JP6538660B2 - オーバーラッププライマー及び融解プローブを用いた一塩基多型の検出 - Google Patents

オーバーラッププライマー及び融解プローブを用いた一塩基多型の検出 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく診断分野に関するものであって、より具体的には、一塩基多型(SNP)を有する標的核酸中の配列多様性の増幅及び検出方法に関する。
発明の背景
蛍光標識された融解(melting)プローブを用いたPCRによるSNPの検出は、以前記載されている(例えば、Huang et al.,2011,PLoS ONE 6(4)e19206、Luo et al.,2011,J.Clin.Microbiol.,49(9)3132−3138、を参照)。従来の融解は、SNPを有しない、及び、SNPを有さない標的を用いた蛍光標識プローブのPCR後の融解温度を解析することにより機能する。うまく設計された融解プローブはSNPが存在しない場合、最も高い融解温度(Tm)を生じ、プローブ結合領域で発生する任意の塩基対の変化が、融解温度の変化(減少)を引き起こす。融解温度のシフトは、野生型(WT)及び変異体(MT)標的の識別に使用することができる。
残念ながら、不均一性がある配列の近傍の非保存遺伝子領域に位置する対象のいくつかのSNPは、プローブ融解温度の不要なシフトを引き起こす。これが、野生型配列と、目的の関連するSNPのサイレント変異との区別を困難にする。微生物の薬剤耐性に関連するSNPは、野生型サイレント変異の近接に含まれる遺伝子領域に薬物耐性を付与する特異的なSNPが位置するいくつかの例である。このような場合には、対象のSNP周辺のプローブ結合領域内の任意のサイレント変異(単数又は複数)は、プローブの融解温度のシフトを生成し、偽陽性をもたらす可能性がある。従って、標的核酸中の目的のSNPのみを検出するための、より正確かつ効果的な方法が必要とされる。本発明の実施形態は、配列不均一の既存の問題を解決し、うまく設計された融解プローブが近傍のサイレント変異の干渉することなく対象のSNPのみを検出することを可能とする。
本発明の実施形態は、生物学的又は非生物学的サンプル中の標的核酸中のSNPの存在又は非存在を迅速に検出するための方法及びキットにも関するものであって、例えば、単一試験管において、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応によって、1以上のSNPを検出する。
一実施形態では、サンプル中の標的核酸内のSNPを検出する方法が提供される。SNPを検出する方法は、サンプルと、任意の標的核酸がサンプル中に存在する場合に増幅産物を生成する第1野生型核酸配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーとを接触させることを含む増幅工程を実行する工程;増幅産物と、事前定義された融解温度を有する第2野生型核酸配列を有するオリゴヌクレオチド融解プローブとを接触させることを含むハイブリダイズする工程の実施であって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの第2野生型核酸配列は、オリゴヌクレオチドプライマーの第1野生型核酸配列とオーバーラップしており、SNPが存在する標的核酸の領域上で1以上のヌクレオチドにて一端部において突出している;増幅産物におけるSNPの存在又は非存在を検出する工程であって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが、サンプル中にSNPが存在する指標であって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが存在しないことが、サンプル中にSNPが存在しない指標である、ことを含んでいる。
別の実施形態では、サンプル中の標的核酸内のSNPを検出する別の方法が提供される。SNPを検出する別の方法は、サンプルと、任意の標的核酸がサンプル中に存在する場合に増幅産物を生成する野生型核酸配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーとを接触させることを含む増幅工程を実行する工程;増幅産物と、事前定義された融解温度を有するSNP特異的核酸配列を有するオリゴヌクレオチド融解プローブとを接触させることを含むハイブリダイズ工程であって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの該SNP特異的核酸配列が、オリゴヌクレオチドプライマーの野生型核酸配列とオーバーラップしており、SNPが存在する標的核酸の領域上で1以上のヌクレオチドにて一端部において突出している;及び、増幅産物におけるSNPの存在又は非存在を検出する工程であって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが、サンプル中にSNPが存在しない指標であって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトの非存在が、サンプル中にSNPが存在する指標である、ことを含んでいる。
さらに別の実施形態では、サンプル中の標的核酸のSNPを検出するためのオリゴヌクレオチドプライマー及びプローブセットが提供される。プライマー及びプローブセットは、SNPを検出するために提供され得るキットに含めることができる。キットは、以下:任意の標的核酸がサンプル中に存在する場合に増幅産物を生成する第1の野生型核酸配列を有するオリゴヌクレオチドプライマー;事前定義された融解温度を有する第2の野生型核酸配列を有するオリゴヌクレオチド融解プローブであって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの第2の野生型核酸配列は、オリゴヌクレオチドプライマーの第1の野生型核酸配列とオーバーラップし、SNPが存在する標的核酸の領域上で1以上のヌクレオチドにて一端部において突出している;を含むものであって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが、サンプル中にSNPが存在する場合の指標であって、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが存在しないことが、サンプル中にSNPが存在しない指標であることによって、増幅産物におけるSNPの存在又は非存在を検出する。別の実施形態では、サンプル中の標的核酸におけるSNPを検出するための代替的なオリゴヌクレオチドプライマー及びプローブセットが提供される。代替的なオリゴヌクレオチドプライマー及びプローブセットは、SNPを検出するために提供され得るキットに含めることができる。キットは、任意の標的核酸がサンプル中に存在する場合に増幅産物を生成する野生型核酸配列を有するオリゴヌクレオチドプライマーと、事前定義された融解温度を有するSNP特異的な核酸配列を有するオリゴヌクレオチド融解プローブとを含むことができ、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブのSNP特異的核酸配列は、オリゴヌクレオチドプライマーの第1の野生型核酸とオーバーラップし、SNPが存在する標的核酸の領域上で1以上のヌクレオチドにて一端部において突出しており、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが、サンプル中にSNPが存在しない場合の指標であって、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが存在しないことが、サンプル中にSNPが存在する指標であるということによって、増幅産物におけるSNPの存在又は非存在が検出される。キットはまた、核酸ポリメラーゼの機能に必要なヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、及び緩衝剤を含むことができる。キットはまた、サンプル中のSNPの存在又は非存在を検出するためのプライマー、プローブ、及び蛍光成分を使用するための添付文書や説明書を含むことができる。
いくつかの実施形態では、方法及びキットは、ドナー及び対応するアクセプター蛍光成分で既に標識されたプローブを含むことができ、又はプローブを標識するための蛍光成分を含むことができる。これらの実施形態のいくつかにおいて、オリゴヌクレオチド(プライマー及び/又はプローブ)は、40以下のヌクレオチド(例えば、30以下のヌクレオチド、25以下のヌクレオチド、20以下のヌクレオチド、など)を有する。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、長さが8〜40(例えば、8〜30、8〜25、8〜20、等)ヌクレオチドである。特定の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、長さが12〜40(例えば12〜30、12〜25、12〜20)ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、例えば、非修飾ヌクレオチドに比べて核酸ハイブリダイゼーションの安定性を変更するために、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも一つの保存的に修飾されたバリエーションを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド融解プローブは、二次構造の形成を許容する核酸配列を含んでもよい。オリゴヌクレオチド融解プローブは、5’末端部において蛍光成分で標識することができ、未結合の融解プローブの蛍光を消光するために、3’末端において、対応するアクセプター成分で標識することができる。オリゴヌクレオチド融解プローブの核酸配列は、オリゴヌクレオチドプローブがその標的にハイブリダイズされていない限り、蛍光消光を可能にするランダムコイル状の立体構造を提供しうる。このような二次構造の形成は、一般的には、第1(例えば、フルオロフォア)及び第2(例えば、クエンチャー(quencher))蛍光成分との間の空間的な接近をもたらす。例えば、ハイブリダイズしていないオリゴヌクレオチド融解プローブは、消光又は弱く蛍光し得るが、その標的とハイブリダイズした場合は、オリゴヌクレオチド融解プローブが強く蛍光し得る。その標的から変性後は、オリゴヌクレオチド融解プローブは、消光又は弱蛍光状態に戻ることが可能である。したがって、融解プローブ−標的複合体の蛍光強度は、標的依存的に、温度が上昇すると減少し、融解ピークに由来する各標的に対する異なった融解温度値を生じる。いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド融解プローブの核酸配列は、SNPのヌクレオチド変異を区別するSNPヌクレオチドのバリエーションに応じて、事前定義された融解温度を複数含んでいる。いくつかの実施形態において、標的核酸は、オリゴヌクレオチドプライマーが標的核酸にハイブリダイズする場所に位置する1以上の変異を有する非保存領域を含んでいる。いくつかの実施形態において、増幅工程は、第2のオリゴヌクレオチドプライマーの存在下で実施される。
別段の定義がない限り、本明細書中で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者によって理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似又は同等の方法及び材料を、本発明の実践又は試験において用いることができるが、好適な方法及び材料を以下に記載する。さらに、材料、方法、及び実施例は単なる例示であり、限定することを意図するものではない。本発明の1以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。発明の他の特徴、目的及び利点は、図面及び詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
図1は、配列不均一性を有する非保存遺伝子領域に位置するSNPを有する多様な野生型集団において検出された代表的なSNPの概略図を示す。 図2は、SNPを検出するための典型的なプライマー及びプローブ設計の概略図を示し、検出されるSNPの前の1塩基対を開始するために、PCRを「プライム」するプライマー配列と、プライマーと同一の配列を有し、SNPの位置をカバーする、11塩基対拡張したオーバーラッピング融解プローブとを有している。 図3は、SNPを検出するためのオーバーラッピングプライマー及びプローブ設計を利用する典型的なPCR反応の概略図を示す。 図4は、SNPを検出するためのオーバーラッピングプライマー及びプローブ設計を利用するPCR反応産物の典型的な融解曲線解析の概略図を示す。 図5は、従来の融解曲線分析を示す。 図6は、実施形態における、オーバーラッピングプライマー及びプローブ設計を利用した融解曲線分析を示し、ここで、プローブが野生型配列を含む。 図7は、実施形態における、オーバーラッピングプライマー及びプローブ設計を利用した融解曲線分析を示し、ここで、プローブはSNP特異的な配列を含む。
発明の詳細な説明
核酸増幅によるサンプル中の標的核酸内の1以上のSNPの検出は、SNPの迅速かつ正確な検出方法を提供する。サンプル中の標的核酸内のSNPを検出するためのリアルタイムアッセイは、SNPを検出するためのオリゴヌクレオチドプライマー及びプローブセットとして本明細書中に記載されている。他の方法と比較してSNPを検出するためのリアルタイムPCRの感受性の増大、並びに、サンプルの封じ込め(containment)及び増幅産物のリアルタイム検出を含むリアルタイムPCRの特徴の改善が、臨床検査室における日常的な診断及びSNP検出に関するこの技術の実施を実現可能とする。
本発明の実施形態は、例えば、様々な野生型集団内における、一つの特異的なSNPの検出を可能とする(図1)。実施形態は、オーバーラッピングオリゴヌクレオチドプライマー及びプローブ設計(積層(stacked)オリゴヌクレオチドプライマー及びプローブとも称する)を使用したSNPの検出方法を含み、ここで、オリゴヌクレオチドプライマーとオリゴヌクレオチド融解プローブの配列が、非保存遺伝子領域に位置し、サイレント変異付近に含まれる対象となるSNPを検出するために互いにオーバーラップしている。プライマー配列(フォワード及びリバース)は、検出されるSNPの前の1つ以上の塩基対を開始するためのPCRを「プライム」するように設計することができ、オーバーラッピング融解プローブは、プライマーと同一の配列を有するが、標的核酸のSNP位置をカバーして拡張するように1塩基対以上長く設計され得る(図2)。標的核酸上のプライマー領域下の配列多様性に関わらず、プライマーは、PCR反応を「プライム」するために十分に寛容で堅牢であるように設計され得る。適切なプライマーの設計は、ミスマッチを有する(配列多様性)プライマーの結合能力を改善する修飾塩基(安定化剤(stabilizers))を含んでもよい。このように、プライマーがハイブリダイズする領域の標的核酸の最初の多様性にも関わらず、PCR増幅産物はすべて産生されたアンプリコンに組み込まれた同一のプライマー配列を有する(図3)。プライマー及びプローブ配列は、プローブが完全にプライマーと重複するように設計することができ、プローブは、標的又はアンプリコン上で検出される対象のSNPをカバーするように少なくとも1塩基拡張するように設計することができる(例えば、いくつかの実施形態において、プローブの3’末端は少なくとも1塩基プライマーの3’末端から拡張し、一方、他の実施形態において、プローブの5’末端は少なくとも1塩基プライマーの5’末端より拡張している)。このように、対象ではなく、標的の対象のSNPの近くに存在し得る任意の他のSNPは、プライマー伸長(アンプリコン)にはサイレンシングであり、プローブの融解温度に影響を与えない。あるいは、プライマー及びプローブ配列は、プローブとオーバーラップするプライマー配列の一部が、対象ではない任意のSNPをカバーし、検出する対象のSNPの近傍に存在する限り、プローブ配列は、プライマー配列を完全とオーバーラップしないように設計することができる。例えば、プローブ配列とプライマー配列との最小限のオーバーラップは、少なくとも70%〜少なくとも90%であってもよく、特定の実施形態においては、少なくとも80%又は少なくとも85%又は少なくとも90%である。オーバーラッピングオリゴヌクレオチドプライマー及びプローブを用いたPCR産物の融解分析は、増幅産物におけるSNPの存在又は非存在の検出を可能とし、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが、サンプル中のSNPの存在の指標である(図4)。
方法は、1以上のプライマー又は1対以上のプライマーを用い、サンプル中の、例えば、検出する対象のSNPを含む遺伝子標的等の標的核酸分子の1以上の部分を増幅する、少なくとも1つのサイクル工程を実施することを含んでもよい。本明細書で使用される用語「プライマー」、「プライマー(複数)」、及び「プライマー対」は、標的核酸配列の領域に特異的にアニールし、適切な条件下にて、そこから合成を開始するオリゴヌクレオチドプライマー(単数又は複数)をいう。各論じたプライマーは、各増幅産物の少なくとも一部が、それぞれの標的及びSNP(存在する場合)に対応する核酸配列を含むように、標的核酸及び、標的核酸分子中にて検出対象となるSNP近傍へアニールするように設計することができる。プライマーは、対象のSNPの近傍、例えば、隣、近傍、わずかに上流、又はわずかに下流、例えば、1、2、3又はそれ以上のヌクレオチド付近に、アニールするように設計することができる。したがって、サンプルと、第1の野生型核酸配列を有するプライマーとを接触させると、任意の標的核酸がサンプル中に存在する場合、対象のSNPが標的核酸分子中に存在するか否かにかかわらず、増幅産物を生成することができる。本明細書において、用語「野生型核酸配列」における「野生型」とは、分析されるべき標的核酸の配列に対して決定される。
方法は、増幅産物と、第2野生型核酸配列を有する融解プローブとを接触させることを含むハイブリダイズ工程を含むものであって、ここで、融解プローブの第2野生型核酸配列の配列が、プライマーの第1野生型核酸配列とオーバーラップし(同じであり)、SNPが存在する場所の標的核酸の領域上で、1以上のヌクレオチドにて一端部において突出している。いくつかの実施形態では、プローブの核酸配列は、SNPが存在する標的核酸の領域上で1以上のヌクレオチドが、その3’末端で突出している。他の実施形態では、プローブの核酸配列は、SNPが存在する標的核酸の領域上で1以上のヌクレオチドにてその5’末端において突出している。アッセイのために選択された設計に応じて、融解プローブは、1以上の事前定義された融解温度プロファイルを含み、例えば、融解し、完全にマッチした野生型核酸標的にハイブリダイズしない融解プローブの第1の事前定義された温度を含む。したがって、融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが観察されると、野生型の融解プローブと核酸標的中配列がミスマッチすることを示すことができ、すなわち、サンプル中の標的核酸中にSNPが存在することを示す。これは、野生型の融解プローブの配列と、標的のSNPがミスマッチした結果、融解プローブとSNPを有さない野生型配列とが完全に一致したものと比較して、融解プローブの融解温度が低くなるためである。融解プローブの融解温度プロファイルは、例えば、野生型配列を有する融解プローブが核酸標的中の既知のSNPから融解する融解温度を含んでおり、第2の事前定義された融解温度が観測される場合、SNPの存在を判定するだけでなく、SNPの同一性が核酸標的に対してSNPの様々な可能性を判別することができる。このように、特定に標的に対し、種々の可能なSNPヌクレオチド変異の同一性に依存して、複数の事前定義された融解温度が、事前定義され又は標準化されることができ、それにより、SNPのヌクレオチド変異を区別する(例えば、図6参照)。融解温度は、プローブ領域の単一の位置において、各特異的塩基対変化(dA、dT、dC、又はdG)の実験から確立することが可能である。
あるいは、融解プローブは、検出する既知のSNPに対するSNP特異的配列を含むことができる。このような場合には、ある事前定義された融解温度プロファイルは、核酸標的を含む完全に一致したSNPからSNP特異的な融解プローブが融解する第1の事前定義された温度を含むことができ、従って、事前定義された融解温度が観察されると、標的核酸配列中に特異的なSNPが存在することを示すことができる。なぜなら、標的核酸配列を含むSNPを有する完全に一致したSNP特異的融解プローブは、融解温度の低下シフトをもたらさないためである。また、このような場合に、SNP特異的融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトは、SNP特異的融解プローブと核酸標的のミスマッチを示すことが可能となり、例えば、サンプル中に、SNPが存在せず、野生型核酸が存在する、又は、異なるSNPが存在することを示す。標的核酸分子が、検出の対象となる複数のSNPを有することが知られている場合、上記説明したように、複数の融解プローブが設計されることができ、それぞれが、野生型配列、又は、対象となる複数のSNPを検出し、特徴づけるためのSNP特徴的配列を有している。
増幅産物の存在することは、サンプル中に標的核酸が存在することを示す。融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトの存在又は非存在は、サンプル中の標的核酸標的にSNPが存在する又は存在しないことを示す指標である。標的核酸が、検出する対象のSNPを含むか否かによって、本発明の方法による生成した増幅産物は、上述のアッセイデザインに応じた野生型又はSNP特異的配列のいずれかを含むように設計することができる検出可能な融解温度プローブに相補的な標的核酸配列を含むことになる。各サイクル工程は、増幅工程、ハイブリダイゼーション工程、及び、サンプルにサンプル中の標的核酸配列中の対象のSNPの有無を検出する1以上の検出可能な融解プローブを接触させる検出工程、を含む。
SNP検出方法の実施形態は、単一PCRチューブにおいて、野生型標的核酸とSNP含有標的核酸とを検出し、区別することが可能である。本明細書中で説明する方法は、野生型及び標的核酸配列を含有するSNPの両方を同時に検出するように設計され、単一のPCR反応でそれらを区別することが可能である。
本明細書で使用される、用語「増幅する」は、鋳型核酸分子(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)又は結核菌(MTB)、又は、C型肝炎ウイルス(HCV))の片方又は両方の鎖に相補的な核酸分子を合成するプロセスを指す。核酸分子の増幅は、典型的には、鋳型核酸を変性すること(denaturing)、プライマーの融解温度より低い温度で鋳型核酸にプライマーをアニーリングすること(annealing)、及び、増幅産物を生成するためにプライマーから酵素的に伸長すること(elongating)、を含む。増幅は、典型的には、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例えば、Platinum(登録商標)Taq)及び、ポリメラーゼ酵素の最適活性に必要な適切な緩衝液及び/又はコファクター(例えば、MgCl及び/又はKCl)の存在を必要とする。
用語「プライマー」は本明細書中において、当業者に知られているものとして使用されるものであって、鋳型依存性DNAポリメラーゼによってDNA合成を「プライム」することが可能なオリゴマー化合物、主にオリゴヌクレオチド並びに修飾されたオリゴヌクレオチドを意味し、すなわち、例えば、オリゴヌクレオチドの3’末端は、デオキシヌクレオシド三リン酸を使用してピロリン酸を放出することにより、3’から5’へホスホジエステル結合を形成し、さらに「ヌクレオチド」が、鋳型依存DNAポリメラーゼが結合する場所に遊離3’−OH基を提供する。一般に、プライマーは、既知の鋳型配列に基づいて設計される。一方のプライマーは、センス鎖をプライミングし、他方は、標的DNA又はcDNAの相補鎖をプライミングする。PCRは、一様な標的DNA若しくはRNAに対して(すなわち、同一の配列を有する標的)、又は、混合した標的DNA若しくはRNAに対して(すなわち、保存配列に隣接する異なる介在配列を有する標的)実施可能である。混合したDNA/RNA(例えば、配列不均一性を含む)に対し、標的配列がミスマッチプライマー(すなわち、寛容プライマー)が十分な相補性を有している場合、ミスマッチプライマーは、PCR反応で機能することができる。
用語「ハイブリダイズする」とは、1以上のプローブが増幅産物へアニーリングすることを意味する。ハイブリダイゼーションの条件は、典型的には、プローブの融解温度よりも低いが、プローブの非特異的なハイブリダイゼーションを回避する温度を含んでいる。
用語「熱安定性ポリメラーゼ」とは、熱安定性を有するポリメラーゼ酵素を意味し、すなわち、酵素は、鋳型に対して相補的なプライマー伸長産物を形成することを触媒し、二本鎖鋳型核酸が変性するのに必要な時間、高温にさらしても不可逆的に変性しない。一般的に、合成は、各プライマーの3’末端で開始され、鋳型鎖に沿って5’から3’方向に進行する。熱安定性ポリメラーゼは、サーマス・フラバス(Thermus fiavus)、T.ルバー(T.ruber)、T.サーモフィスル(T.thermophilus)、T.アクアティクス(T.aquaticus)、T.ラクテウス(T.lacteus)、T.ルベウス(T.rubeus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)及びメタノサーマス・フェルウィドゥス(Methauothermus fervidus)から単離される。それにもかかわらず、熱安定性でないポリメラーゼも、酵素が補充されることで提供されるPCRアッセイにおいて使用することができる。
用語「その相補体」は、所定の核酸と同じ長さであり、かつ、所定の核酸と正確に相補的である核酸を意味する。
核酸に関して使用される用語「伸長(extention)」又は「エロンゲーション(elongation)」は、核酸に追加ヌクレオチド(又は他の類似分子)が取り込まれる場合を意味する。
例えば、核酸は、典型的には、核酸の3’末端にヌクレオチドを付加するポリメラーゼ等の、ヌクレオチド組み込み生体触媒によって任意に伸長される。
2以上の核酸配列の文脈において、用語「同一の(identical)」又はパーセント「同一性(identity)」とは、最も一致するように整列して比較した時、例えば、当業者が入試可能な配列比較アルゴリズムの一つを使用することによって、又は、目視検査によって測定する場合、同一の、又は、同一のヌクレオチドの特定のパーセントを有する、2以上の配列又はサブ配列を意味する。パーセント配列同一性及び配列類似性を決定するのに適した例示的なアルゴリズムとしては、BLASTプログラムであって、例えば、Altschul et al.(1990)の「Basic local alignment search tool」(J.Mol.Biol.215:403−410)、Gish et al.(1993)の「Identification of protein coding regions by database similarity search」(Nature Genet.3:266−272)、Madden et al.(1996)の「Applications of network BLAST server」(Meth.Enzymol.266:131−141)、Altschul et al.(1997)の「Gapped BLAST and PSI−BLAST: a new generation of protein database search programs」(Nucleic Acids Res.25:3389−3402)及び、Zhang et al.(1997)「PowerBLAST: A new network BLAST application for interactive or automated sequence analysis and annotation」(Genome Res.7:649−656)に記載されている。
オリゴヌクレオチドの文脈において「修飾ヌクレオチド」とは、オリゴヌクレオチド配列の少なくとも1つのヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの所望の特性を提供する別のヌクレオチドに置換されている変更をいう。本明細書に記載のオリゴヌクレオチドにおいて、置換することができる例示的な修飾されたヌクレオチドは、例えば、C5−メチル−dC、C5−エチル−dC、C5−メチル−dU、C5−エチル−dU、2,6−ジアミノプリン、C5−プロピニル−dC、C5−プロピニル−dU、C7−プロピニル−dA、C7−プロピニル−dG、C5−プロパルギルアミノ−dC、C5−プロパルギルアミノ−dU、C7−プロパルギルアミノ−dA、C7−プロパルギルアミノ−dG、7−デアザ−2−デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類似体、シュード−dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’−0−メチルリボ−U、2’−0−メチルリボ−C、N4−エチル−dC、N6−メチル−dA、等を含む。本発明のオリゴヌクレオチドで置換することができる多くの他の修飾ヌクレオチドは、本明細書中で言及される、又は、そうでなければ当技術分野で知られている。特定の実施形態では、修飾ヌクレオチドの置換は、非修飾オリゴヌクレオチドの対応する融解温度と比較して、オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm)を変化させる。さらに説明するために、特定の修飾ヌクレオチド置換が、非特異的核酸増幅を減少させる(例えば、プライマーダイマーの形成などを最小限にする)、意図する標的アンプリコンの収率を増加させる、及び/又は、本発明のいくつかの実施形態等である。核酸修飾のこれらの種類の例としては、例えば、米国特許第6001611号明細書に記載されている。
標的核酸及びオリゴヌクレオチド
本明細書は、例えば、該標的核酸配列の一部を増幅することによって標的核酸中のSNPを検出する方法を提供するものであって、1以上のSNPを含むことが既知又は疑われている任意の標的核酸配列であってもよく、例えば、標的核酸配列が、例えば、HIV、HCV、又はリファンピシン耐性MTBである。
標的核酸配列中のSNPを検出するために、標的核酸配列を増幅するためのプライマー及びプローブを調製することが可能である。また、機能的変異体は、通常の方法を用いて当業者によって特異性及び/又は感受性について評価することができる。代表的な機能的変異体は、例えば、本明細書に開示されたプローブ及び/又はプライマーは、1以上の欠失、挿入、及び/又は置換を含むことができる。例えば、プライマー又はプローブの実質的に同一の変異体は、例えば、元のプライマー若しくはプローブ又はその相補体に対して少なくとも80%、90%、又は95%の配列同一性を有する変異体が提供される。プライマー及び/又はプローブの任意の機能的活性変異体は、それぞれの元の配列と比較して、本明細書に記載の方法又はキットにおいて、同等又はより高い特異性及び感度を提供することが確認されてもよい。
上記に詳述したように、プライマー(及び/又はプローブ)は、化学的に修飾され得る、すなわち、プライマー及び/又はプローブは修飾ヌクレオチド又は非ヌクレオチド化合物を含むことができる。プローブ(又はプライマー)は修飾オリゴヌクレオチドである。「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類似体」)は、いくつかの修飾により天然の「ヌクレオチド」とは異なるが、それでも塩基若しくは塩基様化合物、ペントフラノシル糖若しくはペントフラノシル糖様化合物、リン酸部分若しくはリン酸、又はそれらの組み合わせより構成される。例えば、「標識」は、「ヌクレオチド」の塩基部分に取り付けることができ、それによって「修飾ヌクレオチド」が得られる。「ヌクレオチド」の天然塩基も、例えば、7−ベサザプリン(desazapurine)と置換してもよく、それによって、同様に「修飾ヌクレオチド」が得られる。用語「修飾ヌクレオチド」又は「ヌクレオチド類似体」は、本出願において互換的に使用される。「修飾ヌクレオチド」(又は「ヌクレオチド類似体」)は、「修飾ヌクレオシド」(又は「ヌクレオシド類似体」)として上記で概説した方法によるいくつかの修飾により、天然のヌクレオシドとは異なっている。
標的核酸配列を増幅する修飾オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチドは、例えば、オリゴ(モレキュラバイオロジーインサイツ社、カスケード、コロラド州)のようなコンピュータプログラムを用いて設計することができる。増幅プライマーとして使用するオリゴヌクレオチドを設計する場合の重要な特徴は、これらに限定されないが、検出を容易にするための適切なサイズの増幅産物(例えば、電気泳動による)、プライマー対メンバーの同様な融解温度、及び、各プライマーの長さ(すなわち、プライマーは、配列特異的にアニーリングし、合成を開始するのに十分な長さであるが、オリゴヌクレオチド合成の間に忠実度が減少するように長くしないことが必要である)を含む。一般的に、オリゴヌクレオチドプライマーは、8〜50ヌクレオチド長である(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、又は50ヌクレオチド長)。いくつかの実施形態において、プライマーは、長さが、40以下のヌクレオチド及び/又は、8〜40ヌクレオチドを有する。他の実施形態において、プライマーは、長さが、30以下のヌクレオチド及び/又は、8〜30ヌクレオチドを有する。他の実施形態では、プライマーは、長さが、25以下のヌクレオチド及び/又は8〜25(例えば、12〜30、12〜25)ヌクレオチドを有する。
プライマーセットに加えて、本方法は、標的核酸配列中のSNPの存在又は非存在を検出するために、1以上のプローブを使用してもよい。用語「プローブ」とは、合成又は生物学的に作製された核酸(DNA又はRNA)であって、設計又は選択により、特に定められた所定のストリンジェンシーの下、特異的に(すなわち、優先的に)「標的核酸」へハイブリダイズすることが可能な特異的ヌクレオチド配列を含んでいる。「プローブ」は、標的核酸を検出することを意味する「検出プローブ」と呼ぶことができる。本発明のいくつかの実施形態では、説明したプローブは、少なくとも一つの蛍光標識で標識することができる。一実施形態では、プローブは、ドナー蛍光成分、例えば、蛍光色素、及び、対応するアクセプター蛍光成分、例えば、クエンチャーで標識することができる。
ハイブリダイゼーションプローブとして使用するオリゴヌクレオチドの設計は、プライマーの設計と同様に行うことができる。本発明の実施形態は、増幅産物を検出するための単一のプローブ又はプローブ対を使用してもよい。実施形態に応じて、プローブ(単数又は複数)の使用は、少なくとも一つの標識及び/又は少なくとも1のクエンチャー成分を含んでもよい。プライマーと同様、プローブは通常、同様の融解温度を有しており、各プローブの長さは、配列特異的ハイブリダイゼーションが起こるために十分であるが、合成中の忠実度(fidelity)が低減する程の長さであってはならない。一般的に、オリゴヌクレオチドプローブは、8〜50ヌクレオチド長(例えば、長さ8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、4244、46、48、又は50ヌクレオチド)である。いくつかの実施形態では、プローブは、長さ40以下のヌクレオチド及び/又は8〜40ヌクレオチドを有する。他の実施形態では、プローブは、長さ30以下のヌクレオチド及び/又は8〜30ヌクレオチドを有する。他の実施形態では、プローブは、長さ25以下のヌクレオチド及び/又は8〜25ヌクレオチドを有する。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブは、12〜40である。他の実施形態では、プローブは、長さ30以下のヌクレオチド及び/又は12〜30ヌクレオチドを有する。他の実施形態では、プローブは、長さ25以下のヌクレオチド及び/又は12〜25ヌクレオチドを有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブは、長さ15〜40(例えば、15〜30、15〜25)ヌクレオチドを有する(例えば、16、18、20、21、22、23、24又は25ヌクレオチド)。
構築物は、それぞれ、プライマー又はプローブの核酸分子の一つを含むベクターを含むことができる。構築物は、例えば、対照の鋳型核酸分子として使用することができる。本発明の使用に適したベクターは、市販されている、及び/又は、当技術分野において日常的な組換え核酸技術の方法によって製造される。記載された方法の使用に適した構築物は、一般的には、プライマー及びプローブ核酸分子に加えて、所望の構築物及び/又は形質転換対を選択するための選択可能なマーカー(例えば、抗生物質耐性遺伝子)をコードする配列、並びに複製起点を含む。ベクター系の選択は、これらに限定されないが、宿主細胞の選択、複製効率、選択性、誘導性、及び回復の容易さを含む、通常いくつかの要因に依存する。
プライマー及びプローブ核酸分子を含む構築物は、宿主細胞中で増殖することができる。本明細書で使用する場合、用語、宿主細胞は、酵母、植物及び動物細胞のような原核生物及び真核生物を含むことを意味する。原核生物宿主は、大腸菌、ネズミチフス菌、セラチア・マルセッセンス、及び枯草菌を含んでもよい。真核生物宿主は、出芽酵母(S.cerevisiae)、分裂酵母(S.pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)などの酵母、COS細胞又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞などの哺乳動物細胞、昆虫細胞、シロイヌナズナ及びタバコなどの植物細胞が含まれる。構築物は、当業者に一般に知られている任意の技術を用いて宿主細胞に導入することができる。例えば、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、ヒートショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、及びウイルス媒介核酸移転は、宿主細胞に核酸を導入するための一般的な方法である。さらに、裸のDNAは、細胞に直接送達することができる(例えば、米国特許第5,580,859号明細書及び第5,589,466号明細書を参照)。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
米国特許第4683202号明細書、米国特許第4683195号明細書、米国特許第4800159号明細書、及び米国特許第4965188号明細書は、従来のPCR技術を開示している。PCRは、典型的には、選択された核酸鋳型(例えば、DNA又はRNA)に結合する2つのオリゴヌクレオチドプライマーを用いる。実施形態において記載されている有用なプライマーは、標的核酸配列内で核酸合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドを含む。プライマーは、従来の方法による制限消化で精製される、または、合成して製造することができる。プライマーは、最大効率で増幅するためには、好ましくは一本鎖であるが、プライマーは二本鎖であってもよい。二本鎖プライマーは、最初に変性し、すなわち、鎖を分離するために処理する。二本鎖核酸を変性する一つの方法としては、加熱によるものである。
鋳型核酸が二本鎖の場合、PCRにおいて鋳型として使用する前に、二本鎖を分離する必要がある。鎖分離は、物理的、化学的又は酵素的手段を含む任意の適当な変性法によって達成することができる。核酸鎖を分離する一つの方法は、優位に変性されるまで(例えば、50%以上変性、60%以上変性、70%以上変性、80%以上変性、90%以上変性又は95%以上変性)、核酸を加熱することを含む。
鋳型核酸を変性させるために必要な条件は、例えば、緩衝液塩濃度及び変性する核酸の長さ若しくはヌクレオチド組成に依存するが、典型的には、約90℃〜約105℃の範囲で、温度及び核酸の長さなどの反応の特徴に応じた時間である。変性は、典型的には約30秒〜4分間行われる(例えば、1分〜2分30秒、又は1.5分)。
二本鎖鋳型核酸が熱で変性される場合、各プライマーが、例えばSNPを含む記載の標的核酸分子上のその標的配列にアニーリングすることを促進する温度まで、反応混合物を冷却させる。アニーリングの温度は、通常、約35℃から約65℃である(例えば、約40℃〜約60℃、約45℃〜約50℃)。アニーリング時間は、約10秒〜約1分(例えば、約20秒〜約50秒、約30秒〜約40秒)にすることができる。次いで、反応混合物を、ポリメラーゼの活性が促進され又は最適化された温度、すなわち、鋳型核酸に相補的な産物を生成するためにアニールしたプライマーから伸長するのに十分な温度に調整する。温度は、核酸鋳型にアニールされた各プライマーから伸長産物を合成するのに十分であるべきであり、その相補的な鋳型から伸長産物を変性させるほど高くあってはならない(例えば、伸長のための温度は一般に約40℃〜約80℃の範囲(例えば、約50℃〜約70℃、約60℃))。伸長時間は、約10秒〜約5分(例えば、約30秒〜約4分、約1分〜約3分、約1分30秒〜約2分)であり得る。
PCRアッセイは、RNA又はDNA(cDNA)をなどのプライマー及びプローブ核酸を使用できる。鋳型核酸は精製される必要はない。それは、ヒト細胞に含まれる核酸を含むSNPのような複合混合物の微量画分であってもよい。SNPを含む核酸分子は、Diagnostic Molecular Microbiology: Principles and Applications(Persing et al.(eds), 1993, American Society for Microbiology, Washington D.C.)に記載されているような通常の技術によって、生物学的サンプルから抽出することができる。核酸は、プラスミド、又は、細菌、酵母、ウイルス、細胞小器官、若しくは植物や動物などの高等生物を含む天然資源のような任意の数の供給源から得ることができる。
オリゴヌクレオチドプライマーは、プライマー伸長を誘導する反応条件下でPCR試薬と組み合わせられる。例えば、鎖伸長反応は、一般に、50mMのKCl、10mMのTris−HCl(pH 8.3)、15mMのMgCl、0.001%(w/v)のゼラチン、0.5〜1.0μgの変性鋳型DNA、50pmolの各オリゴヌクレオチドプライマー、2.5UのTaqポリメラーゼ及び10%DMSOを含む。反応は、通常、dATP、dCTP、dTTP、dGTP又はその1以上の類似体をそれぞれ150〜320μMを含有する。
新規に合成された鎖は、反応後の工程で使用することができる二本鎖分子を形成する。鎖分離、アニーリング、及び伸長工程は、多くの場合、標的核酸分子に対応する増幅産物の所望の量を生成するために必要に応じて繰り返すことができる。反応における制限因子は、反応液中に存在するプライマー、耐熱性酵素、及びヌクレオシド三リン酸の量である。サイクル工程(すなわち、変性、アニーリング、及び伸長)は、好ましくは、少なくとも1回繰り返される。検出に使用するために、サイクルの工程数は、例えば、サンプルの性質に依存するであろう。サンプルが核酸の複合混合物である場合、検出に十分な標的配列を増幅するためには、より多くのサイクル工程が必要とされる。一般的に、サイクル工程は、少なくとも約20回繰り返されるが、40、60又は100回繰り返してもよい。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号明細書、米国特許第5,565,322号明細書、米国特許第5,849,489号明細書、及び米国特許第6,162,603号明細書を参照)は、ドナー蛍光成分及び対応するアクセプター蛍光成分が互いにある一定の距離内に配置される場合、2つの蛍光成分の間にエネルギー移転が起こり、可視化される、又は、他の方法で検出及び/又は定量化される、という概念に基づいている。ドナーは、適切な波長の光照射によって励起された場合、一般的にアクセプターにエネルギーを移転する。アクセプターは、典型的には、異なる波長の光放射の形として、移転されたエネルギーを再放出する。
一例において、オリゴヌクレオチド融解プローブは、ドナー蛍光成分と、光以外の形態で移転されたエネルギーを消散する、対応するクエンチャーとを含むことができる。融解プローブが無傷でその標的にハイブリダイズしていない場合には、典型的には、ドナー蛍光成分からの蛍光発光が消光されるように、エネルギー移動が2つの蛍光成分の間で起こる。融解プローブがその標的核酸配列にハイブリダイズするとき、蛍光成分と対応するクエンチャーは、特によく分離され、融解プローブがより強く蛍光するようになる。一般的に使用されるドナー−アクセプター対は、FAM−TAMRAのペアが含まれる。一般的に使用されるクエンチャーは、DABCYL及びTAMRAである。一般的に使用されるダーククエンチャーは、ブラックホールクエンチャーTM(BHQ)(バイオサーチ・テクノロジーズ社、ノバト、カル)、アイオワブラックTM(インテグレーテッドDNAテック社、コーラルビル、アイオワ州)、ブラックベリーTMクエンチャー650(BBQ−650)(ベリー&アソシエート、デクスター、ミシガン州)を含む。蛍光分析は、例えば、光子計数落射蛍光顕微鏡システム(特定の範囲で蛍光発光を監視するための適切なダイクロイックミラー及びフィルターを含む)、光子計数光電子増倍管システム、又は蛍光光度計を用いて、実施することができる。エネルギー転移を開始するための励起は、アルゴンイオンレーザーを用いて行うことができ、高輝度(Hg)アークランプ、光ファイバー光源、又は所望の範囲に励起するために適宜フィルターをかけた他の高輝度光源を用いて、実施することができる。
ドナー及び対応するアクセプター蛍光成分に関して本明細書中で使用される「対応する(corresponding)」とは、ドナー蛍光成分の励起スペクトルと重複する発光スペクトルを有するアクセプター蛍光成分を指す。アクセプター蛍光成分の発光スペクトルの最大波長は、ドナー蛍光成分の励起スペクトルの最大波長よりも少なくとも100nm大きくあるべきである。したがって、効率的な非放射性エネルギーの移転を介してそれらの間で産生されうる。
蛍光ドナー及び対応するアクセプター成分は、一般に、(a)高効率フェルスターエネルギー移動、(b)大規模最終ストークスシフト(>100nm)(a large final Stokes shift)、(c)可視スペクトルの赤色部分への可能な範囲での発光をシフト(>600nm)、及び(d)ドナー励起波長での励起によって生成されるラマン水蛍光放出よりも高い波長への発光のシフト、より選択される。例えば、ドナー蛍光成分は、レーザーライン(例えば、ヘリウム−カドミウム442nm又は、アルゴン488nm)の近くのその励起最大値、高消光係数、高量子収率、及び、対応するアクセプター蛍光成分の励起スペクトルと蛍光発光の良好な重複を有するように選択することができる。対応するアクセプター蛍光成分は、高消光係数、高量子収率、ドナー蛍光成分の発光とのその励起の良好な重複、及び、可視スペクトルの赤色部分の発光(>600nm)を有するように選択することができる。
FRET技術における種々のアクセプター蛍光成分と共に使用することができる代表的なドナー蛍光成分は、フルオレセイン、ルシファーイエロー、B−フィコエリトリン、9−アクリジンイソチオシアネート、ルシファーイエローVS、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアネートスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアネートフェニル)−4−メチルクマリン、スクシンイミジル1−ピレネブチレート、及び4−アセトアミド−4’−イソチオシアネートスチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体、を含む。代表的なアクセプター蛍光成分は、使用されるドナー蛍光成分に依存するが、LCレッド640、LCレッド705、Cy5、Cy5.5、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ローダミンXイソチオシアネート、エリスロシンイソチオシアネート、フルオレセイン、ジエチレントリアミンペンタアセテート、又はランタニドイオンの他のキレート(例えば、ユーロピウム、又はテルビウム)を含む。ドナー及びアクセプター蛍光成分は、例えば、モレキュラープローブ社(ジャンクションシティ、オレゴン州)又はシグマケミカル社(セントルイス、ミズーリ州)から、取得することができる。
ドナー及びアクセプター蛍光成分は、リンカーアームを介して適切なプローブオリゴヌクレオチドに結合させることができる。リンカーアームはドナー及びアクセプター蛍光成分との間の距離に影響を与えるので、各リンカーアームの長さは重要である。本発明の目的のためのリンカーアームの長さは、ヌクレオチド塩基から蛍光成分までのオングストローム(Å)の距離である。一般に、リンカーアームは、約10Å〜約25Åである。リンカーアームは、国際公開第84/03285号に記載された種類であってもよい。国際公開第84/03285号はまた、特定のヌクレオチド塩基にリンカーアームを取り付けるための、及び、リンカーアームに蛍光成分を取り付けるための方法を開示する。
LCレッド640−NHSエステルなどのアクセプター蛍光成分は、例えば、LCレッド640−ホスホラミダイトを作製するために、C6−ホスホラミダイト(ABI社(フォスターシティ、カリフォルニア州)又は、グレンリサーチ(スターリング、バージニア州)から入手可能)と組み合わせることが出来る。オリゴヌクレオチドへ、フルオレセイン等のドナー蛍光成分を結合するために頻繁に使用されるは、チオ尿素リンカー(FITC由来、例えば、グレンリサーチ社又はChemGene社(アッシュランド、MA)のフルオレセイン−CPG’s)、アミドリンカー(フルオレセイン−NHS−エステル由来、バイオジェネックス社(サンラモン、カリフォルニア州)のフルオレセイン−CPG等)、又はオリゴヌクレオチド合成後のフルオレセイン−NHSエステルの結合を必要とする3’−アミノ−CPG、を含む。
サンプル中の標的核酸におけるSNPの検出
本開示は、生物学的又は非生物学的サンプル中の標的核酸中のSNPの存在又は非存在を検出方法を提供する。本発明によって提供される方法は、サンプル汚染、偽陰性、及び偽陽性の問題を回避する。方法は、1又は対のプライマーを使用してサンプルから標的核酸分子の一部を増幅することを含む少なくとも1つのサイクル工程、増幅産物に融解プローブを接触させること含むハイブリダイゼーション工程、及び検出工程を実行することを含む。複数サイクル工程が実施され、好ましくは、サーモサイクラー中で実施される。開示された方法は、サンプル中の標的核酸中のSNPの存在又は非存在を検出するために、選択された設計に応じて、野生型又はSNP特異的なプローブを用いて実施することができる。
本明細書で説明するように、増幅産物は、FRET技術を利用する標識融解プローブを用いて検出することができる。1つのFRETフォーマットは、二つの蛍光成分で標識された1つの一本鎖融解プローブを利用する。第1の蛍光成分が適当な波長の光で励起されると、吸収されたエネルギーはFRETの原理に従って第2の蛍光成分に移動する。第2の蛍光成分は一般的にクエンチャー分子である。PCR反応のアニーリング工程中に、標識された融解プローブは、標的DNA(すなわち、増幅産物)に結合し、その結果、励起された蛍光成分とクエンチャー部分は空間的に互いに分離される。その結果、クエンチャーの非存在下で第1の蛍光成分が励起する際、第1の蛍光成分からの蛍光発光を検出することが可能となる。
FRETと一体となった分子ビーコンは、本発明のリアルタイムPCR法を用いて増幅産物の存在を検出することに使用できる。分子ビーコン技術は、第1の蛍光成分及び第2の蛍光成分で標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用する。第2の蛍光成分は一般的にクエンチャーであり、蛍光標識は、典型的には、プローブの各末端に配置されている。分子ビーコン技術は、二次構造(例えば、ヘアピン)形成を可能にする配列を有するプローブオリゴヌクレオチドを使用する。プローブ内の二次構造形成の結果として、プローブが溶液中にある場合、両方の蛍光成分は空間的に近接する。標的核酸(すなわち、増幅産物)へのハイブリダイゼーション後、プローブの二次構造が破壊され、蛍光成分は、それぞれ分離され、そのような適切な波長の光で励起されると、第1の蛍光成分の発光が検出される。
アッセイの設計に応じて、FRETが存在するとサンプル中に標的核酸が存在することを示すことができ、FRETが存在しないと、サンプル中に標的核酸が存在しないことを示すことができる。例えば、ハイブリダイゼーションプローブの事前定義された融解温度の低下シフトは、サンプル中のSNPの存在の指標であり、ここで、ハイブリダイゼーションプローブの事前定義された融解温度の低下シフトが存在しないことは、サンプル中にSNPが存在しないことの指標である。
使用することができる代表的な生物学的サンプルとしては、限定されないが、皮膚の拭き取り検体(swab)、鼻の拭き取り検体、創傷の拭き取り検体、血液培養、皮膚及び軟組織感染である。生物学的サンプルの収集及び保管方法は、当業者に知られている。生物学的サンプルは、核酸を放出するために処理され得(例えば、当該技術分野で公知の核酸抽出方法及び/又はキットによって)、又は、場合によっては、生物学的サンプルをPCR反応成分及び適切なオリゴヌクレオチドと直接接触させることができる。
融解曲線解析は、サイクリングプロファイルに含めることができる工程である。融解曲線解析は、DNA二本鎖の半分が一本鎖に分離する温度として定義される融解温度(Tm)と呼ばれる特徴的な温度において、DNAが融解するという事実に基づいている。DNAの融解温度は、主に、そのヌクレオチド組成に依存する。このように、G及びCヌクレオチドが豊富なDNA分子は、A及びTヌクレオチドが豊富に有するヌクレオチドよりも高いTmを有する。シグナルが失われる温度を検出することにより、プローブの融解温度を決定することができる。同様に、シグナルが生成される温度を検出することにより、プローブのアニーリング温度を決定することができる。アッセイの設計に応じて、増幅産物の融解プローブの実際の事前定義された融解温度(SNP特異的な配列を有する融解温度プローブを使用した場合)又は事前定義した融解温度の低下シフト(野生型配列を有する融解プローブを使用した場合)によって、サンプル中の標的核酸配列中にSNPが存在する又は存在しないことを確認することができる。
各サーモサイクラーラン中に、コントロールサンプルも同様にサイクルすることができる。ポジティブコントロールサンプルは、例えば、コントロールプライマー及びコントロールプローブを用いて、(標的核酸配列の上記増幅産物以外の)核酸コントロール鋳型を増幅することができる。ポジティブコントロールサンプルは、例えば、核酸分子を含むプラスミド構築物を増幅することもできる。このようなプラスミドコントロールは、内部的(例えば、サンプル内)又は患者のサンプルと並行して別々のサンプルランで増幅することができる。各サーモサイクラーランは、例えば、標的鋳型DNAを欠くネガティブコントロールも含むことができる。このようなコントロールは、増幅、ハイブリダイゼーション及び/又はFRET反応の成功又は失敗の指標である。したがって、コントロール反応は、例えば、配列特異的にアニーリングし、伸長を開始するプライマーの能力、並びに、配列特異的にハイブリダイズし、FRETを起こすプローブの能力を容易に決定することができる。
実施形態において、本発明の方法は、汚染を回避する工程を含む。例えば、ウラシルDNAグリコシラーゼを利用する酵素的方法は、あるサーモサイクラーランとその次のランとの間の汚染を低減又は排除することが、米国特許第5,035,996号明細書、米国特許第5,683,896号明細書及び米国特許第5,945,313号明細書に記載されている。
FRET技術と組み合わせた従来のPCR法は、記載の方法を実施するために使用することができる。一実施形態において、LightCycler(登録商標)機器が使用される。以下の特許出願は、LightCycler(登録商標)技術で使用されるようなリアルタイムPCRについて記述している:国際公開第97/46707号、国際公開第97/46714号及び国際公開第97/46712号。
本発明の実施形態は、1以上の市販の機器の構成に限定されないものと理解される。
製造品/キット
本発明の実施形態は、さらに、サンプル中の標的核酸内のSNPを検出するための製造品又はキットを提供する。製造品は、適切な包装材料とともに、標的核酸中のSNPを検出するために使用するプライマー及び融解プローブを含むことができる。サンプル中の標的核酸中のSNPを検出するための代表的なプライマー及び融解プローブは、標的核酸分子にハイブリダイズすることができる。また、キットは、DNAの固定、ハイブリダイゼーション、及び検出に必要な、適切に包装された試薬及び材料を含むこともでき、例えば、固体支持体、緩衝剤、酵素、及びDNAスタンダードが含まれる。プライマー及び融解プローブの設計方法は本明細書に開示され、標的核酸分子を増幅し、ハイブリダイズするプライマー及び融解プローブの代表的な例が提供される。
本発明の製造品はまた、融解プローブを標識するための1以上の蛍光成分、あるいは、標識できるキットを付属した融解プローブを含むことができる。例えば、製造品は、融解プローブを標識するためのドナー及び/又はアクセプター蛍光成分を含むことができる。適切なFRETドナー蛍光成分及び対応するアクセプター蛍光成分の例としては、上記に提供されている。製造品はまた、サンプル中の標的核酸におけるSNP(単数又は複数)の存在又は非存在を検出するためのプライマー及び融解プローブを使用するために、使用説明を有するパッケージ挿入物又はパッケージラベルを含むことが可能である。製造品はさらに、本明細書に開示された方法を実施するための試薬を含むことが可能である(例えば、緩衝液、ポリメラーゼ酵素、補因子、又は汚染を防止する薬剤)。このような試薬は、本明細書に記載の市販の機器の1つに特異的であってもよい。
開示の実施形態は、以下の実施例においてさらに説明するが、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例及び図面は、本発明、添付の特許請求の範囲に記載された真の範囲の理解を助けるために提供される。なお、改変は、本発明の精神から逸脱することなく示される手順でなされ得ることが理解される。
実施例1
従来のプローブ融解方法
図5及び表1を参照し、プラスミドDNA(配列番号:2〜9)を、非対称PCRを用いて増幅し、直後に閉鎖したチューブシステムで融解解析を行った。非対称PCRは、大量のフォワードプライマー、わずかなリバースプライマー、及び過剰のプローブを含んでいた。この従来のプローブ融解方法におけるプライマー及びプローブ設計は、重ならないように設計された。プローブ(配列番号:1)は、5’末端をフルオロフォア(F)で標識し、3’末端を、非結合プローブの蛍光を消光してプローブ伸長からの増幅を防止するように機能するブラックホールクエンチャー(Q)で標識した。
PCR条件:50μLの総反応容量中に、24uLの溶出バッファー(トリス、メチルパラベン、アジ化ナトリウム)、1μLのプラスミドDNA(〜le4c/μL)、及び25μLのマスターミックス(トリシン、酢酸カリウム、グリセロール、DMSO、Tween20、EDTA、アジ化ナトリウム、dATP、dCTP、dGTP、dUTP、ポリメラーゼ、FWDプライマー、REVプライマー、プローブ)を含む。
融解分析(ポストPCR):94℃で5秒間、続いて30〜80℃、傾斜率0.06℃/秒。
従来の融解分析:最高融解温度は、野生型プローブと完全にマッチした野生型標的から発生する(WT01:〜63°C)。より低いTmは、プローブ領域の下で、サイレント突然変異(MT03A〜MT10A)を含む任意のSNPによって引き起こされる。Tmシフトの量が、プローブ領域下における、重大度及び特定のSNPの位置の指標である。
実施例2
オーバーラッピングプライマー及び野生型プローブを用いたプローブ融解方法
図6及び表IIを参照して、プラスミドDNA(配列番号:12〜19)は、非対称PCRを用いて増幅し、直後に閉鎖チューブシステム中で、融解分析を実施した。非対称PCRは、大量のフォワードプライマー、わずかなリバースプライマー、及び過剰のプローブを含んだ。プローブ(配列番号:11)は、リバースプライマー(配列番号:10)に重なるように設計され、プローブ−プライマー相互作用を避けるためにリバースプライマーと同じセンス側で設計された。プローブは、5’末端をフルオロフォアで標識し、3’末端を非結合プローブの蛍光を消光してプローブ伸長の増幅を防止するように機能するブラックホールクエンチャーで標識した。
PCR条件:50μLの総反応容量中に、24uLの溶出バッファー(トリス、メチルパラベン、アジ化ナトリウム)、1μLのプラスミドDNA(〜le4c/μL)、及び25μLのマスターミックス(トリシン、酢酸カリウム、グリセロール、DMSO、Tween20、EDTA、アジ化ナトリウム、dATP、dCTP、dGTP、dUTP、ポリメラーゼ、FWDプライマー、REVプライマー、プローブ)を含む。
融解分析(ポストPCR):94℃で5秒間、続いて30〜80℃、傾斜率0.06℃/秒。
3’末端プローブ末端における3つのSNPの陽性検出:野生型標的(WT01)及びプローブ領域下、サイレント突然変異(MT03、05、06、及び07)から同等のTm(〜66℃)を示す、積層したプライマー(stacked primer)及びプローブを用いた融解解析。Tmシフトは、3’プローブ末端にSNPが位置するときのみ起こり(MT08、MT09、及びMT10)、Tmシフトの量は、塩基対変化に特異的である(MT08 Tm:〜64℃、MT09:〜61℃、MT10:〜59℃)。
実施例3
オーバーラッピングプライマー及びSNP特異的プローブを用いたプローブ融解方法
図7及び表IIIを参照して、プラスミドDNA(配列番号:12〜19)は、非対称PCRを用いて増幅し、直後に閉鎖したチューブシステムで融解解析を行った。非対称PCRは、大量のフォワードプライマー、わずかなリバースプライマー、及び過剰のプローブを含んだ。プローブ(配列番号:20)は、リバースプライマー(配列番号:10)に重なるように設計され、プローブ−プライマー相互作用を避けるためにリバースプライマーと同じセンス側で設計された。プローブは、5’末端をフルオロフォアで標識し、3’末端を非結合プローブの蛍光を消光してプローブ伸長の増幅を防止するように機能するブラックホールクエンチャーで標識した。
PCR条件:50μLの総反応容量中に、24uLの溶出バッファー(トリス、メチルパラベン、アジ化ナトリウム)、1μLのプラスミドDNA(〜le4c/μL)、及び25μLのマスターミックス(トリシン、酢酸カリウム、グリセロール、DMSO、Tween20、EDTA、アジ化ナトリウム、dATP、dCTP、dGTP、dUTP、ポリメラーゼ、FWDプライマー、REVプライマー、プローブ)を含む。
融解分析(ポストPCR):94℃で5秒間、続いて30〜80℃、傾斜率0.06℃/秒。
3’末端プローブ末端における1つのSNPの陽性検出:一致するMT08標的とMT08プローブのみから最高Tm(〜65℃)を示す、積層プライマー及びプローブを用いた融解分析。プローブ領域の下にあるすべての他の突然変異(標的MT03、05、06、及び07、MT09、及びMT10により示される)は、Tmシフトを引き起こす(〜60〜62℃)。
前述の発明は、明確さと理解のためにある程度詳細に説明してきたが、当業者にとって、この開示を読むことによって、本発明の真の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることは明らかである。例えば、上述したすべての技術及び装置は、様々な組み合わせで使用することができる。

Claims (13)

  1. サンプル中の標的核酸内の一塩基多型(SNP)を検出する方法であって、該方法が
    サンプルと、任意の標的核酸がサンプル中に存在する場合、増幅産物を生成する第1の野生型核酸配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと、を接触させることを含む増幅工程の実施;
    増幅産物と、オリゴヌクレオチド融解プローブと、を接触させることを含むハイブリダイズ工程の実施であって、該オリゴヌクレオチド融解プローブが、事前定義された融解温度を有する第2の野生型核酸配列を含み、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの第2の野生型核酸配列が、該第1の野生型核酸配列の長さに対して少なくとも80%の最小オーバーラップで該オリゴヌクレオチドプライマーの第1の野生型核酸配列とオーバーラップし、ここで該オリゴヌクレオチド融解プローブの該第2の野生型核酸配列は、該オーバーラップ上の該オリゴヌクレオチドプライマーの該第1の野生型核酸配列と同じ配列を有し、そしてここで該オリゴヌクレオチド融解プローブの該第2の野生型核酸配列は、該SNPが位置する場所の上のクレオチド一端において、該オリゴヌクレオチドプライマーの該第1の野生型核酸配列の上で突出している;及び、
    増幅産物においてSNPが存在する又は存在しないかの検出あって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが、サンプル中のSNPの存在の指標であって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの前記事前定義された融解温度の低下シフトの非存在が、サンプル中にSNPが存在しない指標である、
    を含み、
    ここで、該標的核酸は、該プライマーが該標的核酸にハイブリダイズする場所に位置する1以上のサイレント変異を有する非保存領域を含む、方法。
  2. オリゴヌクレオチド融解プローブは、5’末端が蛍光成分、及び、3’末端が非結合のオリゴヌクレオチド融解プローブの蛍光を消光するための対応するアクセプター成分で標識されている、請求項1に記載の方法。
  3. オリゴヌクレオチド融解プローブの第2の野生型核酸配列が、SNPヌクレオチド変異に応じた複数の事前定義された融解温度を含むものであって、SNPヌクレオチド変異を区別する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. オリゴヌクレオチドプライマーの核酸配列及び/又はオリゴヌクレオチド融解プローブの核酸配列が、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. オリゴヌクレオチドプライマーの核酸配列及び/又はオリゴヌクレオチド融解プローブの核酸配列が、40以下のヌクレオチドを有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. サンプル中の標的核酸内の一塩基多型(SNP)を検出する方法であって、該方法が
    サンプルと、任意の標的核酸がサンプル中に存在する場合に増幅産物を生成する野生型核酸配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーと、を接触させることを含む増幅工程の実施;
    増幅産物と、事前定義された融解温度を有するSNP特異的核酸配列を含むオリゴヌクレオチド融解プローブと、を接触させることを含むハイブリダイズ工程の実施であって、ここで、該オリゴヌクレオチド融解プローブのSNP特異的核酸配列が、該野生型核酸配列の長さに対して少なくとも80%の最小オーバーラップで該オリゴヌクレオチドプライマーの野生型核酸配列とオーバーラップし、ここで該オリゴヌクレオチド融解プローブの該SNP特異的核酸は、該オーバーラップ上の該オリゴヌクレオチドプライマーの該野生型核酸配列と同じ配列を有し、そしてここで該オリゴヌクレオチド融解プローブの該SNP特異的核酸は、該SNPが位置する場所上のクレオチド一端において、該オリゴヌクレオチドプライマーの該野生型核酸配列の上で突出している;及び、
    増幅産物においてSNPが存在する又は存在しないことの検出あって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが、サンプル中にSNPが存在しないことの指標であって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトの非存在が、サンプル中にSNPが存在することの指標である、
    を含み、
    ここで、該標的核酸は、該プライマーが該標的核酸にハイブリダイズする場所に位置する1以上のサイレント変異を有する非保存領域を含む、方法。
  7. オリゴヌクレオチド融解プローブは、5’末端が蛍光成分、及び、3’末端が非結合のオリゴヌクレオチド融解プローブの蛍光を消光するための対応するアクセプター成分で標識されている、請求項に記載の方法。
  8. オリゴヌクレオチド融解プローブのSNP特異的核酸配列が、SNPヌクレオチド変異に応じた複数の事前定義された融解温度を含むものであって、SNPヌクレオチド変異を区別する、請求項又はに記載の方法。
  9. サンプル中の標的核酸における一塩基多型(SNP)を検出するためのオリゴヌクレオチドプライマー及びオリゴヌクレオチドプローブセットを含むキットであって、以下:
    任意の標的核酸がサンプル中に存在する場合に増幅産物を生成する第1の野生型核酸配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー;
    及び、
    事前定義された融解温度を有する第2の野生型核酸配列を含むオリゴヌクレオチド融解プローブであって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの第2の野生型核酸配列が、該第1の野生型核酸配列の長さに対して少なくとも80%の最小オーバーラップで該オリゴヌクレオチドプライマーの第1の野生型核酸配列とオーバーラップし、ここで該オリゴヌクレオチド融解プローブの該第2の野生型核酸配列は、該オーバーラップ上の該オリゴヌクレオチドプライマーの該第1の野生型核酸配列と同じ配列を有し、そしてここで、該オリゴヌクレオチド融解プローブの該第2の野生型核酸配列は、該SNPが位置する場所上のクレオチド一端において、該オリゴヌクレオチドプライマーの該第1の野生型核酸配列の上で突出しているオリゴヌクレオチド融解プローブ;
    を含み、
    ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが、サンプル中にSNPが存在する指標であり、オリゴヌクレオチド融解プローブの前記事前定義された融解温度の低下シフトの非存在が、サンプル中にSNPが存在しない指標であることによって、増幅産物におけるSNPの存在又は非存在を検出するものであり
    ここで、該標的核酸は、該プライマーが該標的核酸にハイブリダイズする場所に位置する1以上のサイレント変異を有する非保存領域を含む、キット。
  10. サンプル中の標的核酸における一塩基多型(SNP)を検出するためのオリゴヌクレオチドプライマー及びオリゴヌクレオチドプローブセットを含むキットであって、以下:
    任意の標的核酸がサンプル中に存在する場合に増幅産物を生成する野生型核酸配列を含むオリゴヌクレオチドプライマー;及び、
    事前定義された融解温度を有するSNP特異的核酸配列を含むオリゴヌクレオチド融解プローブであって、ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブのSNP特異的核酸配列が、該野生型核酸配列の長さに対して少なくとも80%の最小オーバーラップで該オリゴヌクレオチドプライマーの該野生型核酸配列とオーバーラップし、ここで該オリゴヌクレオチド融解プローブの該SNP特異的核酸は、該オーバーラップ上の該オリゴヌクレオチドプライマーの該野生型核酸配列と同じ配列を有し、そしてここで該オリゴヌクレオチド融解プローブの該SNP特異的核酸は、該SNPが位置する場所上のクレオチド一端において、該オリゴヌクレオチドプライマーの該野生型核酸配列の上で突出しているオリゴヌクレオチド融解プローブ;
    を含み、
    ここで、オリゴヌクレオチド融解プローブの事前定義された融解温度の低下シフトが、サンプル中にSNPが存在する指標であり、オリゴヌクレオチド融解プローブの前記事前定義された融解温度の低下シフトの非存在が、サンプル中にSNPが存在しない指標であることによって、増幅産物におけるSNPの存在又は非存在を検出するものであり
    ここで、該標的核酸は、該プライマーが該標的核酸にハイブリダイズする場所に位置する1以上のサイレント変異を有する非保存領域を含む、キット。
  11. オリゴヌクレオチド融解プローブが、蛍光成分、及び、非結合のオリゴヌクレオチド融解プローブの蛍光を消光するための対応するアクセプター成分で標識されている、請求項又は10に記載のキット。
  12. オリゴヌクレオチド融解プローブは、5’末端が蛍光成分、及び、3’末端が非結合のオリゴヌクレオチド融解プローブの蛍光を消光するための対応するアクセプター成分で標識されている、請求項11に記載のキット。
  13. オリゴヌクレオチド融解プローブの核酸配列が、SNPヌクレオチド変異に応じた複数の事前定義された融解温度を含むものであって、SNPヌクレオチド変異を区別する、請求項12のいずれか1項に記載のキット。
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