以下、上記図面を参照して本発明の各実施形態について説明する。
≪第1実施形態≫
まず、本実施形態に係るスロットマシンの全体的な構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。以下の説明における「役決定処理」とは、予め設定された複数の役決定結果(1つまたは複数の遊技役またはハズレ(ハズレを設定しない場合は除く)により構成される)の中から、1つまたは複数の役決定結果を無作為に選択するために、電子機器等を用いて実行される抽選等の選択行為を意味している。なお、役決定結果は、当該遊技において成立することが許容される遊技役(成立許容役)を規定するものである。
また、以下の説明において、「遊技役が成立する」及び「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、後述の役決定手段により選出された役決定結果に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役等の入賞役)か、払出しのない遊技役(再遊技役や特別役)かは問わない)を構成する図柄組合せ(対応図柄)が、後述の有効ライン(有効ライン29)上に停止表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタ
イミングについては、例えば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。
また、以下の説明において「ベット」とは、遊技を行うために必要とされる遊技メダルを、遊技の用に供する(遊技を行うためにスロットマシン等に提供する)ことを意味する。遊技メダルを遊技の用に供するための操作(ベット操作)としては、遊技者が遊技メダルをスロットマシンの内部等に投入する操作や、スロットマシンの内部等に貯留(クレジット)されている遊技メダルの中から、所定数の遊技メダルを遊技の用に供するための、予め設定されたボタン(スイッチ)等を遊技者が押下するなどの操作などが含まれる。
また、以下の説明において、遊技者による、後述のメダル投入口21への遊技メダルの投入操作、クレジット(貯留)された遊技メダルのうち、遊技を行うために必要な規定数の遊技メダルを遊技の用に供するための1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作を総称してベット操作と称する。また、このベット操作と、遊技者による、後述の貯留メダル清算スイッチ24の押圧操作、スタートレバー25の傾動操作、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作、リジェクトスイッチ27の押圧操作を総称して遊技操作と称する。なお、一般的に、スロットマシンにおける「投入」とは、遊技メダルを「スロットマシン内に入れる」という意味で用いられる場合と、遊技メダルを「遊技の用に供する」という意味で用いられる場合とがある。以下の説明では、基本的に、前者の意味において「投入」という語を用い、後者の意味においては「ベット」という語を用いることとする。
また、以下の説明において、一の遊技の終了時点とは、遊技メダルの払出しがある場合には、主制御手段100が遊技メダルの払出しを終了した時点(より詳細には、主制御手段100が遊技メダルの払出しを終了した時点から、副制御手段200に対し遊技メダル払出終了コマンドを出力する時点の直前までの期間)を指す。一方、遊技メダルの払出しがない場合には、主制御手段100が遊技メダルの払出しが無いことを認識した時点(遊技メダルの払出しが無い場合にも遊技メダル払出終了コマンドを出力する場合には、主制御手段100が遊技メダルの払出しが無いことを認識した時点から、副制御手段200に対し遊技メダル払出終了コマンドを出力する時点の直前までの期間)を指す。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシン1は、図1に示すように、本体筐体の前面に開閉可能に取り付けられた前扉2を備えており、この前扉2の前面には、上部から順に、上パネルアセンブリ10、中パネルアセンブリ20、下パネルアセンブリ30及び受け皿アセンブリ40が取り付けられている。
上記上パネルアセンブリ10の中央部には、その裏面側に配された画像表示装置11(図2参照)の表示画面11aが前方を臨むように配置されており、その周辺部には、第1演出ランプ12、第2演出ランプ13a,13b、第3演出ランプ14a,14bが配置されている。また、表示画面11aの下方左右には、一対の上部スピーカ15a,15bが配置されている。
上記中パネルアセンブリ20の中央部には、本体筐体内に横並びに配設された3個のリール3a,3b,3cの表面が臨む表示窓Wが設けられており、この表示窓Wの下方には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口21、クレジットされた範囲内で1枚の遊技メダルをベットするための1−BETスイッチ22、最大ベット許容数(例えば3枚)の
遊技メダルを一度にベットするためのMAX−BETスイッチ23、クレジットされた遊技メダルを払い出すための貯留メダル清算スイッチ24、全リール3a,3b,3cを回転開始させる際に操作されるスタートレバー25、各リール3a,3b,3cの回転を個別に停止させるための3個のストップスイッチ26a,26b,26c(図中左側のストップスイッチ26aはリール3aに対応し、中央のストップスイッチ26bはリール3bに対応し、右側のストップスイッチ26cはリール3cに対応する)、及びメダル投入口21から投入されて滞留した遊技メダルを返却するためのリジェクトスイッチ27が設けられている。また、後述する連打ゲーム演出等を実行する際に、遊技者が操作(連打)したり自動的に連続駆動したりするように構成されたサブボタン54も設けられている。
上記メダル投入口21の内部は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる場合に当該遊技メダルが通過する受入通路(後述のホッパー50に通ずる)と、投入された遊技メダルが受け入れられない場合に当該遊技メダルが通過する返却通路(後述の遊技メダル払出口41に通ずる)とに分岐しており、その分岐部には、ブロッカ48(図2参照)が設けられている。このブロッカ48は、投入された遊技メダルが有効に受け入れられる期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを受入通路に導き、それ以外の期間においては、メダル投入口21に投入された遊技メダルを返却通路に導くように、受入通路と返却通路を選択的に、一方を開状態に他方を閉状態にできるように構成されている。以下の説明において、ブロッカ48がON状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれる状態(遊技メダル受入可能状態)を示し、ブロッカ48がOFF状態とは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが返却通路に導かれる状態(遊技メダル受入不可状態)を示すものとする。
また、メダル投入口21の内部には、遊技メダルを検知するための3つの投入メダルセンサ28a,28b,28c(図2参照)が設けられている。投入メダルセンサ28aは、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたことを検出するものであり、投入された遊技メダルが流下する通路上において、上記ブロッカ48が設置された位置よりも上流側の位置に設置されている。投入メダルセンサ28bは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが受入通路に導かれ有効に受け入れられたことを検出するものであり、上記ブロッカ48が設置された位置よりも下流側(後述のホッパー50寄り)の位置に配置されている。投入メダルセンサ28cは、メダル投入口21に投入された遊技メダルが、受入通路と返却通路との分岐部を通過したことを検出するものであり、当該分岐部近傍(ブロッカ48が設置された位置よりも少し投入メダルセンサ28b寄りの位置)に配置されている。
投入メダルセンサ28a及び投入メダルセンサ28bが共に遊技メダルを検出した場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入され、かつ投入された遊技メダルが有効に受け入れられたことを意味する。一方、投入メダルセンサ28aは遊技メダルを検出したが、投入メダルセンサ28bは遊技メダルを検出しない場合は、遊技メダルがメダル投入口21に投入されたが、投入された遊技メダルが有効に受け入れられずに返却されたことを意味する。
上記表示窓Wは、3個のリール3a,3b,3cが全て停止した際に、リール毎に3個の図柄、合計9個の図柄が遊技者から視認可能に表示されるように構成されている。また、表示窓Wには、表示窓W内の左中段、中央中段及び右中段の各図柄表示領域を横一直線に結ぶ1本の入賞ライン29が表示可能に設けられている。この入賞ライン29は、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効化される。以下、有効化された入賞ライン29のことを適宜「有効ライン29」と称する。
また、スロットマシン1には、LEDランプ等により構成される各種の表示用ランプが
配置されている。本実施形態では、表示用ランプとして、MAX−BET表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、及び獲得枚数表示ランプ46jを備えている。これらの表示用ランプは、後述の主制御基板60(主制御手段100)により制御されるように構成されている。
MAX−BET表示ランプ46aは、遊技メダルをベットすることができる状況下で点灯されるものであり、MAX−BETスイッチ23の内部に配置され、点灯時にはMAX−BETスイッチ23を部分的または全体的に光らせるようになっている。その他の表示用ランプは、上記中パネルアセンブリ20において表示窓Wの側部または下部に配置されている。
BET数表示ランプ46bは、ベットされた遊技メダルの枚数を表示するもので、ベットされた遊技メダルが、1枚の場合に点灯される1−BET表示ランプ46bAと、2枚の場合に点灯される2−BET表示ランプ46bBと、3枚の場合に点灯されるMAX−BET表示ランプ46bCとから構成されている。投入可能表示ランプ46cは、遊技メダルを投入することができる状況下で点灯されるものであり、遊技開始表示ランプ46dは、スタートレバー25を操作して遊技を開始させることができる状況下で点灯されるものである。再遊技表示ランプ46eは、任意の遊技において後述の再遊技役が成立し、次の遊技において、後述の自動ベット処理により遊技メダルが自動的にベットされた際に点灯されるものである。
状態表示ランプ46fは、例えば、後述のボーナス遊技が開始された場合に点灯され、終了した場合に消灯されるものであり、回数表示ランプ46gは、ボーナス遊技の実行回数等を7セグメント表示するものである。貯留枚数表示ランプ46hは、貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものであり、獲得枚数表示ランプ46jは、後述の小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を7セグメント表示するものである。また、この獲得枚数表示ランプ46jは、スロットマシン1に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示す文字(アルファベット)を表示するようにも構成されている。本実施形態において設定されるエラーとしては、遊技メダル払出エラー、補助収納庫満杯エラー、遊技メダル投入エラー、回胴停止エラー、設定値エラー等がある。
上記下パネルアセンブリ30の中央部には、透明な下パネルカバー31が取り付けられており、その左右両端部には、飾りランプ32a,32bが配置されている。なお、下パネルカバー31の裏面側には、所定の図柄が設けられた半透明の下パネルベース及び下パネル照明用蛍光灯(いずれも図示せず)が取り付けられており、この下パネル照明用蛍光灯を点灯させることにより、下パネルベースの図柄を後面側から照明するように構成されている。
上記受け皿アセンブリ40には、遊技メダルを払い出すための遊技メダル払出口41が開設されているとともに、遊技メダル払出口41に臨むようにして遊技メダルを貯留するための遊技メダル貯留皿42が設けられており、この遊技メダル貯留皿42の左には、灰皿43が設けられている。また、遊技メダル払出口41の左右には、受け皿アセンブリ40の背面側に配置された一対の下部スピーカ44a,44b(図2参照)の前面に対向して、多数の小孔からなるスピーカ口45a,45bが形成されている。
さらに、本体筐体内には、通常遊技の結果、所定の賞態様が構成された場合に獲得される遊技メダルを払い出すためのホッパー50(図2参照)が設けられており、このホッパー50には遊技メダルを検出するためのメダル検出部51(図2参照)が設けられている
。また、このホッパー50は、投入されて有効に受け入れられた遊技メダルを物理的に収容する機能を有している。さらに、ホッパー50の近傍位置には、ホッパー50から溢れた遊技メダルを収納するための補助収納庫85(図2参照)が設けられるとともに、この補助収納庫85が満杯状態(助収納庫85から遊技メダルが溢れる可能性のある状態)であるか否かを検出する満杯検出部86(図2参照)が設けられている。
<リール>
各リール3a,3b,3cはそれぞれステッピングモータ35a,35b,35c(図2参照)の駆動により回転するように構成されている。また、各リール3a,3b,3cは透光性を有する部材により構成されており、その外周面には、複数種類の図柄(図3参照)が表示された、透光性を有するリールテープが貼り付けられている。また、各リール3a,3b,3cの内面側には、バックランプ38a,38b,38c(図2参照)が配設されており、このバックランプ38a,38b,38cを点灯させることにより、表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの領域を内面側から全体的に照明したり、各リール3a,3b,3c上に停止表示された所定の図柄組合せ(例えば、入賞位置としての有効ライン29上や、有効ライン29上とは異なる位置に並んだ遊技役の対応図柄等)を目立たせるように各リール3a,3b,3cの一部領域のみを照明したりするように構成されている。
<遊技を行うための基本操作>
スロットマシン1で遊技を行うには、まず実際にメダル投入口21に遊技メダルを投入するか、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の何れかを操作してクレジットの範囲内で規定数の遊技メダルをベットすることにより、入賞ライン29を有効化する。本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する通常遊技状態(非RT)、有限RT遊技状態(RT1、RT2、RT3)及びボーナス内部中遊技状態(BB1内部中、BB2内部中)では3枚、ボーナス遊技状態(BB1、BB2)では2枚に設定される(2枚ベットの場合と3枚ベットの場合とで小役成立時の遊技メダルの獲得枚数が異なる)が、規定数についてはこれに限定されるものではなく、遊技状態に関係なく規定数を一定にするなど、適宜変更することが可能である。また、複数の入賞ラインを設けておき、遊技メダルのベット数に応じて、有効化される入賞ラインを変更するようにしてもよい。
次に、遊技者がスタートレバー25を操作すると、後述する役決定処理が行われ、その後、各リール3a,3b,3cが回転を開始し、リール3a,3b,3cの外周表面に表示された複数種類の図柄が表示窓W内を上下に(通常、上から下に)移動表示される。そして、リール3a,3b,3cの回転が所定の速度に達すると各ストップスイッチ26a,26b,26cが有効化され(ストップスイッチの操作が有効に受付け可能とされ)、遊技者がストップスイッチ26aを操作すると、対応する左リール3aの回転が停止し、ストップスイッチ26bを操作すると、対応する中リール3bの回転が停止し、ストップスイッチ26cを操作すると、対応する右リール3cの回転が停止する。
ここで、有効ライン29上に停止表示された図柄組合せが予め定めた入賞態様(遊技メダルを獲得することができる遊技役の対応図柄)となっている場合には、各入賞態様に対応した枚数の遊技メダルがホッパー50により払い出されるか、またはクレジットとして加算される。
<制御基板と各機器との接続>
スロットマシン1では、リール3a,3b,3cを用いた遊技の進行に係る主たる制御(各リールの駆動制御や役決定処理等を含む)が図2に示す主制御基板60上に配設された制御回路により行われ、サブボタン54の自動操作制御、画像表示装置11による演出
画像表示制御、上部スピーカ15a,15b等のスピーカからの音声発生制御及びバックランプ38a,38b,38c等のランプによる照明制御等は、副制御基板70上に配設された制御回路により行われるように構成されている。また、両制御基板60,70間の情報伝達は、主制御基板60から副制御基板70への一方向のみ行うことが可能となっている。
主制御基板60には、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU61と、制御プログラム等を記憶したROM62と、一時記憶領域であるRAM63とが配設されており、ROM62に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシン1における遊技の進行に係る制御が行われるようになっている。
上記メインCPU61には、駆動パルスを発生するためのクロックパルス発生器64、クロックパルス発生器64で発生した駆動パルスを分周するための分周器65、役決定処理(役抽選)等に用いる乱数を発生するための乱数発生器66、及び乱数発生器66で発生した乱数をサンプリングして抽選を行うためのサンプリング回路67が接続されている。また、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、モータ駆動回路36a、表示用ランプ制御回路47、ホッパー駆動回路52及び副制御基板70に対して信号を送信するとともに、リール位置検出回路37a,37b,37c、払出完了信号回路53及び収納状態信号回路87からの信号を受信するように構成されている。
ここで、モータ駆動回路36aは、リール3a,3b,3cをそれぞれ回転駆動するステッピングモータ35a,35b,35cの回転・停止制御を行うための回路であり、表示用ランプ制御回路47は、上述した各種の表示用ランプの制御を行うための回路である。また、リール位置検出回路37a,37b,37cは、リール3a,3b,3cの各々に設置されたセンサ(図示せず)からの各検出信号に基づき、リール3a,3b,3cの回転位置をそれぞれ検出する回路である(検出回路37aはリール3aに対応し、検出回路37bは中リール3b、検出回路37cは右リール3cに対応する)。また、ホッパー駆動回路52は、小役等の賞態様が成立した際に、ホッパー50を駆動して遊技メダルの払出しを行わせる回路であり、払出完了信号回路53は、ホッパー50から所定数の遊技メダルが払い出されたことがメダル検出部51により検出された際に、主制御基板60に払出完了信号を送信する回路である。さらに、収納状態信号回路87は、補助収納庫85が満杯状態であるか否かを示す収納状態信号を、上記満杯検出部86の検出結果に応じて、主制御基板60送信する回路である。
また、スロットマシン1には、電源装置80からの電力が主制御基板60を介して供給されるようになっている。この電源装置80には、電源スイッチ81、リセットスイッチ82及び設定鍵型スイッチ83が接続されており、これら各スイッチからの信号がインターフェイス回路68を介して、メインCPU61に送信されるように構成されている。さらに、メインCPU61は、インターフェイス回路68を介して、設定変更スイッチ84からの信号を受信するように構成されている。
電源スイッチ81は、電源装置80からスロットマシン1への電源投入及び電源断の操作を受け付けるスイッチであり、リセットスイッチ82は、スロットマシン1においてエラーが発生した際等に、主制御基板60に搭載された各回路等をリセットするためのスイッチである。また、設定鍵型スイッチ83は、役決定確率(遊技役の当選確率)等の設定変更を行う場合に、電源装置80からの電力が供給されていない状態(電源断の状態)で操作されるスイッチであり、設定変更スイッチ84は、役決定確率等の設定を、例えば6段階で変更するためのスイッチである。この設定変更スイッチ84は、設定鍵型スイッチ83がONとされ、電源装置80からスロットマシン1に電源が投入された後に操作されるようになっている。
また、メインCPU61には、スイッチ基板90に接続されているか、またはスイッチ基板90上に搭載されている、リール停止信号回路91、スタートレバー25、投入メダルセンサ28a,28b、1−BETスイッチ22、MAX−BETスイッチ23及び貯留メダル清算スイッチ24からの各信号が、インターフェイス回路68を介して入力されるようになっている。
また、メインCPU61には、インターフェイス回路68を介してブロッカ48が接続されており、このブロッカ48をON・OFF制御するように構成されている。なお、以下の説明において、ブロッカ48をON・OFF制御するための信号を、適宜「ブロッカ信号」と称する。
また、図示は省略しているが、メインCPU61は、所定の遊技状態(例えば、後述の
ボーナス遊技状態)であることを判断して、データカウンタやホールコンピュータ等に対し外部接続用端子基板等を介して所定の信号(以下、適宜「外端信号」と称する)を出力し、この外端信号により、所定の遊技状態に設定された回数等を管理したり遊技者に提示したりできるように構成されている。
一方、副制御基板70には、演出に関する各種の演算処理を行うサブCPU71と、制御プログラム等を記憶したROM72と、一時記憶領域であるRAM73とが配設されており、ROM72に記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、スロットマシンにおけるサブボタン54の自動操作制御、演出に関する制御が行われるようになっている。
上記サブCPU71は、インターフェイス回路74を介して、主制御基板60からの各種信号を受信し、ソレノイド駆動回路56、表示装置制御回路16、スピーカ制御回路17及びランプ制御回路18に対し信号を送信するとともに、サブボタン操作回数検出回路57からの信号を受信するように構成されている。ここで、ソレノイド駆動回路56は、サブボタン54を自動操作するために設置された第1ソレノイド55a及び第2ソレノイド55bを駆動させるための回路であり、サブボタン操作回数検出回路57は、サブボタン54に設置されたセンサ(図示せず)からの検出信号に基づき、サブボタン54が操作された回数を検出する回路である。また、表示装置制御回路16は、画像表示装置11を制御して所定の演出画像を表示させる回路であり、スピーカ制御回路17は、上部スピーカ15a,15b等のスピーカから発生させる音声等の種類や音量を制御する回路であり、ランプ制御回路18は、バックランプ38a,38b,38c等のランプの点灯を制御する回路である。
なお、上記第1ソレノイド55aは、ON状態(駆動電圧が印加されている状態)の時に、サブボタン54(バネ等の付勢部材(図示略)により進出方向(本実施形態では上方)に常時付勢されている)を進出方向に押圧し、OFF状態(駆動電圧が印加されていない状態)の時に、その押圧を解除するように構成されたプッシュ型のソレノイドである。この第1ソレノイド55aを、PWM制御等によって連続的にON・OFF駆動させると、サブボタン54が微かに振動した状態となり、その際に遊技者がサブボタン54に手を乗せれば、その振動を体感できるようになっている。
一方、上記第2ソレノイド55bは、ON状態の時に、サブボタン54を付勢部材による付勢力に抗して退入方向(本実施形態では下方)に引き込み、OFF状態の時に、その引込みを解除するように構成されたプル型のソレノイドである。この第2ソレノイド55bを、PWM制御等によって連続的にON・OFF駆動させると、サブボタン54が連続的に自動操作された状態(退入と進出を繰り返す自動連打状態)となり、その動作の様子
や動作時に発生する動作音等を遊技者が認識できるようになっている。
次に、主に図3〜図8を参照しながら、本実施形態に係るスロットマシンの主な特徴構成について説明する。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a,3b,3cが表示する図柄が、図3に示すように配置されている(図3中の「左リール」、「中リール」及び「右リール」は、リール3a、リール3b及び右リール3cをそれぞれ表す)。すなわち、「キャラクタ」、「セブン」、「バーA」、「バーB」、「リプレイ」、「チェリー」、「スイカ」及び「ベル」の8種類の図柄が所定数ずつ各リール3a,3b,3cに配置されている。
<機能ブロック>
図4に示すように、本実施形態に係るスロットマシンは、機能的な観点から説明すれば主に、遊技メダルをベットするためのベット操作(例えば、メダル投入口21への遊技メダルの投入操作、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作)や、停止中の各リール3a,3b,3cを回転させるためのリール回転開始操作(例えば、スタートレバー25の傾動操作)、複数種類の図柄を可変表示する3個のリール3a,3b,3cの回転を停止させるための各リール回転停止操作(例えば、ストップスイッチ26a,26b,26cの押圧操作)、貯留(クレジット)された遊技メダルを払い出すための清算操作(例えば、貯留メダル清算スイッチ24の押圧操作)等の、遊技者によりなされる各遊技操作に対応した信号(以下、適宜「遊技操作信号」と称する)を出力する操作信号出力手段95と、遊技の進行に係る主要な制御を行う主制御手段100と、遊技の状況に応じて所定の演出制御を行う副制御手段200とを備えてなる。
上記主制御手段100は、役決定手段101、リール制御手段102、設定変更手段103、遊技状態設定手段104、ベット管理手段105、遊技操作受付手段106、停止表示図柄判定手段107、ブロッカ制御手段108、フリーズ期間設定手段109、遊技メダル払出制御手段110、表示ランプ制御手段111、受容遊技メダル用途制御手段112、再遊技作動制御手段113、ボーナス遊技制御手段114、メイン情報記憶手段119及び制御コマンド送信手段120を備えている。なお、主制御手段100における上述の各手段は、図2に示す主制御基板60上に配されたメインCPU61、ROM62、RAM63、電子回路等のハードウエア及びROM62等に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
上記役決定手段101は、一の遊技においてスタートレバー25が傾動操作されたことを契機として、予め設定された役決定確率に基づき複数の役決定結果の中から少なくとも1つの役決定結果を選出するための役決定処理を行うように構成されている。この役決定処理は、図2に示す乱数発生器66及びサンプリング回路67を用いた乱数抽選により行われる。
具体的には、乱数発生器66により生成された乱数列の中から、サンプリング回路67によって1つの乱数(数字)を取得(ラッチ及び読込み)した後、その取得乱数が、後述の役抽選テーブルに設定された複数の役決定結果の中のどの役決定結果に対応するのかを判定し、その役決定結果を選出するように構成されている。
上記リール制御手段102は、上記役決定処理により役決定結果が選出された後に、リール3a,3b,3cを一斉に回転開始させるとともに、ストップスイッチ26a,26b,26cが順次押圧操作され、それらの各信号が入力された際に、対応する各リールを順次回転停止させるように構成されている。各リールの回転停止制御は、所定の停止テー
ブル(図示略)に基づいて、ストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたタイミングから、各リールが所定時間(例えば190ミリ秒)以内に停止するように(本実施形態では、最大滑りコマ数5コマの範囲内で)行われる。すなわち、役決定手段101による役決定処理の結果、所定の遊技役が成立許容役として決定(選出)されている場合には、可能な限りその決定された遊技役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されるように、ハズレの場合には、設定された何れの遊技役の対応図柄も有効ライン29上に停止表示されないように停止制御がなされるようになっている。
また、上記リール制御手段102は、上記役決定処理により、再遊技役と他の遊技役が重複当選する役決定結果が選出された場合には再遊技役を成立させることを優先するリール停止制御(以下「再遊技役優先のリール停止制御」と称する)を行い、小役と特別役が重複当選する役決定結果が選出された場合には、小役を成立させることを優先するリール停止制御(以下「小役優先のリール停止制御」と称する)を行うようになっている。
上記設定変更手段103は、設定変更スイッチ84が受け付けた設定変更指令操作に基づき役決定確率等の設定を、例えば6段階(設定値1〜設定値6)で変更する設定変更を行うように構成されている。
上記遊技状態制御手段104は、大別すると、通常遊技状態、有限RT遊技状態、ボーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態(図7を参照)の4つの遊技状態のうちの何れかの遊技状態を設定するように構成されている(詳しくは後述する)。
上記ベット管理手段105は、一の遊技において、遊技者によるベット操作(メダル投入口21への遊技メダルの投入操作(特に、投入メダルセンサ28bにより検出される投入操作)、1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23の押圧操作)により設定されたベット数が規定数に達したか否かを判定するように構成されている。また、後述の再遊技作動状態に設定された遊技において、自動ベット処理(遊技者が保有する遊技メダルの数を減らすことなく、直前の遊技におけるベット数と同数の遊技メダルがベットされた状態を設定する処理)を行うように構成されている。
上記遊技操作受付手段106は、操作信号出力手段95からの各遊技操作信号が適正な時機に出力された場合に、これを有効に受け付け、受け付けた遊技操作信号に基づく処理(予めプログラムされた処理)を実行するための開始契機または終了契機となるタイミング(以下、適宜「遊技操作処理時機」と称する)を導出するように構成されている。
上記停止表示図柄判定手段107は、リール3a,3b,3cにより停止表示された図柄がどの図柄であるかを判定するとともに、有効ライン29上に停止表示された図柄の組合せから、遊技役が成立しているかどうかを判定するように構成されている。
上記ブロッカ制御手段108は、上述のブロッカ48を制御するためのブロッカ信号を出力して、ブロッカ48をON状態(遊技メダル受入可能状態)とOFF状態(遊技メダル受入不可状態)との間で切り替えるように構成されている。なお、ブロッカ48がOFF状態とされた場合、メダル投入口21に投入された遊技メダルは、返却通路に導かれ返却される。ただし、遊技メダルが投入されたことは、上記投入メダルセンサ28aにより検出されるようになっている。
上記フリーズ期間設定手段109は、所定の条件成立を契機として、遊技の進行に係る制御処理(例えば、リール回転停止操作や清算操作を受け付ける処理等)の実行を所定時間(例えば、30秒間)遅延させるフリーズ期間を設定するように構成されている。
上記遊技メダル払出制御手段110は、小役が成立した場合に成立した小役に応じた数の遊技メダルを、クレジットするか(クレジット数が最大クレジット許容数に達していない場合)、ホッパ駆動回路52を介してホッパー50を駆動させることにより実際に払い出すようになっている。また、遊技メダル払出制御手段110は、清算操作(貯留メダル清算スイッチ24の押圧操作)が有効に受け付けられた場合に、クレジットされていた数の遊技メダルを、ホッパー50を駆動させて払い戻すようになっている。
上記表示ランプ制御手段111は、上述の各種表示用ランプ(MAX−BET表示ランプ46a、BET数表示ランプ46b、投入可能表示ランプ46c、遊技開始表示ランプ46d、再遊技表示ランプ46e、状態表示ランプ46f、回数表示ランプ46g、貯留枚数表示ランプ46h、獲得枚数表示ランプ46j)の点灯や消灯等に関する制御を、表示用ランプ制御回路47を介して行うように構成されている。なお、図4では、上述の表示用ランプのうち、BET数表示ランプ46bと貯留枚数表示ランプ46hのみを表示している。
上記受容遊技メダル用途制御手段112は、メダル投入口21から投入された遊技メダル(以下、適宜「投入遊技メダル」と称する)のうち実際に受け入れられた遊技メダル(本実施形態では、受入通路に導かれて投入メダルセンサ28bにより検出された遊技メダルをいう。以下、適宜「受容遊技メダル」と称する)を、直接ベットされる遊技メダルとして扱うか、クレジットされる遊技メダルとして扱うかを制御するように構成されている。本実施形態では、ベット数が最大ベット許容数に達していない場合(ただし、再遊技作動状態にある場合は除く)には、受容遊技メダルを直接ベットされる遊技メダルとして扱い、ベット数が最大ベット許容数に達している場合には、受容遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとして扱うように構成されている。
受容遊技メダルが直接ベットされる遊技メダルとして扱われた場合には、その受容遊技メダルの受入数がベット数に加算され、BET数表示ランプ46bにより表示されるようになっている。一方、受容遊技メダルがクレジットされる遊技メダルとして扱われた場合には、その受容遊技メダルの受入数がクレジット数に加算され、貯留枚数表示ランプ46hにより表示されるようになっている。なお、ベット数が最大ベット許容数に達しており、かつクレジット数が最大クレジット許容数に達している場合には、投入された遊技メダルは受け入れられずに返却されるようになっている。
上記再遊技作動制御手段113は、一の遊技において後述の再遊技役が成立したことを契機として、次遊技を遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される状態(以下、適宜「再遊技作動状態」と称する)に設定するように構成されている。具体的には、一の遊技において再遊技役が成立した場合に、再遊技作動状態に設定されていることを示す情報(以下、適宜「再遊技作動フラグ」と称する)を、例えば、再遊技役が成立してから次遊技が開始されるまでの適宜な時点において上記メイン情報記憶手段119の所定の記憶領域に記憶する。また、記憶させた再遊技作動フラグを、次遊技の開始時点から終了時点までの適宜な時点においてクリアするようになっている(次遊技において、再び再遊技役が成立した場合には、クリアした再遊技作動フラグを再び記憶させる)。以下、再遊技作動フラグを記憶させることを、適宜「再遊技作動フラグをONにする」等と称し、記憶させた当選フラグをクリアすることを、適宜「再遊技作動フラグをOFFにする」等と称する(他の実施形態において同じ)。
上記ボーナス遊技制御手段114は、一の遊技において後述の特別役が成立したことを契機として次遊技から設定される後述のボーナス遊技状態において実行可能となるボーナス遊技の開始から終了までを制御するように構成されている。具体的には、上記遊技状態制御手段104によりボーナス遊技状態が設定され、かつ設定されたボーナス遊技状態に
応じた所定のボーナス遊技の開始条件が成立した場合に、所定のボーナス遊技を実行可能であることを示す情報(以下、適宜「ボーナス遊技作動フラグ」と称する)を上記メイン情報記憶手段119の所定の記憶領域に記憶する。また、記憶させたボーナス遊技作動フラグを、所定のボーナス遊技終了条件が充足された場合にクリアするようになっている。以下、ボーナス遊技作動フラグを記憶させることを、適宜「ボーナス遊技作動フラグをONにする」等と称し、記憶させたボーナス遊技作動フラグをクリアすることを、適宜「ボーナス遊技作動フラグをOFFにする」等と称する(他の実施形態において同じ)。
上記メイン情報記憶手段119は、役決定手段101による役決定処理(乱数抽選)により選出された役決定結果に対応した遊技役(成立許容役)を示す情報(当選フラグ)や、遊技状態設定手段104により設定された遊技状態を示す情報、上記停止表示図柄判定手段107により成立したと判定された遊技役に関する成立役情報、再遊技作動状態に設定されていることを示す情報(再遊技作動フラグ)、ボーナス遊技を実行可能であることを示す情報(ボーナス遊技作動フラグ)等を記憶するように構成されており、各情報を記憶する所定の各記憶領域を備えている。また、メイン情報記憶手段119には、上記停止表示図柄判定手段107により成立したと判定された遊技役に関する成立役情報も一時的に記憶されるようになっており、記憶された成立役情報は次の遊技が開始されるまでの間にクリアされるようになっている。
上記制御コマンド送信手段120は、遊技に関する各種の制御コマンド(例えば、スタートレバー25やストップスイッチ26a,26b,26cが操作されたことを通知するコマンド、役決定結果を示すコマンド、リールの停止態様や当選役の成立の有無を通知するコマンド、遊技状態の設定状況等を通知するコマンド等)を副制御手段200に送信するように構成されている。
一方、上記副制御手段200は、AT設定制御手段201、サブボタン駆動制御手段203、演出実行制御手段204、サブ情報記憶手段209及び制御コマンド受信手段210を備えている。なお、副制御手段200における上述の各手段は、図2に示す副制御基板70上に配されたサブCPU71、ROM72、RAM73、電子回路等のハードウエア及びROM72に格納された制御プログラム等のソフトウエアにより構成されるものを機能的に表したものである。
上記AT設定制御手段201は、所定の条件成立を契機として、遊技者を支援するアシスト演出等が実行可能な期間としてのAT(アシストタイム)の設定開始や終了等を制御するように構成されている。
上記サブボタン駆動制御手段203は、所定の条件成立を契機として、第1ソレノイド55a及び第2ソレノイド55bを連続的に駆動させ、サブボタン54を自動操作するように構成されている。
上記演出実行制御手段204は、画像表示装置11、スピーカ15a,15b,44a,44b、演出ランプ12,13a,13b,14a,14b、飾りランプ32a,32b、バックランプ38a,38b,38cを用いた各種の演出を制御するように構成されており、図4に示すように、バックランプ演出制御手段2041、遊技進行演出制御手段2042、アシスト演出制御手段2043及びサブゲーム演出制御手段2044を備えている。
バックランプ演出制御手段2041は、任意の遊技役が成立したことを契機として、バックランプ38a,38b,38cを用いて各リール3a,3b,3cを、その内部から所定のパターンで照明するバックランプ演出を実行するように構成されている。
遊技進行演出制御手段2042は、主制御手段100(遊技状態設定手段104)により設定される遊技状態や遊技の進行状況等に応じて、遊技の興趣を向上させるための種々の演出(例えば、次述する連続演出や単発演出等)を実行するように構成されている。
連続演出とは、複数の遊技期間に亘って連続する演出であり、主に画像表示装置11を用いて、一続きの物語となるような画像を複数の遊技期間に亘って表示するものなどが挙げられる。なお、連続演出を行う際に、演出ランプ12,13a,13b,14a,14bや飾りランプ32a,32bを用いた演出を行ったり、スピーカ15a,15b,44a,44bを用いた演出を組み合わせて行ったりしてもよい。
単発演出とは、遊技の進行過程において特定の状況が生じた場合等に単発的に実行される演出である。例えば、各リール3a,3b,3cの回転時に、遊技役の当選期待度を暗示するような画像を、画像表示装置11により表示する演出などが挙げられる。また、特別役が当選した際に、「ボーナス確定!」というような文字情報を画像表示装置11により表示する演出なども一例として挙げられる。なお、単発演出を行う際に、演出ランプ12,13a,13b,14a,14bや飾りランプ32a,32bを用いた演出を行ったり、スピーカ15a,15b,44a,44bを用いた演出を組み合わせて行ったりしてもよい。
アシスト演出制御手段2043は、上述のATが設定された状態において、役決定処理により成立許容役に選出された遊技役を報知する当選役報知演出や、遊技の進行状況に応じた適切なリール回転停止操作順序(押し順)を報知するための、押し順ナビ演出等のアシスト演出を行うように構成されている。
当選役報知演出は、ATが設定された状態において、役決定処理により所定の遊技役が成立許容役に選出された場合に、そのことを遊技者に報知するアシスト演出である。当選役報知演出の具体的態様としては、例えば、後述のスイカ小役が成立許容役に選出された場合に表示画面11a上に、「スイカ小役当選!」や「スイカを狙え!」というような文字情報を表示する態様が挙げられる(スピーカ15a,15b等から音声情報を出力するようにしてもよい)。
押し順ナビ演出は、ATが設定された状態において、各ストップスイッチを所定の押し順で操作することを遊技者に促す演出である。押し順ナビ演出の具体的態様としては、例えば、報知する押し順が「中、左、右」の場合には、表示画面11a上に、押し順を示す数字を「2、1、3」の順番で左側から並べて表示したり、「中、左、右」の文字情報を表示したりする態様が一例として挙げられる。また、押し順を示す数字を表示する際には、「なか」という音声、「ひだり」という音声、及び「みぎ」という音声を、各ストップスイッチの操作タイミングに合わせるように、この順序で、スピーカ15a,15b等から出力することも一例として挙げられる)。
サブゲーム演出制御手段2044は、所定の条件成立を契機として、次述する連打ゲーム演出等のサブゲーム演出を行うように構成されている。連打ゲーム演出は、まず、例えば「サブボタンを連打せよ!」というような文字情報を画像表示画面11a上に表示し、次に、遊技者による実際のサブボタン54の連打操作回数に応じて、例えば、空気の入った風船が徐々に大きくなるような画像演出を所定時間(例えば、5秒間)行う演出である(態様は適宜変更可)。なお、連打ゲーム演出の実行中に上記サブボタン駆動制御手段203によるサブボタン54の自動操作を実行するようにしてもよい。
上記サブ情報記憶手段209は、主制御手段100から送信された制御コマンドの情報
や、演出制御に関する情報を記憶するように構成されており、各情報を記憶する所定の各記憶領域を備えている。
上記制御コマンド受信手段210は、主制御手段100から送信された遊技に関する各制御コマンドを受信し、上述のAT設定制御手段201、サブボタン駆動制御手段203、演出実行制御手段204及びサブ情報記憶手段209に対し必要な情報を伝達するように構成されている。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、図5に示すように、2つの特別役(BB役1、BB役2)と、小役1〜3までの3個の小役と、再遊技役1、2までの2個の再遊技役の計7個の遊技役が設定され、それぞれの遊技役が成立するためのリール3a,3b,3cによる表示図柄の組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出枚数等は、図5に示すように設定されている。なお、図5中に示す払出枚数は、通常遊技状態、有限RT遊技状態またはボーナス内部中遊技状態における規定数である3枚の遊技メダルがベットされた場合の数値を括弧無しで表記し、ボーナス遊技状態における規定数である2枚の遊技メダルがベットされた場合の数値を括弧付きで表記している。
BB役1、BB役2は、成立した際には遊技メダルは払い出されず、次の遊技からボーナス遊技状態(BB役1は後述のBB1遊技状態、BB役2は後述のBB2遊技状態)に移行されることを示す遊技役(特別役)である。BB1遊技状態に設定されている期間は、BB1遊技状態(後述のBB1遊技)において300枚以上(変更される場合あり)の遊技メダルが払い出されるまでの期間であり、BB2遊技状態に設定されている期間は、BB2遊技状態(後述のBB2遊技)において200枚以上(変更される場合あり)の遊技メダルが払い出されるまでの期間である。
小役1〜3は、成立した際に遊技メダルが払い出される入賞役として設定された遊技役(小役)である。小役1は、その対応図柄が「スイカ・スイカ・スイカ」であることから適宜「スイカ小役」と称し、小役2は、その対応図柄が「チェリー・−・−」(「−」は任意の図柄であることを示す)から適宜「チェリー小役」と称し、小役3は、その対応図柄が「ベル・ベル・ベル」であることから適宜「ベル小役」と称する。
なお、小役3を構成する、リール3a,3b,3c上の図柄「ベル」は、図3に示すように、各リール3a,3b,3c上において5図柄以内毎に配置されている。したがって、小役3が当選した場合、その対応図柄「ベル・ベル・ベル」は、各リール回転停止操作(ストップスイッチ26a,26b,26cの各押圧操作)の実行タイミング(遊技操作受付手段106により有効に受付けられたタイミング、以下において同じ)に拘わらず、有効ライン29上に停止表示されるように各リールを制御する(以下、適宜「引き込む」と称する)ことが可能となっている。この小役3のように、各リール回転停止操作の実行タイミングに拘わらず、その対応図柄(複数組ある場合にはそのうちの何れか)を有効ライン29上に引き込むことが可能な役を、以下、便宜的に「100%引込み可能な遊技役」と称する。
再遊技役1、2は、成立した場合、遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される状態(上述の再遊技作動状態)が設定される遊技役(再遊技役)である。再遊技役1は、通常のリプレイ図柄(「リプレイ」)のみで構成されるので、再遊技役1のことを適宜「通常RP」(「RP」はリプレイの略)と称する。また、再遊技役2は、後述する役決定結果J1においてBB役1と重複当選する遊技役として設定されていること、また、後述するように、成立することが通常遊技状態から有限RT遊技状態への移行条件とされていることから、再遊技役2
のことを適宜「チャンスRP」または「移行RP」と称する。なお、再遊技役1、2は、どちらも100%引込み可能な遊技役となっている。
<役抽選テーブル>
役決定処理においては、図6に示す役抽選テーブルが用いられる。なお、役抽選テーブルは、遊技店員等により設定される上述の設定値に応じて複数設けられている。図6に示す役抽選テーブルは、そのうちの或る設定値に対応したものを例示したものである(本明細書に記載する他の抽選テーブルにおいて同じ)。この役抽選テーブルには、J1、J2、B1、B2、R1、R2、K1〜K3、Zの10個の役決定結果が設定されており、各役決定結果には、図6に示すように各々の遊技役が対応付けられている。例えば、役決定結果J1にはBB役1と再遊技役2が重複当選役として対応付けられ、役決定結果B1にはBB役1が単独当選役として対応付けられ、役決定結果R2には再遊技役2が単独当選役として対応付けられ、役決定結果K3には、ベル小役(小役3)が単独当選役として対応付けられているという具合である。なお、役決定結果Zは、ハズレ(何れの遊技役も非当選)に対応づけられている。
各役決定結果が選出される確率は、図6に示すように、遊技状態別に設定されている。役抽選テーブル中に記載した数値は、乱数発生器66により生成される乱数列の全数値範囲(例えば、十進数で65536)に対し、各役決定結果に割り当てられた数値範囲を示している。すなわち、役抽選テーブル中に記載の数値を乱数列の全数値範囲で除した値が、各々の役決定結果が選出される確率値に相当する。例えば、通常遊技状態(非RT)中において役決定結果R1(再遊技役1の単独当選)が選出される確率は、7900/65536≒1/8.3であり、有限RT遊技状態(RT1、RT2、RT3)中において役決定結果R1(
再遊技役1の単独当選)が選出される確率は、55136/65536≒1/1.2であるという具合である。
役決定処理において、一の役決定結果が選出されると、選出された役決定結果に対応した遊技役が当該遊技における成立許容役となり、そのことを示す情報(以下、適宜「○○の当選フラグ(「○○」には成立許容役に選出された遊技役名が入る)」と称する)がメイン情報記憶手段119の所定の記憶領域に記憶されるようになっている。以下、当選フラグを記憶させることを、適宜「当選フラグをONにする」等と称し、記憶させた当選フラグをクリアすることを、適宜「当選フラグをOFFにする」等と称する(他の実施形態において同じ)。
一の遊技においてONにされた小役や再遊技役の当選フラグは、小役や再遊技役の成立の有無に拘わらず、次の遊技が開始されるまでの間にOFFにされる。これに対し、特別役(BB役1、BB役2)の当選フラグは、一旦ONにされると、当該特別役が成立するまでは、ONとされたまま次遊技に持ち越される(ただし、後述のボーナス遊技状態中ででは扱いが異なるが、この点については後述する)。本明細書では、特別役の当選フラグがONとされたまま持ち越されている状態を、「当選持越し中」と称したり「内部中」と称したりする。例えば、BB役1の当選フラグがONとされたまま持ち越されている状態は「BB役1の当選持越し中」、「BB1内部中」等と称する。
なお、本実施形態では、図6に示すように、後述のBB1遊技状態においてはBB役2が当選可能となっており、後述のBB2遊技状態においてはBB役1が当選可能となっている。ただし、BB1遊技状態においてBB役2が当選した場合にONにされるBB役2の当選フラグは、BB1遊技状態中にBB役2が成立しない場合には、BB1遊技状態(BB1遊技)の終了時にOFFにされるようになっている。同様に、BB2遊技状態においてBB役1が当選した場合にONにされるBB役1の当選フラグは、BB2遊技状態中にBB役1が成立しない場合には、BB2遊技状態(BB2遊技)の終了時にOFFにさ
れるようになっている。
本実施形態の抽選テーブルにおいて特徴的な点として、有限RT遊技状態では、再遊技役の当選確率が非常に高く設定されるとともにハズレの確率が「0」に設定されていることが挙げられる。このため、上述の再遊技役優先及び小役優先のリール停止制御が行われることを考えると、有限RT遊技状態においてBB役1またはBB役2の当選フラグがONになっていても、有限RT遊技状態中にBB役1またはBB役2を成立させることは難しくなっている。
<遊技状態の設定>
上述したように本実施形態では、図7に示す、通常遊技状態、有限RT遊技状態、ボーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態の4つの遊技状態のうちの何れかの遊技状態が、上記遊技状態制御手段104により設定されるようになっている。
上記通常遊技状態は、本実施形態において標準となる遊技状態である。本実施形態では、通常遊技状態として、非RT遊技状態(図7では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。非RT遊技状態は、再遊技役(再遊技役1、2)が当選する確率が標準的な値に設定されている。この非RT遊技状態中において、条件A1が充足されたことを契機として有限RT遊技状態に移行され、条件A2が充足されたことを契機としてボーナス内部中遊技状態に移行されるようになっている。条件A1とは、特定図柄(再遊技役2の対応図柄)が有効ライン29上に停止表示されることであり、条件A2とは、特別役(BB役1またはBB役2)が当選し、かつ未成立であることである。
上記有限RT遊技状態は、非RT遊技状態において、上記特定図柄が有効ライン29上に停止表示されるという上記条件A1が充足された場合に、非RT遊技状態から移行し、所定回数(本実施形態では7回とするが任意に設定可)の遊技が行われると終了する遊技状態である。本実施形態では、有限RT遊技状態として、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態(図7では「遊技状態」を省略して表記している)の3つの遊技状態が設けられている。
RT1遊技状態は、非RT遊技状態中の一の遊技において、BB役1及びBB役2が共に非当選であり、かつ上記特定図柄が有効ライン29上に停止表示された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、非RT遊技状態中に役決定結果R2が選出されるとこのような状況が生じる。
RT2遊技状態は、非RT遊技状態中の一の遊技において、BB役1が当選したが未成立であり、かつ上記特定図柄が有効ライン29上に停止表示された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、非RT遊技状態中に後述の役決定結果J1が選出された場合にこのような状況が生じる。また、RT2遊技状態は、RT1遊技状態中の一の遊技において、BB役1が当選したが未成立である場合にも設定される。本実施形態では、RT1遊技状態中に役決定結果J1が選出された場合にこのような状況が生じる。また、RT1遊技状態中に役決定結果J2またはB1が選出された場合にもこのような状況が生じ得る。
一方、RT3遊技状態は、RT1遊技状態中の一の遊技において、BB役2が当選したが未成立である場合に次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、RT1遊技状態中に役決定結果B2が選出された場合にこのような状況が生じ得る。なお、RT3遊技状態は、非RT遊技状態中の一の遊技において、BB役2が当選したが未成立であり、かつ上記特定図柄が有効ライン29上に停止表示された場合に、次遊技から設定することも可能であるが、本実施形態ではこのような状況は生じないようになっている(BB役
2と再遊技役2が重複当選する役決定結果を設定することによりこのような状況が生じるようにすることも可能)。
非RT遊技状態から有限RT遊技状態に移行された後、規定回数(7回)の遊技が行われると有限RT遊技状態が終了し、次遊技から非RT遊技状態またはボーナス内部中遊技状態に移行される(図7に示す条件A3、A4を参照)。非RT遊技状態に移行されるのは、BB役1及びBB役2が何れも成立許容役となっていない場合(当選非持越し中の場合)であり、ボーナス内部中遊技状態に移行されるのは、BB役1及びBB役2の何れか一方が成立許容役となっている場合(当選持越し中の場合)である。なお、有限RT遊技状態において、BB役1またはBB役2が成立する可能性もあり、その場合は有限RT遊技状態を終了して次遊技からボーナス遊技状態に移行されるが、以下では専ら、ボーナス内部中遊技状態からボーナス遊技状態へ移行するものとして説明する。
上記ボーナス内部中遊技状態は、非RT遊技状態中の一の遊技において、BB役1またはBB役2が当選したが未成立であり、かつ上記特定図柄が有効ライン29上に停止表示されなかった場合(図7に示す条件A2を参照)に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、非RT遊技状態中に役決定結果J2、B1、B2の何れかが選出された場合にこのような状況が生じ得る。また、ボーナス内部中遊技状態は、上述したように、有限RT遊技状態中の終了時に、BB役1またはBB役2が成立許容役となっている場合(図7に示す条件A3を参照)にも設定されるようになっている。
本実施形態では、ボーナス内部中遊技状態として、BB1内部中遊技状態、BB2内部中遊技状態(図7では「遊技状態」を省略して表記している)の2つの遊技状態が設けられている。BB1内部中遊技状態は、BB役1が成立許容役となっている場合に設定される遊技状態であり、BB2内部中遊技状態は、BB役2が成立許容役となっている場合に設定される遊技状態である。ボーナス内部中遊技状態中の一遊技において、BB役1またはBB役2が成立するという条件A5が充足された場合には、ボーナス内部中遊技状態が終了し、次遊技からボーナス遊技状態が設定される。
上記ボーナス遊技状態は、上述したように、ボーナス内部中遊技状態中の一の遊技において上記条件A5が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、ボーナス遊技状態として、BB1遊技状態、BB2遊技状態(図7では「遊技状態」を省略して表記している)の2つの遊技状態が設けられている。BB1遊技状態は、BB1内部中遊技状態中にBB役1が成立した場合に設定される遊技状態であり、BB1遊技状態においてボーナス遊技としてのBB1遊技が行われる。BB1遊技は、BB1遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのBB1作動フラグがON)とされ、規定数(基本的には300枚だが後述するように変更される場合有り)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(BB1作動フラグがOFFにされる)ようになっている。
一方、BB2遊技状態は、BB2内部中遊技状態中にBB役2が成立した場合に設定される遊技状態であり、BB2遊技状態において別のボーナス遊技としてのBB2遊技が行われる。BB2遊技は、BB2遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのBB2作動フラグがON)とされ、規定数(基本的には200枚だが後述するように変更される場合有り)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(BB2作動フラグがOFFにされる)ようになっている。ボーナス遊技状態中において、規定数以上の遊技メダルが払い出され、ボーナス遊技が終了したことを条件として(図7に示す条件A6を参照)、次遊技から通常遊技状態に移行される。
上記各ボーナス遊技の遊技条件を比較すると、図8(A)に示すようになっている。す
なわち、1回の遊技を行うために必要な規定ベット数、小役成立時の遊技メダルの払出枚数、及び小役成立時の遊技メダルの獲得枚数(払出枚数−規定ベット数)は、BB1遊技とBB2遊技で共通となっており、それぞれ2枚、15枚、13枚である。終了条件(遊技メダルの払出総数の閾値)は前述したとおり、BB1遊技では300枚、BB2遊技では200枚ある。また、各ボーナス遊技中に遊技者が獲得可能な最大数(最大獲得枚数)は、BB1遊技では260(=13×20)枚、BB2遊技では182(=13×14)枚である。なお、各ボーナス遊技の遊技条件は、これに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
<本実施形態における特徴的な制御処理>
本実施形態では、主に、次の(a1)、(a2)に関して特徴的な制御処理を行うように構成されている。
(a1)通常遊技状態から有限RT遊技状態への移行に関する制御処理
本実施形態では、通常遊技状態(非RT遊技状態)中の一の遊技において、特定図柄(再遊技役2の対応図柄)が有効ライン29上に停止表示された場合には、当該遊技においてたとえ特別役(BB役1)が当選して未成立となったとしても、必ず、次遊技から有限RT遊技状態に移行されるようになっている。
通常遊技状態(非RT遊技状態)中において上記特定図柄が有効ライン29上に停止表示されるのは、役決定処理により、役決定結果J1が選出された場合と役決定結果R2が選出された場合とがある。上述したように再遊技役2は100%引込み可能な遊技役であるので、再遊技役2が単独当選する役決定結果R2が選出された場合には、再遊技役2が必ず成立し(特定図柄が有効ライン29上に停止表示され)、次遊技から、有限RT遊技状態(RT1遊技状態)に移行される。また、上述の再遊技役優先のリール制御が行われることから、BB役1と再遊技役2が重複当選する役決定結果J1が選出された場合にも、再遊技役2が必ず成立し、BB役1の当選は持ち越されるようになっている。しかし、この場合でも、BB役1の当選持越し中の状態で、次遊技から、有限RT遊技状態(RT2遊技状態)に移行される。
遊技者は、特定図柄が有効ライン29上に停止表示されたこと(再遊技役2が成立したこと)は認識できるが、それが、役決定結果J1が選出されて生じたことなのか、役決定結果R2が選出されて生じたことなのかは分からない。また、どちらの役決定結果が選出された場合でも、有限RT遊技状態に移行されることになり、さらに上述のように有限RT遊技状態においてはBB役1が当選していても成立することが難しくなっている。このため、遊技者は、特定図柄が有効ライン29上に停止表示されたことにより、BB役1が当選しているかもしれないという期待感を抱くことになるが、有限RT遊技状態における規定回数(7回)の遊技を行う間に、停止表示される図柄組合せ(出目)等の傾向から、BB役1が当選しているか否かを判断することは困難となる。したがって、BB役1が当選しているかもしれないという期待感を遊技者に継続して持たせながら、有限RT遊技状態における遊技を行わせることが可能となる。
従来においても、特別役と再遊技役が重複当選する役決定結果と再遊技役が単独当選する役決定結果を設定し、特定図柄(再遊技役の対応図柄)が停止表示された際に、特別役が当選しているかもしれないという期待感を遊技者に持たせるように意図したものは知られている。しかし、従来のものは、特別役と再遊技役が重複当選して特定図柄が停止表示された場合(特別役の当選持越し中となる場合)には、ボーナス内部中遊技状態に移行され、再遊技役が単独当選して特定図柄が停止表示された場合には、有限RT遊技状態に移行されるようになっている。ボーナス内部中遊技状態中と有限RT遊技状態中とでは、再遊技役の当選確率などが異なる抽選テーブルが用いられるのが一般的であるので、停止表
示される図柄組合せ(出目)等の傾向から、BB役1が当選しているか否かを遊技者が判断し易くなる。このため、上述の意図が十分に生かされない虞があるが、本実施形態ではそのようなことはなく、有限RT遊技状態における遊技性を向上させることが可能である。
なお、本実施形態では、有限RT遊技状態においても再遊技役2が成立して特定図柄が有効ライン29上に停止表示される可能性があるが(図6を参照)、このような場合に、有限RT遊技状態において実行する遊技回数を変更するように構成してもよい。変更する態様としては、有限RT遊技状態において再遊技役2が成立した時点での、有限RT遊技状態における残りの遊技回数に規定回数を加算して有限RT遊技状態を延長すること(例えば、有限RT遊技状態における4回目の遊技中に再遊技役2が成立した場合、残り遊技回数は3回であり、その3回に規定回数の7回を加算して残り10回(合計で14回)、有限RT遊技状態で遊技を行うこと)が一例として挙げられる。また、有限RT遊技状態において再遊技役2が成立した時点で、有限RT遊技状態における残りの遊技回数を規定回数で更新して有限RT遊技状態を延長すること(例えば、有限RT遊技状態における3回目の遊技中に再遊技役2が成立した場合、残り遊技回数は4回であり、その4回を規定回数の7回に更新して残り7回(合計で10回)、有限RT遊技状態で遊技を行うこと)が別の例として挙げられる。このように構成することにより、BB役1が当選しているかもしれないという期待感を持って遊技者が遊技を行う期間を延長させることが可能となり、有限RT遊技状態における遊技性をより向上させることが可能となる。
本実施形態では、通常遊技状態(非RT遊技状態)から有限RT遊技状態への移行条件に関係する特定図柄が再遊技役(再遊技役2)の対応図柄とされているが、特定図柄を他の図柄としてもよい。例えば、特定図柄を小役の対応図柄とすることや、所定の遊技役が当選したが成立させることができなかった場合に停止表示される図柄組合せ(取りこぼし目)や、役決定結果がハズレの場合に停止表示される図柄組合せ(ハズレ目)等を、特定図柄とすることも可能である。また、特定図柄が停止表示される位置も有効ライン29上ではなく、他の位置としてもよい。
(a2)ボーナス遊技の終了条件に関する制御処理
本実施形態では、上述したように、BB1遊技状態においてはBB役2が成立許容役に選出可能となっており、BB2遊技状態においてBB役1が成立許容役に選出可能となっている。また、BB1遊技状態においてはBB1遊技が実行可能となり、その終了条件は基本的には300枚以上の遊技メダルが払い出されることとされているが、BB1遊技状態においてBB役2が成立許容役に選出され、かつ成立した場合には、BB1遊技の終了条件が変更されるようになっている。同様に、BB2遊技状態においてはBB2遊技が実行可能となり、その終了条件は基本的には200枚以上の遊技メダルが払い出されることとされているが、BB2遊技状態においてBB役1が成立許容役に選出され、かつ成立した場合には、BB2遊技の終了条件が変更されるようになっている。
終了条件を変更する場合の態様としては、実行中のボーナス遊技における遊技メダルの払出総数の閾値に、成立した他の特別役に係るボーナス遊技の払出総数の閾値を加算すること(例えば、BB1遊技の実行中にBB役2が成立した場合には、BB1遊技の払出総数の閾値300にBB2遊技の払出総数の閾値200を加算して500とし、実行中のBB1遊技の終了条件を500枚以上の遊技メダルが払い出されたことに変更すること)が一例として挙げられる。また、実行中のボーナス遊技で既に払い出された遊技メダル数と払出総数の閾値との差数を、成立した他の特別役に係るボーナス遊技の払出総数の閾値に更新すること(例えば、BB1遊技の実行中にBB役2が成立した時点における遊技メダルの払出枚数が120で払出総数の閾値300との差数が180の場合、これをBB2遊技の払出総数200に置換して、実行中のBB1遊技の終了条件を残り200枚以上の遊
技メダルが払い出されたことに変更すること)が一例として挙げられる(他の態様とすることも可能)。
このように構成することにより、ボーナス遊技の実行中に他の特別役が成立し、実行中のボーナス遊技の終了条件が変更されることについて遊技者に期待感を持たせながらボーナス遊技を行わせることが可能となるので、ボーナス遊技の遊技性を向上させることができる。また、上述したように本実施形態では、ボーナス遊技の実行中に他の特別役が成立許容役に選出されても、その特別役がボーナス遊技状態中に成立しない場合には、その特別役の当選持越しが解消される(当選フラグがOFFにされる)ようになっている。このため、当選持越し中の特別役が無駄にならないように、他の特別役が成立許容役に選出されている場合に備え、その特別役を成立させ得るように各ストップスイッチを操作することを遊技者に意識させつつ、ボーナス遊技を行わせることが可能となる。
また、実行中のボーナス遊技で既に払い出された遊技メダル数と払出総数の閾値との差数を、成立した他の特別役に係るボーナス遊技の払出総数の閾値に更新する上述の態様を採用した場合、遊技者にとっては、他の特別役が成立する時期によって有利になったり、不利になったりする(例えば、上記差数が200を超えている場合に、差数が200に更新されると遊技者にとっては不利になる)。このため、このような態様を採用した場合には、他の特別役を成立させることを試みる時期についても遊技者に意識させつつ、ボーナス遊技を行わせることが可能となる。
なお、本実施形態では、上述したように、BB1遊技及びBB2遊技における遊技条件のうち、規定ベット数、小役成立時の遊技メダルの払出枚数、小役成立時の獲得枚数が共通している(図8(A)を参照)。これに対し、図8(B)に示すように、BB1遊技及びBB2遊技におけるこれらの遊技条件を変えるようにすることも可能である。このような場合でも、BB1遊技の実行中にBB役2が成立した場合のBB1遊技の終了条件の変更、またはBB2遊技の実行中にBB役1が成立した場合のBB2遊技の終了条件の変更を、上述した内容(加算、更新)と同様に行うことができる。
一方、このような遊技条件の違いを考慮して、終了条件の変更を行うようにしてもよい。例えば、BB1遊技よりは有利でない遊技条件が設定されるBB2遊技の実行中にBB役1が成立した場合には、BB2遊技の払出総数の閾値200にBB1遊技の払出総数の閾値300を加算して500とし、実行中のBB2遊技の終了条件を500枚以上の遊技メダルが払い出されたことに変更する。一方、BB1遊技の実行中にBB役2が成立した場合には、BB1遊技の払出総数の閾値300にBB2遊技の最大獲得可能枚182を加算して482とし、実行中のBB1遊技の終了条件を482枚以上の遊技メダルが払い出されたことに変更することが一例として挙げられるが、他の態様とすることも可能である。
<基本的な制御処理>
以下、本実施形態のスロットマシン1において行われる基本的な制御処理として、特に、主制御手段100によるタイマ割込処理及び遊技制御処理(制御フロー)について、図9〜図12を用いて説明する。
[タイマ割込処理]
本実施形態では、遊技者により行われるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信等の処理が、予め設定された一定の時間(例えば、2.235ミリ秒)毎に実施されるタイマ割込処理によって行われる。このタイマ割込処理では、図19に示すように、まず、レジスタの退避が行われ(ステップT1)、次に、入力ポート読込処理(ステップT2)が行われる。
この入力ポート読込処理では、メインCPU61の入力ポートに入力された各遊技操作信号の信号レベルの読込みと格納、信号レベルの判定等が行われる。なお、主制御手段100による遊技制御処理中、遊技に関する各種の制御コマンドが適宜なタイミングで副制御手段200に送信されるが、そのタイミング等については、主要なもの以外は説明を省略する。
次いで、タイマ計測を行う(ステップT3)。このタイマ計測は、次述する遊技制御処理において任意のタイマがセットされた場合にそのタイマの経過時間等を計測するものである。次に、各リール3a,3b,3cの回転の加速、減速、定速維持や停止維持等を制御するためのリール回転駆動制御を行い(ステップT4)、次いで、データカウンタやホールコンピュータ等に対して所定の外端信号を出力する(ステップT5)。次に、各表示用ランプ(46a〜46j)の表示管理を実行し(ステップT6)、必要な制御コマンドを副制御手段200(以下、適宜「サブ」と称する)へ送信する(ステップT7)。次いで、表示用ランプ、モータ等の制御を行うためのポート出力を行い(ステップT8)、さらに、退避させていたレジスタを復帰させ(ステップT9)、割込みを許可(ステップT10)した後、割込みリターンする。
[遊技制御処理]
主制御手段100により行われる遊技制御処理では、図10に示すように、スタックポインタのセット(ステップS101)と、RAM領域の初期化(ステップS102)をこの順で行い、次に、遊技開始前送信用の各制御コマンドをサブへ送信する(ステップS103)。なお、遊技開始前送信用の各制御コマンドとしては、再遊技作動状態やボーナス遊技作動状態を示すコマンドや、設定されている遊技状態を示すコマンド等を挙げることができる。なお、遊技開始前送信用の各制御コマンドの送信を完了した時点において、遊技メダルのクレジット数が上限値(最大クレジット許容数)に達していない場合には、ブロッカ48はOFF状態からON状態(遊技メダル受入可能状態)に切り替えられる。
次に、再遊技作動状態(再遊技作動フラグがON)であるか否かを判定する(ステップS104)。ここで、再遊技作動状態であると判定した場合には、自動ベット処理を実行し(ステップS105)、次いで、自動ベット処理が実行されたことを示す自動ベット実行コマンドをサブへ送信し(ステップS106)、ステップS107に進む。
一方、上記ステップS104において、再遊技作動状態ではない(再遊技作動フラグがOFF)と判定した場合には、上述のステップS105,S106の処理は行わずにステップS107に進む。このステップS107では、遊技メダルのベット(ベット操作によるベットの他に自動ベット処理によるベットの場合を含む)の有無を判定する。ここで、遊技メダルがベットされていた場合にはステップS112に進み、遊技メダルがベットされていなかった場合には、設定値の表示開始要求(例えば、前扉が開けられ、設定鍵型スイッチ83がON状態とされること)の有無を判定する(ステップS108)。
ここで、設定値の表示開始要求があった場合には、設定値の表示を開始し(ステップS109)、次いで、設定値の表示終了要求(例えば、設定鍵型スイッチ83がOFF状態とされ、前扉が閉じられること)があるまでその状態で待機し(ステップS110)、設定値の表示終了要求があった場合には、設定値の表示を終了して(ステップS111)、上記ステップS112に進む。一方、上記ステップS108の判定において、設定値の表示開始要求がなかった場合には、上記ステップS109〜S111の処理は行わずに、上記ステップS112に進む。
このステップS112では、ベット数及びクレジット数が各上限値(最大ベット許容数及び最大クレジット許容数)に達しているか否かを判定する。ここで、ベット数及びクレ
ジット数が共に上限値に達していると判定した場合にはステップS124に進む。なお、ベット数及びクレジット数が共に上限値に達している場合、ブロッカ48はOFF状態とされる。一方、上記ステップS112において、ベット数及びクレジット数の少なくとも一方は上限値に達していないと判定した場合には、ステップS113に進む。このステップS113では、再遊技作動状態であるという条件とベット数が上限値に達しているという条件との少なくとも一方が成立しているか否かを判定し、何れも成立していない(再遊技作動状態ではなく、かつベット数が上限値に達していない)と判定した場合には、ステップS114に進む。
このステップS114では、ベットスイッチ(1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23)が操作されたか否かを判定する。ここで、ベットスイッチが操作されていた場合には、クレジット(貯留)された遊技メダルの有無を判定し(ステップS115)、クレジットされた遊技メダルがあれば、ベットスイッチの操作に応じてクレジット数(クレジット(貯留)されている遊技メダルの枚数を示す数値)を減算(ステップS116)した後、遊技メダルがベットされたことを示す遊技メダル投入コマンドをサブ(副制御手段200)へ送信して(ステップS117)、上記ステップS124へ進む。
一方、上記ステップS115の判定において、クレジットされた遊技メダルがなかった場合には、上記ステップS114に戻る。また、このステップS114において、ベットスイッチ(1−BETスイッチ22またはMAX−BETスイッチ23)が操作されていないと判定した場合と、上記ステップS113において、再遊技作動状態であるという条件とベット数が上限値に達しているという条件との少なくとも一方が成立していると判定した場合には、メダル投入口21から投入された遊技メダル(投入遊技メダル)が受け入れられたか否かを判定する(ステップS118)。ここで、投入遊技メダルが受け入れられていた場合(投入メダルセンサ28bによる遊技メダルの検出があった場合)には、ステップS119に進み、次述するようにクレジット数を更新し(「更新」は、増加や減少の他に維持する場合を含む。以下において同じ)、次に遊技メダル投入コマンドをサブへ送信して(ステップS120)、上記ステップS124へ進む。
上記ステップS119におけるクレジット数の更新は、次のように行う。すなわち、ベット数が最大ベット許容数に達していない状態で投入遊技メダルが受け入れられたため、その受容遊技メダルがベットされた場合にはクレジット数は維持される。一方、ベット数は最大ベット許容数に達しているが、クレジット数は最大クレジット許容数に達していない状態で投入遊技メダルが受け入れられたため、受容遊技メダルが新たにクレジットされた場合には、クレジット数は増加される。
これに対し、上記ステップS118の判定において、メダル投入口21から遊技メダルが投入されていなかった場合には、貯留メダル清算スイッチ24が操作されたか否かを判定する(ステップS121)。ここで、貯留メダル清算スイッチ24が操作されていた場合には、クレジット(貯留)及びベットされている遊技メダルを清算する清算処理を実行し(ステップS122)、清算処理を実行したことを示す清算処理コマンドをサブへ送信して(ステップS123)、上記ステップS124へ進む。一方、貯留メダル清算スイッチ24が操作されていなかった場合には、上記ステップS122,S123の処理は行わずに、上記ステップS124へ進む。なお、再遊技作動状態の場合には、貯留メダル清算スイッチ24が操作されても、これを有効に受け付けないようにして、清算処理を行わないようにしてもよい。
上記ステップS124ではベット数を更新し、次に、ベット数が規定数に一致したか否かを判定する(ステップS125)。ここで、規定数に一致していない場合には、上記ステップS107に戻り、規定数に一致している場合には、スタートレバー25の操作が受
け付けられたか否かを判定する(ステップS126)。ここで、スタートレバー25の操作が受け付けられたと判定した場合にはステップS127へ進み、受け付けられていないと判定した場合には上記ステップS107に戻る。
上記ステップS127では、乱数発生器66により生成される乱数列の中から1つの乱数を選出する乱数ラッチを行う。次に、ラッチされた乱数(以下、適宜「ラッチ乱数」と称する)を読込み(ステップS128)、読み込んだラッチ乱数と役抽選テーブル(図6参照)に基づき、1つの役決定結果を選出する(ステップS129)。次いで、選出された役決定結果の情報(当選フラグ情報)を上記メイン情報記憶手段119の所定記憶領域に格納する(ステップS130)。
次に、選出された役決定結果に基づき、制御図柄をセットする(ステップS131)。制御図柄とは、後述のリール回転駆動制御処理において受け付けられた各リール回転停止操作(ストップスイッチ26a,26b,26cの各操作)の順序と各々の操作タイミングに応じ、リール3a,3b,3cにおいて停止表示される(特に、有効ライン上に停止表示される)ことが許容される図柄のことであり、役決定結果に応じて選択される停止テーブル(図示略)により規定される。制御図柄のセット後、上記ステップS129において選出された役決定結果を示す役決定結果コマンドをサブへ送信する(ステップS132)。なお、上述のステップS127〜S132までの処理を総称して、役決定処理と称する。
(リール回転駆動制御処理)
サブボーナス制御処理を実行した後、図10に示すように、リール回転駆動制御処理を行う。このリール回転駆動制御処理では、図11に示すように、ウエイト時間が経過するまでその状態で待機し(ステップS301)、ウエイト時間が経過した場合には、ウエイト時間が経過したことを示すウエイト時間経過コマンドをサブへ送信する(ステップS302)。なお、ウエイト時間とは、前回の遊技においてリール3a,3b,3cが回転開始してから、今回の遊技においてリール3a,3b,3cを回転開始させるまでに経過することが必要とされる時間(例えば、4.1秒間)のことである。
次に、新たにウエイト時間をセットし(ステップS303)、全リール3a,3b,3cを回転開始させる(ステップS304)。次いで、右リール(リール3c)の待機が終了したか(実際に回転を開始したか)否かを判定する(ステップS305)。ここで、右リールの待機が終了していた場合には、右リールが回転開始したことを示す右リール回転開始コマンドがサブへ送信済みであるか否かを判定し(ステップS306)、送信済みではない場合には、右リール回転開始コマンドをサブへ送信して(ステップS307)、ステップS308へ進む。一方、上記ステップS305において、右リールの待機が終了していなかった場合には、上記ステップS306,S307の処理を行わずにステップS308へ進み、また、上記ステップS306において、右リール回転開始コマンドがサブへ送信済みである場合には、上記ステップS307の処理を行わずにステップS308へ進む。
このステップS308では、中リール(リール3b)の待機が終了したか(実際に回転を開始したか)否かを判定する。ここで、中リールの待機が終了していた場合には、中リールが回転開始したことを示す中リール回転開始コマンドがサブへ送信済みであるか否かを判定し(ステップS309)、送信済みではない場合には、中リール回転開始コマンドをサブへ送信して(ステップS310)、ステップS311へ進む。一方、上記ステップS308において、中リールの待機が終了していなかった場合には、上記ステップS309,S310の処理を行わずにステップS311へ進み、また、上記ステップS309において、中リール回転開始コマンドがサブへ送信済みである場合には、上記ステップS3
10の処理を行わずにステップS311へ進む。
このステップS311では、左リール(リール3a)の待機が終了したか(実際に回転を開始したか)否かを判定する。ここで、左リールの待機が終了していた場合には、左リールが回転開始したことを示す左リール回転開始コマンドがサブへ送信済みであるか否かを判定し(ステップS312)、送信済みではない場合には、左リール回転開始コマンドをサブへ送信して(ステップS313)、ステップS314へ進む。一方、上記ステップS311において、左リールの待機が終了していなかった場合には、上記ステップS312,S313の処理を行わずにステップS314へ進み、また、上記ステップS312において、左リール回転開始コマンドがサブへ送信済みである場合には、上記ステップS313の処理を行わずにステップS314へ進む。
このステップS314では、全リール(リール3a,3b,3c)の待機が終了したか(実際に回転を開始したか)否かを判定する。ここで、全リールの待機が終了していない場合には、上記ステップS305に戻る。一方、全リールの待機が終了した場合には、回転開始した全リールを、所定の回転速度に達するように加速する加速処理を行う(ステップS315)。次いで、全リールの回転が正常であるか否かを判定し(ステップS316)、正常ではないと判定した場合には、上記ステップS315に戻る。
一方、正常であると判定した場合には、全リールが定速回転しているか否かを判定し(ステップS317)、定速回転していないと判定した場合には、上記ステップS315に戻る。一方、全リールが定速回転していると判定した場合には、全リールが停止受付待ちの状態(ストップスイッチ26a,26b,26cが操作された場合に、それに対応して回転停止することが可能な状態)にあるか否かを判定し(ステップS318)、停止受付待ちの状態ではないと判定した場合には、上記ステップS315に戻り、全リールが停止受付待ちの状態にあると判定した場合には、ステップS319へ進む。
このステップS319では、左リール(リール3a)の回転停止操作(ストップスイッチ26aの操作)が受け付けられたか否かを判定する。ここで、ストップスイッチ26aの操作が受け付けられた場合には、左リール停止受付コマンドをサブへ送信済みであるか否かを判定し(ステップS320)、送信済みではない場合には、左リール回転停止受付コマンドをサブへ送信して(ステップS321)、ステップS322へ進む。一方、上記ステップS320において、左リール回転停止受付コマンドがサブへ送信済みである場合には、上記ステップS321の処理を行わずにステップS325へ進む。
上記ステップS322では、左リールの図柄組合せ回転停止制御を行う。この左リールの図柄組合せ回転停止制御は、上述の役決定処理においてセットされた制御図柄と、ストップスイッチ26aが操作された順序(3個のストップスイッチ26a,26b,26cの中で何番目に操作されたか)と、ストップスイッチ26aの操作タイミング(操作が受け付けられたタイミング)と、他のリール(リール3bまたはリール3b)が既に停止していた場合にはそのリールにおいて停止表示された図柄に応じて、左リールにおいて停止表示させ得る図柄を停止表示させるように左リールの駆動を制御するものである。
この左リールの図柄組合せ回転停止制御は、左リールが回転停止したと判定されるまで(ステップS323)行われ、左リールが回転停止した場合には、左リールが回転停止したことを示す左リール回転停止コマンドをサブへ送信し(ステップS324)、ステップS337に進む。一方、上記ステップS319において、左リールの回転停止操作(ストップスイッチ26aの操作)が受け付けられていないと判定した場合には、上記ステップS320〜S324の処理は行わずに、ステップS325に進む。
このステップS325では、中リール(リール3b)の回転停止操作(ストップスイッチ26bの操作)が受け付けられたか否かを判定する。ここで、ストップスイッチ26bの操作が受け付けられた場合には、中リール停止受付コマンドをサブへ送信済みであるか否かを判定し(ステップS326)、送信済みではない場合には、中リール回転停止受付コマンドをサブへ送信して(ステップS327)、ステップS328へ進む。一方、上記ステップS325において、中リール回転停止受付コマンドがサブへ送信済みである場合には、上記ステップS327の処理を行わずにステップS331へ進む。
上記ステップS328では、中リールの図柄組合せ回転停止制御を行う。この中リールの図柄組合せ回転停止制御は、上述の役決定処理においてセットされた制御図柄と、ストップスイッチ26bが操作された順序(3個のストップスイッチ26a,26b,26cの中で何番目に操作されたか)と、ストップスイッチ26bの操作タイミング(操作が受け付けられたタイミング)と、他のリール(リール3aまたはリール3c)が既に停止していた場合にはそのリールにおいて停止表示された図柄に応じて、中リールにおいて停止表示させ得る図柄を停止表示させるように中リールの駆動を制御するものである。
この中リールの図柄組合せ回転停止制御は、中リールが回転停止したと判定されるまで(ステップS329)行われ、中リールが回転停止した場合には、中リールが回転停止したことを示す中リール回転停止コマンドをサブへ送信し(ステップS330)、ステップS337に進む。一方、上記ステップS326において、中リールの回転停止操作(ストップスイッチ26bの操作)が受け付けられていないと判定した場合には、上記ステップS326〜S330の処理は行わずに、ステップS331へ進む。
このステップS331では、右リール(リール3c)の回転停止操作(ストップスイッチ26cの操作)が受け付けられたか否かを判定する。ここで、ストップスイッチ26cの操作が受け付けられた場合には、右リール停止受付コマンドをサブへ送信済みであるか否かを判定し(ステップS332)、送信済みではない場合には、右リール回転停止受付コマンドをサブへ送信して(ステップS333)、ステップS334へ進む。一方、上記ステップS332において、右リール回転停止受付コマンドがサブへ送信済みである場合には、上記ステップS333の処理を行わずにステップS337へ進む。
上記ステップS334では、右リールの図柄組合せ回転停止制御を行う。この右リールの図柄組合せ回転停止制御は、上述の役決定処理においてセットされた制御図柄と、ストップスイッチ26cが操作された順序(3個のストップスイッチ26a,26b,26cの中で何番目に操作されたか)と、ストップスイッチ26cの操作タイミング(操作が受け付けられたタイミング)と、他のリール(リール3aまたはリール3b)が既に停止していた場合にはそのリールにおいて停止表示された図柄に応じて、右リールにおいて停止表示させ得る図柄を停止表示させるように右リールの駆動を制御するものである。
この右リールの図柄組合せ回転停止制御は、右リールが回転停止したと判定されるまで(ステップS335)行われ、右リールが回転停止した場合には、右リールが回転停止したことを示す右リール回転停止コマンドをサブへ送信し(ステップS336)、ステップS337に進む。一方、上記ステップS331において、右リールの回転停止操作(ストップスイッチ26cの操作)が受け付けられていないと判定した場合には、上記ステップS332〜S336の処理は行わずに、ステップS337へ進む。
上述のステップS324、S330またはS336から移行するステップS337では、全リールが回転停止したか否かを判定し、全リールが回転停止したと判定した場合には、リール回転駆動制御処理を終了してリターンする。一方、回転停止していないと判定した場合には、上記ステップS319に戻る。
(入賞判定・遊技終了制御処理)
リール回転駆動制御処理を実行した後、図10に示すように、入賞判定・遊技終了制御処理を行う。この入賞判定・遊技終了制御処理では、図12に示すように、まず、停止表示図柄を確認する(ステップS401)。次に、停止表示された図柄により遊技役が成立している場合にはその成立役情報(何れの遊技役も成立していない場合にはそのことを示す情報)を、所定の記憶領域に格納する(ステップS402)。
次いで、停止表示図柄Aコマンドと停止表示図柄Bコマンドをサブへ送信する(ステップS403)。なお、停止表示図柄Aコマンドは、成立した遊技役が特別役なのか小役なのか再遊技役なのかを示す大まかなコマンドとし、停止表示図柄Bコマンドは、成立した遊技役をより具体的に示すコマンド(例えば、ベル小役が成立したとか、スイカ小役が成立したとかが分かるコマンド)とすることができるが、別のコマンドとしても構わない。また、表示窓W内や入賞ライン29上に停止表示された図柄組合せ(出目)の情報をサブへ送信するようにしてもよい。
次に、特別役当選フラグのクリア条件(ON状態とされた特別役の当選フラグをOFFにするための条件)が充足されたか否かを判定する(ステップS404)。本実施形態では、成立許容役に選出されていた特別役が成立した場合と、ボーナス遊技状態中に成立許容役に選出された特別役がボーナス遊技状態中に成立しなかった場合とが、このクリア条件充足の場合に該当する。ここで、特別役当選フラグのクリア条件が充足されていた場合には、該当する特別役の当選フラグをOFFにして(ステップS405)、ステップS406へ進み、充足されていなかった場合には、上記ステップS405の処理を行わずにステップS406へ進む。そして、ステップS406では、特別役以外の遊技役の当選フラグをOFFにしてステップS407へ進む。
このステップS407では、払い出す遊技メダルの枚数(遊技メダルの払出しが無い場合には0枚)等を示す遊技メダル払出開始コマンドを、サブへ送信する。次に、遊技メダルの払出しがあるか否かを判定し(ステップS408)、払出しがある場合には、クレジット(貯留)された遊技メダルの枚数(クレジット数)がクレジットし得る最大数を示す上限値(例えば、50)未満であるか否かを判定する(ステップS409)。
ここで、クレジット数が上限値未満であった場合には、払い出す遊技メダルの枚数をクレジット数に加算して(ステップS410)、ステップS412に進み、クレジット数が上限値以上であった場合には、遊技メダルを実際に払い出して(ステップS411)、ステップS412に進む。このステップS412では、遊技メダルの払出しが終了したか否かを判定し、払出しが終了していなかった場合には、上記ステップS408へ戻り、払出しが終了していた場合には、ステップS413に進む。一方、上記ステップS408の判定において、遊技メダルの払出しがない場合には、上記ステップS409〜S412の処理は行わずに、ステップS413へ進む。そして、ステップS413では、遊技メダルの払出しが終了したことを示す遊技メダル払出終了コマンドをサブへ送信し、ステップS414へ進む。
このステップS414では、ボーナス遊技作動フラグのクリア条件が充足されたか否かを判定する。本実施形態では、実行中のボーナス遊技の終了条件が充足されることが、このクリア条件充足の場合に該当する。ここで、ボーナス遊技作動フラグのクリア条件が充足されたと判定した場合には、該当するボーナス遊技の作動フラグをOFFにし(ステップS414)、ステップS416に進む。一方、上記ステップS414において、ボーナス遊技の終了条件が充足されていないと判定した場合(実行中のボーナス遊技がない場合も含む)には、上記ステップS415の処理は行わずに、ステップS416へ進む。
このステップS416では、ボーナス遊技作動フラグのセット条件が充足されているか否かを判定する。本実施形態では、今回の遊技において特別役が成立したことが、その特別役に係るボーナス遊技の作動フラグのセット条件が充足された場合に該当する。ボーナス遊技作動フラグのセット条件が充足されていると判定した場合には、該当するボーナス遊技の作動フラグをONにして(ステップS417)、ステップS418に進み、充足されていないと判定した場合には、ステップS417の処理は行わずにステップS418に進む。
このステップS418では、再遊技作動フラグを一旦OFF(ON状態の再遊技作動フラグをOFFにする場合とOFF状態の再遊技作動フラグを維持する場合とを含む)にしする。次に、再遊技作動条件が充足されているか否かを判定する(ステップS419)。本実施形態では、今回の遊技において再遊技役が成立したことが、再遊技作動条件が充足された場合に該当する。再遊技作動条件が充足されていると判定した場合には、再遊技作動フラグをONにして(ステップS420)、ステップS421に進み、充足されていないと判定した場合には、ステップS420の処理は行わずにステップS421に進む。
このステップS421では、遊技状態の更新を行う。すなわち、遊技状態の移行条件が充足された場合には遊技状態を移行させ、移行条件が充足されていない場合には遊技状態を維持する。次いで、メイン情報記憶手段119に記憶された成立役情報をクリアし(ステップS422)、さらに、遊技状態の更新結果や1回の遊技が終了したことを示す遊技終了コマンドをサブへ送信し(ステップS423)、入賞判定・遊技終了制御処理を終了してリターンする。
なお、上述した遊技制御処理の実行期間中において、ブロッカ48は、以下のようにON・OFF制御される。まず、一の遊技における遊技制御処理(上記ステップS126)においてスタートレバー25が操作されたと判定された時点から、次の遊技における遊技制御処理において遊技開始前送信用の各コマンドを送信する時点(上記ステップS103の終了時点)までは、遊技が行われている期間として、ブロッカ48はOFF状態(遊技メダル受入不可状態)とされる。一方、遊技開始前送信用の各コマンドの送信が完了した時点からスタートレバー25が操作されたと判定される時点までは、遊技が行われていない期間として、遊技メダルのクレジット数が上限値(最大クレジット許容数)に達していない限り、再遊技作動状態であっても再遊技作動状態でなくても、ブロッカ48は基本的にON状態(遊技メダル受入可能状態)とされる。
遊技メダルのクレジット数が上限値に達している場合のブロッカ48のON・OFF制御は、再遊技作動状態であるか否かによって異なる。すなわち、再遊技作動状態である場合には、遊技メダルのクレジット数が上限値に達していれば、ベット数(自動ベット処理によるベット数)に関係なく(ベット数が上限値ではない場合でも)、ブロッカ48はOFF状態とされる。一方、再遊技作動状態ではない場合には、遊技メダルのクレジット数が上限値に達していても、ベット数が上限値(最大ベット許容数)に達していない限り、スタートレバー25が操作されたと判定される時点まで、ブロッカ48は継続してON状態とされる。
すなわち、再遊技作動状態でない場合には、ベット数とクレジット数の合計数が、ベット数の上限値とクレジット数の上限値との合計値(例えば、3+50=53)に達していなければ、ブロッカ48は継続してON状態とされる。ただし、設定値の表示開始要求があった場合には、その時点から、設定値の表示を終了する時点まで、また、清算操作が受け付けられた場合には、その時点から、清算処理が終了する時点まで、ブロッカ48はOFF状態とされる。なお、上述の遊技が行われている期間であっても、フリーズ期間が設
定された場合には、そのフリーズ期間中は遊技が行われていない期間とみなし、クレジット数が上限値に達していない限りブロッカ48をON状態とし、投入された遊技メダルをクレジットされる遊技メダルとして受け入れるようにしてもよい。
主制御手段100において行われる他の制御処理としては、主制御電源断処理、主制御電源投入処理及び主制御設定変更処理がある。主制御電源断処理は、主制御手段100(主制御基板60)への電力の供給が停止されたとき(電源断時)に行われる処理であり、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等が行われる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報や遊技状態に関する情報の保存(保持)や、チェックサムのセットが行われる。
主制御電源投入処理は、主制御手段100への電力の供給が開始されたとき(電源投入時)に行われる処理であり、仮スタックポインタのセットやチェックサムの算出、チェック等が行われ、電源復帰の処理が行えるように処理される。また、設定鍵型スイッチ83がONされているか否の判定が行われ、ONされている場合には、次述する主制御設定変更処理に移行する。一方、設定鍵型スイッチ83がONされていない場合には、スタックポインタの復帰や割込みの起動が行われ、さらには、電源断時に所定の記憶領域に記憶されていた、役決定結果に関する情報や遊技状態に関する情報に基づき遊技が行われる。
主制御設定変更処理は、上述の主制御電源投入処理において、設定鍵型スイッチ83がONされた場合に実行される処理であり、遊技店員等による設定変更スイッチ84の設定変更指令操作が確定した場合に、スタックポインタの初期化や割込みの初期化、電源断時に保存された遊技情報のクリア処理が行われる。また、設定変更時に設定された設定値が所定の記憶領域に格納されるとともに、設定変更が行われたことを示す設定変更コマンドがサブへ送信され、前述した遊技制御処理に移行する。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態に係るスロットマシンについて、主に図13〜図20を参照しながら説明する。本実施形態のスロットマシンは、上述した第1実施形態のものと主要部の構成等が共通しており、これらの共通部分については説明を省略する。また、主要な制御処理の大まかな流れについても、第1実施形態のものと略共通している。以下、第1実施形態との相違点を中心に、本実施形態の特徴点について説明する。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシンの外観は第1実施形態と略同じである(図1を参照)。ただし、表示窓Wに設定される入賞ラインの数が異なっている。すなわち、本実施形態では、図13に示すように、表示窓Wには、表示窓Wを横断するようにして合計5本の入賞ライン29a,29b,29c,29d,29eが表示可能に設けられている。入賞ライン29aは、左上段、中央上段及び右上段の各図柄表示領域を結ぶ横一直線のラインであり、入賞ライン29bは、左中段、中央中段及び右中段の各図柄表示領域を結ぶ横一直線のラインであり、入賞ライン29cは、左下段、中央下段及び右下段の各図柄表示領域を結ぶ横一直線のラインである。また、入賞ライン29dは、左上段、中央中段及び右下段の各図柄表示領域を結ぶ右下がりのラインであり、入賞ライン表示29eは、左下段、中央中段及び右上段の各図柄表示領域を右上がりのラインである。
<遊技を行うための基本操作>
遊技を行うための基本操作は第1実施形態と略同じである。ただし、本実施形態では、入賞ライン29a〜29e(図13を参照)を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する通常遊技状態(非RT)、RT遊技状態(RT1、RT2)、ボーナス内部中遊技状態(内部中1、内部中2、内部中3)及びボーナス遊技状態のBB2では
3枚、ボーナス遊技状態のBB1、RBでは1枚に設定されており、規定数の遊技メダルがベットされることにより、5本全てが有効となるように構成されている。以下、有効となった入賞ライン29a〜29eのことを適宜「有効ライン29a〜29e」と称する。
<制御基板と各機器との接続>
制御基板の構成及び制御基板と各機器との接続の構成は第1実施形態と同じであり(図2を参照)、説明は省略する。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a,3b,3cが表示する図柄が、図14に示すように配置されている(図14中の「左リール」、「中リール」及び「右リール」は、リール3a、リール3b及び右リール3cをそれぞれ表す)。すなわち、「赤セブン」、「白セブン」、「バー」、「リプレイ」、「スイカ」、「ベル」及び「ブランク」の7種類の図柄が所定数ずつ各リール3a,3b,3cに配置されている。なお、図柄「ブランク」は、本実施形態では、遊技役を構成しない図柄として設定されている。
<機能ブロック>
本実施形態に係るスロットマシンを機能的な観点から示した場合の機能ブロックは、第1実施形態と同じである(図4を参照)。ただし、図4に示す各手段が担う制御処理の内容は一部異なるものがあり、これについては後述する。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、図15に示すように、3つの特別役(BB役1、BB役2、RB役)と、小役1、2の2つの小役と、再遊技役1〜3までの3個の再遊技役の計8個の遊技役が設定され、それぞれの遊技役が成立するためのリール3a,3b,3cによる表示図柄の組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出枚数等は、図15に示すように設定されている。なお、図15中に示す払出枚数は、通常遊技状態、RT遊技状態またはボーナス内部中遊技状態において規定数(3枚)の遊技メダルがベットされた場合の数値を括弧無しで表記し、ボーナス遊技状態において規定数(BB1中及びRB中は1枚、BB2中は3枚)の遊技メダルがベットされた場合の数値を括弧付きで並べて表記している。
BB役1、BB役2、RB役は、成立した際には遊技メダルは払い出されず、次の遊技からボーナス遊技状態(BB役1は後述のBB1遊技状態、BB役2は後述のBB2遊技状態、RB役は後述のRB遊技状態)に移行されることを示す遊技役(特別役)である。
図15に示すように、BB役1、BB役2及びRB役の3つの特別役は、左リール(リール3a)と中リール(リール3b)における構成図柄は「赤セブン」で共通している。一方、右リール(リール3c)における構成図柄は、BB役1が「赤セブン」、BB役2が「白セブン」、RB役が「バー」とそれぞれ異なっている。また、右リールにおけるこれら3つの図柄は、図14に示すように、右リールの回転方向に「バー」(図柄番号10)、「白セブン」(図柄番号11)、「赤セブン」(図柄番号12)の順に3コマ並んで配置されている。すなわち、右リールにおけるこれら3つの図柄の表示区間(図柄番号10〜12までの区間)は、右リールに対応したストップスイッチ26cの操作が有効に受け付けられてから、右リールが回転停止するまでの最大許容回転範囲(5コマ)内に配置されていることになる。
小役1、2は、成立した際に遊技メダルが払い出される入賞役として設定された遊技役(小役)である。以下、第1実施形態と同様に、小役1のことを適宜「スイカ小役」と称し、小役2のことを適宜「ベル小役」と称する。なお、ベル小役(小役2)は、100%
引込み可能な遊技役となっている。
再遊技役1〜3は、成立した場合、遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される再遊技作動状態が設定される遊技役(再遊技役)である。以下、第1実施形態と同様に、再遊技役1のことを適宜「通常RP」と称する。また、後述するように、再遊技役2は、成立することが後述の通常遊技状態(非RT遊技状態)またはRT2遊技状態からRT1遊技状態への移行条件とされていることから、再遊技役2のことを適宜「移行RP1」と称する。さらに、再遊技役3は、成立することがRT1遊技状態からRT2遊技状態への移行条件とされていることから、再遊技役3のことを適宜「移行RP2」と称する。なお、再遊技役1〜3は、何れも100%引込み可能な遊技役となっている。
<役抽選テーブル>
本実施形態においては、図16に示す役抽選テーブルが用いられる。この役抽選テーブルには、B1〜B4、R1〜R3、K1、K2、Zの10個の役決定結果が設定されており、各役決定結果には、図16に示すように各々の遊技役が対応付けられている。例えば、役決定結果B1にはBB役1とBB役2とRB役が重複当選役として対応付けられ、役決定結果B3にはBB役2が単独当選役として対応付けられ、役決定結果R3には再遊技役3が単独当選役として対応付けられ、役決定結果K1には、スイカ小役(小役1)が単独当選役として対応付けられているという具合である。また、役決定結果Zは、ハズレ(何れの遊技役も非当選)に対応づけられている。図16に示す役抽選テーブルにおける各数値の見方(意味)は、第1実施形態のものと同様である。
本実施形態の抽選テーブルにおいて特徴的な点として、後述の通常遊技状態(非RT遊技状態)及びRT遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態)では、BB役1、BB役2及びRB役が同時に成立許容役に選出可能に構成されていることが挙げられる。3つの特別役が同時に成立許容役に選出された場合には、本実施形態における特徴的な制御処理が行われるが、この点については後述する。
<遊技状態の設定>
本実施形態では、図17に示すように、大別すると、通常遊技状態、RT遊技状態、ボーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態の4つの遊技状態のうちの何れかの遊技状態が、遊技状態制御手段104(図4参照)により設定されるようになっている。
上記通常遊技状態は本実施形態において標準となる遊技状態である。本実施形態では、通常遊技状態として、非RT遊技状態(図17では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。非RT遊技状態は、再遊技役(再遊技役1〜3)が当選する確率が標準的な値に設定されている。この非RT遊技状態中において、条件B1が充足されたことを契機としてRT遊技状態(特にRT1遊技状態)に移行され、条件B3が充足されたことを契機としてボーナス内部中遊技状態に移行されるようになっている。条件B1とは、再遊技役2の対応図柄である第1の特定図柄(「リプレイ・リプレイ・ベル」)が5本の有効ライン29a〜29dのうちの何れかの有効ライン上に停止表示されることである。また、条件B3とは、特別役が当選し(BB役1、BB役2、RB役の単独当選またはこれらの重複当選)、かつ未成立であることである。
上記RT遊技状態は、通常遊技状態(非RT遊技状態)よりも再遊技役が当選する確率が高く設定された遊技状態である。本実施形態では、RT遊技状態として、RT1遊技状態とRT2遊技状態(図17では「遊技状態」を省略して表記している)の2つの遊技状態が設けられている。RT1遊技状態は、上述したように、非RT遊技状態中の一の遊技において上記条件B1が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実
施形態では、非RT遊技状態中に役決定結果R2が選出されるとこのような状況が生じる。
RT2遊技状態は、RT1遊技状態中の一の遊技において、条件B2が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。条件B2とは、再遊技役3の対応図柄である第2の特定図柄(「リプレイ・ベル・リプレイ」)が何れかの有効ライン上に停止表示されることである。本実施形態では、RT1遊技状態中に役決定結果R3が選出されるとこのような状況が生じる。このRT2遊技状態中の一の遊技において、上記条件B1が充足されると、次遊技からRT1遊技状態に移行される。また、RT遊技状態(RT1遊技状態またはRT2遊技状態)中の一の遊技において、上記条件B3が充足されると、次遊技からボーナス内部中遊技状態に移行される。
上記ボーナス内部中遊技状態は、上述したように、通常遊技状態(非RT遊技状態)中またはRT遊技状態(RT1遊技状態またはRT2遊技状態)中の一の遊技において、上記条件B3が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、ボーナス内部中遊技状態として、BB1内部中遊技状態(以下、適宜「内部中1」と称する)、BB2内部中遊技状態(以下、適宜「内部中2」と称する)、RB内部中遊技状態(以下、適宜「内部中3」と称する)、BB1+BB2+RB内部中遊技状態(以下、適宜「内部中4」と称する)の4つの遊技状態(図17では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。
内部中1は、BB役1が成立許容役となっている場合(当選持越し中の場合)に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B2が選出された場合にこのような状況が生じ得る。内部中2は、BB役2が成立許容役となっている場合(当選持越し中の場合)に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B3が選出された場合にこのような状況が生じ得る。内部中3は、BB役1、BB役2及びRB役が何れも成立許容役となっている場合(何れの特別役も当選持越し中の場合)に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B1が選出された場合にこのような状況が生じ得る。ボーナス内部中遊技状態中の一遊技において、BB役1、BB役2またはRB役が成立するという条件B4が充足された場合には、ボーナス内部中遊技状態が終了し、次遊技からボーナス遊技状態が設定される。
上記ボーナス遊技状態は、上述したように、ボーナス内部中遊技状態中の一の遊技において上記条件B4が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。なお、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において特別役が当選し、遊技者による各ストップスイッチの操作タイミングによっては、当該遊技において特別役が成立する可能性もある。その場合は次遊技からボーナス遊技状態に移行されるが、以下では専ら、ボーナス内部中遊技状態からボーナス遊技状態へ移行するものとして説明する。
本実施形態では、ボーナス遊技状態として、BB1遊技状態、BB2遊技状態、RB遊技状態(図17では「遊技状態」を省略して表記している)の3つの遊技状態が設けられている。BB1遊技状態は、内部中1または内部中4においてBB役1が成立した場合に設定される遊技状態であり、BB1遊技状態においてボーナス遊技としてのBB1遊技が行われる。BB1遊技は、BB1遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのBB1作動フラグがON)とされ、規定数(300枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(BB1作動フラグがOFFにされる)ようになっている。
BB2遊技状態は、内部中2または内部中4においてBB役2が成立した場合に設定さ
れる遊技状態であり、BB2遊技状態において別のボーナス遊技としてのBB2遊技が行われる。BB2遊技は、BB2遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのBB2作動フラグがON)とされ、規定数(150枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(BB2作動フラグがOFFにされる)ようになっている。
RB遊技状態は、内部中2または内部中4においてRB役が成立した場合に設定される遊技状態であり、RB遊技状態においてさらに別のボーナス遊技としてのRB遊技が行われる。RB遊技は、RB遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのRB作動フラグがON)とされ、小役が規定回数(8回)成立したことを条件として終了する(RB作動フラグがOFFにされる)ようになっている。
BB1遊技状態中またはBB2遊技状態中において、規定数以上の遊技メダルが払い出されてBB1遊技またはBB2遊技が終了したことを条件として、またはRB遊技状態中において規定回数の小役が成立してRB遊技が終了したことを条件として(図17に示す条件B5を参照)、ボーナス遊技状態が終了し、次遊技から通常遊技状態に移行される(一部異なる場合もあるが、それについては後述する)。
上記各ボーナス遊技の遊技条件を比較すると、図18に示すようになっている。すなわち、1回の遊技を行うために必要な規定ベット数は、BB1遊技では2枚、BB2遊技では3枚、RB遊技では1枚とされている。また、小役成立時の遊技メダルの払出枚数はそれぞれ異なり、BB1遊技では14枚、BB2遊技では9枚、RB遊技では15枚である。これにより、小役成立時の遊技メダルの獲得枚数(払出枚数−規定ベット数)もそれぞれ異なり、BB1遊技では12枚、BB2遊技では6枚、RB遊技では14枚である。終了条件は前述したとおりであるが、RB遊技において小役が8回成立した際の遊技メダルの払出総数は120(=8×15)枚となる。また、各ボーナス遊技中に遊技者が獲得可能な最大数(最大獲得枚数)は、BB1遊技では240(=12×20)枚、BB2遊技では10
2(=6×17)枚、RB遊技では112(=14×8)枚である。なお、各ボーナス遊技の遊技条件は、これに限定されるものではなく、任意に設定可能である。
<本実施形態における特徴的な制御処理>
本実施形態では、主に、次の(b1)、(b2)に関して特徴的な制御処理を行うように構成されている。
(b1)複数の特別役の同時当選及び同時当選時のリール停止に関する制御処理
本実施形態では、上述したように、通常遊技状態(非RT遊技状態)またはRT遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態)中の一の遊技において、複数の特別役(BB役1、BB役2及びRB役)が同時当選(同時に成立許容役に選出)可能に構成されている(図16を参照)。また、BB役1、BB役2及びRB役が同時当選した場合には、次のようなリール停止制御が行われるようになっている。
すなわち、本実施形態では、BB役1、BB役2及びRB役の3つの特別役が共に成立許容役であり、かつ何れの特別役でも成立させることが可能な操作態様(ここでは操作タイミング)でストップスイッチが操作された場合には、BB役1を成立させることを優先してリール停止制御が行われる。具体例を、図19を参照して説明する。なお、図19の右リール(リール3c)の各コマ内に記載している括弧内の数字は、右リールにおける図柄番号(図14参照)である。
図19は、3つの特別役が共に成立許容役となっている遊技において、左リール(リール3a)と中リール(リール3b)で、図柄「赤セブン」が有効ライン29c上に停止表
示され、右リール(リール3c)が回転中の状態を模式的に示している。先述したように、左リールと中リールにおける図柄「赤セブン」は、3つの特別役に共通する図柄である。このため、右リールにおいて有効ライン29c上に、図柄「バー」が停止表示された場合にはRB役が成立し、図柄「白セブン」が停止表示された場合にはBB役2が成立し、図柄「赤セブン」が停止表示された場合にはBB役1が成立することになる。
先述したように、右リールにおけるRB役の構成図柄「バー」、BB役2の構成図柄「白セブン」、BB役1の構成図柄「赤セブン」は、右リールの回転方向に、この順に3コマ並んで配置されている。このため、図19に示す状態において、右リールに対応したストップスイッチ26cのリール停止受付位置によっては、5コマ滑りの範囲内において、「バー」、「白セブン」、「赤セブン」の3つの図柄のうちの何れの図柄でも有効ライン29c上に停止表示させることが可能である。具体的には、右リールにおけるリール停止受付位置が、図柄番号7から9までの範囲であれば、これら3つの図柄の何れでも有効ライン29c上に停止表示させることが可能となる。
なお、リール停止受付位置とは、ストップスイッチの操作を有効に受け付けた時点において、ステッピングモータの通常の制御範囲内において(換言すれば、停止させようとするならば無理なく)、表示窓W内の下段表示領域に、他の任意の図柄番号の図柄を停止表示させるときよりもリールの移動量が少ない状態(以下、この状態におけるリールの移動範囲を「1コマ滑り」と称する)で停止表示させることが可能な図柄が配置された図柄番号よりも1つ前(リール回転方向における1つ前)の図柄番号を意味する。本実施形態では、ストップスイッチ操作の有効受付時点において、表示窓W内の下段表示領域内に進入途中であるか、または下段表示領域の全域を占める図柄の図柄番号がこのリール停止位置に該当する。
このように、図19に示す状態において、右リールにおけるリール停止受付位置が図柄番号7から9までの範囲であれば、5コマ滑りの範囲内において、上記3つの図柄の何れでも有効ライン29c上に停止表示させることが可能となる。しかし、本実施形態では、右リールにおけるリール停止受付位置がこのような条件を満たす場合、RB役の構成図柄「バー」とBB役2の構成図柄「白セブン」は有効ライン29c上に停止表示させず、BB役1の構成図柄「赤セブン」を有効ライン29c上に停止表示させるリール停止制御を行うようになっている。
また、図19に示す状態において、右リールにおけるリール停止受付位置が図柄番号6の場合には、5コマ滑りの範囲内において、BB役1の構成図柄「赤セブン」は有効ライン29c上に停止表示させることはできないが、BB役2の構成図柄「白セブン」またはRB役の構成図柄「バー」は有効ライン29c上に停止表示させることが可能である。本実施形態ではこのような場合、BB役2を成立させることを優先するリール停止制御が行われる。すなわち、RB役の構成図柄「バー」は有効ライン29c上に停止表示させず、BB役2の構成図柄「白セブン」を有効ライン29c上に停止表示させるリール停止制御を行うようになっている。
また、図19に示す状態において、右リールにおけるリール停止受付位置が図柄番号5の場合には、5コマ滑りの範囲内において、BB役1の構成図柄「赤セブン」とBB役2の構成図柄「白セブン」は有効ライン29c上に停止表示させることはできないが、RB役の構成図柄「バー」は有効ライン29c上に停止表示させることが可能である。本実施形態ではこのような場合、RB役を成立させる(RB役の構成図柄「バー」を有効ライン29c上に停止表示させる)リール停止制御が行われる。なお、右リールにおいてBB役1の構成図柄「赤セブン」を有効ライン29c上に停止表示させることができない場合には、たとえRB役の構成図柄「バー」またはBB役2の構成図柄「白セブン」を有効ライ
ン29c上に停止表示させることが可能であっても停止表示させないようにリール停止制御を行うようにしてもよい。
このように本実施形態では、BB役1、BB役2及びRB役が同時当選した場合には、RB役よりもBB役2、BB役2よりもBB役1が成立することを優先する(以下、このような優先順位を「BB役1>BB役2>RB役」というように記載する)リール停止制御が行われる。なお、優先順位は、特別役の種類によって決めてもよいし、各特別役が成立した際に行われるボーナス遊技の遊技条件によって決めてもよい。例えば、図18に示すように、各ボーナス遊技が開始されてから終了するまでに払い出される遊技メダル数の多い順に優先順位を決めると、BB役1>BB役2>RB役の順になるが、各ボーナス遊技中の一遊技における小役成立時の遊技メダルの払出枚数や獲得枚数の多い順に優先順位を決めると、RB役>BB役1>BB役2の順になる。また、各ボーナス遊技が開始されてから終了するまでに遊技者が獲得し得る最大の遊技メダル数(最大獲得可能数)の多い順に優先順位を決めると、BB役1>RB役>BB役2の順になる(少ない順とすることも可)。
なお、本実施形態のように、ボーナス遊技中でも役決定処理において、取りこぼしが生じる小役(小役1)やハズレが選出される場合には、このような取りこぼしやハズレがボーナス遊技中に何回生じたかによって、獲得し得る遊技メダル数が変化する。そこで、取りこぼしやハズレが生じる確率等を考慮して各ボーナス遊技中に獲得し得る遊技メダル数の期待値を算出し、その期待値の多い順や少ない順等に応じて優先順位を決めることも可能である。また、各ボーナス遊技中に小役が成立し得る回数の多い順または少ない順等に応じて優先順位を決めることも可能である。
また、ストップスイッチの押し順によって、優先順位が変わるようにしてもよい。例えば、BB役1、BB役2及びRB役の3つの特別役と共に所定の小役(例えば、対応図柄が「白セブン・白セブン・バー」となる小役)が重複当選するように構成し、重複当選した際に、左リールから回転停止操作が行われた場合には、BB役1>BB役2>RB役の優先順位とするが、右リールから回転停止操作が行われた場合には、RB役>BB役1>BB役2の優先順位とすることが一例として挙げられる。
以上のように、本実施形態のスロットマシンによれば、複数の特別役が共に成立許容役となる状況が設定され、そのような状況においては、予め定められた所定の特別役あるいは優先順位の高い特別役が優先的に成立するという優れた遊技性を有しており、これにより遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
(b2)ボーナス遊技中に特別役が成立した場合の制御処理
本実施形態では、共に成立許容役となっている3つの特別役のうち1つの特別役が成立すると、その成立した特別役に応じた所定のボーナス遊技状態に移行されそれに応じた所定のボーナス遊技が開始され、成立した特別役以外の特別役は成立許容役として上記所定のボーナス遊技状態に持ち越されるようになっている。この当選持越し中の特別役は、移行された所定のボーナス遊技中において成立することが許容されており、成立した場合には、その成立した特別役に応じた別のボーナス遊技状態に移行されそれに応じた別のボーナス遊技が開始されるようになっている。そして、この別のボーナス遊技が終了すると、上記別の遊技状態から上記所定の遊技状態に移行され、上記別のボーナス遊技が再開されるようになっている。具体例を、図20を参照して説明する。
図20に示すように、共に成立許容役となっている3つの特別役のうち最初にBB役1が成立するとBB1作動フラグがONとされ、BB1遊技状態に移行されBB1遊技が開始される。このBB1遊技中(BB1遊技状態中)にBB役2が成立するとBB1作動フ
ラグがOFFとされ、BB1遊技が中断される。同時に、BB2作動フラグがONとされ、BB2遊技状態に移行されBB2遊技が開始される。さらに、このBB2遊技中(BB2遊技状態中)にRB役が成立するとBB2作動フラグがOFFとされ、BB2遊技が中断される。同時に、RB作動フラグがONとされ、RB遊技状態に移行されRB遊技が開始される。
次に、RB遊技の終了条件が充足されるとRB作動フラグがOFFとされ、RB遊技(RB遊技状態)が終了する。同時に、BB2作動フラグが再びONとされ、BB2遊技状態に移行されBB2遊技が再開される。さらに、BB2遊技の終了条件が充足されるとBB2作動フラグがOFFとされ、BB2遊技(BB2遊技状態)が終了する。同時に、BB1作動フラグが再びONとされ、BB1遊技状態に移行されBB1遊技が再開される。そして、BB1遊技の終了条件が充足されるとBB1作動フラグがOFFとされ、BB1遊技(BB1遊技状態)が終了する。
図20に示すのは一例であり、各特別役が成立する順番や成立するタイミングによって、種々の移行態様が考えられる。例えば、上述の例において、BB1遊技から移行したBB2遊技がRB役成立前に終了した場合にはBB1遊技が再開され、このBB1遊技中にRB役が成立するとBB1遊技が再び中断されてRB遊技が開始される。さらに、このRB遊技が終了すると再度BB1遊技が再開されるように制御することが挙げられる。
以上のように、本実施形態のスロットマシンによれば、同時に成立許容役に選出された複数の特別役のうちの1つの特別役が成立した場合に実行されるボーナス遊技中において別の特別役が成立した場合には、最初に実行したボーナス遊技を中断し、別の特別役が成立した場合に実行する別のボーナス遊技を開始するという優れた遊技性を有しており、これにより遊技の興趣向上を図ることが可能となる。特に、本実施形態のように各ボーナス遊技状態が遊技者にとって有利に設定されている場合には、ボーナス遊技中に別の特別役が成立するかもしれないということを遊技者に強く期待させながらボーナス遊技を行わせることが可能となる。
なお、本実施形態では、同時に成立許容役に選出された複数の特別役のうちの1つの特別役が成立した場合に実行されるボーナス遊技中において、当選持越し中の別の特別役が成立しなかった場合には、成立しなかった特別役の当選持越しを解消する(当選フラグをOFFにする)ようになっている。このため、当選持越し中の特別役が無駄にならないように、別の特別役が成立許容役に選出されている場合に備え、その特別役を成立させ得るように各ストップスイッチを操作することを遊技者に意識させつつ、ボーナス遊技を行わせることが可能となる。なお、他の態様として、一のボーナス遊技状態中(例えば、BB1遊技状態中とする)において他の特別役(例えば、BB役2とする)が成立許容役に選出され得るように構成してもよい。この場合、BB1遊技状態中においてBB役2が成立許容役に選出され、かつBB1遊技状態中に成立しなかったときには、BB役2の当選フラグをOFFにするように設定してもよいし、BB1遊技状態終了後、内部中2(BB2内部中遊技状態)に移行させるように設定してもよい。
<基本的な制御処理>
本実施形態のスロットマシンにおいて行われる基本的な制御処理(主制御手段100によるタイマ割込処理及び遊技制御処理)の流れは第1実施形態と略同じである(図9〜図12を参照)。一部異なる点として、図12に示す入賞判定・遊技終了制御処理のステップS404における特別役当選フラグのクリア条件充足の判定基準と、ステップS414におけるボーナス作動フラグのクリア条件充足の判定基準と、ステップS416におけるボーナス遊技作動フラグのセット条件充足の判定基準が挙げられる。
すなわち、本実施形態では、ステップS404における特別役当選フラグのクリア条件充足の場合として、成立許容役に選出されていた特別役が成立した場合の外に、同時に成立許容役に選出された複数の特別役のうちの1つの特別役が成立したときに実行されるボーナス遊技中において、当選持越し中の他の特別役が成立しなかった場合が該当する。また、ステップS414におけるボーナス遊技作動フラグのクリア条件充足の場合として、本実施形態では、同時に成立許容役に選出された複数の特別役のうちの1つの特別役が成立したときに実行されるボーナス遊技中において、当選持越し中の他の特別役が成立した場合も該当する(実行中のボーナス遊技の作動フラグのクリア条件が充足し、実行中のボーナス遊技が中断される)。さらに、本実施形態では、ステップS416におけるボーナス遊技作動フラグのセット条件充足の場合として、同時に成立許容役に選出された複数の特別役のうちの1つの特別役が成立したときに実行されるボーナス遊技中に、当選持越し中の他の特別役が成立した場合に実行される別のボーナス遊技の終了条件が充足された場合も該当する(中断されたボーナス遊技の作動フラグのセット条件が充足し、そのボーナス遊技が再開される)。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態に係るスロットマシンについて、主に図21〜図28を参照しながら説明する。本実施形態のスロットマシンは、上述した第1実施形態のものと主要部の構成等が共通しており、これらの共通部分については説明を省略する。また、主要な制御処理の大まかな流れについても、第1実施形態のものと略共通している。以下、第1実施形態との相違点を中心に、本実施形態の特徴点について説明する。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシンの外観は第1実施形態と略同じである(図1を参照)。ただし、表示窓Wに設定される入賞ラインの数が異なっている。すなわち、本実施形態では、図21に示すように、表示窓Wには、表示窓Wを横断するようにして合計4本の入賞ライン29p,29q,29r,29sが表示可能に設けられている。入賞ライン29pは、左上段、中央上段及び右上段の各図柄表示領域を結ぶ横一直線のラインであり、入賞ライン29qは、左中段、中央中段及び右中段の各図柄表示領域を結ぶ横一直線のラインである。また、入賞ライン29rは、左上段、中央中段及び右下段の各図柄表示領域を結ぶ右下がりのラインであり、入賞ライン表示29sは、左下段、中央中段及び右上段の各図柄表示領域を右上がりのラインである。
<遊技を行うための基本操作>
遊技を行うための基本操作は第1実施形態と略同じである。ただし、本実施形態では、入賞ライン29p〜29s(図21を参照)を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する通常遊技状態(非RT)、RT遊技状態(RT1、RT2)、ボーナス内部中遊技状態(内部中1、内部中2、内部中3)では3枚、ボーナス遊技状態(有利BB、BB1、BB2)では2枚に設定されており、規定数の遊技メダルがベットされることにより、4本全てが有効となるように構成されている。以下、有効となった入賞ライン29p〜29sのことを適宜「有効ライン29p〜29s」と称する。
<制御基板と各機器との接続>
制御基板の構成及び制御基板と各機器との接続の構成は第1実施形態と同じであり(図2を参照)、説明は省略する。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a,3b,3cが表示する図柄が、図22に示すように配置されている(図22中の「左リール」、「中リール」及び「右リール」は、リール3a、リール3b及び右リール3cをそれぞれ表す)。すなわち、「赤セブン」、「青セブン
」、「白バー」、「黒バー」、「赤バー」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリーA」、「チェリーB」及び「ベル」の10種類の図柄が所定数ずつ各リール3a,3b,3cに配置されている。
<機能ブロック>
本実施形態に係るスロットマシンを機能的な観点から示した場合の機能ブロックは、第1実施形態と同じである(図4を参照)。ただし、図4に示す各手段が担う制御処理の内容は一部異なるものがあり、これについては後述する。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、図23に示すように、2つの特別役(BB役1、BB役2)と、小役1〜9までの9個の小役と、再遊技役1、2の2つの再遊技役の計13個の遊技役が設定され、それぞれの遊技役が成立するためのリール3a,3b,3cによる表示図柄の組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出枚数等は、図23に示すように設定されている。なお、図23中に示す払出枚数は、通常遊技状態、RT遊技状態またはボーナス内部中遊技状態において規定数(3枚)の遊技メダルがベットされた場合の数値を括弧無しで表記し、ボーナス遊技状態において規定数(2枚)の遊技メダルがベットされた場合の数値を括弧付きで並べて表記している。
BB役1、BB役2は、成立した際には遊技メダルは払い出されず、次の遊技からボーナス遊技状態(BB役1は後述のBB1遊技状態、BB役2は後述のBB2遊技状態、BB役1とBB役2が同時成立した場合には後述の有利BB遊技状態)に移行されることを示す遊技役(特別役)である。
小役1〜3は、成立した際に遊技メダルが払い出される入賞役として設定された遊技役(小役)である。以下、第1実施形態と同様に、小役1のことを適宜「スイカ小役」と称し、小役2のことを適宜「チェリー小役」と称し、小役3のことを適宜「ベル小役」と称する。なお、ベル小役(小役3)は、対応図柄が「−・ベル・−」(「−」は任意の図柄であることを示す)とされており、100%引込み可能な遊技役となっている。一方、小役4〜9は、小役3と重複当選するように設定された制御用の小役であり、実際には成立しないようになっている。
再遊技役1、2は、成立した場合、遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される再遊技作動状態が設定される遊技役(再遊技役)である。以下、第1実施形態と同様に、再遊技役1のことを適宜「通常RP」と称する。また、再遊技役2は、成立することが後述のRT1遊技状態からRT2遊技状態への移行条件とされていることから、再遊技役2のことを適宜「移行RP」と称する。なお、再遊技役1、2は、どちらも100%引込み可能な遊技役となっている。
<役抽選テーブル>
本実施形態においては、図24に示す役抽選テーブルが用いられる。この役抽選テーブルには、B1〜B3、R1、R2、K1〜K9、Zの15個の役決定結果が設定されており、各役決定結果には、図24に示すように各々の遊技役が対応付けられている。例えば、役決定結果B1にはBB役1とBB役2が重複当選役として対応付けられ、役決定結果B3にはBB役2が単独当選役として対応付けられ、役決定結果R3には再遊技役3が単独当選役として対応付けられ、役決定結果K1には、スイカ小役(小役1)が単独当選役として対応付けられ、役決定結果K4には、ベル小役(小役3)と制御用小役としての小役4が重複当選役として対応付けられているという具合である。また、役決定結果Zは、ハズレ(何れの遊技役も非当選)に対応づけられている。図24に示す役抽選テーブルに
おける各数値の見方(意味)は、第1実施形態のものと同様である。
本実施形態の抽選テーブルにおいて特徴的な点として、後述の通常遊技状態(非RT遊技状態)及びRT遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態)では、BB役1及びBB役2の2つの特別役が同時に成立許容役に選出可能に構成されていることと、後述のボーナス内部中遊技状態のうち内部中1ではBB役2が当選可能に、内部中2ではBB役1が当選可能に構成されていることが挙げられる。これにより、2つの特別役が共に成立許容役となる状況が生じるようになっている。2つの特別役が共に成立許容役となっている場合には、本実施形態における特徴的な制御処理が行われるが、この点については後述する。
また、本実施形態の抽選テーブルにおける役決定結果K4〜K8は、各ストップスイッチの操作順(押し順)によって異なるリール停止制御が行われる役決定結果(以下、適宜「押し順対応の役決定結果」と称する)として構成されており、役決定結果K9は、各ストップスイッチの操作態様(押し順や操作タイミング)に関係なく特定の図柄組合せを所定位置に停止表示させるリール停止制御が行われる役決定結果(以下、適宜「特定図柄停止表示用の役決定結果」と称する)として構成されている。
具体的には、役決定結果K4(以下、適宜「押し順ベル当選1」と称する)は、ベル小役(小役3)と小役4が重複当選する役決定結果である。この押し順ベル当選1が選出された場合には、遊技者による押し順が「左→中→右」のときは、ベル小役が3本の有効ライン29q、29r、29s上で同時に成立する(中リールで図柄「ベル」が中央中段に停止表示される)ようにリール停止制御がなされ(図25(A)を参照)、他の押し順のときは、ベル小役が1本の有効ライン29p上のみで成立する(中リールで図柄「ベル」が中央上段に停止表示される)ようにリール停止制御がなされるようになっている(図25(B)を参照)。ベル小役が3本の有効ライン上で同時成立すると、遊技メダルの払出枚数が12(=4×3)枚となり、1本の有効ライン上でのみ成立すると4(=4×1)枚となる。以下、ベル小役が上記3本の有効ライン上で同時成立するリール停止制御がなされることのなる押し順を「正解押し順」、上記1本の有効ライン上でのみ成立するリール停止制御がなされることになる押し順を「不正解押し順」と称する。
同様に、役決定結果K5(以下、適宜「押し順ベル当選2」と称する)は、ベル小役と小役5が重複当選する役決定結果であり、正解押し順は「左→右→中」とされている。役決定結果K6(以下、適宜「押し順ベル当選3」と称する)は、ベル小役と小役6が重複当選する役決定結果であり、正解押し順は「右→左→中」とされている。役決定結果K7(以下、適宜「押し順ベル当選4」と称する)は、ベル小役と小役7が重複当選する役決定結果であり、正解押し順は「右→中→左」とされている。役決定結果K8(以下、適宜「押し順ベル当選5」と称する)は、ベル小役と小役8が重複当選する役決定結果であり、正解押し順は「中→左→右」または「中→右→左」(以下、これらを総称して「中第一」と称する)とされている。
一方、役決定結果K9(以下、適宜「強ベル当選」と称する)は、ベル小役と小役9が重複当選する役決定結果であり、この押し順ベル当選1が選出された場合には、遊技者による各ストップスイッチの操作態様に関係なく、特定の図柄組合せ「ベル・ベル・ベル」が1本の有効ライン29q上に停止表示されるようにリール停止制御がなされ、ベル小役が3本の有効ライン29q、29r、29s上で同時に成立するようになっている(図25(C)を参照)。
<遊技状態の設定>
本実施形態では、図26に示すように、大別すると、通常遊技状態、RT遊技状態、ボ
ーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態の4つの遊技状態のうちの何れかの遊技状態が、遊技状態制御手段104(図4参照)により設定されるようになっている。
上記通常遊技状態は本実施形態において標準となる遊技状態である。本実施形態では、通常遊技状態として、非RT遊技状態(図26では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。非RT遊技状態は、再遊技役(再遊技役1、2)が当選する確率が標準的な値に設定されている。この非RT遊技状態中において、条件C1が充足されたことを契機としてRT遊技状態(特にRT1遊技状態)に移行され、条件C3が充足されたことを契機としてボーナス内部中遊技状態に移行されるようになっている。条件C1とは、ベル小役(小役3)の対応図柄「−・ベル・−」が4本の有効ライン29p〜29sうちの1つの有効ライン29p上にのみ停止表示されることである。また、条件C3とは、特別役が当選し(BB役1、BB役2の単独当選またはこれらの重複当選)、かつ未成立であることである。
上記RT遊技状態は、通常遊技状態(非RT遊技状態)よりも再遊技役が当選する確率が高く設定された遊技状態である。本実施形態では、RT遊技状態として、RT1遊技状態とRT2遊技状態(図26では「遊技状態」を省略して表記している)の2つの遊技状態が設けられている。RT1遊技状態は、上述したように、非RT遊技状態中の一の遊技において上記条件C1が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、非RT遊技状態中に役決定結果K3〜K8が選出されるとこのような状況が生じ得る。
RT2遊技状態は、RT1遊技状態中の一の遊技において、条件C2が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。条件C2とは、再遊技役2の対応図柄である特定図柄(「リプレイ・リプレイ・ベル」)が何れかの有効ライン上に停止表示されることである。本実施形態では、RT1遊技状態中に役決定結果R2が選出されるとこのような状況が生じる。このRT2遊技状態中の一の遊技において、上記条件C1が充足されると、次遊技からRT1遊技状態に移行される。また、RT遊技状態(RT1遊技状態またはRT2遊技状態)中の一の遊技において、上記条件C3が充足されると、次遊技からボーナス内部中遊技状態に移行される。
また、RT2遊技状態は、後述するAT設定権(AT設定フラグ)がセットされていることを条件として、上記AT設定制御手段201(図4参照)によりATが設定されるようになっている。ATが設定される期間は、RT2遊技状態において所定回数(本実施形態では後述するように100または50回)の遊技が実行される期間とされている。また、AT中は、上記アシスト演出制御手段2043(図4参照)により、先に述べた押し順ナビ演出が行われるようになっている。ここでの押し順ナビ演出は、AT中に上述の押し順ベル当選1〜5が選出された場合に、その正解押し順を報知する内容のものである。
上述したように、押し順ベル当選1〜5が選出された場合、遊技者による押し順が正解押し順であるときは12枚の払出が受けられるのに対し、不正解押し順であるときは4枚の払出しか受けられないので、遊技者にとっては、ATが設定されるとかなり有利となる。本実施形態では、ATが設定されたRT2遊技状態中に、上記所定回数の遊技が行われるとATが終了するようになっている。また、ATゲーム数が消化されていない場合でも、RT2遊技状態から他の遊技状態に移行されるとATが終了するようになっているが、上記ボーナス内部中遊技状態に移行される場合には、ATが継続して設定されるようにしてもよい。
上記ボーナス内部中遊技状態は、上述したように、通常遊技状態(非RT遊技状態)中またはRT遊技状態(RT1遊技状態またはRT2遊技状態)中の一の遊技において、上
記条件C3が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、ボーナス内部中遊技状態として、BB1内部中遊技状態(以下、適宜「内部中1」と称する)、BB2内部中遊技状態(以下、適宜「内部中2」と称する)、BB1+BB2内部中遊技状態(以下、適宜「内部中3」と称する)の3つの遊技状態(図26では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。
内部中1は、BB役1が成立許容役となっている場合(当選持越し中の場合)に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B2が選出された場合にこのような状況が生じ得る。内部中2は、BB役2が成立許容役となっている場合(当選持越し中の場合)に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B3が選出された場合にこのような状況が生じ得る。内部中3は、BB役1及びBB役2が共に成立許容役となっている場合(2つの特別役が共に当選持越し中の場合)に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B1が選出された場合にこのような状況が生じ得る。また、内部中1においてBB役2が当選し未成立の場合と、内部中2においてBB役1が当選し未成立の場合にも内部中3が設定される。ボーナス内部中遊技状態中の一遊技において、BB役1とBB役2の何れか一方または両方が成立するという条件C4が充足された場合には、ボーナス内部中遊技状態が終了し、次遊技からボーナス遊技状態が設定される。
上記ボーナス遊技状態は、上述したように、ボーナス内部中遊技状態中の一の遊技において上記条件C4が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。なお、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において特別役が当選し、遊技者による各ストップスイッチの操作タイミングによっては、当該遊技において特別役が成立する可能性もある。その場合は次遊技からボーナス遊技状態に移行されるが、以下では専ら、ボーナス内部中遊技状態からボーナス遊技状態へ移行するものとして説明する。
本実施形態では、ボーナス遊技状態として、有利BB遊技状態、BB1遊技状態、BB2遊技状態(図26では「遊技状態」を省略して表記している)の3つの遊技状態が設けられている。有利BB遊技状態は、内部中3においてBB役1とBB役2が同時に成立した場合に設定される遊技状態であり、有利BB遊技状態においてボーナス遊技としての有利BB遊技が行われる。有利BB遊技は、有利BB遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしての有利BB作動フラグがON)とされ、規定数(300枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(有利BB作動フラグがOFFにされる)ようになっている。また、有利BB遊技状態に移行されたことを条件として、所定期間(100ゲーム)のATが設定されることを示すAT設定権(AT設定フラグ)がセットされる。このAT設定権は、有利BB遊技状態の終了後、上記RT2遊技状態に設定された場合に行使され、100回の遊技が行われる間、上記AT設定制御手段201によりATが設定される。
BB1遊技状態は、内部中1または内部中3においてBB役1が単独で成立した場合に設定される遊技状態であり、BB1遊技状態において別のボーナス遊技としてのBB1遊技が行われる。BB1遊技は、BB1遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのBB1作動フラグがON)とされ、規定数(300枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(BB1作動フラグがOFFにされる)ようになっている。また、BB1遊技状態に移行されたことを条件として、所定期間(50ゲーム)のATが設定されることを示すAT設定権(AT設定フラグ)がセットされる。このAT設定権は、BB1遊技状態の終了後、上記RT2遊技状態に設定された場合に行使され、50回の遊技が行われる間、上記AT設定制御手段201によりATが設定される。
BB2遊技状態は、内部中2または内部中3においてBB役2が単独で成立した場合に設定される遊技状態であり、BB2遊技状態においてまた別のボーナス遊技としてのBB2遊技が行われる。BB2遊技は、BB2遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのBB2作動フラグがON)とされ、規定数(100枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(BB2作動フラグがOFFにされる)ようになっている。また、BB2遊技状態に移行されたことを条件として、所定期間(100ゲーム)のATが設定されることを示すAT設定権がセットされる。このAT設定権は、BB2遊技状態の終了後、上記RT2遊技状態に設定された場合に行使され、100回の遊技が行われる間、上記AT設定制御手段201によりATが設定される。なお、ATをゲーム数(実行された遊技の回数)で管理するのではなく、アシスト演出(押し順ナビ演出)を実行した回数で管理する(例えば、アシスト演出が所定回数実行されるまでの期間をATとする)ようにしてもよい。
有利BB遊技状態、BB1遊技状態中またはBB2遊技状態中において、規定数以上の遊技メダルが払い出されて有利BB遊、BB1遊技またはBB2遊技が終了したことを条件として、(図26に示す条件C5を参照)、ボーナス遊技状態が終了し、次遊技から通常遊技状態に移行される。
<本実施形態における特徴的な制御処理>
本実施形態では、主に、次の(c1)、(c2)に関して特徴的な制御処理を行うように構成されている。
(c1)複数の特別役が共に成立許容役である場合のリール停止に関する制御処理
本実施形態では、上述したように、ボーナス内部中遊技状態の内部中3において、2つの特別役(BB役1及びBB役2)が共に成立許容役となっている状況(BB役1及びBB役2が共に当選持越し中の状況)が生じるように構成されている(図26を参照)。また、BB役1及びBB役2が共に成立許容役となっている場合には、次のようなリール停止制御が行われるようになっている。
すなわち、本実施形態では、BB役1及びBB役2の2つの特別役が共に成立許容役であり、かつ2つの特別役を同時に成立させることが可能な操作態様(ここでは操作タイミング)で各ストップスイッチが操作された場合には、2つの特別役を同時に成立させることを優先してリール停止制御が行われる。具体例を、図27を参照して説明する。なお、図27の各リール(リール3c〜3c)の各コマ内に記載している括弧内の数字は、各リールにおける図柄番号(図22参照)である。
図27を参照する前に、図23においてBB役1とBB役2の対応図柄を確認すると、2つの特別役は、中リール(リール3b)における構成図柄が「赤セブン」で共通している。一方、左リール(リール3a)と右リール(リール3c)における構成図柄は、BB役1が「赤セブン」、BB役2が「リプレイ」とそれぞれ異なっている。また、図22に示すように、左リール(リール3a)と右リール(リール3c)において、図柄番号19の位置にはBB役2の構成図柄である「リプレイ」が配置されており、その前後の図柄番号18と19の位置にはBB役1の構成図柄である「赤リプレイ」が配置されている。
このため、本実施形態では、2つの特別役が共に成立許容役となっている場合に、各リールにおける操作受付位置によっては、2つの特別役を同時に成立させること(BB役1の対応図柄「赤セブン・赤セブン・赤セブン」とBB役2の対応図柄「リプレイ・赤セブン・リプレイ」を同時に有効ライン29p〜29s上に停止表示させること)が可能となっている。
具体的には、図27(A)に示すように、BB役1の対応図柄「赤セブン(20)・赤セブン(19)・赤セブン(18)」(括弧内の数字は図22に示す図柄番号、以下同じ)を有効ライン29q上に停止表示させ、BB役2の対応図柄「リプレイ(19 )・赤セブン(19)・リプ
レイ(19)」を有効ライン29s上に停止表示させることが可能である。また、図27(B)に示すように、BB役1の対応図柄「赤セブン(20)・赤セブン(19)・赤セブン(18)」を有効ライン29r上に、「赤セブン(18)・赤セブン(19)・赤セブン(20)」を有効ライン29s上に停止表示させ、BB役2の対応図柄「リプレイ(19)・赤セブン(19)・リプレイ(19)」を有効ライン29r上に停止表示させることも可能である。さらに、図27(C)に示すように、BB役1の対応図柄「赤セブン(18 )・赤セブン(19)・赤セブン(20)」を有
効ライン29q上に停止表示させ、BB役2の対応図柄「リプレイ(19)・赤セブン(19)・リプレイ(19)」を有効ライン29r上に停止表示させることも可能である。
このように本実施形態では、BB役1及びBB役2が共に成立許容役であり、かつ2つの特別役を同時に成立させることが可能な操作タイミングで各ストップスイッチが操作された場合には、2つの特別役を同時に成立させることが可能となっている。
(c2)複数の特別役が同時成立した場合の特典付与に関する制御処理
上述したように、本実施形態では、BB役1が単独で成立した場合には、BB1遊技状態に移行され、BB1遊技状態においてBB1遊技が行われる。このBB1遊技は、300枚以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する。また、BB1遊技状態に移行されたことを条件として、50ゲームのATが設定されるAT設定権がセットされる。この、BB1遊技において払い出される最低300枚の遊技メダルと、セットされる50ゲームのAT設定権は、BB役1が単独で成立した場合に遊技者に付与される特典としての性格を有している。すなわち、BB役1が単独で成立すると、300枚以上の遊技メダルの払出が一の特典(以下、適宜「特典1」と称する)として遊技者に付与され、さらに50ゲームのATが別の特典(以下、適宜「特典2」と称する)として遊技者に付与されると見ることができる。
同様に、BB役2が単独で成立すると、100枚以上の遊技メダルの払出が特典1として、100ゲームのATが特典2として遊技者に付与されると見ることができる。また、BB役1とBB役2が同時に成立すると、同時成立時の特典として、300枚以上の遊技メダルの払出が特典1として、100ゲームのATが特典2として遊技者に付与されると見ることができる。この本実施形態における各特別役とその成立時の特典との関係を表したのが図28(A)である。
このように本実施形態では、2つの特別役(BB役1及びBB役2)が同時に成立し得るようになっており、2つの特別役が同時成立した場合には、予め定められた同時成立時の特典が遊技者に付与されるように構成されている。したがって、2つの特別役が同時に成立することや同時成立時に付与される特典について、遊技者に関心を持たせながら遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、図28(A)に示すように、2つの特別役(BB役1及びBB役2)が同時成立した場合に遊技者に付与される特典1の内容は、BB役1が単独成立した場合の特典1の内容(300枚以上の払出)とBB役2が単独成立した場合の特典1の内容(100枚以上の払出)とのうち、遊技者にとって有利となる、BB役1が単独成立した場合の特典1の内容と同じものである。同様に、2つの特別役が同時成立した場合に遊技者に付与される特典2の内容は、BB役1が単独成立した場合の特典2の内容(50ゲームのAT)とBB役2が単独成立した場合の特典2の内容(100ゲームのAT)とのうち、遊技者にとって有利となる、BB役2が単独成立した場合の特典2の内容と同じものである。
本実施形態ではこのように、2つの特別役が同時成立した場合の特典内容を、各々の特別役が単独成立した場合の各特典内容のうち、種類別に遊技者にとって有利となるもの同士を組み合わせた内容としており、同時成立時に遊技者に付与される特典が、過度に多くなったり少なくなったりしないようにしている。ただし、同時成立時の特典内容の設定方法はこれに限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。例えば、2つの特別役が同時成立した場合の特典内容として、各々の特別役が単独成立した場合の特典を合算した内容(400枚以上の払出と150ゲームのAT)とすることが挙げられる。
また、同時成立する特別役の数や種類、付与される特典の数や種類等は適宜設定することが可能である。例えば、図28(B)に示すように、BB役1〜3の3つの特別役を備えるとともに、特別役が成立した場合の特典3として、有限RTゲーム数を付与するようにしてもよい。有限RTゲーム数とは、ボーナス遊技終了後に、遊技者にとって有利となる有限RT遊技状態(第1実施形態を参照)を設定するようにした場合の、有限RT遊技状態中における実行可能な遊技回数を意味する。図28(B)に示す例では、3つの特別役(BB役1、BB役2及びBB役3)が同時成立した場合の特典内容を、各々の特別役が単独成立した場合の各特典内容のうち、種類別に遊技者にとって有利となるもの同士を組み合わせた内容としているが、この場合も、同時成立時の特典内容を適宜変更することが可能である。
なお、本実施形態では、複数の特別役が共に成立許容役に選出されている状況において1つの特別役が単独で成立した場合には、成立しなかった特別役の当選持越しを解消する(当選フラグをOFFにする)ようになっている。このため、当選持越し中の特別役が無駄にならないように、複数の特別役が共に成立許容役に選出されている場合に備え、複数の特別役を同時成立させ得るように各ストップスイッチを操作することを遊技者に意識させつつ、ボーナス内部中遊技を行わせることが可能となる。なお、成立しなかった特別役の当選持越しを解消するタイミングとしては、1つの特別役が単独成立した時点や、1つの特別役が単独成立したことにより実行されるボーナス遊技の開始時点や終了時点など、任意に設定することが可能である。
<基本的な制御処理>
本実施形態のスロットマシンにおいて行われる基本的な制御処理(主制御手段100によるタイマ割込処理及び遊技制御処理)の流れは第1実施形態と略同じである(図9〜図12を参照)。一部異なる点として、図12に示す入賞判定・遊技終了制御処理のステップS404における特別役当選フラグのクリア条件充足の判定基準が挙げられる。すなわち、本実施形態では、ステップS404における特別役当選フラグのクリア条件充足の場合として、成立許容役に選出されていた特別役が成立した場合の外に、複数の特別役が共に当選持越し中の状況において、1つの特別役が単独成立し他の特別役が成立しなかった場合が該当する。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の第4実施形態に係るスロットマシンについて、主に図29〜図36を参照しながら説明する。本実施形態のスロットマシンは、上述した第1実施形態のものと主要部の構成等が共通しており、これらの共通部分については説明を省略する。また、主要な制御処理の大まかな流れについても、第1実施形態のものと略共通している。以下、第1実施形態との相違点を中心に、本実施形態の特徴点について説明する。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシンの外観は、表示窓Wに設定される入賞ライン(入賞ライン29)の設定数及び設定位置(中段1ライン)を含め、第1実施形態と同じである(図1を参照)。
<遊技を行うための基本操作>
遊技を行うための基本操作は第1実施形態と略同じである。なお、本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する通常遊技状態(非RT)、RT遊技状態(RT1、RT2、RT3)、ボーナス内部中遊技状態(BB1内部中、BB2内部中、BB3内部中)では3枚、ボーナス遊技状態(BB1、BB2)では2枚に設定されている。第1実施形態と同様に、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効となった入賞ライン29のことを「有効ライン29」と称する。
<制御基板と各機器との接続>
制御基板の構成及び制御基板と各機器との接続の構成は第1実施形態と同じであり(図2を参照)、説明は省略する。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a,3b,3cが表示する図柄が、図29に示すように配置されている(図29中の「左リール」、「中リール」及び「右リール」は、リール3a、リール3b及び右リール3cをそれぞれ表す)。すなわち、「セブン」、「バー」、「キャラクタ」、「リプレイ」、「ベル」及び「ブランク」の6種類の図柄が所定数ずつ各リール3a,3b,3cに配置されている。なお、図柄「ブランク」は、第2実施形態と同じく、遊技役を構成しない図柄として設定されている。
<機能ブロック>
本実施形態に係るスロットマシンを機能的な観点から示した場合の機能ブロックは、第1実施形態と同じである(図4を参照)。ただし、図4に示す各手段が担う制御処理の内容は一部異なるものがあり、これについては後述する。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、図30に示すように、8つの特別役(BB役、RB役、MB役1〜6)と、小役1〜4までの4個の小役と、再遊技役1〜3の3つの再遊技役の計15個の遊技役が設定され、それぞれの遊技役が成立するためのリール3a,3b,3cによる表示図柄の組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出枚数等は、図30に示すように設定されている。なお、図30中に示す払出枚数は、通常遊技状態、RT遊技状態またはボーナス内部中遊技状態において規定数(3枚)の遊技メダルがベットされた場合の数値を括弧無しで表記し、ボーナス遊技状態において規定数(2枚)の遊技メダルがベットされた場合の数値を括弧付きで並べて表記している。
BB役、RB役は、成立した際には遊技メダルは払い出されず、次の遊技からボーナス遊技状態(BB役は後述のBB遊技状態、RB役は後述のRB遊技状態)に移行されることを示す遊技役(特別役)である。一方、MB役1〜6は、BB役及びRB役と重複当選するように設定された制御用の特別役(以下、適宜「制御用ボーナス」と称する)であり、実際には成立しないようになっている。
小役1〜4は、成立した際に遊技メダルが払い出される入賞役として設定された遊技役(小役)である。以下、第1実施形態と同様に、小役1のことを適宜「ベル小役」と称する。なお、ベル小役(小役1)は、100%引込み可能な遊技役となっている。また、小役2〜4は、後述する押し順ベル当選A,Bにおいて、ベル小役と重複当選し、押し順不正解時に成立する可能性がある小役(以下、適宜「押し順不正解時小役」と称する)として構成されている。
再遊技役1〜3は、成立した場合、遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊
技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される再遊技作動状態が設定される遊技役(再遊技役)である。以下、第1実施形態と同様に、再遊技役1のことを適宜「通常RP」と称する。また、後述するように、再遊技役2は、成立することが後述の通常遊技状態(非RT遊技状態)またはRT2遊技状態からRT1遊技状態への移行条件とされていることから、再遊技役2のことを適宜「移行RP」と称する。さらに、再遊技役3は、成立することがRT1遊技状態から、遊技者にとって有利となるRT2遊技状態への移行条件とされていることから、再遊技役3のことを適宜「チャンスRP(移行RP)」と称する。なお、再遊技役1〜3は、何れも100%引込み可能な遊技役となっている。
<役抽選テーブル>
本実施形態においては、図31に示す役抽選テーブルが用いられる。この役抽選テーブルには、B1〜B6、R1〜R3、K1〜K3、Zの13個の役決定結果が設定されており、各役決定結果には、図31に示すように各々の遊技役が対応付けられている。例えば、役決定結果B1にはBB役とRB役とMB役1が重複当選役として対応付けられ、役決定結果B3にはBB役2が単独当選役として対応付けられ、役決定結果R2には再遊技役2が単独当選役として対応付けられ、役決定結果K3には、ベル小役(小役1)と小役2,4が重複当選役として対応付けられているという具合である。また、役決定結果Zは、ハズレ(何れの遊技役も非当選)に対応づけられている。図31に示す役抽選テーブルにおける各数値の見方(意味)は、第1実施形態のものと同様である。
本実施形態の抽選テーブルにおいて特徴的な点として、後述の通常遊技状態(非RT遊技状態)及びRT遊技状態(RT1遊技状態、RT2遊技状態)では、BB役及びRB役とMB役1〜6の何れか1つの計3つの特別役が同時に成立許容役に選出可能に構成されていることが挙げられる。3つの特別役が共に成立許容役となっている場合には、本実施形態における特徴的な制御処理が行われるが、この点については後述する。
また、本実施形態の抽選テーブルにおける役決定結果K2、K3は、各ストップスイッチの操作順(押し順)によって異なるリール停止制御が行われる押し順対応の役決定結果として構成されている。具体的には、役決定結果K2(以下、適宜「押し順ベル当選A」と称する)は、ベル小役(小役1)と小役2、3が重複当選する役決定結果であり、役決定結果K3(以下、適宜「押し順ベル当選B」と称する)は、ベル小役(小役1)と小役2、4が重複当選する役決定結果ある。押し順ベル当選Aが選出された場合の正解押し順は、「中→左→右」または「中→右→左」(中第一)とされており、押し順ベル当選Bが選出された場合の正解押し順は、「右→中→左」または「右→左→中」(以下、これらを総称して「右第一」と称する)とされている。本実施形態では、押し順ベル当選A、Bが選出された場合のリール停止制御が、後述の非RT遊技状態中またはRT1遊技状態中とRT2遊技状態中とで異なるように構成されており、この点については後述する。
<遊技状態の設定>
本実施形態では、図32に示すように、大別すると、通常遊技状態、RT遊技状態、ボーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態の4つの遊技状態のうちの何れかの遊技状態が、遊技状態制御手段104(図4参照)により設定されるようになっている。
上記通常遊技状態は本実施形態において標準となる遊技状態である。本実施形態では、通常遊技状態として、非RT遊技状態(図32では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。非RT遊技状態は、再遊技役(再遊技役1〜3)が当選する確率が標準的な値に設定されている。この非RT遊技状態中において、条件D1が充足されたことを契機としてRT遊技状態(特にRT1遊技状態)に移行され、条件D3が充足されたことを契機としてボーナス内部中遊技状態に移行されるようになっている。条件D1とは
、再遊技役2の対応図柄「リプレイ・リプレイ・ベル」(以下、適宜「第1の特定図柄」と称する)が有効ライン29上に停止表示されることである。また、条件D3とは、特別役が当選し(BB役及びRB役とMB役1〜6の何れかの重複当選)、かつ未成立であることである。
上記RT遊技状態は、通常遊技状態(非RT遊技状態)よりも再遊技役が当選する確率が高く設定された遊技状態である。本実施形態では、RT遊技状態として、RT1遊技状態とRT2遊技状態(図32では「遊技状態」を省略して表記している)の2つの遊技状態が設けられている。RT1遊技状態は、上述したように、非RT遊技状態中の一の遊技において上記条件D1が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、非RT遊技状態中に役決定結果R2が選出されるとこのような状況が生じ得る。
RT2遊技状態は、RT1遊技状態中の一の遊技において、条件D2が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態であり、再遊技役が当選する確率(再遊技役1、2の各当選確率の合計値)がRT1遊技状態よりも高く設定されている。条件D2とは、再遊技役2の対応図柄「リプレイ・ベル・リプレイ」(以下、適宜「第2の特定図柄」と称する)が有効ライン29上に停止表示されることである。本実施形態では、RT1遊技状態中に役決定結果R3が選出されるとこのような状況が生じる。このRT2遊技状態中の一の遊技において、上記条件D1が充足されると、次遊技からRT1遊技状態に移行される。また、RT遊技状態(RT1遊技状態またはRT2遊技状態)中の一の遊技において、上記条件D3が充足されると、次遊技からボーナス内部中遊技状態に移行される。
上記ボーナス内部中遊技状態は、上述したように、通常遊技状態(非RT遊技状態)中またはRT遊技状態(RT1遊技状態またはRT2遊技状態)中の一の遊技において、上記条件D3が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、ボーナス内部中遊技状態として、BB+RB+MB1内部中遊技状態(以下、適宜「内部中1」と称する)、BB+RB+MB2内部中遊技状態(以下、適宜「内部中2」と称する)、BB+RB+MB3内部中遊技状態(以下、適宜「内部中3」と称する)、BB+RB+MB4内部中遊技状態(以下、適宜「内部中4」と称する)、BB+RB+MB5内部中遊技状態(以下、適宜「内部中5」と称する)、BB+RB+MB6内部中遊技状態(以下、適宜「内部中6」と称する)の6つの遊技状態(図32では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。
内部中1は、BB役、RB役及びMB役1が共に成立許容役となっている場合(3つの特別役が共に当選持越し中の場合)に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B1が選出された場合にこのような状況が生じ得る。内部中2は、BB役、RB役及びMB役2が共に成立許容役となっている場合に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B2が選出された場合にこのような状況が生じ得る。内部中3は、BB役、RB役及びMB役3が共に成立許容役となっている場合に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B3が選出された場合にこのような状況が生じ得る。
内部中4は、BB役、RB役及びMB役4が共に成立許容役となっている場合に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B4が選出された場合にこのような状況が生じ得る。内部中5は、BB役、RB役及びMB役5bが共に成立許容役となっている場合に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B5が選出された場合にこのような状況が生じ得る。内部中6は、BB役、RB役及びMB役6が共に成立許容役となっている場合に設定
される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B6が選出された場合にこのような状況が生じ得る。ボーナス内部中遊技状態中の一遊技において、BB役とRB役の何れか一方が成立するという条件D4が充足された場合には、ボーナス内部中遊技状態が終了し、次遊技からボーナス遊技状態が設定される。
なお、本実施形態では、複数の特別役が共に成立許容役となっている状況(BB役、RB役及びMB役1〜6の何れかの同時当選時または内部中1〜6)においては、遊技者による押し順に基づく特徴的なリール停止制御が行われるようになっているが、この点については後述する。
上記ボーナス遊技状態は、上述したように、ボーナス内部中遊技状態中の一の遊技において上記条件D4が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。なお、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において特別役が当選し、遊技者による各ストップスイッチの操作タイミングによっては、当該遊技において特別役が成立する可能性もある。その場合は次遊技からボーナス遊技状態に移行されるが、以下では専ら、ボーナス内部中遊技状態からボーナス遊技状態へ移行するものとして説明する。
本実施形態では、ボーナス遊技状態として、RB遊技状態、BB遊技状態(図32では「遊技状態」を省略して表記している)の2つの遊技状態が設けられている。RB遊技状態は、ボーナス内部中遊技状態中(内部中1〜6の何れか)においてRB役が成立した場合に設定される遊技状態であり、RB遊技状態においてボーナス遊技としてのRB遊技が行われる。RB遊技は、RB遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのRB作動フラグがON)とされ、小役が規定回数(8回)成立したことを条件として終了する(RB作動フラグがOFFにされる)ようになっている。
BB遊技状態は、ボーナス内部中遊技状態中(内部中1〜6の何れか)においてBB役が成立した場合に設定される遊技状態であり、BB遊技状態において別のボーナス遊技としてのBB遊技が行われる。BB遊技は、BB遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのBB作動フラグがON)とされ、規定数(300枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(BB作動フラグがOFFにされる)ようになっている。
なお、本実施形態におけるBB遊技は、BB遊技中にRB遊技が連続的に作動するボーナス遊技として構成されている。すなわち、本実施形態においてBB遊技中(BB遊技状態中)においてRB役が成立することはないが、RB役が成立したか否かに拘わらずBB遊技中にRB遊技が連続的に作動するように構成されている。本実施形態におけるRB遊技は、RB遊技中、連続的に再遊技作動状態とされるボーナス遊技として構成されている。すなわち、本実施形態においてRB遊技中(BB遊技状態中またはRB遊技状態中)において再遊技役(再遊技役1〜3)が成立することはないが、再遊技役が成立したか否かに拘わらずRB遊技中は連続的に再遊技作動状態となるように構成されている。これらの点の詳細については、後述する。
RB遊技状態中において、小役(小役1)が規定回数(8回)成立してRB遊技が終了したこと、またはBB遊技状態中において、規定数(300)以上の遊技メダルが払い出されてBB遊技が終了したことを条件として(図32に示す条件D5を参照)、ボーナス遊技状態が終了し、次遊技から通常遊技状態に移行される。
<本実施形態における特徴的な制御処理>
本実施形態では、主に、次の(d1)、(d2)、(d3)に関して特徴的な制御処理を行うように構成されている。
(d1)押し順ベル当選時のリール停止に関する制御処理
本実施形態では、上述したように、押し順ベル当選A(役決定結果K2)と押し順ベル当選B(役決定結果K3)が、非RT遊技状態中、RT1遊技状態中及びRT2遊技状態中において選出可能となっているが、押し順ベル当選A、Bが選出された場合のリール停止制御が、非RT遊技状態中またはRT1遊技状態中とRT2遊技状態中とで異なるように構成されている。
すなわち、図33(A)に示すように、小役1〜3が重複当選する押し順ベル当選A(役決定結果K2)が、非RT遊技状態またはRT1遊技状態において選出された場合、遊技者による押し順が正解押し順である中第一であるときは、枚数優先制御により小役1(ベル小役)を優先して成立させる(小役1の対応図柄「ベル・ベル・ベル」を有効ライン29上に停止表示させる)ようにリール停止制御が行われる。小役1は100%引込み可能な遊技役なので、この場合小役1が必ず成立して12枚の遊技メダルが払い出される。なお、枚数優先制御とは、重複当選した各小役のうち最も払出枚数の多い小役の構成図柄を優先して引き込む方法である。
一方、遊技者による押し順が中第一ではない不正解押し順であるときは、個数優先制御により小役2、3を優先して成立させる(小役2の対応図柄「リプレイ・セブン・バー」または小役3の対応図柄「リプレイ・バー・バー」を有効ライン29上に停止表示させる)ようにリール停止制御が行われる。小役2、3は100%引込み可能な遊技役ではないので、この場合、遊技者による各ストップスイッチの操作タイミングが小役2または3の対応図柄を有効ライン29上に引き込むことが可能なタイミングであったときのみ小役2または3が成立して4枚の遊技メダルが払い出される。なお、個数優先制御とは、重複当選した各小役のリール別の構成図柄において同じ図柄の個数を比較したとき、最も個数の多い図柄を優先して引き込む方法である。
また、小役1、2、4が重複当選する押し順ベル当選B(役決定結果K3)が、非RT遊技状態またはRT1遊技状態において選出された場合、遊技者による押し順が正解押し順である右第一であるときは枚数優先制御により小役1(ベル小役)を優先して成立させるようにリール停止制御が行われ、12枚の遊技メダルが払い出される。一方、遊技者による押し順が右第一ではない不正解押し順であるときは個数優先制御により小役2または4を優先して成立させるようにリール停止制御が行われる。この場合、遊技者による各ストップスイッチの操作タイミングが小役2または4の対応図柄を有効ライン29上に引き込むことが可能なタイミングであったときのみ小役2または4が成立して4枚の遊技メダルが払い出される。
これに対し、押し順ベル当選A(役決定結果K2)がRT2遊技状態において選出された場合、遊技者による押し順に関係なく、小役1(ベル小役)を優先して成立させるようにリール停止制御が行われ、12枚の遊技メダルが払い出されるようになっている。同様に、押し順ベル当選B(役決定結果K3)がRT2遊技状態において選出された場合、やはり遊技者による押し順に関係なく、小役1(ベル小役)を優先して成立させるようにリール停止制御が行われ、12枚の遊技メダルが払い出されるようになっている。
このように本実施形態では、同じ役決定結果が選出され同じ押し順で各ストップスイッチが操作された場合であっても、それが非RT遊技状態中またはRT1遊技状態中であるかRT2遊技状態中であるかによって、有効ライン29上に停止表示される図柄組合せが変更されるという、有用な遊技性を提供することが可能となる。また、RT2遊技状態では、押し順ベル当選A、Bが選出された際に、遊技者にとってかなり有利なリール停止制御が行われるので、RT2遊技状態における遊技に対しボーナス遊技のような遊技性を持
たせることができる。
なお、変更例として、図33(B)に示すように、小役1と小役2が重複当選する役決定結果K4を役決定結果K2、K3に替えて備えるようにしてもよい。そして、この役決定結果K4が選出された場合、それが非RT遊技状態中またはRT1遊技状態中であるときは、押し順に関係なく小役2を優先して成立させるリール停止制御を行い、RT2遊技状態中であるときは、押し順に関係なく小役1を優先して成立させるリール停止制御を行うように構成してもよい。
また、役決定結果K2またはK3が選出されたことを契機として、遊技の進行を所定時間遅延させるフリーズ期間を上記フリーズ期間設定手段109(図4参照)により設定するようにしてもよい。さらに、非RT遊技状態中またはRT1遊技状態中に役決定結果K2またはK3が選出され、正解押し順でストップスイッチが操作された場合に設定するフリーズ期間と、RT2遊技状態中に役決定結果K2またはK3が選出され、正解押し順でストップスイッチが操作された場合に設定するフリーズ期間との仕様(遅延させる時間やフリーズ期間中に特有のリール演出を行う場合におけるリール演出の態様等)を変えるようにしてもよい。これにより、新たな遊技性を付加することが可能となる。
(d2)複数の特別役が共に成立許容役である場合のリール停止に関する制御処理
本実施形態では、上述したように、ボーナス内部中遊技状態の内部中1〜6において、3つの特別役(BB役、RB役及びMB役1〜6の何れか)が共に成立許容役となっている状況(BB役、RB役及びMB役1〜6の何れかが共に当選持越し中の状況)が生じるように構成されている(図32を参照)。また、BB役、RB役及びMB役1〜6の何れかが共に成立許容役となっている場合には、次のようなリール停止制御が行われるようになっている。
すなわち、本実施形態では、図34に示すように、3つの特別役が共に成立許容役となっている場合、遊技者による押し順によって異なるリール停止制御を行うように構成されている。例えば、BB役、RB役及びMB役1が共に成立許容役である場合には、遊技者による押し順が「左→中→右」のときにはBB役を優先して成立させるようにリール停止制御が行われ、他の押し順のときにはRB役を優先して成立させるようにリール停止制御が行われるようになっている。同様に、BB役、RB役及びMB役4が共に成立許容役である場合には、遊技者による押し順が「中→右→左」のときにはBB役を優先して成立させるようにリール停止制御が行われ、他の押し順のときにはRB役を優先して成立させるようにリール停止制御が行われるようになっているという具合である。以下、BB役を優先して成立させるリール停止制御が行われるための押し順を適宜「正解押し順」と称し、他の押し順を「不正解押し順」と称する。
このように本実施形態では、3つの特別役(BB役、RB役及びMB役1〜6の何れか)が共に成立許容役に選出されているという状況を設定し得るとともに、そのような状況においては、正解押し順でストップスイッチが操作された場合にはBB役を成立させ、不正解押し順でストップスイッチが操作された場合にはRB役を成立させるという、有用な遊技性を提供することが可能となる。
また、本実施形態におけるRB役は、BB役の対応図柄「セブン・セブン・セブン」に対し、各リールに対する1つの図柄のみが異なる3つの図柄組合せ「セブン・セブン・バー」、「セブン・バー・セブン」、「バー・セブン・セブン」を自身の対応図柄として有している。これにより、図35に示すようなリール停止制御を行うことが可能となっている。
図35(A)は、BB役及びRB役とMB役1〜6の何れかが重複当選している場合に、「左→右」または「右→左」の順でリール停止操作が行われ、左リール(リール3a)と右リール(リール3c)において図柄「セブン(10)」(括弧内の数値は図柄番号)が有効ライン29上に停止表示された状況を示している。この時点では、左リールと右リールにおける図柄「セブン」は、BB役とRB役に共通する構成図柄であるので、この時点では遊技者は、自身が正解押し順で操作しているのか不正解押し順で操作しているのかは分からない。ここで、最後の中リール(リール3c)における停止受付位置が例えば、図柄番号7の位置であった場合、5コマ滑りの範囲内において、図柄「バー(9)」、図柄
「セブン(10)」及び図柄「バー(11)」の何れでも有効ライン29上に停止表示させることが可能となる。
しかし、実際には、遊技者による以上の押し順が、正解押し順であった場合(MB役2またはMB役5が成立許容役である場合が該当する)には、中リールにおいて、図柄「セブン(10)」が有効ライン29上に停止表示されるリール制御が行われてBB役が成立し(図35(B)を参照)、不正解押し順であった場合(MB役1、3または4が成立許容役である場合が該当する)には、図柄「バー(11)」(「バー(9)」とすることも可)
が有効ライン29上に停止表示されるリール制御が行われてRB役が成立するようになっている(図35(C)を参照)。したがって、最後のリールが停止するまで、BB役が成立するのかRB役が成立するのかが、遊技者に分からないようにすることができ、これにより遊技性を向上させることが可能となっている。また、以上のリール停止制御は、図35に例示するのとは異なる押し順の場合も同様に行うことが可能となっている。
なお、本実施形態では、複数の特別役が共に成立許容役に選出されている状況において1つの特別役(BB役及びRB役の一方)が成立した場合には、成立しなかった特別役(BB役及びRB役の他方とMB役)の当選持越しを解消する(当選フラグをOFFにする)ようになっている。このため、遊技者にとってより有利となるBB役を成立させるように各ストップスイッチを操作することを遊技者に意識させつつ、ボーナス内部中遊技を行わせることが可能となる。なお、成立しなかった特別役の当選持越しを解消するタイミングとしては、1つの特別役が成立した時点や、1つの特別役が成立したことにより実行されるボーナス遊技の開始時点や終了時点など、任意に設定することが可能である。
(d3)ボーナス遊技中の再遊技作動状態の設定に関する制御処理
先に略述したように本実施形態におけるBB遊技は、BB遊技中(BB遊技状態中)においてRB役が成立したか否かに拘わらず(本実施形態では成立することがないように設定されているが成立し得るように設定することも可)、BB遊技中にRB遊技が連続的に作動するように構成されている。また、本実施形態におけるRB遊技は、RB遊技中に再遊技役が成立したか否かに拘わらず(本実施形態では成立することがないように設定されているが成立し得るように設定することも可)、RB遊技中は連続的に再遊技作動状態となるように構成されている。具体例を、図36を参照して説明する。
図36に示すように、BB役が成立するとBB作動フラグがONとされ、BB遊技状態に移行されBB遊技が開始される。このBB遊技は、RB役の成立の有無とは関係なくRB遊技が連続的に作動するボーナス遊技であり、BB作動フラグがONとされるのと時期を同じくしてRB作動フラグがONとされ、RB遊技が開始される。このRB遊技は、再遊技役の成立の有無とは関係なく再遊技作動状態が連続的に設定されるボーナス遊技であり、RB作動フラグがONとされるのと時期を同じくして再遊技作動フラグがONとされる。以降、再遊技作動フラグは、RB遊技中(RB作動フラグがONである状態)において、一の遊技が終了すると一旦OFFにされ、直後に再びONにされるという切換えが繰り返し行われる。
また、RB作動フラグは、BB遊技中(BB作動フラグがONである状態)において、8回の小役成立という一のRB遊技の終了条件が充足されると一旦OFFにされるが、直後に再びONにされるという切換えが繰り返される。そして、規定数(300枚)以上の遊技メダルの払出というBB遊技の終了条件が充足されると、それによりOFFにされるBB作動フラグと時期を同じくしてOFFにされる。なお、連続的に再遊技作動状態が設定されるのは、BB遊技中のRB遊技中だけではなく、RB役成立により実行される単独のRB遊技中についても同じである。
このように本実施形態では、RB遊技中は、再遊技役の成立の有無とは関係なく再遊技作動状態が連続的に設定されるようになっているので、RB遊技中は、遊技者が自らの遊技媒体数をベットすることなく遊技を実行し得るという、これまでにはない有用な遊技性を提供することが可能となる。また、RB遊技中は、常に再遊技作動状態なので、遊技者が自らの遊技媒体数を減らすことはなく、かつ小役成立時に払い出される遊技メダル数がそのまま遊技者が獲得する遊技メダル数となる。したがって、RB遊技中の遊技性を大きく向上させることが可能である。
なお、連続的に再遊技作動状態とするのは、BB遊技中のRB遊技中に限定し、RB役成立により実行される単独のRB遊技中については、再遊技作動状態を連続的に設定しないようにしてよい。また、ボーナス遊技状態中ではなく、特定のRT遊技状態(例えば、RT2遊技状態)中やボーナス内部中遊技状態中において、再遊技作動状態を連続的に設定するようにしてもよい。また、再遊技作動状態を連続的に設定するのではなく、ボーナス遊技を行うために必要な規定数(例えば、2枚)と同数の遊技メダルが払い出される小役が、当該小役の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されたか否かに拘わらず、毎遊技成立しているとみなす状態が連続的に作動するようにしてもよい。この場合でも、遊技者が自らの遊技メダル数を減らすことなくボーナス遊技を行うことができるという効果を得ることができる。
また、本実施形態ではBB遊技中において、RB役の成立の有無とは関係なくRB遊技が連続的に作動するようになっているので、結果的に、BB遊技中は常に再遊技作動状態となっている。これに対し、BB遊技中において、実際にRB役が成立しなければRB遊技が作動しないように構成することも可能である。この場合、BB遊技中であってもRB遊技中ではない期間(以下、適宜「BB中一般遊技期間」と称する)においては、再遊技役が成立しなければ再遊技作動状態を設定しないようにし、BB遊技中であってかつRB遊技中である期間(以下、適宜「BB中RB遊技期間」と称する)においては、再遊技役の成立の有無とは関係なく連続的に遊技作動状態を設定するようにしてもよい。
<基本的な制御処理>
本実施形態のスロットマシンにおいて行われる基本的な制御処理(主制御手段100によるタイマ割込処理及び遊技制御処理)の流れは第1実施形態と略同じである(図9〜図12を参照)。一部異なる点として、図12に示す入賞判定・遊技終了制御処理のステップS404における特別役当選フラグのクリア条件充足の判定基準と、ステップS414におけるボーナス作動フラグのクリア条件充足の判定基準と、ステップS416におけるボーナス遊技作動フラグのセット条件充足の判定基準が挙げられる。
すなわち、本実施形態では、ステップS404における特別役当選フラグのクリア条件充足の場合として、成立許容役に選出されていた特別役が成立した場合の外に、共に成立許容役となっていた複数の特別役のうちの1つの特別役が成立した場合が該当する(他の特別役の当選フラグがクリアされる)。また、ステップS414におけるボーナス遊技作動フラグのクリア条件充足の場合として、本実施形態では、BB遊技の終了条件が充足された際に、終了条件が充足されていないRB遊技が実行中である場合も該当する(実行中
のRB遊技の作動フラグが、BB遊技の作動フラグと共にクリアされる)。さらに、本実施形態では、ステップS416におけるボーナス遊技作動フラグのセット条件充足の場合として、BB遊技の終了条件が充足されていないときに、BB遊技中における一のRB遊技の終了条件が充足し、当該RB遊技の作動フラグが一旦OFFにされた場合も該当する(一旦OFFにされたRB遊技の作動フラグが再びONにされる)。
また、本実施形態では、上記入賞判定・遊技終了制御処理のステップS419における再遊技作動条件充足の判定基準についても、第1実施形態とは一部異なっている。すなわち、本実施形態では、ステップS419における再遊技作動条件充足の場合として、RB遊技中である場合も該当する(ステップS418において一旦OFFにされた再遊技作動フラグが、RB作動フラグがONであることを条件として、再びONにされる)。
≪第5実施形態≫
次に、本発明の第5実施形態に係るスロットマシンについて、主に図37〜図40を参照しながら説明する。本実施形態のスロットマシンは、上述した第1実施形態のものと主要部の構成等が共通しており、これらの共通部分については説明を省略する。また、主要な制御処理の大まかな流れについても、第1実施形態のものと略共通している。以下、第1実施形態との相違点を中心に、本実施形態の特徴点について説明する。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシンの外観は、表示窓Wに設定される入賞ライン(入賞ライン29)の設定数及び設定位置(中段1ライン)を含め、第1実施形態と同じである(図1を参照)。
<遊技を行うための基本操作>
遊技を行うための基本操作は第1実施形態と略同じである。なお、本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する全ての遊技状態において共通の3枚に設定されている。第1実施形態と同様に、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効となった入賞ライン29のことを「有効ライン29」と称する。
<制御基板と各機器との接続>
制御基板の構成及び制御基板と各機器との接続の構成は第1実施形態と同じであり(図2を参照)、説明は省略する。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a,3b,3cが表示する図柄が、図37に示すように配置されている(図37中の「左リール」、「中リール」及び「右リール」は、リール3a、リール3b及び右リール3cをそれぞれ表す)。すなわち、「赤セブン」、「青セブン」、「バー」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」の7種類の図柄が所定数ずつ各リール3a,3b,3cに配置されている。
<機能ブロック>
本実施形態に係るスロットマシンを機能的な観点から示した場合の機能ブロックは、第1実施形態と同じである(図4を参照)。ただし、図4に示す各手段が担う制御処理の内容は一部異なるものがあり、これについては後述する。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、図38に示すように、2つの特別役(MB役1、MB役2)と、小役1〜5までの5個の小役と、再遊技役1〜3の3つの再遊技役の計10個の遊技役
が設定され、それぞれの遊技役が成立するためのリール3a,3b,3cによる表示図柄の組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出枚数等は、図38に示すように設定されている。なお、図38中に示す払出枚数は、後述の通常遊技状態、ボーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態において規定数(3枚)の遊技メダルがベットされた場合の数値を表記している。
MB役1、MB役2は、成立した際には遊技メダルは払い出されず、次の遊技からボーナス遊技状態(MB役1は後述のMB1遊技状態、MB役2は後述のMB1内部中MB2遊技状態またはMB2遊技状態)に移行されることを示す遊技役(特別役)である。MB役2は、対応図柄が「リプレイ・リプレイ・ベル」とされており、100%引込み可能な遊技役となっている。
小役1〜5は、成立した際に遊技メダルが払い出される入賞役として設定された遊技役(小役)である。小役1〜3は、後述の非RT遊技状態及びMB1内部中遊技状態において成立可能に構成されており、小役4、5は、後述のMB1遊技状態、MB2遊技状態またはMB1内部中MB2遊技状態において成立可能に構成されている。また、小役4、5は、小役3と重複当選する小役として構成されており、単独では当選しないようになっている。以下、第1実施形態と同様に、小役1のことを適宜「スイカ小役」と称し、小役2のことを「チェリー小役」と称する。
小役3は、対応図柄が「ベル・ベル・ベル」であることから、小役3のことを適宜「通常ベル小役」と称する。また、小役4は、後述のMB1内部中MB2遊技状態において実行されるCT(チャレンジタイム)遊技で、チャレンジに失敗した場合(押し順が不正解の場合)に成立する小役であることから、小役4のことを適宜「チャレンジ失敗ベル小役」と称する。同様に、小役5は、上記CT(チャレンジタイム)遊技で、チャレンジに成功した場合(押し順が正解の場合)に成立する小役であることから、小役5のことを適宜「チャレンジ成功ベル小役」と称する。また、小役3〜5のことを総称して「ベル小役」と称する。なお、ベル小役(小役3〜5)は、何れも100%引込み可能な遊技役となっている。
再遊技役1〜3は、成立した場合、遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される再遊技作動状態が設定される遊技役(再遊技役)である。再遊技役1は、後述の非RT遊技状態及びMB1内部中遊技状態において当選可能となっているが、再遊技役2、3は、後述のMB1内部中遊技状態でのみ当選可能となっている。以下、再遊技役1のことを適宜「通常RP」と称する。また、再遊技役2のことを適宜「MB用RP1」と称し、再遊技役3のことを適宜「MB用RP2」と称する。なお、再遊技役1〜3は、何れも100%引込み可能な遊技役となっている。
<役抽選テーブル>
本実施形態においては、図39に示す役抽選テーブルが用いられる。この役抽選テーブルには、B1、B2、R1〜R3、K1〜K4、Zの10個の役決定結果が設定されており、各役決定結果には、図39に示すように各々の遊技役が対応付けられている。例えば、役決定結果B1にはMB役1が単独当選役として対応付けられ、役決定結果R3には再遊技役3が単独当選役として対応付けられ、役決定結果K1にはスイカ小役(小役1)が単独当選役として対応付けられ、役決定結果K4には小役3〜5が重複当選役として対応付けられているという具合である。また、役決定結果Zは、ハズレ(何れの遊技役も非当選)に対応づけられている。図39に示す役抽選テーブルにおける各数値の見方(意味)は、第1実施形態のものと同様である。
本実施形態においては、後述するボーナス遊技状態(MB1遊技状態、MB2遊技状態またはMB1内部中MB2遊技状態)中は、役決定処理において役決定結果を選出することはしないが、乱数の取得は行うようになっている。この取得した乱数は、ボーナス遊技状態に移行する直前の遊技状態における抽選テーブルを参照して、再遊技役の当選領域(役決定結果K1〜K3)の数値範囲に属する乱数であるのか、それ以外の数値範囲に属する乱数であるのかが判定され、その結果に応じたリール停止制御(詳しくは後述する)が行われるようになっている。
<遊技状態の設定>
本実施形態では、図40に示すように、大別すると、通常遊技状態、ボーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態の3つの遊技状態のうちの何れかの遊技状態が、遊技状態制御手段104(図4参照)により設定されるようになっている。
上記通常遊技状態は本実施形態において標準となる遊技状態である。本実施形態では、通常遊技状態として、非RT遊技状態(図40では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。非RT遊技状態は、再遊技役(再遊技役1〜3)が当選する確率が標準的な値に設定されている。この非RT遊技状態中において、条件E1が充足されたことを契機としてボーナス内部中遊技状態(MB1遊技状態)に移行され、条件E2が充足されたことを契機としてボーナス遊技状態(特にMB2遊技状態)に移行されるようになっている。条件E1とは、MB役1が当選し、かつ未成立であることである。また、条件E2とは、MB役2が成立したことである。本実施形態においてMB役2は100%引込み可能な遊技役であるので、役決定結果B2が選出された場合(MB役2が成立許容役に選出された場合)には、当該遊技において必ずMB役2が成立するようになっている。
上記ボーナス内部中遊技状態は、通常遊技状態(非RT遊技状態)中の一の遊技において、上記条件E1が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態であり、通常遊技状態(非RT遊技状態)よりも再遊技役(再遊技役1〜3)が当選する確率が高く設定されている。本実施形態では、ボーナス内部中遊技状態として、MB1内部中遊技状態(図40では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。
MB1内部中遊技状態は、MB役1が成立許容役として持ち越されている場合(MB役1が当選持越し中の場合)に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中において、役決定結果B1が選出された場合にこのような状況が生じ得る。MB1内部中遊技状態中の一遊技において、MB役2が成立するという条件E2が充足された場合には、次遊技からMB1内部中MB2遊技状態が設定され、MB役1が成立するという条件E4が充足された場合には、次遊技からMB1遊技状態が設定される。
上記ボーナス遊技状態は、特別役(MB役1またはMB役2)が成立した場合に設定される遊技状態である。本実施形態では、ボーナス遊技状態として、MB1遊技状態、MB2遊技状態、MB1内部中MB2遊技状態(図40では「遊技状態」を省略して表記している)の3つの遊技状態が設けられている。
MB1遊技状態は、ボーナス内部中遊技状態(MB1内部中遊技状態)中の一遊技において、当選持越し中のMB役1が成立した場合に、次遊技から設定される遊技状態である。なお、通常遊技状態(非RT遊技状態)中においてMB役1が単独当選し、遊技者による各ストップスイッチの操作タイミングによっては、当該遊技においてMB役1が成立する可能性もある。その場合は通常遊技状態からMB1遊技状態に移行されるが、以下では専ら、ボーナス内部中遊技状態からボーナス遊技状態へ移行するものとして説明する。MB1遊技状態においては、ボーナス遊技としてのMB1遊技が行われる。MB1遊技は、MB1遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのMB1作
動フラグがON)とされ、規定数(36枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(MB1作動フラグがOFFにされる)ようになっている。規定数(36枚)以上の遊技メダルの払出によりMB1遊技が終了したことを条件(図40の条件E5を参照)として、MB1遊技状態が終了し、次遊技から通常遊技状態に移行される。
MB2遊技状態は、通常遊技状態(非RT遊技状態)中の一遊技において、MB役2が当選し成立した場合に、次遊技から設定される遊技状態であり、MB2遊技状態においては、別のボーナス遊技としてのMB2遊技が行われる。MB2遊技は、MB2遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのMB2作動フラグがON)とされ、規定数(14枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(MB2作動フラグがOFFにされる)ようになっている。規定数(14枚)以上の遊技メダルの払出によりMB2遊技が終了したことを条件(図40の条件E6を参照)として、MB2遊技状態が終了し、次遊技から通常遊技状態に移行される。
MB1内部中MB2遊技状態は、ボーナス内部中遊技状態(MB1内部中遊技状態)中において、MB役2が当選して成立した場合に設定される遊技状態であり、MB1内部中MB2遊技状態においてさらに別のボーナス遊技としてのCT遊技が行われる。CT遊技は、MB1内部中MB2遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのCT作動フラグがON)とされ、規定数(14枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(CT作動フラグがOFFにされる)ようになっている。規定数(14枚)以上の遊技メダルの払出によりCT遊技が終了したことを条件(図40の条件E3を参照)として、MB1内部中MB2遊技状態が終了し、次遊技からボーナス内部中遊技状態(MB1内部中遊技状態)に移行される。
<本実施形態における特徴的な制御処理>
本実施形態では、主に、次の(e1)に関して特徴的な制御処理を行うように構成されている。
(e1)ボーナス遊技中のリール停止に関する制御処理
本実施形態では、上述したように、MB1遊技状態、MB2遊技状態、MB1内部中MB2遊技状態の3つのボーナス遊技状態を備えており、各々のボーナス遊技状態において、それぞれ特徴的なリール停止制御が行われるようになっている。まず、3つのボーナス遊技状態に共通するリール停止制御として、本実施形態では、右リール(リール3c)における回転停止制御が、ストップスイッチ26cの操作タイミングから右リールを通常よりも短い時間(例えば75ミリ秒)以内に停止させるように(本実施形態では、最大滑りコマ数2コマの範囲内で)行われるようになっている。
MB1遊技状態においてはMB1遊技が行われるが、このMB1遊技においては次のようなリール停止制御が行われる。すなわち、MB1遊技中の役決定処理において乱数の取得が行われ、この取得乱数がMB1内部中遊技状態における抽選テーブルにおいて、再遊技役1〜3の当選領域の数値範囲に属する乱数であるのか、それ以外の数値範囲に属する乱数であるのかが判定され、その結果に応じたリール停止制御が行われる。
具体的には、取得乱数が再遊技役1〜3の当選領域の数値範囲に属する場合には、遊技者による押し順に関係なく、小役5を成立させるリール停止制御を行い、取得乱数が再遊技役1〜3の当選領域とは異なる数値範囲に属する場合には、遊技者による押し順に関係なく、小役4を成立させるリール停止制御を行うようになっている。なお、小役4の右リールにおける構成図柄(赤セブン、スイカ、チェリー、リプレイ)と、小役5の右リールにおける構成図柄(赤セブン、スイカ、チェリー、リプレイ、青セブン)は、右リール上において2図柄以内に配置されているので、小役4、5は、必ず成立させることが可能と
なっている。
MB2遊技状態においてはMB2遊技が行われるが、このMB2遊技においては次のようなリール停止制御が行われる。すなわち、MB2遊技中の役決定処理においても乱数の取得が行われ、この取得乱数が非RT遊技状態における抽選テーブルにおいて、再遊技役1〜3の当選領域の数値範囲に属する乱数であるのか、それ以外の数値範囲に属する乱数であるのかが判定されるが、どちらの結果であっても同じリール停止制御が行われる。
具体的には、取得乱数が何れの数値範囲に属する場合であっても、遊技者による押し順に関係なく、小役5を成立させるリール停止制御を行い、14枚の遊技メダルを払い出すようになっている。MB2遊技は、14枚以上の払出で終了となるので、MB2遊技は1回の遊技実行にて終了となる。
MB1内部中MB2遊技状態においてはCT遊技が行われるが、このCT遊技においては次のようなリール停止制御が行われる。すなわち、CT遊技中の役決定処理においても乱数の取得が行われ、この取得乱数がMB1内部中遊技状態における抽選テーブルにおいて、再遊技役1、2、3の各当選領域の何れかの数値範囲に属する乱数であるのか、それ以外の数値範囲に属する乱数であるのかが判定され、その結果と遊技者による押し順に応じたリール停止制御が行われる。
具体的には、取得乱数が再遊技役1の当選領域の数値範囲に属する場合には、遊技者による押し順が「左→中→右」または「左→中→右」(以下、適宜「左第一」と称する)のときには、小役4を成立させるリール停止制御を行い、その他の押し順のときには、小役5を成立させるリール制御を行う。また、取得乱数が再遊技役2の当選領域の数値範囲に属する場合には、遊技者による押し順が中第一のときには、小役4を成立させるリール停止制御を行い、その他の押し順のときには、小役5を成立させるリール制御を行う。さらに、取得乱数が再遊技役3の当選領域の数値範囲に属する場合には、遊技者による押し順が右第一のときには、小役4を成立させるリール停止制御を行い、その他の押し順のときには、小役5を成立させるリール制御を行う。以下、小役4を成立させるリール停止制御が行われるための押し順を適宜「正解押し順」と称し、他の押し順を「不正解押し順」と称する。
一方、取得乱数が再遊技役1、2、3の何れの当選領域とも異なる数値範囲に属する場合には、遊技者による各ストップスイッチの操作タイミングや押し順に関係なく、小役5を成立させるリール停止制御を行い、14枚の遊技メダルを払い出すようになっている。CT遊技は、14枚以上の払出で終了となるので、取得乱数が再遊技役1、2、3の何れの当選領域とも異なる数値範囲に属する場合と、取得乱数が再遊技役1、2、3の何れかの当選領域の数値範囲に属する場合であっても、遊技者による押し順が不正解押し順であるときには、CT遊技は1回の遊技実行にて終了となる。これに対し、取得乱数が再遊技役1、2、3の何れかの当選領域の数値範囲に属する場合であって、かつ遊技者による押し順が正解押し順であるときには、小役3成立による13枚の払出となるので、それがCT遊技の1回目であれば、CT遊技をもう1回実行することが可能となる。
このように本実施形態では、MB1遊技状態、MB2遊技状態、MB1内部中MB2遊技状態の各ボーナス遊技状態において、それぞれ異なるリール停止制御が行われるようになっている。特に、MB役1が成立許容役として持ち越されているときにMB役2が成立した場合に実行されるCT遊技では、遊技者による押し順によって、遊技者がCT遊技中に得られる利益が異なる場合があるので、CT遊技における遊技性を向上させることが可能となっている。なお、本実施形態では、小役5の各リール上における構成図柄を、遊技者による各ストップスイッチの操作タイミングに関係なく有効ライン29上に停止表示さ
せ得るように配置しているが、ストップスイッチの操作タイミングによっては、小役5の構成図柄を有効ライン29上に停止表示させることができないように構成してもよい。この場合、CT遊技における取得乱数が再遊技役1、2、3の何れの当選領域とも異なる数値範囲に属するときには、小役5を成立させることを優先するリール停止制御を行う。ただし、遊技者によるストップスイッチの操作タイミングが小役5の構成図柄を有効ライン29上に停止表示させることができないタイミングである場合には、小役5は成立させずに他の図柄組合せを有効ライン29上に停止表示させるようにする(払出枚数は0)。
また、MB役1が成立許容役として持ち越されているときにMB役2が成立した場合に実行されるCT遊技と、MB役1が成立許容役として持ち越されていないときにMB役2が成立した場合に実行されるMB2遊技とでは、遊技者が獲得することができる遊技メダル数の期待値が異なっており(CT遊技の方が高い)、この点においても、CT遊技における遊技性を向上させることが可能となっている。
なお、ボーナス内部中遊技状態(MB1内部中遊技状態)において、所定条件が充足されたこと(例えば、スイカ小役やチェリー小役が当選したこと)を契機として、上記AT設定制御手段201によりATを設定するようにしてもよい。このATは、所定数の遊技が実行される間、連続的に設定されるようにしてもよいし、設定される期間と設定されない期間とが含まれるようにしてもよい。また、AT設定中のMB1内部中遊技状態においてMB役2が当選成立した場合には、移行されるMB1内部中MB2遊技状態においてもATが継続して設定されるようにし、上述の正解押し順を報知する押し順ナビ演出を行うようにしてもよい。この場合、MB1内部中遊技状態及びMB1内部中MB2遊技状態における遊技性をより向上させることが可能となる。
<基本的な制御処理>
本実施形態のスロットマシンにおいて行われる基本的な制御処理(主制御手段100によるタイマ割込処理及び遊技制御処理)の流れは第1実施形態と略同じである(図9〜図12を参照)。一部異なる点として、図10に示す遊技制御処理のステップS129におおける役決定結果の選出処理が挙げられる。すなわち、本実施形態では、ボーナス遊技状態においては役決定結果の選出は行われず、取得乱数がどの数値範囲に属するかの判定が行われる。
≪第6実施形態≫
次に、本発明の第6実施形態に係るスロットマシンについて、主に図41〜図47を参照しながら説明する。本実施形態のスロットマシンは、上述した第1実施形態のものと主要部の構成等が共通しており、これらの共通部分については説明を省略する。また、主要な制御処理の大まかな流れについても、第1実施形態のものと略共通している。以下、第1実施形態との相違点を中心に、本実施形態の特徴点について説明する。
<スロットマシンの外観>
本実施形態に係るスロットマシンの外観は、表示窓Wに設定される入賞ライン(入賞ライン29)の設定数及び設定位置(中段1ライン)を含め、第1実施形態と同じである(図1を参照)。
<遊技を行うための基本操作>
遊技を行うための基本操作は第1実施形態と略同じである。なお、本実施形態では、入賞ライン29を有効化するために必要となる遊技メダルの規定数が、後述する全ての遊技状態において共通の3枚に設定されている。第1実施形態と同様に、規定数の遊技メダルがベットされることにより有効となった入賞ライン29のことを「有効ライン29」と称する。
<制御基板と各機器との接続>
制御基板の構成及び制御基板と各機器との接続の構成は第1実施形態と同じであり(図2を参照)、説明は省略する。
<リールの図柄配置>
本実施形態では、各リール3a,3b,3cが表示する図柄が、図41に示すように配置されている(図41中の「左リール」、「中リール」及び「右リール」は、リール3a、リール3b及び右リール3cをそれぞれ表す)。すなわち、「赤セブン」、「白セブン」、「バー」、「キャラクタ」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」及び「ベル」の8種類の図柄が所定数ずつ各リール3a,3b,3cに配置されている。
<機能ブロック>
本実施形態に係るスロットマシンを機能的な観点から示した場合の機能ブロックは、第1実施形態と同じである(図4を参照)。ただし、図4に示す各手段が担う制御処理の内容は一部異なるものがあり、これについては後述する。
<遊技役の種類>
本実施形態においては、図42に示すように、2つの特別役(BB役、RB役)と、小役1〜7までの7個の小役と、再遊技役1〜3の3つの再遊技役の計12個の遊技役が設定され、それぞれの遊技役が成立するためのリール3a,3b,3cによる表示図柄の組合せ(対応図柄)、遊技役成立時における遊技メダルの払出枚数等は、図42に示すように設定されている。なお、図42中に示す払出枚数は、後述の通常遊技状態、RT遊技状態、ボーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態において規定数(3枚)の遊技メダルがベットされた場合の数値を表記している。
BB役、RB役は、成立した際には遊技メダルは払い出されず、次の遊技からボーナス遊技状態(BB役は後述のBB遊技状態、RB役は後述のRB遊技状態)に移行されることを示す遊技役(特別役)である。
小役1〜7は、成立した際に遊技メダルが払い出される入賞役として設定された遊技役(小役)である。小役1は、中リール(リール3b)における構成図柄が「スイカ」であり、また、当選時に各リールにおいて図柄「スイカ」を目押しすると、タイミングによっては図柄「スイカ」が表示窓W内の左上段、中央中段、右下段の各表示領域に右下がりに停止表示され得るように構成されている(図45(A)を参照)。このことから、小役1のことを適宜「スイカ小役」と称する。また、小役2は、左リール(リール3a)における構成図柄が「チェリー」であることから適宜「チェリー小役」と称する。
小役3は、その対応図柄が「−・ベル・−」(「−」は任意の図柄であることを示す)とされた、成立時の払出枚数が9枚の小役であり、後述の押し順ベル当選P〜Rにおいて、押し順正解時に成立するようになっている。小役4〜6は、後述の押し順ベル当選P〜Rにおいて、小役3と重複当選するように構成された、成立時の払出枚数が1枚の小役であり、押し順不正解時に成立するようになっている。以下、小役3のことを適宜「高めベル小役」と称し、小役4〜6のことを「安めベル小役」と称する。また、小役3〜6のことを総称して適宜「ベル小役」と称する。なお、ベル小役(小役4〜6)は、何れも100%引込み可能な遊技役となっている。小役7は、RB役と重複当選することがある小役であり、以下、適宜「チャンス小役」と称する。
再遊技役1〜3は、成立した場合、遊技メダルの払出しはないが、遊技者が保有する遊技メダルをベットすることなく次の遊技を行うことが許可される再遊技作動状態が設定さ
れる遊技役(再遊技役)である。再遊技役1、3は、単独でも当選するように構成されているが、再遊技2は、後述のボーナス遊技状態において高めベル小役(小役3)と重複当選する再遊技役として構成されている。このことから、再遊技役2のことを適宜「小役同時表示用RP」と称する。再遊技役3は、その対応図柄「リプレイ・チェリー/白セブン
・チェリー」が有効ライン29上に停止表示されることが、後述の通常遊技状態からRT遊技状態への移行条件とされた再遊技役である。また、再遊技役3の対応図柄が有効ライン29上に停止表示されると、表示窓W内の上段の表示領域に図柄「ベル」が並ぶ(図45(B)を参照)ように各リール上に各々の図柄が配置されている(図41参照)。このことから、再遊技役3のことを適宜「上段ベルRP(移行RP)」と称する。また、再遊技役1のことを適宜「通常RP」と称する。なお、再遊技役1〜3は、何れも100%引込み可能な遊技役となっている。
<役抽選テーブル>
本実施形態においては、図43に示す役抽選テーブルが用いられる。この役抽選テーブルには、B1〜B4、R1〜R3、K1〜K7、Zの15個の役決定結果が設定されており、各役決定結果には、図43に示すように各々の遊技役が対応付けられている。例えば、役決定結果B1にはBB役と再遊技役1が重複当選役として対応付けられ、役決定結果R2には再遊技役2と小役3が重複当選役として対応付けられ、役決定結果K1にはスイカ小役(小役1)が単独当選役として対応付けられ、役決定結果K5には小役3、5が重複当選役として対応付けられているという具合である。また、役決定結果Zは、ハズレ(何れの遊技役も非当選)に対応づけられている。図43に示す役抽選テーブルにおける各数値の見方(意味)は、第1実施形態のものと同様である。
本実施形態の抽選テーブルにおいて特徴的な点として、後述のボーナス遊技状態(BB遊技状態、RB遊技状態)では、高めベル小役(小役3)と小役同時表示用RP(再遊技役2)が重複当選するように構成されていることが挙げられる。小役3と再遊技役2が重複当選した場合には、本実施形態における特徴的な制御処理が行われるが、この点については後述する。
また、本実施形態の抽選テーブルにおける役決定結果K4〜K6は、各ストップスイッチの操作順(押し順)によって異なるリール停止制御が行われる押し順対応の役決定結果として構成されている。具体的には、役決定結果K4(以下、適宜「押し順ベル当選P」と称する)は、高めベル小役の小役3と安めベル小役の小役4が重複当選する役決定結果であり、役決定結果K5(以下、適宜「押し順ベル当選Q」と称する)は、高めベル小役の小役3と安めベル小役の小役5が重複当選する役決定結果ある。また、役決定結果K6(以下、適宜「押し順ベル当選R」と称する)は、高めベル小役の小役3と安めベル小役の小役6が重複当選する役決定結果ある。押し順ベル当選Pが選出された場合の正解押し順は、「左→中→右」または「左→右→中」(左第一)とされており、押し順ベル当選Qが選出された場合の正解押し順は、「中→左→右」または「中→右→左」(中第一)とされている。また、押し順ベル当選Rが選出された場合の正解押し順は、「右→左→中」または「右→中→左」(右第一)とされている。
<遊技状態の設定>
本実施形態では、図44に示すように、大別すると、通常遊技状態、RT遊技状態、ボーナス内部中遊技状態及びボーナス遊技状態の4つの遊技状態のうちの何れかの遊技状態が、遊技状態制御手段104(図4参照)により設定されるようになっている。
上記通常遊技状態は本実施形態において標準となる遊技状態である。本実施形態では、通常遊技状態として、非RT遊技状態(図44では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。非RT遊技状態は、再遊技役(再遊技役1〜3)が当選する確率が
標準的な値に設定されている。この非RT遊技状態中において、条件F1が充足されたことを契機としてRT遊技状態に移行され、条件F2が充足されたことを契機としてボーナス内部中遊技状態に移行されるようになっている。条件F1とは、特別役(RB役)が非当選で、かつ再遊技役3の対応図柄「リプレイ・チェリー/白セブン・リプレイ」(以下
、適宜「特定図柄」と称する)が有効ライン29上に停止表示されることである。また、条件F2とは、特別役(BB役またはRB役)が当選し、かつ未成立であることである。
上記RT遊技状態は、通常遊技状態(非RT遊技状態)よりも再遊技役(特に再遊技役1)が当選する確率が高く設定された遊技状態である。本実施形態では、RT遊技状態として、有限RT遊技状態(図44では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。有限RT遊技状態は、非RT遊技状態中の一の遊技において上記条件F1が充足された場合に次遊技から設定され、所定回数(本実施形態では7回とするが任意に設定可)の遊技が行われると終了する遊技状態である。本実施形態では、非RT遊技状態中に役決定結果R3が選出されると上記条件F1が充足される。この有限RT遊技状態において、規定回数(7回)の遊技が行われると有限RT遊技状態終了し、通常遊技状態(非RT遊技状態)に移行される(図44の条件F3を参照)。また、有限RT遊技状態において、上記条件F2が充足されるとボーナス内部中遊技状態に移行されるようになっている。
なお、有限RT遊技状態において、所定条件が充足されたこと(例えば、スイカ小役やチェリー小役が当選したこと)を契機として、上記AT設定制御手段201によりATを設定するようにしてもよい。このATは、所定数の遊技が実行される間、連続的に設定されるようにしてもよいし、設定される期間と設定されない期間とが含まれるようにしてもよい。また、AT設定中において押し順ベル当選P〜Rが選出された場合には、上述の正解押し順を報知する押し順ナビ演出を行うようにしてもよい。この場合、有限RT遊技状態における遊技性をより向上させることが可能となる。
上記ボーナス内部中遊技状態は、上述したように、通常遊技状態(非RT遊技状態)中またはRT遊技状態(有限RT遊技状態)中の一の遊技において、上記条件F2が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。本実施形態では、ボーナス内部中遊技状態として、BB内部中遊技状態とRB内部中遊技状態の2つの遊技状態(図44では「遊技状態」を省略して表記している)が設けられている。
BB内部中遊技状態は、BB役が成立許容役となっている場合(当選持越し中の場合)に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B1またはB2が選出された場合にこのような状況が生じ得る。RB内部中遊技状態は、RB役が成立許容役となっている場合に設定される遊技状態であり、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において、役決定結果B3またはB4が選出された場合にこのような状況が生じ得る。ボーナス内部中遊技状態中の一遊技において、特別役(BB役またはRB役)が成立するという条件F4が充足された場合には、ボーナス内部中遊技状態が終了し、次遊技からボーナス遊技状態が設定される。
上記ボーナス遊技状態は、上述したように、ボーナス内部中遊技状態中の一の遊技において上記条件F4が充足された場合に、次遊技から設定される遊技状態である。なお、通常遊技状態中またはRT遊技状態中において特別役が当選し、遊技者による各ストップスイッチの操作タイミングによっては、当該遊技において特別役が成立する可能性もある。その場合は次遊技からボーナス遊技状態に移行されるが、以下では専ら、ボーナス内部中遊技状態からボーナス遊技状態へ移行するものとして説明する。
本実施形態では、ボーナス遊技状態として、RB遊技状態、BB遊技状態(図44では「遊技状態」を省略して表記している)の2つの遊技状態が設けられている。RB遊技状
態は、RB内部中遊技状態中においてRB役が成立した場合に設定される遊技状態であり、RB遊技状態においてボーナス遊技としてのRB遊技が行われる。RB遊技は、RB遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのRB作動フラグがON)とされ、小役が規定回数(8回)成立したことを条件として終了する(RB作動フラグがOFFにされる)ようになっている。
BB遊技状態は、BB内部中遊技状態中においてにおいてBB役が成立した場合に設定される遊技状態であり、BB遊技状態において別のボーナス遊技としてのBB遊技が行われる。BB遊技は、BB遊技状態に設定された時点で実行可能(ボーナス遊技作動フラグとしてのBB作動フラグがON)とされ、規定数(300枚)以上の遊技メダルが払い出されたことを条件として終了する(BB作動フラグがOFFにされる)ようになっている。
RB遊技状態中において、小役(小役1)が規定回数(8回)成立してRB遊技が終了したこと、またはBB遊技状態中において、規定数(300)以上の遊技メダルが払い出されてBB遊技が終了したことを条件として(図44に示す条件F5を参照)、ボーナス遊技状態が終了し、次遊技から通常遊技状態に移行される。
<本実施形態における特徴的な制御処理>
本実施形態では、主に、次の(f1)に関して特徴的な制御処理を行うように構成されている。
(f1)小役と再遊技役が同時当選した場合のリール停止に関する制御処理
本実施形態では、上述したように、ボーナス遊技状態(BB遊技状態、RB遊技状態)において、小役(小役3)と再遊技役(再遊技役2)が同時当選するように構成されている(図43を参照)。また、小役3と再遊技役2が同時当選した場合には、次のようなリール停止制御が行われるようになっている。
すなわち、本実施形態では、小役3と再遊技役2が同時当選した場合には、小役3と再遊技役2の両方を成立させる(各々の対応図柄を同時に有効ライン29上に停止表示させる)リール停止制御が行われる。具体例を、図45(C)を参照して説明する。
図45(C)を参照する前に、図42において小役3と再遊技役2の対応図柄を確認する。小役3の対応図柄は「−・ベル・−」、すなわち、中リール(リール3b)における構成図柄は「ベル」であるが、左リール(リール3a)と右リール(ルール3c)における構成図柄は任意の図柄となっている。一方、再遊技役2の対応図柄は「リプレイ・−・リプレイ」、すなわち、左リールと右リールにおける構成図柄は「リプレイ」であるが、中リールにおける構成図柄は任意の図柄となっている。図柄「ベル」と「リプレイ」は、どちらも各リール上において5コマ以内に配置されているので、停止操作受付位置に拘わらず、5コマ滑りの範囲内において有効ライン29上に停止表示させることが可能である。
このため、本実施形態では、小役3と再遊技役2が同時当選した場合に、図45(C)に示すように、左リールと右リールにおいては図柄「リプレイ」を有効ライン29上に停止表示させ、中リールにおいては図柄「ベル」を有効ライン29上に停止表示させるリール停止制御を行い、小役3と再遊技役2を同時に成立させるようになっている。また、小役3と再遊技役2が同時成立した場合には、当該遊技において小役3成立による所定数(9枚)の遊技メダルの払出しを行うとともに、再遊技役2の成立により、次遊技を再遊技作動状態とする制御処理を行うようになっている。なお、小役3と再遊技役2が同時に成立する場合には、図柄「ベル」が左上段、中央中段、右上段の小V字型に並ぶように停止
表示されるようになっており、遊技者に、小役3と再遊技役2が同時に成立していることを印象付けられるようになっている。
図43に示すように本実施形態では、ボーナス遊技状態(BB遊技状態、RB遊技状態)中は、小役3と再遊技役2が重複当選する役決定結果R2が毎遊技選出されるように構成されている。このため、BB遊技中及びRB遊技中は、最初の1ゲーム目を除き、再遊技作動状態が連続的に設定されるようになっている。したがって、本実施形態によれば、BB遊技中及びRB遊技中は、最初の1ゲーム目を除き、遊技者が自らの遊技媒体数をベットすることなく遊技を実行し得るという、これまでにはない有用な遊技性を提供することが可能となる。また、BB遊技中及びRB遊技中は、最初の1ゲーム目を除き、常に再遊技作動状態となるので、遊技者が自らの遊技媒体数を減らすことはなく、かつ小役成立時に払い出される遊技メダル数がそのまま遊技者が獲得する遊技メダル数となる。したがって、BB遊技中及びRB遊技中の遊技性を大きく向上させることが可能である。
なお、本実施形態では、表示窓W内に設定される入賞ライン(29)が中段1ラインであるが、複数の入賞ラインを設定しても、重複当選する小役と再遊技役の対応図柄を変更することにより、上述のような遊技性を実現することができる。例えば、表示窓W内に設定される入賞ラインを、上記第3実施形態と同じ4ライン(入賞ライン29p〜29s)とした場合の変更例を、以下に説明する。
この場合、遊技役の種類を、例えば図46に示すように設定する。また、役抽選テーブルは、図43に示すものをそのまま用いる。図46に示す遊技役において、先のもの(図42に示す遊技役)と異なる遊技役は、小役3〜6と再遊技役2がある。
小役3〜6は、各々の対応図柄は先のものと変わらないが、押し順ベル当選時の機能が異なっている。すなわち、図42に示す小役3〜6は、押し順ベル当選P〜Rの選出時に、遊技者による押し順が正解押し順である場合には、小役3が有効ライン29上に成立し、不正解押し順である場合には、小役4〜6が有効ライン29上に成立するようになっている。これに対し、本変更例では、押し順ベル当選P〜Rの選出時に、遊技者による押し順が正解押し順である場合には、上記第3実施形態と同様に(図25を参照)、小役3が3本の有効ライン29q、29r、29s上において成立し(払出枚数は9=3×3)、不正解押し順である場合には、小役3が1本の有効ライン29p上において成立するようになっている(払出枚数は3=3×1)。また、本変更例では、小役4〜6は制御用小役として構成されており、実際には成立しないようになっている。
また、本変更例において再遊技役2は、図46に示すように、その対応図柄が「ベル・リプレイ・スイカ/白セブン/チェリー」とされている。右リールにおける構成図柄である「スイカ」、「白セブン」、「チェリー」は、右リールにおいて5コマ以内に配置されているので、停止操作受付位置に拘わらず、5コマ滑りの範囲内において任意の有効ライン上に停止表示させることが可能である。また、図41に示すように、中リールにおいて図柄「リプレイ」の1コマ前(図中1コマ下)には、必ず図柄「ベル」が配置されている。
このため、本実施形態では、小役3と再遊技役2が同時当選した場合に、図47に示すように、左リールにおいては再遊技役2の構成図柄「ベル」を上段の表示領域に停止表示させ、中リールにおいては再遊技役2の構成図柄「リプレイ」を上段の表示領域に、小役3の構成図柄「ベル」を中段の表示領域にそれぞれ停止表示させるリール停止制御を行う。また、右リールにおいては再遊技役2の構成図柄である「スイカ」、「白セブン」または「チェリー」を下段の表示領域に停止表示させるリール停止制御を行い、これにより、小役3と再遊技役2を同時に成立させるようになっている。なお、小役3と再遊技役2が同時に成立する場合には、図柄「ベル」が有効ライン29r上に並ぶように停止表示され
るようになっており、遊技者に、小役3と再遊技役2が同時に成立していることを印象付けられるようになっている。
<基本的な制御処理>
本実施形態のスロットマシンにおいて行われる基本的な制御処理(主制御手段100によるタイマ割込処理及び遊技制御処理)の流れは第1実施形態と同じである(図9〜図12を参照)。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態や変更態様における各構成及び従来の技術として述べた各構成は、適宜組み合わせて用いることが可能である。