以下、遊技機の一種であるスロットマシンの一実施形態について説明する。この明細書において、上、下、左、右、前(表)、後(裏)の各方向は、スロットマシンで遊技を行う遊技者から見たときの各方向を指すものとする。
図1に示すように、スロットマシン10は、四角箱状の本体キャビネット11を備えている。本体キャビネット11は、前面に、図示されていない開口部を備えている。スロットマシン10は、本体キャビネット11の開口部を覆っている前面扉12を備えている。前面扉12は、本体キャビネット11に対して開閉可能に支持されている。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、遊技に伴う演出(以下、遊技演出と示す)の1つとして、例えば、発光体を点灯、消灯及び点滅させる演出(以下、発光演出と示す)を実行できる装飾ランプ13を備えている。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、遊技演出の1つとして、例えば、効果音や楽曲などの音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)を実行できるスピーカ14を備えている。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、遊技演出の1つとして、例えば、キャラクタや文字などを模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行できる演出表示装置15を備えている。演出表示装置15としては、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ及び有機ELディスプレイなどを採用できる。また、詳しくは後述するが、演出表示装置15では、スロットマシン10で発生した各種のエラー状態を報知するエラー報知が行われる。
スロットマシン10は、前面扉12の前面であって且つ演出表示装置15の下方に、遊技者が機内部を透視できる略四角形の表示窓12aを備えている。スロットマシン10は、リールユニット16を備えている。リールユニット16は、表示窓12aを介して遊技者が視認できるように、機内部に配設されている。リールユニット16は、左リール16a(第1リール)と、中リール16b(第2リール)と、右リール16c(第3リール)と、を備えている。リール16a〜16cは、ドラムとも称される回胴である。
リール16a〜16cは、その外周面に沿って、複数の図柄が識別可能に配列されている図柄列をそれぞれ備えている。図柄列は、複数の図柄を長手方向に沿って印刷した帯状の透光性フィルムを、リール16a〜16cの外側に巻き付けることにより設けられている。リール16a〜16cの図柄列には、それぞれ図柄番号00から図柄番号20までの全21個の図柄が含まれている。
また、本実施形態の図柄には、複数種類の図柄がある。例えば、複数種類の図柄には、チェリーを模したチェリー図柄や、スイカを模したスイカ図柄、ベルを模したベル図柄、アラビア数字の「7」を模したセブン図柄、「BAR」の文字を模したBAR図柄、及び「REPLAY」の文字を模したリプレイ図柄が含まれている。
リールユニット16は、左リール16aを回転及び停止させる第1アクチュエータA1と、中リール16bを回転及び停止させる第2アクチュエータA2と、右リール16cを回転及び停止させる第3アクチュエータA3と、を備えている(図6に示す)。リール16a〜16cを駆動させるアクチュエータとしては、例えば、ステッピングモータを採用できる。リール16a〜16cは、それぞれに対応して設けられたアクチュエータによって、相互に独立して、縦方向に回転及び停止が可能である。スロットマシン10では、リール16a〜16cが回転すると、表示窓12aを介して視認可能な図柄列(複数種類の図柄)が変動され、これにより変動ゲームが実行される。例えば、図柄列の変動は、図柄列が上方から下方に向かって縦方向にスクロール表示される態様により行われる。リールユニット16のうち、表示窓12aから視認可能な部分は、複数の図柄列を変動させて変動ゲームを実行できるゲーム実行部といえる。このように、スロットマシン10は、複数の図柄が配列されたリールを動作(回転)させて変動ゲームを実行可能に構成されている。
リールユニット16は、左リール16aの回転位置を検出するための第1リールセンサSE1と、中リール16bの回転位置を検出するための第2リールセンサSE2と、右リール16cの回転位置を検出するための第3リールセンサSE3と、を備えている(図6に示す)。
表示窓12aは、リール16a〜16cにおいて周方向に連続している3つの図柄を表示可能な大きさである。表示窓12aには、リール16a〜16c毎に、上段停止位置、中段停止位置及び下段停止位置が設定されている。本実施形態のスロットマシン10では、リール16a〜16c毎に設定された3つの停止位置の中から1つずつ選択された停止位置の組み合わせによって、停止された図柄組合せを入賞と判定し得る有効な停止位置の組み合わせが設定されている。以下の説明では、有効な停止位置の組み合わせを構成する複数の停止位置を結んだラインを単に有効ラインNLと示す。本実施形態では、リール16a〜16cの各中段停止位置によって、有効ラインNL(有効な停止位置の組み合わせ)が構成されている。有効ラインは、入賞ラインともいわれる。
ここで、図柄について「停止」とは、図柄が表示窓12a内、即ち上段停止位置、中段停止位置及び下段停止位置の何れかに停止され、遊技者に視認可能に表示されることを意味している。また、「入賞」とは、賞を獲得するために必要な図柄組合せとして予め定められたものが有効ラインNL上に表示されることを意味している。スロットマシン10では、入賞が発生すると、該入賞した図柄組合せに予め定められた賞が付与される。以下の説明では、有効ラインNL上に表示されることによって賞を獲得できる図柄組合せを「役」又は「停止目」と示す場合がある。
なお、有効な停止位置の組み合わせ以外の組み合わせは、表示された図柄組合せを入賞と判定し得ない無効な停止位置の組み合わせ(所謂、無効ライン)となる。この明細書において「導出する」とは、有効ラインNL上に図柄を停止させることにより、有効ラインNL上にゲーム結果に相当する図柄組合せを表示することを意味している。したがって、変動ゲームにて導出されるゲーム結果とは、変動ゲームにおいて有効ラインNL上に停止される図柄組合せに相当する。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、遊技媒体としての遊技メダルYM(以下、単にメダルYMと示す)を投入するためのメダル投入口17を備えている。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、ベットボタン18を備えている。ベットボタン18は、スロットマシン10において内部的に記憶しているクレジットからメダルYMを賭ける(以下、ベットと示す)ための手段として把握できる。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、精算ボタン19を備えている。精算ボタン19は、ベットされたメダルYMや、スロットマシン10において内部的に記憶しているクレジットを払い戻すときに操作するための手段として把握できる。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、スタートレバー20を備えている。スタートレバー20は、リール16a〜16cの回転を開始させる開始操作をするための手段として把握できる。即ち、開始操作の受付は、変動ゲームを開始させる契機となる。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、左ストップボタン21a(第1ストップボタン)を備えている。左ストップボタン21aは、左リール16aと対応しており、左リール16aの回転を停止させる停止操作をするための手段として把握できる。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、中ストップボタン21b(第2ストップボタン)を備えている。中ストップボタン21bは、中リール16bと対応しており、中リール16bの回転を停止させる停止操作をするための手段として把握できる。スロットマシン10は、前面扉12の前面に、右ストップボタン21c(第3ストップボタン)を備えている。右ストップボタン21cは、右リール16cと対応しており、右リール16cの回転を停止させる停止操作をするための手段として把握できる。このように、ストップボタン21a〜21cは、複数の図柄列と各別に対応している。また、対応している図柄列の変動を停止させることは、対応しているリールの回転(回動)を停止させることに相当する。
スロットマシン10は、前面扉12の前面における下部に、メダル払出し口22を備えている。スロットマシン10は、メダル払出し口22から払出されたメダルを受ける受皿23を備えている。また、スロットマシン10は、前面扉12の前面に、前面扉12を開放するための開放錠24を備えている。スロットマシン10では、開放錠24に対して該開放錠24に適合するカギを挿入するとともに、該カギを所定方向に回動させることにより、開放錠24による施錠が解除され、前面扉12を開放可能となる。また、スロットマシン10は、開放錠24が開錠されたこと、即ち前面扉12が開放されていることを検知する扉開放センサSE4(図6に示す)を備えている。
スロットマシン10は、前面扉12の前面に、予め定めた情報を表示できる情報表示部25を備えている。情報表示部25には、投入可能表示部、再遊技表示部、ウェイト表示部、状態表示部、賭数表示部、貯留枚数表示部、賞枚数表示部、及びエラー表示部25aが設けられている。
投入可能表示部は、例えば、発光体の点灯状態によって、メダルYMを投入可能な投入要求可状態であるか否かを表示する。ここで、メダルYMを投入可能とは、メダルYMをベット可能であること、及びメダルYMをスロットマシン10の機内部にクレジットとして記憶可能であることを含む。再遊技表示部は、例えば、発光体の点灯状態によって、再遊技(リプレイ)であるか否かを表示する。ウェイト表示部は、例えば、発光体の点灯状態によって、ウェイトタイム中であるか否かを表示する。ウェイトタイムは、単位時間当りの変動ゲームの実行回数が予め定めた規定回数を超えないように設定された最短の遊技時間(最短遊技時間)である。状態表示部は、例えば、発光体の点灯状態によって、スロットマシン10の状態を表示する。
賭数表示部は、例えば、3つの発光体の点灯状態によって、賭数(ベット数)を表示する。貯留枚数表示部は、機内部で貯留しているクレジット数を表示する。賞枚数表示部は、変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与されるメダルYMの枚数を表示する。また、エラー表示部25aは、スロットマシン10で発生した各種のエラー状態を特定可能な情報を表示する態様によりエラー報知を実行可能である。各種のエラー状態を特定可能な情報とは、例えば、エラー状態別に予め定められたエラー番号などである。
図2に示すように、スロットマシン10は、ホッパーユニット26を備えている。ホッパーユニット26は、スロットマシン10の機内部であって、本体キャビネット11の底板11aに固定されている。ホッパーユニット26は、メダルYMを貯留する貯留部としての貯留ボックス27と、該貯留ボックス27を支持する支持台28とを有する。支持台28は、図示しない払出しディスク(回転体)と、該払出しディスクを回転させる第4アクチュエータA4(図6に示す)と、メダルYMの払出口28aとを有する。第4アクチュエータA4は、例えばステッピングモータである。ホッパーユニット26は、内蔵された払出しディスクを第4アクチュエータA4により回転させることにより、貯留ボックス27内に貯留されているメダルYMを払出口28aから払出すように構成されている。ホッパーユニット26は、主には各リール16a〜16cに導出表示された図柄組合せが所定の図柄組合せとなったことを条件として、貯留ボックス27にて貯留されているメダルYMを払い出す。
また、スロットマシン10は、前面扉12の裏面に、各種のエラー報知を解除するためのエラー解除ボタンSWを備えている。エラー解除ボタンSWは、前面扉12の裏面に配設されていることから、原則として前面扉12を開放しなければ操作不能である。以下の説明では、エラー解除ボタンSWの操作を単に「エラー解除操作」と示す。
図3に示すように、スロットマシン10は、前面扉12の裏面に、メダル投入口17から投入されたメダルYMを受け入れるメダルセレクタ30を備えている。メダルセレクタ30は、メダル投入口17から投入されたメダルYMを最初に受け入れる第1メダル通路31を有する。
第1メダル通路31は、上下方向に沿って延在している。第1メダル通路31は、前後方向と直交する平面内において、第1メダル通路31が延びる方向と直交する方向における幅がメダルYMの直径と略同一、又は僅かに大きい。また、第1メダル通路31は、前後方向における長さがメダルYMの厚さと略同一、又は僅かに大きい。即ち、第1メダル通路31は、メダルYMが1枚ずつ通過可能な大きさに形成されている。
また、メダルセレクタ30は、第1メダル通路31の下端部に設けられた分岐部31aから下方に向かって延びる第2メダル通路32と、分岐部31aから左方(紙面では右方)に向かって僅かに下るように延びる第3メダル通路33とを有する。第2メダル通路32は、前後方向と直交する平面内において、第2メダル通路32が延びる方向と直交する方向における幅がメダルYMの直径と略同一、又は僅かに大きい。また、第2メダル通路32は、前後方向における長さがメダルYMの厚さと略同一、又は僅かに大きい。即ち、第2メダル通路32は、メダルYMが1枚ずつ通過可能な大きさに形成されている。また、第3メダル通路33は、第2メダル通路32と同様にしてメダルYMが1枚ずつ通過可能な大きさに形成されている。
メダルセレクタ30の下縁部には、第2メダル通路32を通過するメダルYMが排出される開口部32aが設けられている。メダルセレクタ30の左縁部(紙面では右縁部)には、第3メダル通路33を通過するメダルYMが排出される第3メダル通路33の開口部33aが設けられている。
第3メダル通路33において、分岐部31aより下流側には、ブロッカ35が配設されている。ブロッカ35は、図示しないソレノイドの動作によって、第1メダル通路31を流下するメダルYMを分岐部31aから第3メダル通路33に受け入れ可能な第1状態(ON状態)と、メダルYMを分岐部31aから第3メダル通路33に受け入れ不能であって第2メダル通路32へ案内する第2状態(OFF状態)とに変位可能である。
また、メダルセレクタ30は、メダル投入口17から投入されたメダルYMを検知する検知部としての第1投入センサSE5、第2投入センサSE6、及び第3投入センサSE7を有する。各投入センサSE5,SE6は、第3メダル通路33においてブロッカ35の下流側に配設されている。第1投入センサSE5は、第2投入センサSE6よりも上流側に配設されている。本実施形態において、各投入センサSE5,SE6は、メダル投入口17から貯留ボックス27までの間にあるメダルYMを検知する第1検知部に相当する。また、第3投入センサSE7は、分岐部31aより上流側の第1メダル通路31、即ち各投入センサSE5,SE6よりも上流側に配設されている。各投入センサSE5,SE6は、例えばフォトセンサであり、第3投入センサSE7は、例えば機械式のスイッチである。
また、スロットマシン10は、前面扉12の裏面に、メダルセレクタ30の開口部33aから排出されたメダルYMを受け入れてホッパーユニット26へ案内する樋状のシュート部材40を備えている。本実施形態において、シュート部材40は、メダルセレクタ30を通過したメダルYMをホッパーユニット26の貯留ボックス27へ案内する案内樋に相当する。言い換えれば、本実施形態において、メダル投入口17から投入されたメダルYMを貯留ボックス27へ案内する案内部は、メダルセレクタ30と、シュート部材40と、を含んで構成されている。シュート部材40は、メダルセレクタ30から左方(紙面では右方)に向かって延びる第1延出部40aと、該第1延出部40aの先端において後方(ホッパーユニット26)に向かって緩やかに湾曲(屈曲)する湾曲部40bと、該湾曲部40bから後方に向かって延びる第2延出部40cとを有する。シュート部材40は、上方から見たときに、その全体として逆L字型である。
そして、シュート部材40は、その延びる方向と直交する平面で切断したときの断面の形状が底面41を有する略V字型の部材である。また、シュート部材40の底面41は、メダルセレクタ30に接続されている基端部40dから、ホッパーユニット26側の先端部40eに向かって下方に下がるように、緩やかに傾斜している。したがって、シュート部材40には、図中において矢印Y1で示すように、メダルYMがシュート部材40の基端部40dから先端部40eに向かって転動可能な誘導路42が形成されている。
また、図4に示すように、誘導路42において、シュート部材40が延びる方向と上下方向とに直交する方向の長さ(以下、単に幅方向と示す)は、2枚のメダルYMの厚さの和と略同一に設定されている。このため、スロットマシン10では、メダルYMが誘導路42をホッパーユニット26に向かって容易に転動(流下)できるようになっている。その一方で、本実施形態のスロットマシン10において、メダルYMは、誘導路42をシュート部材40の幅方向に重なった状態で転動する可能性がある。即ち、誘導路42の全体は、複数のメダルYMが進行方向に対して直交する方向に重なった状態で通過可能な通過部となる。そして、誘導路42は、シュート部材40の湾曲部40bに沿って湾曲している。
また、第3メダル通路33(各投入センサSE5,SE6によるメダルYMの検知位置)、及び誘導路42から構成されるメダルYMの案内通路ATの全長は、所定枚数のメダルYMの直径の和と同一、又は略同一の長さに設定されている。具体的に、本実施形態の案内通路ATの全長は、11枚のメダルYMの直径の和と同一、又は略同一の長さに設定されている。即ち、案内通路ATには、メダルYMが幅方向に重ならない状態である前提のもと、最大で11枚(所定枚数)のメダルYMが滞留し得るようになっている。なお、案内通路ATには、メダルYMが幅方向に重なることで、11枚を超える枚数のメダルYMが滞留する可能性もある。
また、図5に示すように、スロットマシン10は、シュート部材40の先端部40eに、誘導路42を転動するメダルYMを検知する第4投入センサSE8を備えている。第4投入センサSE8は、機械式のセンサ(検知装置)である。詳しく説明すると、第4投入センサSE8は、シュート部材40の先端部40eにおいて、誘導路42における上方の開口部を覆うハウジング部材45と、該ハウジング部材45から誘導路42内に垂下された検出片46とを有する。検出片46は、先端部40eにおいて幅方向に延びる回動軸46aを中心として、誘導路42が延びる方向に回動可能であって、その下端部(先端部)が誘導路42を転動するメダルYMに接触可能となるように、ハウジング部材45に対して支持されている。回動軸46aが延びる方向における検出片46の長さは、誘導路42を2枚のメダルYMが重なった状態で転動している場合であっても、その少なくとも何れかのメダルYMと接触可能な大きさである。
検出片46は、誘導路42を転動するメダルYMと接触することにより、メダルYMと接触していない非検出位置P0と、下端部が回動軸46aよりもホッパーユニット26側において上方へ向かって回動した検出位置P1との間で変位可能である。また、検出片46は、非検出位置P0から検出位置P1(ホッパーユニット26)側とは反対方向へ回動不能に構成されている。このため、誘導路42において、メダルYMは、検出片46によって、該検出片46より下流側から上流側へ向かって移動することが規制されている。したがって、第4投入センサSE8は、メダルYMがメダル投入口17へ向かう方向へ移動することを規制する規制機構としても機能し得る。
また、第4投入センサSE8は、検出片46が検出位置P1に位置していることを検出可能な検出部47を有している。検出部47は、ハウジング部材45に収容されている。検出部47は、例えばフォトセンサである。本実施形態において、第4投入センサSE8は、誘導路42からホッパーユニット26に向かって排出されるメダルYMを検知可能に構成されている。
本実施形態において、第4投入センサSE8は、メダル投入口17から投入されたメダルYMを検知する検知部に相当する。また、第4投入センサSE8は、メダル投入口17から貯留ボックス27までの間にあるメダルYMを検知する検知部であって、第1検知部(第1投入センサSE5、第2投入センサSE6)よりも下流側にある第2検知部に相当する。
また、図2に示すように、スロットマシン10は、前面扉12の裏面に、メダルセレクタ30の開口部32aから排出されたメダルYMをメダル払出し口22へ案内する排出通路34を備えている。排出通路34には、ホッパーユニット26の払出口28aから払出されたメダルYMを受け入れる受入口34aが設けられている。
次に、スロットマシン10の電気的構成を説明する。
図6に示すように、スロットマシン10の機内部には、各種の処理を行うとともに、該処理の結果に応じて制御信号(制御コマンド)を出力する主基板100が配設されている。また、スロットマシン10の機内部には、主基板100から入力される各種の制御信号に基づいて、各種の処理を行う副基板200が配設されている。
まず、主基板100について詳しく説明する。
主基板100は、所定の処理を行う処理部としての主制御用CPU100aと、主制御用CPU100aの制御プログラムを格納する主制御用ROM100bと、主制御用CPU100aの処理結果を記憶する記憶部としての主制御用RAM100cとを備えている。
主基板100は、各リールセンサSE1〜SE3と接続されている。そして、主制御用CPU100aは、各リールセンサSE1〜SE3が出力する信号をそれぞれ入力可能に構成されている。また、主基板100は、扉開放センサSE4と接続されている。そして、主制御用CPU100aは、扉開放センサSE4から前面扉12が開放されていることを示す開放信号を入力可能に構成されている。以下の説明において、「扉開放センサSE4がONである」とは、扉開放センサSE4が前面扉12の開放を検知していることを意味し、「扉開放センサSE4がOFFである」とは、扉開放センサSE4が前面扉12の開放を検知していないことを意味する。
主基板100は、各投入センサSE5〜SE8と接続されている。そして、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5〜SE8から、各投入センサSE5においてメダルYMを検知したことを示すメダル検知信号をそれぞれ入力可能に構成されている。以下の説明において、「投入センサがONである」とは、投入センサにおいてメダルYMを検知していることを意味し、「投入センサがOFFである」とは、投入センサにおいてメダルYMを検知していないことを意味する。
主基板100は、エラー解除ボタンSWと接続されている。そして、主制御用CPU100aは、エラー解除ボタンSWが操作されたことを示す操作信号を入力可能に構成されている。以下の説明において、「エラー解除ボタンSWがONである」とは、エラー解除ボタンSWが操作されていることを意味し、「エラー解除ボタンSWがOFFである」とは、エラー解除ボタンSWが操作されていないことを意味する。
主基板100は、エラー表示部25aを含む情報表示部25と接続されている。そして、主制御用CPU100aは、エラー表示部25aを含む情報表示部25を制御可能に構成されている。主基板100は、ベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20、及び各ストップボタン21a〜21cと接続されている。そして、主制御用CPU100aは、ベットボタン18、精算ボタン19、スタートレバー20、及び各ストップボタン21a〜21cが操作されたときに出力する各種の操作信号を入力可能に構成されている。
また、主基板100は、各アクチュエータA1〜A3と接続されている。そして、主制御用CPU100aは、リール16a〜16cの各アクチュエータA1〜A3に対する制御信号(パルス信号)の出力態様を制御することにより、リール16a〜16cの各アクチュエータA1〜A3の動作を各別に制御可能に構成されている。主基板100は、第4アクチュエータA4と接続されている。そして、主制御用CPU100aは、第4アクチュエータA4に対する制御信号(パルス信号)の出力態様を制御することにより第4アクチュエータA4の動作を制御し、払出しディスクを回転及び停止させる。以下の説明では、払出しディスクを回転させるホッパーユニット26の動作を単に「払出動作」と示す。
また、主基板100では、各種の抽選処理に用いられる乱数が生成される。この乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成したり、主制御用CPU100aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成したりできる。主基板100において生成される乱数には、変動ゲームにおいて導出表示(入賞)が可能な図柄組合せ(役)を特定可能な当選情報(例えば当選番号など)を決定するのに用いられる当選情報決定用乱数がある。なお、本実施形態のスロットマシン10において、各当選情報には、変動ゲームにおいて導出表示が可能な図柄組合せが1つ、又は複数対応付けられている。
また、主制御用ROM100bには、主制御プログラムが記憶されている。また、主制御用ROM100bには、変動ゲームに関する処理の実行に用いられる各種のテーブルが記憶されている。このようなテーブルには、例えば複数の当選情報の中から当選情報を決定するための当選情報決定テーブルなどがある。また、主制御用RAM100cには、前述した当選情報などの各種情報が記憶される。主制御用RAM100cに記憶された情報は、スロットマシン10の動作中に適宜更新される。なお、以下の説明では、情報を記憶させることや更新することをまとめて「書き換え」と示す場合がある。
ここで、主制御用RAM100cの記憶領域について詳しく説明する。
図7に示すように、本実施形態における主制御用RAM100cの記憶領域には、「F000H」から「F3FFH」までのアドレスが割り当てられている。以下、説明の便宜上、「F000H」から「F1FFH」までの第1範囲のアドレスが割り当てられた記憶領域を「第1記憶領域」と示す一方、「F200H」から「F3FFH」までの第2範囲のアドレスが割り当てられた記憶領域を「第2記憶領域」と示す。本実施形態では、第1記憶領域が第1領域に相当する一方で、第2記憶領域が第2領域に相当する。なお、以下の説明において、「記憶領域の記憶内容を書き換える」という場合、記憶領域の記憶内容の一部を書き換えることと、記憶領域の記憶内容の全てを書き換えることと、の両方を含む。
本実施形態における第1記憶領域及び第2記憶領域は、スロットマシン10において情報の書き換えが許容されているアドレス範囲を複数(本実施形態では2つ)に分割した記憶領域である。また、本実施形態において、第1記憶領域は、主制御用RAM100cの記憶領域のうち、第2記憶領域に割り当てられたアドレスよりも前のアドレスに割り当てられた記憶領域である。そして、本実施形態において、第1記憶領域及び第2記憶領域には、ワークエリア、スタックエリア、及び未使用エリアがそれぞれ設定されている。
なお、本実施形態において、第1記憶領域及び第2記憶領域は、独立して初期化が可能に構成されており、例えば、主制御用CPU100aは、第2記憶領域を初期化する一方で第1記憶領域を初期化しない処理が可能である。また、本実施形態において、第1記憶領域及び第2記憶領域は、各記憶領域の記憶内容を書き換えられる処理がそれぞれ異ならされている。具体的に、第1記憶領域は、主制御用CPU100aが行う処理のうち第2記憶領域を書き換える処理においては、書き換えられないように構成されている。また、第2記憶領域は、主制御用CPU100aが行う処理のうち第1記憶領域を書き換える処理においては、書き換えられないように構成されている。主制御用CPU100aが行う処理と書き換えられる記憶領域との関係について、詳しくは後述する。
また、本実施形態における第1記憶領域及び第2記憶領域は、記憶される記憶内容が異ならされている。本実施形態において、第1記憶領域には、遊技の進行に関する情報が記憶される。遊技の進行に関する情報には、例えば、前述した当選情報や、リールの回転に関する情報などがある。一方、本実施形態において、第2記憶領域には、不正に関する情報が記憶される。不正に関する情報には、例えば、スロットマシン10のエラー状態に関する情報がある。
次に、副基板200について詳しく説明する。
図6に示すように、副基板200は、所定の処理を行う副制御用CPU200aと、副制御用CPU200aの制御プログラムなどを格納する副制御用ROM200bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM200cとを備えている。副基板200は、演出表示装置15、装飾ランプ13、及びスピーカ14と接続されている。また、副基板200では、各種の抽選処理に用いられる乱数が生成される。この乱数は、例えば、クロック信号を入力する毎に値を更新する乱数生成回路を備えることにより、ハードウェア乱数として生成したり、副制御用CPU200aが所定の制御周期毎に値を更新する乱数更新処理を実行することにより、ソフトウェア乱数として生成したりできる。
また、副制御用ROM200bには、副制御プログラムが記憶されている。また、副制御用ROM200bには、演出表示装置15における表示演出の態様を特定可能な表示演出パターン、スピーカ14における音声演出の態様を特定可能な音声演出パターン、及び装飾ランプ13における発光演出の態様を特定可能な発光演出パターンが記憶されている。また、副制御用RAM200cには、スロットマシン10の内部状態に関するフラグなどの各種情報が記憶される。副制御用RAM200cに記憶された情報は、スロットマシン10の動作中に適宜更新される。
副基板200は、主基板100から一方向で情報(制御信号)が送信されるように主基板100と電気的に接続されている。そして、副制御用CPU200aは、主基板100(主制御用CPU100a)から入力した各種の制御信号に基づいて演出を実行させるように演出表示装置15、装飾ランプ13、及びスピーカ14を制御する。この演出には、例えば所定の図柄組合せを導出表示させるために必要なストップボタン21a〜21cの押し順を遊技者に報知する押し順報知演出や、導出表示が可能と決定された図柄組合せ(役)を遊技者に示唆する示唆演出などがある。また、副制御用CPU200aは、ボーナス遊技中などといったスロットマシン10の内部状態に対応させて演出を行わせることもできる。
次に、本実施形態のスロットマシン10が検出可能なエラー状態について、具体例とともに説明する。
図8に示すように、本実施形態のエラー状態には、メダルYMがメダルセレクタ30を不正通過する不正通過エラー状態がある。不正通過エラー状態は、第1投入センサSE5の検知結果、及び第2投入センサSE6の検知結果に基づいて、発生しているか否かが判定される。換言すれば、第1投入センサSE5の検知結果及び第2投入センサSE6の検知結果は、不正通過エラー状態に関する情報であって、特に、不正通過エラー状態が発生しているか否かを判定するための情報である。また、不正通過エラー状態に関する情報には、不正通過エラー状態の報知を指示する情報である不正通過エラー表示フラグが含まれる。
不正通過エラー状態は、メダルYMがメダルセレクタ30を不正通過したことに関連したエラー状態であることから、メダルYMの不正投入に関する重要なエラー状態であるといえる。したがって、不正通過エラー状態に関する情報は、メダルYMの不正投入に関する重要な情報であるといえる。なお、不正通過エラー状態に関する処理について、詳しくは後述する。
また、本実施形態のエラー状態には、メダルセレクタ30においてメダル詰まりが発生していることが推定されるメダル詰まりエラー状態がある。メダル詰まりエラー状態は、第2投入センサSE6の検知結果、第3投入センサSE7の検知結果、第2投入センサSE6用の監視タイマ、第3投入センサSE7用の監視タイマ、及び投入要求可状態であるか否かを判定するための投入要求可状態フラグに基づいて、発生しているか否かが判定される。換言すれば、第2投入センサSE6の検知結果、第3投入センサSE7の検知結果、第2投入センサSE6用の監視タイマ、第3投入センサSE7用の監視タイマ、及び投入要求可状態フラグは、メダル詰まりエラー状態に関する情報であって、特に、メダル詰まりエラー状態が発生しているか否かを判定するための情報である。また、メダル詰まりエラー状態に関する情報には、メダル詰まりエラー状態の発生を示す情報であるメダル詰まりフラグや、メダル詰まりエラー状態の報知を指示する情報であるメダル詰まりエラー表示フラグが含まれる。
メダル詰まりエラー状態は、メダル投入口17の内部におけるメダル詰まりに関連したエラー状態であることから、メダルYMの不正投入により発生し得るエラー状態であり、メダルYMの不正投入に関する重要なエラー状態であるといえる。したがって、メダル詰まりエラー状態に関する情報は、メダルYMの不正投入に関する重要な情報であるといえる。なお、メダル詰まりエラー状態に関する処理について、詳しくは後述する。
また、本実施形態のエラー状態には、メダルYMが誘導路42の幅方向に重なった状態となることで、案内通路ATに過剰な個数のメダルYMが滞留していることが推定されるメダル滞留エラー状態がある。メダル滞留エラー状態は、第1投入センサSE5の検知結果、第2投入センサSE6の検知結果、第4投入センサSE8の検知結果、及び案内通路ATにあるメダルYMの枚数を管理するための通過枚数チェック用カウンタに基づいて、発生しているか否かが判定される。換言すれば、第1投入センサSE5の検知結果、第2投入センサSE6の検知結果、第4投入センサSE8の検知結果、及び通過枚数チェック用カウンタは、メダル滞留エラー状態に関する情報であって、特に、メダル滞留エラー状態が発生しているか否かを判定するための情報である。なお、以下の説明では、案内通路ATにあるメダルYMの枚数を、単に「滞留メダル枚数」と示す。また、メダル滞留エラー状態に関する情報には、メダル滞留エラー状態の発生を示す情報であるメダル滞留フラグや、メダル滞留エラー状態の報知を指示するメダル滞留エラー表示フラグが含まれる。
メダル滞留エラー状態は、メダル投入口17の内部におけるメダルの滞留に関連したエラー状態であることから、メダルYMの不正投入により発生し得るエラー状態であり、メダルYMの不正投入に関する重要なエラー状態であるといえる。したがって、メダル滞留エラー状態に関する情報は、メダルYMの不正投入に関する重要な情報であるといえる。なお、メダル滞留エラー状態に関する処理について、詳しくは後述する。
次に、エラー状態に関する情報が記憶される記憶領域について説明する。
図9に示すように、投入要求可状態フラグは、第1記憶領域のうち予め定めた第1アドレスが割り当てられた記憶領域に記憶される。以下の説明では、各アドレスが割り当てられた記憶領域を、単に「アドレスの記憶領域」と示す。なお、本実施形態において、第1記憶領域には、投入要求可状態フラグのほかにも、クレジットに関する情報や遊技状態に関する情報など、各種の情報が記憶されるようになっている。
また、各投入センサSE5〜SE8の検知結果は、第2記憶領域のうち予め定めた第2アドレスの記憶領域に記憶される。なお、本実施形態において、各投入センサSE5〜SE8の検知結果は、それぞれ、同一の第2アドレス内の別bitに記憶される。また、第2投入センサSE6用の監視タイマは、第2記憶領域のうち予め定めた第3アドレスの記憶領域に、第3投入センサSE7用の監視タイマは、第2記憶領域のうち予め定めた第4アドレスの記憶領域に、通過枚数チェック用カウンタは、第2記憶領域のうち予め定めた第5アドレスの記憶領域にそれぞれ記憶される。
また、メダル詰まりフラグは、第2記憶領域のうち予め定めた第6アドレスの記憶領域に、メダル滞留フラグは、第2記憶領域のうち予め定めた第7アドレスの記憶領域にそれぞれ記憶される。そして、不正通過エラー表示フラグは、第2記憶領域のうち予め定めた第8アドレスの記憶領域に、メダル詰まりエラー表示フラグは、第2記憶領域のうち予め定めた第9アドレスの記憶領域に、メダル滞留エラー表示フラグは、第2記憶領域のうち予め定めた第10アドレスの記憶領域にそれぞれ記憶される。
このように、本実施形態において、エラー状態に関する情報のうち少なくとも一部の情報は、第2記憶領域に記憶される。換言すれば、主制御用RAM100cの第2記憶領域には、メダルYMの不正投入に関する情報、即ち、不正に関する重要な情報であるエラー状態に関する情報が記憶される。
本実施形態において、第1〜第10アドレスの記憶領域は、単一のアドレスに割り当てられた記憶領域であってもよいし、複数のアドレスから成るアドレス範囲に割り当てられた記憶領域であってもよい。また、第1アドレス〜第10アドレスの第1〜第10の番号は、説明の便宜のために付したものであって、主制御用RAM100cの記憶領域内における順序を特定するものではない。つまり、第2〜第10アドレスの記憶領域は、例えば、第2記憶領域のアドレス「F200H〜F3FFH」において、第2アドレス→第3アドレス→・・・→第10アドレスの順序で割り当てられていてもよいし、これとは異なる順序で割り当てられていてもよい。
以下、主制御用CPU100aが主制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。まずは、遊技の進行に関する遊技進行処理について説明する。本実施形態において、遊技進行処理は、メインルーチンとして行うメイン処理に相当するとともに、第1処理に相当する。
図10に示すように、遊技進行処理において、主制御用CPU100aは、遊技開始セット処理を行う(ステップSa01)。遊技開始セット処理において、主制御用CPU100aは、スロットマシン10の遊技状態やリールユニット16を用いた演出(所謂フリーズ演出)に関するフラグなどの情報を主制御用RAM100cの第1記憶領域に記憶させる処理や、第1記憶領域のうち所定の記憶領域を初期化する処理などを行う。なお、本実施形態において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第1記憶領域を初期化する処理と第2記憶領域を初期化する処理とを独立して実行することができる。換言すれば、第1記憶領域及び第2記憶領域は、独立して初期化が可能に構成されている。
次に、主制御用CPU100aは、メダルのベット受付を開始する(ステップSa02)。次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10の遊技状態をチェックする(ステップSa03)。ステップSa03において、主制御用CPU100aは、スロットマシン10の遊技状態がボーナス遊技であるか否かなどを特定する。
次に、主制御用CPU100aは、再遊技作動時であるか否かを判定する(ステップSa04)。主制御用CPU100aは、再遊技作動時ではない場合(ステップSa04:NO)、今回の変動ゲームにおけるベット数を設定するメダル管理処理を行う(ステップSa05)。このメダル管理処理の詳細については後述する。主制御用CPU100aは、再遊技作動時である場合(ステップSa04:YES)、又はステップSa05の処理を終了した場合、スロットマシン10で発生しているエラー状態を報知するためのエラー表示設定処理を行う(ステップSa06)。このエラー表示設定処理の詳細については後述する。
次に、主制御用CPU100aは、今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致するか否かを判定する(ステップSa07)。なお、主制御用CPU100aは、再遊技作動時である場合(ステップSa04:YES)、前回の変動ゲームにおけるベット数を今回の変動ゲームにおけるベット数として再設定する。
今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致しない場合(ステップSa07:NO)、主制御用CPU100aは、ステップSa03の処理に移行する。即ち、ステップSa07の処理において、主制御用CPU100aは、変動ゲームを開始可能な状態であるか否かを判定している。一方、今回の変動ゲームにおけるベット数が最大ベット数と一致する場合(ステップSa07:YES)、主制御用CPU100aは、スタートレバー20による開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップSa08)。ステップSa08の処理において、主制御用CPU100aは、スタートレバー20から操作信号を入力した場合には肯定判定する一方で、スタートレバー20から操作信号を入力しない場合には否定判定する。開始操作を受け付けていない場合(ステップSa08:NO)、主制御用CPU100aは、ステップSa03の処理へ移行する。
一方、開始操作を受け付けた場合(ステップSa08:YES)、主制御用CPU100aは、メダルの投入枚数が正常であるか否かを判定する(ステップSa09)。メダルの投入枚数が正常ではない場合(ステップSa09:NO)、主制御用CPU100aは、復帰不可能エラー表示をさせる処理を行う(ステップSa10)。ステップSa10の処理において、主制御用CPU100aは、メダルの投入枚数異常が発生したことを特定可能な情報が表示されるようにエラー表示部25aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU100aは、メダルの投入枚数異常に対応するエラー報知の表示開始を指示するためのサブ制御コマンド(以下、報知開始コマンドと示す)を生成し、副基板200に出力する制御を行う。その後、主制御用CPU100aは、電源断が行われるまで待機する。
メダルの投入枚数が正常である場合(ステップSa09:YES)、主制御用CPU100aは、当選情報を決定する(ステップSa11)。ステップSa11において、主制御用CPU100aは、当選情報決定用乱数の値を用いた抽選により1つの当選情報を決定する。ステップSa11の処理は、スロットマシン10において内部的に行う役抽選(内部抽選)となる。また、主制御用CPU100aは、ステップSa11の処理において、変動ゲームの開始を指示するとともに、決定した当選情報(図柄組合せ(役))を特定可能な変動ゲーム開始コマンドを生成し、副基板200に出力する制御を行う。
次に、主制御用CPU100aは、最短遊技時間(ウェイトタイム)が経過したか否かを判定する(ステップSa12)。最短遊技時間が経過していない場合(ステップSa12:NO)、主制御用CPU100aは、最短遊技時間が経過するまで待機する。最短遊技時間が経過している場合(ステップSa12:YES)、主制御用CPU100aは、アクチュエータA1〜A3に作動信号(駆動信号)を出力して各リール16a〜16cの回転を開始させ、変動ゲームを開始させる(ステップSa13)。
続けて、主制御用CPU100aは、各ストップボタン21a〜21cの何れかによる停止操作を受け付けたか否かを判定する(ステップSa14)。ステップSa14において、主制御用CPU100aは、ストップボタン21a〜21cの何れかから操作信号を入力した場合には肯定判定する一方で、ストップボタン21a〜21cの何れかから操作信号を入力しない場合には否定判定する。
停止操作を受け付けた場合(ステップSa14:YES)、主制御用CPU100aは、決定済みの当選情報とストップボタンの操作タイミングとをもとに、入賞ライン上に停止表示させる図柄を決定し、該決定した図柄を入賞ライン上に停止表示させる図柄組合せ制御を実行する(ステップSa15)。
停止操作を受け付けていない場合(ステップSa14:NO)、及びステップSa15の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、各リール16a〜16cの全てを停止させたか否かを判定する(ステップSa16)。各リール16a〜16cのうち1つ以上のリールを停止させていない場合(ステップSa16:NO)、主制御用CPU100aは、ステップSa14の処理へ移行する。一方、各リール16a〜16cの全てを停止させている場合(ステップSa16:YES)、主制御用CPU100aは、エラー表示設定処理を行う(ステップSa17)。このエラー表示設定処理の詳細については後述する。
次に、主制御用CPU100aは、各リールにおいて、有効ラインNL上に停止表示されている図柄組合せが賞を定めた何れかの図柄組合せ(役)であるか否か、及び賞を定めた図柄組合せである場合にはその図柄組合せを判定する表示図柄判定を実行する(ステップSa18)。即ち、ステップSa18において、主制御用CPU100aは、ステップSa11の処理で決定した当選情報から特定可能な図柄組合せ(役)に実際に入賞したか否か、及び入賞している場合に入賞した図柄組合せを判定している。
次に、主制御用CPU100aは、遊技者にメダルの払出しを行うか否かを判定する(ステップSa19)。ステップSa19において、主制御用CPU100aは、払出役に入賞している場合には肯定判定する一方で、払出役に入賞していない場合には否定判定する。メダルYMの払出しを行う場合(ステップSa19:YES)、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット26を駆動してメダルYMを払出すためのメダル払出し処理を実行する(ステップSa20)。このように、スロットマシン10では、有効ラインNLに停止表示された図柄組合せに応じてメダルの払出しを発生可能である。
主制御用CPU100aは、メダルの払出しを行わない場合(ステップSa19:NO)、及びステップSa20の処理を終了した場合、1回の変動ゲームを終了させる終了処理を行う(ステップSa21)。即ち、本実施形態のスロットマシン10では、図柄組合せが導出表示されることによって遊技を終了可能となる。ステップSa21の終了処理において、主制御用CPU100aは、入賞と判定した図柄組合せ(役)に応じて内部状態を移行させる制御や、入賞と判定したことを示す入賞指示コマンドを副基板200に出力する制御を行う。この入賞指示コマンドは、変動ゲーム開始コマンドで指示される図柄組合せ(役)の入賞を副基板200に把握させる。その後、主制御用CPU100aは、1回の変動ゲームの実行に係る遊技進行処理を終了し、再びステップSa01の処理へ移行する。
上述したように、主制御用CPU100aは、遊技進行処理において、例えば、スロットマシン10の遊技状態やリールユニット16を用いた演出に関するフラグなどの情報を第1記憶領域に記憶させるなど、第1記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える。一方で、主制御用CPU100aは、遊技進行処理において、原則として第2記憶領域の記憶内容を書き換えない。換言すれば、本実施形態の遊技進行処理は、後述するサブルーチン化された一部の処理を除いて、主制御用RAM100cの記憶領域のうち第1記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、第2記憶領域の記憶内容を書き換えない処理である。
ここで、本明細書において、単に「特定の処理において特定の記憶領域の記憶内容を書き換えない」と示す場合、「特定の処理」に含まれる処理のうち、当該「特定の処理」の実行中に呼び出される処理(サブルーチン)を除いた処理の実行に伴って、「特定の記憶領域」の記憶内容を書き換えないことを意図している。即ち、本明細書では、「特定の処理において特定の記憶領域の記憶内容を書き換えない」と示す場合であっても、「特定の処理」の実行中に呼び出される処理において「特定の記憶領域」の記憶内容が書き換えられるときがある。また、本明細書において、単に「特定の処理において特定の記憶領域の記憶内容を書き換える」と示す場合、「特定の処理」に含まれる処理のうち、当該「特定の処理」の実行中に呼び出される処理(サブルーチン)を除いた処理の実行に伴って、「特定の記憶領域」の記憶内容を書き換えることを意図している。
次に、メダルセレクタ30を通過するメダルYMの枚数を計数するためのセレクタチェック処理について説明する。セレクタチェック処理は、主制御用CPU100aにより所定の制御周期毎に呼び出されて実行される割込み処理である。なお、本実施形態において、主制御用CPU100aは、主に遊技進行処理の実行中に割込み処理の実行を許可している。即ち、本実施形態におけるセレクタチェック処理は、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)であって、特に、割込み処理として実行される処理である。本実施形態において、セレクタチェック処理は、第2処理の1つに相当する。
図11に示すように、セレクタチェック処理において、主制御用CPU100aは、メダルセレクタ30をメダルYMが通過したか否かを判定する(ステップSb01)。ステップSb01の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第2アドレスの記憶領域を参照することで把握できる第1投入センサSE5の検知結果や第2投入センサSE6の検知結果に基づいて、メダルセレクタ30をメダルYMが通過したか否かを判定する。
メダルセレクタ30をメダルYMが通過していない場合(ステップSb01:NO)、主制御用CPU100aは、セレクタチェック処理を終了する。その一方で、メダルセレクタ30をメダルYMが通過した場合(ステップSb01:YES)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第5アドレスの記憶領域に記憶されている通過枚数チェック用カウンタの値を、1加算後のメダルYMの枚数を示す値に更新する(ステップSb02)。このように、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5,SE6によるメダルYMの検知結果に基づいて、管理している滞留メダル枚数(メダルYMの個数)を1加算する。その後、主制御用CPU100aは、セレクタチェック処理を終了する。
次に、誘導路42を通過するメダルYMの枚数を計数するための通過枚数チェック処理について説明する。通過枚数チェック処理は、セレクタチェック処理と同様に、主制御用CPU100aにより所定の制御周期毎に呼び出されて実行される処理である。即ち、本実施形態における通過枚数チェック処理は、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)であって、特に、割込み処理として実行される処理である。本実施形態において、通過枚数チェック処理は、第2処理の1つに相当する。
図12に示すように、通過枚数チェック処理において、主制御用CPU100aは、第4投入センサSE8がONであるか否かを判定する(ステップSc01)。ステップSc01の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第2アドレスの記憶領域を参照することで把握できる第4投入センサSE8の検知結果に基づいて、第4投入センサSE8がONであるか否か、即ち、誘導路42をメダルYMが通過したか否かを判定する。第4投入センサSE8がONでない場合(ステップSc01:NO)、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック処理を終了する。その一方で、第4投入センサSE8がONである場合(ステップSc01:YES)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち第5アドレスの記憶領域に記憶されている通過枚数チェック用カウンタの値を、3減算後のメダルYMの枚数を示す値に更新する(ステップSc02)。
次に、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック用カウンタに示されるメダルYMの枚数が0(零)よりも小さいか否かを判定する(ステップSc03)。通過枚数チェック用カウンタに示されるメダルYMの枚数が0(零)以上である場合(ステップSc03:NO)、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック処理を終了する。その一方で、通過枚数チェック用カウンタに示されるメダルYMの枚数が0(零)よりも小さい場合(ステップSc03:YES)、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック用カウンタの値を0に更新する(ステップSc04)。その後、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック処理を終了する。
以上のように、主制御用CPU100aは、第4投入センサSE8によるメダルYMの検知結果に基づいて、管理している滞留メダル枚数を3減算する。そして、主制御用CPU100aは、管理している滞留メダル枚数が3枚(所定個数)に達していないときには、0枚を示す値となるように通過枚数チェック用カウンタを更新する。なお、本実施形態では、上述のように、第4投入センサSE8によるメダルYMの検知位置において、複数枚のメダルYMが重なることがある。このため、案内通路ATにメダルYMが滞留していない場合であっても、第1投入センサSE5でメダルYMが検知される回数や第2投入センサSE6でメダルYMが検知される回数に比べて、第4投入センサSE8でメダルYMが検知される回数が少なくなることがある。これに対し、本実施形態では、第4投入センサSE8でメダルYMを検知した場合、通過枚数チェック用カウンタの値を3減算するため、案内通路ATにメダルYMが滞留していないにもかかわらず通過枚数チェック用カウンタの値が1以上になることを抑制できる。
主制御用CPU100aは、上記したセレクタチェック処理及び通過枚数チェック処理において、各投入センサSE5,SE6,SE8の検知結果に基づいて通過枚数チェック用カウンタの値を更新することにより、滞留メダル枚数を管理する。換言すれば、セレクタチェック処理及び通過枚数チェック処理は、案内通路ATにあるメダルYMの個数に関する情報を生成する生成処理に相当する。
なお、主制御用CPU100aは、セレクタチェック処理及び通過枚数チェック処理のそれぞれの処理において、通過枚数チェック用カウンタの値、即ち、第2記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える。一方で、主制御用CPU100aは、セレクタチェック処理及び通過枚数チェック処理のそれぞれの処理において、第1記憶領域の記憶内容を書き換えない。換言すれば、本実施形態のセレクタチェック処理及び通過枚数チェック処理は、何れも、主制御用RAM100cの記憶領域のうち第2記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、第1記憶領域の記憶内容を書き換えない処理である。
また、主制御用CPU100aは、セレクタチェック処理及び通過枚数チェック処理において、メダルセレクタ30に備えられている各投入センサSE5,SE6の検知結果と、シュート部材40に備えられている第4投入センサSE8の検知結果と、に基づいて通過枚数チェック用カウンタの値を書き換える。また、主制御用CPU100aは、次に説明する入力エラーチェック処理において、通過枚数チェック用カウンタの値に基づいてメダル滞留フラグを設定する。つまり、メダル滞留フラグは、メダルセレクタ30に備えられている各投入センサSE5,SE6の検知結果と、シュート部材40に備えられている第4投入センサSE8の検知結果と、に基づいて生成される。
次に、エラー状態が発生しているかの判定に関する入力エラーチェック処理について説明する。入力エラーチェック処理は、セレクタチェック処理や通過枚数チェック処理と同様に、主制御用CPU100aにより所定の制御周期毎に呼び出されて実行される処理である。即ち、本実施形態における入力エラーチェック処理は、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)であって、特に、割込み処理として行われる処理である。本実施形態において、入力エラーチェック処理は、第2処理の1つに相当する。
図13に示すように、主制御用CPU100aは、第3投入センサSE7がONであるか否かを判定する(ステップSd01)。ステップSd01の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第2アドレスの記憶領域に記憶されている第3投入センサSE7の検知結果に基づいて、第3投入センサSE7がONであるか否かを判定する。第3投入センサSE7がONである場合(ステップSd01:YES)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第4アドレスの記憶領域に記憶されている第3投入センサSE7用の監視タイマを読み込む(ステップSd02)。なお、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理とは別の処理において、第3投入センサSE7がONしたことを契機として、第3投入センサSE7用の監視タイマの値(例えば1秒)を主制御用RAM100cに記憶させる。そして、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理とは別の処理において、制御周期ごとに、該制御周期に相当する時間を第3投入センサSE7用の監視タイマから減算して更新するようになっている。
次に、主制御用CPU100aは、第3投入センサSE7用の監視タイマが終了しているか否かを判定する(ステップSd03)。ステップSd03の処理において、主制御用CPU100aは、読み込んだ第3投入センサSE7用の監視タイマの値がゼロとなっている場合に肯定判定する一方で、第3投入センサSE7用の監視タイマの値がゼロとなっていない場合に否定判定する。
第3投入センサSE7用の監視タイマが終了している場合(ステップSd03:YES)、主制御用CPU100aは、メダル詰まりエラー状態の発生を示す情報としてメダル詰まりフラグを主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第6アドレスの記憶領域に設定する(ステップSd04)。つまり、主制御用CPU100aは、所定時間(監視タイマが終了するまでの時間)に亘って第3投入センサSE7においてメダルYMが検知され続けていることから、第3投入センサの検知位置においてメダル詰まりが発生していると推定される場合に、メダル詰まりフラグを設定する。一方、第3投入センサSE7がONでない場合(ステップSd01:NO)、主制御用CPU100aは、第3投入センサSE7用の監視タイマの値をクリアする(ステップSd05)。
監視タイマが終了していない場合(ステップSd03:NO)、ステップSd04の処理を終了した場合、又はステップSd05の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック用カウンタに示されるメダルYMの枚数、即ち管理している滞留メダル枚数が規定枚数以上であるか否かを判定する(ステップSd06)。本実施形態において、判定基準となる規定枚数には、メダルYMが幅方向に重ならない状態において、案内通路ATに滞留可能なメダルYMの最大枚数である11枚が設定されている。
通過枚数チェック用カウンタに示されるメダルYMの枚数が規定枚数以上である場合(ステップSd06:YES)、主制御用CPU100aは、メダル滞留エラー状態の発生を示す情報としてメダル滞留フラグを主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第7アドレスの記憶領域に設定する(ステップSd07)。つまり、主制御用CPU100aは、管理している滞留メダル枚数が、メダルYMが幅方向に重ならない状態において案内通路ATに滞留可能なメダルYMの最大枚数に到達していることから、案内通路ATにおいて11枚(最大枚数)又は11枚を超えるメダルYMが滞留していると推定される場合に、メダル滞留フラグを設定する。なお、案内通路ATにおいて11枚を超えるメダルYMが滞留している場合とは、メダルYMが幅方向に重なった状態で滞留している場合である。
通過枚数チェック用カウンタに示されるメダルYMの枚数が規定枚数未満である場合(ステップSd06:NO)、及びステップSd07の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であるか否かを判定する(ステップSd08)。詳しく説明すると、ステップSd08の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第1記憶領域に投入要求可状態フラグが設定されている場合に肯定判定する一方で、設定されていない場合に否定判定する。
投入要求可状態ではない場合(ステップSd08:NO)、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第3アドレスの記憶領域に記憶されている第2投入センサSE6用の監視タイマを読込む(ステップSd09)。なお、入力エラーチェック処理とは別の処理において、主制御用CPU100aは、第2投入センサSE6がONしたことを契機として、第2投入センサSE6用の監視タイマの値を主制御用RAM100cに記憶させる。そして、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理とは別の処理において、制御周期ごとに、該制御周期に相当する時間を第2投入センサSE6用の監視タイマから減算して更新するようになっている。
次に、主制御用CPU100aは、第2投入センサSE6がONであるか否かを判定する(ステップSd10)。ステップSd10の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第2アドレスの記憶領域に記憶されている第2投入センサSE6の検知結果に基づいて、第2投入センサSE6がONであるか否かを判定する。第2投入センサSE6がONである場合(ステップSd10:YES)、主制御用CPU100aは、第2投入センサSE6用の監視タイマが終了したか否かを判定する(ステップSd11)。ステップSd11の処理において、主制御用CPU100aは、読み込んだ第2投入センサSE6用の監視タイマの値がゼロとなっている場合に肯定判定する一方で、第2投入センサSE6用の監視タイマの値がゼロとなっていない場合に否定判定する。
第2投入センサSE6用の監視タイマが終了している場合(ステップSd11:YES)、主制御用CPU100aは、メダル詰まりエラー状態の発生を示す情報としてメダル詰まりフラグを主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第6アドレスの記憶領域に設定する(ステップSd12)。つまり、主制御用CPU100aは、投入要求可状態ではないにもかかわらず第2投入センサSE6においてメダルYMが検知されたことから、第2投入センサSE6の検知位置においてメダル詰まりが発生していると推定される場合に、メダル詰まりフラグを設定する。
投入要求可状態である場合(ステップSd08:YES)、第2投入センサSE6がONでない場合(ステップSd10:NO)、第2投入センサSE6用の監視タイマが終了していない場合(ステップSd11:NO)、又はステップSd12の処理が終了している場合、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理を終了する。このように、本実施形態のスロットマシン10では、制御周期ごとに主制御用CPU100aが入力エラーチェック処理を実行することにより、メダルセレクタ30のメダル詰まり、及び案内通路ATにおけるメダルYMの滞留が検知され、該検知結果に対応する情報(フラグ)が主制御用RAM100cの第2記憶領域に記憶される。
以上のように、入力エラーチェック処理は、各投入センサSE5,SE6によるメダルYMの検知結果に基づいて行われる処理である。また、入力エラーチェック処理は、メダルセレクタ30におけるメダル詰まりの有無を判定すること(ステップSd01〜Sd04,Sd08〜Sd12)を含む。即ち、本実施形態の入力エラーチェック処理は、滞留処理に相当する。
また、入力エラーチェック処理は、メダル滞留フラグを設定すること(ステップSd06,Sd07)を含む。なお、メダル滞留フラグは、通過枚数チェック用カウンタの値に基づいて設定されることから、案内通路ATにあるメダルYMの個数に関する情報であるといえる。したがって、入力エラーチェック処理のステップSd06,Sd07は、案内通路ATにあるメダルYMの個数に関する情報を生成する生成処理に相当する。
また、以上のように、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理において、メダル詰まりフラグやメダル滞留フラグなど、第2記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える。一方で、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理において、第1記憶領域の記憶内容を書き換えない。換言すれば、本実施形態の入力エラーチェック処理は、主制御用RAM100cの記憶領域のうち第2記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、第1記憶領域の記憶内容を書き換えない処理である。また、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理において、投入要求可状態フラグなど、第1記憶領域の記憶内容を参照する。さらに、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理において、各投入センサSE6,SE7の検知結果など、第2記憶領域の記憶内容を参照する。即ち、主制御用CPU100aは、入力エラーチェック処理においては、主制御用RAM100cの第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方を参照できる。
次に、メダル管理処理について説明する。メダル管理処理は、遊技進行処理のステップSa05において実行されることから、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)として把握できる。本実施形態において、メダル管理処理は、メダルYMに関する各種の処理を行うことから、メダルYMの管理を行う遊技媒体管理処理に相当する。
図14に示すように、メダル管理処理において、主制御用CPU100aは、投入要求可状態であるか否かを判定する(ステップSe01)。投入要求可状態である場合(ステップSe01:YES)、主制御用CPU100aは、メダルが通過可能なON状態(第1状態)にブロッカ35を制御しているか否かを判定する(ステップSe02)。前述のように、メダル投入口17から投入されたメダルは、ブロッカ35がON状態に制御されている場合に第3メダル通路33へ案内される。ブロッカ35をON状態に制御している場合(ステップSe02:YES)、主制御用CPU100aは、メダルYMがメダルセレクタ30を通過したか否かを判定する(ステップSe03)。ステップSe03の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第2アドレスの記憶領域を参照して把握できる第1投入センサSE5の検知結果及び第2投入センサSE6の検知結果に基づいてメダルYMがメダルセレクタ30を通過したか否かを判定する。具体的に、主制御用CPU100aは、各投入センサSE5,SE6の何れかがONである場合に肯定判定する一方で、各投入センサSE5,SE6の何れもOFFである場合に否定判定する。
第3メダル通路33をメダルYMが通過した場合(ステップSe03:YES)、主制御用CPU100aは、ベット数やクレジットを加算するための投入チェック処理を実行する(ステップSe04)。この投入チェック処理の詳細については後述する。その後、主制御用CPU100aは、メダル管理処理を終了する。
投入要求可状態ではない場合(ステップSe01:NO)、ブロッカ35をON状態に制御していない場合(ステップSe02:NO)、又は第3メダル通路33をメダルYMが通過していない場合(ステップSe03:NO)、主制御用CPU100aは、精算ボタン19がON(操作)されたか否かを判定する(ステップSe05)。ステップSe05の処理において、主制御用CPU100aは、精算ボタン19から操作信号を入力した場合に肯定判定する一方で、操作信号を入力していない場合に否定判定する。
精算ボタン19がONされた場合(ステップSe05:YES)、主制御用CPU100aは、精算メダルがあるか否かを判定する(ステップSe06)。ステップSe06の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに1以上のクレジットが記憶されている場合に肯定判定する一方で、1以上のクレジットが記憶されていない場合に否定判定する。精算メダルがある場合(ステップSe06:YES)、主制御用CPU100aは、投入要求不可状態をセットする(ステップSe07)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第1記憶領域において、投入要求可状態フラグを消去(クリア)する。
次に、主制御用CPU100aは、ホッパーユニット26の第4アクチュエータA4を駆動して払出しディスクを回転させ、メダルYMを払出すためのメダル払出し処理を実行する(ステップSe08)。次に、主制御用CPU100aは、投入要求可状態をセットする(ステップSe09)。詳しく説明すると、主制御用CPU100aは、投入要求可状態フラグを主制御用RAM100cの第1記憶領域に設定する。そして、精算ボタン19がONされていない場合(ステップSe05:NO)、精算メダルがない場合(ステップSe06:NO)、又はステップSe09の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、メダル管理処理を終了する。
次に、投入チェック処理について説明する。投入チェック処理は、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理であるメダル管理処理のステップSe04において実行されることから、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)として把握できる。本実施形態において、投入チェック処理は、メダルYMに関する各種の処理を行うことから、メダルYMの管理を行う遊技媒体管理処理に相当する。
図15に示すように、投入チェック処理において、主制御用CPU100aは、不正通過エラー状態が発生しているか否かを判定するための不正通過エラー設定処理を実行する(ステップSf01)。この不正通過エラー設定処理の詳細については後述する。
その後、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち第8アドレスの記憶領域に不正通過エラー表示フラグが設定されているか否かを判定する(ステップSf02)。不正通過エラー表示フラグが設定されていない場合(ステップSf02:NO)、主制御用CPU100aは、第1投入センサSE5及び第2投入センサSE6によるメダルYMの検知状態の遷移が、メダルYMの投入を無効とする投入センサ無効遷移に該当するか否かを判定する(ステップSf03)。ステップSd03の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第2アドレスの記憶領域を参照して把握できる第1投入センサSE5の検知結果及び第2投入センサSE6の検知結果に基づいて、投入センサ無効遷移に該当するか否かの判定を行う。
本実施形態の投入センサ無効遷移は、[各投入センサSE5,SE6=OFF]→[第1投入センサSE5=ON,第2投入センサSE6=OFF]→[各投入センサSE5,SE6=OFF]に設定されている。即ち、ステップSf03の処理において、主制御用CPU100aは、第3メダル通路33において上流側に配設されている第1投入センサSE5がONになったにもかかわらず、下流側に配設されている第2投入センサSE6がONにならない場合に肯定判定する。
投入センサ無効遷移である場合(ステップSf03:YES)、主制御用CPU100aは、投入チェック処理を終了する。その一方で、投入センサ無効遷移ではない場合(ステップSf03:NO)、主制御用CPU100aは、既に設定されているベット数が最大ベット数に達していないときにはベット数に1加算する一方で、ベット数が最大ベット数に達しているときにはクレジットに1加算する(ステップSf04)。その後、主制御用CPU100aは、投入チェック処理を終了する。なお、本実施形態において、ベット数を特定可能な情報(カウンタなど)や、クレジットを特定可能な情報(カウンタなど)は、主制御用RAM100cの第1記憶領域に記憶される。
また、不正通過エラー表示フラグが設定されている場合(ステップSf02:YES)、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップSf05)。このエラー表示処理の詳細については後述する。次に、主制御用CPU100aは、通過枚数チェック用カウンタを初期化するための通過枚数チェック用カウンタ初期化処理を行う(ステップSf06)。通過枚数チェック用カウンタ初期化処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第5アドレスの記憶領域に設定されている通過枚数チェック用カウンタの値を0に更新する。なお、通過枚数チェック用カウンタ初期化処理は、投入チェック処理の実行中に呼び出される処理であって、投入チェック処理とは別の処理である。その後、主制御用CPU100aは、投入要求可状態をセットする(ステップSf06)。そして、主制御用CPU100aは、投入チェック処理を終了する。
以上のように、主制御用CPU100aは、メダル管理処理及び投入チェック処理のそれぞれの処理において、投入要求可状態フラグなど、第1記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える。一方で、主制御用CPU100aは、メダル管理処理及び投入チェック処理のそれぞれの処理において、第2記憶領域の記憶内容を書き換えない。換言すれば、本実施形態のメダル管理処理及び投入チェック処理は、何れも、主制御用RAM100cの記憶領域のうち第1記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、第2記憶領域の記憶内容を書き換えない処理である。
また、主制御用CPU100aは、メダル管理処理及び投入チェック処理のそれぞれの処理において、投入要求可状態フラグなど、第1記憶領域の記憶内容を参照する。さらに、主制御用CPU100aは、メダル管理処理及び投入チェック処理のそれぞれの処理において、各投入センサSE5,SE6の検知結果など、第2記憶領域の記憶内容を参照する。即ち、主制御用CPU100aは、メダル管理処理及び投入チェック処理のそれぞれの処理においては、主制御用RAM100cの第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方を参照できる。
次に、不正通過エラー設定処理について説明する。不正通過エラー設定処理は、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理である投入チェック処理のステップSf01において実行されることから、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)として把握できる。また、不正通過エラー設定処理は、メダル管理処理や投入チェック処理の実行中に呼び出される処理としても把握できる。
図16に示すように、不正通過エラー設定処理において、主制御用CPU100aは、第1投入センサSE5及び第2投入センサSE6によるメダルYMの検知状態の遷移が、メダルYMが不正投入されたとする投入センサ異常遷移に該当するか否かを判定する(ステップSg01)。ステップSg01の処理において、主制御用CPU100aは、第1投入センサSE5及び第2投入センサSE6によるメダルYMの検知状態の遷移が、上述した投入センサ無効遷移、及び、メダルYMが正常に投入されたとする投入センサ正常遷移の何れにも該当しない場合、異常遷移に該当すると判定する。一方、主制御用CPU100aは、第1投入センサSE5及び第2投入センサSE6によるメダルYMの検知状態の遷移が、上述した投入センサ無効遷移、及び、投入センサ正常遷移の何れかに該当する場合、異常遷移に該当しないと判定する。
本実施形態の投入センサ正常遷移は、[各投入センサSE5,SE6=OFF]→[第1投入センサSE5=ON,第2投入センサSE6=OFF]→[各投入センサSE5,SE6=ON]→[第1投入センサSE5=OFF,第2投入センサSE6=ON]→[各投入センサSE5,SE6=OFF]に設定されている。即ち、投入センサ正常遷移は、メダルYMが第3メダル通路33の上流から下流に向かって通過する場合のメダルYMの検知状態の遷移である。また、投入センサ異常遷移は、例えば、メダルYMが第3メダル通路33の下流から上流に向かって通過する場合のメダルYMの検知状態の遷移などである。
メダルYMの検知状態の遷移が、投入センサ異常遷移に該当する場合(ステップSg01:YES)、不正通過エラー表示フラグを主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第8アドレスの記憶領域に設定する(ステップSg02)。そして、投入センサ異常遷移に該当しない場合(ステップSg01:NO)、又はステップSg02の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、不正通過エラー設定処理を終了する。
以上のように、主制御用CPU100aは、不正通過エラー設定処理において、不正通過エラー表示フラグなど、第2記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える。一方で、主制御用CPU100aは、不正通過エラー設定処理において、第1記憶領域の記憶内容を書き換えない。換言すれば、本実施形態の不正通過エラー設定処理は、主制御用RAM100cの記憶領域のうち第2記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、第1記憶領域の記憶内容を書き換えない処理である。
本実施形態において、各投入センサSE5,SE6による検知結果、即ち、各投入センサSE5,SE6によるメダルYMの検知状態の遷移は、検知部による遊技媒体の検知態様に相当する。したがって、不正通過エラー設定処理は、検知部による遊技媒体の検知態様に基づいて行う検知処理に相当する。また、本実施形態において、投入センサ異常遷移は、予め定めた不正検知態様に相当する。つまり、不正通過エラー設定処理は、検知部による遊技媒体の検知態様が、予め定めた不正検知態様であるか否かを判定する処理(ステップSg01)を含む。
次に、エラー表示設定処理について説明する。エラー表示設定処理は、遊技進行処理のステップSa06,Sa17において実行されることから、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)として把握できる。
図17に示すように、エラー表示設定処理において、主制御用CPU100aは、メダル詰まりフラグが主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第6アドレスの記憶領域に設定されているか否かを判定する(ステップSh01)。メダル詰まりフラグが設定されている場合(ステップSh01:YES)、主制御用CPU100aは、メダル詰まりエラー状態の報知を指示するためのメダル詰まりエラー設定処理を行う(ステップSh02)。このメダル詰まりエラー設定処理の詳細については後述する。
次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップSh03)。このエラー表示処理の詳細については後述する。続けて、主制御用CPU100aは、メダル詰まりフラグをクリアするためのメダル詰まりフラグ解除処理を行う(ステップSh04)。メダル詰まりフラグ解除処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第6アドレスの記憶領域に設定されているメダル詰まりフラグをクリアする。なお、メダル詰まりフラグ解除処理は、エラー表示処理の実行中に呼び出される処理であって、エラー表示処理とは別の処理である。
メダル詰まりフラグが設定されていない場合(ステップSh01:NO)、及びステップSh04の処理を終了した場合、主制御用CPU100aは、メダル滞留フラグが主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第7アドレスの記憶領域に設定されているか否かを判定する(ステップSh05)。メダル滞留フラグが設定されていない場合(ステップSh05:NO)、主制御用CPU100aは、エラー表示設定処理を終了する。その一方で、メダル滞留フラグが設定されている場合(ステップSh05:YES)、主制御用CPU100aは、メダル滞留エラー状態の報知を指示するためのメダル滞留エラー設定処理を行う(ステップSh06)。このメダル滞留エラー設定処理の詳細については後述する。
次に、主制御用CPU100aは、スロットマシン10で発生しているエラー状態を報知させるためのエラー表示処理を行う(ステップSh07)。続けて、主制御用CPU100aは、メダル滞留フラグをクリアするためのメダル滞留フラグ解除処理を行う(ステップSh08)。メダル滞留フラグ解除処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第7アドレスの記憶領域に設定されているメダル滞留フラグをクリアする。なお、メダル滞留フラグ解除処理は、エラー表示設定処理の実行中に呼び出される処理であって、エラー表示設定処理とは別の処理である。その後、主制御用CPU100aは、エラー表示設定処理を終了する。
以上のように、主制御用CPU100aは、エラー表示設定処理において、第1記憶領域の記憶内容、及び第2記憶領域の記憶内容の何れも書き換えない。一方、主制御用CPU100aは、エラー表示設定処理において、メダル詰まりフラグやメダル滞留フラグなど、第2記憶領域の記憶内容を参照する。
次に、メダル詰まりエラー設定処理について説明する。メダル詰まりエラー設定処理は、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理であるエラー表示設定処理のステップSh02において実行されることから、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)として把握できる。
図18に示すように、メダル詰まりエラー設定処理において、主制御用CPU100aは、メダル詰まりエラー表示フラグを主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第9アドレスの記憶領域に設定する(ステップSi01)。その後、主制御用CPU100aは、メダル詰まりエラー設定処理を終了する。
メダル詰まりエラー表示フラグは、メダルセレクタ30においてメダル詰まりが発生していることを示すメダル詰まりフラグに基づいて設定されることから、メダルセレクタ30におけるメダル詰まりの有無に関する情報であるといえる。このため、メダル詰まりエラー設定処理は、メダル詰まりの有無に関する情報を生成する処理に相当する。
次に、メダル滞留エラー設定処理について説明する。メダル滞留エラー設定処理は、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理であるエラー表示設定処理のステップSh06において実行されることから、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)として把握できる。
図19に示すように、メダル滞留エラー設定処理において、主制御用CPU100aは、メダル滞留エラー表示フラグを主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第10アドレスの記憶領域に設定する(ステップSj01)。その後、主制御用CPU100aは、メダル滞留エラー設定処理を終了する。
メダル滞留エラー表示フラグは、案内通路ATにあるメダルYMの個数に関する情報であるメダル滞留フラグに基づいて設定されることから、案内通路ATにあるメダルYMの個数に関する情報であるといえる。このため、メダル滞留エラー設定処理は、案内通路ATにあるメダルYMの個数に関する情報を生成する生成処理に相当する。
以上のように、主制御用CPU100aは、メダル詰まりエラー設定処理及びメダル滞留エラー設定処理のそれぞれの処理において、メダル詰まりエラー表示フラグやメダル滞留エラー表示フラグなど、第2記憶領域の記憶内容を書き換える。一方で、主制御用CPU100aは、メダル詰まりエラー設定処理及びメダル滞留エラー設定処理のそれぞれの処理において、第1記憶領域の記憶内容を書き換えない。換言すれば、本実施形態のメダル詰まりエラー設定処理及びメダル滞留エラー設定処理は、何れも、主制御用RAM100cの記憶領域のうち第2記憶領域の記憶内容を書き換える一方で、第1記憶領域の記憶内容を書き換えない処理である。
次に、エラー表示処理について説明する。エラー表示処理は、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理である投入チェック処理のステップSf05や、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理であるエラー表示設定処理のステップSh03,Sh07において実行されることから、遊技進行処理の実行中に呼び出される処理(所謂、サブルーチン)として把握できる。
図20に示すように、エラー表示処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域のうち、第8アドレス〜第10アドレスの記憶領域を参照し、エラー表示フラグが設定されているか否かを判定する(ステップSk01)。ステップSk01の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cに不正通過エラー表示フラグ、メダル詰まりエラー表示フラグ、及びメダル滞留エラー表示フラグの何れかが設定されている場合に肯定判定する一方で、各エラー表示フラグの何れも設定されていない場合に否定判定する。
エラー表示フラグが設定されていない場合(ステップSk01:NO)、主制御用CPU100aは、エラー表示処理を終了する。その一方で、エラー表示フラグが設定されている場合(ステップSk01:YES)、主制御用CPU100aは、エラー表示フラグに基づくエラー状態の報知が実行されるようにエラー表示部25aの表示内容を制御する(ステップSk02)。
次に、主制御用CPU100aは、設定されているエラー表示フラグに基づいて、該エラー表示フラグに対応するエラー状態の報知の開始を指示するための制御コマンド(報知開始コマンド)を生成し、所定の出力バッファに設定する(ステップSk03)。なお、出力バッファに設定された報知開始コマンドは、次回以降の制御周期における出力処理などにおいて、副基板200(副制御用CPU200a)に対して出力される。
次に、主制御用CPU100aは、待機タイマをセットする(ステップSk04)。詳しく説明すると、ステップSk04の処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第1記憶領域に待機タイマとして所定時間(本実施形態では6秒)を設定する。なお、主制御用CPU100aは、待機タイマをセットすると、該待機タイマの値を所定の制御周期ごとに該制御周期に相当する時間を減算して更新するようになっている。
次に、主制御用CPU100aは、待機タイマが終了したか否かを判定する(ステップSk05)。ステップSk05において、主制御用CPU100aは、減算した結果として待機タイマの値がゼロとなっている場合に肯定判定する一方で、待機タイマの値がゼロとなっていない場合に否定判定する。待機タイマが終了していない場合(ステップSk05:NO)、主制御用CPU100aは、ステップSk05の処理を繰り返し実行することにより、待機タイマが終了する迄の間、待機する。
その一方で、待機タイマが終了している場合(ステップSk05:YES)、主制御用CPU100aは、所定のエラー解除操作が行われたか否かを判定する(ステップSk06)。詳しく説明すると、ステップSk06の処理において、主制御用CPU100aは、扉開放センサSE4及びエラー解除ボタンSWが何れもONである場合に肯定判定する。
所定のエラー解除操作が行われていない場合(ステップSk06:NO)、主制御用CPU100aは、ステップSk06の処理を繰り返し実行することにより、所定のエラー解除操作が行われる迄の間、待機する。その一方で、所定のエラー解除操作が行われている場合(ステップSk06:YES)、主制御用CPU100aは、エラー状態の報知が終了するようにエラー表示部25aの表示内容を制御する(ステップSk07)。次に、主制御用CPU100aは、エラー状態の報知の終了を指示するための制御コマンド(以下、報知終了コマンドと示す)を生成し、所定の出力バッファに設定する(ステップSk08)。続いて、主制御用CPU100aは、エラー表示フラグをクリアするためのエラー表示フラグ解除処理を行う(ステップSk09)。エラー表示フラグ解除処理において、主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第2記憶領域に設定されているエラー表示フラグをクリアする。なお、エラー表示フラグ解除処理は、エラー表示処理の実行中に呼び出される処理であって、エラー表示処理とは別の処理である。その後、主制御用CPU100aは、エラー表示処理を終了する。
以上のように、主制御用CPU100aは、エラー表示処理において、待機タイマなど、第1記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える。一方で、主制御用CPU100aは、エラー表示処理において、第2記憶領域の記憶内容を書き換えない。換言すれば、本実施形態のエラー表示処理は、主制御用RAM100cの記憶領域のうち第1記憶領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、第2記憶領域の記憶内容を書き換えない処理である。
また、主制御用CPU100aは、エラー表示処理において、待機タイマなど、第1記憶領域の記憶内容を参照する。さらに、主制御用CPU100aは、エラー表示処理において、各エラー表示フラグなど、第2記憶領域の記憶内容を参照する。即ち、主制御用CPU100aは、エラー表示処理においては、主制御用RAM100cの第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方を参照できる。
なお、主制御用CPU100aは、エラー表示処理の実行中、即ちエラー状態の報知を実行させている間、変動ゲームを進行させるための処理を行わない。即ち、本実施形態のスロットマシン10では、エラー状態の報知中に変動ゲームの進行が停止されることから、該変動ゲームの進行が停止された状況からエラー状態が発生していることを遊技者に認識させ得る。
次に、副基板200の副制御用CPU200aが演出表示装置15の表示内容を制御してエラー状態を報知させるために行うエラー報知処理について説明する。
エラー報知処理において、副制御用CPU200aは、主制御用CPU100aから報知開始コマンドを入力しているか否かを判定する。報知開始コマンドを入力していない場合、副制御用CPU200aは、エラー報知処理を終了する。その一方で、副制御用CPU200aは、報知開始コマンドを入力している場合、入力した報知開始コマンドから特定可能な種類のエラー状態の報知が開始されるように演出表示装置15の表示内容を制御する。
詳しく説明すると、副制御用CPU200aは、不正通過エラー状態の報知の開始が指示されている場合、例えば「メダルの不正通過」の文字列を模した画像を表示するなどして、不正通過エラー状態の報知が開始されるように演出表示装置15の表示内容を制御する。また、副制御用CPU200aは、メダル詰まりエラー状態の報知の開始が指示されている場合、例えば「メダル詰まり」の文字列を模した画像を表示するなどして、メダル詰まりエラー状態の報知が開始されるように演出表示装置15の表示内容を制御する。さらに、副制御用CPU200aは、メダル滞留エラー状態の報知の開始が指示されている場合、例えば「メダル滞留」の文字列を模した画像を表示するなどして、メダル滞留エラー状態の報知が開始されるように演出表示装置15の表示内容を制御する。
また、副制御用CPU200aは、エラー状態を報知させている場合であって、報知終了コマンドを入力したときには、エラー状態の報知が終了されるように演出表示装置15の表示内容を制御する。なお、副制御用CPU200aは、報知開始コマンドを入力してから、報知終了コマンドを入力する迄の間、継続してエラー状態が報知され続けるように演出表示装置15の表示内容を制御する。
次に、上記のように構成したスロットマシン10の作用について説明する。
図21に示すように、本実施形態の主制御用CPU100aが実行可能な処理は、第1記憶領域を書き換え対象とする第1種処理と、第2記憶領域を書き換え対象とする第2種処理と、何れの記憶領域をも書き換え対象としない第3種処理と、に分類可能である。本実施形態の第1種処理には、遊技進行処理と、メダル管理処理と、投入チェック処理と、エラー表示処理と、が分類される。また、本実施形態の第2種処理には、不正通過エラー設定処理と、メダル詰まりエラー設定処理と、メダル滞留エラー設定処理と、セレクタチェック処理と、通過枚数チェック処理と、入力エラーチェック処理と、が分類される。このように、第2種処理は、何れも不正に関する処理である。特に、本実施形態の第2種処理は、何れもメダルYMの不正投入に関する重要な処理である。第3種処理には、エラー表示設定処理が分類される。
本実施形態の主制御用CPU100aは、第1種処理のような、主制御用RAM100cの第1記憶領域の記憶内容を書き換える処理においては、主制御用RAM100cの第2記憶領域の記憶内容を書き換えない。また、主制御用CPU100aは、第2種処理のような、主制御用RAM100cの第2記憶領域の記憶内容を書き換える処理においては、主制御用RAM100cの第1記憶領域の記憶内容を書き換えない。つまり、本実施形態の主制御用CPU100aは、実行する処理に応じて、記憶内容を書き換える記憶領域を異ならせている。
換言すれば、第1記憶領域は、第1種処理にとっては、使用可能(書き換え可能)な使用領域として把握できる一方、第2種処理にとっては、使用不能(書き換え不能)な使用外領域(未使用領域)として把握できる。また、第2記憶領域は、第1種処理にとっては、使用不能(書き換え不能)な使用外領域(未使用領域)として把握できる一方、第2種処理にとっては、使用可能(書き換え可能)な使用領域として把握できる。即ち、第1種処理は、処理結果を示す情報を記憶させるアドレスが第1記憶領域にある処理である一方で、第2種処理は、処理結果を示す情報を格納するアドレスが第2記憶領域にある処理である。
また、本実施形態の主制御用CPU100aは、第1種処理のなかでもメダル管理処理や投入チェック処理、エラー表示処理において、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方を参照できる。つまり、主制御用CPU100aは、第1記憶領域の記憶内容を書き換える処理においては、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方に基づいて、第1記憶領域の記憶内容を書き換えることができる。また、主制御用CPU100aは、第2種処理のなかでも入力エラーチェック処理において、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方を参照できる。つまり、主制御用CPU100aは、第2記憶領域の記憶内容を書き換える処理においては、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方に基づいて、第2記憶領域の記憶内容を書き換えることができる。
また、本実施形態の主制御用CPU100aは、主制御用RAM100cの第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容を書き換えない処理であるエラー表示設定処理において、第2記憶領域の記憶内容を参照できる。つまり、主制御用CPU100aは、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容を書き換えない処理においては、該処理において書き換えない記憶領域の記憶内容の少なくとも一部を参照できる。
また、本実施形態の主制御用CPU100aは、第1種処理においては、別の第1種処理や、第2種処理、第3種処理を呼び出して実行することができるように構成されている。また、主制御用CPU100aは、第3種処理においては、第1種処理や、第2種処理を呼び出して実行することができるように構成されている。一方で、主制御用CPU100aは、第2種処理においては、別の第2種処理や、第1種処理、第3種処理を呼び出して実行することができないように構成されている。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)主制御用CPU100aが行う各種の処理について、処理毎に主制御用RAM100cの記憶領域のうち書き換える記憶領域を異ならせることができるため、各種の処理と書き換えられる記憶領域とを対応付け、主制御用RAM100cの記憶領域の管理を容易にできる。
(2)特に、不正通過エラー設定処理といった第2種処理のように、投入されたメダルYMの検知結果に基づいて行う処理は、メダルYMの不正投入に関する重要な処理といえる。本実施形態では、このような重要な処理を、遊技進行処理の実行中に呼び出されるサブルーチンとして行う。そして、このような重要な処理では、主制御用RAM100cの記憶領域のうち、遊技進行処理において書き換えられる第1記憶領域とは異なる第2記憶領域を書き換える。これにより、遊技の進行に関する遊技進行処理と、メダルYMの不正投入に関する重要な処理とにおいて、書き換えられる記憶領域を異ならせることができ、主制御用RAM100cの記憶領域の管理をさらに容易にできる。
(3)また、遊技進行処理では、メダルYMの不正投入に関する重要な第2種処理において書き換えられる第2記憶領域の記憶内容を書き換えない一方、メダルYMの不正投入に関する重要な第2種処理では、遊技進行処理において書き換えられる第1記憶領域の記憶内容を書き換えない。このため、各処理においては、別の処理で書き換えられる記憶領域に不要な記憶内容が混入することを抑制でき、セキュリティ性を向上できる。
(4)メダルYMの不正投入に関する重要な第2種処理の中でも、不正通過エラー設定処理は、第1投入センサSE5及び第2投入センサSE6によるメダルYMの検知状態の遷移が投入異常遷移であるか否かを判定する処理を含むため、メダルYMの不正投入を発見するための特に重要な処理といえる。そして、本実施形態では、このような特に重要な処理である不正通過エラー設定処理について、遊技進行処理において書き換えられる第1記憶領域とは異なる第2記憶領域の記憶内容を書き換えるため、主制御用RAM100cの記憶領域の管理をさらに容易にできるとともに、セキュリティ性を更に向上できる。
(5)主制御用RAM100cの記憶領域のうち第1記憶領域の記憶内容を書き換えるメダル管理処理や投入チェック処理においては、各処理において書き換えない第2記憶領域の記憶内容を参照できる。このため、メダル管理処理や投入チェック処理では、第2記憶領域の記憶内容を書き換える処理と同様の処理を行う必要がなく、スロットマシン10の処理を全体的に効率化できる。
(6)主制御用RAM100cの記憶領域のうち第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容を書き換えないエラー表示設定処理においては、該処理において書き換えない記憶領域の記憶内容の少なくとも一部を参照できるため、記憶領域の管理を容易にしつつも、スロットマシン10の処理を全体的に効率化できる。
(7)メダルYMの不正投入に関する重要な第2種処理の中でも、入力エラーチェック処理は、メダルセレクタ30におけるメダル詰まりの有無を判定することを含むため、メダルYMの不正投入によって生じ得るメダル詰まりを発見するための特に重要な処理といえる。そして、本実施形態では、このような特に重要な処理である入力エラーチェック処理について、遊技進行処理において書き換えられる第1記憶領域とは異なる第2記憶領域の記憶内容を書き換えるため、主制御用RAM100cの記憶領域の管理をさらに容易にできるとともに、セキュリティ性を更に向上できる。
(8)主制御用CPU100aは、シュート部材40よりも上流にあるメダルセレクタ30に備えられている各投入センサSE6,SE7の検知結果に基づいてメダル詰まりの有無を判定するため、メダルYMの不正投入により発生し得るメダル詰まりを早期に発見できる。
(9)さらに、入力エラーチェック処理は、案内通路ATにあるメダルYMの枚数に関する情報であるメダル滞留フラグを設定する処理でもあることから、メダルYMの不正投入によって生じ得る案内通路ATにおけるメダルYMの滞留を発見するための特に重要な処理といえる。そして、上述したように、このような特に重要な処理である入力エラーチェック処理について、遊技進行処理において書き換えられる第1記憶領域とは異なる第2記憶領域の記憶内容を書き換えるため、主制御用RAM100cの記憶領域の管理をさらに容易にできるとともに、セキュリティ性を更に向上できる。
(10)入力エラーチェック処理では、遊技進行処理において書き換えられる第1記憶領域の記憶内容を参照できる。このため、入力エラーチェック処理では、遊技進行処理と同様の処理を行う必要がなく、スロットマシン10の処理を全体的に効率化できる。
(11)セレクタチェック処理、通過枚数チェック処理、及び入力エラーチェック処理は、遊技進行処理の実行中に割込み処理として行われる。また、セレクタチェック処理、通過枚数チェック処理、及び入力エラーチェック処理では、主制御用RAM100cの記憶領域のうち第2記憶領域の記憶内容を書き換える一方で、遊技進行処理において書き換えられる第1記憶領域の記憶内容を書き換えない。すなわち、本実施形態では、遊技進行処理と、遊技進行処理の実行中に割込み処理として行われる処理とにおいて、主制御用RAM100cの記憶領域のうち異なる記憶領域の記憶内容を書き換えることができる。これによれば、主制御用RAM100cの記憶領域の管理をさらに容易にできる。
(12)メダル滞留フラグは、メダルセレクタ30に備えられている各投入センサSE5,SE6の検知結果と、シュート部材40に備えられている第4投入センサSE8の検知結果と、に基づいて生成される。このため、主制御用CPU100aは、メダル滞留フラグを適切に生成できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・主制御用RAM100cの記憶領域において、第1記憶領域及び第2記憶領域をどのように定義するかは、適宜変更してもよい。例えば、第2記憶領域を、第1記憶領域よりも前のアドレスに割り当てられた記憶領域としてもよい。また、各記憶領域において、未使用エリアを設定しなくてもよい。即ち、主制御用CPU100aが行う処理の種別ごとに、書き換えられる記憶領域と書き換えられない記憶領域が異ならされていればよい。
・第1記憶領域及び第2記憶領域は、同一の基板に設けられた同一のRAM内の記憶領域でなくてもよく、例えば、同一の基板に設けられた別のRAM内の記憶領域であってもよいし、別の基板に設けられた別のRAM内の記憶領域であってもよい。この場合、複数のRAMの両方が記憶部に相当する。
・第1記憶領域に記憶させる記憶内容と、第2記憶領域に記憶させる記憶内容は、適宜変更してもよい。例えば、第1記憶領域に不正に関する情報を記憶させてもよいし、第2記憶領域に遊技の進行に関する情報を記憶させてもよい。ただし、主制御用RAM100cの記憶領域の管理を容易にするという観点では、情報を種類別に分類し、該情報の種類に応じて記憶させる記憶領域を異ならせるとよい。なお、情報の種類には、上記実施形態に記載した、遊技の進行に関する情報や不正に関する情報の他にも、リールの制御に関する情報や、演出に関する情報などを含む。
・主制御用CPU100aは、エラー表示設定処理などの、主制御用RAM100cの第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容を書き換えない第3種処理において、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方を参照できるようにしてもよい。この場合、記憶内容を書き換えない処理において、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方を参照できるため、記憶部の管理を容易にしつつも、さらに遊技機の処理を全体的に効率化できる。また、主制御用CPU100aは、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容を書き換えない第3種処理において、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容のうち何れか一方のみを参照してもよいし、何れも参照しないようにしてもよい。
・上記実施形態では、主制御用CPU100aは、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の何れかを書き換える処理のうち一部の処理において、該処理で書き換える記憶領域とは異なる記憶領域の記憶内容を参照できるようにしたが、これに限らない。例えば、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の何れかを書き換える処理のうち全ての処理において、該処理で書き換える記憶領域とは異なる記憶領域の記憶内容を参照できるようにしてもよい。これによれば、所定の記憶領域の記憶内容を書き換える処理と同様の処理を、所定の記憶領域とは異なる記憶領域を書き換える処理において行う必要がなく、スロットマシン10の処理を全体的に効率化できる。
・また、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の何れかを書き換える処理のうち全ての処理において、該処理で書き換える記憶領域とは異なる記憶領域の記憶内容を参照できないようにしてもよい。また、第1記憶領域の記憶内容を書き換える処理において、第2記憶領域の記憶内容を参照できる一方で、第2記憶領域の記憶内容を書き換える処理において、第1記憶領域の記憶内容を参照できないようにしてもよい。また、第2記憶領域の記憶内容を書き換える処理において、第1記憶領域の記憶内容を参照できる一方で、第1記憶領域の記憶内容を書き換える処理において、第2記憶領域の記憶内容を参照できないようにしてもよい。
・具体的に、不正通過エラー設定処理などの、各投入センサSE5〜SE8によるメダルYMの検知結果に基づいて行う処理(第2種処理)において、第1記憶領域の記憶内容を参照できるようにしてもよい。また、メダル詰まりエラー設定処理などの、メダルセレクタ30における遊技媒体の滞留の有無に関する情報を生成する処理(第2種処理)において、第1記憶領域の記憶内容を参照できるようにしてもよい。さらに、セレクタチェック処理や通過枚数チェック処理、メダル滞留エラー設定処理などの、案内通路ATにあるメダルYMの枚数に関する情報を生成する処理(第2種処理)において、第1記憶領域の記憶内容を参照できるようにしてもよい。また、遊技の進行に関する遊技進行処理(第1種処理)において、第2記憶領域の記憶内容を参照できるようにしてもよい。
・主制御用CPU100aが行う処理には、第1記憶領域の記憶内容及び第2記憶領域の記憶内容の両方を書き換える処理が含まれていてもよい。即ち、主制御用CPU100aが行う処理には、少なくとも第1記憶領域の記憶内容を書き換える一方で第2記憶領域の記憶内容を書き換えない処理と、第2記憶領域の記憶内容を書き換える一方で第2記憶領域の記憶内容を書き換えない処理と、が含まれていればよく、その他の処理をさらに含んでいてもよい。
・主制御用CPU100aは、第2記憶領域の記憶内容を書き換える処理において、第1記憶領域の記憶内容が書き換えられないように、第1記憶領域の記憶内容を保護(退避)してもよい。これによれば、第1記憶領域の記憶内容を書き換えない処理を行っているにもかかわらず、不正などにより意図せず第1記憶領域の記憶内容が書き換えられることを抑制できる。また、主制御用CPU100aは、第1記憶領域の記憶内容を書き換える処理において、第2記憶領域の記憶内容が書き換えられないように、第2記憶領域の記憶内容を保護(退避)してもよい。
・主制御用CPU100aが行う各種の処理における処理手順は、適宜変更してもよい。即ち、主制御用CPU100aが行う処理には、遊技の進行に関する遊技進行処理と、該遊技進行処理の実行中に呼び出される処理であって、各投入センサSE5〜SE8の検知結果に基づいて行う処理が少なくとも含まれていればよい。
・例えば、投入チェック処理のステップSf03におけるメダルYMの検知状態の遷移が投入センサ無効遷移に該当するか否かの判定は、不正通過エラー設定処理で実行されてもよい。また、不正通過エラー設定処理のステップSg01におけるメダルYMの検知状態の遷移が投入センサ異常遷移に該当するか否かの判定は、投入チェック処理で実行されてもよい。即ち、メダルYMの検知状態の遷移が投入センサ無効遷移に該当するか否かの判定と、投入センサ異常遷移に該当するか否かの判定とは、同一の処理内で実行されてもよい。また、投入センサ無効遷移に該当する場合にも、不正通過エラー状態と判定してもよい。
・また、投入センサ無効遷移に該当するか否かの判定を行わなくてもよい。即ち、少なくとも投入センサ異常遷移に該当するか否かの判定を行っていればよい。
・また、入力エラーチェック処理のステップSd01〜Sd03,Sd08〜Sd11におけるメダル詰まりの有無の判定は、エラー表示設定処理において実行されてもよい。即ち、割込み処理ではない処理において、メダル詰まりの有無を判定するようにしてもよい。この場合、メダル詰まりが発生していると判定されたときには、エラー表示設定処理から呼び出される別の処理において、メダル詰まりフラグを設定するとよい。
・また、入力エラーチェック処理のステップSd06における通過枚数チェック用カウンタに示されるメダルの枚数が規定枚数以上であるか否かの判定は、エラー表示設定処理において実行されてもよい。即ち、割込み処理ではない処理において、通過枚数チェック用カウンタに示されるメダルの枚数が規定枚数以上であるか否かを判定するようにしてもよい。この場合、通過枚数チェック用カウンタに示されるメダルの枚数が規定枚数以上であると判定されたときには、エラー表示設定処理から呼び出される別の処理において、メダル滞留フラグを設定するとよい。
・また、入力エラーチェック処理のステップSd04,Sd12におけるメダル詰まりフラグを設定する処理において、メダル詰まりフラグに代えてメダル詰まりエラー表示フラグを設定してもよい。この場合、メダル詰まりフラグを省略してもよい。また、入力エラーチェック処理のステップSd07におけるメダル滞留フラグを設定する処理において、メダル滞留フラグに代えてメダル滞留エラー表示フラグを設定してもよい。この場合、メダル滞留フラグを省略してもよい。
・主制御用CPU100aは、第2種処理において、別の第2種処理や、第1種処理、第3種処理を呼び出して実行することができるように構成されていてもよい。また、主制御用CPU100aは、第3種処理において、別の第3種処理を呼び出して実行することができるように構成されていてもよい。
・第1種処理、第2種処理、及び第3種処理に分類される処理の数は、適宜変更してもよい。例えば、第1種処理に分類される処理の数を1つとし、第2種処理に分類される処理の数を複数としてもよい。また、第1種処理に分類される処理の数を複数とし、第2種処理に分類される処理の数を1つとしてもよい。また、第1種処理に分類される処理の数と第2種処理に分類される処理の数を、何れも1つとしてもよい。また、第1種処理に分類される処理の数と第2種処理に分類される処理の数を、何れも複数としてもよく、この場合、第1種処理に分類される処理の数と第2種処理に分類される処理の数を異ならせてもよい。さらに、上記した別例において、第3種処理に分類される処理の数を1つとしてもよいし、複数としてもよい。
・主制御用ROM100bは、主制御用CPU100aが行う各種の処理のうち、主制御用RAM100cの第1記憶領域を書き換える処理については、特定の記憶領域にて記憶保持する一方で、第2記憶領域を書き換える処理については、特定の記憶領域とは異なる非特定の記憶領域にて記憶保持するように構成されていてもよい。換言すれば、主制御用RAM100cの記憶領域のうち、第1記憶領域は、主制御用ROM100bの特定の記憶領域に記憶保持されている処理によって書き換えられる記憶領域であり、第2記憶領域は、主制御用ROM100bの非特定の記憶領域に記憶保持されている処理によって書き換えられる記憶領域として把握できる。
・また、主制御用ROM100bの特定の記憶領域に記憶されている処理では、特定の記憶領域に記憶されている別の処理や非特定の記憶領域に記憶されている処理を呼び出して実行させることができるようにしてもよい。また、主制御用ROM100bの非特定の記憶領域に記憶されている処理では、特定の記憶領域に記憶されている処理を呼び出して実行させることができないようにしてもよい。また、主制御用ROM100bの非特定の記憶領域に記憶されている処理では、非特定の記憶領域に記憶されている別の処理を呼び出して実行させることができるようにしてもよいし、できないようにしてもよい。
・スロットマシン10は、ホールコンピュータやデータカウンタなどの外部機器に対してエラー状態を特定可能な情報を出力可能な外部出力部を備えていてもよい。この構成によれば、エラー状態が検出されたことを特定可能な信号をもとに、例えばホールコンピュータなどにおいてエラー状態の発生を集計したり、所定の報知を行わせたりできる。この場合、演出表示装置15によるエラー報知、及びエラー表示部25aによるエラー報知の少なくとも一方を省略してもよい。
・第1投入センサSE5及び第2投入センサSE6は、機械式(接触式)のセンサであってもよい。また、第3投入センサSE7は、フォトセンサなどの非接触式のセンサであってもよい。
・メダルセレクタ30における投入センサの個数や配設位置を変更してもよい。例えば、第1投入センサSE5、及び第2投入センサSE6の一方又は両方を省略してもよい。
・第3投入センサSE7は、案内通路ATのうち、メダルセレクタ30よりもメダル投入口17側(上流側)に配設されていてもよい。
・第4投入センサSE8は、検出片46を備えず、メダルYMの通過をフォトセンサなどにより直接的に検知する非接触式のセンサであってもよい。この場合には、検出片46に代えて、メダルYMの逆方向への移動を規制する規制機構を別に備えてもよく、また規制機構を備えなくてもよい。
・第4投入センサSE8の配設位置を変更してもよい。例えば、第4投入センサSE8は、第1延出部40aや湾曲部40bに配設してもよい。即ち、第2検知手段は、メダルセレクタ30からホッパーユニット26(貯留ボックス27)までの誘導路42に配設されており、通過するメダルYMを検出可能であればよい。
・誘導路42の幅は、1枚のメダルYMが同時に通過可能な幅であってもよい。この場合、通過枚数チェック処理におけるステップSc02の処理において、通過枚数チェック用カウンタの値を1減算するようにしてもよい。またこの場合、通過枚数チェック処理におけるステップSc03の処理を省略してもよい。また、誘導路42の幅は、3枚以上のメダルYMが同時に通過可能な幅であってもよい。
・通過枚数チェック処理におけるステップSc03において通過枚数チェック用カウンタから減算する値は、適宜変更してもよく、例えば、幅方向に重なった状態で誘導路42を同時に通過可能なメダルYMの枚数と、通過枚数チェック用カウンタから減算する値とが一致していなくてもよい。ここで、通過枚数チェック用カウンタから減算する値を小さくするほど、通過枚数チェック用カウンタにより示される滞留メダル枚数が、案内通路ATにあるメダルの数よりも多くなり易くなるため、メダルYMの滞留を見逃しにくくできる一方で、メダルYMが滞留していると誤って判定し易くなる虞がある。一方、通過枚数チェック用カウンタから減算する値を大きくするほど、通過枚数チェック用カウンタにより示される滞留メダル枚数が、案内通路ATにあるメダルの数よりも小さくなり易くなるため、メダルYMが滞留していると誤って判定することを抑制できる一方で、メダルYMの滞留を見逃し易くなる虞がある。
・主制御用CPU100aは、上記実施形態とは異なる各投入センサSE5,SE6,SE8の検知態様をエラー状態として検出してもよい。例えば、エラー状態として検出する所定の検知態様としては、各投入センサSE5,SE6で最後にメダルYMが検知されてから、第4投入センサSE8でメダルYMが検知される迄の時間が所定時間を超えることに設定してもよい。
・主制御用CPU100aは、セレクタチェック処理におけるステップSb01の処理において、第3投入センサSE7がONしている場合に肯定判定する一方で、第3投入センサSE7がONしていない場合に否定判定してもよい。即ち、第3投入センサSE7を第1検知部としてもよい。この場合、入力エラーチェック処理におけるステップSd06の判定で用いる規定枚数としては、上記実施形態における案内通路ATに加えて、第1メダル通路31(第3投入センサSE7によるメダルYMの検出位置)に滞留可能なメダルYMの枚数を加算した枚数を設定するとよい。
・主制御用CPU100aは、上記した各種のエラー状態以外のエラー状態を検出可能であってもよい。例えば、ホッパーユニット26に配設した払出しセンサにおけるメダルYMの検知態様をもとに、ホッパーユニット26におけるメダル詰まりをエラー状態として検出してもよく、貯留ボックス27にメダルYMが貯留されていないホッパー空をエラー状態として検出してもよい。
・演出表示装置15やエラー表示部25aによるエラー報知は、スロットマシン10に何らかのエラー状態が発生していることを報知する内容であればよく、具体的にエラー状態の種類を認識可能な態様でなくてもよい。
・演出表示装置15によるエラー状態の報知、及びエラー表示部25aによるエラー状態の報知の何れかを省略してもよい。
・主制御用ROM100bと主制御用RAM100cとは、異なるメモリであってもよいし、同一のメモリにおける別の記憶領域であってもよい。同様に、副制御用ROM200bと副制御用RAM200cとは、異なるメモリであってもよいし、同一のメモリにおける別の記憶領域であってもよい。
・副基板200の機能を複数の基板に分割してもよい。例えば、演出表示装置15を専門に制御する表示基板、スピーカ14を専門に制御する音声基板、及び装飾ランプ13を専門に制御するランプ基板を設けてもよく、これらの基板群を統括的に制御する統括基板をさらに設けてもよい。
・メダルYMとは異なる形状の遊技媒体を用いる遊技機に具体化してもよい。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いるスロットマシン(所謂パロット)や、パチンコ遊技機として具体化してもよい。
以下、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を追記する。
(イ)前記生成処理は、前記遊技進行処理の実行中に割り込み処理として行われる。
(ロ)前記処理部が行う処理には、前記第1領域の記憶内容及び前記第2領域の記憶内容を書き換えない処理があり、当該処理においては、前記第1領域の記憶内容及び前記第2領域の記憶内容を参照できる。
(ハ)前記遊技媒体は遊技メダルであり、前記案内部は、投入された遊技媒体を受け入れるメダルセレクタと、前記メダルセレクタを通過した遊技メダルを前記貯留部へ案内する案内樋と、を含んで構成されており、前記第1検知部は、前記メダルセレクタに備えられており、前記第2検知部は、前記案内樋に備えられている。
(ニ)処理を行う処理部と、前記処理部の処理結果を記憶する記憶部と、遊技媒体を貯留する貯留部と、投入された遊技媒体を前記貯留部へ案内する案内部と、前記案内部にある遊技媒体を検知する第1検知部と、前記案内部にある遊技媒体を検知する検知部であって、前記第1検知部よりも下流側にある第2検知部と、を備え、前記処理部が行う処理には、メインルーチンとして行うメイン処理と、サブルーチンとして行う処理であって、前記第1検知部の検知結果と前記第2検知部の検知結果とに基づいて前記案内部にある遊技媒体の個数に関する情報を生成する生成処理と、が少なくともあり、前記メイン処理は、前記記憶部の記憶領域のうち第1領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、前記記憶部の記憶領域のうち第2領域の記憶内容を書き換えない処理であり、前記生成処理は、前記第2領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、前記第1領域の記憶内容を書き換えない処理であることを特徴とする遊技機。
(ホ)処理を行う処理部と、前記処理部の処理結果を記憶する記憶部と、を備え、前記処理部が行う処理には、第1処理と、前記第1処理の実行中に割り込み処理として実行される第2処理と、が少なくともあり、前記第1処理は、前記記憶部の記憶領域のうち第1領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、前記記憶部の記憶領域のうち第2領域の記憶内容を書き換えない処理であり、前記第2処理は、前記第2領域の記憶内容を処理結果に応じて書き換える一方で、前記第1領域の記憶内容を書き換えない処理であることを特徴とする遊技機。