ところで、調理場や食品加工場などでは、衛生管理のため、排水桝の定期的な清掃が実施される。この清掃の際には、上述したトラップ装置が、排水桝から取り外され、該清掃後に再び排水桝に取り付けられる。すなわち、清掃毎に、トラップ装置の導出管を排水口から嵌合解除することと、再び嵌合することとが繰り返される。
トラップ装置は、上述したように、排水桝の封水領域に溜めた排水によって排水口からの有害ガス等の流入や有害な生物の侵入を防ぐという作用効果を奏するものであり、この作業効果が発揮されるためには、該封水領域に排水が常に溜まっているように、該排水口と導出管との間から水漏れしないことが必要である。しかしながら、上記のように清掃毎に、導出管と排水口との嵌合解除と嵌合とを繰り返すと、該導出管と排水口との間から水漏れを生じてしまうことが懸念される。
具体例として、上述した図8の従来構成の場合には、導出管と排水口との間にリング状のパッキンを挟み込み、これに伴う該パッキンの変形によって両者が密着されることから、前記のように嵌合と嵌合解除とを繰り返すと、該パッキンの劣化や損耗が比較的早く生じ易く、該劣化や損耗により密着性が低下して水漏れを生じてしまうという問題がある。尚、かかる構成で、パッキンの劣化や損耗による水漏れを防止するためには、該パッキンを定期的に交換することが必要となるが、ランニングコストが増加するという問題を生ずる。
一方、上述した特許文献1の従来構成の場合には、清掃後に導出管を排水口に螺合する際に、仮にゴミ等を挟み込んでしまうと、正しく螺合できず、さらにOリングによる密着も不十分となることから、水漏れを生じてしまう。さらに、導出管と排水口とにゴミ等を挟み込んでしまうと、ネジ山が破損し易く、該破損した場合には、修理作業や交換作業などを要するという問題もある。
本発明は、上述した問題を解決するものであって、導出管と排水口との間からの水漏れを防止する止水効果を向上すると共に、比較的長期に亘って、所望の止水効果を保ち得る排水桝用トラップ装置を提案するものである。
本発明は、排水桝の桝底面に設けられた排水口に嵌入され、該桝底面から上方へ突出する導出管と、該導出管と排水口との間に介装される水密パッキンと、該導出管を上方から覆う伏椀形状の封水キャップとを備えた排水桝用トラップ装置において、前記水密パッキンは、弾性材料から成り、下部に前記排水口に嵌入される嵌入環部を備え、前記導出管に外嵌される円環状の主環部と、該主環部の上端部の外周縁から斜め下方へ裾拡がり状に延成された薄厚の環状鍔部とを備え、該嵌入環部が排水口に嵌入された装着状態で、該環状鍔部が、前記桝底面との間に画成された空隙に生ずる負圧によって、該桝底面に密着されるものであることを特徴とする排水桝用トラップ装置である。
ここで、排水桝用トラップ装置は、上述した従来構成と同様、排水桝内の、桝底面から導出管の上端までの領域を、該排水桝に流入した排水が溜まる封水領域とし、該封水領域に溜まった排水により、排水口から該排水桝内へ、悪臭や有害ガスが流入すること、および衛生管理上で有害となる生物が侵入することを防止できる。
かかる構成にあっては、水密パッキンの環状鍔部が、桝底面との間の空隙に生じた負圧によって該桝底面と密着されるものであり、該桝底面との密着性が高く、且つ該密着した状態で保持され得る。すなわち、環状鍔部は、所謂吸着盤と同様の作用効果を奏し得る。こうした水密パッキンによれば、導出管と排水口との間を介した水漏れを防止する止水効果が向上し、該止水効果を比較的長期に亘って維持できる。
さらに、水密パッキンの環状鍔部は、桝底面との間に画成された空隙に生じた負圧により該桝底面と密着するものであり、該密着により弾性変形するものの、その変形量が比較的小さく、該変形のために作用する応力も比較的小さい。すなわち、上述した従来構成のようにOリング等のパッキンを挟み込んで変形させる構成に比して、劣化や損耗などを生じ難い。したがって、本発明の水密パッキンは、清掃毎に排水口との嵌合解除と嵌合とを繰り返しても、環状鍔部の劣化や損耗を生じ難く、桝底面との高い密着性を比較的長期に亘って保つことができる。
また、水密パッキンは、その嵌入環部を排水口に嵌入することで、導出管を排水口に嵌合するものであることから、該嵌合した装着状態で、該嵌入環部と排水口とが密着する。そして、この嵌入環部の密着によっても、導出管と排水口との間を介した水漏れを防止できることから、上述した環状鍔部による止水効果と合わせて、一層高い止水効果が発揮され、且つ該止水効果を比較的長期に亘って保持する効果も向上する。
また、本発明の構成は、導出管に外嵌された水密パッキンの嵌入環部を排水口に嵌入することで、該導出管を排水口に嵌合して装着するものであることから、清掃の際に嵌合解除する作業と嵌合する作業とを容易に行い得る。そして、導出管が、弾性材料からなる水密パッキンの嵌入環部を嵌入させることで排水口と嵌合することから、該排水口にしっかりと固定され得る。こうしたことから、本発明の構成は、排水桝に適正に装着され、かつ該装着状態で保持されることから、上述した作用効果(排水口から該排水桝内への悪臭や有害ガスの流入と衛生管理上で有害な生物の侵入とを防止する効果)が安定して発揮され得る。さらに、本発明の構成は、上述した従来構成のように導出管と排水口とを螺合するものではないことから、該螺合による問題(ゴミを挟み込むなど)を生じない。
尚、水密パッキンの主環部の嵌入環部は、その外周面が、内方へ向かって下る傾斜面を成すものである構成が好適である。かかる嵌入環部は、その外径が下方に向かって序々に縮径するものであることから、清掃の際に嵌合する作業で、比較的容易に排水口に嵌入され得る。
上述した本発明の排水桝用トラップ装置にあって、水密パッキンの主環部は、嵌入環部の直上周囲に突成された、排水口に嵌入不能な突出環部を備えている構成が提案される。
かかる構成にあっては、水密パッキンを、その突出環部が桝底面に接するまで排水口に嵌入させることにより、該突出環部と環状鍔部と該桝底面とに囲まれた空隙を確実かつ安定して画成でき、該空隙に負圧を生じさせることで該環状鍔部を該桝底面に一層安定して密着させることができる。これにより、導出管と排水口との間を介した水漏れを防止する止水効果が一層向上する。
本発明は、上述したように、導出管に外嵌されて排水口との間に介装される水密パッキンが、下部に嵌入環部を備えた主環部と、該主環部の上端部外周縁から斜め下方へ裾拡がり状に延成された環状鍔部とを備えたものであるから、導出管を排水口に嵌合した装着状態で、該環状鍔部が桝底面との密着性が高く、該導出管と排水口との間における止水効果が向上する。また、水密パッキンの環状鍔部は、清掃毎に排水口との嵌合解除と嵌合とを繰り返しても、劣化や損耗を生じ難いことから、桝底面との高い密着性を比較的長期に亘って保つことができる。そのため、上述した従来構成のように、パッキンの交換等によるランニングコストの増加を抑制できるという利点もある。
本発明にかかる実施例を、添付図面を用いて以下に説明する。
排水桝51は、図1,2に示すように、調理場や食品加工場等の床に埋設施工されて、桝内に流入した排水wを排水口55へ導出するものであり、その底部に、本発明にかかる排水桝用トラップ装置1が装着される。
尚、本実施例にあっては、排水口55から床面へ向かう方向を上方、床面から排水口55へ向かう方向を下方として規定し、さらに、排水口55(および導出管2)の中心から径方向に沿って外側へ向かう方向を外方、逆に該中心に向かう方向を内方として規定して、以下説明している。
排水桝51は、ステンレス等の耐食性金属板を成形してなる箱型の桝体52を主体とし、該桝体52の上縁が床面レベルに位置するように埋設される。桝体52の上側部には、金属板を成形してなる排水溝61が接合されており、該排水溝61を流れる排水wが桝内に流れ込むようになっている。また、桝体52の上縁は、溝蓋54によって着脱可能に施蓋されており、該溝蓋54に設けられた溝孔(図示せず)を介しても排水wが桝内に流入する。そして、排水桝51の上部には、バスケット53が桝内を横断するように係止されており、桝内に流入した排水wが該バスケット53を通過することにより、排水wに含まれる固形物を濾し取る。このバスケット53は、その上側部に設けられた把手53aを把持して持ち上げることにより、桝体52から取り外し、濾し取った固形物を除去可能となっている。
そして、排水桝51の桝底面56には、桝内の排水wを排出する排水口55が開口形成されており、該排水口55に排水管59が接続されている(図7参照)。
こうした排水桝51には、排水管59内からの悪臭や有害ガスの流入と衛生管理上で有害となる生物の侵入とを防止するために、本実施例の排水桝用トラップ装置1が装着される。この排水桝用トラップ装置1は、桝底面56から上方へ突出する導出管2と、該導出管2に外嵌される水密パッキン4と、該導出管2を覆う伏椀状の封水キャップ3とを備えてなり、該導出管2の下端部が該水密パッキン4を介して排水口55に嵌合されることで排水桝51に装着される(図5参照)。
導出管2は、ステンレス製の円筒体からなり、その上端開口11が排水桝51内で上向きに開口し且つ下端開口12が排水管59に連通する(図5参照)。さらに、図3に示すように、導出管2の外周面の下部には、外嵌された水密パッキン4を位置決めするための嵌合溝14が周設されている。また、導出管2の上端縁には、伏コ字形の吊持片9が接合されており、該吊持片9の中央部分には、図示しないネジ孔が設けられている。
封水キャップ3は、図3に示すように、円筒状の側壁部3bと該側壁部3bの上端を閉鎖した天壁部3aとから構成された伏椀形状を成し、ステンレス材により形成されている。そして、側壁部3bの内径が、上記導出管2の外径よりも大きい。さらに、封水キャップ3には、天壁部3aの下面から雄ネジ部16が下方へ突成されている。封水キャップ3は、該雄ネジ部16が上記吊持片9のネジ孔に螺合されることで、導出管2を上方から覆うように、該吊持片9を介して該導出管2に固定される。この固定状態で、封水キャップ3は、その天壁部3aが導出管2の上端よりも所定間隔をおいて上方に位置固定され、かつ側壁部3bが該導出管2の外周面よりも外方に位置固定される。さらに、上述したように排水桝51に装着された状態で、封水キャップ3の側壁部3bの下端が、該封水桝51の桝底面56から所定間隔おいた上方に位置する。このように導出管2と封水キャップ3とが排水桝51に装着された状態で、該排水桝51に流入した排水wは、封水キャップ3と導出管2との間隙を通って、該導出管2の上端開口11に流入可能となっている。
また、封水キャップ3は、天壁部3aに把手17が設けられており、該把手17を引き上げることにより、該封水キャップ3と導出管2とを一体的に排水桝51から取り外し可能となっている(図7参照)。
封水キャップ3が固定された導出管2を、図1,5に示すように排水口55に嵌入することで、排水桝用トラップ装置1が排水桝51に装着される。この装着された状態で、排水口55の口縁と導出管2の外周面との間に水密パッキン4が介装されていることから、排水wは、導出管2の上端開口11を介してのみ、排水管59へ排出される。そのため、排水桝51の内部の、桝底面56から導出管2の上端までの領域(以下、封水領域という)10に、該導出管2の上端開口11に流入できない排水wが溜まる。すなわち、排水桝51に流入した排水wは、導出管2の上端の高さ以上の水位となるまでは封水領域10に溜まっていき、該水位が導出管2の上端高さを超えると、該導出管2の上端開口11に流入する。こうした排水wが溜まる封水領域10が、排水桝用トラップ装置1によって、排水桝51の内部に形成される。
このように排水桝用トラップ装置1は、導出管2と封水キャップ3とにより排水桝51の内部に封水領域10を形成し、該封水領域10に排水wを溜めることによって、排水管59から該排水桝51への悪臭や有害ガスの流入と衛生管理上で有害な生物の侵入とを防止する。
次に、本発明の要部にかかる水密パッキン4について説明する。
水密パッキン4は、ニトリルブタジエンゴム製であり、図4に示すように、上記導出管2に外嵌される円環状の主環部21と、該主環部21の上端から外方へ延出された環状鍔部22とを備える。
主環部21は、その下部に、上記排水口55に嵌入される嵌入環部25を備え、上部に、該排水口55に嵌入不能な突出環部26を備えて成り、該嵌入環部25と突出環部26とが上下に連成されている。すなわち、突出環部26は、嵌入環部25の直上周囲から外方へ突成されている。ここで、嵌入環部25は、その外周面が内方へ向かって所定勾配で下り傾斜する傾斜面を成し、その外径が下方に向かって序々に縮径している。そして、本実施例にあって、嵌入環部25は、その下端部の外径が排水口55の内径よりも小さく、上端部の外径が該排水口55に密着状に嵌合する寸法に設定されている(図5参照)。一方、突出環部26は、前記嵌入環部25よりも外方へ突出するように形成されており、該嵌入環部25より外径が大きい。そして、突出環部26は、主環部21の中心線に略直行する環状下面26aを備えており、前記嵌入環部25が排水口55に嵌合されることで、該環状下面26aが該排水口55周囲の桝底面56に接する(図6参照)。
さらに、主環部21の内周面には、内方へ突出する環状凸部28が周成されている。この環状凸部28が、水密パッキン4を上記導出管2に外嵌した際に、該導出管2の嵌合溝14に嵌合されることによって、該水密パッキン4の上下方向の外嵌位置が位置決めされる(図3,6参照)。尚、主環部21の内径は、導出管2に外嵌した状態で該導出管2の外周面に密着するように設定されている。そのため、水密パッキン4が導出管2に外嵌された状態では、主環部21の内周面と導出管2の外周面との間で水漏れを生じない。
また、環状鍔部22は、主環部21の上端周縁から斜め下方に向かって裾拡がり状に延出されてなる。そして、環状鍔部22は、薄厚状に形成されていることから、比較的容易に弾性変形可能となっている。この環状鍔部22は、その外周端が上記した突出環部26の環状下面26aよりも若干下方位置となるように、形成されている。これにより、上述したように主環部21の嵌入環部25が排水口55に嵌合された状態で、環状鍔部22の外周端が桝底面56に接する(図5,6参照)。尚、本実施例にあって、環状鍔部22は、主環部21の上端周縁から斜め下方へ略直線状に傾斜するように形成されているが、上方又は下方に湾曲する形状であっても良い。
さらに、この環状鍔部22は、その径方向の幅が、主環部21の内径(導出管2の外径)に比して、十分に短い所定寸法に設定されている。そのため、排水桝51の排水口55に装着された状態で、環状鍔部22が桝底面56に密着する面積を十分に小さくできる。そして、この環状鍔部22は、後述するように、桝底面56に密着されて止水効果を奏するものであるが、その幅寸法が短くとも、該桝底面56との密着性が高く、該止水効果も高い。
こうした水密パッキン4は、図5,6に示すように、導出管2に外嵌されて装着される。そして、導出管2を排水口55に嵌入することで、水密パッキン4の主環部21の嵌入環部25が排水口55に嵌入され、該嵌入環部25が排水口55に嵌合される。このように排水口55に嵌入させる際には、嵌入環部25の外周面が傾斜面を成していることから、該嵌入環部25を排水口55に比較的容易に嵌入させることができる。そして、嵌入環部25は、突出環部26の環状下面26aが桝底面56に接するまで、排水口55に嵌入されて、嵌合される。このように水密パッキン4が排水口55に嵌合されると、環状鍔部22の外周端部22aが桝底面56に接することで、該環状鍔部22と桝底面56と突出環部26とにより円環状の空隙sが形成される。そして、環状鍔部22が押圧されることにより、前記空隙sに負圧が生じ、該負圧によって、該環状鍔部22の外周端部22aが桝底面56に密着され、さらに密着された状態で保たれる。尚ここで、環状鍔部22は、嵌入環部25を排水口55に嵌入する際に押圧されたり、又は排水桝51の封水領域10に溜まった排水wの水圧により押圧されたりする。そして、こうして押圧されることによって前記空隙sに負圧が生じて密着される。また、水密パッキンの環状鍔部22は、排水桝51の封水領域10に排水wが溜まった状態で水圧を受け続けることから、前記した密着状態で保持され易い。
水密パッキン4は、上述したようにニトリルゴム製であり、かつ環状鍔部22が薄厚に形成されていることから、該環状鍔部22は高い柔軟性を有する。これにより、環状鍔部22は押圧されることで容易に弾性変形し、上記の空隙sに負圧が生じ易い。さらに、環状鍔部22の外周端部22aが桝底面56に倣うようにして密着され易く、仮に桝底面56の平滑性が低い場合にも十分に密着可能である。
このように水密パッキン4が外嵌された導出管2を、排水口55に嵌合することによって、該水密パッキン4の環状鍔部22が桝底面56に密着されることから、該水密パッキン4と排水口55との間を介した排水管59への水漏れを防止する止水効果が確実かつ安定して発揮される。そして、環状鍔部22と桝底面56との密着性が高いことから、前記止水効果が長期に亘って安定して発揮され得る。このように導出管2と排水口55とが水密パッキン4を介して水密状に嵌合されることから、本実施例の排水桝用トラップ装置1を排水桝51に装着した状態で、導出管2と排水口55との間からの水漏れが確実かつ安定して防止され、該排水桝51の封水領域10に排水wが常時溜まる。そのため、上述した排水管59から該排水桝51への有害ガス等の流入と有害な生物の侵入とを防止するという、排水桝用トラップ装置1の作用効果が安定して発揮される。
さらに、排水桝51の清掃の際には、排水桝用トラップ装置1を該排水桝51から取り外すことから(図7参照)、該清掃毎に導出管2を排水口55と嵌合解除する作業と再び嵌合する作業とが行われる。このように清掃毎に嵌合と嵌合解除とが繰り返されても、水密パッキン4の環状鍔部22は劣化や損耗し難いことから、上述した止水効果が安定して発揮される。すなわち、環状鍔部22が桝底面56に密着する作用は、上述したように、これら両者により画成された空隙sで生じた負圧によるものであることから、該密着により生ずる環状鍔部22の変形量は比較的小さく、かつ該変形のために作用する応力も比較的小さい。これにより、環状鍔部22は、前記密着に伴う劣化や損耗が可及的に抑制されるため、排水口55との嵌合と嵌合解除とを繰り返しても、桝底面56に安定して密着できる。したがって、定期的に清掃を行い、該清掃毎に排水桝用トラップ装置1の取り付けと取り外しとを実施しても、水密パッキン4による前記止水効果が比較的長期に亘って安定して保たれ得る。
尚、本実施例の水密パッキン4は、その嵌入環部25を排水口55に嵌入することで、導出管2を該排水口55に嵌合するものであることから、該嵌入環部25の外周面と排水口55の口縁とが密着し、該密着によっても水漏れを防止する止水効果がある。このように本実施例の水密パッキン4は、上述した環状鍔部22の密着による止水効果と、前記嵌入環部25の密着による止水効果との両方を発揮するものであることから、極めて高い止水効果が発揮され得る。
また、水密パッキン4は、上述した本実施例のように、環状鍔部22の径方向幅を比較的短い寸法で設定できる。そして、径方向幅の短い環状鍔部22であっても、上述した高い止水効果が安定して発揮できる。このように環状鍔部22の径方向幅を比較的短くすることによって、水密パッキン4は、その取扱性に優れる。尚、径方向幅の比較的広い寸法の環状鍔部を設定すると、桝底面56と密着する面積が広くなるため、止水効果を一層高めることができる。しかし、前記のように、径方向幅の短い構成に比して取扱性が低減してしまうことから、本実施例のように短い寸法の環状鍔部22を備えた構成が現実的であり、好適である。
本発明にあっては、上述した実施例に限定されるものではなく、上述の実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。例えば、本実施例では、水密パッキン4をニトリルブタジエンゴム製としたが、その他として、塩ビ等の樹脂製とすることも可能である。また、本実施例では、導出管2と封水キャップ3とをステンレス製としたが、他の金属製としても良いし、硬質のプラスチック製としても良い。