JP6535298B2 - Enumサーバ、enumデータ登録・回答方法およびプログラム - Google Patents
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Description
SIPサーバからの要求に付された電話番号(着信番号)が、自網が管理する電話番号に対する問い合わせの場合、ENUMサーバは、自身のDBから接続先情報を回答する(図13(a)参照)。一方、要求に付された電話番号が、他網のENUMサーバが管理する電話番号の場合には、その電話番号を管理する他網のENUMサーバに要求を行い、得られた接続先情報を要求元に回答する(図13(b)参照)。
図14に示すように、ENUMサーバ5が備える接続先情報DB50には、各事業者が管理する番号(管理番号)に応じた各ENUMサーバへの問い合わせ先(IPアドレス等)の情報(「ENUM問合せ情報51」)と、各事業者が管理する電話番号の「番号ポータビリティ情報52」が格納される。番号ポータビリティは、現在利用中の電話番号を変更せずに、契約する通信事業者の変更を可能にするサービスである。この番号ポータビリティ情報52には、そのENUMサーバ5自身が管理する電話番号帯の各電話番号が、番号ポータビリティ(以下、省略して「番ポ」と称することがある。)されているか、つまり、電話番号を使用しているユーザがどの他事業者と契約しているか、若しくは、番号ポータビリティされていないか(以下、省略して「非番ポ」と称することがある。)、つまり、電話番号を使用しているユーザが自事業者と契約しているか、を示す情報が格納される。
ENUMシステムでは、通信事業者毎に、番号ポータビリティ情報を集中管理したデータベース(番号ポータビリティ情報)を、DNS(Domain Name System)の仕組みを利用したENUMサーバ5に備え、各通信事業者のSIPサーバ2は、ENUMサーバ5にアクセスすることにより、各電話番号が他網へ移転(ポートアウト)しているか否かを解決し、接続先の情報(接続先情報)を取得して通信を行う。
・事業者Aの管理電話番号(2万電話番号)
・03−1111−0000 〜 03−1111−9999
・03−2222−0000 〜 03−2222−9999
・事業者Bの管理電話番号(2万電話番号)
・03−4444−0000 〜 03−4444−9999
・03−5555−0000 〜 03−5555−9999
・事業者Cの管理番号(1万電話番号)
・03−8888−0000 〜 03−8888−9999
・各事業者A,B,Cのドメイン
・事業者Aのドメイン:exampleA.ne.jp
・事業者Bのドメイン:exampleB.ne.jp
・事業者Cのドメイン:exampleC.ne.jp
このENUM問合せ情報51には、図14に示すように、SIPサーバ2からの接続先情報要求メッセージであるENUM Queryで示される電話番号の各番号帯に対応付けて、問合せ先となるENUMサーバのIPアドレス等が登録される。
例えば、ENUM Queryの番号帯に示される「1.1.1.1.3.1.8.enum.net」(03−1111の番号帯)に対応付けて「IPアドレス(A)」が登録され、「4.4.4.4.3.1.8.enum.net」(03−4444の番号帯)に対応付けて「IPアドレス(B)」が登録される。ここで、「IPアドレス(A)」は、事業者Aの通信網に備わるENUMサーバ5のIPアドレスである。また、「IPアドレス(B)」は、事業者Bの通信網に備えるENUMサーバ5のIPアドレスである。
番号ポータビリティ情報52には、ENUM Queryで示される電話番号(着信番号)に対応付けて、「SERVICESフィールド値」の「SIP」「PSTN(Public Switched Telephone Network):公衆電話交換回線網」に対応付けた接続先情報(ENUMデータ)が登録される。
なお、ENUM Queryは、例えば、非特許文献1に記載のENUMプロトコルに基づき、上記のように、接続要求メッセージに含まれる着信先端末の電話番号(例えば、03−1111−0001)のE.164番号(+81−3−1111−0001)を逆順にしてドットで区切り、「e164enum.net」を付けた形式(1.0.0.0.1.1.1.3.1.8.e164enum.net)で構成される。
「sip:+81311110001@exampleA.ne.jp:user=phone」
「sip:+81311110001;npdi@exampleA.ne.jp;user=phone」
この接続先情報により、着信番号「81311110001」の端末は、「exampleA.ne.jp」で示される事業者Aが提供する電話サービスに加入しており、番号ポータビリティではない(非番ポの)ユーザ(端末)、つまり、自網に収容されている電話番号であることが分かる。なお、番号ポータビリティ情報52の備考には、番号ポータビリティされていない電話番号であることを示す「非番ポ番号」を説明用に記載している。
「sip:+81311110002@exampleB.ne.jp:user=phone」
「sip:+81311110002;npdi;rn=+81322221234@exampleB.ne.jp;user=phone」
この接続先情報により、着信番号「81311110002」の端末は、「exampleB.ne.jp」で示される事業者Bが提供する電話サービスに加入しており、番号ポータビリティしている(番ポの)ユーザ(端末)、つまり、他網に移転(ポートアウト)している電話番号であることが分かる。なお、「PSTN」の場合の接続先情報には、「rn=+81322221234」としてルーチング番号が記載される。また、番号ポータビリティ情報の備考には、番号ポータビリティされている番号であることを示す「番ポ番号(事業者A→事業者Bへの番ポ)」を説明用に記載している。
図14に例示するように、端末1(03−2222−8888)が、着信先の電話番号(着信番号)(03−1111−0001)の端末1へ発信する(ステップS1)。
続いて、SIPサーバ2が、端末1から接続要求メッセージを受信すると、その着信番号(着信先端末の電話番号)を含む接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を生成し、ENUMサーバ5に送信する(ステップS2)。ここでは、ENUM Queryとして「1.0.0.0.1.1.1.1.3.1.8.e164enum.net」がENUMサーバ5に送信される。
「sip:+81311110001@exampleA.ne.jp:user=phone」
「sip:+81311110001;npdi@exampleA.ne.jp;user=phone」
なお、上記のENUMシステムについての構成やその処理については、技術標準として非特許文献1に規定されている。
つまり、ENUMサーバに記憶される番号ポータビリティ情報には、番号ポータビリティしていない着信先端末の着信番号に対応する接続先情報を登録しないようにすることができる。よって、ENUMサーバにおいて管理する番号ポータビリティ情報の登録数を削減することができる。さらに、ENUMサーバは、着信番号を要求メッセージから抽出しておくことにより、接続先情報に着信番号を含める必要をなくすことができるため、番号ポータビリティ情報に記憶するデータ量を削減することができる。
つまり、ENUMサーバに記憶される番号ポータビリティ情報には、番号ポータビリティしていない着信先端末の個々の着信番号に対応する接続先情報を登録しないようにすることができる。よって、ENUMサーバにおいて管理する番号ポータビリティ情報の登録数を削減することができる。さらに、ENUMサーバは、着信番号を要求メッセージから抽出しておくことにより、接続先情報に着信番号を含める必要をなくすことができるため、番号ポータビリティ情報に記憶するデータ量を削減することができる。
図1は、比較例である従来のENUMサーバ5(図14参照)の接続先情報DB50に登録される番号ポータビリティ情報52(図1(a))と、本実施形態に係るENUMサーバ10の接続先情報DB130に登録される番号ポータビリティ情報132(図1(b))とを示した概念図である。なお、図1では、事業者Aに属するENUMサーバに登録される番号ポータビリティ情報を例示している。
これに対し、図1(b)に示す、本実施形態に係るENUMサーバ10の番号ポータビリティ情報132は、自網が管理する個々の電話番号についての情報、つまり、番号ポータビリティしていない(非番ポ)の接続先情報それぞれについては登録しない。図1(b)においては、付加情報Bおよび付加情報C、つまり、事業者B,Cのドメイン等で示される番号ポータビリティしている(番ポの)電話番号についての接続先情報を登録し、自網において事業者A自身が管理している電話番号と付加情報Aについては個々の情報としては登録しない。これにより、番号ポータビリティ情報132への登録数を削減する。
このようにして、ENUMサーバ10の番号ポータビリティ情報132には、番号ポータビリティしていない(非番ポの)接続先情報を登録しないことにより登録数を削減し、番号ポータビリティしている(番ポの)接続先情報を登録しておく。
本実施形態に係るENUMサーバ10は、図1(b)に示したように、番号ポータビリティしていない(非番ポの)個々のデータについて登録していない番号ポータビリティ情報132を備える(図2の符号α)。また、ENUMサーバ10は、その特有な構成として、接続先情報変換部122を備える。なお、以降の各図において、接続先情報変換部122を「変換機能122」と表記する。
そして、接続先情報変換部122は、接続先情報DB130に記憶された番号ポータビリティ情報132を参照し、その参照結果に対して所定の変換規則(図2の符号γ)を適用して、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)を生成する。接続先情報変換部(変換機能)122が実行する所定の変換規則は、例えば、次に示すものである。番号ポータビリティ情報132から、接続先情報についての正常応答が得られた場合には、その正常応答に、ENUM Queryから抽出して記憶しておいた電話番号を付加して、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)を生成する。一方、番号ポータビリティ情報132を参照した結果として、エラー応答を受信した場合には、ENUM Queryから抽出して記憶しておいた電話番号と、接続先情報変換部(変換機能)122にコンフィグ情報として登録しておいた、そのENUMサーバ10の事業者自身の付加情報(当該事業者のドメイン等)とを用いて、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)を生成する。
一方、番号ポータビリティ情報132を参照した結果として、接続先情報についてのエラー応答を受信した場合には、当該電話番号が番号ポータビリティされていない(非番ポの)電話番号であることを意味する。この場合、接続先情報変換部122は、自事業者と契約している電話番号であるとして、自網の付加情報を付してENUM Answerを生成する。
そして、ENUMサーバ10は、接続先情報変換部(変換機能)122が生成した接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)をSIPサーバ2に送信する。
次に、本発明の第1実施形態に係るENUMサーバ10A(10)について説明する。
第1実施形態に係るENUMサーバ10A(10)は、概要において説明したように、番号ポータビリティ情報132において、自網が管理する電話番号についての番号ポータビリティしていない(非番ポの)接続先情報については登録しない。つまり、番号ポータビリティしている(番ポの)接続先情報について番号ポータビリティ情報に登録しておく。そして、ENUMサーバ10Aの接続先情報変換部(変換機能)122A(122)(図3参照)が、エラー応答を受信した場合には、変換規則に基づき、自網の付加情報を用いてENUM Answerを生成する。
次に、第1実施形態に係るENUMサーバ10A(10)の構成と処理について説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係るENUMサーバ10A(10)の構成例を示す機能ブロック図である。図4および図5は、ENUMサーバ10A(10)がSIPサーバ2から接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を受信した場合の処理の流れを示す図である。図4は、着信先の端末1が番号ポータビリティしている(番ポの)端末1である場合の処理を示す。また図5は、着信先の端末1が番号ポータビリティしていない(非番ポの)端末1である場合の処理を示す。
ENUMサーバ10A(10)は、図3に示すように、入出力部11と、制御部12と、記憶部13とを備える。
この記憶部13には、ENUM問合せ情報131や、番号ポータビリティ情報132A(132)等が記憶されるとともに、制御部12の各機能を実行させるためのプログラムや、制御部12の処理に必要な情報が一時的に記憶される。
これにより、番号ポータビリティ情報132A(132)の登録数を削減することができる。なお、この番号ポータビリティ情報132は、DNSのNAPTR(The Naming Authority Pointer)レコードとして管理される情報である。
この接続先情報変換部(変換機能)122A(122)は、番号情報抽出部123と、接続先情報検索部124と、自管理番号判定部125と、回答情報生成部126A(126)とを備える。
また、接続先情報検索部124は、番号ポータビリティ情報132A(132)を検索した結果、エラー応答(例えば、DNSエラー(RCODE=3))の場合には、当該エラー応答の結果を、自管理番号判定部125に出力する。なお、ここで、エラー応答の場合は、着信番号が番号ポータビリティしていない(非番ポの)ユーザ(端末)を含む場合である。
そして、自管理番号判定部125は、対象とする着信番号が、自管理番号であるか否かの結果情報を回答情報生成部126A(126)に出力する。なお、この自管理番号判定部125による自管理番号判定処理の詳細は、後記する図7および図8を参照して説明する。
具体的には、回答情報生成部126A(126)は、接続先情報検索部124からENUM Queryに対応した接続先情報を取得した場合には、その接続先情報に、記憶しておいた着信番号(E.164番号)を付して、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)を生成する。なお、詳細は、図4を参照して説明する。
一方、回答情報生成部126A(126)は、自管理番号判定部125から対象とする着信番号が、自管理番号である旨の結果情報を取得した場合には、予め接続先情報変換部(変換機能)122A(122)のコンフィグ情報として記憶しておいた当該ENUMサーバ10の事業者自身の接続先情報(図4および図5に示す「自管理番号ポータビリティ情報(非番ポ)133」)と、記憶しておいた着信番号(E.164番号)とを用いて、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)を生成する。なお、詳細は、図5を参照して説明する。
次に、図4を参照して、本発明の第1実施形態に係るENUMサーバ10A(10)が、番号ポータビリティしている(番ポの)端末1の着信番号が付された接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を受信した場合におけるシステム全体の処理の流れを説明する。
続いて、SIPサーバ2が、端末1からの接続要求メッセージを受信すると、その着信番号を含む接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を生成し、ENUMサーバ10A(10)に送信する(ステップS11)。ここでは、ENUM Queryとして「2.0.0.0.1.1.1.1.3.1.8.e164enum.net」がENUMサーバ10A(10)に送信される。
ここでは、ENUM Query「2.0.0.0.1.1.1.1.3.1.8.e164enum.net」に対応する検索結果として、以下の正常応答が得られる。つまり、着信番号が、事業者Aから事業者Bへ番号ポータビリティしている(番ポの)端末1の電話番号であることが示される。
「sip:@exampleB.ne.jp:user=phone」
「sip:;npdi;rn=+81322221234@exampleB.ne.jp;user=phone」
「sip:+81311110002@exampleB.ne.jp:user=phone」
「sip:+81311110002;npdi;rn=+81322221234@exampleB.ne.jp;user=phone」
そして、ENUMサーバ10A(10)は、生成した接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)をSIPサーバ2へ送信する(ステップS15)。
次に、図5を参照して、本発明の第1実施形態に係るENUMサーバ10A(10)が、番号ポータビリティしていない(非番ポの)端末1の着信番号が付された接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を受信した場合におけるシステム全体の処理の流れを説明する。
続いて、SIPサーバ2が、端末1からの接続要求メッセージを受信すると、その着信番号を含む接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を生成し、ENUMサーバ10A(10)に送信する(ステップS21)。ここでは、ENUM Queryとして「1.0.0.0.1.1.1.1.3.1.8.e164enum.net」がENUMサーバ10A(10)に送信される。
ここでは、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)として以下の情報が送信される。
「sip:+81311110001@exampleA.ne.jp:user=phone」
「sip:+81311110001;npdi@exampleA.ne.jp;user=phone」
次に、本発明の第1の実施形態に係るENUMサーバ10Aの詳細な処理の流れについて説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るENUMサーバ10Aの処理の流れを示すフローチャートである。
そして、接続先情報検索部124は、検索結果が正常応答か否かを判定する(ステップS104)。接続先情報検索部124は、検索結果が正常応答(例えば、「RCODE=0」)である場合(接続先情報を取得した場合)には(ステップS104→Yes)、その検索結果として得られる接続先情報を、回答情報生成部126A(126)に出力し、ステップS105に進む。
ステップS108において、回答情報生成部126A(126)は、所定の変換規則(第1変換規則)に基づき、予め接続先情報変換部(変換機能)122A(122)に記憶しておいた当該ENUMサーバ10Aの事業者自身の接続先情報(図4および図5に示す「自管理番号ポータビリティ情報(非番ポ)133」)と、ステップS102で記憶しておいた着信番号(E.164番号)とを用いて、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)を生成する。
ステップS109において、回答情報生成部126A(126)は、そのエラー応答の情報を、そのまま接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)として生成する。
次に、上記の図6のステップS107において実行する、自管理番号判定部125による自管理番号判定処理について説明する。
自管理番号判定部125は、以下において説明する、自管理番号判定手法「1」や自管理番号判定手法「2」を用いて、対象とする着信番号が、その事業者自身が管理する電話番号であるか否かを判定する。
図7は、本発明の第1実施形態に係るENUMサーバ10A(10)の自管理番号判定部125が実行する自管理番号判定手法「1」を説明するための図である。
この自管理番号判定手法「1」において、自管理番号判定部125は、ENUM問合せ情報131(NSレコードおよびAレコード)を参照することにより、対象とする着信番号が自管理番号か否かを判定する。
そして、自管理番号判定部125は、取得したIPアドレスが、自事業者のIPアドレスである場合には、自管理番号であると判定し、その旨を回答情報生成部126A(126)に出力する。そして、回答情報生成部126A(126)が、所定の変換規則(第1変換規則)に基づき、予め接続先情報変換部(変換機能)122A(122)に記憶しておいた当該ENUMサーバ10Aの事業者自身の接続先情報(図5に示す「自管理番号ポータビリティ情報(非番ポ)133」)と、記憶しておいた着信番号(E.164番号)とを用いて、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)を生成し、SIPサーバ2に送信する(ステップS36)。
図8は、本発明の第1実施形態に係るENUMサーバ10A(10)の自管理番号判定部125が実行する自管理番号判定手法「2」を説明するための図である。
この自管理番号判定手法「2」において、自管理番号判定部125は、番号ポータビリティ情報に関し自身が管理対象とする電話番号帯を示す情報(図8の「番ポ管理情報134」)をコンフィグ情報として記憶しておく。これにより、自管理番号判定部125は、接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)で示される着信番号が、自管理番号であるか否かを判定する。
次に、本発明の第2実施形態に係るENUMサーバ10B(10)について説明する。
第2実施形態に係るENUMサーバ10B(10)は、番号ポータビリティ情報132において、自網が管理する電話番号についての番号ポータビリティしていない(非番ポの)接続先情報については、個々の電話番号毎には登録せず、所定の電話番号帯毎にまとめた情報として登録する。さらに、電話番号帯毎に対応する接続先情報としてダミーコード(ダミー情報)を番号ポータビリティ情報132に登録しておく(後記する、図10および図11参照)。
そして、ENUMサーバ10B(10)は、接続先情報としてダミーコードを取得した場合には、所定の変換規則(第2変換規則)に基づき、自網の付加情報を用いてENUM Answerを生成する。
第2実施形態に係るENUMサーバ10B(10)の構成と処理について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態に係るENUMサーバ10B(10)の構成例を示す機能ブロック図である。図10および図11は、ENUMサーバ10B(10)がSIPサーバ2から接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を受信した場合の処理の流れを示す図である。図10は、着信先の端末1が番号ポータビリティしている(番ポの)端末1である場合の処理を示す。また図11は、着信先の端末1が番号ポータビリティしていない(非番ポの)端末1である場合の処理を示す。
図3に示す第1実施形態に係るENUMサーバ10Aの構成と、図9に示す第2実施形態に係るENUMサーバ10Bの構成との違いは、ENUMサーバ10Aは、接続先情報変換部(変換機能)122Aであるのに対し、ENUMサーバ10Bでは、接続先情報変換部(変換機能)122Bであり自管理番号判定部125を備えない、また、回答情報生成部126Aが回答情報生成部126Bとなっていることである。さらに、ENUMサーバ10Aが接続先情報DB130に番号ポータビリティ情報132Aを備えていたのに対し、ENUMサーバ10Bでは接続先情報DB130に番号ポータビリティ情報132Bを備える点が異なる。
例えば、図10および図11に示すように、ENUM Queryの番号帯に示される「1.1.1.1.3.1.8.enum.net」(03−1111の番号帯)に対応付けて、ダミーコード「XYZ」が登録される。また、「2.2.2.2.3.1.8.enum.net」(03−2222の番号帯)に対応付けて、ダミーコード「XYZ」が登録される。なお、ダミーコード(ダミー情報)は、「XYZ」のような3つ英文字に限定されず、識別可能な範囲で、より短い文字や数字等から構成される情報として任意に設定できる。
これにより、番号ポータビリティ情報132B(132)では、まず、個々に登録される番号ポータビリティしている(番ポの)ENUM Queryがまず検索され、番ポのENUM Queryで一致する情報がない場合に、自身が管理する電話番号帯毎に設定されたENUM Queryを検索し、一致した場合には、接続先情報としてダミーコードが抽出される。
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態に係るENUMサーバ10B(10)が、番号ポータビリティしている(番ポの)端末1の着信番号が付された接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を受信した場合におけるシステム全体の処理の流れを説明する。
続いて、SIPサーバ2が、端末1からの接続要求メッセージを受信すると、その着信番号を含む接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を生成し、ENUMサーバ10B(10)に送信する(ステップS51)。ここでは、ENUM Queryとして「2.0.0.0.1.1.1.1.3.1.8.e164enum.net」がENUMサーバ10B(10)に送信される。
ここでは、ENUM Query「2.0.0.0.1.1.1.1.3.1.8.e164enum.net」に対応する検索結果として、以下の正常応答が得られる。つまり、着信番号が、事業者Aから事業者Bへ番号ポータビリティしている(番ポの)端末1の電話番号であることが示される。
「sip:@exampleB.ne.jp:user=phone」
「sip:;npdi;rn=+81322221234@exampleB.ne.jp;user=phone」
そして、ENUMサーバ10B(10)は、生成した接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)をSIPサーバ2へ送信する(ステップS55)。
次に、図11を参照して、本発明の第2実施形態に係るENUMサーバ10B(10)が、番号ポータビリティしていない(非番ポの)端末1の着信番号が付された接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を受信した場合におけるシステム全体の処理の流れを説明する。
続いて、SIPサーバ2が、端末1からの接続要求メッセージを受信すると、その着信番号を含む接続先情報要求メッセージ(ENUM Query)を生成し、ENUMサーバ10B(10)に送信する(ステップS61)。ここでは、ENUM Queryとして「1.0.0.0.1.1.1.1.3.1.8.e164enum.net」がENUMサーバ10B(10)に送信される。
ここでは、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)として以下の情報が送信される。
「sip:+81311110001@exampleA.ne.jp:user=phone」
「sip:+81311110001;npdi@exampleA.ne.jp;user=phone」
次に、本発明の第2の実施形態に係るENUMサーバ10Bの詳細な処理の流れについて説明する。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るENUMサーバ10Bの処理の流れを示すフローチャートである。
ここで、回答情報生成部126B(126)は、ダミーコード(XYZ)であると判定した場合に(ステップS205→Yes)、予め接続先情報変換部(変換機能)122B(122)のコンフィグ情報として記憶しておいた当該ENUMサーバ10の事業者自身の接続先情報(自管理番号ポータビリティ情報(非番ポ)133)と、ステップS202において記憶しておいた着信番号(E.164番号)とを用いて、接続先情報回答メッセージ(ENUM Answer)を生成する(ステップS206)。そして、ステップS209に進む。これは、回答情報生成部126B(126)が、正常応答であり、かつ、ダミーコードを受信したことにより、対象とする着信番号が番号ポータビリティされていない(非番ポの)ユーザ(端末)の番号であることを意味することによる。
第2実施形態に係るENUMサーバ10Bの番号ポータビリティ情報132B(132)において、ダミーコード(ダミー情報)ではなく、自管理番号ポータビリティ情報(非番ポ)133で示される自網の接続先情報をそのまま登録するようにする。
このようにすることで、特に自管理番号ポータビリティ情報(非番ポ)133に登録される情報のデータサイズが小さい場合等においては、XYZ等のダミーコードを記載するのではなく、自網の接続先情報をそのまま登録することにより、自管理番号ポータビリティ情報(非番ポ)133を不要とすることができる。
2 SIPサーバ
10(10A,10B) ENUMサーバ
11 入出力部
12 制御部
13 記憶部(記憶手段)
121 要求取得部
122(122A,122B) 接続先情報変換部(変換機能)
123 番号情報抽出部(番号情報抽出手段)
124 接続先情報検索部(接続先情報検索手段)
125 自管理番号判定部
126(126A,126B) 回答情報生成部(回答情報生成手段)
127 回答情報送信部
130 接続先情報DB
131 ENUM問合せ情報
132(132A,132B) 番号ポータビリティ情報
133 自管理番号ポータビリティ情報
134 番ポ管理情報
Claims (8)
- 着信先端末の電話番号を示す着信番号に対応する接続先を示す接続先情報の要求メッセージを受け付け、前記接続先情報を回答メッセージとして出力するENUMサーバであって、
前記着信番号を含む前記要求メッセージに対応付けて、自網以外である他網に移転した前記着信先端末の接続先情報を格納する番号ポータビリティ情報を記憶する記憶部と、
前記要求メッセージを受け付け、前記要求メッセージに含まれる前記着信番号を抽出する番号情報抽出部と、
前記要求メッセージを用いて、前記番号ポータビリティ情報を検索する接続先情報検索部と、
前記接続先情報検索部が検索した結果、前記要求メッセージに対応する接続先情報を取得できた場合に、前記取得した接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成し、
前記接続先情報検索部が検索した結果、前記要求メッセージに対応する接続先情報が取得できずエラー応答であった場合に、自網の接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成する回答情報生成部と、
を備えることを特徴とするENUMサーバ。 - 前記記憶部に、各網において管理する前記着信先端末の電話番号帯に対応付けて前記各網に属するENUMサーバのアドレス情報が格納されるENUM問合せ情報が、記憶されており、
前記接続先情報検索部が検索した結果、前記エラー応答であった場合に、前記ENUM問合せ情報を参照し、前記着信番号に対応するENUMサーバのアドレス情報を取得し、前記取得したアドレス情報が、自網のENUMサーバのアドレス情報と一致するときに、自網が管理する着信番号であると判定する自管理番号判定部を、さらに備えること
を特徴とする請求項1に記載のENUMサーバ。 - 前記接続先情報検索部が検索した結果、前記エラー応答であった場合に、前記着信番号が自網において管理する前記着信先端末の電話番号帯に属する電話番号である否かを判定する自管理番号判定部を、さらに備えること
を特徴とする請求項1に記載のENUMサーバ。 - 着信先端末の電話番号を示す着信番号に対応する接続先を示す接続先情報の要求メッセージを受け付け、前記接続先情報を回答メッセージとして出力するENUMサーバであって、
前記着信番号を含む前記要求メッセージに対応付けた、自網以外である他網に移転した前記着信先端末の接続先情報、および、自網において管理する前記着信先端末の電話番号帯に対応付けたダミー情報、を格納する番号ポータビリティ情報を記憶する記憶部と、
前記要求メッセージを受け付け、前記要求メッセージに含まれる前記着信番号を抽出する番号情報抽出部と、
前記要求メッセージを用いて、前記番号ポータビリティ情報を検索する接続先情報検索部と、
前記接続先情報検索部が検索した結果、前記要求メッセージに対応する接続先情報を取得した場合に、前記取得した接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成し、
前記接続先情報検索部が検索した結果、前記ダミー情報を取得した場合に、自網の接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成する回答情報生成部と、
を備えることを特徴とするENUMサーバ。 - 着信先端末の電話番号を示す着信番号に対応する接続先を示す接続先情報の要求メッセージを受け付け、前記接続先情報を回答メッセージとして出力するENUMサーバのENUMデータ登録・回答方法であって、
前記ENUMサーバは、
前記着信番号を含む前記要求メッセージに対応付けて、自網以外である他網に移転した前記着信先端末の接続先情報を格納する番号ポータビリティ情報を記憶部に記憶しており、
前記要求メッセージを受け付け、前記要求メッセージに含まれる前記着信番号を抽出するステップと、
前記要求メッセージを用いて、前記番号ポータビリティ情報を検索するステップと、
前記番号ポータビリティ情報を検索した結果、前記要求メッセージに対応する接続先情報を取得できた場合に、前記取得した接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成し、
前記番号ポータビリティ情報を検索した結果、前記要求メッセージに対応する接続先情報が取得できずエラー応答であった場合に、自網の接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成するステップと、
を実行することを特徴とするENUMデータ登録・回答方法。 - 着信先端末の電話番号を示す着信番号に対応する接続先を示す接続先情報の要求メッセージを受け付け、前記接続先情報を回答メッセージとして出力するENUMサーバのENUMデータ登録・回答であって、
前記ENUMサーバは、
前記着信番号を含む前記要求メッセージに対応付けた、自網以外である他網に移転した前記着信先端末の接続先情報、および、自網において管理する前記着信先端末の電話番号帯に対応付けたダミー情報、を格納する番号ポータビリティ情報を記憶部に記憶しており、
前記要求メッセージを受け付け、前記要求メッセージに含まれる前記着信番号を抽出するステップと、
前記要求メッセージを用いて、前記番号ポータビリティ情報を検索するステップと、
前記番号ポータビリティ情報を検索した結果、前記要求メッセージに対応する接続先情報を取得した場合に、前記取得した接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成し、
前記番号ポータビリティ情報を検索した結果、前記ダミー情報を取得した場合に、自網の接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成するステップと、
を実行することを特徴とするENUMデータ登録・回答方法。 - 着信先端末の電話番号を示す着信番号に対応する接続先を示す接続先情報の要求メッセージを受け付け、前記接続先情報を回答メッセージとして出力するENUMサーバとしてのコンピュータを、
前記着信番号を含む前記要求メッセージに対応付けて、自網以外である他網に移転した前記着信先端末の接続先情報を格納する番号ポータビリティ情報を記憶する記憶手段、
前記要求メッセージを受け付け、前記要求メッセージに含まれる前記着信番号を抽出する番号情報抽出手段、
前記要求メッセージを用いて、前記番号ポータビリティ情報を検索する接続先情報検索手段、
前記番号ポータビリティ情報を検索した結果、前記要求メッセージに対応する接続先情報を取得できた場合に、前記取得した接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成し、
前記番号ポータビリティ情報を検索した結果、前記要求メッセージに対応する接続先情報が取得できずエラー応答であった場合に、自網の接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成する回答情報生成手段、
として機能させるためのプログラム。 - 着信先端末の電話番号を示す着信番号に対応する接続先を示す接続先情報の要求メッセージを受け付け、前記接続先情報を回答メッセージとして出力するENUMサーバとしてのコンピュータを、
前記着信番号を含む前記要求メッセージに対応付けた、自網以外である他網に移転した前記着信先端末の接続先情報、および、自網において管理する前記着信先端末の電話番号帯に対応付けたダミー情報、を格納する番号ポータビリティ情報を記憶する記憶手段、
前記要求メッセージを受け付け、前記要求メッセージに含まれる前記着信番号を抽出する番号情報抽出手段、
前記要求メッセージを用いて、前記番号ポータビリティ情報を検索する接続先情報検索手段、
前記番号ポータビリティ情報を検索した結果、前記要求メッセージに対応する接続先情報を取得した場合に、前記取得した接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成し、
前記番号ポータビリティ情報を検索した結果、前記ダミー情報を取得した場合に、自網の接続先情報に前記抽出した着信番号を付して回答メッセージを生成する回答情報生成手段、
として機能させるためのプログラム。
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