30の周辺装置も示されている。
エンジン30には、吸気通路301及び排気通路302が接続されている。吸気通路301には、スロットルバルブ304が配置されている。スロットルバルブ304は、図示しないアクセル操作子の操作量に応じて駆動される。スロットルバルブ304には、スロットルポジションセンサ305が設けられている。スロットルポジションセンサ305は、スロットルバルブ304の開度を検出する。吸気通路301には、バイパスエアスクリュー309、及び、高速アイドル制御器311も設けられている。
吸気通路301には、燃料噴射装置306が設けられている。燃料噴射装置306は吸気通路301内に燃料を噴射する。燃料噴射装置306は燃料タンク307と接続されている。燃料タンク307には、燃料ポンプ308が設けられている。燃料ポンプ308は、燃料を燃料噴射装置306に供給する。
また、吸気通路301には、吸気圧センサ312が設けられている。吸気圧センサ312は、吸気圧を検出する。吸気圧センサ312は、吸気通路301内の圧力を検出する。また、吸気通路301には、吸気温センサ313が設けられている。吸気温センサ313は、吸気通路301内の温度を検出する。
排気通路302には、触媒装置314が設けられている。排気通路302には、酸素濃度センサ315が設けられている。酸素濃度センサ315は、排ガスの酸素濃度を検出する。
スロットルバルブ304を通過した空気は、燃料噴射装置306から噴射された燃料と混合されて、混合気となる。混合気は、燃焼室に導入される。混合気は、点火プラグ38による点火によって着火し、燃焼する。混合気の燃焼によって、ピストン33が往復動する。ピストン33の往復動が、コネクティングロッド34を介してクランク軸35に伝えられる。ピストン33の往復動が、クランク軸35の回転運動に変換される。
燃焼の結果、排ガスが生じる。排ガスは、エンジン30から排気通路302を経て触媒装置314に送られる。排ガスは、触媒装置314で浄化される。
エンジン30は、4ストロークエンジンである。エンジン30は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を有する。エンジン30は、クランク軸35が2回転する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程からなる1サイクルを経る。
エンジン30には、カム軸37が設けられている。クランク軸35は、図示しないタイミングベルトを介してカム軸37と連結されている。カム軸37は、クランク軸35に駆動される。カム軸37は、クランク軸35と共に回転する。カム軸37は、クランク軸35が2回転するとき1回転するように構成されている。つまり、クランク軸35が720度回転する時、カム軸37は360度回転する。カム軸37の回転速度は、クランク軸35の回転速度の1/2である。
排気バルブ36Bは、カム軸37に設けられた図示しないカムに駆動される。これによって、排気バルブ36Bは、開閉動作を行う。排気バルブ36Bの動作は、クランク軸35の回転に同期する。
エンジン30は、カム軸37とは別の図示しないカム軸を備えている。別のカム軸は、吸気バルブ36Aを駆動する。なお、エンジン30の構成はこれに限られず、吸気バルブ36Aと排気バルブ36Bに共通の1つのカム軸を備えていてもよい。この場合、1つのカム軸に設けられた複数のカムによって、吸気バルブ36Aと排気バルブ36Bがそれぞれ駆動される。
カム軸37には、検出対象体321及びカム角センサ330が設けられている。
検出対象体321は、カム軸37と一体に回転する。検出対象体321の回転速度は、クランク軸35の回転速度の1/2である。検出対象体321は、周方向に並んで配置された、互いに異なる物理性質を有する複数の部分を有する。例えば、検出対象体321は、互いに異なる物理性質を有する主検出対象322と副検出対象323とを有する。検出対象体321は、1つの主検出対象322と1つの副検出対象323とを有する。検出対象体321は、カム軸37を中心とした円盤状の部材である。主検出対象322と副検出対象323とは、中心からの長さが互いに異なる。主検出対象322は凹部を形成している。
なお、複数のカム軸を備えるエンジンにおいて、検出対象体321及びカム角センサ330は、複数のカム軸のいずれか1つに設けられていればよい。但し、検出対象体321及びカム角センサ330は、複数のカム軸に設けられていてもよい。
カム角センサ330は、カム軸37の回転角度を検出する。カム角センサ330は、カム軸37の回転角度に応じたカム信号を出力する。カム角センサ330は、検出対象体321の周と対向する位置に配置されている。カム角センサ330は、検出対象体321に直接対面している。
カム角センサ330は、主検出対象322と副検出対象323とを区別して検出する。カム角センサ330は、主検出対象322と副検出対象323の間の磁気的性質の違いを利用する。
検出対象体321は、磁性材料で形成されている。主検出対象322がカム角センサ330と対向するときにおける主検出対象322とカム角センサ330の距離は、副検出対象323がカム角センサ330と対向するときにおける副検出対象323とカム角センサ330の距離と異なる。つまり、主検出対象322と副検出対象323は、カム角センサ330に対し、互いに異なる空隙を有する。
カム角センサ330は、図示しないホールIC(Hall IC)及び永久磁石を備えている。カム角センサ330は、カム角センサ330に対する空隙の長さの差異によって、磁気抵抗が変化する。このため、磁束を検出する図示しないホールICが差異に応じた信号を出力する。これによって、カム角センサ330は、主検出対象322と副検出対象323に応じたカム信号を出力する。
吸気圧センサ312は、吸気通路301内の圧力に応じた信号を出力する。吸気行程における吸気通路301内の圧力は、他の行程における圧力よりも低い。従って、吸気圧センサ312は、吸気行程を残りの工程と区別して検出する。吸気圧センサ312は、吸気行程を表す信号を出力する。吸気行程は、クランク軸35の2回転に一度到来する。吸気圧センサ312は、クランク軸35の2回転に1回、吸気行程を表す信号を出力する。
エンジン30には、クランク角センサ316が設けられている。クランク角センサ316は、クランク軸35の回転角度を検出する。
クランク軸35には、クランク検出対象341が設けられている。クランク検出対象341は、クランク軸35と一体で回転する。クランク検出対象341の外周には、径方向外側に突出した複数の突出部342が設けられている。複数の突出部342は、磁性材料で形成されている。複数の突出部342は、一箇所を除き、実質的に同じ間隔で周方向に並んでいる。
クランク角センサ316は、クランク検出対象341に対向する位置に配置されている。クランク角センサ316は、ピックアップ式のセンサである。クランク角センサ316は、図示しない永久磁石及びコイルを有する。クランク角センサ316は、クランク検出対象341の突出部342の通過に応じた信号を出力する。これによって、クランク角センサ316は、クランク軸35の回転角度を表す信号を出力する。
エンジン30には、エンジン温度センサ317が設けられている。エンジン温度センサ317は、エンジン30の温度を検出する。
診断装置40は、中央処理装置CPU、記憶部MEM、及び入出力部IOを備えている。中央処理装置CPU、記憶部MEM、及び入出力部IOは、コンピュータを構成している。記憶部MEMは、プログラム及びデータを記憶する。中央処理装置CPUは、記憶部MEMに記憶されたプログラムを実行する。入出力部IOは、診断装置40の外部との信号の送受信を行う。
診断装置40の入出力部IOは、吸気圧センサ312、カム角センサ330、スロットルポジションセンサ305、エンジン温度センサ317、吸気温センサ313、及び、クランク角センサ316と接続されている。また、入出力部IOは、燃料ポンプ308、燃料噴射装置306、イグニッションコイル303、及び、高速アイドル制御器311と接続されている。
診断装置40は、診断表示装置50と通信可能に接続される。診断表示装置50は、鞍乗型車両Vの検査又は修理の時に診断装置40と接続される。診断表示装置50は図示しないコネクタを介して診断装置40と接続される。診断表示装置50と診断装置40は、例えば、無線通信可能に接続されてもよい。
診断装置40は、カム角センサ330の異常を検出する。また、本実施形態の診断装置40は、エンジン30の制御を行う。即ち、診断装置40は、エンジン30の制御装置として機能する。また、診断装置40は、カム角センサ330以外の部品の異常を検出する。
図2(B)に示すように、診断装置40は、カム信号受信部41と、状態判別部42と、信号出力部43とを備えている。また、診断装置40は、クランク角センサ状態判別部44を備えている。診断装置40は、エンジン制御部45を備えている。
カム信号受信部41は、記憶部MEMに記憶されたプログラムを実行する中央処理装置CPU、及び入出力部IOによって構成される。状態判別部42、信号出力部43、クランク角センサ状態判別部44、及びエンジン制御部45は、記憶部MEMに記憶されたプログラムを実行する中央処理装置CPUによって構成される。
カム信号受信部41は、カム角センサ330から信号を受信するよう、カム角センサ330と電気的に接続されている。カム信号受信部41は、カム角センサ330からカム信号を受信する。状態判別部42は、カム信号受信部41で受信されたカム信号の信号レベルに応じてカム角センサ330の異常状態を判別する。
信号出力部43は、状態判別部42によって判別された異常状態を示す異常信号を出力する。信号出力部43は、異常信号を診断表示装置50に出力する。
クランク角センサ状態判別部44は、クランク角センサ316の異常を検出する。エンジン制御部45は、エンジン30を制御する。また、エンジン制御部45は、エンジン30の周辺装置を制御する。
図3は、カム角センサ330と診断装置40の接続を示すブロック図である。
カム角センサ330は、信号出力線331を介してカム信号を出力する。カム信号は、カム軸37の回転角度に応じて出力される。
診断装置40のカム信号受信部41は、カム角センサ330の信号出力線331に接続されている。診断装置40のカム信号受信部41は、信号出力線331によって、カム角センサ330と接続されている。詳細には、カム信号受信部41を構成する入出力部IOが、カム角センサ330の信号出力線331に接続されている。
診断装置40は、電源線40A,40Bから電源供給を受ける。電源線40A,40Bは、車輪11に搭載された図示しないバッテリー又は電源装置から診断装置40に電力を供給する。
電源線40A,40Bは、正の電源線40Aと負の電源線40Bとを有する。
負の電源線40Bは、車体13に接地されている。図1に示す鞍乗型車両Vの車体13が、負の電源線40Bとして使用されてもよい。この場合、車体13は導体である。負の電源線40Bを接地線40Bとも称する。なお、負の電源線40Bは、車体13とは別のリード線であってもよい。
カム角センサ330と診断装置40とが、負の電源線40Bを介して接続されている。本実施形態では、正の電源線40Aがカム角センサ330にも接続されている。つまり、カム角センサ330は、電源線40A,40B及び信号出力線331に接続されている。
信号出力線331と、電源線40Aとは、抵抗48を介して接続されている。抵抗48は、信号出力線331と正の電源線40Aとの間に設けられている。抵抗48は、診断装置40に設けられている。カム角センサ330が、オープンドレイン型又はオープンコレクタ型の出力回路を有する場合、抵抗48は、信号出力線331を正の電源線40Aの電圧に駆動する。図に示す抵抗48は、プルアップ抵抗として機能する。信号出力線331の信号は、高レベルと低レベルを有する。信号出力線331の信号は、2値を有する。
なお、カム角センサ330は、抵抗48無しに高レベルの信号を出力可能な出力回路を有していてもよい。この場合であっても、信号出力線331と、電源線40Aとの間に抵抗48が配置されている。また、抵抗48は、診断装置40の外部に設けられていてもよい。例えば、抵抗48は、カム角センサ330と診断装置40との間に設けられていてもよい。また、抵抗48は、抵抗器に限られない。抵抗48は、電気抵抗を有する部品であればよい。
また、抵抗48は、信号出力線331と正の電源線40Aとの間でなく、信号出力線331と負の電源線40Bとの間に設けられてもよい。即ち、抵抗48は、プルダウン抵抗であってもよい。
カム角センサ330の状態には、通常状態と、異常状態とが含まれている。異常状態には、断線状態、天絡状態、及び地絡状態が含まれる。通常状態は、カム角センサ330が、主検出対象322及び副検出対象323のそれぞれに応じたカム信号を出力する状態である。通常状態では、カム信号に、主検出対象322及び副検出対象323に応じた信号のみが含まれる。
天絡状態は、主検出対象322及び副検出対象323の位置に拘わらず、カム角センサ330の信号出力線331が正の電源線40Aと実質的に導通した異常状態である。天絡状態には、カム角センサ330に内蔵される素子又は配線が異常である結果、信号出力線331が正の電源線40Aと電気的に導通する場合が含まれる。また、天絡状態には、カム角センサ330と診断装置40との間に配置された信号出力線331が、正の電源線40Aと電気的に導通する場合が含まれる。
地絡状態は、主検出対象322及び副検出対象323の位置に拘わらず、カム角センサ330の信号出力線331が負の電源線40Bと実質的に導通した異常状態である。地絡状態には、カム角センサ330に内蔵される素子又は配線が異常である結果、信号出力線331が負の電源線40Bと電気的に導通する場合が含まれる。また、地絡状態には、カム角センサ330と診断装置40との間に配置された信号出力線331が、負の電源線40Bと電気的に導通する場合が含まれる。
断線状態は、信号出力線331が診断装置40に至る途中で電気的に切れることである。断線状態には、例えば、カム角センサ330に内蔵される素子と、信号出力線331を構成する線材との間の導通が不良である状態が含まれる。図3に示す構成において、信号出力線331は、抵抗48を介して正の電源線40Aと接続されている。この場合、断線状態における信号出力線331のレベルは、正の電源線40Aのレベルと実質的に等しい。断線状態における信号出力線331のレベルは、高い信号レベルである。
図4は、カム信号受信部41が、通常時のカム角センサ330から受信するカム信号CAMを示すタイミングチャートである。
タイミングチャートの横軸は、クランク角(CA)である。図4には、クランク角センサ316の出力信号CRKも示されている。クランク角センサ316の出力信号CRKには、クランク角の30度ごとに突出部342の通過を表す信号が現れる。ただし、通過を表す信号の一部は、クランク角の60度間隔で現れる。
カム信号受信部41はカム角センサ330からカム信号CAMを受信する。カム信号CAMは、高信号レベル保持期間THと低信号レベル保持期間TLとを有する。高信号レベル保持期間THは、高い信号レベルHを有するカム信号を受信する期間である。低信号レベル保持期間TLは、低い信号レベルLを有するカム信号を受信する期間である。なお、0Vの電圧の状態は、低い信号レベルLに含まれる。
カム軸37に設けられた主検出対象322(図2(A)参照)がカム角センサ330と対向するとき、カム角センサ330が、高い信号レベルHを有するカム信号を出力する。副検出対象323がカム角センサ330と対向するとき、カム角センサ330が、低い信号レベルLを有するカム信号を出力する。
本実施形態において、主検出対象322を表す信号レベルは、高い信号レベルHである。副検出対象323を表す信号レベルは、低い信号レベルLである。
主検出対象322及び副検出対象323は、カム軸37の全周、即ち360度を占めている。カム軸37の360度の回転は、クランク軸35の720度の回転に相当する。カム軸37の360度は、クランク角の720度(720度CA)に相当する。
本実施形態において、高信号レベル保持期間THは、主基準期間である。低信号レベル保持期間TLは、副基準期間である。本実施形態の説明において、高信号レベル保持期間THを主基準期間THとも称する。また、低信号レベル保持期間TLを、副基準期間TLとも称する。
高信号レベル保持期間THと低信号レベル保持期間TLとの合計は、クランク軸35の720度の回転に実質的に合致する。主基準期間THと副基準期間TLとの合計は、クランク軸35の720度の回転に実質的に合致する。
主検出対象322は、クランク角360度以下の期間に相当する主基準期間THの間、カム角センサ330によって検出される。主検出対象322は、主基準期間TH全体に亘って検出される。副検出対象323は、クランク角360度以上の期間に相当する副基準期間TLの間、カム角センサ330によって検出される。副検出対象323は、副基準期間TL全体に亘って検出される。主基準期間THは、主検出対象322が検出されている期間に相当する。副基準期間TLは、副検出対象323が検出されている期間に相当する。高信号レベル保持期間THは、クランク角360度以下であり、低信号レベル保持期間TLは、クランク角360度以上である。
クランク軸35の回転に伴い、クランク角センサ316がクランク軸35の回転を表す信号を出力する。クランク角センサ316は、クランク角30度(一部は60度)ごとにクランク検出対象341の検出を表す信号を出力する。
図4に示すように、通常時、高信号レベル保持期間THと低信号レベル保持期間TLは交互に連続する。互いに連続する1つの高信号レベル保持期間THと1つの低信号レベル保持期間TLとの合計は、エンジン30におけるクランク角720度の期間と実質的に合致するか又はクランク角720度の期間より小さい。
通常時、高信号レベル保持期間THと低信号レベル保持期間TLとが交互に連続する。高信号レベル保持期間THでは、高い信号レベルを有するカム信号CAMが受信される。低信号レベル保持期間TLでは、低い信号レベルを有するカム信号CAMが受信される。また、互いに連続する1つの高信号レベル保持期間THと1つの低信号レベル保持期間TLとの合計がエンジンのクランク角720度の期間と実質的に合致する。
診断装置40は、カム角センサ330から出力されるカム信号CAMを受信し、カム角センサ330の異常を検出する。
図5は、診断装置40の処理を示すフローチャートである。
診断装置40は、カム角センサ診断(S10)、クランク角センサ診断(S30)、異常検出(S40)、信号出力(S50)、及びエンジン制御を行う(S60)。
図6は、カム角センサ診断の処理を示すフローチャートである。
カム角センサ診断処理において、診断装置40は、カム角センサ330の異常を検出する。カム角センサ診断において、診断装置40は、カム角センサ330の異常状態の種類を判別する。
カム角センサ診断処理のうち、先ずステップS11〜S18を説明する。ステップS22〜S28については後に説明する。
カム信号受信部41が、信号出力線331を介してカム角センサ330からカム信号CAMを受信する(S11)。このとき、カム信号受信部41は、受信したカム信号CAMのレベルを記憶する。
状態判別部42は、続くステップS12からS18において、カム角センサの異常状態を検出する。また、状態判別部42は、カム角センサ330の断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別する。
状態判別部42は、信号レベルを判別する(S12)。状態判別部42は、カム信号受信部41によって受信されたカム信号CAMの信号レベルが、前回の判別時と比べて変化したか否かを判別する。信号レベルが変化しない場合、信号レベルは保持されている。
上記ステップS12で、信号レベルが変化しないと判別された場合(S12でNo)、状態判別部42は、保持期間をカウントする(S13)。状態判別部42は、カム信号CAMの信号レベルが保持されている期間をカウントする。これによって、特定の信号レベルが保持されている期間が測定される。
本実施形態において、状態判別部42は、クランク軸35の回転周期に対応する信号CRKを基準として、信号レベルの保持期間を測定する。状態判別部42は、カム軸37の回転周期以下の周期で変化する信号を基準として、カム信号CAMの信号レベルの保持期間を測定する。
本実施形態において、状態判別部42は、クランク角センサ316から出力された信号CRKに基づいて、カム信号CAMの信号レベルが保持されている期間をカウントする。
クランク角センサ316から出力された信号CRKは、クランク軸35の回転周期に対応し、且つ、カム軸37の回転周期以下の周期で変化する。従って、カム信号CAMの判別が精密に行われる。状態判別部42は、クランク角センサ316から出力された信号CRKが、クランク検出対象341の突出部342の通過を表す場合、保持期間のカウントをインクリメントする。突出部342は、30度間隔で設けられている。従って、クランク角センサ316から出力された信号CRKにおける立下りは、クランク軸35の30度の回転に相当する。クランク軸35の30度ごとに保持期間のカウントが行われる。状態判別部42は、クランク軸35の30度を単位として期間を測定する。
状態判別部42は、カム信号CAMの信号レベルに応じて、カム角センサ330の断線状態及び天絡状態を、残りの地絡状態と区別して判別する。本実施形態の状態判別部42は、カム信号CAMの信号レベル、及び基準期間TH,TLに対する、信号レベルの保持期間の超過に応じて、異常状態を判別する。
状態判別部42は、高信号レベルHの保持期間が少なくとも主基準期間THよりも長い場合、及び、低信号レベルLの保持期間が少なくとも副基準期間TLよりも長い場合の何れかの場合、判別を行う。
詳細には、状態判別部42は、カム信号CAMの信号レベルを判別する(S14)。状態判別部42は、カム信号CAMの信号レベルが高信号レベルHか低信号レベルLか判別する。
上記ステップS14において信号レベルが低信号レベルLと判別された場合(S14でL)、状態判別部42は、低信号レベルLの保持期間が少なくとも副基準期間TLよりも長いか否か判別する(S15)。状態判別部42は、保持期間が副閾値Rsより長いか否か判別する。図4に示した副基準期間TL以上の期間が、副閾値Rsとして設定される。例えば、副基準期間TLと等しい値が、副閾値Rsとして設定される。
上記ステップS15において保持期間が副閾値Rsより長いと判別された場合(S15でYes)、状態判別部42は、カム角センサ330が地絡状態であると判別する。状態判別部42は、カム角センサ330が異常状態であると判別する。このとき、状態判別部42は、地絡状態であることを表す地絡データを記憶部MEMに記憶する(S16)。
上記ステップS15において保持期間が副閾値Rsより長くないと判別された場合(S15でNo)、状態判別部42は、処理を終了する。この場合、カム角センサ330の異常は検出されない。
上記ステップS14において信号レベルが高信号レベルHと判別された場合(S14でH)、状態判別部42は、高信号レベルHの保持期間が少なくとも主基準期間THよりも長いか否か判別する(S17)。
詳細には、状態判別部42は、保持期間が主閾値Rmより長いか否か判別する。図4に示した主基準期間TH以上の期間が、主閾値Rmとして設定される。例えば、主基準期間THと等しい値が、主閾値Rmとして設定される。
上記ステップS17において保持期間が主閾値Rmより長いと判別された場合(S17でYes)、状態判別部42は、カム角センサ330が断線状態又は天絡状態であると判別する。状態判別部42は、カム角センサ330が異常状態であると判別する。このとき、状態判別部42は、断線状態又は天絡状態であることを表す断線・天絡データを記憶部MEMに記憶する(S18)。
上記ステップS17において保持期間が主閾値Rmより長くないと判別された場合(S17でNo)、状態判別部42は、処理を終了する。この場合、カム角センサ330の異常は検出されない。
カム信号CAMの信号レベルは、図4に示すように、通常、低信号レベルLと高信号レベルHとを繰り返す。従って、状態判別部42は、高信号レベル保持期間THの長さに基づく判別(S15)と低信号レベル保持期間TLの長さに基づく判別(S17)とを繰り返す。
ここで、状態判別部42は、次の(i)〜(iii)の全要件を満たすように判別を行う。
(i)高信号レベル保持期間THの長さに基づいて判別される異常状態と、低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて判別される異常状態とが異なる。詳細には、高信号レベル保持期間THの長さに基づいて断線状態又は天絡状態が判別される(S18)。低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて地絡状態が判別される(S16)。
(ii)高信号レベル保持期間THの長さに基づいて判別される異常状態が、高信号レベル保持期間THの長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態と区別される。詳細には、高信号レベル保持期間THの長さに基づいて判別される断線状態又は天絡状態は、断線状態又は天絡状態以外の異常状態即ち地絡状態と区別される。
(iii)低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて判別される異常状態が、低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態と区別される。詳細には、低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて判別される地絡状態は、地絡状態以外の異常状態即ち断線状態又は天絡状態と区別される。
上記ステップS14〜S18の処理によって、状態判別部42は、カム信号CAMの信号レベルに応じて、カム角センサ330の断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの地絡状態を残りの断線状態及び天絡状態と区別して判別する。
なお、図3を参照して説明した抵抗48が、信号出力線331と正の電源線40Aとの間でなく、信号出力線331と負の電源線40Bとの間に設けられる場合には、上述した区別と異なる判別がなされることとなる。例えば、抵抗48が、信号出力線331と負の電源線40Bとの間に設けられる場合には、断線状態における信号レベルが地絡状態の信号レベルと実質的に等しい。この場合、状態判別部42は、断線状態及び地絡状態を、残りの天絡状態と区別して判別することとなる。
本実施形態では、抵抗48が、図3に示すように、信号出力線331と正の電源線40Aとの間に設けられた構成について、説明を続ける。
図7(A)は、カム信号受信部41が、天絡状態又は断線状態のカム角センサ330から受信するカム信号CAMを示すタイミングチャートである。天絡状態又は断線状態でのカム信号CAMは実線で示されている。
例えば、配線において、信号出力線331と正の電源線40Aとの間の絶縁が劣化すると、カム角センサ330が天絡状態又は断線状態となりやすい。また、信号出力線331が断線していると、カム角センサ330が天絡状態又は断線状態となりやすい。
カム角センサ330が天絡状態又は断線状態である場合、上記ステップS14において信号レベルが高信号レベルHと判別される。また、天絡状態又は断線状態では、高信号レベルHの保持期間が主閾値Rmより長い。
本実施形態の診断装置40では、信号レベルが高信号レベルHと判別され、更に、高信号レベルの保持期間が主基準期間THより長いと判別されることによって、天絡状態又は断線状態が判別される。
図7(B)は、カム信号受信部41が、地絡状態のカム角センサ330から受信するカム信号CAMを示すタイミングチャートである。地絡状態でのカム信号CAMは実線で示されている。
例えば、信号出力線331が車体13等に強い力で挟み付けられると、カム角センサ330が地絡状態となる場合がある。
カム角センサ330が地絡状態である場合、上記ステップS14において信号レベルが低信号レベルLと判別される。また、地絡状態では、低信号レベルLの保持期間が副基準期間TLより長い。
本実施形態の診断装置40では、信号レベルが低信号レベルLと判別され、更に、低信号レベルLの保持期間が副基準期間TLより長いと判別されることによって、地絡状態が天絡状態又は断線状態と区別して判別される。
図5に戻って説明を続ける。診断装置40は、上述したカム角センサ診断(S10)に加え、クランク角センサ診断を行う(S30)。診断装置40のクランク角センサ状態判別部44が、クランク角センサ診断(S30)を行う。
クランク角センサ状態判別部44は、クランク角センサ316の出力信号CRKを用いてクランク角センサ316の異常を診断する。クランク角センサ状態判別部44は、例えば、吸気圧センサ312の出力信号を基準として、クランク軸35の回転数を検出する。クランク軸35が回転している場合に、クランク角センサ316の出力信号CRKが変化しない場合、クランク角センサ状態判別部44は、クランク角センサ316が異常であると判別する。例えば、吸気圧センサ312が、吸気行程を表す信号を複数回出力している間、クランク角センサ316の出力信号CRKが変化しない場合に、クランク角センサ状態判別部44は、クランク角センサ316が異常であると判別する。クランク角センサ316が異常であると判別された場合、診断装置40は、クランク角センサ316の異常を表すデータを記憶する。
なお、クランク角センサ診断(S30)において、クランク角センサ状態判別部44は、クランク角センサ316の異常の種類を区別して判別しない。ただし、クランク角センサ状態判別部44は、クランク角センサ316の異常の種類を区別して判別してもよい。
診断装置40は、上述したカム角センサ診断(S10)及びクランク角センサ診断(S30)に加え、更に別の異常検出を行う(S40)。診断装置40は、カム角センサ330及びクランク角センサ316以外の装置の異常を検出する。カム角センサ診断において異常が検出された場合、診断装置40は、異常が検出された装置の異常を表すデータを記憶する。
診断装置40は、信号出力を実行する(S50)。具体的には、信号出力部43が、信号出力を実行する。
図8は、診断装置40の信号出力処理を示すフローチャートである。
信号出力部43は、信号出力指令の入力の有無を判別する(S51)。信号出力指令は、信号出力部43に異常信号を出力させるための指令である。信号出力指令は、操作に応じて信号出力部43に出力される。信号出力指令は、例えば、診断装置40に、操作によって、診断表示装置50を接続した場合に、信号出力部43に入力される。信号出力指令は、診断表示装置50に対する操作に応じて信号出力部43に入力されてもよい。信号出力部43は、信号を診断表示装置50に出力する。
信号出力指令が入力されたと判別された場合(S51でYes)、信号出力部43は、
記憶部MEMに記憶されたデータを表す異常信号を出力する(S52)。信号出力部43は、異常信号を診断表示装置50に出力する。
上記ステップS52において、信号出力部43は、状態判別部42により判別された異常状態を示す異常信号を出力する。信号出力部43は、地絡状態を表す異常信号を、断線状態及び天絡状態と表す異常信号と区別して出力する。地絡状態を表す異常信号と、断線状態又は天絡状態を表す異常信号とは互いに異なる。信号出力部43は、地絡状態のデータが記憶されている場合には、地絡状態を表す異常信号を出力する。また、信号出力部43は、断線状態又は天絡状態のデータが記憶されている場合には、断線状態又は天絡状態を表す異常信号を出力する。
また、信号出力部43は、地絡状態、断線状態及び天絡状態以外の異常状態が記憶されている場合には、記憶されているデータに応じた異常信号も出力する。
信号出力部43は、異常信号を出力するとき、次の(I)〜(III)の全要件を満たすように出力する。
(I)高信号レベル保持期間THの長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号と、低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号とが異なる。詳細には、高信号レベル保持期間THの長さに基づいて判別される断線状態又は天絡状態を示す異常信号と、低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて判別される地絡状態を示す異常信号とは異なる。
(II)高信号レベル保持期間THの長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号が、高信号レベル保持期間THの長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態を示す異常信号と区別される。詳細には、高信号レベル保持期間THの長さに基づいて判別される断線状態又は天絡状態を示す異常信号は、断線状態又は天絡状態以外の異常状態即ち地絡状態を示す異常信号と区別される。
(III)低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号が、低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態を示す異常信号と区別される。詳細には、低信号レベル保持期間TLの長さに基づいて判別される地絡状態を示す異常信号は、地絡状態以外の異常状態即ち断線状態又は天絡状態を示す異常信号と区別される。
信号出力部43が異常信号を診断表示装置50に出力すると、診断表示装置50がカム角センサ330の異常状態に基づく情報を表示する。診断表示装置50は、地絡状態と、断線状態又は天絡状態とを区別して認識されるよう表示する。
鞍乗型車両Vの使用者又は修理者は、診断表示装置50が表示する情報を参照することによって、カム角センサ330の異常を認識する。また、使用者又は修理者は、カム角センサ330の機能異常の原因となっている箇所を絞ることができる。このため、使用者又は修理者は、故障箇所の見当をつけて、検査及び修理を行うことができる。
なお、診断装置40は、診断表示装置50に限られず、車体13に装着された装置に異常信号を出力してもよい。診断装置40は、例えば、車体13に支持された図示しない表示装置に異常信号を出力してもよい。この場合、表示装置は、地絡状態と、断線状態又は天絡状態とを区別して表示する。
図5に戻って説明を続ける。診断装置40は、エンジン制御を実行する(S60)。エンジン制御部45は、クランク角センサ316の出力信号に基づいて、エンジン30の動作を制御する。エンジン制御部45は、クランク角センサ316の出力信号及びカム角センサ330の出力信号に基づいて、エンジン30の動作を制御する。エンジン制御部45は、燃料噴射装置306による燃料噴射のタイミング及び点火プラグ38による点火のタイミングを制御する。
エンジン制御部45は、エンジン30の制御に、クランク角センサ316及びカム角センサ330以外のセンサの出力も用いる。例えば、エンジン制御部45は、吸気圧センサ312及びエンジン温度センサ317の出力信号を用いる。
図6に戻って、診断装置40による、断続的に現れる異常状態の診断について説明する。
図6に示すステップS12において、カム信号の信号レベルが変化したと判別された場合(S12でYes)、状態判別部42は、ステップS22〜S28の処理を実行する。
ステップS22〜S28の処理において、断続的に現れる異常状態が検出される。
信号レベルが変化したと判別された場合(S12でYes)、状態判別部42は、信号レベルが変化するまでの保持期間が、保持閾値Pminよりも短い期間であったか否か判別する(S22)。保持閾値Pminとして、主基準期間TH(図4参照)よりも短い期間が設定される。つまり、ステップS12で、状態判別部42は、主基準期間THよりも短い保持閾値Pminの期間に信号レベルが2回又はそれ以上変化したか否かを判別する。
保持閾値の期間に信号レベルが2回又はそれ以上変化したと判別された場合(S22でYes)、状態判別部42は、変化のエッジ極性を判別する(S23)。変化後の信号レベルが高信号レベルの場合、エッジ極性が立上りエッジである。変化後の信号レベルが低信号レベルの場合、エッジ極性が立下りエッジである。
上記ステップS23で、立上りエッジと判別された場合(S23で立上り)、状態判別部42は、断線状態又は天絡状態であることを表す断線・天絡データを、仮データとして記憶部MEMに記憶する(S24)。
上記ステップS23で、立下りエッジと判別された場合(S23で立下り)、状態判別部42は、地絡状態であることを表す地絡データを、仮データとして記憶部MEMに記憶する(S25)。仮データは、上記ステップS25,S2において上書きされる。
保持期間が、保持閾値Pmin以上であった場合(S22でNo)、状態判別部42は、記憶部MEMに記憶されていた仮データを診断結果として記憶する(S26)。記憶されていた仮データが断線・天絡データであった場合、断続的な断線・天絡を表すデータが診断結果として記憶される。一方、記憶されていた仮データが地絡データであった場合、断続的な地絡を表すデータが診断結果として記憶される。この後、状態判別部42は、仮データをクリアする(S27)。
図8に示す信号出力処理において、診断結果として記憶されたデータに基づく信号が出力される(S52)。診断装置40の信号出力部43は、断続的な異常状態を表す信号を断続的でない異常状態の信号と区別して出力する。また、信号出力部43は、断続的な地絡状態を表す異常信号を、断続的な断線状態及び断続的な天絡状態と表す異常信号と区別して出力する。
図6のステップS24、ステップS25、及びステップS27の後、状態判別部42が保持期間のカウントをリセットする(S28)。これによって、信号レベルの変化の後、保持期間のカウント(S13)が開始する。
図9(A)は、断続的な地絡状態のカム信号を模式的に示すタイミングチャートである。
断続的な地絡状態は、例えば、信号出力線331と負の電源線(接地線)40Bとの間の絶縁が不完全な場合に生じる。断続的な地絡状態は、例えば、信号出力線331と接地線40Bとが、振動によって瞬間的に接触する状態である。
断続的な地絡状態では、地絡状態が生じる瞬間、カム信号CAMが低レベル信号に強制される。このため、断続的な地絡状態は、図9(A)に示すように、通常な場合に高レベル信号が現れる期間に現れる。
状態判別部42は、主基準期間THよりも短い保持閾値Pminの期間に信号レベルが2回又はそれ以上変化したか否かを判別する。状態判別部42は、前回の信号レベルの変化から、保持閾値Pminの期間に信号レベルの変化があるか否かを判別する(図6のS22)。
図9(A)において、「S」は、保持閾値Pminの期間に信号レベルの変化があり、且つ、状態判別部42が立下りエッジと判別したことを示す(図6のS23で立下り)。この場合、状態判別部42は、地絡データを仮データとして記憶する。
「O」は、保持閾値Pminの期間に信号レベルの変化があり、且つ、状態判別部42が立上りエッジと判別したことを示す(図6のS23で立上り)。この場合、状態判別部42は、断線・天絡データを仮データとして記憶する。
「R」は、保持閾値Pminの期間以内に信号レベルの変化がなかった場合を示す。この場合、状態判別部42は、仮データとして記憶したデータを診断の結果として記憶する。
図9(A)に示すように、断続的な地絡状態が生じると、通常な場合に高レベル信号が現れる期間の一部で、低レベル信号の期間が生じる。低レベル信号の期間は断続的に生じる。
状態判別部42は、立下りエッジにおいて(「S」の位置)、地絡データを仮データとして記憶する。状態判別部42は、立上りエッジにおいて(「O」の位置)、断線・天絡データを仮データとして記憶する。仮データは上書きされる。図9(A)に示す信号の例では、地絡データが最終的に診断の結果として記憶される(「R」の位置)。
図9(B)は、断続的な天絡状態又は断線状態のカム信号を模式的に示すタイミングチャートである。
図9(B)に示すように、断続的な天絡状態又は断線状態が生じると、通常な場合に低レベル信号が現れる期間の一部で、高レベル信号の期間が生じる。高レベル信号の期間は断続的に生じる。
状態判別部42は、立上りエッジにおいて(「O」の位置)、断線・天絡データを仮データとして記憶する。状態判別部42は、立下りエッジにおいて(「S」の位置)、地絡データを仮データとして記憶する。仮データは上書きされる。図9(A)に示す信号の例では、断線・天絡データが最終的に診断の結果として記憶される(「R」の位置)。
信号出力部43は、最終的な診断の結果として記憶部MEMに記憶されたデータに応じた信号を診断表示装置50に出力する(図8のS51,S52)。出力された信号に応じた断続的な異常状態の情報が、診断表示装置50に出力される。
このように、本実施形態の状態判別部42は、信号レベルが少なくとも主基準期間よりも短い期間に2回又はそれ以上変化した場合にも判別を行う。
断続的な異常の現象は、定常的な異常に先だって現れやすい。このため、本実施形態の状態判別部42は、カム角センサ330の異常状態を早期に検出できる。本実施形態によれば、早期に異常箇所の見当をつけることができる。
なお、上述した実施形態では、主基準期間THと等しい値が、主閾値Rmとして設定され、副基準期間TLと等しい値が、副閾値Rsとして設定されている。
しかし、異常状態の判別において、主閾値Rmは、主基準期間THより大きな期間であってもよい。また、副閾値Rsは、副基準期間TLより大きな期間であってもよい。
例えば、主閾値Rmとして、主基準期間THより大きなクランク角度が設定されてもよい。例えば、主閾値Rmとして、クランク軸35の1回転又は複数回転に相当する角度が設定されてもよい。例えば、副閾値Rsとして、副基準期間TLより大きなクランク角度が設定されてもよい。例えば、副閾値Rsとして、クランク軸35の1回転又は複数回転に相当する角度が設定されてもよい。
但し、主閾値Rm及び/又は副閾値Rsの値が短縮されることによって、異常状態が早期に検出される。
[第二実施形態]
上述した第一実施形態では、クランク角センサ316から出力された信号CRKを基準として、カム信号CAMの信号レベルが保持されている期間をカウントする構成を説明した。続いて、吸気圧センサ312の出力信号を基準として信号レベルの保持期間を測定する第二実施形態について説明する。上述した第一実施形態で参照した図を参照しながら、第一実施形態との相違点を主に説明する。
本実施形態では、状態判別部42が、クランク角センサ316の出力信号の代わりに、吸気圧センサ312(図2参照)の出力信号を用いる。
吸気圧センサ312の出力信号は吸気行程を表す。吸気圧センサ312の出力信号は、クランク角と連動して変動する。吸気圧センサ312は、吸気行程で圧力の低下を表す信号を出力する。吸気圧センサ312の出力信号において、圧力の低下を表す信号から、次に圧力の低下を表す信号までの期間は、クランク軸35の2回転に相当する。従って、クランク軸35の2回転を単位とした期間が、吸気圧センサ312の出力信号に基づいてカウントされる。
本実施形態では、主閾値Rmとして、クランク軸35の2回転に相当する期間が設定される。例えば、主閾値Rmとして、吸気圧センサ312が圧力低下を表す信号を出力してから、次に圧力低下を表す信号を出力するまでの期間が設定される。また、副閾値Rsとして、クランク軸35の2回転に相当する期間が設定される。例えば、副閾値Rsとして、吸気圧センサ312が圧力低下を表す信号を出力してから、次に圧力低下を表す信号を出力するまでの期間が設定される。
なお、主閾値Rm又は副閾値Rsとして、クランク軸35の2回転に相当する期間より大きな期間が設定されてもよい。また、主閾値Rmの期間と副閾値Rsの期間とは異なってもよい。
図6に示すステップS13において、状態判別部42は、圧力低下を表す信号の出力が開始する時に保持期間をカウントする。
ステップS14において信号レベルが低信号レベルLと判別された場合(S14でL)、状態判別部42は、低信号レベルLの保持期間が副閾値Rsより長いか否か判別する(S15)。状態判別部42は、保持期間のカウントが1より大きいか否か判別する。ステップS15において保持期間が副閾値Rsより長いと判別された場合(S15でYes)、低信号レベルLの保持期間が、クランク軸35の2回転に相当する期間より長いことを意味する。この場合、低信号レベルLの保持期間が、少なくとも副基準期間TLよりも長い。この場合、状態判別部42は、カム角センサ330が地絡状態であると判別する。
ステップS14において信号レベルが高信号レベルHと判別された場合(S14でH)、状態判別部42は、高信号レベルHの保持期間が主閾値Rmより長いか否か判別する(S17)。状態判別部42は、保持期間のカウントが1より大きいか否か判別する。ステップS1において保持期間が主閾値Rmより長いと判別された場合(S17でYes)、高信号レベルHの保持期間が、少なくとも主基準期間THよりも長い。この場合、状態判別部42は、カム角センサ330が断線状態又は天絡状態であると判別する。

吸気圧センサ312の出力信号は、エンジン30のクランク軸35の回転周期に対応し、且つ、カム軸37の回転周期以下の周期で変化する。従って、カム角センサ330の異常状態の判別が精密に行われる。
本実施形態において、図6に示すステップS22〜S28の処理は、省略される。ただし、ステップS22で判別する保持期間について、クランク角センサ316の出力信号を基準として測定することが可能である。この場合、図6に示すステップS22〜S28の処理を維持することもできる、
本実施形態における上述した以外の構成は、第一実施形態と同じである。
本実施形態によれば、カム角センサの異常状態の判別のために、吸気圧センサ312の出力信号を用いることができる。このため、クランク角を基準とした保持期間の測定のための構成が簡潔である。
なお、上述した第一実施形態及び第二実施形態では、クランク角を基準とした保持期間を測定した。但し、保持期間は、クランク角以外の情報を基準としてもよい。例えば、保持期間は、エンジンを始動するためのスタータモータの回転角を基準として測定されてもよい。また、保持期間は、時刻の経過を基準として測定されてもよい。
また、カム信号の信号保持期間を判別するための主閾値Rmと副閾値Rsとは、同じ値に設定されてもよい。
また、上述した実施形態では、カム信号について、主検出対象322を表す信号レベルは、高いレベルHである。しかし、カム信号の出力論理は、上述した実施形態と逆であってもよい。例えば、主検出対象を表す信号レベルが低い信号レベルLであってもよい。
上述した実施形態では、信号出力線331が、抵抗48を介して電源線40Aと接続されていることを説明した。信号出力線は、例えば、入出力部に設けられた出力端子に抵抗を介して接続されてもよい。例えば、状態判別部は、上記出力端子の出力レベルを高レベルと低レベルとの間で変化させる。例えば、信号出力線のレベルが上記出力端子の出力レベル追従する場合に、状態判別部は、カム角センサが断線状態にあると判別してもよい。
また、カム信号を判別する信号レベルは、高レベル信号と低レベル信号とに限られない。例えば、カム角センサの信号出力線に、正の電源に接続された抵抗、及び負の電源に接続された抵抗の双方が接続されてもよい。この場合、断線状態では、信号レベルが、高レベル信号と低レベル信号との間の電圧となる。例えば、カム信号受信部41がA/Dコンバータを備え、高レベル信号と低レベル信号との間の電圧を判別することにより、断線状態を、天絡状態及び地絡状態と区別して判別することができる。また、この場合、保持期間を測定することなく異常状態を判別することができる。
また、診断装置は、異常状態を判別するための、コンピュータ以外の回路を有していてもよい。例えば、上記A/Dコンバータが、コンピュータの外部に備えられてもよい。また、異常状態を判別する判別回路がコンピュータの外部に備えられていてもよい。
また、上述した実施形態では、互いに隣合う1つの高信号レベル保持期間THと1つの低信号レベル保持期間TLとの合計が、クランク軸35の720度の回転に実質的に合致している。しかし、高信号レベル保持期間と低信号レベル保持期間の組は、クランク軸の720度の回転に複数回生じてもよい。例えば、検出対象体は、複数の主検出対象及び複数の副検出対象を有していてもよい。
また、鞍乗型車両は、自動二輪車に限られず、自動三輪車、ATV(全地形走行車)、スノーモービル等であってもよい。
上記実施形態に用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではない。ここに示されかつ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、本発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/又は図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、実施形態がここに記載されている。ここに記載した実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ、改良及び/又は変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。本発明は、クレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきである。
V 鞍乗型車両
20 エンジンシステム
30 エンジン
37 カム軸
40 鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置
41 カム信号受信部
42 状態判別部
44 クランク角センサ状態判別部
43 信号出力部
312 吸気圧センサ
316 クランク角センサ
317 エンジン温度センサ
322 主検出対象
323 副検出対象
330 カム角センサ
331 信号出力線
TH 高信号レベル保持期間(主基準期間)
TL 低信号レベル保持期間(副基準期間)

Claims (10)

  1. 鞍乗型車両のエンジンに設けられたカム軸の回転角度を検出するカム角センサの異常を検出する鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
    前記鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置は、
    前記カム角センサから前記回転角度に応じたカム信号が出力される信号出力線と接続され、前記信号出力線を介してカム信号を受信するカム信号受信部と、
    前記カム信号受信部に入力されたカム信号の信号レベル、及び、前記信号レベルの保持期間の長さに応じて、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別する状態判別部と、
    前記状態判別部により判別された前記一つ又は二つの異常状態を示す異常信号を、前記一つ又は二つの異常状態を示す異常信号が前記残りの異常状態を示す異常信号と異なるように、出力する信号出力部と
    を備える。

  2. 請求項1記載の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
    前記状態判別部は、前記カム信号受信部で受信されたカム信号の信号レベル、及び、前記信号レベルのそれぞれに応じて定められた基準期間に対する前記信号レベルの保持期間の超過に応じて、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別する。
  3. 請求項2記載の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
    前記カム軸には、前記エンジンのクランク角720度のうちクランク角360度以下の期間に相当する主基準期間の間前記カム角センサによって検出される主検出対象、及び、前記クランク角720度のうちクランク角360度以上の期間に相当する副基準期間の間前記カム角センサによって検出される副検出対象が設けられ、
    前記状態判別部は、前記主検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも前記主基準期間よりも長い場合、及び、前記副検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも前記副基準期間よりも長い場合の何れかの場合、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別する。
  4. 請求項3記載の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
    前記状態判別部は、前記主検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも前記主基準期間よりも長い場合、及び、前記副検出対象を表す信号レベルの保持期間が少なくとも前記副基準期間よりも長い場合の何れかの場合、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別するとともに、前記カム信号の信号レベルが少なくとも前記主基準期間よりも短い期間に2回又はそれ以上変化した場合、前記カム角センサの断線状態、天絡状態、及び地絡状態のうちの一つ又は二つの異常状態を残りの異常状態と区別して判別する。
  5. 請求項2から4いずれか1項に記載の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
    前記状態判別部は、前記エンジンのクランク軸の回転周期に対応し、且つ、前記カム軸の回転周期以下の周期で変化する信号を基準として、前記信号レベルの保持期間を測定する。
  6. 請求項5記載の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
    前記状態判別部は、前記クランク軸の回転角度を検出するクランク角センサの出力信号を基準として、前記信号レベルの保持期間を測定する。
  7. 請求項5記載の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
    前記状態判別部は、前記エンジンの吸気圧を検出する吸気圧センサの出力信号を基準として、前記信号レベルの保持期間を測定する。
  8. 請求項1〜7のいずれか1に記載の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置であって、
    前記カム信号受信部は、前記カム角センサの断線状態、天絡状態及び地絡状態のいずれの異常状態も生じていない時に、高い信号レベルを有するカム信号を受信する高信号レベル保持期間と低い信号レベルを有するカム信号を受信する低信号レベル保持期間とが交互に連続し且つ互いに連続する1つの前記高信号レベル保持期間と1つの前記低信号レベル保持期間との合計が前記エンジンのクランク角720度の期間と実質的に合致するか又はクランク角720度の期間より小さいように、前記カム角センサから前記カム信号を受信するように構成され、
    前記状態判別部は、交互に連続する前記高信号レベル保持期間及び前記低信号レベル保持期間において、(i)〜(iii)の全要件を満たすように、前記高信号レベル保持期間の長さに基づく異常状態の判別と、前記低信号レベル保持期間の長さに基づく異常状態の判別とを繰り返すように構成され、前記(i)の要件は、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態と、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態とが異なることであり、前記(ii)の要件は、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態と区別することであり、前記(iii)の要件は、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態と区別することであり、
    前記信号出力部は、(I)〜(III)の全要件を満たすように、前記異常信号を出力するように構成され、前記(I)の要件は、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号と、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号とが異なることであり、前記(II)の要件は、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号を、前記高信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態を示す異常信号と区別することであり、前記(III)の要件は、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態を示す異常信号を、前記低信号レベル保持期間の長さに基づいて判別される異常状態以外の異常状態を示す異常信号と区別することである。
  9. 鞍乗型車両に搭載されるエンジンシステムであって、
    前記エンジンシステムは、
    エンジンと、
    前記エンジンが備えるカム軸の回転角度を検出するカム角センサと、
    請求項1から8いずれか1項に記載の鞍乗型車両用カム角センサ異常診断装置とを備える。
  10. 鞍乗型車両であって、
    前記鞍乗型車両は、
    請求項9に記載のエンジンシステムを備える。
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