JP6531380B2 - 熱交換器 - Google Patents
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Description
ヒートポンプ式温水・冷水生成装置90は、図1に示すように、熱源装置である冷凍装置91と、貯水ユニット92とを備える。
図3は、熱交換器10の外観の一部を示す図である。図6は、図3のVI矢視の断面図であり、図4は熱交換器10の上面図、図5は熱交換器10の正面図である。
扁平管20、扁平多穴管40及び冷媒ヘッダ51,52が水平方向に延びるように配置された熱交換器10を示す図4において、熱交換器10への水の入口管37および出口管38を含む左側の連通部31は扁平管20の左端部近傍に配置されており、熱交換器10の右側の連通部32は扁平管20の右端部近傍に配置されている。連通部31の入口管37及び出口管38には、それぞれ入口側コック80及び出口側コック81が設けられている。また、連通部31,32の入口管37及び出口管38には、配管などと接続される出入口ポート36が設けられている(図3参照)。また、連通部31は、図4に示すように、仕切部によって内部空間が2つの空間31a,31bに仕切られている。
直線状の冷媒ヘッダ51,52は、左右方向に水平に延びる13個の扁平多穴管40の長手方向の両端部に配置されている。熱交換器10の上面図である図4において、扁平多穴管40の左端部に配置される冷媒ヘッダが冷媒ヘッダ51、扁平多穴管40の右端部に配置される冷媒ヘッダが冷媒ヘッダ52である。
次に、左側の冷媒ヘッダ51の詳細構造、特に、熱交換器10が冷媒の蒸発器として機能する場合に入口配管57から気液二相の冷媒が流れ込む、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10に関係する構造について説明する。
筒状部材65は、その内部空間IS10,IS20が正面視において略D字状であり(図9参照)、フラットな右側面(図9における左側の側面)に13本の上下に延びるスリットが形成されている。これらのスリットには、図4および図5に示すように、右側から扁平多穴管40が差し込まれる。
後端板66は、筒状部材65の左側面に形成された後側スリットから差し込まれ、筒状部材65の後ろの開口を塞ぐ。この後端板66には、図9に示すように、下部にノズル穴EN1が開けられている。冷媒入口となるノズル穴EN1の直径は、後端板66に連結される入口配管57の内径よりも小さい。すなわち、ノズル穴EN1は、入口配管57を流れてくる冷媒の流路面積を絞る役割を果たす。ノズル穴EN1から後側内部空間IS10に入る冷媒は、噴流となる。
前端板67は、筒状部材65の左側面に形成された前側スリットから差し込まれ、筒状部材65の前の開口を塞ぐ。この前端板67には、図7に示すように、上部に冷媒出口穴EX1が開けられている。この冷媒出口穴EX1に、出口配管58が連結される。
前後仕切り板68aは、筒状部材65の左側面に形成された中央スリットから差し込まれ、内部空間を、後側内部空間IS10と前側内部空間IS20とに仕切る。後側内部空間IS10には、後側の6本の扁平多穴管40が差し込まれ、前側内部空間IS20には、前側の7本の扁平多穴管40が差し込まれる。
上下仕切り板69は、ヘッダ長手方向に延び、後側内部空間IS10をノズル穴EN1に面した第1室IS11と、それとは別の第2室IS12とに仕切っている。より詳細に言えば、上下仕切り板69は、後側内部空間IS10を、下側の第1室IS11と、上側の第2室IS12とに仕切っている。図8に示すように、長方形の上下仕切り板69には、扁平多穴管40を避けるための切り欠き69aと、前側の切り欠き69bと、後側の切り欠き69cとが形成されている。図7および図8に示すように、前側の切り欠き69bは、前後仕切り板68aとともに、第1室IS11と第2室IS12とを連通させる第1開口PA1を形成する。また、後側の切り欠き69cは、後端板66とともに、第1室IS11と第2室IS12とを連通させる第2開口PA2を形成する。第1開口PA1は、ノズル穴EN1から遠い後側内部空間IS10の前端部に位置し、第2開口PA2は、ノズル穴EN1に近い後側内部空間IS10の後端部に位置している。図7に示すように、第2開口PA2は、ノズル穴EN1の近傍に配置されている。
冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10における冷媒の流れを説明する。
(3−1)
熱交換器10では、ノズル穴EN1から冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10に入った冷媒が、複数の扁平多穴管40の各穴41に流れ、扁平多穴管40に隣接する扁平管20を流れる水と熱交換を行う。ここで、熱交換器10が蒸発器として機能し、膨張弁94で減圧された冷媒が気相および液相が混じる二相状態であった場合、冷媒ヘッダ51が水平方向に沿って延びているため、仮に上下仕切り板69がなければ、その後側内部空間IS10において、ノズル穴EN1に近いところの冷媒が主として液相となり、ノズル穴EN1から遠いところの冷媒が主として気相となる状況が生じる。その状況になると、液相の冷媒が多く流れる扁平多穴管40と、気相の冷媒が多く流れる扁平多穴管40とに分かれてしまい、冷媒の偏流が生じる。
熱交換器10では、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10の第1室IS11から第2室IS12へと冷媒を流す第1開口PA1と、第2室IS12から第1室IS11へと冷媒を戻す第2開口PA2とを、ヘッダ長手方向の前端部と後端部とに配している。このため、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10において冷媒が滞るデッドエリアが小さくなり、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10に液相の冷媒が滞留することが抑制されている。
熱交換器10では、ノズル穴EN1を通って冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10に冷媒が入ってくるため、その冷媒の流速が速くなる。そして、ノズル穴EN1の近傍に低圧力の空間が生まれることを利用して、第2開口PA2を介する第2室IS12から第1室IS11への冷媒の流れを促進している。このため、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10における冷媒の循環量を増やすことができている。すなわち、ノズル穴EN1による冷媒の噴流を利用してベンチュリ効果によって減圧状態を作り、その近傍に配した第2開口PA2を通る冷媒の量を増やしているため、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10の冷媒の液相・気相の偏りが更に少なくなっている。
熱交換器10では、冷媒入口であるノズル穴EN1の側の第1室IS11を下に配置し、その上に第2室IS12が配置されるように、上下仕切り板69が冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10を上下に仕切っている。そして、扁平多穴管40の穴41が、第1室IS11にも第2室IS12にも露出しており、ノズル穴EN1の側の第1室IS11からだけではなく、第2室IS12からも扁平多穴管40の穴41に冷媒が流れ込む。このような構成を採っているため、多くの冷媒が第1室IS11から第2室IS12に流れ、その冷媒の一部が第2室IS12から再び第1室IS11に戻る。これにより、自然と冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10における冷媒循環量が多くなり、冷媒の偏流も更に抑制されている。
(4−1)変形例A
上記の熱交換器10では、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10を上下仕切り板69で上下に仕切る構造を採用しているが、上下ではなく、左右に仕切る構造を採用してもよい。
上記の熱交換器10では、冷媒ヘッダ51の後側内部空間IS10を上下仕切り板69で上下に仕切る構造を採用しており、その変形例Aでは、後側内部空間IS10を左右仕切り板169で仕切る構造を採用しているが、このような仕切り構造を、冷媒ヘッダ52の内部空間においても採用することができる。具体的には、冷媒ヘッダ52の前後仕切り板68bよりも前側の前側内部空間IS40を、上下仕切り板69b(図4および図12参照)あるいは左右仕切り板によって2つの室(第3室および第4室)に分けてもよい。
40 扁平多穴管
41 扁平多穴管の複数の穴
51 冷媒ヘッダ
52 冷媒ヘッダ(折り返し冷媒ヘッダ)
57 入口配管
69 上下仕切り板(仕切り板)
69b 上下仕切り板(仕切り板)
140 扁平多穴管
141 扁平多穴管の複数の穴
151 冷媒ヘッダ
169 左右仕切り板(仕切り板)
EN1,EN101 ノズル穴(冷媒入口)
IS10,IS110 後側内部空間(冷媒ヘッダの内部空間)
IS11,IS111 第1室
IS12,IS112 第2室
IS30 後側内部空間(冷媒流入側内部空間)
IS40 前側内部空間(冷媒流出側内部空間)
IS43 第3室
IS44 第4室
PA1,PA101 第1開口
PA2,PA102 第2開口
Claims (8)
- 冷媒入口(EN1,EN101)が形成されている冷媒ヘッダ(51,151)と、
前記冷媒ヘッダのヘッダ長手方向と交差する方向に延び、前記冷媒ヘッダから冷媒が流れ込む、複数の扁平多穴管(40,140)と、
を備え、
前記冷媒ヘッダの内部空間(IS10,IS110)は、前記ヘッダ長手方向に延びる仕切り板(69,169)によって、前記冷媒入口の側の第1室(IS11,IS111)と、前記第1室とは別の第2室(IS12,IS112)とに仕切られ、
前記複数の扁平多穴管(40)の複数の穴の一部の穴は前記第1室(IS11)に接続されており、前記複数の扁平多穴管(40)の複数の穴の残りの穴は前記第2室(IS12)に接続されており、
前記冷媒入口から前記第1室に入った冷媒の少なくとも一部は、前記第1室から前記第2室に流れ、再び前記第2室から前記第1室に戻る、
熱交換器(10)。 - 前記冷媒ヘッダの内部空間には、前記ヘッダ長手方向の前記冷媒入口の側と反対側の端部に、前記第1室から前記第2室へと冷媒を流す第1開口(PA1,PA101)が形成され、前記ヘッダ長手方向の前記冷媒入口の側の端部に、前記第2室から前記第1室へと冷媒を戻す第2開口(PA2,PA102)が形成されている、
請求項1に記載の熱交換器。 - 前記冷媒入口は、流路面積が絞られたノズルであり、
前記第2開口は、前記冷媒入口の近傍に形成されており、
前記冷媒入口から前記冷媒ヘッダの内部空間に流入する冷媒の噴流により、前記冷媒入口の近傍が低圧力状態となって、前記第2開口を通って前記第2室から前記第1室へと戻る冷媒の流れが生じる、
請求項2に記載の熱交換器。 - 前記第2室(IS112)から前記第1室(IS111)に戻る冷媒は、前記第2室の底面の近傍から前記第1室に戻る、
請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器。 - 前記扁平多穴管の冷媒が流れる穴は、水平方向に延びている、請求項1から4のいずれかに記載の熱交換器。
- 前記扁平多穴管の複数の穴は、前記冷媒ヘッダのヘッダ長手方向と交差する方向に沿って並んでいる、請求項1から5のいずれかに記載の熱交換器。
- 前記扁平多穴管の複数の穴は、鉛直方向に沿って並んでいる、請求項1から6のいずれかに記載の熱交換器。
- 前記冷媒ヘッダ(51)は、冷媒の入口配管(57)が接続されるヘッダであり、
前記冷媒ヘッダ(51)とは別の、折り返し冷媒ヘッダ(52)、
をさらに備え、
前記冷媒ヘッダ(51)の内部空間(IS10)には、前記入口配管(57)から冷媒が流れ込み、
前記折り返し冷媒ヘッダ(52)の内部空間は、冷媒流入側の前記扁平多穴管(40)が接続される冷媒流入側内部空間(IS30)と、冷媒流出側の前記扁平多穴管(40)が接続される冷媒流出側内部空間(IS40)とに分かれており、
前記冷媒流出側内部空間(IS40)は、ヘッダ長手方向に延びる仕切り板(69b)によって、前記冷媒流入側内部空間(IS30)の側の第3室(IS43)と、前記第3室とは別の第4室(IS44)とに仕切られ、
前記冷媒流入側内部空間(IS30)から前記第3室に入った冷媒の少なくとも一部は、前記第3室から前記第4室に流れ、再び前記第4室から前記第3室に戻る、
請求項1から7のいずれかに記載の熱交換器。
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