JP6534098B2 - 成人t細胞白血病治療薬 - Google Patents

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本発明は、成人T細胞白血病を治療するために用いられる薬剤に関する。
成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia,ATL)は、ヒトレトロウイルスの一種であるヒトT細胞指向性ウイルスI型(human T-cell leukemia virus type I,HTLV−I)が感染することによって引き起こされる難治性の白血病である。例えば、日本臨床腫瘍学グループ(JCOG)により、VEPA-B(VEPA + bleomycin)、M-FEPA(methotrexate, vindesine, cyclophosphamide, prednisolone, doxorubicin)、及びVEPP-B(vincristine, etoposide, procarbazine, prednisolone, bleomycin)からなるレジメLSG4を用いて行われた臨床試験(JCOG8701)において、ATL以外の非ホジキン白血病の生存期間中央値が44ヶ月であったのに対し、ATLは8ヶ月であった(非特許文献1)。ATLの平均発症年齢は約60歳で、HTLV−I感染者の2〜5%に発症する。
HTLV−I感染症及びATLに対する有効な治療法はまだ確立されていない。ATLに対する主な治療法は多剤化学療法であるが、治療成績はよくなく、急性型ATLの50%生存期間は約1年間である。最近、同種幹細胞移植による治療が有効であった症例が出始めているが、ATLの大部分である高齢患者は適応外である。このような現状から、ATLに対する新規治療法の確立は大変重要になっている。
ATLに対する化学療法が困難となる原因の一つとして、ATL細胞は既存の抗がん剤に対して耐性を獲得しやすいことが挙げられる。そのため、新規抗ATL薬の開発が急務である。
一方、GSK−3(グリコーゲン合成酵素3)阻害剤としては、種々の物質が知られている。
例えば、3−[6−(3−アミノフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ]フェノール(TWS−119)は、GSK−3β阻害活性を有し、ES細胞の神経細胞への分化を誘導することが報告されている(非特許文献2)。
4−ベンジル−2−メチル−1,2,4−チアジアゾリジン−3,5−ジオン(TDZD−8)等の2,4−二置換チアジアゾリジノン誘導体は、GSK−3β阻害剤であり、アルツハイマー病、インスリン非依存性糖尿病、癌、及び急性骨髄性白血病(AML)等の白血病などのGSK−3が関与する疾患の治療に有用であることが報告されている(例えば、特許文献1及び2)。
インジルビン誘導体の一種である6−ブロモインジルビン−3’−オキシム(BIO)及びそのアシル化体である6−ブロモインジルビン−3’−アセトキシム等は、GSK−3阻害剤であることが知られ(非特許文献3)、これまでに、インジルビンは、慢性骨髄性白血病及び慢性顆粒球性白血病の治験で有効であったことが報告されている(非特許文献4)。
1−(7−メトキシキノリン−4−イル)−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ウレア(A1070722)はGSK−3α及びGSK−3βの阻害剤であり、神経変性疾患及び精神疾患に用いられている。
GSK3阻害剤XVは、細胞膜透過性のpyridocarbazolo-cyclopentadienyl Ruthenium 複合体のラセミ混合物であり、GSK−3α及びGSK−3βの阻害剤である。
しかしながら、GSK3阻害剤のATLに対する有効性は報告されていない。また、特許文献2には、TDZD−8はAMLに対して細胞毒性を示すが、TDZD−8と同様GSK−3阻害剤である6−ブロモインジルビン−3’−オキシム(BIO)はAMLに対して細胞毒性を示さないことが報告されている(段落0158、表2)。
特表2003−532708号公報 特表2009−543874号公報(段落0158、表2)
Marcais, A., et al., Curr. Oncol. Rep., 15, 457-464 (2013) Ding, S., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 100, 7632-7637 (2003) Meijer, L., et al., Chem. Biol., 10, 1255-1266 (2003) Gan WJ, et al., Chin. Acad. Med. Sci. Beijing, 6, 611-613 (1985)
本発明は、ATL細胞特異的な抗腫瘍効果を有する、新規な成人T細胞白血病治療薬を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らは、ATL患者から樹立された細胞株S1T及びHTLV−I感染細胞を用いて、薬剤ライブラリのスクリーニングを行い、ATL細胞特異的な抗腫瘍効果を有する薬剤の同定を試みたところ、基本骨格が全く異なる多数のGSK3阻害剤がATL細胞及びHTLV−I感染細胞に細胞死を誘導することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)GSK3阻害剤を含有する成人T細胞白血病治療薬。
(2)GSK3阻害剤が、下記式(I):
Figure 0006534098
で示される化合物、
下記式(II):
Figure 0006534098
(式中、Arは置換又は無置換のフェニル基であり、Rは炭素数1〜3のアルキル基である。)
で示される化合物、
下記式(III):
Figure 0006534098
(式中、Rは水素原子又は炭素数2〜6の脂肪族アシル基であり、当該脂肪族アシル基はカルボキシル基で置換されていてもよい。)
で示される化合物、
下記式(IV):
Figure 0006534098
で示される化合物、
下記式(V):
Figure 0006534098
で示される化合物、それらの塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる前記(1)に記載の成人T細胞白血病治療薬。
(3)GSK3阻害剤が前記式(I)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる前記(2)に記載の成人T細胞白血病治療薬。
(4)GSK3阻害剤が前記式(II)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる前記(2)に記載の成人T細胞白血病治療薬。
(5)前記式(II)で示される化合物が、下記式(IIa):
Figure 0006534098
で示される化合物である前記(4)に記載の成人T細胞白血病治療薬。
(6)GSK3阻害剤が前記式(III)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる前記(2)に記載の成人T細胞白血病治療薬。
(7)前記式(III)で示される化合物が、下記式(IIIa):
Figure 0006534098
で示される化合物である前記(6)に記載の成人T細胞白血病治療薬。
(8)GSK3阻害剤が前記式(IV)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる前記(2)に記載の成人T細胞白血病治療薬。
(9)GSK3阻害剤が前記式(V)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる前記(2)に記載の成人T細胞白血病治療薬。
(10)GSK3阻害剤と、TNF−αとを含有する成人T細胞白血病治療薬。
(11)成人T細胞白血病治療において同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、2つの別個の製剤:
(a)GSK3阻害剤を含有する製剤、及び
(b)TNF−αを含有する製剤
を含む組み合わせ製剤。
(12)前記(2)に記載の前記式(IV)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を含有する白血病治療薬。
本発明の成人T細胞白血病治療薬は、選択的にATL細胞に細胞死を誘導することができ、成人T細胞白血病の治療に有用である。
TDZD−8のHTLV−I感染細胞及びATL細胞への影響を示すグラフである。 TDZD−8とTNF−αとの併用試験の結果を示すグラフである。 BIOのHTLV−I感染細胞及びATL細胞への影響を示すグラフである。 BIOとTNF−αとの併用試験の結果を示すグラフである。 BIOのカスパーゼ−3/7及びカスパーゼ−9への影響を示すグラフである。 BIOのGSK−3への影響を示すグラフである。 TWS119(GSK-3β inhibitor XII)の各細胞への影響を示すグラフである。 TWS119(GSK-3β inhibitor XII)のATL患者由来細胞株S1TにおけるGSK−3,リン酸化型GSK−3発現への影響を示す図である。 TWS119(GSK-3β inhibitor XII)のATL患者由来細胞株Su9T01におけるGSK−3,リン酸化型GSK−3発現への影響を示す図である。 TWS119(GSK-3β inhibitor XII)の急性リンパ芽球性白血病細胞株MOLT−4におけるGSK−3,リン酸化型GSK−3発現への影響を示す図である。 TWS119(GSK-3β inhibitor XII)の白血病細胞株(HTLV−I非感染)であるJurkatにおけるGSK−3,リン酸化型GSK−3発現への影響を示す図である。 TWS119(GSK-3β inhibitor XII)のHTLV−I感染細胞株MT−2におけるGSK−3,リン酸化型GSK−3発現への影響を示す図である。 TWS119(GSK-3β inhibitor XII)のHTLV−I感染細胞株HUT102におけるGSK−3,リン酸化型GSK−3発現への影響を示す図である。 TWS119(GSK-3β inhibitor XII)のPBMC(健常人由来末梢リンパ球)におけるGSK−3,リン酸化型GSK−3発現への影響を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるGSK3阻害剤としては、GSK−3β阻害作用を有するものが好ましく、GSK−3α阻害作用の有無は問わない。
GSK−3β阻害作用を有し、GSK−3α阻害作用を有しないGSK3阻害剤としては、例えば、前記式(I)で示される3−[6−(3−アミノフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ]フェノール(TWS−119)、前記式(IIa)で示される4−ベンジル−2−メチル−1,2,4−チアジアゾリジン−3,5−ジオン(TDZD−8)、前記式(IIIa)で示される6−ブロモインジルビン−3’−オキシム(BIO)及びそのアシル化体である6−ブロモインジルビン−3’−アセトキシムが挙げられ、GSK−3β阻害作用及びGSK−3α阻害作用を有するGSK3阻害剤としては、例えば、前記式(IV)で示される1−(7−メトキシキノリン−4−イル)−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ウレア(A1070722)、前記式(V)で示されるGSK3阻害剤XVが挙げられる。
GSK3阻害剤のうち、例えば、3−[6−(3−アミノフェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−イルオキシ]フェノール(TWS−119)、4−ベンジル−2−メチル−1,2,4−チアジアゾリジン−3,5−ジオン(TDZD−8)、6−ブロモインジルビン−3’−オキシム(BIO)、1−(7−メトキシキノリン−4−イル)−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ウレア(A1070722)、GSK3阻害剤XV等のように市販されているものがあり、これらについては市販品を用いることができる。
前記式(II)においてArで表されるフェニル基における置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のC1−6−アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等のC1−6−アルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、シクロプロピルオキシカルボニル基、シクロブチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基等のC1−6−アルコキシ−カルボニル基;水酸基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基(プロパノイル基)、ブチリル基(ブタノイル基)、バレリル基(ペンタノイル基)、ヘキサノイル基等のC1−6−脂肪族アシル基;ベンゾイル基、トルオイル基等の芳香族アシル基(アロイル基);アラルキルオキシ基、カルボキシル基、C1−6−アルキルアミノ基、ジC1−6−アルキルアミノ基が挙げられる。
置換されたフェニル基としては、例えば4−メチルフェニル基(p−トリル基)、3−メチルフェニル基(m−トリル基)、2−メチルフェニル基(o−トリル基)、4−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、2−sec−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、3−tert−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、2−ネオペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、4−(2−エチルブチル)フェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、4−(2−エチルヘキシル)フェニル基、4−tert−オクチルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基、4−シクロペンチルフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−(4−メチルシクロヘキシル)フェニル基、4−(4−tert−ブチルシクロヘキシル)フェニル基、3−シクロヘキシルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジエチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソブチルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル基、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、4,6−ジ−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、5−tert−ブチル−2−メチルフェニル基、4−tert−ブチル−2,6−ジメチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−イソプロポキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、2−sec−ブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、4−イソペンチルオキシフェニル基、2−イソペンチルオキシフェニル基、4−ネオペンチルオキシフェニル基、2−ネオペンチルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、2−(2−エチルブチル)オキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基、4−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−シクロヘキシルオキシフェニル基、2−メチル−4−メトキシフェニル基、2−メチル−5−メトキシフェニル基、3−メチル−4−メトキシフェニル基、3−メチル−5−メトキシフェニル基、3−エチル−5−メトキシフェニル基、2−メトキシ−4−メチルフェニル基、3−メトキシ−4−メチルフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,5−ジエトキシフェニル基、3,5−ジ−n−ブトキシフェニル基、2−メトキシ−4−エトキシフェニル基、2−メトキシ−6−エトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、3−メトキシカルボニルフェニル基、2−メトキシカルボニルフェニル基、4−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、2−ビフェニリル基、4−(4−メチルフェニル)フェニル基、4−(3−メチルフェニル)フェニル基、4−(4−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4−n−ブトキシフェニル)フェニル基、2−(2−メトキシフェニル)フェニル基、4−(4−クロロフェニル)フェニル基、3−メチル−4−フェニルフェニル基、3−メトキシ−4−フェニルフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジフェニルフェニル基、4−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ブロモフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−フルオロ−5−メチルフェニル基、3−フルオロ−2−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メチルフェニル基、2−メチル−4−フルオロフェニル基、2−メチル−5−フルオロフェニル基、3−メチル−4−フルオロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−5−メチルフェニル基、2−クロロ−6−メチルフェニル基、2−メチル−3−クロロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、3−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4,6−ジメチルフェニル基、2−メトキシ−4−フルオロフェニル基、2−フルオロ−4−メトキシフェニル基、2−フルオロ−4−エトキシフェニル基、2−フルオロ−6−メトキシフェニル基、3−フルオロ−4−エトキシフェニル基、3−クロロ−4−メトキシフェニル基、2−メトキシ−5−クロロフェニル基、3−メトキシ−6−クロロフェニル基、5−クロロ−2,4−ジメトキシフェニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
前記式(II)において、Rで表される炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基が挙げられる。
前記式(II)で示される化合物は、公知の方法、例えば、特表2003−532708号公報(特許文献1)、特表2009−543874号公報(特許文献2)、Martinez, A.; Castro, A.; Cardelus, I.; Llenas, J.; Palacios, J. M.: Bioorg. Med. Chem., 1997, 5, 1275-1283に記載の方法に従って、以下に示すようにして製造することができる。
Figure 0006534098
(式中、Ar及びRは前記と同義である。)
例えば、対応するイソチオシアネート(Ar−CH−N=C=S)のヘキサン溶液に、等モル量の塩素を−15℃にて添加することによってイソチオシアネートの塩素処理を行い、次いで、不活性雰囲気下において対応するアルキルイソシアネート(R−N=C=O)を用いてイミノクロロアルキルスルフェニルクロライドを形成させた後、加水分解を行うことにより、前記式(II)で示される化合物を得ることができる。
前記式(III)においてRで表される炭素数2〜6の脂肪族アシル基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基(プロパノイル基)、ブチリル基(ブタノイル基)、バレリル基(ペンタノイル基)、イソバレリル基、ヘキサノイル基等が挙げられる。これらの脂肪族アシル基はカルボキシル基で置換されていてもよい。
前記式(III)で示される化合物は、例えば、Meijer, L., et al., Chem. Biol., 10, 1255-1266 (2003)(非特許文献3)に記載された公知の化合物であり、そのうち、6−ブロモインジルビン−3’−オキシム(BIO)は市販されている。6−ブロモインジルビン−3’−オキシム(BIO)を酸無水物、例えば無水酢酸と反応させることにより、前記式(III)においてRが炭素数2〜6の脂肪族アシル基である化合物を得ることができ、この際、酸無水物として、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水アジピン酸等の二塩基性酸無水物を用いれば、前記炭素数2〜6の脂肪族アシル基がカルボキシル基で置換された化合物を製造することができる。
本発明に用いるGSK3阻害剤がアミノ基等の塩基性置換基、又はフェノール性水酸基、カルボキシル基等の酸性置換基を有する場合には、塩、好ましくは薬学的に許容される塩、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、ピロ硫酸、メタリン酸等の無機酸、又はクエン酸、安息香酸、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸)等の有機酸との塩;又はナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩として用いることもできる。
前記式(I)〜(V)で示される化合物の溶媒和物としては、例えば水和物が挙げられる。
合成により得られる生成物を精製するには、通常用いられる手法、例えばシリカゲル等を担体として用いたカラムクロマトグラフィーやメタノール、エタノール、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、n−ヘキサン−酢酸エチル、水等を用いた再結晶法によればよい。カラムクロマトグラフィーの溶出溶媒としては、メタノール、エタノール、クロロホルム、アセトン、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチル、及びこれらの混合溶媒等が挙げられる。
本発明に用いるGSK3阻害剤は、成人T細胞白血病治療薬として、また、前記式(IV)で示される1−(7−メトキシキノリン−4−イル)−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ウレア(A1070722)は、成人T細胞白血病に限らず、広く白血病の治療薬として、慣用の製剤担体と組み合わせて製剤化することができる。
投与形態としては、特に限定はなく、必要に応じ適宜選択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、徐放性製剤、液剤、懸濁剤、エマルジョン剤、シロップ剤、エリキシル剤等の経口剤、注射剤、坐剤等の非経口剤が挙げられる。
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。また、これらに加えて、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を適宜添加することができる。
結合剤としては、例えばデンプン、デキストリン、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マクロゴール等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えばデンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えばタルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
流動性促進剤としては、例えば軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。
注射剤は、常法に従って製造され、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、オリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等を用いることができる。更に必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤等を加えてもよい。また、注射剤は、安定性の観点から、バイアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することもできる。有効成分であるGSK3阻害剤の注射剤中における割合は、5〜50重量%の間で変動させ得るが、これに限定されるものではない。
その他の非経口剤としては、直腸内投与のための坐剤等が挙げられ、常法に従って製造される。
製剤化した治療薬は、剤形、投与経路等により異なるが、例えば、1日1〜4回を1週間から3ヶ月の期間、投与することが可能である。
経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人の場合、有効成分であるGSK3阻害剤の重量として、例えば0.1〜1000mg、好ましくは1〜500mgを、1日数回に分けて服用することが適当である。
非経口剤として所期の効果を発揮するためには、患者の年令、体重、疾患の程度により異なるが、通常成人の場合、有効成分であるGSK3阻害剤の重量として、例えば0.1〜1000mg、好ましくは1〜500mgを、静注、点滴静注、皮下注射、筋肉注射により投与することが適当である。
また、有効成分であるGSK3阻害剤は、成人T細胞白血病に対して有効な他の薬剤と組み合わせて使用してもよい。これらは、治療の過程において別々に投与されるか、例えば錠剤、静脈用溶液、又はカプセルのような単一の剤形において、GSK3阻害剤と組み合わせられる。
このような他の薬剤としては、好ましくは腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor-α,TNF−α)が挙げられる。
GSK3阻害剤とTNF−αとの組み合わせにより相乗効果が得られる。
TNF−αの投与量は、通常成人の場合、TNF−αの重量として、1日当たり50μg〜50mg程度が適当である。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下の実施例において、前記式(II)で示される化合物としては、市販されており、入手しやすいことから、4−ベンジル−2−メチル−1,2,4−チアジアゾリジン−3,5−ジオン(TDZD−8)を用いた。
同様に、前記式(III)で示される化合物としては、市販されており、入手しやすいことから、6−ブロモインジルビン−3’−オキシム(BIO)を用いた。
(実施例1)HTLV−I感染細胞及びATL細胞への影響(TDZD−8)
0〜10μMのTDZD−8存在下で、S1T(ATL患者由来細胞株)、MT−2(HTLV−I感染細胞株)を1ウェル当たり20,000個、その対照としてPBMC(健常人由来末梢リンパ球)を1ウェル当たり100,000個、それぞれ96wellプレートに播種し、3日間培養後、MTT法によりTDZD−8の各細胞に対する増殖阻害効果を評価した。結果を図1に示す。
TDZD−8は濃度依存性に、HTLV−I感染細胞及びATL細胞に細胞死を誘導させた。4μMの濃度において、HTLV−I感染細胞及びATL細胞の生存率が約60%であったのに対して、正常リンパ球の生存率は約80%と、選択的な効果が認められた。
(実施例2)TDZD−8とTNF−αとの併用効果
0〜5μMのTDZD−8及び0〜100ng/mlのTNF−α存在下で、S1T(ATL患者由来細胞株)を96wellプレートに1ウェル当たり20,000個播種し、3日間培養後、MTT法によりTDZD−8とTNF−αとの併用のATL細胞に対する増殖阻害効果を評価した。結果を図2に示す。
TDZD−8はTNF−αとの併用により、より効果的にATL細胞に細胞死を誘導することが分かった。
(実施例3)HTLV−I感染細胞及びATL細胞への影響(BIO)
0〜5μMのBIO存在下で、S1T(ATL患者由来細胞株)、MT−2(HTLV−I感染細胞株)を1ウェル当たり20,000個、その対照としてMOLT−4(急性リンパ芽球性白血病細胞株)、PBMC(健常人由来末梢リンパ球)を1ウェル当たり100,000個、それぞれ96wellプレートに播種し、3日間培養後、MTT法によりBIOの各細胞に対する増殖阻害効果を評価した。結果を図3に示す。
BIOは選択的にHTLV−I感染細胞及びATL細胞に細胞死を誘導させた。1μMの濃度において、ATL細胞の生存率が約50%であったのに対して、正常リンパ球の生存率は約100%と、選択的な効果が認められた。
(実施例4)BIOとTNF−αとの併用効果
0〜5μMのBIO及び0〜100ng/mlのTNF−α存在下で、S1T(ATL患者由来細胞株)を96wellプレートに1ウェル当たり20,000個播種し、3日間培養後、MTT法によりBIOとTNF−αとの併用のATL細胞に対する増殖阻害効果を評価した。結果を図4に示す。
BIOはTNF−αとの併用により、より効果的にATL細胞に細胞死を誘導することが分かった。
(実施例5)カスパーゼ−3/7及びカスパーゼ−9への影響
0〜5μMのBIO存在下で、S1T(ATL患者由来細胞株)を96wellプレートに1ウェル当たり20,000個播種し、24時間培養後、アポトーシスアッセイを行い、カスパーゼ−3/7及びカスパーゼ−9の活性を測定した。結果を図5に示す。
BIOは濃度依存性にカスパーゼ−3/7及びカスパーゼ−9活性を増大させた。
したがって、BIOはミトコンドリア傷害を介するアポトーシスによりATL細胞に細胞死を誘導すると考えられる。
(実施例6)GSK−3への影響
各濃度のBIOで各時間処理したS1T(ATL患者由来細胞株)のライセートをそれぞれの抗体を用いてウェスタンブロット検出を行った。結果を図6に示す。
BIOは時間依存性、濃度依存性にリン酸化型GSK−3(不活性型GSK−3)を増加させたが、GSK−3総量は変えなかった。
したがって、BIOはリン酸化型GSK−3(不活性型GSK−3)を増加させることでATL細胞に細胞死を誘導することが示唆された。
(実施例7)
(1)TWS119の細胞死誘導効果
HTLV−I感染細胞株であるMT−2及びHUT102、ATL患者由来細胞株であるS1T及びSu9T01、白血病細胞株(HTLV−I非感染)であるJurkat、急性リンパ芽球性白血病細胞株であるMOLT−4を1ウェル当たり20,000個、その対照としてPBMC(健常人由来末梢リンパ球)を1ウェル当たり100,000個、それぞれ96wellプレートに播種し、0〜20μMのTWS119存在下で、COインキュベーターで3日間培養後、生細胞数をMTT法によりTWS119の各細胞に対する増殖阻害効果を評価した。結果を図7に示す。
TWS119は4μMの濃度で、ATL患者由来細胞株であるS1T及びSu9T01の生細胞率をそれぞれ約60%、約20%に減少させた。
白血病細胞株(HTLV−I非感染)であるJurkat、急性リンパ芽球性白血病細胞株であるMOLT−4の生細胞率もそれぞれ約30%、約5%に減少させた。
一方、PBMC(健常人由来末梢リンパ球)の生細胞率は90%であった。
(2)GSK−3,リン酸化型GSK−3発現への影響
各濃度のTWS119で24時間処理した細胞のライセートを用いてウェスタンブロット法でGSK−3及びリン酸化型GSK−3(不活性型GSK−3)発現を解析した。結果を図8〜14に示す。
TWS119はATL患者由来細胞株及び白血病細胞株において濃度依存性にGSK−3発現総量は減少させ、リン酸化型GSK−3発現は増加させた。
しかし、PBMC(健常人由来末梢リンパ球)においては濃度依存性にGSK−3発現総量、リン酸化型GSK−3発現のいずれも減少させた。
GSK−3β阻害剤であるTWS119は、数μMの濃度において、強力かつ選択的にATL細胞及び白血病細胞に細胞死を誘導することから、ATL及び白血病の治療薬として有用であることが示唆された。
その作用メカニズムとして、TWS119はATL細胞及び白血病細胞においてGSK−3発現総量を減少させるとともに、不活性型であるリン酸化型GSK−3を増加させることにより、細胞内におけるGSK−3の機能を更に減弱させ、その結果、ATL細胞及び白血病細胞により強く細胞死を誘導していると考えられる。
(実施例8)1−(7−メトキシキノリン−4−イル)−3−[6−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]ウレア(A1070722)の細胞死誘導効果
HTLV−I感染細胞株であるMT−2及びHUT102、ATL患者由来細胞株であるS1T、Su9T01及びOh13T、白血病細胞株(HTLV−I非感染)であるJurkatを1ウェル当たり20,000個、その対照としてPBMC(健常人由来末梢リンパ球)を1ウェル当たり100,000個、それぞれ96wellプレートに播種し、0〜20μMのA1070722存在下で、COインキュベーターで3日間培養後、生細胞数をMTT法によりA1070722の各細胞に対する増殖阻害効果を評価した。
A1070722は4μMの濃度で、HTLV−I感染細胞株であるMT−2及びHUT102、ATL患者由来細胞株であるS1T及びOh13Tの生細胞率を約80%に、ATL患者由来細胞株であるSu9T01及び白血病細胞株(HTLV−I非感染)であるJurkatの生細胞率を約60%にそれぞれ減少させた。
一方、PBMC(健常人由来末梢リンパ球)の生細胞率は100%であった。
GSK−3α及びGSK−3βの阻害剤であるA1070722は、数μMの濃度において、選択的にHTLV−I感染細胞、ATL細胞及び白血病細胞に細胞死を誘導することから、ATL及び白血病の治療薬として有用であることが示唆された。
(実施例9)
(1)GSK3阻害剤XV(GSK-3 inhibitor XV)の細胞死誘導効果
HTLV−I感染細胞株であるMT−2及びHUT102、ATL患者由来細胞株であるS1T、Su9T01及びOh13T、白血病細胞株(HTLV−I非感染)であるJurkatを1ウェル当たり20,000個、その対照としてPBMC(健常人由来末梢リンパ球)を1ウェル当たり100,000個、それぞれ96wellプレートに播種し、0〜20μMのGSK3阻害剤XV存在下で、COインキュベーターで3日間培養後、生細胞数をMTT法によりGSK3阻害剤XVの各細胞に対する増殖阻害効果を評価した。
GSK3阻害剤XVは、正常リンパ球に対しても強い毒性を示すものの、数μMの濃度で、HTLV−I感染細胞、ATL細胞及び白血病細胞株に対して、強力に細胞死を誘導した。
(2)GSK−3,リン酸化型GSK−3発現への影響
各濃度のGSK3阻害剤XVで24時間処理した細胞のライセートを用いてウェスタンブロット法でGSK−3及びリン酸化型GSK−3(不活性型GSK−3)発現を解析した。
GSK3阻害剤XVは、BIO及びTWS119と同様に、濃度依存性に不活性型であるリン酸化型GSK−3発現を増加させることが明らかとなった。
以上の結果から、GSK−3阻害剤はHTLV−I感染細胞及びATL細胞に対して、濃度依存性にリン酸化型GSK−3発現を増加させることにより細胞死を誘導すると考えられた。

Claims (9)

  1. 下記式(I):
    Figure 0006534098
    で示される化合物、
    下記式(II):
    Figure 0006534098
    (式中、Arは置換又は無置換のフェニル基であり、R は炭素数1〜3のアルキル基である。)
    で示される化合物、
    下記式(III):
    Figure 0006534098
    (式中、R は水素原子又は炭素数2〜6の脂肪族アシル基であり、当該脂肪族アシル基はカルボキシル基で置換されていてもよい。)
    で示される化合物、
    下記式(IV):
    Figure 0006534098
    で示される化合物、
    下記式(V):
    Figure 0006534098
    で示される化合物、それらの塩又はそれらの溶媒和物から選ばれるGSK3阻害剤と、TNF−αとを含有する成人T細胞白血病治療薬。
  2. GSK3阻害剤が前記式(I)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項に記載の成人T細胞白血病治療薬。
  3. GSK3阻害剤が前記式(II)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項に記載の成人T細胞白血病治療薬。
  4. 前記式(II)で示される化合物が、下記式(IIa):
    Figure 0006534098
    で示される化合物である請求項に記載の成人T細胞白血病治療薬。
  5. GSK3阻害剤が前記式(III)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項に記載の成人T細胞白血病治療薬。
  6. 前記式(III)で示される化合物が、下記式(IIIa):
    Figure 0006534098
    で示される化合物である請求項に記載の成人T細胞白血病治療薬。
  7. GSK3阻害剤が前記式(IV)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項に記載の成人T細胞白血病治療薬。
  8. GSK3阻害剤が前記式(V)で示される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物から選ばれる請求項に記載の成人T細胞白血病治療薬。
  9. 成人T細胞白血病治療において同時に、別々に、又は順次に投与するための組み合わせ製剤であって、2つの別個の製剤:
    (a)下記式(I):
    Figure 0006534098
    で示される化合物、
    下記式(II):
    Figure 0006534098
    (式中、Arは置換又は無置換のフェニル基であり、R は炭素数1〜3のアルキル基である。)
    で示される化合物、
    下記式(III):
    Figure 0006534098
    (式中、R は水素原子又は炭素数2〜6の脂肪族アシル基であり、当該脂肪族アシル基はカルボキシル基で置換されていてもよい。)
    で示される化合物、
    下記式(IV):
    Figure 0006534098
    で示される化合物、
    下記式(V):
    Figure 0006534098
    で示される化合物、それらの塩又はそれらの溶媒和物から選ばれるGSK3阻害剤を含有する製剤、及び
    (b)TNF−αを含有する製剤
    を含む組み合わせ製剤。
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