第1の発明は、サーバが接続された公衆回線と家電機器が接続された宅内回線との間に設けられ、前記サーバと前記家電機器との接続を制御するルータと、前記家電機器を制御または操作可能な制御機器とを備えた通信機器制御システムに用いられる制御機器であって、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付けない状態であることを示す第1信号を、前記家電機器に定期的に送信する第1信号送信部と、前記家電機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付ける状態であって、前記公衆回線が正常であることを示す第2信号を、前記公衆回線が正常である間は前記家電機器に定期的に送信し、前記公衆回線が途絶している間は、前記家電機器へ送信することを停止する第2信号送信部と、を備える制御機器である。
これによって、前記機器は前記宅内回線の途絶を明確に検知し、それにより適切、かつ迅速に安全状態への移行の判断をすることができる。
第2の発明は、特に、前記制御機器からの第1信号または第2信号を受信する送受信部と、前記送受信部が受信した信号に応じて、前記制御機器が前記公衆回線経由で制御または操作可能か否かを識別する回線信号抽出手段と、を備える家電機器と、前記第1の発明に記載の制御機器と、を備える通信機器制御システムである。
これによって、前記機器は前記宅内回線の途絶を明確に検知し、それにより適切、かつ迅速に安全状態への移行の判断をすることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、前記家電機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付ける状態であって、前記公衆回線が異常であることを示す第3信号を、前記公衆回線が異常である間は前記家電機器に定期的に送信する第3信号送信部を、さらに備える制御機器である。
これによって、前記機器は前記公衆回線経由の操作を可能としている場合の前記通信回線の途絶状態を明確に検知し、それにより適切、かつ迅速に安全状態への移行の判断をすることができる。
第4の発明は、第1または第3の発明において、複数の前記制御機器を個別に識別することができる機器識別信号を前記家電機器に送信する機器識別信号部を、さらに備える制御機器である。
これによって、複数の前記制御機器から送信される前記通信回線の途絶状態を明確にするための信号がどの前記制御機器からのものであるかを前記機器は知ることができ、前記宅内回線に複数の前記制御機器が存在する場合であっても、記通信回線の途絶状態を明確に検知し、それにより適切、かつ迅速に安全状態への移行の判断をすることができる。
第5の発明は、サーバが接続された公衆回線と家電機器が接続された宅内回線との間に設けられ、前記サーバと前記家電機器との接続を制御するルータと、前記家電機器を制御または操作可能な制御機器とを備えた通信機器制御システムに用いられる制御機器の制御方法であって、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバからの遠隔操作を受け付ける状態か否かを判定する第1ステップと、前記第1ステップで、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付けない状態であると判定された場合に、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付けない状態であることを示す第1信号を、前記家電機器に定期的に送信する第2ステップと、前記第1ステップで、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付ける状態であると判定された場合に、前記公衆回線の通信状態を判定する第3ステップと、前記第3ステップで、前記公衆回線の通信状態が正常である場合に、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付ける状態であって、前記公衆回線が正常であることを示す第2信号を、前記家電機器に定期的に送信する第4ステップと、を含む制御方法である。
第6の発明は、サーバが接続された公衆回線と家電機器が接続された宅内回線との間に設けられ、前記サーバと前記家電機器との接続を制御するルータと、前記家電機器を制御または操作可能な制御機器とを備えた通信機器制御システムに用いられる制御機器のプログラムであって、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付ける状態か否かを判定する第1ステップと、前記第1ステップで、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付けない状態であると判定された場合に、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付けない状態であることを示す第1信号を、前記家電機器に定期的に送信する第2ステップと、前記第1ステップで、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付ける状態であると判定された場合に、前記公衆回線の通信状態を判定する第3ステップと、前記第3ステップで、前記公衆回線の通信状態が正常である場合に、前記制御機器が前記公衆回線を介して前記サーバから遠隔操作を受け付ける状態であって、前記公衆回線が正常であることを示す第2信号を、前記家電機器に定期的に送信する第4ステップと、を含むプログラムである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における通信機器制御システムの概略構成およびそれを構成する制御機器と機器の構成を示すものである。
本実施の形態の通信機器制御システムは、ユーザーの操作端末1からの操作を受けてシステムの動作を公衆回線Aを経由して制御する宅外に設けられたサーバ2と、前記公衆回線Aと宅内のネットワークを構成する宅内回線Bを中継するルータ3と、前記宅内回線Bに対応した機器5を制御する制御機器(コントローラ)4と、制御される宅内の機器(家電機器)5とにより構成されている。
通信回線は、公衆回線Aと宅内回線Bとにより構成されている。公衆回線Aと宅内回線Bとは、それぞれ、有線であっても、無線であってもよい。操作端末1は、例えば、携帯電話や、スマートフォンである。制御機器4は、例えば、HEMS(Home Energy Management System)コントローラである。機器5は、電気機器であり、例えば、空気調和機(エアコン)である。
ユーザーは、機器5に設けられた操作部や、機器5と赤外線等で通信するリモコンなどで、機器5の運転や停止等の操作ができる。また、ユーザーは、操作端末1を操作し、宅外の前記サーバ2から前記公衆回線Aを経由して制御命令を送信し、宅内の前記制御機器4を介して前記機器5を遠隔操作できる。
図1において、制御機器4は、制御部11、送受信部12、回線判別部13と、前記公衆回線A経由の操作を不可としている場合の前記通信回線を確認する信号3aを出力する第1信号送信部(0x61部)31と、前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合の前記通信回線を確認する信号3bを出力する第2信号送信部(0x62部)32と、回線判別部13からの信号1cにより前記第1信号送信部31からの信号3aまたは前記第2信号送信部32からの信号3bを切り換える送信切換部33とを備えている。
送受信部12は、前記制御部11からの指示及び送信データにより、前記宅内回線Bと、前記ルータ3とを介して、前記公衆回線Aにつながる前記サーバ2との通信状態を定期的に確認する。通信回線の状態は、前記送受信部12から信号1bにて回線判別部13に送られる。
回線判別部13は、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としているのか、否か及び公衆回線Aに途絶があるか、無いかを、前記信号1bから判別する。そして、回線判別部13は、その結果を信号1cにて前記送信切換部33に送る。
送信切換部33は、回線判別部13の判定に従って前記信号3aまたは信号3bを前記送受信部12に送信する。前記送受信部12は、前記宅内回線Bを経由して前記機器5に通信信号を送信する。
前記送信切換部33は、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を不可としている場合には、前記信号3aを定期的に前記送受信部12に送信する。また、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合であって、前記公衆回線Aに途絶が無い場合には、前記信号3bを定期的に前記送受信部1
2に送信する。また、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合であって、前記公衆回線Aが途絶している場合には、前記信号3bを前記送受信部12に送信するのを停止する。
一方、前記機器5は、前記宅内回線Bを介して、ルータ3または制御機器4の送受信部12と送受信する送受信部22と、制御部21と、前記制御機器4からの通信信号から前記信号3aまたは信号3bの情報を抽出する回線信号抽出部34とを備えている。
送受信部22は、制御機器4の送受信部12から、宅内回線Bを介して、前記信号3aまたは3bを含む通信信号を受信する。つまり、前記機器5は、前記宅内回線Bを通じて送受信部22から、前記信号3aまたは信号3bを含む通信信号を受信する。
回線信号抽出部34は、通信信号から前記信号3aまたは信号3bを抽出する。回線信号抽出部34は、前記制御機器4の動作が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を不可としている場合であって、前記信号3aが途絶した場合には、前記宅内回線Bに途絶が生じたことを、前記制御部21に通知する。また、回線信号抽出部34は、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合であって、送受信部22が前記信号3bを定期的に受信している場合には、前記公衆回線Aに途絶が無いことを認識し、前記制御部21にその旨を通知する。また、回線信号抽出部34は、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合であって、送受信部22が前記信号3bを定期的に受信していない場合、つまり、前記信号3bが途絶したことで、前記公衆回線Aを含む通信回線が途絶したことを認識し、前記制御部21にその旨を通知することができる。
なお、以上の説明では、送信切換部33が、回線判別部13の判定に従って信号3aまたは信号3bを送受信部12に送信したり、停止したりするものとして説明したが、これに限定されることなく、送信切換部33が備える機能の一部を、第1信号送信部31または第2信号送信部32に移し、第1信号送信部31または第2信号送信部32が回線判別部13の判定に従って信号3aまたは信号3bを送受信部12に送信したり、停止したりするものとしてもよい。
図2は、本発明の実施の形態1における制御機器および機器のフローチャートである。
図2を用いて、本発明の実施の形態1における制御機器および機器が行う制御方法について、以下に説明する。
まず、図2中の左側の制御機器のフローチャートについて説明する。前記制御機器4が前記機器5等と通信システムを構築し、機器5の操作を開始すると、ステップS01によって送信タイミングの生成を開始し、確認信号を発信するタイミングを計るためのタイマーを起動する。
次にステップS02によりタイマー値をリセットする。ステップS03にて、経過タイマー値tが、定期的に確認信号を送信するための所定の送信タイミングTになったかを監視する。経過タイマー値が送信タイミングTとなったら、つまり、t=Tになったら、ステップS04に移行する。一方、経過タイマー値が送信タイミングTとなっていない、つまり、t≠Tであれば、ステップS03に戻る。
ステップS04では前記制御機器4の設定が、機器5について公衆回線Aを経由した操作を受け付ける設定か、受け付けない設定かを判定する。制御機器4の設定が、機器5について公衆回線Aを経由した操作を許可する設定になっている場合には、ステップS05
へ、そうではない場合はステップS21に移行する。
ステップS21では、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けていない状態であることを示す確認信号0x61(図1における信号3a)を生成し、機器5に送信する。その後、ステップS02に戻る。
一方、ステップS05では、前記送受信部12からルータ3を介して公衆回線Aの状態が正常か、異常(途絶状態)かを確認する。公衆回線Aの状態が正常な場合には、ステップS22に移行する。ステップS22では、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態であることを示す確認信号0x62(図1における信号3b)を生成し、機器5に送信する。その後、ステップS02に戻る。
ステップS05において、公衆回線Aの状態が異常な場合には、何もせず(確認信号0x61および確認信号0x62を出力せず)、ステップS02に戻る。
以上の制御方法により、前記制御機器4は、一定時間Tごとに制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けていない状態である場合には、確認信号0x61を機器5に送信する。また、前記制御機器4は、制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態で、公衆回線Aの状態が正常な場合には、確認信号0x62を機器5に送信する。また、前記制御機器4は、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態で、公衆回線Aの状態が異常(途絶状態)である場合には、確認信号0x61と確認信号0x62のいずれの確認信号も、機器5に送信しない。
次に、図2中の右側の機器のフローチャートについて説明する。本フローチャートは、通信回線の回線状態に応じて報知を行う例である。
前記機器5が前記制御機器4等と通信システムを構築し、操作を開始すると、ステップS11によって受信タイミングの生成を開始し、確認信号の受信状態を把握するためのタイマーを起動する。
次にステップS12によりタイマー値をリセットする。ステップS31によって受信信号として、確認信号0x61または確認信号0x62が送信されて来たかを確認する。確認の結果、どちらかの確認信号が到達した場合には、ステップS34に移行し、同時にステップS12にも移行して受信タイマーがリセットされる。ステップS31で、どちらの確認信号も来なかった場合には、ステップS32に移行する。
ステップS34では、到達した確認信号が、確認信号0x61の場合には、ステップS35へ移行し、到達した確認信号が、確認信号0x62の場合には、ステップS36に移行する。
ステップS35では、機器5が操作されている通信回線では、公衆回線Aを経由した遠隔操作は不可になっていることを、ユーザーに報知する。ステップS36では、機器5が操作されている通信回線では、公衆回線Aを経由した遠隔操作が可能になっていることを、ユーザーに報知する。
また、ステップS32では、一定時間Tsafe内に確認信号が来ない場合は、ステップS15に移行して、機器5を安全動作に移行させる。安全動作に移行させるとは、例えば、ユーザーの操作端末1からの指示によらず、機器5の運転を停止することなどである。
このように、本発明の実施の形態1によれば、遠隔操作において機器5を一定の時間で安全動作に移行すると共に、ユーザーは機器5が接続されている通信回線や制御機器4の状態を知ることができる。
なお、確認信号が複数あることで、上記のように通信回線の状態を報知する以外に、それぞれの通信回線の状況に合わせて制御の方法などを切り替えることもできる。例えば、図2中の右側の機器のフローチャートを、図3に示すフローチャートに置き換えてもよい。
図3において、図2と同じステップは同じ番号を付し、説明を省略する。図3において、ステップS31で、確認信号0x61または確認信号0x62のどちらかの確認信号が到達した場合には、ステップS12に戻り、どちらかの確認信号が来なかった場合には、ステップS41に移行する。
ステップS41では、到達した確認信号が、確認信号0x61の場合には、ステップS42へ移行し、到達した確認信号が、確認信号0x62の場合には、ステップS43に移行する。また、到達した確認信号が、確認信号0x61でも確認信号0x62でもない場合には、ステップS32に移行する。
ステップS42では、一定時間T61内に確認信号0x61を連続して検出した場合、ステップS15に移行して、機器5を安全動作に移行させる。一定時間T61内に確認信号0x61を連続して検出していない場合には、ステップS31に戻る。
ステップS43では、一定時間T62内に確認信号0x62を連続して検出した場合、ステップS15に移行して、機器5を安全動作に移行させる。一定時間T62内に確認信号0x62を連続して検出していない場合には、ステップS31に戻る。
ステップS32では、一定時間Tsafe内にいずれの確認信号も来なかった場合には、ステップS15に移行して、機器5を安全動作に移行させる。一定時間Tsafeを経過しない場合には、ステップS31に戻る。
ここで、一定時間T61と、一定時間T62と、一定時間Tsafeとは、それぞれが異なる時間に設定されている。例えば、一定時間T62を、一定時間T61より長く設定することが望ましい。
これによれば、安全動作に移行するまでの待ち時間を、通信回線の状態に応じて、最適な時間に対応させることができる。
図4に本発明の実施の形態1における確認信号としての複数の送信設定値のそれぞれの特徴について示す。
前記宅内回線Bでの途絶では、通信回線が極短い通信障害により途絶する場合と、結線はずれ、断線や機器5の故障による復帰不能な場合とが想定される。それに対して、前記公衆回線Aでの途絶は、比較的長い時間で通信機器制御システムの障害が発生し、かつ必ず復旧する。そのため、前記公衆回線Aでの途絶は、比較的長い時間を掛けて通信回線の状態を監視する必要がある。このような違いを複数の送信設定値を導入することで、機器5にこれらの情報を報知することができる。
図4に示すように、公衆回線Aと制御機器4の状況に応じて、制御機器4から送信する送信設定値を変えることで、公衆回線Aと宅内回線Bとの通信回線の状況を、機器5側で
検知することが可能となる。これによって、宅内の機器5が安全動作に移行する判断の改善や、ユーザーへの報知が可能となる。
また、図5および図6に、各通信回線の状態と前記制御機器4と前記機器5との間の通信シーケンスを示す。図5は、宅内回線Bがルータ3を介して、公衆回線Aと接続された例を示している。この場合には、制御機器4が機器5に対して、周期的に確認信号0x62を送信することで、機器5は公衆回線Aを含む通信回線の途絶を認識できる。また、図6は、ルータ3に公衆回線Aが接続されていない例を示している。この場合には、制御機器4が機器5に対して、周期的に確認信号0x61を送信することで、機器5は宅内回線Bのみの途絶を認識できる。
本発明の実施の形態2では、複数の確認信号を用いた確認から、途絶状態の詳細がわかることで、機器5の安全状態への移行を適切にすることができる。また、前記宅内回線Bの途絶では、結線はずれ、断線や機器5の故障による復帰不能な場合は、前記機器5からユーザーに前記宅内回線Bの異常を報知できるという利点がある。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2における通信機器制御システムの概略構成およびそれを構成する制御機器と機器の構成を示すものである。
本実施の形態と、実施の形態1との違いは、制御機器4が、公衆回線A経由の操作を不可としている場合の前記通信回線を確認する信号3aを出力する第1信号送信部31と、前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合の前記通信回線が正常であることを通知する信号3bを出力する第2信号送信部32に加えて、前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合の前記通信回線が異常であることを通知する信号4aを出力する第3信号送信部(0x63部)41を備えている点である。また、これに応じて、前記機器5の回線信号抽出部34と、制御部21も、前記3つの信号3a、3b、4aの抽出と信号の意味するところが分かるものになっている。その他の部分については、図1と同じである。
なお、本発明の実施の形態1と同様に、送信切換部33が備える機能の一部を、第1信号送信部31または第2信号送信部32に移し、第1信号送信部31、第2信号送信部32、第3信号送信部41が回線判別部13の判定に従って信号3a、信号3b、信号4aを送受信部12に送信したり、停止したりするものとしてもよい。
図8は、本発明の実施の形態2における制御機器のフローチャートである。図2を用いて、本発明の実施の形態2における制御機器が行う制御方法について、以下に説明する。
図8のフローチャートにおいて、前記制御機器4が前記機器5等と通信システムを構築し、機器5の操作を開始すると、ステップS01によって送信タイミングの生成を開始し、確認信号を発信するタイミングを計るためのタイマーを起動する。
次にステップS02によりタイマー値をリセットする。ステップS03にて、経過タイマー値tが、定期的に確認信号を送信するための所定の送信タイミングTになったかを監視する。経過タイマー値が送信タイミングTとなったら、つまり、t=Tになったら、ステップS04に移行する。
ステップS04では前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受け付けるのか、否かの前記制御機器4の設定に応じて、公衆回線Aを経由した操作を許可する設定になっている場合には、ステップS51へ、そうではない場合にはステップS21に移行する。
ステップS21では、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けていない状態であることを示す確認信号0x61を生成し、機器5に送信する。その後、ステップS02に戻る。
一方、ステップS51では、前記送受信部12からルータ3を介して公衆回線Aの状態が正常か、異常(途絶状態)かを確認する。公衆回線Aの状態が正常な場合には、ステップS22に移行する。
ステップS22では、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態であることを示す確認信号0x62を生成し、機器5に送信する。その後、ステップS02に戻る。
ステップS51において、公衆回線Aの状態が異常な場合には、ステップS52に移行する。ステップS52では、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態であり、かつ回線に異常があることを示す確認信号0x63を生成し、機器5に送信する。その後、ステップS02に戻る。
以上の制御方法により、前記制御機器4は、一定時間Tごとに制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けていない状態である場合には、確認信号0x61を機器5に送信する。また、前記制御機器4は、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態で、公衆回線Aの状態が正常な場合には、確認信号0x62を機器5に送信する。また、前記制御機器4は、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態で、公衆回線Aの状態が異常(途絶)である場合には、確認信号0x63を機器5に送信する。
次に、本発明の実施の形態2における機器が行う制御方法について、図9を用いて説明をする。図9は、本発明の実施の形態2におけるフローチャートである。本フローチャートは、公衆回線A経由の遠隔操作で途絶が生じた報知を行う例である。
前記機器5が前記制御機器4等と通信システムを構築し、操作を開始すると、ステップS11によって受信タイミングの生成を開始し、確認信号の受信状態を把握するためのタイマーを起動する。
次にステップS12によりタイマー値をリセットする。ステップS31によって受信信号として、確認信号0x61、確認信号0x62、または確認信号0x63が送信されて来たかを確認する。確認の結果、いずれかの確認信号が到達した場合は、ステップS61に移行し、いずれの確認信号も来なかった場合には、ステップS32に移行する。
ステップS61では、到達した確認信号が、確認信号0x63の場合には、ステップS62へ移行する。到達した確認信号が、確認信号0x61、または、確認信号0x62の場合には、ステップS34に移行し、同時にステップS12にも移行して受信タイマーがリセットされる。
ステップS34では、到達した確認信号が確認信号0x61の場合には、ステップS35へ移行し、確認信号0x62の場合には、ステップS36に移行する。
ステップS35では、機器5が操作されている通信回線では、公衆回線Aを経由した遠隔操作は不可になっていることを、ユーザーに報知する。ステップS36では、機器5が操作されている通信回線では、公衆回線Aを経由した遠隔操作が可能になっていることを、ユーザーに報知する。
一方、ステップS62では、一定時間T63内に確認信号0x63を連続して検出した場合、機器5が操作されている通信回線では公衆回線Aを経由した遠隔操作が可能になっており、更にその回線に異常が一定時間以上生じたことをユーザーに報知する。同時にステップS15に移行して機器を安全動作に移行させる。
ステップS62で、一定時間T63内に確認信号0x63を連続して検出していない場合には、ステップS31に移行する。
また、ステップS31によって受信信号として、いずれの確認信号も到達しなかった場合には、ステップS32に移行し、一定時間Tsafe内に確認信号が来ない場合には、ステップS15に移行して、機器5を安全動作に移行させる。
図10に本発明の実施の形態2における確認信号としての複数の送信設定値のそれぞれの特徴について示す。
信号4a、すなわち、第3信号送信部41の信号は、前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合の前記通信回線が異常であることを通知することで、本発明の実施の形態1よりも前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合の前記宅内回線Bの途絶、特に機器5の故障や通信回線の接続断線などのユーザーが行わなければ復旧できない状況を早期に検出できるという利点がある。
図10に示すように、公衆回線Aの状況に応じて、制御機器4から送信する送信設定値を変えることで、公衆回線Aと宅内回線Bとの通信回線の状況を、機器5側で検知することが可能となる。これによって、宅内の機器5が安全動作に移行する判断の改善や、ユーザーへの報知が可能となる。
図11に、各通信回線の状態と前記制御機器4と前記機器5との間の通信シーケンスを示す。図11は、宅内回線Bがルータ3を介して、公衆回線Aと接続された例を示している。この場合には、制御機器4が機器5に対して、周期的に確認信号0x62または確認信号0x63を送信することで、機器5は公衆回線Aを含む通信回線が正常か、公衆回線Aの途絶か、宅内回線Bのみの途絶かを認識できる。
このように、本発明の実施の形態2では、遠隔操作において機器5を一定の時間で安全動作に移行すると共に、機器5が接続されている通信回線や制御機器4の状態を知ることができる。更にその回線に異常が一定時間以上生じたことを報知すると同時に機器5を安全動作に移行させることができる。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3における通信機器制御システムの概略構成およびそれを構成する制御機器と機器の構成を示すものである。本実施の形態は、制御機器4が複数、設けられたものである。
図12において、制御機器4Aと制御機器4Bとは、それぞれ、同じ構成の制御機器である。前記制御機器4Aおよび4Bは、それぞれ、実施の形態1で説明した制御機器4と同様に、制御部11と、送受信部12と、回線判別部13と、前記公衆回線A経由の操作を不可としている場合の前記通信回線を確認する信号3aを出力する第1信号送信部31と、前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合の前記通信回線を確認する信号3bを出力する第2信号送信部32と、回線判別部13からの信号1cにより前記第1信号送信部31からの信号3aまたは前記第2信号送信部32からの信号3bを切り換える送信
切換部33とを備えている。
また、前記制御機器4Aおよび4Bは、それぞれ、機器5を制御する制御機器が宅内ネットワーク内に複数台ある場合、つまり、宅内回線Bに複数の制御機器が接続されている場合に、機器5が制御機器4から来た通信回線確認信号がどの制御機器からのものかを識別可能とする機器識別信号を生成する機器識別信号部51をさらに備えている。
送受信部12は、前記制御部11からの指示及び送信データにより、前記宅内回線Bと、前記ルータ3とを介して、前記公衆回線Aにつながる前記サーバ2との通信状態を定期的に確認する。通信回線の状態は、前記送受信部12から信号1bにて回線判別部13に送られる。
回線判別部13は、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としているのか、否か及び公衆回線Aに途絶があるか、無いかを、前記信号1bから判別する。そして、回線判別部13は、その結果を信号1cにて前記送信切換部33に送る。
送信切換部33は、回線判別部13の判定に従って前記信号3aまたは信号3bを前記送受信部12に送信する。
前記機器識別信号部51は、機器5が制御機器4から来た通信回線確認信号がどの制御機器からのものかを識別可能とする機器識別信号を生成して、前記送受信部12に送信する。
前記送受信部12は、前記宅内回線Bを経由して、これらの情報を含む送信信号を前記機器5に送信する。
前記送信切換部33は、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を不可としている場合には、前記信号3aを定期的に前記送受信部12に送信する。また、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合であって、前記公衆回線Aに途絶が無い場合には、前記信号3bを定期的に前記送受信部12に送信する。また、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合であって、前記公衆回線Aが途絶している場合には、前記信号3bを前記送受信部12に送信するのを停止する。
一方、前記機器5は、前記宅内回線Bと送受信できる送受信部22と、制御部21と、前記制御機器4からの通信信号から前記信号3aまたは信号3bの情報を抽出する回線信号抽出部34と、制御機器4から来た通信回線確認信号がどの制御機器からのものかを識別可能とする機器識別部35とを備えている。
前記機器5は、前記宅内回線Bを通じて送受信部22から、前記信号3aまたは信号3bを含む通信信号を受信する。
回線信号抽出部34は、通信信号から前記信号3aまたは信号3bを抽出する。回線信号抽出部34は、前記制御機器4の動作が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を不可としている場合であって、前記信号3aが途絶した場合には、前記宅内回線Bに途絶が生じたことを、前記制御部21に通知する。また、回線信号抽出部34は、前記制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合であって、送受信部22が前記信号3bを定期的に受信している場合には、前記公衆回線Aに途絶が無いことを認識し、前記制御部21にその旨を通知する。また、回線信号抽出部34は、前記
制御機器4が、機器5について前記公衆回線A経由の操作を可能としている場合であって、送受信部22が前記信号3bを定期的に受信していない場合、つまり、前記信号3bが途絶したことで、前記公衆回線Aを含む通信回線が途絶したことを認識し、前記制御部21にその旨を通知することができる。さらに、同時にこれら制御機器4から送信された信号がどの制御機器からのものであったかを前記機器識別部35から制御部21に通知することができる。
図13に、本発明の実施の形態3における制御機器のフローチャートを示す。図13において、前記制御機器4が前記機器5等の通信システムを構築し機器の操作を開始すると、ステップS01によって送信タイミングの生成を開始し、確認信号を発信するタイミングを計るためのタイマーを起動する。
次にステップS02によりタイマー値をリセットする。ステップS03にて、経過タイマー値tが、定期的に確認信号を送信するための所定の送信タイミングTになったかを監視する。経過タイマー値が送信タイミングTとなったら、つまり、t=Tになったら、ステップS04に移行する。
ステップS04では前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受け付けるのか、否かの前記制御機器4の設定に応じて、公衆回線Aを経由した操作を許可する設定になっている場合には、ステップS05へ、そうではない場合にはステップS71に移行する。
ステップS71では、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けていない状態であることを示す確認信号0x61を生成すると共に制御機器4固有の機器識別IDを添えて機器5に送信する。その後、ステップS02に戻る。
一方、ステップS05では、前記送受信部12からルータ3を介して公衆回線Aの状態が正常か、異常(途絶状態)かを確認する。公衆回線Aの状態が正常な場合には、ステップS72に移行する。
ステップS72では、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態であることを示す確認信号0x62を生成すると共に制御機器固有の機器識別IDを添えて機器5に送信する。その後、ステップS02に戻る。
ステップS05において、公衆回線Aの状態が異常な場合は、何もせず(確認信号を出さず)に、ステップS02に戻る。
以上の制御方法により、前記制御機器4は、一定時間Tごとに制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けていない状態である場合には、確認信号0x61を機器5に送信する。また、前記制御機器4は、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態で、公衆回線Aの状態が正常な場合には、確認信号0x62を機器5に送信する。また、前記制御機器4が公衆回線Aを経由した操作を受けている状態で、公衆回線Aの状態が異常(途絶)である場合には、確認信号を送信しない。また、制御機器4を識別可能な機器識別IDを送信しているので、これらの送信がどの制御機器からのものかを特定することができる。
図14に、本発明の実施の形態3における機器のフローチャートを示す。図14において、前記機器5が前記制御機器4等と通信システムを構築し、操作を開始すると、ステップS11によって受信タイミングの生成を開始し、確認信号の受信状態を把握するためのタイマーを起動する。
次にステップS12によりタイマー値をリセットする。ステップS31によって受信信号に確認信号0x61または確認信号0x62が送信されて来たかを確認する。確認の結果、どちらかの確認信号が到達した場合には、ステップS81に移行し、同時にステップS12にも移行して受信タイマーがリセットされる。ステップS31で、どちらの確認信号も来なかった場合には、ステップS32に移行する。
ステップS81では、送信されてきた機器識別IDにより送信信号が制御機器4Aからのものか、またはそれ以外の制御機器からのものかを判別する。判別の結果、制御機器4Aからの送信であった場合には、ステップS34に移行し、制御機器4A以外からの送信であった場合には、ステップS82に移行すると共に同時にステップS15に移行する。
ステップS34では、到達した確認信号が確認信号0x61の場合には、ステップS35へ移行し、到達した確認信号が、確認信号0x62の場合には、ステップS36に移行する。
ステップS35では、機器5が操作されている通信回線では、公衆回線Aを経由した遠隔操作は不可になっていることを、ユーザーに報知する。ステップS36では、機器5が操作されている通信回線では、公衆回線Aを経由した遠隔操作が可能になっていることを、ユーザーに報知する。
また、ステップS32では、一定時間Tsafe内に確認信号が来ない場合は、ステップS15に移行して、機器5を安全動作に移行させる。
このように、本発明の実施の形態3によれば、遠隔操作において機器5を一定の時間で安全動作に移行すると共に、機器5が接続されている通信回線や制御機器4の状態を複数の制御機器4が存在する場合でも、どこからの送信であるかを知ることができる。
また、機器識別信号があることで、上記のように通信回線の状態を報知やそれぞれの通信回線の状況に合わせて制御の方法などを送信元の制御機器4ごとに切り替えてもよい。例えば、図14のフローチャートを図15のフローチャートに置き換えてもよい。
図15では、制御機器4Aでは安全動作に移行するまでの待ち時間をそれぞれの状態により最適な時間に対応させ、それ以外の制御機器4では即時に安全動作に移行するものとして扱っている。さらに、制御機器4Aでは安全動作に移行するまでの待ち時間をそれぞれの状態により最適な時間に対応させ、それ以外の制御機器4では確認信号が来ていないものとして扱うなど、制御機器ごとに条件や処理方法を変更することが可能である。或いは、図14と図15の処理を選択して切換え可能とすることもできる。
図16に本発明の実施の形態3における確認信号として複数の送信設定値のそれぞれの特徴について示す。
この図の例では、制御機器4Bでは常に宅内回線の途絶のみを扱えばよいので、公衆回線Aの途絶確認ほど長い時間確認をする必要がなく、制御機器4Bでは速やかに安全動作に移行するなどの改善が可能である。
図16に示すように、制御機器4の機器識別IDを送信することで、複数の制御機器4が宅内回線Bに接続されている場合でも、通信回線の確認を機器5側で正しく検知することができる。これによって、宅内の機器5が安全動作に移行する判断の改善や、ユーザーへの報知が可能となる。 また、図17には、各通信回線の状態と制御機器4Aおよび4Bと機器5との間の通信シーケンスを示す。図17は、宅内回線Bに制御機器4Aと制御
機器4Bとが接続され、さらに、宅内回線Bがルータ3を介して、公衆回線Aと接続された例を示している。この場合には、制御機器4Aが機器5に対して、周期的に確認信号0x62を送信することで、機器5は公衆回線Aを含む通信回線が正常と認識できる。また、制御機器4Aが機器5に対して、周期的に確認信号0x62を送信しないことで、機器5は公衆回線Aを含む通信回線が途絶と認識できる。また、制御機器4Bが機器5に対して、周期的に確認信号0x61を送信することで、機器5は宅内回線Bのみが正常と認識できる。また、制御機器4Bが機器5に対して、周期的に確認信号を送信しないことで、機器5は宅内回線Bが途絶と認識できる。
本発明の実施の形態3では複数の制御機器からの複数の確認信号を用いた確認から、途絶状態の詳細がわかることで安全状態への移行を適切にすることができる。また、前記宅内回線の途絶では、結線はずれ、断線や機器5の故障による復帰不能な場合は、前記機器5からユーザーに前記宅内回線Bの異常を報知できるという利点がある。