JP6539109B2 - 荷電粒子線装置及び試料昇降装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷電粒子線装置における試料の垂直移動を可能にする試料昇降装置に関する。
半導体ウェハなどの検査、分析、観察には、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)に代表される荷電粒子線装置が用いられる。この種の装置では、検査精度の確保、スループットの維持向上などの観点から、高精度かつ高剛性な試料移動装置(試料ステージ)が必要とされる。
試料移動装置(試料ステージ)は、その装置の目的に応じ、平面移動(XY移動)装置、回転移動(θ移動)装置、昇降(Z移動)装置などが組み合わされて構成される。特に、昇降(Z移動)装置は、高い移動精度を有する平面移動(XY移動)装置の動作性能を損なうことなく、昇降前後の姿勢精度や剛性を良好に維持することが求められる。
昇降(Z移動)装置には、特許文献1に記載の装置がある。特許文献1には、RXYTステージ(2〜5)を載置するZステージ(6)が記載されている。Zステージ(6)は、同一形状を有し、斜面が互いに対面するように配置された二つの楔形スライド部材(13)と、二つの楔形スライド部材(13)に接続部材(31)を介して接続されたボールねじ部(24、25)(互いに逆向きの螺旋が形成されたナット部(21、22)とボルト部(18、19)で構成される)を両端に配置する送りボルト(20)と、送りボルト(20)を回転駆動するステップモータ(23)とで構成される(図1〜図3)。Zステージ(6)は、送りボルト(20)の回転によりボールねじ部(24、25)を互いに逆向きに移動させることにより、二つの楔形スライド部材(13)の斜面に支持されているRXYTステージ(2〜5)を上下(Z方向)に駆動する([0041]〜[0045])。
特開平10−3874号公報
半導体ウェハなどの検査、分析、観察を目的とした荷電粒子線装置、特に半導体ウェハ上に形成された半導体デバイスパターンを検査する測長SEMなどでは、半導体プロセス技術の向上に伴う検査対象の微細化、半導体ウェハの大口径化に伴い、検査精度と検査速度(スループット)の向上が求められている。
また、昨今における荷電粒子線応用技術の改良に伴い、様々な検査、分析、観察が可能になっている。例えば1つの電子光学系の光学条件を可変することにより、半導体表面と表面近傍の検査と観察の両方が可能になっている。しかし、多くの場合、光学条件を変更すると、対物レンズの焦点距離の最適値が変わり、ワーキングディスタンスと呼ばれる対物レンズから試料表面までの距離を変更後の光学条件に合わせて再調整する必要が生じる。
また、電子光学系の分解能を向上させるために対物レンズの焦点距離を短くすることがあり、その結果、ワーキングディスタンスが極端に小さくなることがある。ワーキングディスタンスが極端に小さくなると、電子光学レンズの直下では観察対象である半導体ウェハなど試料の交換が困難となる。この場合、ワークチャンバ内に半導体ウェハなどの試料を交換するための退避スペースを設ける等の対策が新たに必要となる。しかし、退避スペース等を新たに設けることで、試料ステージや装置全体が大型化するという新たな課題が生じている。
これらの課題の解決には、平面移動する試料ステージ上に、試料を昇降させる昇降機構を搭載することが有効であると考えられる。しかし、高精度の位置決めと高速移動との両立が求められる試料ステージの上に試料の昇降機構を搭載するためには、以下のような課題を解決する必要がある。
まず、試料の昇降装置の軽量化と剛性の両立を図る必要がある。検査対象である半導体ウェハの大口径化が進むと、それを支持固定する静電チャックなどの試料固定装置も大型化する。その結果、試料固定装置と一緒に試料を昇降させる試料昇降装置の機構も大型化する。多くの場合、構造体としての十分な剛性を維持したまま試料昇降装置を大型化すると、重量も増加する。しかし、試料昇降装置の重量増加は、試料ステージの高精度の位置決めと高速移動の両立を困難にする。特に、ステップアンドリピート動作が要求される測長SEMなどの検査装置では、加減速時に大きな加速度が試料昇降装置に加わるため、試料昇降装置の軽量化と剛性の両立とが重要になる。
同時に、試料昇降装置の剛性の方向依存性を少なくする必要がある。大面積の試料上の検査ポイントにPoint to Pointで高速移動して高精度に位置決めするには、単に、試料昇降装置が軽量で剛性に優れるだけではなく、移動方向に対する剛性の偏りが小さいことが重要である。
これらの課題に対して、これまでにも様々な発明や改良が提案されているが、その何れもが前記課題を十分に解決できていない。例えば前述した特許文献1において、2つの楔形スライド部材(13)の移動を同期させるために用いている機構(ボールねじ部(24、25)、送りボルト(20))は、半導体ウェハの大口径化に伴う大型化が避けられず、軽量化と高剛性化の両立に限界がある。また、特許文献1に記載の装置は、2つのくさび型スライド部材(13)は、ボールねじ部(24、25)及び送りボルト(20)を通じて機械的に連結されているため配置に制約がある。
すなわち、2つのスライド部材が個別に配置されるわけではなく、試料昇降装置の剛性の方向依存性は固定的であるものが開示されているのみである。また、特許文献1の段落[0022]に記載の通り、両手持ちの形式は、片手持ち形式の欠点である、剛性が低く、振動し易いという欠点を克服するために採用していることを説明しているのみであり、減速機能の方向(言い換えるならば、剛性の方向依存性)が考慮されたものではなかった。
上記課題を解決するために、本発明は、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。より具体的には、荷電粒子線を発生して試料に照射する荷電粒子源と、前記荷電粒子線の照射により試料から発生される信号を検出する検出装置と、前記試料を観察位置に移動させる水平移動機構と、前記水平移動機構上に配置される試料昇降装置と、前記荷電粒子源、前記検出装置、前記水平移動機構及び前記試料昇降装置を内包し、内部空間を減圧環境に維持するチャンバとを有し、前記試料昇降装置は、前記試料が固定される試料台を昇降させる第1及び第2の昇降機構と、前記第1及び第2の昇降機構を個別に昇降駆動させる第1及び第2の駆動装置と、前記第1及び第2の駆動装置による前記第1及び第2の昇降機構の昇降動作を第1及び第2の制御信号により同期させる制御部とを有し、前記第1の昇降機構は、前記第1の駆動装置から与えられる第1の駆動入力を、当該入力方向とは異なる方向に減速した第1の駆動出力を発生させる第1の減速機構を有し、前記第2の昇降機構は、前記第2の駆動装置から与えられる第2の駆動入力を、当該入力方向とは異なる方向に減速した第2の駆動出力を発生させる第2の減速機構を有し、前記第1及び第2の駆動入力の向きは互いに異なり、かつ同一直線上ではない荷電粒子線装置を提案する。
本発明によれば、試料の大口径化にも容易に対応でき、軽量かつ高剛性であり、剛性の方向依存性の少ない試料昇降装置を実現することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
電子顕微鏡装置の全体構成を示す図。 実施例1に係る試料昇降装置の構成例を示す図。 実施例1に係る昇降機構の外観構成図。 実施例1に係る昇降機構の分解斜視図。 実施例1における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例1における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例1に係る試料昇降装置の技術的効果を説明する図。 実施例1に係る試料昇降装置の技術的効果を説明する図。 実施例1に係る試料昇降装置の制御方式を説明する図。 実施例2に係る昇降機構の外観構成を説明する図。 実施例3に係る試料昇降装置の制御方式を説明する図。 実施例4における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例5に係る試料昇降装置の構成例を示す図。 実施例5における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例5における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例5における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例5に係る試料昇降装置の制御方式を説明する図。 実施例6に係る試料昇降装置の構成例を示す図。 実施例6における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例6における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例6における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例6における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例6における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例6における昇降機構の配置と駆動方向を説明する図。 実施例6に係る試料昇降装置の制御方式を説明する図。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。以下では、電子顕微鏡装置について説明するが、可視光、紫外光、X線などを応用する装置(検査装置、分析装置、観察装置、加工装置)でも同様の効果を得ることができる。また、以下では、試料が半導体ウェハであるものとして説明するが、試料が半導体ウェハに限定されないことは明らかである。なお、説明に用いる各図において、符号が同一の部分は、同一又は同一の機能を有している。
[電子顕微鏡装置]
図1に、電子顕微鏡装置100の全体構成を示す。電子顕微鏡装置100は、電子光学装置101と試料チャンバ102によって構成される。本明細書では、電子光学装置101と試料チャンバ102を合わせて「チャンバ」とも呼ぶ。電子光学装置101の内部は、真空排気装置103によって真空環境に保たれている。電子線源104から放出された電子線105は、電磁レンズ106、偏向電極107などにより所望の条件に調整された後、試料108を照射する。電子線105の照射により、試料108の表面からは2次電子109が発生する。2次電子109は、2次電子検出器110で検出される。2次電子検出器110の検出信号は制御部111に与えられる。制御部111は、検出信号から試料表面の画像など様々な情報を取得する。なお、本実施例では2次電子を検出対象としているが、反射電子等を検出対象としてもよい。
試料チャンバ102の内部は、真空排気装置112によって真空環境に保たれている。前記試料108は、試料固定ステージ113の上に載置され固定されている。試料固定ステージ113は、試料昇降装置115に載置されており、試料昇降装置115によって昇降(Z移動)される。試料昇降装置115は、XY平面ステージ114に載置されており、XY平面ステージ114によって平面移動(XY移動)される。
試料固定ステージ113の近傍にはバーミラー116が配置されている。図1では、バーミラー116が試料固定ステージ113上に配置されているが、後述するように、試料昇降装置115に配置されていてもよい。レーザー測長計117を用いてバーミラー116の位置を測定することにより、XY平面ステージ114の座標位置が測定される。制御部111は、レーザー測長計117によって測定された結果に基づいて駆動装置118を駆動制御し、極めて精密かつ高速にXY平面ステージ114を移動させる。図1では、X-Z面の断面構造を示し、紙面に垂直な方向であるY方向については示していない。
制御部111は、試料108から得たい情報に応じ、電子線105の加速電圧や電磁レンズ106等の条件を可変制御する。ただし、これらの条件を変更すると、電子光学条件が変わるため、対物レンズ119と試料108の距離であるワークディスタンス120も変化する。ワークディスタンス120の変化は、試料昇降装置115により試料108を上下方向(Z方向)に移動させることで行う。
様々な分野で使用される電子顕微鏡装置100は、ナノメータレベルの分解能を有することから、試料固定ステージ113を載置する試料昇降装置115にも高い剛性が要求される。特に、半導体検査に用いられる測長SEMなどでは、観察対象である半導体ウェハの大口径化が進んでおり、単位時間あたりの処理速度を向上するためにXY平面ステージ114の高速移動が行われており、高い剛性をもった試料昇降装置115が必要になる。
[実施例1]
[全体構成]
図2に、電子顕微鏡装置100に使用する試料昇降装置115の構成例を示す。本実施例において、試料固定ステージ113は、静電チャックやメカニカルチャックに相当し、不図示の試料108は半導体ウェハに相当する。試料昇降装置115は、ベースプレート1を介して不図示のXY平面ステージ114に搭載される。もっとも、ベースプレート1は必ずしも必要でなく、図中のベースプレート1の部分がXY平面ステージ114の最上面でもよい。
試料昇降装置115は、ベースプレート1の上面に分散配置される複数の(図1では3つの)昇降機構2と、支持部材3とにより構成されている。Z方向に直立する3つの支持部材3は、試料固定ステージ113をその裏面側から支持する。なお、支持部材3は、ステージチルト用のアクチュエータを有してもよい。支持部材3は、昇降機構2が同期制御されて動作する際に生じる僅かな誤差を吸収して試料固定ステージ113に生じる僅かな歪や変形の影響を最小限に留めることができるよう工夫されている。支持部材3を絶縁材料で構成すれば、試料固定ステージ113と試料108を、他の構造体から電気的に絶縁できる。この結果、試料108の電位の制御が可能となり、様々な電子光学系の観察条件に対応させることができる。
図2に示すベースプレート1には、バーミラー116と試料搬送機構4などが配置されている。バーミラー116は、前述したように、不図示のXY平面ステージ114の座標位置の測定に使用される。Y字形状の試料搬送機構4の先端部には、Z方向に直立する3つのピンが設けられている。これら3つのピンを試料固定ステージ113に設けられた貫通孔に沿って上下方向に移動させることにより、試料108を試料固定ステージ113に載置し、又は、試料固定ステージ113から持ち上げることができる。
[試料昇降装置115の詳細構成]
電子顕微鏡装置100で用いられる試料昇降装置115には、前述した課題に加え、真空環境下での確実な動作性と耐久性とが求められる。真空環境下では、大気環境下に比較して摩擦や摩耗の影響を受け易く、かじりや固着の影響を受けやすいことが知られている。また、半導体プロセスでは、歩留まり向上のために、発塵量が小さいことも要求される。さらに、半導体プロセスに特有の課題として、電子線の影響や試料昇降装置115の動作に伴う駆動装置の発熱の影響の低減、試料搬送機構4などの機構要素との干渉の回避なども求められる。
これらの課題を解決するため、試料昇降装置115には、図3及び図4に示す構造の昇降機構2を使用する。図3は、昇降機構2の外観構成図であり、図4は昇降機構2の分解斜視図である。昇降機構2は、楔方式を用いた減速機構と、当該減速機構を駆動する駆動装置とで構成される。楔方式の減速機構は、駆動装置による水平方向の駆動入力を減速し、上下方向の駆動出力に変換する。
昇降機構2は、ベースプレート11、水平移動機構12、中楔機構13、上楔機構14、垂直案内機構15により構成される。水平移動機構12と中楔機構13には互いに組み合わさって機能する案内機構16Aが設けられており、中楔機構13と上楔機構14には、互いに組み合わさって機能する案内機構16Bが設けられている。上楔機構14と垂直案内機構15には互いに組み合わさって機能する案内機構16Cが設けられている。これら案内機構16A〜Cには、転動ガイド(円筒コロやボールなどを利用)や固体滑りを利用した滑りガイドを適用することができる。本実施例では、案内機構16A〜Cに、摩擦係数が小さく効率の良い円筒コロを用いた転動ガイドを使用する。
中楔機構13には、ベースプレート11に固定された直動式超音波モータ17からの駆動力を伝達するための摩擦プレート18が取り付けられている。直動式超音波モータ17により中楔機構13を矢印19の方向に移動させると、中楔機構13と傾斜面を介して組み合わさっている上楔機構14が、垂直案内機構15に案内されて矢印20の方向に移動する。すなわち、上楔機構14が昇降駆動される。図の例の場合、中楔機構13が垂直案内機構15から遠ざかる方向に移動されると上楔機構14は下降し、反対に中楔機構13が垂直案内機構15に近づく方向に移動されると上楔機構14は上昇する。
中楔機構13の移動方向を示す矢印19の方向は、直動式超音波モータ17から中楔機構13への駆動力の入力方向である。中楔機構13の移動に伴う上楔機構14の移動方向を示す矢印20の方向は、試料昇降装置115による駆動力の出力方向である。
水平移動機構12には、中楔機構13に取り付けたリニアスケール21の移動量を読み取るリニアスケールヘッド22が取り付けられている。本明細書では、リニアスケール21とリニアスケールヘッド22を合わせて測定装置とも呼ぶ。中楔機構13の移動量(水平方向)の測定値から、上楔機構14の移動量(上下方向)が分かる。ただし、リニアスケール21及びリニアスケールヘッド22は、試料昇降装置115を構成する全ての昇降機構2に設ける必要はなく、後述するように任意の1つ又は2つの昇降機構2にのみ設けてもよい。
[独立型の楔方式の減速機構を用いる効果]
試料昇降装置115として、図3及び図4に示す構成の昇降機構2を採用することにより、以下の効果が実現される。まず、楔方式の減速機構の採用により、昇降方向に対して高い剛性を得ることができ。一般に、移動方向に対して高い剛性を得るには正効率に対して逆効率が小さい機構を用いることが有利であり、減速機構は正効率に対して逆効率を小さくすることが可能な機構の一つである。
減速機構の中には、歯車を用いる方式の減速機構もあるが、歯車を用いる減速機構を電子顕微鏡装置(真空環境下)で使用すると、かじりや固着が生じやすく使用が困難である。一方、楔方式の減速機構(図3、図4)では、案内機構16A〜16Cにクロスローラーガイドやボールガイドなどの転動ガイドを用いることができる。このため、真空環境下でも摩擦係数を小さくすることができ、安定した動作を確保しながら減速機構を構成することが可能となる。
昇降機構2では、楔傾斜角23(図4)で定まる中楔機構13の水平移動量に対する上楔機構14の上下移動量の比が減速比となる。減速比が大きいほど矢印20で示される昇降方向の剛性を大きくとることが可能である。一方で、減速比を大きくとると、水平方向(矢印19の方向)について大きな移動量が必要となり、昇降機構2の小型化や動作速度の向上には不利に作用する。従って、減速機構の減速比として良好な範囲は1:2〜1:10となる。更に、より良好な減速比の範囲は1:2〜1:4程度であり、本実施例では楔傾斜角23を約14.2度、すなわち減速比を1:4とすることで高い剛性を確保し、良好な昇降動作を実現している。加えて、案内機構16A〜16Cに転動ガイドを用いることで昇降動作に伴う異物の発生を低減することができる。また、楔方式の減速機構を採用すれば、昇降動作に必要な入力駆動力の大きさを低減することができる。さらに、減速機構の採用により、減速比に比例して大きな出力を得ることができる。
電子顕微鏡装置100をはじめ多くの荷電粒子線装置では、荷電粒子線への影響を低減するために、対物レンズ119に近い位置に配置する機構は、非磁性材料で構成されることが望ましいとされる。特に、駆動源となるアクチュエータは、荷電粒子線に影響を与える磁場の発生が大きく、非磁性化が難しいとされている。アクチュエータを非磁性化できる数少ない機構の一つが非磁性超音波モータである。超音波モータに代表される摩擦接触を応用した駆動装置は、その構造上の問題から、真空環境下では高い負荷に耐えることができず、寿命が短いなどの課題がある。
一方、本実施例の昇降機構2は、楔方式の減速機構が使用できるため、駆動装置の負荷を減速比分だけ低減することが可能となる。すなわち、超音波モータの負荷低減と寿命を改善することができる。さらに、超音波モータの負荷低減は、超音波モータ自体の発熱量の低減にも寄与するため、動作に伴う発熱量が小さくなり、温度に起因した試料ステージシステムの位置決め精度などへの影響を低減することが可能となる。
また、本実施例のように独立型の昇降機構2を3つ配置する場合、ベースプレート1の上に昇降機構2を直接配置することができる。なお、特許文献1に記載されたZステージ(6)をXY平面ステージ114上に搭載しようとすると、楔形スライド部材(13)の動作位置が本実施例よりも高くならざるを得ず、ワーキングディスタンスの小さい電子顕微鏡装置には適用できない問題がある。また、楔形スライド部材(13)を含む駆動部材の重心位置が高くなるため、剛性の方向依存性が低下し易くなる。従って、特許文献1に記載されたZステージ(6)は、XY平面ステージ114上に搭載するのには適さない。
[昇降機構2の配置位置と駆動入力の方向から見た効果]
図5A及び図5Bを用いて、昇降機構2の配置位置と駆動力の入力方向の例について説明する。本実施例では、独立型の3つの昇降機構2を、試料固定ステージ113の重心30を中心とする円31上に分散配置する。図5A及び図5Bでは、3つの昇降機構2を、重心30の周りに120°間隔で配置しているが、必ずしも120°間隔に限る必要はない。
独立型の3つの昇降機構2は、それぞれの中楔機構13の移動方向(以下、「楔方式の減速機構の移動方向」ともいう。)32が、互いに異なるように配置することができる。すなわち、3つの中楔機構13の移動方向を示す延長線が互いに交差するように配置することができる。剛性の偏りを避ける上では、3つの昇降機構2に対する駆動入力の方向が同じ方向に偏らないように制御することが望ましい。
図5Aは、昇降機構2のくさび減速機構の移動方向32を試料固定ステージ113の重心30に向ける例を示し、図5Bは、前記移動方向32を円31の接線方向に配置した例を示す。図5Aでは、3つの昇降機構2における減速機構の移動方向32を示す3つの延長線33が試料固定ステージ113の重心30で交差している。図5Bでは、3つの昇降機構2における減速機構の移動方向32を示す3つ延長線33が3点で交差し、試料固定ステージ113の重心30はこれら3つの交差点で形成された三角形の内側に置かれている。
図5A及び図5Bに示すように3つの昇降機構2を配置することにより、試料昇降装置115の軽量化と高剛性化とを両立することができる。図6は、前記円31の大きさが与える影響を説明する模式図である。図中の記号R、r(r<R)は、試料固定ステージ113の重心30を中心とする同心円(円31A、31B)の半径を表している。
ここで、試料固定ステージ113の重心30を通る任意の軸34の周りに加わる回転力をMとする。このとき、回転力Mは、円31A上に配置された昇降機構2Aが担う荷重をFaとすると、M=r×Faで表される。同様に、円31B上に配置された昇降機構2Bが担う荷重をFbとすると、M=R×Fbとなる。従って、Fb=(r/R)×Faとなる。この関係式は、円31B上に3つの昇降機構2を配置すると、各昇降機構2が担う荷重Fbは円31A上に3つの昇降機構2を配置する場合に比して半径比だけ小さく済むことを表している。
すなわち、昇降機構2を配置する円31の半径が大きいほど、昇降機構2が担うべき荷重を小さくすることができる。換言すると、担うべき回転力Mの大きさが同じであれば、円31が大きくなるように昇降機構2を配置することにより、昇降機構2を小型軽量化することが可能となる。昇降機構2の小型軽量化は、結果的に、試料昇降装置115の小型軽量化にも通じる。
換言すると、試料108が大口径化するなどして昇降機構2が担うべき回転力が大きくなった場合でも、円31の半径が大きくなるように昇降機構2を配置することにより、昇降機構2の剛性を確保するために必要とされる構造の強化や大型化を最小限に留めることが可能となる。結果として、本実施例の試料昇降装置115は、試料108が大型化しても軽量化と高い剛性の確保とを両立することができる。
また、図5A及び図5Bに示すように昇降機構2を配置することにより、試料昇降装置115の剛性の方向依存性を解消又は低減することができる。図7を用いて、試料昇降装置115が、方向依存性の少ない回転剛性を実現できることを説明する。説明を簡単にするため、移動対象である試料固定ステージ113(不図示)が剛体であると仮定し、その重心30を中心とした半径Rの円31B上に3つの昇降機構2Cが等角度(120°間隔)に配置されている場合について説明する。重心30を通る任意の軸34Cの周りのモーメントをM、各昇降機構2Cを構成する楔方式の減速機構の移動方向の延長線33と軸34Cとがなす角をそれぞれθ1、θ2、θ3とすると、軸34Cの周りの回転力が釣り合う条件は、次式で表される。
M×sinθ1+M×sinθ2 = M×sinθ3 …式(1)
各昇降機構2Cが、円31B上に等角度で配置されていることを利用してθ1=θと書き改めると、θ2とθ3はそれぞれ以下のように書き表すことができる。
θ2 = π/3−θ
θ3 = π/3+θ
これらを、式(1)の右辺と左辺にそれぞれ代入すると、次式のように変形することができる。
・式(1)の左辺
sinθ+sin(π/3−θ) = sinθ+sin(π/3)×cosθ−cos(π/3)×sinθ
・式(1)の右辺
sin(π/3+θ) = sinπ/3×cosθ+cosπ/3×sinθ
ここで、sin(π/3)=√3/2、cos(π/3)=1/2であるので、式(1)の左辺と右辺は、いずれも任意のθについて、√3/2×cosθ+1/2×sinθとなる。つまり、任意の角度θについて、式(1)が成り立つことになり、重心30を通る任意の軸34Cの周りの回転剛性は方向依存性を持たないことになる。
以上は、説明を簡単にするために、昇降機構2Cが円31B上に理想的に等角度で配置された場合について説明したが、実装上の誤差を考慮しても本実施例の場合、方向依存性の少ない回転剛性を有する試料昇降装置115を実現することができる。なお、以上においては、図5Aに示す配置の試料昇降装置115を前提に説明したが、図5Bに示す配置の試料昇降装置115でも同様の効果が得られる。
[真空環境下での動作性と耐久性から見た効果]
試料昇降装置115として上述した構成の昇降機構2を採用すれば、真空環境下でも確実な動作と耐久性を実現することができる。既に説明したように、楔方式の減速機構を使用した昇降機構2は、駆動装置の負荷を減速比分だけ低減することが可能となり、駆動装置の負荷の低減と寿命の改善を行うことができる。
真空環境下では、駆動装置の動作に伴って発生する熱は周囲に拡散し難く、局所的な温度上昇の原因となり易い。局所的な温度上昇は、駆動装置自体の寿命などの性能に影響することはもちろんのこと、試料昇降装置115の精度にも影響を与える。例えば、測長SEMなどに使用される高精度ステージでは、局所的に発生した熱の影響により熱変形が発生し、ステージシステム自体の精度が低下するといった問題を生じる。
しかしながら、本実施例の試料昇降装置115では、前述したように、昇降機構2をXY平面ステージ114上に分散して配置することにより、個々の昇降機構2に対する負荷を低減することができる。しかも、駆動装置の負荷が低減することで、駆動装置の発熱量も大幅に低減する。更に、3つの昇降機構2を分散して配置するので、XY平面ステージ114にとっては、熱源が分散されたことになり、結果的に熱変形の影響を受け難い条件となる。従って、本実施例の試料昇降装置115は、真空環境下における確実な動作と耐久性が確保される。
[荷電粒子線への影響から見た効果]
試料昇降装置115として上述した構成の昇降機構2を採用することにより、荷電粒子線への影響の小さい試料昇降装置115を実現することができる。磁性材料は、荷電粒子線の軌道に影響を与えることから、試料昇降装置115は、非磁性材料で構成されることが望ましい。
しかし、現実には、全ての部材を非磁性又は無磁性材料で構成することは困難である。これに対し、本実施例の試料昇降装置115では、昇降機構2を電子線105の照射領域の外側に配置できるため、電子線105への影響を軽減することができる。同時に、昇降機構2の分散配置により磁性材の偏在性を緩和でき、電子線105への影響の小さい試料昇降装置115を実現することができる。
[他の構成要素との干渉の回避から見た効果]
試料昇降装置115として上述した構成の昇降機構2を採用することにより、XY平面ステージ114(ベースプレート1)上に搭載される他の機構要素(試料搬送機構4など)との物理的な干渉を回避することができる。また、試料ステージシステムには、試料搬送機構4の他にも、XY平面ステージ114の位置の計測に用いられるバーミラー116や試料108の搭載の有無を検知するセンサなど様々な機能部品が搭載される。特に、測長SEMのような半導体ウェハを観察対象として扱う装置では、半導体ウェハの大口径化に伴い試料搬送機構4が大きくなり、試料昇降装置115との干渉が実装上の課題となることがある。しかしながら、図2に示したように、本実施例の試料昇降装置115を用いれば、試料搬送機構115との干渉は生じ難く、試料ステージシステムに必要な機能を損なうことなく、試料昇降装置115を実現することができる。
[試料昇降装置の同期制御について]
図8を用い、試料昇降装置115の制御方式について説明する。本実施例に係る3つの昇降機構2のそれぞれには、移動量(昇降量)の測定に用いられる測定装置(リニアスケール21と、リニアスケールヘッド22)が取り付けられている。各昇降機構2の直動式超音波モータ17とリニアスケールヘッド22は、いずれも信号線を通じて同期制御部40に連結されている。同期制御部40には、制御装置41と、昇降機構2を動作するためのモータドライバ42等が設けられている。もっとも、同期制御部40は、前述した制御部111の機能の一部として実現されてもよい。
本実施例のように、それぞれが独立している3つの昇降機構2の動作は、案内機構16A〜16Cの抵抗や摩擦、直動式超音波モータ17からの駆動力の伝達効率などにより機差を生じることがある。そこで、本実施例の同期制御部40には、これらの機差を吸収するための制御パラメータ43を個別に設定する機能が設けられている。なお、制御パラメータ43を個別に設定する機能は、上位システム(例えば制御部111)側に設けてもよいし、同期制御部40内に設けてもよい。また、制御パラメータ43は、予め測定された静的な値でもよいし、動作中に補正される動的な値でもよい。同期制御部40は、上位システム(例えば制御部111)に接続されており、上位システムからの指令に基づいて試料昇降装置115を制御することも、単独で制御することも可能である。
次に、同期制御の観点から試料昇降装置115の昇降動作の一例を説明する。上位システム(例えば制御部111)から昇降量が指示値として同期制御部40に与えられると、制御装置41が各昇降機構2に対する駆動量(移動量、移動速度など)を算出し、モータドライバ42に指示する。各モータドライバ42は、それぞれに対する指示値に対応する制御パラメータ43の値を加算した値を求め、当該加算値に基づいて、対応する直動式超音波モータ17を駆動する。
直動式超音波モータ17の駆動に伴う昇降機構2の移動量(水平方向)は、リニアスケール21とリニアスケールヘッド22により読み取られ、制御装置41にフィードバックされる。制御装置41は、3つの昇降機構2の移動量を比較し、3つの昇降機構2が同期するように(3つの昇降機構2の昇降量が同じになるように、又は、3つの昇降機構2の地点の高さが同じになるように)、各昇降機構2に対する指示値を逐次修正する。
以上の制御動作の採用により、3つの昇降機構2を高精度に同期した状態で昇降駆動でき、試料固定ステージ113に搭載された試料108に負荷を与えることなく、再現性のよい昇降動作を実現することができる。なお、3つの昇降機構2の各移動量に基づいて昇降量が同じになるようにフィードバック制御する方式でさえあれば、同様の効果を得られることは明らかである。
[まとめ]
以上説明したように、本実施例に係る試料昇降装置115は、それぞれが独立した装置である3つの昇降機構2をベースプレート1上に分散配置し、これらの動作を制御信号により同期させる。このため、試料108の大口径化にも容易に対応できる。また、試料108が大口径化しても、試料昇降装置115は、軽量のまま高い剛性を維持できるため、XY平面ステージ114の高精度での位置決めと高速移動性能を損なうことがない。さらに、本実施例の試料昇降装置115は、方向依存性の少ない回転剛性を実現できるため、XY平面ステージ114による高精度位置決めと高速移動に有利である。
また、本実施例の試料昇降装置115では、楔方式の減速機構で構成される昇降機構2を採用するため、駆動装置の負荷を減速比分だけ低減することができ、真空環境下での確実な動作と耐久性を実現できる。さらに、本実施例では、独立した装置である3つの昇降機構2を分散配置が可能であるため、電子線105に対する影響を軽減することができる。また、独立した装置である昇降機構2は分散配置が可能なため、XY平面ステージ114(ベースプレート1)上に搭載される他の機構要素との干渉も容易に回避できる。
[実施例2]
続いて、試料昇降装置115の他の実施例について説明する。なお、試料昇降装置115を搭載する電子顕微鏡装置100(図1)の構成は、実施例1と同様である。図9に、本実施例に係る試料昇降装置115で使用する昇降機構2の構成例を示す。実施例1との違いは、本実施例の昇降機構2は、直動式超音波モータ17に代えて回転式超音波モータ51を用いる点である。
本実施例の場合、回転式超音波モータ51の回転軸は、カップリング52を介して、ボールねじを構成するねじ軸53の根本側に連結されている。ねじ軸53の先端側は、中楔機構13の内部に設けられているナット(不図示)を介して中楔機構13に連結されている。また、ねじ軸53は、ベアリングハウス54の内部に設置されたベアリング(不図示)により保持されることで、滑らかな回転が可能となっている。このねじ軸53とベアリングハウス54(不図示のベアリングを含む)とでボールねじが構成される。図9に示す構成により、回転式超音波モータ51で発生した回転力がねじ軸53を介して中楔機構13の水平方向19の駆動入力に変換される。中楔機構13の水平方向の動きが、上楔機構14の昇降動作に変換される点は実施例1と同じである。
本実施例の昇降機構2も、楔方式による減速機構を用いている。ただし、実施例1と同じく、昇降量に対して減速比によって与えられる倍率分だけ、中楔機構13が水平方向19に移動する必要がある。この構造は、高い剛性を得られる代わりに昇降速度を速めることが一般に難しい。その一方で、本実施例の構成を採用する場合には、ねじ軸53のリード(ねじを1回転させた時の軸方向の移動量)を選択することにより、中楔機構13の移動速度を選択することができる。
その理由は、中楔機構13の移動速度は、回転式超音波モータ51の回転数とねじ軸53のリードとの積により定まるからである。例えば回転式超音波モータ51の回転数を一定とする場合、ねじ軸53のリードが“2”のときの移動速度は、ねじ軸53のリードが“1”のときの移動速度の2倍になる。
また、回転式超音波モータ51は、超音波を駆動力に変換するための摩擦プレートをケーシング内に配置し易いため、異物の発生を低減することも可能になる。回転式超音波モータ51は、その制御装置を簡便に構成できるため、コスト面でのメリットの享受も容易である。
[実施例3]
本実施例では、試料昇降装置115の他の制御方式について説明する。図10に、本実施例における試料昇降装置115の制御方式を示す。本実施例の試料昇降装置115は、移動量(昇降量)を読み取る測定装置(リニアスケール21、リニアスケールヘッド22)が昇降機構2Dにのみ搭載される点で、上述の実施例と相違する。このため、本実施例では、昇降機構2Dに搭載されたリニアスケールヘッド22の測定値のみが同期制御部40Aにフィードバックされる。当然、昇降機構2E及び2Fには、前述の実施例とは異なり、移動量(昇降量)を読み取る測定装置が設けられていない。
3つの昇降機構2D、2E、2Fの直動式超音波モータ17は、前述の実施例と同様、同期制御部40Aに接続されている。3つの直動式超音波モータ17の動作はいずれも、同期制御部40Aから与えられる制御信号に基づいて制御される。同期制御部40Aの基本構成は、前述した同期制御部40(図8)と同様である。すなわち、同期制御部40Aは、制御装置41Aとモータドライバ42等で構成される。また、同期制御部40Aにも、昇降機構2D、2E、2Fの機差を吸収するための制御パラメータ43D、43E、43Fが設けられている。
制御パラメータ43D、43E、43Fは予め測定された静的な値であってもよいし、動作中に補正される動的な値でもよい。また、制御装置41Aは、不図示の上位システムに繋がっており、上位システムからの指令に基づいて試料昇降装置115を制御することも、単独で制御することも可能である。
次に、本実施例における試料昇降装置115の昇降動作の制御例について説明する。上位システム(例えば制御部111)から同期制御部40Aに昇降量が与えられると、制御装置41Aは、昇降機構2D、2E、2Fに対する指示値(移動量、移動速度など)を算出し、それぞれに対応するモータドライバ42に指示する。3つのモータドライバ42は、各指示値に制御パラメータ43Dの値を加算した値を求めると共に、求められた加算値に基づいて、対応する直動式超音波モータ17を駆動する。
本実施例では、昇降機構2Dについてのみ移動量(昇降量)が、測定装置(リニアスケール21とリニアスケールヘッド22)に測定され、制御装置41Aにフィードバックされる。制御装置41Aは、昇降機構2Dの移動量(昇降量)を基準として、昇降機構2E及び2Fの昇降量が昇降機構2Dの昇降量と同期するように(同じになるように)、各昇降機構2E及び2Fに対する指示値を算出する。
本実施例の場合、昇降機構2E及び2Fには移動量(昇降量)を読み取る機能(リニアスケール21とリニアスケールヘッド22)が設けられていないので、制御装置41Aの制御はオープン制御となり、昇降機構2E及び2Fの昇降量と昇降機構2Dの昇降量の同期を採ることは困難である。
そこで、本実施例では、予め、昇降機構2Dを特定の動作条件で駆動制御したときの移動量(昇降量)を基準値として、昇降機構2E及び2Fの各移動量(昇降量)を事前に計測し、昇降機構2Dと昇降機構2E及び2Fの昇降量が同期するように制御パラメータ43E及び43Fを定めておく。なお、昇降機構2Dの動作特性が案内機構16A〜16Cの摩擦などの影響を受け、基準昇降量として適さない状態になった場合、よりフラットな動作特性が測定されるように制御パラメータ43Dを補正する機能も搭載する。
以上の通り、3つの昇降機構2D〜2Fの全てについて移動量(昇降量)を読み取らない場合でも、特定の動作条件の下、一つの昇降機構(本実施例では昇降機構2D)から測定した移動量(昇降量)を基準にして、他の昇降機構(本実施例では昇降機構2E及び2F)との同期駆動を実現できる。これにより、試料昇降装置115は、前述した実施例と同様、精度のよい昇降動作を実現できる。
実際、多くの電子顕微鏡装置100では、試料昇降装置115の動作パターンを観察プロセスや試料の交換動作などの数パターン程度に分けることが可能である。従って、本実施例で説明したように、移動量(昇降量)を読み取る測定装置(リニアスケール21とリニアスケールヘッド22)の搭載を1つの昇降機構2のみとすることで、より安価で簡便な構造の試料昇降装置115を実現することができる。
[実施例4]
図11に、試料昇降装置115の他の構成例を示す。本実施例の場合、昇降機構2は、試料固定ステージ113の重心30を内包する三角形35の頂点位置に配置されており、3つの昇降機構2の減速機構の移動方向32のうち少なくとも一つは他の昇降機構2の減速機構の移動方向32と異なっている(交差している)。なお、いずれの昇降機構2も図3及び図4に示す楔方式の減速機構を有している。
図11では、1つの昇降機構2の減速機構の移動方向32を、他の2つの昇降機構2の減速機構の移動方向32と直交するように配置している。三角形35の内側に重心30がある場合、試料固定ステージ113は3つの昇降機構2により規定される平面により安定的に支持される。
三角形35の重心と試料固定ステージ113の重心30とが一致する場合が最も安定する。三角形35が正三角形になる場合は実施例1で説明した配置条件と同じになる。さらに、3つの昇降機構2の減速機構の移動方向32が互いの交差するように配置することで、重心30の位置が理想的でない場合でも、方向依存性の少ない回転剛性を有する試料昇降装置115を実現することができる。
前述したように、XY平面ステージ114には、多くの場合、試料搬送機構4その他の様々な機構が搭載される。このため、試料昇降装置115とこれら機構との干渉を回避することは、実用上、大変重要である。また、XY平面ステージ114の構成上の制約のため、試料昇降装置115を構成する昇降機構2が常に力学的にバランスした理想的な位置に配置できるとは限らない。しかし、このような制約条件がある場合でも、本実施例のように減速機構の移動方向32が揃わないように昇降機構2を配置することで、前述した各実施例と同様の効果を得ることができる。
[実施例5]
図12を用いて、試料昇降装置115の他の構成例を説明する。前述までの実施例では、試料昇降装置115は3つの昇降機構2によって構成されていた。本実施例では、試料昇降装置115が2つの昇降機構2で構成される場合について説明する。本実施例の場合、試料固定ステージ113の重心30は、2つの昇降機構2を結ぶ直線上に配置される。理想的には、試料固定ステージ113の重心30を、2つの昇降機構2の配置位置を端点とする線分の中点に配置する。
その理由は、試料固定ステージ113の重心30が2つの昇降機構2を結ぶ直線上からずれている場合、直線と重心30との距離(重心30から直線への長さの最小値)に比例した回転力が発生し、試料昇降装置115としての剛性を損ない易くなるからである。また、前述したように、試料固定ステージ113が自重による変形を無視できる場合、重心30からの距離が小さいほど昇降機構2が担う剛性を小さくすることができるからである。従って、本実施例の構成は、試料昇降装置115の軽量化と剛性の確保の両立に効果的である。
図13A〜図13Cを用いて、本実施例における2つの昇降機構2の配置例を説明する。図13Aは、昇降機構2の減速機構の移動方向32が互いに対向するように配置する場合の例である。例えば試料固定ステージ113を降下させる場合、2つの昇降機構2の中楔機構13はいずれも重心30に向かって移動する(逆向きに移動する)。一方、試料固定ステージ113を上昇させる場合、2つの昇降機構2の中楔機構13はいずれも重心30から離れる方向に移動する(逆向きに移動する)。
2つの昇降機構2を同期して駆動制御する場合、2つの昇降機構2の減速機構の移動方向が対向するように配置することで、昇降動作に伴って発生する加振力が互いに相殺されることになり、振動し難い試料昇降装置115を実現することができる。
本実施例の昇降機構2は、中楔機構13の水平移動を上下方向の移動に変換することで昇降動作を行う機構であるため、昇降動作のために中楔機構113を移動させると、減速機構の移動方向32に加速度が生じることとなる。この加速度は、試料昇降装置115の加振源となることがあり、試料昇降装置115の動作中も観察が必要な場合などでは、画像を乱すなどの問題を発生させる。しかし、図13Aに示す配置構成であれば、2つの昇降機構2を同期駆動する場合でも互いの加振力が相殺され、振動の少ない動作を実現することができる。
図13Bは、2つの昇降機構2の減速機構の移動方向32が互いに逆向きで平行となるように配置する場合の例である。例えば試料固定ステージ113を降下させる場合、左側の昇降機構2の中楔機構13をY軸の正の方向に移動させる一方、右側の昇降機構2の中楔機構13をY軸の負の方向に移動させる。また、試料固定ステージ113を上昇させる場合、左側の昇降機構2の中楔機構13をY軸の負の方向に移動させる一方、右側の昇降機構2の中楔機構13をY軸の正の方向に移動させる。この場合も、減速機構の移動方向32は互いに対向することになるので、昇降動作に伴う振動を低減する効果を得ることができる。
図13Bに示す配置例の場合には、次のような効果も期待される。前述したように、昇降機構2で用いる減速機構の減速比は、中楔機構13の移動量と上楔機構14の昇降量との比で決定される。また、減速比を大きくとることにより、昇降方向の剛性を大きくすることができる。一方で、減速比を大きくとると、中楔機構13の移動量が大きくなり、昇降機構2は、減速機構の移動方向として長い距離を必要とする。ところが、図13Aの配置例では、昇降機構2を配置できる空間が限られてしまう。一方、図13Bの配置例では、図13Aの場合のような制約がないため、設置スペースを有効に活用することが可能となり、よりコンパクトな試料昇降装置115を実現することができる。
図13Cは、昇降機構2の減速機構の移動方向32が互いに直交するように配置する場合の例である。昇降機構2は、楔方式の減速機構を用いているため、基本的に剛性が高い昇降機構であるが、厳密には中楔機構13の移動方向とこれに直交する方向の剛性は異なる。しかしながら、図13Cに示す配置を採用すれば、例えば試料固定ステージ113の重心30を通過する軸34D及び34Eの周りの回転剛性の和は、2つの昇降機構2が互いに直交しているために同じとなり、剛性の方向依存性の小さい試料昇降装置115を実現することができる。
図14を用いて、2つの昇降機構2で構成される試料昇降装置115の制御方式を説明する。本実施例の試料昇降装置115では、移動量(昇降量)を読み取る測定装置(リニアスケール21とリニアスケールヘッド22)を昇降機構2Gのみに搭載し、昇降機構2Hには同装置を搭載しない場合について説明する。このため、同期制御部40Bは、昇降機構2Gの直動式超音波モータ17と、昇降機構2Hの直動式超音波モータ17と、昇降機構2Gのリニアスケールヘッド22とに信号線を通じて接続されている。
同期制御部40Bは、前述した実施例と同様、制御装置41A、モータドライバ42等の制御機器で構成されている。また、同期制御部40Bには、昇降機構2G、2Hの機差を吸収するための制御パラメータ43G、43Hを設定する機能も設けられている。前述した実施例と同様、ここでの制御パラメータ43G、43Hも予め測定された静的な値でもよいし、動作中に補正する動的な値でもよい。制御装置41Aは、上位システム(例えば制御部111)に接続されており、上位システムからの指令に基づいて試料昇降装置115を制御する。もっとも、制御装置41Aが単独で試料昇降装置115の昇降動作を制御してもよい。
本実施例の同期制御部40Bも、実施例3の場合と同様に、昇降機構2Gを特定の動作条件で駆動制御し、昇降機構2Gから読み取った移動量(昇降量)を基準として、他の昇降機構2Hの昇降量を制御する。これにより、昇降機構2Gと昇降機構2Hの昇降量を同期させることができる。すなわち、昇降機構2G及び2Hを精度よく昇降することができる試料昇降装置115を実現することができる。本実施例の場合も、昇降機構2G及び2Hの両方に、移動量(昇降量)を読み取る測定装置(リニアスケール21とリニアスケールヘッド22)を搭載してもよい。その場合は、実施例1で説明した制御方式と同様に制御が可能となる。
[実施例6]
図15に、試料昇降装置115の他の構成例を示す。本実施例では、駆動装置を持たない垂直案内機構55と、2つの昇降機構2を組み合わせた試料昇降装置115について説明する。垂直案内機構55は、試料固定ステージ113を垂直方向に案内する(水平方向の移動を規制する)部材である。例えば垂直案内機構55は、垂直案内機構15と同じ構造を有している。なお、垂直案内機構55は、2つの昇降機構2による試料固定ステージ113の昇降に追従できるようにばね構造を内蔵していてもよい。この場合、ばねによる支持力は、例えば試料固定ステージ113及び試料108の荷重と釣り合うように設定する。
図16に、本実施例における2つの昇降機構2と垂直案内機構55の配置位置と駆動入力の方向との関係を示す。本実施例では、試料固定ステージ113の重心30が、2つの昇降機構2と垂直案内機構55を頂点とする三角形35Aの内側に位置すると共に、2つの昇降機構2の減速機構の移動方向32が互いに直交している。
この場合も、前述した実施例と同様、2つの昇降機構2と垂直案内機構55の配置位置と、2つの昇降機構2を構成する減速機構の移動方向32について様々な組み合わせが考えられる。図17A〜図17Eに、様々な組み合わせの例を示す。なお、いずれの組み合わせであっても、前述した実施例と同等程度の効果を得ることができる。図17A〜図17Eでは、2つの昇降機構2と垂直案内機構55を、試料固定ステージ113の重心30を中心とする同一の円上であって、試料固定ステージ113の重心30を内包する三角形の頂点位置に配置している。
図17Aは、2つの昇降機構2を構成する減速機構の移動方向32が、試料固定ステージ113の重心30で交差する配置例である。図17Bは、2つの昇降機構2を構成する減速機構の移動方向32が、試料固定ステージ113の重心30を中心とする同一の円の接線方向となる配置例である。これらの配置例は、実施例1で説明したように、回転剛性の方向依存性を小さくすることができる。
図17Cは、昇降機構2を構成する減速機構の移動方向32が互いに対向する配置例である。図17Dは、昇降機構2を構成する減速機構の移動方向32が逆向き、かつ、平行になる配置例である。図17Eは、昇降機構2を構成する減速機構の移動方向32が互いに直交する配置例である。
いずれの場合も、2つの昇降機構2は、試料固定ステージ113の重心30を通過する直線上に位置する必要はない。図17A〜図17Eの配置の採用により、実施例5で説明したように、互いに加振力を相殺することができ、振動の少ない試料昇降装置115や剛性の方向依存性の小さい試料昇降装置115を実現することができる。
図18に、本実施例に係る試料昇降装置115の制御方式を示す。本実施例の場合も、2つの昇降機構2G及び2Hのうち一方の昇降機構2Gにのみ移動量(昇降量)を読み取る測定装置(リニアスケール21とリニアスケールヘッド22)を設けている。従って、昇降機構2Hと垂直案内機構55には移動量(昇降量)を読み取る機能は設けられていない。なお、リニアスケール21とリニアスケールヘッド22は、2つの昇降機構2G及び2H並びに垂直案内機構55のうちの少なくとも1つに設けてもよいし、2つの昇降機構2G及び2H並びに垂直案内機構55の全てに設けてもよい。
昇降機構2G及び2H並びに垂直案内機構55のうちの1つにのみリニアスケール21とリニアスケールヘッド22を設ける場合、実施例3で説明したように、リニアスケールヘッド22による移動量(昇降量)の測定値を基準として、他の機構(すなわち、別の昇降機構又は2つの昇降機構)の移動量(昇降量)を、同期制御部40が同期制御する。これにより、試料固定ステージ113に搭載された試料108に負荷を与えることなく、再現性のよい昇降動作を実現できる。
2つの昇降機構2G及び2Hの全てに、リニアスケール21とリニアスケールヘッド22を設ける場合は、実施例1で説明した同期制御方式を採用することにより、試料固定ステージ113に搭載された試料108に負荷を与えることなく、再現性のよい昇降動作を実現できる。かくして、より安価に剛性が高く、かつ、精度のよい試料昇降装置115を実現することができる。
[他の実施例]
本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば前述の実施例では、昇降機構として、図3及び図4に示すような楔方式の昇降機構2を前提に説明した。これは、楔方式の昇降機構2は、高い剛性が期待されるためである。しかし、本発明は、楔方式以外の減衰機構を採用する昇降機構によっても実現することができる。例えばヘリコイドねじ式(円筒カム機構を使用する方式)の昇降機構を用いてもよい。因みに、ヘリコイドねじ式の昇降機構の場合、駆動力の入力方向は回転軸周りの回転であり、昇降機構の出力方向は上下方向となる。螺旋状に形成するガイド溝の傾斜角に応じて減速比を調整することができる。また、複数の昇降機構2のそれぞれに対する駆動入力の回転方向を揃えないようにすることで、剛性の方向性についても低減が可能である。
また、前述の実施例では、リニアスケール21及びリニアスケールヘッド22によって、中楔機構13の移動量(水平方向)を測定しているが、上楔機構14の移動量(上下方向)を測定してもよい。
また、前述の実施例では、試料昇降装置は、各実施例で説明した全ての構成を備える必要はない。また、ある実施例の一部を他の実施例の構成に置き換えることもできる。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることもできる。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。さらに、前述の実施例では、電子顕微鏡装置に搭載して好適な試料昇降装置について説明したが、前述の実施例で説明した試料昇降装置は、FIB(Focused Ion Beam)装置のような加工装置に搭載してもよい。さらに、前述の実施例で説明した試料昇降装置は、荷電粒子線を使用しない各種の工作機械の分野にも応用することができる。
1…ベースプレート、2…昇降機構、3…支持部材、4…試料搬送機構、12…水平移動機構、13…中楔機構、14…上楔機構、15…垂直案内機構、16A、16B、16C…案内機構、17…直動式超音波モータ、18…摩擦プレート、20…送りボルト、21…リニアスケール、22…リニアスケールヘッド、23…くさび傾斜角、24、25…ボールねじ部、30…重心、31A、31B…円、32…楔減速機の移動方向、33…延長線、34…任意の軸、35…三角形、40…同期制御部、41…制御装置、42…モータドライバ、43…制御パラメータ、51…回転式超音波モータ、52…カップリング、53…ねじ軸、54…ベアリングハウス、55…垂直案内機構、100…電子顕微鏡装置、101…電子光学装置、102…試料チャンバ、103…真空排気装置、104…電子線源、105…電子線、106…電磁レンズ、107…偏向電極、108…試料、109…2次電子、110…2次電子検出器、111…制御部、112…真空排気装置、113…試料固定ステージ、114…XY平面ステージ、115…試料昇降装置、116…バーミラー、117…レーザー測長計、118…駆動装置、120…ワーキングディスタンス。

Claims (15)

  1. 荷電粒子線を発生して試料に照射する荷電粒子源と、
    前記荷電粒子線の照射により試料から発生される信号を検出する検出装置と、
    前記試料を観察位置に移動させる水平移動機構と、
    前記水平移動機構上に配置される試料昇降装置と、
    前記荷電粒子源、前記検出装置、前記水平移動機構及び前記試料昇降装置を内包し、内部空間を減圧環境に維持するチャンバと、を有し、
    前記試料昇降装置は、
    前記試料が固定される試料台を昇降させる第1及び第2の昇降機構と、
    前記第1及び第2の昇降機構を個別に昇降駆動させる第1及び第2の駆動装置と、
    前記第1及び第2の駆動装置による前記第1及び第2の昇降機構の昇降動作を第1及び第2の制御信号により同期させる制御部とを有し、
    前記第1の昇降機構は、前記第1の駆動装置から与えられる水平方向の第1の駆動入力を、垂直方向に減速した第1の駆動出力を発生させる第1の減速機構を有し、
    前記第2の昇降機構は、前記第2の駆動装置から与えられる水平方向の第2の駆動入力を、垂直方向に減速した第2の駆動出力を発生させる第2の減速機構を有し、
    前記第1及び第2の昇降機構は、前記試料台の重心を中心とする円上において、互いに異なる位置に配置され、
    前記第1及び第2の駆動入力の向きは互いに異な
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  2. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料昇降装置は、前記第1及び第2の昇降機構の昇降駆動による前記試料台の移動方向を垂直方向に制限する案内機構を更に有する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  3. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記第1及び第2の減速機構は、楔方式を用いた減速機構である
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  4. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料昇降装置は、前記第1及び第2の昇降機構と共に前記試料台を昇降する第3の昇降機構を更に有し、
    前記第3の昇降機構を個別に昇降駆動させる第3の駆動装置と、
    前記第3の駆動装置による前記第3の昇降機構の昇降動作を第3の制御信号により同期させる制御部とを有し、
    前記第3の昇降機構は、前記第3の駆動装置から与えられる第3の駆動入力を、当該入力方向とは異なる方向に減速した第3の駆動出力を発生させる第3の減速機構を有し、
    前記第1乃至第3の駆動入力の向きは互いに異なり、かつ同一直線上ではない
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  5. 請求項4に記載の荷電粒子線装置において、
    前記第1乃至第3の昇降機構が配置される位置を通る仮想円を定めた場合、前記第1乃至第3の駆動入力の向きが交差するいずれかの箇所は、前記仮想円の外側である
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  6. 請求項2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記第1及び第2の昇降機構並びに前記案内機構が配置される位置を通る仮想円を定めた場合、前記第1及び第2の駆動入力の向きが交差する箇所は、前記仮想円の外側である ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  7. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料昇降装置は、前記第1及び第2の昇降機構と共に前記試料台を昇降する第3の昇降機構を更に有し、
    前記試料台の重心位置が、前記第1、第2及び第3の昇降機構の配置位置を頂点とする三角形の内側に位置する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  8. 請求項2に記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料台の重心位置が、前記第1及び第2の昇降機構並びに前記案内機構の配置位置を頂点とする三角形の内側に位置する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  9. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記試料台の重心が、前記第1及び第2の昇降機構の配置位置を通る直線上に位置する ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  10. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記第1の昇降機構は、前記駆動入力の方向への移動量又は前記駆動出力の方向への移動量を測定する第1の測定装置を更に有し、
    前記第2の昇降機構は、前記駆動入力の方向への移動量又は前記駆動出力の方向への移動量を測定する第2の測定装置を更に有し、
    前記制御部は、前記第1の測定装置の測定結果と前記第2の測定装置の測定結果を比較して、前記第1及び第2の昇降機構の昇降動作を制御する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  11. 請求項1に記載の荷電粒子線装置において、
    前記第1及び第2の昇降機構のうちいずれか一方は、前記駆動入力の方向への移動量又は前記駆動出力の方向への移動量を測定する測定装置を更に有し、
    前記制御部は、前記測定装置の測定結果を基準として、前記測定装置が設けられていない他方の昇降機構の昇降動作を制御する
    ことを特徴とする荷電粒子線装置。
  12. 水平移動機構上に配置される試料昇降装置であって、
    試料が固定される試料台を昇降させる第1及び第2の昇降機構と、
    前記第1及び第2の昇降機構を個別に昇降駆動させる第1及び第2の駆動装置と、
    前記第1及び第2の駆動装置による前記第1及び第2の昇降機構の昇降動作を第1及び第2の制御信号により同期させる制御部と
    を有し、
    前記第1の昇降機構は、前記第1の駆動装置から与えられる水平方向の第1の駆動入力を、垂直方向に減速した第1の駆動出力を発生させる第1の減速機構を有し、
    前記第2の昇降機構は、前記第2の駆動装置から与えられる水平方向の第2の駆動入力を、垂直方向に減速した第2の駆動出力を発生させる第2の減速機構を有し、
    前記第1及び第2の昇降機構は、前記試料台の重心を中心とする円上において、互いに異なる位置に配置され、
    前記第1及び第2の駆動入力の向きは互いに異な
    ことを特徴とする試料昇降装置。
  13. 請求項12に記載の試料昇降装置において、
    前記第1及び第2の昇降機構の昇降駆動による前記試料台の移動方向を垂直方向に制限する案内機構を更に有する
    ことを特徴とする試料昇降装置。
  14. 請求項12に記載の試料昇降装置において、
    前記第1及び第2の昇降機構と共に前記試料台を昇降する第3の昇降機構を更に有する ことを特徴とする試料昇降装置。
  15. 請求項12に記載の試料昇降装置において、
    前記第1及び第2の昇降機構のいずれか一方又は両方が、駆動入力の方向への移動量又は駆動出力の方向への移動量を測定する測定装置を更に有し、
    前記制御部は、前記測定装置の測定結果に基づいて前記第1及び第2の昇降機構の昇降動作を制御する
    ことを特徴とする試料昇降装置。
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