以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1乃至図5は、本発明に係る型締装置及び成形機の第1実施形態を示す。本実施形態では、成形機としてダイカストマシンを例示する。このダイカストマシン1は、固定金型2及び可動金型3を保持する型締装置4と、固定金型2及び可動金型3により形成されるキャビティに溶湯を供給する射出装置5と、型締装置4及び射出装置5の制御を行う制御装置6とを主に備える。
図1乃至図3に示すように、型締装置4は、ベース7と、固定金型2を保持する固定ダイプレート8と、可動金型3を保持する移動ダイプレート9と、固定ダイプレート8及び移動ダイプレート9に掛架される複数のタイバー10と、可動金型3を固定金型2に対して型開閉させる型開閉用駆動装置11と、可動金型3と固定金型2との型締を行う型締用駆動装置12とを備える。
ベース7は、例えば、工場の床面等に載置される。固定ダイプレート8及び移動ダイプレート9は、ベース7上で互いに対向して配置されている。固定ダイプレート8は、移動ダイプレート9に対向する金型取付面に固定金型2を支持しており、ベース7に対して固定されている。固定ダイプレート8は、タイバー10が挿通される孔8aを有する。
移動ダイプレート9は、固定ダイプレート8に対向する金型取付面に可動金型3を支持し、ベース7に対して、固定ダイプレート8に接近・離反する方向(型開閉方向A1,A2)に移動可能に設けられている。移動ダイプレート9は、タイバー10が挿通される孔9aを有する。
この型締装置4では、移動ダイプレート9の固定ダイプレート8に接近する方向(型閉じ方向A1)への移動により、固定金型2及び可動金型3の型閉じが行われる(図3参照)。また、移動ダイプレート9の固定ダイプレート8から離間する方向(型開き方向A2)への移動により、固定金型2及び可動金型3の型開きが行われる(図1参照)。
複数のタイバー10は、例えば、固定金型2及び可動金型3の周囲に設けられている。具体的には、固定金型2及び可動金型3に対して上方側となる位置にタイバー10が2本設けられ、固定金型2及び可動金型3に対して下方側となる位置にタイバー10が2本設けられている。したがって、本実施形態における型締装置4は、合計4本のタイバー10を備えている。なお、図1乃至図3では、下方側に位置する2本のタイバー10を示している。
4本のタイバー10は、例えば、固定金型2及び可動金型3を中心に、上下対称及び左右対称に配置されている。タイバー10は、少なくとも型閉じ状態(図3参照)において固定ダイプレート8及び移動ダイプレート9に掛架可能(例えば、固定ダイプレート8及び移動ダイプレート9を貫通可能)な長さを有している。タイバー10の端部には、複数の突条部10a1,10a2が所定のピッチで形成されている。各突条部10a1,10a2は、タイバー10の周方向に沿って環状に構成されている。複数の突条部10a1,10a2が形成されることにより、タイバー10における両端部の外面には、その長手方向において凹凸形状が構成される。
型開閉用駆動装置11は、ベース7の内部に設けられるねじ軸13と、ねじ軸13の支持部材14と、ねじ軸13に沿って移動可能な可動部材15と、ねじ軸13を駆動するモータ(例えばサーボモータ)16とを備える。なお、ねじ軸13と可動部材15はボールねじ機構により構成され得る。
ねじ軸13は、その一端部が支持部材14に支持されており、その他端部がモータ16に連結されている。また、このねじ軸13は、型開閉方向A1,A2に移動ダイプレート9を移動させるために、タイバー10と平行となるように配置されている。支持部材14は、ベース7の一部に固定されている。この支持部材14は、固定ダイプレート8の近傍位置にあって、ねじ軸13の端部を回転可能に支持する。可動部材15は、移動ダイプレート9に固定されるとともに、ねじ軸13が螺合するねじ孔(図示せず)を有する。可動部材15は、ねじ軸13の回転により、移動ダイプレート9を型開閉方向A1,A2に移動させる。
モータ16は、ベース7の一部に支持されるとともに、その駆動軸がねじ軸13の端部に連結されている。このモータ16は制御装置6に接続されており、その制御によりねじ軸13を回転駆動する。
固定ダイプレート8には、タイバー10を固定するハーフナット(以下「固定側ハーフナット」という)17が設けられている。固定側ハーフナット17は、タイバー10の端部に形成される突条部10a1に噛合する複数の突条部17aを有する。各突条部17aは、タイバー10の突条部10a1に対応するように、所定のピッチで形成されている。固定側ハーフナット17は、その径方向において、タイバー10に対して接近・離反可能(開閉可能)に構成され、その突条部17aをタイバー10の突条部10a1間に係合(噛合)させることにより、タイバー10を移動不能に固定(ロック)することができる(閉状態)。また、固定側ハーフナット17は、タイバー10から離間することにより、この固定を解除することができる(開状態)。固定側ハーフナット17は、図示しない油圧シリンダ等のアクチュエータにより駆動され得る。固定側ハーフナット17は、ケース18内に収容されている。このケース18の一部18aは、タイバー10の端部が当接するように構成される(以下、この一部を「当接部」という)。
この型開閉用駆動装置11では、モータ16を回転制御することにより、ねじ軸13が回転し、その回転が可動部材15の直線運動に変換される。これにより、移動ダイプレート9は型開閉方向A1、A2に駆動される。なお、本実施形態における型締装置4は、図1に示すように、2つの型開閉用駆動装置11を有するが、これに限定されず、ダイカストマシン1の規模に応じて、1又は3以上の型開閉用駆動装置11を備え得る。
型締用駆動装置12は、4本のタイバー10に対応して、移動ダイプレート9の背面側に4台設置されている。型締用駆動装置12のそれぞれには、対応する1本のタイバー10が挿通されている。この型締用駆動装置12は、移動ダイプレート9を固定ダイプレート8に対して接近・離反可能に移動させる移動機構19と、この移動機構19に動力を供給するサーボモータ20とを備える。
移動機構19は、サーボモータ20に連結される第1ギア21と、この第1ギア21に噛合する第2ギア22と、第2ギア22に駆動される被動部材23(23a,23b)と、移動ダイプレート9をタイバー10に固定するためのハーフナット(以下「移動側ハーフナット」という)24とを備える。
第1ギア21は、サーボモータ20の駆動軸に連結されている。本実施形態においては、第1ギア21には平歯車が使用される。また、第2ギア22は、ナットギアにより構成されている。この第2ギア22は、外側に第1ギア21に噛合する複数の歯25を有し、内側に雌ねじ部26(26a,26b)を有する。この雌ねじ部26は、第2ギア22の軸心方向において離間して形成される第1雌ねじ部26a及び第2雌ねじ部26bを含む。本実施形態では、第1雌ねじ部26aは左ねじとして、第2雌ねじ部26bは右ねじとして形成されている。
被動部材23は、第1被動部材23aと第2被動部材23bとを含む。第1被動部材23aは、筒部27と、この筒部27の一端部に形成されるフランジ部28とを有する。筒部27は、その外周部に雄ねじ部29を有する。この雄ねじ部29は、第2ギア22の第1雌ねじ部26aに螺合する。この雄ねじ部29はこの第1雌ねじ部26aに対応するように、左ねじとして形成されている。また、この筒部27にはタイバー10が挿通されている。この筒部27の他端部(フランジ部28が形成される端部とは反対の端部)には、その筒心方向に沿って形成される穴部30が形成されている。フランジ部28は、第1ギア21、サーボモータ20、および移動側ハーフナット24を支持している。
第2被動部材23bは、筒状に構成されるとともに、その一端部が移動ダイプレート9に連結されている。第2被動部材23bは、その外周部に雄ねじ部32を有する。この雄ねじ部32は、第2ギア22の第2雌ねじ部26bに螺合する。この雄ねじ部32はこの第2雌ねじ部26bに対応するように、右ねじとして形成されている。この第2被動部材23bの内側には、タイバー10が挿通されている。また、第2被動部材23bは、タイバー10を挿通する孔33の他、その筒心方向に貫通する貫通孔34を有する。この貫通孔34には、案内部材35が挿通されている。
案内部材35は、この第2被動部材23bをその筒心方向に沿って案内する。案内部材35は、その一端部が第1被動部材23aの穴部30にも挿入されている。案内部材35は、ボルト等の固定具36により、第1被動部材23aに固定されている。この案内部材35により、第1被動部材23a及び第2被動部材23bは、第2ギア22によって駆動される際に、タイバー10の周方向に回転しないように規制(回り止め)され、タイバー10の長手方向にのみ移動可能となる。
上記のように、型締用駆動装置12が4本のタイバー10のそれぞれに対応して設けられていることから、サーボモータ20は、4本のタイバー10に対して個別に設けられることになる。各サーボモータ20は、制御装置6によって独立して駆動するように制御される。
サーボモータ20は、ロータリエンコーダ等の検出器37と、図示しない制御回路(ドライバ、ポジショナ等)とを含む。検出器37は、サーボモータ20の回転軸(回転子)の速度又はトルクを検出できる。また、検出器37は、サーボモータ20の回転軸の回転角度(又は回転数)を検出できる。検出器37は、検出した値を信号として制御回路に送信する。これにより制御回路は、移動ダイプレート9に保持される可動金型3の位置を特定できる。
制御回路は、比較器(図示せず)を含む。この比較器は、設定された目標値を検出器37により検出された値と比較する。制御回路は、この比較により、サーボモータ20の速度又はトルクを所定の値(目標値)となるようにサーボモータ20を制御(フィードバック制御)する。また、制御回路は、検出された値が目標値と異なる場合に、サーボモータ20を停止させることができる。
図4に示すように、移動側ハーフナット24は、タイバー10の端部に形成される突条部10a2に係合する複数の突条部24aを有する。各突条部24aは、タイバー10の突条部10a2に対応するように、所定のピッチで形成されている。移動側ハーフナット24は、その径方向において、タイバー10に対して接近・離反可能(開閉可能)に構成され、その突条部24aをタイバー10の突条部10a2間に係合(噛合)させることにより、移動ダイプレート9をタイバー10に固定(ロック)することができる。また、移動側ハーフナット24は、タイバー10から離間することにより、この固定を解除することができる。この移動側ハーフナット24は、図示しない油圧シリンダ等のアクチュエータにより駆動され得る。
なお、移動側ハーフナット24はケース31内に収容されている。このケース31は移動機構19のフランジ部28に固定されている。これにより、移動側ハーフナット24は、移動ダイプレート9と一体に構成される。
図1乃至図3に示すように、射出装置5は、固定ダイプレート8の背面側に設けられている。この射出装置5は、固定ダイプレート8を貫通し、固定金型2を介してキャビティに連通する射出スリーブ38と、射出スリーブ38内を摺動可能な射出プランジャ39と、当該射出プランジャ39を駆動する射出シリンダ40とを主に含む。
制御装置6は、例えばCPU、ROM、RAM、HDD等の各種ハードウェアを実装するコンピュータ(例えばPC)を含む。制御装置6は、型締装置4における型開閉用駆動装置11、型締用駆動装置12、固定側ハーフナット17及び移動側ハーフナット24のアクチュエータ、射出装置5に制御信号を出力し、これらの制御を実行する。特に、制御装置6は、4台の型締用駆動装置12に対応する4台のサーボモータ20を、それぞれ独立して駆動する制御を実行する。さらに、制御装置6は、サーボモータ20の検出器37によって検出されるトルク値を受信するとともに、このトルク値のデータを記憶しながら各サーボモータ20の監視を行う。
以下、上記構成のダイカストマシン1を使用する、製品の鋳造方法(成形サイクルにおける動作)について説明する。
成形サイクル開始時においては、図1に示すように、移動ダイプレート9は、適宜に設定された型開き位置にあり、固定金型2と可動金型3とは離間した状態となっている。固定側ハーフナット17は開かれており、タイバー10を固定していない。一方、移動側ハーフナット24は閉じられており、移動ダイプレート9はタイバー10に固定されている。また、型締用駆動装置12は待機状態となっており、図4に示すように、第1被動部材23aと第2被動部材23bとが隣接した状態となっている。この状態から、制御装置6の制御により型開閉用駆動装置11のモータ16が作動し、ねじ軸13を回転させる。ねじ軸13の回転により、可動部材15が固定ダイプレート8側に向かって移動し、移動ダイプレート9が固定ダイプレート8に接近する。
タイバー10は、移動ダイプレート9に固定されているため、移動ダイプレート9とともに型閉じ方向A1に移動する。図2に示すように、タイバー10は、この移動によりその一端部を当接部18aに当接させる。そうすると、制御装置6は、固定側ハーフナット17を作動させ、タイバー10の突条部10a1に噛合させてこれをロックする。この状態において、移動ダイプレート9は固定ダイプレート8に接近し、これにより可動金型3は固定金型2に接近し、固定金型2の直前で停止する(図2参照)。
次に制御装置6は、型締用駆動装置12のサーボモータ20を作動させ、型締を開始する。サーボモータ20が作動すると、これによって移動機構19が始動し、第1ギア21、第2ギア22によって第1被動部材23a及び第2被動部材23bが駆動される。これにより、第1被動部材23aと第2被動部材23bとは、図5に示すように相対的に離間する。本実施形態において第1被動部材23aと第2被動部材23bの最大離間距離は60mmに設定されているが、これに限定されるものではない。この離間により、型締用駆動装置12は、移動ダイプレート9を固定ダイプレート8にさらに接近させる。可動金型3は、固定金型2に徐々に接近し、型接触する。これにより、可動金型3は、サーボモータ20の駆動力によって生じる所定の型締力によって固定金型2に押し付けられる(図3参照)。
型締力が所定値に達して型締が完了すると、制御装置6は、キャビティに溶湯を供給するように射出装置5を制御する。すなわち、金型2,3のキャビティに連通する射出スリーブ38にラドル等により溶湯を供給し、射出シリンダ40により射出プランジャ39を射出スリーブ38内で前進させる。これにより、溶湯がキャビティ内に射出、充填される。そして、キャビティ内に充填された溶湯が凝固することにより、所定形状の成形品が形成される。
溶湯が凝固して成形品が形成されると、制御装置6は、型締用駆動装置12のサーボモータ20を逆転させ、移動ダイプレート9を固定ダイプレート8から離間させる。その後、制御装置6の制御により、固定側ハーフナット17が開き、タイバー10の固定が解除される。その後、制御装置6は、型開閉用駆動装置11のモータ16を作動させ、移動ダイプレート9を型開き方向A2へと移動させる。これにより、型開きが実行され、金型2,3は図1に示す型開き状態に戻る。
次に、ダイカストマシン1の型締装置4によるダイスポッティングの実施方法について説明する。
このダイスポッティングは、可動金型3と固定金型2との係合が所期のものとなるかどうかを確認するために実施される。可動金型3及び固定金型2の一方には塗料(光明丹等)が塗られており、これらが接触したときに他方の金型に塗料が付着することから、その接触箇所を確認することができる。この接触箇所を正確に把握するために、移動ダイプレート9及び可動金型3の位置を型締用駆動装置12によって精度良く制御する必要がある。本実施形態において、型締用駆動装置12による可動金型3の位置調整の精度は0.05mm以下であるが、これに限定されるものではない。
ダイスポッティングを実施するにあたり、制御装置6は、まず型開閉用駆動装置11を作動させ、図1に示す型開き状態から、移動ダイプレート9を型閉じ方向A1に移動させる。移動ダイプレート9を固定ダイプレート8に十分接近させた後に(図2参照)、制御装置6は、移動ダイプレート9を一時停止させ、型開閉用駆動装置11による駆動から型締用駆動装置12による駆動へと切り替える。型締用駆動装置12は、サーボモータ20を作動させ、移動機構19を介して移動ダイプレート9を型閉じ方向A1に移動させる。これにより、可動金型3は固定金型2に徐々に接近する。
サーボモータ20では、検出器37によりトルク検出が行われており、検出器37がトルクの変動を検知すると、制御装置6は、サーボモータ20を一旦停止させる。すなわち、この型締装置4は、可動金型3が固定金型2に接触したときのトルクの変動を検知して、サーボモータ20を一時停止させる。サーボモータ20は制御回路を通じてこのときの位置データ(トルクデータ)を制御装置6に送信し、制御装置6はそのデータを記憶しつつサーボモータ20を監視し続ける。可動金型3と固定金型2との接触が不良なものであれば、可動金型3及び固定金型2にこれを解消するための加工が施される。
なお、この型締装置4は、冷間でのダイスポッティングの他、熱間でのダイスポッティングをも行うことができる。すなわち、上記のようなダイスポッティングを冷間にて実施し、可動金型3及び固定金型2の係合状態を調整した後、ダイカストマシン1によってこの金型2,3による成形を実施する。金型2,3は、この成形の際に溶湯により加熱され、若干の熱変形を生じる。型締装置4は、金型2,3の変形後においても可動金型3と固定金型2との係合が適切なものであるかどうかをダイスポッティングにより確認できる。あるいは、成形品にバリ等の不良が生じたときに、その原因をダイスポッティングにより特定できる。
以上説明した本実施形態に係る型締装置4によれば、型締用駆動装置12の駆動源にサーボモータ20を採用し、そのフィードバック制御により、移動ダイプレート9の位置を微調整できる。これにより、可動金型3の位置を高精度で変更できるようになり、所望のダイスポッティングを実現できる。これにより、型締装置4は、成形のための型締機能と、ダイスポッティング機能とを両立させることが可能になる。
また、型開閉用駆動装置11の駆動源及び型締用駆動装置12の駆動源としてサーボモータ20を採用することにより、従来のトグル機構式の型締装置に比してその大きさを大幅に小型化できる。しかも、型締装置4は、成形機に一体に組み込まれているため、工場等において別途ダイスポッティングマシンを設置するスペースを確保する必要はない。さらに、ダイスポッティングは、型締用駆動装置12を、移動ダイプレート9及びタイバー10に取り付けるだけで実現できることから、成形機を新設する場合の他、既設の成形機に対しても容易に組み込むことも可能になる。このようにすることで、ダイスポッティング機能を備える成形機の導入コスト(初期コスト)を大幅に低減でき、これに応じて、金型の製造コスト、ひいては製品の製造コストを可及的に削減できる。
また、サーボモータ20を4本のタイバー10に対応するように個別に設け、各サーボモータ20を独立して駆動することで、各サーボモータ20のトルクを個別に検出することができる。これにより、ダイスポッティング実行時において、4台のサーボモータ20の内の1台が、他の3台のサーボモータ20と異なるトルクを検出した場合、このサーボモータ20の周辺で、可動金型3と固定金型2との接触が生じていると推測できる。このように、4台のサーボモータ20のトルクを個別に検出することで、可動金型3と固定金型2の接触位置を早期に発見でき、これによってダイスポッティング作業を迅速に実行することが可能になる。さらに、各サーボモータ20のトルクデータを制御装置6に蓄積させることで、可動金型3と固定金型2との接触不良の原因を分析することも可能になる。
図6乃至図8は、本発明に係る型締装置及び成形機の第2実施形態を示す。上記の第1実施形態において、型締装置4の型締用駆動装置12は、金型2,3の型締とダイスポッティングの両方の機能を具備(共用化)していたが、本実施形態に係る型締装置4は、型締とダイスポッティングとを別々の装置によって実行するように構成される。具体的には、型締装置4は、油圧式の型締用駆動装置41と、ダイスポッティングを行うための金型移動機構42(ダイスポッティング用駆動装置)とを備える。なお、本実施形態に係るダイカストマシン1及び型締装置4の他の構成は、第1実施形態のものと同じであり、第1実施形態と同じ構成要素には共通の符号を付している。
型締用駆動装置41は、型締用シリンダ43と、タイバー10を固定するハーフナット44とを備える。
型締用シリンダ43は、液圧シリンダにより構成される。本実施形態では、型締用シリンダ43として油圧シリンダが使用される。型締用シリンダ43は、ピストン45と、このピストン45を移動させる2つのシリンダ室43a,43bとを備える。以下、一方のシリンダ室43aを第1シリンダ室といい、他方のシリンダ室43bを第2シリンダ室という。型締用シリンダ43は、第1シリンダ室43aに作動油が圧入されることにより、ピストン45を型閉じ方向A1に移動させる。また、型締用シリンダ43は、第2シリンダ室43bに作動油が圧入されることにより、ピストン45を型開き方向A2に移動させる。
ハーフナット44は、ピストン45をタイバー10に固定し、又はその固定を解除するためのものであり、ピストン45に対して一体的に設けられている。ハーフナット44は、第1実施形態における固定側ハーフナット17と同様の構成を有する。すなわち、このハーフナット44は、ケース46内に収容されるとともに、タイバー10の端部に形成される突条部10a1に係合する複数の突条部44aを有する。ケース46は、第1実施形態のケース18と同様に、タイバー10の端部が当接する当接部46aを有する。
金型移動機構42は、第1実施形態における型締用駆動装置12と同じ構成である。すなわち、この金型移動機構42は、第1実施形態と同様に、移動機構19と、この移動機構19に動力を供給するサーボモータ20とを備える。移動機構19及びサーボモータ20は、図4及び図5に示す構成と同じである。
以下、本実施形態に係るダイカストマシン1を使用する、製品の鋳造方法(成形サイクルにおける動作)について説明する。
成形サイクル開始時においては、図6に示すように、移動ダイプレート9は、適宜に設定された型開き位置にあり、固定金型2と可動金型3とは離間した状態となっている。型締用駆動装置41のハーフナット44は閉じられており、型締用駆動装置41のピストン45は、タイバー10に固定されている。また、移動側ハーフナット24は開かれており、移動ダイプレート9は、タイバー10の長手方向に沿って移動可能な状態となっている。この状態から、制御装置6の制御により型開閉用駆動装置11のモータ16が作動し、ねじ軸13を回転させる。ねじ軸13の回転により、可動部材15が固定ダイプレート8側に向かって移動し、移動ダイプレート9が、タイバー10の長手方向に沿って固定ダイプレート8に接近する。
図7に示すように、移動ダイプレート9に支持される可動金型3が型締可能な位置にまで移動すると、制御装置6は、型開閉用駆動装置11を停止させる。次に制御装置6は、型締用駆動装置41の型締用シリンダ43を作動させ、型締を開始する。具体的には、制御装置6による制御により、移動側ハーフナット24が閉じられ、移動ダイプレート9はタイバー10に固定される。なお、型締用駆動装置41のハーフナット44は閉じたままの状態である。
その後、型締用シリンダ43の第1シリンダ室43aに作動油が圧入され、ピストン45が型閉じ方向A1へと移動する。これにより、タイバー10が型閉じ方向A1へと移動し、この移動に伴って移動ダイプレート9が固定ダイプレート8にさらに接近する。可動金型3は、固定金型2に徐々に接近し、型接触する。これにより、可動金型3は、型締用シリンダ43の駆動力によって生じる所定の型締力により固定金型2に押し付けられる(図8参照)。
型締力が所定値に達して型締が完了すると、第1実施形態と同様に、射出装置5によって、キャビティに溶湯が供給され、キャビティ内に充填された溶湯が凝固することにより、所定形状の成形品が形成される。
溶湯が凝固して成形品が形成されると、型締用シリンダ43は、第2シリンダ室43bに作動油を圧入し、ピストン45を型開き方向A2へと移動させる。この移動により、移動ダイプレート9も型開き方向A2へと移動し、可動金型3が固定金型2から離れる。その後、制御装置6の制御により、移動側ハーフナット24が開き、タイバー10の固定が解除される。その後、制御装置6は、型開閉用駆動装置11のモータ16を作動させ、移動ダイプレート9を型開き方向A2へと移動させる。これにより、型開きが実行され、金型2,3は図6に示す型開き状態に戻る。
次に、本実施形態に係るダイカストマシン1の型締装置4によるダイスポッティングの実施方法について説明する。
第1実施形態と同様に、可動金型3及び固定金型2の一方には塗料(光明丹等)が塗られており、これらが接触したときに他方の金型に塗料が付着することから、その接触箇所を確認することができる。
制御装置6は、移動側ハーフナット24が開いた状態で、型開閉用駆動装置11を作動させ、図6に示す型開き状態から、移動ダイプレート9を型閉じ方向A1に移動させる。移動ダイプレート9を固定ダイプレート8に十分接近させた後に(図7参照)、制御装置6は、移動ダイプレート9を停止させ、その後、移動側ハーフナット24が閉じた状態になる。さらに制御装置6は、型開閉用駆動装置11による駆動から金型移動機構42による駆動へと切り替える。金型移動機構42は、サーボモータ20を作動させ、移動機構19を駆動する。移動機構19の動作により、これにより、可動金型3は固定金型2に徐々に接近する。以下、第1実施形態と同様な手順でダイスポッティングが実行される。なお、ダイスポッティングの実行中は、型締用駆動装置41は作動しない。
以上説明した第2実施形態に係る型締装置4によれば、型締用駆動装置41と金型移動機構42を具備することにより、型締機能とダイスポッティング機能とを両立したものなっている。
第2実施形態に係る型締装置4と第1実施形態に係る型締装置4とを比較した場合、第
1実施形態に係る型締装置4では、第2実施形態のような金型移動機構42を具備しておらず、金型移動機構42のダイスポッティング機能は、型締用駆動装置12に備わっている。すなわち、第1実施形態に係る型締装置4では、型締機能とダイスポッティング機能とが1つの型締用駆動装置12で共用化されていると言える。このように第2実施形態における型締用駆動装置41と金型移動機構42とを共用化することにより、第1実施形態に係る型締装置4は第2実施形態に係る型締装置4と比較して、その構造が簡単になり、小型化が図れるとともに、その製造コストを低減化できる。
なお、本発明に係る型締装置及び成形機は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係る型締装置及び成形機は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態では、型締装置4がダイカストマシン1に適用された例を示したが、これに限定されず、本発明は、他の射出成形機やプレス成形機等の各種成形機に適用可能である。型締装置4は、上記の横型の成形機(ダイカストマシン1)の他、縦型の成形機にも使用できる。
上記の実施形態では、型開閉用駆動装置11は、モータ16によってねじ軸13を回転させることにより、移動ダイプレート9を駆動していたが、これに限定されない。型開閉用駆動装置11には、例えば、油圧シリンダ、トグルリンク機構等が採用され得る。
上記の第2実施形態において、型締装置4は、油圧式の型締用駆動装置41とダイスポッティング用の金型移動機構42とを別個に備えたものであったが、これに限定されない。例えば、第2実施形態に係る型締装置4は、油圧式の型締用駆動装置41に代えて、サーボモータにより駆動されることにより移動ダイプレート9を移動させる、電動式の型締用駆動装置を具備し得る。
上記の第2実施形態では、型締用駆動装置41と、ダイスポッティングを行う金型移動機構42とを別個に備えた型締装置4の例を示し、第1実施形態では、型締用駆動装置12によって、型締機能とダイスポッティング機能とを共用化した型締装置4の例を示したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。例えば、第2実施形態における金型移動機構42によって型締とダイスポッティングとを実行するようにしてもよい。同様に、第2実施形態における型締用駆動装置41を油圧式サーボ機構により構成し、型締とダイスポッティングとを実行するようにしてもよい。
上記の第2実施形態では、型締用シリンダ43として油圧シリンダを例示したが、これに限らず、作動油以外の各種作動流体により動作する液圧シリンダを使用できる。