JP6536448B2 - 車両用制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された複数の車載機器を制御する車両用制御システムに関する。
例えば、特許文献1には、車両構成が変更される場合に、車両モードに応じた制御対象に対する挙動制御の変更が容易な車両制御装置(イントラボックス)について記載されている。
この特許文献1の車両制御装置は、車両モード毎に、機能ドメインECU及びサブドメインECUが制御対象に対して実行する挙動制御を、車両構成に応じたモード情報として記憶している。そして、車両制御装置は、記憶しているモード情報に基づき、車両が置かれた車両環境に基づき車両モードを設定して、各機能ドメインECU及び各サブドメインECUが制御対象に対して実行する挙動制御を管理する。
特開2010‐241298号公報
上述した特許文献1では、車両制御システムとして、制御対象の役割に応じていくつかの機能ドメインを規定するとともに、車両制御装置、機能ドメインECU、及びサブドメインECUなどからなる階層化された構造を採用している。このような構成を採用することにより、各制御対象の連携制御を容易に行うことができるとともに、車両構成の変更へ対応するための負荷も軽減することができる。
しかし、上記の構成では、機能ドメインごとに設けられる機能ドメインECUが、いくつかのサブドメインECUを通じて、それぞれの制御対象である車載機器を制御することになる。各車載機器は、車両の各部に配置されるので、機能ドメインECUからサブドメインECUを介して各車載機器に至る通信配線の長さが長くなり、車両内における取り回しが煩雑になってしまうことが懸念される。
そのため、機能ドメインECUを、ドメイン全体の管理を行うマスタドメインECUと、そのマスタドメインECUから制御指令を受けるいくつかのローカルドメインECUとに分けるとともに、車両を複数のエリアに分割し、各エリアに、ローカルドメインECUと、制御対象である車載機器を個別に制御するサブドメインECU(機器制御部)とを分散して配置することが考えられる。このような構成を採用することにより、少なくとも、配線数の多いローカルドメインECU−サブドメインECU−車載機器を接続する通信配線の長さを短縮することが可能となる。
また、機能ドメインECUが、サブドメインECUを通じて複数の車載機器を制御する際、その制御に必要となる電力量を最適化するため、車載電源の蓄電量に応じて、各機能ドメインにて使用可能な電力量を定めることが考えられる。これにより、例えば、車両の駆動力の調整や制動を行う機器、あるいは乗員の安全を図るための安全機器などの車載機器を制御するための電力を優先的に割り振ることにより、それらの車載機器の制御を確実に行うことが可能となる。
しかしながら、上述したように、機能ドメインによる区分けとエリア分割とを併用する場合、各エリアに車載機器が振り分けられ、ローカルドメインECUとサブドメインECUとが各エリアに分散配置されるので、各機能ドメインに割り振られた電力量は、さらに各エリアに分配される必要が生じる。この各エリアへの電力量の分配において、実際に各エリアで必要となる電力量よりも少ない電力量しか分配されない事態も発生しえる。この場合に、僅かでも分配電力量が必要電力量よりも小さいとの理由で、ローカルドメインECUが車載機器の制御を行い得ないとすると、各車載機器の制御を適切に行うことができなくなってしまう。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、各ドメインに割り振られた電力量を、ドメイン毎に、さらに各エリアに分配するようにしながら、分配電力量の不足による車載機器の制御への影響を極力抑制することが可能な車両用制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による車両用制御システムは、車両に搭載された複数の車載機器を制御するものであって、
車両用制御システムは、複数の車載機器のそれぞれの機能に応じて予め複数のドメインに区分けされ、それら複数のドメインにおいて、それぞれ、車載機器を制御するための機器制御部(14,15,16,24,25,26,34,35,36,44,45,46,54,55,56,64,65,66)と、機器制御部による制御を統括するドメイン制御部(10,20,30,40,50,60)とに階層化され、
車両は少なくとも2つのエリア(70,80,90)に分割され、複数の車載機器は、分割されたエリアに振り分けられ、
車載機器の振り分けに応じて、対応する機器制御部が該当するエリアに分散して配置され、
ドメイン制御部(10,20,30,40,50,60)は、対応する機器制御部とともにエリアに分散して配置されるローカルドメイン制御部(12,13,22,23,32,33,42,43,52,53,62,63)と、ドメイン毎の制御目標を定めるとともに、その制御目標達成のために各エリアにて分担すべきエリア制御目標を定め、当該エリア制御目標をローカルドメイン制御部に与えるマスタドメイン制御部(11,21,31,41,51,61)とを有し、
さらに、
複数の車載機器を制御するための電力を提供する車載電源(27,28)と、
少なくとも車載電源の蓄電量に基づき、各ドメインにて使用可能な電力量を決定するとともに、各ドメインにて使用可能な電力量に基づき、ドメイン毎に、当該電力量を各エリアに分配する分配電力量を算出する分配電力量算出部(S130,S140)と、
各エリアのローカルドメイン制御部毎に、エリア制御目標に従ってローカルドメイン制御部が機器制御部を通じて車載機器を制御したときに必要となる見込電力量を算出する見込電力量算出部(S210)と、
見込電力量が分配電力量よりも大きくなり、電力量が不足する場合に、その不足電力量を、同じエリア内において調達するための調達処理を実行する調達部(S220,S230、S240,S250,S310,S320,S360,S380)と、を備えるように構成される。
本発明による車両用制御システムでは、上記のように、車両が少なくとも2つのエリアに分割される。複数の車載機器は、分割されたエリアに振り分けられる。その車載機器の振り分けに応じて、対応する機器制御部も該当するエリアに分散して配置される。そして、ドメイン制御部は、マスタドメイン制御部と、ローカルドメイン制御部とを備え、ローカルドメイン制御部は、対応する機器制御部とともにエリアに分散して配置される。従って、関連するローカルドメイン制御部、機器制御部、及び車載機器を同じエリアに配置することができ、それらを接続するための通信配線の長さの短縮化を図ることができる。その結果、車両における通信配線の取り回しの煩雑さを軽減することができる。そして、マスタドメイン制御部が、全体の制御目標に基づき、各ローカルドメイン制御部に対してエリア制御目標値を与える。これにより、各エリアにローカルドメイン制御部を分散配置した場合であっても、各エリアにおける制御の全体的な整合を図ることが可能になる。
さらに、本発明による車両用制御システムでは、分配電力算出部が、各ドメインにて使用可能な電力量に基づき、当該電力量を該当するドメインの各エリアに分配する分配電力量を算出する。一方、各エリアのローカルドメイン制御部毎に、エリア制御目標に従ってローカルドメイン制御部が機器制御部を通じて車載機器を制御したときに必要となる見込電力量を算出する。そして、見込電力量が分配電力量よりも大きくなり、電力量が不足する場合に、調達部が、その不足電力量を、同じエリア内において調達するための調達処理を実行する。このため、例えば、各ドメインに割り振られた電力量を、それぞれのドメインごとに、各エリアへ分配する際、実際に各エリアで必要となる電力量よりも少ない電力量しか分配されない場合であっても、調達処置による同じエリア内における電力量の貸し借りを通じて、必要な電力量を確保し、制御を実行できる可能性を高めることができる。従って、本発明による車両用制御システムによれば、分配電力量の不足による車載機器の制御への影響を抑制することが可能となる。
上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、なんら本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
また、上述した特徴以外の、特許請求の範囲の各請求項に記載した技術的特徴に関しては、後述する実施形態の説明及び添付図面から明らかになる。
第1実施形態に係る、ハイブリッド車両の各種車載機器のための車両用制御システムの全体構成の一例を示すブロック図である。 車両を、フロントエリア、ミドルエリア、及びリヤエリアの3つのエリアに分割した例を示す図である。 機器制御部及び各ドメイン制御部の各構成要素の各エリアへの配置例を説明するための説明図である。 マスタドメイン制御部の制御処理について説明するためのフローチャートである。 ローカルドメイン制御部の制御処理について説明するためのフローチャートである。 ローカルドメイン制御部の制御処理における、余剰電力処理の詳細を示すフローチャートである。 第2実施形態における、ローカルドメイン制御部の制御処理について説明するためのフローチャートである。
(第1実施形態)
本発明に係る車両用制御システムの第1実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下に説明する第1実施形態では、車両の走行駆動源として、エンジンと電動モータ(モータジェネレータ)とを有するハイブリッド車両に搭載される各種の車載機器に対して、本発明による車両用制御システムを適用した例について説明する。しかしながら、本発明による車両用制御システムは、ハイブリッド車両における車載機器の制御に適用されるばかりでなく、エンジンのみを有する通常の車両や、電動モータのみを有する電動車両の各種の車載機器の制御に適用されても良い。また、ドメイン分けに関して説明しているが、このドメイン分けは制御システムの制御構造に密接に関係するため、必ずしも以下に説明する例と同一のドメイン分けを行う必要なく、適宜、最適なドメイン分けを行えば良い。
図1は、上述したハイブリッド車両における各種の車載機器のための車両用制御システム100の全体構成の一例をブロック図として表したものである。本実施形態に係る車両用制御システム100は、制御対象とする複数の車載機器の機能(役割)に応じて、複数のドメインに区分けされ、それら複数のドメインにおいて、それぞれ、車載機器を制御するための機器制御部14,15,16,24,25,26,34,35,36,44,45,46,54,55,56,64,65,66と、それら機器制御部による制御を統括するドメイン制御部10,20,30,40,50,60とに階層化されている。そして、各ドメイン制御部10,20,30,40,50,60は相互に通信可能に接続されている。
具体的には、図1に示す例において、車両用制御システム100は、パワートレイン(PT)、エレクトリカル(EL)、ボデー(BD)、シャシ(CS)、周囲環境(EVI)、HMIの6個のドメインに区分けされている。このように定めたドメインにより、ハイブリッド車両に搭載された多数の車載機器は、機能面で類似、関連するもの同士がグループ化される。
例えば、エンジン及びモータジェネレータ(MG)は、車両を加速させたり、減速させたり、あるいは速度を一定に保つための動力を車両に作用させる役割を担うため、パワートレインドメインに属する。さらに、トランスミッションは、エンジン及び/又はMGが発生したトルクを車両の走行状態に適するように変換して駆動軸に伝達する役割を担い、駆動力配分機構は、エンジン及び/又はMGが発生したトルク(駆動力)を4輪各輪に配分する役割を担うため、これらの車載機器もパワートレインドメインに属する。その他にも、MGに駆動電力を供給したり、MGが発電した電力を蓄電したりする役割を担う高電圧バッテリ、低電圧バッテリの充電のために高電圧バッテリが発生する高電圧を降圧して低電圧バッテリに供給するDCDCコンバータ、外部充電設備により高電圧バッテリを充電するための充電器インターフェース(IF)などの車載機器も、パワートレインドメインに属するものとされる。
パワートレインドメインには、上述した車載機器を制御するための機器制御部14,15、16が設けられている。これらの機器制御部14,15,16は、原則として、パワートレインドメインに属する車載機器に対応して個別に設けられる。例えば、パワートレインドメインには、機器制御部14,15,16として、エンジン制御部、MG制御部、トランスミッション制御部、駆動力配分機構制御部、高圧バッテリ制御部、DCDCコンバータ制御部、充電器IF制御部などが設けられる。
さらに、パワートレインドメインには、これらの機器制御部14,15,16の制御を統括するドメイン制御部として、パワートレイン(PT)ドメイン制御部10が設けられている。このPTドメイン制御部10は、機器制御部14,15,16に対して制御目標値を与える。機器制御部14,15,16は、共通のPTドメイン制御部10から与えられた制御目標値に従って、対応する車載機器を制御する。
PTドメイン制御部10は、マスタドメイン制御部としてのマスタパワートレイン(MPT)制御部11と、ローカルドメイン制御部としてのローカルパワートレイン(LPT)制御部12,13とから構成されている。MPT制御部11及びLPT制御部12,13は、後述するように、車両を3つのエリアに区画した際、3つのエリアに分散して配置される。MPT制御部11は、マスタドメイン制御部としての機能と、ローカルドメイン制御部としての機能とを兼ね備えたものである。すなわち、MPT制御部11は、マスタドメイン制御部として、車両の状態や、運転者の操作状態に応じてパワートレインドメイン全体の制御目標を定め、さらに、ドメイン全体の制御目標に基づき、各エリアが実現(分担)すべきエリア制御目標値を定める。MPT制御部11によって定められたエリア制御目標値は、LPT制御部12,13に与えられる。LPT制御部12,13は、与えられたエリア制御目標値に基づき、機器制御部15,16を制御するための制御目標値を算出して、機器制御部15,16に出力する。この際、MPT制御部11も、ローカルドメイン制御部として、自身が属するエリアにおけるエリア制御目標値に基づき、機器制御部14を制御するための制御目標値を算出し、機器制御部14に出力する。
エレクトリカルドメインに属する車載機器としては、例えば、低圧バッテリや、この低圧バッテリから各種の車載機器への給電のオン、オフを切り換えるジャンクションボックス(JB)などが挙げられる。本実施形態では、低圧バッテリは、車両のエンジンルーム内に設置される主低電圧バッテリ27、車両のラゲッジスペース(又はトランクルーム)の床下などに設置される副低電圧バッテリ28など複数のバッテリを含む。また、ジャンクションボックスは、エンジンルール内及びその付近に搭載された車載機器への給電のオン、オフを切り換えるためのフロントジャンクションボックスと、主として車室内及びその付近に搭載された車載機器への給電のオン、オフを切り換えるセンタージャンクションボックスと、ラゲッジスペース内又はその付近に搭載された車載機器への給電のオン、オフを切り換えるリアジャンクションボックスとを含む。これらのジャンクションボックスは、いずれも、各車載機器へ給電するための電源として、主低電圧バッテリ27と副低電圧バッテリ28とのいずれかを選択することができるように構成されている。
エレクトリカルドメインには、上述した車載機器を制御するための機器制御部24,25、26が設けられている。すなわち、エレクトリカルドメインには、機器制御部24,25、26として、主低圧バッテリ制御部、副低圧バッテリ制御部、フロントJB制御部、センターJB制御部、リヤJB制御部などが設けられている。さらに、エレクトリカルドメインには、これらの機器制御部24,25,26の制御を統括するドメイン制御部として、エレクトリカル(EL)ドメイン制御部20が設けられている。ELドメイン制御部20は、マスタドメイン制御部としてのマスタエレクトリカル(MEL)制御部21と、ローカルドメイン制御部としてのローカルエレクトリカル(LEL)制御部22,23とから構成されている。MEL制御部21は、PTドメイン制御部10のMPT制御部11の場合と同様に、マスタドメイン制御部としての機能と、ローカルドメイン制御部としての機能とを兼ね備えている。また、MEL制御部21及びLEL制御部22,23も、車両を3つのエリアに区画した際、3つのエリアに分散して配置される。
ボデードメインには、例えば、ヘッドライトやポジションランプなどの前方灯火、歩行者等を保護するためにボンネットに設けられた外部エアバッグ、ドアのロック、アンロックを切り換えるモータや窓を開閉するモータ、シートポジションを調節するモータ、車室内の空調を行うエアコン、車両の乗員を保護するための乗員エアバッグ、リヤゲートを自動開閉するためのモータ、ブレーキランプなどの後方灯火などの車載機器が属する。従って、このボデードメインには、機器制御部34,35,36として、前方灯火制御部、外部エアバッグ制御部、ドア制御部、シート制御部、エアコン制御部、乗員エアバッグ制御部、リヤゲート制御部、後方灯火制御部などが設けられる。
さらに、ボデードメインには、これらの機器制御部34,35,36の制御を統括するドメイン制御部として、ボデー(BD)ドメイン制御部30が設けられている。BDドメイン制御部30は、マスタドメイン制御部としてのマスタボデー(MBD)制御部31と、ローカルドメイン制御部としてのローカルボデー(LBD)制御部32,33とから構成されている。MBD制御部31は、マスタドメイン制御部としての機能と、ローカルドメイン制御部としての機能とを兼ね備えている。また、MBD制御部31及びLBD制御部32,33も、車両を3つのエリアに区画した際、3つのエリアに分散して配置される。
シャシドメインには、例えば、各車輪に設けられた油圧ブレーキを作動させるため、油圧ポンプや電磁バルブなどの油圧ブレーキ装置を駆動するブレーキアクチュエータ、各車輪に設けられた減衰力調整可能なダンパ、各車輪のタイヤに設けられ、空気圧の検知信号を無線通信する空気圧センサ、電動パワーステアリング(EPS)、運転者によるブレーキペダルの踏力を増幅してマスタシリンダに伝えるための負圧を発生する負圧ポンプ(VP)などの車載機器が属する。従って、このシャシドメインには、機器制御部44,45,46として、ブレーキアクチュエータ制御部、ダンパ制御部、空気圧検知制御部、EPS制御部、VP制御部などが設けられる。なお、油圧ブレーキ装置は、前輪側と後輪側とで、それぞれ独立して、油圧を調整できるように構成されており、ブレーキアクチュエータは、左右前輪のブレーキ油圧を個別に調節可能な前輪側ブレーキアクチュエータと、左右後輪のブレーキ油圧を個別に調節可能な後輪側ブレーキアクチュエータとに分けられている。
さらに、シャシドメインには、これらの機器制御部44、45,46の制御を統括するドメイン制御部として、シャシ(CS)ドメイン制御部40が設けられている。CSドメイン制御部40は、マスタドメイン制御部としてのマスタシャシ(MCS)制御部41と、ローカルドメイン制御部としてのローカルシャシ(LCS)制御部42,43とから構成されている。MCS制御部41は、マスタドメイン制御部としての機能と、ローカルドメイン制御部としての機能とを兼ね備えている。また、MCS制御部41及びLCS制御部42,43も、車両を3つのエリアに区画した際、3つのエリアに分散して配置される。
周囲環境ドメインには、例えば、車両前方の障害物を検出するためにフロントグリルやフロントバンパに設置されるレーザレーダ及びミリ波レーダ、車両前方の映像を撮影するためにフロントガラスの室内側に設置されるフロントカメラ、車両後方の映像を撮影するためにリアガラスの室内側に設置されるリヤカメラ、車両後方の障害物を検出するためにリヤバンパなどに設置されるミリ波レーダなどの車載機器が属する。従って、周囲環境ドメインには、機器制御部54,55,56として、レーザレーダ制御部、フロントミリ波レーダ制御部、フロントカメラ制御部、リヤカメラ制御部、リヤミリ波レーダ制御部などが設けられる。
さらに、周囲環境ドメインには、これらの機器制御部54,55,56の制御を統括するドメイン制御部として、周囲環境(EVI)ドメイン制御部50が設けられている。EVIドメイン制御部50は、マスタドメイン制御部としてのマスタ周囲環境(MEVI)制御部51と、ローカルドメイン制御部としてのローカル周囲環境(LEVI)制御部52,53とから構成されている。MEVI制御部51は、マスタドメイン制御部としての機能と、ローカルドメイン制御部としての機能とを兼ね備えている。また、MEVI制御部51及びLEVI制御部52,53も、車両を3つのエリアに区画した際、3つのエリアに分散して配置される。
HMIドメインには、例えば、ボンネットの状態を検知するための検知機構、車室内に設けられたディスプレイや各種スイッチ、リヤゲートの状態を検知するための検知機構などの車載機器が属する。従って、HMIドメインには、機器制御部64,65,66として、ボンネット状態検知制御部、ディスプレイ制御部、スイッチ制御部、リヤゲート状態検知制御部などが設けられる。さらに、HMIドメインには、これらの機器制御部64,65,66の制御を統括するドメイン制御部として、HMIドメイン制御部60が設けられている。HMIドメイン制御部60は、マスタドメイン制御部としてのマスタHMI(MHMI)制御部61と、ローカルドメイン制御部としてのローカルHMI(LHMI)制御部42,43とから構成されている。MHMI制御部61は、マスタドメイン制御部としての機能と、ローカルドメイン制御部としての機能とを兼ね備えている。また、MHMI制御部61及びLHMI制御部62,63も、車両を3つのエリアに区画した際、3つのエリアに分散して配置される。
次に、上述した車載機器、機器制御部14〜16,24〜26,34〜36,44〜46,54〜56,64〜66及びドメイン制御部10,20,30,40,50,60の車両への配置について説明する。
まず、上述した各種の複数の車載機器は、各車載機器に求められる役割や搭載上のスペースの関係から、車両の各部に配置される。このため、上述したドメイン制御部10,20,30,40,50,60を、車両の所定の場所に集中的に配置すると、全体として、各車載機器までの通信配線の長さが長くなってしまい、車両内における取り回しが煩雑になってしまうことが懸念される。
そこで、本実施形態による車両用制御システム100では、図2に示すように、車両を少なくとも2つのエリアに分割する。図2には、車両を、フロントエリア70、ミドルエリア80、及びリヤエリア90の3つのエリアに分割した例を示している。ただし、分割数は、図2の例のように3つに限定される訳ではない。例えば、車両を前方エリアと後方エリアのように2つのエリアに分割しても良い。また、前方右側エリア、前方左側エリア、後方右側エリア、後方左側エリアのように、4つのエリアに分割しても良い。4つのエリアに分割する場合、図2に示す分割例において、フロントエリアをさらに左右2つのエリアに分割しても良い。あるいは、車両のサイズに応じて、5つのエリアや6つのエリアに分割しても良い。
このようにして、車両を少なくとも2つのエリアに分割することにより、複数の車載機器は、その配置場所に応じて、分割されたいずれかのエリアに振り分けられる。その車載機器の振り分けに応じて、該当する車載機器を制御する機器制御部14〜16,24〜26,34〜36,44〜46,54〜56,64〜66も同じエリアに属するように分散して配置する。さらに、各ドメイン制御部10,20,30,40,50,60の構成要素である、MPT制御部11、LPT制御部12,13、MEL制御部21、LEL制御部22,23、MBD制御部31、LBD制御部32、33、MCS制御部41、LCS制御部42,43、MEVI制御部51,LEVI制御部52、53、MHMI制御部61、LHMI制御部62,63も、制御目標値を出力すべき対応する機器制御部14〜16,24〜26,34〜36,44〜46,54〜56,64〜66と同じエリアに属するように分散して配置する。
この結果、関連するドメイン制御部10,20,30,40,50,60の構成要素であるローカルドメイン制御部(ローカルドメイン制御部の機能を備えたマスタドメイン制御部含む)と、機器制御部14〜16,24〜26,34〜36,44〜46,54〜56,64〜66と、車載機器とを同じエリアに配置することができる。従って、配線数の多いローカルドメイン制御部−機器制御部−車載機器を接続する通信配線の長さを短縮することが可能となる。その結果、車両における通信配線の取り回しの煩雑さを軽減することができる。なお、同じエリア内に配置された、異なるドメインのローカルドメイン制御部は、相互に通信可能となるように通信配線によって接続される。
図3に、機器制御部14〜16,24〜26,34〜36,44〜46,54〜56,64〜66、及び各ドメイン制御部10,20,30,40,50,60の各構成要素の各エリア70,80,90への配置例を示す。
図3に示す例では、パワートレインドメインにおいて、フロントエリア70に、機器制御部14として、エンジン制御部、MG制御部、トランスミッション制御部が配置されている。そして、フロントエリア70には、これらエンジン制御部、MG制御部、トランスミッション制御部による制御を統括するローカルドメイン制御部として、MPT制御部11が配置されている。すなわち、パワートレインドメインにおいては、フロントエリアに配置されるローカルドメイン制御部が、マスタ制御部としての機能も兼ね備えたものとなっている。
パワートレインドメインのミドルエリア80には、機器制御部15として、駆動力配分機構制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LPT制御部12が配置されている。また、パワートレインドメインのリヤエリア90には、機器制御部16として、高圧バッテリ制御部、DCDCコンバータ制御部、充電器IF制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LPT制御部13が配置されている。
エレクトリカルドメインでは、フロントエリア70に、機器制御部24として、主低圧バッテリ制御部、フロントJB制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、MEL制御部21が配置されている。このように、エレクトリカルドメインの場合も、マスタドメイン制御部が、フロントエリア70に配置されている。
エレクトリカルドメインのミドルエリア80には、機器制御部25として、センターJB制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LEL制御部22が配置されている。また、エレクトリカルドメインのリヤエリア90には、機器制御部26として、副低圧バッテリ制御部、リヤJB制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LEL制御部23が配置されている。
ボデードメインでは、フロントエリア70に、機器制御部35として、前方灯火制御部、外部エアバッグ制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LBD制御部32が配置されている。ボデードメインのミドルエリア80には、機器制御部34として、ドア制御部、シート制御部、エアコン制御部、乗員エアバッグ制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、MBD制御部31が配置されている。このように、ボデードメインの場合、マスタドメイン制御部が、ミドルエリア80に配置されている。また、ボデードメインのリヤエリア90には、機器制御部36として、リヤゲート制御部、後方灯火制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LBD制御部33が配置されている。
シャシドメインでは、フロントエリア70に、機器制御部45として、前輪側ブレーキアクチュエータ制御部、左右前輪のダンパの減衰力を制御する前輪ダンパ制御部、左右前輪の空気圧の検知を制御する前輪空気圧検知制御部、EPS制御部が配置されている。また、フロントエリアには、これらの機器制御部45を統括して制御するためのローカルドメイン制御部として、LCS制御部42が配置されている。
シャシドメインのミドルエリア80には、機器制御部44として、VP制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、MCS制御部41が配置されている。このように、シャシドメインにおいても、マスタドメイン制御部が、ミドルエリア80に配置されている。また、シャシドメインのリヤエリア90には、機器制御部46として、後輪側ブレーキアクチュエータ制御部、後輪ダンパ制御部、後輪空気圧検知制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LCS制御部43が配置されている。
周囲環境ドメインでは、フロントエリア70に、機器制御部55として、レーザレーダ制御部、フロントミリ波レーダ制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LEVI制御部52が配置されている。周囲環境ドメインのミドルエリア80には、機器制御部54として、フロントカメラ制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、MEVI制御部51が配置されている。このように、周囲環境ドメインの場合も、マスタドメイン制御部が、ミドルエリア80に配置されている。周囲環境ドメインのリヤエリア90には、機器制御部56として、リヤカメラ制御部、リヤミリ波レーダ制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LEVI制御部53が配置されている。
HMIドメインでは、フロントエリア70に、機器制御部65として、ボンネット状態検知制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LHMI制御部62が配置されている。HMIドメインのミドルエリア80には、機器制御部64として、ディスプレイ制御部、スイッチ制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、MHMI制御部61が配置されている。このように、HMIドメインの場合も、マスタドメイン制御部が、ミドルエリア80に配置されている。HMIドメインのリヤエリア90には、機器制御部66として、リヤゲート状態検知制御部が配置され、ローカルドメイン制御部として、LHMI制御部63が配置されている。
ここで、本実施形態による車両用制御システム100では、各車載機器の制御に必要となる電力量を最適化するため、車載電源である主低電圧バッテリ27や副低電圧バッテリ28の蓄電量(SOC)に応じて、各ドメインにて使用可能な電力量を算出し、さらに各ドメインにて使用可能な電力量に基づき、当該電力量を各エリアに分配する分配電力量を算出する。各ドメインにて使用可能な電力量を算出する際に、例えば、車両の駆動力の調整や制動を行う車載機器、あるいは乗員の安全を図るための安全機器などの車載機器を制御するための電力を優先的に割り振ることにより、それらの車載機器の制御を確実に行うことが可能となる。
しかしながら、それぞれのドメインにて使用可能な電力を、ドメイン毎に、各エリアへ分配する際、実際に各エリアで必要となる電力量よりも少ない電力量しか分配されない事態も発生しえる。この場合に、僅かでも分配電力量が、必要電力量よりも小さいとの理由で狙い通りの車載機器の制御を行い得ないとすると、各車載機器の制御を適切に行うことができなくなってしまう。
そこで、本実施形態による車両用制御システム100では、各エリアのローカルドメイン制御部毎に、エリア制御目標に従ってローカルドメイン制御部が機器制御部を通じて車載機器を制御したときに必要となる見込電力量を算出する。そして、見込電力量が分配電力量よりも大きくなり、電力量が不足する場合に、その不足電力量を、同じエリア内において調達するための調達処理を実行することとした。これにより、例えば、各ドメインに割り振られた電力量を、それぞれのドメイン毎に、各エリアへ分配する際、実際に各エリアで必要となる電力量よりも少ない電力量しか分配されない場合であっても、調達処理による同じエリア内における電力量の貸し借りを通じて必要な電力量を確保し、エリア制御目標に従う制御を実行できる可能性を高めることができる。
電力量の各エリアの分配や、不足電力の調達処理に関して、図4〜図6のフローチャートを参照しつつ、詳細に説明する。なお、図4のフローチャートは、各ドメインのマスタドメイン制御部によって実行される処理を示し、図5,6のフローチャートは、各ドメインのローカルドメイン制御部によって実行される処理を示す。まず、図4のフローチャートを参照しつつ、マスタドメイン制御部の制御処理について説明する。この図4のフローチャートに示す処理は、所定時間毎に繰り返し実行される。
図4のフローチャートのステップS100において、マスタドメイン制御部は、各種のセンサや操作スイッチからの信号に基づき、車両の状態、乗員(運転者)による各種の操作機器の操作状態を検出する。続くステップS110において、ステップS100での検出結果に基づいて、ドメイン全体の制御目標を算出する。なお、ドメイン全体の制御目標に関しては、各マスタドメイン制御部の上位に統合制御部を設け、この統合制御部において各ドメインの制御目標を算出し、各マスタドメイン制御部に提供するように構成しても良い。
ステップS120では、ステップS110で算出したドメイン全体の制御目標に基づき、各エリアで実行(分担)すべき制御を示すエリア制御目標値を算出する。これにより、各エリアにローカルドメイン制御部を分散配置した場合であっても、同じドメインの各エリアにおける制御の全体的な整合を図ることが可能になる。
この際、マスタドメイン制御部は、必要に応じて、他のマスタドメイン制御部へも、制御目標値を送信する。例えば、車両の運転者がブレーキペダルを操作した場合、パワートレインドメインのマスタドメイン制御部であるMPT制御部11は、ブレーキペダル操作に応じた制動トルクを発生させるべく、高電圧バッテリの充電可能量を考慮しつつ、油圧ブレーキと回生ブレーキとのそれぞれの目標ブレーキトルクを算出する。そして、MPT制御部11は、算出した油圧ブレーキの目標ブレーキトルクをシャシドメインのMCS制御部41へ送信する。すると、MCS制御部41は、受信した目標ブレーキトルクを発生させるための制御指示を含むエリア制御目標値を、LCS制御部42,43に与える。
ステップS130では、車載電源である主低電圧バッテリ27や副低電圧バッテリ28の蓄電量(SOC)に応じて、自身のドメインにて使用可能な電力量を算出する。具体的には、例えば、車載電源の蓄電量(SOC)に、ドメイン毎に定められた所定の比率を乗じることにより、自身のドメインにて使用可能な電力量を算出する。その所定の比率は、車両の状況などに応じて変化させても良い。その際、車両の状況(シーン)は、例えば、停止、発進、加速、一定走行、減速、停車などに区分けすることができる。それぞれの状況において、各ドメインにおける制御内容が変化したり、制御の実行、停止が切り換わったりするためである。また、各ドメインにて使用可能な電力量を各マスタドメイン制御部にて算出するのではなく、上述した統合制御部にて算出し、その算出結果を各ドメインのマスタドメイン制御部に通知するようにしても良い。
ステップS140では、マスタドメイン制御部は、自身のドメインにて使用可能な電力量に基づいて、各エリアに分配する分配電力量を算出する。この分配電力量の算出は、例えば、自身のドメインにて使用可能な電力量に、エリア毎に定められた所定の比率を乗じることにより、各エリアの分配電力量を算出することができる。その所定の比率は、車両の状況や、各エリアにおける制御の実行の有無などに応じて変化させても良い。
ステップS150では、マスタドメイン制御部は、ステップS120において算出したエリア制御目標値、及びステップS140において算出した各エリアの分配電力量を、各エリアのローカルドメイン制御部へ送信する。
次に、図5のフローチャートを参照しつつ、ローカルドメイン制御部の制御処理について説明する。この図5のフローチャートに示す処理も、所定時間毎に繰り返し実行される。
最初に、ステップS200において、マスタドメイン制御部からエリア制御目標値及び分配電力量を受信したか否かを判定する。この判定処理において、未受信と判定した場合には、このステップS200の処理を繰り返すことにより、エリア制御目標値及び分配電力量を受信するまで待機する。エリア制御目標値及び分配電力量を受信したと判定した場合には、ステップS210の処理に進む。
ステップS210では、エリア制御目標値に従って、ローカルドメイン制御部が機器制御部を通じて車載機器を制御したときに必要となる見込電力量を算出する。具体的には、例えば、ローカルドメイン制御部が、受信したエリア制御目標値に基づいて、機器制御部に対する制御目標値を算出し出力するのに必要な電力量、機器制御部が制御目標値を受信し、その制御目標値に従って車載機器を制御するための制御信号を出力するのに必要な電力量、及び、その制御信号に応じて車載機器を駆動するのに必要な電力量の合計から、見込電力量を算出する。
続くステップS220では、ローカルドメイン制御部が、算出した見込電力量は、自身のエリアに分配された分配電力量以下であるか否かを判定する。見込電力量が分配電力量以下と判定した場合、電力不足の問題は生じないため、ステップS260に進み、受信したエリア制御目標値に基づいて算出される制御目標値を機器制御部に出力する。例えば、パワートレインドメインのフロントエリア70に配置されたMPT制御部11は、マスタドメイン制御部としての役割により、フロントエリアのエリア制御目標値として、車両として必要なトルクを算出する。そして、MPT制御部11は、ローカルドメイン制御部としての役割により、算出された必要トルクを最も効率良く実現できるように、エンジンとMGとの分担割合を定める。この定めた分担割合に応じた目標エンジントルク及び目標MGトルクを、制御目標値として、エンジン制御部及びMG制御部に出力する。また、MPT制御部11は、エンジン及びMGにより出力されるトルクを車両の走行状態に適するように変換するための目標変速比を定め、制御目標値として、トランスミッション制御部に出力する。
一方、ステップS220において、見込電力量が分配電力量より大きいと判定した場合、エリア制御目標値に従う制御をそのまま実行すると電力不足の問題が生じる虞がある。そのため、ステップS230において、ローカルドメイン制御部は、過去に余剰電力が生じ、その余剰電力をリザーブしたリザーブ電力を有しているか否かを判定する。本実施形態に係る車両用制御システム100では、見込電力量が分配電力量よりも小さく、余剰電力量が発生する場合に、その余剰電力量をローカルドメイン制御部別にリザーブ電力量として蓄積しておけるように構成されている。リザーブ電力量は、各ローカルドメイン制御部における分配電力量と見込電力量とによる電力量の収支の変動を、それぞれのローカルドメイン制御部自身が吸収できるようにするために導入した仮想的な電力量である。リザーブ電力量という概念を導入することにより、あるローカルドメイン制御部がリザーブ電力量を保有している場合には、そのリザーブ電力量の範囲で不足電力量分だけ余分に電力を使用しても、電力の収支は合うので、ローカルドメイン制御部自身にて、ある程度の電力量の収支の変動を吸収することが可能になる。なお、リザーブ電力量によって不足電力量を賄う場合、不足電力量分だけリザーブ電力量から電力量を借りていると捉えることもできる。ただし、リザーブ電力量は、不足電力量分を借りるローカルドメイン制御部自身にて蓄えたものであるため、当然のことながら、その借りた分の電力量を返還する必要はない。
ステップS230においてリザーブ電力量が有ると判定した場合には、ステップS240の処理に進む。一方、リザーブ電力量を有していないと判定した場合には、ステップS310の処理に進む。
ステップS240では、見込電力量が分配電力量を上回った分の不足電力量が、リザーブ電力量よりも大きいか否かを判定する。この判定処理において、不足電力量がリザーブ電力量よりも大きくない、すなわち、不足電力量はリザーブ電力量以下と判定した場合、ステップS250の処理に進む。不足電力量がリザーブ電力量以下である場合、不足電力量はリザーブ電力量によって賄えるので、リザーブ電力量から不足電力量を補填する。そのため、ステップS250では、不足電力量をリザーブ電力量から差し引くことにより、リザーブ電力量を更新する。その後、上述したステップS260の処理に進み、エリア制御目標値に従う車載機器の制御を実行する。
このように、本実施形態による車両用制御システム100では、見込電力量が分配電力量より大きく、電力が不足する場合、最初に、その不足電力量をリザーブ電力量により賄えるか否か、すなわち、個々のローカルドメイン制御部自身で、分配電力量と見込電力量とによる電力量の収支の変動を吸収できるか否かを判定する。このため、電力不足と判定した場合に、他のドメインのローカルドメイン制御部へ及ぼす影響を低減しつつ、エリア制御目標値に従う制御を実行することができる。
一方、ステップS230においてリザーブ電力量がないと判定した場合、及びステップS240において不足電力量はリザーブ電力量よりも大きいと判定した場合に実行されるステップS310では、ローカルドメイン制御部自身で分配電力量と見込電力量とによる電力量の収支の変動を吸収できないので、同じエリアの他のドメインのローカルドメイン制御部へ電力の融通依頼を行う。この融通依頼は、電力を貸し出しているローカルドメイン制御部があれば、そのローカルドメイン制御部へ優先的に依頼を行うようにしても良い。また、複数のローカルドメイン制御部へ順番に融通依頼を行っても良い。
電力の融通依頼には、不足電力量を含む。そして、リザーブ電力量は有るが、不足電力量よりも小さいために融通依頼を行う場合には、融通依頼に含む不足電力量は、リザーブ電力量を超えた分だけとする。この融通依頼に対するローカルドメイン制御部の処理については、後に説明する。
続くステップS320では、融通依頼に対して、他のドメインのローカルドメイン制御部から融通を許可する回答が得られた否かを判定する。なお、この判定処理では、複数のローカルドメイン制御部へ順番に融通依頼を行った結果、複数のローカルドメイン制御部から、それぞれ、一部の電力の融通を許可する旨の回答があり、それらの電力の合計が、不足電力量を上回った場合、融通を許可するとの回答が得られたと判定する。融通を許可するとの回答が得られたと判定した場合、ステップS360の処理に進み、融通を許可するとの回答が得られなかったと判定した場合、ステップS330の処理に進む。
ステップS330では、エリア制御目標値に従う制御を実行するには電力が不足する虞があるため、そのエリア制御目標値に従う制御に関して、制御対象となる車載機器の制御を優先度で層別する。この優先度は、例えば、安全に係る制御、車両の走行状態に係る制御に関係する場合に、相対的に高い優先度を持つ車載機器の制御と層別し、乗員の快適性に係る制御等の他の制御に関係する場合に、相対的に低い優先度を持つ車載機器の制御と層別するように、予め定められ記憶されている。そして、高い優先度を持つ車載機器の制御の実行を指示する一方で、低い優先度を持つ車載機器の制御の実行指示を行うことなく、低い優先度の車載機器の制御を待機させる。例えば、シャシドメインのLCS制御部42、43において、エリア制御目標値により、ブレーキアクチュエータの制御と、空気圧検知の指示を受けた場合であって、電力の不足が判定された場合に、ブレーキアクチュエータの制御を高い優先度を持つ車載機器の制御と層別し、前輪空気圧検知を、低い優先度を持つ車載機器の制御と層別する。この結果、ブレーキアクチュエータの制御は実行されるが、空気圧検知のための処理は待機されることになる。また、例えば、ボデードメインのMBD制御部31において、エリア制御目標値により、エアコンによる車室内の暖房制御と、シートヒータ制御の指示を受けた場合であって、電力の不足が判定された場合は、エアコンによる暖房制御を高い優先度を持つ車載機器の制御と層別し、シートヒータ制御を低い優先度を持つ車載機器の制御と層別する。この場合、エアコンによる暖房制御は実行されるが、シートヒータ制御は待機される。
ステップS340では、低優先度の車載機器の制御の待機時間が所定時間以上となったか否かを判定する。所定時間以上となったと判定した場合には、ステップS350において、自身のマスタドメイン制御部を通じて、車両における電力の生成を管理するパワートレインドメインのマスタドメイン制御部であるMPT制御部11に発電要求を送信する。すると、MPT制御部11は、モータジェネレータによる発電量を増加させるとともに、LPT制御部13に、DCDCコンバータを作動させ、高電圧バッテリの蓄電量により低電圧バッテリ27、28を充電するように指示する。これにより、各ドメイン、ひいては、各エリアに分配される電力量が増加し、待機している車載機器の制御を開始することが可能になる。また、車両が、低電圧バッテリ27、28を充電するための電力を発電する発電機(オルタネータ)を有する場合には、このオルタネータによる発電量を増やしても良い。
一方、ステップS360では、他のドメインのローカルドメイン制御部から融通してもらった電力量を借入電力として記録する。この際、複数のローカルドメインから融通を受けた場合には、ローカルドメイン毎に、それぞれ借り入れた電力を区別して記録する。また、不足電力を賄うために、リザーブ電力量を充当した場合には、リザーブ電力量を更新する。その後、ステップS370に進み、エリア制御目標値に従う車載機器の制御を実行する。
上述したステップS260の処理後に実行されるステップS270では、制御の実行を待機している車載機器があるかどうかを判定する。この判定処理において、待機している車載機器があると判定した場合には、ステップS280に進む。
ここで、ステップS260の処理が実行されるのは、見込電力量が分配電力量よりも小さく、余剰となる電力量があるか、もしくは、不足電力量以上のリザーブ電力量がある場合である。この場合、電力量としては余裕がある状態であるため、ステップS280において、その余裕がある電力量、具体的には、余剰電力とリザーブ電力とを用いて、待機している車載機器の制御を実行可能か否か判定する。この判定処理において、待機している車載機器の制御を実行可能と判定した場合、ステップS290において、待機している車載機器の制御の実行を、該当する機器制御部へ指示する。そして、ステップS300において、待機していた車載機器の制御に使用した電力分だけ減じるように、余剰電力及び/又はリザーブ電力を更新する。
最後に、ローカルドメイン制御部は、ステップS380において、余剰電力処理を実行する。この余剰電力処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
余剰電力処理では、まず、ステップS400において、他のドメインのローカルドメイン制御部から、貸し出していた貸出電力の返還の連絡があったか否かを判定する。返還の連絡があったと判定した場合、ステップS410に進み、返還された電力分だけ貸出電力を減じるとともに、余剰電力を増やすように、貸出電力及び余剰電力を更新する。
ステップS420では、他のドメインのローカルドメイン制御部から電力の融通依頼があったか否かを判定する。融通依頼があったと判定すると、ステップS430に進み、依頼された不足電力量以上の余剰電力量を有しているか否かを判定する。なお、リザーブ電力を有している場合には、ステップS430の判定において、余剰電力量にリザーブ電力量を含めても良い。依頼された不足電力量以上の余剰電力量を有していると判定した場合には、ステップS440の処理に進み、依頼された不足電力量未満の余剰電力量しか有していないと判定した場合には、ステップS460の処理に進む。
ステップS440では、不足電力の融通を許可するとの回答を出す。そして、ステップS450において、貸出電力の記録を行うとともに、貸し出した電力分だけ余剰電力量を減じるように余剰電力量を更新する。なお、リザーブ電力量からも貸し出した場合には、リザーブ電力量の更新も行う。
ステップS460では、不足電力の一部の融通を許可するとの回答を出す。そして、ステップS470において、貸出電力の記録を行うとともに、貸し出した電力分だけ余剰電力量を減じるように余剰電力量を更新する。また、リザーブ電力量からも貸し出した場合には、リザーブ電力量の更新も行う。
上述したステップS420において、他のドメインのローカルドメイン制御部から電力の融通依頼はないと判定した場合、及びステップS450の処理の終了後、ローカルドメイン制御部は、余剰電力及び/又はリザーブ電力を有している場合があるので、ステップS480の処理を実行する。
ステップS480では、他のドメインのローカルドメイン制御部から電力を借り入れた際の借入電力がまだ未返還であるか否かを判定する。他のドメインから電力の借り入れがなかったり、借入電力をすべて返還済みであったりする場合には、この判定処理において「NO」と判定され、ステップS520の処理に進む。一方、まだ未返還の借入電力がある場合には、「YES」と判定され、ステップS490の処理に進む。
ステップS490では、未返還の借入電力以上の余剰電力量を有しているか否かを判定する。なお、リザーブ電力を有している場合には、ステップS490の判定において、余剰電力量にリザーブ電力量を含めても良い。未返還の借入電力以上の余剰電力量を有していると判定した場合には、ステップS500の処理に進み、未返還の借入電力未満の余剰電力量しか有していないと判定した場合には、ステップS530の処理に進む。
ステップS500では、未返還の借入電力の返還を、借入先のローカルドメイン制御部に通知する。そして、ステップS510において、借入電力がゼロとなるように借入電力を更新するとともに、返還した電力分だけ余剰電力量を減じるように余剰電力量を更新する。なお、リザーブ電力量からも返還した場合には、リザーブ電力量の更新も行う。
ステップS530では、未返還の借入電力の一部の電力の返還を、借入先のローカルドメイン制御部に通知する。そして、ステップS540において、返還した電力分だけ借入電力及び余剰電力量を減じるように、借入電力及び余剰電力量を更新する。なお、リザーブ電力量からも返還した場合には、リザーブ電力量の更新も行う。
上述したステップS480において「NO」と判定した場合、及びステップS510の処理の終了後、ローカルドメイン制御部は、余剰電力を有している場合があるので、ステップS520の処理を実行する。ステップS520では、余剰電力量をリザーブ電力量に加算することによって、リザーブ電力量を更新する。その際、余剰電力量は、ゼロにリセットされる。
以上の余剰電力処理により、ローカルドメイン制御部は、余剰電力をリザーブ電力として蓄えておくことが可能となる。また、その余剰電力(及びリザーブ電力)を利用して、他のローカルドメイン制御部へ電力を融通したり、他のローカルドメイン制御部から借り入れていた電力を返還したりすることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の車両用制御システムの第2実施形態について説明する。なお、以下においては、第1実施形態と異なる点のみを説明し、共通する点に関する説明は省略する。
上述した第1実施形態では、各エリアのローカルドメインが個別に見込電力量と分配電力量との大小関係から余剰電力量や不足電力量を求め、不足電力量が生じた場合には、自身のリザーブ電力量から補填したり、他のローカルドメイン制御部から借り入れたりするものであった。
それに対して、本実施形態による車両用制御システムでは、各エリアにおいて、予め定めた特定のローカルドメイン制御部が、同一エリア内の全てのローカルドメイン制御部から見込電力量と分配電力量を収集する。そして、収集した見込電力量の合計値と分配電力量の合計値とを対比することにより、エリア全体として、電力量の不足が生じているか否かを判定する。このようにすれば、ローカルドメイン制御部間で電力の融通を行なわずとも済むようになる。つまり、少なくとも1つのローカルドメイン制御部において電力不足が生じていても、エリア全体として見れば、見込電力量の合計値が分配電力量の合計値を下回っていれば、各ローカルドメイン制御部が、エリア制御目標値に従う制御を実行しても、電力不足が生じることはない。
図7のフローチャートは、上述した特定のローカルドメイン制御部の制御処理を示している。ステップS600では、特定のローカルドメイン制御部が、エリア内の各ローカルドメイン制御部からそれぞれの見込電力量と分配電力量を取得する。続くステップS610では、収集した見込電力量と分配電力量とに基づき、見込電力量の合計値と分配電力量の合計値を算出する。そして、見込電力量の合計値と分配電力量の合計値とを比較して、見込電力量の合計値が分配電力量の合計値以下であるか否かを判定する。この判定処理において、見込電力量の合計値が分配電力量の合計値以下と判定した場合、エリア全体として電力不足の問題は生じないため、ステップS650に進む。ステップS650では、特定のローカルドメイン制御部は、各ローカルドメイン制御部に、それぞれ、エリア制御目標値に従う制御の実行を許可する旨の通知を行う。
一方、ステップS610において、見込電力量の合計値が分配電力量の合計値より大きいと判定した場合、各ローカルドメイン制御部において、エリア制御目標値に従う制御をそのまま実行すると電力不足の問題が生じる虞がある。そのため、ステップS620において、特定のローカルドメイン制御部は、過去に余剰電力が生じ、その余剰電力をリザーブしたリザーブ電力を有しているか否かを判定する。このリザーブ電力は、エリア全体に対して設定されたものである。ステップS620においてリザーブ電力量が有ると判定した場合には、ステップS630の処理に進む。一方、リザーブ電力量を有していないと判定した場合には、ステップS690の処理に進む。
ステップS630では、見込電力量の合計値が分配電力量の合計値を上回った分の不足電力量が、リザーブ電力量よりも大きいか否かを判定する。この判定処理において、不足電力量はリザーブ電力量以下と判定した場合、ステップS640の処理に進む。ステップS640では、不足電力量をリザーブ電力量から差し引くことにより、リザーブ電力量を更新する。その後、上述したステップS650の処理に進み、各ローカルエリア制御部にエリア制御目標値に従う制御の実行の許可通知を出す。
一方、ステップS620においてリザーブ電力量がないと判定した場合、及びステップS630において不足電力量はリザーブ電力量よりも大きいと判定した場合に実行されるステップS690では、図5のフローチャートのステップS330と同様に、各ローカルドメイン制御のエリア制御目標値に従う制御に関して、制御対象となる車載機器の制御を優先度で層別する。そして、高い優先度を持つ車載機器の制御の実行は許可し、低い優先度を持つ車載機器の制御の実行は許可せずに、低い優先度の車載機器の制御を待機させる。本実施形態では、上述したように、ローカルドメイン制御部間における電力の融通処理は不要であるため、リザーブ電力量で不足電力量を賄えない場合には、優先度による層別の下に、高優先度の車載機器の制御だけを許可するのである。
その他のステップの処理は、図5のフローチャートと同様であるため、説明を省略する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々、変形して実施することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、いずれかのローカルドメイン制御部が、マスタドメイン制御部としての機能を兼ね備える例について説明した。しかしながら、マスタドメイン制御部は、各エリアに設けられるローカルドメイン制御部とは別個に設けても良い。また、マスタドメイン制御部は、例えば、複数設けて、メインのマスタドメイン制御部が故障した場合には、別のマスタドメイン制御部がドメイン全体の制御を引き継ぐようにしても良い。
10 パワートレインドメイン制御部
20 エレクトリカルドメイン制御部
30 ボデードメイン制御部
40 シャシドメイン制御部
50 周囲環境ドメイン制御部
60 HMIドメイン制御部
100 車両用制御システム

Claims (11)

  1. 車両に搭載された複数の車載機器を制御する車両用制御システムであって、
    前記車両用制御システムは、複数の前記車載機器のそれぞれの機能に応じて予め複数のドメインに区分けされ、それら複数のドメインにおいて、それぞれ、前記車載機器を制御するための機器制御部(14,15,16,24,25,26,34,35,36,44,45,46,54,55,56,64,65,66)と、前記機器制御部による制御を統括するドメイン制御部(10,20,30,40,50,60)とに階層化され、
    前記車両は少なくとも2つのエリア(70,80,90)に分割され、複数の前記車載機器は、分割された前記エリアに振り分けられ、
    前記車載機器の振り分けに応じて、対応する前記機器制御部が該当する前記エリアに分散して配置され、
    前記ドメイン制御部(10,20,30,40,50,60)は、対応する前記機器制御部とともに前記エリアに分散して配置されるローカルドメイン制御部(12,13,22,23,32,33,42,43,52,53,62,63)と、ドメイン毎の制御目標を定めるとともに、その制御目標達成のために各エリアにて分担すべきエリア制御目標を定め、当該エリア制御目標を前記ローカルドメイン制御部に与えるマスタドメイン制御部(11,21,31,41,51,61)とを有し、
    さらに、
    複数の前記車載機器を制御するための電力を提供する車載電源(27,28)と、
    少なくとも前記車載電源の蓄電量に基づき、各ドメインにて使用可能な電力量を決定するとともに、各ドメインにて使用可能な電力量に基づき、前記ドメイン毎に、当該電力量を各エリアに分配する分配電力量を算出する分配電力量算出部(S130,S140)と、
    各エリアの前記ローカルドメイン制御部毎に、前記エリア制御目標に従って前記ローカルドメイン制御部が前記機器制御部を通じて前記車載機器を制御したときに必要となる見込電力量を算出する見込電力量算出部(S210)と、
    前記見込電力量が前記分配電力量よりも大きくなり、電力量が不足する場合に、その不足電力量を、同じ前記エリア内において調達するための調達処理を実行する調達部(S220,S230、S240,S250,S310,S320,S360,S380)と、を備える車両用制御システム。
  2. 前記調達部は、前記ローカルドメイン制御部毎に設けられ、該当する前記ローカルドメイン制御部における前記見込電力量と前記分配電力量とを比較するものであり、前記見込電力量が前記分配電力量よりも小さくなり、電力量が余剰となる場合に、その余剰電力量を前記ローカルドメイン制御部別にリザーブしておき、該当する前記ローカルドメイン制御部において前記不足電力量が発生する場合に、リザーブしておいた電力量から調達する請求項1に記載の車両用制御システム。
  3. 前記調達部は、前記ローカルドメイン制御部毎に設けられ、該当する前記ローカルドメイン制御部における前記見込電力量と前記分配電力量とを比較するものであり、前記不足電力量が発生すると、前記同じエリア内の、他のドメインに属する前記ローカルドメイン制御部へ電力量の融通を依頼して、前記不足電力量を調達する請求項1又は2に記載の車両用制御システム。
  4. 前記調達部は、前記見込電力量が前記分配電力量よりも小さく、余剰電力量が生じたときに、電力量の融通の依頼を受けると、その余剰電力量から依頼元の前記調達部へ電力量を貸し出す請求項3に記載の車両用制御システム。
  5. 前記調達部は、前記見込電力量が前記分配電力量よりも小さく、電力量が余剰となる場合に、その余剰電力量をリザーブしておくものであって、リザーブした電力量を保有しているときに、電力量の融通の依頼を受けると、そのリザーブした電力量から依頼元の前記調達部へ電力量を貸し出す請求項3又は4に記載の車両用制御システム。
  6. 電力量の借り入れを行った前記調達部は、前記見込電力量が前記分配電力量よりも小さく、余剰電力量が生じた場合に、その余剰電力量から、借り入れた電力量を貸出元の前記調達部へ返還する請求項4又は5に記載の車両用制御システム。
  7. 前記調達部は、前記エリア毎に設けられ、該当する前記エリアに属する前記ローカルドメイン制御部の前記見込電力量の合計と、前記分配電力量との合計とを比較するものであり、前記見込電力量の合計が前記分配電力量の合計よりも小さくなり、電力量が余剰となる場合に、その余剰電力量を前記エリア別にリザーブしておき、該当する前記エリアにおいて、前記見込電力量の合計が前記分配電力量の合計よりも大きくなり、前記不足電力量が発生する場合に、リザーブしておいた電力量から調達する請求項1に記載の車両用制御システム。
  8. 前記調達部が、前記調達処理を実行しても、前記不足電力量を調達できない場合、前記ローカルドメイン制御部は、前記エリア制御目標により制御対象となる前記車載機器を予め定められた優先度で層別し、相対的に低優先度の前記車載機器の制御を待機させる請求項1乃至7のいずれかに記載の車両用制御システム。
  9. 待機している前記車載機器がある場合に、前記見込電力量が前記分配電力量よりも小さくなり、余剰電力量が生じたとき、前記ローカルドメイン制御部は、その余剰電力量を用いて、待機している前記車載機器の制御を行う請求項8に記載の車両用制御システム。
  10. 前記車載機器の制御の待機状態が所定時間継続した場合に、前記調達部は、前記車載電源を充電するための電力を発電する発電部に対して、発電要求を行う請求項8又は9に記載の車両用制御システム。
  11. いずれかの前記エリアに配置される前記ローカルドメイン制御部が、前記マスタドメイン制御部としての機能を兼ね備えるように構成される請求項1乃至10のいずれかに記載の車両用制御システム。
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