JP6533691B2 - 三次元位置計測システム - Google Patents
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Description
(システム全体)
図1に示すように、三次元位置計測システム1は、測量機2と、測定点側装置4とを備える。符号Xは測定点を示している。測量機2は、三脚を用いて既知の点に据え付けられる。矢印eは測量機2の視線方向を示している。測定点側装置4は、測定点Xの付近にいる作業者により携帯されている。
測量機2は、自動追尾可能なモータドライブトータルステーションであり、図2に示すように、水平角検出器11と、鉛直角検出器12と、傾斜センサ13と、操作部14と、水平回転駆動部15と、鉛直回転駆動部16と、演算制御部17と、記憶部18と、通信部19と、測量機側測距部20と、プリズム撮像部21と、画像撮像部22と、表示部23と、走査部24と、第2の画像撮像部25を備える。
測定点側装置4は、図3に示すように、装置筐体の外部に、プリズム3と、傾斜ケース5を有する。測定点側装置4は、図4に示すように、装置筐体の内部に、演算制御部117と、記憶部118と、通信部119と、装置側測距部120と、レーザポインタ121を備える。なお、図3では説明のために傾斜ケース5に収容されているプリズム3を実線で示している。
まず、図5を参照して、計測の概要から説明する。以下の処理は、特段の記載が無いものは測量機2の演算制御部17にて行われる。基本は(a)に示すように、まずステップS10で、測定点側装置4のレーザポインタ121で測定点Xを指す。次に、ステップS11で、走査部24でプリズム3を探索走査する。次に、ステップS12で、プリズム撮像部21を用いてプリズム3のみが撮影された画像から、プリズム3が自動視準できたか判断する。視準できていない場合は、ステップS11に戻る。視準できた場合は、ステップS13に移行し、プリズム3を測距測角し、プリズム3の三次元位置を計測する。次に、ステップS14に移行し、画像撮像部22で傾斜ケース5を撮影する。ステップS13とS14は同時に行われてもよい。次に、ステップS15に移行し、プリズム3の三次元位置、傾斜ケース5の傾斜角、および装置側測距部120の計測した距離に基づき、測定点Xの三次元位置を計算する。次に、ステップS16に移行し、表示部23に測定点Xを表示して終了する。自動追尾を行う場合は、(b)に示すように、まずステップS20で測定点側装置4のレーザポインタ121で測定点Xを指し、ステップS21でプリズム3を探索走査し、ステップS22でプリズム撮像部21を用いてプリズム3のみが撮影された画像から、プリズム3がロック(自動視準)できたか判断し、以降ステップS23〜S26はステップS13〜S16と同じである。ステップS27で、自動追尾の停止が指示された場合は、ステップS28に進み追尾を停止する。停止の指示がない場合は、ステップS22に戻り、追尾を続ける。
第1の実施形態における、図5のステップS15またはS25における、三次元位置計算手法について、図6、図7を参照して説明する。まず、ステップS111で、画像撮像部22で撮影したビジュアル画像から、解析パターン41のパターン中心Kcを画像解析する(図7参照)。次に、ステップS112で、測量機側測距部20で得たプリズム3の測距値および水平角検出器11および鉛直角検出器12で得たプリズム3の測角値を記憶部18から読み出す。次に、ステップS113で、画像撮像部22の画像でプリズム中心Pcの位置とパターン中心Kcの水平方向ずれ量および鉛直方向ずれ量を求める。なお、プリズム3は、プリズム撮像部21では撮影されるが画像撮像部22の性能次第では映らない場合がある。ただし、プリズム中心Pcの三次元位置は明確に分かるので、予めプリズム3が視準されたときプリズム中心Pcは画像撮像部22の画像上でどの点に位置するかを記憶部18に登録しておけばよい。そして、水平方向ずれ量および鉛直方向ずれ量から、傾斜ケース5(パターン中心Kc)の位置方向ベクトル(方向ベクトルB)を求める(図7参照)。なお、方向ベクトルとは、大きさを持たない向き情報のみを有するベクトルである。次に、ステップS114で、プリズム中心Pcを中心に第1の固定距離LF1を半径とする球Sを演算し、球Sと方向ベクトルBの交点を求める。この交点の位置情報がパターン中心Kcの三次元位置である。そして、パターン中心Kc(三次元位置)とプリズム中心Pc(三次元位置)を通る直線(方向ベクトルA)を求める(図7参照)。方向ベクトルAが、傾斜ケース5の傾斜方向である。次に、ステップS115で、測定点側装置4の装置側測距部120でノンプリズム測距を行い、装置側測距部120の基準点122から測定点Xまでの測定距離LMを得る。なお、このステップS115は、図5のステップS11〜S15またはS21〜S25のどのタイミングで行われてもよい。次に、ステップS116で、測定点側装置4から測定距離LMを通信により取得する。次に、ステップS117で、プリズム中心Pcの位置(三次元位置)から、方向ベクトルAの方向に、測定距離LMに、装置側測距部120の基準点122からプリズム中心Pcまでの第2の固定距離LF2加えた分移動させて、測定点Xの三次元位置を求める。
本形態は、第1の実施形態の変形であり、プリズム3を必須構成としない場合の形態である。第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いて説明を省略する。
図9を参照して、第2の実施形態に係る計測の概要を説明する。以下の処理は、特段の記載が無いものは測量機2の演算制御部17にて行われる。基本は(a)に示すように、まずステップS30で、測定点側装置4のレーザポインタ121で測定点Xを指す。ステップS31で、画像撮像部22で傾斜ケース5を撮影する。次に、ステップS32で、画像撮像部22を用いて撮影された画像から、パターン中心Kcを画像解析し、ターゲットTを自動視準できたか判断する。視準できていない場合は、ステップS31に戻る。視準できた場合は、ステップS33に移行し、ターゲット中心Tcを測距測角し、ターゲット中心Tcの三次元位置を計測する。次に、ステップS34に移行し、測定点Xの三次元位置を計算する。次に、ステップS35に移行し、表示部23に測定点Xを表示して終了する。自動追尾を行う場合は、(b)に示すように、まずステップS20で測定点側装置4のレーザポインタ121で測定点Xを指し、ステップS41で、画像撮像部22で傾斜ケース5を撮影する。次に、ステップS42で、ターゲット中心Tcをロック(自動視準)できたか判断し、できた場合は、ステップS43に移行しターゲット中心Tcを測距測角する。その他のステップS44〜47は、図5のステップS25〜S28と同じである。
第2の実施形態における、図9のステップS34またはS44における、三次元位置計算手法は、第1の実施形態の「三次元位置の計測手法」の読み替えにより実施できる。プリズム3をターゲットTと読み替え、プリズム中心PcをターゲットTのターゲット中心Tcと読み替えれば、第1の実施形態(図6のフロー)と同様に計測することができる。
本形態は、第1の実施形態の変形であり、プリズム3のプリズム中心Pcが装置側測距部120の光軸123上になくてもよい場合の形態である。第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いて説明を省略する。
第3の実施形態における三次元位置計算手法について、図11を参照して説明する。まず、画像撮像部22で撮影したビジュアル画像から、解析マークQのマーク中心Qcを画像解析する。次に、プリズム3の三次元位置(プリズム中心Pcの測距値および測角値)を記憶部18から読み出す。次に、画像撮像部22の画像でプリズム中心Pcの位置とマーク中心Qcの水平方向ずれ量および鉛直方向ずれ量を求め、プリズム中心Pc、マーク中心Qcおよび測量機2の視点Eから、この三点を含む第1の平面Aを求める(図11参照)。次に、画像撮像部22で撮影した画像から、解析パターン41のパターン中心Kcを画像解析する。次に、画像撮像部22の画像上でのマーク中心Qcとパターン中心Kcの水平方向ずれ量および鉛直方向ずれ量を求め、パターン中心Kcからマーク中心Kmまでのマーク半径を求める。次に、解析パターン41の長辺半径を画像解析する。次に、測量機2の視線方向から見た傾斜ケース5の水平方向傾斜角θxおよび鉛直方向傾斜角θyを求める。傾斜ケース5は、視線方向との傾斜角に応じて、解析パターン41に対しての解析マークQの位置が変化するため、視線方向との傾斜角の変化が、長辺半径とマーク半径で関係付けできる。この関数の一例は、日本特許公開公報2014−102246号にある。次に、傾斜角θxおよびθyより、測量機2の視線方向から見た傾斜ケース5の法線方向(方向ベクトルA)を求め、マーク中心Qcにおいて方向ベクトルAを法線とする第2の平面Bを求める(図11参照)次に、平面Aと平面Bの交線からQc-Pc方向ベクトルIを求める。次に、装置側測距部120で測定距離LMを得る。次に、プリズム中心Pcの位置(三次元位置)から、Qc-Pc方向ベクトルIの方向へ、−Dy´移動し、さらに方向ベクトルAの方向に、測定距離LM移動させて、測定点Xの三次元位置を求める。
以上、第1、第2、および第3の実施形態によれば、測定点側装置4が有するレーザポインタ121で測定点を指し示せば、自動で測定点Xの三次元位置が計測されるので、三次元位置計測の作業効率が向上する。例えば、測量機2の望遠鏡視野では測定点Xが狙いにくい場合であっても、障害物等により測量機2から測定点Xが見えない場合であっても、測定点側装置4側の視点から測定点Xを狙えるため、容易に計測することができる。また、従来技術のように測定点Xに指示棒を接触させる必要がないため、指示棒が測定点に置けない,置きにくい場合であっても、容易に計測することができる。
次に、第1〜第3の実施形態の好適な変形例について示す。
2 測量機
3 プリズム
4 測定点側装置
5 傾斜ケース
11 水平角検出器(測角部)
12 鉛直角検出器(測角部)
17 演算制御部
20, 20´ 測量機側測距部
21 プリズム撮像部
22 画像撮像部
41 パターン
120 装置側測距部
121 レーザポインタ
122 基準点
123 光軸
Kc パターン中心
Pc プリズム中心
T ターゲット
Tc ターゲット中心
Q 解析マーク
Qc マーク中心
LM 測定距離
LF1 第1の固定距離
LF2 第2の固定距離
Claims (9)
- 測量機と、測定点付近にある測定点側装置と、を備え、
前記測量機は、プリズムまでの測距を行う測量機側測距部および測角を行う測角部と、プリズム撮像部と、プリズムを含む周囲風景を撮影する画像撮像部と、を有し、
前記測定点側装置は、前記プリズムと、前記測定点を指し示すポインタと、前記測定点までの距離を測定する装置側測距部と、視線方向からの傾斜角を解析するためのパターンを有する傾斜ケースと、を有し、
前記傾斜ケースの前記パターンを、前記装置側測距部の光軸に対して垂直な面に、前記装置側測距部の光軸方向前後に前記プリズムから第1の固定距離ずれる位置に設け、
前記画像撮像部にて前記パターンを撮像し、前記測量機からの視線方向に対する傾斜ケースの傾斜角を算出し、
前記プリズム撮像部で得た画像でプリズムを視準して前記測量機側測距部および前記測角部で得た前記プリズムの三次元位置、前記傾斜ケースの傾斜角、および前記装置側測距部で得た距離から、前記測定点の三次元位置を計測することを特徴とする三次元位置計測システム。
- 前記プリズムのプリズム中心を前記装置側測距部の光軸上に設け、前記プリズムの三次元位置から、前記傾斜ケースの傾斜角から得た前記傾斜ケースの法線方向に、前記装置側測距部の基準点から前記プリズム中心までの第2の固定距離と前記装置側測距部で得た測定距離移動して、前記測定点の三次元位置を計測することを特徴とする請求項1に記載の三次元位置計測システム。
- 前記装置側測距部の光軸に対して垂直な面で前記プリズムのプリズム中心と同一線上となる位置に前記画像撮像部で解析可能な解析マークを設け、
前記プリズム中心と前記解析マークのマーク中心を通る直線から前記装置側測距部の前記基準点をずらして設け、前記プリズム中心を原点とする前記装置側測距部の基準点のずれ量を予め求めて、
前記プリズムの三次元位置から、前記基準点のずれ量分移動して、前記傾斜ケースの傾斜角から得た前記傾斜ケースの法線方向に、前記装置側測距部で得た測定距離移動して、前記測定点の三次元位置を計測することを特徴とする請求項1に記載の三次元位置計測システム。
- 測量機と、測定点付近にある測定点側装置と、を備え、
前記測量機は、ターゲットまでの測距を行う測量機側測距部および測角を行う測角部と、前記ターゲットを含む周囲風景を撮影する画像撮像部と、を有し、
前記測定点側装置は、前記ターゲットと、前記測定点を指し示すポインタと、前記測定点までの距離を測定する装置側測距部と、視線方向からの傾斜角を解析するためのパターンを有する傾斜ケースと、を有し、
前記傾斜ケースの前記パターンを、前記装置側測距部の光軸に対して垂直な面に、前記装置側測距部の光軸方向前後に前記ターゲットから第1の固定距離ずれる位置に設け、
前記画像撮像部にて前記パターンを撮像し、前記測量機からの視線方向に対する傾斜ケースの傾斜角を算出し、
前記画像撮像部で得た画像で前記ターゲットを視準して前記測量機側測距部および前記測角部で得た前記ターゲットの三次元位置、前記傾斜ケースの傾斜角、および前記装置側測距部で得た距離から、前記測定点の三次元位置を計測することを特徴とする三次元位置計測システム。
- 前記ポインタは、前記装置側測距部による可視光パルスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の三次元位置計測システム。
- プリズムまたはターゲットと、測定点を指し示すポインタと、前記測定点までの距離を測定する装置側測距部と、前記装置側測距部の光軸に対して垂直な面に視線方向からの傾斜角を解析するためのパターンを有し,前記パターンを前記装置側測距部の光軸方向前後に前記プリズムまたは前記ターゲットから第1の固定距離ずれる位置に配置する傾斜ケースと、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかの三次元位置計測システムに使用される測定点側装置。
- 前記ポインタは、前記装置側測距部による可視光パルスであることを特徴とする請求項6に記載の測定点側装置。
- 前記ターゲットのターゲット中心を前記装置側測距部の光軸上に設け、前記ターゲットの三次元位置から、前記傾斜ケースの傾斜角から得た前記傾斜ケースの法線方向に、前記装置側測距部の基準点から前記ターゲット中心までの第2の固定距離と前記装置側測距部で得た測定距離移動して、前記測定点の三次元位置を計測することを特徴とする請求項4に記載の三次元位置計測システム。
- 前記装置側測距部の光軸に対して垂直な面で前記ターゲットのターゲット中心と同一線上となる位置に前記画像撮像部で解析可能な解析マークを設け、
前記ターゲット中心と前記解析マークのマーク中心を通る直線から前記装置側測距部の前記基準点をずらして設け、前記ターゲット中心を原点とする前記装置側測距部の基準点のずれ量を予め求めて、
前記ターゲットの三次元位置から、前記基準点のずれ量分移動して、前記傾斜ケースの傾斜角から得た前記傾斜ケースの法線方向に、前記装置側測距部で得た測定距離移動して、前記測定点の三次元位置を計測することを特徴とする請求項4に記載の三次元位置計測システム。
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