しかし、上記特許文献1は、内筒を旋回させることで、ガイドピースがコイルスプリングに対して螺旋状に旋回しつつ、内筒が外筒に対して出る構成である。このように内筒が旋回する構造であるために、伸縮ポールが縦方向に伸びるものに使用した際には、内筒および内筒の上端部に取り付けられる付属品の荷重をガイドピースで受けることとなり、荷重負担が大きいという問題があった。また、長いポールの場合に内筒を旋回させながら上方に伸ばす作業がやり難いという問題があった。
また、上記特許文献2では、ポールを継ぎ足しながら上昇させるようになっているので、この継ぎ足し作業が大変な負担であり、作業工数もかかっていた。
本発明は斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、縦方向に伸縮可能であって、上下方向の荷重にも十分に耐えられ、簡単に伸縮できる伸縮ポールを提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、外筒および内筒それぞれに旋回用コイルスプリングおよび第1コイルスプリングを設け、それぞれのコイルスプリングが相対的に旋回することで、内筒が外筒に対して出ていき、長くなるようにした。
具体的には、第1の発明は、外筒と、外側面が前記外筒に対して摺動自在に挿入された内筒と、前記内筒の内径以下の外径を有し、前記内筒の内側に配置される第1コイルスプリングと、前記第1コイルスプリングと同じ外径及び同じピッチを有し、前記外筒の内側に配置され、且つ前記第1コイルスプリングと軸方向にずれて配置可能な旋回用コイルスプリングと、前記第1コイルスプリングの下端部に固定された第1中空円筒部材と、前記旋回用コイルスプリングの下端部に固定された旋回部材と、前記内筒の上端部に形成され、前記第1コイルスプリングが前記内筒に対して相対的に旋回することを阻止する回り止め部と、前記第1中空円筒部材の内周に設けられ、前記第1コイルスプリングと前記旋回用コイルスプリングとが一緒に旋回可能に連結する連結部と、前記旋回部材を旋回する駆動機構とを備え、前記内筒及び前記外筒は、前記第1コイルスプリング及び前記旋回用コイルスプリングの旋回に伴って一緒に回転することのないように構成され、前記第1コイルスプリングが前記回り止め部に係合していない状態では、該第1コイルスプリングと前記旋回用コイルスプリングが一緒に旋回可能であり、前記第1コイルスプリングが前記回り止め部に係合した状態では、前記駆動機構により、前記旋回部材及び前記旋回用コイルスプリングが旋回して、該第1コイルスプリングが該旋回用コイルスプリングに対して上昇することで、前記内筒が前記外筒に対して上昇するようになっていることを特徴とする。
第2の発明は、外筒と、外側面が前記外筒に対して摺動自在に挿入された中間筒と、外側面が前記中間筒に対して摺動自在に挿入された内筒と、前記内筒の内径以下の外径を有し、前記内筒の内側に配置される第1コイルスプリングと、前記第1コイルスプリングと同じ外径及び同じピッチを有し、前記中間筒の内側に配置され、且つ前記第1コイルスプリングと軸方向にずれて配置可能な第2コイルスプリングと、前記第1コイルスプリングと同じ外径及び同じピッチを有し、前記外筒の内側に配置され、且つ前記第2コイルスプリングと軸方向にずれて配置可能な旋回用コイルスプリングと、前記第1コイルスプリングの下端部に固定された第1中空円筒部材と、前記第2コイルスプリングの下端部に固定された第2中空円筒部材と、前記旋回用コイルスプリングの下端部に固定された旋回部材と、前記内筒の上端部に形成され、前記第1コイルスプリングが前記内筒に対して相対的に旋回することを阻止する回り止め部と、前記第2コイルスプリングの上端部に形成され、該第2コイルスプリングが前記第1コイルスプリングに対して相対的に旋回することを阻止する連結係合部と、前記第1中空円筒部材の内周に設けられ、前記第1コイルスプリングと前記第2コイルスプリングとが一緒に旋回可能に連結する第1連結部と、前記第2中空円筒部材の内周に設けられ、前記第2コイルスプリングと前記旋回用コイルスプリングとが一緒に旋回可能に連結する第2連結部と、前記旋回部材を旋回する駆動機構とを備え、前記内筒、前記中間筒及び前記外筒は、前記第1コイルスプリング、前記第2コイルスプリング及び前記旋回用コイルスプリングの旋回に伴って一緒に回転することのないように構成され、前記第1コイルスプリング及び前記第2コイルスプリングが、前記回り止め部及び前記連結係合部に係合していない状態では、該第1コイルスプリング、該第2コイルスプリング及び前記旋回用コイルスプリングは一緒に旋回可能であり、前記第1コイルスプリングが前記回り止め部に係合した状態では、前記駆動機構により、前記旋回部材及び前記旋回用コイルスプリングが旋回して、該第1コイルスプリングが上昇することで、前記内筒が前記外筒に対して上昇し、前記第2コイルスプリングが前記連結係合部に係合した状態では、前記駆動機構により、前記旋回部材及び前記旋回用コイルスプリングが旋回して、該第2コイルスプリングが上昇することで、前記中間筒が前記外筒に対して上昇するようになっていることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、前記内筒の内側に設けられ、前記第1コイルスプリングの旋回をガイドする内筒用ガイド部を備えることを特徴とする。
第4の発明は、第2の発明において、前記内筒の内側に設けられ、前記第1コイルスプリングの旋回をガイドする内筒用ガイド部を備えることを特徴とする。
第5の発明は、第2又は4の発明において、前記第1中空円筒部材の内周に設けられ、前記第1中空円筒部材と前記第2コイルスプリングとの相対的な旋回をガイドする第1ガイド部と、前記第2中空円筒部材の内周に設けられ、前記第2中空円筒部材と前記旋回用コイルスプリングとの相対的な旋回をガイドする第2ガイド部とを備えることを特徴とする。
第6の発明は、第2、4又は5の発明において、内筒が中間筒に対して相対的に摺動することを支える第1支持機構を備え、中間筒が外筒に対して相対的に摺動することを支える第2支持機構を備えることを特徴とする。
第7の発明は、第1ないし6のいずれか1つの発明において、前記内筒及び内筒が断面矩形状の筒部材からなることを特徴とする。
第8の発明は、第1ないし7のいずれか1つの発明において、前記旋回部材が、旋回用中空円筒部材と前記旋回用中空円筒部材が内周に挿入される中空円筒部を備え、前記旋回用中空円筒部材に前記旋回用コイルスプリングの下端部が固定され、前記中空円筒部が駆動機構に連結されて旋回するように設けられており、前記旋回用中空円筒部材に設けられた係合部を前記中空円筒部に設けられた被係合部に係合することで、前記旋回用中空円筒部材と前記中空円筒部とが一緒に旋回するようになっていることを特徴とする。
第9の発明は、第1ないし8のいずれか1つの発明において、前記駆動機構が、モータ部を備えることを特徴とする。
第10の発明は、第9の発明において、前記駆動機構が、前記モータ部の旋回を制御する制御部を備えることを特徴とする。
第11の発明は、第10の発明において、前記モータ部は正逆回転可能なモータを備え、前記制御部が、前記モータを正転、逆転および停止する操作部を備えることを特徴とする。
第12の発明は、第11の発明において、前記制御部が、前記内筒と前記中間筒が上昇端に達した場合に、前記モータの回転を停止する制動部を備えることを特徴とする。
以上説明したように、第1の発明によると、内筒と外筒の内側にそれぞれ同じピッチのコイルスプリングを設けてあり、これらのコイルスプリングが軸方向に略線径分ずれて螺円状に重なった状態になることで、内筒と外筒が互いに軸方向にほとんど重なって収納されることとなり、これらのコイルスプリングが軸方向にコイルスプリングの略長さ分ずれて1本のコイルスプリングのようになることで、内筒と外筒が互いに軸方向に伸びた状態になる。このことにより、収納する時は内筒と外筒がコンパクトに収納され、伸ばしたい時は、下側にあるコイルスプリングを旋回することで、他のコイルスプリングが上方に伸びて、それに伴って内筒が上方に伸びるので、伸縮ポールを簡単に縦方向に伸縮可能であって、且つ上下方向の荷重にも十分に耐えることができる。
第2の発明によると、内筒、中間筒と外筒の内側にそれぞれ同じピッチのコイルスプリングを設けてあり、これらのコイルスプリングが軸方向に略線径分ずれて螺旋状に重ねった状態になることで、内筒中間筒及び外筒が互いに軸方向にほとんど重なって収納されることとなり、これらのコイルスプリングが軸方向にコイルスプリングの略長さ分ずれて1本のコイルスプリングのようになることで、内筒、中間筒及び外筒が互いに軸方向に伸びた状態になる。このことにより、収納する時は内筒、中間筒及び外筒がコンパクトに収納され、伸ばしたい時は、下側にあるコイルスプリングを旋回することで、他のコイルスプリングが上方に伸びて、それに伴って内筒や中間筒が上方に伸びるので、伸縮ポールを簡単に縦方向に伸縮可能であって、且つ上下方向の荷重にも十分に耐えることができる。
特に、コイルスプリングや中間筒の数や長さを調整することで、必要な長さや荷重に応じた伸縮ポールを得ることができる。
第3及び第4の発明によると、内筒の内側に第1コイルスプリングの旋回をガイドする内筒用ガイド部を備えるので、第1コイルスプリングが軸方向と直角な方向にずれることを抑制して、上下方向にスムーズに移動でき、内筒がスムーズに上下動できる。
第5の発明によると、第1中空円筒部材と第1コイルスプリングとの相対的な旋回をガイドする第1ガイド部が、第1中空円筒部材の内周に設けられ、第2中空円筒部材と第2コイルスプリングとの相対的な旋回をガイドする第2ガイド部が第2中空円筒部材の内周に設けられるので、第1コイルスプリング及び第2コイルスプリングが軸方向と直角な方向にずれることを抑制して、上下方向にスムーズに移動でき、内筒及び中間筒がスムーズに上下動できる。
第6の発明によると、第1支持機構で内筒が中間筒に対して相対的に摺動することを支え、第2支持機構で中間筒が外筒に対して相対的に摺動することを支えるので、内筒及び中間筒の上下動が滑らかにできる。その結果、コイルスプリングの上下動にも軸方向とずれる方向の変位が抑制されるので、コイルスプリングの旋回や上下動も滑らかに維持される。
第7の発明によると、内筒及び外筒が断面矩形状の筒部材からなるので、コイルスプリングの旋回に伴って一緒に回転することが無い構成を、簡単な構造で得られる。
第8の発明によると、中空円筒部に旋回用中空円筒部材を挿入して係合でき、旋回用中空円筒部材を中空円筒部から抜くと係合が外れるので、簡単に組立・分離できる。
第9の発明によると、駆動機構が、モータ部を備えるので、人力に頼らないで、誰でも簡単に操作できる。
第10の発明によると、前記駆動機構が、前記モータ部の旋回を制御する制御部を備えるので、所定の上昇位置に確実に伸ばすことができる。
第11の発明によると、前記モータを正転、逆転および停止する操作部を備えるので、確実に、所定の高さ位置に伸縮ポールを止めることができる。
第12の発明によると、前記制御部が制動部を備えるので、確実及び安全に、所定の高さ位置に伸縮ポールを安全に止めることができ、誤動作を防止できる。
なお、本発明において、「縦方向に伸縮可能」の「縦方向」とは、ほぼ縦方向も含むものである。
「コイルスプリングの軸方向」とは、螺旋状に巻いたコイルスプリングの内径と直角な方向の「伸縮方向」であって、「コイルスプリングの軸方向中心線」とは、「コイルスプリングの軸中心を通る線を軸方向中心線」という。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
祭りや祝賀行事等のイベントの際に装飾品等を高所に設置する際に、実施形態1の伸縮ポールを適用した場合について、図1〜図12に基づいて説明する。
図1に示すように、背丈の高いクリスマスツリー等の装飾品50を設置する際は、伸縮ポール1に装飾品50を飾り付けて、伸縮ポール1を伸ばすことで、装飾品50を300cm〜1,500cm程度の高さにして飾ることができ、不要な時には簡単に伸縮ポール1を縮小させて、例えば、100cm〜200cm程度の高さに収納できるようになっている。
この伸縮ポール1の詳細構造及び作動状況を図2〜図12に基づいて説明する。
図2に示すように、伸縮ポール1には、アルミ合金製の4本の細長い矩形筒状部材が設けられている。これらの矩形筒状部材は、内筒2と、中間筒(第1中間筒3及び第2中間筒4)と、外筒5を有する。外筒5に対して、第2中間筒4の外側面が摺動自在に挿入され、第2中間筒4に対して、第1中間筒3の外側面が摺動自在に挿入され、第1中間筒3に対して、内筒2の外側面が摺動自在に挿入されている。
伸縮ポール1には、圧縮コイルバネからなる金属製の3本のコイルスプリング7〜9(長さ:100cm)が設けられている。各コイルスプリング7〜9の外径R2は、内筒2内を相対的にコイルスプリング7〜9が上下動でき、且つ上下方向(以下軸方向と称す)と直角な方向にコイルスプリング7〜9がずれないように(即ち、軸方向中心線がずれないように)、内筒2の矩形状断面の内側の長さL1よりも僅かに短くなっている(図3及び図11参照)。これらのコイルスプリング7〜9は、内筒2の内側に配置可能な第1コイルスプリング7と、第1コイルスプリング7と同じ内径R1、同じ外径R2及び同じピッチPを有し、第1中間筒3及び第2中間筒4の内側に配置可能で、且つ第1コイルスプリング7と軸方向にずれて配置可能な第2コイルスプリング8と、第1コイルスプリング7と同じ内径R1、同じ外径R2及び同じピッチPを有し、外筒4の内側に配置可能で、且つ第2コイルスプリング8と軸方向にずれて配置可能な旋回用コイルスプリング9とを有する。上記ピッチPは、3本のコイルスプリング7〜9が互いに各コイルスプリング7〜9と、略線径分ほど軸方向にずれて、螺旋状になることが可能になるように、各コイルスプリング7〜9の線径の3倍を超えて5倍以下であることが好ましい。ピッチPが狭いと3本のコイルスプリングが、軸方向にずれてそれぞれ旋回することが難しく、逆に広すぎると、各コイルスプリング7〜9の間にできる隙間が大きくなり、互いの軸方向中心線がずれる可能性が高くなるので、上記範囲とすることが好ましい。実施形態1では、ピッチPは線径の約4倍となっている。なお、このピッチPは、3本のコイルスプリング7〜9に適用する場合であり、3本よりも増える場合には、上記範囲に、線径分長さを、増えるコイルスプリングの数分だけ加えた数値の範囲にすればよい。
図5に示すように、各コイルスプリング7〜9の下端部7a〜9aが、それぞれ同一内径R3及び同一外径R4からなる第1中空円筒部材10、第2中空円筒部材11、及び旋回部材を構成する旋回用中空円筒部材12に固定されている。第1中空円筒部材10、第2中空円筒部材11、及び旋回用中空円筒部材12は、共通部品である。なお、第1中空円筒部材10の内径R3と内筒2の矩形状断面の内側の長さL1がほぼ等しく、第1中空円筒部材10の外径R4が、内筒2の矩形状断面の外側の長さL2とほぼ等しくなっている。
第1中空円筒部材10が、第1コイルスプリング7の下端側に外挿され、第1コイルスプリング7の下端部7aが、第1中空円筒部材10の内面に溶接して固定されて、第1中空円筒部材10と第1コイルスプリング7とが一緒に旋回するようになっている。同様に、第2中空円筒部材11が、第2コイルスプリング8の下端側に外挿され、第2コイルスプリング8の下端部8aが、第2中空円筒部材11の内面に溶接して固定されて、第2中空円筒部材11と第2コイルスプリング8とが一緒に旋回するようになっている。また、旋回用中空円筒部材12が、旋回用コイルスプリング9の下端側に外挿され、旋回用コイルスプリング9の下端部9aが、旋回用中空円筒部材12の内面に溶接して固定されて、旋回用中空円筒部材12と旋回用コイルスプリング9とが一緒に旋回するようになっている。なお、固定手段は上記溶接に限らず、他の固定手段でもよい。
第2中空円筒部材11と第1中空円筒部材10との間には、第1中空円筒部材10と同じ内径R3及び同じ外径R4のガイド用中空円筒部材13が第2コイルスプリング8の外側に遊嵌されている。ガイド用中空円筒部材13は、第1コイルスプリング7、第2コイルスプリング8及び旋回用コイルスプリング9の旋回をガイドして、旋回用コイルスプリング9、第2コイルスプリング8および第1コイルスプリング7の軸方向中心線がずれることを防止するようになっている。なお、このガイド用中空円筒部材13は、上記軸方向中心線のずれを問題にする必要がない場合には、省くことも可能である。ガイド用中空円筒部材13を省く或いは短くすれば、図2において各コイルスプリング7〜9が下降した時に、内筒2および第1コイルスプリング7の飛び出る量を少なくでき、よりコンパクトに収納できる。また、旋回用コイルスプリング9および第1コイルスプリング7が、コイルスプリング9,7の軸方向中心線がずれることを防止するように、これらの外周にガイド用中空円筒部材13と同じものを設けることも可能である。
また、ガイド用中空円筒部材13を第2中空円筒部材11や第1中空円筒部材10に固定してもよい。
旋回用中空円筒部材12、第2中空円筒部材11及び第1中空円筒部材10は同じ長さであり、各コイルスプリング7〜9のピッチPの2.5倍程度の長さである。ガイド用中空円筒部材13は、各コイルスプリング7〜9のピッチPの約3倍程度になっている。
各コイルスプリング7〜9が収納された状態では、旋回用中空円筒部材12、第2中空円筒部材11及び第1中空円筒部材10は、図2に示すように、それぞれ下端位置にあり、上下方向に積み重なった状態となる。なお、第2中空円筒部材11と第1中空円筒部材10との間には、ガイド用中空円筒部材13が介在している状態で積み重なっている。
第1コイルスプリング7と第1中空円筒部材10、第2コイルスプリング8と第2中空円筒部材11、旋回用コイルスプリング9と旋回用中空円筒部材12の組み合わせ品は同じであり、共通化することで、コストダウンになっている。
図5に示すように、内筒2の下端部2aの外周に、内筒2よりも薄肉で矩形状の第1ガイド筒61が溶接固定されている。第1ガイド筒61が第1支持機構を構成している。第1ガイド筒61の外周が、第1中間筒3の内周に接触して上下方向にスライドすることで、内筒2が第1中間筒3に対してスライドするようになっている。また、第1中間筒3の上端部3bに第1フランジ部62が溶接固定されている。第1フランジ部62の内周は、第1中間筒3の半径方向内側に、第1ガイド筒61の肉厚分飛び出ており、第1フランジ部62の半径方向内周面が、内筒2の外周のガイド面になっている。従って、内筒2の下端部2aに設けられた第1ガイド筒61の外周が、第1中間筒3の内周にガイドされ、内筒2の外周が第1ガイド筒61の半径方向内周面にガイドされることで、内筒2と第1中間筒3との軸方向中心線がずれること無く、内筒2が安定して第1中間筒3に対してスライドするようになっている。この実施形態では、第1支持機構として、第1ガイド筒61と第1フランジ部62とを備える。なお、第1支持機構として、内筒2の軸方向中心線と直角な方向へのズレが余り発生しない場合には、第1ガイド筒61だけでもよい。
図4及び図5に示すように、第1中間筒3の上端部3bの外周に、薄肉の第1保持筒63が固定されている。第1フランジ部62の外周が、第1中間筒3の半径方向外側に、第1ストッパ63の肉厚分ほど飛び出ており、第1保持筒63の上端部が第1フランジ部62の外周側の下面に固定され、第1フランジ部62の固定状態を補強している。
第1中間筒3の下端部3aの外周に、第1中間筒3よりも薄肉で矩形状の第2ガイド筒64が溶接固定されている。第2ガイド筒64が第2支持機構を構成している。第2ガイド筒64の外周が、第2中間筒4の内周に接触して上下方向にスライドすることで、第1中間筒3が第2中間筒4に対してスライドするようになっている。また、第2中間筒4の上端部4bに第2フランジ部65が溶接固定されている。第2フランジ部65の内周は、第2中間筒4の半径方向内側に、第2ガイド筒64の肉厚分飛び出ており、第2フランジ部65の半径方向内周面が、第1中間筒3の外周のガイド面になっている。従って、第1中間筒3の下端部の第2ガイド筒64の外周が、第2中間筒4の内周にガイドされ、第1中間筒3の外周が第2ガイド筒64の半径方向内周面にガイドされることで、第1中間筒3と第2中間筒4との軸方向中心線がずれること無く、第1中間筒3が安定して第2中間筒4に対してスライドするようになっている。この実施形態では、第2支持機構として、第2ガイド筒64と第2フランジ部65とを備える。なお、第2支持機構として、第1中間筒3の軸方向と直角な方向へのズレが余り発生しない場合には、第2ガイド筒64だけでもよい。
第2中間筒4の上端部4bの外周に、薄肉の第2保持筒66が固定されている。第2フランジ部65の外周が、第2中間筒4の半径方向外側に、第2ストッパ66の肉厚分ほど飛び出ており、第2保持筒66の上端部が第2フランジ部65の外周側の下面に固定され、第2フランジ部65の固定状態を補強している。第1中間筒3が、第2中間筒4内をスライドして下降して、第1保持筒63の下端部が、第2中間筒4に固定された第2フランジ部65の上面に当接して下降が止まるようになっている。
図2及び図3に示すように、第2中間筒4の下端部4aの外周に、第2中間筒4よりも薄肉で矩形状の第3ガイド筒67が溶接固定されている。第3ガイド筒67の外周が、外筒5の内周に接触して上下方向にスライドすることで、第2中間筒4が内筒5に対してスライドするようになっている。また、外筒5の上端部5bに第3フランジ部68が溶接固定されている。第3フランジ部68の内周は、外筒5の半径方向内側に、第3ガイド筒67の肉厚分飛び出ており、第3フランジ部68の半径方向内周面が、第2中間筒4の外周のガイド面になっている。従って、第2中間筒4の下端部の第3ガイド筒67の外周が、外筒5の内周にガイドされ、第2中間筒4の外周が第3ガイド筒67の半径方向内周面にガイドされることで、第2中間筒4と外筒5との軸方向中心線がずれること無く、第2中間筒4が安定して外筒5に対してスライドするようになっている。即ち、内筒2の内側の長さ:L1、外側の長さ:L2、第1中間筒3の内側の長さ:L3、外側の長さ:L4、第2中間筒4の内側の長さ:L5、外側の長さ:L6とした場合に、L3とL2の差が第1ガイド筒61の厚さになっており、L5とL4の差が第2ガイド筒64の厚さになっており、第3ガイド筒67の厚さも同様な厚さになっている。
外筒5の上端部5bの外周に、薄肉の第3保持筒69が固定されている。第3フランジ部68の外周が、外筒5の半径方向外側に、第3ストッパ69の肉厚分ほど飛び出ており、第3保持筒69の上端部が第3フランジ部68の外周側の下面に固定され、第1フランジ部62の固定状態を補強している。
図2及び図3に示すように、内筒2が、第1中間筒3内をスライドして下降した場合には、上蓋部6が第1コイルスプリング7の上端部7bに当接することで、内筒2の下降がストップするようになっている。第1中間筒3が、第2中間筒4内をスライドして下降して、第1保持筒63の下端部が、第2中間筒4に固定された第2フランジ部65の上面に当接して、第1中間筒3の下降が止まるようになっている。第2中間筒4が、外筒5内をスライドして下降して、第2保持筒66の下端部が、外筒5に固定された第3フランジ部68の上面に当接して、第2中間筒4下降が止まるようになっている。
図1、図2及び図11に示すように、内筒2の上側は、上蓋部6で塞がれている。1例として、上蓋部6の上面にボルト53が溶接され、ボルト53に星形飾り51の下端部が挿入され、ナット54がボルト53に螺合されて、星形飾り51が取り付けられている。内筒2の上端部2bには、第1コイルスプリング7が内筒2に対して相対的に旋回することを阻止する回り止め部14が設けられている。回り止め部14は、図11に示すように、内筒2の周壁に外側からボルトを通して設けられている。第1コイルスプリング7の上端部7bには、この回り止め部14に係合して相対的に旋回することが阻止される係合部16が設けられている。回り止め部14は、内筒2の上端部2bに設けたが、必ずしも内筒2の上端部2bでなくてもよく、高さ方向の途中位置でもよい。
なお、回り止め部14は、第1コイルスプリング7が内筒2に対して相対的に旋回することを阻止できればよいものであり、この構造に限られない。
また、図4及び図5に示すように、内筒2の下端部に内筒用ガイド部17が設けられている。旋回用コイルスプリング9が旋回することで、一緒に第1コイルスプリング7及び第2コイルスプリング8が旋回することで、第1コイルスプリング7の係合部16が回り止め部14に係合すると、第1コイルスプリング7が旋回することなく上昇し、それにつれて内筒2も上昇する。
内筒2の内側に内筒用ガイド部17が設けられているので、これよりも上側に位置するコイルスプリング7〜9の一部は、内筒用ガイド部17にガイドされて、スムーズに旋回するようになっている。仮に、第1コイルスプリング7の上端部7bが内筒2の上端部2bに当接しないで離れた位置にあっても、内筒2に対して内筒用ガイド部17にガイドされて旋回しながら上昇するので、第1コイルスプリング7の係合部16が回り止め部14に係合することとなる。その後は、前述したように、第1コイルスプリング7と内筒2が旋回することなく上昇する。この状態の時に、ツリーなどの装飾品50の荷重が第1コイルスプリング7、第2コイルスプリング8、第3コイルスプリング9に掛かるが、互いにコイルスプリングの一部が上下方向に接触することで、その荷重をコイルスプリング7〜9が分散して受けることとなり、装飾品50等の荷重を受けても強度的に耐えうると共に、各コイルスプリングが安定して旋回し、各筒がスムーズに上昇することができる。
また、図5〜図7及び図10に示すように、コイルスプリング7〜9同士の相対的な旋回を阻止し、一緒に旋回するように連結する連結部15が、第1中空円筒部材10及び第2中空円筒部材11に設けられている。具体的には、連結部15は、第1中空円筒部材10に設けられる第1連結部15a及び第2中空円筒部材11に設けられる第2連結部15bを有する。第1連結部15aは、第1中空円筒部材10の上方側に開口したネジ穴に外側から螺合する螺子ボルト40からなり、螺子ボルト40の先端が、第2コイルスプリング8の半径方向内側まで突出するようにねじ込まれている。また、第2連結部15bは、第1中空円筒部材11の上方側に開口したネジ穴に外側から螺合する螺子ボルト40からなり、螺子ボルト40の先端が、第2コイルスプリング8の半径方向内側まで突出するようにねじ込まれている。
図2〜図7に示すように、第1連結部15aに連結する第1連結係合部18aが、第2コイルスプリング8の上端部8bに形成され、第2連結部15bに係合する第2連結係合部18bが、旋回用コイルスプリング9の上端部9bに形成されている。具体的には、第2コイルスプリング8の上端部8bを下向きに折り曲げて第1連結係合部18aが形成されている。旋回用コイルスプリング9の上端部9bを下向きに折り曲げて第2連結係合部18bが形成されている。
図2、図8及び図9に示すように、伸縮ポール1の下方に駆動機構20が設けられている。駆動機構20は、旋回用中空円筒部材12を内挿する有底カップ状部材21と、有底カップ状部材21を旋回用中空円筒部材12と同軸で旋回可能に支持する支持本体22と、モータ部30と、モータ部30の旋回を有底カップ状部材21に伝達する伝達機構と、モータ部30の回転を制御する制御部36とを備える。
図8及び図9に示すように、旋回用中空円筒部材12の上方側に係合部が設けられている。この係合部は、旋回用中空円筒部材12の上方に開口したネジ穴に外側から螺合する螺子ボルト40として形成されている。そして、有底カップ状部材21には、被係合部が設けられている。この被係合部は、螺子ボルト40の頭部が離脱可能に遊嵌されるスリット21aとして形成されている。有底カップ状部材21に旋回用中空円筒部材12が内挿され、係合部である螺子ボルト40の頭部が、スリット21aに遊嵌されることで、有底カップ状部材21と旋回用中空円筒部材12とが一緒に旋回することができるようになっている。なお、旋回用中空円筒部材12と有底カップ状部材21とが一緒に旋回できるように連結されればよいものであり、スリット21aと螺子ボルト40との構成に限られない。なお、分解や組立の容易性からすれば、簡単に離脱でき、組み立てた場合には一緒に旋回するような連結が好ましく、上記のように、遊嵌するようにすることが好ましい。この実施形態では、旋回部材の有底カップ状部材21に旋回用中空円筒部材12を挿入すると係合され、旋回用中空円筒部材12を抜くと係合が外れるので、簡単に組立・分離できる。
なお、組立・分離を考慮しない場合には、旋回用コイルスプリング9を直接有底カップ状部材21の固定・嵌合などで結合して、旋回用中空円筒部材12を省略することも可能である。更には、有底カップ状部材21の形状で無く、回転シャフト25(後述する)に直に固定・嵌合などで結合することも可能である。
図8に示すように、伝達機構として、モータシャフト31、傘歯車26、傘歯車27、回転シャフト25を有する。回転シャフト25が、有底カップ状部材21の底部21bの中心に、下方に向けて伸びて設けられている。回転シャフト25が回転することで、有底カップ状部材21が回転するようになっている。支持本体22は、回転シャフト25の途中を回転可能に支持する台座部23と、台座部23を支える脚柱24を有する。回転シャフト25は、台座部23を上下方向に貫通して設けられており、回転シャフト25の下端が回転可能に、支持台28に支持されている。
台座部23の下側で、回転シャフト25に傘歯車26が取り付けられている。傘歯車26と噛み合う傘歯車27が、台座部23の下側に設けられている。この傘歯車27は、モータシャフト31の一端に取り付けられている。モータシャフト31の他端は、減速機構(図示省略)を介して、モータ部30に連結されている。モータ部30が駆動することで、モータシャフト31が回転する。32は、回転シャフト25を、台座部23に対して回転可能に支持するベアリング部である。33は、回転シャフト25を、支持台28に対して回転可能に、且つ回転シャフト25の下端部を支えるベアリング部である。34は、傘車26,27の位置を調整して取り付ける傘車固定部である。35はモータ部30を駆動する操作部(スイッチ)で、上側に動かすと、旋回用コイルスプリング9が第2コイルスプリング8と離れる方向に旋回させるようにモータ部30を駆動し、下側に動かすと、旋回用コイルスプリング9が第2コイルスプリング8と近づく方向に旋回させるように駆動し、上下中間位置で、モータ部30の駆動をOFFする。
図12に示すように、モータ部30は正逆回転可能なモータ35を備える。制御部36は、モータ35を正転、逆転および停止する操作部37を備える。制御部36では、内筒2、第1中間筒3及び第2中間筒4が上昇端に達した場合をセンサ43で検出して、内筒2、第1中間筒3及び第2中間筒4が下降端に達した場合をセンサ38で検出して、制御部36に信号を送り、制御部36内の演算部39で演算処理して、制動部38からの信号によってモータ35の回転を停止する。
図1〜図11の実施形態1では、センサ43及び45の図示を省略したが、内筒2と第1中間筒3、第2中間筒4が上昇端に達した場合として、例えば、近接センサ、接触センサ等のセンサ43を外筒5に設けて、第2中間筒4が上昇端に達した場合を検出するようにすればよい。また、内筒2と第1中間筒3、第2中間筒4が下降端に達した場合として、例えば、近接センサ、接触センサ等のセンサ45を内筒2に設けて検出するようにすればよい。
なお、内筒2と第1中間筒3、第2中間筒4が上昇端に達した場合や内筒2と第1中間筒3、第2中間筒4が下降端に達した場合を、目視して確認して操作部37を手動操作するようにしてもよい。また、安全上では、内筒2と第1中間筒3、第2中間筒4が上昇端又は下降端に達した場合に、モータ35が空回りするようにした方がよい。
図2〜図7を参照して、伸縮ポール1の作動状態を説明する。
まず、伸縮ポール1が縮められて収納された状態を図2(a)及び図3に基づいて説明する。モータ35を逆転する方向に駆動機構20を操作すると、旋回用コイルスプリング9が逆転して(図3において、第1コイルスプリング7の螺旋方向と同じ方向、即ち第1コイルスプリング7、第2コイルスプリング8と旋回用コイルスプリング9とが接近する方向に回転して)、第1コイルスプリング7及び第2コイルスプリング8を下降して、線径分ずれた状態で螺旋状に重なった状態にする。また、第2コイルスプリング8に接続された第2中空円筒部材11が下降して、旋回用中空円筒部材12に接触することで下端に位置する。そして、第1コイルスプリング7に接続された第1中空円筒部材10が下降して、第2中空円筒部材11の上側に位置するガイド用中空円筒部材13に接触することで下端に位置する。
そして、第2中間筒4、第1中間筒3及び内筒2も下降して、下端位置になっている。具体的には、第2中間筒4の第2保持筒66の下端が、外筒5の第3フランジ部68の上面に当接することで、第2中間筒4の下降が止まる。同様に、第1中間筒3の第1保持筒63の下端が、第2中間筒4の第2フランジ部65の上面に当接することで、第1中間筒3の下降が止まる。内筒2は、第1中間筒3内をスライドして下降して、上蓋部6が第1コイルスプリング7の上端部7bに当接することで下降が止まる。なお、内筒2の上蓋部6や星形飾り51が、第1中間筒3の第1フランジ部62の上面に当接することで、内筒2の下降が止まるようにしてもよい。
次に駆動機構20を操作して、旋回用コイルスプリング9を正転して伸縮ポール1を伸ばしていく作動状態について説明する。
図8及び図9に示すように、モータ部30をONにすると、モータ35が回転してモータシャフト31が回転し、傘歯車27が回転する。傘歯車27に螺合する傘歯車26が回転し、回転シャフト25が回転する。回転シャフト25の回転により、有底カップ状部材21および旋回用中空円筒部材12が一緒に正転方向に(旋回用コイルスプリング9の螺旋方向と逆方向に)旋回する。旋回用コイルスプリング9が旋回すると、図2(b)及び図4に示すように、第1コイルスプリング7が、内筒用ガイド部17にガイドされつつ、旋回用コイルスプリング9及び第2コイルスプリング8とから離れて上昇する方向に旋回する。そして、第1コイルスプリング7が、内筒2の上蓋部6に当接しながら旋回して、係合部16が回り止め部14に係合する。これよって、第1コイルスプリング7が旋回することが阻止され、後は、旋回用コイルスプリング9の正転によって、第1コイルスプリング7及び内筒2が上昇する。そして、内筒2が上昇して、内筒2に取り付けた第1ガイド筒61が、第1中間筒3の第1フランジ部62の下面に当接すると、内筒2の上昇に連れて第1中間筒3も上昇する。
図2(b)の状態から、第1コイルスプリング7、内筒2及び第1中間筒3が更に上昇して、第1コイルスプリング7の下端部7aが第2コイルスプリング8の上端部6bに対して、第1中空円筒部材10の内側で所定距離内に接近すると、図2(c)、図5及び図10に示すように、第2コイルスプリング8の第1連結係合部18aが、第1連結部15aに係合することとなる。その結果、第2コイルスプリング8が第1コイルスプリング7と相対的に旋回することが阻止されるようになる。この係合によって、第2コイルスプリング8も第1コイルスプリング7の上昇に連れて一緒に上昇することとなる。その結果、内筒2、第1中間筒3とともに第2中間筒4も上昇する。
更に旋回用コイルスプリング9が同じ方向に旋回すると、図2(d)及び図6に示すように、第2コイルスプリング8が旋回用コイルスプリング9から離れる方向に正転して上昇する。第1コイルスプリング7及び第2コイルスプリング8、内筒2及び第1中間筒3が上昇して、第1中間筒3に取り付けた第2ガイド筒64が、第2中間筒4の第2フランジ部65の下面に当接すると、第1中間筒3の上昇に連れて第2中間筒4も上昇する。
そして、旋回用コイルスプリング9の上端部9bと第2コイルスプリング8の下端部8aとが第2中空円筒部材11の内側で所定距離内に接近すると、図2(e)及び図7に示すように、旋回用コイルスプリング9の第2連結係合部18bが、第2連結部15bに係合することとなる。その結果、旋回用コイルスプリング9に対して、第1コイルスプリング7及び第2コイルスプリング8の上昇が止まり、内筒2、第1中間筒3及び第2中間筒4の上昇も止まる。この時に、第1コイルスプリング7及び第2コイルスプリング8、内筒2、第1中間筒3及び第2中間筒4が上昇することによって、第2中間筒4に取り付けた第3ガイド筒67が、外筒5の第3フランジ部68の下面に当接すると、内筒2、第1中間筒3及び第2中間筒4の上昇が止まるようになっており。伸縮ポール1が伸びた際に、確実に止まるようになっている。
また、第1連結部15aは、第2コイルスプリング8が第1コイルスプリング7と相対的に重なる方向に旋回する時、同じ軸方向中心線上で螺旋状に旋回するようにガイドする第1ガイド部を兼ねている。また、第2連結部15bは、旋回用コイルスプリング7が第2コイルスプリング8と相対的に重なる方向に旋回する時に、同じ軸方向中心線上で螺旋状に旋回するようにガイドする第2ガイド部を兼ねている。
以上説明したように、本発明では、駆動機構20により、旋回部材8及び旋回用コイルスプリング9が旋回して、第2コイルスプリング8および第1コイルスプリング7が上昇することで、内筒2、第1中間筒3および第2中間筒4が外筒5に対して上昇・下降するようになっているので、上昇動作及び下降動作が滑らかであり、各コイルスプリング7〜9でイルミネーション50の荷重を受けるので、ツリーなどの重いイルミネーション50にも適用しやすい。
コイルスプリング7〜9が軸方向に重なった状態になることで、内筒2、第1中間筒3、第2中間筒4と外筒5が互いに軸方向にほとんど重なってコンパクトに収納される。それと共に、コイルスプリング7〜9が軸方向にずれて1本のコイルスプリングのようになることで、内筒2、第1中間筒3、第2中間筒4と外筒5が互いに軸方向に伸びた状態になる。この伸縮の作動を、旋回用コイルスプリング9を旋回することで、伸縮ポールを簡単に縦方向に伸縮できるので、例えば、コンパクトに収納している状態で飾り付けをして、それから伸縮ポール1を伸ばして使用状態にすることができるので、高いところでの装飾品50の飾りをしなくてもよいので、大きなクレーンを使用しなくてもできる。また、日中と夜とで展示状態と収納状態を繰り返すものにも便利に適用できる。
特に、コイルスプリング7〜9や中間筒3,4の数や長さを調整することで、必要な長さや荷重に応じた伸縮ポールを得ることができる。
内筒2が第1中間筒3に対して上下方向にスライドする場合に、第1ガイド筒61と第1フランジ部62からなる第1支持機構でガイドしているので、軸方向中心線と直角な方向にずれることを効果的に抑制でき、滑らかに上下動できる。同様に、第1中間筒3が第2中間筒4に対して上下方向にスライドする場合に、第2ガイド筒64と第2フランジ部65からなる第2支持機構でガイドしているので、軸方向中心線と直角な方向にずれることを効果的に抑制でき、滑らかに上下動できる。第2中間筒4が外筒5に対して上下方向にスライドする場合に、第3ガイド筒67と第3フランジ部68からなる第3支持機構でガイドしているので、軸方向と直角な方向にずれることを効果的に抑制でき、滑らかに上下動できる。
その結果、コイルスプリング7〜9が上下動する時にも軸方向とずれる方向に変位し難いので、コイルスプリングの旋回や上下動も滑らかに維持される。
また、有底カップ状部材21に旋回用中空円筒部材12を挿入して係合でき、旋回用中空円筒部材12を有底カップ状部材21から抜くと係合が外れるので、簡単に組立・分離できる。
実施形態1では、コイルスプリング7〜9と内筒2、第1中間筒3、第2中間筒4と外筒5とを一体に固定してないので、分解して持ち運ぶことも可能であり、現場で組み立てるのも簡単である。また、この場合に、外筒5に対して、内筒2、第1中間筒3、第2中間筒4を別々に分解して運搬することも可能であり、コイルスプリング7〜9も別々でも、1本のように重ねてコンパクトにして運搬することもできる。
(実施形態2)
実施形態2の伸縮ポールを、図13に基づいて説明する。実施形態2では、実施形態1と異なる部分のみの説明として、共通部分の説明は省略する。実施形態2が実施形態1と異なるのは、内筒、中間筒、外筒が3本である点である。
図13において、その左半分では、外筒5xに対して中間筒3xが上方に伸びて、且つ中間筒3xに対して内筒2xが上方に伸びている状態を示し、図2の右半分では、内筒2xが下方に降りて、中間筒3xの内側に収納され、且つ中間筒3xが下方に降りて、外筒5xの内側に収納されている状態を示す。
3本のコイルスプリングは、内筒2xの内側に配置される第1コイルスプリング7xと、中間筒3xの内側に配置される第2コイルスプリング8xと、外筒5xの内側に配置される旋回用コイルスプリング9xを有する。第1中空円筒部材10x、第2中空円筒部材11x、旋回用中空円筒部材12x、ガイド用中空円筒部材13xが設けられている。
なお、内筒2xの上端部の内側には、矩形状の中空ガイド筒10Yが固定されている。中空ガイド筒10Yの内側の長さは、第1コイルスプリング7xの外径よりも僅かに長い長さで、第1コイルスプリング7xの軸方向中心線がずれることを防止するようになっている。
第1連結部15xa及び第2連結部15xb、旋回用コイルスプリング9xに対してコイルスプリング7x,8xが旋回する時に、同じ軸方向中心線で螺旋状に旋回するようにガイドする第1ガイド部、第2ガイド部を兼ねている。
図13に示すように、伸縮ポール1の下方に駆動機構20xが設けられている。駆動機構20xは、実施形態1と同様であり、実施形態2では、説明を省略する。
収納時は、図13の右半分に示すように、内筒2xと中間筒3xとが外筒5x内に収納されている。この状態では、中空円筒部材10x,11xが下端位置にあり、旋回用中空円筒部材12xの上に、順次中空円筒部材11x、ガイド用中空円筒部材13x、中空円筒部材10xが上になって、接触して位置している。また、旋回用コイルスプリング9x内に第2コイルスプリング8x、第1コイルスプリング7xの大半が収納され、コイルスプリング7x〜9xが軸方向に螺旋状に重なって収納されている。
この状態から、モータをONにすると、伝達機構を介して、有底カップ状部材21Xおよび旋回用中空円筒部材12xが一緒に旋回する。それによって、旋回用コイルスプリング9xが旋回して、第1コイルスプリング7xが上昇して、内筒2xが上昇する。そして、第1コイルスプリング7xの下端部と第2コイルスプリング8xの上端部とが所定範囲内に接近すると、互いのコイルスプリング7x,8xが第1連結部15xaで連結されて、一緒に上昇し、内筒2xと中間筒3x画上昇する。そして、第2コイルスプリング8xの下端部と旋回用コイルスプリング9xの上端部とが所定範囲内に接近すると、第1コイルスプリング7x、第2コイルスプリング8xの上昇が止まって、内筒2x及び中間筒3xの上昇も止まる。この時に、モータ部30Xの操作部をOFFにする。この状態が、一番伸びた状態であり、伸縮ポール1は収納状態から約3倍に伸びている。この状態を図13の左半分に示す。
(その他の実施形態)
実施形態1や2では、内筒2、第1中間筒3、第2中間筒4及び外筒5がいずれも断面矩形状の長筒としたがこの矩形状に限られるものではなく、連れ回りしないように回り止めを設けておけば、断面円形の円筒としてもよい。例えば、外筒に対して第1中間筒が相対的に回転しないようなキー溝とキーの組み合わせ、同様に第2中間筒と第1中間筒のキー溝とキーによる相対回転止め、第1中間筒と内筒のキー溝とキーによる相対回転止めを設けるようにしてもよい。
実施形態1や2では、第1ガイド筒61、第2ガイド筒64、第3ガイド筒67として、筒状の形状としたが、この形状に限られるものではなく、例えば、ガイド片を外周に溶接したものや、筒の一部を外側に膨らましたものでもよい。また、第1保持筒63、第2保持筒66、第3保持筒69は、この形状に限られるものではなく、例えば、ストッパ片としてもよい。
実施形態1では、内筒、第1中間筒、第2中間筒、外筒の4本であり、実施形態2では、内筒、中間筒、外筒の3本であるが、本発明は、内筒と外筒の2本でも、或いは、中間筒を3本以上に増やしても、利用可能である。また、実施形態1と2に示すように、コイルスプリングの数と外筒、中間筒、内筒等の筒状部材との数は一致しても一致して無くてもよい。