1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の上下方向及び左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者から見た上下方向及び左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63およびセレクトボタン64が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、図2に示すように、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技領域3には、複数の遊技くぎ(図2には図示せず)が突設されている。また、遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7によって表示される画像の詳細については後述する。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上部には、盤可動体15が格納状態にて配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口、固定入球口、固定始動口、第1始動入賞口ともいう)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、表示器類40に表示される第1特別図柄の抽選の契機となっている。第1特別図柄の抽選は、大当たり抽選の一例である。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2入球口、可変入球口、可変始動口、第2始動入賞口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を普通電動役物(普通電役)ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、表示器類40に表示される第2特別図柄の抽選の契機となっている。第2特別図柄の抽選も、大当たり抽選の一例である。
電チュー22は、開状態の位置と閉状態の位置とに変位する可動部材(入球口開閉部材ともいう)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、表示器類40に表示される普通図柄の普通図柄抽選の契機となっている。普通図柄の普通図柄抽選は、普通抽選の一例である。
また、遊技領域3におけるゲート28の下方には、第1大入賞口(第1特別入賞口ともいう)30を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31を、第1特別入賞手段、第1特別可変入賞装置、または第1特別電動役物ともいう。第1大入賞装置31は、開状態の位置と閉状態の位置とに変位する開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態のときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口ともいう)35を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36を、第2特別入賞手段、第2特別可変入賞装置、又は第2特別電動役物ともいう。第2大入賞装置36は、開状態の位置と閉状態の位置とに変位する開閉部材37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態のときだけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図3(A)に示すように、第1大入賞装置31の内部には、第1大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域ともいう)39および非特定領域(非V領域ともいう)70が形成されている。なお、第1大入賞装置31において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第1大入賞口30への遊技球の入賞を検知するための第1大入賞口センサ30aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知するための特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知するための非特定領域センサ70aが配されている。
また、第1大入賞装置31は、第1大入賞口30を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材ソレノイド73は、振分部材71の駆動源である。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1状態をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2状態をとる。なお振分部材71は、言い換えれば、特定領域39を開閉するシャッター部材である。
図3(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aの検知領域を通過した後、特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図3(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第1大入賞口30に入賞した遊技球は、第1大入賞口センサ30aの検知領域を通過した後、振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお、本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が高確率状態への移行の契機となっている。パチンコ遊技機1は、遊技状態として、大当たりの抽選において当選確率が高い高確率状態と、高確率状態よりも当選確率が低い非高確率状態(通常確率状態ともいう)とがある。遊技状態の詳細は後述する。つまり特定領域39は、高確率状態へ移行するための作動口(確変作動口ともいう)となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。これに対して、第2大入賞装置36には、確変作動口は設けられていない。
図2の説明に戻り、遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙うことができる。
一方、第2流路R2上には、第2大入賞装置36と、ゲート28と、第1大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また、遊技盤2の右側中央には、表示器類40が配置されている。表示器類40には、図4に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留ともいう)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留ともいう)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留ともいう)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。また、第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20または第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示する。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1、2、5、6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、はずれである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したはずれ図柄を表示する。はずれ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおはずれ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)を取得し、取得した数値情報を一旦記憶する。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として数値情報を記憶し、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として数値情報を記憶する。第1特図保留および第2特図保留には、それぞれ記憶可能な数に上限があり、本形態における上限値はそれぞれ「4」となっている。
記憶されている特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示する。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がはずれである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通はずれ図柄を表示する。普通はずれ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通はずれ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して普通当たり乱数(普通図柄乱数ともいう)を取得し、取得した普通当たり乱数の値を、普図保留として一旦記憶する。記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は「4」となっている。
記憶されている普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通当たり乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
また、図2に示すように、画像表示装置7の表示画面7aには、表示器類40に表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄8L、8C、8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L、8C、8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、表示器類40にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7に表示される演出図柄の組み合わせによって把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技ともいう)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する演出保留表示エリアがある。演出保留画像9の表示により、第1特図保留の記憶数や第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
2.遊技機の電気的構成
続いて、図5および図6に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5および図6に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板ともいう)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板ともいう)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM(Random Access Memory)84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」とする)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87、が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。第1特図保留記憶部85aや第2特図保留記憶部85bは記憶手段に当たる。第1特図保留記憶部85aには、第1特図保留が記憶され、第2特図保留記憶部85bには、第2特図保留が記憶される。さらに詳細には第1特図保留記憶部85aは、図7(a)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また図7(b)に示すように、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。
各記憶領域は、図7(c)に示すように、さらに4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、大当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
また、主制御基板80には、図5に示したように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられ、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するためのセンサである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられ、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するためのセンサである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられ、ゲート28を通過した遊技球を検出するためのセンサである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられ、第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するためのセンサである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられ、第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するためのセンサである。特定領域センサ39aは、第1大入賞口30内の特定領域39に設けられ、特定領域39を通過した遊技球を検出するためのセンサである。非特定領域センサ70aは、第1大入賞口30内の非特定領域70に設けられ、非特定領域70を通過した遊技球を検出するためのセンサである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられ、普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するためのセンサである。各センサは、例えば、そのセンサの検知領域に遊技球が有る場合と無い場合とで異なる信号を出力する。
また、ソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。つまり、第1大入賞口ソレノイド33は開閉部材32の駆動源である。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。つまり、第2大入賞口ソレノイド38は開閉部材37の駆動源である。振分部材ソレノイド73は、第1大入賞装置31の振分部材71を駆動するものである。つまり、振分部材ソレノイド73は振分部材71の駆動源である。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。
発射装置112には、発射モータ113、タッチスイッチ114、発射ボリューム115の他、ハンドル60(図1を参照)が含まれる。遊技者による発射装置112のハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
RAM94には、図8(a)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された第1始動入賞コマンド等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された第2始動入賞コマンド等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部95cとが設けられている。第1始動入賞コマンドおよび第2始動入賞コマンドの詳細は後述する。
第1特図保留演出記憶部95aは、図8(b)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。また第2特図保留演出記憶部95bは、図8(c)に示すように、記憶可能な第2特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。
各記憶領域は、図8(d)に示すように、始動入賞コマンド記憶領域を含む複数の記憶領域に分かれている。始動入賞コマンド記憶領域は、始動入賞コマンドを記憶する記憶領域である。なお当該変動用演出記憶部95cも、同様の記憶領域を含んでいる。
サブ制御基板90には、図6に示したように、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用マイコン101のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御用マイコン101のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御用マイコン101のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、遊技機枠50に設けられている枠ランプ66、および遊技盤2に設けられている盤ランプ5の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に接続された盤可動体15を動作させる。盤可動体15は、センター装飾体10の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。盤可動体15は、表示画面7aの周辺部(本形態では上部)でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態(図2を参照)から、その折り畳みが解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している露出状態(図示省略)に変位可能なものである。
詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、枠中継基板98を介して演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1を参照)が押下操作されたことを検出するためのものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1を参照)が押下操作されたことを検出するためのものである。セレクトボタン64が押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1は、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づいて、大当たりの抽選を行う。大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果には、「大当たり」と「はずれ」がある。パチンコ遊技機1は、「大当たり」の場合、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」を停止表示する。一方、「はずれ」の場合、特別図柄表示器41に「はずれ図柄」を停止表示する。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「特別遊技」を実行する。大当たりに当選して実行される特別遊技を大当たり遊技という。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了または前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始またはEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(ラウンド間インターバル)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については、図9に示す通りである。図9に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つある。V通過大当たり(特図1_大当たり図柄1および特図2_大当たり図柄3〜6)と、V非通過大当たり(特図1_大当たり図柄2)である。
V通過大当たりは、その大当たりへの当選に基づく大当たり遊技中に特定領域39への通過が可能となる大当たりである。これに対して、V非通過大当たりは、その大当たりへの当選に基づく大当たり遊技中に特定領域39への通過が不可能又は困難な大当たりである。本形態のパチンコ遊技機1は、特定領域39への通過に基づいて高確率状態に制御される遊技機である。よって、V通過大当たりは、大当たり遊技後に高確率状態に制御されることが予定される大当たりであり、V非通過大当たりは、大当たり遊技後に高確率状態に制御されないことが予定される大当たりである。
なお、特図1の抽選では、大当たり当選時に15%の割合でV通過大当たりに振り分けられ、残りの85%の割合でV非通過大当たりに振り分けられる。一方、特図2の抽選では、大当たり当選時は必ずV通過大当たりに振り分けられる。つまり本形態では、第1始動口20への入賞に基づく大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、第2始動口21への入賞に基づく大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、大当たり遊技後の遊技状態が遊技者にとって有利となるように設定されている。
特図2の抽選で当選可能な「V通過大当たり」には、4つの種類がある。2つの種類の16RのV通過大当たり(特図2_大当たり図柄3および特図2_大当たり図柄4)と、1つの種類の10RのV通過大当たり(特図2_大当たり図柄5)と、1つの種類の5RのV通過大当たり(特図2_大当たり図柄6)である。各V通過大当たりは、大当たり遊技中のラウンド遊技の実行回数が異なり、16RのV通過大当たりでは、ラウンド遊技の実行回数が16回、10RのV通過大当たりでは、ラウンド遊技の実行回数が10回、5RのV通過大当たりでは、ラウンド遊技の実行回数が5回、である。なお、本形態での1回のラウンド遊技では、大入賞口に最大入賞球数(本形態では9個)におよび入賞が可能である。ちなみに、特図1の抽選で当選可能な「V通過大当たり」は、1つの種類の16RのV通過大当たり(特図1_大当たり図柄1)のみである。また、特図1の抽選で当選可能な「V非通過大当たり」も、1つの種類の5RのV非通過大当たり(特図1_大当たり図柄2)のみである。
ここで、各大当たり遊技における大入賞口の開放制御について、図10および図11のテーブルを参照しつつ説明する。図10に示すように、本形態では各大当たりにおいて、1R目〜4R目、6R目〜9R目、および11R目〜16R目は第1大入賞口30を開放させ、5R目および10R目は、第2大入賞口35を開放させる。第1大入賞口30の開放態様には、図11に示すようにロング開放(開放態様1)とショート開放(開放態様2)とがある。また、第2大入賞口35の開放態様にも、同様にロング開放(開放態様3)とショート開放(開放態様4)とがある。
第1大入賞口30のロング開放(開放態様1)は、まず最長27500msにわたって第1大入賞口30を開放し、1000msの閉塞期間を経て再び第1大入賞口30を1000msにわたって開放する開放態様である。ラウンド間インターバルの時間は2000msである。遊技者によって普通に遊技が行われていれば、初めの27500msの開放期間が終わるまでの間に最大入賞球数に及ぶ入賞がなされ、ラウンド間インターバルを経て次のラウンド遊技が実行される。そのため、2回目の1000msの開放が実行されることはほとんどない。なお、ラウンド間インターバルの時間はどの開放態様でも同じ2000msである。
第1大入賞口30のショート開放(開放態様2)は、60msという極めて短時間だけ第1大入賞口30を1回開放する開放態様である。この開放時に遊技球が第1大入賞口30に入球することは稀である。
第2大入賞口35のロング開放(開放態様3)は、最長28500msにわたって第2大入賞口35を1回開放する開放態様である。この開放時には最大入賞球数に及ぶ入賞が十分に可能である。
第2大入賞口35のショート開放(開放態様4)は、60msという極めて短時間だけ第2大入賞口35を1回開放する開放態様である。この開放時に遊技球が第2大入賞口35に入球することは稀である。
大当たりの抽選で当選可能な7種類の大当たりは、互いに大入賞口の開放パターンが異なっている。図10に示すように、16RのV通過大当たり(特図1_大当たり図柄1、特図2_大当たり図柄3および4)では、パチンコ遊技機1は、全てのラウンドでロング開放の開放制御を行う。
特図1_大当たり図柄1および特図2_大当たり図柄3は、大当たり当選の判定結果を報知する変動演出において16RのV通過大当たりであることが報知される大当たり図柄である。具体的には、図9に示すように、演出図柄の最終的な停止態様として、金図柄(本形態では3又は7)のゾロ目が選択される。
これに対して、特図2_大当たり図柄4は、大当たり遊技中にラウンド遊技の実行回数が延長されるラウンドアップ演出が行われる大当たり図柄であり、大当たり当選の判定結果を報知する変動演出において16RのV通過大当たりであることが報知されない大当たり図柄である。具体的には、演出図柄の最終的な停止態様として銀図柄(本形態では1、2、4、5、6、又は8)のゾロ目が選択される大当たり図柄である。そのため、16RのV通過大当たりではあるものの、大当たり遊技の開始時に遊技者はそのことを認識できない。
10RのV通過大当たり(特図2_大当たり図柄5)では、図10に示すように、パチンコ遊技機1は、1R目から10R目まではロング開放制御を行い、11R目から16R目まではショート開放の開放制御を行う。すなわち、10RのV通過大当たりは、本来は16RのV通過大当たりであるが、11R目から16R目までが遊技球を大入賞口に入賞させることが困難であるため、実質的に10Rとなる大当たり図柄である。また、特図2_大当たり図柄5は、大当たり当選の判定結果を報知する変動演出において16RのV通過大当たりであることが報知されない大当たり図柄である。
5RのV非通過大当たり(特図1_大当たり図柄2)および5RのV通過大当たり(特図2_大当たり図柄6)では、図10に示すように、パチンコ遊技機1は、1R目から5R目まではロング開放制御を行い、6R目から16R目まではショート開放の開放制御を行う。すなわち、5RのV通過大当たりおよび5RのV非通過大当たりも、本来は16RのV通過大当たりであるが、6R目から16R目までが遊技球を大入賞口に入賞させることが困難であるため、実質的に5Rとなる大当たり図柄である。また、特図1_大当たり図柄2および特図2_大当たり図柄6は、大当たり当選の判定結果を報知する変動演出において16RのV通過大当たりであることが報知されない大当たり図柄である。
続いて、各大当たりにおける振分部材71の作動制御(特定領域39の作動制御)についても説明する。本形態では、1回のラウンド遊技における大入賞口への入賞球数に基づいて、振分部材71が第1状態(図3(A))と第2状態(図3(B))との間で切り替えられる。
本形態では、各大当たりにおける4R目が、振分部材71の作動が予定されているラウンド(作動ラウンド)となっている(図10を参照)。パチンコ遊技機1は、作動タイミングを除いて、振分部材71を特定領域39への通過を妨げる第2状態に制御する。
具体的には、1回のラウンド遊技における第1大入賞口30への総入賞球数が3球になると、最長で31476ms(通過許容時間に相当)にわたって振分部材71を第1状態に制御する。最長で31476msにわたる特定領域39の開放(通過許容状態への制御)をV開放という。遊技者が正しく遊技している限り、V開放時には遊技球が特定領域39を通過する。つまりV長開放時にはV通過は容易に可能である。
続いて、大当たりの抽選について説明する。パチンコ遊技機1は、第1始動口20または第2始動口21に遊技球が入賞すると、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、の少なくとも4つの乱数を取得する。
本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図12に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果が「はずれ」である場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。変動パターンが決まることで、パチンコ遊技機1は、SPリーチ演出や通常リーチ演出を行うか否かを含む、変動時間に適した演出パターンを選択する。なお、SPリーチは、通常リーチよりも大当たりの期待度が高いことを示唆する演出であり、通常リーチよりも演出時間が長い。
また、パチンコ遊技機1は、ゲート28に遊技球が通過すると、普通当たり乱数を取得する。普通当たり乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通当たり乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。
具体的に、パチンコ遊技機1は、図13(A)に示すように、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、図14に示すように、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う。また、図13(B)に示すように、大当たりの抽選結果がはずれであった場合に、時短状態の方が非時短状態よりもリーチが選択され難い。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、図13(C)に示すように、当たりと判定される普通当たり乱数の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、図13(D)に示すように、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、図15に示すように、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球サポート状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球サポート状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、有効な特定領域39への通過がなされた大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確率状態および時短状態は、所定回数の特別図柄の可変表示が実行されるか、または、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、高確高ベース状態になった場合、高確率状態と時短状態とは、終了条件の1つである特別図柄の可変表示の回数が異なり、本形態では、高確率状態が50回であり、時短状態が100回である。そのため、大当たり遊技後の遊技状態が高確高ベース状態になった場合、その後の大当たりの抽選で大当たりに当選しなければ、50回目までの特別図柄の可変表示は、高確率状態かつ時短状態であるが、51回目から100回目までの特別図柄の可変表示は、低確率状態かつ時短状態である。
また、有効な特定領域39への通過がなされなかった大当たり遊技後の遊技状態は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態になった場合、時短状態の終了条件の1つである特別図柄の可変表示の回数は、50回である。そのため、大当たり遊技後の遊技状態が低確高ベース状態になった場合、その後の大当たりの抽選で大当たりに当選しなければ、50回目までの特別図柄の可変表示が、低確率状態かつ時短状態になる。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図2を参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図2を参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.始動入賞コマンド
本形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された数値情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する大当たり期待度を示唆する演出である。
図16に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりか否かの当否情報が含まれている。また本形態の始動入賞コマンドには、大当たりの種類の情報、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報、非時短状態と時短状態とのどちらの遊技状態で入賞したのかの遊技状態情報、はずれであった場合のリーチの有無の情報、が含まれている。始動入賞コマンドは、少なくとも大当たりか否かの当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。例えば、高確率状態か否かの情報や、変動時間の情報を含ませてもよい。
6.遊技制御用マイコン81の動作
続いて、パチンコ遊技機1の主制御基板80における遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81が実行する具体的な処理としては、メイン側起動処理がある。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ、などは、RAM84に設けられる。
[メイン側起動処理]
遊技制御用マイコン81が実行するメイン側起動処理について、図17のフローチャートを参照しつつ説明する。遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の主電源がオフからオンになったことを契機に、すなわち電源スイッチ155がオンになり、電源基板150を介して外部からの電力供給が開始されたことを契機に、ROM83からメイン側起動処理のプログラムを読み出して実行する。
メイン側起動処理では、遊技制御用マイコン81は先ず、初期動作を行う(S001)。具体的にS001では、遊技制御用マイコン81は、RAM84へのアクセスを許可する。また、RAMクリアスイッチ156が押下されている場合や正常に主電源がオフされていなかった場合に、RAM84の初期化を行う。これにより、各種のフラグやステータスが初期値となり、RAM84に記憶されていた各種の情報が失われる。また、サブ制御基板90側のRAM94等を初期化するためのRAM初期化コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。この他、S001では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定を行う。S001の初期動作は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以後は実行されない。
S001の後、遊技制御用マイコン81は、割り込みを禁止する(S002)。次いで、遊技制御用マイコン81は、各種の乱数の値を更新する(S003)。具体的にS003では、遊技制御用マイコン81は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、普通当たり乱数、の各種の乱数の値を更新する。乱数の更新方法としては、例えば、1回の更新に際して値を所定数加算する。所定数は、全ての乱数で共通であってもよいし、乱数ごとに異なってもよい。乱数の値は、上限値に達すると0に戻る。また、乱数の初期値は、0であっても0以外の値であってもよい、また、乱数の初期値は、全ての乱数で共通であってもよいし、乱数ごとに異なってもよい。また、各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数発生回路を利用して生成してもよい。その場合、S003は省略してもよい。また、乱数発生回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
S003の後、遊技制御用マイコン81は、割り込みを許可する(S004)。以降、S002〜S004を繰り返す。割り込みが許可されている間は、メイン側タイマ割込み処理(S005)の実行が可能になる。メイン側タイマ割込み処理は、例えば、4ms周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、メイン側タイマ割込み処理が実行された場合には、メイン側タイマ割込み処理が終了してから、次のメイン側タイマ割込み処理が開始されるまでの間に、S002〜S004の処理が繰り返される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合には、メイン側タイマ割込み処理の実行を直ぐには開始せず、割り込み許可状態となるのを待って開始する。
[メイン側タイマ割込み処理]
次に、S005のメイン側タイマ割込み処理について、図18のフローチャートを参照しつつ説明する。メイン側タイマ割込み処理は、4ms周期の割り込みパルスが入力される度に、遊技制御用マイコン81によって実行される。
メイン側タイマ割込み処理では、遊技制御用マイコン81は先ず、RAM84の出力バッファにセットされたコマンドを、サブ制御基板90や払出制御基板110等、パチンコ遊技機1内の主制御基板80以外のデバイスに出力する(S101)。RAM84の出力バッファには、後述する各種の処理によって適宜コマンドがセットされる。
S101の後、遊技制御用マイコン81は、入力情報を記憶する(S102)。具体的にS102では、遊技制御用マイコン81は、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等の、各種のセンサから出力された信号を読み込む。そして、それらの信号に基づいて入賞の有無を判断し、入賞口の種類に応じた賞球の払い出しを指示する払い出しコマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。
S102の後、遊技制御用マイコン81は、各種の乱数の値を更新する(S103)。S103の処理は、S003と同様である。すなわち、遊技制御用マイコン81は、メイン側タイマ割込み処理の実行期間中と、それ以外の期間との両方で、各種の乱数の値を更新する。なお、乱数の値の更新を、いずれか一方の期間のみで行ってもよい。
S103の後、遊技制御用マイコン81は、各種のセンサから出力された信号に基づいて、始動口等の所定の領域への遊技球の通過を検出するセンサ検出処理を実行する(S111)。S111の詳細は後述する。
S111の後、遊技制御用マイコン81は、普通図柄に関する動作である普通動作処理を実行する(S121)。具体的にS121では、遊技制御用マイコン81は、普通当たりの抽選条件を満たしている場合に、普図保留記憶部86に記憶されている普通当たり乱数を用いて普通当たりに当選したか否かを判定する。そして、判定結果に応じた普図停止図柄データおよび遊技状態に応じた変動パターンを決定し、普通図柄表示器42に普通図柄の表示を行わせる。さらに普通当たりに当選した場合には、遊技状態に応じた電チュー22の開放パターンを決定し、電チュー22を作動させる。普通動作処理の詳細は後述する。
S121の後、遊技制御用マイコン81は、特別図柄に関する動作である特別動作処理を実行する(S131)。具体的にS131では、遊技制御用マイコン81は、大当たりの抽選条件を満たしている場合に、特図保留記憶部85に記憶されている大当たり乱数を用いて大当たりに当選したか否かを判定する。そして、判定結果に応じた特別図柄および遊技状態に応じた変動パターンを決定し、特別図柄表示器41に特別図柄の表示を行わせる。さらに大当たりに当選した場合には、大当たり遊技を実行する。なお、S121とS131とは逆順であってもよい。特別動作処理の詳細は後述する。
S131の後、遊技制御用マイコン81は、各種のソレノイドを制御するための駆動データを出力する(S151)。例えば、第1大入賞口ソレノイド33を制御して開閉部材32を駆動し、第1大入賞口30を開閉させる。S151の後、遊技制御用マイコン81は、普図保留数、第1特図保留数、第2特図保留数、の各保留数に基づいて、特図保留表示器43および普図保留表示器44の表示を更新させる(S161)。
S161の後、遊技制御用マイコン81は、RAM84の外部出力バッファにセットされたコマンドに基づいて、外部端子板190を介して各種の信号を出力する(S171)。例えば、大当たりの抽選にて大当たりに当選した場合、遊技制御用マイコン81は、大当たり信号を外部装置に出力する。
S171の後、遊技制御用マイコン81は、主電源を正常にオフさせるための電源断監視処理を実行する(S181)。具体的にS181では、遊技制御用マイコン81は、例えば、電源スイッチ155がオフになったことを検知した場合に、正常に主電源がオフされたことを示す情報をRAM84に記憶する。そして、RAM84へのアクセスを制限する。
S181の後、遊技制御用マイコン81は、その他の処理を実行する(S191)。その他の処理としては、例えば、作動中のタイマの更新、遊技球の入賞に応じた賞球を払い出すための処理、不正の検出および報知、が該当する。S191の後、メイン側タイマ割込み処理を終了する。
その後、遊技制御用マイコン81は、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまではメイン側起動処理のS002〜S004の処理を繰り返し、割り込みパルスが入力されると、再び、メイン側タイマ割込み処理を実行する。再び実行されたメイン側タイマ割込み処理のS101では、前回のメイン側タイマ割込み処理にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンドが出力される。
[センサ検出処理]
次に、図18のS111のセンサ検出処理について、図19のフローチャートを参照しつつ説明する。
センサ検出処理では、遊技制御用マイコン81は先ず、ゲートセンサ28aから出力された信号に基づいて、遊技球がゲート28を通過したか否かを判断する(S201)。遊技球がゲート28を通過していた場合(S201でYES)、遊技制御用マイコン81は、普図保留の数が4個未満か否かを判断する(S202)。
普図保留の数が4個未満であれば(S202でYES)、遊技制御用マイコン81は、普図保留数に1を加算し(S203)、さらに普通当たり乱数の値を取得し、取得した普通当たり乱数の値を、普図保留記憶部86に記憶する(S204)。
S204の後、あるいは普図保留の数が4個未満でなければ(S202でNO)、あるいは遊技球がゲート28を通過していない場合(S201でNO)、遊技制御用マイコン81は、第1始動口センサ20aから出力された信号に基づいて、遊技球が第1始動口20を通過したか否かを判断する(S211)。遊技球が第1始動口20を通過していた場合(S211でYES)、遊技制御用マイコン81は、第1特図保留の数が4個未満か否かを判断する(S212)。
第1特図保留の数が4個未満であれば(S212でYES)、遊技制御用マイコン81は、第1特図保留数に1を加算し(S213)、さらに大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、の大当たりに関する各乱数の値を取得し、取得した各乱数の値を、第1特図保留記憶部85aに記憶する(S214)。
S214の後、遊技制御用マイコン81は、S214にて取得した各乱数の値に基づいて第1始動入賞コマンドを特定し、その第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S215)。始動入賞コマンドは、当該変動時の演出の他、先読み演出等に用いられる。そのため、図16に示したように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりか否かの当否情報が含まれている。
なお、出力バッファにセットされた第1始動入賞コマンドは、メイン側タイマ割込み処理のS101にてサブ制御基板90に送信される。つまり、S214にて取得した乱数に対応する特別図柄の変動表示が開始される前であっても、その特別図柄に関係する情報を含むコマンドがサブ制御基板90に出力される。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S215の後、あるいは第1特図保留の数が4個以上の場合(S212でNO)、あるいは遊技球が第1始動口20を通過していない場合(S211でNO)、遊技制御用マイコン81は、第2始動口センサ21aから出力された信号に基づいて、遊技球が第2始動口21を通過したか否かを判断する(S221)。遊技球が第2始動口21を通過していた場合(S221でYES)、遊技制御用マイコン81は、第2特図保留の数が4個未満か否かを判断する(S222)。
第2特図保留の数が4個未満であれば(S222でYES)、遊技制御用マイコン81は、第2特図保留数に1を加算し(S223)、さらにS214と同様に、大当たりに関する各乱数の値を取得し、取得した各乱数の値を、第2特図保留記憶部85bに記憶する(S224)。
S224の後、遊技制御用マイコン81は、S224にて取得した各乱数の値に基づいて第2始動入賞コマンドを特定し、その第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S225)。これにより、S215と同様に、S224にて取得した乱数に対応する特別図柄の変動表示が開始される前に、その特別図柄に関係する情報を含むコマンドがサブ制御基板90に出力される。
S225の後、あるいは第2特図保留の数が4個以上の場合(S222でNO)、あるいは遊技球が第2始動口21を通過していない場合(S221でNO)、遊技制御用マイコン81は、特定領域センサ39aから出力された信号に基づいて、遊技球が特定領域39を通過したか否かを判断する(S251)。
遊技球が特定領域39を通過していた場合(S251でYES)、遊技制御用マイコン81は、特定領域39への遊技球の通過が許可されるV有効期間であるか否かを判断する(S252)。V有効期間は、後述する第1大入賞口センサ検出処理によって設定される。V有効期間であれば(S252でYES)、遊技制御用マイコン81は、Vフラグをオンとし(S253)、さらにV通過コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S254)。Vフラグは、特定領域39への遊技球の通過の判断に用いられる。なお、出力バッファにセットされたV通過コマンドは、メイン側タイマ割込み処理のS101にてサブ制御基板90に送信される。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S254の後、あるいはV有効期間でない場合(S252でNO)、あるいは遊技球が特定領域39を通過していない場合(S251でNO)、遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理を終了する。
[普通動作処理]
次に、図18のS121の普通動作処理について、図20のフローチャートを参照しつつ説明する。
普通動作処理では、遊技制御用マイコン81は先ず、電チュー22の作動中か否かを判断する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の停止表示中か否かを判断する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動表示中か否かを判断する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判断する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、普通動作処理を終了する。
一方、普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、遊技制御用マイコン81は、普通当たりの判定を行う(S405)。具体的にS405では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数の値を読み出し、図13(C)に示した普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、遊技制御用マイコン81は、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄を決定する(S406)。具体的にS406では、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする。つまり、「はずれ」であれば「普図はずれ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
S406の後、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動時間を決定する(S407)。具体的にS407では、図13(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択し、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10秒の普通図柄変動パターンを選択する。
S407の後、遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1減算する(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、S407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。これに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
また、普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動時間が経過したか否か判断し(S411)、経過していなければ(S411でNO)、普通動作処理を終了する。一方、経過していれば(S411でYES)、遊技制御用マイコン81は、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通はずれ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)、普通動作処理を終了する。
また、普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、遊技制御用マイコン81は、S414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判断し(S415)、経過していなければ(S415でNO)、普通動作処理を終了する。一方、経過していれば(S415でYES)、遊技制御用マイコン81は、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判断し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、普通動作処理を終了する。
一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。具体的にS417では、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする。そして、遊技制御用マイコン81は、セットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判断し(S419)、経過していなければ(S419でNO)、普通動作処理を終了する。一方、経過していれば(S419でYES)、遊技制御用マイコン81は、電チュー22の作動を終了させて(S420)、普通動作処理を終了する。
[特別動作処理]
次に、図18のS131の特別動作処理について、図21のフローチャートを参照しつつ説明する。特別動作処理では、特別図柄表示器41、第1大入賞装置31、および第2大入賞装置36に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス」を1〜7に割り当てている。なお、特別動作ステータスの初期値は「1」である。
特別動作処理では、遊技制御用マイコン81は先ず、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)内に関する処理であるV大入賞口内処理を行う(S1001)。V大入賞口内処理の詳細は後述する。そして、特別動作ステータスの値を読み出して(S1002)、この値に応じたいずれかの処理(S1003〜S1009のうちのいずれかの処理)を実行する。
具体的に、特別動作ステータスの値が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1003)を行う。また、特別動作ステータスの値が「2」である場合には、特別図柄変動中処理(S1004)を行う。また、特別動作ステータスの値が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1005)を行う。また、特別動作ステータスの値が「4」である場合には、大当たり開始処理(S1006)を行う。また、特別動作ステータスの値が「5」である場合には、大当たり開放処理(S1007)を行う。また、特別動作ステータスの値が「6」である場合には、大当たり閉鎖処理(S1008)を行う。また、特別動作ステータスの値が「7」である場合には、大当たり終了処理(S1009)を行う。これらの各処理(S1003〜S1009)については後述する。
[V大入賞口内処理]
次に、図21のS1001のV大入賞口内処理について、図22のフローチャートを参照しつつ説明する。
V大入賞口内処理では、遊技制御用マイコン81は先ず、振分部材ソレノイド閉鎖処理を行う(S1101)。振分部材ソレノイド閉鎖処理は、開放中の特定領域39を閉鎖する処理(図3(A)の第1状態に制御中の振分部材71を図3(B)の第2状態に制御する処理)である。S1101の後、遊技制御用マイコン81は、特定領域タイマが「0」でないか否かを判断する(S1102)。特定領域タイマは、特定領域39の作動制御(振分部材71の作動制御)に関する時間を計測するためのタイマである。
特定領域タイマの値が「0」であれば(S1102でNO)、遊技制御用マイコン81は、振分部材ソレノイド73が開放中(つまり通電中)か否かを判断する(S1103)。振分部材ソレノイド73が通電中でなければ(つまり特定領域39が閉鎖中であれば)(S1103でNO)、遊技制御用マイコン81は、特定領域39が有効中(つまりV有効期間中)か否かを判断する(S1104)。
V有効期間中であれば(S1104でYES)、遊技制御用マイコン81は、特定領域の状態を通過無効にする(つまりV無効期間に設定する)とともに、V異常通過の報知の設定を「異常報知しない」に設定する(S1105)。これにより、V通過があっても高確率状態に制御しないがV異常通過の報知もしない期間に設定される。なお、次ラウンドの開始時には、V異常通過の報知の設定は「異常報知する」に切り替えられる。S1105の後、V大入賞口内処理を終了する。
これに対して、特定領域タイマの値が「0」でない場合(S1102でYES)、振分部材ソレノイド73が通電中(つまり特定領域39が開放中)の場合(S1103でYES)、およびV有効期間中でない場合(S1104でNO)、遊技制御用マイコン81は、S1105の処理を実行せず、V大入賞口内処理を終了する。
[振分部材ソレノイド閉鎖処理]
次に、図22のS1101の振分部材ソレノイド閉鎖処理について、図23のフローチャートを参照しつつ説明する。
振分部材ソレノイド閉鎖処理では、遊技制御用マイコン81は先ず、振分部材ソレノイド73が閉鎖中(つまり非通電中)か否かを判定する(S1202)。振分部材ソレノイド73が閉鎖中でなければ(S1202でNO)、つまり開放中であれば、遊技制御用マイコン81は、特定領域タイマの値が「0」でないか否かを判断する(S1203)。特定領域タイマの値が「0」であれば(S1203でNO)、振分部材ソレノイド73を閉鎖する(S1204)、つまり非通電にする。これにより、図3(A)の第1状態に制御されている振分部材71は、図3(B)の第2状態に制御される、つまり開放中の特定領域39は閉鎖される。
そして、特定領域39の閉鎖後の球ハケ期間を設定するため、特定領域タイマの値を「250」にセットする(S1205)。球ハケ期間は、振分部材71が通過阻止状態に戻る直前に通過した遊技球が特定領域39を通過することがあるのを考慮した期間である。なお、特定領域タイマにセットされた値は、4ms毎に1減算される。よって、「250」にセットされた特定領域タイマの値が「0」になれば、1000msが経過していることとなる。S1205の後、振分部材ソレノイド閉鎖処理を終了する。また、振分部材ソレノイド73が閉鎖中の場合(S1202でYES)、あるいは特定領域タイマの値が「0」でない場合(S1203でYES)には、S1204およびS1205を実行することなく、振分部材ソレノイド閉鎖処理を終了する。
[特別図柄待機処理]
次に、図21のS1003の特別図柄待機処理について、図24のフローチャートを参照しつつ説明する。
特別図柄待機処理では、遊技制御用マイコン81は先ず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合、遊技制御用マイコン81は、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合、遊技制御用マイコン81は、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、待機画面としていれば(S1413でYES)、特別図柄待機処理を終了し、待機画面としていなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットし(S1414)、特別図柄待機処理を終了する。
特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合、遊技制御用マイコン81は、特図2大当たり判定処理(S1402)および特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。特図2大当たり判定処理および特図2変動パターン選択処理の詳細は後述する。
S1403の後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種の乱数の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。
S1405の後、遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理では、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)や大当たりの抽選に関する情報(大当たりの当否や大当たりの種類)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、遊技制御用マイコン81は、特図1大当たり判定処理(S1408)および特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。特図1大当たり判定処理および特図1変動パターン選択処理の詳細は後述する。
S1409の後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種の乱数の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。
S1411の後、遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理では、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)や大当たりの抽選に関する情報(大当たりの当否や大当たりの種類)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(V通過大当たり)に当選しやすくなっている(図9参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]
次に、図24のS1402の特図2大当たり判定処理とS1408の特図1大当たり判定処理とについて、図25のフローチャートを参照しつつ説明する。特図2大当たり判定処理と特図1大当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、両処理を纏めて説明する。
特図2大当たり判定処理または特図1大当たり判定処理では、遊技制御用マイコン81はまず、判定値として、RAM84から大当たり乱数を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数を読み出す。また特図1大当たり判定処理では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数を読み出す。
次に、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブル(図13(A)参照)をセットし(S1502)、さらに確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルのうち非高確率状態用のテーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定テーブルのうち高確率状態用のテーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504、S1505)の結果が「大当たり」であれば、遊技制御用マイコン81は、大当たり種別乱数を読み出して、図9に示した大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄の種別を判定する(S1506)。S1506の後、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり図柄の種別に応じた特図停止図柄データを、RAM84に設けた特図バッファにセットして(S1508)、本処理を終える。一方、大当たり判定(S1504、S1505)の結果が「はずれ」であれば、はずれ図柄に応じた特図停止図柄データを特図バッファにセットして(S1508)、本処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]
次に、図24のS1403の特図2変動パターン選択処理とS1409の特図1変動パターン選択処理とについて、図26のフローチャートを参照しつつ説明する。特図2変動パターン選択処理と特図1変動パターン選択処理とは、処理の流れが同じであるため、両処理を纏めて説明する。
特図2変動パターン選択処理または特図1変動パターン選択処理では、遊技制御用マイコン81はまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。図14に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、遊技制御用マイコン81は、リーチ乱数がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図13(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「27」であり、時短状態であれば「0」〜「11」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、すなわちリーチ有りハズレの場合には、遊技制御用マイコン81は、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、すなわちリーチ無しハズレの場合、遊技制御用マイコン81は、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
また、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)、遊技制御用マイコン81は、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記S1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。
すなわち大当たりに当選している場合(S1607でYES)、遊技制御用マイコン81は、図14の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば(S1607でNO且つS1609でYES)、図14の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば(S1607及びS1609でNO)、図14の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図14に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後、遊技制御用マイコン81は、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。S1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理におけるS1406またはS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、メイン側タイマ割込み処理(図18参照)のS101にてサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]
次に、図21のS1004の特別図柄変動中処理について、図27のフローチャートを参照しつつ説明する。
特別図柄変動中処理では、遊技制御用マイコン81は先ず、特別図柄の変動時間(変動パターンに応じて決まる変動時間)が経過したか否かを判断する(S1701)。変動時間が経過していなければ(S1701でNO)、直ちに特別図柄変動中処理を終了する。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、遊技制御用マイコン81は、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又ははずれ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、特別図柄変動中処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に、図21のS1005の特別図柄確定処理について、図28のフローチャートを参照しつつ説明する。
特別図柄確定処理では、遊技制御用マイコン81はまず、特別図柄の停止時間(S1403またはS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間)が経過したか否かを判定する(S1801)。停止時間が経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、遊技制御用マイコン81は遊技状態管理処理を行う(S1802)。遊技状態管理処理の詳細は後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、遊技制御用マイコン81は遊技状態リセット処理を行う(S1804)。遊技状態リセット処理の詳細は後述する。その後、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1805)。そして大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニング設定を行うとともに(S1806)、大当たりのオープニングコマンドをセットする(S1807)。オープニング設定では大当たり遊技のオープニングの時間が所定のタイマにセットされる。
S1807の後、遊技制御用マイコン81は、特別電役作動有効カウンタの値を「16」にセットして(S1808)、本処理を終える。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド遊技の残回数を示すカウンタである。このカウンタを残ラウンド数カウンタともいう。
また、大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、大当たり遊技を開始しないため、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1809)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]
次に、図28のS1802の遊技状態管理処理について、図29のフローチャートを参照しつつ説明する。
遊技状態管理処理では、遊技制御用マイコン81はまず、確変フラグがONか否かを判定する(S2001)。確変フラグがONであれば(S2001でYES)、遊技制御用マイコン81は、高確率状態中に実行した特別図柄の変動表示の実行回数を減算方式でカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントし(S2002)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2003)。確変カウンタの値が「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFにする(S2004)。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「50」にセットされるようになっている。この点については後述する。
S2004の後、あるいはS2001またはS2003の判定結果がNOであれば、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否か判定する(S2005)。時短フラグがONであれば(S2005でYES)、遊技制御用マイコン81は、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示の実行回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントし(S2006)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2007)。時短カウンタの値が「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFにする(S2008)。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には低確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「50」にセットされ、高確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「100」にセットされるようになっている。この点については後述する。
S2008の後、あるいはS2005またはS2007の判定結果がNOであれば、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットし(S2009)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]
次に、図28のS1804の遊技状態リセット処理について、図30のフローチャートを参照しつつ説明する。
遊技状態リセット処理では、遊技制御用マイコン81はまず、確変フラグがONか否かを判定する(S2101)。確変フラグがONであれば(S2101でYES)、遊技制御用マイコン81は、確変フラグをOFFにする(S2102)。S2102の後、あるいは確変フラグがONでなければ(S2101でNO)、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定する(S2103)。時短フラグがONであれば(S2103でYES)、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをOFFにする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。S2104の後、あるいは時短フラグがONでなければ(S2103でNO)、本処理を終える。
本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
[大当たり開始処理]
次に、図21のS1006の大当たり開始処理について、図31のフローチャートを参照しつつ説明する。
大当たり開始処理では、遊技制御用マイコン81はまず、大当たりのオープニングの時間が経過したか否かを判定する(S2301)。オープニングの時間が経過していなければ(S2301でNO)、直ちに本処理を終える。オープニングの時間が経過していれば(S2301でYES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口動作設定処理を行い(S2302)、本処理を終える。
[大入賞口動作設定処理]
次に、図31のS2302の大入賞口動作設定処理について、図32のフローチャートを参照しつつ説明する。
大入賞口動作設定処理では、遊技制御用マイコン81はまず、特別動作ステータスの値を「5」にセットする(S2401)。次いで、1R分の大入賞口の動作設定を行う(S2402)。つまり、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターンで大入賞口が開放されるように、これから実行するラウンドに応じた開放態様をセットする。具体的には例えば、特図1_大当たり図柄1に当選しており、これから1ラウンド目を開始する場合には、図11の開放態様1の動作を開始するための駆動データを設定する。S2402の後、メイン側タイマ割込み処理のS151が実行されると、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放される。
S2402の後、遊技制御用マイコン81は、特別電役作動有効カウンタ(残ラウンド数カウンタ)の値を1減算する(S2403)。そして、これから実行するラウンド遊技が何ラウンド目のラウンド遊技かを示す情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S2404)。次いで、遊技制御用マイコン81は、特別電役作動回数カウンタの値を1加算する(S2405)。特別電役作動回数カウンタは、実行したラウンド遊技の回数をカウントするカウンタである。このカウンタを、実行ラウンド数カウンタともいう。
S2405の後、遊技制御用マイコン81は、特定領域動作フラグの値を、これから実行するラウンド遊技中の振分部材71の作動パターンに対応する値に設定する(S2406)。具体的には例えば、特図1_大当たり図柄1に当選した場合には、これから実行するラウンド遊技が1ラウンド目であれば特定領域動作フラグの値を動作なしに対応する「0」に設定し、2ラウンド目であれば非通過用作動パターンに対応する「3」に設定し、4ラウンド目であれば第1の通過用作動パターンに対応する「1」に設定するといった具合である(図10参照)。S2406の後、本処理を終える。
[大当たり開放処理]
次に、図21のS1007の大当たり開放処理について、図33のフローチャートを参照しつつ説明する。
大当たり開放処理では、遊技制御用マイコン81はまず、第1大入賞口30が開放中か否かを判定する(S2501)。第1大入賞口30が開放中であれば(S2501でYES)、第1大入賞口センサ検出処理(S2502)を行う。一方、第1大入賞口30の開放中でなければ(S2501でNO)、つまり第2大入賞口35の開放中又はいずれの大入賞口も閉鎖中であれば、第2大入賞口センサ検出処理(S2503)を行う。第1大入賞口センサ検出処理および第2大入賞口センサ検出処理の詳細は後述する。
S2502あるいはS2503の後、遊技制御用マイコン81は、大入賞口入賞カウンタの値が「9」以上であるか否かを判定する(S2504)。大入賞口入賞カウンタは、1回のラウンド遊技における大入賞口への総入賞球数を加算方式にてカウントするカウンタである。大入賞口入賞カウンタのカウントアップは、S2502あるいはS2503で行われる。
大入賞口入賞カウンタの値が「9」以上でなければ(S2504でNO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口動作タイマの値が「0」でないか否かを判定する(S2505)。大入賞口動作タイマは、大入賞口の動作時間(開放時間や閉鎖時間)を計測するためのタイマである。大入賞口動作タイマの値が「0」でなければ(S2505でYES)、遊技制御用マイコン81は、直ちに本処理を終える。
これに対して、大入賞口動作タイマの値が「0」であれば(S2505でNO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口動作カウンタの値を1減算して(S2506)、大入賞口動作カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2507)。大入賞口動作カウンタは、大入賞口の動作の進行を管理するためのカウンタであり、例えば図11の開放態様1であれば、1回目の27500msの開放動作にはカウンタ値「3」が割り当てられており、1000msの閉塞動作(閉鎖動作)にはカウンタ値「2」が割り当てられており、2回目の1000msの開放動作にはカウンタ値「1」が割り当てられている。大入賞口動作カウンタの値が「0」であれば(S2507でYES)、1回のラウンド遊技における大入賞口の動作の全てが終了していることになるため、S2509に進む。
これに対して、大入賞口動作カウンタの値が「0」でなければ(S2507でNO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の次の動作を設定して(S2508)、本処理を終える。S2508では例えば、S2506により大入賞口動作カウンタの値が「2」に更新された場合であれば、大入賞口を1000msにわたって閉鎖する動作を行うためのデータを設定する。
また、大入賞口入賞カウンタの値が「9」以上(S2504でYES)、または大入賞口動作カウンタの値が「0」であれば(S2507でYES)、つまり大入賞口の閉鎖条件が満たされた場合には、遊技制御用マイコン81は、第1大入賞口30の開放中か否かを判定する(S2509)。第1大入賞口30の開放中であれば(S2509でYES)、遊技制御用マイコン81は、第1大入賞口30の閉鎖設定を行う(S2510)。この処理により第1大入賞口30は閉鎖される。また、第1大入賞口30の開放中でなければ(S2509でNO)、遊技制御用マイコン81は、第2大入賞口35の閉鎖設定を行う(S2511)。この処理により第2大入賞口35は閉鎖される。
S2510あるいはS2511の後、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスの値を「6」にセットする(S2512)。そして、大入賞口の球ハケ時間(つまりラウンド間インターバルの時間、本形態では2000ms)を、大入賞口動作タイマにセットして(S2513)、本処理を終える。
[第1大入賞口センサ検出処理]
次に、図33のS2502の第1大入賞口センサ検出処理について、図34のフローチャートを参照しつつ説明する。
第1大入賞口センサ検出処理では、遊技制御用マイコン81はまず、第1大入賞口30への通過があったか否か、つまり第1大入賞口センサ30aによる遊技球の通過検知があったか否かを判定する(S2601)。通過検知がなければ(S2601でNO)、直ちに本処理を終える。一方、通過検知があれば(S2601でYES)、遊技制御用マイコン81は、第1大入賞口30への入賞があったことをサブ制御基板90に通知するための第1大入賞口入賞コマンドを出力バッファにセットする(S2602)。なお、出力バッファにセットされた第1大入賞口入賞コマンドは、メイン側タイマ割込み処理のS101にてサブ制御基板90に送信される。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S2602の後、遊技制御用マイコン81は、大入賞口入賞カウンタの値が「9」以上か否かを判定する(S2603)。大入賞口入賞カウンタの値が9以上であれば(S2603でYES)、オーバー入賞であるため直ちに本処理を終える。これに対して、大入賞口入賞カウンタの値が9未満であれば(S2603でNO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口入賞カウンタの値を1加算する(S2604)。そして、遊技制御用マイコン81は、実行中のラウンド遊技が特定領域39の作動制御が行われる作動ラウンドであるか否か、つまり特定領域動作フラグの値が「1」または「3」であるか否かを判定する(S2605)。作動ラウンドでなければ(S2605でNO)、直ちに本処理を終える。
これに対して、作動ラウンドであれば(S2605でYES)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口入賞カウンタの値が「1」であるか否か、つまり1球目の入賞であるか否かを判定する(S2606)。1球目の入賞であれば(S2606でYES)、遊技制御用マイコン81は、特定領域タイマに24msをセットして(S2607)、振分部材ソレノイド73を通電する、つまり振分部材71を図3(A)の第1状態に制御する(S2608)。そして、遊技制御用マイコン81は、特定領域39を有効に設定して(S2609)、つまりV有効期間に設定して、本処理を終える。なお、ここで開放された特定領域39は、振分部材ソレノイド閉鎖処理(図23)において閉鎖される。
また、1球目の入賞でなければ(S2606でNO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口入賞カウンタの値が「3」であるか否か、つまり3球目の入賞であるか否かを判定する(S2610)。3球目の入賞であれば(S2610でYES)、遊技制御用マイコン81は、特定領域動作フラグの値が通過用作動パターンを示す「1」であるか否かを判定する(S2611)。通過用作動パターンでなければ(S2611でNO)、直ちに処理を終えるが、通過用作動パターンであれば(S2611でYES)、特定領域タイマに31476msをセットして(S2607)、振分部材ソレノイド73を通電するとともに(S2608)、特定領域39を有効に設定する(S2609)。
かくして、図10に示した特定領域39の作動制御が実現される。このような特定領域39の作動制御によれば、作動ラウンドであっても、通過用作動パターンでなければ、1球目の際の24msしか振分部材ソレノイド73が作動しないため、実質的に遊技球が特定領域39を通過することは困難である。一方、通過用作動パターンであれば、3球目の際に最大31476msにわたって振分部材ソレノイド73が作動するため、遊技球が特定領域39を通過することが容易である。
[第2大入賞口センサ検出処理]
次に、図33のS2503の第2大入賞口センサ検出処理について、図35のフローチャートを参照しつつ説明する。
第2大入賞口センサ検出処理では、遊技制御用マイコン81はまず、第2大入賞口35への通過があったか否か(つまり第2大入賞口センサ35aによる遊技球の通過検知があったか否か)を判定する(S2701)。通過検知がなければ(S2701でNO)、直ちに本処理を終える。一方、通過検知があれば(S2701でYES)、第2大入賞口35への入賞があったことをサブ制御基板90に通知するための第2大入賞口入賞コマンドを出力バッファにセットする(S2702)。なお、出力バッファにセットされた第2大入賞口入賞コマンドは、メイン側タイマ割込み処理のS101にてサブ制御基板90に送信される。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、そのコマンドが入力されたことに応じて、そのコマンドに対応する処理を実行する。
S2702の後、遊技制御用マイコン81は、大入賞口入賞カウンタの値が「9」以上か否かを判定する(S2703)。大入賞口カウンタの値が9以上であれば(S2703でYES)、オーバー入賞であるため、遊技制御用マイコン81は、直ちに本処理を終える。これに対して、大入賞口カウンタの値が9未満であれば(S2703でNO)、遊技制御用マイコン81は大入賞口入賞カウンタの値を1加算して(S2704)、本処理を終える。
[大当たり閉鎖処理]
次に、図21のS1008の大当たり閉鎖処理について、図36のフローチャートを参照しつつ説明する。
大当たり閉鎖処理では、遊技制御用マイコン81はまず、第1大入賞口30を開放させていたラウンド遊技の球ハケ期間(ラウンド間インターバル)であるか否かを判定する(S2801)。球ハケ期間であれば(S2801でYES)、遊技制御用マイコン81は、図34に示した第1大入賞口センサ検出処理を行う(S2802)。一方、球ハケ期間でなければ(S2801でNO)、図35に示した第2大入賞口センサ検出処理を行う(S2803)。このようにしているのは、球ハケ期間に第1大入賞口センサ30aまたは第2大入賞口センサ35aに遊技球が検知されることがあるのを考慮してのことである。
S2802またはS2803の後、遊技制御用マイコン81は、大入賞口の球ハケ時間が経過したか否かを判定する(S2804)。球ハケ期間が経過していなければ(S2804でNO)、直ちに本処理を終える。一方、球ハケ期間が経過していれば(S2804でYES)、遊技制御用マイコン81は、特定領域39の作動制御が行われていたか否か、つまり特定領域動作フラグの値が「1」もしくは「3」か否かを判定する(S2808)。特定領域39の作動制御が行われていれば(S2808でYES)、遊技制御用マイコン81は、特定領域39の動作終了の設定を行う(S2809)。S2809では、振分部材ソレノイド73が通電状態にあれば非通電状態に切り替える。これにより、複数のラウンド遊技にわたって、特定領域39が開放され続ける(振分部材71が第1状態に制御され続ける)のが防止される。
S2809の後、あるいは特定領域39の作動制御が行われていなければ(S2808でNO)、遊技制御用マイコン81は、大入賞口入賞カウンタの値を「0」にクリアする(S2810)。そして遊技制御用マイコン81は、特別電役作動有効カウンタ(残ラウンド数カウンタ)の値が「0」であるか否かを判定する(S2811)。特別電役作動有効カウンタの値が「0」でなければ(S2811でNO)、未実行のラウンド遊技が残っているため、遊技制御用マイコン81は、既に図32に基づいて説明した大入賞口動作設定処理を行って(S2812)、本処理を終える。
一方、特別電役作動有効カウンタの値が「0」であると判定した場合(S2811でYES)、実行中の大当たり遊技における全てのラウンド遊技が終わっているため、遊技制御用マイコン81は、特別動作ステータスを「7」にセットする(S2813)。そして、遊技制御用マイコン81は、この大当たり遊技の実行中に特定領域39への通過があったか否かを判定する(S2814)。この判定は、Vフラグの値を参照して行う。
特定領域39への通過があれば(S2814でYES)、遊技制御用マイコン81は、V通過時の大当たりエンディング設定を行うとともに(S2815)、V通過時のエンディングコマンドを出力バッファにセットする(S2816)。一方、特定領域39への通過がなければ(S2814でNO)、遊技制御用マイコン81は、V未通過時の大当たりエンディング設定を行うとともに(S2817)、V未通過時のエンディングコマンドを出力バッファにセットする(S2818)。なお、大当たりエンディング設定では、大当たり遊技のエンディングの時間が所定のタイマにセットされる。S2816もしくはS2818の後、本処理を終える。
[大当たり終了処理]
次に、図21のS1009の大当たり終了処理について、図37のフローチャートを参照しつつ説明する。
大当たり終了処理では、遊技制御用マイコン81はまず、大当たり遊技のエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S3001)、エンディング時間が経過していなければ(S3001でNO)、直ちに本処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S3001でYES)、遊技制御用マイコン81は、大当たりフラグをOFFし(S3002)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S3003)。これにより、次回のメイン側タイマ割込み処理において、特別動作処理として再び特別図柄待機処理(S1003)が実行されることになる。その後、遊技制御用マイコン81は、遊技状態設定処理(S3004)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]
次に、図37のS3004の遊技状態設定処理について、図38のフローチャートを参照しつつ説明する。
遊技状態設定処理では、遊技制御用マイコン81はまず、VフラグがONか否かを判定する(S3101)。Vフラグは特定領域39への有効な通過があったことを示すフラグであり、センサ検出処理でONされるフラグである。VフラグがONでなければ(S3101でNO)、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONにするとともに(S3102)、時短カウンタに「50」をセットする(S3103)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が50回行われること、または次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、VフラグがONであれば(S3101でYES)、遊技制御用マイコン81は、確変フラグをONにするとともに(S3104)、確変カウンタに「50」をセットする(S3105)。その後、VフラグをOFFにする(S3106)。続いて、遊技制御用マイコン81は、時短フラグをONにするとともに(S3107)、時短カウンタに「100」をセットする(S3108)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が50回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。また、次のあたりに当選することなく特別図柄の可変表示が50回行われると、確変カウンタは0になるが、時短カウンタの残りが50ある。そのため、高確高ベース状態は終了するが、低確高ベースに移行することになる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が50回行われること、または次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
S3108あるいはS3103の後、遊技制御用マイコン81は、今回設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S3109)。そして、遊技状態設定処理を終える。
7.演出制御用マイコン91の動作
続いて、パチンコ遊技機1のサブ制御基板90における演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91が実行する具体的な処理としては、サブ側起動処理がある。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ、などは、RAM94に設けられる。
[サブ側起動処理]
演出制御用マイコン91が実行するサブ側起動処理について、図39のフローチャートを参照しつつ説明する。演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の主電源がオフからオンになったことを契機に、すなわち電源スイッチ155がオンになり、電源基板150を介して外部からの電力供給が開始されたことを契機に、ROM93からサブ側起動処理のプログラムを読み出して実行する。
サブ制御メイン処理では、演出制御用マイコン91はまず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして正常でなければ(S4002でNO)、演出制御用マイコン91は、RAM94の初期化をする(S4003)。一方、正常であれば(S4002でYES)、演出制御用マイコン91は、RAM94の初期化をせずにS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、S4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
S4004では、演出制御用マイコン91は、割り込みを禁止する(S4004)。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理では、種々の演出の決定に必要な乱数の値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための乱数、連続演出の実行抽選のための連続演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。乱数の更新方法としては、遊技制御用マイコン81と同様であってもよいし、異なってもよい。また、各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数発生回路を利用して生成してもよい。その場合、S4005は省略してもよい。また、乱数発生回路は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。
S4005の後、演出制御用マイコン91は、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、サブ側1msタイマ割込み処理(S4009)、およびサブ側10msタイマ割込み処理(S4010)の実行が可能となる。
なお、演出制御用マイコン91は、S4009、S4010以外の割り込み処理も実行する。例えば、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から送られたコマンドが演出制御用マイコン91の入出力回路97に入力された場合に、そのコマンドをRAM94に記憶させる主制御コマンド割り込み処理を実行する。主制御コマンド割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される。
[サブ側1msタイマ割込み処理]
次に、S4009のサブ側1msタイマ割込み処理について、図40のフローチャートを参照しつつ説明する。サブ側1msタイマ割込み処理は、1ms周期の割り込みパルスが入力される度に、演出制御用マイコン91によって実行される。
サブ側1msタイマ割込み処理では、演出制御用マイコン91はまず、入力処理を行う(S4201)。入力処理では、演出制御用マイコン91は、演出ボタン検出スイッチ63aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
S4201の後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ出力処理を行う(S4202)。ランプデータ出力処理では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述のサブ側10msタイマ割込み処理におけるランプ処理や他の処理で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
S4202の後、演出制御用マイコン91は、駆動制御処理を行う(S4203)。駆動制御処理では、演出に合うタイミングで盤可動体15を駆動させるべく、駆動データ(盤可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
S4203の後、演出制御用マイコン91は、ウォッチドッグタイマをリセットする等、その他の処理を行う(S4204)。S4204の後、サブ側1msタイマ割込み処理を終える。
[サブ側10msタイマ割込み処理]
次に、S4010のサブ側10msタイマ割込み処理について、図41のフローチャートを参照しつつ説明する。サブ側10msタイマ割込み処理は、10ms周期の割り込みパルスが入力される度に、演出制御用マイコン91によって実行される。
サブ側10msタイマ割込み処理では、演出制御用マイコン91はまず、受信コマンド解析処理を行う(S4301)。受信コマンド解析処理の詳細は後述する。次いで、演出制御用マイコン91は、サブ側1msタイマ割込み処理で作成したスイッチデータをサブ側10msタイマ割込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4303)。
S4303の後、演出制御用マイコン91は、ランプ処理を行う(S4304)。ランプ処理では、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の発光を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理を行う(S4305)。音声制御処理では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。そして、演出制御用マイコン91は、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4306)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]
次に、図41のS4301の受信コマンド解析処理について、図42のフローチャートを参照しつつ説明する。
受信コマンド解析処理では、演出制御用マイコン91はまず、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、遊技状態指定コマンドを受信していれば(S4401でYES)、サブ側遊技状態設定処理を行う(S4402)。サブ側遊技状態設定処理の詳細は後述する。
S4402の後、あるいは遊技状態指定コマンドを受信していなければ(S4401でNO)、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4403)、オープニングコマンドを受信していれば(S4403でYES)、オープニング演出選択処理を行う(S4404)。オープニング演出選択処理では、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
S4404の後、あるいはオープニングコマンドを受信していなければ(S4403でNO)、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、ラウンド指定コマンドを受信していれば(S4405でYES)、ラウンド演出選択処理を行う(S4406)。ラウンド演出選択処理では、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技の各ラウンド中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
S4406の後、あるいはラウンド指定コマンドを受信していなければ(S4405でNO)、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、エンディングコマンドを受信していれば(S4409でYES)、エンディング演出選択処理を行う(S4410)。エンディング演出選択処理では、演出制御用マイコン91は、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
S4410の後、あるいはエンディングコマンドを受信していなければ(S4409でNO)、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か判定し(S4411)、始動入賞コマンドを受信していれば(S4411でYES)、先読み演出判定処理を行う(S4412)。先読み演出判定処理の詳細は後述する。
S4412の後、あるいは始動入賞コマンドを受信していなければ(S4411でNO)、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を受信したか否か判定し(S4413)、変動開始コマンドを受信していれば(S4413でYES)、変動演出開始処理を行う(S4414)。変動演出開始処理の詳細は後述する。
S4414の後、あるいは変動開始コマンドを受信していなければ(S4413でNO)、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4415)、変動停止コマンドを受信していれば(S4415でYES)、変動演出終了処理を行う(S4416)。変動演出終了処理では、実行中の変動演出を終了させる。
S4416の後、あるいは変動終了コマンドを受信していなければ(S4415でNO)、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4417)、V通過コマンドを受信していれば(S4417でYES)、V通過フラグをONにする(S4418)。なお本形態では、例えばラウンド演出中、V通過フラグがOFFからONに変化したことを契機に、V通過があった旨の報知を行う。
S4418の後、あるいはV通過コマンドを受信していなければ(S4417でNO)、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S4419)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、第1大入賞口入賞コマンドや第2大入賞口入賞コマンドや普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンドに基づく処理等)を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[サブ側遊技状態設定処理]
次に、図42のS4402のサブ側遊技状態設定処理について、図43のフローチャートを参照しつつ説明する。
サブ側遊技状態設定処理では、演出制御用マイコン91はまず、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4501)。そして遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。図43中の表に示すように、遊技状態フラグが「1」であれば、非高確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態)を示し、遊技状態フラグが「2」であれば、非高確率状態且つ時短状態(低確高ベース状態)を示し、遊技状態フラグが「3」であれば、高確率状態且つ時短状態(高確高ベース状態)を示している。
遊技状態が時短状態でないと判定すれば(S4502でNO)、通常遊技状態であるため、演出制御用マイコン91は、遊技状態フラグの値を「1」にセットして(S4503)、本処理を終える。一方、遊技状態が時短状態であると判定すれば(S4502でYES)、演出制御用マイコン91は、高確率状態か否かを判定する(S4504)。高確率状態でなければ(S4504でNO)、低確高ベース状態であるため、演出制御用マイコン91は、遊技状態フラグの値を「2」にセットして(S4505)、本処理を終える。これに対して、高確率状態であれば(S4504でYES)、高確高ベース状態であるため、演出制御用マイコン91は、遊技状態フラグの値を「3」にセットして(S4506)、本処理を終える。
[先読み演出判定処理]
次に、図42のS4412の先読み演出判定処理について、図44のフローチャートを参照しつつ説明する。
先読み演出判定処理では、演出制御用マイコン91はまず、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドをRAM94の特図保留演出記憶部に記憶する(S5301)。詳細には、受信したのが第1始動入賞コマンドであれば、第1特図保留演出記憶部95aに記憶し、第2始動入賞コマンドであれば、第2特図保留演出記憶部95bに記憶する。なお、始動入賞コマンドは、各特図保留演出記憶部において第1〜第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
S5301の後、演出制御用マイコン91は、S5301で記憶した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新し、第2始動入賞コマンドであれば、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新する(S5302)。なお、第1特図保留演出カウンタは、第1特図保留の数を計数するサブ側(サブ制御基板90側)のカウンタである。同様に、第2特図保留演出カウンタは、第2特図保留の数を計数するサブ側のカウンタである。
S5302の後、演出制御用マイコン91は、連続演出フラグがONか否かを判定する(S5303)。連続演出フラグは、連続演出(連続予告)の実行中であることを示すフラグである。連続演出とは、先読み演出の1つであり、複数回の特図変動にわたって実行され得る予告演出である。連続演出フラグがONであれば(S5303でYES)、その他の処理(S5316)を行って本処理を終える。その他の処理(S5316)は、先読み演出のうち連続演出以外の演出に関する処理である。
連続演出フラグがONでなければ(S5303でNO)、演出制御用マイコン91は、遊技状態フラグを参照して高確率状態か否かを判定する(S5305)。高確率状態であれば(S5305でYES)、演出制御用マイコン91は、S5301で格納した始動入賞コマンドに基づいて、その始動入賞コマンドに係る数値情報(その始動入賞コマンドの特定に利用した各種乱数値の情報)が、遊技制御用マイコン81の当否判定において大当たり当選と判定される特定の数値情報であるか否かを判定する(S5307)。既に述べたように、始動入賞コマンドには、大当たりか否かの当否情報が含まれている。従って、始動入賞コマンドを解析すれば、演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドに係る数値情報が当否判定において大当たり当選と判定される特定の数値情報であるか否かがわかる。
大当たり当選と判定される場合(S5307でYES)、演出制御用マイコン91は、連続演出乱数を取得して、図45の連続演出乱数判定テーブルの高確高ベース状態下における大当たり用のテーブルを用いて、連続演出の実行抽選を行う(S5308)。一方、大当たり当選と判定されない場合(S5307でNO)、演出制御用マイコン91は、連続演出乱数を取得して、図45の連続演出乱数判定テーブルの高確高ベース状態下におけるはずれ用のテーブルを用いて、連続演出の実行抽選を行う(S5309)。
図45に示したように、高確高ベース状態における連続演出乱数判定テーブルは、大当たり用であれば、70%の割合で連続演出が実行されるように定められている。これに対してはずれ用であれば10%に定められている。つまり本形態では、事前判定結果が大当たりである場合の方が連続演出が実行され易くなっている。このため、連続演出が実行されると、高確率状態であることが示されるだけでなく、現在の特図保留内に、大当たりと判定される保留(以下「当たり保留」という)がある可能性が高いことが示されることとなる。このような構成は、連続演出実行時の高揚感を高める効果を発揮する。
なお、低確高ベース状態における連続演出乱数判定テーブルでも、大当たり用であれば、10%の割合で連続演出が実行されるように定められている。また、はずれ用であれば、5%の割合で連続演出が実行されるように定められている。このため、高確率状態ではない場合(つまり低確高ベース状態である場合)でも、本当は高確率状態かもしれないと期待させることが可能となっている。
また、高確率状態ではないと判定された場合(S5305でNO)、つまり低確高ベース状態である場合、演出制御用マイコン91は、S5307と同様に、S5301で格納した始動入賞コマンドに基づいて、その始動入賞コマンドに係る数値情報が、遊技制御用マイコン81の当否判定において大当たり当選と判定される特定の数値情報であるか否かを判定する(S5317)。
大当たり当選と判定される場合(S5317でYES)、演出制御用マイコン91は、連続演出乱数を取得して、図45の連続演出乱数判定テーブルの低確高ベース状態下における大当たり用のテーブルを用いて、連続演出の実行抽選を行う(S5318)。一方、大当たり当選と判定されない場合(S5317でNO)、演出制御用マイコン91は、連続演出乱数を取得して、図45の連続演出乱数判定テーブルの低確高ベース状態下におけるはずれ用のテーブルを用いて、連続演出の実行抽選を行う(S5319)。
S5308、S5309、S5318、あるいはS5319の後、演出制御用マイコン91は、連続演出を実行すると決定されたか否かを判定する(S5312)。連続演出を実行すると判定された場合(S5312でYES)、演出制御用マイコン91は、現在の特図保留球数に基づいて、連続演出回数を決定する(S5313)。特図保留球数の情報は、特図保留演出カウンタの値を参照することで取得する。S5313の後、演出制御用マイコン91は、連続演出回数の値を連続演出カウンタにセットするとともに(S5314)、連続演出フラグをONにする(S5315)。
S5315の後、あるいは連続演出を実行しないと判定された場合(S5312でNO)、演出制御用マイコン91は、その他の処理(S5316)を行って、本処理を終える。S5316の処理としては、例えば、演出保留画像9の表示に関する処理を行う。演出制御用マイコン91は、演出保留画像9の表示内容も、S5301で格納した始動入賞コマンドに基づいて決定する。
[変動演出開始処理]
次に、図42のS4414の変動演出開始処理について、図46のフローチャートを参照しつつ説明する。
変動演出開始処理では、演出制御用マイコン91はまず、変動開始コマンドを解析する(S5401)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理でセットされた変動パターンの情報、または、特図1変動パターン選択処理でセットされた変動パターンの情報が含まれている。
S5401の後、演出制御用マイコン91は、S5401で解析した変動開始コマンドが特図1変動開始コマンドであれば、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算し、特図2変動開始コマンドであれば、第2特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算する(S5402)。そして、演出制御用マイコン91は、特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95aまたは第2特図保留演出記憶部95b)に記憶されているデータのシフト処理を行う(S5403)。
S5403のシフト処理では、演出制御用マイコン91は、第1記憶領域〜第4記憶領域に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。例えば、第1特図保留演出記憶部95aの第4記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域にシフトされ、第4記憶領域はクリアされる。また、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aおよび第2特図保留演出記憶部95bに共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cにシフトされ、当該変動用演出記憶部95cに記憶されていたデータは消去される。
S5403の後、演出制御用マイコン91は、変動演出において最終的に停止表示させる演出図柄8L、8C、8Rの組み合わせを選択する(S5404)。具体的には、「特図1_大当たり図柄1」に当選していれば、例えば金図柄である「7」のゾロ目を選択する。また、「特図1_大当たり図柄2」に当選していれば、例えば銀図柄である「8」のゾロ目を選択する。また、はずれであれば、「123」等のバラケ目の演出図柄の組み合わせを選択する。
S5404の後、演出制御用マイコン91は、変動演出パターン選択処理を行う(S5410)。変動演出パターン選択処理では、変動演出パターン決定用乱数を取得し、その取得した乱数値を、変動演出用のテーブルを用いて判定することにより、変動演出パターンを選択する。例えば、図47に示すように、大当たりの当否によって、SPリーチ発生時の変動演出パターン判定テーブルの内容が異なっている。
本パチンコ遊技機1では、SPリーチ発生時の変動演出パターンが複数ある。より具体的にSPリーチ発生時の変動演出パターンは、変動演出の内容に基づいて、バトル演出決着パターン(図47のうち、Q001、Q002、Q003、Q004、Q011、Q012、Q013、Q014)と、マルチラインリーチ演出決着パターン(図47のうち、Q005、Q015)と、に分類される。
バトル演出決着パターンでは、1回分の変動時間を、SPリーチが行われるSPリーチパートと、SPリーチが行われる前の前兆パートとに分け、SPリーチパートでバトル演出を行い、前兆パートにおいてステップアップ予告演出を行う。バトル演出とは、味方キャラクタと敵キャラクタとが戦い、味方キャラクタが勝つことで大当たりの当選を告知する演出である。ステップアップ予告演出とは、複数の演出を段階的に行う演出である。より具体的に、本形態のステップアップ予告演出では、大当たりの抽選結果に応じて選択される変動演出パターンに従って、ステップアップに成功することでSPリーチパートに移行するもしくは前兆パートを継続する。演出態様が何段階に変化するかは変動演出パターンによって決められている。
例えば変動演出パターン「Q001」や「Q011」では、パチンコ遊技機1は、ステップアップ予告演出を3回実行する。そして、3回目のステップアップ予告演出後にバトル演出を実行し、「Q001」であれば(大当たりに当選している場合)、バトルに勝利する演出を実行するとともに、最終的に大当たりの当選を示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。一方、「Q011」であれば(はずれの場合)、バトルに敗北する演出を実行するとともに、最終的にはずれを示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。
また、例えば変動演出パターン「Q002」や「Q012」では、パチンコ遊技機1は、ステップアップ予告演出を2回実行する。そして、変動演出パターン「Q001」や「Q011」と同様に、2回目のステップアップ予告演出後にバトル演出を実行し、「Q002」であれば(大当たりに当選している場合)、バトルに勝利する演出を実行するとともに、最終的に大当たりの当選を示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。一方、「Q012」であれば(はずれの場合)、バトルに敗北する演出を実行するとともに、最終的にはずれを示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。
また、例えば変動演出パターン「Q003」や「Q013」では、パチンコ遊技機1は、ステップアップ予告演出を1回だけ実行する。そして、変動演出パターン「Q001」や「Q011」と同様に、ステップアップ予告演出後はバトル演出を実行し、「Q003」であれば(大当たりに当選している場合)、バトルに勝利する演出を実行するとともに、最終的に大当たりの当選を示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。一方、「Q013」であれば(はずれの場合)、バトルに敗北する演出を実行するとともに、最終的にはずれを示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。
また、例えば変動演出パターン「Q004」や「Q014」では、パチンコ遊技機1は、ステップアップ予告演出を1回だけ実行するが、ステップアップ予告演出後のバトル演出では大当たりの当否にかかわらずバトルに敗北する演出を実行する。その際、演出図柄を停止表示させず、その次の演出として主人公キャラクタが復活するか否かの復活演出を実行する。そして、「Q004」であれば(大当たりに当選している場合)、主人公キャラクタが復活する演出を実行するとともに、最終的に大当たりの当選を示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。一方、「Q014」であれば(はずれの場合)、主人公キャラクタが復活しない演出を実行するとともに、最終的にはずれを示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。
なお、本形態でのステップアップ予告演出は、SPリーチに発展させるための演出として用いられる。そのため、SPリーチが発生する変動演出パターンによれば、パチンコ遊技機1は、SPリーチに発展するまでステップアップが成功するステップアップ予告演出を行う。一方、SPリーチが発生しない変動演出パターン、すなわちはずれの場合であって通常のリーチのみの変動演出パターンであっても、パチンコ遊技機1は、ステップアップ予告演出を行うことがある。この場合、変動演出のシナリオにステップアップが失敗するステップアップ予告演出が含まれる。例えば、はずれの場合であってSPリーチが発生せずにステップアップ予告演出を2回行う変動演出パターンによれば、パチンコ遊技機1は、1回目のステップアップ予告演出では、ステップアップが成功するステップアップ予告演出を行い、2回目のステップアップ予告演出では、ステップアップが失敗するステップアップ予告演出を行う。そして、2回目のステップアップ予告演出の後、当該変動の変動演出を終了する。すなわちステップアップが成功するステップアップ予告演出は、変動演出が継続することを意味し、ステップアップが失敗するステップアップ予告演出は、はずれを意味している。
また、マルチラインリーチ演出決着パターンでは、パチンコ遊技機1は、演出図柄を第1の有効ラインと第2の有効ラインとの2つの有効ラインにおいてリーチ態様となるマルチラインリーチ演出で表示した後、所定期間中に演出ボタン63の操作を受け付け、いずれかの有効ラインで演出図柄が揃うか否かによって抽選結果を告知する。
例えば変動演出パターン「Q005」であれば、大当たりに当選していることから、パチンコ遊技機1は、所定期間中に一定回数以上のボタン操作を受け付けたことを契機に、あるいは所定期間が経過したことを契機に、1つの有効ラインにおいて大当たりの当選を示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。一方、変動演出パターン「Q015」であれば、はずれであることから、パチンコ遊技機1は、所定期間中に何回ボタン操作を受け付けたとしても大当たりを示す演出図柄の組み合わせを表示せず、所定期間の経過後に、いずれの有効ラインにおいても大当たりの当選を示す演出図柄の組み合わせとならないはずれを示す演出図柄の組み合わせを画像表示装置7に表示する。
S5410の後、演出制御用マイコン91は、S5410で選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットして(S5411)、変動演出開始処理を終える。なお、S5411でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、受信した変動演出開始コマンドに基づいて画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
8.ステップアップ予告演出
続いて、ステップアップ予告演出を含む変動演出について説明する。ステップアップ予告演出を含む変動演出としては、前述したようにSPリーチに発展する演出が該当する。このSPリーチとしてバトル演出に発展する変動演出について、図48を参照しつつ説明する。図48は、図47に示した変動演出パターン「Q003」の例を示している。すなわち、ステップアップ予告演出が1回でその後にバトル演出に発展し、そのバトル演出にて勝利するシナリオであり、そのステップアップ予告演出ではステップアップ成功の演出を行う。
パチンコ遊技機1は、変動演出を開始すると、図48(A)に示すように画像表示装置7の表示画面7aに、演出図柄8L、8C、8Rの変動表示を開始する。図48中の各演出図柄の「↓」は、演出図柄が変動表示中であることを意味する。
変動演出を開始した後、ステップアップ予告演出を行うタイミングに達すると、パチンコ遊技機1は、演出図柄8L、8C、8Rを変動表示させたまま各演出図柄8L、8C、8Rを小さくし、さらに表示画面7aの上部に表示する。これにより、表示画面7aの中央部に表示スペースが生じる。そして、パチンコ遊技機1は、4つの円形のオブジェクトを表示画面7aの四隅からフレームインさせる。
具体的には、図48(B)に示すように、第1円形オブジェクト300LUを左上に、第2円形オブジェクト300RUを右上に、第3円形オブジェクト300LDを左下に、第4円形オブジェクト300RDを右下に、それぞれ表示する。各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDには、文字ないし記号が描かれているが、回転表示しており、どのような文字ないし記号かが読み取り難くなっている。なお、各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDは、回転することがイメージできるオブジェクトであればよく、例えば、ボール、皿、コマ、傘、が該当する。また、必ずしも円形である必要は無く、文字ないし記号が描かれているオブジェクトであればよい。また、必ずしも4つのオブジェクトが同じ形である必要は無く、各オブジェクトがそれぞれ別の形であってもよい。また、オブジェクトの数は4つに限るものではなく、複数あればよい。また、文字ないし記号が読み取り難くなっていればよく、回転表示に限らず、例えば、点滅表示や、モザイク表示であってもよい。
その後、パチンコ遊技機1は、図48(C)に示すように、各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを停止表示する。これにより、遊技者は、各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに描かれている文字ないし記号が確定する。本形態のステップアップ予告演出では、各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに描かれている文字ないし記号を組み合わせることによって意味を成す文字列が完成することで、ステップアップに成功したことを示す。例えば、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDが示す文字列によって主人公キャラクタの名前が完成した場合(例えば主人公キャラクタの名前が「LOGO」であり、図48(C)に示すように、第1円形オブジェクト300LUに「L」、第2円形オブジェクト300RUに「O」、第3円形オブジェクト300LDに「G」、第4円形オブジェクト300RDに「O」が停止表示されることで、「LOGO」の文字列が完成した場合)、図48(D)に示すように、バトル演出に発展させる。なお、意味を成す文字列としては、その組み合わせによって遊技者にステップアップ予告の成功を認識させることができればよく、例えば、「ゲキアツ」、「チャンス」、「ハッテン」、「ケイゾク」、が該当する。また、機種のモチーフに適した文字列(例えば、「魔界法師」、「黄金騎士」)が該当する。
バトル演出を開始すると、パチンコ遊技機1は、主人公キャラクタと敵キャラクタとが戦う映像を画像表示装置7の表示画面7aに表示する。そして、図48に示す変動演出パターン「Q003」は、大当たりに当選したことを報知するシナリオであることから、パチンコ遊技機1は、図48(E)に示すように、主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利する映像を画像表示装置7の表示画面7aに表示する。さらに、図48(F)に示すように、大当たりの当選を報知する演出図柄の組み合わせを画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
ここで、上述したステップアップ予告演出について詳しく説明する。本形態のステップアップ予告演出では、パチンコ遊技機1は、図49(B)に示すように、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを、画像表示装置7の表示画面7aの四隅からそれぞれ登場させる。円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを登場させる際、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを順次に登場させてもよいし、一度に登場させてもよい。
円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを登場させた後、パチンコ遊技機1は、図49(B01)に示すように、先ず、第1円形オブジェクト300LUを停止表示させ、第1円形オブジェクト300LUに描かれた文字ないし記号を表示する。次いで、パチンコ遊技機1は、図49(B02)に示すように、第2円形オブジェクト300RUを停止表示させ、第2円形オブジェクト300RUに描かれた文字ないし記号を表示する。次いで、パチンコ遊技機1は、図49(B03)に示すように、第3円形オブジェクト300LDを停止表示させ、第3円形オブジェクト300LDに描かれた文字ないし記号を表示する。
最後に、パチンコ遊技機1は、図49(C)あるいは図49(C00)に示すように、第4円形オブジェクト300RDを停止表示させ、第4円形オブジェクト300RDに描かれた文字ないし記号を表示する。なお、変動演出パターン「Q003」のようにステップアップに成功するシナリオでは、図49(C)に示すように、停止表示された文字ないし記号の組み合わせで意味を成す文字列となるように各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに文字ないし記号を表示し、ステップアップに失敗するシナリオ(例えばSPリーチに発展しないシナリオ)が選択された場合には、図49(C00)に示すように、停止表示された文字ないし記号の組み合わせで意味を成す文字列にならないように各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに文字ないし記号を表示する。そして、ステップアップに成功する意味の文字列を表示した後、パチンコ遊技機1は、SPリーチの演出を開始する。一方、ステップアップに失敗する意味の文字列を表示した後、パチンコ遊技機1は、当該変動の変動演出を終了し、次の変動演出を開始する。
パチンコ遊技機1は、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを順次に停止させることで、遊技者が一文字ずつ確認し易く、完成する文字列を想像し易くなり、遊技者に対して文字列が意味のあるものになるか否かを期待させることができる。なお、停止させる順序は一例であり、これに限るものではない。また、停止させる順序は固定でもよいし、抽選ないしシナリオによって決まる可変であってもよい。また、必ずしも1つ1つの円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを順次に停止させる必要は無く、複数を纏めて停止させてもよい。
また、各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに描かれる文字ないし記号は1つに限らず、複数あってもよい。複数ある場合であっても、停止表示される際はその中の文字ないし記号が選択的に表示される。複数ある場合は、回転速度を文字が認識できる程度とし、ルーレットのように1つの文字ないし記号が選択されることで、遊技者に対して文字列が意味のあるものになるか否かをより分かり易く期待させることができる。
また、ステップアップに成功する演出を行う際、パチンコ遊技機1は、必ずしも円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDのすべてを組み合わせて意味を成す文字列を作る必要は無く、そのうち少なくとも2つの組み合わせによって意味を成す文字列となれば、ステップアップに成功とする場合がある。例えば、図50(C11)に示すように、各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを停止表示させた際、一見するとばらばらに見える文字列とし、その後、図50(C12)に示すように、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDで表示される文字の一部で意味をなす文字列を強調表示することで、ステップアップに成功したことを告知してもよい。この場合、一旦、ステップアップに失敗したように見せかけて実はステップアップに成功しているといった手順で告知することになるため、ステップアップ予告演出の興趣性が高まる。
具体的に図50(C11)に示した例では、第1円形オブジェクト300LUに「発」、第2円形オブジェクト300RUに「好」、第3円形オブジェクト300LDに「我」、第4円形オブジェクト300RDに「展」が停止表示されることで、「発好我展」あるいは「好展発我」の文字列が完成する。この文字列は、一見すると4文字では意味を成さないが、「発展」の文字列が隠れており、ステップアップに成功した態様になる。そのため、パチンコ遊技機1は、第1円形オブジェクト300LUと第4円形オブジェクト300RDとを強調表示する。強調表示する態様としては、図50(C12)に示したように意味を成さない文字ないし記号を消去してもよいし、意味を成す文字ないし記号を拡大表示したり点滅表示したりしてもよい。
また、パチンコ遊技機1は、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに描かれる文字ないし記号と、それらに関する色と、の組み合わせによって、意味を成す文字列を分かり易く表示する場合がある。例えば、図51(B21)に示すように、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを、第1色のグループ(円形オブジェクト300LU、300RD)と、第2色のグループ(円形オブジェクト300RU、300LD)と、に分けて表示する。つまり、文字ないし記号に対する下地色を分ける。そして、これまでと同様に、図51(C21)に示すように、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを停止表示させ、それぞれに文字ないし記号を表示する。そして、グループごとに文字ないし記号を組み合わせ、少なくとも一方のグループにおいて意味を成す文字列が完成している場合には、ステップアップに成功とする。色分けすることで、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDの一部で意味を成す文字列があることを、遊技者が把握し易い。
具体的に図51(C21)に示した例では、第1円形オブジェクト300LUに「成」、第2円形オブジェクト300RUに「発」、第3円形オブジェクト300LDに「継」、第4円形オブジェクト300RDに「功」が停止表示されることで、「成発継功」あるいは「発功成継」の文字列が完成するが、一見すると4文字では意味を成さない。しかしながら、「成功」の文字列が隠れており、ステップアップに成功した態様になっている。さらにオブジェクトの色が分かれているため、「成功」の文字列が分かり易い。
なお、色の区別は、円形オブジェクトそのもの(文字ないし記号の下地色)に限らず、文字ないし記号の色を変えてもよい。また、1つの円形オブジェクト内に複数の文字ないし記号を描く場合、1つの円形オブジェクト内に描かれる個々の文字ないし記号について色を変えてもよい。パチンコ遊技機1は、例えば、図52(B0)に示すように、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに複数の文字ないし記号を描き、さらに文字ごとに異なる色とする。そして、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを回転表示させる際、パチンコ遊技機1は、図52(B1)に示すように、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDの一部のみを表示し、1つの文字ないし記号を切り換えながら表示する。そして、図52(C0)に示すように、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDの表示されている一部に1つの文字ないし記号を停止表示させる。この場合、遊技者は各円形オブジェクトがどの色で停止表示されるかがわからず、ルーレットのように、どの色のどの文字ないし記号で停止表示されるかを楽しんで待つことができる。
また、図51に示した例では、複数のグループのうちの1つで、意味を成す文字列が完成した場合に、ステップアップに成功する態様としているが、図53に示すように、複数のグループで、意味を成す文字列が完成する場合もある。例えば、図53(C1)に示した例では、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを、第1色のグループ(円形オブジェクト300LU、300LD)と、第2色のグループ(円形オブジェクト300RU、300RD)と、に分けて表示し、第1円形オブジェクト300LUに「継」、第2円形オブジェクト300RUに「発」、第3円形オブジェクト300LDに「続」、第4円形オブジェクト300RDに「展」を停止表示させる。この場合、第1色のグループでは「継続」の文字列が完成し、第2色のグループでは「発展」の文字列が完成する。このように複数のグループで、それぞれ意味を成す文字列を完成させてもよい。
また、パチンコ遊技機1は、色ごとにグループ分けした場合、図51や図53に示したようにグループごとで意味を成す文字列を完成させるほか、複数のグループを組み合わせて意味を成す文字列を完成させる場合もある。例えば、図54(B41)に示すように、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを、第1色のグループ(円形オブジェクト300LU、300RU)と、第2色のグループ(円形オブジェクト300LD、300RD)と、に分けて表示し、さらに図54(C41)に示すように、第1円形オブジェクト300LUに「L」、第2円形オブジェクト300RUに「O」、第3円形オブジェクト300LDに「G」、第4円形オブジェクト300RDに「O」を停止表示させる。この場合、第1色のグループの文字列「LO」では意味を成さず、第2色のグループの文字列「GO」でも意味を成さないが、第1色のグループと第2色のグループとを組み合わせた文字列「LOGO」で意味を成す文字列が完成する。言い換えると、「LOGO」の文字列は、図48(C)に示したように色を揃えて表示する場合もあるし、図54(C41)に示したように異なる色の組み合わせで表示する場合もある。このようにグループごとに区別すると一見して意味を成さないように思えても、実は意味のある文字列が完成していることで、ステップアップ予告演出の興趣性が向上する。
なお、図54に示した例では、第1色のグループの文字列と第2色のグループの文字列とがともに意味を成さず、第1色のグループと第2色のグループとを組み合わせた文字列が意味を成すとしているが、第1色のグループの文字列と第2色のグループの文字列とがそれぞれ意味を成し、さらに第1色のグループと第2色のグループとを組み合わせた文字列も意味を成すとしてもよい。例えば、第1色のグループの文字列が「魔界」、第2色のグループの文字列が「騎士」とした場合、どちらのグループの文字列も意味を成しており、第1色のグループと第2色のグループとを組み合わせた文字列「魔界騎士」でも意味を成す文字列が完成する。この場合であっても、ステップアップに成功する態様とすることができる。
パチンコ遊技機1は、変動演出パターンにステップアップ予告演出が含まれる場合、ステップアップ予告演出の種類を選択する。パチンコ遊技機1は、ステップアップ予告演出の種類を複数用意し、ステップアップ予告演出の種類を選択する際に種類選択乱数を取得し、種類選択乱数の値が割り当てられたステップアップ予告演出の種類選択テーブルに当てはめて、1つの種類を選択する。
例えば、ステップアップに成功するステップアップ予告演出を行う場合には、図55に示すような種類選択テーブルが用いられる。本形態では、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDの停止順序は固定であり、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDの順である。そして、種類ごとに、各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDで停止表示される文字および円形オブジェクトの色が決められる。例えば、種類「S001」では、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを全て赤色とし、第1円形オブジェクト300LUに「L」、第2円形オブジェクト300RUに「O」、第3円形オブジェクト300LDに「G」、第4円形オブジェクト300RDに「O」、をそれぞれ停止表示させる。なお、ステップアップに失敗するステップアップ予告演出を行う場合にも、失敗用の種類選択テーブルからステップアップ予告演出の種類が選択される。失敗用の種類では、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDを停止表示させた際に、意味を成す文字列が完成しないように、各円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに停止表示される文字が選択される。
また、本形態では、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDの色が大当たりの信頼度に関連している。本形態では、赤色が最も信頼度が高く、緑色、青色の順に信頼度が低くなる。すなわち、大当たりに当選している場合、赤色の円形オブジェクトが表示される割合が、はずれの場合よりも多い。例えば、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDの色がすべて赤色になる種類「S001」の場合、大当たりに当選している場合は5%の割合で選択されるが、はずれの場合は2%である。一方、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDの色がすべて青色になる種類「S010」の場合、大当たりに当選している場合は10%の割合で選択されるが、はずれの場合は15%である。この他、停止表示される文字列の内容が信頼度を示唆するように、種類の選択割合を設定してもよい。また、意味を成す文字列が2文字か4文字かで信頼度を示唆するように、種類の選択割合を設定してもよい。また、意味を成す文字列の数の大小(文字列が完成したグループの数が1グループか複数のグループか)で信頼度を示唆するように、種類の選択割合を設定してもよい。
また、1回の変動演出内で複数回のステップアップ予告演出を行う場合、パチンコ遊技機1は、先に表示された信頼度よりも低い信頼度となる種類を選択しないようにしてもよい。例えば、先のステップアップ予告演出において、赤色の円形オブジェクトによって文字列が完成した場合、それ以降のステップアップ予告演出では、赤色以外の円形オブジェクトによって文字列が完成しないように種類を選択するようにしてもよい。
また、ステップアップが成功するステップアップ予告演出の場合、パチンコ遊技機1は、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに停止表示させる文字列を、ステップアップ予告演出の次の展開を示唆する組み合わせとしてもよい。例えば、バトル演出で敵キャラクタと戦う味方キャラクタが複数あり、ステップアップ予告演出後のバトル演出で登場するキャラクタ名を文字列として表示することで、遊技者は次の展開を予想できる。図56に示した例では、味方キャラクタには、「LOGO」の他に、「SABA」があり、図56(C)に示したように、ステップアップ予告演出にて「LOGO」の文字列を表示した場合には、図56(D)に示したように、発展後のバトル演出では「LOGO」を登場させる。一方、図56(C5)に示したように、ステップアップ予告演出にて「SABA」の文字列を表示した場合には、図56(D5)に示したように、発展後のバトル演出では「SABA」を登場させる。この他、例えば、SPリーチに発展せず、もう一度ステップアップ予告演出を行う場合には、「継続」や「成功」や「NEXT」等の文字列を表示するとよい。このようにステップアップが成功した後の次の段階においてステップアップ予告演出で表示した文字列の意味に応じた演出を実行する場合、すなわちステップアップ予告演出で表示される文字列と次の展開と連動させる場合、ステップアップ予告演出の種類は、個々に抽選によって選択されるものではなく、変動演出全体のシナリオに組み込まれて、変動演出全体のシナリオが選択されることによってステップアップ予告の種類も選択される。
また、ステップアップ予告演出の成功の場合、意味を成す文字列の数によって、ステップアップ予告演出の次の展開を示唆してもよい。例えば、バトル演出に発展する場合は、「LOGO」や「SABA」等の4文字の文字列を完成させ、バトル演出に発展せず、ステップアップ予告演出を繰り返す場合は、「継続」や「成功」等の2文字の文字列を完成させるとしてもよい。
また、ステップアップ予告演出の成功の場合、同色で揃える場合と、異色の組み合わせとする場合と、によって、ステップアップ予告演出の次の展開を示唆してもよい。例えば、バトル演出に発展する場合は、文字列を同色で揃えて完成させ、バトル演出に発展せず、ステップアップ予告演出を繰り返す場合は、異色の組み合わせで文字列を完成させるとしてもよい。
9.実施の形態の効果
本実施の形態のパチンコ遊技機1は、円形オブジェクト300LU、300RU、300LD、300RDに所定の意味を成す組み合わせを表示する際、図49に示したように、同色文字揃いといった遊技者に把握し易い予告表示の他、図54に示したように、異色文字揃いといった一見遊技者にははずれに見えるが実際は成功している予告表示を加える。これにより、ステップアップの成功の演出のバリエーションが増え、ステップアップ予告演出の興趣性が向上する。
10.変形例
本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。例えば、本実施の形態に記載された数値(当選確率、時短回数、各種テーブルの設定値、各種の保留数の上限等)は例示であって、適宜選択すればよい。
また、実施の形態は、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)であるが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される、遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種大当たりに限らず、2種大当たりを搭載した遊技機としてもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また、実施の形態では、大当たり遊技後の遊技状態や時短回数を、特別図柄の種別と、当選時の遊技状態との組み合わせに基づいて決定したが、特別図柄の種別だけに基づいて決定してもよい。
また、実施の形態では、始動口の入賞に基づく抽選で大当たりの当否抽選を行っているが、大当たり以外にも小当たりの当否抽選を行ってもよい。そして、小当たりに当選した場合には、小当たり当選用の小当たり遊技を行う構成としてもよい。小当たり遊技としては、例えば大入賞口を短期間(大当たり遊技中のショート開放よりも長く、ロング開放よりも短い期間。例えば2〜3秒)開放させるとよい。また、小当たりの当否抽選は、第1始動口20への入賞と第2始動口21への入賞との両方で行う必要は無く、いずれか一方のみで行ってもよい。
また、実施の形態では、遊技球の入球し易さが変化しない第1始動口20と、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口21とを設けたが、第1始動口20を備えていない構成としてもよい。この場合、電チューが閉状態にあるときでも、電チューに係る始動口へ遊技球が入球するように構成する。
また、実施の形態に開示されている処理は、主として主制御基板80の遊技制御用マイコン81のCPU82、サブ制御基板90の演出制御用マイコン91のCPU92、および画像制御基板100の画像制御用マイコン101のCPU102によって実行されるが、例えば、単一の制御基板による単一あるいは複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御用マイコン81、演出制御用マイコン91、画像制御用マイコン101の少なくとも1つにおいて複数のCPUによって実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理は、遊技制御用マイコン81、演出制御用マイコン91、あるいは画像制御用マイコン101に加え、他のハードウェアとの組み合わせで実行されてもよい。また、実施の形態に開示されている処理のうち、遊技制御用マイコン81、演出制御用マイコン91、あるいは画像制御用マイコン101の処理の一部を、他のマイコンが実行してもよい。つまり、遊技制御用マイコン81、演出制御用マイコン91、画像制御用マイコン101、これらを包含した1つのマイコン、他のハードウェアと組み合わせ、これらすべて各種の処理を実行する手段の一例である。また、実施の形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法等の種々の態様で実現することができる。
なお、実施の形態の遊技機の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、および当該コンピュータプログラムを格納する、コンピュータによる読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下に示す構成の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
発明の構成にかかる遊技機(パチンコ遊技機1)は、入球口(第1始動口20、第2始動口21)と、前記入球口への遊技球の入球に基づいて、抽選情報を取得する取得手段(遊技制御用マイコン81、S214、S224)と、前記抽選情報を用いて大当たりの抽選を行う抽選手段(遊技制御用マイコン81、S1402、S1408)と、前記大当たりの抽選結果に応じた識別図柄を、変動表示させた後に停止表示させる表示手段(特別図柄表示器41、遊技制御用マイコン81、S1406、S1412、S1702、S1704)と、前記表示手段による前記識別図柄の変動表示中に、前記抽選情報に基づくコマンドに基づいて、複数の演出を段階的に行う演出であるステップアップ予告演出を実行する演出実行手段(画像表示装置7、演出制御用マイコン、S5410、S5411)と、を備え、前記ステップアップ予告演出では、複数のオブジェクトを表示し、各オブジェクトには文字ないし記号によって示される識別情報を表示し、前記複数のオブジェクトに表示される前記識別情報を所定の組み合わせで表示させた場合に、次の段階に移行させ、前記複数のオブジェクトに表示される前記識別情報を前記所定の組み合わせで表示させる際、前記識別情報の色あるいは前記識別情報を表示する下地の色を、全て揃える組み合わせとする場合と、前記識別情報の色あるいは前記識別情報を表示する下地の色を、異なる色の組み合わせとする場合と、がある(図49、図54)、ことを特徴としている。
従来の予告演出は、遊技者にとって親しみ易い演出ではあるが、飽きも生じ易い。そのため、予告演出には改善の余地がある。そこで、本構成によれば、所定の組み合わせを表示する際、同色文字揃いといった遊技者に把握し易い予告表示の他、異色文字揃いといった一見遊技者にははずれに見えるが実際は成功している予告表示を加えることで、ステップアップの成功の演出のバリエーションが増え、ステップアップ予告演出の興趣性が向上する。
また、本構成にかかる遊技機において、前記ステップアップ予告演出では、前記複数のオブジェクトに表示される前記識別情報を前記所定の組み合わせで表示させる際、前記複数のオブジェクトの全てで前記識別情報の色あるいは前記識別情報を表示する下地の色を揃え、前記複数のオブジェクトに表示される全ての前記識別情報を組み合わせて前記所定の組み合わせとする場合と、前記複数のオブジェクトの一部で前記識別情報の色あるいは前記識別情報を表示する下地の色を揃え、その色が揃った前記識別情報のみを用いて前記所定の組み合わせとする場合と、があるとよい。所定の組み合わせを表示する際、全ての識別情報を用いて意味を成すといった遊技者に把握し易い予告表示の他、一部のみで意味を成すといった一見遊技者にははずれに見えるが実際は成功している予告表示を加えることで、成功予告のバリエーションが増え、ステップアップ予告の興趣性が向上する。
また、本構成にかかる遊技機において、前記ステップアップ予告演出では、前記複数のオブジェクトに表示される前記識別情報を前記所定の組み合わせで表示させ、かつ前記所定の組み合わせで表示される前記識別情報の色あるいは前記識別情報を表示する下地の色を全て揃える際、第1の色で表示させる場合と、前記第1の色とは異なる第2の色で表示させる場合とがあるとよい。ステップアップ予告の成功予告のバリエーションが増え、ステップアップ予告の興趣性が向上する。
また、本構成にかかる遊技機において、前記演出実行手段は、前記識別情報を前記所定の組み合わせで表示させた後の次の段階では、前記所定の組み合わせの意味に応じた演出を実行するとよい。所定の組み合わせが次の段階の演出を示唆することで、ステップアップ予告の興趣性がより向上する。
また、本構成にかかる遊技機において、前記ステップアップ予告演出では、前記オブジェクトごとに前記識別情報を切り替えながら表示し、その後に1つの前記識別情報を停止表示するとよい。識別情報が切り替えられながら表示されることで、遊技者は各オブジェクトがどの識別情報で停止表示されるかがわからず、ルーレットのように、どの識別情報が停止表示されるかを楽しんで待つことができる。
また、本構成にかかる遊技機において、前記ステップアップ予告演出では、前記複数のオブジェクトについて、順次に前記識別情報を視認可能に表示させるとよい。順次に識別情報を表示することで、遊技者が各オブジェクトに表示される識別情報を確認し易く、遊技者の注目が高まる。