以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 第1実施形態
1.1. 照明装置
まず、第1実施形態に係る照明装置について図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る照明装置100の構成を模式的に示す図である。なお、図1および以下に示す図2〜図23、図25、図26には、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
照明装置100は、図1に示すように、第1照明ユニット2aと、第2照明ユニット2bと、光合成部4と、を含む。
第1照明ユニット2aおよび第2照明ユニット2bは、光源基板(基板の一例)10と、複数の半導体発光素子20と、複数の折り曲げ部30と、複数のコリメート部40と、光学部50と、を含んで構成されている。なお、図1では、便宜上、照明装置100を構成する各部材を簡略化して図示している。
第1照明ユニット2aおよび第2照明ユニット2bでは、図1に示すように、光源基板10の主面(第1面)に実装されている複数の半導体発光素子20が光源基板10の主面の面内方向に光を射出する。複数の半導体発光素子20から射出された光の各々は、折り曲げ部30によって光源基板10の主面から離れる方向に折り曲げられ、コリメート部40によって平行化される。コリメート部40によって平行化された光は光学部50に入射
し、光学部50によって光軸間の距離が短くなり、光束Pa,Pbとして射出される。光束Pa,Pbは共に、複数の光束によって構成されるアレイ光束である。
第1照明ユニット2aから射出された第1の光束Paおよび第2照明ユニット2bから射出された第2の光束Pbは、光合成部4によって合成される。照明装置100は、第1の光束Paと第2の光束Pbとが合成された合成光束を射出する。
以下、照明装置100を構成する各部材について詳細に説明する。
(1)照明ユニット
まず、第1照明ユニット2aについて説明する。図2は、第1照明ユニット2aを模式的に示す平面図である。図3は、第1照明ユニット2aを模式的に示す図2のIII−III線断面図である。なお、図2および図3では、便宜上、光学部50の図示を省略している。
光源基板10は、シリコン等の半導体基板である。光源基板10の主面(第1面)11a(+Z軸方向を向く面)には、複数の半導体発光素子20が実装されている。光源基板10の主面11b(主面11aの反対側の主面、−Z軸方向を向く面)には、放熱板12が設けられている。放熱板12の材質は、銅等の熱伝導性に優れた材料であり、放熱板12によって半導体発光素子20の動作時の熱を逃がすことができる。これにより、半導体発光素子20の発光効率の低下を抑制することができる。
複数の半導体発光素子20は、光源基板10の主面11aに実装されている。複数の半導体発光素子20は、複数行複数列(マトリックス状)に配置されている。すなわち、複数の半導体発光素子20は、2次元アレイ状に配置されている。図示の例では、Y軸方向に並べられた4つの半導体発光素子20からなる列が、X軸方向に2列配置されている。このように、第1照明ユニット2aでは、4行2列に配置された8個の半導体発光素子20をアレイ化して、1つのアレイ光源ユニットを構成している。なお、半導体発光素子20の数は、特に限定されない。
半導体発光素子20は、光源基板10の主面11aの面内方向に光を射出する。図示の例では、半導体発光素子20は、+X軸方向に光を射出する。
図4は、半導体発光素子20と、当該半導体発光素子20に対応する折り曲げ部30およびコリメート部40と、を模式的に示す断面図である。以下、半導体発光素子20がInGaAlP系(赤色)の端面発光型半導体レーザーである場合について説明する。
半導体発光素子20は、図4に示すように、活性層106を含む積層体101と、第1電極110と、第2電極112と、を含んで構成されている。
積層体101は、ベース層102と、第1クラッド層104と、活性層106と、第2クラッド層108と、を含んで構成されている。積層体101は、ベース層(基板)102上に、第1クラッド層104、活性層106、および第2クラッド層108をこの順でエピタキシャル成長させることで形成される。
ベース層102は、例えば、基板と、バッファー層と、を含む。基板としては、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaAs基板などを用いることができる。バッファー層は、例えば、n型のGaAs層、AlGaAs層、InGaP層等である。バッファー層は、エピタキシャル成長させる際に、その上方に形成される層の結晶性を向上させることができる。
第1クラッド層104は、ベース層102上に形成されている。第1クラッド層104は、例えば、n型のInGaAlP層である。
活性層106は、第1クラッド層104上に形成されている。活性層106は、第1クラッド層104および第2クラッド層108で挟まれている。活性層106は、例えば、InGaPウェル層とInGaAlPバリア層とから構成される量子井戸構造を3つ重ねた多重量子井戸(MQW)構造を有している。
活性層106は、電流が注入されて光を発生させることが可能な層である。活性層106の一部は、活性層106にて発生した光を導波させる光導波路22を構成している。
光導波路22は、活性層106の−X軸方向側の側面と、活性層106の+X軸方向側の側面と、を接続している。光導波路22は、Z軸方向(活性層106と第1クラッド層104との積層方向)からみて、活性層106の2つの側面間に直線状に設けられており、活性層106の側面(光射出面を含む側面)の垂線に対して平行に設けられている。活性層106で生じた光は、活性層106の2つの側面間で多重反射し、レーザー発振する。活性層106で生じた光は、活性層106の一方の側面(+X軸方向側の側面)に設けられている光射出面から+X軸方向に射出される。
第2クラッド層108は、活性層106上に形成されている。第2クラッド層108は、例えば、第2導電型(例えばp型)のInGaAlP層である。
第1電極110は、ベース層102の下に形成されている。第2電極112は、第2クラッド層108上に形成されている。第2電極112と第2クラッド層108との間にはコンタクト層(図示せず)が設けられていてもよい。例えば、第2電極112と、第2電極112とオーミックコンタクトする層と、の接触面の平面形状(Z軸方向から見た形状)によって電極110,112間の電流経路が決定され、その結果、光導波路22の平面形状が決定される。
半導体発光素子20は、活性層に屈折率差を設けて光を閉じ込める、いわゆる屈折率導波型であってもよいし、電流を注入することによって生じた光導波路がそのまま導波領域となる、いわゆる利得導波型であってもよい。
半導体発光素子20は、活性層106の面内方向に沿って進行する光が共振する端面発光型の発光素子であるため、例えば活性層の面内方向と直交する方向に進行する光が共振する面発光型の発光素子と比べて、1つの素子から得られる光の出力を高めることができる。
また、半導体発光素子20は、端面発光型の発光素子であるため、半導体発光素子20から射出される光は、当該光の光軸と直交する2つの方向で大きく異なる拡がり角を持つ。図示の例では、半導体発光素子20から射出される光(X軸方向に進行する光)は、Y軸方向の拡がり角よりもZ軸方向の拡がり角が大きい。すなわち、半導体発光素子20から射出される光の断面形状は、Z軸に沿った長軸を有する楕円状(または略楕円状)である。
上記では、InGaAlP系の発光素子について説明したが、半導体発光素子20としては、光導波路が形成可能なあらゆる材料系を用いることができる。例えば、AlGaN系、GaN系、InGaN系、GaAs系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系、ZnCdSe系などの半導体材料を用い
ることができる。
折り曲げ部30は、半導体発光素子20から射出された光を光源基板10の主面11aから離れる方向に折り曲げる。図示の例では、折り曲げ部30は、半導体発光素子20から射出された+X軸方向に進行する光を折り曲げて+Z軸方向に進行する光とする。
折り曲げ部30は、光学基板45に設けられている。折り曲げ部30は、例えば、図2および図3に示すようにプリズム状であり、半導体発光素子20から射出される光の光軸に垂直な入射面31と、半導体発光素子20から射出される光の光軸に対して45度傾いた反射面32と、を有している。
反射面32は、光源基板10の主面11aに対して45度傾いている。反射面32には、反射膜(図示せず)が設けられている。半導体発光素子20から射出された光は反射面32にて反射されて、光源基板10の主面11aから離れる方向に折り曲げられる。折り曲げ部30は、複数の半導体発光素子20に1対1に対応して複数設けられている。なお、半導体発光素子20から射出される光の光軸に対して入射面31を垂直に設置する必要はない。また、反射面32の光の光軸に対する傾きは45度に限定されず、主面11aの面内方向に進行する光を主面11aから離れる方向(+Z軸方向側)に折り曲げることができる傾きであればよい。
コリメート部40は、折り曲げ部30によって折り曲げられた光を平行化する。コリメート部40は、光学基板45に設けられている。コリメート部40は、図示の例では、レンズ(コリメートレンズ)で構成されている。コリメート部40では、折り曲げ部30から射出された光を平行化して、平行光(または略平行光)として射出する。また、コリメート部40は、例えば、光を平行化するとともに、光軸に直交する断面形状を円形状または楕円形状にする。コリメート部40は、複数の折り曲げ部30に1対1に対応して複数設けられている。
第1照明ユニット2aでは、折り曲げ部30と、コリメート部40を構成している光学素子(レンズ)と、が一体に構成されている。図示の例では、第1照明ユニット2aは、折り曲げ部30と、コリメート部40と、が一体に形成された光学基板45を有している。
光学基板45は、ガラスや石英等の無機材料、プラスチック等の樹脂材料からなる透明基板を母材にして形成されている。光学基板45は、支持部47を有しており、支持部47は光源基板10の主面11aと接着剤等により接合されている。光学基板45の、光源基板10の主面11aと対向する面側(−Z軸方向側)には、凹部46が設けられている。光源基板10と光学基板45とが接続された状態で、凹部46内に半導体発光素子20が収容される。すなわち、半導体発光素子20は、光源基板10と光学基板45とに囲まれた空間内に収容されている。
光学基板45では、凹部46の底面を規定する面(−Z軸方向側の面)から半導体発光素子20側(−Z軸方向側)に張り出したプリズム形状の部分が、折り曲げ部30を構成している。図2に示すように、Y軸に沿って配列されている複数(4個)の半導体発光素子20に対応する複数(4個)の折り曲げ部30は連続している。
光学基板45の、凹部46の底面を規定する面とは反対側の面(+Z軸方向側の面)には、コリメート部40を構成しているレンズ面41が設けられている。レンズ面41は、1つの半導体発光素子20に対して、1つ設けられている。レンズ面41は、複数行複数列(アレイ状)に配置された半導体発光素子20に対応して、複数行複数列(アレイ状)
に配置されている。なお、ここでは、光学基板45のレンズ面41がコリメート部40を構成している例について説明したが、光学基板45のレンズ面41を集光レンズとし、コリメート部40を構成する光学素子を光学基板45とは別部材として設けてもよい。
光源基板10、複数の半導体発光素子20、および光学基板45の各々には、位置合わせ用のマーク(図示せず)が形成されており、これらの位置合わせ用のマークを用いて、複数の半導体発光素子20と光学基板45との相対的な位置を合わせることができる。これにより、半導体発光素子20から射出された光を、折り曲げ部30およびコリメート部40の所定の位置に正確に入射させることができる。
半導体発光素子20から射出された光は、折り曲げ部30の入射面31から入射し、反射面32で反射されて、光源基板10の主面11aから離れる方向に折り曲げられる。そして、反射面32で反射された光は、コリメート部40(レンズ面41)で平行化されて射出される。このようにしてコリメート部40から射出された光Lは、平行光(または略平行光)になるとともに、光軸に直交する断面形状が円形状または楕円形状になる。
図5(A)は、複数のコリメート部40から射出された光束P1を模式的に示す図である。なお、図5(A)および後述する図5(B)は、光源光軸Aと直交する断面を図示している。ここで、光源光軸Aとは、第1の光束Paの光軸である。光源光軸Aは、光束P1の光軸と一致している。
図5(A)に示すように、各コリメート部40から射出された光Lで構成された光束P1は、光源光軸Aに直交する平面内において、光Lが複数行複数列(アレイ状)に配置されている。すなわち、光束P1は、複数行複数列に配置された光Lで構成されている。図示の例では、光束P1は、4行2列に配置された半導体発光素子20の配置に対応して、4行2列に配置された光Lで構成されている。なお、複数の半導体発光素子20の各々の仕様を揃えることで、光Lの径や強度がそろった光束P1を得ることができる。
光学部50は、複数のコリメート部40で平行化された光Lの光軸間の距離を短くする。図6(A)は、光学部50を模式的に示す平面図(Z軸方向から見た図)である。図6(B)は、光学部50をY軸方向から見た模式図であり、図6(C)は、光学部50をX軸方向から見た模式図である。
光学部50は、透光性材料からなる光学素子であり、図示の例ではプリズムアレイによって構成されている。光学部50は、光Lが入射する一方側(−Z軸方向側)に形成された複数の入射端面52と、光Lが射出する他方側(+Z軸方向側)に形成された複数の射出端面54と、を有している。
光学部50では、一対の入射端面52と射出端面54の素子上の位置における傾斜の度合い(傾斜角度)、入射端面52と射出端面54との間の距離、透光性材料の屈折率等を制御因子として、複数のコリメート部40から射出される光の各々の位置を調整して射出することができる。
図示の例では、入射端面52は、位置に応じて所定の傾斜角(入射する光の光軸に対する角度)で形成されている。具体的には、入射端面52は、例えば光源光軸Aとの距離が大きい入射端面ほど傾斜角が大きくなる。
射出端面54は、対応する入射端面52と同じ傾斜角を有している。すなわち、対応関係にある入射端面52と射出端面54とは平行である。射出端面54と光源光軸Aとの間の距離は、対応する入射端面52と光源光軸Aとの間の距離よりも短い。
光学部50では、ある入射端面52(例えば入射端面52a)に入射した光は、対応する射出端面54(例えば射出端面54a)から射出される。ここで、対応関係にある一対の入射端面52と射出端面54とは平行であるため、光学部50に入射した光は、角度分布を維持しながら、位置のみを変化させる。すなわち、光学部50は、入射した光を平行シフトさせる。また、上述したように、射出端面54と光源光軸Aとの間の距離は、対応する入射端面52と光源光軸Aとの間の距離よりも短いため、ある射出端面54(例えば射出端面54a)から射出された光の光軸と光源光軸Aとの間の距離を、対応する入射端面52(例えば入射端面52a)に入射した光の光軸と光源光軸Aとの間の距離よりも短くすることができる。すなわち、光学部50は、入射した光の光軸の位置を光源光軸A側に平行シフトさせることができる。
例えば、光源光軸Aに対して+Y軸方向側であって、かつ、+X軸方向側に位置している入射端面52aに入射した光は、図6(B)に示すように、XZ平面内において、入射端面52aで−X軸方向に屈折して対応する射出端面54aに至り、射出端面54aで+X軸方向に屈折して射出される。また、入射端面52aに入射した光は、図6(C)に示すように、YZ平面内において、入射端面52aで−Y軸方向に屈折して対応する射出端面54aに至り、射出端面54aで+Y軸方向に屈折して射出される。このとき、入射端面52aと射出端面54aとは平行であるため、光学部50に入射した光は、平行性を維持しながら、光の光軸の位置を光源光軸A側に平行シフトする。
第1照明ユニット2aでは、複数のコリメート部40から射出された、互いに平行な光Lの各々が光学部50の各入射端面52に入射し、光学部50にて平行シフトされて射出される。すなわち、光学部50の各射出端面54から射出された光Lの各々は、互いに平行である。そのため、2次元アレイ状の光は光学部50を経ることによって、各々の光の平行性を保ちつつ、隣接する光の間隔を狭くすることができる。すなわち、エテンデューを小さくして、後段の光学系において光の利用効率を高めることができる。
図5(B)は、第1の光束Pa(光学部50から射出された光)を模式的に示す図である。なお、図5(B)では、光学部50に入射する光束P1を構成する光Lを波線の円で示し、光学部50から射出された第1の光束Paを構成する光Lを実線の円で示している。
図5(B)に示すように、第1の光束Paは、光源光軸Aに直交する平面内において、複数行複数列(図示の例では4行2列)に配置された光Lで構成されている。すなわち、第1の光束Paは、2次元アレイ状に配置された光Lで構成されている。図示の例では、第1の光束Paでは、光源光軸Aと直交する平面内において、光LがX軸方向に光径Wの2倍のピッチで配置され、Y軸方向に光径Wと同じピッチで配置されている。隣り合う第1の光束Paを構成する光Lの列間の距離は、光径Wと同じ(または略同じ)である。なお、光径Wは、例えば、光Lの光強度がピーク強度値の約13.5%(1/e2)となるところの幅(直径)とする。
第1の光束Paは、上述したように光学部50によって、光束P1を構成する光Lの光軸を光源光軸A側に平行シフトさせて光Lの光軸間の距離を短くすることにより得られる。図示の例では、光束P1では、光源光軸Aと直交する断面において、光LがX軸方向には光径(光Lの直径)Wの4倍のピッチで配置され、Y軸方向には光径Wの1.5倍のピッチで配置されている。光学部50では、光束P1を構成する光Lの光軸間の距離を、X軸方向に光径Wの2倍分だけ短くし、Y軸方向に光径Wの0.5倍分だけ短くする。これにより、第1の光束Paが得られる。
次に、第2照明ユニット2bについて説明する。第2照明ユニット2bの構成は、上述した第1照明ユニット2aと同様であり、その詳細な説明を省略する。
第2照明ユニット2bは、第2照明ユニット2bから射出される第2の光束Pbの光軸が、第1照明ユニット2aから射出される第1の光束Paの光軸と交差するように配置される。図示の例では、第1照明ユニット2aが光源基板10の主面11a(図3参照)が+Z軸方向を向くように配置され、第1の光束Paを+Z軸方向に射出するのに対して、第2照明ユニット2bは、光源基板10の主面11aが+X軸方向を向くように配置され、第2の光束Pbを+X軸方向に射出する。
(2)光合成部
次に、光合成部4について説明する。
光合成部4は、第1照明ユニット2aから射出される第1の光束Paと、第2照明ユニット2bから射出される第2の光束Pbと、を合成する。光合成部4は、第1の光束Paを構成する光Lの列と、第2の光束Pbを構成する光Lの列と、を交互に配置して、第1の光束Paと第2の光束Pbとを合成する。第1の光束Paおよび第2の光束Pbは、光合成部4にて空間的に光束が合成され、合成光束(合成照明光束)として射出される。
図7(A)は、光合成部4を模式的に示す斜視図である。図7(B)は、光合成部4を構成している第1プリズム4aを模式的に示す斜視図であり、図7(C)は、光合成部4を構成している第2プリズム4bを模式的に示す斜視図である。なお、以下の説明では、第1の光束Pa及び第2の光束Pbを構成する各光Lの光径Wは等しいと仮定する。
光合成部4は、図7(A)に示すように、透光性材料からなる2つのプリズム4a,4bを斜面が相対(対向)するように接着した光学素子である。プリズム4a,4bは、例えば、直角二等辺三角形を底面とする三角柱状の直角プリズムである。第1プリズム4aの斜面(第2面)402aと、第2プリズム4bの斜面(第3面)402bとの間(界面)には、第1の光束Paを構成する光Lの列を通過させる光通過部410と、第2の光束Pbを構成する光Lの列を反射させる光反射部420と、が設けられている。光通過部410および光反射部420は、複数設けられている。光通過部410と光反射部420とは、プリズム4a,4bの界面の面内方向に、交互に設けられている。図示の例では、光通過部410と光反射部420とは、α軸(Y軸に直交し、かつ、X軸およびZ軸に対して45度傾いた軸)方向に交互に設けられている。
第1プリズム4aは、図7(B)に示すように、斜面(二等辺三角形の底辺と接続している側面)402aと、2つの側面404a,406aと、を有している。第1プリズム4aの斜面402aには、複数の光反射部420が設けられている。光反射部420としては、半導体発光素子20から射出される光を効率よく反射させる誘電体多層膜等の反射膜が好適である。
光反射部420の幅(α軸方向の大きさ)WRは、光径Wと同じ(または光径W以上)である。光反射部420の長さ(Y軸方向の長さ)は、第2の光束Pbを構成する光Lの列の長さ(第2の光束PbのY軸方向の長さ)以上である。光反射部420は、第2の光束Pbを構成する光Lの列のピッチと同じピッチで配置されている。図示の例では、光反射部420は、光径Wの2倍のピッチで配置されている。すなわち、光反射部420間の距離は、光径Wと同じ(または光径W以上)である。第1プリズム4aの斜面402aにおいて光反射部420が存在しない領域は、光通過部410となる。すなわち、光通過部410の幅(α軸方向の大きさ)WTは、光径Wと同じ(または光径W以上)である。すなわち、第1プリズム4aの斜面402aには、互いに同じ幅の光通過部410と光反射
部420とが交互に配置されている。なお、上記では光通過部410の幅WTと光反射部420の幅WRを等しく設定する場合を説明したが、これに限定されない。すなわち、後述するように、光合成部4から射出される合成光束Pa+bを構成する光Lが互いに重ならないように密接した状態で配置される様に、第1の光束Pa及び第2の光束Pbを構成する各光Lの光径Wに対応させて、光通過部410及び光反射部420の幅とそれらの配置間隔とを設定することが望ましい。
第1プリズム4aの側面404aは、第1の光束Paが入射する入射面となる。第1プリズム4aの斜面402aや側面404aには、反射防止膜が形成されていていることが好ましい。
第2プリズム4bは、図7(C)に示すように、斜面402bと、2つの側面404b、406bと、を有している。第2プリズム4bは、例えば、第1プリズム4aと同じ形状、同じ大きさを有している。第2プリズム4bの側面406bは、第2の光束Pbが入射する入射面となる。また、第2プリズム4bの側面404bは、光通過部410を通過した第1の光束Paおよび光反射部420で反射された第2の光束Pb(すなわち光合成部4で合成された光束)が射出される射出面となる。第2プリズム4bの斜面402bや側面404b,406bには、反射防止膜が形成されていていることが好ましい。
なお、ここでは、第1プリズム4aの斜面402aに光反射部420となる反射膜が設けられている例について説明したが、第2プリズム4bの斜面402bに光反射部420となる反射膜が設けられていてもよい。
光合成部4は、第1照明ユニット2aから射出された第1の光束Paと、第2照明ユニット2bから射出された第2の光束Pbとが、交わる位置(または略交わる位置)に配置されている。より具体的には、光合成部4は、第1プリズム4aと第2プリズム4bとの界面が第1の光束Paと第2の光束Pbとが交わる位置(または略交わる位置)に位置するように配置されている。また、第1プリズム4aと第2プリズム4bとの界面は、光束Pa,Pbの光軸に対して45度の角度をなすように配置される。
図7(A)に示すように、第1照明ユニット2aから射出された第1の光束Paは+Z軸方向に向かって進行し、第1プリズム4aの側面404aに入射する。そして、第1の光束Paは、第1の光束Paを構成する光Lの列ごとに光通過部410を通過して、第2プリズム4bの側面404bから+Z軸方向に射出される。
一方、第2照明ユニット2bから射出された第2の光束Pbは+X軸方向に向かって進行し、第2プリズム4bの側面406bに入射する。そして、第2の光束Pbは、第2の光束Pbを構成する光Lの列ごとに光反射部420で反射されて+Z軸方向に進行方向を変えて、第2プリズム4bの側面404bから+Z軸方向に射出される。すなわち、複数の光反射部420は、第2の光束Pbを第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させる。
このように光合成部4は、複数の光反射部420によって第2の光束Pbを第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させて、第1の光束Paと第2の光束Pbとを合成する。
図8は、光合成部4で合成された合成光束Pa+bを模式的に示す図である。なお、図8は、合成光束Pa+bの、合成光束Pa+bの光軸Oと直交する断面を図示している。
図8に示すように、合成光束Pa+bは、光軸Oと直交する平面内において、複数行複
数列(図示の例では4行4列)に配置された光Lで構成されている。すなわち、合成光束Pa+bは、2次元アレイ状に配置された光Lで構成されている。合成光束Pa+bは、第1の光束Paを構成する光Lの列と、第2の光束Pbを構成する光Lの列と、がX軸方向に交互に配置されて構成されている。すなわち、隣り合う第1の光束Paを構成する光Lの列間に、第2の光束Pbを構成する光Lの列が位置している。図8に示すように第1の光束Paの光軸Aと第2の光束Pbの光軸Bとを光Lの列と直交する方向(図示の例ではX軸方向)にずらすことで第1の光束Paの光Lの列と第2の光束Pbの光Lの列とを交互に配置することができる。隣り合う第1の光束Pa間の距離(ピッチ)は光径Wの2倍であり、隣り合う第1の光束Pa間の最短距離は光径Wと同じであるため、合成光束Pa+bを構成する光Lは、互いに重ならないように密接した状態で配置される。このように、光合成部4では、第1の光束Paおよび第2の光束Pbを合成して、光束Pa,Pbを構成する光Lの各々が互いに重畳することなく隙間無く隣接するような合成光束Pa+bを得ることができる。
照明装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
照明装置100では、第1照明ユニット2aおよび第2照明ユニット2bにおいて、光源基板10の面内方向に光を射出する複数の半導体発光素子20から射出された光の各々を、折り曲げ部30によって光源基板10の主面11aから離れる方向に折り曲げることができる。すなわち、照明装置100では、端面発光型の半導体発光素子20を用いることができる。したがって、照明装置100では、例えば面発光型の半導体発光素子を用いる場合と比べて、1つの半導体発光素子から得られる光出力を大きくすることができる。さらに、照明装置100では、端面発光型の半導体発光素子の高集積化が可能になる。このように、照明装置100では、1つの半導体発光素子から得られる光出力を大きくしつつ、高集積化が可能であるため、高出力化を図ることができる。
照明装置100では、第1照明ユニット2aおよび第2照明ユニット2bが平行化された光Lの光軸間の距離を短くする光学部50を有し、第1照明ユニット2aおよび第2照明ユニット2bから射出された光束Pa,Pbが光合成部4で合成されるため、例えば各照明ユニットが光学部を有さない場合と比べて、光合成部4で合成された合成光束Pa+bの径(発光面積)を小さくすることができる。したがって、照明装置100では、高出力化を図りつつ、エテンデューを小さくして光利用効率を高めることができる。
照明装置100では、第1の光束Paおよび第2の光束Pbは、光軸に直交する平面内において、複数行かつ複数列に配置された光Lで構成され、光合成部4は、第1の光束Paを構成する光Lの列と、第2の光束Pbを構成する光Lの列とを、交互に配置する。そのため、照明装置100では、光合成部4にて第1の光束Paと第2の光束Pbとを合成して、第1の光束Paを構成する光Lの列と第2の光束Pbを構成する光Lの列とが交互に配置された合成光束Pa+bを得ることができる。
照明装置100では、光合成部4は、第1プリズム4aの斜面402aと第2プリズム4bの斜面402bとの間には、第1の光束Paを構成する光Lの列を通過させる光通過部410と、第2の光束Pbを構成する光Lの列を、光通過部410を通過した第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させる光反射部420とがそれぞれ複数設けられ、光通過部410と光反射部420とは、交互に配置されている。そのため、光合成部4は、第1の光束Paを構成する光Lの列と第2の光束Pbを構成する光Lの列とが交互に配置された合成光束Pa+bを得ることができる。
照明装置100では、第1照明ユニット2aおよび第2照明ユニット2bは、折り曲げ部30と一体に構成されているコリメート部40を有している。そのため、照明装置10
0では、折り曲げ部30とコリメート部40とを独立した光学部品として設ける場合と比べて、部品点数を減らすことができる。したがって、部品間の位置合わせが容易であり、また製造コストを低減させることができる。
照明装置100では、折り曲げ部30はプリズムであり、折り曲げ部30と一体に構成されている光学素子はコリメート部40を構成しているレンズである。これにより、半導体発光素子20から射出された光は、プリズム30に入射しプリズム30の反射面32で反射された後、レンズで平行化されて射出される。すなわち、半導体発光素子20から射出された光は、プリズム30の内部に入射して反射面32にて反射されるため、空気中にて反射される場合よりも光の放射角(拡がり角)が小さい状態で反射される。そのため、プリズム30を小さくすることが可能となる。したがって、隣り合う半導体発光素子20の間隔を狭くすることが可能となり、光源基板10の主面11aの法線方向から見た、単位面積あたりの発光強度を高めることができる。
1.2. 照明装置の変形例
次に、第1実施形態に係る照明装置の変形例について説明する。以下、各変形例に係る照明装置において、上述した第1実施形態に係る照明装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
(1)第1変形例
まず、第1変形例に係る照明装置について図面を参照しながら説明する。図9は、第1変形例に係る照明装置200の構成を模式的に示す図である。図10(A)は、第1変形例に係る照明装置の光合成部4を模式的に示す斜視図であり、図10(B)は、光合成部4を構成している板状部材430を模式的に示す図10(A)のB−B線断面図である。
第1変形例に係る照明装置200では、光合成部4は、図10(A)および図10(B)に示すように、複数の光通過部(光透過領域)410を有する板状部材430と、板状部材430の主面432aに設けられた複数の光反射部420と、を有している。
板状部材430は、透光性の平板である。板状部材430の主面432a,432bには、反射防止膜(図示せず)が設けられていることが好ましい。板状部材430の主面432aには、複数の光反射部420(反射膜)が設けられている。板状部材430において、板状部材430の主面432aの垂線方向から見て、光反射部420と重ならない領域が第1の光束Paを構成する光Lの列を透過させる光透過領域(光通過部410)となる。光通過部410と光反射部420とは、主面432aの面内方向に(図示の例ではα軸方向に)交互に配置されている。光合成部4は、板状部材430の主面432aが光束Pa,Pbが交わる位置(または略交わる位置)に配置されている。板状部材430の主面432aは、光束Pa,Pbの光軸に対して45度の角度をなすように配置されている。
板状部材430として用いられる平板は、可能な限り薄い平板を用いることが好ましい。板状部材430の主面432a,432bは、第1照明ユニット2aから射出されて+Z軸方向に向けて射出される第1の光束Paの光軸に対して45度傾いた方向に配置されている。すなわち、板状部材430の主面432a,432bと第1の光束Paの光軸とがなす角度が45度である。そのため、第1の光束Paが板状部材430を透過する際に平行シフトする。この平行シフトが生じると板状部材430から射出される合成光束Pa+bを構成する光Lの位置がずれて強度ムラや光利用効率が低下してしまう場合がある。したがって、この平行シフト量を小さくするために板状部材430として用いられる平板は薄いものが好ましい。また、平行シフト量をあらかじめ考慮し、光合成部4に入射させる第1の光束Paの位置を平行シフトの方向とは逆方向にシフトさせておくことが好まし
い。
図10(A)に示すように、第1照明ユニット2aから射出された第1の光束Paは+Z軸方向に向かって進行し、板状部材430の主面432bに対して45度傾いた角度から入射する。そして、第1の光束Paは、光Lの列ごとに光通過部410を通過(透過)して、板状部材430の主面432aから+Z軸方向に射出される。
一方、第2照明ユニット2bから射出された第2の光束Pbは+X軸方向に向かって進行し、板状部材430の光反射部420に対して45度傾いた方向から入射する。そして、第2の光束Pbは、光Lの列ごとに光反射部420で反射されて+Z軸方向に進行方向を変える。すなわち、複数の光反射部420は、第2の光束Pbを第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させる。
このように光合成部4は、複数の光反射部420によって第2の光束Pbを第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させて、第1の光束Paと第2の光束Pbとを合成する。
第1変形例に係る照明装置200では、光合成部4は、第1の光束Paを構成する光Lの列を透過させる光通過部(光透過領域)410を複数有する透光性の板状部材430を有し、第2の光束Pbを構成する光Lの列を、光通過部(光透過領域)410を透過した第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させる光反射部420が板状部材430に複数設けられ、光通過部(光透過領域)410と光反射部420とは、交互に配置されている。そのため、光合成部4は、第1の光束Paを構成する光Lの列と第2の光束Pbを構成する光Lの列とが交互に配置された合成光束Pa+bを得ることができる。
(2)第2変形例
次に、第2変形例に係る照明装置について図面を参照しながら説明する。図11(A)は、第2変形例に係る照明装置の光合成部4を模式的に示す斜視図であり、図11(B)は、光合成部4を構成している板状部材430を模式的に示す図11(A)のB−B線断面図である。なお、本変形例に係る照明装置の構成は、図9に示す照明装置200の構成と同様であり図示を省略する。
第2変形例に係る照明装置では、光合成部4は、図11(A)および図11(B)に示すように、複数の光通過部410を有する板状部材430と、板状部材430に設けられた複数の光反射部420と、を有しており、光通過部410は板状部材430に設けられた開口部440である。
板状部材430は、平板である。なお、板状部材430は透光性を有していなくてもよい。板状部材430の全面には、光反射部420を構成する反射膜422が形成されている。板状部材430には、主面432a,432b間を貫通する開口部440が設けられている。開口部440は、複数(図示の例では2個)設けられている。板状部材430において、開口部440が設けられていない領域が光反射部420となる。開口部440と光反射部420とは、板状部材430の主面432aの面内方向(図示の例ではα軸方向)に交互に配置されている。本変形例に係る光合成部4の配置は、上述した第1変形例に係る光合成部4の配置と同様である。
板状部材430として用いられる平板は、可能な限り薄い平板を用いることが好ましい。板状部材430の主面432a,432bは、第1照明ユニット2aから射出されて+Z軸方向に向けて射出される第1の光束Paの光軸に対して45度傾いた方向に配置されている。そのため、開口部440の実効的な開口幅(X軸方向の開口部の大きさ)が狭く
なり、平板が厚い場合、開口部440のエッジ部分で光損失を生じるおそれがあるためである。
図11(A)に示すように、第1照明ユニット2aから射出された第1の光束Paは+Z軸方向に向かって進行し、板状部材430の主面432bに対して45度傾いた角度から開口部440(光通過部410)に入射する。そして、第1の光束Paは、光Lの列ごとに開口部440(光通過部410)を通過して+Z軸方向に進行する。
一方、第2照明ユニット2bから射出された第2の光束Pbは+X軸方向に向かって進行し、板状部材430の光反射部420に対して45度傾いた方向から入射する。そして、第2の光束Pbは、光Lの列ごとに光反射部420で反射されて+Z軸方向に進行方向を変える。すなわち、複数の光反射部420は、第2の光束Pbを第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させる。
このように光合成部4は、複数の光反射部420によって第2の光束Pbを第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させて、第1の光束Paと第2の光束Pbとを合成する。
第2変形例に係る照明装置では、光合成部4は、第1の光束Paを構成する光Lの列を通過させる開口部440を複数有する板状部材430を有し、第2の光束Pbを構成する光Lの列を、開口部440を通過した第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させる光反射部420が板状部材430に複数設けられ、開口部440と光反射部420とは、交互に配置されている。そのため、光合成部4は、第1の光束Paを構成する光Lの列と第2の光束Pbを構成する光Lの列とが交互に配置された合成光束Pa+bを得ることができる。
(3)第3変形例
次に、第3変形例に係る照明装置について図面を参照しながら説明する。図12は、第3変形例に係る照明装置300の構成を模式的に示す図である。図13(A)は、光学部50を模式的に示す平面図(Z軸方向から見た図)である。図13(B)は、光学部50をY軸方向から見た模式図であり、図13(C)は、光学部50をX軸方向から見た模式図である。
上述した照明装置100の例では、図1および図6に示すように、光学部50は、複数のコリメート部40によって平行化された光Lの各々を平行シフトさせて、各光L間の距離を短くした。これに対して、照明装置300では、図12および図13に示すように、光学部50は、複数のコリメート部40によって平行化された光Lの各々を光源光軸Aに向けて内向させて、各光L間の距離を短くする。
光学部50は、例えば、光束P1(図5(A)参照)を構成する光Lの各々を、光Lの光軸が光源光軸A上の1点(所定の位置)で交わるように屈折させて、各光L間の距離を短くする。すなわち、光学部50は、光束P1を集光して、光束P1を構成する各光Lの光軸間の距離を短くする。光学部50は、例えば、第1の光束Paが光合成部4上(第1プリズム4aと第2プリズム4bとの界面)において、図5(B)に示す配置となるように構成されている。
光学部50は、対応する入射端面52と射出端面54とが異なる傾斜角を有している点で、図6に示す照明装置100の光学部50と異なっている。例えば、射出端面54の傾斜角は、射出される光Lが光源光軸Aの所定の位置に向かって進行するような角度に設定されている。図示の例では、各射出端面54と光源光軸Aとがなす角度は、90度である
。
例えば、入射端面52aに入射した光は、図13(B)に示すように、XZ平面内において、入射端面52aと射出端面54aとで屈折して、光源光軸Aに対して非平行な(所定の角度をなす)状態で射出される。また、入射端面52aに入射した光は、図13(C)に示すように、YZ平面内において、入射端面52aと射出端面54aとで屈折して、光源光軸Aに対して非平行な(所定の角度をなす)状態で射出される。このように、光学部50は、各光Lの光軸の位置を光源光軸A側に内向シフトさせ、各光L間の距離を短くする。
照明装置300では、光学部50が複数のコリメート部40によって平行化された光Lを光源光軸Aに向けて内向させて各光L間の距離を短くするため、光学部50から射出された光束Pa,Pbを構成する光Lの各々が互いに異なる様々な角度分布を持つ。したがって、後段の光学系において強度分布の均一化が容易になる。
(4)第4変形例
次に、第4変形例に係る照明装置について図面を参照しながら説明する。図14は、第4変形例に係る照明装置の第1照明ユニット2aを模式的に示す平面図である。図15は、第4変形例に係る照明装置の第1照明ユニット2aを模式的に示す図14のXV−XV線断面図である。なお、図14および図15では、便宜上、光学部50の図示を省略している。また、本変形例に係る照明装置の構成は、図1に示す照明装置100の構成と同様であり図示を省略する。
上述した照明装置100の照明ユニット2a,2bでは、図2および図3に示すように、折り曲げ部30と、コリメート部40を構成している光学素子(レンズ)と、が一体に構成されていた。これに対して、本変形例に係る照明装置の照明ユニット2a,2bは、図14および図15に示すように、折り曲げ部30と、コリメート部40と、が独立している。
折り曲げ部30は、半導体発光素子20から射出される光の光軸に対して45度傾いた反射面32を有している。図示の例では、半導体発光素子20から射出された光は、+X軸方向に進行し、反射面32で反射されて+Z軸方向に向けて反射される。折り曲げ部30は、光源基板10の主面11aに配置されている。折り曲げ部30は、光学基板45とは独立して設けられている。
なお、折り曲げ部30の反射面32は、図示はしないが、湾曲した凹面であってもよい。反射面32を凹面とすることにより、半導体発光素子20から射出された光を集光することができる。反射面32は、放物面であってもよい。また、反射面32は、半導体発光素子20から射出された光の強度分布を反射前後で変化させるような湾曲面であってもよい。例えば、上述したように半導体発光素子20から射出される光の断面形状は楕円状であるため、反射面32にて反射された後の光の断面形状を円状になるように湾曲面の曲率が調整されていてもよい。
コリメート部40は、光学基板45に設けられている。なお、ここでは、コリメート部40が光学基板45に設けられたレンズ面41で構成されているが、コリメート部40の構成はこの例に限定されない。
例えば、コリメート部40は、複数のレンズ(屈折面)で構成されていてもよい。上述したように半導体発光素子20から射出される光は、光軸と直交する2方向で射出角(拡がり角)が大きく異なるため、コリメート部40としては、2つの屈折面を光軸上の離れ
た位置に配置されたレンズが好適である。例えば、図16および図17に示すように、コリメート部40は、互いに直交する方向に屈折力を有するシリンドリカルレンズ40a,40bを光軸上の離れた位置に配置することによって互いに直交する方向で射出角が異なる光を平行化してもよい。図示の例では、光学基板45の−Z軸方向側の主面にX軸方向に屈折力を有するシリンドリカルレンズ40aを設け、光学基板45の+Z軸方向側の主面にY軸方向に屈折力を有するシリンドリカルレンズ40bを設けている。また、図示の例では、Y軸方向に並ぶ4つの半導体発光素子20からなる列ごとに、Y軸方向に長手方向を持つシリンドリカルレンズ40aを配置し、X軸方向に並ぶ2つの半導体発光素子20からなる列ごとに、X軸方向に長手方向を持つシリンドリカルレンズ40bを配置して、コリメートレンズアレイを構成している。
なお、ここでは、コリメート部40がレンズを用いて光を平行化する例について説明したが、コリメート部40は、図示はしないが、回折光学素子(DOE素子)等の光学素子を用いて光を平行化してもよい。
2. 第2実施形態
2.1. 照明装置
次に、第2実施形態に係る照明装置について図面を参照しながら説明する。図18は、第2実施形態に係る照明装置400を模式的に示す図である。以下、第2実施形態に係る照明装置において、上述した第1実施形態に係る照明装置の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
照明装置400は、図18に示すように、第1照明ユニット2aおよび第2照明ユニット2bに加えて、第3照明ユニット2cを含んで構成されている点で図1に示す照明装置100と異なっている。第3照明ユニット2cの構成は、上述した図2〜図4に示す第1照明ユニット2aの構成と同様である。なお、以下の説明では、第1の光束Pa乃至第3の光束Pcを構成する各光Lの光径Wは等しいと仮定する。
第3照明ユニット2cは、第3照明ユニット2cから射出される第3の光束Pcの光軸が、第1照明ユニット2aから射出される第1の光束Paの光軸と交差するように配置される。図示の例では、第3照明ユニット2cは、光源基板10の主面11a(図3参照)が−X軸方向を向くように配置され、第3の光束Pcを−X軸方向に射出する。
図19は、第1照明ユニット2aから射出される第1の光束Paを模式的に示す図である。
図19に示すように、第1の光束Paでは、光源光軸Aと直交する断面において、光LがX軸方向には光径Wの3倍のピッチで配置され、Y軸方向には光径Wと同じピッチで配置されている。すなわち、隣り合う第1の光束Paを構成する光Lの列間の最短距離は、光径Wの2倍である。このように第1の光束PaのX軸方向の配列ピッチは、照明ユニットの数をnとすると、n×Wとなる。
第2照明ユニット2bから射出される第2の光束Pbおよび第3照明ユニット2cから射出される第3の光束Pcも同様に、図19に示す第1の光束Paと同様に配置された光Lで構成される。
図20(A)は、第2実施形態に係る照明装置400の光合成部4を模式的に示す斜視図である。図20(B)は、第2実施形態に係る照明装置400の光合成部4の界面450を模式的に示す平面図であり、図20(C)は、光合成部4の界面452を模式的に示す平面図である。なお、図20(B)は、界面450を、界面450の垂線方向から見た
図であり、図20(C)は、界面452を、界面452の垂線方向から見た図である。
光合成部4は、第1照明ユニット2aから射出される第1の光束Paと、第2照明ユニット2bから射出される第2の光束Pbと、第3照明ユニット2cから射出される第3の光束Pcと、を合成する。光合成部4は、第1の光束Paを構成する光Lの列と、第2の光束Pbを構成する光Lの列と、第3の光束Pcを構成する光Lの列と、を交互に配置して、第1の光束Paと第2の光束Pbと第3の光束Pcとを合成する。第1の光束Pa、第2の光束Pb、および第3の光束Pcは、光合成部4にて空間的に光束が合成され、合成光束として射出される。
光合成部4は、図20(A)に示すように、2つの界面450,452を有している。第1界面450と第2界面452とは直交している。光合成部4は、透光性材料からなる4つのプリズム(直角プリズム)4a,4b,4c,4dによって構成されており、これらのプリズム4a,4b,4c,4dを接着することで、2つの界面450,452が形成される。具体的には、第1プリズム4aと第2プリズム4bとを組み合わせて構成される直角プリズムの斜面と、第3プリズム4cと第4プリズム4dとを組み合わせて構成される直角プリズムの斜面と、の間(境界)が界面450となる。また、第1プリズム4aと第4プリズム4dとを組み合わせて構成される直角プリズムの斜面と、第2プリズム4bと第3プリズム4cとを組み合わせて構成される直角プリズムの斜面と、の間(境界)が界面452となる。
界面450には、第1の光束Paを構成する光Lの列を通過させる複数の光通過部410と、第2の光束Pbを構成する光Lの列を反射させる複数の光反射部420aと、が設けられている。光反射部420aは、光径Wの3倍のピッチで配置されている。すなわち、隣接する光反射部420a間の最短距離は、光径Wの2倍である。光通過部410と光反射部420aとは、α軸方向に交互に設けられている。なお、光通過部410と光反射部420aとの間には、第3の光束Pcを構成する光Lの列を通過させる光通過部が設けられていてもよい。
界面452には、第1の光束Paを構成する光Lの列を通過させる複数の光通過部410と、第3の光束Pcを構成する光Lの列を反射させる複数の光反射部420bと、が設けられている。光反射部420bは、光径Wの3倍のピッチで配置されている。光通過部410と光反射部420bとは、α軸と直交する方向に交互に設けられている。なお、光通過部410と光反射部420との間には、第2の光束Pbを構成する光Lの列を通過させる光通過部が設けられていてもよい。
光合成部4は、界面450が光束Pa,Pbが交わる位置(または略交わる位置)に位置し、かつ、界面452が光束Pa,Pcが交わる位置(または略交わる位置)に位置するように配置されている。界面450は、光束Pa,Pbの光軸に対して45度の角度をなし、界面452は、光束Pa,Pcに対して45度の角度をなすように配置されている。
図20(A)に示すように、第1照明ユニット2aから射出された第1の光束Paは+Z軸方向に向かって進行し、第2プリズム4bの側面に入射する。第1の光束Paを構成する光Lの列ごとに界面450,452に設けられた光通過部410を通過して、第4プリズム4dの側面から+Z軸方向に射出される。
また、第2照明ユニット2bから射出された第2の光束Pbは+X軸方向に向かって進行し、第3プリズム4cの側面に入射する。そして、第2の光束Pbは、第2の光束Pbを構成する光Lの列ごとに界面450に設けられた光反射部420aで反射されて+Z軸
方向に進行方向を変えて、第4プリズム4dの側面から+Z軸方向に射出される。
また、第3照明ユニット2cから射出された第3の光束Pcは−X軸方向に向かって進行し、第1プリズム4aの側面に入射する。そして、第3の光束Pcは、第3の光束Pcを構成する光Lの列ごとに界面452に設けられた光反射部420bで反射されて+Z軸方向に進行方向を変えて、第4プリズム4dの側面から+Z軸方向に射出される。
このように光合成部4は、複数の光反射部420a,420bによって第2の光束Pbおよび第3の光束Pcを第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させて、第1〜第3の光束Pa,Pb,Pcを合成する。
図21は、光合成部4で合成された合成光束Pa+b+cを模式的に示す図である。なお、図21は、合成光束Pa+b+cの、合成光束Pa+b+cの光軸Oと直交する断面を図示している。
図21に示すように合成光束Pa+b+cは、光軸Oと直交する平面内において、複数行複数列(図示の例では4行6列)に配置された光Lで構成されている。合成光束Pa+b+cは、第1の光束Paを構成する光Lの列と、第2の光束Pbを構成する光Lの列と、第3の光束Pcを構成する光Lの列と、がX軸方向に交互に配置されて構成されている。図21に示すように、第1の光束Paの光軸Aと第2の光束Pbの光軸Bと第3の光束Pcの光軸Cとを光Lの列と直交する方向(図示の例ではX軸方向)にずらすことで第1の光束Paの光Lの列と第2の光束Pbの光Lの列と第3の光束Pcの光Lの列とを交互に配置することができる。第1の光束Paを構成する光Lの列は、光径Wの3倍のピッチで配置されており、同様に第2の光束Pbを構成する光Lの列および第3の光束Pcを構成する光Lの列も光径Wの3倍のピッチで配置されているため、合成光束Pa+b+cを構成する光Lは、密接した状態で配置される。このように、光合成部4では、光束Pa,Pb,Pcを合成して、光束Pa,Pb,Pcを構成する光Lの各々が互いに重畳することなく隙間無く隣接するような合成光束Pa+b+cを得ることができる。
照明装置400は、例えば、以下の特徴を有する。
照明装置400では、上述した照明装置100と同様に、光学部50が複数のコリメート部40によって平行化された光の光軸間の距離を短くするため、エテンデューを小さくすることができ、光利用効率を高めることができる。また、照明装置400では、第1〜第3の光束Pa,Pb,Pcを射出する第1〜第3照明ユニット2a,2b,2cと、第1〜第3の光束Pa,Pb,Pcを合成する光合成部4と、を含むため、例えば照明装置100と比べて、高出力化を図ることができる。
照明装置400では、光合成部4は界面450と界面452とを有し、界面450には、第1の光束Paを構成する光Lの列を通過させる光通過部410と、第2の光束Pbを構成する光Lの列を、光通過部410を通過した第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させる光反射部420aと、がそれぞれ複数設けられ、界面452には、第1の光束Paを構成する光Lの列を通過させる光通過部410と、第3の光束Pcを構成する光Lの列を反射させる光反射部420bと、がそれぞれ複数設けられ、界面450において光通過部410と光反射部420aとは交互に配置されており、界面452において光通過部410と光反射部420bとは交互に配置されている。そのため、照明装置400では、光合成部4にて第1〜第3の光束Pa,Pb,Pcを合成して、第1の光束Paの光Lの列と第2の光束Pbの光Lの列と第3の光束Pcの光Lの列とが交互に配置された合成光束Pa+b+cを得ることができる。
2.2. 照明装置の変形例
次に、第2実施形態に係る照明装置の変形例について図面を参照しながら説明する。図22は、第2実施形態の変形例に係る照明装置500の構成を模式的に示す図である。図23(A)は、本変形例に係る照明装置の光合成部4を模式的に示す斜視図であり、図23(B)は、光合成部4を構成している第1板状部材460aの主面462aを模式的に示す平面図であり、図23(C)は、光合成部4を構成している第2板状部材460bの主面462bを模式的に示す平面図である。以下、本変形例に係る照明装置において、上述した第2実施形態に係る照明装置の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
本変形例に係る照明装置500では、光合成部4は、図22および図23に示すように、複数の光通過部(光透過領域)410を有する第1板状部材460aと、複数の光通過部(光透過領域)410を有する第2板状部材460bと、第1板状部材460aに設けられた複数の光反射部420aと、第2板状部材460bに設けられた複数の光反射部420bと、を有している。
板状部材460a,460bは、透光性の平板である。板状部材460a,460bの主面462a,462bの主面には、反射防止膜(図示せず)が設けられていることが好ましい。板状部材460a,460bとして用いられる平板は、可能な限り薄いことが好ましい。これにより、上述したように、板状部材460a,460bを透過する光の平行シフト量を小さくすることができる。
第1板状部材460aの主面462aには、複数の光反射部420a(反射膜)が設けられている。第1板状部材460aにおいて、主面462aの垂線方向から見て光反射部420aと重ならない領域が光通過部410となる。光通過部410と光反射部420aとは、α軸方向に交互に配置されている。
第2板状部材460bの主面462bには、複数の光反射部420bが設けられている。第2板状部材460bにおいて、主面462bの垂線方向から見て光反射部420bと重ならない領域が光通過部410となる。光通過部410と光反射部420bとは、α軸と直交する方向に交互に配置されている。
第2板状部材460bは、図示の例では、2つの部分に分かれており、2つの部分の間に第1板状部材460aが位置させることで、第1板状部材460aと第2板状部材460bとが直交するように配置されている。なお、図示はしないが、第1板状部材460aおよび第2板状部材460bにそれぞれ切欠きを設けて、その切欠き同士を嵌め合わせることで第1板状部材460aと第2板状部材460bとが直交するように配置してもよい。第1板状部材460aと第2板状部材460bとは、例えば、枠体(図示せず)によって支持されている。
第1板状部材460aは、主面462aが光束Pa,Pbが交わる位置(または略交わる位置)に配置されている。第1板状部材460aの主面462aは、光束Pa,Pbの光軸に対して45度の角度をなすように配置されている。第2板状部材460bは、主面462bが光束Pa,Pcが交わる位置(または略交わる位置)に配置されている。第2板状部材460bの主面462bは、光束Pa,Pcの光軸に対して45度の角度をなすように配置されている。
図23(A)に示すように、第1照明ユニット2aから射出された第1の光束Paは+Z軸方向に向かって進行し、第1板状部材460aおよび第2板状部材460bに対して45度傾いた角度から入射し、光Lの列ごとに板状部材460a,460bの光通過部4
10を通過(透過)して+Z軸方向に射出される。
また、第2照明ユニット2bから射出された第2の光束Pbは+X軸方向に向かって進行し、第1板状部材460aの光反射部420aに対して45度傾いた方向から入射し、光Lの列ごとに光反射部420aにて第1の光束Paと同じ方向(+Z軸方向)に向けて反射される。
また、第3照明ユニット2cから射出された第3の光束Pcは−X軸方向に向かって進行し、第2板状部材460bの光反射部420bに対して45度傾いた方向から入射し、光Lの列ごとに光反射部420bにて第1の光束Paと同じ方向(+Z軸方向)に向けて反射される。
このように光合成部4は、複数の光反射部420a,420bによって第2の光束Pbおよび第3の光束Pcを第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させて、第1〜第3の光束Pa,Pb,Pcを合成する。
本変形例に係る照明装置500では、光合成部4は、第1の光束Paを構成する光Lの列を透過させる光通過部(光透過領域)410を複数有する第1板状部材460aと、第1の光束Paを構成する光Lの列を透過させる光通過部(光透過領域)410を複数有する第2板状部材460bと、を有し、第2の光束Pbを構成する光Lの列を光通過部(光透過領域)410を透過した第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させる光反射部420aが第1板状部材460aに複数設けられ、第3の光束Pcを構成する光Lの列を光通過部(光透過領域)410を透過した第1の光束Paの進行方向と同じ方向に向けて反射させる光反射部420bが第2板状部材460bに複数設けられ、第1板状部材460aにおいて光通過部(光透過領域)410と光反射部420aとは交互に配置され、第2板状部材460bにおいて光通過部(光透過領域)410と光反射部420bとは交互に配置されている。そのため、光合成部4では、第1の光束Paの光Lの列と第2の光束Pbの光Lの列と第3の光束Pcの光Lの列とが交互に配置された合成光束Pa+b+cを得ることができる。
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。図24は、第3実施形態に係るプロジェクター600を模式的に示す図である。
プロジェクター600は、図24に示すように、赤色光、緑色光、青色光を射出する赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bを含む。赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bは、本発明に係る照明装置である。以下では、本発明に係る照明装置として照明装置100を用いた例について説明する。なお、便宜上、図24では、プロジェクター600を構成する筐体を省略し、照明装置100を簡略化して図示している。
プロジェクター600は、さらに、均一化光学系602R,602G,602Bと、透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)604R,604G,604Bと、投射レンズ(投射装置)608と、を含む。
光源100R,100G,100Bから射出された光は、均一化光学系602R,602G,602Bに入射する。光源100R,100G,100Bから射出された光は、均一化光学系602R,602G,602Bによって光強度分布が均一化された光となる。均一化光学系602R,602G,602Bは、例えば、レンズアレイと、集光レンズと、平行化レンズと、を含んで構成されている。レンズアレイ、集光レンズ、平行化レンズ
とは、光源100R,100G,100Bから射出された光を均一化するインテグレーター光学系を構成している。
各均一化光学系602R,602G,602Bから射出された光は、各液晶ライトバルブ604R,604G,604Bに入射する。各液晶ライトバルブ604R,604G,604Bは、入射した光をそれぞれ画像情報に応じて変調する。
また、プロジェクター600は、液晶ライトバルブ604R,604G,604Bから射出された光を合成して投射レンズ608に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)606を、含むことができる。
各液晶ライトバルブ604R,604G,604Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム606に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射光学系である投射レンズ608によりスクリーン610上に投射され、液晶ライトバルブ604R,604G,604Bによって形成された像(画像)が拡大されて表示される。
プロジェクター600では、高光出力であり、かつ、光の利用効率を高めることができる照明装置を備えているため、効率よく高い投射輝度を実現することができる。
なお、上述の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外の透過型のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
また、照明装置100を、光源からの光を走査することにより、スクリーン上に所望の大きさの画像を表示させる、走査型の画像表示装置(プロジェクター)の光源にも適用することが可能である。
また、照明装置100を、液晶ディスプレイのバックライトに適用することもできる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した各実施形態では、半導体発光素子20は半導体レーザーであったが、図25および図26に示すように、半導体発光素子20はスーパールミネッセントダイオード(SLD)であってもよい。SLDは半導体レーザーと類似の素子構造を備えているが、共振器構造を備えないことによりレーザー発振を抑制した発光素子である。SLDは、半導体レーザーに比べてスペックルノイズを低減した光を射出することができ、かつLEDに比べて高出力化を図ることができるので、例えば、光源装置をプロジェクター等の光源に用いる場合に好適である。
半導体発光素子20では、レーザー発振を抑制するために、光導波路22はZ軸方向(活性層106と第1クラッド層104との積層方向)からみて、光射出面の垂線に対して傾いて設けられている。例えば、光導波路22は、光射出面の垂線に対して、0.5度〜10度程度の角度をなすように傾いて設けられている。また、半導体発光素子20は、Z
軸方向から見て、光導波路22の両側から光Lが射出される。図示の例では、半導体発光素子20は、+X軸方向および−X軸方向にそれぞれ光Lを射出する。
折り曲げ部30は、半導体発光素子20の2つの光射出面に対応して、半導体発光素子20の+X軸方向側および−X軸方向側にそれぞれ設けられている。同様に、コリメート部40は、半導体発光素子20の2つの光射出面に対応して、半導体発光素子20の+X軸方向側および−X軸方向側にそれぞれ設けられている。光学部50は、例えば、複数のコリメート部40から射出された光を、例えば図5(B)に示す例と同様に、光源光軸Aと直交する平面内において、光LがX軸方向に光径Wの2倍のピッチで配置され、Y軸方向に光径Wと同じピッチで配置されるように平行シフトさせて第1の光束Paとする。このとき、第1の光束Paは、図25に示す4行2列に配置された8つの半導体発光素子20の2つの光射出端面に対応して4行4列に配置された16個の光Lで構成される。
このような照明装置では、半導体発光素子20がSLDであるため、上述したように、上述したように半導体レーザーに比べてスペックルノイズを低減することができ、かつLEDに比べて高出力化を図ることができる。
なお、上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。