JP6531380B2 - 熱交換器 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器、特に、複数の扁平多穴管が冷媒ヘッダに連結される構造を持つ熱交換器に関する。
従来から、多数の穴が開いた扁平管である扁平多穴管を用いた熱交換器が存在している。例えば、特許文献1(特開2014−142165号公報)の図4に開示されている熱交換器は、積層型の熱交換器であって、水平に延びる冷媒ヘッダから扁平多穴管が水平に延び、扁平多穴管を流れる冷媒と扁平管を流れる水との間で熱交換を行わせている。
しかし、冷媒ヘッダが水平方向に沿って配置され、扁平多穴管の複数の穴が鉛直方向に沿って並ぶ構造の熱交換器においては、冷媒を蒸発させることによって熱交換の対象を冷却する使い方をする場合、冷媒ヘッダの内部空間に入った気液二相状態の冷媒が偏流し、液相と気相とが偏った状態で扁平多穴管の各穴に流れ込むことが多くなる。このような、冷媒ヘッダ内での冷媒の偏流が生じると、熱交換器の性能が低下する。
本発明の課題は、水平方向に沿って延びる冷媒ヘッダおよび鉛直方向に沿って並ぶ複数の穴を有する扁平多穴管を備えた熱交換器において、冷媒の偏流を抑制することにある。
本発明の第1観点に係る熱交換器は、冷媒ヘッダと、複数の扁平多穴管とを備えている。冷媒ヘッダには、冷媒入口が形成されている。扁平多穴管は、冷媒ヘッダのヘッダ長手方向と交差する方向に延びている。扁平多穴管には、ヘッダから冷媒が流れ込む。冷媒ヘッダの内部空間は、ヘッダ長手方向に延びる仕切り板によって、冷媒入口の側の第1室と、第1室とは別の第2室とに仕切られている。そして、冷媒入口から第1室に入った冷媒の少なくとも一部は、第1室から第2室に流れ、再び第2室から第1室に戻る。
ここでは、冷媒入口から冷媒ヘッダの内部空間に入った冷媒が、複数の扁平多穴管の各穴に流れ、扁平多穴管の外部を流れる流体と熱交換を行う。ここで、冷媒が気相および液相が混じる二相状態であった場合、仮に仕切り板がなければ、その内部空間において、冷媒入口に近いところの冷媒が主として液相となり冷媒入口から遠いところの冷媒が主として気相となる状況が生じる。その状況になると、液相の冷媒が多く流れる扁平多穴管と、気相の冷媒が多く流れる扁平多穴管とに分かれてしまい、冷媒の偏流が生じる。
しかし、第1観点に係る熱交換器では、ヘッダ長手方向に延びる仕切り板によって、冷媒ヘッダの内部空間を第1室と第2室とに分けている。そして、冷媒入口から第1室に入った冷媒の少なくとも一部が、第1室から第2室に流れ、再び第2室から第1室に戻るように冷媒ヘッダを構成している。すなわち、冷媒ヘッダの内部空間において、冷媒の一部が循環(ループ)するような構成を、ヘッダ長手方向に延びる仕切り板によって実現している。このような構成を採っているため、冷媒ヘッダの内部空間における循環流にのって、冷媒入口から遠いところまで液相の冷媒が届くようになり、冷媒ヘッダの内部空間の冷媒の液相・気相の偏りが少なくなる。引いては、各扁平多穴管を流れる冷媒の偏流も抑制される。
本発明の第2観点に係る熱交換器は、第1観点に係る熱交換器であって、冷媒ヘッダの内部空間には、ヘッダ長手方向の冷媒入口の側と反対側の端部に、第1開口が形成されている。第1開口は、第1室から第2室へと冷媒を流す。また、冷媒ヘッダの内部空間には、ヘッダ長手方向の冷媒入口の側の端部に、第2開口が形成されている。第2開口は、第2室から第1室へと冷媒を戻す。
ここでは、第1室から第2室へと冷媒を流す第1開口と、第2室から第1室へと冷媒を戻す第2開口とを、ヘッダ長手方向の一方の端部と他方の端部とに配している。このため、冷媒ヘッダの内部空間において冷媒が滞るデッドエリアが小さくなり、冷媒ヘッダの内部空間に液相の冷媒が滞留することが抑制される。
本発明の第3観点に係る熱交換器は、第2観点に係る熱交換器であって、冷媒入口は、流路面積が絞られたノズルである。また、第2開口は、冷媒入口の近傍に形成されている。そして、冷媒入口から冷媒ヘッダの内部空間に流入する冷媒の噴流により、冷媒入口の近傍が低圧力状態となって、第2開口を通って第2室から第1室へと戻る冷媒の流れが生じる。
ここでは、ノズルを通って冷媒ヘッダの内部空間に冷媒が入ってくるため、その冷媒の流速が速くなる。そして、ノズル(冷媒入口)の近傍に低圧力の空間が生まれることを利用して第2開口を介する第2室から第1室への冷媒の流れを生成している。このため、冷媒ヘッダの内部空間における冷媒の循環量を増やすことができている。すなわち、ノズルによる冷媒の噴流を利用してベンチュリ効果によって減圧状態を作り、その近傍に配した第2開口を通る冷媒の量を増やしているため、冷媒ヘッダの内部空間の冷媒の液相・気相の偏りが更に少なくなる。
本発明の第4観点に係る熱交換器は、第1〜第3観点のいずれかに係る熱交換器であって、仕切り板は、冷媒ヘッダの内部空間を第1室、第2室に仕切っている。そして、冷媒ヘッダの内部空間の冷媒は、第1室から扁平多穴管の複数の穴の一部の穴に流れ込み、第2室から扁平多穴管の複数の穴の残りの穴に流れ込む。
ここでは、仕切り板が冷媒ヘッダの内部空間を第1室、第2室に仕切っている。そして、扁平多穴管の穴が、第1室にも第2室にも露出しており、冷媒入口の側の第1室からだけではなく、第2室からも扁平多穴管の穴に冷媒が流れ込む。このような構成を採っているため、多くの冷媒が第1室から第2室に流れ、その冷媒の一部が第2室から再び第1室に戻る。これにより、自然と冷媒ヘッダの内部空間における冷媒循環量が多くなり、冷媒の偏流も更に抑制される。
また、第4観点に係る熱交換器では、冷媒ヘッダの内部空間の冷媒入口に近い側と冷媒入口から遠い側との冷媒の偏流、すなわち、冷媒ヘッダの長手方向の冷媒偏流が抑制されることに加えて、仕切り板が冷媒ヘッダの内部空間を第1室、第2室に仕切っているため、冷媒ヘッダの内部空間の第1室、第2室の冷媒の偏りも抑制することができる。
本発明の第5観点に係る熱交換器は、第1〜第3観点のいずれかに係る熱交換器であって、仕切り板は、冷媒ヘッダの内部空間を、扁平多穴管の複数の穴が露出しない第1室と、扁平多穴管の複数の穴が露出する第2室とに仕切っている。そして、冷媒ヘッダの内部空間の冷媒は、第2室から扁平多穴管の複数の穴に流れ込む。
ここでは、扁平多穴管の側の第2室と、その反対側の第1室とに、冷媒ヘッダの内部空間が分かれるように、仕切り板が配置される。そして、冷媒入口の側の第1室に入ってきた冷媒は、まず第1室を通り、そこから第2室に入った後に、扁平多穴管の複数の穴に流れ込む。このような構成を採っているため、多くの冷媒が第1室から第2室に流れ、その冷媒が第2室から扁平多穴管へと流れる。そして、一部の冷媒は、第2室から再び第1室に戻る。これにより、自然と冷媒ヘッダの内部空間における冷媒循環量が多くなり、冷媒の偏流が更に抑制される。
本発明の第6観点に係る熱交換器は、第5観点に係る熱交換器であって、第2室から第1室に戻る冷媒は、第2室の底面の近傍から第1室に戻る。
まず第1室から第2室に流れ、その冷媒が第2室から扁平多穴管へと流れるという構成を採る場合、流速が弱まった第2室において、液相の冷媒が第2室の下部に滞留することも想定される。これに鑑み、その第2室の下部に溜まった冷媒を、第2室の底面の近傍から第1室に戻る構造を、ここでは採用している。これにより、第2室の下部に滞留する液相の冷媒の量を減らすことができる。なお、第1室に戻された液相の冷媒は、冷媒の流速が速い第1室において気相の冷媒と混じり、第2室を経由して扁平多穴管へと流れる。
本発明の第7観点に係る熱交換器は、第1〜第6観点のいずれかに係る熱交換器であって、冷媒ヘッダとは別の折り返し冷媒ヘッダをさらに備える。冷媒ヘッダは、冷媒の入口配管が接続されるヘッダである。冷媒ヘッダの内部空間には、入口配管から冷媒が流れ込む。折り返し冷媒ヘッダの内部空間は、冷媒流入側の扁平多穴管が接続される冷媒流入側内部空間と、冷媒流出側の扁平多穴管が接続される冷媒流出側内部空間とに分かれている。冷媒流出側内部空間は、ヘッダ長手方向に延びる仕切り板によって、冷媒流入側内部空間の側の第3室と、第3室とは別の第4室とに仕切られる。そして、冷媒流入側内部空間から第3室に入った冷媒の少なくとも一部は、第3室から第4室に流れ、再び第4室から第3室に戻る。
この熱交換器では、折り返し冷媒ヘッダを備えているが、冷媒が折り返される熱交換器を蒸発器として用いた場合、一般に折り返すときの冷媒の冷媒乾き度が高くなる傾向にある。しかし、ここでは、冷媒ヘッダの内部空間だけではなく、折り返し冷媒ヘッダの冷媒流出側内部空間も、仕切り板によって2つの室に分けている。そして、折り返し冷媒ヘッダの冷媒流出側内部空間においても、冷媒の一部が循環(ループ)するような構成を、ヘッダ長手方向に延びる仕切り板によって実現している。このため、折り返し冷媒ヘッダの冷媒流出側内部空間でも、冷媒の液相・気相の偏りが少なくなる。
本発明の第1観点に係る熱交換器によれば、冷媒ヘッダの内部空間における循環流にのって、冷媒入口から遠いところまで液相の冷媒が届くようになり、冷媒ヘッダの内部空間の冷媒の液相・気相の偏りが少なくなり、各扁平多穴管を流れる冷媒の偏流も抑制される。
本発明の第2観点に係る熱交換器によれば、冷媒ヘッダの内部空間に液相の冷媒が滞留することが抑制される。
本発明の第3観点に係る熱交換器によれば、ノズルによる冷媒の噴流を利用して減圧状態を作り、その近傍に配した第2開口を通る冷媒の量を増やしているため、冷媒ヘッダの内部空間の冷媒の液相・気相の偏りが更に少なくなる。
本発明の第4観点に係る熱交換器によれば、冷媒ヘッダの長手方向の冷媒偏流が抑制されることに加えて、仕切り板が冷媒ヘッダの内部空間を第1室、第2室に、仕切っているため、冷媒ヘッダの内部空間の第1室、第2室の冷媒の偏りも抑制することができる。
本発明の第5観点に係る熱交換器によれば、冷媒ヘッダの内部空間における冷媒循環量が多くなり、冷媒の偏流が更に抑制される。
本発明の第6観点に係る熱交換器によれば、第2室の下部に溜まる液相の冷媒の量を減らすことができる。
本発明の第7観点に係る熱交換器によれば、折り返し冷媒ヘッダの冷媒流出側内部空間でも、冷媒の液相・気相の偏りが少なくなる。
本発明の一実施形態に係る熱交換器を備えるヒートポンプ式温水・冷水生成装置の冷媒回路および水循環回路を示す図。 冷凍装置の内部構造を示す図。 熱交換器の外観の一部を示す図。 熱交換器の上面図。 熱交換器の正面図。 図3のVI矢視断面図。 左側の冷媒ヘッダの縦断面図。 上下仕切り板の平面図。 左側の冷媒ヘッダおよび連結される扁平多穴管を背面側から見た図。 変形例Aに係る熱交換器の冷媒ヘッダの横断面図。 図10のXI-XI矢視断面図。 変形例Bに係る、右側の冷媒ヘッダ(折り返し冷媒ヘッダ)の縦断面図。
本発明の一実施形態に係る熱交換器10は、熱交換中に相変化を起こす冷媒と、他の熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器である。冷媒として、例えば、R407C、R410A、R134a、R32などのHFC冷媒が使用される。以下では、冷媒と熱交換を行う他の熱媒体として水を用いる場合を例として記載しているが、他の熱媒体は水に限定されるものではない。
以下、本発明の一実施形態に係る熱交換器10を、ヒートポンプ式温水・冷水生成装置90に組み込んだ例を説明する。
(1)ヒートポンプ式温水・冷水生成装置の構成
ヒートポンプ式温水・冷水生成装置90は、図1に示すように、熱源装置である冷凍装置91と、貯水ユニット92とを備える。
冷凍装置91は、主として、冷媒を圧縮する圧縮機93と、冷媒と水との間で熱交換を行わせる熱交換器10と、冷媒の減圧手段として機能する膨張弁94と、外気と冷媒との間で熱交換を行わせる空気熱交換器95とを備えている。そして、冷凍装置91では、圧縮機93、熱交換器10、膨張弁94、空気熱交換器95が冷媒配管によって接続され、冷媒が循環する冷媒回路が構成されている。また、冷凍装置91は、冷媒回路に四路切換弁91eを有しており、これを切り替えることで、冷熱源としても温熱源としても働く。四路切換弁91eが図1に示す状態になっているときには、空気熱交換器95が凝縮器として機能し、熱交換器10が蒸発器として機能することで、冷凍装置91が冷熱源として働く。
貯水ユニット92は、貯水タンク96と、水循環ポンプ97とを備える。そして、貯水ユニット92では、熱交換器10、貯水タンク96、水循環ポンプ97が順に接続されて、水が循環する水循環回路が構成されている。貯水タンク96に溜められる冷水あるいは温水は、図示しない二次側の設備において冷房や暖房、給湯といった用途に利用される。
図2は、冷凍装置91の内部構造を示す模式図である。図2において、断熱壁91cの右側区画が機械室91aであり、断熱壁91cの左側区画が送風機室91bである。機械室91aには、圧縮機93や膨張弁94、四路切換弁91eが配置されている。送風機室91bには、モータ(図示省略)によって駆動されるファン98が配置されている。
また、送風機室91bの下方には、断熱壁91dを隔てて熱交換器10が配置されている。そして、熱交換器10にて、冷媒回路を循環する冷媒と、水循環回路を循環する水との間で熱交換が行われる。なお、図2において、空気熱交換器95は、送風機室91bの左側と背面側に配置されている。
(2)熱交換器の構成
図3は、熱交換器10の外観の一部を示す図である。図6は、図3のVI矢視の断面図であり、図4は熱交換器10の上面図、図5は熱交換器10の正面図である。
なお、以下の説明において、熱交換器10における冷媒の流れを説明するときには、熱交換器10が冷媒の蒸発器として機能するときの冷媒の流れで説明を行う。熱交換器10が冷媒の凝縮器として機能するときの冷媒の流れについては、説明を省略する。
熱交換器10は、冷媒と水とを熱交換させる積層型のプレート式水熱交換器であって、複数の扁平管20と、複数の扁平多穴管40と、各扁平多穴管40の長手方向に交差する方向に延びる冷媒ヘッダ51,52と、を含んで構成される。また、各扁平管20は、連通部31,32で連通している。連通部31,32は、扁平管20の両端部近傍に設けられており、冷媒ヘッダ51,52の延びる方向に沿って延びている。なお、本実施形態の熱交換器10では、12個の扁平管20と、13個の扁平多穴管40と、が交互に積層されている。ただし、これら積層される扁平管20や扁平多穴管40の数は、要求される性能などに応じて適宜選択されるものであり、扁平管20や扁平多穴管40の数が、本実施形態の熱交換器10より多くても良く、あるいは、少なくても良い。
そして、扁平管20には水が流れ、扁平多穴管40には圧力の高い冷媒が流れる。このため、扁平多穴管40には、扁平管20よりも高い耐圧が要求される。扁平多穴管40の内部には、扁平多穴管40の長手方向(水平方向)に延びる複数の穴41が設けられている。また、扁平多穴管は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、ステンレスなどで形成することができるが、ここでは、アルミニウム合金製の扁平多穴管40を採用している。アルミニウム合金の引き抜き加工あるいは押し出し加工によって、複数の穴41を有する扁平多穴管40を成形している。
一方、内部に水が流れる扁平管20には、高い耐食性が要求される。このため、扁平管20は、ステンレス鋼や銅合金で形成されていることが好ましい。また、扁平管20をアルミニウムやアルミニウム合金から作ることもできるが、この場合には、水の流路となる内面にアルマイト加工や樹脂加工コーティングなどの防食処理を施すことが好ましい。なお、1つの扁平管20は、金属板のプレス加工により成形された対となる金属プレートが重ね合わされて、その外周縁がロウ付け又は溶接によって接合されることで構成されている。
(2−1)熱交換器における水の流路
扁平管20、扁平多穴管40及び冷媒ヘッダ51,52が水平方向に延びるように配置された熱交換器10を示す図4において、熱交換器10への水の入口管37および出口管38を含む左側の連通部31は扁平管20の左端部近傍に配置されており、熱交換器10の右側の連通部32は扁平管20の右端部近傍に配置されている。連通部31の入口管37及び出口管38には、それぞれ入口側コック80及び出口側コック81が設けられている。また、連通部31,32の入口管37及び出口管38には、配管などと接続される出入口ポート36が設けられている(図3参照)。また、連通部31は、図4に示すように、仕切部によって内部空間が2つの空間31a,31bに仕切られている。
このような構成により、図4において、水は、連通部31の入口管37から空間31aに入り、6本の扁平管20に分岐してその中を左から右に向かって流れ、連通部32において合流する。合流した水は、出口管38側の6本の扁平管20に分岐し、それらの中を右から左に向かって流れ、連通部31の空間31bで合流する。そして、合流した水は、出口管38を経て熱交換器10から流出する。なお、熱交換器10が冷媒の蒸発器として機能する場合、水は、12個の扁平管20の中を流れる間に、扁平多穴管40の冷媒に熱を奪われて冷却される。
(2−2)熱交換器における冷媒の流路
直線状の冷媒ヘッダ51,52は、左右方向に水平に延びる13個の扁平多穴管40の長手方向の両端部に配置されている。熱交換器10の上面図である図4において、扁平多穴管40の左端部に配置される冷媒ヘッダが冷媒ヘッダ51、扁平多穴管40の右端部に配置される冷媒ヘッダが冷媒ヘッダ52である。
冷媒ヘッダ51,52には、図4に示すように、その内部空間を2つの空間に仕切る前後仕切り板68a,68bが設けられている。前後仕切り板68a,68bは、冷媒ヘッダ51,52の延びる前後方向に直交する面を形成している。そして、冷媒ヘッダ51の前後仕切り板68aは、冷媒ヘッダ51の内部空間を、後側内部空間IS10と前側内部空間IS20とに仕切っている。また、冷媒ヘッダ52の前後仕切り板68bは、冷媒ヘッダ52の内部空間を、後側内部空間IS30と前側内部空間IS40とに仕切っている。なお、冷媒ヘッダ51の前後仕切り板68aには穴が開いておらず、冷媒ヘッダ52の前後仕切り板68bには穴が開いている。
冷媒ヘッダ52の後側内部空間IS30には、後側の6本の扁平多穴管40が接続されており、これらの6本の扁平多穴管40から冷媒が流入してくる。前側の7本の扁平多穴管40が接続されている冷媒ヘッダ52の前側内部空間IS40は、これらの7本の扁平多穴管40に冷媒を分岐させて流出する。すなわち、冷媒ヘッダ52は、冷媒を折り返す折り返しヘッダである。
図4において、冷媒は、入口配管57から冷媒ヘッダ52の後側内部空間IS10に入り、後側の6本の扁平多穴管40に分岐してそれらの中を左から右に向かって流れ、冷媒ヘッダ52の後側内部空間IS30で合流する。合流した冷媒は、前後仕切り板68bの穴を通って後側内部空間IS30から前側内部空間IS40に移り、前側の7本の扁平多穴管40に分岐してその中を右から左に向かって流れ、冷媒ヘッダ51の前側内部空間IS20で合流する。そして、合流した冷媒は、出口配管58を経て熱交換器10から流出する。なお、熱交換器10が冷媒の蒸発器として機能する場合、冷媒は、扁平多穴管40の中を流れる間に、扁平管20を流れる水から熱を奪って蒸発する。
なお、ここでは、連通部31及び冷媒ヘッダ51,52が、それぞれ、2つの空間に仕切られているが、仕切られる空間の数はこれに限定されない。また、連通部32の内部空間が仕切られていてもよい。
(2−3)冷媒ヘッダの詳細構成
次に、左側の冷媒ヘッダ51の詳細構造、特に、熱交換器10が冷媒の蒸発器として機能する場合に入口配管57から気液二相の冷媒が流れ込む、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10に関係する構造について説明する。
図7に、冷媒ヘッダ51の縦断面図を示す。冷媒ヘッダ51は、そのヘッダ長手方向が前後方向であって、主として、水平方向(前後方向)に長く延びる筒状部材65と、後端板66と、前端板67と、上述の前後仕切り板68aと、上下仕切り板69とから構成されている。
(2−3−1)筒状部材
筒状部材65は、その内部空間IS10,IS20が正面視において略D字状であり(図9参照)、フラットな右側面(図9における左側の側面)に13本の上下に延びるスリットが形成されている。これらのスリットには、図4および図5に示すように、右側から扁平多穴管40が差し込まれる。
(2−3−2)後端板
後端板66は、筒状部材65の左側面に形成された後側スリットから差し込まれ、筒状部材65の後ろの開口を塞ぐ。この後端板66には、図9に示すように、下部にノズル穴EN1が開けられている。冷媒入口となるノズル穴EN1の直径は、後端板66に連結される入口配管57の内径よりも小さい。すなわち、ノズル穴EN1は、入口配管57を流れてくる冷媒の流路面積を絞る役割を果たす。ノズル穴EN1から後側内部空間IS10に入る冷媒は、噴流となる。
(2−3−3)前端板
前端板67は、筒状部材65の左側面に形成された前側スリットから差し込まれ、筒状部材65の前の開口を塞ぐ。この前端板67には、図7に示すように、上部に冷媒出口穴EX1が開けられている。この冷媒出口穴EX1に、出口配管58が連結される。
(2−3−4)前後仕切り板
前後仕切り板68aは、筒状部材65の左側面に形成された中央スリットから差し込まれ、内部空間を、後側内部空間IS10と前側内部空間IS20とに仕切る。後側内部空間IS10には、後側の6本の扁平多穴管40が差し込まれ、前側内部空間IS20には、前側の7本の扁平多穴管40が差し込まれる。
なお、扁平多穴管40は左右方向に水平に延び、冷媒ヘッダ51は前後方向に水平に延び、扁平多穴管40の長手方向と冷媒ヘッダ51の長手方向とは直交している。また、この熱交換器10の設置状態において、各扁平多穴管40の多数の穴41は、鉛直方向に沿って並ぶ。
(2−3−5)上下仕切り板
上下仕切り板69は、ヘッダ長手方向に延び、後側内部空間IS10をノズル穴EN1に面した第1室IS11と、それとは別の第2室IS12とに仕切っている。より詳細に言えば、上下仕切り板69は、後側内部空間IS10を、下側の第1室IS11と、上側の第2室IS12とに仕切っている。図8に示すように、長方形の上下仕切り板69には、扁平多穴管40を避けるための切り欠き69aと、前側の切り欠き69bと、後側の切り欠き69cとが形成されている。図7および図8に示すように、前側の切り欠き69bは、前後仕切り板68aとともに、第1室IS11と第2室IS12とを連通させる第1開口PA1を形成する。また、後側の切り欠き69cは、後端板66とともに、第1室IS11と第2室IS12とを連通させる第2開口PA2を形成する。第1開口PA1は、ノズル穴EN1から遠い後側内部空間IS10の前端部に位置し、第2開口PA2は、ノズル穴EN1に近い後側内部空間IS10の後端部に位置している。図7に示すように、第2開口PA2は、ノズル穴EN1の近傍に配置されている。
(2−3−6)冷媒ヘッダ内の冷媒の流れ
冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10における冷媒の流れを説明する。
入口配管57を流れてきてノズル穴EN1を通った冷媒は、噴流となって後側内部空間IS10の下側の第1室IS11に流れ込む。冷媒の約半分は、扁平多穴管40の下部の複数の穴41に流れ込むが、残りの冷媒は、第1開口PA1を通って第1室IS11から第2室IS12に流れる。そして、第2室IS12に流れた冷媒の大半は、第2室IS12から扁平多穴管40の上部の複数の穴41に流れ込む。第2室IS12に流れた冷媒の一部は、第2開口PA2を通って再び第2室IS12から第1室IS11に戻る。
冷凍装置91の冷媒回路を流れる冷媒量が多いときは、第2開口PA2を通って第2室IS12から第1室IS11に戻る冷媒量が多くなり、冷凍装置91の冷媒回路を流れる冷媒量が少ないときは、第2開口PA2を通って第2室IS12から第1室IS11に戻る冷媒量が少なくなる。
なお、第2開口PA2がノズル穴EN1の近傍に配置されているため、ノズル穴EN1の近傍が低圧力状態となって、第2開口PA2を通って第2室IS12から第1室IS11へと戻る冷媒の流れが促進される。
(3)熱交換器の特徴
(3−1)
熱交換器10では、ノズル穴EN1から冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10に入った冷媒が、複数の扁平多穴管40の各穴41に流れ、扁平多穴管40に隣接する扁平管20を流れる水と熱交換を行う。ここで、熱交換器10が蒸発器として機能し、膨張弁94で減圧された冷媒が気相および液相が混じる二相状態であった場合、冷媒ヘッダ51が水平方向に沿って延びているため、仮に上下仕切り板69がなければ、その後側内部空間IS10において、ノズル穴EN1に近いところの冷媒が主として液相となり、ノズル穴EN1から遠いところの冷媒が主として気相となる状況が生じる。その状況になると、液相の冷媒が多く流れる扁平多穴管40と、気相の冷媒が多く流れる扁平多穴管40とに分かれてしまい、冷媒の偏流が生じる。
しかし、本発明を適用した熱交換器10では、ヘッダ長手方向に延びる上下仕切り板69によって、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10を第1室IS11と第2室IS12とに分けている。そして、ノズル穴EN1から第1室IS11に入った冷媒の一部が、第1室IS11から第2室IS12に流れ、再び第2室IS12から第1室IS11に戻るように冷媒ヘッダ51を構成している。すなわち、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10において、冷媒の一部が循環(ループ)するような構成を、上下仕切り板69によって実現している。このような構成を採っているため、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10における循環流にのって、ノズル穴EN1から遠いところまで液相の冷媒が届くようになり、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10の冷媒の液相・気相の偏りが少なくなっている。引いては、各扁平多穴管40を流れる冷媒の偏流も抑制されている。
(3−2)
熱交換器10では、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10の第1室IS11から第2室IS12へと冷媒を流す第1開口PA1と、第2室IS12から第1室IS11へと冷媒を戻す第2開口PA2とを、ヘッダ長手方向の前端部と後端部とに配している。このため、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10において冷媒が滞るデッドエリアが小さくなり、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10に液相の冷媒が滞留することが抑制されている。
(3−3)
熱交換器10では、ノズル穴EN1を通って冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10に冷媒が入ってくるため、その冷媒の流速が速くなる。そして、ノズル穴EN1の近傍に低圧力の空間が生まれることを利用して、第2開口PA2を介する第2室IS12から第1室IS11への冷媒の流れを促進している。このため、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10における冷媒の循環量を増やすことができている。すなわち、ノズル穴EN1による冷媒の噴流を利用してベンチュリ効果によって減圧状態を作り、その近傍に配した第2開口PA2を通る冷媒の量を増やしているため、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10の冷媒の液相・気相の偏りが更に少なくなっている。
(3−4)
熱交換器10では、冷媒入口であるノズル穴EN1の側の第1室IS11を下に配置し、その上に第2室IS12が配置されるように、上下仕切り板69が冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10を上下に仕切っている。そして、扁平多穴管40の穴41が、第1室IS11にも第2室IS12にも露出しており、ノズル穴EN1の側の第1室IS11からだけではなく、第2室IS12からも扁平多穴管40の穴41に冷媒が流れ込む。このような構成を採っているため、多くの冷媒が第1室IS11から第2室IS12に流れ、その冷媒の一部が第2室IS12から再び第1室IS11に戻る。これにより、自然と冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10における冷媒循環量が多くなり、冷媒の偏流も更に抑制されている。
また、熱交換器10では、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10のノズル穴EN1に近い側(後側)とノズル穴EN1から遠い側(前側)との冷媒の偏流、すなわち、冷媒ヘッダ51の長手方向の冷媒偏流が抑制されることに加えて、上下仕切り板69が冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10を上下に仕切っているため、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10の上部・下部の冷媒の偏りも抑制することができている。
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記の熱交換器10では、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10を上下仕切り板69で上下に仕切る構造を採用しているが、上下ではなく、左右に仕切る構造を採用してもよい。
図10に、変形例Aに係る熱交換器の冷媒ヘッダ151を水平面で切断した断面図を示す。図10の紙面左右方向が、冷媒ヘッダ151のヘッダ長手方向であり、図10の紙面上下方向が、扁平多穴管140の長手方向である。冷媒ヘッダ151は、冷媒ヘッダ51と同じく、そのヘッダ長手方向が前後方向であって、主として、水平方向(前後方向)に長く延びる筒状部材165と、後端板166と、前端板167と、前後仕切り板168aと、左右仕切り板169とから構成されている。
筒状部材165は、筒状部材65と同じく、その内部空間IS110,IS120が正面視において略D字状であり、フラットな右側面(図10における上側の側面)に13本の上下に延びるスリットが形成されている。これらのスリットには、扁平多穴管140が差し込まれる。なお、扁平多穴管140は、扁平多穴管40と同じく、図11に示すように、多数の穴141が鉛直方向(図10の紙面に直交する方向)に沿って並ぶように配置される。
後端板166は、筒状部材165の左側面に形成された後側スリットから差し込まれ、筒状部材165の後ろの開口を塞ぐ。この後端板166には、図10に示すように、ノズル穴EN101が開けられている。冷媒入口となるノズル穴EN101の直径は、後端板166に連結される入口配管157の内径よりも小さい。すなわち、ノズル穴EN101は、入口配管157を流れてくる冷媒の流路面積を絞る役割を果たす。ノズル穴EN101から後側内部空間IS110に入る冷媒は、噴流となる。
前端板167は、筒状部材165の左側面に形成された前側スリットから差し込まれ、筒状部材165の前の開口を塞ぐ。この前端板167には、図10に示すように、冷媒出口穴EX101が開けられている。この冷媒出口穴EX101に、出口配管158が連結される。
前後仕切り板168aは、筒状部材165の左側面に形成された中央スリットから差し込まれ、筒状部材165の内部空間を、後側内部空間IS110と前側内部空間IS120とに仕切る。後側内部空間IS110には、後側の6本の扁平多穴管140が差し込まれ、前側内部空間IS120には、前側の7本の扁平多穴管140が差し込まれる。扁平多穴管140は左右方向に水平に延び、冷媒ヘッダ151は前後方向に水平に延び、扁平多穴管140の長手方向と冷媒ヘッダ151の長手方向とは直交している。
左右仕切り板169は、ヘッダ長手方向に延び、後側内部空間IS110をノズル穴EN101に面した第1室IS111と、それとは別の第2室IS112とに仕切っている。より詳細に言えば、左右仕切り板169は、後側内部空間IS110を、扁平多穴管140の複数の穴141が露出しない左側の第1室IS111と、扁平多穴管140の複数の穴141が露出する右側の第2室IS112とに仕切っている。そして、冷媒ヘッダ151の内部空間に入った冷媒は、第2室IS112から扁平多穴管140の複数の穴141に流れ込む。左右仕切り板169には、図11に示すように、前側の切り欠き169aと、後側の切り欠き169bとが形成されている。前側の切り欠き169aは、前後仕切り板168aとともに、第1室IS111と第2室IS112とを連通させる第1開口PA101を形成する。また、後側の切り欠き169bは、後端板166とともに、第1室IS111と第2室IS112とを連通させる第2開口PA102を形成する。第1開口PA101は、ノズル穴EN101から遠く、第2開口PA102は、ノズル穴EN101に近い。図11に示すように、第2開口PA102は、ノズル穴EN101の近傍で且つ第1室IS111および第2室IS112の底面の近傍に配置されている。
以上のような構造を採る変形例に係る熱交換器は、冷媒ヘッダ151において、扁平多穴管140の側の第2室IS112(右側の室)と、その反対側の第1室IS111(左側の室)とに内部空間が分かれるように、左右仕切り板169を配置している。そして、ノズル穴EN101の側の第1室IS111に入ってきた冷媒は、まず第1室IS111を通り、そこから第2室IS112に入った後に、扁平多穴管140の複数の穴141に流れ込む。このような構成を採っているため、多くの冷媒が第1室IS111から第2室IS112に流れ、その冷媒が第2室IS112から扁平多穴管140へと流れる。そして、一部の冷媒は、第2室IS112から再び第1室IS111に戻る。これにより、自然と冷媒ヘッダ151の後側内部空間IS110における冷媒循環量が多くなり、冷媒の偏流が抑制される。
また、まず第1室IS111から第2室IS112に流れ、その冷媒が第2室IS112から扁平多穴管140へと流れるという構成を採っているため、冷媒の流速が弱まった第2室IS112において、液相の冷媒が下部に滞留することも想定される。これに鑑み、変形例に係る熱交換器では、冷媒ヘッダ151の後側内部空間IS110において、第2室IS112から第1室IS111に戻る冷媒が、第2室IS112の底面の近傍から第1室IS111に戻るという構造を採っている。すなわち、第2室IS112の下部に溜まった冷媒を、第2室IS112の底面の近傍から第2開口PA102を介して第1室IS111に戻す構造を、ここでは採用している。これにより、第2室IS112の下部に滞留する液相の冷媒の量を減らすことができる。なお、第1室IS111に戻された液相の冷媒は、冷媒の流速が速い第1室IS111において気相の冷媒と混じり、第2室IS112を経由して扁平多穴管140へと流れることになる。
(4−2)変形例B
上記の熱交換器10では、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10を上下仕切り板69で上下に仕切る構造を採用しており、その変形例Aでは、後側内部空間IS10を左右仕切り板169で仕切る構造を採用しているが、このような仕切り構造を、冷媒ヘッダ52の内部空間においても採用することができる。具体的には、冷媒ヘッダ52の前後仕切り板68bよりも前側の前側内部空間IS40を、上下仕切り板69b(図4および図12参照)あるいは左右仕切り板によって2つの室(第3室および第4室)に分けてもよい。
例えば、図12に示すように上下仕切り板69bによって前側内部空間IS40を上下に仕切り、下側の第3室IS43と上側の第4室IS44とに分けた場合、冷媒ヘッダ52の前後仕切り板68bの下部の穴68b1を通って後側内部空間IS30から第3室IS43に入った冷媒の少なくとも一部が、第3室IS43から第4室IS44に流れる。そして、上下仕切り板69bの前側の開口PA3を通って第3室IS43から第4室IS44に流れた冷媒が、上下仕切り板69bの後側の開口PA4を通って再び第4室IS44から第3室IS43に戻る。このような冷媒のループ構成を採れば、冷媒の折り返し部として機能し冷媒乾き度が高くなりがちな冷媒ヘッダ52の前側内部空間IS40においても、冷媒の液相・気相の偏りが少なくなり、前側の7本の扁平多穴管40を流れる冷媒の偏流も抑制される。
10 熱交換器
40 扁平多穴管
41 扁平多穴管の複数の穴
51 冷媒ヘッダ
52 冷媒ヘッダ(折り返し冷媒ヘッダ)
57 入口配管
69 上下仕切り板(仕切り板)
69b 上下仕切り板(仕切り板)
140 扁平多穴管
141 扁平多穴管の複数の穴
151 冷媒ヘッダ
169 左右仕切り板(仕切り板)
EN1,EN101 ノズル穴(冷媒入口)
IS10,IS110 後側内部空間(冷媒ヘッダの内部空間)
IS11,IS111 第1室
IS12,IS112 第2室
IS30 後側内部空間(冷媒流入側内部空間)
IS40 前側内部空間(冷媒流出側内部空間)
IS43 第3室
IS44 第4室
PA1,PA101 第1開口
PA2,PA102 第2開口
特開2014−142165号公報

Claims (8)

  1. 冷媒入口(EN1,EN101)が形成されている冷媒ヘッダ(51,151)と、
    前記冷媒ヘッダのヘッダ長手方向と交差する方向に延び、前記冷媒ヘッダから冷媒が流れ込む、複数の扁平多穴管(40,140)と、
    を備え、
    前記冷媒ヘッダの内部空間(IS10,IS110)は、前記ヘッダ長手方向に延びる仕切り板(69,169)によって、前記冷媒入口の側の第1室(IS11,IS111)と、前記第1室とは別の第2室(IS12,IS112)とに仕切られ、
    前記複数の扁平多穴管(40)の複数の穴の一部の穴は前記第1室(IS11)に接続されており、前記複数の扁平多穴管(40)の複数の穴の残りの穴は前記第2室(IS12)に接続されており、
    前記冷媒入口から前記第1室に入った冷媒の少なくとも一部は、前記第1室から前記第2室に流れ、再び前記第2室から前記第1室に戻る、
    熱交換器(10)。
  2. 前記冷媒ヘッダの内部空間には、前記ヘッダ長手方向の前記冷媒入口の側と反対側の端部に、前記第1室から前記第2室へと冷媒を流す第1開口(PA1,PA101)が形成され、前記ヘッダ長手方向の前記冷媒入口の側の端部に、前記第2室から前記第1室へと冷媒を戻す第2開口(PA2,PA102)が形成されている、
    請求項1に記載の熱交換器。
  3. 前記冷媒入口は、流路面積が絞られたノズルであり、
    前記第2開口は、前記冷媒入口の近傍に形成されており、
    前記冷媒入口から前記冷媒ヘッダの内部空間に流入する冷媒の噴流により、前記冷媒入口の近傍が低圧力状態となって、前記第2開口を通って前記第2室から前記第1室へと戻る冷媒の流れが生じる、
    請求項2に記載の熱交換器。
  4. 前記第2室(IS112)から前記第1室(IS111)に戻る冷媒は、前記第2室の底面の近傍から前記第1室に戻る、
    請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器。
  5. 前記扁平多穴管の冷媒が流れる穴は、水平方向に延びている、請求項1からのいずれかに記載の熱交換器。
  6. 前記扁平多穴管の複数の穴は、前記冷媒ヘッダのヘッダ長手方向と交差する方向に沿って並んでいる、請求項1からのいずれかに記載の熱交換器。
  7. 前記扁平多穴管の複数の穴は、鉛直方向に沿って並んでいる、請求項1からのいずれかに記載の熱交換器。
  8. 前記冷媒ヘッダ(51)は、冷媒の入口配管(57)が接続されるヘッダであり、
    前記冷媒ヘッダ(51)とは別の、折り返し冷媒ヘッダ(52)、
    をさらに備え、
    前記冷媒ヘッダ(51)の内部空間(IS10)には、前記入口配管(57)から冷媒が流れ込み、
    前記折り返し冷媒ヘッダ(52)の内部空間は、冷媒流入側の前記扁平多穴管(40)が接続される冷媒流入側内部空間(IS30)と、冷媒流出側の前記扁平多穴管(40)が接続される冷媒流出側内部空間(IS40)とに分かれており、
    前記冷媒流出側内部空間(IS40)は、ヘッダ長手方向に延びる仕切り板(69b)によって、前記冷媒流入側内部空間(IS30)の側の第3室(IS43)と、前記第3室とは別の第4室(IS44)とに仕切られ、
    前記冷媒流入側内部空間(IS30)から前記第3室に入った冷媒の少なくとも一部は、前記第3室から前記第4室に流れ、再び前記第4室から前記第3室に戻る、
    請求項1からのいずれかに記載の熱交換器。
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