以下、遊技機の一種であるスロットマシンの一実施形態を説明する。本実施形態のスロットマシンは、遊技店等において遊技の提供に供され、所謂パチスロとも称される回胴式遊技機である。なお、本明細書に示す上、下、左、右、前(表)、後(裏)は、遊技者から見た状態における各方向を示すものとする。
図1に示すように、スロットマシン10は、前面に開口部を有する四角箱状の本体キャビネット11と、該本体キャビネット11の開口部を覆う前面扉12とを備えている。前面扉12は、本体キャビネット11の一側縁部に対して回動可能に軸支されている。前面扉12の前面には、演出として発光演出を行う装飾ランプLA、及び演出として音声演出を行うスピーカSPが配設されている。
前面扉12の前面上部には、演出として表示演出を行う演出表示装置14が配設されている。演出表示装置14は、透過型液晶ディスプレイ(透明液晶ディスプレイ)である。詳しくは後述するように、演出表示装置14では、スロットマシン10で発生した各種のエラー状態(異常状態)を報知するエラー報知が行われる。演出表示装置14の裏面には、機内部に配設されているリールユニット13を透視可能な透視窓16が設けられている。スロットマシン10では、演出表示装置14の画像表示領域のうち、正面から見たときに透視窓16と重なる重複領域において画像を表示することで、リールユニット13と演出表示装置14に映し出された画像とが重ね合された状態で遊技者に視認させることが可能である。また、スロットマシン10では、上記重複領域において画像を表示しないことで、リールユニット13のみを遊技者に視認させることが可能である。
リールユニット13は、回胴とも称されるリール(ドラム)として、第1リール13a、第2リール13b、及び第3リール13cを有する。第1リール13a、第2リール13b、及び第3リール13cは、左からこの順で並設されている。各リール13a〜13cには、複数の識別図柄(以下、単に「図柄」と示す)を長手方向に沿って印刷した透光性フィルムが外側を巻いた状態で取り付けられていることにより、外周面に沿って複数の図柄が配置されている。また、リールユニット13は、第1リール13aを回転及び停止させる第1アクチュエータA1と、第2リール13bを回転及び停止させる第2アクチュエータA2と、第3リール13cを回転及び停止させる第3アクチュエータとA3とを有する(図5に示す)。各アクチュエータA1〜A3は、例えばステッピングモータである。
各リール13a〜13cは、各々に対応して設けられたアクチュエータにより独立して縦方向に回転及び停止を可能に構成されている。本実施形態では、各リール13a〜13cが回転することにより、透視窓16において、図柄が上方から下方に向かって縦方向に変動表示(スクロール表示)され、遊技としての変動ゲームが行われる。リールユニット13は、第1リール13aの回転位置を検出する第1リールセンサSE1と、第2リール13bの回転位置を検出する第2リールセンサSE2と、第3リール13cの回転位置を検出する第3リールセンサSE3とを有する(図5に示す)。
透視窓16は、各リール13a〜13cにおいて周方向に連続する3つの図柄を表示可能な大きさに形成されているとともに、透視窓16には、リール13a〜13cごとに上段停止位置、中段停止位置、及び下段停止位置が設定されている。そして、スロットマシン10では、各リール13a〜13cに設定された3つの停止位置の中から1つずつ選択された停止位置の組合せによって、停止表示された図柄の組合せを入賞と判定し得る有効な停止位置の組合せが設定されている。以下の説明では、有効な停止位置の組合せを構成する各停止位置を結んだラインを単に有効ラインNLと示す。また、以下の説明では、有効ラインNL上に停止表示された図柄の組合せが賞を定めた図柄の組合せとなることを単に「入賞」と示す。スロットマシン10では、賞を定めた図柄の組合せ(役)が入賞すると、該入賞した図柄の組合せに対応付けられた賞が付与される。なお、有効な停止位置の組合せ以外の組合せは、停止表示された図柄の組合せを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組合せ(所謂、無効ライン)となる。
また、前面扉12の前面には、変動ゲームに関わる各種の情報を表示する情報表示部17が配設されている。情報表示部17には、投入可能表示用ランプ、再遊技表示用ランプ、ウェイト表示用ランプ、状態ランプ、賭数表示部、貯留枚数表示部、賞枚数表示部、及びエラー表示部17aが設けられている。
投入可能表示用ランプは、遊技媒体としての遊技メダルYM(以下、単にメダルYMと示す)をベット可能な状態、及び投入したメダルYMをスロットマシン10の機内部にクレジットとして記憶可能な状態のときに点灯する。以下の説明では、変動ゲームにおいてベットされたメダルYMの枚数を「ベット数(賭数)」と示し、1回の遊技においてベットを許容されるメダルYMの最大枚数を「最大ベット数(最大賭数)」と示す。また、以下の説明では、メダルYMの個数を、メダルYMの枚数と示す場合がある。
再遊技表示用ランプは、再遊技(リプレイ)作動時である場合に点灯する。ウェイト表示用ランプは、ウェイトタイム中に開始操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、変動ゲームの単位時間当りの実行回数が規定回数を超えないように設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中に開始操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リールの回転が開始するように設定されている。状態ランプは、変動ゲームの進行に合わせて点灯/消灯をする。
また、賭数表示部は、3つの発光部から構成されており、変動ゲームのベット数に応じてランプが点灯する。1ベットで1つのランプが点灯し、2ベットで2つのランプが点灯し、3ベットで全てのランプが点灯する。貯留枚数表示部は、機内部で貯留しているクレジット数を表示する。賞枚数表示部は、変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与されるメダルYMの枚数が表示される。また、エラー表示部17aは、スロットマシン10で発生した各種のエラー状態を特定可能なエラー番号を表示する態様によりエラー報知を実行可能である。
前面扉12の前面において、演出表示装置14の右下方には、メダル投入口18が配設されている。前面扉12の前面において、情報表示部17の下方には、BETボタン19が配設されている。BETボタン19は、スロットマシン10の機内部に記憶されているクレジットからメダルYMの1枚分をベットするときに操作するボタンである。前面扉12の前面において、情報表示部17の右方には、MAXBETボタン20が配設されている。MAXBETボタン20は、スロットマシン10の機内部に記憶されているクレジットから、最大ベット数までをベットするときに操作するボタンである。
また、前面扉12の前面において、BETボタン19の右方には、精算ボタン21が配設されている。精算ボタン21は、ベットされたメダルYM、又は機内部に記憶されているクレジットを払い戻すときに操作するスイッチである。
前面扉12の前面において、精算ボタン21の右方には、スタートレバー22が配設されている。スタートレバー22は、各リール13a〜13cにおいて図柄の変動を開始させる契機となる開始操作を可能である。即ち、スタートレバー22は、開始操作手段として機能し得る。前面扉12の前面において、演出表示装置14の下方には、第1ストップボタン23a、第2ストップボタン23b、及び第3ストップボタン23cが左からこの順で並ぶように配設されている。第1ストップボタン23aは第1リール13aと、第2ストップボタン23bは第2リール13bと、第3ストップボタン23cは第3リール13cと各別に対応付けられている。そして、各ストップボタン23a〜23cは、対応付けられたリールにおいて図柄を導出表示させる契機となる停止操作(導出操作)をそれぞれ可能である。したがって、各ストップボタン23a〜23cは、停止操作手段(導出操作手段)として機能し得る。
また、前面扉12の前面における下部中央には、メダル排出口24が形成されている。また、前面扉12の前面における下部には、メダル排出口24から排出されたメダルYMを受ける受皿25が配設されている。また、前面扉12の前面には、前面扉12を開放するための開放錠12aが配設されている。スロットマシン10では、開放錠12aに対して該開放錠12aに適合するカギを挿入するとともに、該カギを所定方向に回動させることにより、開放錠12aによる施錠が解除され、前面扉12を開放可能となる。開放錠12aには、開放錠12aが開錠されたこと、即ち前面扉12が開放されていることを検知する扉開放センサSE4(図5に示す)が設けられている。
図2に示すように、スロットマシン10の機内部であって、本体キャビネット11の底板11aには、ホッパーユニット26が固定されている。ホッパーユニット26は、メダルYMを貯留可能に構成された貯留部としての貯留ボックス27と、該貯留ボックス27を支持する支持台28とを有する。支持台28は、図示しない払出しディスク(回転体)と、該払出しディスクを回転させる第4アクチュエータA4(図5に示す)と、メダルYMの払出口28aとを有する。第4アクチュエータA4は、例えばステッピングモータである。ホッパーユニット26は、内蔵された払出しディスクを第4アクチュエータA4により回転させることにより、貯留ボックス27内に貯留されているメダルYMを払出口28aから払出すように構成されている。ホッパーユニット26は、主には各リール13a〜13cに導出表示された図柄の組合せが所定の図柄の組合せとなったことを条件として、貯留ボックス27にて貯留されているメダルYMを払い出す。
また、前面扉12の裏面には、各種のエラー報知を解除するためのエラー解除ボタンSWが設けられている。エラー解除ボタンSWは、前面扉12の裏面に配設されていることから、原則として前面扉12を開放しなければ操作不能である。本実施形態のエラー解除ボタンSWは、機内部に配設されたエラー解除用の操作手段として機能し得る。以下の説明では、エラー解除ボタンSWの操作を単に「エラー解除操作」と示す。
図3に示すように、前面扉12の裏面には、メダル投入口18から投入されたメダルYMを受け入れ可能となるように、セレクタとしてのメダルセレクタ30が配設されている。メダルセレクタ30は、メダル投入口18から投入されたメダルYMを最初に受け入れる第1メダル通路31を有する。
第1メダル通路31は、上下方向に沿って延在している。第1メダル通路31は、前後方向と直交する平面内において、第1メダル通路31が延びる方向と直交する方向における幅がメダルYMの直径と略同一、又は僅かに大きい。また、第1メダル通路31は、前後方向における長さがメダルYMの厚さと略同一、又は僅かに大きい。即ち、第1メダル通路31は、メダルYMが1枚ずつ通過可能な大きさに形成されている。
また、メダルセレクタ30は、第1メダル通路31の下端部に設けられた分岐部31aから下方に向かって延びる第2メダル通路32と、分岐部31aから左方(紙面では右方)に向かって僅かに下るように延びる第3メダル通路33とを有する。第2メダル通路32は、前後方向と直交する平面内において、第2メダル通路32が延びる方向と直交する方向における幅がメダルYMの直径と略同一、又は僅かに大きい。また、第2メダル通路32は、前後方向における長さがメダルYMの厚さと略同一、又は僅かに大きい。即ち、第2メダル通路32は、メダルYMが1枚ずつ通過可能な大きさに形成されている。また、第3メダル通路33は、第2メダル通路32と同様にしてメダルYMが1枚ずつ通過可能な大きさに形成されている。
メダルセレクタ30の下縁部には、第2メダル通路32を通過するメダルYMが排出される開口部32aが設けられている。メダルセレクタ30の左縁部(紙面では右縁部)には、第3メダル通路33を通過するメダルYMが排出される第3メダル通路33の開口部33aが設けられている。
第3メダル通路33において、分岐部31aより下流側には、ブロッカ35が配設されている。ブロッカ35は、図示しないソレノイドの動作によって、第1メダル通路31を流下するメダルYMを分岐部31aから第3メダル通路33に受け入れ可能な第1状態(ON状態)と、メダルYMを分岐部31aから第3メダル通路33に受け入れ不能であって第2メダル通路32へ案内する第2状態(OFF状態)とに変位可能である。
また、メダルセレクタ30には、メダルYMを検知するためのセンサとして、第1投入センサSE5、第2投入センサSE6、及び第3投入センサSE7が配設されている。各投入センサSE5,SE6は、第3メダル通路33においてブロッカ35の下流側に配設されている。第1投入センサSE5は、第2投入センサSE6よりも上流側に配設されている。また、第3投入センサSE7は、分岐部31aより上流側の第1メダル通路31、即ち各投入センサSE5,SE6よりも上流側に配設されている。各投入センサSE5,SE6は、例えばフォトセンサであり、第3投入センサSE7は、例えば機械式のスイッチである。本実施形態において、メダルセレクタ30に配設された各投入センサのうち、投入センサSE5,SE6は、メダルセレクタ30に配設されておりメダルYMを検知可能な第1検知手段として機能する。
また、前面扉12の裏面には、メダルセレクタ30の開口部33aから排出されたメダルYMを受け入れてホッパーユニット26へ案内する樋状のシュート部材40が配設されている。シュート部材40は、メダルセレクタ30から左方(紙面では右方)に向かって延びる第1延出部40aと、該第1延出部40aの先端において後方(ホッパーユニット26)に向かって緩やかに湾曲(屈曲)する湾曲部40bと、該湾曲部40bから後方に向かって延びる第2延出部40cとを有する。シュート部材40は、上方から見たときに、その全体として逆L字型である。
そして、シュート部材40は、その延びる方向と直交する平面で切断したときの断面の形状が底面41を有する略V字型の部材である。また、シュート部材40の底面41は、メダルセレクタ30に接続されている基端部40dから、ホッパーユニット26側の先端部40eに向かって下方に下がるように、緩やかに傾斜している。したがって、シュート部材40には、図中において矢印Y1で示すように、メダルYMがシュート部材40の基端部40dから先端部40eに向かって転動可能な誘導路42が形成されている。
また、図4(a)及び(b)に示すように、誘導路42において、シュート部材40が延びる方向と上下方向とに直交する方向の長さ(以下、単に幅方向と示す)は、2枚のメダルYMの厚さの和と略同一に設定されている。このため、スロットマシン10では、メダルYMが誘導路42をホッパーユニット26に向かって容易に転動(流下)できるようになっている。その一方で、本実施形態のスロットマシン10において、メダルYMは、誘導路42をシュート部材40の幅方向に重なった状態で転動する可能性がある。即ち、誘導路42の全体は、複数のメダルYMが進行方向に対して直交する方向に重なった状態で通過可能な通過部となる。そして、誘導路42は、シュート部材40の湾曲部40bに沿って湾曲している。
また、第3メダル通路33(各投入センサSE5,SE6によるメダルYMの検出位置)、及び誘導路42から構成されるメダルYMの案内通路ATの全長は、11枚のメダルYMの直径の和と同一、又は略同一の長さに設定されている。即ち、案内通路ATには、メダルYMが幅方向に重ならない状態である前提のもと、最大で規定枚数(規定個数)としての11枚のメダルYMが滞留し得るようになっている。なお、案内通路ATには、メダルYMが幅方向に重なることで、11枚を超える枚数のメダルYMが滞留する可能性もある。
また、シュート部材40の先端部40eには、誘導路42を転動するメダルYMを検知可能な第2検知手段としての第4投入センサSE8が配設されている。第4投入センサSE8は、機械式のセンサ(検知装置)である。詳しく説明すると、第4投入センサSE8は、シュート部材40の先端部40eにおいて、誘導路42における上方の開口部を覆うハウジング部材45と、該ハウジング部材45から誘導路42内に垂下された検出片46とを有する。検出片46は、先端部40eにおいて幅方向に延びる回動軸46aを中心として、誘導路42が延びる方向に回動可能であって、その下端部(先端部)が誘導路42を転動するメダルYMに接触可能となるように、ハウジング部材45に対して支持されている。回動軸46aが延びる方向における検出片46の長さは、誘導路42を2枚のメダルYMが重なった状態で転動している場合であっても、その少なくとも何れかのメダルYMと接触可能な大きさである。
検出片46は、誘導路42を転動するメダルYMと接触することにより、メダルYMと接触していない非検出位置P0と、下端部が回動軸46aよりもホッパーユニット26側において上方へ向かって回動した検出位置P1との間で変位可能である。また、検出片46は、非検出位置P0から検出位置P1(ホッパーユニット26)側とは反対方向へ回動不能に構成されている。このため、誘導路42において、メダルYMは、検出片46によって、該検出片46より下流側から上流側へ向かって移動することが規制されている。したがって、第4投入センサSE8は、メダルYMがメダル投入口18へ向かう方向へ移動することを規制する規制機構としても機能し得る。
また、第4投入センサSE8は、検出片46が検出位置P1に位置していることを検出可能な検出部47を有している。検出部47は、ハウジング部材45に収容されている。検出部47は、例えばフォトセンサである。本実施形態において、第4投入センサSE8は、誘導路42からホッパーユニット26に向かって排出されるメダルYMを検知可能に構成されている。
また、図2に示すように、前面扉12の裏面には、メダルセレクタ30の開口部32aから排出されたメダルYMをメダル排出口24へ案内する排出通路34が配設されている。排出通路34には、ホッパーユニット26の払出口28aから払出されたメダルYMを受け入れる受入口34aが設けられている。
次に、スロットマシン10の電気的構成を説明する。
図5に示すように、スロットマシン10の機内部には、遊技の進行に関する各種の処理を行うとともに、該処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)を出力する主基板100が配設されている。また、スロットマシン10の機内部には、主基板100から入力される各種の制御信号に基づいて、演出の実行に関する各種の処理を行う副基板200が配設されている。副基板200は、演出表示装置14による表示演出、装飾ランプLAによる発光演出、及びスピーカSPによる音声演出の実行を制御する。
まず、主基板100について詳しく説明する。
主基板100は、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU100aと、主制御用CPU100aの制御プログラムを格納する主制御用ROM100bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM100cとを備えている。
主制御用CPU100aには、リールセンサSE1〜SE3が接続されている。主制御用CPU100aには、有効ラインNLを通過中である図柄、又は有効ラインNLに停止されている図柄を特定するための図柄信号がリールセンサSE1〜SE3から入力される。
主制御用CPU100aには、扉開放センサSE4が接続されている。主制御用CPU100aには、開放錠12aが開錠されると、扉開放センサSE4から前面扉12が開放されていることを示す開放信号が入力される。以下の説明において、「扉開放センサSE4がONする」とは、扉開放センサSE4が開放信号を出力することを意味し、「扉開放センサSE4がOFFする」とは、扉開放センサSE4が開放信号の出力を停止することを意味する。
主制御用CPU100aには、投入センサSE5〜SE8が接続されている。主制御用CPU100aには、投入センサSE5〜SE8においてメダルYMが検知されると、該メダルYMを検知したことを示すメダル検知信号がそれぞれから入力される。以下の説明において、「投入センサがONする」とは、投入センサがメダル検知信号を出力することを意味し、「投入センサがOFFする」とは、投入センサがメダル検知信号の出力を停止することを意味する。
主制御用CPU100aには、エラー解除ボタンSWが接続されている。主制御用CPU100aには、エラー解除ボタンSWが操作されると、該エラー解除ボタンSWが操作されたことを示す操作信号が入力される。以下の説明において、「エラー解除ボタンSWがONする」とは、エラー解除ボタンSWが操作信号を出力することを意味し、「エラー解除ボタンSWがOFFする」とは、エラー解除ボタンSWが操作信号の出力を停止することを意味する。
主制御用CPU100aには、エラー表示部17aを含む情報表示部17が接続されている。主制御用CPU100aには、BETボタン19と、MAXBETボタン20と、精算ボタン21と、スタートレバー22と、各ストップボタン23a〜23cとが接続されている。主制御用CPU100aには、BETボタン19、MAXBETボタン20、精算ボタン21、スタートレバー22及びストップボタン23a〜23cが操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種の操作信号が入力される。
また、主制御用CPU100aには、アクチュエータA1〜A3が接続されている。主制御用CPU100aは、各アクチュエータA1〜A3に対して、所定の作動信号(駆動信号)を出力することにより駆動させ、各リール13a〜13cを各別に回転及び停止させる。主制御用CPU100aには、第4アクチュエータA4が接続されている。主制御用CPU100aは、第4アクチュエータA4に対して所定の作動信号(駆動信号)を出力することにより駆動させ、払出しディスクを回転及び停止させる。以下の説明では、払出しディスクを回転させるホッパーユニット26の動作を単に「払出動作」と示す。
また、主基板100では、各種の抽選処理に用いられる乱数が生成される。この乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成したり、主制御用CPU100aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成したりできる。主基板100において生成される乱数には、変動ゲームにおいて導出表示(入賞)可能な図柄の組合せ(役)を特定可能な当選情報(例えば当選番号など)を決定するのに用いられる当選情報決定用乱数がある。なお、本実施形態のスロットマシン10において、各当選情報には、変動ゲームにおいて導出表示可能な図柄の組合せが1つ、又は複数対応付けられている。
また、主制御用ROM100bには、主制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM100bには、変動ゲームに関する処理の実行に用いられる各種のテーブルが記憶されている。このようなテーブルには、例えば複数の当選情報の中から当選情報を決定するための当選情報決定テーブルなどがある。また、主制御用RAM100cには、前述したクレジットなど、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶される。
次に、副基板200について詳しく説明する。
副基板200は、制御動作を所定の手順で実行する副制御用CPU200aと、副制御用CPU200aの制御プログラムを格納する副制御用ROM200bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM200cとを備えている。副制御用CPU200aには、演出表示装置14、装飾ランプLA、及びスピーカSPが接続されている。また、副基板200では、各種の抽選処理に用いられる乱数が生成される。この乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成したり、副制御用CPU200aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成したりできる。
また、副制御用ROM200bには、副制御プログラムが記憶されている。また、副制御用ROM200bには、演出表示装置14における表示演出の態様を特定可能な表示演出パターン、スピーカSPにおける音声演出の態様を特定可能な音声演出パターン、及び装飾ランプLAにおける発光演出の態様を特定可能な発光演出パターンが記憶されている。また、副制御用RAM200cには、スロットマシン10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶される。例えば、副制御用RAM200cには、内部状態に関するフラグなどの状態情報が副制御用CPU200aにより記憶される。
そして、副制御用CPU200aは、主基板100(主制御用CPU100a)から入力した各種のコマンドに基づいて演出を実行させるように演出表示装置14、装飾ランプLA、及びスピーカSPを制御する。この演出には、例えば所定の図柄の組合せを導出表示させるために必要なストップボタン23a〜23cの押し順を遊技者に報知する押し順報知演出や、導出表示を可能と決定された図柄の組合せ(役)を遊技者に示唆する示唆演出などがある。また、副制御用CPU200aは、ボーナス遊技中などといったスロットマシン10の内部状態に対応させて演出を行わせることもできる。
以下、主制御用CPU100aが主制御プログラムに基づき実行する変動ゲームに関する処理(遊技進行処理)について説明する。
図6に示すように、主制御用CPU100aは、遊技開始セット処理を行う(ステップS101)。遊技開始セット処理において、主制御用CPU100aは、スロットマシン10の遊技状態やリールユニット13を用いた演出に関するフラグなどの情報の記憶や、主制御用RAM100cにおける所定の記憶領域の初期化などを行う。
次に、主制御用CPU100aは、メダルのベット受付を開始する(ステップS102)。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10の遊技状態をチェックする(ステップS103)。ステップS103において、主制御用CPU100aは、スロットマシン10の遊技状態がボーナス遊技であるか否かなどを特定する。
次に、主制御用CPU100aは、再遊技動作時であるか否かを判定する(ステップS104)。主制御用CPU100aは、再遊技作動時ではない場合(ステップS104:NO)、各投入センサSE5,SE6からのメダル検知信号の入力等に基づいて、今回の変動ゲームにおけるベット数を設定するメダル管理処理を行う(ステップS105)。このメダル管理処理の詳細については後述する。主制御用CPU100aは、再遊技作動時である場合(ステップS104:YES)、又はステップS105の処理を終了した場合、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知するためのエラー表示設定処理を行う(ステップS106)。このエラー表示設定処理の詳細については後述する。
次に、主制御用CPU100aは、今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致するか否かを判定する(ステップS107)。なお、主制御用CPU100aは、再遊技動作時である場合(ステップS104:YES)、前回の変動ゲームにおけるベット数を今回の変動ゲームにおけるベット数として再設定する。
今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致しない場合(ステップS107:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS103の処理に移行する。即ち、ステップS107において、主制御用CPU100aは、変動ゲームを開始可能な状態であるか否かを判定している。一方、今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致する場合(ステップS107:YES)、主制御用CPU100aは、スタートレバー22による開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108において、主制御用CPU100aは、スタートレバー22から操作信号を入力した場合には肯定判定する一方で、スタートレバー22から操作信号を入力しない場合には否定判定する。開始操作を受け付けていない場合(ステップS108:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS103の処理へ移行する。
一方、開始操作を受け付けた場合(ステップS108:YES)、主制御用CPU100aは、メダルの投入枚数が正常であるか否かを判定する(ステップS109)。メダルの投入枚数が正常ではない場合(ステップS109:NO)、主制御用CPU100aは、復帰不可能エラー表示をさせる処理を行う(ステップS110)。復帰不可能エラーには、エラー番号としてEEが設定されている。ステップS110において、主制御用CPU100aは、メダルの投入枚数異常が発生したことを特定可能な情報(エラー番号)として、「EE」の文字が表示されるようにエラー表示部17aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU100aは、メダルの投入枚数異常に対応するエラー報知の表示開始を指示するためのサブ制御コマンド(以下、報知開始コマンドと示す)を生成し、副基板200に出力する制御を行う。その後、主制御用CPU100aは、電源断が行われるまで待機する。
メダルの投入枚数が正常である場合(ステップS110:NO)、主制御用CPU100aは、当選情報を決定する(ステップS111)。ステップS111において、主制御用CPU100aは、当選情報決定用乱数の値を用いた抽選により1つの当選情報を決定する。ステップS111の処理は、スロットマシン10において内部的に行う役抽選(内部抽選)となる。また、主制御用CPU100aは、ステップS111の処理において、変動ゲームの開始を指示するとともに、決定した当選情報から特定可能な図柄の組合せ(役)を示す変動ゲーム開始コマンドを生成し、副基板200に出力する制御を行う。
次に、主制御用CPU100aは、最短遊技時間(ウェイトタイム)が経過したか否かを判定する(ステップS112)。最短遊技時間が経過していない場合(ステップS112:NO)、主制御用CPU100aは、最短遊技時間が経過するまで待機する。最短遊技時間が経過している場合(ステップS112:YES)、主制御用CPU100aは、アクチュエータA1〜A3に作動信号(駆動信号)を出力して各リール13a〜13cの回転を開始させ、変動ゲームを開始させる(ステップS113)。
続けて、主制御用CPU100aは、各ストップボタン23a〜23cの何れかによる停止操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS114)。ステップS114において、主制御用CPU100aは、ストップボタン23a〜23cの何れかから操作信号を入力した場合には肯定判定する一方で、ストップボタン23a〜23cの何れかから操作信号を入力しない場合には否定判定する。
停止操作を受け付けた場合(ステップS114:YES)、主制御用CPU100aは、決定済みの当選情報とストップボタンの操作タイミングとをもとに、入賞ライン上に停止表示させる図柄を決定し、該決定した図柄を入賞ライン上に停止表示させる図柄組合せ制御を実行する(ステップS115)。
停止操作を受け付けていない場合(ステップS114:NO)、及びステップS115の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、各リール13a〜13cの全てを停止させたか否かを判定する(ステップS116)。各リール13a〜13cのうち1つ以上のリールを停止させていない場合(ステップS116:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS114の処理へ移行する。一方、各リール13a〜13cの全てを停止させている場合(ステップS116:YES)、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知するためのエラー表示設定処理を行う(ステップS117)。このエラー表示設定処理の詳細については後述する。
次に、主制御用CPU100aは、各リールにおいて、有効ラインNL上に停止表示されている図柄の組合せが賞を定めた何れかの図柄の組合せ(役)に対応するものであるか否か、及び対応する場合にはその図柄の組合せ(役)を判定する表示図柄判定を実行する(ステップS118)。即ち、ステップS118において、主制御用CPU100aは、ステップS111の処理で決定した当選情報から特定可能な図柄の組合せに実際に入賞したか否か、及び入賞している場合に入賞した図柄の組合せを判定している。
次に、主制御用CPU100aは、遊技者にメダルの払出しを行うか否かを判定する(ステップS119)。ステップS119において、主制御用CPU100aは、払出役に入賞している場合には肯定判定する一方で、払出役に入賞していない場合には否定判定する。メダルYMの払出しを行う場合(ステップS119:YES)、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット26を駆動してメダルYMを払出すためのメダル払出し処理を実行する(ステップS120)。このように、スロットマシン10では、有効ラインNLに停止表示された図柄の組合せに応じて所定の遊技価値としてメダルの払出しを発生可能である。
主制御用CPU100aは、メダルの払出しを行わない場合(ステップS119:NO)、及びステップS120の処理を終了した場合、1回の変動ゲームを終了させる終了処理を行う(ステップS121)。即ち、本実施形態のスロットマシン10では、図柄の組合せが導出表示されることによって遊技を終了可能となる。ステップS121の終了処理において、主制御用CPU100aは、入賞と判定した図柄の組合せ(役)に応じて内部状態を移行させる制御や、入賞と判定したことを示す入賞指示コマンドを副基板200に出力する制御を行う。この入賞指示コマンドは、変動ゲーム開始コマンドで指示される図柄の組合せ(役)の入賞を副基板200に把握させる。その後、主制御用CPU100aは、1回の変動ゲームの実行に係る遊技進行処理を終了し、再びステップS101の処理へ移行する。
次に、セレクタチェック処理について説明する。主制御用CPU100aは、所定の制御周期毎にセレクタチェック処理を実行する。
図7に示すように、セレクタチェック処理において、主制御用CPU100aは、メダルセレクタ30をメダルYMが通過したか否かを判定する(ステップS201)。ステップS201の処理において、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5,SE6から入力するメダル検知信号に基づいてメダルセレクタ30をメダルYMが通過したか否かを判定する。
メダルセレクタ30をメダルYMが通過していない場合(ステップS201:NO)、主制御用CPU100aは、セレクタチェック処理を終了する。その一方で、メダルセレクタ30をメダルYMが通過した場合(ステップS201:YES)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに記憶されている通過枚数チェック用カウンタCTの値を、1加算後のメダルYMの枚数を示す値に更新する(ステップS202)。通過枚数チェック用カウンタCTは、主制御用CPU100aが案内通路ATにあるメダルYMの枚数(個数)を管理(推定)するための情報となる。以下の説明では、案内通路ATにあるメダルYMの枚数を、単に「滞留メダル枚数」と示す。このように、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5,SE6によりメダルYMが検知されると、管理している滞留メダル枚数(メダルYMの個数)に加算するようになっている。その後、主制御用CPU100aは、セレクタチェック処理を終了する。
次に、入力エラーチェック処理について説明する。主制御用CPU100aは、所定の制御周期毎に入力エラーチェック処理を実行する。
図8に示すように、主制御用CPU100aは、第3投入センサSE7がONしたか否かを判定する(ステップS301)。第3投入センサSE7がONしている場合(ステップS301:YES)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに記憶されている第3投入センサSE7用の監視タイマを読込む(ステップS302)。なお、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理とは別の処理において、第3投入センサSE7がONしたことを契機として、第3投入センサSE7用の監視タイマの値(例えば1秒)を主制御用RAM100cに記憶させる。そして、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理とは別の処理において、制御周期ごとに、該制御周期に相当する時間を第3投入センサSE7用の監視タイマから減算して更新するようになっている。
次に、主制御用CPU100aは、第3投入センサSE7用の監視タイマが終了しているか否かを判定する(ステップS303)。ステップS303の処理において、主制御用CPU100aは、読込んだ第3投入センサSE7用の監視タイマの値がゼロとなっている場合に肯定判定する一方で、第3投入センサSE7用の監視タイマの値がゼロとなっていない場合に否定判定する。
第3投入センサSE7用の監視タイマが終了している場合(ステップS303:YES)、主制御用CPU100aは、メダルセレクタ30においてメダル詰まりのエラー状態(異常状態)が発生したことを特定可能な情報として第1メダル詰まりフラグを主制御用RAM100cにセットする(ステップS304)。即ち、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに第1メダル詰まりフラグを記憶させる。
このように、第3投入センサSE7がONしてから、第3投入センサSE7用の監視タイマが終了する迄の間に第3投入センサSE7がOFFしないことは、メダルYMの所定の検知態様の一つとなる。一方、第3投入センサSE7がONしていない場合(ステップS301:NO)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに記憶されている第3投入センサSE7用の監視タイマの値をクリアする(ステップS305)。
監視タイマが終了していない場合(ステップS303:NO)、ステップS304の処理を終了した場合、又はステップS305の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック処理を実行する(ステップS306)。通過枚数チェック処理は、詳しくは後述するように、各投入センサSE5,SE6によるメダルYMの検知と第4投入センサSE8によるメダルYMの検知とをもとに、通過枚数チェック用カウンタCTを更新し、案内通路ATに滞留しているメダルYMの枚数を管理するための処理である。
次に、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数、即ち管理している滞留メダル枚数が規定枚数(規定個数)であるか否かを判定する(ステップS307)。本実施形態において、判定基準となる規定枚数には、メダルYMが幅方向に重ならない状態において、案内通路ATに滞留可能なメダルYMの枚数である11枚が設定されている。
通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数が規定枚数である場合(ステップS307:YES)、主制御用CPU100aは、案内通路ATにおいてメダル滞留のエラー状態(異常状態)が発生していることを特定可能な情報としてメダル滞留フラグを主制御用RAM100cにセットする(ステップS308)。即ち、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cにメダル滞留フラグを記憶させる。メダル滞留のエラー状態は、メダルYMが誘導路42の幅方向に重なった状態となることで、案内通路ATに過剰な個数のメダルYMが滞留していることが推定される状態である。本実施形態において、通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数、即ち案内通路ATに滞留していると推定されるメダルYMの枚数が規定枚数となることは、各投入センサSE5,SE6,SE8によるメダルYMの検知態様のうち特定の検知態様となる。そして、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数が規定枚数となることをエラー状態(異常状態)として検出する検出手段として機能する。
通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数が規定枚数ではない場合(ステップS307:NO)、及びステップS308の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であるか否かを判定する(ステップS309)。詳しく説明すると、ステップS309の処理において、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であることを特定可能な情報(フラグなど)が主制御用RAM100cに設定されている場合に肯定判定する一方で、設定されていない場合に否定判定する。投入要求可状態ではない場合(ステップS309:NO)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに記憶されている第2投入センサSE6用の監視タイマを読込む(ステップS310)。なお、入力エラーチェック処理とは別の処理において、主制御用CPU100aは、第2投入センサSE6がONしたことを契機として、第2投入センサSE6用の監視タイマの値を主制御用RAM100cに記憶させる。そして、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理とは別の処理において、制御周期ごとに、該制御周期に相当する時間を第2投入センサSE6用の監視タイマから減算して更新するようになっている。
次に、主制御用CPU100aは、第2投入センサSE6がONしたか否かを判定する(ステップS311)。第2投入センサSE6がONした場合(ステップS311:YES)、主制御用CPU100aは、第2投入センサSE6用の監視タイマが終了したか否かを判定する(ステップS312)。ステップS312の処理において、主制御用CPU100aは、読込んだ第2投入センサSE6用の監視タイマの値がゼロとなっている場合に肯定判定する一方で、第2投入センサSE6用の監視タイマの値がゼロとなっていない場合に否定判定する。
第2投入センサSE6用の監視タイマが終了している場合(ステップS312:YES)、主制御用CPU100aは、投入要求可状態ではないにもかかわらず第2投入センサSE6においてメダルが検知されるメダル詰まりが発生したことを特定可能な情報として第2メダル詰まりフラグを主制御用RAM100cにセットする(ステップS313)。即ち、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに第2メダル詰まりフラグを記憶させる。このように、投入要求不可状態において第2投入センサSE6がONされることは、メダルYMの所定の検知態様の一つとなる。
投入要求可状態である場合(ステップS309:YES)、第2投入センサSE6がONしていない場合(ステップS311:NO)、第2投入センサSE6用の監視タイマが終了していない場合(ステップS312:NO)、又はステップS313の処理が終了している場合、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理を終了する。このように、本実施形態のスロットマシン10では、制御周期ごとに主制御用CPU100aが入力エラーチェック処理を実行することにより、メダルセレクタ30のメダル詰まり、及び案内通路ATにおけるメダルYMの滞留が検出され、該検出結果に対応する情報(フラグ)が主制御用RAM100cに記憶される。
次に、入力エラーチェック処理におけるステップS306において実行される通過枚数チェック処理について説明する。
図9に示すように、通過枚数チェック処理において、主制御用CPU100aは、第4投入センサSE8がONしたか否かを判定する(ステップS401)。第4投入センサSE8がONしていない場合(ステップS401:NO)、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック処理を終了する。その一方で、第4投入センサSE8がONしている場合(ステップS401:YES)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに記憶されている通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数が0(零)であるか否かを判定する(ステップS402)。
通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数が0(零)である場合(ステップS402:YES)、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック処理を終了する。その一方で、通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数が0(零)ではない場合(ステップS402:NO)、主制御用CPU100aは、1減算後の枚数を示す値に通過枚数チェック用カウンタCTを更新する(ステップS403)。
次に、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数が0(零)であるか否かを判定する(ステップS404)。通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数が0(零)である場合(ステップS404:YES)、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック処理を終了する。その一方で、通過枚数チェック用カウンタCTに示されるメダルYMの枚数が0(零)ではない場合(ステップS404:NO)、主制御用CPU100aは、1減算後の枚数を示す値に通過枚数チェック用カウンタCTを更新する(ステップS403)。その後、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック処理を終了する。
以上のように、主制御用CPU100aは、第4投入センサSE8によりメダルYMが検知されると管理している滞留メダル枚数から減算する。そして、主制御用CPU100aは、管理している滞留メダル枚数が2枚(所定個数)に達していないときには、1枚(第1個数)を減算する一方で、管理している滞留メダル枚数が2枚に達しているときには1枚より多い2枚(第2個数)を減算するようになっている。このように、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5,SE6(第1検知手段)及び第4投入センサSE8(第2検知手段)による検知結果をもとにメダルYMの個数を管理するようになっている。
次に、遊技進行処理のステップS105において実行されるメダル管理処理について説明する。
図10に示すように、メダル管理処理において、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であるか否かを判定する(ステップS501)。詳しく説明すると、ステップS501の処理において、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であることを特定可能なフラグなどの情報が主制御用RAM100cに記憶されている場合に肯定判定する一方で、記憶されていない場合に否定判定する。投入要求可状態である場合(ステップS501:YES)、主制御用CPU100aは、メダルが通過可能なON状態(第1状態)にブロッカ35を制御しているか否かを判定する(ステップS502)。前述のように、メダル投入口18から投入されたメダルは、ブロッカ35がON状態に制御されている場合に第3メダル通路33へ案内される。ブロッカ35をON状態に制御している場合(ステップS502:YES)、主制御用CPU100aは、メダルYMがメダルセレクタ30を通過したか否かを判定する(ステップS503)。ステップS503の処理において、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5,SE6の何れかがONしている場合に肯定判定する一方で、各投入センサSE5,SE6の何れもOFFしている場合に否定判定する。
第3メダル通路33をメダルYMが通過した場合(ステップS503:YES)、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5,SE6からのメダル検知信号の入力に基づいてベット数やクレジットを加算するための投入チェック処理を実行する(ステップS504)。この投入チェック処理の詳細については後述する。その後、主制御用CPU100aは、メダル管理処理を終了する。
投入要求可状態ではない場合(ステップS501:NO)、ブロッカ35をON状態に制御していない場合(ステップS502:NO)、又は第3メダル通路33をメダルYMが通過していない場合(ステップS503:NO)、主制御用CPU100aは、精算ボタン21がON(操作)されたか否かを判定する(ステップS505)。ステップS505の処理において、主制御用CPU100aは、精算ボタン21から操作信号を入力した場合に肯定判定する一方で、操作信号を入力していない場合に否定判定する。
精算ボタン21がONされた場合(ステップS505:YES)、主制御用CPU100aは、精算メダルがあるか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに1以上のクレジットが記憶されている場合に肯定判定する一方で、1以上のクレジットが記憶されていない場合に否定判定する。精算メダルがある場合(ステップS506:YES)、主制御用CPU100aは、投入要求不可状態をセットする(ステップS507)。詳しく説明すると、ステップS507の処理において、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であることを特定可能なフラグなどの情報を消去(クリア)する。
次に、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット26の第4アクチュエータA4を駆動して払出しディスクを回転させ、メダルYMを払出すためのメダル払出し処理を実行する(ステップS508)。次に、主制御用CPU100aは、投入要求可状態をセットする(ステップS509)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であることを特定可能なフラグなどの情報を主制御用RAM100cに記憶させる。そして、精算ボタン21がONされていない場合(ステップS505:NO)、精算メダルがない場合(ステップS506:NO)、又はステップS509の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、メダル管理処理を終了する。
次に、メダル管理処理のステップS504において実行される投入チェック処理について説明する。
図11に示すように、投入チェック処理において、主制御用CPU100aは、第1投入センサSE5及び第2投入センサSE6によるメダルYMの検知状態の遷移が投入センサ正常遷移とは異なる投入センサ異常遷移に該当するか否かを判定する(ステップS601)。本実施形態の投入センサ正常遷移は、[投入センサSE5,SE6=OFF]→[第1投入センサSE5=ON,第2投入センサSE6=OFF]→[投入センサSE5,SE6=ON]→[第1投入センサSE5=OFF,第2投入センサSE6=ON]→[投入センサSE5,SE6=OFF]に設定されている。ステップS601において、主制御用CPU100aは、投入センサSE5,SE6によるメダルの検知状態の遷移が上記正常遷移とは異なる場合に肯定判定する。即ち、ステップS601の処理において、主制御用CPU100aは、メダルYMの検知状態の遷移が、メダルYMが第3メダル通路33の上流から下流に向かって通過する正常な通過態様に対応する場合に否定判定する一方で、例えば下流から上流に向かって通過する異常な通過態様に対応する場合に肯定判定する。
投入センサ異常遷移ではない場合(ステップS601:NO)、主制御用CPU100aは、第1投入センサSE5及び第2投入センサSE6によるメダルYMの検知状態の遷移が投入センサ有効遷移とは異なる投入センサ無効遷移に該当するか否かを判定する(ステップS602)。本実施形態の投入センサ無効遷移は、[投入センサSE5,SE6=OFF]→[第1投入センサSE5=ON,第2投入センサSE6=OFF]→[投入センサSE5,SE6=OFF]に設定されている。即ち、ステップS602の処理において、主制御用CPU100aは、第3メダル通路33において上流側に配設されている第1投入センサSE5がONになったにもかかわらず、下流側に配設されている第2投入センサSE6がONにならない場合に肯定判定する。本実施形態において、投入センサ正常遷移及び投入センサ有効遷移は、メダルYMの検知態様の一つとなる。
投入センサ無効遷移である場合(ステップS602:YES)、主制御用CPU100aは、投入チェック処理を終了する。その一方で、投入センサ無効遷移ではない場合(ステップS602:NO)、主制御用CPU100aは、既に設定されているベット数が最大ベット数に達していないときにはベット数に1加算する一方で、ベット数が最大ベット数に達しているときにはクレジットに1加算する(ステップS603)。その後、主制御用CPU100aは、投入チェック処理を終了する。
また、投入センサ異常遷移である場合(ステップS601:NO)、主制御用CPU100aは、メダルYMがメダルセレクタ30を不正通過するエラー状態を特定可能な情報として、エラー番号E3をセットする(ステップS604)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、エラー番号E3を主制御用RAM100cに設定する。
次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップS605)。このエラー表示処理の詳細については後述する。次に、主制御用CPU100aは、投入要求可状態をセットする(ステップS606)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であることを特定可能な情報(フラグなど)を主制御用RAM100cに設定する。その後、主制御用CPU100aは、投入チェック処理を終了する。
次に、遊技進行処理のステップS106,S117において実行されるエラー表示設定処理について説明する。
図12に示すように、エラー表示設定処理において、主制御用CPU100aは、第1メダル詰まりフラグが主制御用RAM100cにセットされているか否かを判定する(ステップS701)。第1メダル詰まりフラグが設定されている場合(ステップS701:YES)、主制御用CPU100aは、メダル詰まりのエラー状態を特定可能な情報としてエラー番号E1をセットする(ステップS702)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、エラー番号E1を主制御用RAM100cに記憶させる。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップS703)。このエラー表示処理の詳細については後述する。続けて、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに設定されている第1メダル詰まりフラグをクリアする(ステップS704)。
第1メダル詰まりフラグがセットされていない場合(ステップS701:NO)、及びステップS704の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、第2メダル詰まりフラグが主制御用RAM100cにセットされているか否かを判定する(ステップS705)。第2メダル詰まりフラグがセットされている場合(ステップS705:YES)、主制御用CPU100aは、メダル詰まりのエラー状態を特定可能な情報としてエラー番号E1をセットする(ステップS706)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、エラー番号E1を主制御用RAM100cに記憶させる。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップS707)。このエラー表示処理の詳細については後述する。続けて、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに設定されている第2メダル詰まりフラグをクリアする(ステップS708)。
第2メダル詰まりフラグが設定されていない場合(ステップS705:NO)、及びステップS708の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、メダル滞留フラグが主制御用RAM100cにセットされているか否かを判定する(ステップS709)。メダル滞留フラグがセットされていない場合(ステップS709:NO)、主制御用CPU100aは、エラー表示設定処理を終了する。その一方で、メダル滞留フラグがセットされている場合(ステップS709:YES)、主制御用CPU100aは、メダル滞留のエラー状態を特定可能な情報としてエラー番号E2をセットする(ステップS710)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、エラー番号E2を主制御用RAM100cに記憶させる。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態(異常状態)を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップS711)。このエラー表示処理の詳細については後述する。続けて、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに設定されているメダル滞留フラグをクリアする(ステップS712)。その後、主制御用CPU100aは、エラー表示設定処理を終了する。
次に、上述した各処理においてサブルーチンとして実行されるエラー表示処理について説明する。
図13に示すように、エラー表示処理において、主制御用CPU100aは、エラー表示要求ありか否かを判定する(ステップS801)。ステップS801の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cにエラー番号E1〜E3の何れかがセット(記憶)されている場合に肯定判定する一方で、エラー番号E1〜E3の何れもセット(記憶)されていない場合に否定判定する。
エラー表示要求なしの場合(ステップS801:NO)、主制御用CPU100aは、エラー表示処理を終了する。その一方で、エラー表示要求ありの場合(ステップS801:YES)、主制御用CPU100aは、表示要求に基づくエラー表示、即ち主制御用RAM100cにセットされているエラー番号が表示されるようにエラー表示部17aの表示内容を制御する(ステップS802)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、エラー番号E1がセットされている場合には「E1」が、エラー番号E2がセットされている場合には「E2」が、エラー番号E3がセットされている場合には「E3」が表示されるようにエラー表示部17aの表示内容を制御する。このように、本実施形態のスロットマシン10において、エラー表示部17aにエラー番号を表示させる制御は、検出されているエラー状態(異常状態)に応じた所定の制御として把握できる。即ち、所定の制御は、異常状態の発生を報知する報知制御として把握可能である。
次に、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cにセットされているエラー番号に基づいて、該エラー番号に対応するエラー報知の表示開始を指示するための制御コマンド(報知開始コマンド)を生成し、所定の出力バッファに設定する(ステップS803)。なお、出力バッファに設定された報知開始コマンドは、次回以降の制御周期における出力処理などにおいて、副基板200(副制御用CPU200a)に対して出力される。
次に、主制御用CPU100aは、待機タイマをセットする(ステップS804)。詳しく説明すると、ステップS804の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに待機タイマとして所定時間(本実施形態では6秒)を設定する。なお、主制御用CPU100aは、待機タイマをセットすると、該待機タイマの値を所定の制御周期ごとに該制御周期に相当する時間を減算して更新するようになっている。
次に、主制御用CPU100aは、待機タイマが終了したか否かを判定する(ステップS805)。ステップS805において、主制御用CPU100aは、減算した結果として待機タイマの値がゼロとなっている場合に肯定判定する一方で、待機タイマの値がゼロとなっていない場合に否定判定する。待機タイマが終了していない場合(ステップS805:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS805の処理を繰り返し実行することにより、待機タイマが終了する迄の間、待機する。
その一方で、待機タイマが終了している場合(ステップS805:YES)、主制御用CPU100aは、所定のエラー解除操作が行われたか否かを判定する(ステップS806)。詳しく説明すると、ステップS806の処理において、主制御用CPU100aは、扉開放センサSE4及びエラー解除ボタンSWが何れもONである場合に肯定判定する。
所定のエラー解除操作がされていない場合(ステップS806:NO)、主制御用CPU100aは、ステップS806の処理を繰り返し実行することにより、所定のエラー解除操作が行われる迄の間、待機する。その一方で、所定のエラー解除操作がされている場合(ステップS806:YES)、主制御用CPU100aは、エラー番号の表示が終了するようにエラー表示部17aの表示内容を制御する(ステップS807)。次に、主制御用CPU100aは、エラー報知の表示終了を指示するためのサブ制御コマンド(以下、報知終了コマンドと示す)を生成し、所定の出力バッファに設定する(ステップS808)。その後、主制御用CPU100aは、エラー表示処理を終了する。
なお、主制御用CPU100aは、エラー表示処理の実行中、即ちエラー報知を実行させている間、変動ゲームを進行させるための処理を行わない。即ち、本実施形態のスロットマシン10では、エラー報知中に変動ゲームの進行が停止されることから、該変動ゲームの進行が停止された状況からエラー状態が発生していることを遊技者に認識させ得る。このため、本実施形態において、変動ゲームの進行を停止(停滞)させることは、エラー報知に関する所定の制御の1つとして把握することも可能である。
以上のように、本実施形態において、エラー表示処理は、検出されているエラー番号E1〜E3のエラー状態に応じた所定の制御として把握できる。そして、エラー表示処理におけるステップS804〜S806の処理により、主制御用CPU100aは、待機タイマが終了する迄の間、扉開放センサSE4及びエラー解除ボタンSWが何れもONとなったとしても、該信号の入力を受付けない、即ちエラー解除操作を受付けないように構成されている。このように、本実施形態の主制御用CPU100aは、検出した異常状態に応じて所定の制御を実行する制御手段として機能する。
次に、副基板200の副制御用CPU200aが演出表示装置14の表示内容を制御してエラー報知を表示させるために実行するエラー報知表示処理について説明する。
エラー報知表示処理において、副制御用CPU200aは、主制御用CPU100aから報知開始コマンドを入力しているか否かを判定する。報知開始コマンドを入力していない場合、副制御用CPU200aは、エラー報知表示処理を終了する。その一方で、副制御用CPU200aは、報知開始コマンドを入力している場合、入力した報知開始コマンドから特定可能な種類のエラー報知が表示されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
詳しく説明すると、図14に示すように、副制御用CPU200aは、エラー番号E1に対応するエラー報知の表示開始を指示されている場合、例えば「メダル詰まり」の文字列を模した画像を表示するなど、エラー番号E1に対応する内容のエラー報知が開始されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。副制御用CPU200aは、エラー番号E2に対応するエラー報知の表示開始を指示されている場合、例えば「メダル滞留」の文字列を模した画像を表示するなど、エラー番号E2に対応する内容のエラー報知が開始されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。副制御用CPU200aは、エラー番号E3に対応するエラー報知の表示開始を指示されている場合、例えば「メダルの不正通過」の文字列を模した画像を表示するなど、エラー番号E3に対応する内容のエラー報知が開始されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。また、副制御用CPU200aは、エラー番号EEに対応するエラー報知の表示開始を指示されている場合、例えば「復帰不可能エラー」の文字列を模した画像を表示するなど、エラー番号EEに対応する内容のエラー報知が開始されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。
また、副制御用CPU200aは、エラー報知を表示させている場合であって、報知終了コマンドを入力したときには、エラー報知の表示が終了されるように演出表示装置14の表示内容を制御する。なお、副制御用CPU200aは、報知開始コマンドを入力してから、報知終了コマンドを入力する迄の間、継続してエラー報知を表示させ続けるようになっている。
次に、上記のように構成したスロットマシン10の作用について説明する。
図14に示すように、本実施形態の主制御用CPU100aは、第3投入センサSE7が所定時間(本実施形態では1秒間)継続してONしたか否かにより、メダルセレクタ30にメダル詰まりのエラー(エラー番号E1)が発生していることを検出する。また、主制御用CPU100aは、ブロッカ35によって第2メダル通路32へのメダルYMの流入が規制されている投入要求不可状態において、第2投入センサSE6がONしたか否かにより、メダルセレクタ30にメダル詰まりのエラー状態(エラー番号E1)が発生していることを検出する。これら、エラー番号E1のエラー状態は、実際にメダル詰まりが発生している状況の他にも、不正な遊技行為(所謂ゴト行為)を行う遊技者によって、メダルYMを投入することなくベット数やクレジットを増加させようとすること、即ちメダルYMの投入に関する不正行為が行われている可能性があるエラー状態となる。
また、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5,SE6,SE8の検知結果をもとに管理(推定)している滞留メダル枚数が11枚となったか否かにより、案内通路ATに過剰なメダルYMが滞留しているメダル滞留のエラー状態(エラー番号E2)が発生していることを検出する。エラー番号E2のエラー状態は、エラー番号E1のエラー状態と同様に、実際にメダルYMが滞留している状況の他にも、不正な遊技行為(所謂ゴト行為)を行う遊技者によって、メダルYMの投入に関する不正行為が行われている可能性があるエラー状態となる。
そして、図4(a)及び(b)に示すように、誘導路42は、複数のメダルYMが幅方向に重なった状態で同時に通過可能に構成されている。したがって、第4投入センサSE8がONしたときには、1枚のメダルYMが第4投入センサSE8を通過している場合のほかにも、2枚のメダルYMが第4投入センサSE8を通過している可能性がある。第4投入センサSE8が1回ONする毎に滞留メダル枚数を1減算する構成を採用した場合には、2枚のメダルYMが同時に第4投入センサSE8を通過したことを契機として、実際の滞留メダル枚数よりも1枚多い滞留メダル枚数が主制御用RAM100cに記憶される。このような場合には、実際の滞留メダル枚数と、主制御用CPU100aが管理している滞留メダル枚数とが乖離してしまい、メダル滞留のエラー状態(エラー番号E2)が過度に検出されてしまう虞がある。本実施形態では、上述のような誘導路42の構成を考慮し、管理している滞留メダル枚数が2枚以上である場合には、滞留メダル枚数を2減算するようにしている。これにより、本実施形態のスロットマシン10では、メダル滞留のエラー状態(エラー番号E2)が過度に検出されてしまうことを抑制できる。
また、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5,SE6によるメダルの検知状態の遷移が投入センサ異常遷移に該当するか否かにより、メダルセレクタ30内をメダルが不正通過するエラー状態(エラー番号E3)が発生していることを検出する。投入センサ異常遷移は、メダル投入口18からメダルを正常に投入する場合におけるメダルの検知状態の遷移とは異なる遷移を示すものである。このため、エラー番号E3のエラー状態は、エラー番号E1のエラー状態と同様に、メダルの投入に関する不正行為が行われている可能性があるエラー状態となる。
そして、本実施形態のスロットマシン10では、セットされたエラー番号に対応する内容のエラー報知が演出表示装置14とエラー表示部17aとで実行されるようになっている。このため、本実施形態では、スロットマシン10において発生したエラーを遊技者や遊技店の店員などに容易に認識させることができる。このように、演出表示装置14及びエラー表示部17aは、主制御用CPU100aにより異常状態が検出された場合にエラー報知を実行する異常報知手段として機能する。
そして、本実施形態では、不正行為により発生している可能性があるエラー番号E1〜E3のエラー状態に関しては、前面扉12を開放して機内部のエラー解除ボタンSWを操作しなければ、エラー報知を解除できない。このため、本実施形態のスロットマシン10では、スロットマシン10のカギを保有していない遊技者が容易にエラー報知を解除できないようになっている。
特に、本実施形態のスロットマシン10では、エラー報知の開始から待機タイマが終了する迄の6秒間、エラー解除操作を受け付けないことで、エラー解除操作が行われてもエラー報知を解除することができないようになっている。即ち、本実施形態において、待機タイマがセットされてから終了する迄の期間は、所定の異常報知の終了を規制するための規制期間となり、待機タイマをセットする主制御用CPU100aは、期間設定手段として把握できる。
このような構成により、本実施形態のスロットマシン10では、スロットマシン10の機本体の内部に配設されたエラー解除ボタンSWを巧みに操作したとしても、少なくとも待機タイマが終了する迄の期間にわたってエラー報知を継続させることができる。したがって、本実施形態では、例えば遊技店の店員などがエラー報知に気が付かず、遊技店側が不利益をこうむってしまうことを抑制できる。
したがって、上記実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)本実施形態によれば、各投入センサSE5,SE6による検知結果だけではなく、メダルセレクタ30からホッパーユニット26(貯留ボックス27)までの誘導路42に配設された第4投入センサSE8による検知結果を加味してエラー状態を検出し、所定の制御を実行できる。したがって、各投入センサSE5,SE6による検知結果からエラー状態を検出する従来の構成と比較して、メダルYMの投入に関するエラー状態を的確に検出できる。
(2)本実施形態によれば、各投入センサSE5,SE6,SE8による検知結果をもとに管理している滞留メダル枚数が規定枚数になったか否かによりエラー状態(異常状態)を検出することから、より正確にエラー状態を検出できる。
(3)本実施形態によれば、管理している滞留メダル枚数が2枚(所定個数)に達している場合、相対的に多い2枚(第2個数)を減算することから、異常状態の検出が過度に厳しくなることを抑制できる。
(4)案内通路ATはメダルYMが重なった状態で通過可能な誘導路42を有していることから、メダルYMが詰まることを抑制できる。そして、仮に誘導路42においてメダルYMが重なった状態で通過する場合であっても、管理している滞留メダル枚数が不正確になることを抑制できる。
(5)特に、滞留メダル枚数が2枚(所定個数)に達している場合、相対的に多い2枚(第2個数)を減算することから、仮に誘導路42においてメダルYMが重なった状態で通過する場合であっても、管理している滞留メダル枚数が不正確になることをより抑制できる。
(6)第4投入センサSE8は機械式のセンサである。したがって、物理的にメダルYMを検知することから、確実にメダルYMを検知できる。
(7)誘導路42を形成するシュート部材40を備えていることから、メダルYMの案内通路ATを簡便に形成できる。
(8)シュート部材40は湾曲部40bを有するとともに、誘導路42は湾曲部40bに沿って湾曲している。このため、湾曲部40bにおいてメダルYMの滞留が発生し易くなるが、本実施形態では、このようなシュート部材40における滞留を的確に検出できる。
(9)誘導路42には、メダルYMがメダル投入口18へ向かう方向へ移動することを規制する検出片46が設けられている。このため、メダルYMの逆方向への移動が規制されることから、逆方向へメダルYMを移動させるような不正行為を行い難くできる。
(10)本実施形態では、エラー状態の発生を報知する報知制御を行う。したがって、エラー状態が検出されたときに報知を行えることから、例えば遊技店の店員などが適切な処置を取りやすくなる。
(11)第4投入センサSE8は、シュート部材40の先端部40eに設けられている。したがって、案内通路ATにおける滞留メダル枚数を適切に管理できる。
(12)エラー番号E1〜E3の検出を契機としたエラー報知は、規制期間が経過した後でなければ、エラー解除ボタンSWを操作しても終了させることができない。エラー番号E1〜E3のエラー状態は、所謂ゴト行為によって発生される可能性の高いエラー状態である。したがって、本実施形態では、ゴト行為によって開始された可能性が高いエラー報知の実行期間を確保し、例えば遊技店の店員などが見落としてしまうことを抑制できる。
実施形態は前記に限定されず、例えば、次のように具体化してもよい。
・スロットマシン10は、ホールコンピュータやデータカウンタなどの外部機器に対して情報を出力可能な外部出力部を備えていてもよい。この場合、主制御用CPU100aは、エラー状態が検出されたことを特定可能な信号を外部出力部から出力させる制御を所定の制御として実行するとよい。この構成によれば、エラー状態が検出されたことを特定可能な信号をもとに、例えばホールコンピュータなどにおいてエラー状態の発生を集計したり、所定の報知を行わせたりできる。この場合、演出表示装置14によるエラー報知、及びエラー表示部17aによるエラー報知の少なくとも一方を省略してもよい。
・各投入センサSE5,SE6は、機械式(接触式)のセンサであってもよい。また、第3投入センサSE7は、フォトセンサなどの非接触式のセンサであってもよい。
・メダルセレクタ30における投入センサの個数や配設位置を変更してもよい。例えば、第1投入センサSE5、及び第2投入センサSE6の一方又は両方を省略してもよい。
・第3投入センサSE7は、案内通路ATのうち、メダルセレクタ30よりもメダル投入口18側(上流側)に配設されていてもよい。
・第4投入センサSE8は、検出片46を備えず、メダルYMの通過をフォトセンサなどにより直接的に検知する非接触式のセンサであってもよい。この場合には、検出片46に代えて、メダルYMの逆方向への移動を規制する規制機構を別に備えてもよく、また規制機構を備えなくてもよい。
・第4投入センサSE8の配設位置を変更してもよい。例えば、第4投入センサSE8は、第1延出部40aや湾曲部40bに配設してもよい。即ち、第2検知手段は、メダルセレクタ30からホッパーユニット26(貯留ボックス27)までの誘導路42に配設されており、通過するメダルYMを検出可能であればよい。
・誘導路42の幅は、1枚のメダルYMが同時に通過可能な幅であってもよい。この場合、通過枚数チェック処理におけるステップS404,S405の処理を省略することで、第4投入センサSE8における1回の検知を契機に滞留メダル枚数を1減算するように構成するとよい。
・誘導路42の幅は、3枚以上のメダルYMが同時に通過可能な幅であってもよい。この場合、通過枚数チェック処理において、ステップS404,S405に相当する処理を、同時に通過可能なメダルYMの枚数に相当する回数だけ繰り返すとよい。
・通過枚数チェック処理では、幅方向に重なった状態で誘導路42を同時に通過可能なメダルYMの枚数と、滞留メダル枚数を減算可能な最大回数とが一致していなくてもよい。
・主制御用CPU100aは、上記実施形態とは異なる各投入センサSE5,SE6,SE8の検知態様をエラー状態として検出してもよい。例えば、エラー状態として検出する所定の検知態様としては、各投入センサSE5,SE6で最後にメダルYMが検知されてから、第4投入センサSE8でメダルYMが検知される迄の時間が所定時間を超えることに設定してもよい。
・主制御用CPU100aは、セレクタチェック処理におけるステップS201の処理において、第3投入センサSE7がONしている場合に肯定判定する一方で、第3投入センサSE7がONしていない場合に否定判定してもよい。即ち、第3投入センサSE7を第1検知手段として機能させてもよい。この場合、入力エラーチェック処理におけるステップS307の判定で用いる規定枚数としては、上記実施形態における案内通路ATに加えて、第1メダル通路31(第3投入センサSE7によるメダルYMの検出位置)に滞留可能なメダルYMの枚数を加算した枚数を設定するとよい。
・主制御用CPU100aは、メダルの投入に関するエラー状態とは異なるエラー状態を検出可能であってもよい。例えば、ホッパーユニット26に配設した払出しセンサにおけるメダルYMの検知態様をもとに、ホッパーユニット26におけるメダル詰まりをエラー状態として検出してもよく、貯留ボックス27にメダルYMが貯留されていないホッパー空をエラー状態として検出してもよい。
・各処理で設定するタイマの初期値は、適宜変更してもよい。
・エラー表示設定処理におけるステップS702の処理でセットするエラー番号と、ステップS706の処理でセットするエラー番号とを異ならせてもよい。即ち、第3投入センサSE7がONしてから、第3投入センサSE7用の監視タイマが終了する迄の間に第3投入センサSE7がOFFしない状況と、投入要求不可状態において第2投入センサSE6がONされる状況とを異なるエラー状態(異常状態)として検出してもよい。この場合、演出表示装置14やエラー表示部17aにおける報知内容を異ならせるとよい。
・エラー番号E1〜E3のエラー報知を解除するためのエラー解除操作の態様を変更してもよい。例えば、開放錠12aを操作することによりエラー報知を解除可能としてもよい。
・エラー解除ボタンSWは、レバーであってもよく、カギを挿入して回動させることで操作するものであってもよい。
・エラー表示部17aは、他の表示部と兼用構成であってもよい。例えば、エラー表示部17aは、貯留枚数表示部や賞枚数表示部などと兼用されていてもよい。また、エラー表示部17aは、スロットマシン10の機本体の内部に配設されていてもよい。
・演出表示装置14やエラー表示部17aによるエラー報知は、スロットマシン10に何らかのエラー状態が発生していることを報知する内容であればよく、具体的にエラー番号を認識可能な態様でなくてもよい。
・演出表示装置14によるエラー報知、及びエラー表示部17aによるエラー報知の何れかを省略してもよい。
・エラー報知は、演出表示装置14による表示に加えて、又は代えてスピーカによる音声出力や装飾ランプLAによる発光態様の変化により行ってもよい。
・副基板200の機能を複数の基板に分割してもよい。例えば、演出表示装置14を専門に制御する表示基板、スピーカSPを専門に制御する音声基板、及び装飾ランプLAを専門に制御するランプ基板を設けてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに設けてもよい。
・演出表示装置14としては、非透過型液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は有機ELディスプレイなどを採用してもよい。
・メダルYMとは異なる形状の遊技媒体を用いる遊技機に具体化してもよい。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いるスロットマシン(所謂パロット)や、パチンコ遊技機として具体化してもよい。
以下に記載する技術的思想は、上記実施形態から把握できる。
(イ)前記第2検知手段は、機械式の検知装置であることが好ましい。
(ロ)前記通路を形成するシュート部材をさらに備えていることが好ましい。
(ハ)前記シュート部材は湾曲部を有するとともに、前記通路は前記湾曲部に沿って湾曲していることが好ましい。
(ニ)前記通路には、遊技媒体が前記投入口へ向かう方向へ移動することを規制する規制機構が設けられていることが好ましい。
(ホ)前記所定の制御は、異常状態の発生を報知する報知制御を含むことが好ましい。