JP6536428B2 - 結晶育成装置 - Google Patents

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本発明は、結晶育成装置に関し、特に、チョコラルスキー法での結晶育成に適した結晶育成装置に関する。
一般に、チョコラルスキー結晶育成方法は、ある結晶方位に従って切り出された種と呼ばれる、通常は断面の一辺が数mm程度の直方体単結晶の先端を、同一組成の融液に浸潤し、回転しながら徐々に引上げることによって、種結晶の性質を伝播しながら大口径化して単結晶を製造する方法である。
この、チョコラルスキー法を用いた結晶育成に適した結晶育成装置の構造は、一般的に種結晶を懸架する、回転機能を具備した引き上げ軸、引き上げ軸を昇降させる昇降機構、坩堝と断熱材と加熱装置からなるホットゾーン、ホットゾーンを覆い、内部の雰囲気を置換したり、ホットゾーンの高熱を遮断したりする機能を有するチャンバー、引き上げ軸部をホットゾーン部の上方に固定するポストフレーム、チャンバーの下部の架台からなる(例えば、特許文献1参照)。
図1は、特許文献1に記載された結晶育成装置の概略を示すものである。図1に示されるように、結晶の回収や熱構成構築作業の安全性と良好な作業性を確保するため、坩堝2とワークコイル3等の加熱源から構成される熱構成部を外界から保護遮断するための水冷式のチャンバー4を、垂直方向断面に沿って分割可能な構成にするとともに、分割したチャンバー4を熱構成部の上部及び前面が露出するように、水平方向に、移動または開閉できるようにした結晶育成装置を提案している。従来、育成された単結晶を回収し、次の新たな単結晶の育成のための熱構成を再構築する作業のために、1サイクル操業終了毎にチャンバー4を装置上部に移動し、熱構成部付近の作業空間を確保する必要があり、チャンバー昇降機構(図示せず)で水冷式のチャンバー4を上部に吊り下げ移動していた。しかしながら、水冷式のチャンバー4は大型で重量物であるため、チャンバー昇降機構は高強度に構成する必要があり、且つ結晶の回収や熱構成再構築の作業は、重量物であるチャンバー4の下で行わなければならず、非常に不安全な作業となるという問題があった。特許文献1に記載の結晶育成装置は、安全性や作業性の向上とともに、チャンバー4を上下方向に可動させる機構を除去することで、装置の全高を低く製作することに成功している。
特許4858412号公報
しかしながら、特許文献1の構成を用いて、例えば、融点が1800℃程度の原料を用いて、直径200mm、長さ200mm程度の結晶を得る結晶育成装置の全高は、4.0m程度となる。この結晶育成装置を装置製作工場から結晶育成工場に長距離を陸送にて搬送する場合、直径800mm、高さが1000mmのチャンバーを有する結晶育成装置の重量は、操作盤などを除く本体のみで2000kg程度の重量となるため、大型のトラックを使用するのが一般的である。
また、結晶育成装置の高さは4m程度となることから、装置を分解したり、横倒しにしたりしてトラックに積載した状態で、道路法の上限高さ4.1m以内(装置高さは3m前後)にする必要がある。そうすると、装置製作工場での分解、及び結晶育成工場での再組立に時間とコストが必要となり、経済性が悪い。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、結晶育成装置を輸送時に全高を縮小することができ、トラックの荷台に乗せても荷姿を4.1m以内の高さにすることが可能な構造の結晶育成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る結晶育成装置は、結晶原料を保持可能な坩堝と、
該坩堝を覆うチャンバーと、
種結晶を保持可能な種結晶保持部と、
該種結晶保持部を前記坩堝の上方で保持可能であるとともに、該種結晶保持部を昇降可能な第1の昇降機構部と、
該第1の昇降機構部を昇降可能な第2の昇降機構部と、を有し、
前記第1の昇降機構部は、前記種結晶保持部を少なくとも前記坩堝の上端よりも下方の位置から前記チャンバーの上端よりも上方の位置まで昇降可能であり、
前記第1の昇降機構部は、上面視において少なくとも一部が前記チャンバーと重なる所定位置に配置され、
前記第2の昇降機構部は、前記第1の昇降機構部の下端が前記所定位置において前記チャンバーの上端よりも下方に来るまで前記第1の昇降機構部を下降させることが可能であり、
前記チャンバーは移動可能であり、前記第1の昇降機構部の下端が前記チャンバーの上端よりも下方に移動することを妨げないように構成されている。

本発明によれば、結晶育成装置の全高を低くすることができ、装置を分解したり横倒しにしたりすること無くトラック輸送を行うことができる。
従来の結晶育成装置の概略を示すものである。 本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例を示した正面図である。 本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例を示した側面図である。 本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例を示した斜視図である。 ネジ軸及びベアリングの側断面図である。 第1の昇降機構部及び第2の昇降機構部の側面図である。 第2の昇降機構部が第1の昇降機構部を上限まで上昇させ、第1の昇降機構部がフレームを中段まで上昇させた状態を示した図である。 第2の昇降機構部が第1の昇降機構部を下降させている状態を示した図である。 本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例の全体高さが最も高い状態から最も低くなった状態を示した図である。図9(a)は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例の全体高さが最も高い状態を示した図である。図9(b)は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例の全体高さが最も低い状態を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
本発明のチョコラスキー式結晶育成装置は、大気中または不活性ガス雰囲気中で育成される、L N , L T , Y A G などの酸化物半導体単結晶の製造に用いる結晶育成装置である。チョコラルスキー法は、ある結晶方位に従って切り出された種と呼ばれる、通常は断面の一辺が数mm程度の直方体単結晶の先端を、同一組成の融液に浸潤し、回転しながら徐々に引上げることによって、種結晶の性質を伝播しながら大口径化して単結晶を製造する方法である。
図2は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例を示した正面図である。図3は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例を示した側面図である。図4は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例を示した斜視図である。
図2乃至図4に示されるように、本実施形態に係る結晶育成装置は、坩堝10と、坩堝台20と、加熱手段30と、チャンバー40と、チャンバースライド機構50と、架台60と、引き上げ軸70と、第1の昇降機構部80と、第2の昇降機構部90と、制御手段100と、電源110とを備える。
結晶育成装置において、坩堝10が坩堝台20上に載置され、その水平方向の周囲を加熱手段30が囲んでいる。更に、加熱手段30の周囲をチャンバー40が覆い、坩堝10、坩堝台20及び加熱手段30がチャンバー40に収容されている。なお、チャンバー40内の坩堝10、坩堝台20及びその周囲に設けられた図示しない断熱材は、ホットゾーン部を構成する。チャンバー40は、架台60の上に載置されている。坩堝10及びチャンバー40の上方には、引き上げ軸70が設けられ、引き上げ軸70を第1の昇降機構部80が昇降可能に背面側から支持している(図3参照)。なお、引き上げ軸70及び第1の昇降機構部80は、引き上げ軸部を構成する。更に、第1の昇降機構80を昇降可能に第2の昇降機構部90が背面側から支持している。なお、第2の昇降機構部90は、チャンバー40と同様に架台60上に設けられている。第2の昇降機構部90は、引き上げ軸部をホットゾーン部の上方に固定するポストフレーム部を構成する。チャンバー40の下面の架台60上には、チャンバースライド機構50が設けられている。また、架台60の下方には更に架台60を支持する台座61が設けられている。更に、チャンバー40の周辺であって、架台60の外部に制御手段100及び電源110が設けられる。
次に、個々の構成要素について説明する。
坩堝10は、結晶原料を保持し、結晶を育成するための容器である。結晶原料は、結晶化する金属等が溶融した融液の状態で保持される。
坩堝台20は、坩堝10を支持するための支持台であり、坩堝10の重量及び高温に耐え得る材料から構成される。
加熱手段30は、坩堝10を加熱するための手段であり、坩堝10を囲むように配置される。加熱手段30は、坩堝10を加熱できれば態様は問わないが、例えば、高周波加熱コイルからなる高周波誘導加熱装置を用いるようにしてもよい。この場合には、電源110に高周波電源を用いて加熱手段30を加熱する。
チャンバー40は、ホットゾーン部、即ち坩堝10及び加熱手段30の高熱を遮断するとともに、これらを収容する機能を有する。チャンバー40は、所定の垂直断面で水平方向に分割可能であり、内部の坩堝10、加熱手段30等が露出できる構造となっている。これは、上述のような結晶の育成が終了した際の結晶の回収の容易性と良好な作業性を確保するためと、結晶育成装置の輸送時に、結晶育成装置の全体の高さを低くするためである。即ち、チャンバー40が水平方向に分割することにより、第1の昇降機構部80の下端がチャンバー40の上端よりも低い位置に来ることが可能となる。図3に示されるように、第1の昇降機構部80の前方側はチャンバー40の背面側と上面視において一部重なる位置にあり、第1の昇降機構部80を下降させると、チャンバー40の上面に衝突する位置関係にある。そこで、本実施形態に係る結晶育成装置では、チャンバー40を分割移動可能とし、チャンバー40を分割して開くことにより、中央領域に空間を生じさせ、第1の昇降機構部80の下降を妨げずに第1の昇降機構部80がチャンバー40の上端よりも下方に下降できるように構成している。
これにより、引き上げ軸部をチャンバー40の設置領域に配置することが可能になる。かつ、搬送時には、チャンバー40も結晶育成装置に開いた状態で取付けることができる。これにより、工場に搬入後、重量物の吊り上げなどの特別な道具の使用無しで、短期間に組立を完了させることが出来る。
なお、本実施形態においては、チャンバー40が真中の垂直断面で分割して分割したチャンバー40が左右に開いて第1の昇降機構部80が下降できるスペースを確保しているが、第1の昇降機構部80に干渉しないようにチャンバー部を移動できれば分割の形状等に制限はない。例えば、チャンバー部の上蓋と側面の円筒部に分割する等でも良い。
また、チャンバー40は特に分割できる構造を有さず、単に移動可能に構成されていてもよい。例えば、チャンバー40全体が、分割することなく右側又は左側に移動したり、前方に移動したりして第1の昇降機構部80と干渉しなくなる構成であっても良い。
チャンバースライド機構50は、チャンバー40をスライド移動させるための移動機構である。チャンバースライド機構50は、架台60の上面に、チャンバー40を下面から支持するように設けられる。チャンバースライド機構50は、チャンバー40を支持した状態で移動可能であれば、種々の構成が採用可能である。例えば、車輪やレール等を備えた構造であってもよい。なお、本実施形態に係る結晶育成装置においては、チャンバー40が左右に開く構造となっているので、チャンバースライド機構50も、分割後のチャンバー40を左右にスライド移動可能なように、左右に分かれて設けられ、外側に開く移動が可能なように構成されている。しかしながら、上述のように、チャンバー40が分割せずにそのまま他の領域に移動する構成の場合には、そのような移動が可能なようにチャンバースライド機構50も構成される。
架台60は、結晶育成装置の本体部を支持するための支持台であり、具体的には、チャンバースライド機構50を介してチャンバー40と、第2の昇降機構部90とを直接的に支持する。
引き上げ軸70は、種結晶を保持し、坩堝に保持された結晶原料(融液)の表面に種結晶を接触させ、回転しながら結晶を引き上げるための手段である。引き上げ軸70は、種結晶を保持する種結晶保持部71を下端部に有するとともに、回転機構であるモータ72を備える。また、引き上げ軸70は、フレーム73(図3参照)を介して第1の昇降機構80に昇降可能に支持される。なお、種結晶は、引き上げ軸70の下端部に懸架して保持される。引き上げ軸70の上端部74は、結晶育成装置全体の最上部となる。結晶育成を行う際には、図3に示されるように、引き上げ軸70のフレーム73が第1の昇降機構部80の上端に配置される。よって、結晶育成を行うときの結晶育成装置の上端は、引き上げ軸70の上端部74となる。また、引き上げ軸70の平面的配置は、上述のような結晶の引き上げ動作を行うため、坩堝10の上方に位置するように配置される。また、モータ72は、結晶の引き上げの際、結晶を回転させながら引き上げる動作を行うための回転駆動機構である。
第1の昇降機構部80は、引き上げ軸70を昇降させるための手段である。上述のように、引き上げ軸70は、種結晶を結晶原料の表面に接触させ、結晶を引き上げる動作を行うため、昇降の目的物は引き上げ軸70の下端部にある種結晶保持部71である。第1の昇降機構部80は、上下方向に延在するガイド面81を有し、駆動機構82により引き上げ軸70を上下動させる。駆動機構82は、図2乃至4では、モータを用いた駆動機構82が示されているが、引き上げ軸70を昇降可能であれば、油圧、空圧等、用途に応じて種々の構造の駆動機構82を用いることができる。ガイド面81には、直接的にはフレーム73が連結され、フレーム73によりモータ72及び種結晶保持部71が連結支持されているので、第1の昇降機構部80は、フレーム73を介して引き上げ軸70を昇降させる。
また、第1の昇降機構部80は、静止して引き上げ軸70を固定支持する支持部としての役割も担うが、上述のような結晶の引き上げ動作を行う際には、第1の昇降機構部80の上端でフレーム72を支持固定し、種結晶保持部71が坩堝10の上方に位置するように支持する。そして、結晶の引き上げを行う際には、引き上げ軸70を下降させるが、フレーム73を下限まで下降させたときには、種結晶保持部71に保持された種結晶が原料結晶の表面に接触可能な位置まで下降できるように構成する。即ち、第1の昇降機構部80は、種結晶保持部71に保持された種結晶が、最低限坩堝10の上端よりは下方の位置に到達できるストロークを有して構成される。一方、坩堝10から結晶を引き上げ、結晶を取り出す際には、チャンバー40の上端付近に結晶の上端部が到達するように引き上げる必要があるので、最低限、種結晶保持部71がチャンバー40の上端よりも上方に到達できるだけのストロークは有するように構成される。なお、引き上げ軸70のストロークの長さは、用途に応じて適宜定められてよいが、例えば、50〜85cmの間の範囲の適切な値に設定される。
第2の昇降機構部90は、第1の昇降機構部80を昇降するための手段である。第2の昇降機構部90は、結晶育成時には昇降せず、上限で固定された位置に設定されるが、結晶育成装置を工場に輸送する際に下限に固定され、結晶育成装置の全体高さを低くする役割を果たす。これにより、結晶育成装置を製作してから結晶育成工場に搬送して据え付けを行う際、結晶育成装置を分解したり横倒しにしたりして輸送を行う必要が無く、結晶育成装置の高さを低くするように第2の昇降機構部90を下降させるだけで済ませることができる。なお、実際の輸送時には、第2の昇降機構部90を下降させるのみではなく、第1の昇降機構部80も下降させることにより、所定の高さ以下にする構造であってもよい。
第2の昇降機構部90は、ガイド部91と、ネジ軸92と、ベアリング93と、ナット部94と、ベアリング支持部95とを有する。ガイド部91は、上下方向に延在し、第1の昇降機構部80を昇降させるときのガイドとなる部分である。ネジ軸92は、表面にネジ山が形成された軸であり、回転動作を昇降動作に変換するための軸である。ベアリング93は、ネジ軸92の下端部に設けられ、ネジ軸92の荷重を受けるとともにネジ軸92を回転可能に支持するための手段である。
図5は、ネジ軸92及びベアリング93の側断面図である。図5に示されるように、第2の昇降機構部90のガイド部91からベアリング支持部95が前方に突出し、ベアリング93を支持している。ベアリング93は、ネジ軸92のネジ山92aが形成されていない下端部の周囲を覆って回転可能に支持している。例えば、ネジ軸92及びベアリング93を、このような構成で設けてもよい。
図3の説明に戻る。ナット部94は、ネジ軸92のネジ山92aに螺合されるとともに、第1の昇降機構部80に固定された部材である。ネジ軸92が回転すると、ナット部材94は回転方向に応じて昇降し、ナット部材94に固定された第1の昇降機構部80が昇降する。なお、ネジ軸92の回転は、ドライバー又は電動ドライバーを用いて手動で行ってもよいし、モータを用いて機械的に行ってもよい。
例えば、第2の昇降機構部90が第1の昇降機構部80を昇降される機構は、このようなネジ軸92を用いた機構であってもよい。なお、本実施形態では、ネジ軸92を用いた昇降機構を例に挙げて説明したが、第1の昇降機構部90をガイド部91に沿って昇降できれば、種々の昇降機構を採用することができる。ここで、第2の昇降機構部90の昇降は、結晶育成装置の搬送時を下限とし、結晶育成装置を工場内に設置し、結晶を育成する状態を、上限とする。
結晶を育成する状態では、坩堝と断熱材と加熱装置からなるホットゾーン部、そのホットゾーン部を取り囲む形でチャンバー部が設置される。その上方に引上げ軸が設置された状態である。
結晶育成装置の搬送時は、坩堝と断熱材と加熱装置からなるホットゾーン部は取り外している状態である。従来、チャンバーの上方にある引上げ軸はポストフレームに固定しているため、ポストフレームに昇降機構がない場合は、結晶育成装置の高さは、結晶育成状態と同じである。本発明は、上述のようにポストフレームに、上下方向に昇降可能な機構を持たせることで、引上げ軸部を含むポストフレーム上部を下げることができ、引上げ軸を結晶育成状態の時と異なる位置に配置して結晶育成装置の輸送を行うことができる。
制御手段は、結晶育成装置全体の制御を行うための手段であり、結晶育成プロセスを含めて結晶育成装置全体の動作を制御する。制御手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、及びROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリを備え、プログラムにより動作するマイクロコンピュータから構成されてもよいし、特定の用途のために開発されたASIC(Application Specified Integra Circuit)等の電子回路から構成されてもよい。
電源110は、加熱手段30を含めて結晶育成装置に電源供給を行う。用途に応じて、適切な電源110が用いられてよい。
図6は、第1の昇降機構部80及び第2の昇降機構部90の側面図である。第1の昇降機構部80及び第2の昇降機構部90は、少なくとも1面においてお互いに接触し、上下方向に可動する昇降機構を有している。前後左右方向については、位置ずれが起きないようにガイド部91を設置して上下方向のみに可動させる。第1の昇降機構部80の底面部と、第2の昇降機構部90の一部に取付けられたベアリング支持部95とが、ネジ軸92で連結されている。第1の昇降機構部80の昇降は、このネジ軸92を回転されることにより調整でき、重量物の吊り上げなどの特別な道具の使用無しで、短期間に組立を完了させることが出来る。
また、第1の昇降機構部80及び第2の昇降機構部90の重量によりネジ軸92の長さを十分に確保できない場合は、ベアリング支持部95の取付け位置を複数設け、ベアリング支持部95を取り付け直しながら昇降させることもできる。なお、結晶育成装置を設置した後は、第2の昇降機構部90の昇降機構92〜95は取り外すこともできる。
図7は、第2の昇降機構部90が、第1の昇降機構部80を上限まで上昇させ、第1の昇降機構部がフレーム73を中段まで上昇させた状態を示した図である。図7に示されるように、工場に設置後は、第2の昇降機構部90が第1の昇降機構部80を最上段まで上昇させ固定した状態で結晶育成を行う。
図8は、第2の昇降機構部90が第1の昇降機構部80を下降させている状態を示した図である。図8に示されるように、結晶育成装置を輸送する場合には、フレーム73が第1昇降機構部80により最上部にある結晶育成中と同じ状態で、まず、第2の昇降機構部90が第1の昇降機構部80を下降させる。図8に示されるように、第1の昇降機構部80が下降すると、その下端部がチャンバー40の上端よりも下方に到達するが、チャンバー40を移動させることにより、第1の昇降機構部80の下降を妨げず、第1の昇降機構部80を十分低下させることができる。
図9は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例の全体高さが最も高い状態から最も低くなった状態を示した図である。図9(a)は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例の全体高さが最も高い状態を示した図であり、図9(b)は、本発明の実施形態に係る結晶育成装置の一例の全体高さが最も低い状態を示した図である。
図9(a)に示されるように、最も高い位置は引き上げ軸70の上端部74であり、全体高さは3.8mに達する。結晶育成を行っているときには、この高さとなる。3.8mの高さだと、トラックの荷台の高さを加えると、道路交通法の上限高さの4.1mを超えてしまう。
図9(b)に示されるように、チャンバー40を分割して水平移動させ、第2の昇降機構部90が第1の昇降機構部80を下限まで低下させるとともに、第1の昇降機構部80が引き上げ軸70を下限まで低下させることで、引き上げ軸70の上端よりも第1の昇降機構部80の上端の方が高くなるまで引き上げ軸70を下げることができる。更に台座61も取り外す。これらにより、全体高さを2.8mにすることができる。全体高さが2.8mであれば、トラックの荷台の高さを加えても、4.1m以下に収まり、図9(b)に示す状態で結晶育成装置をトラック輸送することができる。
このように、本発明の実施形態に係る結晶育成装置によれば、装置搬送時の装置高さを3m以下にすることにより、装置を分解したり横倒ししたりする必要がなくなる。また、工場内に搬入後の重量物の吊り上げなどの特別な道具の使用無しで短期間に組立を完了させることが出来る。重量物の吊り上げなどもなくなり安全性も向上する。
また、これに伴い、設置場所も搬入口の高さも3m程度で、かつ、結晶育成時は4m程度が確保できる場所であれば設置が可能となり建造物の高さを低くすることが可能となる。
次に、本発明の実施例について説明する。なお、理解の容易のため、今まで説明した構成要素に対応する構成要素には、同一の参照符号を付す。
本実施例での結晶育成装置は、融点が1800℃程度の原料を用いて、直径200mm、長さ200mm程度の結晶を得る装置である。結晶育成時の装置の全高は、3.8m程度となる。
結晶育成装置は、種結晶を懸架し回転機能を具備した引き上げ軸70、坩堝10と断熱材と加熱装置30からなるホットゾーン、ホットゾーンを覆い内部の雰囲気を置換したり、ホットゾーンの高熱を遮断したりする機能を有するチャンバー40、引き上げ軸部をホットゾーン部の上方に固定するポストフレーム部80、90、チャンバー下部の架台部60から構成されている。
ポストフレーム部80、90は、ポストフレーム上側部の第1の昇降機構部80とポストフレーム部下側部の第2の昇降機構部90に2分割し、上下に可動する昇降機構92〜94を取り付けた。ポストフレーム上側部の第1の昇降機構部80とポストフレーム下側部の第2の昇降機構部90は、それぞれが1面においてお互いに接触し、前後左右方向については、位置ずれが起きないようにガイド部91を設置した。昇降機構92〜94は上下方向のみに可動させた。第1の昇降機構部80の底面部と、第2の昇降機構部90の一部に取付けられたベアリング支持部95を、ネジ軸92で連結した。ポストフレーム上側部の第1の昇降機構部80の昇降は、このネジ軸92を回転されることにより調整でき、昇降長さは、0.6mとした。また、チャンバー40は、垂直断面に沿って分割し、水平方向に開くようにした。架台の上にレールを配置し、チャンバー40の底面にはロールを取り付け0.7m開口するようにした。この結果、搬送時は、チャンバー40を取り付け、左右に開き0.7m開口し、第1の昇降機構部80を下限まで下げ、かつ、引上げ軸70を引き下げることで、引上げ軸70の一部が、チャンバー40の領域内の位置に配置され、装置の高さを2.8mに抑えることができた。
以上説明したように、本発明の実施形態及び実施例に係る結晶育成装置によれば、上述のような装置の構成をとることによって、トラックを用いて、装置を陸送する場合には、チャンバー部を開いた状態で固定した後、引き上げ軸部をホットゾーン部の上方に固定するポストフレーム部を縮め、引き上げ軸部を、チャンバー部上面より、低い位置に固定し、全高を低くすることが出来る。この状態で高さ0.95mの低床10tトラックの荷台に積載した場合の積載高さが4.1mを超過することは無い。よって、装置を分解したり、横倒しにしたりする必要が無い。
また、生産工場内に搬入する場合の搬入口の高さも3m程度あれば、横倒しにしなくても工場内に設置可能で、重量物の吊り上げなどの特別な道具の使用無しで、短期間に組立を完了させることが出来る。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 坩堝
30 加熱手段
40 チャンバー
50 チャンバースライド機構
60 架台
61 台座
70 引き上げ軸
71 種結晶保持部
72 モータ
73 フレーム
74 上端部
80 第1の昇降機構部
81 ガイド面
82 駆動機構
90 第2の昇降機構部
91 ガイド部
92 ネジ軸
93 ベアリング
94 ナット部材
95 ベアリング支持部

Claims (7)

  1. 結晶原料を保持可能な坩堝と、
    該坩堝を覆うチャンバーと、
    種結晶を保持可能な種結晶保持部と、
    該種結晶保持部を前記坩堝の上方で保持可能であるとともに、該種結晶保持部を昇降可能な第1の昇降機構部と、
    該第1の昇降機構部を昇降可能な第2の昇降機構部と、を有し、
    前記第1の昇降機構部は、前記種結晶保持部を少なくとも前記坩堝の上端よりも下方の位置から前記チャンバーの上端よりも上方の位置まで昇降可能であり、
    前記第1の昇降機構部は、上面視において少なくとも一部が前記チャンバーと重なる所定位置に配置され、
    前記第2の昇降機構部は、前記第1の昇降機構部の下端が前記所定位置において前記チャンバーの上端よりも下方に来るまで前記第1の昇降機構部を下降させることが可能であり、
    前記チャンバーは移動可能であり、前記第1の昇降機構部の下端が前記チャンバーの上端よりも下方に移動することを妨げないように構成されている結晶育成装置。
  2. 前記第1の昇降機構部は、前記第2の昇降機構部が前記第1の昇降機構部を上限まで移動させたときに、前記種結晶保持部に保持された種結晶が前記坩堝に保持された前記結晶原料の表面に接触可能な位置まで前記種結晶保持部を下降させることが可能である請求項に記載の結晶育成装置。
  3. 前記チャンバーは所定の垂直断面に沿って分割可能に構成され、分割した前記チャンバーが各々水平方向外側に移動することにより、前記第1の昇降機構部の下端が前記チャンバーの上端よりも下方に移動することを妨げない請求項1又は2に記載の結晶育成装置。
  4. 前記第1の昇降機構部は、上下方向に延在するガイド部を有する請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶育成装置。
  5. 前記チャンバー及び前記第2の昇降機構部は、共通の架台の上に設けられ、
    前記第2の昇降機構部は、該架台から上方に延びるポストフレームを有し、該ポストフレームをガイドとして前記第1の昇降機構部を上下にスライド移動可能である請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶育成装置。
  6. 前記第2の昇降機構部は、上下方向に延在するネジ軸と、
    該ネジ軸に螺合されるとともに前記第1の昇降機構部に固定されたナット部材と、を有し、
    該ネジ軸を回転させることにより前記第1の昇降機構部を昇降させる請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶育成装置。
  7. 前記種結晶保持部は、前記第1の昇降機構部に昇降可能に支持された引き上げ軸の下端部に設けられており、
    前記第2の昇降機構部が前記第1の昇降機構部を下限まで下降させ、前記第1の昇降機構部が前記引き上げ軸を下限まで下降させたときに、前記引き上げ軸の上端は、前記第1の昇降機構部の上端よりも低くなるように構成された請求項1乃至のいずれか一項に記載の結晶育成装置。
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